JP2003093133A - 毛髪処理器具 - Google Patents

毛髪処理器具

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JP2003093133A JP2002210062A JP2002210062A JP2003093133A JP 2003093133 A JP2003093133 A JP 2003093133A JP 2002210062 A JP2002210062 A JP 2002210062A JP 2002210062 A JP2002210062 A JP 2002210062A JP 2003093133 A JP2003093133 A JP 2003093133A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒状体内に毛髪を容易に且つ短時間で取り込
むことのできる毛髪処理器具を提供すること。 【解決手段】 本発明の毛髪処理器具は、一端部に毛
髪取り込み口を有する細長形状の可撓性材料からなる毛
髪保持具と、該毛髪保持具内に毛髪を挿入する毛髪挿入
具と、該毛髪保持具に保持された毛髪を所定の形状に巻
き上げ、湾曲又は屈曲させる巻き上げ手段とを備えてい
る。また、本発明の毛髪処理方法は、細長形状の可撓性
材料からなり、毛髪の保持が可能になされている毛髪保
持具を具備する毛髪処理器具における該毛髪保持具に、
所定量の毛髪を保持し、次いで該毛髪保持具に備えられ
た所定の巻き上げ手段によって該毛髪保持具に保持され
た毛髪を巻き上げ、湾曲又は屈曲させることからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定量の毛髪を容
易に取り扱うことのできる毛髪処理器具に関する。また
本発明は、毛髪に所望のくせ付けをするために用いられ
る毛髪処理器具に関する。また本発明は、パーマ等によ
り毛髪にカールを付与する場合に、毛髪を所定の形状に
巻回するために用いられる毛髪処理器具に関する。更に
本発明は、パーマネントウエーブや染毛などの各種毛髪
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シート
を利用して毛髪にくせ付けする方法として、古くは例え
ば実公昭11−14546号公報等に記載の手段が知ら
れている。しかし、このような手段は毛髪の取り扱いが
困難であった。
【0003】そこで、毛髪をより取り扱いやすく、また
くせ付けのハンドリングも容易に行えるようにした毛髪
巻取り技術として、特開平10−192036号公報に
は、筒状にした毛髪巻取具及び毛髪巻取り方法が提案さ
れている。このような筒状毛髪巻取具によれば、毛髪束
が格段に取り扱いやすくなり非常に大きなメリットがあ
る。
【0004】前記公報に記載の毛髪巻取具は、屈曲自在
で且つその屈曲形状の保持が可能な塑性変形部材を筒状
体の長手方向に沿って取り付けてなり、該筒状体内に毛
髪を取り込んだ状態で塑性変形部材を変形させることで
毛髪の巻回状態を保持するものである。この毛髪巻取具
は、棒状体の端部に毛髪を包囲可能な環部が一体成形さ
れてなる毛髪取込具と共に用いられる。
【0005】しかし、この毛髪巻取具は、和紙や不織布
などの剛性の低い材料から構成されているので、毛髪取
込具を用いて毛髪を毛髪巻取具内に取り込むときに、該
毛髪巻取具の入り口が容易に変形してしまい毛髪や毛髪
取込具の環部が引っかかりやすく、毛髪を毛髪巻取具内
に取り込むのが容易でない。しかも、毛髪取込具の環部
はプラスチック材料から構成されているので、毛髪巻取
具の入り口に毛髪や毛髪取込具の環部が一層引っかかり
やすい。また、毛髪取込具の環部は、その大きさが大き
いほど毛髪を該環部内に入れ易いが、この毛髪取込具で
は、その材質上の制限から、その環部の大きさを、毛髪
巻取具の入り口の大きさよりも大きくすることが出来な
い。
【0006】更に、この毛髪巻取具を用いてパーマネン
トウエーブ処理を行う場合には、毛髪を巻回させる前に
パーマネント処理液を施し、その後に前記筒状体を手で
巻回させるとされている。しかし、このパーマネントウ
エーブ処理では、従来と同様に、依然として手で毛髪を
巻回させる必要があるので、手間がかかるという欠点が
ある。しかも、この巻回操作を使用者自身で行うには操
作性が良好でなく時間と手間のかかるものとなる。
【0007】その上、この毛髪巻取具を筒状に形成した
場合、変形により内側と外側のシートに必然的に歪みが
生じてしまう。この歪みは筒状の毛髪保持具に挿入する
毛髪束が増えるほど、また毛髪に曲率の大きなウェーブ
を付けようとするほど顕著になる。また、歪みを解消し
ない状態でくせ付けをを行うと綺麗な円形なウェーブに
ならず、不均一な多角形のウエーブが形成されてしま
う。
【0008】実公平6−37762号公報には、重ね合
わされた2枚の可撓性シートの両側部をそれぞれ接合し
てなるヘアカーラが記載されている。このヘアカーラを
構成する可撓性シートのうちの一方は巻回された状態で
形状が記憶された形状記憶物質からなり、他方は網状シ
ート又は不織布シートからなる。更に両シートの接合に
おいては一方の側部を着脱可能に接合している。このヘ
アカーラを用いれば毛髪を容易に巻回させることは可能
であるが、巻回させる前の操作としての、ヘアカーラ内
への毛髪の取り込みが困難である。
【0009】国際公開WO00/57744には、パー
マ等により毛髪にカールを付与する場合の補助具とし
て、網状シートからなり、長手方向及び短手方向に伸縮
性を有する筒状の毛髪処理装置が記載されている。この
毛髪処理装置によれば、その筒状部を長手方向に縮小し
短手方向に伸張してから、筒状部の中に毛髪束を挿通
し、筒状部を伸張させた後、筒状部を毛髪束と共に複数
箇所ねじったりしてから、その状態を所定時間維持する
等して、毛髪束にカールを付与することができる。しか
し、この毛髪処理装置を用いた場合、筒状部に毛髪束を
挿通する際又は挿通した後に、筒状部が収縮すると毛先
がいわゆる逆毛になったり、毛先に不規則なくせが付い
たりして、毛髪束に綺麗なカールを付与できないという
問題点がある。
【0010】従って、本発明は、筒状体内に毛髪を容易
に且つ短時間で取り込むことのできる毛髪処理器具を提
供することを目的とする。また本発明は、毛髪の巻き上
げを容易に且つ短時間で行い得る毛髪処理器具を提供す
ることを目的とする。また本発明は、毛髪に容易にくせ
付けを行うことのできる毛髪処理器具を提供することを
目的とする。また本発明は、毛髪に、容易且つ確実に綺
麗なカールを付与することのできる毛髪処理器具を提供
することを目的とする。更に、本発明は、パーマネント
ウエーブや染毛などの各種毛髪処理を容易に行い得る毛
髪処理方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、一端部に毛髪
取り込み口を有する細長形状の可撓性材料からなる毛髪
保持具と、該毛髪保持具内に毛髪を挿入する毛髪挿入具
と、該毛髪保持具に保持された毛髪を所定の形状に巻き
上げ、湾曲又は屈曲させる巻き上げ手段とが備えられて
いる毛髪処理器具を提供することにより前記目的を達成
したものである。
【0012】また、本発明は、細長形状の可撓性材料か
らなり、毛髪の保持が可能になされている毛髪保持具を
具備する毛髪処理器具における該毛髪保持具に、所定量
の毛髪を保持し、次いで該毛髪保持具に備えられた所定
の巻き上げ手段によって該毛髪保持具に保持された毛髪
を巻き上げ、湾曲又は屈曲させる毛髪処理方法を提供す
ることにより前記目的を達成したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、
本発明の毛髪処理器具の一実施形態の斜視図が示されて
いる。毛髪処理器具1は、細長形状であり、毛髪の保持
が可能になされている毛髪保持具2と毛髪挿入具3とを
具備している。
【0014】毛髪保持具2は細長筒形状をしており、可
撓性材料から構成されている。毛髪は毛髪保持具2内に
挿入されて保持される。毛髪保持具2は、一端部及び他
端部を有しており、各端部は開口している。両端部のう
ち上端部は毛髪取り込み口4となっている。他端部であ
る下端部には、該下端部の開閉手段としてのチャック5
が取り付けられており、該下端部がチャック5によって
開閉可能になされている。この開閉手段としては、チャ
ックの他に、面ファスナ、粘着テープ、自己接着性テー
プ〔例えば仁礼工業製のふしぎテープ(商品名)〕など
を用いることもできる。毛髪保持具2の長さは、処理す
べき毛髪の長さに応じて適切な長さとされ、好ましくは
処理すべき毛髪の長さよりも長くなっている。毛髪保持
具2の長さは一般に50〜600mm程度の範囲であ
る。
【0015】毛髪取り込み口4は、その開口端に向かう
につれて漸次拡開した漏斗状の形状をしている。これに
よって、毛髪挿入具3を用いて毛髪を毛髪保持具2内に
挿入する際、毛髪取り込み口4に毛髪や毛髪挿入具3が
引っかかり難くなり、毛髪を取り込み易くなる。毛髪取
り込み口4及びその近傍の部位は、毛髪保持具2におけ
る他の部位よりも高剛性となされている。これによっ
て、毛髪を取り込む際に毛髪取り込み口4に、毛髪や毛
髪挿入具3が引っかったとしても毛髪取り込み口4が変
形しづらくなり、毛髪を取り込み易くなる。毛髪取り込
み口4及びその近傍の部位をその他の部位よりも高剛性
とするには、例えば毛髪保持具2がプラスチック成形に
より製造される場合にはこれらの部位をその他の部位よ
りも肉厚に成形すればよい。また毛髪保持具2が不織布
やネットなどから構成される場合には、毛髪取り込み口
4及びその近傍の部位に高剛性の材料、例えばプラスチ
ック板や板紙などを貼り付ければよい。
【0016】毛髪取り込み口4は、その開口端が毛髪を
取り込みやすい形状となっていることが好ましい。例え
ば毛髪取り込み口4の開口端の形状が、円形又は長径と
短径との比が1に近い楕円形であると毛髪を取り込み易
い。これに加えて、毛髪取り込み口4の開口端の最大幅
W(図1参照)が、5〜200mm、特に10〜90m
mであると、毛髪の取り込み易さと、取り扱い性及び操
作性とがバランスするので好ましい。
【0017】毛髪保持具2を構成する材料としては、各
種可撓性材料が用いられる。その例としては、不織布、
多孔性又は非多孔性の樹脂フィルム、紙、樹脂ネット、
又はこれらの複合体などが挙げられ、毛髪処理器具1の
具体的用途に応じて適切な材料が選択される。例えば、
毛髪保持具2内に挿入された状態の毛髪に毛髪処理剤を
施す場合、挿入されている毛髪のみに毛髪処理剤を施し
たいときには、該毛髪処理剤に対して非透過性を有する
材料を用いればよい。また、挿入されている毛髪に対し
て毛髪保持具2の外部から毛髪処理剤を施したいときに
は、該毛髪処理剤に対して透過性を有する材料を用いれ
ばよい。
【0018】図1に示すように、毛髪保持具2には、そ
の外側面に、該毛髪保持具2の巻き上げ手段としての巻
き上げ用糸6が、スパイラル状に巻き付けられている。
巻き上げ用糸6は、毛髪保持具2内に挿入された状態の
毛髪を、該毛髪保持具2ごと巻き上げる手段として用い
られる。本明細書において巻き上げとは、毛髪に所定の
くせ付けをすること全般を意味し、本来の巻き上げに加
えて例えば湾曲や屈曲なども包含される。巻き上げ用糸
6は、毛髪保持具2にスパイラル状に間欠的に設けられ
た複数の挿通孔7に挿通されている。挿通孔7は、毛髪
保持具2を正面から視たときに、長手方向の両側部に設
けられている。各側部に設けられている各挿通孔7は所
定間隔を置いて配列され、挿通孔列8A,8Bを形成し
ている。また、各挿通孔7は、毛髪保持具2の高さ方向
(長手方向)に関し、毛髪保持具2の側面に沿って各挿
通孔を順次結んだときにスパイラル状の軌跡を描くよう
に配列されている。
【0019】各挿通孔7は近接して配された一対の小孔
7A,7Bからなる。小孔7A,7Bは、巻き上げ用糸
6が挿通できる程度に開孔していればよく、この点か
ら、毛髪保持具2に小切込を形成し、これを小孔として
用いることもできる。巻き上げ用糸6が、毛髪保持具2
の外側面に巻き付けられていることは前述の通りである
が、該巻き上げ用糸6は、一対の小孔7A,7B間のみ
において毛髪保持具2の内側面に配されている。これに
よって巻き上げ用糸6は毛髪保持具2の外側面に保持さ
れることになる。
【0020】巻き上げ用糸6は、その一端が、毛髪保持
具2における最下端に位置する挿通孔7(図1では、挿
通孔列8Aの最下端)の位置において引き抜かれないよ
うになされている。具体的には、巻き上げ用糸6の一端
を毛髪保持具2に固定することで、その引き抜きを防止
している。巻き上げ用糸6の固定には、接着剤による接
着、熱融着などが用いられる。また、巻き上げ用糸6の
一端に、小孔よりも大きな結び目を作り、この結び目に
よって巻き上げ用糸6を小孔に係止することで、巻き上
げ用糸6の引き抜きを防止してもよい。一方、毛髪保持
具2における最上端に位置する挿通孔7(図1では、挿
通孔列8Bの最上端)においては、巻き上げ用糸6は自
由状態になっている。これによって、巻き上げ用糸6の
他端を引っ張ると、毛髪保持具2は、スパイラル状に変
形することになる(これについては更に後述する)。
【0021】巻き上げ用糸6は、これを引っ張って毛髪
の巻き上げ操作を行うときに、引きちぎれない程度の強
度及び巻き上げ操作を円滑に行い得る柔軟性を有してい
ることが好ましく、この点から、各種樹脂などの合成
物、木綿や麻などの天然物、レーヨンなどの半天然物、
各種金属、又はこれらの複合体などから構成されている
ことが好ましい。また、巻き上げ用糸6は、糸状のもの
に限られず、例えば細長い帯状のものであってもよい。
【0022】次に毛髪挿入具3について引き続き図1を
参照しながら説明する。毛髪挿入具3は、細長形状の把
持部9と、該把持部9の先端に取り付けられたフック部
10とを備えている。フック部10は、毛髪保持具2内
に挿入される毛髪を引っかけるために用いられ、変形可
能になされている。本実施形態の毛髪挿入具2は、一本
の線材から構成されている。詳細には、その一端に小ル
ープ11を形成し、その他端をこの小ループ11に通す
ことで大ループからなるフック部10を形成している。
更に大ループの所定位置に小ループ11を通過しない大
きさの係止部12が設けられている。この毛髪挿入具3
を使用するに際しては、毛髪を引っかけやすい大きさま
でフック部10を広げて毛髪を引っかける。次に把持部
9を引っ張ることでフック部10を縮める。この操作に
よってフック部10は係止部12で規制される大きさに
まで縮められる。毛髪挿入具3を構成する線材の素材と
しては、前述した巻き上げ用糸6と同様のものを用いる
ことができる。特に、操作性、取り扱い性及び毛髪処理
剤に対する耐食性などの点から、金属製の針金を合成樹
脂で被覆したものが好ましく用いられる。
【0023】毛髪挿入具3は毛髪保持具2内に挿入され
た状態で使用される。詳細には、図1に示すように、毛
髪挿入具3のフック部10を毛髪保持具2の毛髪取り込
み口4側に向けて挿入された状態で使用される。この場
合、使用前に毛髪挿入具3が予め個別に毛髪保持具2に
取り付られた状態の毛髪処理器具1を用いてもよく、或
いは毛髪処理器具1を使用するときに毛髪挿入具3を毛
髪保持具2に取り付けてもよいが、予め取り付けられて
いることにより、製品の製造工程において最適な状態で
毛髪保持具2に取り付けることができ、使用者が使用時
に取り付ける場合に比べて、取り付けの失敗がない。ま
た、毛髪挿入具3には、取り付けるのに必要とされる強
度が要求されないので、糸やフィルムなどの安価な素材
に単純な加工を施したものを用いることができ、毛髪挿
入具3を生産性高く、低コストで製造できる。毛髪処理
器具1を使用するに先立ち、毛髪挿入具3のフック部1
0を、毛髪保持具2の毛髪取り込み口4から突出させ
る。そして、フック部10に所望量の毛髪を引っかけ、
この状態下に毛髪挿入具3の他端部から引き出されてい
る毛髪挿入具3の把持部9を引っ張る。これによって、
フック部10に引っかけられている毛髪がフック部10
と共に毛髪保持具2内に挿入される。フック部10が毛
髪保持具2内に引き入れられると、該毛髪保持具2内の
所定位置において、フック部10による毛髪の引っかけ
が解除され、毛髪は毛髪保持具2内に円滑に挿入され
る。フック部10は、毛髪保持具2の下端部を通じて毛
髪保持具2の外に引き出される。この説明から明らかな
ように、毛髪挿入具3の全長は毛髪保持具2の全長より
も長くなっている。
【0024】毛髪挿入具3においては、そのフック部1
0が変形可能になされているので、該フック部10に所
望量の毛髪を引っかけて毛髪保持具2内に挿入する際
に、仮にフック部10が毛髪取り込み口4に当たって
も、それに対応して変形するので、毛髪の挿入を円滑に
行うことができる。特に本実施形態においては、毛髪取
り込み口4及びその近傍が高剛性となっているので、フ
ック部10が毛髪取り込み口4に当たった時に該フック
部10の変形が促進され、毛髪の挿入を一層円滑に行う
ことができる。
【0025】更に、毛髪挿入具3においては、フック部
10の周長が、毛髪保持具2における毛髪取り込み口4
の周長よりも大きくなされている。フック部10の周長
は、その値が大きいほど毛髪の引っかけを容易に行うこ
とができるが、フック部10が変形可能になっていない
場合には、フック部10の周長は毛髪取り込み口4の周
長で規制されてしまい、フック部10の周長を大きくす
ることに制限がある。しかし、本実施形態におけるフッ
ク部10は前述の通り変形可能になっているので、その
周長を毛髪取り込み口4の周長よりも大きくすることが
でき、その結果フック部10への毛髪の引っかけを容易
に行うことが可能となる。本実施形態のフック部10に
おける周長とは、フック部10の縮小が係止部12で規
制された状態での値である。フック部の周長は、毛髪取
り込み口4の周長の1倍超10倍以下、特に1倍超5倍
以下であることが、フック部10への毛髪の引っかけを
容易に行い得る点、並びに毛髪挿入具3の操作性及び取
り扱い性の点から好ましい。同様の理由から、フック部
10の周長の値そのものは40〜500mm、特に80
〜200mmであることが好ましい。
【0026】同様の理由により、毛髪挿入具3において
は、フック部10の最大幅T(図1参照)が、毛髪保持
具2における毛髪取り込み口4の最大幅Wよりも大きく
なされている。フック部10の最大幅Tは、フック部1
0を種々の形状に変形させて最も幅が広くなる形状のと
きの当該幅をいう。本実施形態のフック部10における
最大幅Tとは、フック部10の縮小が係止部12で規制
された状態での値である。フック部の最大幅Tは、毛髪
取り込み口4の最大幅Wの1倍超10倍以下、特に1倍
超5倍以下であることが、フック部10への毛髪の引っ
かけを容易に行い得る点、並びに毛髪挿入具3の操作性
及び取り扱い性の点から好ましい。同様の理由から、フ
ック部10の最大幅Tの値そのものは20〜250m
m、特に40〜100mmであることが好ましい。
【0027】図には示していないが、フック部10は櫛
歯を有していることが好ましい。これによって、毛髪保
持具2内に毛髪を挿入する際に、毛髪を梳く効果が付与
され、毛髪保持具2内に毛髪が均一に分散され、後述す
る毛髪処理を均一に行うことができる。この点から、櫛
歯はフック部10を構成するループの内方(即ち、ルー
プの中心方向)を向いていることが好ましい。
【0028】次に、本実施形態の毛髪処理器具を用いた
毛髪処理方法について、パーマネントウエーブ処理を例
にとり図2(a)〜図2(d)を参照しながら説明す
る。先ず図2(a)に示すように、毛髪保持具2内に毛
髪挿入具3が挿入され、該毛髪挿入具3のフック部10
が、毛髪保持具2の毛髪取り込み口4から突出している
状態の毛髪処理器具1を用意する。毛髪保持具2の下端
部からは、毛髪挿入具3の把持部9の端部が引き出され
ている。本実施形態においては、毛髪保持具2として、
パーマネント処理剤に対して透過性の材料、例えば不織
布や樹脂製ネットから構成されているものを用いてい
る。この状態下に、毛髪挿入具3のフック部10に所望
量の毛髪を通して引っかける。図示するように、フック
部10は毛髪の根元付近に位置させることが、挿入を確
実にする点から好ましい。
【0029】次に図2(b)に示すように、毛髪保持具
2の毛髪取り込み口4付近の位置を一方の手(図示せ
ず)で軽く押さえる。また毛髪保持具2の下端部から引
き出されている毛髪挿入具3の把持部9の端部(図示せ
ず)を他方の手(図示せず)で把持し、毛髪挿入具3を
毛髪保持具2の外に引き出す。その操作によって、フッ
ク部10に引っかけられていた毛髪が首尾良く毛髪保持
具2内に挿入、収納される。毛髪保持具2はその全長
が、挿入すべき毛髪の長さよりも長くなっているので、
毛髪はその全長に亘って毛髪保持具2内に挿入される。
【0030】毛髪が毛髪保持具2内に挿入されたら、図
2(c)に示すように、毛髪保持具2の毛髪取り込み口
4付近の位置を一方の手(図示せず)で軽く押さえる。
この状態下に、毛髪保持具2の外側面に巻き付けられて
いる巻き上げ用糸6の自由端を引っ張る。すると図2
(d)に示すように、毛髪は毛髪保持具2と共にスパイ
ラル状に巻き上げられて、小さく纏められる。この状態
を保持するために、毛髪保持具2から引き出されている
巻き上げ用糸6の根元を、固定手段としてのクリップ1
2で係止する。固定手段としては、クリップの他に、
(1)毛髪取り込み口4に切り込みを入れ、該切り込み
に巻き上げ用糸6を引っかける方法、(2)毛髪保持具
2の最上端に位置する毛髪挿通孔(後述する図15等参
照)で返し縫いをする方法、(3)巻き上げ用糸6との
摩擦力を高める部材を設ける方法、(4)巻き上げ用糸
6に結び目を付ける方法、(5)巻き上げ用糸6として
一方向にのみ移動可能な機構(例えばラチェット機構)
を有するものを用いる方法などが挙げられる。これらの
固定手段のうち、巻き上げ用糸6を引いた状態のまま摩
擦力によって当該状態を維持することができる(2)〜
(5)の手段を用いることが好ましい。
【0031】以上の操作を、パーマネントウエーブ処理
を施したい部位全体に対して行う。次いでこの状態下
に、毛髪保持具2に向けて第1のパーマネント処理剤
(還元剤)を付与する。前述の通り毛髪保持具2はパー
マネント処理剤に対して透過性の材料から構成されてい
るので、パーマネント処理剤は毛髪保持具2を透過して
毛髪に施される。所定時間放置後、毛髪保持具2に向け
て第2のパーマネント処理剤(酸化剤)を付与し、再び
所定時間放置する。これによって、毛髪保持具2内に挿
入されている毛髪に対して、その巻き上げ形態のパーマ
ネントウエーブがかけられる。その後、巻き上げ用糸6
に取り付けられたクリップ12を外し、毛髪の巻き上げ
状態を解除する。引き続き毛髪を毛髪保持具2から取り
出し、すすぎ洗いをし、更にシャンプー及びブローをす
る。
【0032】このパーマネントウエーブ処理の別法とし
て、図3に示すように、第1のパーマネント処理剤P
を、毛髪保持具2の内面に施しておく方法が挙げられ
る。この方法によれば、毛髪の巻き上げ後に第1のパー
マネント剤を毛髪保持具2の外部から付与する操作を省
くことができる。
【0033】パーマネントウエーブ処理の更に別法とし
て、前述の操作において、毛髪の毛髪保持具2へ挿入
後、その巻き上げ操作を行わない処理方法が挙げられ
る。この場合には毛髪にストレートパーマがかけられる
ことになる。毛髪を一層ストレートにする観点から、毛
髪保持具2を、可撓性はあるものの比較的剛性の高い材
料から構成することが好ましい。
【0034】以上のパーマネントウエーブ処理によれ
ば、毛髪の巻き上げを極めて簡単に且つ短時間で行うこ
とができる。しかも、パーマネントウエーブ処理後に毛
髪の巻き上げ状態を解除する操作を、ヘアカーラを用い
た場合よりも、簡単に且つ短時間で行うことができる。
【0035】次に、毛髪処理方法の別実施形態として染
毛処理を例にとり説明する。この染毛処理については、
前述したパーマネントウエーブ処理と異なる点について
のみ説明し、特に説明しない点はパーマネントウエーブ
処理と同様である。用いる毛髪処理器具としては、前述
したパーマネントウエーブ処理に用いたものと同様のも
のを用いることができる。但し、本実施形態において
は、毛髪保持具2として、染毛剤に対して非透過性の材
料、例えば合成樹脂製のフィルムから構成されているも
のを用いている。
【0036】毛髪保持具2への毛髪の挿入操作まで〔図
2(a)及び図2(b)〕は、前述したパーマネントウ
エーブ処理と同様である。但し、本処理方法において
は、毛髪保持具2内に毛髪を挿入した後に、その下端部
に設けられているチャック5を閉じる。次いで図4に示
すように、毛髪保持具2の毛髪取り込み口4から染毛剤
を供給し、毛髪の全体に行き渡らせる。前述の通り、毛
髪保持具2は、染毛剤に対して非透過性の材料から構成
されており且つ毛髪保持具2の下端部は閉じられている
ので、染毛剤が毛髪保持具2の外に漏れ出すことはな
い。その結果、毛髪保持具2に挿入されている毛髪以外
の毛髪が染毛されることが防止される。従って、本毛髪
処理方法は、毛髪の部分的な染毛に特に効果的である。
また、染毛剤は、毛髪保持具2内に比較的気密状態で存
在することになるので、染毛中に染毛剤に含まれている
揮発成分が揮発することが防止され、染毛を効率的に行
えるという利点もある。
【0037】毛髪が毛髪保持具2内に挿入されたら、図
2(c)に示す、毛髪の巻き上げ操作を行う。毛髪保持
具2への毛髪の挿入及び毛髪の巻き上げは、頭髪の全体
でもよく或いは一部分でもよい。次に、図2(d)に示
すように、毛髪保持具2から引き出されている巻き上げ
用糸6の根元をクリップ12で係止する。毛髪を巻き上
げて小さく纏める理由は、当該毛髪を所望の形状に保持
すると同時に、当該毛髪近傍の毛髪を、他の毛髪保持具
2内に挿入する操作を行うときの操作性を良好にするた
めである。
【0038】所望により以上の操作を繰り返し、所定時
間放置する。その後、巻き上げ用糸6に取り付けたクリ
ップ12を外し、毛髪の巻き上げ状態を解除する。引き
続き毛髪を毛髪保持具2から取り出し、すすぎ洗いを
し、更にシャンプー及びブローをする。
【0039】この染毛方法の別法として、染毛剤を、毛
髪保持具2の内面に施しておく方法が挙げられる(図3
参照)。この方法によれば、毛髪の挿入後に染毛剤を毛
髪取り込み口4から供給する操作を省くことができる。
【0040】毛髪処理法の別の実施形態として、毛髪処
理剤としてスタイリング剤などの整髪料を用いた毛髪処
理法が挙げられる。この方法においては、濡れた状態又
は乾いた状態にある毛髪に整髪料を振りかけ、次いで前
述の方法に従い毛髪を毛髪保持具内に挿入し、更に毛髪
が挿入された毛髪保持具を巻き上げる。そして、毛髪が
乾燥している場合には例えば1時間程度、毛髪が濡れて
いる場合には例えば就寝中ずっと、巻き上げ状態を保持
しておくことで、所望のくせ付けが行える。
【0041】毛髪処理方法の更に別の実施形態として、
巻き上げられた状態の毛髪に対して、所定の加熱手段に
よって該毛髪を加熱して、くせ付けをする処理方法が挙
げられる。詳細には、濡れた状態又は乾いた状態にある
毛髪を、図2(a)〜図2(d)に示す手順にて、毛髪
保持具2と共にスパイラル状に巻き上げ、小さく纏め
る。この状態下にドライヤなどの加熱手段を用いて毛髪
を加熱し、くせ付けをする。この処理方法の別法とし
て、濡れた状態にある毛髪を、図2(a)〜図2(d)
に示す手順にて、毛髪保持具2と共にスパイラル状に巻
き上げ、小さく纏め、この状態下に毛髪を自然乾燥させ
て、くせ付けをする方法がある。この方法を、例えば洗
髪後就寝前に行えば、翌朝には毛髪に所望のくせ付けが
される。
【0042】本発明は前記実施形態に加えて以下の実施
形態も包含する。例えば、前記実施形態で用いられる毛
髪保持具2においては、巻き上げ用糸6を毛髪保持具2
の外面に保持するために、2列の挿通孔列8A,8Bを
形成したが、挿通孔列は一列のみでも良い。
【0043】また、前記実施形態においては、毛髪挿入
具3のフック部はループ状であったが、これに代えて図
5(a)及び図5(b)に示すような鉤状のフック部1
0を有する毛髪挿入具3を用いてもよい。この場合のフ
ック部10は、金属やプラスチック製であり変形しない
ことが、毛髪の確実な挿入の点から好ましい。
【0044】また前記実施形態においては、毛髪処理器
具1は、毛髪保持具2及び毛髪挿入具3の2部材から構
成されていたが、これに代えて、図6に示すように、毛
髪保持具2及び毛髪挿入具3に加えて挿入補助具21の
3部材から構成される毛髪処理器具1を用いてもよい。
挿入補助具21は逆円錐体形状をしており、剛性の高い
材料から構成されている。特に、毛髪保持具2よりも剛
性の高い材料から構成されていることが、毛髪の挿入性
の向上の点から好適である。挿入補助具21には、該挿
入補助具21をその長さ方向に貫き且つ入口22A及び
出口22Bを有する貫通路22Cが形成されている。貫
通路22Cは入口22Aから前記出口22Bに向けて漸
次縮径している。入口22Aの径は、毛髪保持具2にお
ける最細部の径よりも小さくなっている。毛髪挿入具3
の把持部9は、挿入補助具21の貫通路22Cを入口2
2Aから出口22Bに向けて貫通している。貫通した把
持部9は、更に毛髪保持具2の毛髪取り込み口4に挿通
されている。本実施形態の毛髪処理器具1によれば、毛
髪保持具2の毛髪取り込み口4の剛性が低い場合であっ
ても毛髪の挿入性が向上するいう利点がある。また、毛
髪挿入具3を用いて毛髪を毛髪保持具2内に挿入すると
きに、挿入補助具21が、比較的扁平になりがちである
毛髪保持具2を円筒状に膨らませるので、これによって
も毛髪の挿入性が向上するという利点がある。尚、挿入
補助具21は、逆円錐体形状の他に、逆角錐体形状など
の各種逆錐体形状とすることができる。
【0045】図6に示す実施形態の毛髪処理器具1の変
形例として、挿入補助具21の入口22Aの径が、毛髪
保持具2の毛髪取り込み口4の径よりも大きくなってい
る実施形態が挙げられる。この場合には、毛髪挿入具3
を用いて毛髪を毛髪保持具2内に挿入するときに、挿入
補助具21は、毛髪取り込み口4によって毛髪保持具2
内に挿入されることが規制されて、毛髪取り込み口4の
部分に留まることになる。この場合においても、挿入補
助具21によって毛髪の挿入性が向上するいう利点があ
る。
【0046】図6に示す実施形態の毛髪処理器具1の更
に別の変形例として、図7(a)に示す挿入補助具23
を用いた実施形態が挙げられる。図7(a)に示す挿入
補助具23は、プラスチック製であり、上下端が開口し
た細長い扁平な形状をしている。挿入補助具23は、横
断面が楕円形であり、上下端が開口している筒状部23
Aと、該筒状部23Aの下端開口に連設され且つ先端に
向かうに連れ漸次先細りとなっているテーパー部23B
とから構成されている。テーパー部23Bの先端、つま
り挿入補助具21の下端は開口している。筒状部23A
の長さ、横断面形状及び横断面積は、挿入補助具23を
毛髪保持具2内に挿入したときに、図7(b)に示すよ
うに、筒状部23Aの外面の摩擦力によって毛髪保持具
2が挿入補助具23に固定されるような長さ、形状及び
/又は面積とする。これによって、毛髪処理器具の使用
時に、挿入補助具23によって毛髪保持具2が固定さ
れ、挿入補助具23さえ手で持っていれば、毛髪保持具
2を手で持たなくてもこれが落下しなくなり、毛髪の挿
入操作が一層容易となる。また、筒状部23Aが存在す
ることによって、毛髪の挿入性が一層向上する。
【0047】また毛髪保持具2として、図8〜図17に
示すものを用いることもできる。尚、図8〜図14及び
図17においては、簡便のため、毛髪挿入具の図示を省
略してある。また、図8〜図17に示す実施形態におい
て特に説明しない点については、前述の実施形態に関す
る説明が適宜適用される。図8(a)〜図8(c)に示
す毛髪保持具2は、これを正面から視たときに、その長
手方向に沿って所定間隔をおいて形成された第1の挿通
孔列8Aと、該第1の挿通孔列8Aの各挿通孔と対向す
る位置に形成された第2の挿通孔列8Bとを有してい
る。本実施形態における挿通孔は、図1に示す毛髪保持
具における挿通孔と異なり、各挿通孔は1個の小孔から
成っている。巻き上げ用糸6は、その一端が、第1の挿
通孔列8Aにおける毛髪保持具2の下端部に最も近い挿
通孔7(この挿通孔を、第1列下端挿通孔という)の位
置において引き抜かれないようになされている。具体的
には、巻き上げ用糸6の一端を、第1列下端挿通孔の付
近で毛髪保持具2に固定することで、その引き抜きを防
止している。
【0048】巻き上げ用糸6の他端は、第1列下端挿通
孔に対応する第2の挿通孔列8Bの挿通孔を挿通してい
る。更に巻き上げ用糸6の他端は、毛髪保持具2の下端
部よりも下側(外側)を通って第1列下端挿通孔の直上
に位置する挿通孔を、第1の挿通孔列8A及び第2の挿
通孔列8Bの順に挿通している。以降この挿通が順次所
望の回数繰り返される。そして最後に、巻き上げ用糸6
の他端は、第2の挿通孔列8Bの挿通孔7を挿通してい
る。
【0049】本実施形態の毛髪保持具2を具備する毛髪
処理器具を用いた毛髪処理方法においては、毛髪挿入具
を用いて毛髪保持具2内に毛髪を挿入した後、毛髪処理
剤を施す前又は施した後に、毛髪保持具2に取り付けら
れている巻き上げ用糸6の自由端を引っ張る。この引っ
張りによって、図8(c)に示すように、毛髪保持具2
は毛髪(図示せず)と共に、巻き上げ用糸6の引っ張り
方向に、つまり毛髪保持具2の下端部から毛髪取り込み
口4に向けてロール状に巻き上げられる。そして、その
巻き上げ状態を保持するために、毛髪保持具2から引き
出されている巻き上げ用糸6の根元をクリップ(図示せ
ず)で係止する。
【0050】本実施形態によれば、ヘアカーラを用いた
毛髪の巻き上げ形態と同様の巻き上げ形態を実現するこ
とができるので、美容院で通常行われているヘアカーラ
を用いた毛髪の巻き上げ操作が不要となる。尚、図8
(a)〜図8(c)に示す実施形態においては、巻き上
げ用糸6を1本用いたが、2本用いてもよい。巻き上げ
用糸を2本用いることで、巻き上げ操作を一層容易に且
つ確実に行うことができる。その場合には、毛髪保持具
2を正面から視たときに、長手方向の両側部に、各1本
ずつの巻き上げ用糸を前述の手順で挿通すればよい。
【0051】図9(a)及び図9(b)に示す毛髪保持
具2では、該毛髪保持具2の長手方向に伸びる巻き上げ
用糸6が、ぐし縫い状に毛髪保持具2を貫通するように
取り付けられている。詳細には、毛髪保持具2を正面か
ら視たときに、巻き上げ用糸6が、毛髪保持具2の正面
側と背面側とを交互に通過するように、毛髪保持具2に
取り付けられている。巻き上げ用糸6は、毛髪保持具2
の最下端に位置する挿通孔7の位置において引き抜かれ
ないようになされている。具体的には、巻き上げ用糸6
の一端を、毛髪保持具2の下端部付近で毛髪保持具2に
固定することで、その引き抜きを防止している。一方、
毛髪取り込み口4に最も近い位置にある挿入孔7におい
ては、巻き上げ用糸6が自由状態となっている。図示し
ていない毛髪挿入具における把持部は、毛髪保持具2内
にストレートに挿入されている。
【0052】本実施形態の毛髪保持具2を具備する毛髪
処理器具を用いた毛髪処理方法においては、毛髪保持具
2に取り付けられている巻き上げ用糸6の自由端を引っ
張る。すると、毛髪保持具2は毛髪(図示せず)と共に
蛇腹状に折り畳まれ、毛髪は略ジグザグ形に屈曲され
る。そして、その屈曲状態を保持するために、毛髪保持
具2から引き出されている巻き上げ用糸6の根元をクリ
ップ(図示せず)で係止する。
【0053】毛髪挿入具3における把持部が図9(c)
に示すように、毛髪保持具2内を通過する巻き上げ用糸
6の間を縫うように蛇行して挿通されている場合には、
毛髪の挿入後、巻き上げ用糸6の自由端を引っ張ること
で、毛髪保持具2は蛇腹状ではなく、スパイラル状に巻
き上げられる。
【0054】図10(a)及び図10(b)に示す毛髪
保持具2は、図10(a)に示すようにこれを扁平にし
た状態で、巻き上げ用糸6が、毛髪保持具2の長手方向
に沿ってジグザグ形状の軌跡を描いている。このジグザ
グ形状の軌跡は、左上がりとなっている第1の軌跡6A
と、右上がりとなっている第2の軌跡6Bとが交互に配
置されて構成されている。そして、第1の軌跡6Aを描
く巻き上げ用糸6が、扁平な状態となっている毛髪保持
具2における表面側に位置し、且つ第2の軌跡6Bを描
く巻き上げ用糸6が、裏面側に位置している。第1の軌
跡6Aはその両端部において毛髪保持具2の裏面へ向け
て貫通しており、第2の軌跡6Bの端部に接続してい
る。一方、第2の軌跡6Bはその両端部において毛髪保
持具2の表面へ向けて貫通しており、第1の軌跡6Aの
端部に接続している。この扁平な状態の毛髪保持具2を
図10(b)に示すように円筒状に立体化すると、巻き
上げ用糸6は、毛髪保持具2の外面に沿ってほぼスパイ
ラル状に巻き付けられた状態となる。但し、巻き上げ用
糸6が毛髪保持具2を貫通するときには、巻き上げ用糸
6は毛髪保持具2の内部を通過する。
【0055】この毛髪保持具2を用いる場合には、毛髪
挿入具(図示せず)を巻き上げ用糸6によって形成され
たスパイラルの内部に通しておく。そして、前述の方法
に従い毛髪を挿入すると、図10(b)に示すように、
毛髪Hは、巻き上げ用糸6によって形成されたスパイラ
ルの内部に通される。この状態下に巻き上げ用糸6を引
くと、該巻き上げ用糸6を引く方向を視線の軸として見
た場合に、毛髪は三角形や六角形などの多角形の形状に
巻き上げられる。どのような形状の多角形に巻き上げら
れるかは、図10(a)に示す第1の軌跡6A及び第2
の軌跡6Bの角度並びに毛髪保持具2に巻き上げ用糸6
を取り付けた部分の幅寸法によって決定される。
【0056】図11(a)及び図11(b)に示す実施
形態の毛髪保持具2は、巻き上げ用糸の通し方が図10
(a)及び図10(b)と同じである。両者が異なる点
は、図10(a)及び図10(b)においては、毛髪保
持具の縦中心線に対称に巻き上げ用糸が通されていたの
に対して、本実施形態の毛髪保持具2においては、毛髪
保持具2の縦中心線に対して横方向右側へ偏倚した位置
に巻き上げ用糸6が通されている点である。この扁平な
状態の毛髪保持具2を図11(b)に示すように円筒状
に立体化すると、巻き上げ用糸6は、毛髪保持具2の縦
半分の外面に沿ってほぼスパイラル状に巻き付けられた
状態となる。但し、巻き上げ用糸6が毛髪保持具2を貫
通するときには、巻き上げ用糸6は毛髪保持具2の内部
を通過する。
【0057】この毛髪保持具2を用いる場合には、毛髪
挿入具(図示せず)を、毛髪保持具2における巻き上げ
用糸6が通っていない部位、つまり、毛髪保持具2の縦
中心線に対して横方向左側へ偏倚した位置に通す。そし
て、前述の方法に従い毛髪を挿入すると、図11(b)
に示すように、毛髪Hは、巻き上げ用糸6によって形成
されたスパイラルに隣接して該スパイラルの外側を通さ
れる。この状態下に巻き上げ用糸6を引くと、該巻き上
げ用糸6を引く方向を視線の軸として見た場合に、毛髪
は円形に巻き上げられる。また図11(a)に示す第1
の軌跡6A及び第2の軌跡6Bの角度によっては、毛髪
は三角形や六角形などの多角形の形状に巻き上げられる
こともある。本実施形態の毛髪保持具を用いると、ロッ
ドを用いて毛髪を巻き上げた場合と同様のくせ付けがで
きるという利点がある。
【0058】本実施形態の毛髪保持具2においては、巻
き上げ用糸6が通っている部位、つまり毛髪保持具2の
縦中心線に対して横方向右側へ偏倚した部位を、巻き上
げ用糸6が通っていない部位、つまり毛髪保持具2の縦
中心線に対して横方向左側へ偏倚した部位に比べて硬め
に形成してもよい。これによって巻き上げ操作を一層円
滑に行うことができる。同様の理由により、巻き上げ用
糸6が通っていない部位、つまり毛髪保持具2の縦中心
線に対して横方向左側へ偏倚した部位を伸縮性の材料か
ら構成してもよい。
【0059】図12(a)及び図12(b)に示す毛髪
保持具2は、図12(a)に示すように、これを扁平に
した状態で、巻き上げ用糸6が、毛髪保持具2の長手方
向に沿ってジグザグ形状の軌跡を描いている。このジグ
ザグ形状の軌跡の軌跡は、左上がりとなっている第1の
軌跡6A’と右上がりとなっている第2の軌跡6B’と
が交互に配置されて構成されている。そして、第1の軌
跡6A’を描く巻き上げ用糸6が、扁平な状態となって
いる毛髪保持具2における裏面側に位置し、且つ第2の
軌跡6B’を描く巻き上げ用糸6が、表面側に位置して
いる。
【0060】第1の軌跡6A’はその下側の端部におい
て毛髪保持具2の表面へ向けて貫通しており、第2の軌
跡6B’の上側の端部に接続している。また、第1の軌
跡6A’はその上側の端部において毛髪保持具2の一側
縁のやや外側の位置で、第2の軌跡6B’の下側の端部
に接続している。一方、第2の軌跡6B’はその上側の
端部において毛髪保持具の裏面へ向けて貫通しており、
第1の軌跡6A’の下側の端部に接続している。また第
2の軌跡6B’はその下側の端部において毛髪保持具2
の一側縁のやや外側の位置で、第1の軌跡6A’の下側
の端部に接続している。
【0061】この扁平な状態の毛髪保持具2を図12
(b)に示すように円筒状に立体化すると、巻き上げ用
糸6は、毛髪保持具2の外面に沿ってほぼスパイラル状
に巻き付けられた状態となる。但し、巻き上げ用糸6が
毛髪保持具2を貫通するときには、巻き上げ用糸6は毛
髪保持具2の内部を通過する。この毛髪保持具2を用い
る場合には、毛髪挿入具(図示せず)を巻き上げ用糸6
によって形成されたスパイラルの内部に通しておく。そ
して、前述の方法に従い毛髪を挿入すると、図12
(b)に示すように、毛髪Hは、巻き上げ用糸6によっ
て形成されたスパイラルの内部に通される。この状態下
に巻き上げ用糸6を引くと、先に述べた図8(c)と同
様の巻き上げ形態となる。本実施形態の毛髪保持具を用
いると、ロッドを用いて毛髪を巻き上げた場合と同様の
くせ付けができるという利点がある。
【0062】図13(a)〜図13(c)に示す毛髪保
持具2は、第1の帯状シート13A及び第2の帯状シー
ト13Bの2枚の帯状シートを重ね合わせ、両側部を互
いに接合して筒状に形成されている。2枚の帯状シート
は同形になっている。2枚の帯状シートのうち、第1の
帯状シート13Aは熱収縮性を有している。他方の帯状
シートである第2の帯状シート13Bは熱収縮性を有し
ていない。本実施形態の毛髪保持具2を具備する毛髪処
理器具を用いた毛髪処理方法においては、毛髪挿入具を
用いて毛髪保持具2内に毛髪を挿入した後、毛髪処理剤
を施す前又は施した後に、図13(b)に示すように毛
髪保持具2に熱を付与する。熱の付与手段としては、例
えばヘアドライヤを用いることが簡便である。熱の付与
によって、毛髪保持具2を構成する一方のシートである
第1の帯状シート13Aが熱収縮する。しかし、他方の
シートである第2の帯状シート13Bは熱収縮しない。
その結果、両シート間で収縮に差が生じ、図13(c)
に示すように、毛髪保持具2はそれに挿入されている毛
髪と共に、第1の帯状シート13A側を内側としてロー
ル状に巻き上げられる。この巻き上げ形態は、毛髪保持
具2への熱の付与を止めた後も保持される。従って、前
述した各実施形態の毛髪保持具と異なり、本実施形態の
毛髪保持具には、巻き上げ形態を保持するための手段が
不要であるという利点がある。尚、本実施形態において
は2枚の帯状シートから筒状の毛髪保持具2を形成した
が、これに代えて3枚以上の複数の帯状シートを用い、
各帯状シートの長手方向側部を互いに接合して筒状の毛
髪保持具を形成してもよい。そして、各帯状シートのう
ちの少なくとも1枚の帯状シートとして熱収縮性シート
を用い、その他の帯状シートとして熱収縮性を有してい
ないシートを用いる。この場合、熱収縮性シートが、毛
髪保持具の巻き上げ手段となる。
【0063】図14に示す毛髪保持具2は、縦長の帯状
シートを筒状に形成したものである。そして、これをロ
ール状に巻き上げた状態で、該状態が保持されるよう
に、所定の手段によってくせ付けをする。これによっ
て、毛髪保持具2は、これをその長手方向に引き伸ばし
た状態にして、その状態から解放すると、ロール状に巻
き上げられた状態へと自発的に巻き上げられる。毛髪保
持具2にくせ付けをするためには、帯状シートの構成材
料として所定の形状に形成された弾性変形可能な材料を
用いることが簡便である。該弾性変形可能な材料として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。
これらの弾性変形可能な材料を用いて毛髪保持具2にロ
ール状のくせ付けをするには、毛髪保持具2をロール状
に巻き上げ、所定の手段によってその巻き上げ形態を保
持し、その状態下に毛髪保持具2を所定温度に加熱すれ
ばよい。本実施形態の毛髪保持具2を具備する毛髪処理
器具を用いた毛髪処理方法においては、毛髪挿入具を用
いて毛髪保持具2内に毛髪を挿入した後、引き伸ばした
状態にある毛髪保持具2の引き伸ばし状態を解除すれ
ば、毛髪保持具2は自発的に巻き上げられる。従って、
本実施形態の毛髪保持具は巻き上げ操作が全く不要であ
る。その上、本実施形態の毛髪保持具は、図13(a)
〜図13(c)に示す実施形態の毛髪保持具と同様に巻
き上げ形態を保持するための手段が不要であるという利
点もある。尚、本実施形態においては、巻き上げ形態と
してロール状の形態を例示したが、この他に、目的に応
じ、蛇腹状、ジグザグ状、スパイラル状などの種々の形
態とすることができる。
【0064】図15及び図16に示す実施形態の毛髪処
理器具1は、これまでに述べた毛髪処理器具と異なり、
毛髪保持具が筒状となっていない。詳細には、図15に
示す毛髪処理器具1においては、毛髪保持具2が、短冊
状の一枚のシート16からなると共に該毛髪保持具2の
巻き上げ手段としての巻き上げ用糸6を備えている。短
冊状のシート16には、長手方向に延びる中心線に沿っ
て、毛髪取り込み口4としての毛髪挿通孔17が所定間
隔を置いて複数形成されている。毛髪挿入孔7の周囲
は、プラスチック板や厚紙の貼り付けによって、毛髪保
持具2における他の部位よりも固く形成されている。毛
髪保持具2が熱可塑性樹脂製の不織布からなる場合に
は、毛髪挿入孔17の周囲を加熱し溶融固化させる処理
によって該孔の周囲を固く形成することができる。また
短冊状のシート16は、その長手方向一側縁部に沿って
所定間隔を置いて形成された複数の挿通孔7Aからなる
第1の挿通孔列8Aと、他側縁部に沿って所定間隔を置
いて形成された複数の挿通孔7Bからなる第2の挿通孔
列8Bとを有している。シート16の長手方向に関し
て、第2の挿通孔列8Bにおける各挿通孔7Bは、第1
の挿通孔列8Aにおける各挿通孔7A間に位置してい
る。具体的には、挿通孔7Bは、隣り合う挿通孔7A間
の中間に位置している。巻き上げ用糸6は、その一端
が、第1の挿通孔列8Aにおける毛髪保持具2の下端部
に最も近い挿通孔7Aの位置で固定されていると共にそ
の他端は、該挿通孔7Aを起点として、第2の挿通孔列
8Bの挿通孔7Bと第1の挿通孔列8Aの挿通孔7Aと
をこの順で前記下端部側から順次挿通し、最後に第2の
挿通孔列8Bの挿通孔7Bを挿通している。これによっ
て巻き上げ用糸6は、短冊状のシート16の表裏に交互
に配されていると共に毛髪保持具2の長手方向に延びる
三角波形の軌跡を描いている。
【0065】一方、毛髪処理器具1における毛髪挿入具
3は、その把持部9が、ぐし縫い状に短冊状のシート1
6を貫通するように、該短冊状のシート16に取り付け
られている。詳細には、毛髪挿入具3の把持部9が、短
冊状のシート16の表裏に交互に配されるように隣り合
う毛髪挿入孔17を挿通している。
【0066】本実施形態の毛髪処理器具1を用いた毛髪
処理方法においては、毛髪挿入具3におけるフック部1
0に毛髪を引っかけ、次いで把持部9を引っ張ること
で、毛髪が、短冊状のシート16の表裏に交互に配され
るように隣り合う毛髪挿入孔17を挿通される。この状
態下に、毛髪保持具2に取り付けられている巻き上げ用
糸6の自由端を引っ張る。その結果、毛髪保持具2は、
毛髪と共にスパイラル状ないし蛇腹状に巻き上げられ
る。そして、その巻き上げ状態を保持するために、毛髪
保持具2から引き出されている巻き上げ用糸6の根元を
クリップ(図示せず)で係止する。
【0067】図16に示す毛髪処理器具1においては、
毛髪保持具2が、何れも細帯状である第1のシート18
Aと第2のシート18Bとから構成されている。両シー
ト18A,18Bは、その長手方向に亘って所定間隔を
置いて接合されている。この接合によって、接合部19
と、毛髪取り込み口4としての環状の毛髪挿通部20と
が交互に形成されている。各接合部19にはそれぞれ挿
通孔7が形成されている。毛髪挿通部20を構成する環
状部は、プラスチック板や厚紙の貼り付けによって、毛
髪保持具2における他の部位よりも固く形成されてい
る。また毛髪保持具2は、巻き上げ手段としての巻き上
げ用糸6を備えている。そして巻き上げ用糸6は、第1
のシート18A側と第2のシート18B側とに交互に配
されるように隣り合う挿通孔19を挿通している。巻き
上げ用糸6の一端は、毛髪保持具2の下端部に位置する
挿通孔の位置で固定されている。一方、巻き上げ用糸6
の他端は、毛髪保持具2の上端部に位置する挿通孔19
に挿通され、自由端となっている。
【0068】一方、毛髪処理器具1における毛髪挿入具
3は、その把持部9が、隣り合う毛髪挿通部20をぐし
縫い状に挿通している
【0069】本実施形態の毛髪処理器具1を用いた毛髪
処理方法においては、毛髪挿入具3におけるフック部1
0に毛髪を引っかけ、次いで把持部9を引っ張ること
で、毛髪が、毛髪保持具2における隣り合う毛髪挿通部
20をぐし縫い状に挿通される。この状態下に、毛髪保
持具2に取り付けられている巻き上げ用糸6の自由端を
引っ張る。その結果、毛髪保持具2は、毛髪と共に蛇腹
状に折り畳まれ、毛髪は略ジグザグ形又はスパイラル形
に屈曲される。そして、その屈曲状態を保持するため
に、毛髪保持具2から引き出されている巻き上げ用糸6
の根元をクリップ(図示せず)で係止する。
【0070】図17(a)及び図17(b)に示す実施
形態の毛髪保持具2は、該毛髪保持具2の巻き上げ状態
を保持するための手段を備えるものである。尚、図17
(a)及び図17(b)においては、簡便のため毛髪挿
入具及び巻き上げ手段の図示を省略してある。この毛髪
保持具2は、一面(正面)及びこれと反対側に位置する
他面(裏面)を有している。正面には、毛髪保持具2を
所定の形状に巻き上げ、湾曲又は屈曲させて該正面と該
裏面とを当接させたときに、該正面と該裏面とが接合し
て該所定の形状を保持し得る接合部が設けられている。
具体的には、図17(a)に示すように、毛髪保持具2
を正面から視たときに、その正面側に、縦中心線に沿っ
て係合手段14が設けられている。一方、毛髪保持具2
の裏面側において、係合手段14と対向する位置に、該
係合手段14と係合する被係合手段15が設けられてい
る。係合手段14及び被係合手段15は、何れも毛髪保
持具2の長手方向に延びている。係合手段14及び被係
合手段15としては、面ファスナのフック部材及びルー
プ部材が典型的な例として挙げられる。この係合手段1
4は、毛髪保持具2の正面側を内側にして該毛髪保持具
2をロール状に巻き上げたときに、毛髪保持具2の正面
と裏面とが接合して該ロール状の形状を保持し得る接合
部として機能する。詳細には、図示しない毛髪挿入具を
用いて毛髪保持具2内に毛髪を挿入した後、巻き上げ手
段(図示せず)によって、下端部から毛髪取り込み口に
向かって毛髪保持具2を巻き上げる。すると、図17
(b)に示すように、前記正面側に設けられている係合
手段14が、前記裏面側に設けられている被係合手段1
5と当接し両者が係合する。つまり、毛髪保持具2の正
面と裏面とが接合する。その結果、毛髪保持具2は、そ
の巻き上げ状態が保持される。
【0071】図17(a)及び図17(b)に示す実施
形態の変形例として、前述の係合手段14及び被係合手
段15に代えて、それぞれ自己接着性テープ〔例えば仁
礼工業製のふしぎテープ(商品名)〕を用いることもで
きる。更に別の変形例として、毛髪保持具2の内面に、
両面粘着テープを長手方向に沿って貼着した形態のもの
がある。即ち、この変形例は、図17(a)及び図17
(b)に示す実施形態の毛髪保持具において、係合手段
14に代えて両面粘着テープを用い且つ被係合手段15
を設けない形態のものである。そして両面粘着テープ
は、毛髪保持具2の正面と裏面と接合部として機能す
る。この変形例によれば、被係合部材15を設けない分
だけ、図17(a)及び図17(b)に示す実施形態の
毛髪保持具よりも材料を削減することができる。尚、本
実施形態は、毛髪保持具2をロール状に巻き上げた例で
あるが、これに代えて毛髪保持具2を湾曲又は屈曲させ
て他の形状としても同様の効果が奏される。また本実施
形態では、毛髪保持具2の正面と裏面とを接合したが、
これに代えて正面同士を接合して所定の形状となしても
よい。
【0072】以上の説明から明らかなように、本発明に
おける毛髪保持具としては、細長筒形状のものや、閉じ
た開孔が長手方向に間欠的に複数設けられたものが好ま
しく用いられる。これによって、毛髪を確実に取り込ん
で保持することができ、また巻き上げた時にも毛髪の乱
れを生じさせずに、きれいな巻き上げ形態を安定に維持
することが可能となる。
【0073】図1〜図17に示す実施形態の毛髪処理器
具においては、毛髪の処理方法によっては巻き上げ手段
を具備していなくてもよい場合がある。例えば前述した
ストレートパーマをかける場合である。巻き上げ手段を
具備していない毛髪処理器具としては例えば、図1に示
す実施形態に対応する実施形態のものとして、一端部に
毛髪取り込み口を有する細長形状の可撓性材料からなる
毛髪保持具と、先端に毛髪のフック部を有する毛髪挿入
具とを具備し、前記毛髪挿入具がそのフック部を前記毛
髪保持具の毛髪取り込み口側に向けて前記毛髪保持具に
保持された状態で使用される毛髪処理器具であって、前
記毛髪取り込み口及びその近傍の部位が、前記毛髪保持
具における他の部位よりも高剛性となされている毛髪処
理器具や、一端部に毛髪取り込み口を有する細長形状の
毛髪保持具と、先端に毛髪のフック部を有する毛髪挿入
具とを具備し、前記毛髪挿入具がそのフック部を前記毛
髪保持具の毛髪取り込み口側に向けて前記毛髪保持具に
保持された状態で使用される毛髪処理器具であって、前
記毛髪挿入具における前記フック部はループ形状であっ
てその周長が前記毛髪取り込み口の周長よりも大きくな
されていると共に該フック部が変形可能になされている
毛髪処理器具が挙げられる。
【0074】また図6に示す実施形態に対応する実施形
態のものとして、一端部に毛髪取り込み口を有する細長
形状の毛髪保持具と、細長形状の把持部及び該把持部の
先端に取り付けられた毛髪のフック部を有する毛髪挿入
具とを具備し、前記毛髪挿入具がそのフック部を前記毛
髪保持具の毛髪取り込み口側に向けて且つその把持部が
前記毛髪取り込み口に挿通されて前記毛髪保持具に保持
された状態で使用される毛髪処理器具であって、前記毛
髪処理器具は、挿入補助具を更に具備し、該挿入補助具
には、該挿入補助具をその長さ方向に貫き且つ入口及び
出口を有する貫通路が形成されており、該貫通路は前記
入口から前記出口に向けて先細りとなっており、前記毛
髪挿入具の把持部が、前記挿入補助具の貫通路を前記入
口から前記出口に向けて貫通し、更に前記毛髪保持具の
毛髪取り込み口に挿通されている毛髪処理器具が挙げら
れる。
【0075】更に、図17示す実施形態に対応する実施
形態のものとして、一端部に毛髪取り込み口を有する細
長形状の可撓性材料からなる毛髪保持具と、先端に毛髪
のフック部を有する毛髪挿入具とを具備し、前記毛髪挿
入具がそのフック部を前記毛髪保持具の毛髪取り込み口
側に向けて前記毛髪保持具に保持された状態で使用され
る毛髪処理器具であって、前記毛髪保持具は、一面及び
これと反対側に位置する他面を有し、該一面には、該毛
髪保持具を所定の形状に巻き上げ、湾曲又は屈曲させて
該一面と該他面とを当接させたときに、該一面と該他面
とが接合、又は該一面同士が接合して該所定の形状を保
持し得る接合部が設けられている毛髪処理器具が挙げら
れる。
【0076】これら巻き上げ手段を具備していない毛髪
処理器具を用いた毛髪処理方法としては、前記毛髪処理
器具における前記フック部に所望量の毛髪を引っかけ、
この状態下に前記毛髪挿入具を前記毛髪保持具における
一端部である前記毛髪取り込み口から他端部に向かって
引き抜いて前記毛髪を前記毛髪保持具内に挿入し、次い
で毛髪処理剤を前記毛髪取り込み口から前記毛髪保持具
内に供給するか、又は毛髪処理剤を前記毛髪保持具に向
けて付与する毛髪処理方法が挙げられる。
【0077】図18〜図22は、毛髪保持具の更に別の
実施形態を示す模式図である。これらの図においては、
簡便のため、毛髪挿入具及び巻き上げ手段の図示を省略
してある。図18に示す毛髪保持具200は、一端の開
口部221から他端の開口部222に向けて毛髪束を挿
通可能に、シート223により構成された筒状体212
からなり、該筒状体212は、その長手方向に実質的に
伸縮性を有しておらず、また、該筒状体212における
横断面の全周部分のシート223は、該筒状体212の
長手方向全長に亘って、テーバーこわさが0.4mN・
m以下である。
【0078】毛髪保持具200においては、前記筒状体
212は、その横断面形状がそれぞれ直線状の二面を結
合してなる扁平形状である。尚、図18においては、筒
状体212を、便宜上、その開口部が弓形状の二面を結
合してなる扁平形状に開口した状態で図示している。毛
髪保持具200においては、前記二面は、何れも前記テ
ーバーこわさが0.4mN・m以下であり、好ましくは
0.3mN・m以下である。シート223のテーバーこ
わさが0.4mN・m超であると、筒状体212に毛髪
束を挿通して巻回した場合に、筒状体212を円滑に巻
回することができず、毛髪束に綺麗なカールを付与する
ことができない。「テーバーこわさ」は、JIS P8
125に規定される「こわさ試験方法」により測定され
る。
【0079】毛髪保持具200においては、筒状体21
2は、前述したように、その長手方向(図18における
上下方向)に実質的に伸縮性を有していない。筒状体2
12が長手方向に伸縮性を有していると、保持具の寸法
が容易に変化し、筒状部212に毛髪束を挿通する際又
は挿通状態において、いわゆる逆毛になったり、毛先に
不規則なくせが付き易い。「筒状体の長手方向に実質的
に伸縮性を有していない」とは、長手方向に伸縮性を有
していないが、筒状体が弾性変形の範囲内で且つ逆毛が
生じない程度の伸び量を示しても良いことを意味する。
【0080】毛髪保持具200においては、前記筒状体
212は、一枚の矩形状のシート223を、その長手方
向に沿って二つ折りし、その長手方向に沿う側端部22
4,224同士を接合させて形成されている。筒状体2
12の大きさは、毛髪の長さやくせ付けしたい場所、挿
入する毛髪束の量に応じて適宜選択できる。
【0081】筒状体212を構成するテーバーこわさが
0.4mN・m以下のシート223としては、各種可撓
性材料が用いられ、例えば、不織布(ポリエチレン不織
布、ポリエチレンテレフタレート不織布等)、織布、多
孔性又は非多孔性の樹脂フィルム(ポリエチレンフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、紙、高
分子材料シート、ゴムシート、樹脂ネット、又はこれら
の複合体等が挙げられる。本実施形態においては、テー
バーこわさが0.4mN・m以下で且つパーマ用の毛髪
処理剤に対して透過性を有する不織布が用いられてい
る。シート223の厚みは、テーバーこわさが0.4m
N・m以下であれば、特に限定されないが、好ましくは
5μm〜500μmである。シートのテーバーこわさ及
び厚みは、シート全体で均一の方が好ましい。
【0082】図19にそれぞれ示すテーバーこわさ値を
有する各種可撓性材料〜を用いて形成された筒状体
についての評価結果を図19に示す。本評価に用いた筒
状体は、何れも前述の毛髪保持具200における筒状体
と同様の構成に形成されたものである。テーバーこわさ
が0.4mN/m以下である、のポリエチレン(P
E)不織布、の低密度ポリエチレン(LPDE)フィ
ルム又はのポリエチレンテレフタレート(PET)不
織布からそれぞれ形成された筒状体によれば、毛髪束を
きれいな円形に巻回することができた。一方、テーバー
こわさが0.4mN/m超である、のPET不織布又
はのコピー用紙からそれぞれ形成された筒状体によれ
ば、毛髪束を円形に巻回することができない。他に、テ
ーバーこわさが0.4mN/m以下である、ラテックス
製の手袋、ストッキング(二枚重ね)及びお土産用のみ
かん用のネットからそれぞれ形成された筒状体も、可撓
性材料〜から形成された筒状体と同様の評価が得ら
れた。
【0083】本実施形態の毛髪保持具200を用いて毛
髪束を巻回する場合、本実施形態の毛髪保持具200に
おいては、筒状体212を構成するシート223が所定
のテーバーこわさを有しているため、毛髪束を挿通した
筒状体212をいびつな形状にさせずに円滑に巻回する
ことができ、また、筒状体212が実質的に伸縮性を有
していないため、筒状体212に毛髪束を挿通する際又
は挿通状態において筒状体212が伸長せず、逆毛や毛
先の不規則なくせが生じ難い。そのため、本実施形態の
毛髪保持具200によれば、毛髪に、容易且つ確実に綺
麗なカールを付与することができる。
【0084】図20に示す毛髪保持具200は、筒状体
212が、二枚の矩形状のシート223A,223B
を、その長手方向に沿う側端部224,224同士を接
合させて形成されており、一方の該シート223Aのテ
ーバーこわさが0.4mN・m以下である。一方のシー
ト223Aのテーバーこわさが0.4mN・m以下であ
れば、他方のシート223Bのテーバーこわさは、0.
4mN・m以下でも0.4mN・m超でもよい。テーバ
ーこわさが0.4mN・m超の場合、好ましくは、テー
バーこわさは20mN・m以下である。本実施形態にお
いては、他方のシート223Bとして、テーバーこわさ
が2〜5mN・mのものを用いている。
【0085】図20に示す実施形態の毛髪保持具200
によれば、図18に示す実施形態の毛髪保持具と同様
に、毛髪に容易且つ確実に綺麗なカールを付与すること
ができる。本実施形態の毛髪保持具200を用いて毛髪
束を巻回する場合、テーバーこわさの低いシート223
Aを内側にする方がよい。筒状体全体としては伸縮せ
ず、シート自体が伸縮性を有するシートからなる筒状体
の場合は、どちらを内側にしてもよい。
【0086】図21に示す実施形態の毛髪保持具200
は、筒状体212が、一枚の伸縮性を有する矩形状のシ
ート223を、その長手方向に沿って二つ折りし、その
長手方向に沿う側端部224,224同士を接合させて
形成されており、接合された該側端部224の部分が、
伸縮性を有していない。シート223は、長手方向全長
に亘ってテーバーこわさが0.4mN・m以下となって
いる。シート223は、格子状の網目構造を有してお
り、この網目構造により伸縮性を実現している。そし
て、筒状体212においては、シート223の網目が筒
状体212の長手方向に対し斜行して配置しているが、
前述のように、側端部224の部分は、伸縮性を有して
いないため、筒状体212全体としては、実質的に伸縮
性を有していない。本実施形態の毛髪保持具200にお
いては、筒状体212は、その短手方向(図21におけ
る左右方向)に伸縮性を有している。筒状体212が短
手方向に伸縮性を有していると、筒状部212の開口部
221に毛髪束を挿入する際に該開口部221が拡がり
易く、毛髪束を挿入し易い。本実施形態の毛髪保持具2
00によれば、図18に示す実施形態の毛髪保持具と同
様に、毛髪に容易且つ確実に綺麗なカールを付与するこ
とができる。
【0087】図22に示す実施形態の毛髪保持具200
は、筒状体212が、格子状の網目構造からなる矩形状
のシート223Aと、網目や孔が形成されていない矩形
状のシート223Bとを、その長手方向に沿う側端部2
24,224同士を接合させて形成されている。シート
223Aは長手方向に伸縮性を有しているが、シート2
23Bは長手方向に実質的に伸縮性を有しておらず、そ
のため、筒状体212全体としては、実質的に伸縮性を
有していない。また、シート223Aは長手方向全長に
亘ってテーバーこわさが0.4mN・m以下であり、シ
ート223Bは長手方向全長に亘ってテーバーこわさが
0.4mN・m超である。本実施形態の毛髪保持具20
0によれば、シート223A、シート223Bの何れを
内側に巻回しても、筒状体212を円滑に巻回すること
ができ、毛髪に、容易且つ確実に綺麗なカールを付与す
ることができる。
【0088】図18〜図22に示す実施形態の毛髪保持
具は、例えば次に述べるような変更が適宜可能である。
筒状体が扁平形状の場合、テーバーこわさが0.4mN
・m以下のシートが筒状体における横断面の少なくとも
半周を占めていれば、該シートは筒状体の一方の面から
他方の面に亘って配置していてもよい。また、扁平形状
としては、弓形状の二面を結合してなる形状でもよい。
また筒状体は、全体として実質的に伸縮性を有していな
ければ、筒状体を構成するシートの一部が伸縮性を有し
ていてもよい。図21に示す実施形態においては、筒状
体212は、一枚の伸縮性を有するシートを二つ折り
し、その側端部同士を接合させて形成されているが、伸
縮性を有するシートから形成される筒状体は、二枚の該
シートを、その側端部同士を接合させて形成することも
できる。
【0089】図18〜図22に示す実施形態の毛髪保持
具における筒状体は、その形成方法について特に制限は
なく、シートを縫合、融着又は接着して形成したもので
も、押出成形等により当初から筒状に形成したものでも
よい。図18及び図20に示す実施形態においては、筒
状体を構成するシートとして、パーマ用の毛髪処理剤に
対して透過性を有する不織布を用いているが、本発明に
おいては、筒状体を構成するシートとして液不透過性の
シートを用いることができ、更に、筒状体の他端の開口
部にチャックを設け、該開口部を閉塞可能な構造とする
こともできる。また、筒状体を構成するシートに長手方
向に塑性変形部材を接合させてもよく、このような構成
の毛髪保持具を用いて毛髪束を巻回すると、筒状体に挿
通された毛髪束の復元力を抑制することができる。更
に、図18〜図22に示す実施形態においては、筒状体
は、その両端が開口しているが、筒状体は、その一端が
開口し且つその他端に閉口可能な手段を設けてあるもの
でもよい。また更に、図18〜図22に示す実施形態の
それぞれ異なる部分を、適宜変更したり組み合わせた形
態とすることもできる。
【0090】図18〜図22に示す実施形態の毛髪保持
具における「筒状体」を構成するシート材の形状及びそ
の表面状態は、上述の形態の筒状体を形成可能なもので
あれば良く、「扁平状」という場合、シート材の表面
は、凹凸面であってもよい。また、本発明の毛髪保持具
における「筒状体」は、図23に示すような末広がりの
形状でも良く、このようにすれば、毛髪挿入性を良くす
ることができる。
【0091】図18〜図22に示す実施形態の毛髪保持
具は巻き上げ手段を有さなくてもよい。その場合には例
えば毛髪保持具内に毛髪束を挿入した後、該毛髪保持具
を手で巻き上げればよい。例えば、パーマ処理によって
毛髪に直接カールを付与する場合について、図24を参
照しながら説明する。先ず、毛髪束Hの量や得ようとす
るカール形状に応じて、適当なテーバーこわさ、長さ及
び幅を有する筒状体212からなる毛髪保持具200を
用い、図24(a)に示すように、筒状体212の一端
の開口部221を楕円形状に開口して、該開口部221
から毛髪束Hを挿入する。そして、図24(b)に示す
ように、毛髪束Hを、その先端が筒状体212の他端の
開口部222から少しはみ出るまで、筒状体212に挿
通させる。毛髪束Hを筒状体212に挿通させた後、図
24(c)及び図24(d)に示すように、毛髪保持具
200を筒状体212の他端の開口部222の側から、
所望の巻回径で巻回し、クリップ(図示せず)等の周知
の固定手段を用いて毛髪束Hの巻回状態を保持する。そ
の後、筒状体212の外側からパーマ用の毛髪処理剤を
毛髪束Hに付与する。所定時間後、筒状体212から毛
髪束Hを挿脱し、洗髪等して、パーマ処理を完了する。
尚、筒状体212の開口部221から毛髪束Hを挿入さ
せる際に、必要に応じ、該開口部221を真円状に開口
した方が、毛髪束Hをスムーズに挿入させ易い。また、
必ずしも、毛髪束Hの先端を筒状体212の他端の開口
部222からはみ出させる必要はない。
【0092】図18〜図22に示す実施形態の毛髪保持
具であって、巻き上げ手段を有さない毛髪保持具におい
ては、毛髪束Hの巻回の際には、従来と同様に、ロッド
を併用してもよい。筒状体212が液不透過性のシート
から構成されている毛髪保持具200を用いてパーマ処
理をする場合には、パーマ用の毛髪処理剤を筒状体の開
口部221から注入すればよい。また、巻き上げ手段を
有さない毛髪保持具は、パーマ処理により毛髪にカール
を付与する場合に限らず、毛髪束を巻回した後、ドライ
ヤー等により熱処理したり、乾燥した毛髪を巻回状態で
保持したり、濡れた状態の毛髪を巻回状態で保持し自然
乾燥させたりして、毛髪にカールを付与する場合等にも
適用することができる。また、毛髪の先端にカールを付
与する場合以外にも、毛髪に波状にカールを付与する場
合、毛髪に螺旋状にカールを付与する場合等にも適用が
可能である。
【0093】図25〜図33に示す実施形態の毛髪処理
器具は、一端部に毛髪取り込み口を有し、長手方向に延
びる毛髪挿入空間を有する細長の筒形状をしており、該
空間は、毛髪が蛇行して挿通されるように形成されてい
る毛髪保持具を備えている。そして、これらの毛髪処理
器具は、これまで説明してきた実施形態の毛髪処理器具
と異なり、巻き上げ手段を備えていなくても、毛髪にく
せ付けをすることができるものである。
【0094】図25に示す毛髪処理器具100は、細長
形状であり、毛髪の保持が可能になされている毛髪保持
具400と毛髪挿入具300とを具備している。毛髪保
持具400は細長筒形状をしており、可撓性を有するシ
ート材を細長の扁平な袋状に形成して構成されている。
毛髪は毛髪保持具400内に挿入されて保持される。毛
髪保持具400は、一端部及び他端部を有しており、各
端部は開口している。両端部のうち上端部は毛髪取り込
み口404となっている。毛髪保持具400の長さは、
処理すべき毛髪の長さに応じて適切な長さとされ、好ま
しくは処理すべき毛髪の長さよりも長くなっている。毛
髪保持具400の長さは一般に50〜600mm程度の
範囲である。またその幅は一般に10〜150mm程度
である。
【0095】毛髪保持具400は、細長い短冊状のシー
ト材421,422が二枚接合されて構成されている。
各シート材421,422は同一形状であり、その両側
部同士が所定の接合手段で接合されて側縁接合部42
3,423を形成している。また、各シート材421,
422は、その縦中心線に沿って断続的に接合されてお
り、これによって所定間隔を置いた点状の中央接合部4
24が多数形成されている。中央接合部424同士の距
離は、毛髪にどの程度のくせ付けをさせたいかに応じて
適宜調整する。一般に中央接合部424同士の距離は1
0〜100mm程度となっている。これらの接合部42
3,424によって、毛髪保持具400の内部には空間
が形成される。斯かる空間は、後述するように、毛髪が
毛髪保持具400の扁平面内において蛇行するように形
成されているものである。
【0096】毛髪保持具400を構成するシート材とし
ては、各種可撓性材料が用いられる。その例としては、
不織布、多孔性又は非多孔性の樹脂フィルム、紙、樹脂
ネット、又はこれらの複合体などが挙げられ、毛髪保持
具400の具体的用途に応じて適切な材料が選択され
る。例えば、毛髪保持具400内に挿入された状態の毛
髪に対して毛髪保持具400の外部から毛髪処理剤を施
したいときには、該毛髪処理剤に対して透過性を有する
材料を用いればよい。
【0097】毛髪挿入具300は毛髪保持具400内に
挿入された状態で使用される。詳細には、図25(a)
に示すように、毛髪挿入具300のフック部310を毛
髪保持具400の毛髪取り込み口404側に向けて挿入
された状態で使用される。毛髪挿入具300の把持部3
09は、毛髪保持具40内部の空間に挿通される。把持
部309の端部は、毛髪保持具400の下端部から外方
に延ばしておく。図25(a)に示すように、把持部3
09は、隣り合う中央接合部424の間を横切るように
挿通される。その結果、把持部309は扁平な毛髪保持
具400の扁平面内を、蛇行した波形形状に挿通される
ことになる。
【0098】次に、本実施形態の毛髪処理器具100の
使用方法について図26(a)及び図26(b)を参照
しながら説明する。先ず図26(a)に示すように、毛
髪挿入具300のフック部310を、毛髪保持具400
の毛髪取り込み口404から突出させる。そして、フッ
ク部310に所望量の毛髪Hを引っかけ、この状態下に
毛髪挿入具300の下端部から引き出されている毛髪挿
入具300の把持部309を引っ張る。これによって、
フック部310に引っかけられている毛髪Hがフック部
310と共に毛髪保持具400内に挿入される。図26
(a)に示すように把持部309は、毛髪保持具400
の扁平面内を、蛇行した波形形状に挿通されているの
で、フック部310と共に毛髪保持具400内に挿入さ
れた毛髪Hは、図26(b)に示すように毛髪保持具4
00の扁平面内において、蛇行した波形形状に挿通され
る。フック部310は、毛髪保持具400の下端部を通
じて毛髪保持具400の外に引き出される。
【0099】このようにして毛髪保持具400内に挿入
された毛髪Hは、該毛髪保持具400内において、蛇行
した波形形状となった状態が保持されるので、この状態
を長時間維持すれば、毛髪Hにウエーブ状のくせ付けが
される。また毛髪保持具400が、パーマネント処理剤
などの毛髪処理剤に対して透過性を有する材料、例えば
不織布や樹脂製ネットから構成されている場合には、毛
髪保持具400の外部から該毛髪処理剤を施すことによ
って、くせ付けのされたパーマネント処理が施される。
【0100】図27(a)及び図27(b)に示す実施
形態、並びに図28(a)及び図28(b)に示す実施
形態においては、毛髪保持具400は、細長い短冊状の
シート材421,422が二枚接合されて構成されてい
る。両シート材の接合によって、毛髪保持具400には
接合部425と非接合部426とが形成される。接合部
425は、各シート材421,422の非接合部426
によって、毛髪保持具400の長手方向に延びる蛇行し
た空間が、縦中心線に沿って形成されるような接合形状
になっている。図27(a)に示す実施形態と図28
(a)に示す実施形態とが異なる点は、図27(a)に
示す実施形態では、非接合部426によって形成された
空間以外の領域はすべて接合部425となっているのに
対して、図28(a)に示す実施形態では、蛇行した非
接合部426の両側にのみ線状の接合部425が形成さ
れており、各シート材421,422の両側部では両シ
ートが接合されていない点である。両実施形態における
空間の蛇行の程度は、毛髪にどの程度のくせ付けをさせ
たいかに応じて適宜調整する。
【0101】図29(a)及び図29(b)に示す実施
形態においては、毛髪保持具400は、細長い短冊状の
シート材421,422が二枚接合されて構成されてい
る。各シート材421,422は、その左右両側部同士
が所定の接合手段で接合されて左右の側縁接合部42
3,423を形成している。各側縁接合部423には、
内方へ向かって突出した突出接合部427が延設されて
いる。各突出接合部427は、長手方向に所定間隔を置
いて形成されている。左右それぞれの側縁部に形成され
ている突出接合部427は、一方の側縁部に形成されて
いる突出接合部427が、他方の側縁部に形成されてい
る隣り合う突出接合部427,427の中間の位置に位
置するように形成されている。つまり左右の突出接合部
は互い違いの位置に形成されている。本実施形態におけ
る突出接合部427の形状は山形をしている。しかし、
突出接合部427の形状はこれに限られず例えば三角形
や矩形であってもよい。本実施形態においては、接合部
423,427以外の領域である非接合部によって、毛
髪保持具400の長手方向に延びる蛇行した空間が、縦
中心線に沿って形成される。
【0102】図30に示す実施形態の毛髪保持具400
は、図25(a)に示す実施形態における毛髪保持具が
多列に並設されたものに相当する。尚、図30では毛髪
挿入具が省略されている。本実施形態の毛髪保持具40
0は、矩形のシート材を二枚重ね、長手方向に延びる線
状の接合部423によって接合することで形成される。
接合部423は、シート材の幅方向に所定間隔を置いて
多数形成されている。隣り合う接合部423の間の距離
は、図25(a)に示す実施形態の毛髪保持具の幅と同
様とすることができる。隣り合う接合部423の間に
は、それらの中間の位置に、長手方向に延びる点状の中
央接合部424が所定間隔を置いて多数形成されてい
る。隣り合う中央接合部424間の距離は図25(a)
に示す実施形態の毛髪保持具と同様とすることができ
る。本実施形態の毛髪保持具400によれば、図25
(a)に示す実施形態の毛髪保持具に比べて、多量の毛
髪を一度にくせ付けできる。
【0103】図31に示す実施形態の毛髪保持具400
は、図25(a)に示す実施形態における毛髪保持具が
厚さ方向に複数個重ねられたものに相当する。本実施形
態の毛髪保持具400は、細長い短冊状のシート材42
1の各面に、該シート材421と同形状のシート材42
2A,422Bがそれぞれ重ね合わされている。各シー
ト材421,422A,422Bは、その両側部同士が
所定の接合手段で接合されており、これによって側縁接
合部423,423が形成されている。また、各シート
材421,422A,422Bは、その縦中心線に沿っ
て断続的に接合されており、これによって所定間隔を置
いた点状の中央接合部424が多数形成されている。本
実施形態の毛髪保持具400によっても、図30に示す
実施形態と同様に、図25(a)に示す実施形態の毛髪
保持具に比べて、多量の毛髪を一度にくせ付けできる。
【0104】図32に示す実施形態の毛髪保持具400
は、細長い短冊状のシート材421,422が貼り合わ
せて構成されている。各シート材421,422には、
その一部が該シート材の面内から突出した突出部42
8,428,・・が該シート材の長手方向に多数形成さ
れている。各突出部428は、シート材の縦中心線に沿
って形成されている。各突出部428は、各シート材4
21,422同士を貼り合わせたときに、各突出部43
0同士が対向することで、該シート材の面内に対して上
下方向に蛇行した空間が形成されるような形状及び/又
は位置に形成されている。各突出部430は、シート材
をプレス成形することで形成することができる。本実施
形態においては、前記空間は、シート材の面内と直交す
る方向に蛇行する管状の形状となっている。
【0105】図33に示す実施形態の毛髪保持具400
は、これまで説明した実施形態のものと異なり円管から
構成されている。この円管は螺旋状に巻回されている。
本実施形態によれば毛髪は螺旋状にくせ付けされる。こ
の円管は、引き伸ばすことのできない固定状態となって
いてもよい。或いは円管は、引き伸ばすことのできる性
質を有しており、引き伸ばされた状態から自然状態(つ
まり引き伸ばす力が加わっていない状態)となったとき
に、自発的に図示する螺旋状に巻回されるようになって
いてもよい。円管が引き伸ばすことのできる性質を有し
ている場合には、円管を引き伸ばした状態で該円管内に
毛髪を挿入し、次いで引き伸ばす力を解放することで自
発的に図示する巻回状態となるので、毛髪の挿入性が向
上するという利点がある。
【0106】図25(a)〜図33に示す実施形態にお
いては、図1〜図22に示す実施形態と同様に、毛髪保
持具に所定の巻き上げ手段を付加してもよい。巻き上げ
手段としては、毛髪保持具400を手で巻き上げた後に
クリップやピンで巻き上げ状態を固定する手段や、毛髪
保持具に自己接着性を付与する手段がある。更に、巻き
上げ手段として、先に説明した巻き上げ用糸や熱収縮を
利用することも可能である。毛髪保持具400に毛髪を
挿入した後に巻き上げることで、更に複雑な三次元状の
くせ付けを行うことが可能となる。具体的には、図25
(a)に示す実施形態を例にとれば、図34(a)に示
すように、巻き上げ手段として巻き上げ用糸6が用いら
れる。巻き上げ用糸6は、毛髪保持具400の長手方向
に伸びており、ぐし縫い状に毛髪保持具400を貫通す
るように取り付けられている。詳細には、毛髪保持具4
00を正面から視たときに、巻き上げ用糸6が、毛髪保
持具400の正面側と背面側とを交互に通過するよう
に、毛髪保持具400に取り付けられている。巻き上げ
用糸6は、各中央接合部424を貫通している。巻き上
げ用糸6は、毛髪保持具400の最下端に位置する中央
接合部424の位置において引き抜かれないようになさ
れている。具体的には、巻き上げ用糸6の一端を、最下
端に位置する中央接合部424で毛髪保持具400に固
定することで、その引き抜きを防止している。一方、毛
髪取り込み口404に最も近い位置にある中央接合部4
24においては、巻き上げ用糸6が自由状態となってい
る。
【0107】毛髪保持具400に取り付けられている巻
き上げ用糸6の自由端を引っ張ると、図34(b)に示
すように、毛髪保持具400は毛髪(図示せず)と共に
蛇腹状に折り畳まれ、毛髪は略ジグザグ形に屈曲され
る。そして、その屈曲状態を保持するために、毛髪保持
具400から引き出されている巻き上げ用糸6の根元を
クリップ(図示せず)で係止する。この実施形態によれ
ば、平面内(つまり二次元)で蛇行していた毛髪が略ジ
グザグ形に屈曲されることで、複雑な三次元状のくせ付
けをすることができる。
【0108】巻き上げ手段に関しては、図27(a)〜
図32に示す実施形態についても、図25(a)に示す
実施形態と同様に適用できる。また、図25(a)〜図
32に示す実施形態においては、複数枚のシート材を用
いて毛髪保持具を構成したが、必要に応じ1枚のシート
材から毛髪保持具を構成してもよい。
【0109】以上、図1〜図34を参照して種々述べて
きた実施形態においては、毛髪束の巻回の際に、巻き上
げ手段を用いるが、これに加えて従来と同様に、ロッド
を併用してもよい。
【0110】尚、前述した毛髪処理器具及び毛髪処理方
法に関する各実施形態の内容は、本発明の趣旨を逸脱し
ない範囲で相互に置換することができる。
【0111】
【発明の効果】本発明の毛髪処理器具によれば、筒状体
内に毛髪を容易に且つ短時間で取り込むことができる。
また本発明の毛髪処理器具によれば、毛髪の巻き上げを
容易に且つ短時間で行うことができる。更に、本発明の
毛髪処理器具によれば、毛髪に容易にくせ付けを行うこ
とができる。また、パーマネント処理も容易行うことが
できる。また更に、本発明の毛髪処理器具によれば、毛
髪に、容易且つ確実に綺麗なカールを付与することがで
きる本発明の毛髪処理方法によれば、パーマネントウエ
ーブや染毛などの各種毛髪処理を容易に行うことができ
る。特に本発明の毛髪処理方法は、パーマネントウエー
ブ処理や、毛髪の部分染めに有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の毛髪処理器具の一実施形態を
示す斜視図である。
【図2】図2(a)、図2(b)、図2(c)及び図2
(d)はそれぞれ、図1に示す毛髪処理器具を用いた毛
髪処理方法の工程図である。
【図3】図3は、毛髪保持具の別の実施形態を示す図で
ある。
【図4】図4は、毛髪処理方法の別の工程図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)はそれぞれ、毛髪挿
入具の別の実施形態を示す図である。
【図6】図6は、毛髪処理器具の別の実施形態を示す図
である。
【図7】図7は、挿入補助具の更に別の実施形態を示す
図である。
【図8】図8(a)、図8(b)及び図8(c)はそれ
ぞれ、毛髪保持具の別の実施形態を示す図である。
【図9】図9(a)、図9(b)及び図9(c)はそれ
ぞれ、毛髪保持具の別の実施形態を示す図である。
【図10】図10(a)及び図10(b)はそれぞれ毛
髪保持具の別の実施形態を示す図である。
【図11】図11(a)及び図11(b)はそれぞれ毛
髪保持具の別の実施形態を示す図である。
【図12】図12(a)及び図12(b)はそれぞれ毛
髪保持具の別の実施形態を示す図である。
【図13】図13(a)、図13(b)及び図13
(c)はそれぞれ、毛髪保持具の別の実施形態を示す図
である。
【図14】図14は、毛髪保持具の別の実施形態を示す
図である。
【図15】図15は、毛髪処理器具の別の実施形態を示
す図である。
【図16】図16は、毛髪処理器具の別の実施形態を示
す図である。
【図17】図17は、毛髪保持具の別の実施形態を示す
図である。
【図18】図18は、毛髪保持具の別の実施形態を示す
図である。
【図19】図19は、各種可撓性材料を用いて形成され
た筒状体についての評価結果を示すグラフである。
【図20】図20は、毛髪保持具の別の実施形態を示す
図である。
【図21】図21は、毛髪保持具の別の実施形態を示す
図である。
【図22】図22は、毛髪保持具の別の実施形態を示す
図である。
【図23】図23は、毛髪保持具の別の実施形態の概要
を示す図である。
【図24】図24(a)、図24(b)、図24(c)
及び図24(d)はそれぞれ、巻き上げ手段を有さない
毛髪保持具を用いた、毛髪束の巻回手順を順次示す斜視
図である。
【図25】図25(a)は、毛髪処理器具の別の実施形
態を示す平面図であり、図25(b)及び図25(c)
はそれぞれ、図25(a)におけるb−b線断面図及び
c−c線断面図である。
【図26】図26(a)及び図26(b)はそれぞれ、
毛髪処理器具の使用方法を示す図である。
【図27】図27(a)は、毛髪処理器具の別の実施形
態を示す平面図であり、図27(b)は、図27(a)
におけるb−b線断面図である。
【図28】図28(a)は、毛髪処理器具の別の実施形
態を示す平面図であり、図28(b)は、図28(a)
におけるb−b線断面図である。
【図29】図29(a)は、毛髪処理器具の別の実施形
態を示す平面図であり、図29(b)は、図29(a)
におけるb−b線断面図である。
【図30】図30は、毛髪処理器具の別の実施形態を示
す平面図である。
【図31】図31は、毛髪処理器具の別の実施形態を示
す断面図である。
【図32】図32は、毛髪処理器具の別の実施形態を示
す斜視図である。
【図33】図33は、毛髪処理器具の別の実施形態を示
す斜視図である。
【図34】図34(a)は、図25(a)に示す実施形
態の毛髪保持具に巻き上げ手段を取り付けた状態を表す
模式図であり、図34(b)は、図34(a)の毛髪処
理具を巻き上げた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 毛髪処理器具 2 毛髪保持具 3 毛髪挿入具 4 毛髪取り込み口 5 チャック 6 巻き上げ用糸 7 挿通孔 8A,8B 挿通孔列 9 把持部 10 フック部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 狩谷 直洋 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 小田嶋 信吾 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 3B038 AA02 AA04 AA05

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部に毛髪取り込み口を有する細長形
    状の可撓性材料からなる毛髪保持具と、該毛髪保持具内
    に毛髪を挿入する毛髪挿入具と、該毛髪保持具に保持さ
    れた毛髪を所定の形状に巻き上げ、湾曲又は屈曲させる
    巻き上げ手段とが備えられている毛髪処理器具。
  2. 【請求項2】 前記巻き上げ手段が、前記毛髪保持具に
    取り付けられている糸からなる請求項1記載の毛髪処理
    器具。
  3. 【請求項3】 前記毛髪保持具は、複数枚の帯状シート
    を互いに接合して筒状に形成されており、 複数枚の前記帯状シートのうちの少なくとも1枚が、前
    記巻き上げ手段としての熱収縮性シートからなり、その
    他の帯状シートが熱収縮性を有していないシートからな
    る請求項1記載の毛髪処理器具。
  4. 【請求項4】 前記毛髪保持具は、該毛髪保持具をその
    長手方向に引き伸ばした状態から、所定の巻き上げ形態
    に巻き上げられた状態へ自発的に巻き上げられるように
    くせ付けされており、該くせ付けが前記巻き上げ手段を
    構成している請求項1記載の毛髪処理器具。
  5. 【請求項5】 前記毛髪挿入具は、その先端に毛髪のフ
    ック部を有し、前記毛髪保持具内に、前記毛髪挿入具が
    そのフック部を前記毛髪保持具の毛髪取り込み口側に向
    けて挿入された状態で使用される請求項1記載の毛髪処
    理器具。
  6. 【請求項6】 前記フック部はループ形状であってその
    周長が前記毛髪取り込み口の周長よりも大きくなされて
    いると共に該フック部が変形可能になされている請求項
    5記載の毛髪処理器具。
  7. 【請求項7】 前記フック部が櫛歯を有している請求項
    5記載の毛髪処理器具。
  8. 【請求項8】 前記毛髪取り込み口及びその近傍の部位
    が、前記毛髪保持具における他の部位よりも高剛性とな
    されている請求項1記載の毛髪処理器具。
  9. 【請求項9】 前記毛髪処理器具は、挿入補助具を更に
    具備し、該挿入補助具には、該挿入補助具をその長さ方
    向に貫き且つ入口及び出口を有する貫通路が形成されて
    おり、該貫通路は前記入口から前記出口に向けて先細り
    となっており、 前記毛髪挿入具には把持部が備えられており、該把持部
    が前記挿入補助具の貫通路を前記入口から前記出口に向
    けて貫通し、更に前記毛髪保持具の毛髪取り込み口に挿
    通されている請求項1記載の毛髪処理器具。
  10. 【請求項10】 前記毛髪保持具は、一面及びこれと反
    対側に位置する他面を有し、該一面には、該毛髪保持具
    を所定の形状に巻き上げ、湾曲又は屈曲させて該一面と
    該他面とを当接させたときに、該一面と該他面とが接合
    して、又は該一面同士が接合して該所定の形状を保持し
    得る接合部が設けられている請求項1記載の毛髪処理器
    具。
  11. 【請求項11】 前記毛髪保持具が細長筒形状からなる
    請求項1記載の毛髪処理器具。
  12. 【請求項12】 前記毛髪保持具の他端部が開閉可能に
    なされている請求項11記載の毛髪処理器具。
  13. 【請求項13】 前記毛髪保持具の内面に、毛髪処理剤
    が施されている請求項11記載の毛髪処理器具。
  14. 【請求項14】 前記毛髪保持具における横断面の少な
    くとも半周部分の部分は、該毛髪保持具の長手方向全長
    に亘って、テーバーこわさが0.4mN・m以下である
    請求項11記載の毛髪処理器具。
  15. 【請求項15】 前記毛髪保持具がその短手方向に伸縮
    性を有している請求項11記載の毛髪処理器具。
  16. 【請求項16】 前記毛髪保持具は、1枚のシートを、
    その長手方向に沿って二つ折りし、その長手方向に沿う
    側端部同士を接合させて形成されている請求項11記載
    の毛髪処理器具。
  17. 【請求項17】 前記毛髪保持具は、2枚のシートを、
    その長手方向に沿う側端部同士を接合させて形成されて
    おり、少なくとも一方の該シートのテーバーこわさが
    0.4mN・m以下である請求項11記載の毛髪処理器
    具。
  18. 【請求項18】 前記毛髪保持具は、1枚の伸縮性を有
    するシートを、その長手方向に沿って二つ折りし、その
    長手方向に沿う側端部同士を接合させて形成されてお
    り、接合された該側端部の部分は、伸縮性を有していな
    い請求項11記載の毛髪処理器具。
  19. 【請求項19】 前記毛髪処理器具の使用前に、前記毛
    髪挿入具が、予め前記毛髪保持具に取り付けられている
    請求項1記載の毛髪処理器具。
  20. 【請求項20】 前記毛髪保持具が、毛髪処理剤に対し
    て透過性又は非透過性を有する請求項1記載の毛髪処理
    器具。
  21. 【請求項21】 細長形状の可撓性材料からなり、毛髪
    の保持が可能になされている毛髪保持具を具備する毛髪
    処理器具における該毛髪保持具に、所定量の毛髪を保持
    し、次いで該毛髪保持具に備えられた所定の巻き上げ手
    段によって該毛髪保持具に保持された毛髪を巻き上げ、
    湾曲又は屈曲させる毛髪処理方法。
  22. 【請求項22】 前記毛髪保持具は、一端部が毛髪取り
    込み口となっている細長筒形状からなり、該毛髪保持具
    内に所定量の毛髪を所定方法によって挿入して保持する
    請求項21記載の毛髪処理方法。
  23. 【請求項23】 前記毛髪保持具に保持され且つ巻き上
    げ、湾曲又は屈曲された状態の毛髪に対して、この状態
    下に毛髪処理剤を前記毛髪保持具に向けて付与するか、
    又は毛髪処理剤を前記毛髪取り込み口から前記毛髪保持
    具内に供給する請求項22記載の毛髪処理方法。
  24. 【請求項24】 前記毛髪処理剤がパーマネント剤であ
    り、前記可撓性材料が該パーマネント剤に対して透過性
    を有し、前記状態下に前記毛髪保持具に向けて該パーマ
    ネント剤を付与する請求項23記載の毛髪処理方法。
  25. 【請求項25】 前記毛髪保持具に保持され且つ巻き上
    げ、湾曲又は屈曲された状態の毛髪に対して、この状態
    下に所定の加熱手段によって該毛髪を加熱する請求項2
    1記載の毛髪処理方法。
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