JP2003095994A - α−オレフィンの製造方法 - Google Patents

α−オレフィンの製造方法

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JP2003095994A JP2002202463A JP2002202463A JP2003095994A JP 2003095994 A JP2003095994 A JP 2003095994A JP 2002202463 A JP2002202463 A JP 2002202463A JP 2002202463 A JP2002202463 A JP 2002202463A JP 2003095994 A JP2003095994 A JP 2003095994A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第一級アルコールまたはエーテルを原料とし
て用い、脱離反応を行なってα−オレフィンを製造する
にあたって、全オレフィン生成物中のα−オレフィンの
比率が高く、かつ触媒の反応性および生成物の選択性を
長期に維持することができ、環境への負荷も少なく、工
業的に有利なα−オレフィンの製造方法を提供する。 【解決手段】 第一級アルコールまたはエーテルの脱離
反応によりα−オレフィンを製造する方法において、ア
ミン共存下でアルミナ触媒を使用することを特徴とする
α−オレフィンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は第一級アルコールま
たはエーテルからα−オレフィンを製造する方法に関す
る。本発明によって提供されるα−オレフィンはポリオ
レフィンの原料、可塑剤原料などとして有用である。
【0002】
【従来の技術】第一級アルコールまたはエーテルの脱離
反応によりα−オレフィンを製造できることは公知であ
る。しかし、多くの反応系においてはα−オレフィンと
同時に異性体である内部オレフィンが生成し、この内部
オレフィンはα−オレフィンとの分離が困難であると共
に、純度の高いα−オレフィンを得る上で問題となる。
第一級アルコールまたはエーテルからα−オレフィンを
比較的高純度で製造する方法として、例えば(1)J.
Am.Chem.Soc.,vol.83、2847−
2852頁(1961年)では、5種類のγ−アルミナ
を用いてn−ブタノールから1−ブテンの合成を行い、
γ−アルミナ中に塩基成分が多い方が生成物である全ブ
テン中の1−ブテン比率が最大97.3%と高く、また
反応温度の低い方が全ブテン中の1−ブテンの比率が高
いことが示されている。また、(2)US4,234,
752号明細書では、200〜500℃の条件で、不活
性ガスの存在下で、塩基で処理したγ−アルミナを触媒
として用いて第一級アルコールを脱水反応する方法を開
示しており、具体的には、γ−アルミナを予め水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどの塩基の水溶液に浸し、
γ−アルミナ表面の酸成分を中和することにより、生成
物である全オレフィン中のα−オレフィンの比を向上さ
せている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】第一級アルコールまた
はエーテルの脱離反応によりα−オレフィンを工業的に
有利に製造するには、以下の3つの課題を同時に解決で
きることが重要である。 (a)第一級アルコールまたはエーテルの脱離反応で
は、目的物であるα−オレフィン以外に異性体である内
部オレフィンが生成しうる。この内部オレフィンとα−
オレフィンとの沸点差はごく僅かであるので、蒸留によ
って高純度のα−オレフィンを分離しようとすると、内
部オレフィンの生成量が多いほど、分離の際のα−オレ
フィンのロスはコスト的に無視できなくなるほど大きく
なる。したがって、α−オレフィンを選択率よく高純度
で得られること。 (b)使用する触媒がその反応性および生成物の選択性
を長期間維持できること。 (c)コストおよび環境問題の観点から廃棄物が削減で
きること。
【0004】かかる観点から上記(1)及び(2)の方
法を検討すると、それぞれ以下のような問題点が認めら
れる。上記(a)に関して:(1)および(2)の方法
はともに全オレフィン中のα−オレフィン比率が97%
程度であり、高純度のα−オレフィンを分離する工程に
おけるα−オレフィンのロスが大きくなってしまう。
【0005】上記(b)に関して:(1)の方法は、調
製時よりカリウム成分を混合してγ−アルミナを作成し
て触媒として用いており、また(2)の方法は、塩基で
処理したγ−アルミナの具体例として水酸化カリウムな
どのアルカリ金属水酸化物の水溶液にγ−アルミナを含
浸させ、水洗後に乾燥して得たものを触媒として使用し
ており、ともにアルカリ金属水酸化物を使用してγ−ア
ルミナ表面の酸点を中和することで、全オレフィン中の
α−オレフィンの比率の向上を達成している。しかしな
がら、これらの触媒は、反応時においてアルカリ金属成
分の溶出等により、触媒表面に変化が生じる可能性が高
い。このように触媒表面の状態が変化すると、(1)の
方法では反応性および生成物の選択性が変化してしま
う。また、(2)の方法でも、同様に反応性および生成
物の選択性が変化してしまうことから、反応をいったん
停止して触媒を再度アルカリ金属水酸化物などの塩基で
処理しなければならない。また、長期間連続的に反応さ
せる場合には前記した触媒の再処理工程が定期的に必要
となる。したがって、(1)、(2)の方法は、工業的
な触媒として使用に耐えうる活性、選択性、触媒寿命を
十分兼ね備えているとは言い難い。
【0006】上記(c)に関して:(1)および(2)
の方法は、上記のように触媒の調製あるいは前処理にい
ずれもアルカリ金属水酸化物を使用するので、アルカリ
性水溶液が廃液として発生し、かかるアルカリ性水溶液
を排出する際には酸で中和する必要があり、廃液の容積
が増加するという問題点を有する。このように、従来知
られている第一級アルコールまたはエーテルの脱離反応
によるα−オレフィンの製造方法には、更に改良の余地
がある。
【0007】しかして、本発明の目的は、第一級アルコ
ールまたはエーテルを原料として用い、脱離反応を行な
ってα−オレフィンを製造するにあたって、全オレフィ
ン生成物中のα−オレフィンの比率が高く、かつ触媒の
反応性および生成物の選択性を長期に維持することがで
き、環境への負荷も少なく、工業的に有利なα−オレフ
ィンの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するべく鋭意検討した。その結果、第一級アル
コールまたはエーテルからα−オレフィンを製造する方
法において、アミン共存下でアルミナを触媒として使用
することで、全オレフィン生成物中のα−オレフィン比
率を高くすることができる条件を見出し、さらに長期に
わたって触媒の反応性および生成物の選択性を維持でき
ることを見出した。また反応において中間体として生成
するエーテル化合物および未反応の原料を反応生成物よ
り分離して回収し、再び反応させても、同様に反応が進
行して全オレフィン生成物中のα−オレフィン比率が高
いことを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、(i)第一級アルコ
ールまたはエーテルの脱離反応によりα−オレフィンを
製造する方法において、アミン共存下でアルミナ触媒を
使用することを特徴とするα−オレフィンの製造方法で
ある。また、本発明は、(ii)反応で生成するエーテ
ル中間体、および未反応の第一級アルコールまたはエー
テルを反応生成物より分離して回収し、その少なくとも
一部を反応系に再び供給することを特徴とする(i)の
方法を包含する。さらに、本発明は、(iii)アミン
として、その常圧における沸点が、生成物であるα−オ
レフィンの常圧における沸点よりも30℃以上高いアミ
ンを使用することを特徴とする(i)または(ii)の
方法を包含する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の方法において用いる第一級アルコールまたはエ
ーテルは、下記式(I)
【0011】
【化1】
【0012】(式中、Rは炭素数3〜20の直鎖状ま
たは分岐状のアルキル基を表し、Rは水素原子または
炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を
表す。)で示される。
【0013】上記式中、Rが表す炭素数3〜20の直
鎖状または分岐状のアルキル基としては、例えばn−プ
ロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル
基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル
基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシ
ル基、オクタデシル基などが挙げられる。また、R
表す炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基
としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イ
ソペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−
オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、ウンデシル
基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オ
クタデシル基などが挙げられる。
【0014】第一級アルコールとしては、例えばn−ブ
タノール、n−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノ
ール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−ノナ
ノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ド
デカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノ
ールなどが挙げられ、これらの中でもn−ヘキサノー
ル、n−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノー
ルを用いるのが好ましい。また、エーテルとしては、例
えばメチルペンチルエーテル、ヘキシルメチルエーテ
ル、メチルオクチルエーテル、メチルノニルエーテル、
デシルメチルエーテル、エチルペンチルエーテル、エチ
ルヘキシルエーテル、エチルオクチルエーテル、メチル
ノニルエーテル、メチルデシルエーテル、イソプロピル
ペンチルエーテル、ヘキシルイソプロピルエーテル、イ
ソプロピルオクチルエーテル、イソプロピルノニルエー
テル、デシルイソプロピルエーテル、ジヘキシルエーテ
ル、ジオクチルエーテル、ジデシルエーテルなどが挙げ
られる。
【0015】本発明の方法に用いるアルミナ触媒として
は、工業的に生産され、市販されているγ−アルミナ、
Al−SiO、Al−Cr、Al
−ZrO、Al−TiOなどのアルミ
ナ類を特に制限無く用いることができる。これらのアル
ミナの中でも本発明の方法においてはアルミナ触媒とし
てγ−アルミナを用いることが特に好ましい。アルミナ
触媒はリチウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネ
シウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、ランタンな
どの希土類金属を少量含んでいても良い。アルミナ触媒
の形状および大きさに特に制限はなく、粒状、ペレット
状、円筒状などの任意の形状および任意の大きさのもの
を反応器の形状または大きさに応じて使用することがで
きる。
【0016】本発明の方法においてアルミナ触媒と共存
させるアミンは特に限定されず、例えばブチルアミン、
ヘキシルアミン、オクチルアミンなどの第一級アミン;
ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン
などの第二級アミン;トリブチルアミン,トリエチレン
ジアミン,テトラメチルエチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサメチレンジ
アミンなどの第三級アミン;1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、ジメチル
アミノピリジンなどの環状アミンなどが挙げられる。
【0017】アミンの使用量は特に限定されないが、原
料として使用する第一級アルコールまたはエーテルに対
して通常0.1〜20質量%の範囲であり、0.1〜5
質量%の範囲がより好ましい。
【0018】本発明の方法における反応の実施形態は特
に限定されず、例えば回分式反応方法、連続式反応方法
などにより行うことができる。これらの中でも、操作の
簡便性、生産性などの観点から、固定床反応装置を用い
た連続式反応方法が好ましい。固定床反応装置として
は、例えば単管式、多管式などの通常の気相固定床反応
装置を好ましく用いることができる。
【0019】本発明の方法において、反応温度は特に限
定されないが、通常、気相条件での反応となるように1
50℃〜350℃の範囲で実施するのが好ましく、20
0℃〜320℃の範囲がより好ましい。反応圧力も特に
限定されないが、気相条件での反応となるように使用原
料に応じて適宜設定することができ、通常、3〜500
kPaの範囲が好ましく、30〜300kPaの範囲が
より好ましい。
【0020】本発明の方法において、アミンは、原料と
して使用する第一級アルコールまたはエーテルとは別の
経路で、第一級アルコールまたはエーテルと同時にアル
ミナ触媒を充填した反応器に供給してもよいが、原料と
して使用する第一級アルコールまたはエーテルと予め混
合し、その混合液をアルミナ触媒を充填した反応器に供
給するのが、操作、装置の簡便性などの観点から好まし
い。かかる混合液の供給速度は、アルミナ触媒の充填容
積、第一級アルコールまたはエーテルの種類、反応温
度、反応圧力等によって変化しうるが、生成物中の全オ
レフィン中のα−オレフィン比率をポリオレフィン原料
などととして求められる高い値に保つ観点からは、通
常、液空間速度(Liquid Hourly Space Verocity:
LHSV)として0.1〜50hr−1の範囲であり、
0.5〜10hr−1の範囲がより好ましい。
【0021】なお、本発明の方法においては、アミン、
原料として使用する第一級アルコールまたはエーテルと
ともに、ヘリウム、アルゴンなどの反応に不活性なガス
を供給してもよい。反応に不活性なガスを供給する場
合、その供給量は、通常、0.1〜1000リットル/
原料(第一級アルコールまたはエーテル)1kgの範囲
が好ましく、0.5〜300リットル/原料1kgの範
囲がより好ましい。
【0022】このようにして得られた反応混合物を単蒸
留することにより、目的物であるα−オレフィン、内部
オレフィンなどの他のオレフィン類および水などを分離
し、必要に応じてさらに蒸留などの手段で精製して、ポ
リオレフィン原料などととして求められる高純度のα−
オレフィンを得ることができる。
【0023】本発明の方法では、反応混合物における全
オレフィン生成物中のα−オレフィン比率を、複数回の
蒸留精製を必要としない程度に高めうる観点から、原料
として使用する第一級アルコールまたはエーテルの転化
率は75%以下に調整するのが好ましく、70%以下に
調整するのがより好ましく、65%以下とするのがさら
に好ましい。
【0024】反応混合物中には、オレフィン生成物、水
などの他、未反応の原料(第一級アルコールまたはエー
テル)、アミン、および反応の過程で生成するエーテル
中間体が含まれる。
【0025】ここで、反応の過程で生成するエーテル中
間体とは、原料としてR−O−Hで表される第一級ア
ルコールを用いた場合にはR−O−Rで表されるエ
ーテルであり、原料としてR−O−Rで表されるエ
ーテルを用いた場合にはR−O−RおよびR−O
−Rの2種類のエーテルである。例えば、原料として
n−オクタノールを用いた場合、ここでいうエーテル中
間体とは、ジオクチルエーテルを意味する。
【0026】これらの未反応原料およびエーテル中間体
は、反応混合物からオレフィン生成物、水などの比較的
低沸点の生成物を蒸留によって分離した後、残留物とし
て回収し、その少なくとも一部を再び反応系へ供給する
ことでα−オレフィンを製造できる。この操作により、
本発明の方法においては廃液量を極めて低減し、かつ使
用原料に対する収率を高めることができる。
【0027】上記した観点からは、本発明の方法におい
ては、アルミナ触媒と共存させるアミンとして、目的生
成物であるα−オレフィンと容易に分離でき、またその
アミンが未反応原料(第一級アルコールまたはエーテ
ル)およびエーテル中間体と分離することなく回収でき
るものが好ましく、その常圧における沸点が、生成物で
あるα−オレフィンの常圧における沸点よりも30℃以
上高いアミンを使用することが好ましく、50℃以上高
いアミンを使用することが特に好ましい。上記のような
アミンを使用すれば、反応混合物からオレフィン生成
物、水などの比較的低沸点の生成物を蒸留によって分離
した後、未反応原料およびエーテル中間体と共にアミン
を残留物中に存在させうるので、かかる残留物の少なく
とも一部を再び反応系へ供給する際には、アミンを新た
に添加あるいは混合する必要が無く、有利である。例え
ば、n−オクタノール(沸点:196℃/常圧)を原料
とした場合、生成物は1−オクテン(沸点:121℃/
常圧)、エーテル中間体はジ−n−オクチルエーテル
(沸点:287℃/常圧)であり、アミンとしては例え
ばオクチルアミン(沸点177℃/常圧)、トリブチル
アミン(沸点:216℃/常圧)、N,N,N’,N’
−テトラメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン(沸
点:210℃/常圧)などが好ましい。
【0028】本発明のα−オレフィンの製造方法によれ
ば、全オレフィン生成物中のα−オレフィンの比率が高
く、さらに長期にわたって触媒活性を維持できる。ま
た、本発明の方法では、未反応原料および副生するエー
テル中間体を同様の触媒を用いて反応させることが可能
であり、工業的かつ環境面から見ても有利にα−オレフ
ィンを製造できる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例によりなんら制限されるも
のではない。
【0030】実施例1 ガラス製反応管(長さ1500mm、内径22mm)に
日揮化学社製γ−アルミナ触媒(N613N)を20m
l充填し、反応管を電気炉で300℃に加熱した。この
反応管に、n−オクチルアミン(沸点177℃)を1質
量%添加したn−オクタノール(沸点196℃)を52
ml/hr(LHSV=2.6hr−1)で常圧にて反
応器に供給した。反応の間、触媒層の中心温度を300
℃に保った。反応管出口より得られた反応ガスを冷却管
に通して凝縮させ、反応混合液を回収した。かかる反応
混合液を所定の反応経過時にサンプリングし、ガスクロ
マトグラフィーにより分析した。150時間同一条件下
で連続的に反応を実施したところ、反応成績に変化は見
られなかった。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2〜4 実施例1において、反応管に供給するn−オクタノール
に添加するアミンの種類を変更する以外、実施例1と同
様の条件で反応を行い、反応開始後2時間経過時の反応
混合液をサンプリングし、ガスクロマトグラフィーによ
り分析した。各実施例で使用したアミンは、実施例2が
ジメチルアミノピリジン(沸点:162℃/6.7kP
a)、実施例3が1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデカ−7−エン(沸点:81℃/79.8P
a)、実施例4がN,N,N’,N’−テトラメチル−
1,6−ヘキサメチレンジアミン(沸点:210℃/常
圧)であった。結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】比較例1 実施例1において、反応管に供給するn−オクタノール
にアミンを添加しなかったこと以外、実施例1と同様の
条件で反応を行い、反応開始後2時間経過時の反応混合
液をサンプリングし、ガスクロマトグラフィーにより分
析した。得られた結果を表3に示す。
【0035】比較例2 実施例1において、触媒として、pH9.9の水酸化ナ
トリウム水溶液100mlに、γ−アルミナ(水沢化学
社製:RN−03)を5gの割合で24時間室温で含浸
させ、水洗後、乾燥させて焼成した塩基処理アルミナを
用い、かつ、反応管に供給するn−オクタノールにアミ
ンを添加しないこととした以外は、実施例1と同様の条
件で反応を行い、反応開始後2時間経過時の反応混合液
をサンプリングし、ガスクロマトグラフィーにより分析
した。得られた結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】比較例1および2より、アミンを添加しな
い場合には、上記実施例と比較してオクテン類生成物中
の1−オクテンの比率が大きく下がり、工業的に不利で
あることが分かる。また、塩基処理アルミナを用いた場
合には、比較例1に比べてオクテン類生成物中の1−オ
クテンの比率は向上したが、工業的に満足できるもので
はない。
【0038】実施例5 実施例1において、ジメチルアミノピリジン(沸点:1
62℃/6.7kPa)を1質量%添加したn−オクタ
ノール(沸点196℃)を18ml/hr(LHSV=
0.9hr−1)で常圧にて反応器に供給した以外は、
実施例1と同様の条件で反応を行い、反応開始後2時間
経過時の反応混合液をサンプリングし、ガスクロマトグ
ラフィーにより分析した。得られた結果を表4に示す。
【0039】実施例6 実施例1において、1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデカ−7−エン(沸点:81℃/79.8P
a)を1質量%添加したn−オクタノール(沸点196
℃)を26ml/hr(LHSV=1.3hr−1)で
常圧にて反応器に供給した以外は、実施例1と同様の条
件で反応を行い、反応開始後2時間経過時の反応混合液
をサンプリングし、ガスクロマトグラフィーにより分析
した。得られた結果を表4に示す。
【0040】実施例7 実施例1において、反応管を電気炉で280℃に加熱
し、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキ
サメチレンジアミン(沸点:210℃)を1質量%添加
したn−オクタノール(沸点196℃)を52ml/h
r(LHSV=2.6hr−1)で常圧にて反応器に供
給し、反応の間、触媒層の中心温度を280℃に保った
以外は、実施例1と同様の条件で反応を行い、反応開始
後2時間経過時の反応混合液をサンプリングし、ガスク
ロマトグラフィーにより分析した。得られた結果を表4
に示す。
【0041】
【表4】
【0042】実施例8 実施例1において、n−オクタノールの代わりにメチル
オクチルエーテルを用いた以外は実施例1と同様の条件
にて反応を行った。メチルオクチルエーテルの転化率は
25.0%であり、オクテン類生成物の選択率は72%
であり、オクテン類生成物中の1−オクテンの比率は9
8.5%であった。
【0043】実施例9 実施例1で得られた反応混合液から単蒸留によりオクテ
ン類を留去したのち、その残留物(組成:n−オクタノ
ール67質量%、ジオクチルエーテル32質量%、n−
オクチルアミン1質量%)を原料とした以外は実施例1
と同様の条件にて反応を行った。得られた反応混合液の
組成は、n−オクタノール43.7質量%、ジ−n−オ
クチルエーテル質量26.0%、オクテン類30.3質
量%、オクテン類中の1−オクテンの比率は98.5%
であった。このことから、反応混合液から分離し、回収
した未反応原料とエーテル中間体を原料としても良好に
反応が進行することが確認された。
【0044】実施例10 実施例1において、n−オクタノールの代わりにn−ノ
ナノールを用いた以外は実施例1と同様の条件にて反応
を行った。n−ノナノールの転化率は38.5%であ
り、ノネン類生成物の選択率は38.9%であり、ノネ
ン類生成物中の1−ノネンの比率は98.7%であっ
た。
【0045】実施例11 実施例1において、n−オクタノールの代わりにn−デ
カノールを用いた以外は実施例1と同様の条件にて反応
を行った。n−デカノールの転化率は40.2%であ
り、デセン類生成物の選択率は39.5%であり、デセ
ン類生成物中の1−デセンの比率は98.6%であっ
た。
【0046】
【発明の効果】本発明のα−オレフィンの製造方法によ
れば、全オレフィン生成物中のα−オレフィンの比率が
高く、さらに長期にわたって触媒活性を維持できる。ま
た、本発明の方法では、未反応原料および副生するエー
テル中間体を同様の触媒を用いて反応させることが可能
であり、工業的かつ環境面から見ても有利にα−オレフ
ィンを製造できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC13 BA09 BA30 BA51 BD33 BD52 4H039 CA21 CG10 CG90

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一級アルコールまたはエーテルの脱離
    反応によりα−オレフィンを製造する方法において、ア
    ミン共存下でアルミナ触媒を使用することを特徴とする
    α−オレフィンの製造方法。
  2. 【請求項2】 反応で生成するエーテル中間体、および
    未反応の第一級アルコールまたはエーテルを反応生成物
    より分離して回収し、その少なくとも一部を反応系に再
    び供給することを特徴とする請求項1に記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 アミンとして、その常圧における沸点
    が、生成物であるα−オレフィンの常圧における沸点よ
    りも30℃以上高いアミンを使用することを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 第一級アルコールとしてn−オクタノー
    ルを用いる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
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