JP2003095838A - 光重合性歯科用コーティング組成物 - Google Patents
光重合性歯科用コーティング組成物Info
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- JP2003095838A JP2003095838A JP2001288261A JP2001288261A JP2003095838A JP 2003095838 A JP2003095838 A JP 2003095838A JP 2001288261 A JP2001288261 A JP 2001288261A JP 2001288261 A JP2001288261 A JP 2001288261A JP 2003095838 A JP2003095838 A JP 2003095838A
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- dental
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- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/0008—Organic ingredients according to more than one of the "one dot" groups of C08K5/01 - C08K5/59
- C08K5/0025—Crosslinking or vulcanising agents; including accelerators
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/49—Phosphorus-containing compounds
- C08K5/51—Phosphorus bound to oxygen
- C08K5/53—Phosphorus bound to oxygen bound to oxygen and to carbon only
- C08K5/5397—Phosphine oxides
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 歯冠修復材,歯科用充填材,義歯・義歯床用
レジン等の歯科用レジン材料面に塗布し適用した際には
可視光線の照射で充分に硬化し、硬化後の表面が滑沢で
且つ無色透明な硬化表面となり、耐久性,耐摩耗性,耐
着色性にも優れた皮膜を形成することが可能な光重合性
歯科用コーティング組成物を提供する。 【解決手段】 揮発性(メタ)アクリレート化合物と、
架橋剤である多官能アクリレートと、硬化後の耐久性、
耐摩耗性、耐着色性を向上させるための少なくとも一つ
のフルオロカーボンで構成されるフルオロアルキル基を
含有する(メタ)アクリレート化合物と、モノマーの重
合促進効果が高く組成物に黄色みが残存しないアシルフ
ォスフィンオキサイド系重合開始剤とで光重合性歯科用
コーティング組成物とする。
レジン等の歯科用レジン材料面に塗布し適用した際には
可視光線の照射で充分に硬化し、硬化後の表面が滑沢で
且つ無色透明な硬化表面となり、耐久性,耐摩耗性,耐
着色性にも優れた皮膜を形成することが可能な光重合性
歯科用コーティング組成物を提供する。 【解決手段】 揮発性(メタ)アクリレート化合物と、
架橋剤である多官能アクリレートと、硬化後の耐久性、
耐摩耗性、耐着色性を向上させるための少なくとも一つ
のフルオロカーボンで構成されるフルオロアルキル基を
含有する(メタ)アクリレート化合物と、モノマーの重
合促進効果が高く組成物に黄色みが残存しないアシルフ
ォスフィンオキサイド系重合開始剤とで光重合性歯科用
コーティング組成物とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯冠修復材,歯科
用充填材,義歯・義歯床用レジン等の歯科用レジン材料
の表面に適用し、可視光線の照射により重合させて歯科
用レジン材料表面の滑沢性,耐久性等を向上させる歯科
用コーティング材に関するものである。
用充填材,義歯・義歯床用レジン等の歯科用レジン材料
の表面に適用し、可視光線の照射により重合させて歯科
用レジン材料表面の滑沢性,耐久性等を向上させる歯科
用コーティング材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の歯科治療では、インレー,アンレ
ー,クラウン等の歯冠修復物や歯牙欠損部への充填材料
及び義歯床用材料に有機系の歯科用レジン材料が多用さ
れている。この歯科用レジン材料は、口腔内に露出する
材料の表面が可能な限り平滑なことが望ましいので、入
念な研磨作業が必要とされている。その結果、充分な表
面平滑性を得るために研磨に多大な時間を費やさなけれ
ばならないという問題があった。また、口腔内の過酷な
環境下で使用されるため、歯科用レジン材料の表面の劣
化による着色,汚染が発生するという点も問題であっ
た。これらの問題点を解決するために歯科用レジン材料
の表面を平滑に研磨した後、重合性モノマーを主成分と
する比較的硬度の高い歯科用コーティング材で歯科用レ
ジン材料表面を被覆し保護することが行われている。
ー,クラウン等の歯冠修復物や歯牙欠損部への充填材料
及び義歯床用材料に有機系の歯科用レジン材料が多用さ
れている。この歯科用レジン材料は、口腔内に露出する
材料の表面が可能な限り平滑なことが望ましいので、入
念な研磨作業が必要とされている。その結果、充分な表
面平滑性を得るために研磨に多大な時間を費やさなけれ
ばならないという問題があった。また、口腔内の過酷な
環境下で使用されるため、歯科用レジン材料の表面の劣
化による着色,汚染が発生するという点も問題であっ
た。これらの問題点を解決するために歯科用レジン材料
の表面を平滑に研磨した後、重合性モノマーを主成分と
する比較的硬度の高い歯科用コーティング材で歯科用レ
ジン材料表面を被覆し保護することが行われている。
【0003】従来、歯科用コーティング材には、紫外線
重合型インク等の分野で多用されるアクリル系ハードコ
ート技術を流用した、光重合性オリゴマーと反応性モノ
マーと紫外線感応型重合開始剤とから成る紫外線重合性
歯科用コーティング組成物が使用されていた。しかし、
紫外線重合性歯科用コーティング組成物は重合時に生体
為害性のある紫外線を使用することから、より安全な可
視光線を使用する歯科用コーティング材が望まれてい
た。そこで、可視光重合性歯科用コーティング組成物と
して、(メタ)アクリレート系モノマーと光重合開始剤
とを含有する種々の組成物が提案されており、歯科用レ
ジン材料用等多岐に亘る分野で使用されている。
重合型インク等の分野で多用されるアクリル系ハードコ
ート技術を流用した、光重合性オリゴマーと反応性モノ
マーと紫外線感応型重合開始剤とから成る紫外線重合性
歯科用コーティング組成物が使用されていた。しかし、
紫外線重合性歯科用コーティング組成物は重合時に生体
為害性のある紫外線を使用することから、より安全な可
視光線を使用する歯科用コーティング材が望まれてい
た。そこで、可視光重合性歯科用コーティング組成物と
して、(メタ)アクリレート系モノマーと光重合開始剤
とを含有する種々の組成物が提案されており、歯科用レ
ジン材料用等多岐に亘る分野で使用されている。
【0004】しかし、(メタ)アクリレート系モノマー
を主成分とする光重合性歯科用コーティング組成物に光
を照射すると、ラジカル重合連鎖反応が開始され重合反
応が起こるが、このとき空気中の酸素が重合阻害因子と
して作用するため重合硬化した歯科用コーティング材の
表面に未重合の(メタ)アクリレート系モノマーが残存
してしまう。そのため、硬化した歯科用コーティング材
の表面は滑沢性に欠け、甚だしい場合には硬化すること
なくいつまでもべとつくといった問題があり、この問題
は紫外線よりも可視光線による光重合の場合の方が特に
著しいものであった。
を主成分とする光重合性歯科用コーティング組成物に光
を照射すると、ラジカル重合連鎖反応が開始され重合反
応が起こるが、このとき空気中の酸素が重合阻害因子と
して作用するため重合硬化した歯科用コーティング材の
表面に未重合の(メタ)アクリレート系モノマーが残存
してしまう。そのため、硬化した歯科用コーティング材
の表面は滑沢性に欠け、甚だしい場合には硬化すること
なくいつまでもべとつくといった問題があり、この問題
は紫外線よりも可視光線による光重合の場合の方が特に
著しいものであった。
【0005】更に、歯科用コーティング材として特開昭
63−183904号公報には、ジペンタエリスリトー
ルアクリレート系単量体と、該単量体の揮発性溶剤と、
重合開始剤とを主成分とする可視光重合硬化性組成物が
提案されており、光重合開始剤としてカンファーキノン
が記載されている。しかし、歯科分野で広く使用されて
いる光重合開始剤であるカンファーキノンは物質本来の
色として黄色を呈しているため、それを含む組成物も黄
色みが強く、また可視光線の照射により得られた硬化膜
の色も黄色味が残存することがあるため、審美性におい
て劣るという欠点があった。この問題を解決する提案と
して、特開平4−366113号公報には可視光重合硬
化性組成物が、また特開平4−29910号公報には光
重合性歯科用表面被覆材が提案されているが、いずれも
耐着色性や耐汚染性に劣るといった問題があった。
63−183904号公報には、ジペンタエリスリトー
ルアクリレート系単量体と、該単量体の揮発性溶剤と、
重合開始剤とを主成分とする可視光重合硬化性組成物が
提案されており、光重合開始剤としてカンファーキノン
が記載されている。しかし、歯科分野で広く使用されて
いる光重合開始剤であるカンファーキノンは物質本来の
色として黄色を呈しているため、それを含む組成物も黄
色みが強く、また可視光線の照射により得られた硬化膜
の色も黄色味が残存することがあるため、審美性におい
て劣るという欠点があった。この問題を解決する提案と
して、特開平4−366113号公報には可視光重合硬
化性組成物が、また特開平4−29910号公報には光
重合性歯科用表面被覆材が提案されているが、いずれも
耐着色性や耐汚染性に劣るといった問題があった。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、歯
冠修復材,歯科用充填材,義歯・義歯床用レジン等の歯
科用レジン材料面に塗布し適用した際には可視光線の照
射で充分に硬化し、硬化後の表面が滑沢で且つ無色透明
な硬化表面となり、耐久性,耐摩耗性,耐着色性にも優
れた皮膜を形成することが可能な光重合性歯科用コーテ
ィング組成物を提供することを課題とする。
冠修復材,歯科用充填材,義歯・義歯床用レジン等の歯
科用レジン材料面に塗布し適用した際には可視光線の照
射で充分に硬化し、硬化後の表面が滑沢で且つ無色透明
な硬化表面となり、耐久性,耐摩耗性,耐着色性にも優
れた皮膜を形成することが可能な光重合性歯科用コーテ
ィング組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、速やかに重合し優
れた表面硬化性を与えるために揮発性(メタ)アクリレ
ート化合物と架橋剤である多官能アクリレートとを使用
し、硬化後の耐久性,耐摩耗性,耐着色性を向上させる
ために特定のフルオロアルキル基を含有する(メタ)ア
クリレート化合物を使用し、更に前記モノマーの重合促
進効果が高く且つ重合した組成物に黄色みを残存させな
い特定の光重合開始剤を使用した光重合性歯科用コーテ
ィング組成物が、前記課題を解決することが可能である
ことを究明して本発明を完成した。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、速やかに重合し優
れた表面硬化性を与えるために揮発性(メタ)アクリレ
ート化合物と架橋剤である多官能アクリレートとを使用
し、硬化後の耐久性,耐摩耗性,耐着色性を向上させる
ために特定のフルオロアルキル基を含有する(メタ)ア
クリレート化合物を使用し、更に前記モノマーの重合促
進効果が高く且つ重合した組成物に黄色みを残存させな
い特定の光重合開始剤を使用した光重合性歯科用コーテ
ィング組成物が、前記課題を解決することが可能である
ことを究明して本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明は、(A)多官能アクリレー
トと、(B)揮発性(メタ)アクリレート化合物と、(C)
少なくとも一つのフルオロカーボンで構成されるフルオ
ロアルキル基を含有する(メタ)アクリレート化合物
と、(D)アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤と
から成ることを特徴とする光重合性歯科用コーティング
組成物であり、特に(A)多官能アクリレート:10〜7
0重量%と、(B)揮発性(メタ)アクリレート化合物:
10〜70重量%と、(C)少なくとも一つのフルオロカ
ーボンで構成されるフルオロアルキル基を含有する(メ
タ)アクリレート化合物:10〜70重量%と、(D)ア
シルフォスフィンオキサイド系重合開始剤0.1〜10
重量%とから成る光重合性歯科用コーティング組成物で
あると好ましく、中でも(C)少なくとも一つのフルオロ
カーボンで構成されるフルオロアルキル基を含有する
(メタ)アクリレート化合物が2,2,2−トリフルオ
ロエチルメタクリレート又は2,2,2−トリフルオロ
エチルアクリレートであると特に好ましいのである。
トと、(B)揮発性(メタ)アクリレート化合物と、(C)
少なくとも一つのフルオロカーボンで構成されるフルオ
ロアルキル基を含有する(メタ)アクリレート化合物
と、(D)アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤と
から成ることを特徴とする光重合性歯科用コーティング
組成物であり、特に(A)多官能アクリレート:10〜7
0重量%と、(B)揮発性(メタ)アクリレート化合物:
10〜70重量%と、(C)少なくとも一つのフルオロカ
ーボンで構成されるフルオロアルキル基を含有する(メ
タ)アクリレート化合物:10〜70重量%と、(D)ア
シルフォスフィンオキサイド系重合開始剤0.1〜10
重量%とから成る光重合性歯科用コーティング組成物で
あると好ましく、中でも(C)少なくとも一つのフルオロ
カーボンで構成されるフルオロアルキル基を含有する
(メタ)アクリレート化合物が2,2,2−トリフルオ
ロエチルメタクリレート又は2,2,2−トリフルオロ
エチルアクリレートであると特に好ましいのである。
【0009】本発明で使用する(A)成分である多官能ア
クリレートは、架橋剤として作用する複数のアクリロイ
ル基を有するモノマーであり、複数のアクリロイル基を
有するモノマーの中でもできる限り重合反応基の多いモ
ノマーを選択することが好ましいので、ペンタエリスリ
トールアクリレート又はジペンタエリスリトールアクリ
レート等の1分子中において3つ以上の水酸基がアクリ
ル酸エステルに修飾された多官能アクリレートであるこ
とが好ましい。更に詳細には、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ートや、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレートが好ましく、中でも
操作性や安全性を考慮するとジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレートが最も好ましい。本発明に使用する
(A)多官能アクリレートの配合量は、重合速度や硬化後
の光沢及び強度を考慮すると、組成物中に10〜70重
量%の範囲が好ましい。10重量%未満である場合は硬
化後の強度が不足する傾向があり、70重量%を超える
と塗布時の乾燥性に劣る傾向がある。
クリレートは、架橋剤として作用する複数のアクリロイ
ル基を有するモノマーであり、複数のアクリロイル基を
有するモノマーの中でもできる限り重合反応基の多いモ
ノマーを選択することが好ましいので、ペンタエリスリ
トールアクリレート又はジペンタエリスリトールアクリ
レート等の1分子中において3つ以上の水酸基がアクリ
ル酸エステルに修飾された多官能アクリレートであるこ
とが好ましい。更に詳細には、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ートや、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレートが好ましく、中でも
操作性や安全性を考慮するとジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレートが最も好ましい。本発明に使用する
(A)多官能アクリレートの配合量は、重合速度や硬化後
の光沢及び強度を考慮すると、組成物中に10〜70重
量%の範囲が好ましい。10重量%未満である場合は硬
化後の強度が不足する傾向があり、70重量%を超える
と塗布時の乾燥性に劣る傾向がある。
【0010】本発明で使用する(B)成分である揮発性
(メタ)アクリレート化合物は、速やかに重合し優れた
表面硬化性を与えるために使用する揮発性の高いアクリ
レート又はメタクリレートである。光重合性歯科用コー
ティング組成物を歯科用レジン材料に塗布した際に、塗
膜の表面の揮発性モノマーが蒸散して結果として表面の
みの光重合開始剤の濃度が上昇し、光重合性歯科用コー
ティング組成物の表面硬化性を向上させることが可能と
なる。この揮発性(メタ)アクリレートは、重合硬化時
に(A)成分である多官能アクリレートと共に重合し優れ
た硬化膜を得ることができ、揮発性(メタ)アクリレー
トとしては例えば、メチルアクリレート、メチルメタク
リレート、エチルアクリレート,エチルメタクリレート
を挙げることができる。中でも安全性及び揮発性を考慮
するとメチルメタクリレートが最も好ましい。本発明に
使用する(B)成分である揮発性(メタ)アクリレート化
合物の配合量は、塗布面の乾燥性及び硬化後の強度を考
慮すると、組成物中に10〜70重量%の範囲であるこ
とが好ましい。10重量%未満では表面での乾燥性が著
しく低下する傾向があり、70重量%を超えると塗布し
た際の皮膜が薄くなり過ぎて硬化後の強度が不足する傾
向がある。
(メタ)アクリレート化合物は、速やかに重合し優れた
表面硬化性を与えるために使用する揮発性の高いアクリ
レート又はメタクリレートである。光重合性歯科用コー
ティング組成物を歯科用レジン材料に塗布した際に、塗
膜の表面の揮発性モノマーが蒸散して結果として表面の
みの光重合開始剤の濃度が上昇し、光重合性歯科用コー
ティング組成物の表面硬化性を向上させることが可能と
なる。この揮発性(メタ)アクリレートは、重合硬化時
に(A)成分である多官能アクリレートと共に重合し優れ
た硬化膜を得ることができ、揮発性(メタ)アクリレー
トとしては例えば、メチルアクリレート、メチルメタク
リレート、エチルアクリレート,エチルメタクリレート
を挙げることができる。中でも安全性及び揮発性を考慮
するとメチルメタクリレートが最も好ましい。本発明に
使用する(B)成分である揮発性(メタ)アクリレート化
合物の配合量は、塗布面の乾燥性及び硬化後の強度を考
慮すると、組成物中に10〜70重量%の範囲であるこ
とが好ましい。10重量%未満では表面での乾燥性が著
しく低下する傾向があり、70重量%を超えると塗布し
た際の皮膜が薄くなり過ぎて硬化後の強度が不足する傾
向がある。
【0011】本発明で使用する(C)成分である少なくと
も一つのフルオロカーボンで構成されるフルオロアルキ
ル基を含有する(メタ)アクリレート化合物は、硬化後
の光重合性歯科用コーティング組成物に高い耐久性,耐
摩耗性,耐着色性を付与するためのものであり、例え
ば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレ
ート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エ
チル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシ
ル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ
オクチル)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、
中でも2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート
又は2,2,2−トリフルオロエチルアクリレートが最
も好ましい。この少なくとも一つのフルオロカーボンで
構成されるフルオロアルキル基を含有する(メタ)アク
リレート化合物は、長鎖のフルオロカーボンで構成され
るフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリレート
化合物ほど、その特徴である高い撥水・撥油性から硬化
後の光重合性歯科用コーティング組成物の耐久性を高め
ることが可能である。本発明に使用する(C)成分である
少なくとも一つのフルオロカーボンで構成されるフルオ
ロアルキル基を含有する(メタ)アクリレート化合物の
配合量は、耐着色性,耐汚染性及び強度を考慮すると、
10〜70重量%の範囲が好ましい。10重量%未満で
は耐久性、耐着摩耗性及び耐着色性が低下する傾向があ
り、70重量%を超えると、硬化物の平滑性及び強度が
低下する傾向がある。
も一つのフルオロカーボンで構成されるフルオロアルキ
ル基を含有する(メタ)アクリレート化合物は、硬化後
の光重合性歯科用コーティング組成物に高い耐久性,耐
摩耗性,耐着色性を付与するためのものであり、例え
ば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレ
ート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エ
チル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシ
ル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ
オクチル)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、
中でも2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート
又は2,2,2−トリフルオロエチルアクリレートが最
も好ましい。この少なくとも一つのフルオロカーボンで
構成されるフルオロアルキル基を含有する(メタ)アク
リレート化合物は、長鎖のフルオロカーボンで構成され
るフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリレート
化合物ほど、その特徴である高い撥水・撥油性から硬化
後の光重合性歯科用コーティング組成物の耐久性を高め
ることが可能である。本発明に使用する(C)成分である
少なくとも一つのフルオロカーボンで構成されるフルオ
ロアルキル基を含有する(メタ)アクリレート化合物の
配合量は、耐着色性,耐汚染性及び強度を考慮すると、
10〜70重量%の範囲が好ましい。10重量%未満で
は耐久性、耐着摩耗性及び耐着色性が低下する傾向があ
り、70重量%を超えると、硬化物の平滑性及び強度が
低下する傾向がある。
【0012】本発明で使用する(D)成分であるアシルフ
ォスフィンオキサイド系重合開始剤は、前記(A)〜(C)
成分を可視光線で速やかに重合させることが可能な光重
合開始剤であり、=P(=O)−基にアシル基{−C(=
O)−}が少なくとも一つ結合した骨格を有する化合物
であれば特に制限なく使用できる。例えば、公知のモノ
アシルフォスフィンオキサイド誘導体、ビスアシルフォ
スフィンオキサイド誘導体、トリスアシルフォスフィン
オキサイド誘導体等を用いることができる。中でも工業
的な入手の容易さからモノアシルフォスフィン誘導体や
ビスアシルフォスフィンオキサイド誘導体を用いるのが
好適である。モノアシルフォスフィン誘導体を具体的に
例示すれば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベン
ゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジ
クロロベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、
2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィ
ン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイルジフェニル
フォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフ
ィン酸イソプロピルエステル等が挙げられる。また、ビ
スアシルフォスフィンオキサイド誘導体としては、ビス
−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィ
ンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)
−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、
ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピル
フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジ
クロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサ
イド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニ
ルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキ
シベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォ
スフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベン
ゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキ
サイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)
フェニルフォスフィンオキサイド、(2,5,6−トリ
メチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチル
フォスフィンオキサイドが挙げられる。工業的な入手の
容易さ,保存安定性及び重合活性の点から、ビス−
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォス
フィンオキサイドが最も好ましい。これらアシルフォス
フィン誘導体は1種あるいは2種以上を混合若しくはベ
ンジル、ベンジルメチルケタール、アニシル等のベンジ
ル誘導体、2−クロロチオキサントン、2−エチルチオ
キサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4
−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−
1−オン、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニ
ル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベン
ジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフ
ェニル)−ブタン−1−オン等と混合して使用しても良
い。これらの光重合開始剤は必要に応じてトリエタノー
ルアミン、N−メチルジエタノールアミン等のエタノー
ルアミン誘導体、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、
2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミ
ノ安息香酸エチル等の安息香酸誘導体のアミン、N,N
−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メ
タ)アクリル基含有アミンを還元剤として併用すること
がある。また、本発明に係る光重合性歯科用コーティン
グ組成物における(D)成分であるアシルフォスフィンオ
キサイド系重合開始剤の配合量は、重合速度や硬化物の
着色に与える影響等を考慮すると組成物中に0.1〜1
0重量%の範囲が好ましい。0.1重量%未満の場合は
重合速度及び硬化物の物性が低下する傾向があり、10
重量%を超えて配合すると結果として他成分の割合が減
るため表面硬化性,耐着色性等が低下する可能性があ
る。
ォスフィンオキサイド系重合開始剤は、前記(A)〜(C)
成分を可視光線で速やかに重合させることが可能な光重
合開始剤であり、=P(=O)−基にアシル基{−C(=
O)−}が少なくとも一つ結合した骨格を有する化合物
であれば特に制限なく使用できる。例えば、公知のモノ
アシルフォスフィンオキサイド誘導体、ビスアシルフォ
スフィンオキサイド誘導体、トリスアシルフォスフィン
オキサイド誘導体等を用いることができる。中でも工業
的な入手の容易さからモノアシルフォスフィン誘導体や
ビスアシルフォスフィンオキサイド誘導体を用いるのが
好適である。モノアシルフォスフィン誘導体を具体的に
例示すれば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベン
ゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジ
クロロベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、
2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィ
ン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイルジフェニル
フォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフ
ィン酸イソプロピルエステル等が挙げられる。また、ビ
スアシルフォスフィンオキサイド誘導体としては、ビス
−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィ
ンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)
−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、
ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピル
フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジ
クロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサ
イド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニ
ルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキ
シベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォ
スフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベン
ゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキ
サイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)
フェニルフォスフィンオキサイド、(2,5,6−トリ
メチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチル
フォスフィンオキサイドが挙げられる。工業的な入手の
容易さ,保存安定性及び重合活性の点から、ビス−
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォス
フィンオキサイドが最も好ましい。これらアシルフォス
フィン誘導体は1種あるいは2種以上を混合若しくはベ
ンジル、ベンジルメチルケタール、アニシル等のベンジ
ル誘導体、2−クロロチオキサントン、2−エチルチオ
キサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4
−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−
1−オン、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニ
ル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベン
ジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフ
ェニル)−ブタン−1−オン等と混合して使用しても良
い。これらの光重合開始剤は必要に応じてトリエタノー
ルアミン、N−メチルジエタノールアミン等のエタノー
ルアミン誘導体、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、
2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミ
ノ安息香酸エチル等の安息香酸誘導体のアミン、N,N
−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メ
タ)アクリル基含有アミンを還元剤として併用すること
がある。また、本発明に係る光重合性歯科用コーティン
グ組成物における(D)成分であるアシルフォスフィンオ
キサイド系重合開始剤の配合量は、重合速度や硬化物の
着色に与える影響等を考慮すると組成物中に0.1〜1
0重量%の範囲が好ましい。0.1重量%未満の場合は
重合速度及び硬化物の物性が低下する傾向があり、10
重量%を超えて配合すると結果として他成分の割合が減
るため表面硬化性,耐着色性等が低下する可能性があ
る。
【0013】その他、本発明に係る光重合性歯科用コー
ティング組成物は、超微粒子シリカや超微粒子アルミナ
等を表面処理して疎水性としたフィラー,表面処理した
微粉砕シリカ,有機フィラー等の充填剤や、着色料、重
合禁止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、蛍光剤、香料等を便
宜配合することもできることは勿論である。
ティング組成物は、超微粒子シリカや超微粒子アルミナ
等を表面処理して疎水性としたフィラー,表面処理した
微粉砕シリカ,有機フィラー等の充填剤や、着色料、重
合禁止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、蛍光剤、香料等を便
宜配合することもできることは勿論である。
【0014】
【実施例】以下に実施例として具体的に例を挙げて説明
をするが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜10及び比較例1〜4>実施例1〜10及
び比較例1〜4の配合を表1に示す。比較例1は特開平
4−29910号公報に記述されている組成物の配合で
ある。表1に記載の各組成物を作製し、表面硬化性,耐
摩耗性,口腔内での汚染を想定した耐着色(耐汚染)性
について試験を行った。
をするが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜10及び比較例1〜4>実施例1〜10及
び比較例1〜4の配合を表1に示す。比較例1は特開平
4−29910号公報に記述されている組成物の配合で
ある。表1に記載の各組成物を作製し、表面硬化性,耐
摩耗性,口腔内での汚染を想定した耐着色(耐汚染)性
について試験を行った。
【0015】<表面硬化性>各組成物に可視光線照射器
にて3分間光照射し、後述する方法で表面硬化性を判定
した。義歯床用レジン(商品名:アクロン,ジーシー社
製)にて作製した円板状の硬化体(直径15mm、高さ
1.5mm)上に、実施例,比較例の組成物を均一に塗
布して光照射器(商品名:ラボライトLV−II,ジーシ
ー社製)で3分間光照射を行い、硬化体表面を固い紙
(商品名:JKワイパー150−S,クレシア社製)で
強く20秒間擦り、その後の表面性状を目視にて観察し
表面硬化性を下記に示す基準で評価した。結果を纏めて
表1に示す。 硬化体表面は未重合モノマーのためべたつき、多数の傷が付く × 硬化体表面はべとつかないが、若干の傷が付く ○ 硬化体表面にべとつきはなく、傷が殆ど付かない ◎
にて3分間光照射し、後述する方法で表面硬化性を判定
した。義歯床用レジン(商品名:アクロン,ジーシー社
製)にて作製した円板状の硬化体(直径15mm、高さ
1.5mm)上に、実施例,比較例の組成物を均一に塗
布して光照射器(商品名:ラボライトLV−II,ジーシ
ー社製)で3分間光照射を行い、硬化体表面を固い紙
(商品名:JKワイパー150−S,クレシア社製)で
強く20秒間擦り、その後の表面性状を目視にて観察し
表面硬化性を下記に示す基準で評価した。結果を纏めて
表1に示す。 硬化体表面は未重合モノマーのためべたつき、多数の傷が付く × 硬化体表面はべとつかないが、若干の傷が付く ○ 硬化体表面にべとつきはなく、傷が殆ど付かない ◎
【0016】<耐摩耗性>耐摩耗試験は表面の硬さを評
価した。試験はJIS規格K5400−1990の鉛筆
引っかき試験に準じて行った。結果を表1に纏めて示
す。
価した。試験はJIS規格K5400−1990の鉛筆
引っかき試験に準じて行った。結果を表1に纏めて示
す。
【0017】<耐着色性>充填用コンポジットレジン
(商品名:ユニフィルS,ジーシー社製)にて作製した
円板状の硬化体(直径15mm、高さ1.5mm)上
に、実施例,比較例の組成物を均一に塗布し、光照射器
(商品名:ラボライトLV−II,ジーシー社製)で3分
間光照射した後、水100gに対してインスタントコー
ヒー(商品名:ネスカフェゴールドブレンド,ネスレジ
ャパン社製)2gを溶解した液中に37℃恒温槽に一週
間保管後、測色計としてフォトダイオードアレイタイプ
の分光光度計(商品名:スペクトラスキャンPR65
0,フォトリサーチ社製)を用いて着色の度合いを評価
した。側色方法は、試料面方向に対し45°の角度から
ライトトラップ又は標準白色板(酸化マグネシウム)上
の試料中央直径3mmの範囲を測定した。CIE−L*
a*b*表色系でのL*、a*、b*を算出し、浸漬前の測
色値(L* 1、a* 1、b* 1)及び浸漬後の測色値(L* 2、
a* 2、b* 2)から△E=〔(L* 1−L* 2)2+(a* 1−
a* 2)2+(b* 1−b* 2)2〕1/2を求め耐着色性を評価
した。一般に、△Eの値が3以上であると元の色調と異
なった色調として認識される。結果を表1に纏めて示
す。
(商品名:ユニフィルS,ジーシー社製)にて作製した
円板状の硬化体(直径15mm、高さ1.5mm)上
に、実施例,比較例の組成物を均一に塗布し、光照射器
(商品名:ラボライトLV−II,ジーシー社製)で3分
間光照射した後、水100gに対してインスタントコー
ヒー(商品名:ネスカフェゴールドブレンド,ネスレジ
ャパン社製)2gを溶解した液中に37℃恒温槽に一週
間保管後、測色計としてフォトダイオードアレイタイプ
の分光光度計(商品名:スペクトラスキャンPR65
0,フォトリサーチ社製)を用いて着色の度合いを評価
した。側色方法は、試料面方向に対し45°の角度から
ライトトラップ又は標準白色板(酸化マグネシウム)上
の試料中央直径3mmの範囲を測定した。CIE−L*
a*b*表色系でのL*、a*、b*を算出し、浸漬前の測
色値(L* 1、a* 1、b* 1)及び浸漬後の測色値(L* 2、
a* 2、b* 2)から△E=〔(L* 1−L* 2)2+(a* 1−
a* 2)2+(b* 1−b* 2)2〕1/2を求め耐着色性を評価
した。一般に、△Eの値が3以上であると元の色調と異
なった色調として認識される。結果を表1に纏めて示
す。
【0018】
【表1】
【0019】実施例1〜10においては、どの試験にお
いても良好な結果となったが、比較例1は(C)成分を含
まないため耐着色性が低く、(A)成分又は(B)成分を含
まない比較例2,3は殆ど重合しておらず耐摩耗試験及
び耐着色性試験は不可能であった。また、比較例4は耐
摩耗性が低く光重合触媒としてカンファーキノンを含む
ため耐着色性は高いが組成物に黄色みが残っていた。
いても良好な結果となったが、比較例1は(C)成分を含
まないため耐着色性が低く、(A)成分又は(B)成分を含
まない比較例2,3は殆ど重合しておらず耐摩耗試験及
び耐着色性試験は不可能であった。また、比較例4は耐
摩耗性が低く光重合触媒としてカンファーキノンを含む
ため耐着色性は高いが組成物に黄色みが残っていた。
【0020】
【発明の効果】以上に詳述した如く本発明に係る光重合
性歯科用コーティング組成物は、可視光線の照射によ
り、酸素の存在下でも迅速に硬化し表面硬化性に優れ、
且つ強固で無色透明な硬化膜を形成するものであり、従
来の歯科用コーティング組成物の性能に加え、表面硬化
性,耐着久性、耐摩耗性及び耐着色性に優れた光重合性
歯科用コーティング組成物であり、その歯科医療分野に
貢献する価値の大なるものである。
性歯科用コーティング組成物は、可視光線の照射によ
り、酸素の存在下でも迅速に硬化し表面硬化性に優れ、
且つ強固で無色透明な硬化膜を形成するものであり、従
来の歯科用コーティング組成物の性能に加え、表面硬化
性,耐着久性、耐摩耗性及び耐着色性に優れた光重合性
歯科用コーティング組成物であり、その歯科医療分野に
貢献する価値の大なるものである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 4C089 AA05 AA06 BD01 BE03
4J011 QA03 QA22 QA23 QA32 SA61
UA06 VA01 WA08
4J100 AL03Q AL08R AL63P AL67P
BA02P BB18R CA05 CA23
FA03 JA01 JA52
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)多官能アクリレートと、(B)揮発性
(メタ)アクリレート化合物と、(C)少なくとも一つの
フルオロカーボンで構成されるフルオロアルキル基を含
有する(メタ)アクリレート化合物と、(D)アシルフォ
スフィンオキサイド系重合開始剤とから成ることを特徴
とする光重合性歯科用コーティング組成物。 - 【請求項2】 (A)多官能アクリレート:10〜70重
量%と、(B)揮発性(メタ)アクリレート化合物:10
〜70重量%と、(C)少なくとも一つのフルオロカーボ
ンで構成されるフルオロアルキル基を含有する(メタ)
アクリレート化合物:10〜70重量%と、(D)アシル
フォスフィンオキサイド系重合開始剤0.1〜10重量
%とから成る請求項1に記載の光重合性歯科用コーティ
ング組成物。 - 【請求項3】 (C)少なくとも一つのフルオロカーボン
で構成されるフルオロアルキル基を含有する(メタ)ア
クリレート化合物が、2,2,2−トリフルオロエチル
メタクリレート又は2,2,2−トリフルオロエチルア
クリレートである請求項1又は2に記載の光重合性歯科
用コーティング組成物。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001288261A JP2003095838A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 光重合性歯科用コーティング組成物 |
DE10240855A DE10240855A1 (de) | 2001-09-21 | 2002-09-04 | Photopolymerisierbare dentale Beschichtungszusammensetzung |
GB0221299A GB2380486B (en) | 2001-09-21 | 2002-09-13 | Photopolymerizable dental coating composition |
US10/246,534 US6818679B2 (en) | 2001-09-21 | 2002-09-19 | Photopolymerizable dental coating composition |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001288261A JP2003095838A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 光重合性歯科用コーティング組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003095838A true JP2003095838A (ja) | 2003-04-03 |
Family
ID=19110938
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001288261A Pending JP2003095838A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 光重合性歯科用コーティング組成物 |
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---|---|
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GB (1) | GB2380486B (ja) |
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- 2002-09-04 DE DE10240855A patent/DE10240855A1/de not_active Withdrawn
- 2002-09-13 GB GB0221299A patent/GB2380486B/en not_active Expired - Fee Related
- 2002-09-19 US US10/246,534 patent/US6818679B2/en not_active Expired - Fee Related
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