JP2003094527A - 立体像形成装置及び立体造形方法 - Google Patents

立体像形成装置及び立体造形方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液状硬化性組成物に放射ビームを照射して薄
い層を光硬化し、順次積層して三次元剛性物体を製作す
る方法または装置において、放射ビームを薄い層内で移
動させる際、ビームの移動速度が遅くなると露光レベル
が高くなり、光硬化深度が増加して製作される三次元剛
性物体の精度が劣化するという問題点があった。 【解決手段】 放射ビームをパルス状のビームとし、液
状硬化性組成物の表面上での放射ビームの走査速度に合
わせて放射ビームのパルス間隔とパルス幅を制御するこ
とにより、放射ビームの移動速度の増減にかかわらず、
放射ビームの露光レベルが一定になるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光硬化による三次元
物体の造形に関する。一層詳しく言えば、本発明は比較
的高い出力のビーム放射源(たとえば、高出力レーザ)
を制御しながら用いて比較的高い速度、精度で直接上記
の製造を行うことに関する。
【0002】
【従来の技術】光硬化によって三次元モデルを製造する
装置は種々提案されている。ヨーロッパ特許出願(1987
年6月6日にScitex Corporatoion,Ltd.の出願した公開番
号250,121)をここに参考資料として援用すると、これは
この技術分野に関するHull、Kodama、Herbert によるも
のとされる種々の方法を含む文献について良く要約して
いる。付加的な背景としては、1988年6月21日にFudim
に特許された米国特許第 4,752,498号に記載されている
ものがある。これもここに参考資料として援用する。こ
れらの方法は固化させようとしている領域あるいは体積
を順次に照射することによって段階的に三次元物体の立
体領域を形成することに関する。種々のマスキング技術
の他に、直接レーザ描画法、すなわち、光硬化性組成物
を所望のパターンに従ってレーザ・ビームで照射し、三
次元モデルを一層ずつ重ねて行く方法も記載されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は、すべて、ベクトル走査の利点を、露光状態を
一定に保ち、剛性の三次元物体の本体部を通じて各層毎
のすべての硬化部分の最終厚さをほぼ一定にする手段と
組合わせて利用する実用的な方法を認識していない。さ
らに、上気従来方法は、方法、装置のパラメータを制御
して実用的かつ有用に利用する特定の操作範囲内の重要
な相互関係も認識していない。このような操作範囲とし
ては、材料の光硬化応答性に依存した一定露光レベルの
範囲、光硬化の解像度、深さに依存する最大加速度での
ビームの最短移動距離の範囲ならびに光硬化性組成物の
感度に依存する最大ビーム強さの範囲がある。
【0004】たとえば、Scitex特許は均一な露光を達成
するためにホトマスクあるいはラスタ走査を使用するこ
とを示唆しているが、ベクトル走査の場合に露光を一定
に保つための解答は示唆していない。ホトマスクを使用
すると、時間、費用が過剰にかかるし、ラスタ走査も以
下に示す多数の理由のためにベクトル走査に比して望ま
しいものではない。すなわち、ラスタ走査では、製作し
ようとしている物体が全体積のほんの小さな部分である
場合でも全域を走査する必要がある、たいていの場合に
記憶すべきデータ量がかなり大きくなる、記憶したデー
タの取り扱いが全体として難しい、CAD ベースのベクト
ル・データをラスタ・データに変換する必要がある。
【0005】一方、ベクトル走査の場合には、剛性物体
の形状に対応する領域のみを走査すればよく、記憶すべ
きデータ量が少ない程、データの取り扱いがより容易に
なり、「CAD ベース機の90%を超える機種がベクトル・
データを発生、利用している」(Lasers & Optronicsの
1989年1月号、第8巻第1号の56頁)。レーザ・ベクト
ル走査がこれまで広く利用されてこなかった主たる理由
は、その利点もさることながら、レーザのような現在の
たいていの放射線源のために利用できる偏向システムの
光学部材、たとえば、ミラーの慣性に関する問題を内包
しているということである。このような偏向システムは
性質上電気機械式であるから、いかなるビーム速度を達
成する際にもそれに伴う加速度には限界がある。速度の
不均一性は避けることができないので露光した光硬化性
組成物は許容できない厚みのバラツキが生じる。特に、
高強度での露光が直前に行われていない層部分の場合に
は、高いビーム速度を使用する必要があり、したがっ
て、良い加速時間が必要となり、これがまた露光組成物
の不均一な厚さの原因となる。低強度のレーザを使用す
る場合には、立体物体の造形に過剰な時間がかかるの
で、良い結果が得られない。さらに、本発明について以
下の説明で明らかにするような光硬化性組成物の少なく
とも前述の深さ、露光レベルの関係が維持されないかぎ
りベクトル走査の有用性はさらに低下する。
【0006】したがって、本発明の目的は精密に制御さ
れた深さ、解像度の三次元モデル層を順次に走査し、形
成することによって露光されていない光硬化性組成物上
にベクトル・モードで直接レーザ描画を行う装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の装置は、液状硬化性組成物の表面にビームを放射し
て前記液状硬化性組成物の所定部分を硬化させる立体造
形装置であって、前記放射ビームがパルス状であること
を特徴とするものである。次に請求項2記載の装置は、
請求項1記載の装置において、前記放射ビームが、その
一つのパルスと次のパルスとの間隔もしくは各パルスの
幅を変更可能とされていることを特徴とするものであ
る。次に請求項3記載の装置は、請求項1もしくは請求
項2記載の装置において、前記放射ビームにより、前記
液状硬化性組成物の所定部分に薄い層内で所望のほぼ一
定深さの硬化を生じさせることを特徴とするものであ
る。次に請求項4記載の装置は、液状硬化性組成物の表
面にビームを放射して前記液状硬化性組成物の所定部分
を硬化させる立体造形装置であって、前記放射ビームを
パルス状のビームとし、前記液状硬化性組成物の表面上
での放射ビームの走査速度に合わせて放射ビームの一つ
のパルスと次のパルスとの間隔もしくは各パルスの幅を
制御することにより、単価面積あたりほぼ一定のエネル
ギー量を前記液状硬化性組成物に放射し、該液状硬化性
組成物に薄い層内で所望のほぼ一定深さの硬化を生ぜし
めることを特徴とするものである。次に請求項5記載の
装置は、請求項2乃至請求項4記載の装置において、前
記放射ビームの一つのパルスと次のパルスとの間隔もし
くは各パルス幅の変更が音響光学変調器により行われる
ことを特徴とするものである。次に請求項6記載の装置
は、請求項1乃至請求項5記載の装置において、上記液
状硬化性組成物は少なくとも一種の光硬化性モノマーま
たはオリゴマーを含有し、かつ少なくとも一種の光硬化
性開始剤を含有することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施例の実際の
意図を読者に理解してもらうべく、以下、添付図面に関
連した詳しい説明を行う。以下の説明ではコンピュータ
制御手段をテーブルの位置、移動速度を制御する第1の
コンピュータ制御手段と放射ビームの変調、偏向を制御
する第2のコンピュータ制御手段に分けた実施例を示し
ているが、これに限られず、一つのコンピュータ制御手
段でテーブルの位置、移動速度及び放射ビームの変調、
偏向を制御する実施例も当然考えられる。本発明は光硬
化によって三次元物体を造形する方法および装置に関す
るものであり、一層詳しくは、比較的高い速度と精度で
直接前記造形を行うべく比較的高出力のレーザを制御し
ながら使用することに関する。
【0009】ここで図1を参照して、ここに示す放射線
装置10(たとえば、レーザ)は放射ビーム12を発生す
る。本発明の目的が高速で立体的な物体11を製作するこ
とにあるので、本発明の装置は高出力レーザのような比
較的高出力の放射線装置10を利用すると好ましい。この
高出力レーザは可視領域、赤外線領域あるいは紫外線領
域にある主要帯域を持ち得る。ここで、高出力とは、20
mWより大きい出力と考えており、好ましくは、放射ビー
ム12の強さから測定して 100mWを超える出力である。こ
れは現在の光硬化性組成物の感度に合わせてある。しか
しながら、もっと速い組成物を利用できるようになった
場合には、ビーム強さについての20mW、100mWの値はそ
れに応じて低くなることになる。これは組成物の感度と
放射ビームの強さが同じ結果を得るには互いに反比例の
関係を持つからである。或る種のレーザの選択は、光硬
化性組成物の感度がレーザ放射線の波長をうまく一致す
るように光硬化性組成物の選択と一緒に考えなければな
らない。他の種類の放射線装置も、そのエネルギ形式か
ら光硬化性組成物の感度と一致し、ビームが発生し、取
り扱いについて最適な状態が周知の確立した方法によっ
て観察されるかぎり、利用できる。たとえば、電子ビー
ム、X線等も利用できる。ビーム横断面形状を任意所望
の形状に偏向する手段を設けてもよいが、普通の形状と
しては円形であり、ビームの強さの分布はガウス分布で
あり、最高点は円形の中心にある。
【0010】放射ビーム12は変調器14を通り、この変調
器は音響光学変調器であると好ましい。変調された放射
ビーム12′は、次に偏向手段16を通る。この偏向手段は
2つのミラー20、22を包含し、各ミラーはX方向、Y方
向において面46に対してビームを反射させ得る軸(図示
せず)を有する。ここで、X方向、Y方向とは互いに直
角でありかつ面46に対して平行である。ミラー20、22は
モータ24、26によってそれぞれ対応する軸線まわりに回
転して、それぞれ、X、Y方向において容器44に入って
いる液状光硬化性組成物40の所定の位置に向かってベク
トル走査モードでビームを制御しながら偏向させるよう
になっている。適当な光硬化性組成物の例は後に示す。
ビームが偏向手段16によって偏向されると、このビーム
はゼロ・レベルから最高値までの加速度と、ゼロ・レベ
ルから最高の一定値までの速度を持つ。ビームの速度及
び強さは、互いに比例したままであり、その結果、露光
がほぼ一定に留まる。ビームはほぼ一定の光硬化深度ま
で組成物の所定部分の光硬化を生じさせる。光硬化深度
は、走査方向に対して直角の横断面で測って、面46と光
硬化した薄い層の対向側面の間の最大厚さすなわちピー
ク厚さとして定義される。後に説明するように、各個々
の光硬化層あるいはその一部の厚さは或る走査線上のポ
イント毎に異なる可能性がある。したがって、混乱を避
けるべく、ここで言う光硬化厚さとは前記層の任意のポ
イントでの厚さのことであり、硬化深度は上記の定義に
限定する。容器44内には、可動テーブル41とエレベータ
・モータ42のような設定手段が設けてあり、このエレベ
ータ・モータは可動テーブル41に動きを与えて容器44内
で可動テーブルの位置を精密に制御するようになってい
る。テーブル41の動きは並進運動、回転運動、無作為運
動あるいはそれらの組合わせのいずれであってもよい。
ドクタ・ナイフ43ののような層形成手段が容器44内でテ
ーブル41の上方に設置してあり、これは液状光硬化性組
成物の重なった薄い層を形成する。また、第1コンピュ
ータ制御手段30と第2コンピュータ制御手段34も設けて
ある。第1コンピュータ制御手段30は、制御/フィード
バック・ライ2、60、62、58のそれぞれを介入して放射
線装置10、設定手段42、層形成手段43および第2コンピ
ュータ制御手段34と接続してある。第2コンピュータ制
御手段34は、ライン58を介しての第1コンピュータ制御
手段30との接続に加えて、制御/フィードバック・ライ
ン50、54のそれぞれを介入して変調器14と偏向手段16に
も接続している。存在の明らかな補助的な装置類は簡略
化のために示していない。
【0011】上述したように、一定の露光を得るように
放射ビームを変調することはアナログ方式でもディジタ
ル方式でも行うことができる。Greyhawkの製造する市販
のシステム(Greyhawk Systems, Inc., 1557 Center Po
int Drive,Milpitas, CA 95035) を後述のように改造し
て露光レベルを一定値に制御する本発明の第2コンピュ
ータ制御手段34の一部として使用してもよい。Greyhawk
システムはモータ24、26の軸に取り付けたエンコーダ
(図示せず)の発生したパルス信号を、像空間の存在お
よび所望露光量を考慮してディジタル式に処理され、レ
ーザを直接変調する電気パルス信号に変換する。これら
のエンコーダは軸の回転を示し、したがって、像形成面
46におけるミラーから反射してきたレーザ・ビームの対
応する動きを示す。効果的には、レーザはビームが像平
面で動いた個々の距離に対応させてディジタル式に変調
する。
【0012】レーザの変調にはレーザが1パルスあたり
或る特定の時間枠にわたってオン状態にあることが必要
なので、像平面でレーザ・ビームが動いた距離あたりの
かなり均一な露光が得られる。
【0013】非固体素子のレーザの直接的なディジタル
変調は、このようなレーザが立体像形成にとって有用な
ほど高い率でディジタル式に変調され得ないために、現
在のところ非実用的である。これらのレーザは連続的に
しか作動できない。(CW) 。パルス状に作動する場合、
パルス反復率あるいはパルス時間幅またはこれら両方が
Greyhawkシステムの電子機器の発生する変調信号に追従
できないからである。この場合、像平面に不均一な露光
が生じる。非固体素子レーザのビームをGreyhawkのよう
なシステムで要求される高い率で変調するには、固体素
子レーザを作動するのに適した電気信号を徹底的に修正
してCWレーザのビーム経路にある光硬化スイッチを作動
させなければならない。光スイッチならびにそこで用い
られる変調用電子機器は電気変調信号に追従できなけれ
ばならないし、「オン状態」で適切な伝送効率を持って
いて像形成面46で必要とされる有用なビーム・エネルギ
を与えなければならない。このような光スイッチ類はア
ナログ式でもディジタル式でもよいが、最もこの好まし
いタイプは音響光学式である。
【0014】本発明で使用され得る他のスイッチ類の例
としては次のものがある。まず、電気光学式スイッチで
あり、これは電圧を印加したときに光学的極性を変える
結晶を基礎とするものである。
【0015】次に、液晶ゲートであり、可視領域で用い
られるものであり、ビーム・ゲートと呼ばれる、Meadow
alk Optics(7460 East County Line Road, Longmont, C
olorado 80501)の製造したものがある。これも液晶物質
の偏光状態の変化を基礎とする。また、ダイアフラムを
動かすことのできる圧電セルもあり、たとえば、小ピン
ホールである。
【0016】最後に、偏光状態に依存するいわゆるPLZT
(Pb0.9、La0.1 、Zr0.65、Tio.35) ベースのスイッチで
ある。ここでは、2枚の偏光板が互いに90度で交差する
軸線をもって設置してあり、それらの間にPLZTフェロエ
レクトリック結晶が挿入してある。PLZT結晶はそれに電
界が与えられているかいないかに依存して通過する光の
極性を回転させることができる。現在、オフ位置にある
とすると(すなわち、PLZTが電界を持っていない場合に
は) 、第1の偏光子を通る光はPLZTによって変化せず、
第2の偏光子によって阻止される。しかしながら、PLZT
が電界の下にある場合には、第1偏光子を通る光はPLZT
によって回転させられ、第2偏光子を通過することがで
きる。
【0017】この分野では周知のように、実際的な目的
のため、より良く理解してもらうため、そして、より良
い説明のため、図2にP1、P2、P3、……Pnで示すよう
に、二次元面に位置する像をピクセルと呼ぶ小さな仮想
面積単位に分割するのが望ましい。これらのピクセルは
通常は正方形であり、X、Y両方向に同じ寸法を有す
る。矩形その他の形状の代わりに正方形を選んだ主たる
理由は、多くの場合、X、Y両方向において同じ解像度
が得られ、また、それが望ましいからである。同様にし
て、或る立体像を考えた場合、立体像の体積を図3にV
1、V2、V3……Vnで示すようにボクセルと呼ばれる小さ
な仮想立方体に分割すると良い。上述したと同じ理由
で、この立方体は1つのボクセルの好ましい形状であ
り、したがって、このボクセルはX、Y、Zのすべての
方向において同じ寸法を持つことになる。
【0018】本発明の装置、方法の製品を走査線間隔、
すなわち、光硬化性組成物40の表面46上のビーム12″の
任意2つの隣り合った走査線(互いにほぼ平行である)
の中心間隔に等しい縁寸法を有する立方体ボクセルによ
って説明すると好ましい。
【0019】二次元像形成技術について簡単な外挿法を
使用することによって、立体すなわち三次元の像形成の
動作特性、たとえば、走査線の最適間隔を予想できる
と、普通は考えられよう。しかしながら、それは当って
いない。事態はもっと複雑である。というのは、特に、
立体像形成では光硬化深度および厚さのような新しい複
雑な変数(二次元像では小さいし、一定値である)が存
在し、積極的に関わりを持つからである。光硬化性組成
物の表面上の或る線に沿って合焦レーザ・ビームを一回
走査した場合(単走査)、単純に考えると、矩形横断面
を有する直線立体と受け取られよう。専門家であれば、
このような横断面がガウス横断面分布を有する放射ビー
ムから生じるようなガウス形状となると予想するかも知
れない。しかしながら、いずれの予想も当たっていな
い。このように形成された直線立体の横断面が予想外に
ほぼ非ガウス形状であることを本出願人は発見したので
ある。
【0020】換言すれば、この方法で形成された直線立
体をその長さ方向に対して直角に切断した場合、液面で
始まる幅が立体の先端付近まで表面46から遠くなるにつ
れてほぼ線形に減少するのである。この横断面特性は走
査立体像形成にとっては重要な情報である。なぜなら
ば、通常、層を走査して各横断面薄片領域を部分的に埋
めて行くとき、走査は完全な立体面を生じさせるように
互いにほぼ平行に隔たった線またはベクトルからなる。
各ベクトルの幅が表面46から離れるにつれてほぼ線形に
減少するという知識があれば、均一な露光ならびに均一
な光硬化深度を得るためのベクトル線の適切な間隔を決
定することができる。適切な線間隔の場合、各薄層の底
における厚さの変化であるリプルが最小限に抑えられ、
層のうねり傾向が低減され、部分解像度、公差が保た
れ、各層の強度がより大きくなると共に方向による強度
の差が小さくなり、層対層の接着性が改善され、走査線
の数を最小限に抑えることができる。本出願人が目的と
することは、単走査立体線の横断面がほぼ非ガウス形状
となることにある。その理由は、走査中の放射ビームが
ガウス形エネルギ分布の場合、その立上がり部分が光硬
化性組成物の対応した部分を光硬化させる能力に関して
無効となるからである。これには多数の原因があり、た
とえば、次の原因がある。光硬化が生じ得ない領域、こ
の分野では誘導領域として周知の領域内で露光程度が低
くなる。
【0021】円形ガウスビームの単走査中、移動してい
るスポットの中心の軌跡に向う部分(このスポットはビ
ームと光硬化性組成物の表面との交差点にある)が、ス
ポットの速度に逆比例して変化するガウス・モードで
は、必然的に、この軌跡から遠い部分よりも高い露光を
受けることになる。これはビームによって影響を受ける
すべての層にもそれ相応に当てはまることになる。ガウ
ス機能とS字形の光硬化厚さ対露光関係の組合せ(立体
像形成では、深度・露光曲線と定義できる)の1例が実
施例1において説明される本発明の好ましい組成物のう
ちの1つの組成物の作用に関して図4に示してあり、こ
れは単走査線の非ガウス形状を説明している。
【0022】光硬化深度ならびに光硬化厚さが光硬化性
組成物の性質、ビーム強さおよび直接ビーム入射時刻の
関数となるばかりでなく、他のパラメータおよび二次的
効果(たとえば、走査重複、隣接した部分を照射したと
きに生じる二次露光等)にも依存するという事実に注目
するのも非常に重要である。たとえば、1本の走査線の
光硬化深度は連続したフイルムを形成する複数本の密接
に重なり合った走査線の光硬化深度よりもかなり小さ
い。同様に、他のすべてが一致に保たれていると仮定す
れば、走査線の数が多ければ多いだけ、互いに接近度が
大きくなり、それだけ光硬化深度が大きくなる。また、
縁が片側だけで隣り合った露光走査線を有するので、全
体の露光度が低くなり、正しい段階を踏まないかぎり、
光硬化中に中間部分よりも光硬化深度が小さくなる。
【0023】上記の現象を原因として、普通の二次元像
形成と立体像形成の間には第2の重要な差異(後に詳し
く説明する)が現れる。普通の二次元像形成システムで
走査線を形成するには、走査線間の距離がガウス強度分
布を持つ像形成用ビームの直径1/e^2にほぼ等しいかあ
るいはそれより小さいときに、像の目に見えるリプル感
覚を排除すべく適切な走査線間隔が生じるということは
この分野では公知である。立体像形成の場合、この間隔
での走査線の設置により、実施例1に記載する組成物の
場合に各層の下面に際立ったリプルが生じることにな
る。その理由は、露光に対する材料の応答性の非ガウス
形状が光硬化した薄層の許容範囲の均一な厚さを与える
ほど重なり合うことがないためである。
【0024】したがって、走査間隔の決定は、ボクセル
の寸法の確定に直接通じ、立体像形成システムの解像度
能力を製造しようとしている剛性物体の公差要件に合わ
せることになるので、非常に重要である。単一の走査線
の横断面のすべてのポイントにおける詳細な光硬化厚さ
とビーム線の対応したガウス形強度分布に対する露光と
の関係は次の等式に従うことがわかった。
【0025】
【数1】
【0026】ここでG{E}は露光E(mJ/ cm^2) 応答
する材料の深さに良く合った関数を表し、(実施例1の
組成物には二次自然対数多項式を用いた。G{E}(m
m)=−0.66+0.446 ln〔E〕−0.356(ln〔E〕)^2)
Pは像平面におけるビーム放射束(mW)であり、Yは走査
中心から離れる可変距離であり、roはガウスビームの1/
e^2ビーム半径であり、 vは表面を横切るビーム走査速
度である。ここで驚くべきことには、G{E}を二次自
然対数多項式と関係させる等式における露光単位が無次
元でなくても、良くなじむということである。
【0027】図5は、ビームが連続的にオンであるとき
に一定速度単一走査線に対して直角に切断されたビーム
・スポットの中心まわりの正規化されたガウス露光と、
一定速度の単一ベクトルで走査され、走査方向に対して
直角に切断された光硬化物質(実施例1の組成物を含
む)の正規化された実際の厚さと、同じ条件の下に走査
された予想される正規化光硬化厚さとを示している。こ
れらの曲線は共通最高相対値1に対して正規化されてい
て分布の差を良く示している。
【0028】ここで、単一走査露光の中心まわりの光硬
化厚さの数学的な予測の分布は実際に材料について測定
した厚さの分布にほぼ一致し、これは露光分布の形にそ
のまま基づいて予想されるものとはかなり異なってい
る。
【0029】組成物の露光に対する応答性の決定は、立
体像形成システムの解像度ならびに組成物応答性に基づ
く所望の公差で物体を製造するシステム全体の能力の確
定に通じるので、立体像形成にとっては必須である。
線、層ならびにそれに続く部分公差を保つ能力に通じる
所与の時間・パワー解像度に対してレーザ・エネルギを
制御するのが光学システムの能力である。光学走査シス
テムは、所望の寸法、位置に対してレーザ・エネルギを
方向付け、合焦するという点で優れた解像度を持ち得
る。しかしながら、それは線、層および製造される部分
の公差を規定する吸収されたエネルギに対する材料の応
答性となる。
【0030】単一走査線の分布についての知識によれ
ば、相互の接合を生じさせかつ先端間の領域を埋めるに
適した程度に重なり合っている平行な線によって形成さ
れる層が連続的にオンのビームで走査される一連の単線
の厚さ応答性を単に加えるだけでモデル設計され得ると
考えるのが普通である。このような数学的なモデルは次
の等式を持つことになる。
【0031】
【数2】
【0032】ここで、Yは走査方向に直角で像平面(図
1の表面46)に対して平行な方向における第1走査ベク
トルの中心からの距離を表し、YkはY=0に対する各ベ
クトル走査中心の、隣り合った線についてその効果を総
合した軌跡を表す。しかしながら、本出願人等の研究で
は、この数学的なモデルは光硬化厚さに関係するような
組成物の露光応答性に応じて後に行われる連続走査露光
回数の合計に基づくモデルよりもかなり劣ることを見出
した。このような数学的モデルは次の等式を持つ。
【0033】
【数3】
【0034】ここで、位置Ykに沿って位置した各ベクト
ル走査からの露光貢献度は各個々の位置Yについてまず
合計され、次いで、露光応答性G{ }がこの露光合計
に適用される。前記数3の前記数2以上の精度の決定は
図6のグラフから容易に理解できる。この図6では、3
本の連続した走査線が或る特定の間隔で引かれた前記数
2に基づく数学モデルが、光硬化性組成物の底における
リプルが同じ間隔をもって3本の走査線を引いた場合に
前記数3が示すものよりも2倍の周波数を持つことにな
ることを誤って示している。実施例1に記載された組成
物の表面に同じ間隔で互いに平行に延びる走査線によっ
て形成した層の顕微鏡写真から得た測定結果で前記数3
で示すリプル周波数が実際の組成物応答性に一致するこ
とが確認されている。
【0035】前記数3の数学モデルが光硬化性組成物応
答性を正確に予測させるものであるというさらなる証拠
が図7に示してあり、ここには、このモデルが実質的に
光硬化厚さを示していることが明らかにされている。
【0036】先に指摘したように、普通の二次元像形成
と立体像形成との第2の重要な差異は各層の下面におい
て明らかになる。銀ハロゲンフイルムで用いられるよう
な二次元走査の場合、走査間隔(すなわち、フイルムに
像形成しているときの走査線間の距離)が像平面でのビ
ーム焦点の1/e^2直径と同じ幅であることは普通のこと
である。或る種のスキャナはより密接した走査線間隔を
与えるが、まれには、ビームの1/e^0.693 直径未満の場
合もある。二次元像形成の場合、この比較的広い間隔は
いくつかの理由のために適切である。これらの理由の1
つは、裸眼はより密接な走査間隔が粗くなる像暗密度の
変化に鈍感であるということである。一方、特に高い解
像度部分を得ようとする場合には、立体像形成では、二
次元像形成での走査間隔よりも密接な走査間隔を必要と
する。これは、露光に対する非ガウス材料厚さ応答性が
光硬化性組成物内への均一な光硬化深度を与えるほど重
なり合うことがないためである。立体像形成の場合、走
査間隔は像平面での像形成ビームの全幅の最大半分すな
わち1/e^0.693 に等しいかあるいはそれより小さいこと
が好ましく、底面のリプルを最小とする。図8の曲線
は、前記数3の数学モデルに基づいた予測から導き出し
たものであり、実施例1の組成物の像形成層(この層の
最大厚さは0.127 mmとなるべきである)の底面におけ
る、連続ビーム走査間隔の変化によるリプルの変化を示
している。ここで、1/e スポット直径に等しい走査間隔
の場合、層の重要部分が走査中心線の間でセグメント化
されていることに注目されたい。
【0037】走査中心線間のこのようなセグメント化の
効果はもっと論議する価値がある。特徴的なのは、層の
剛さが厚さの3乗に比例して変化するということであ
る。すなわち、厚さが2だけ減れば、その層の剛さは先
の値の8分の1まで低下することになる。図8におい
て、1/e 直径の間隔で連続的に走査された材料は厚さが
最高値の30%まで低下した領域を有する。このような層
では、この薄い領域での相対剛さ、したがって、走査線
に対して直角の方向における剛さは98.7%の因数で低下
することになる。1/e^0.693 ビーム直径の走査間隔で
も、走査線に対して直角な方向における層の方向の場合
のほんの36%の値となると予想できる。1/e^0.5の走査
間隔では、剛さはこの方向における最大値の65%まで減
る。この剛さの差は自立層の脆弱化を招き、材料内の応
力の変化により層のうねりを生じさせ、形成された層が
その下になんの支えもないとき(すなわち、片持ち支持
されるか、架橋支持されるかしたとき)最終部分におけ
る公差損失と考えられる。
【0038】しかしながら,より密接な走査間隔に移行
するにはかね合いを考えなければならない。走査線の密
度が高くなるので、層を形成する時間が長くなるのであ
る。この余分な時間は、線に沿った走査が同じ光硬化深
度を保つようにスピードアップされるはずなので、幸い
にもそれほど重要とはならない。図9の曲線は走査線に
対して直角の方向における層形成速度の変化を走査間隔
の関数として示している。ここで、層間隔が密接になる
につれて、層形成速度が実際に平らになることに注目さ
れたい。実際に、この速度は各ベクトル走査線の端にベ
クトル・ミラーを設置することに伴う時間損失について
調節されるべきである。
【0039】走査間隔の決定は、上述したようにボクセ
ルについての寸法確立に直接通じ、したがって立体像形
成システムの解像度、公差能力に関係するので重要であ
る。この寸法確立によれば、1つのボクセルのX、Y、
Z寸法は互いに等しく、走査線間隔に等しい。光硬化の
深度および幅は材料の露光特性ならびにビーム特性に応
じて変化する。光硬化深度は単走査線の場合の光硬化幅
に匹敵する、換言すれば、それと同じ程度の大きさであ
ると好ましい。したがって、重なり合った多重走査線の
場合、光硬化用の露光は走査線間の間隔に応じて変わら
なければならない。走査間隔が像平面での露光ビームの
1/e^0.693 スポット直径より小さいか、あるいは、それ
に等しい値であると好ましい。
【0040】前述したように、レーザ等のような放射ビ
ームのベクトル走査を行う公知の偏向装置では、任意の
ビーム速度に達する際に質量加速度を伴う。この避けよ
うのない速度不均一は、特に、層がその下に直接の基層
を持たない部分を有する場合には、許容できないほどの
厚さの変化を招く。これは、適性露光レベルを高い強さ
に保つために、高いビーム速度を用いなければならず、
したがって必然的に加速時間が長くなるからである。こ
れが、また、加速期間中に露光エネルギが適切に制御さ
れない場合には厚さの不均一を招く。低出力レーザで
は、厚さの不均一は加速期間中に幾分無視しえるが、立
体物体の製作時間が長すぎることになって低強度レーザ
を使用しては良い解像度が得られない。
【0041】走査方向に対して直角なスライスではなく
て走査方向に対して平行でかつ像形成平面に対して直角
なスライスを採用して本出願人等が走査露光ならびに材
料応答性を調べたところでは、一定速度で行われる連続
的な一定出力ビーム走査の場合、材料の光硬化深度が一
定となり、リプルもないということがわかった。しかし
ながら、普通のベクトル・スキャナを用いた場合、走査
速度は特殊な設備を用いないかぎり全体的にかなり変化
することになる。スキャナ・ミラーが最高角速度まで加
速し、次いで、最高角速度から各ベクトルの終りのスポ
ットまで加速するときに各ベクトルの初めで速度変化が
生じる。
【0042】スポット速度は走査半径(像平面からの走
査ミラーの距離)と共に線形に変化し、図1の光硬化性
組成物の表面46を横切って非線形に変化する。これは、
像平面が立体像形成の際に通常平らであり、ベクトル・
スキャナが通常は像平面の上方の距離のところにあるポ
イントに置かれるからである。これらの影響を避けるべ
く、スキャナは、通常、入射面46から適切に遠く離れた
ところに設置され、非線形速度変化をすべての実用上の
目的にとって無視し得るものとしている。光学機器も、
露光ビームの焦点深度が充分に長くてビーム12″を入射
面46におけるすべてのポイントでほぼ平行とし得るよう
に選ぶ。
【0043】好ましいシステムでの光学機器は、すべ
て、好ましくは紫外線領域で作動するレーザ・ビームを
最適条件で透過させ得るようにコート処理される。ま
ず、レーザ・ビーム12は安全インタロックが開かれたと
きにビームを遮る手段として用いられる機械的シャッタ
を通る。次に、音響光学式変調器の静的、動的動作にと
って最適となる或る直径まで合焦、平行となる。ビーム
視準光学機器に続いて、光は、ビーム方向を水平に変え
てブラッグ角で音響光学変調器クリスタルに入射させる
くさびを通して伝送される。音響光学変調器を通ってい
るときのビーム直径は完全に均一であり、静的なオン状
態で第1次までの最大回析効率を許すと同時に第2コン
ピュータ制御手段34によって制御される切り換え速度で
優れた変調効率を与えるサイズのものとなる。切り換え
速度は、薄層の製造のためには普通は、2〜20メガヘル
ツのオーダーである。音響光学変調器を通過した後、露
光をまったく行うつもりのないゼロ次ビーム(あるい
は、露光を行おうとしているときにゼロ次、1次および
普通は他の次数のビーム)は別のくさびを通り、このく
さびがビームを残りの光路の下方水平方向に再整合させ
る。このくさびの後、ビームは負レンズで拡散させられ
る。次いで、第1次ビームを除いて、拡散させられたゼ
ロ次ならびに他の次数のビームは光路下方での別の伝送
を阻止される。もし存在するとして、第1次ビームは光
路下方で継続させられ、そこにおいて、長焦点距離レン
ズを通り、X-Y 走査ミラー20、22を通して方向付けられ
る。これらのミラーはこのビームをビーム12″として光
硬化性組成物40の表面46に反射する。ミラーから表面46
までの距離は最終レンズの焦点距離よりやや短い。最終
レンズの焦点距離は長く、したがって、走査半径も長く
なり、この光学形が像表面全体において完全に均一な焦
点直径を持つことを保証し、また、ビームが走査角によ
る低い非点収差を持つことになるのを保証する。所与の
切り換え周波数にとって音響光学変調器を通過する最適
なビーム直径についての計算はこの分野では周知であ
り、ここでは簡略化のために詳しく説明しない。
【0044】これらの条件が満たされたとき、連続ビー
ム走査のスポット速度の変化は、直線、走査方向(X方
向)ならびに走査方向に対して直角の方向(Y方向)に
おける光硬化厚さ、光硬化深度の変化に言い換えられ
る。スポットは、先に説明したように、表面46とビーム
12″の交点である。走査ビームが連続的である場合、前
記数3は表面46上の任意の位置1(X、Y、t)での光
硬化厚さを計算するのに用いることができるが、ただ
し、この位置でのスポット速度が既知であり、この速度
がY方向に沿って変化しない(すなわち、走査速度が像
平面において無限の曲率半径を持つ)としなければなら
ない。
【0045】ベクトル走査の場合、一層詳しくは、本発
明を説明するのに用いられる装置の場合、偏向手段の最
大許容加速度(一回のミラー回転におけるもの)が特定
の値にセットされ、それ相当に適切な走査半径が使用さ
れる。或る代表的なシステム仕様は次の通りである。偏
向手段で発生したボクセルはX、Y、Z寸法が等しく、
各ボクセルの所望寸法はそれぞれの寸法で0.0127cm(0.
005 ″)である。ビーム放射照度の関数G{ΣE(mJ/2
cm^2) }として或る露光を受けた材料を用いて達成され
る光硬化深度(cm) は次の関数演算子によって表現され
る。
【0046】
【数4】G{ΣE}(cm)=−0.066+0.0446 ln〔ΣE〕
−0.00356(ln〔ΣE〕)^2
【0047】像平面において単一の走査線で走査される
0.0127cm1/e^0.693 直径スポット(すなわちro=0.0108
cm 1/e^2)において 300mWのレーザ出力でD=0.0127cm
深さのボクセルを生じさせるG{ΣE}感度の材料の場
合、最高走査速度(Vxmax)は前記数1と前記数4を組合
せ、その結果生じた二次方程式を解答することによって
決まる。
【0048】
【数5】
【0049】ここで、A、B、Cは材料応答性等式G
{ΣE}の材料係数を表す(すなわち、A=−0.066 …
…、B=0.0446……、C=−0.0356……)こうして、ス
キャナが最高速度に達するのに採用する時間、距離につ
いて容易に解決できる。この場合、約7.02ミリ秒を採る
が、適正な露光が達成されるまで4.65cmを移動しなけれ
ばならない。この時間と移動距離のとき、材料は大きく
露出過剰となり、光硬化深度が所望程度よりもかなり深
くなる。換言すれば、走査システムは付加的な設備がま
ったくないとき所望公差の或る部分(この場合、1本の
線)を生じさせるのに適した露光エネルギの解像度を与
えない。
【0050】図10および図11はこの加速期間中の過露出
と光硬化深度公差の損失を示す。ここで先に説明したよ
うにベクトル走査システムの場合、 300mW強度を有す
る。図1のビーム12″のようなビームは大きく改善され
た走査速度を潜在的に与え、走査中に連続的にオンに留
まり、約4.65cm移動距離まで光硬化性材料における所望
の露光レベル、したがって、光硬化深度を発生すること
がない。この過剰な露光が走査の終りで生じ、また、ス
キャナが1つのスポットまで減速するので、 300mWビー
ムを持つスキャナ・システムは像平面(図1の表面46)
のあらゆる部分で所望厚さの層を走査することができな
い。図11は、図10に示す曲線の開始部分の拡大図であ
り、走査中に連続的にオンである15mWビームでも各走査
線の始まりで過剰露光を生じさせることを示している。
同様の過剰露光は各ベクトルの終りでも生じよう。影響
を受けるのは、所望露光点での光硬化深度だけでなく、
走査線を囲む領域における光硬化の厚さも影響を受け
る。
【0051】個々のベクトルの始まりと終りでのこの公
差の喪失は部分横断面を表す層を盛るように互いに隣り
合った一連のベクトルでも明らかである。この層はベク
トル盛り分の始まりと終りに対応する縁のところで余分
な光硬化深度を得ることになる。縁のところでこの余分
な光硬化深度が生じるという事実は、外面のところでの
公差コンプライアンスについて通常は部分的な測定が行
われるので、部分全体または剛性物体の公差喪失に通じ
る。したがって、この部分は各横断面で望まれるよりも
幅が大きくなり、孔が所望程度よりも直径が小さくなり
(ベクトル走査では孔がベクトルの別の始まり、終りを
表わす)、片持ち部分、架橋部分あるいは傾斜部分にお
いて望まれるよりも深くなる。上述した15mWビームの場
合には、それで作られる剛性物体は公差セット限度に依
存してかろうじて許容できる程度であるが、 300mWで作
った部分または剛性物体が過剰に大きくゆがめられるこ
とになることは確かである。
【0052】一方、露光制御を利用すれば、より高い出
力のレーザを使用でき、したがって、より速い走査速度
を利用でき、露光解像度がかなり改善され、かなり緊密
な部分公差に合わせた能力を得ることができる。基本的
には、本発明の好ましい実施例では、露光制御はスポッ
トが光硬化性組成物の表面上を移動する単位距離あたり
の或る設定時間にわたってレーザ・ビームを確実にオン
にすることによって走査ベクトルにわたって均等な露光
を与える。先に説明したように、レーザ・ビームは各ボ
クセルに対して多数回の露光に分けるように変調され
る。各露光中のビームの出力すなわち強さは同じであ
り、露光パルスの時間も同じである。(ただし、後述す
るように各ベクトルの始まりと終りを除く)。これはベ
クトル走査線に沿って実質的にもっと均一な露光を与え
る。等しい時間幅(w)のディジタル方形波時間パルスを
有し、ストップから最高速度まで加速するこのような変
調ベクトル走査システムのための一般化した露光方程式
は次の通りである。
【0053】
【数6】
【0054】ここで、tはベクトルの始まりの時刻を表
し、Ykは走査線Yoから出発して走査方向に対して直角の
距離のところで各走査の中心線を表し、XpはXoのところ
で出発して走査線に沿って各パルスが位置する距離を表
し、「a」は走査方向におけるスポットの加速を表す。
前記数4は積分すると、Xの点から幾分処理が容易にな
り、次の形に書き直すことができる。
【0055】
【数7】
【0056】代表的には、前記数6の積分の代わりに前
記数7の積分を用いて像平面の或るポイントでの露光を
計算する場合、このポイントからの1/e^2(3〜4シグ
マ)半径の半分から2倍に存在するパルスの露光分担量
を合計しなければならない。このポイントについてひと
たび全露光量が計算されたならば、前記数4に記載され
ている演算関数を用いてそのポイントでの露光値を予測
することができる。ディジタル・コンピュータ近似法を
用いて、各寸法でのボクセル・サイズが0.0127cmである
ビーム・スポットの1/e^0.693 直径の間隔で他のベクト
ル走査で囲まれたベクトル走査について光硬化厚さを計
算した。このスポットのパルスはボクセルあたり、スポ
ットから加速されたビームの4倍で生じる。走査半径は
大きくして、1.27*10^6cm/sec^2のスポット加速度を与
えた。スポットはパルスあたりw=3.93*10^ −6secにわ
たってディジタル式にパルス化し、像平面でのビーム出
力は 150mWであった。
【0057】図12はこのような走査について予測される
光硬化深度を示す。この曲線は走査線の中心に沿った予
測深度を示しており、これが定義によれば光硬化深度と
なる。ここで走査線に沿って光硬化深度が1ボクセルに
ついて移動した後の、すなわち、走査間隔に等しい距離
にわたる所望一定値を達成することに注目されたい。各
ベクトル始まりと終り、すなわち、各充填平面の始まり
と終りで1ボクセル長分の損失は、露光制御を行った場
合、連続ビーム走査を利用したときに得られるもの以上
の重要な改良を表す。より高い出力の露光ビームを利用
した場合、露光制御ではもっと速い走査速度を可能とす
る。しかしながら、始まりと終りでの1ボクセル分の損
失は或る部分についての所望の寸法におけるセット公差
に関してそれ以上の損失になお移行する。
【0058】第1ボクセルの損失についての理由を明確
に理解するためには、プリセット公差に合わせるように
露光制御を利用するベクトル走査システムの能力をさら
に改善しなければならない。前記数6ならびに隣り合っ
たスポットの露光量を合計して或るポイントでの全露光
量を計算しなければならないという事実を考えると、ベ
クトルの始まりでは、隣り合った露光が走査の背後に存
在せず、走査の前方にのみ存在するということが実現さ
れ得る。これは、或る走査の最初のボクセルが後に続く
ボクセルによって受け取られる露光量の約半分の量を受
け取ることを意味する。これは、さらに、パルスを発生
するための情報を与える、ミラーに取付けられたエンコ
ーダが信号の発生の前に約1パルス分移動しなければな
らないという事実と組み合わされる。こうして、普通
は、図12に示す場合の第1ボクセルは計算した露光量よ
りも4分の1少ない露光量を受け取ることになる。
【0059】1ボクセルあたりのパルス量を増大させ、
エンコーダ内のパルス損失によるパルス露光損失のパー
センテージを減らすことはできる。これには、パルス回
転率限界によるスキャナの速度を最終的に制限すること
のできるエンコーダ上のパルス密度の増大が必要とな
る。これには、また、パルス時間幅が比例して減り、ビ
ーム・スイッチの光学的効率を最終的に低下させ、ビー
ムの全出力を低下させかつ最高ビーム速度すなわち走査
速度を短縮することが必要となる。
【0060】走査半径(図1のビーム12′の長さ)の短
縮はパルス密度を増大させるが、大きなフィールドの走
査を許さず、パルス時間幅が比例的に減少して露光量を
減らすときのシステムの光学効率の損失のために最終的
に自滅することになる。好ましい解決策は、走査線の始
まりの最初のボクセルと終りの最後のボクセル内の最初
の2、3のパルスに長いパルス時間を与えることであ
る。これが走査システムの速度を低下させることはない
し、走査システムの任意他の部分になんら負の影響を与
えることもないが、各ベクトルの始まりと終りでボクセ
ルの回復を許すことになる。
【0061】作動に際して、図1に示す放射線手段10
(好ましくは高出力レーザである)は前述したような強
さを有する放射ビーム12を与える。この放射ビーム12は
変調器14を通過し、その強さがゼロ強さレベルからエネ
ルギの損失により未変調ビーム強さのそれよりも低い値
を有する最大ビーム強さまで変調を受ける。ディジタ
ル、アナログ両方のタイプの種々の変調器が使用し得
る。ディジタルタイプは、システムの電子的な安定性、
融通性を高めるので好ましいものであり、音響光学式変
調器が好ましい。高エネルギ非固体レーザの場合、上述
したように、特殊な変調器配置をなさなければならな
い。次いで、損失により幾分減少した強さを有する変調
された放射ビーム12″は2ミラー20、22組立体の形をし
たベクトル・スキャナのような偏向手段16を通過する。
各ミラーはそれぞれ異なったモータ24、26によって個別
に駆動される。モータ24によって駆動されるミラー20は
X方向にビームを偏向し、ミラー22はX方向にビームを
偏向する。ここで、X方向はY方向に対して直角であ
る。放射ビーム12″は、付加的な損失により幾分強さは
低いが、光硬化性組成物40の表面に最も近い薄層48に向
けられる。この光硬化性組成物は容器44に入っており、
ここで、薄層48の所定の部分の光硬化が生じる。ビーム
の複合運動はベクトルタイプの運動であり、ビームはベ
クトル・モードで運動すなわち走査されると言える。電
気機械式偏向手段16の慣性により、薄層48上でのビーム
12″の速度は偏向手段16の慣性ならびに電気機械的特性
によっても制限を受ける。
【0062】2つのミラー20、22のモータ24、26を介し
ての偏向は第2コンピュータ制御手段34によって制御さ
れ、一方、製造中の立体物体の形状に対応する図形デー
タは第1コンピュータ制御手段30内に記憶される。第2
コンピュータ制御手段34は変調手段14、偏向手段、第1
コンピュータ制御手段30にそれぞれ制御/フィードバッ
ク・ライン50、54、58を介して接続している。第1コン
ピュータ制御手段30に記憶された図形データは第2コン
ピュータ制御手段34に送られ、処理された後、モータ2
4、26を回転させ、ミラー20、22を移動させ、放射ビー
ムを薄層48上の所定位置に向って偏向する。ミラー20、
22の相対運動に関する電気的フィードバックは偏向手段
によってライン54を介して第2コンピュータ制御手段34
に与えられる。このフィードバックは薄層48の所定部分
でのビームの速度ならびに平均残留時間に相互関係があ
り、第2コンピュータ制御手段34によって処理されてか
ら、ライン50を通して制御指令として変調手段14に送ら
れてビーム12の強さを変調し、その結果、ビーム12の強
さと薄層48の所定部位のうち各部位での平均残留時間の
積がほぼ一定に留まる。こうして、これら2つのパラメ
ータの積として定義される露光レベルがほぼ一定に留ま
る。この露光レベルを各隣り合った薄層の所定部分にわ
たって一定に維持することによって、光硬化深度もほぼ
一定に保たれる。この補正は、膨らんだ縁が上述したよ
うなベクトル走査における縁のところの低い初期速度に
よる過剰露光の結果として現れる薄層の不支持部分で特
に非常に重要である。ビーム12″の強さが高ければ高い
ほど、あるいは、光硬化性組成物の光感度が高ければ高
いほど、露光レベルを一定に保つ手段がない場合にはこ
の問題はそれだけ厳しいものとなる。また、組成物40の
感度が大きければ大きいほど、或る種の露光制御手段な
しには問題はそれだけ厳しいものとなる。
【0063】可動テーブル41は、当初、光硬化性組成物
40内の表面46から短い所定距離のところに設置され、表
面46とテーブル41の間に薄層48を与える。テーブル位置
決めは設定手段42によって行われ、この設定手段は第1
コンピュータ制御手段30によってそこに記憶されたデー
タに従って制御される。剛性物体の形状の第1層に対応
する図形データは第1コンピュータ制御手段30から第2
コンピュータ制御手段34へ送られ、そこにおいて、偏向
手段16から得られたフィードバック・データと一緒に処
理され、変調器14に送られてそれを制御し、その結果、
ビームが薄層48の所定部分上をベクトル・モードで移動
するときに、露光量が一定に留まる。剛性物体の第1層
が完了したならば、可動テープル41を第1コンピュータ
制御手段30からの指令を介して設定手段42によって所定
の短い距離だけ下降させる。第1コンピュータ制御手段
30からの同様の指令により、層形成手段、たとえば、ド
クタナイフ43が表面46を拭って平らにする。次いで同じ
手順が繰り返され、第2の、第3、そしてそれに続く層
を製造し、最終的に剛性物体が完成する。
【0064】先に述べたように、変調器は放射ビームの
強さをほぼゼロの強さから最大強さまでアナログあるい
はディジタル・モードで変調する。変調器では或る程度
の光学的な損失があり、また、偏向手段でも或る程度の
付加的な損失がある。最大強さは未変調ビームの強さマ
イナス全光学的損失に等しい。本発明の好ましい具体例
では、最大ビーム強度は光硬化性組成物の感度その他の
パラメータに依存して或る種の値を超える。したがっ
て、放射ビームの最大強度が次の式よりも大きい光硬化
深度を与えることが好ましい。
【0065】
【数8】
【0066】ここで、G{ΣE}は露光Eの合計で演算
する関数G{ }を表し、この関数演算子は或る特定の
ポイントあるいは領域で受け取られる露光量の合計(mJ
/ cm^2)に対して或る特定の材料光硬化深度応答性(c
m)を関係付ける。普通は、この関数演算子は次の形の
自然対数二次多項式適合である。
【0067】
【数9】G{ΣE}=光硬化深度=A +B ln〔E〕+C
(ln〔E〕)^ 2
【0068】ここで、A、B、Cはこの関係について良
好な数学的適合性を与える或る特定の材料についての係
数であり、Yは像平面における走査方向に対して直角の
方向における任意の該当位置(cm)を表し、Ykは像平面
における位置Y=0に対する走査線の任意の中心位置
(cm)を表し、roはビームと光硬化性材料の像平面との
交差点におけるビームの1/e ^ 2 半径(cm)であり、v
は像平面における表面上のビーム・スポットの速度(cm
/sec)である。
【0069】ベクトル走査のベクトルは複数の走査線か
らなり得る。これらの走査線は1グループあるいはそれ
以上のグループの走査線を含み得るし、その場合、各グ
ループの走査線は互いに平行でcmある。或るグループ内
の2つの隣り合った走査線の距離は、一定であるときに
は走査線間の走査間隔となる。しかしながら、或る状況
では、走査間隔が線毎に大きく変わる可能性はある。こ
の場合、ビームが任意最初の線を走査しているとき、前
記最初の線に関係する走査間隔は第1線と第2線との距
離に等しい。この第2線とは、他の隣り合った線のうち
でも、第1線に最も近く、第1線を走査した後に走査さ
れる線を言う。
【0070】最大加速度で走査線上を放射ビームが移動
してゼロ速度レベルから最大一定速度に到達するまでの
距離は走査間隔より大きいことが好ましく、もっとも好
ましくは、走査間隔の5倍、さらに好ましくは走査間隔
の10倍である。変調器14は、好ましくは第2コンピュー
タ制御手段34を介して制御されてほぼ方形波パルスの形
で放射ビームをオン、オフする。各パルスは、通常は、
ほぼ同じ振幅あるいは強さならびに同じ持続時間を有す
る。ビームが光硬化性組成物40の表面46を走査するにつ
れて、パルス周波数は表面46上をビームが移動する速度
に比例するように第2コンピュータ制御手段34、走査シ
ステム16、フィードバック手段54によって設定される。
【0071】
【数10】
【0072】ここで、G{ΣE}は露光Eの合計につい
て演算する関数G{ }を表しており、この関数演算子
は或る特定のポイントまたは領域で受け取られる露光量
の合計(mJ/ cm^ 2)に或る特定の材料光硬化深度応答性
(cm)を関係付けるものである。通常は、この関数演算
子は前記数9と同じ自然対数二次多項式適合である。
【0073】ここで、A、B、Cはこの関係について良
好な数学的適合性を与える或る特定の材料についての係
数であり、roはビームと光硬化性材料の像平面との交差
点におけるビームの1/e ^ 2 半径(cm)であり、P は時
間積分によって示されるようには変調されない場合に他
のパラメータによって示される状況の下で望まれるより
も大きい重合深度を与える、像平面におけるビームの最
大放射照度(mW)であり、X、Yは像平面における光硬
化性液体の表面の位置(cm、cm) を表わし、Ykは像平面
における位置Y=0に対する走査線の任意の中心位置
(cm)を表わし、Xpはビーム・パルスを受ける像平面に
おける位置X=0に対する走査線に沿った任意の初期位
置(cm)を表わし、t は像平面において或るパルスが照
射を開始する時刻(sec) を表わし、w は像平面において
照射パルスが持続する時間(sec) を表わし、「a」は反
射ミラー式スキャナの各加速度能力と走査半径とによっ
て決められる、像平面におけるスポットの加速度(cm/s
ec^ 2)を表す。
【0074】露光制御手段を通しての被走査層の周縁領
域における光硬化公差の制御は特に重要である。ベクト
ルの始まりと終りからなり、ベクトルの分担露光量が隣
接の平行なベクトルよりも少ない周縁領域では、露光量
が少ないため、Z 方向での光硬化深度は浅くなり、X、
Y方向での光硬化深度も浅くなる。立体像形成過程で
は、前述のように、物体が層状に形成される場合、光硬
化深度が浅いということは直ちにX、Y、Z方向におけ
る寸法公差の損失を招く。加えて、Z方向における光硬
化深度の損失は物体の層間の剥離現象の可能性を高め
る。
【0075】この層剥離現象はZ方向における光硬化材
料の成形が光の層との接合を行うには不適当なために生
じる。立体像形成過程では、層間の接合は図1に48で示
す先行して光硬化した領域上方の液体層の深さに等しい
深さの光硬化層を形成するに必要とするよりもやや高い
露光を行うことによってなされる。この層剥離は物体の
周縁で生じ、薄い壁部分を作る積層体に重要な影響を与
える。
【0076】層剥離を防ぐように制御されなければなら
ない変数としては、像平面におけるビーム出力P(m
W)、露光時刻t(sec) 、スポット・サイズro(cm)、
走査間隔Y(k +1)−Yk(cm)、パルス間の距離X(p +1)−
Xp(cm)および再走査技術がある。層剥離ならびに公差
損失を防ぐには、ビーム出力をアナログ手段(たとえ
ば、前述の音響光学式変調器)を介して高めて隣接の露
光による影響が少ない領域における正味露光量の損失を
補正するとよい。あるいは、前記のディジタル・パルス
化音響光学変調器のようなディジタル制御手段によって
個々のビーム出力パルスの時間幅を増大させることによ
って露光時間を延ばして隣接の露光による影響が少ない
領域における正味露光量の損失を補正してもよい。再走
査技術というのは、光硬化層を平行な走査線で形成する
前か後にこの層の任意の周縁部分を走査する技術であ
り、物体あるいは層の任意の周縁部分で受け取られる低
い露光量を補正することになる。
【0077】スポット・サイズを大きくし、走査間隔を
縮めるかあるいはパルス間隔を縮めると、露光量が一層
均一となり、より確かな接着領域が達成されるので層間
の接着性を改善するが、層剥離を防ぐために周縁領域で
このような方法を使用すると、物体公差について悪影響
があるかも知れない。本発明の好ましい具体例では、隣
接の露光による影響が少ない領域での交差の損失ならび
に層接着性の低下は、これが先に述べたようにベクトル
の始まりと終りでの影響によるものであろうと、隣接の
ベクトル走査による影響のない走査線によるものであろ
うと、ディジタル・パルス化音響光学式変調器の露光時
間幅パルス制御によって補正される。
【0078】放射ビーム12の好ましい変調方法はディジ
タル式であるが、アナログ・モードあるいはアナログ、
ディジタル・モードの組合せでの変調も本発明の範囲内
にある。ビーム12は紫外線であると好ましいが、赤外線
でも、可視光線でも、赤外線あるいは可視光線と紫外線
の組合せでもよいし、他の放射線、たとえば、X線、電
子ビーム、イオン・ビーム等であってもよい。最後に、
テーブル41の運動は並進運動、回転運動、無作為運動あ
るいはそれらの組合せであってもよい。立体像形成のた
めの光硬化性組成物は少なくとも1種の光硬化性モノマ
ーまたはオリゴマーおよび少なくとも1種の光開始剤を
含有すべきである。本発明の目的にとってモノマーおよ
びオリゴマーという用語は実質的に同等でありそれらは
交換可能に使用され得る。
【0079】単独でまたは他のモノマーと組み合わせて
使用できる適当なモノマーとしてはt−ブチルアクリレ
ート、t−ブチルメタクリレート、1,5 −ペンタンジオ
ールジアクリレートおよびジメタクリレート、N,N-ジエ
チルアミノエチルアクリレートおよびメタクリレート、
エチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレ
ート、1,4-ブタンジオールジアクリレートおよびジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジアクリレートおよ
びジメタクリレート、ヘキサメチレングリコールジアク
リレートおよびジメタクリレート、1,3-プロパンジオー
ルジアクリレートおよびジメタクリレート、デカメチレ
ングリコールアクリレートおよびジメタクリレート、1,
4-シクロヘキサンジオールジアクリレートおよびジメタ
クリレート、2,2-ジメチロールプロパンジアクリレート
およびジメタクリレート、グリセロールジアクリレート
およびジメタクリレート、トリプロピレングリコールジ
アクリレートおよびジメタクリレート、グリセロールト
リアクリレートおよびトリメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレートおよびトリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびトリ
メタクリレート、ボリオキシエチル化トリメチロールプ
ロパントリアクリレートおよびトリメタクリレートおよ
び米国特許第3,380,831号に開示されたような同様の化
合物、2,2-ジ(ヒドロキシフエニル)−プロバンジアク
リレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートお
よびテトラメタクリレート、2,2-ジ(p−ヒドロキシフ
エニル)−プロバンジメタクリレート、トリエチレング
リコールジアクリレート、ポリオキシエチル−2,2-ジ
(p−ヒドロキシフエニル)プロバンジメタクリレー
ト、ビスフエノール−Aのジ−(3−メタクリルオキシ
−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ビスフエノール
−Aのジ−(2−メタクリルオキシエチル)エーテル、
ビスフエノール−Aのジ−(3−アクリルオキシ−2−
ヒドロキシプロピル)エーテル、ビスフエノール−Aの
ジ−(2−アクリルオキシエチル)エーテル、1,4−ブ
タンジオールのジ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒド
ロキシプロピル)エーテル、トリエチレングリコールジ
メタクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプ
ロバントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリ
レートおよびジメタクリレート、1,2,4 −ブタントリオ
ールトリアクリレートおよびトリメタクリレート、2,2,
4 −トリメチル−1,3 −ペンタンジオールジアクリレー
トおよびジメタクリレート、1−フエニルエチレン−1,
2 −ジメタクリレート、ジアリルフマレート、スチレ
ン、1,4 −ベンゼンジオールジメタクリレート、1,4 −
ジイソプロペニルベンゼン、および1,3,5 −トリイソプ
ロペニルベンゼンが挙げられる。
【0080】また有用なものとしては分子量が少なくと
も 300であるエチレン系不飽和化合物例えばアルキレン
または炭素数2〜15のアルキレングリコールから製造し
たポリアルキレングリコールジアクリレートまたは1〜
10のエーテル結合のポリアルキレンエーテルグリコール
および米国特許第 2,927,022号に開示されたもの、例え
ば特に端末結合として存在する場合複数の付加重合可能
なエチレン系結合を有するものが上げられる。特に好ま
しいモノマーとしてはポリオキシエテル化トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、エチル化ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールモノ
ヒドロキシペンタアクリレートおよび1,10デカンジオー
ルジメチルアクリレートが挙げられる。
【0081】本発明において単独でまたは組み合わせて
使用される有用な光開始剤は米国特許第 2,760,863号に
示されており、ビシナルケトアルドニルアルコール例え
ばベンソイン、ピバロイン;アクロインエーテル例えば
ベンゾインメチルおよびエチルエーテル、ベンジルジメ
チルケタール;α−メチルベンゾインα−アリルベンゾ
イン、およびαフエニルベンゾインを含むα−炭化水素
−置換一芳香族アシロインが含まれる。
【0082】開始剤としては米国特許第 2,850,445号、
同第 2,875,047号、同第 3,097,096号、同第 3,074,974
号、同第 3,097,097号および同第 3,145,104号に開示さ
れている光還元性染料および還元剤、並びにフエナジ
ン、オキサジン、キノン群の染料、Michler のケトン、
ベンゾフエノン、アクリルオキシベンゾフエノン、ロイ
コ染料を含む水素ドナーを有する2,4,5 −トリフエニル
イミダゾリルダイマーおよび米国特許第 3,427,161号、
同第 3,479,185号および同第 3,549,367号に開示されて
いるようなその混合物を使用出来る。また有用な光開始
剤としては米国特許第 4,162,162号に開示されているよ
うな増感剤である。
【0083】熱的に不活性であるが 185℃以下で活性光
線に露光すると有利基を生成する適当な他の光開始系と
しては共役した炭素環系内に二つの環内炭素原子を有す
る化合物である置換されたまたは置換されていない多核
キノン例えば9,10−アントラキノン、2−メチルアント
ラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチル
アントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,4 −
ナフトキノン、9,10−フエンナントラキノン、ベンズア
ントラセン−7,12−ジオン、2,3 −ナフタセン−5,12−
ジオン、2−メチル−1,4 −ナフトキノン、1,4 −ジメ
チル−アントラキノン、2,3 −ジメチルアントラキノ
ン、2−フエニルアントラキノン、2,3 −ジフエニルア
ントラキノン、レテネキノン、7,8,9,10−テトラヒドロ
ナフタセン−5,12−ジオン、および1,2,3,4 −テトラヒ
ドロベンズアントラセン−7,12−ジオンが挙げられる。
前記の光開始剤または光開始剤系は光硬化性組成物の全
重量の0.05〜10重量%で存在する。
【0084】光硬化の好ましいメカニズムはラジカル重
合であるが光硬化の他のメカニズムの適用も本発明の範
囲内にある。前記の他のメカニズムとしてはカチオン重
合、アニオン重合、縮合重合、付加重合、などが挙げら
れるがこれに制限されるわけではない。好ましい光硬化
組成物を実施例1に示す。
【0085】
〔ビスフエノール−Aビス(2−ヒドロキシプロピル)ジアクリレート〕
TMPTA(トリメチロールプロバントリアクリレート) 29.6 Plastha11 4141(CP ta11社)(トリエチレングリコールカプレート−カプリレート ) 14.8 Triton X-100( オクチルフエノールポリエーテルアルコール) 0.78 Iragacure 651(2,2 −ジメトキシ2−フエニルアセトフエノン) 1.6 コア−シエルポリマー*(RCP 1674) 26.0 上記のコア−シエルポリマー*はブチルアクリレート 70% ブチレングリコールジアクリレート 5% アリルメタクリレート 25% からなるコアと メチルメタクリレート 100% からなるシエルを有する。
【0086】前記のコア−シエルポリマーは以下のよう
に調整した。 コア 脱イオン水2388gおよびドデシルスルホン酸ナトリウム
の30%水溶液37.5gを機械式攪拌機、凝縮器、加熱マン
トル、添加用漏斗、温度計および窒素取入口を備えた5
lの4ツ口フラスコに入れた。フラスコの内容物を室温
下窒素で30分間パージして、次いで80℃に加熱した。こ
の温度でブチルアクリレート(BA)1046g、アリルメタク
リレート(AMA)279g および 1,4−ブチレングリコールジ
アクリレート(BGD)70gからなるモノマー材料の8分の1
を一度に加えた。続いて直ちにリン酸水素ナトリウムの
7%溶液19 および過硫酸アンモニウムの5%溶液20
(いずれも水溶液)を一度に加えた。加熱を中止し、反
応混合物の発熱にまかせた。発熱により84℃のピークと
なった時、残りのモノマー材料を90分かけて反応温度が
80〜85℃に維持するように断続的に加熱しながら加え
た。モノマーの添加(全モノマー材料1345g)が終了し
たら、さらに反応混合物を 2.5時間80〜85℃で加熱し
た。最終生成物は青みを帯び、固形分35.1%を有する乳
化液であり粒径 0.097ミクロンを有した。
【0087】シエル 上述のコア乳化液2000g をコアを調整するときに使用し
たのと同じ装置を備えた5lのフラスコに入れた。フラ
スコ内容物を窒素により室温で30分間パージした。窒素
パージの後、過硫酸アンモニウム1.45g、ドデシル硫酸
ナトリウム30%水溶液 2.9gおよび脱イオン水 332gか
らなる混合物を撹拌しながらフラスコに30分かけて加え
た。次いでフラスコの内容物を85℃に加熱して、メチル
メタクリレート179gを60分間かけて加えた。すべてのモ
ノマーを加えて、更に反応混合物を2時間加熱した。最
終生成物は青みを帯び、固形分36.2%を有する乳化液で
あり、粒径 0.107ミクロンを有した。コア:シエルの比
率は実質的に4:1であった。
【0088】青みを帯びた乳化液をフリーザー中に3日
間置いて、次いで解凍し濾過し脱イオン水で洗浄し、そ
して室温で約3日間乾燥した。試験工場またはプラント
でのバッチの場合のような大きな試料のために、100 〜
150 ℃ の熱風などのスプレードライ法を用いてもよ
い。
【0089】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、放射
ビームの移動速度の増減にかかわらず、露光レベルが一
定になるように放射ビームの強さが制御できるので精度
よく三次元剛性物体を製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の好ましい具体例のブロック図で
ある。
【図2】ピクセル、ボクセルそれぞれの表面ならびに体
積の分割を説明する図である。
【図3】ピクセル、ボクセルそれぞれの表面ならびに体
積の分割を説明する図である。
【図4】実施例1の光硬化性組成物の光硬化層の深さと
露光対ビーム放射の関数との関係を示す図である。
【図5】露光分布対走査線を横切る方向の計算深さ、実
深さの正規化曲線を比較した図である。
【図6】3つの隣あった走査線を横切る方向の光硬化深
度を示すことを目的とする2つの計算曲線を比較した図
である。
【図7】走査線を横切る方向における実際の厚さと計算
厚さとを比較する図である。
【図8】横断面方向の光硬化厚さについての走査間隔の
影響を示す図である。
【図9】走査線速度対走査間隔の関係を示す図である。
【図10】露光レベルを一定に保つ設備が設けられてい
ないときにストップから最大加速度の下で最小一定光硬
化深度に到達するまでに必要なベクトル走査距離につい
てビーム強さが影響する大きな差を示す図である。
【図11】露光レベルを一定に保つ設備が設けられてい
ないときにストップから最大加速度の下で最小一定光硬
化深度に到達するまでに必要なベクトル走査距離につい
てビーム強さが影響する大きな差を示す図である。
【図12】露光レベルをほぼ一定に保つ設備が設けられ
ているときの光硬化深度対走査方向に沿った距離の関係
を示す図である。
【符号の説明】
10 放射手段 11 立体物体 12 放射ビーム 12’変調済みの放射ビーム 14 変調器 16 偏向手段 20、22 ミラー 24、26 モータ 30 第1コンピュータ制御手段 34 第2コンピュータ制御手段 40 光硬化性組成物 41 可動テーブル 42 設定手段 43 ドクタナイフ 44 容器 46 像形成面 52、60、62、58 制御/フィードバック・ライ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年8月21日(2002.8.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 立体像形成装置及び立体造形方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光硬化による三次元
物体の造形に関する。一層詳しく言えば、本発明は比較
的高い出力のビーム放射源(たとえば、高出力レーザ)
を制御しながら用いて比較的高い速度、精度で直接上記
の製造を行うことに関する。
【0002】
【従来の技術】光硬化によって三次元モデルを製造する
装置は種々提案されている。ヨーロッパ特許出願(1987
年6月6日にScitex Corporatoion,Ltd.の出願した公開番
号250,121)をここに参考資料として援用すると、これは
この技術分野に関するHull、Kodama、Herbert によるも
のとされる種々の方法を含む文献について良く要約して
いる。付加的な背景としては、1988年6月21日にFudim
に特許された米国特許第 4,752,498号に記載されている
ものがある。これもここに参考資料として援用する。こ
れらの方法は固化させようとしている領域あるいは体積
を順次に照射することによって段階的に三次元物体の立
体領域を形成することに関する。種々のマスキング技術
の他に、直接レーザ描画法、すなわち、光硬化性組成物
を所望のパターンに従ってレーザ・ビームで照射し、三
次元モデルを一層ずつ重ねて行く方法も記載されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術は高い速度と精度で造形を行うことに問題があっ
た。したがって、本発明の目的は高い速度と精度で造形
する実用的な立体造形装置および方法を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の立体造形装置は、液状光硬化性組成物に対し
放射ビームを所定部分に走査し、重なった層から三次元
物体を製作する装置において、前記放射ビームがパルス
状である構成を有している。この構成により本発明の立
体造形装置は高い速度と精度で造形可能な実用的装置が
実現できる。
【0005】また、上記課題を解決するために本発明の
立体造形装置は、放射ビームが方形状パルスである構成
を有している。この構成により本発明の立体造形装置は
高い速度と精度で造形可能な実用的装置が実現できる。
【0006】また、上記課題を解決するために本発明の
立体造形装置は、液状光硬化性組成物に対し放射ビーム
を所定部分に走査し、重なった層から三次元物体を製作
する装置において、放射ビームをパルス状に変化させる
構成を有している。この構成によれば本発明の立体造形
装置は実用的な装置が実現できる。
【0007】また、上記課題を解決するために本発明の
立体造形装置は、液状光硬化性組成物に対し放射ビーム
を所定部分に走査し、重なった層から三次元物体を製作
する装置において、放射ビームのビーム源と液状光硬化
性組成物との間のビーム経路中にそれぞれ設けられた走
査ミラーならびにビームをオン、オフしパルス状に変換
する手段を備え、放射ビームは走査ミラーの角度により
方向付けられ、コンピュータ制御手段が角度とオン、オ
フを制御される構成を有している。この構成によれば本
発明の立体造形装置はビームをパルス状に変換するの
で、さらに高い速度と精度で造形可能な装置が実現でき
る。
【0008】また、上記課題を解決するために本発明の
立体造形装置は、コンピュータ制御手段が、図形データ
を記憶した第1コンピュータ制御手段と、第1コンピュ
ータ制御手段からそのデータが送られる第2コンピュー
タ制御手段とを有し、第2コンピュータ制御手段が第1
コンピュータ制御手段からの前記データに基づいて角度
とオン、オフを制御する構成を有している。この構成に
よれば本発明の立体造形装置は第1、第2それぞれのコ
ンピュータ制御手段を有しているので、さらに高い速度
と精度で造形可能な装置が実現できる。
【0009】また、上記課題を解決するために本発明の
立体造形方法は、液状光硬化性組成物に対し放射ビーム
を所定部分に走査し、重なった層から三次元物体を製作
する方法において、放射ビームをパルス状にオン、オフ
する工程を有している。この構成により本発明の立体造
形方法は高い速度と精度で造形可能な実用的な方法が実
現できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施例の実際の
意図を読者に理解してもらうべく、以下、添付図面に関
連した詳しい説明を行う。以下の説明ではコンピュータ
制御手段をテーブルの位置、移動速度を制御する第1の
コンピュータ制御手段と放射ビームの変調、偏向を制御
する第2のコンピュータ制御手段に分けた実施例を示し
ているが、これに限られず、一つのコンピュータ制御手
段でテーブルの位置、移動速度及び放射ビームの変調、
偏向を制御する実施例も当然考えられる。本発明は光硬
化によって三次元物体を造形する方法および装置に関す
るものであり、一層詳しくは、比較的高い速度と精度で
直接前記造形を行うべく比較的高出力のレーザを制御し
ながら使用することに関する。
【0011】ここで図1を参照して、ここに示す放射線
装置10(たとえば、レーザ)は放射ビーム12を発生す
る。本発明の目的が高速で立体的な物体11を製作するこ
とにあるので、本発明の装置は高出力レーザのような比
較的高出力の放射線装置10を利用すると好ましい。この
高出力レーザは可視領域、赤外線領域あるいは紫外線領
域にある主要帯域を持ち得る。ここで、高出力とは、20
mWより大きい出力と考えており、好ましくは、放射ビー
ム12の強さから測定して 100mWを超える出力である。こ
れは現在の光硬化性組成物の感度に合わせてある。しか
しながら、もっと速い組成物を利用できるようになった
場合には、ビーム強さについての20mW、100mWの値はそ
れに応じて低くなることになる。これは組成物の感度と
放射ビームの強さが同じ結果を得るには互いに反比例の
関係を持つからである。或る種のレーザの選択は、光硬
化性組成物の感度がレーザ放射線の波長をうまく一致す
るように光硬化性組成物の選択と一緒に考えなければな
らない。他の種類の放射線装置も、そのエネルギ形式か
ら光硬化性組成物の感度と一致し、ビームが発生し、取
り扱いについて最適な状態が周知の確立した方法によっ
て観察されるかぎり、利用できる。たとえば、電子ビー
ム、X線等も利用できる。ビーム横断面形状を任意所望
の形状に偏向する手段を設けてもよいが、普通の形状と
しては円形であり、ビームの強さの分布はガウス分布で
あり、最高点は円形の中心にある。
【0012】放射ビーム12は変調器14を通り、この変調
器は音響光学変調器であると好ましい。変調された放射
ビーム12′は、次に偏向手段16を通る。この偏向手段は
2つのミラー20、22を包含し、各ミラーはX方向、Y方
向において面46に対してビームを反射させ得る軸(図示
せず)を有する。ここで、X方向、Y方向とは互いに直
角でありかつ面46に対して平行である。ミラー20、22は
モータ24、26によってそれぞれ対応する軸線まわりに回
転して、それぞれ、X、Y方向において容器44に入って
いる液状光硬化性組成物40の所定の位置に向かってベク
トル走査モードでビームを制御しながら偏向させるよう
になっている。適当な光硬化性組成物の例は後に示す。
ビームが偏向手段16によって偏向されると、このビーム
はゼロ・レベルから最高値までの加速度と、ゼロ・レベ
ルから最高の一定値までの速度を持つ。ビームの速度及
び強さは、互いに比例したままであり、その結果、露光
がほぼ一定に留まる。ビームはほぼ一定の光硬化深度ま
で組成物の所定部分の光硬化を生じさせる。光硬化深度
は、走査方向に対して直角の横断面で測って、面46と光
硬化した薄い層の対向側面の間の最大厚さすなわちピー
ク厚さとして定義される。後に説明するように、各個々
の光硬化層あるいはその一部の厚さは或る走査線上のポ
イント毎に異なる可能性がある。したがって、混乱を避
けるべく、ここで言う光硬化厚さとは前記層の任意のポ
イントでの厚さのことであり、硬化深度は上記の定義に
限定する。容器44内には、可動テーブル41とエレベータ
・モータ42のような設定手段が設けてあり、このエレベ
ータ・モータは可動テーブル41に動きを与えて容器44内
で可動テーブルの位置を精密に制御するようになってい
る。テーブル41の動きは並進運動、回転運動、無作為運
動あるいはそれらの組合わせのいずれであってもよい。
ドクタ・ナイフ43ののような層形成手段が容器44内でテ
ーブル41の上方に設置してあり、これは液状光硬化性組
成物の重なった薄い層を形成する。また、第1コンピュ
ータ制御手段30と第2コンピュータ制御手段34も設けて
ある。第1コンピュータ制御手段30は、制御/フィード
バック・ライ・2、60、62、58のそれぞれを介入して放
射線装置10、設定手段42、層形成手段43および第2コン
ピュータ制御手段34と接続してある。第2コンピュータ
制御手段34は、ライン58を介しての第1コンピュータ制
御手段30との接続に加えて、制御/フィードバック・ラ
イン50、54のそれぞれを介入して変調器14と偏向手段16
にも接続している。存在の明らかな補助的な装置類は簡
略化のために示していない。
【0013】上述したように、一定の露光を得るように
放射ビームを変調することはアナログ方式でもディジタ
ル方式でも行うことができる。Greyhawkの製造する市販
のシステム(Greyhawk Systems, Inc., 1557 Center Po
int Drive,Milpitas, CA 95035) を後述のように改造し
て露光レベルを一定値に制御する本発明の第2コンピュ
ータ制御手段34の一部として使用してもよい。Greyhawk
システムはモータ24、26の軸に取り付けたエンコーダ
(図示せず)の発生したパルス信号を、像空間の存在お
よび所望露光量を考慮してディジタル式に処理され、レ
ーザを直接変調する電気パルス信号に変換する。これら
のエンコーダは軸の回転を示し、したがって、像形成面
46におけるミラーから反射してきたレーザ・ビームの対
応する動きを示す。効果的には、レーザはビームが像平
面で動いた個々の距離に対応させてディジタル式に変調
する。
【0014】レーザの変調にはレーザが1パルスあたり
或る特定の時間枠にわたってオン状態にあることが必要
なので、像平面でレーザ・ビームが動いた距離あたりの
かなり均一な露光が得られる。
【0015】非固体素子のレーザの直接的なディジタル
変調は、このようなレーザが立体像形成にとって有用な
ほど高い率でディジタル式に変調され得ないために、現
在のところ非実用的である。これらのレーザは連続的に
しか作動できない。(CW) 。パルス状に作動する場合、
パルス反復率あるいはパルス時間幅またはこれら両方が
Greyhawkシステムの電子機器の発生する変調信号に追従
できないからである。この場合、像平面に不均一な露光
が生じる。非固体素子レーザのビームをGreyhawkのよう
なシステムで要求される高い率で変調するには、固体素
子レーザを作動するのに適した電気信号を徹底的に修正
してCWレーザのビーム経路にある光硬化スイッチを作動
させなければならない。光スイッチならびにそこで用い
られる変調用電子機器は電気変調信号に追従できなけれ
ばならないし、「オン状態」で適切な伝送効率を持って
いて像形成面46で必要とされる有用なビーム・エネルギ
を与えなければならない。このような光スイッチ類はア
ナログ式でもディジタル式でもよいが、最もこの好まし
いタイプは音響光学式である。
【0016】本発明で使用され得る他のスイッチ類の例
としては次のものがある。まず、電気光学式スイッチで
あり、これは電圧を印加したときに光学的極性を変える
結晶を基礎とするものである。
【0017】次に、液晶ゲートであり、可視領域で用い
られるものであり、ビーム・ゲートと呼ばれる、Meadow
alk Optics(7460 East County Line Road, Longmont, C
olorado 80501)の製造したものがある。これも液晶物質
の偏光状態の変化を基礎とする。また、ダイアフラムを
動かすことのできる圧電セルもあり、たとえば、小ピン
ホールである。
【0018】最後に、偏光状態に依存するいわゆるPLZT
(Pb0.9、La0.1 、Zr0.65、Tio.35) ベースのスイッチで
ある。ここでは、2枚の偏光板が互いに90度で交差する
軸線をもって設置してあり、それらの間にPLZTフェロエ
レクトリック結晶が挿入してある。PLZT結晶はそれに電
界が与えられているかいないかに依存して通過する光の
極性を回転させることができる。現在、オフ位置にある
とすると(すなわち、PLZTが電界を持っていない場合に
は) 、第1の偏光子を通る光はPLZTによって変化せず、
第2の偏光子によって阻止される。しかしながら、PLZT
が電界の下にある場合には、第1偏光子を通る光はPLZT
によって回転させられ、第2偏光子を通過することがで
きる。
【0019】この分野では周知のように、実際的な目的
のため、より良く理解してもらうため、そして、より良
い説明のため、図2にP1、P2、P3、……Pnで示すよう
に、二次元面に位置する像をピクセルと呼ぶ小さな仮想
面積単位に分割するのが望ましい。これらのピクセルは
通常は正方形であり、X、Y両方向に同じ寸法を有す
る。矩形その他の形状の代わりに正方形を選んだ主たる
理由は、多くの場合、X、Y両方向において同じ解像度
が得られ、また、それが望ましいからである。同様にし
て、或る立体像を考えた場合、立体像の体積を図3にV
1、V2、V3……Vnで示すようにボクセルと呼ばれる小さ
な仮想立方体に分割すると良い。上述したと同じ理由
で、この立方体は1つのボクセルの好ましい形状であ
り、したがって、このボクセルはX、Y、Zのすべての
方向において同じ寸法を持つことになる。
【0020】本発明の装置、方法の製品を走査線間隔、
すなわち、光硬化性組成物40の表面46上のビーム12″の
任意2つの隣り合った走査線(互いにほぼ平行である)
の中心間隔に等しい縁寸法を有する立方体ボクセルによ
って説明すると好ましい。
【0021】二次元像形成技術について簡単な外挿法を
使用することによって、立体すなわち三次元の像形成の
動作特性、たとえば、走査線の最適間隔を予想できる
と、普通は考えられよう。しかしながら、それは当って
いない。事態はもっと複雑である。というのは、特に、
立体像形成では光硬化深度および厚さのような新しい複
雑な変数(二次元像では小さいし、一定値である)が存
在し、積極的に関わりを持つからである。光硬化性組成
物の表面上の或る線に沿って合焦レーザ・ビームを一回
走査した場合(単走査)、単純に考えると、矩形横断面
を有する直線立体と受け取られよう。専門家であれば、
このような横断面がガウス横断面分布を有する放射ビー
ムから生じるようなガウス形状となると予想するかも知
れない。しかしながら、いずれの予想も当たっていな
い。このように形成された直線立体の横断面が予想外に
ほぼ非ガウス形状であることを本出願人は発見したので
ある。
【0022】換言すれば、この方法で形成された直線立
体をその長さ方向に対して直角に切断した場合、液面で
始まる幅が立体の先端付近まで表面46から遠くなるにつ
れてほぼ線形に減少するのである。この横断面特性は走
査立体像形成にとっては重要な情報である。なぜなら
ば、通常、層を走査して各横断面薄片領域を部分的に埋
めて行くとき、走査は完全な立体面を生じさせるように
互いにほぼ平行に隔たった線またはベクトルからなる。
各ベクトルの幅が表面46から離れるにつれてほぼ線形に
減少するという知識があれば、均一な露光ならびに均一
な光硬化深度を得るためのベクトル線の適切な間隔を決
定することができる。適切な線間隔の場合、各薄層の底
における厚さの変化であるリプルが最小限に抑えられ、
層のうねり傾向が低減され、部分解像度、公差が保た
れ、各層の強度がより大きくなると共に方向による強度
の差が小さくなり、層対層の接着性が改善され、走査線
の数を最小限に抑えることができる。本出願人が目的と
することは、単走査立体線の横断面がほぼ非ガウス形状
となることにある。その理由は、走査中の放射ビームが
ガウス形エネルギ分布の場合、その立上がり部分が光硬
化性組成物の対応した部分を光硬化させる能力に関して
無効となるからである。これには多数の原因があり、た
とえば、次の原因がある。光硬化が生じ得ない領域、こ
の分野では誘導領域として周知の領域内で露光程度が低
くなる。
【0023】円形ガウスビームの単走査中、移動してい
るスポットの中心の軌跡に向う部分(このスポットはビ
ームと光硬化性組成物の表面との交差点にある)が、ス
ポットの速度に逆比例して変化するガウス・モードで
は、必然的に、この軌跡から遠い部分よりも高い露光を
受けることになる。これはビームによって影響を受ける
すべての層にもそれ相応に当てはまることになる。ガウ
ス機能とS字形の光硬化厚さ対露光関係の組合せ(立体
像形成では、深度・露光曲線と定義できる)の1例が実
施例1において説明される本発明の好ましい組成物のう
ちの1つの組成物の作用に関して図4に示してあり、こ
れは単走査線の非ガウス形状を説明している。
【0024】光硬化深度ならびに光硬化厚さが光硬化性
組成物の性質、ビーム強さおよび直接ビーム入射時刻の
関数となるばかりでなく、他のパラメータおよび二次的
効果(たとえば、走査重複、隣接した部分を照射したと
きに生じる二次露光等)にも依存するという事実に注目
するのも非常に重要である。たとえば、1本の走査線の
光硬化深度は連続したフイルムを形成する複数本の密接
に重なり合った走査線の光硬化深度よりもかなり小さ
い。同様に、他のすべてが一致に保たれていると仮定す
れば、走査線の数が多ければ多いだけ、互いに接近度が
大きくなり、それだけ光硬化深度が大きくなる。また、
縁が片側だけで隣り合った露光走査線を有するので、全
体の露光度が低くなり、正しい段階を踏まないかぎり、
光硬化中に中間部分よりも光硬化深度が小さくなる。
【0025】上記の現象を原因として、普通の二次元像
形成と立体像形成の間には第2の重要な差異(後に詳し
く説明する)が現れる。普通の二次元像形成システムで
走査線を形成するには、走査線間の距離がガウス強度分
布を持つ像形成用ビームの直径1/e^2にほぼ等しいかあ
るいはそれより小さいときに、像の目に見えるリプル感
覚を排除すべく適切な走査線間隔が生じるということは
この分野では公知である。立体像形成の場合、この間隔
での走査線の設置により、実施例1に記載する組成物の
場合に各層の下面に際立ったリプルが生じることにな
る。その理由は、露光に対する材料の応答性の非ガウス
形状が光硬化した薄層の許容範囲の均一な厚さを与える
ほど重なり合うことがないためである。
【0026】したがって、走査間隔の決定は、ボクセル
の寸法の確定に直接通じ、立体像形成システムの解像度
能力を製造しようとしている剛性物体の公差要件に合わ
せることになるので、非常に重要である。単一の走査線
の横断面のすべてのポイントにおける詳細な光硬化厚さ
とビーム線の対応したガウス形強度分布に対する露光と
の関係は次の等式に従うことがわかった。
【0027】
【数1】
【0028】ここでG{E}は露光E(mJ/ cm^2) 応答
する材料の深さに良く合った関数を表し、(実施例1の
組成物には二次自然対数多項式を用いた。G{E}(m
m)=−0.66+0.446 ln〔E〕−0.356(ln〔E〕)^2)
Pは像平面におけるビーム放射束(mW)であり、Yは走査
中心から離れる可変距離であり、roはガウスビームの1/
e^2ビーム半径であり、 vは表面を横切るビーム走査速
度である。ここで驚くべきことには、G{E}を二次自
然対数多項式と関係させる等式における露光単位が無次
元でなくても、良くなじむということである。
【0029】図5は、ビームが連続的にオンであるとき
に一定速度単一走査線に対して直角に切断されたビーム
・スポットの中心まわりの正規化されたガウス露光と、
一定速度の単一ベクトルで走査され、走査方向に対して
直角に切断された光硬化物質(実施例1の組成物を含
む)の正規化された実際の厚さと、同じ条件の下に走査
された予想される正規化光硬化厚さとを示している。こ
れらの曲線は共通最高相対値1に対して正規化されてい
て分布の差を良く示している。
【0030】ここで、単一走査露光の中心まわりの光硬
化厚さの数学的な予測の分布は実際に材料について測定
した厚さの分布にほぼ一致し、これは露光分布の形にそ
のまま基づいて予想されるものとはかなり異なってい
る。
【0031】組成物の露光に対する応答性の決定は、立
体像形成システムの解像度ならびに組成物応答性に基づ
く所望の公差で物体を製造するシステム全体の能力の確
定に通じるので、立体像形成にとっては必須である。
線、層ならびにそれに続く部分公差を保つ能力に通じる
所与の時間・パワー解像度に対してレーザ・エネルギを
制御するのが光学システムの能力である。光学走査シス
テムは、所望の寸法、位置に対してレーザ・エネルギを
方向付け、合焦するという点で優れた解像度を持ち得
る。しかしながら、それは線、層および製造される部分
の公差を規定する吸収されたエネルギに対する材料の応
答性となる。
【0032】単一走査線の分布についての知識によれ
ば、相互の接合を生じさせかつ先端間の領域を埋めるに
適した程度に重なり合っている平行な線によって形成さ
れる層が連続的にオンのビームで走査される一連の単線
の厚さ応答性を単に加えるだけでモデル設計され得ると
考えるのが普通である。このような数学的なモデルは次
の等式を持つことになる。
【0033】
【数2】
【0034】ここで、Yは走査方向に直角で像平面(図
1の表面46)に対して平行な方向における第1走査ベク
トルの中心からの距離を表し、YkはY=0に対する各ベ
クトル走査中心の、隣り合った線についてその効果を総
合した軌跡を表す。しかしながら、本出願人等の研究で
は、この数学的なモデルは光硬化厚さに関係するような
組成物の露光応答性に応じて後に行われる連続走査露光
回数の合計に基づくモデルよりもかなり劣ることを見出
した。このような数学的モデルは次の等式を持つ。
【0035】
【数3】
【0036】ここで、位置Ykに沿って位置した各ベクト
ル走査からの露光貢献度は各個々の位置Yについてまず
合計され、次いで、露光応答性G{ }がこの露光合計
に適用される。前記数3の前記数2以上の精度の決定は
図6のグラフから容易に理解できる。この図6では、3
本の連続した走査線が或る特定の間隔で引かれた前記数
2に基づく数学モデルが、光硬化性組成物の底における
リプルが同じ間隔をもって3本の走査線を引いた場合に
前記数3が示すものよりも2倍の周波数を持つことにな
ることを誤って示している。実施例1に記載された組成
物の表面に同じ間隔で互いに平行に延びる走査線によっ
て形成した層の顕微鏡写真から得た測定結果で前記数3
で示すリプル周波数が実際の組成物応答性に一致するこ
とが確認されている。
【0037】前記数3の数学モデルが光硬化性組成物応
答性を正確に予測させるものであるというさらなる証拠
が図7に示してあり、ここには、このモデルが実質的に
光硬化厚さを示していることが明らかにされている。
【0038】先に指摘したように、普通の二次元像形成
と立体像形成との第2の重要な差異は各層の下面におい
て明らかになる。銀ハロゲンフイルムで用いられるよう
な二次元走査の場合、走査間隔(すなわち、フイルムに
像形成しているときの走査線間の距離)が像平面でのビ
ーム焦点の1/e^2直径と同じ幅であることは普通のこと
である。或る種のスキャナはより密接した走査線間隔を
与えるが、まれには、ビームの1/e^0.693 直径未満の場
合もある。二次元像形成の場合、この比較的広い間隔は
いくつかの理由のために適切である。これらの理由の1
つは、裸眼はより密接な走査間隔が粗くなる像暗密度の
変化に鈍感であるということである。一方、特に高い解
像度部分を得ようとする場合には、立体像形成では、二
次元像形成での走査間隔よりも密接な走査間隔を必要と
する。これは、露光に対する非ガウス材料厚さ応答性が
光硬化性組成物内への均一な光硬化深度を与えるほど重
なり合うことがないためである。立体像形成の場合、走
査間隔は像平面での像形成ビームの全幅の最大半分すな
わち1/e^0.693 に等しいかあるいはそれより小さいこと
が好ましく、底面のリプルを最小とする。図8の曲線
は、前記数3の数学モデルに基づいた予測から導き出し
たものであり、実施例1の組成物の像形成層(この層の
最大厚さは0.127 mmとなるべきである)の底面におけ
る、連続ビーム走査間隔の変化によるリプルの変化を示
している。ここで、1/e スポット直径に等しい走査間隔
の場合、層の重要部分が走査中心線の間でセグメント化
されていることに注目されたい。
【0039】走査中心線間のこのようなセグメント化の
効果はもっと論議する価値がある。特徴的なのは、層の
剛さが厚さの3乗に比例して変化するということであ
る。すなわち、厚さが2だけ減れば、その層の剛さは先
の値の8分の1まで低下することになる。図8におい
て、1/e 直径の間隔で連続的に走査された材料は厚さが
最高値の30%まで低下した領域を有する。このような層
では、この薄い領域での相対剛さ、したがって、走査線
に対して直角の方向における剛さは98.7%の因数で低下
することになる。1/e^0.693 ビーム直径の走査間隔で
も、走査線に対して直角な方向における層の方向の場合
のほんの36%の値となると予想できる。1/e^0.5の走査
間隔では、剛さはこの方向における最大値の65%まで減
る。この剛さの差は自立層の脆弱化を招き、材料内の応
力の変化により層のうねりを生じさせ、形成された層が
その下になんの支えもないとき(すなわち、片持ち支持
されるか、架橋支持されるかしたとき)最終部分におけ
る公差損失と考えられる。
【0040】しかしながら,より密接な走査間隔に移行
するにはかね合いを考えなければならない。走査線の密
度が高くなるので、層を形成する時間が長くなるのであ
る。この余分な時間は、線に沿った走査が同じ光硬化深
度を保つようにスピードアップされるはずなので、幸い
にもそれほど重要とはならない。図9の曲線は走査線に
対して直角の方向における層形成速度の変化を走査間隔
の関数として示している。ここで、層間隔が密接になる
につれて、層形成速度が実際に平らになることに注目さ
れたい。実際に、この速度は各ベクトル走査線の端にベ
クトル・ミラーを設置することに伴う時間損失について
調節されるべきである。
【0041】走査間隔の決定は、上述したようにボクセ
ルについての寸法確立に直接通じ、したがって立体像形
成システムの解像度、公差能力に関係するので重要であ
る。この寸法確立によれば、1つのボクセルのX、Y、
Z寸法は互いに等しく、走査線間隔に等しい。光硬化の
深度および幅は材料の露光特性ならびにビーム特性に応
じて変化する。光硬化深度は単走査線の場合の光硬化幅
に匹敵する、換言すれば、それと同じ程度の大きさであ
ると好ましい。したがって、重なり合った多重走査線の
場合、光硬化用の露光は走査線間の間隔に応じて変わら
なければならない。走査間隔が像平面での露光ビームの
1/e^0.693 スポット直径より小さいか、あるいは、それ
に等しい値であると好ましい。
【0042】前述したように、レーザ等のような放射ビ
ームのベクトル走査を行う公知の偏向装置では、任意の
ビーム速度に達する際に質量加速度を伴う。この避けよ
うのない速度不均一は、特に、層がその下に直接の基層
を持たない部分を有する場合には、許容できないほどの
厚さの変化を招く。これは、適性露光レベルを高い強さ
に保つために、高いビーム速度を用いなければならず、
したがって必然的に加速時間が長くなるからである。こ
れが、また、加速期間中に露光エネルギが適切に制御さ
れない場合には厚さの不均一を招く。低出力レーザで
は、厚さの不均一は加速期間中に幾分無視しえるが、立
体物体の製作時間が長すぎることになって低強度レーザ
を使用しては良い解像度が得られない。
【0043】走査方向に対して直角なスライスではなく
て走査方向に対して平行でかつ像形成平面に対して直角
なスライスを採用して本出願人等が走査露光ならびに材
料応答性を調べたところでは、一定速度で行われる連続
的な一定出力ビーム走査の場合、材料の光硬化深度が一
定となり、リプルもないということがわかった。しかし
ながら、普通のベクトル・スキャナを用いた場合、走査
速度は特殊な設備を用いないかぎり全体的にかなり変化
することになる。スキャナ・ミラーが最高角速度まで加
速し、次いで、最高角速度から各ベクトルの終りのスポ
ットまで加速するときに各ベクトルの初めで速度変化が
生じる。
【0044】スポット速度は走査半径(像平面からの走
査ミラーの距離)と共に線形に変化し、図1の光硬化性
組成物の表面46を横切って非線形に変化する。これは、
像平面が立体像形成の際に通常平らであり、ベクトル・
スキャナが通常は像平面の上方の距離のところにあるポ
イントに置かれるからである。これらの影響を避けるべ
く、スキャナは、通常、入射面46から適切に遠く離れた
ところに設置され、非線形速度変化をすべての実用上の
目的にとって無視し得るものとしている。光学機器も、
露光ビームの焦点深度が充分に長くてビーム12″を入射
面46におけるすべてのポイントでほぼ平行とし得るよう
に選ぶ。
【0045】好ましいシステムでの光学機器は、すべ
て、好ましくは紫外線領域で作動するレーザ・ビームを
最適条件で透過させ得るようにコート処理される。ま
ず、レーザ・ビーム12は安全インタロックが開かれたと
きにビームを遮る手段として用いられる機械的シャッタ
を通る。次に、音響光学式変調器の静的、動的動作にと
って最適となる或る直径まで合焦、平行となる。ビーム
視準光学機器に続いて、光は、ビーム方向を水平に変え
てブラッグ角で音響光学変調器クリスタルに入射させる
くさびを通して伝送される。音響光学変調器を通ってい
るときのビーム直径は完全に均一であり、静的なオン状
態で第1次までの最大回析効率を許すと同時に第2コン
ピュータ制御手段34によって制御される切り換え速度で
優れた変調効率を与えるサイズのものとなる。切り換え
速度は、薄層の製造のためには普通は、2〜20メガヘル
ツのオーダーである。音響光学変調器を通過した後、露
光をまったく行うつもりのないゼロ次ビーム(あるい
は、露光を行おうとしているときにゼロ次、1次および
普通は他の次数のビーム)は別のくさびを通り、このく
さびがビームを残りの光路の下方水平方向に再整合させ
る。このくさびの後、ビームは負レンズで拡散させられ
る。次いで、第1次ビームを除いて、拡散させられたゼ
ロ次ならびに他の次数のビームは光路下方での別の伝送
を阻止される。もし存在するとして、第1次ビームは光
路下方で継続させられ、そこにおいて、長焦点距離レン
ズを通り、X-Y 走査ミラー20、22を通して方向付けられ
る。これらのミラーはこのビームをビーム12″として光
硬化性組成物40の表面46に反射する。ミラーから表面46
までの距離は最終レンズの焦点距離よりやや短い。最終
レンズの焦点距離は長く、したがって、走査半径も長く
なり、この光学形が像表面全体において完全に均一な焦
点直径を持つことを保証し、また、ビームが走査角によ
る低い非点収差を持つことになるのを保証する。所与の
切り換え周波数にとって音響光学変調器を通過する最適
なビーム直径についての計算はこの分野では周知であ
り、ここでは簡略化のために詳しく説明しない。
【0046】これらの条件が満たされたとき、連続ビー
ム走査のスポット速度の変化は、直線、走査方向(X方
向)ならびに走査方向に対して直角の方向(Y方向)に
おける光硬化厚さ、光硬化深度の変化に言い換えられ
る。スポットは、先に説明したように、表面46とビーム
12″の交点である。走査ビームが連続的である場合、前
記数3は表面46上の任意の位置1(X、Y、t)での光
硬化厚さを計算するのに用いることができるが、ただ
し、この位置でのスポット速度が既知であり、この速度
がY方向に沿って変化しない(すなわち、走査速度が像
平面において無限の曲率半径を持つ)としなければなら
ない。
【0047】ベクトル走査の場合、一層詳しくは、本発
明を説明するのに用いられる装置の場合、偏向手段の最
大許容加速度(一回のミラー回転におけるもの)が特定
の値にセットされ、それ相当に適切な走査半径が使用さ
れる。或る代表的なシステム仕様は次の通りである。偏
向手段で発生したボクセルはX、Y、Z寸法が等しく、
各ボクセルの所望寸法はそれぞれの寸法で0.0127cm(0.
005 ″)である。ビーム放射照度の関数G{ΣE(mJ/2
cm^2) }として或る露光を受けた材料を用いて達成され
る光硬化深度(cm) は次の関数演算子によって表現され
る。
【0048】
【数4】G{ΣE}(cm)=−0.066+0.0446 ln〔ΣE〕
−0.00356(ln〔ΣE〕)^2
【0049】像平面において単一の走査線で走査される
0.0127cm1/e^0.693 直径スポット(すなわちro=0.0108
cm 1/e^2)において 300mWのレーザ出力でD=0.0127cm
深さのボクセルを生じさせるG{ΣE}感度の材料の場
合、最高走査速度(Vxmax)は前記数1と前記数4を組合
せ、その結果生じた二次方程式を解答することによって
決まる。
【0050】
【数5】
【0051】ここで、A、B、Cは材料応答性等式G
{ΣE}の材料係数を表す(すなわち、A=−0.066 …
…、B=0.0446……、C=−0.0356……)こうして、ス
キャナが最高速度に達するのに採用する時間、距離につ
いて容易に解決できる。この場合、約7.02ミリ秒を採る
が、適正な露光が達成されるまで4.65cmを移動しなけれ
ばならない。この時間と移動距離のとき、材料は大きく
露出過剰となり、光硬化深度が所望程度よりもかなり深
くなる。換言すれば、走査システムは付加的な設備がま
ったくないとき所望公差の或る部分(この場合、1本の
線)を生じさせるのに適した露光エネルギの解像度を与
えない。
【0052】図10および図11はこの加速期間中の過露出
と光硬化深度公差の損失を示す。ここで先に説明したよ
うにベクトル走査システムの場合、 300mW強度を有す
る。図1のビーム12″のようなビームは大きく改善され
た走査速度を潜在的に与え、走査中に連続的にオンに留
まり、約4.65cm移動距離まで光硬化性材料における所望
の露光レベル、したがって、光硬化深度を発生すること
がない。この過剰な露光が走査の終りで生じ、また、ス
キャナが1つのスポットまで減速するので、 300mWビー
ムを持つスキャナ・システムは像平面(図1の表面46)
のあらゆる部分で所望厚さの層を走査することができな
い。図11は、図10に示す曲線の開始部分の拡大図であ
り、走査中に連続的にオンである15mWビームでも各走査
線の始まりで過剰露光を生じさせることを示している。
同様の過剰露光は各ベクトルの終りでも生じよう。影響
を受けるのは、所望露光点での光硬化深度だけでなく、
走査線を囲む領域における光硬化の厚さも影響を受け
る。
【0053】個々のベクトルの始まりと終りでのこの公
差の喪失は部分横断面を表す層を盛るように互いに隣り
合った一連のベクトルでも明らかである。この層はベク
トル盛り分の始まりと終りに対応する縁のところで余分
な光硬化深度を得ることになる。縁のところでこの余分
な光硬化深度が生じるという事実は、外面のところでの
公差コンプライアンスについて通常は部分的な測定が行
われるので、部分全体または剛性物体の公差喪失に通じ
る。したがって、この部分は各横断面で望まれるよりも
幅が大きくなり、孔が所望程度よりも直径が小さくなり
(ベクトル走査では孔がベクトルの別の始まり、終りを
表わす)、片持ち部分、架橋部分あるいは傾斜部分にお
いて望まれるよりも深くなる。上述した15mWビームの場
合には、それで作られる剛性物体は公差セット限度に依
存してかろうじて許容できる程度であるが、 300mWで作
った部分または剛性物体が過剰に大きくゆがめられるこ
とになることは確かである。
【0054】一方、露光制御を利用すれば、より高い出
力のレーザを使用でき、したがって、より速い走査速度
を利用でき、露光解像度がかなり改善され、かなり緊密
な部分公差に合わせた能力を得ることができる。基本的
には、本発明の好ましい実施例では、露光制御はスポッ
トが光硬化性組成物の表面上を移動する単位距離あたり
の或る設定時間にわたってレーザ・ビームを確実にオン
にすることによって走査ベクトルにわたって均等な露光
を与える。先に説明したように、レーザ・ビームは各ボ
クセルに対して多数回の露光に分けるように変調され
る。各露光中のビームの出力すなわち強さは同じであ
り、露光パルスの時間も同じである。(ただし、後述す
るように各ベクトルの始まりと終りを除く)。これはベ
クトル走査線に沿って実質的にもっと均一な露光を与え
る。等しい時間幅(w)のディジタル方形波時間パルスを
有し、ストップから最高速度まで加速するこのような変
調ベクトル走査システムのための一般化した露光方程式
は次の通りである。
【0055】
【数6】
【0056】ここで、tはベクトルの始まりの時刻を表
し、Ykは走査線Yoから出発して走査方向に対して直角の
距離のところで各走査の中心線を表し、XpはXoのところ
で出発して走査線に沿って各パルスが位置する距離を表
し、「a」は走査方向におけるスポットの加速を表す。
前記数4は積分すると、Xの点から幾分処理が容易にな
り、次の形に書き直すことができる。
【0057」】
【数7】
【0058】代表的には、前記数6の積分の代わりに前
記数7の積分を用いて像平面の或るポイントでの露光を
計算する場合、このポイントからの1/e^2(3〜4シグ
マ)半径の半分から2倍に存在するパルスの露光分担量
を合計しなければならない。このポイントについてひと
たび全露光量が計算されたならば、前記数4に記載され
ている演算関数を用いてそのポイントでの露光値を予測
することができる。ディジタル・コンピュータ近似法を
用いて、各寸法でのボクセル・サイズが0.0127cmである
ビーム・スポットの1/e^0.693 直径の間隔で他のベクト
ル走査で囲まれたベクトル走査について光硬化厚さを計
算した。このスポットのパルスはボクセルあたり、スポ
ットから加速されたビームの4倍で生じる。走査半径は
大きくして、1.27*10^6cm/sec^2のスポット加速度を与
えた。スポットはパルスあたりw=3.93*10^ −6secにわ
たってディジタル式にパルス化し、像平面でのビーム出
力は 150mWであった。
【0059】図12はこのような走査について予測される
光硬化深度を示す。この曲線は走査線の中心に沿った予
測深度を示しており、これが定義によれば光硬化深度と
なる。ここで走査線に沿って光硬化深度が1ボクセルに
ついて移動した後の、すなわち、走査間隔に等しい距離
にわたる所望一定値を達成することに注目されたい。各
ベクトル始まりと終り、すなわち、各充填平面の始まり
と終りで1ボクセル長分の損失は、露光制御を行った場
合、連続ビーム走査を利用したときに得られるもの以上
の重要な改良を表す。より高い出力の露光ビームを利用
した場合、露光制御ではもっと速い走査速度を可能とす
る。しかしながら、始まりと終りでの1ボクセル分の損
失は或る部分についての所望の寸法におけるセット公差
に関してそれ以上の損失になお移行する。
【0060】第1ボクセルの損失についての理由を明確
に理解するためには、プリセット公差に合わせるように
露光制御を利用するベクトル走査システムの能力をさら
に改善しなければならない。前記数6ならびに隣り合っ
たスポットの露光量を合計して或るポイントでの全露光
量を計算しなければならないという事実を考えると、ベ
クトルの始まりでは、隣り合った露光が走査の背後に存
在せず、走査の前方にのみ存在するということが実現さ
れ得る。これは、或る走査の最初のボクセルが後に続く
ボクセルによって受け取られる露光量の約半分の量を受
け取ることを意味する。これは、さらに、パルスを発生
するための情報を与える、ミラーに取付けられたエンコ
ーダが信号の発生の前に約1パルス分移動しなければな
らないという事実と組み合わされる。こうして、普通
は、図12に示す場合の第1ボクセルは計算した露光量よ
りも4分の1少ない露光量を受け取ることになる。
【0061】1ボクセルあたりのパルス量を増大させ、
エンコーダ内のパルス損失によるパルス露光損失のパー
センテージを減らすことはできる。これには、パルス回
転率限界によるスキャナの速度を最終的に制限すること
のできるエンコーダ上のパルス密度の増大が必要とな
る。これには、また、パルス時間幅が比例して減り、ビ
ーム・スイッチの光学的効率を最終的に低下させ、ビー
ムの全出力を低下させかつ最高ビーム速度すなわち走査
速度を短縮することが必要となる。
【0062】走査半径(図1のビーム12′の長さ)の短
縮はパルス密度を増大させるが、大きなフィールドの走
査を許さず、パルス時間幅が比例的に減少して露光量を
減らすときのシステムの光学効率の損失のために最終的
に自滅することになる。好ましい解決策は、走査線の始
まりの最初のボクセルと終りの最後のボクセル内の最初
の2、3のパルスに長いパルス時間を与えることであ
る。これが走査システムの速度を低下させることはない
し、走査システムの任意他の部分になんら負の影響を与
えることもないが、各ベクトルの始まりと終りでボクセ
ルの回復を許すことになる。
【0063】作動に際して、図1に示す放射線手段10
(好ましくは高出力レーザである)は前述したような強
さを有する放射ビーム12を与える。この放射ビーム12は
変調器14を通過し、その強さがゼロ強さレベルからエネ
ルギの損失により未変調ビーム強さのそれよりも低い値
を有する最大ビーム強さまで変調を受ける。ディジタ
ル、アナログ両方のタイプの種々の変調器が使用し得
る。ディジタルタイプは、システムの電子的な安定性、
融通性を高めるので好ましいものであり、音響光学式変
調器が好ましい。高エネルギ非固体レーザの場合、上述
したように、特殊な変調器配置をなさなければならな
い。次いで、損失により幾分減少した強さを有する変調
された放射ビーム12″は2ミラー20、22組立体の形をし
たベクトル・スキャナのような偏向手段16を通過する。
各ミラーはそれぞれ異なったモータ24、26によって個別
に駆動される。モータ24によって駆動されるミラー20は
X方向にビームを偏向し、ミラー22はX方向にビームを
偏向する。ここで、X方向はY方向に対して直角であ
る。放射ビーム12″は、付加的な損失により幾分強さは
低いが、光硬化性組成物40の表面に最も近い薄層48に向
けられる。この光硬化性組成物は容器44に入っており、
ここで、薄層48の所定の部分の光硬化が生じる。ビーム
の複合運動はベクトルタイプの運動であり、ビームはベ
クトル・モードで運動すなわち走査されると言える。電
気機械式偏向手段16の慣性により、薄層48上でのビーム
12″の速度は偏向手段16の慣性ならびに電気機械的特性
によっても制限を受ける。
【0064】2つのミラー20、22のモータ24、26を介し
ての偏向は第2コンピュータ制御手段34によって制御さ
れ、一方、製造中の立体物体の形状に対応する図形デー
タは第1コンピュータ制御手段30内に記憶される。第2
コンピュータ制御手段34は変調手段14、偏向手段、第1
コンピュータ制御手段30にそれぞれ制御/フィードバッ
ク・ライン50、54、58を介して接続している。第1コン
ピュータ制御手段30に記憶された図形データは第2コン
ピュータ制御手段34に送られ、処理された後、モータ2
4、26を回転させ、ミラー20、22を移動させ、放射ビー
ムを薄層48上の所定位置に向って偏向する。ミラー20、
22の相対運動に関する電気的フィードバックは偏向手段
によってライン54を介して第2コンピュータ制御手段34
に与えられる。このフィードバックは薄層48の所定部分
でのビームの速度ならびに平均残留時間に相互関係があ
り、第2コンピュータ制御手段34によって処理されてか
ら、ライン50を通して制御指令として変調手段14に送ら
れてビーム12の強さを変調し、その結果、ビーム12の強
さと薄層48の所定部位のうち各部位での平均残留時間の
積がほぼ一定に留まる。こうして、これら2つのパラメ
ータの積として定義される露光レベルがほぼ一定に留ま
る。この露光レベルを各隣り合った薄層の所定部分にわ
たって一定に維持することによって、光硬化深度もほぼ
一定に保たれる。この補正は、膨らんだ縁が上述したよ
うなベクトル走査における縁のところの低い初期速度に
よる過剰露光の結果として現れる薄層の不支持部分で特
に非常に重要である。ビーム12″の強さが高ければ高い
ほど、あるいは、光硬化性組成物の光感度が高ければ高
いほど、露光レベルを一定に保つ手段がない場合にはこ
の問題はそれだけ厳しいものとなる。また、組成物40の
感度が大きければ大きいほど、或る種の露光制御手段な
しには問題はそれだけ厳しいものとなる。
【0065】可動テーブル41は、当初、光硬化性組成物
40内の表面46から短い所定距離のところに設置され、表
面46とテーブル41の間に薄層48を与える。テーブル位置
決めは設定手段42によって行われ、この設定手段は第1
コンピュータ制御手段30によってそこに記憶されたデー
タに従って制御される。剛性物体の形状の第1層に対応
する図形データは第1コンピュータ制御手段30から第2
コンピュータ制御手段34へ送られ、そこにおいて、偏向
手段16から得られたフィードバック・データと一緒に処
理され、変調器14に送られてそれを制御し、その結果、
ビームが薄層48の所定部分上をベクトル・モードで移動
するときに、露光量が一定に留まる。剛性物体の第1層
が完了したならば、可動テープル41を第1コンピュータ
制御手段30からの指令を介して設定手段42によって所定
の短い距離だけ下降させる。第1コンピュータ制御手段
30からの同様の指令により、層形成手段、たとえば、ド
クタナイフ43が表面46を拭って平らにする。次いで同じ
手順が繰り返され、第2の、第3、そしてそれに続く層
を製造し、最終的に剛性物体が完成する。
【0066】先に述べたように、変調器は放射ビームの
強さをほぼゼロの強さから最大強さまでアナログあるい
はディジタル・モードで変調する。変調器では或る程度
の光学的な損失があり、また、偏向手段でも或る程度の
付加的な損失がある。最大強さは未変調ビームの強さマ
イナス全光学的損失に等しい。本発明の好ましい具体例
では、最大ビーム強度は光硬化性組成物の感度その他の
パラメータに依存して或る種の値を超える。したがっ
て、放射ビームの最大強度が次の式よりも大きい光硬化
深度を与えることが好ましい。
【0067】
【数8】
【0068】ここで、G{ΣE}は露光Eの合計で演算
する関数G{ }を表し、この関数演算子は或る特定の
ポイントあるいは領域で受け取られる露光量の合計(mJ
/ cm^2)に対して或る特定の材料光硬化深度応答性(c
m)を関係付ける。普通は、この関数演算子は次の形の
自然対数二次多項式適合である。
【0069】
【数9】G{ΣE}=光硬化深度=A +B ln〔E〕+C
(ln〔E〕)^ 2
【0070】ここで、A、B、Cはこの関係について良
好な数学的適合性を与える或る特定の材料についての係
数であり、Yは像平面における走査方向に対して直角の
方向における任意の該当位置(cm)を表し、Ykは像平面
における位置Y=0に対する走査線の任意の中心位置
(cm)を表し、roはビームと光硬化性材料の像平面との
交差点におけるビームの1/e ^ 2 半径(cm)であり、v
は像平面における表面上のビーム・スポットの速度(cm
/sec)である。
【0071】ベクトル走査のベクトルは複数の走査線か
らなり得る。これらの走査線は1グループあるいはそれ
以上のグループの走査線を含み得るし、その場合、各グ
ループの走査線は互いに平行でcmある。或るグループ内
の2つの隣り合った走査線の距離は、一定であるときに
は走査線間の走査間隔となる。しかしながら、或る状況
では、走査間隔が線毎に大きく変わる可能性はある。こ
の場合、ビームが任意最初の線を走査しているとき、前
記最初の線に関係する走査間隔は第1線と第2線との距
離に等しい。この第2線とは、他の隣り合った線のうち
でも、第1線に最も近く、第1線を走査した後に走査さ
れる線を言う。
【0072】最大加速度で走査線上を放射ビームが移動
してゼロ速度レベルから最大一定速度に到達するまでの
距離は走査間隔より大きいことが好ましく、もっとも好
ましくは、走査間隔の5倍、さらに好ましくは走査間隔
の10倍である。変調器14は、好ましくは第2コンピュー
タ制御手段34を介して制御されてほぼ方形波パルスの形
で放射ビームをオン、オフする。各パルスは、通常は、
ほぼ同じ振幅あるいは強さならびに同じ持続時間を有す
る。ビームが光硬化性組成物40の表面46を走査するにつ
れて、パルス周波数は表面46上をビームが移動する速度
に比例するように第2コンピュータ制御手段34、走査シ
ステム16、フィードバック手段54によって設定される。
【0073】
【数10】
【0074】ここで、G{ΣE}は露光Eの合計につい
て演算する関数G{ }を表しており、この関数演算子
は或る特定のポイントまたは領域で受け取られる露光量
の合計(mJ/ cm^ 2)に或る特定の材料光硬化深度応答性
(cm)を関係付けるものである。通常は、この関数演算
子は前記数9と同じ自然対数二次多項式適合である。
【0075】ここで、A、B、Cはこの関係について良
好な数学的適合性を与える或る特定の材料についての係
数であり、roはビームと光硬化性材料の像平面との交差
点におけるビームの1/e ^ 2 半径(cm)であり、P は時
間積分によって示されるようには変調されない場合に他
のパラメータによって示される状況の下で望まれるより
も大きい重合深度を与える、像平面におけるビームの最
大放射照度(mW)であり、X、Yは像平面における光硬
化性液体の表面の位置(cm、cm) を表わし、Ykは像平面
における位置Y=0に対する走査線の任意の中心位置
(cm)を表わし、Xpはビーム・パルスを受ける像平面に
おける位置X=0に対する走査線に沿った任意の初期位
置(cm)を表わし、t は像平面において或るパルスが照
射を開始する時刻(sec) を表わし、w は像平面において
照射パルスが持続する時間(sec) を表わし、「a」は反
射ミラー式スキャナの各加速度能力と走査半径とによっ
て決められる、像平面におけるスポットの加速度(cm/s
ec^ 2)を表す。
【0076】露光制御手段を通しての被走査層の周縁領
域における光硬化公差の制御は特に重要である。ベクト
ルの始まりと終りからなり、ベクトルの分担露光量が隣
接の平行なベクトルよりも少ない周縁領域では、露光量
が少ないため、Z 方向での光硬化深度は浅くなり、X、
Y方向での光硬化深度も浅くなる。立体像形成過程で
は、前述のように、物体が層状に形成される場合、光硬
化深度が浅いということは直ちにX、Y、Z方向におけ
る寸法公差の損失を招く。加えて、Z方向における光硬
化深度の損失は物体の層間の剥離現象の可能性を高め
る。
【0077】この層剥離現象はZ方向における光硬化材
料の成形が光の層との接合を行うには不適当なために生
じる。立体像形成過程では、層間の接合は図1に48で示
す先行して光硬化した領域上方の液体層の深さに等しい
深さの光硬化層を形成するに必要とするよりもやや高い
露光を行うことによってなされる。この層剥離は物体の
周縁で生じ、薄い壁部分を作る積層体に重要な影響を与
える。
【0078】層剥離を防ぐように制御されなければなら
ない変数としては、像平面におけるビーム出力P(m
W)、露光時刻t(sec) 、スポット・サイズro(cm)、
走査間隔Y(k +1)−Yk(cm)、パルス間の距離X(p +1)−
Xp(cm)および再走査技術がある。層剥離ならびに公差
損失を防ぐには、ビーム出力をアナログ手段(たとえ
ば、前述の音響光学式変調器)を介して高めて隣接の露
光による影響が少ない領域における正味露光量の損失を
補正するとよい。あるいは、前記のディジタル・パルス
化音響光学変調器のようなディジタル制御手段によって
個々のビーム出力パルスの時間幅を増大させることによ
って露光時間を延ばして隣接の露光による影響が少ない
領域における正味露光量の損失を補正してもよい。再走
査技術というのは、光硬化層を平行な走査線で形成する
前か後にこの層の任意の周縁部分を走査する技術であ
り、物体あるいは層の任意の周縁部分で受け取られる低
い露光量を補正することになる。
【0079】スポット・サイズを大きくし、走査間隔を
縮めるかあるいはパルス間隔を縮めると、露光量が一層
均一となり、より確かな接着領域が達成されるので層間
の接着性を改善するが、層剥離を防ぐために周縁領域で
このような方法を使用すると、物体公差について悪影響
があるかも知れない。本発明の好ましい具体例では、隣
接の露光による影響が少ない領域での交差の損失ならび
に層接着性の低下は、これが先に述べたようにベクトル
の始まりと終りでの影響によるものであろうと、隣接の
ベクトル走査による影響のない走査線によるものであろ
うと、ディジタル・パルス化音響光学式変調器の露光時
間幅パルス制御によって補正される。
【0080】放射ビーム12の好ましい変調方法はディジ
タル式であるが、アナログ・モードあるいはアナログ、
ディジタル・モードの組合せでの変調も本発明の範囲内
にある。ビーム12は紫外線であると好ましいが、赤外線
でも、可視光線でも、赤外線あるいは可視光線と紫外線
の組合せでもよいし、他の放射線、たとえば、X線、電
子ビーム、イオン・ビーム等であってもよい。最後に、
テーブル41の運動は並進運動、回転運動、無作為運動あ
るいはそれらの組合せであってもよい。立体像形成のた
めの光硬化性組成物は少なくとも1種の光硬化性モノマ
ーまたはオリゴマーおよび少なくとも1種の光開始剤を
含有すべきである。本発明の目的にとってモノマーおよ
びオリゴマーという用語は実質的に同等でありそれらは
交換可能に使用され得る。
【0081】単独でまたは他のモノマーと組み合わせて
使用できる適当なモノマーとしてはt−ブチルアクリレ
ート、t−ブチルメタクリレート、1,5 −ペンタンジオ
ールジアクリレートおよびジメタクリレート、N,N-ジエ
チルアミノエチルアクリレートおよびメタクリレート、
エチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレ
ート、1,4-ブタンジオールジアクリレートおよびジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジアクリレートおよ
びジメタクリレート、ヘキサメチレングリコールジアク
リレートおよびジメタクリレート、1,3-プロパンジオー
ルジアクリレートおよびジメタクリレート、デカメチレ
ングリコールアクリレートおよびジメタクリレート、1,
4-シクロヘキサンジオールジアクリレートおよびジメタ
クリレート、2,2-ジメチロールプロパンジアクリレート
およびジメタクリレート、グリセロールジアクリレート
およびジメタクリレート、トリプロピレングリコールジ
アクリレートおよびジメタクリレート、グリセロールト
リアクリレートおよびトリメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレートおよびトリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびトリ
メタクリレート、ボリオキシエチル化トリメチロールプ
ロパントリアクリレートおよびトリメタクリレートおよ
び米国特許第3,380,831号に開示されたような同様の化
合物、2,2-ジ(ヒドロキシフエニル)−プロバンジアク
リレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートお
よびテトラメタクリレート、2,2-ジ(p−ヒドロキシフ
エニル)−プロバンジメタクリレート、トリエチレング
リコールジアクリレート、ポリオキシエチル−2,2-ジ
(p−ヒドロキシフエニル)プロバンジメタクリレー
ト、ビスフエノール−Aのジ−(3−メタクリルオキシ
−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ビスフエノール
−Aのジ−(2−メタクリルオキシエチル)エーテル、
ビスフエノール−Aのジ−(3−アクリルオキシ−2−
ヒドロキシプロピル)エーテル、ビスフエノール−Aの
ジ−(2−アクリルオキシエチル)エーテル、1,4−ブ
タンジオールのジ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒド
ロキシプロピル)エーテル、トリエチレングリコールジ
メタクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプ
ロバントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリ
レートおよびジメタクリレート、1,2,4 −ブタントリオ
ールトリアクリレートおよびトリメタクリレート、2,2,
4 −トリメチル−1,3 −ペンタンジオールジアクリレー
トおよびジメタクリレート、1−フエニルエチレン−1,
2 −ジメタクリレート、ジアリルフマレート、スチレ
ン、1,4 −ベンゼンジオールジメタクリレート、1,4 −
ジイソプロペニルベンゼン、および1,3,5 −トリイソプ
ロペニルベンゼンが挙げられる。
【0082】また有用なものとしては分子量が少なくと
も 300であるエチレン系不飽和化合物例えばアルキレン
または炭素数2〜15のアルキレングリコールから製造し
たポリアルキレングリコールジアクリレートまたは1〜
10のエーテル結合のポリアルキレンエーテルグリコール
および米国特許第 2,927,022号に開示されたもの、例え
ば特に端末結合として存在する場合複数の付加重合可能
なエチレン系結合を有するものが上げられる。特に好ま
しいモノマーとしてはポリオキシエテル化トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、エチル化ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールモノ
ヒドロキシペンタアクリレートおよび1,10デカンジオー
ルジメチルアクリレートが挙げられる。
【0083】本発明において単独でまたは組み合わせて
使用される有用な光開始剤は米国特許第 2,760,863号に
示されており、ビシナルケトアルドニルアルコール例え
ばベンソイン、ピバロイン;アクロインエーテル例えば
ベンゾインメチルおよびエチルエーテル、ベンジルジメ
チルケタール;α−メチルベンゾインα−アリルベンゾ
イン、およびαフエニルベンゾインを含むα−炭化水素
−置換一芳香族アシロインが含まれる。
【0084】開始剤としては米国特許第 2,850,445号、
同第 2,875,047号、同第 3,097,096号、同第 3,074,974
号、同第 3,097,097号および同第 3,145,104号に開示さ
れている光還元性染料および還元剤、並びにフエナジ
ン、オキサジン、キノン群の染料、Michler のケトン、
ベンゾフエノン、アクリルオキシベンゾフエノン、ロイ
コ染料を含む水素ドナーを有する2,4,5 −トリフエニル
イミダゾリルダイマーおよび米国特許第 3,427,161号、
同第 3,479,185号および同第 3,549,367号に開示されて
いるようなその混合物を使用出来る。また有用な光開始
剤としては米国特許第 4,162,162号に開示されているよ
うな増感剤である。
【0085】熱的に不活性であるが 185℃以下で活性光
線に露光すると有利基を生成する適当な他の光開始系と
しては共役した炭素環系内に二つの環内炭素原子を有す
る化合物である置換されたまたは置換されていない多核
キノン例えば9,10−アントラキノン、2−メチルアント
ラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチル
アントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,4 −
ナフトキノン、9,10−フエンナントラキノン、ベンズア
ントラセン−7,12−ジオン、2,3 −ナフタセン−5,12−
ジオン、2−メチル−1,4 −ナフトキノン、1,4 −ジメ
チル−アントラキノン、2,3 −ジメチルアントラキノ
ン、2−フエニルアントラキノン、2,3 −ジフエニルア
ントラキノン、レテネキノン、7,8,9,10−テトラヒドロ
ナフタセン−5,12−ジオン、および1,2,3,4 −テトラヒ
ドロベンズアントラセン−7,12−ジオンが挙げられる。
前記の光開始剤または光開始剤系は光硬化性組成物の全
重量の0.05〜10重量%で存在する。
【0086】光硬化の好ましいメカニズムはラジカル重
合であるが光硬化の他のメカニズムの適用も本発明の範
囲内にある。前記の他のメカニズムとしてはカチオン重
合、アニオン重合、縮合重合、付加重合、などが挙げら
れるがこれに制限されるわけではない。好ましい光硬化
組成物を実施例1に示す。
【0087】
【実施例】 実施例1 Novacure 3704 29.6 〔ビスフエノール−Aビス(2−ヒドロキシプロピル)ジアクリレート〕 TMPTA(トリメチロールプロバントリアクリレート) 29.6 Plastha11 4141(CP ta11社)(トリエチレングリコールカプレート−カプリレート ) 14.8 Triton X-100( オクチルフエノールポリエーテルアルコール) 0.78 Iragacure 651(2,2 −ジメトキシ2−フエニルアセトフエノン) 1.6 コア−シエルポリマー*(RCP 1674) 26.0 上記のコア−シエルポリマー*はブチルアクリレート 70% ブチレングリコールジアクリレート 5% アリルメタクリレート 25% からなるコアと メチルメタクリレート 100% からなるシエルを有する。
【0088】前記のコア−シエルポリマーは以下のよう
に調整した。 コア 脱イオン水2388gおよびドデシルスルホン酸ナトリウム
の30%水溶液37.5gを機械式攪拌機、凝縮器、加熱マン
トル、添加用漏斗、温度計および窒素取入口を備えた5
lの4ツ口フラスコに入れた。フラスコの内容物を室温
下窒素で30分間パージして、次いで80℃に加熱した。こ
の温度でブチルアクリレート(BA)1046g、アリルメタク
リレート(AMA)279g および 1,4−ブチレングリコールジ
アクリレート(BGD)70gからなるモノマー材料の8分の1
を一度に加えた。続いて直ちにリン酸水素ナトリウムの
7%溶液19 および過硫酸アンモニウムの5%溶液20
(いずれも水溶液)を一度に加えた。加熱を中止し、反
応混合物の発熱にまかせた。発熱により84℃のピークと
なった時、残りのモノマー材料を90分かけて反応温度が
80〜85℃に維持するように断続的に加熱しながら加え
た。モノマーの添加(全モノマー材料1345g)が終了し
たら、さらに反応混合物を 2.5時間80〜85℃で加熱し
た。最終生成物は青みを帯び、固形分35.1%を有する乳
化液であり粒径 0.097ミクロンを有した。
【0089】シエル 上述のコア乳化液2000g をコアを調整するときに使用し
たのと同じ装置を備えた5lのフラスコに入れた。フラ
スコ内容物を窒素により室温で30分間パージした。窒素
パージの後、過硫酸アンモニウム1.45g、ドデシル硫酸
ナトリウム30%水溶液 2.9gおよび脱イオン水 332gか
らなる混合物を撹拌しながらフラスコに30分かけて加え
た。次いでフラスコの内容物を85℃に加熱して、メチル
メタクリレート179gを60分間かけて加えた。すべてのモ
ノマーを加えて、更に反応混合物を2時間加熱した。最
終生成物は青みを帯び、固形分36.2%を有する乳化液で
あり、粒径 0.107ミクロンを有した。コア:シエルの比
率は実質的に4:1であった。
【0090】青みを帯びた乳化液をフリーザー中に3日
間置いて、次いで解凍し濾過し脱イオン水で洗浄し、そ
して室温で約3日間乾燥した。試験工場またはプラント
でのバッチの場合のような大きな試料のために、100 〜
150 ℃ の熱風などのスプレードライ法を用いてもよ
い。
【0091】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、精密
に制御された三次元モデル層を順次に走査し、形成する
ことによって露光されていない光硬化性組成物上に直接
レーザ描画を行う実用的な装置および方法を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の好ましい具体例のブロック図で
ある。
【図2】ピクセル、ボクセルそれぞれの表面ならびに体
積の分割を説明する図である。
【図3】ピクセル、ボクセルそれぞれの表面ならびに体
積の分割を説明する図である。
【図4】実施例1の光硬化性組成物の光硬化層の深さと
露光対ビーム放射の関数との関係を示す図である。
【図5】露光分布対走査線を横切る方向の計算深さ、実
深さの正規化曲線を比較した図である。
【図6】3つの隣あった走査線を横切る方向の光硬化深
度を示すことを目的とする2つの計算曲線を比較した図
である。
【図7】走査線を横切る方向における実際の厚さと計算
厚さとを比較する図である。
【図8】横断面方向の光硬化厚さについての走査間隔の
影響を示す図である。
【図9】走査線速度対走査間隔の関係を示す図である。
【図10】露光レベルを一定に保つ設備が設けられてい
ないときにストップから最大加速度の下で最小一定光硬
化深度に到達するまでに必要なベクトル走査距離につい
てビーム強さが影響する大きな差を示す図である。
【図11】露光レベルを一定に保つ設備が設けられてい
ないときにストップから最大加速度の下で最小一定光硬
化深度に到達するまでに必要なベクトル走査距離につい
てビーム強さが影響する大きな差を示す図である。
【図12】露光レベルをほぼ一定に保つ設備が設けられ
ているときの光硬化深度対走査方向に沿った距離の関係
を示す図である。
【符号の説明】 10 放射手段 11 立体物体 12 放射ビーム 12’変調済みの放射ビーム 14 変調器 16 偏向手段 20、22 ミラー 24、26 モータ 30 第1コンピュータ制御手段 34 第2コンピュータ制御手段 40 光硬化性組成物 41 可動テーブル 42 設定手段 43 ドクタナイフ 44 容器 46 像形成面 52、60、62、58 制御/フィードバック・ライ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状硬化性組成物の表面にビームを放射
    して前記液状硬化性組成物の所定部分を硬化させる立体
    造形装置であって、前記放射ビームがパルス状であるこ
    とを特徴とする立体造形装置。
  2. 【請求項2】 前記放射ビームが、その一つのパルスと
    次のパルスとの間隔もしくは各パルスの幅を変更可能と
    されていることを特徴とする請求項1記載の立体造形装
    置。
  3. 【請求項3】 前記放射ビームにより、前記液状硬化性
    組成物の所定部分に薄い層内で所望のほぼ一定深さの硬
    化を生じさせることを特徴とする請求項1もしくは請求
    項2記載の立体造形装置。
  4. 【請求項4】 液状硬化性組成物の表面にビームを放射
    して前記液状硬化性組成物の所定部分を硬化させる立体
    造形装置であって、前記放射ビームをパルス状のビーム
    とし、前記液状硬化性組成物の表面上での放射ビームの
    走査速度に合わせて放射ビームの一つのパルスと次のパ
    ルスとの間隔もしくは各パルスの幅を制御することによ
    り、単価面積あたりほぼ一定のエネルギー量を前記液状
    硬化性組成物に放射し、該液状硬化性組成物に薄い層内
    で所望のほぼ一定深さの硬化を生ぜしめることを特徴と
    する立体造形装置。
  5. 【請求項5】 前記放射ビームの一つのパルスと次のパ
    ルスとの間隔もしくは各パルス幅の変更が音響光学変調
    器により行われることを特徴とする請求項2乃至請求項
    4記載の立体造形装置。
  6. 【請求項6】 上記液状硬化性組成物は少なくとも一種
    の光硬化性モノマーまたはオリゴマーを含有し、かつ少
    なくとも一種の光硬化性開始剤を含有することを特徴と
    する請求項1乃至請求項5記載の立体造形装置。
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