JP2003094892A - 転写シート及びそれを用いた成形品 - Google Patents

転写シート及びそれを用いた成形品

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JP2003094892A
JP2003094892A JP2001292791A JP2001292791A JP2003094892A JP 2003094892 A JP2003094892 A JP 2003094892A JP 2001292791 A JP2001292791 A JP 2001292791A JP 2001292791 A JP2001292791 A JP 2001292791A JP 2003094892 A JP2003094892 A JP 2003094892A
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Tadamichi Ishii
忠道 石井
Ryohei Nagata
良平 永田
Satoshi Hamada
聡 浜田
Tomoko Katsumi
知子 勝見
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程数が少なく、しかも優れた金属光沢
を発揮する転写シートを提供する。 【解決手段】 支持体シート1に金属調インキ層からな
る転写層を積層した転写シートであって、金属調インキ
層2は、透明バインダー樹脂中に金属蒸着膜を粉砕した
鱗片状箔片を分散した構成にする。金属調インキ層2の
上に接着剤層3を積層し、その接着剤層3も転写層に含
めた構成にしてもよい。さらに、支持体シート1に着色
インキ層4で絵柄を形成し、その着色インキ層4も転写
層に含めた構成としてもよい。さらには、支持体シート
1と金属調インキ層2との間に剥離層5を設け、その剥
離層5も転写層に含めた構成としてもよい。シルバーイ
ンキを用いた転写シートに比べて優れた金属光沢を発揮
する。支持体シートに金属蒸着膜をパターン形成する転
写シートに比べると、所望パターンが印刷で形成でき、
金属光沢は同等であるにもかかわらず、コストダウンが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家電製品、情報端
末等の部品や包装用容器などの樹脂成形品に用いられる
転写シートに係り、詳しくは成形品に金属光沢を付与す
る転写シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の樹脂成形品に金属光沢を
付与する転写シートとしては、アルミニウムをボールミ
ルで粉砕してステアリン酸で表面処理した箔片を含んだ
アルミニウムペーストをインキ組成中に配合したシルバ
ーインキを使用して支持体シート上にパターニングした
もの(特公昭3−3045号公報、実開昭51−686
02号公報等参照)や、支持体シート上に全面に亙って
形成したアルミニウム蒸着膜をパターニングしたものが
一般的に利用されている。
【0003】後者の蒸着膜をパターニングする方法とし
ては、支持体シート上に先ずアルミニウム蒸着膜が不要
な領域に水溶性樹脂を印刷し、その上からアルミニウム
を全面に蒸着し、しかる後に水洗し、水溶性樹脂層を溶
解すると共に、その直上部のアルミニウム蒸着膜を除去
してこれをパターニングする方法(実公昭53−211
24号公報、特開昭56−164853号公報等参照)
が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べた転
写シートのうち、シルバーインキを用いたものは、支持
体シートにシルバーインキをグラビア印刷するという工
程で作製でき、コストが低いという利点はあるが、アル
ミニウム箔片が光を拡散反射するので、光輝性は有るも
のの、白乃至は灰色がかった銀白色を呈し、アルミニウ
ム蒸着膜の如き鏡面的な金属光沢は得られないという欠
点がある。これに対して、支持体シート上にアルミニウ
ム蒸着膜を形成した転写シートは、金属光沢に問題はな
いが、支持体シートに金属蒸着膜をパターン状に形成す
る工程が湿式の水洗工程、乾燥工程を含み、煩雑で加工
に時間がかかり、且つ製造コストが割高になるという問
題点がある。
【0005】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、製造工程
数が少なく簡便、低コストで、しかも優れた金属光沢を
発揮する転写シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の転写シートは、支持体シートに金属調イン
キ層からなる転写層を積層した転写シートであって、金
属調インキ層は、透明バインダー樹脂中に金属蒸着膜を
粉砕した鱗片状箔片を分散したものであることを特徴と
している。
【0007】そして、上記構成の転写シートにおいて、
金属調インキ層の上に直接或いは他の層を介して接着剤
層を積層し、その接着剤層も転写層に含めた構成にして
もよい。さらに、支持体シートに着色インキ層で絵柄を
形成し、その着色インキ層も転写層に含めた構成として
もよい。さらには、支持体シートと金属調インキ層との
間に剥離層を設け、その剥離層も転写層に含めた構成と
することもでき、その剥離層が電離放射線硬化型樹脂か
らなる構成にすることもできる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0009】図1は本発明に係る転写シートの代表例を
示す断面図である。図1(A)に示す転写シートSは支
持体1の片面に転写層を積層したものであり、その転写
層は金属調インキ層2からなる。本発明では、この金属
調インキ層2として、透明バインダー樹脂中に金属蒸着
膜を粉砕した鱗片状箔片を分散したものを用いている。
また図1(B)に示す転写シートSは、金属調インキ層
2の上に接着剤層3を積層し、接着剤層3も転写層に含
めたものである。図1(C)に示す転写シートSは、支
持体シート1に着色インキ層4で絵柄を形成し、金属調
インキ層2と着色インキ層4を転写層としたものであ
る。また図1(D)に示す転写シートSは、支持体シー
ト1と金属調インキ層2との間に剥離層5を設け、金属
調インキ層2と剥離層5を転写層とした構成である。
【0010】支持体シート1は、転写層と離型性があ
り、また被転写面に凹凸がある場合はさらに凹凸への形
状追従性があるものであれば、従来公知のものでよく特
に限定はない。したがって、被転写面が平面或いは二次
元的凹凸表面で転写シートが伸ばされない場合には、一
般的な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
(シート)等の他に、延伸性がない紙等を用いたシート
でもよい。また、被転写面が三次元的凹凸表面で転写シ
ートが伸ばされる必要がある場合には、少なくとも転写
時には延伸性のあるシートを用いる。延伸性のあるシー
トとしては、例えば熱可塑性樹脂のシートがある。例え
ば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテ
ン、エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体、オレ
フィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン樹脂、エ
チレンテレフタレートイソフタレート共重合体、ポリブ
チレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、
塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン系熱可塑性
エラストマー等のエラストマー等の樹脂からなる、好ま
しくは低延伸又は無延伸の樹脂シート(フィルム)を用
いる。また、支持体シートはこれらの単層又は異種材料
からなる積層体でもよい。支持体シートの厚みは、通常
20〜200μm程度である。
【0011】また、支持体シートには必要に応じ、その
転写層側に転写層との剥離性を向上させるため、離型層
を設けてもよい。この離型層は支持体シートを剥離時に
支持体シートと共に転写層から剥離除去される。離型層
としては、例えば、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポ
リアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワ
ックス等の単体又はこれらを含む混合物が用いられる。
例えば、被転写面が平面的の場合には、上質紙に離型層
としてポリプロピレンを熔融押出塗工した支持体シート
等が使用できる。また、剥離性の調整のために、支持体
シートの転写層側の面にコロナ放電処理、オゾン処理等
を行ってもよい。
【0012】金属調インキ層2は、上記したように、透
明バインダー樹脂中に金属蒸着膜を粉砕した鱗片状箔片
を分散したものを用いている。
【0013】透明バインダー樹脂は、アクリル樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、セ
ルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂等の単
体又はこれらを含む混合物を用いる。
【0014】金属調インキ層2中の鱗片状箔片は、金属
の蒸着膜を粉砕したものである。具体的には、樹脂フィ
ルム上に剥離剤を塗布し、その上に金属蒸着を行った
後、樹脂フィルムから金属蒸着膜を剥離し、これをサン
ドミル、ダイノールミル等のビーズミルで粉砕して鱗片
状箔片を得る。金属蒸着に使用する金属としては、アル
ミニウムを始めとして、金、銀、銅、真鍮、チタン、ク
ロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等が挙げ
られる。好ましくは、剥離した金属蒸着膜に付着する剥
離剤等の樹脂層を溶剤中で除去した後、金属蒸着膜表面
をオレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の有機脂
肪酸、或いはメチルシリルイソシアネートで表面処理を
施したものを用いる。具体的には、特許第270511
8号公報に記載されるものが挙げられる。
【0015】金属蒸着膜を破砕した鱗片状箔片Lは、例
えば図2(A)に示すような扁平状で不規則な形状をし
ており、図2(B)に示すように、支持体シート1に金
属調インキ層2を塗布すると、平板面F1 ,F2 が金属
調インキ層2の表面fs 及び裏面fr と平行乃至は略平
行となる。そして、図3に示すように、巨視的に観る
と、平面視で平板面F1 が平面を隙間なく充填し、近似
的に金属鏡面を呈した状態になる。なお、鱗片状箔片の
粒径(対角線長或いは外接球直径で評価する)は平均粒
径で5〜30μm程度が金属光沢と印刷適性との両立性
の点で好ましい。鱗片状箔片の厚みは0.1〜1μm程
度である。また、鱗片状箔片はバインダー樹脂100質
量部に対して30〜100質量部程度である。
【0016】接着剤層3は、被転写体の材質等によって
適切なものを選択使用すればよく、特に制限はない。接
着力発現機構で言えば、従来公知の転写シートで一般的
ないわゆる熱融着型(感熱熔融型)接着剤でもよいし、
感圧型或いは溶剤活性型等と任意である。なお、感圧型
の場合には、通常、転写直前まで接着剤層を保護してお
くために剥離紙又は剥離フィルムが接着剤層の表面に積
層された構成の転写シートとなる。
【0017】なお、接着剤層3は、図1(B)の如く金
属調インキ層2の裏面に直接積層してもよいし、後述の
図11(B)の如く間に易接着プライマー層7等の他の
層を介して積層してもよい。或いは、図示は省くが、硝
子板等の透明な被転写体の裏面に転写し、その被転写体
の表面から観察するような用途の場合は、接着剤層を通
して金属調インキ層を見ることになる。この場合には、
接着剤層3と金属調インキ層2との間に着色インキ層を
積層する形態もある。
【0018】感熱熔融型接着剤としては、例えば、ポリ
酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ア
クリル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレ
タン樹脂、ダイマー酸とエチレンジアミンとの縮重合に
より得られるポリアミド樹脂等による従来公知の接着剤
を用いることができる。例えば、被転写体がABS樹脂
の場合には、アクリル樹脂は接着剤に用いる好ましい樹
脂の一つである。アクリル樹脂は、各種アクリル酸エス
テル及びメタクリル酸エステル、その他ビニルモノマー
を共重合することによって、被転写体の材質に合わせた
密着性を適宜調整しやすいからである。また、被転写体
が塩化ビニル樹脂等の塩化ビニル系の場合には、アクリ
ル樹脂に加えて、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を混
合使用する等、被転写体の材質により適宜他の樹脂を混
合併用することにより、より優れた密着性が得られるこ
ともある。
【0019】また、熱融着型接着剤の他に、熱硬化型、
湿気硬化型、電離放射線硬化型等の各種硬化型接着剤、
或いは、粘着剤による感圧型接着剤等の各種接着剤も適
宜使用できる。なお、接着剤層の厚さは通常1〜50μ
m程度である。また、凹凸表面の被転写体側に接着剤層
を形成する場合は、スプレーコート、フローコート等の
公知の塗工法によればよい。
【0020】易接着プライマー層を構成する樹脂として
は、2液硬化型ウレタン樹脂が代表的である。主剤とな
るポリオールとしては、例えば、アクリルポリオール、
ポリエステルポリオール等が用いられる。これらポリオ
ールに塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を添加してもよ
い。硬化剤としては、2官能或いは3官能のイソシアネ
ートが用いられる。易接着プライマーの厚みは通常1〜
5μm程度である。
【0021】着色インキ層4は、グラビア印刷、シルク
スクリーン印刷、オフセット印刷、インキジェット印刷
等の公知の方法、材料で絵柄等を形成したものである。
絵柄としては、被転写基材の表面凹凸に合わせて、木目
模様、石目模様、布目模様、タイル調模様、煉瓦調模
様、皮紋模様、文字、幾何学模様等を用いる。なお、イ
ンキは、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染料等
の着色剤、これに適宜加える各種添加剤からなる。バイ
ンダーには、金属調インキ層と同様、アクリル樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、セ
ルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂等の単
体又はこれらを含む混合物を用いる。着色剤の顔料とし
ては、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青
等の無機顔料、アニリンブラック、キナクリドン、イソ
インドリノン、フタロシアニンブルー等の有機顔料を用
いる。
【0022】剥離層5は、転写層の一部として転写後は
被転写体に転移移行し、被転写体の表面を薬品、紫外
線、磨耗等から保護する保護層となると共に、転写層の
支持体に対する接着性を調整し、剥離性を適度なものと
する等の為に適宜設けるものである。剥離層5には、例
えば、上記金属調インキ層のバインダーに用いる樹脂等
が用いられる。或いは、電離放射線硬化型樹脂が用いら
れる。
【0023】電離放射線硬化型樹脂は、具体的には、分
子中に重合不飽和結合又はカチオン重合性官能基を有す
るプレポリマー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又
はモノマーを適宜混合した電離放射線により硬化可能な
組成物が好ましくは用いられる。なお、ここで電離放射
線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合或いは
架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通
常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられる。
【0024】硬質塗膜を形成する電離放射線硬化型樹脂
は、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、
(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽
和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基又はチオー
ル基を2個以上有する単量体、又はプレポリマーからな
る。これら単量体又はプレポリマーは、単体で用いる
か、或いは複数種混合して用いる。なお、ここで、例え
ば(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメ
タアクリロイル基の意味で用いている。
【0025】ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリ
マーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレー
ト、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)
アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリア
ジン(メタ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレ
ート等が使用できる。分子量としては、通常250〜1
00,000程度のものが用いられる。
【0026】カチオン重合性官能基を有するプレポリマ
ーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ樹脂等のエボキシ系樹脂、脂肪族系ビ
ニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエー
テル系樹脂等のプレポリマーがある。
【0027】ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の
例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量
体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエ
チル(メタ)アクリレート等がある。
【0028】ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単
量体の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等がる。
【0029】チオール基を有する単量体の例としては、
トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ジペン
タエリスリトールテトラチオグリコレート等がある。
【0030】紫外線又は可視光線にて硬化させる場合に
は、電離放射線硬化型樹脂中に光重合開始剤を添加す
る。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、
光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノ
ン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエーテル等を単独又は混合して用いることができる。
また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、
光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ス
ルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合
物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物
として用いることができる。
【0031】なお、これらの光重合開始剤の添加量とし
ては、該電離放射線硬化型樹脂100重量%に対して、
0.1〜10重量%程度である。
【0032】上記電離放射線硬化型樹脂に、さらに必要
に応じて各種添加剤を添加する。これらの添加剤として
は、例えば、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸
ビニル、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性
樹脂、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミ
ナ等の微粉末からなる体質顔料(充填剤)、染料、顔料
等の着色剤等がある。
【0033】紫外線源としては、超高圧水銀燈、高圧水
銀燈、低圧水銀燈、カーボンアーク燈、ブラックライト
蛍光燈、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。
紫外線の波長としては、通常1900〜3800Åの波
長域が主として用いられる。電子線源としては、コック
ロフクワルトン型、ハンデクラフト型、共振変圧器型、
絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミトロン
型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100〜1
000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネ
ルギーをもつ電子線を照射するものを使用できる。
【0034】本発明の転写シートに対する被転写体とし
ては、その材質、形状に限定があるものではなく、例え
ば材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(AB
S樹脂)、ポリカーボネート系樹脂、フェノール樹脂等
の樹脂類、或いは、アルミニウム、鉄、ステンレス、真
鍮等の金属或いは金属化合物類、木質合板、木質単板、
中密度繊維板(MDF)等の木材類、ガラス、陶磁器等
のセラミック類、ALC(軽量気泡コンクリート)、G
RC(硝子繊維強化コンクリート)、スラグセメント等
のセメント、ケイ酸カルシウム、紙、布帛、不織布等と
任意である。また、形状もシート(フィルム)、平板、
曲面板、棒状体、立体物等と任意である。被転写面の凹
凸形状等によって、後述する適宜な転写方法を採用して
転写することができる。なお、射出成形同時絵付け転写
法では、被転写体の形状は転写(樹脂成形)と同時に形
作られるものである。
【0035】本発明の転写シートを用いる転写方法には
特に限定はなく、各種転写方法を利用できる。例えば、
次のような従来公知の各種の転写方法を利用できる。
【0036】特公昭56−45768号公報(オーバ
ーレイ法)、特公昭60−58014号公報(真空プレ
ス法)等に記載されるように、成形品等の立体形状物品
の表面に転写シートを、間に必要に応じ適宜接着剤を介
して対向させるか又は載置し、立体形状物品側からの真
空吸引による圧力差により転写シートの転写層を立体形
状物品の表面に転写する、所謂真空成形積層法を利用し
た転写方法(真空成形転写法)。 特開平6−315950号公報、特公平2−4208
0号公報に記載されるように、転写シートを射出成形の
雌雄両金型間に配置した後、溶融樹脂を型内に射出充填
し、樹脂成形品の成形と同時にその表面に転写シートか
ら転写層を転写させる、所謂射出成形同時絵付け転写方
法。 特公昭60−59876号公報、特開平5−1390
97号公報に記載されるように、転写シートを、転写層
を被転写体側に向けて、支持体側から弾性体ローラで加
圧し、転写層が被転写体に圧着後、支持体を剥離する、
所謂ローラ転写方法。 特公昭61−5895号公報、特開平5−33001
3号公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状
基材の長軸方向に、転写シートを間に必要に応じ適宜接
着剤層を介して供給しつつ、複数の向きの異なるローラ
ーにより、柱状基材を構成する複数の側面に順次化粧シ
ートを加圧接着して転写層を転写していく、所謂ラッピ
ング加工方法による転写方法。 その他として、BMC(Bulk Molding Compound) 成形
法、SMC(Sheet Molding Compound)成形法、ハンドレ
イアップ成形法等のFRP(Fiber ReinforcedPlastics)
における各種成形法、或いは、RIM(Reaction Injec
tion Molding)、マッチドモールド成形法等の成形と同
時に行う転写方法。
【0037】なお、上記、及びは既に形状を有す
る被転写体に転写するものであり、及びの成形法
は、樹脂成形品として被転写体の形状発現と同時に転写
するものである。また、上記の方法では、樹脂の成形
型、又は別の型により転写シートを予備成形した後に、
樹脂を射出成形して成形と同時に転写する方法もある。
これと同様に、に列記の方法においても、転写シート
の成形は樹脂成形と同時の場合と、樹脂成形の前に予備
成形する場合がある。なお、ハンドレイアップ法では、
転写シートの成形は予備成形となる。
【0038】また、その他の転写方法として、特許第
2844524号公報に記載の如き、転写圧に固体粒子
の衝突圧を利用する方法がある。この転写方法は、(弾
性体)ローラ転写法、真空成形転写法等では不可能な大
きな三次元形状等の表面凹凸の被転写体も可能であり、
後で詳述する。
【0039】先ず、上記した各種の転写方法の中から、
真空成形転写法に属する真空プレス法、射出成形同時絵
付け転写法、弾性体ローラ転写法、それに固体粒子衝突
圧を用いた転写方法について順に説明する。
【0040】(真空成形転写法:真空プレス法)図4は
上記の真空成形転写法に属する真空プレス法の説明図
である。真空プレス法は、真空ラミネート法と似ている
が、転写シートの被転写体への加圧に、転写シートの支
持体側と被転写体側との空気圧差の他に更に、ゴム状弾
性膜の収縮圧も利用する点、転写シートの加熱をヒータ
により加熱されたゴム状弾性膜を通して行う点等が若干
異なり、転写シートの均一加熱とより強い圧接力等に特
徴がある。
【0041】図4に示す真空プレス装置10は、上方に
は流体圧シリンダー等の上下動作手段23により上下に
移動可能な上室21があり、上室21に対面して下方に
下室31がある。上室21の内部にはヒータ22が配置
されている。また上室21の下部開口面はゴム状弾性膜
25にて全面が覆われている。ゴム状弾性膜25には通
常シリコーンゴム等が用いられる。下室31はその上面
が複数の排気孔33を有する置台32となっている。上
室21及び下室31には、それぞれ給排気ポート24,
34があり、それぞれの内部気圧を独立に調整できる。
【0042】真空プレス法では、先ず、上室21が上方
に移動して下室31と分離した状態で、被転写体Bを置
台32に配置し、さらに転写シートSを被転写体Bの上
から配置する。その際、転写シートSの転写層側が被転
写体Bと向き合うようにする。接着剤を転写シートや被
転写体の外表面に施しておく場合には、この段階で塗布
などしておく。また接着剤が溶剤を含む場合はこの段階
で乾燥させておく。
【0043】次いで、上室21を下方に移動して下室3
1に圧接し、上室21及び下室31を密閉する。図4は
この状態を示している。続いて、下室31内を減圧し、
上室21内を加圧する。さらに、ヒータ22を用いてゴ
ム状弾性膜25を通して転写シートSを加熱軟化させ成
形可能状態とする。この結果、上室21と下室31との
空気圧差及びゴム状弾性膜25の収縮圧により、転写シ
ートSは被転写体Bの外表面に対して加圧され、その結
果、転写シートSは被転写体Bの外表面に沿って変形し
被転写体Bへ密着していく。最後に、下室31の減圧を
解除するとともに上室21の加圧を分離し、転写シート
Sが貼着した被転写体Bを取り出し、転写シートの支持
体シートを剥離することで、転写層が転写され絵柄模様
が施された三次元形状の転写品が得られる。
【0044】(射出成形同時絵付け転写法)図5は射出
成形同時絵付け転写法の説明図である。同図は既に樹脂
がキャビティに射出され転写シートSも成形されて樹脂
に密着した状態である。移動可能なダイプレート(可動
盤)41には凹部キャビティを有する雌型51が固定さ
れ、他方のダイプレート(固定盤)42には射出孔を有
する雄型52が固定され、その背面にはノズル43が位
置する。ダイプレート41は背面の油圧シリンダー44
で図面で左右方向に移動し、雌型51と雄型52とを圧
接させて型締めを行う。転写シートSは雌型51と雄型
52との間に挿入される。また、雌型51のキャビティ
面には吸引管を通じて真空ポンプ60に接続された吸引
孔が穿孔されており、転写シートSは雌型51のキャビ
ティ面を利用して型締め前に図示しない加熱板で加熱軟
化させて予備真空成形される。そして、加熱板を退避後
に型締めを行い、キャビティ(成形空洞)内へノズル4
3から溶融樹脂等の流動状態の樹脂53を射出、充填
し、冷却や化学反応で樹脂を固化させた後、型開きを行
う。そして、成形品の取り出しと同時または取り出した
後に、成形品から転写シートの支持体を剥離除去する
と、後述の実施例で説明する図12に示すように、転写
層Tが成形品表面に転写され、絵柄模様が施された三次
元形状の射出成形品Nが得られる。
【0045】(弾性体ローラ転写法)図6は弾性体ロー
ラ転写法の説明図である。同図の例では、被転写体Bに
既に接着剤層Aが施されており、この被転写体Bに対し
て、支持体シート1と転写層Tとからなる転写シートS
を、転写層T側を被転写体B側に向けて、支持体シート
1側から弾性体ローラRで加圧して転写圧を加え、転写
層Tが被転写体Bに接着した後、支持体シート1を剥離
することで、転写層Tを被転写体Bに転写する。弾性体
ローラRとしては、通常、鉄等の剛体の回転軸芯R1の
表面周囲を軟質の弾性体R2で被覆したローラを用い
る。弾性体R2としては、シリコーンゴム、フッ素ゴ
ム、天然ゴム、ブタジエンゴム等のゴムを用いる。特
に、耐熱性、弾性等の点からシリコーンゴムが好まし
い。また特に、被転写体の表面(被転写面)が凹凸形状
(三次元形状)をなす場合は、弾性体として、JIS規
格のゴム硬度が60°以下のものを使用することが、転
写シートを凹凸面に追従成形させるために好ましい。弾
性体ローラの直径は、通常5〜20cm程度である。ま
た、通常、弾性体ローラは加熱ローラとしても用いる。
【0046】(固体粒子衝突圧による転写方法)この転
写方法は、特に凹凸表面に転写する場合に有効である。
具体的には、図7に示す如く、支持体シート1と転写層
Tとからなる転写シートSを、その転写層側を被転写体
B側に対向させて(図7(A))、支持体シート側から
多数の固体粒子Pを衝突させ、その衝突圧によって転写
層を被転写体の表面形状に追従させ成形させると共に転
写層を被転写体表面に圧接して接着させ(図7
(B))、しかる後に支持体シート1のみを剥離除去す
ることで転写を行う(図7(C))ことによって、転写
層Tが転写された転写品Dが得られるというものであ
る。なお、図7の例は、被転写体Bに予め接着剤層Aを
施しておく形態である。また、固体粒子Pに付記した矢
印は固体粒子の速度ベクトルを表す。通常、転写シート
Sを予め加熱軟化させておき、しかる後に固体粒子衝突
圧を印加する。それによって被転写体Bの表面形状への
転写シートSの追従性がより良好となる。
【0047】固体粒子Pとしては、ガラスビーズ等の無
機粒子、亜鉛、鉄等の金属粒子、ナイロンビーズや架橋
ゴムビーズ等の樹脂ビーズ等の有機粒子、或いは金属等
の無機粒子と樹脂とからなる無機物・樹脂複合粒子等を
使用する。粒子形状は球形状が好ましいが、その他の形
状でも用い得る。粒径は通常10〜1000μm程度で
ある。
【0048】固体粒子は噴出器から転写シートに向かっ
て噴出させ、転写シートに衝突したその衝突圧が転写圧
となる。噴射器は、代表的には羽根車や吹出しノズルを
用いる。羽根車はその回転により固体粒子を加速し、吹
出しノズルは高速の流体流で固体粒子を加速する。羽根
車や吹出しノズルには、サンドブラスト或いはショット
ブラスト、ショットピーニング等とブラスト分野にて使
用されているものを流用できる。例えば、羽根車には遠
心式ブラスト装置、吹出しノズルには加圧式や吸引式ブ
ラスト装置、ウェットブラスト装置等である。遠心式ブ
ラスト装置は羽根車の回転力で固体粒子を加速し噴出す
る。加圧式ブラスト装置は、圧縮空気に混合しておいて
固体粒子を空気と共に噴出する。吸引式ブラスト装置
は、圧縮空気の高速流で生ずる負圧部に固体粒子を吸い
込み、空気と共に噴出する。ウェットブラスト装置は、
固体粒子を液体を混合して噴出する。
【0049】図8及び図9は羽根車による噴出器の一例
を示す概念図である。羽根車70は、複数の羽根71が
その両側を2枚の側面板72で固定され、且つ回転中心
部は羽根71がない中空部73となっている。さらに、
この中空部73内には方向制御器74を内在する。方向
制御器74は、外周の一部が円周方向に開口した開口部
75を有する中空筒状で、羽根車70の回転軸芯と同一
回転軸芯であり、羽根車とは独立して回転自在となって
いる。方向制御器74は、使用時には所定の向きに開口
部75を固定して用いる。さらに、この方向制御器74
の内部に、中空で羽根車70の回転軸芯と同一回転軸芯
のもう一つの羽根車が散布器76として内在する(図9
参照)。散布器76は外側の羽根車70と共に回転す
る。そして、側面板72の回転中心に回転軸77が固定
されており、この回転軸77は軸受78で回転自在に軸
支され、電動機等の回転動力源(図示略)によって駆動
回転されることで羽根車70が回転する。また、回転軸
77は、羽根71を間に有する2枚の側面板72には貫
通しておらず、軸無しの空間を形成している。
【0050】そして、散布器76の内部に固体粒子Pが
ホッパ等から輸送管を通って供給される。通常、固体粒
子Pは羽根車70の上方(直上又は斜上方)から供給す
る。散布器76内に供給された固体粒子Pは散布器76
の羽根車で外側に飛び散る。飛び散った固体粒子Pは、
方向制御器74の開口部75によって許された方向にの
み放出され、外側の羽根車70の羽根71と羽根71と
の間に供給される。そして、固体粒子Pは羽根71に衝
突し、羽根車70の回転力で加速され、羽根車70から
噴出する。
【0051】なお、羽根車の寸法は、通常直径5〜60
cm程度、羽根の幅は5〜20cm程度、羽根の長さは
ほぼ羽根車の直径程度、羽根車の回転数は500〜50
00rpm程度である。そして、固体粒子の噴出速度は
10〜50m/s程度、投射密度(被転写体単位面積当
たりに衝突させる固体粒子総重量)は10〜150kg
/m2 程度である。
【0052】図10は吹出しノズルを用いた噴出器の一
例を示す概念図である。同図の噴出器80は固体粒子加
速流体として空気等の気体を用い、固体粒子噴出時に該
気体と固体粒子を混合して噴出する形態の噴出器の一例
である。噴出器80は、固体粒子Pと流体Fを混合する
誘導室81と、誘導室81内に流体Fを噴出する内部ノ
ズル82と、ノズル開口部83から固体粒子P及び流体
Fを噴出する吹出しノズル部84からなる。圧縮器等か
らの加圧状態の流体Fを、内部ノズル82から噴出し誘
導室81を経てノズル84のノズル開口部83から噴出
する際に、噴出器80内の誘導室81にて、高速で流れ
る流体流の作用で負圧を作り、この負圧により固体粒子
Pを流体流に導き混合し、流体流で固体粒子Pを加速、
搬送して、ノズル84のノズル開口部83から流体流と
共に噴出するものである。なお、固体粒子加速流体に液
体を用いる吹出しノズル等もある。流体圧は吹付け圧力
で通常0.1〜10kg/cm2 程度である。流体流の
流速は、液流では通常1〜20m/秒程度、気流では通
常5〜80m/秒程度である。
【0053】噴出器は、1個のみでは加圧領域を所望の
形状、大きさにできない場合は、複数用いる。例えば、
転写シート及び被転写体の送り方向に直交して幅方向に
全幅を加圧領域とするには、幅方向に一直線状に複数個
を配置して、幅方向に直線状で幅広の帯状形状の加圧領
域とする。また、衝突圧印加時間を長くするには、噴出
器は、例えば転写シート及び被転写体の送り方向に向か
って2列以上配置する多段配置とする。複数個を配列時
は、個々の噴出器の隣接する加圧領域を互いに一部重複
させることが好ましい。なお、固体粒子の衝突圧は、例
えば転写シート送り方向に直交する幅方向の中央部が最
大で、幅方向両端部に近い程低下する山型圧力分布等
と、不均一に設定することもできる。この設定は、中央
部から両端部に向かって順次段階的に圧着を進行させ、
内部に空気を抱き込むことを防ぐ。もちろん、衝突圧は
転写が完全に行える圧以上で、且つ転写シートの歪み、
被転写体の変形、破損等の生じない圧以下の適正圧力範
囲内とする。
【0054】また、複数の噴出器を用いる場合、被転写
体の被転写面の包絡面(の搬送方向に直交する断面形
状)が例えば円型になる円筒状の凸曲面であれば、各噴
出器が主として受け持つ個別の衝突面に対して、略垂直
に固体粒子が衝突するように、噴出器の向きを、近接す
る被転写体の包絡面法線方向にして配置することもでき
る。また、実際に固体粒子を用いて転写する際は、固体
粒子は周囲の雰囲気中に飛散させずに且つ循環再利用す
るのが好ましい。そこで、転写する空間を周囲空間と隔
離するチャンバ内で、固体粒子を転写シートに衝突させ
て転写圧を加える等するとよい。支持体シートの剥離は
チャンバ外でもよい。
【0055】本発明の転写シート及びそれを用いた転写
方法によって得られる成形品は、転写された装飾面が平
面又は特に三次元形状等の凹凸表面の物品として各種用
途に用いられ得る。例えば、家電製品、情報端末等の部
品に好適に用いられ、また、プラスチックボトル、カッ
プ等の容器等として用いられ、或いは、自動車、電車、
航空機、船舶等の車両内装材にも用いられる。
【0056】
【実施例】(実施例)厚さ38μmの2軸延伸ポリエチ
レンテレフタレートフィルムを支持体シートとし、その
支持体シート上にメラミン樹脂とアクリル樹脂との混合
樹脂をグラビアコーターにより0.5μm(乾燥時)の
厚みで塗工して離型層を形成した。
【0057】次いで、その離型層の表面に3官能ウレタ
ンアクリレートプレポリマーとジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレートとベンゾフェノン系光重合開始剤と
からなる紫外線硬化型樹脂(未硬化液状)をスリットリ
バースコートにより7μm(乾燥時)の厚みで塗工し、
高圧水銀燈を用いて紫外線を照射して架橋、硬化せしめ
て剥離層とした。
【0058】さらに、その剥離層の表面に、アクリルポ
リオール系の主剤と3官能イソシアネートの硬化剤とか
らなる2液硬化型ウレタン樹脂の易接着プライマー層を
スリットリバースコートにより3μm(乾燥時)の厚み
で塗工した。
【0059】そして、グラビア印刷により、着色インキ
層、金属調インキ層、接着剤層を図11に示すパターン
で印刷した。着色インキ層には、アクリル樹脂のバイン
ダーに顔料としてフタロシアニンブルーとキナクリドン
レッドを添加したインキを使用した。また、金属調イン
キ層には、アルミニウム蒸着膜を破砕し、平均粒径が2
0μmで平均厚みが0.1μmの鱗片状箔片としたもの
を、アクリル樹脂のバインダー中にダイノーミルで練肉
して分散させたものを使用した。また、接着剤層は、ア
クリル樹脂を用いて厚さ1μmとした。
【0060】これにより、図11に示す如き、部分蒸着
と略同等の部分メタリック転写シートSを得た。図11
(A)は転写シートの平面図、図11(B)は図11
(A)のX−X断面図であり、これらの図において、1
は支持体シート、5は離型層、6は剥離層、7は易接着
プライマー層、4は着色インキ層、2は金属調インキ
層、3は接着剤層を示している。
【0061】なお、金属調インキ層は、バインダーのア
クリル樹脂100質量部に対して該箔片を60質量部の
配合比とし、膜厚5μm(乾燥時)で印刷した。この金
属調インキ層の箔片は、平面視では図3に示した如く平
板面が隙間なく平面を充填しており、かつ断面では図2
(B)に示した如く平面板が金属調インキ層の表裏面と
略平行に配列していた。
【0062】(比較例1)金属調インキ層のインキとし
て、ノンリーフィングタイプのアルミニウムペーストか
らなる鱗片状箔片を、アクリル樹脂のバインダー中にボ
ールミルで練肉して分散させたものを使用した以外は実
施例と同様にして転写シートを得た。
【0063】(比較例2)金属調インキ層の部分を部分
蒸着法で形成した以外は実施例と同様にして転写シート
を得た。部分蒸着法は次のようにして行った。すなわ
ち、易接着プライマー層上にポリビニルピロリドンから
なる水溶性インキを用いて図11のパターンMの陰画パ
ターン(金属膜不要領域)を膜厚2μm(乾燥時)でグ
ラビア印刷し、その上から全面にアルミニウムを厚さ8
00Åに真空蒸着した後、水洗により水溶性インキ層を
溶解し、その直上部のアルミニウム層のみを除去した。
【0064】実施例、比較例1及び比較例2の転写シー
トを用いてそれぞれ射出成形品の加飾を行った。具体的
には、射出成形の雌型と雄型との間に、転写層側が射出
ゲート側を向くようにして転写シートを挿入し、両型を
係合して型締めしてから、両型間に形成されるキャビテ
ィ内に、熔融アクリル樹脂を射出充填し、冷却固化せし
めて成形品と転写層とを接着した。しかる後、両型を開
放し、支持体シート及び離型層のみを剥離除去して、厚
さ2mmのアクリル樹脂成形品の窓材(携帯電話用)の
表面に金属調の加飾を行った。図12に得られた射出成
形品Nの断面を示す。なお、この図12は、射出成形品
Nを転写層Tのところ(図11のX−X断面に対応する
部位)で切断した断面図となっている。
【0065】このようにして作製した3つの成形品につ
いて、目視で金属調インキ層のところの光沢を比較した
ところ、実施例のものは、比較例2のものと同等(識別
不能)な金属調の鏡面光沢であった。一方、比較例1の
ものは、白身ががった光拡散性の銀白色光沢で、鏡面性
は感じられなかった。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の転写シー
トは、シルバーインキを用いた転写シートに比べて優れ
た金属光沢を発揮するとともに、支持体シートに金属蒸
着膜をパターン形成する湿式工程を含み、工程数の多い
転写シートに比べると、所望パターンが印刷のみで形成
できるので、金属光沢は同等であるにもかかわらず、製
造も簡便でコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る転写シートの代表例を示す断面図
である。
【図2】金属蒸着膜を破砕した鱗片状箔片の一つを示す
斜視図と、その鱗片状箔片の金属調インキ層での状態を
示す説明図である。
【図3】金属調インキ層中の鱗片状箔片を平面視状態を
示す説明図である。
【図4】転写方法の一つである真空プレス転写法の説明
図である。
【図5】転写方法の一つである射出成形同時絵付け転写
法の説明図である。
【図6】転写方法の一つである弾性体ローラ転写法の説
明図である。
【図7】新規な転写方法である固体粒子衝突圧による転
写方法の説明図である。
【図8】羽根車による噴射器の一例を示す斜視図であ
る。
【図9】図6に示す羽根車の内部を説明する概念図であ
る。
【図10】吹出しノズルを用いた噴射器の一例を示す概
念図である。
【図11】実施例で作成した転写シートの平面図と断面
図である。
【図12】実施例で作成した成形品の断面図である。
【符号の説明】
1:支持体シート、2:金属調インキ層、3:接着剤
層、4:着色インキ層、5:離型層、6:剥離層、7:
易接着プライマー層 S:転写シート、L:鱗片状箔片、F1 ,F2 :平板
面、fs :表面、fr :裏面 10:真空プレス装置、21:上室、22:ヒータ、2
3:上下動作手段、24:給排気ポート、25:ゴム状
弾性膜、31:下室、32:置台、33:排気孔、3
4:給排気ポート、B:被転写体 41:ダイプレート(可動盤)、42:ダイプレート
(固定盤)、43:ノズル、44:油圧シリンダー、5
1:雌型、52:雄型、53:流動樹脂、60:真空ポ
ンプ A:接着剤層、D:転写品、T:転写層、R:弾性体ロ
ーラ、R1:回転軸芯、R2:弾性体、P:固体粒子 70:羽根車、71:羽根、72:側面板、73:中空
部、74:方向制御器、75:開口部、76:散布器、
77:回転軸、78:軸受 80:噴出器、81:誘導室、82:内部ノズル、8
3:ノズル開口部、84:ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 聡 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 勝見 知子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 3B005 EA04 EB01 EB05 EB10 FA04 FB01 FB22 FB23 FB25 FB55 FC06X FC08X FC08Y FC08Z FC09Y FG08Z GA01 GA07 GA18 GA19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体シートに金属調インキ層からなる
    転写層を積層した転写シートであって、金属調インキ層
    は、透明バインダー樹脂中に金属蒸着膜を粉砕した鱗片
    状箔片を分散したものであることを特徴とする転写シー
    ト。
  2. 【請求項2】 金属調インキ層の上に直接或いは他の層
    を介して接着剤層を積層し、その接着剤層も転写層に含
    めたことを特徴とする請求項1に記載の転写シート。
  3. 【請求項3】 支持体シートに着色インキ層で絵柄を形
    成し、その着色インキ層も転写層に含めたことを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の転写シート。
  4. 【請求項4】 支持体シートと金属調インキ層との間に
    剥離層を設け、その剥離層も転写層に含めたことを特徴
    とする請求項1乃至請求項3に記載の転写シート。
  5. 【請求項5】 剥離層が電離放射線硬化型樹脂からなる
    ことを特徴とする請求項4に記載の転写シート。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5に記載の転写シー
    トを用い、その転写シートの転写層を樹脂の射出成形品
    の表面に積層一体化したことを特徴とする成形品。
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