JP3919710B2 - 形状付与具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、形状付与具に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
特開2003−33216号公報及び国際公開第03/007752号パンフレットには、本出願人による「一端部に毛髪取り込み口を有し該毛髪取り込み口から毛髪を挿入可能な筒状体と、該筒状体の巻き上げ用の巻き上げ用糸とを備え、前記筒状体の外周面には、前記巻き上げ用糸を挿通する小孔が、スパイラル状に間欠的に設けられており、前記巻き上げ用糸は、その一端が該筒状体の他端部の近傍に止着され、前記小孔に順次挿通されて前記筒状体の外周面にスパイラル状に巻き付けられている毛髪保持具」が記載されている。この毛髪保持具によれば、毛髪が筒状体の内部に挿入された状態で前記巻き上げ用糸の他端を引っ張ることにより、該毛髪を該筒状体ごと巻き上げることができ、簡便な操作で毛髪の巻き上げを行うことができる。
このような毛髪保持具は、筒状体に挿入された被挿入物に所定の形状を付与することのできる形状付与具の一種であり、該毛髪保持具によれば、毛髪に所定の形状を付与することができる。
【0003】
しかし、前述の構成を有する毛髪保持具を製造するには、筒状体に小孔をスパイラル状に間欠的に設け、その後、該小孔に巻き上げ用糸を順次挿通する必要があり、その製造が容易ではなく、また、糸挿通部である該小孔が強度的に十分なものではなかった。
【0004】
従って、本発明の目的は、筒状体の外周面に巻き上げ用糸をスパイラル状に容易に巻き付けることができ、糸挿通部の強度に優れ、また、容易に製造することのできる形状付与具を提供することにある。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−33216号公報
【特許文献2】
国際公開第03/007752号パンフレット
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一端部に被挿入物の取り込み口を有し該取り込み口から被挿入物を挿入可能な筒状体と、該筒状体の巻き上げ用の巻き上げ用糸とを備え、前記筒状体は、1枚又は2枚以上の帯状シートがその側縁部で接合されて断面が扁平状又は多角形状に形成されており、前記筒状体の両側縁部又は各角部は、該帯状シートが折り返されるか又は該帯状シートの側縁部が接合されて形成されており、該両側縁部又は該各角部に、前記巻き上げ用糸を挿通掛合する挿通掛合孔部が、それぞれ所定間隔をあけて且つそれらを順次結ぶことによりスパイラル状線を形成するように複数個設けられており、前記巻き上げ用糸は、その一端が前記筒状体の他端部の近傍に止着され、前記挿通掛合孔部に順次挿通掛合されて該筒状体の外周面にスパイラル状に巻き付けられており、前記挿通掛合孔部は、前記筒状体の前記両側縁部又は前記各角部を構成する前記帯状シートの一方の面及び他方の面それぞれに、該側縁部又は該角部の縁端から幅方向内方に向けて形成された一対の切り込みと、該帯状シートの一方の面及び他方の面それぞれの両切り込み近傍を接合してなる接合部とにより形成されており、前記一対の切り込みは、前記筒状体の長手方向に対する角度が異なっており且つ両切り込みの端縁が該筒状体の前記側縁部又は前記角部の縁端においてずれている形状付与具を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の形状付与具は、筒状体に挿入された被挿入物に所定の形状を付与し、その状態を保つことができるものであり、特に、毛髪に所定の形状を付与することのできる毛髪保持具として好適に使用される。
以下本発明の形状付与具を、その好ましい実施形態である毛髪保持具に基づき図面を参照しながら説明する。
【0008】
本実施形態の毛髪保持具は、図1に示すように、一端部に被挿入物である毛髪H(図2参照)の取り込み口21を有し該取り込み口21から毛髪Hを挿入可能な筒状体2と、該筒状体2の巻き上げ用の巻き上げ用糸3とを備え、前記筒状体2は、2枚の帯状シート4,5がその側縁部41・42、51・52で接合されて断面が扁平状に形成されており、前記筒状体2の両側縁部は、該帯状シート4,5の側縁部41・42、51・52が接合されて形成されており、該両側縁部に、前記巻き上げ用糸3を挿通掛合する挿通掛合孔部6が、それぞれ所定間隔をあけて且つそれらを順次結ぶことによりスパイラル状線を形成するように複数個(本実施形態では8個)設けられており、前記巻き上げ用糸3は、その一端31が前記筒状体2の他端部22の近傍に止着され、前記挿通掛合孔部6に順次挿通掛合されて該筒状体2の外周面にスパイラル状に巻き付けられている。
【0009】
また、前記挿通掛合孔部6は、前記筒状体2の前記両側縁部を構成する前記帯状シート4,5の一方の面(帯状シート4)及び他方の面(帯状シート5)それぞれに、前記側縁部41・42、51・52の縁端から幅方向内方に向けて形成された一対の切り込み43・44、53・54と、該帯状シート4,5の一方の面(帯状シート4)及び他方の面(帯状シート5)それぞれの両切り込み43・44、53・54近傍を接合してなる接合部7とにより形成されており、前記一対の切り込み43・44、53・54は、前記筒状体2の長手方向に対する角度が異なっており且つ両切り込み43・44、53・54の端縁が該筒状体2の前記側縁部の縁端においてずれている。
【0010】
本実施形態の毛髪保持具1について詳述する。毛髪保持具1は、図1に示すように、細長筒形状で、扁平な略楕円形状の断面を有する筒状体2からなる。筒状体2は、一端部21及び他端部22を有しており、各端部は開口している。一端部21は毛髪Hの取り込み口となっている。毛髪Hは、筒状体2内に取り込み口21から挿入されて保持される(図2参照)。筒状体2の長さは、処理すべき毛髪の長さに応じて適切な長さとされている。筒状体2の長さは一般に50〜600mm程度の範囲である。
【0011】
毛髪保持具1を構成する筒状体2は、2枚の帯状シート4,5がそれらの両側縁部41・42、51・52同士で接合されて形成されている。該帯状シート4,5の幅L1〔図1(b)参照〕は、好ましくは5〜200mm、更に好ましくは10〜90mmである。
【0012】
本実施形態の毛髪保持具1の筒状体2には、図1に示すように、その外周面に、筒状体2の巻き上げ用の巻き上げ用糸3がスパイラル状に巻き付けられている。巻き上げ用糸3は、筒状体2内に挿入された状態の毛髪を、該筒状体2ごと巻き上げる手段として用いられる。本明細書において巻き上げとは、毛髪に所定のくせ付けをすること全般を意味し、本来の巻き上げに加えて例えば湾曲や屈曲なども包含される。
【0013】
巻き上げ用糸3は、筒状体2の両側縁部に、それぞれ所定間隔をあけて設けられた複数の挿通掛合孔部6に順次挿通掛合されている。
挿通掛合孔部6は、前記一方の帯状シート4の両側縁部に形成された切り込み43・44と、前記他方の帯状シート5の両側縁部に形成された切り込み53・54と、両帯状シート4,5それぞれの両側縁部41・42、51・52の接合部7とにより形成されている。本実施形態における前記切り込み43・44、53・54は、何れもスリットである。挿通掛合孔部6は、巻き上げ用糸3が挿通できる程度の大きさがあればよい。筒状体2の長手方向に隣接する挿通掛合孔部6間の該長手方向に沿う間隔M〔図1(a)参照〕は、筒状体2をスムーズに巻き上げし得るスパイラル形状で、巻き上げ用糸3を筒状体2に巻き付ける上で、好ましくは25〜300mm、更に好ましくは40〜80mmである。接合部7の幅L2〔図1(b)参照〕は、好ましくは1〜195mm、更に好ましくは2〜5mmである。
【0014】
取り込み口21には、合成樹脂製のリング状部材及びシート部材からなる取り込み口補強部材8が設けられており、取り込み口21及びその近傍の部位が、筒状体2における他の部位よりも高剛性となされている。これによって、毛髪を取り込む際に、取り込み口21に毛髪Hや毛髪挿入具10(後述、図2参照)が引っ掛かったとしても取り込み口21が変形し難くなり、毛髪を取り込み易くなる。
【0015】
帯状シート4,5について更に説明する。接合前の一方の帯状シート4には、一方の側縁部41に、その側縁端から幅方向内方に延びる切り込み43が、長手方向に所定間隔で複数個(本実施形態では4個)形成されている。また、前記一方の帯状シート4の他方の側縁部42に、その側縁端から幅方向内方に延びる切り込み44が、長手方向に所定間隔で複数個(本実施形態では4個)形成されている。
【0016】
また、接合前の他方の帯状シート5の一方の側縁部51及び他方の側縁部52それぞれに、その側縁端から幅方向内方に延びる切り込み53、54が、前記一方の帯状シート4の前記切り込み43,44に対応する位置に形成されている。
そして、一方の帯状シート4の切り込み43,44と、該切り込み43,44に対応する他方の帯状シート5の切り込み53,54とは、接合後における前記筒状体2の長手方向(接合前における帯状シート4,5の長手方向)に対する角度が異なっている。
そのため、接合後において、図1に示すように、一方の縁端部41,51における両切り込み43,53の外端部が該筒状体2の側縁端においてずれており、他方の縁端部42,52における両切り込み44,54の外端部が該筒状体2の側縁端においてずれている。
【0017】
一方の帯状シート4の切り込み43・44及び他方の帯状シート5の切り込み53・54が、前述のように形成されている第1の理由は、両帯状シート4,5の両側縁部41・42、51・52を接合して接合部7を形成することにより、該接合部7と該切り込みとから前記挿通掛合孔部6を形成するためである。第2の理由は、毛髪保持具の製造時において、仮接合した2枚の帯状シート4,5における切り込みに巻き上げ用糸3を一旦挿入掛合したときに該巻き上げ用糸3が外れ難くするためである。第3の理由は、前記特許文献1及び2記載の毛髪保持具のような、糸挿通部の強度不足を解消するためである。
【0018】
一方の帯状シート4の一方の側縁部41の切り込み43と、他方の帯状シート5の一方の側縁部51の切り込み53とのなす角度φ〔図1(b)参照〕は、好ましくは180°未満、更に好ましくは10〜90°である。他方の帯状シート4の他方の側縁部42の切り込み44と、他方の帯状シート5の他方の側縁部52の切り込み54とのなす角についても、前記角度φと同様の範囲が好ましい。
【0019】
また、一方の帯状シート4の一方の側縁部41の切り込み43の該側縁部41に対する角度θ〔図1(b)参照〕、即ち、筒状体2の長手方向に対する切り込み43の角度は、製造時において巻き上げ用糸3を切り込み43,44に挿入しやすくするために、好ましくは90°以下、更に好ましくは20〜60°である。一方の帯状シート4の他方の側縁部42の切り込み44の該側縁部42に対する角度についても、前記角度θと同様の範囲が好ましい。
【0020】
また、他方の帯状シート5の一方の側縁部51の切り込み53の該側縁部51に対する角度、即ち、筒状体2の長手方向に対する切り込み53の角度は、好ましくは90°以下、更に好ましくは20〜60°である。他方の帯状シート5の他方の側縁部52の切り込み54の該側縁部52に対する角度についても同様の範囲が好ましい。
【0021】
帯状シート4,5を構成する材料としては、各種可撓性材料が用いられる。その例としては、不織布、多孔性又は非多孔性の樹脂フィルム、紙、金属板又はこれらの複合体などが挙げられ、具体的用途に応じて適切な材料が選択される。例えば、筒状体2内に挿入された状態の毛髪に対して筒状体2の外部から毛髪処理剤を施したいときには、該毛髪処理剤に対して透過性を有する材料を用いればよい。また、挿入されている毛髪のみに毛髪処理剤を施したいときには、該毛髪処理剤に対して非透過性を有する材料を用いればよい。本実施形態においては、不織布からなる帯状シートを用いている。
また、帯状シート同士の接合には、ヒートシール、超音波シール、接着剤、粘着テープ、縫製などが用いられ、本実施形態においては、ヒートシールにより接合されている。
【0022】
巻き上げ用糸3は、図1に示すように、その一端31が筒状体2の他端部22近傍に止着されている。本実施形態においては、最も他端部22寄りに位置する挿通掛合孔部6の位置において引き抜かれないよう止着されている。巻き上げ用糸3の固定には、ホットメルト、ヒートシール、接着剤などが用いられ、本実施形態においては、ホットメルトにより固定されている。
【0023】
また、巻き上げ用糸3は、その他端32が筒状体2の最も取り込み口21寄りに位置する挿通掛合孔部6の位置において、自由状態になっている。これによって、巻き上げ用糸3の他端32を引っ張ると、筒状体2は、スパイラル状に変形することになる(詳細については更に後述する)。巻き上げ用糸3の他端32近傍には、使用時の便宜上、糸留め91及びタグ92が取り付けられており、該他端32近傍は、糸留め91により筒状体2の取り込み口21に仮止着されており、更に、タグ92により筒状体2の取り込み口21の外表面に仮止着されている。
使用時においては、タグ92及び糸留め91と筒状体2との仮止着を引き外して、巻き上げ用糸3を他端32側から引っ張ることができる。
【0024】
巻き上げ用糸3は、これを引っ張って毛髪の巻き上げ操作を行うときに、引きちぎれない程度の強度及び巻き上げ操作を円滑に行い得る柔軟性を有していることが好ましく、この点から、各種樹脂などの合成物、木綿や麻などの天然物、レーヨンなどの半天然物、各種金属、又はこれらの複合体などから構成されていることが好ましい。また、巻き上げ用糸3は、糸状のものに限られず、例えば細長い帯状のものであってもよい。
【0025】
次に、前述の図1に示す実施形態の毛髪保持具の使用方法について、図2を参照しながら説明する。
本実施形態の毛髪保持具1は、図2に示すように、先端に毛髪のフック部11を有する毛髪挿入具10と組み合わせて用いると、毛髪保持具内への毛髪Hの挿入が容易となる。この毛髪挿入具10は、図2に示すように、細長形状の把持部12と、該把持部12の先端に取り付けられたフック部11とを備えている。フック部11は、毛髪保持具1内に挿入される毛髪を引っ掛けるために用いられ、変形可能になされている。
【0026】
毛髪挿入具10は、図2に示すように、毛髪挿入具10のフック部11を筒状体2の取り込み口21側に向けて挿入された状態で使用される。使用に先立ち、毛髪挿入具10のフック部11を、筒状体2の取り込み口21から突出させる。そして、フック部11に所望量の毛髪を引っ掛け、この状態下に毛髪挿入具10の他端部から引き出されている毛髪挿入具10の把持部12を引っ張る。これによって、フック部11に引っ掛けられている毛髪Hがフック部11と共に筒状体2内に挿入される。
【0027】
フック部11が筒状体2内に引き入れられると、該筒状体2内の所定位置において、フック部11による毛髪Hの引っ掛けが解除され、毛髪Hは筒状体2内に円滑に挿入される。フック部11は、筒状体2の他端部22から筒状体2の外に引き出される。
【0028】
本実施形態の毛髪保持具1の一使用方法について、パーマネント処理を例にとり図2を参照しながら説明する。先ず図2(a)に示すように、筒状体2内に毛髪挿入具10を挿入し、該毛髪挿入具10のフック部11を、筒状体2の取り込み口21から突出させる。そして、筒状体2の他端部22から、毛髪挿入具10の把持部12の端部を引き出す。
この状態下に、毛髪挿入具10のフック部11に所望量の毛髪Hを通して引っ掛ける。
【0029】
次に図2(b)に示すように、筒状体2の取り込み口21付近の位置を一方の手(図示せず)で軽く押さえる。また筒状体2の他端部22から引き出されている毛髪挿入具10の把持部12の端部を他方の手(図示せず)で把持し、毛髪挿入具10を筒状体2の外に引き出す。その操作によって、フック部11に引っ掛けられていた毛髪Hが首尾良く筒状体2の筒状体2内に挿入、収納される。
【0030】
次に、図2(c)に示すように、筒状体2の取り込み口21付近の位置を一方の手(図示せず)で軽く押さえる。この状態下に、筒状体2の外側面に巻き付けられている巻き上げ用糸3の一端32(自由端)を引っ張る。巻き上げ用糸3の一端32は、タグ92を介して筒状体2に仮止着されているが、該タグ92を筒状体2から引き剥がせばよい。すると図2(d)に示すように、毛髪Hは筒状体2と共にスパイラル状に巻き上げられて、小さく纏められる。
【0031】
次に、この状態を保持するために、筒状体2から引き出されている巻き上げ用糸3の根元を糸留め91で係止する。
この状態下に、筒状体2に向けて第1のパーマネント処理剤(還元剤)を付与する(図示せず)。筒状体2はパーマネント処理剤に対して透過性の材料から構成されているので、パーマネント処理剤は筒状体2を透過して毛髪に施される。
【0032】
所定時間放置後、筒状体2に向けて第2のパーマネント処理剤(酸化剤)を付与し、再び所定時間放置する。これによって、筒状体2内に挿入されている毛髪Hに対して、その巻き上げ形態のパーマネントウエーブが掛けられる。その後、巻き上げ用糸3に取り付けられた糸留め91を外し、毛髪Hの巻き上げ状態を解除する。引き続き毛髪Hを筒状体2から取り出し、すすぎ洗いをし、更にシャンプー及びブローをする。
【0033】
所望により以上の操作を繰り返し、所定時間放置する。その後、巻き上げ用糸3に取り付けた糸留め91を外し、毛髪の巻き上げ状態を解除する。引き続き毛髪Hを筒状体2から取り出し、すすぎ洗いをし、更にシャンプー及びブローをする。
【0034】
このように、本実施形態の毛髪保持具によれば、毛髪の巻き上げを極めて簡単に且つ短時間で行うことができ、被挿入物である毛髪に所定の形状を容易に付与することができる。
また、本実施形態の毛髪保持具によれば、挿通係合孔部が一対の切り込みと帯状シートの該切り込み近傍を接合してなる接合部とにより形成されているため、前記特許文献1及び2記載の毛髪保持具のような、糸挿通部の強度不足を解消することができる。
そして、本実施形態の毛髪保持具によれば、かかる構成の毛髪保持具を、特に巻き上げ用糸の巻き付けの点で、容易に形成することができる。
【0035】
図1に示す実施形態においては、筒状体2は、2枚の帯状シート4,5がそれらの両側縁部同士で接合されて断面が扁平状に形成され、前記筒状体2の両側縁部を構成する帯状シートの一方の面及び他方の面は、一方の帯状シート4及び他方の帯状シート5から形成されているが、本発明の形状付与具(毛髪保持具)においては、筒状体は、斯る構成に制限されない。以下に、他の実施形態について説明する。
尚、以下の説明において特に説明しない点については、図1に示す実施形態における説明が適宜適用され、各構成部材の符合については同じ符合を付してある。
【0036】
図3に示す実施形態の毛髪保持具においては、筒状体2は、1枚の帯状シート4Aがその長手方向中心線〔図3(a)に示すO−O’線〕で折り返され、その両側縁部が接合されて形成されている。
詳述すると、本実施形態の毛髪保持具においては、筒状体2は、1枚の帯状シート4Aから形成されている。該帯状シート4Aは、一方の帯状シート4及び他方の帯状シート5を長手方向側縁部で接合した形態を有しており、筒状体2の幅の略2倍の幅を有する矩形状である。尚、中心線O−O’は、帯状シート4Aの長手方向中心線、即ち、一方の帯状シート4と他方の帯状シート5との境界線をとなる。
【0037】
帯状シート4における前記中心線O−O’側の長手方向側縁部には、一方の切り込み43が長手方向に所定間隔を置いて形成されており、帯状シート4における他方の長手方向側縁部には、他方の切り込み44が長手方向に所定間隔を置いて形成されている。一方の切り込み43と他方の切り込み44とは、ジグザグな位置に配置している。
【0038】
また、他方の帯状シート5にも、一方の帯状シート4と同様に、長手方向両側縁部にそれぞれ切り込み53、54が長手方向に所定間隔を置いて且つジグザグな位置に形成されている。
更に、一方の帯状シート4の切り込み43における中心線O−O’側の端縁と、他方の帯状シート5の切り込み53における中心線O−O’側の端縁とは、中心線O−O’上の接続切り込み43’により接続され、該切り込み43と該連続切り込みと該切り込み53とが連続的な切り込みを形成している。
【0039】
一方の帯状シート4の切り込み43,44と他方の帯状シート5の切り込み53,54とは、1枚の帯状シート4Aを中心線O−O’で折り返すと、切り込み43と切り込み53とが略一致し、切り込み44と切り込み54とが略一致するようになっている。また、切り込み43と切り込み53とは帯状シート4Aの長手方向となす角度が異なり、切り込み44と切り込み54とは該長手方向となす角度が異なっている。
【0040】
本実施形態の毛髪保持具においては、前述の構成を有する1枚の帯状シート4Aから筒状体2が形成されており、そのため、帯状シート4Aを中心線O−O’で折り返すと、図1に示す実施形態における筒状体2(接合部7が形成されておらず、巻き上げ用糸3が巻き付けられていない状態のもの)と同様の構成の筒状体(図示せず)が得られる。
【0041】
そして、斯る状態の筒状体2に巻き上げ用糸3を巻き付け、その状態で、図3(b)に示すように、一方の帯状シート4の両側縁部41及び42と、他方の帯状シート5の両側縁部51及び52とをそれぞれ接合し、帯状シート4,5の両側縁部に接合部7を形成すると、図1に示す実施形態の同様の構成を有する毛髪保持具が得られる。
【0042】
図1に示す実施形態及び図3に示す実施形態においては、筒状体は断面が扁平状に形成されているが、本発明の形状付与具(毛髪保持具)においては、筒状体は断面が多角形状に形成されていてもよい。
図4に示す実施形態の毛髪保持具1においては、筒状体2は断面が三角形状である。詳述すると、本実施形態の毛髪保持具1における筒状体2は、図4(a)及び(b)に示すように、3枚の帯状シート4A、4B及び4Cがそれらの側縁部同士で接合されて形成されており、筒状体2の各角部に挿通係合孔部6が形成されている。
【0043】
第1の帯状シート4Aにおける一方及び他方の側縁部41A、41Aには、図1に示す実施形態及び図3に示す実施形態と同様に、複数個の切り込み43Aが所定間隔を置いて且つジグザグな位置に形成されている。同様に、第2の帯状シート4Bにおける一方及び他方の側縁部41B、41Bには、複数個の切り込み43Bが所定間隔を置いて且つジグザグな位置に形成されている。更に、第3の帯状シート4Cにおける一方及び他方の側縁部41C、41Cには、複数個の切り込み43Cが所定間隔を置いて且つジグザグな位置に形成されている。
そして、3枚の帯状シート4A、4B及び4Cの両側縁部に形成された各切り込み43A、43B及び43Cは、該両側縁部を所定位置で接合すると、対応する各切り込みが略一致するようになっている。略一致した一対の切り込みは、図1に示す実施形態及び図3に示す実施形態と同様に、筒状体2の長手方向となす角度が異なっている。
【0044】
本実施形態の毛髪保持具においては、筒状体2は、前述の構成を有する3枚の帯状シート4A、4B及び4Cがそれらの両側縁部同士で接合されて、断面が三角形状に形成されている。
そして、斯る状態の筒状体2に巻き上げ用糸3を巻き付け、その状態で、3枚の帯状シート4A、4B及び4Cがそれらの側縁部同士を接合し、各角部に接合部7を形成すると、三角形状断面の筒状体2からなる毛髪保持具1が得られる。
【0045】
図4に示す実施形態においては、3枚の帯状シートで三角形状断面の筒状体2を形成しているが、三角形状断面の筒状体は、図5に示すように、該三角形の一辺と略同一幅の帯状シート4Bと該三角形の一辺の略2倍幅の帯状シート4A・4Cとの組合せで形成することができる。
本実施形態における幅広の帯状シート4A・4Cの折り返し部分(図5における右下に位置する角部)の構成は、図3に示す実施形態における帯状シートの折り返し部分の構成と略同じである。
【0046】
図6に示す実施形態の毛髪保持具においては、筒状体の断面が六角形状である。本実施形態の毛髪保持具は、筒状体の断面形状が異なる以外は、図4に示す実施形態の毛髪保持具と同様の構成を有している。
筒状体2を構成する6枚の帯状シート4A、4B、4C、4D、4E及び4Fの両側縁部には、図4に示す実施形態と同様に、それぞれ、切り込み43A、43B、43C、43D、43E及び43Fが所定間隔を置いて且つジグザグな位置に形成されている。
【0047】
そして、6枚の帯状シート4A、4B、4C、4D、4E及び4Fの両側縁部に形成された各切り込み43A、43B、43C、43D、43E及び43Fは、該両側縁部を所定位置で接合すると、対応する各切り込みが略一致するようになっている。略一致した一対の切り込みは、図4に示す実施形態と同様に、筒状体2の長手方向となす角度が異なっている。
【0048】
本実施形態の毛髪保持具においては、筒状体2は、前述の構成を有する6枚の帯状シート43A、43B、43C、43D、43E及び43Fがそれらの両側縁部同士で接合されて、断面が六角形状に形成されている。
そして、斯る状態の筒状体2に巻き上げ用糸3を巻き付け、その状態で、6枚の帯状シート43A、43B、43C、43D、43E及び43Fがそれらの側縁部同士を接合し、各角部に接合部7を形成すると、筒状体2の断面が六角形である以外は、図4に示す実施形態と同様の構成を有する毛髪保持具1が得られる。
【0049】
以上、本発明の形状付与具の好ましい一実施形態として、毛髪保持具について説明したが、本発明の形状付与具は、前述した毛髪保持具に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更が可能である。
前記実施形態の毛髪保持具においては、一方の帯状シートの切り込みの内端部と他方の帯状シートの内端部とが一致しているが、本発明の形状付与具においては、両切り込みが交差していてもよく、両内端部が若干離れていてもよい。また、帯状シートの切り込みは若干の幅を有していてもよい。
【0050】
本発明の形状付与具においては、筒状体は、図3に示す実施形態のように、1枚の帯状シートから形成されていてもよく、図1、図4〜図6に示す実施形態のように、2枚以上の帯状シートから形成されていてもよい。
また、筒状体は、図1及び図3に示す実施形態のように、断面が扁平状のものでもよく、図4〜図6に示す実施形態のように、断面が多角形(三角形以上)状のものでもよい。
【0051】
また、扁平状断面の筒状体における両側縁部又は多角形状断面の筒状体における各角部は、帯状シートが折り返されて形成されていてもよく、帯状シートの接合部が接合されて形成されていてもよい。即ち、一対の切り込みの形成される帯状シートの一方の面及び他方の面は、2枚の帯状シートで構成されていてもよく、1枚の帯状シートが折り返されて形成されていてもよい。従って、例えば、1枚の帯状シートで三角形状断面の筒状体が形成されていてもよく、4枚の帯状シートで六角形状断面の筒状体が形成されていてもよい。
本発明の形状付与具は、前述の毛髪保持具に制限されず、例えば、本形状付与具で形状を付与した布片を染色剤に浸す染色法(絞り染め)や食品加工時における形状付与(例えば、ソーセージ等の形状付与)等に用いることができる。
【0052】
本発明の形状付与具を毛髪保持具として用いた場合において、筒状体が染毛剤に対して非透過性の材料から構成されているときには、毛髪をこの筒状体内に挿入した後、取り込み口から染毛剤を供給し、毛髪の全体に行き渡らせるようにして使用することができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の形状付与具によれば、筒状体の挿入された被挿入物に所定の形状を簡便な操作で付与することができ、従来、問題であった糸挿通部の強度低下を解消することができる。また本発明の形状付与具によれば、筒状体の外周面に巻き上げ用糸がスパイラル状に巻き付けられた形状付与具を、特に巻き上げ用糸の巻き付けの点で、容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の形状付与具の一実施形態である毛髪保持具を示す図で、(a)はその全体の正面斜視図、(b)は切り込み近傍の拡大正面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態である毛髪保持具の一使用態様を示す模式的斜視図である。
【図3】図3は、毛髪保持具の他の実施形態を示す図で、(a)は展開状態の帯状シートを模式的に示す斜視図、(b)は筒状体の端面を模式的に示す端面図である。
【図4】図4は、毛髪保持具の更に他の実施形態を示す図で、(a)は模式的斜視図、(b)は筒状体の端面を模式的に示す端面図である。
【図5】図5は、毛髪保持具の更に他の実施形態における筒状体の端面を模式的に示す端面図〔図4(b)対応図〕である。
【図6】図6は、毛髪保持具の更に他の実施形態を示す図で、(a)は模式的斜視図、(b)は筒状体の端面を模式的に示す端面図である。
【符号の説明】
1 毛髪保持具
2 筒状体
21 取り込み口(一端部)
22 他端部
3 巻き上げ用糸
31 一端
32 他端
4,5 帯状シート
41,42,51,52 側縁部
43,44,53,54 切り込み
6 挿通掛合孔部
7 接合部
10 毛髪挿入具
11 フック部
12 把持部
H 毛髪
Claims (7)
- 一端部に被挿入物の取り込み口を有し該取り込み口から被挿入物を挿入可能な筒状体と、該筒状体の巻き上げ用の巻き上げ用糸とを備え、前記筒状体は、1枚又は2枚以上の帯状シートがその側縁部で接合されて断面が扁平状又は多角形状に形成されており、前記筒状体の両側縁部又は各角部は、該帯状シートが折り返されるか又は該帯状シートの側縁部が接合されて形成されており、該両側縁部又は該各角部に、前記巻き上げ用糸を挿通掛合する挿通掛合孔部が、それぞれ所定間隔をあけて且つそれらを順次結ぶことによりスパイラル状線を形成するように複数個設けられており、前記巻き上げ用糸は、その一端が前記筒状体の他端部の近傍に止着され、前記挿通掛合孔部に順次挿通掛合されて該筒状体の外周面にスパイラル状に巻き付けられており、
前記挿通掛合孔部は、前記筒状体の前記両側縁部又は前記各角部を構成する前記帯状シートの一方の面及び他方の面それぞれに、該側縁部又は該角部の縁端から幅方向内方に向けて形成された一対の切り込みと、該帯状シートの一方の面及び他方の面それぞれの両切り込み近傍を接合してなる接合部とにより形成されており、
前記一対の切り込みは、前記筒状体の長手方向に対する角度が異なっており且つ両切り込みの端縁が該筒状体の前記側縁部又は前記角部の縁端においてずれている形状付与具。 - 前記帯状部材の一方の面の前記切り込みと前記帯状部材の他方の面の前記切り込みとのなす角度が、180°未満である請求項1記載の形状付与具。
- 前記筒状体の長手方向に対する前記帯状部材の一方の面の前記切り込みの角度が、90°以下である請求項1又は2記載の形状付与具。
- 前記筒状体は、1枚の帯状シートが折り返されてその側縁部で接合されるか又は2枚の帯状シートがそれらの両側縁部で接合されて、断面が扁平状に形成されている請求項1〜3の何れかに記載の形状付与具。
- 前記筒状体は、1枚又は2枚若しくは3枚の帯状シートの側縁部が接合されて、断面が三角形状に形成されている請求項1〜3の何れかに記載の形状付与具。
- 前記筒状体は、1枚又は2枚〜6枚の帯状シートの側縁部が接合されて、断面が六角形状に形成されている請求項1〜3の何れかに記載の形状付与具。
- 前記被挿入物は毛髪であり、毛髪保持具として使用される請求項1〜6の何れかに記載の形状付与具。
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