JP2003094498A - 射出成形方法、射出成形金型及びプラスチック成形品 - Google Patents

射出成形方法、射出成形金型及びプラスチック成形品

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JP2003094498A
JP2003094498A JP2001289429A JP2001289429A JP2003094498A JP 2003094498 A JP2003094498 A JP 2003094498A JP 2001289429 A JP2001289429 A JP 2001289429A JP 2001289429 A JP2001289429 A JP 2001289429A JP 2003094498 A JP2003094498 A JP 2003094498A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品が大きい場合でも広範囲なひけを発生
できるとともに、冷却時間の短縮を可能とした射出成形
方法を得る。 【解決手段】 少なくとも一部が転写面5a、6aによ
り画成されるキャビティ12内に加熱溶融して充填され
た樹脂の冷却工程中に、キャビティ12の転写面5a、
6a以外の少なくとも一部を画成する摺動自在なキャビ
ティ駒10を、キャビティ12内に充填された樹脂より
離隔するように摺動させることにより、樹脂の離隔面に
ひけ面13を誘導させ転写面5a、6aの所望の形状を
確保する成形方法に関する。離隔面のひけを発生させた
後にひけ面13と摺動後のキャビティ駒10との空隙
に、摺動自在なキャビティ駒10の第2ゲート15から
樹脂を注入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ方式のデジ
タル複写機、レーザプリンタ、又はファクシミリ装置の
光学走査系、ビデオカメラ等の光学機器、光ディスク等
に適用されるプラスチック成形品、その射出成形方法及
びその射出成形金型に関するものであり、特に、高精度
な鏡面を有する厚肉、偏肉形状のプラスチックレンズ、
或いはプラスチックミラー等のプラスチック光学素子の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、射出成形法は、金型温度を成形
用樹脂の軟化温度未満とした一定容積のキャビティ内に
溶融樹脂を射出充填し、保圧を制御しながら冷却した
後、金型を開いて成形品を取り出す方法である。
【0003】また、射出圧縮成形法は金型内の転写面を
形成する転写駒を摺動可能にし、金型温度を成形用樹脂
の軟化温度未満とした所定容積のキャビティ内に溶融樹
脂を射出充填し、保圧を制御しながら冷却する際、樹脂
の体積収縮に追従して該転写駒を摺動させて樹脂に圧力
を付加して、成形品形状をより高精度に形成する方法で
ある。これらの方法は、樹脂が冷却固化する時に、金型
内の樹脂圧力や樹脂温度が均一になることが、所望の形
状精度を確保するために望ましいことである。
【0004】しかし、射出成形法は、成形品の厚みが場
所により異なっている偏肉形状の場合、冷却時に厚肉部
と薄肉部で樹脂温度が不均一になり、薄肉部に残圧が発
生したり、或いは厚肉部にひけが発生してしまうという
不具合があった。また、厚肉形状の成形品においては、
樹脂の冷却過程で体積収縮量が多いためにひけが発生し
やすく、ひけ発生を防止するために充填圧力を大きくす
ると、残留歪みが大きくなり、高精度な成形品が得られ
ないという欠点があった。
【0005】また、射出圧縮成形法は、前記射出成形法
より低い充填圧力で成形することができるが、偏肉形状
の場合、成形品の厚みの違いで収縮量が異なり、該転写
駒が樹脂の収縮に追従できず該転写駒と樹脂が離れ、離
れた部分からひけが発生し、形状精度が低下するという
問題があった。
【0006】このような不具合を解消するために、例え
ば、特開平6−304973号公報記載の射出成形金型
(以下、第1従来例)が提案されている。この射出成形
金型は転写面(鏡面)以外の面に通気口を設け、転写面
と通気口部との間に圧力差を発生させ通気口部にひけを
発生させ、内部歪みを発生させることなく、鏡面にひけ
が発生することを防止するようになっている。
【0007】また、特開平11−28745号公報(以
下、第2従来例)には、転写面以外の面を形成するキャ
ビティ駒を樹脂から離隔するように摺動させることによ
り、樹脂とキャビティ駒の間に強制的に空隙を画成し、
空隙に面した樹脂部分にひけを発生させ、転写面のひけ
を防止するとともに、内部歪みの小さな成形品を得るこ
とができるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1従
来例においては、ひけ発生が転写面以外の面に広く行き
渡らず、通気口部付近にひけが集中するため、成形品が
大きくなると通気口部から離れた転写面部にひけが発生
してしまうという不具合があった。また、第2従来例に
おいては、成形品が大きい場合でもより広範囲にひけを
発生させることが可能となるが成形品と摺動面との間の
空隙が断熱層となるためにひけ面の冷却効率が著しく悪
化する為、冷却時間が長くなってしまうという問題があ
る。
【0009】そこで、本発明は、成形品が大きい場合で
も広範囲なひけを発生できるとともに、冷却時間の短縮
を可能とした射出成形方法、射出成形金型及びプラスチ
ック成形品を提供することをその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、少なくとも一部が転写面により画
成されるキャビティ内に加熱溶融して充填された樹脂の
冷却工程中に、前記キャビティの転写面以外の少なくと
も一部を画成するキャビティ駒を、キャビティ内に充填
された樹脂より離隔するように摺動させることにより、
前記樹脂の離隔面にひけを誘導させ前記転写面の所望の
形状を確保する成形方法において、前記離隔面のひけを
発生させた後にひけ面と摺動後のキャビティ駒との空隙
に、前記摺動自在なキャビティ駒のゲートから樹脂を注
入することを特徴とする射出成形方法である。
【0011】また、請求項2の発明は、前記ひけの発生
後であって、且つ前記摺動自在なキャビティ駒のゲート
から樹脂を注入する前に、前記摺動自在なキャビティ駒
をひけ面に向けて前進させることを特徴とする射出成形
方法である。
【0012】また、請求項3の発明は、少なくとも一部
が転写面により画成されるキャビティ内に加熱溶融して
充填された樹脂の冷却工程中に、前記キャビティの転写
面以外の少なくとも一部を画成するキャビティ駒を、キ
ャビティ内に充填された樹脂より離隔するように摺動さ
せることにより、前記樹脂の離隔面にひけを誘導させ前
記転写面の所望の形状を確保する射出成形金型におい
て、前記摺動自在なキャビティ駒が、前記離隔面のひけ
を発生させた後にひけ面と摺動後のキャビティ駒との空
隙に、樹脂を注入するゲートを備えていることを特徴と
する射出成形金型である。
【0013】また、請求項4の発明は、前記摺動自在な
キャビティ駒の前記空隙に対向する面に形成されている
凹部と、前記キャビティを挟んで前記摺動自在なキャビ
ティ駒に対向するキャビティ駒に前記凹部に対応して形
成されている凸部とを備えている請求項3に記載の射出
成形金型である。
【0014】また、請求項5の発明は、前記摺動自在な
キャビティ駒の前記空隙に対向する面に母材に対する樹
脂の密着力を高める凹凸部が形成されていることを特徴
とする請求項3に記載の射出成形金型である。
【0015】また、請求項6の発明は、少なくとも一部
の鏡面と、鏡面を除く部分に形成されたひけ面と、ひけ
面に充填されている樹脂部とを備えていることを特徴と
するプラスチック成形品である。
【0016】また、請求項7の発明は、前記樹脂部に形
成されている少なくとも一つの凸部と、前記ひけ面に対
向する面に前記凸部に対応して形成されている凹部とを
備えていることを特徴とする請求項6に記載のプラスチ
ック成形品である。
【0017】また、請求項8の発明は、前記ひけ面に充
填されている樹脂が紫外線透過性樹脂であることを特徴
とする請求項6〜7の何れかに記載のプラスチック成形
品である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態を示
す射出成形金型の断面図であり、(A)は固定金型の横
断面の平面図、(B)は固定金型及び可動金型の縦断面
図である。
【0019】図1に示すように、この射出成形金型の固
定金型は、転写面以外を形成するキャビティ駒1、3、
7、8、10(図1(A)参照)と鏡面を転写する転写
用キャビティ駒5とから構成され、可動金型は、転写用
キャビティ駒5にキャビティ12を挟んで対向する鏡面
を転写する転写用キャビティ駒6とその両側のキャビテ
ィ駒2、4とから構成されている。キャビティ12は、
キャビティ駒1、3、7、8、10と転写用キャビティ
駒5とにより画成されている。符号20は、キャビティ
12により成形されるプラスチック成形品であるプラス
チックレンズ20である。
【0020】少なくとも1つ以上の転写面5a、6aと
転写面5a、6a以外の面を形成するキャビティ駒1〜
4、7、8により形成される少なくとも1つ以上のキャ
ビティ12に対し摺動自在なキャビティ駒10が保持部
材9により支えられ構成される。
【0021】前記キャビティ駒1には母材である樹脂を
キャビティ12内に充填する第1ゲート11を備え、摺
動自在なキャビティ駒10には樹脂流路14を介して母
材と同一又は異なる樹脂をキャビティ12内に充填する
第2ゲート15を備えている。
【0022】図2は本発明の第1実施形態の射出成形金
型を用いた射出成形方法を示す図である。先ず、射出成
形金型を樹脂の軟化温度前後に加熱する(金型加熱工
程)。次に、図2(A)に示すように、キャビティ12
内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を第1ゲート1
1より射出充填し、転写面5、6に樹脂圧力を発生させ
て母材である第1樹脂を転写面5、6に密着させる(第
1樹脂充填密着工程)。
【0023】次に、樹脂を軟化温度未満にまで冷却する
工程において、図2(B)に示すように、摺動自在なキ
ャビティ駒10を樹脂から離隔するように摺動させるこ
とにより、樹脂とキャビティ駒10との間に強制的に空
隙Sを形成する。以上の動作によりひけを所望の位置1
3に形成する(ひけ形成工程)。
【0024】次に、図2(C)に示すように、摺動自在
なキャビティ駒10を僅かに前進させて空隙Sの体積を
減少させる(空隙減少工程)。これにより空隙Sに充填
する第2樹脂の充填量を少なくすることができ、冷却時
間の一層の短縮を図ることができる。
【0025】次に、図2(D)に示すように、空隙Sに
摺動自在なキャビティ駒10に設けられた樹脂流路14
を通りひけ面に開口した第2ゲート15より第1ゲート
11から射出した母材となる第1樹脂と同材質又は異な
る材質の第2樹脂を射出充填する(第2樹脂充填工
程)。これにより、断熱層となる空隙Sを樹脂で満たす
ことができるので、成形品から金型への熱伝導率を向上
させることができるため、冷却時間を短縮することがで
きる。さらに、冷却時間の短縮により成形コストを削減
することができる。
【0026】次に、樹脂及び母材が軟化温度未満になる
まで冷却された後、可動型を固定型から型開きして成形
品を取り出す(型開き工程)。以上の射出成形方法にお
いて、空隙減少工程は必要に応じて省略することができ
る。
【0027】前記第2ゲート15より空隙Sに射出充填
する第2樹脂Z2として、第1ゲート11から射出した
第1樹脂Z1よりガラス転移点が低い樹脂を用いること
により、充填時の樹脂温度を低くすることが出来る為、
冷却時間をより短縮することが出来る。
【0028】また、前記第2ゲート15より空隙Sに射
出充填する第2樹脂Z2として、第1ゲート11から射
出した第1樹脂Z1より熱伝導率が高い樹脂を用いるこ
とにより、充填後の金型への熱伝導効率が高くなる為
に、冷却時間をより短縮することが出来る。
【0029】また、前記第2ゲート15より空隙Sに射
出充填する第2樹脂Z2として、紫外線透過可能な樹脂
を用いることにより、プラスチックレンズ20をベース
となる部材、例えば光書込みユニットのハウジングに紫
外線硬化型接着剤を使用して接着する場合、第2ゲート
15より射出充填した第2樹脂Z2が障害となることが
ない。
【0030】また、上述したように、ひけ発生後に摺動
自在なキャビティ駒10を前進させた後に、ひけ面13
と摺動後のキャビティ駒10との空隙Sに第2ゲート1
5から上記第2樹脂Z2を注入することによって、第2
樹脂Z2の樹脂量を極小に出来るため冷却時間の一層の
短縮を図ることが出来る。
【0031】図3は本発明の第2実施形態に係る射出成
形金型の断面図である。図3に示すように、第2実施形
態の射出成形金型は、摺動自在なキャビティ駒10のひ
け発生面の表面に少なくとも1つ以上の凹部10aが形
成され、且つキャビティ駒10のひけ発生面に対向する
キャビティ駒7の成形面に、凹部10aに対応して少な
くとも1つ以上の凸部7aを有する点のみ第1実施形態
の射出成形金型と異なり、他の構成は第1実施形態と同
様である。
【0032】この第2実施形態の射出成形金型により成
形されるプラスチックレンズは、第1ゲート11より射
出される母材である第1樹脂Z1について摺動自在なキ
ャビティ駒10により形成されるひけ面13の表面に少
なくとも1つ以上の凸部20aが形成され、第2ゲート
15より充填される第2樹脂Z2がひけ面13の凸部2
0aを覆い且つ凹部10aにより同位置に同形状の凸部
20bが形成され、ひけ面13に対向するキャビティ駒
7の面にも凸部20bに対応して少なくとも1つ以上の
凹部20cが形成されている。このプラスチックレンズ
20を同方向にして重ねることにより隣り合う一方のプ
ラスチックレンズ20の凹部20cと他方のプラスチッ
クレンズ20の凸部20aとで位置決めすることができ
る。
【0033】図4は本発明の第3実施形態に係る射出成
形金型の断面図である。図4に示すように、第3実施形
態の射出成形金型は、摺動自在なキャビティ駒10のひ
け発生面の表面に少なくとも1つ以上のスリット状溝1
0bが形成されている点のみ第1実施形態の射出成形金
型と異なり、他の構成は第1実施形態と同様である。
【0034】この第3実施形態の射出成形金型により成
形されるプラスチックレンズは、第1ゲート11より射
出される第1樹脂Z1について摺動自在なキャビティ駒
10により形成されるひけ面13の表面に少なくとも1
つ以上のスリット状凸凹部20dが形成され、第2ゲー
ト15より充填される第2樹脂Z2がひけ面13のスリ
ット状凸部20dを覆い且つスリット状溝10bにより
同位置に同形状のスリット状突部20eが形成されてい
る。このようにひけ面13にスリット状凸部20dが形
成されているので、第1樹脂Z1と第2樹脂Z2との密
着強度を高めることができ、第2樹脂Z2が第1樹脂Z
1から剥離して型内に残ったり、取出し途中で剥離する
ことがなく、結果として金型の破損を防止することがで
きる。
【0035】図5は本発明の第4実施形態に係る射出成
形金型の断面図である。図5に示すように、第4実施形
態の射出成形金型は、第3実施形態の射出成形金型のス
リット状溝10bの代わりに、少なくとも1つ以上の半
球状凹部10cが形成されている点のみ第3実施形態の
射出成形金型と異なり、他の構成は第3実施形態の射出
成形金型と同様である。
【0036】この第4実施形態の射出成形金型により成
形されるプラスチックレンズは、第1ゲート11より射
出される第1樹脂Z1について摺動自在なキャビティ駒
10により形成されるひけ面13の表面に少なくとも1
つ以上の半球状突起20gが形成され、第2ゲート15
より充填される第2樹脂Z2がひけ面13の半球状突起
20gを覆い且つ半球状凹部10cにより同位置に同形
状の半球状突起20hが形成されている。このようにひ
け面13に半球状突起20gが形成されているので、第
3実施形態のプラスチックレンズと同様に、第1樹脂Z
1と第2樹脂Z2との密着強度を高めることができ、第
2樹脂Z2が第1樹脂Z1から剥離して型内に残った
り、取出し途中で剥離することがなく、結果として金型
の破損を防止することができる。前記摺動自在なキャビ
ティ駒10のひけ発生面表面の半球状凹部10cの代わ
りに、少なくとも1つ以上の円柱状凹部を形成してもよ
い。
【0037】この射出成形金型により成形されるプラス
チックレンズは、第1ゲート11より射出される第1樹
脂Z1について摺動自在なキャビティ駒10により形成
されるひけ面13の表面に少なくとも1つ以上の円柱状
突起が形成され、第2ゲート15より充填される第2樹
脂Z2がひけ面13の円柱状突起を覆い且つ円柱状凹部
により同位置に同形状の円柱状突起が形成されている。
また、前記摺動自在なキャビティ駒10のひけ発生面表
面の半球状凹部10cの代わりに、少なくとも1つ以上
の多角柱状凹部を形成してもよい。
【0038】この射出成形金型により成形されるプラス
チックレンズは、第1ゲート11より射出される第1樹
脂Z1について摺動自在なキャビティ駒10により形成
されるひけ面13の表面に少なくとも1つ以上の多角柱
状突起が形成され、第2ゲート15より充填される第2
樹脂Z2がひけ面13の多角柱状突起を覆い且つ多角柱
状凹部により同位置に同形状の多角柱状突起が形成され
ている。また、摺動自在なキャビティ駒10のひけ発生
面の表面が多孔質部材で形成されていてもよい。
【0039】この射出成形金型により成形されるプラス
チックレンズは、第1ゲート11より射出される第1樹
脂Z1について摺動自在なキャビティ駒10により形成
されるひけ発生面の表面に摺動自在なキャビティ駒表面
の多孔質部材が転写された微細な突起が形成され、第2
ゲート15より充填される第2樹脂Z2がひけ面の微細
な突起を覆い且つ第2樹脂表面の同エリアに類似形状の
微細な突起が形成されている。
【0040】前記摺動自在なキャビティ駒10のひけ発
生面が、凸部20a及び凸部20bを形成する凹部10
a、スリット状凸部20d及びスリット状突部20eを
形成する凹部10b、半球状突起20g及び半球状突起
20hを形成する半球状凹部10cのいずれか2つ以上
の組合せで構成されていてもよい。
【0041】この射出成形金型により成形されるプラス
チックレンズは、摺動自在なキャビティ駒10により形
成されるひけ発生面が凸部20a、20d、半球状突起
20g、円柱状突起、多角柱状突起のいずれか2つ以上
の組合せで構成されている。このような2つ以上の組み
合わせによっても第1樹脂と第2樹脂との密着力の確保
をすることができる。
【0042】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではない。例えば、プラスチック成形品としてプラ
スチックレンズの場合について説明したが、プリズム、
ミラー等の他の光学素子にも適用することができる。ま
た、上記実施形態では成形する材料を樹脂の場合につい
て説明したが、ガラス等の光学材料であってもよい。即
ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施
することができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は請求
項3の発明によれば、成形品が大きい場合でも広範囲な
ひけを発生できるとともに、冷却時間を短縮することが
できる。また、請求項2の発明によれば、ひけ面に注入
する樹脂量を極小に出来るため冷却時間の一層の短縮を
図ることが出来る。また、請求項4又は請求項7の発明
によれば、複数のプラスチックレンズを重ねたときに、
位置決めが容易である。また、請求項5の発明によれ
ば、母材と後からひけ面に注入する樹脂との密着強度を
高めることができ、ひけ面に注入する樹脂が母材から剥
離して型内に残ったり、取出し途中で剥離することがな
く、結果として金型の破損を防止することができる。ま
た、請求項6の発明によれば、成形品が大きい場合でも
広範囲なひけを発生できるとともに、冷却時間の短いプ
ラスチックレンズを得ることができる。また、請求項8
の発明によれば、プラスチックレンズをベースとなる部
材、例えば光書込みユニットのハウジングに紫外線硬化
型接着剤を使用して接着する場合、ひけ面に充填される
樹脂が障害となることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す射出成形金型の断
面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の射出成形金型を用いた
射出成形方法を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る射出成形金型の断
面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る射出成形金型の断
面図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る射出成形金型の断
面図である。
【符号の説明】
1 キャビティ駒 2 キャビティ駒 3 キャビティ駒 4 キャビティ駒 5 転写用キャビティ駒 5a 転写面 6 転写用キャビティ駒 6a 転写面 7 キャビティ駒 7a 凸部 8 キャビティ駒 9 保持部材 10 摺動自在なキャビティ駒 10a 凹部 10b スリット状溝 10c 半球状凹部 11 第1ゲート 12 キャビティ 13 ひけ面(所望の位置) 14 樹脂流路 15 第2ゲート 20 プラスチックレンズ 20a 凸部 20b 凸部 20c 凹部 20d スリット状凸部 20e スリット状突部 20g 半球状突起 20h 半球状突起 Z1 第1樹脂(母材) Z2 第2樹脂

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が転写面により画成され
    るキャビティ内に加熱溶融して充填された樹脂の冷却工
    程中に、前記キャビティの転写面以外の少なくとも一部
    を画成するキャビティ駒を、キャビティ内に充填された
    樹脂より離隔するように摺動させることにより、前記樹
    脂の離隔面にひけを誘導させ前記転写面の所望の形状を
    確保する成形方法において、 前記離隔面のひけを発生させた後にひけ面と摺動後のキ
    ャビティ駒との空隙に、前記摺動自在なキャビティ駒の
    ゲートから樹脂を注入することを特徴とする射出成形方
    法。
  2. 【請求項2】 前記ひけの発生後であって、且つ前記摺
    動自在なキャビティ駒のゲートから樹脂を注入する前
    に、前記摺動自在なキャビティ駒をひけ面に向けて前進
    させることを特徴とする射出成形方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも一部が転写面により画成され
    るキャビティ内に加熱溶融して充填された樹脂の冷却工
    程中に、前記キャビティの転写面以外の少なくとも一部
    を画成するキャビティ駒を、キャビティ内に充填された
    樹脂より離隔するように摺動させることにより、前記樹
    脂の離隔面にひけを誘導させ前記転写面の所望の形状を
    確保する射出成形金型において、 前記摺動自在なキャビティ駒が、前記離隔面のひけを発
    生させた後にひけ面と摺動後のキャビティ駒との空隙
    に、樹脂を注入するゲートを備えていることを特徴とす
    る射出成形金型。
  4. 【請求項4】 前記摺動自在なキャビティ駒の前記空隙
    に対向する面に形成されている凹部と、前記キャビティ
    を挟んで前記摺動自在なキャビティ駒に対向するキャビ
    ティ駒に前記凹部に対応して形成されている凸部とを備
    えている請求項3に記載の射出成形金型。
  5. 【請求項5】 前記摺動自在なキャビティ駒の前記空隙
    に対向する面に母材に対する樹脂の密着力を高める凹凸
    部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の
    射出成形金型。
  6. 【請求項6】 少なくとも一部の鏡面と、鏡面を除く部
    分に形成されたひけ面と、ひけ面に充填されている樹脂
    部とを備えていることを特徴とするプラスチック成形
    品。
  7. 【請求項7】 前記樹脂部に形成されている少なくとも
    一つの凸部と、前記ひけ面に対向する面に前記凸部に対
    応して形成されている凹部とを備えていることを特徴と
    する請求項6に記載のプラスチック成形品。
  8. 【請求項8】 前記ひけ面に充填されている樹脂が紫外
    線透過性樹脂であることを特徴とする請求項6〜7の何
    れかに記載のプラスチック成形品。
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