JP4271017B2 - 毛髪保持具 - Google Patents

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本発明は、パーマ等により毛髪にカールを付与する場合に、毛髪束を所定の形状に巻回するときの補助具として用いられる毛髪保持具に関する。
下記特許文献1及び特許文献2には、本出願人による「一端部に毛髪取り込み口を有し該毛髪取り込み口から毛髪を挿入可能な筒状体と、該筒状体の巻き上げ用の巻き上げ用糸とを備え、前記筒状体の周面には、前記巻き上げ用糸を挿通する小孔が、スパイラル状に間欠的に設けられており、前記巻き上げ用糸は、その一端が該筒状体の他端部の近傍に止着され、前記小孔に順次挿通されて前記筒状体の外周面にスパイラル状に巻き付けられている毛髪保持具」が記載されている。
この毛髪保持具によれば、毛髪が筒状体の内部に挿入された状態で前記巻き上げ用糸の他端を引っ張ることにより、該毛髪を該筒状体ごと巻き上げることができ、簡便な操作で毛髪の巻き上げを行うことができる。
特開2003−33216号公報 国際公開第03/007752号パンフレット
しかし、前記毛髪保持具においては、筒状体を巻き上げた状態において、毛髪が筒状体内に充分な力で押さえ付けられておらず、毛髪がずれ易く、巻き位置の調整がし難い。更には、ハンドリング時やすすぎ時に毛髪が筒状体から外れることもある。
従って、本発明の目的は、筒状体を巻き上げた状態において、毛髪を筒状体内に充分な力で押さえ付けることができ、毛髪がずれ難く、毛髪が筒状体から外れ難い毛髪保持具を提供することにある。
本発明は、一端の開口部から他端の開口部に向けて毛髪束を挿通可能にシートにより構成された扁平な筒状体からなり、前記扁平な筒状体の一面を形成するシート又は他面を形成するシートの幅方向中央部に、高剛性を有する高剛性部が配されている毛髪保持具を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の毛髪保持具によれば、筒状体を巻き上げた状態において、毛髪を筒状体内に充分な力で押さえ付けることができ、毛髪がずれ難く、毛髪が筒状体から外れ難い。
以下、本発明の毛髪保持具を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本実施形態の毛髪保持具は、図1に示すように、一端の開口部21から他端の開口部22に向けて毛髪束H(図2参照)を挿通可能にシート3,4により構成された扁平な筒状体2からなり、前記扁平な筒状体2の一面を形成するシート3及び他面を形成するシート4の幅方向中央部に、高剛性を有する高剛性部5が、該シート3,4の長手方向に沿って配されている。
本実施形態の毛髪保持具1について詳述する。本実施形態の毛髪保持具1における筒状体2は、図1に示すように、一面を形成するシート(以下「一面シート」ともいう)3及び他面を形成するシート(以下「他面シート」ともいう)4からなる。両シート3,4は、帯状シートであり、その両側端部同士が接着されて、扁平の筒状体2を形成している。
筒状体2の大きさは、毛髪の長さやくせ付けしたい場所、挿入する毛髪束の量に応じて適宜選択される。
一面シート3,他面シート4を形成する材料としては、各種可撓性材料が用いられる。その例としては、不織布、織物、編み物、多孔性又は非多孔性の樹脂フィルム、紙、樹脂ネット又はこれらの複合体などが挙げられ、具体的用途に応じて適切な材料が選択される。例えば、筒状体2内に挿入された状態の毛髪に対して筒状体2の外部から毛髪処理剤を施したいときには、該毛髪処理剤に対して透過性を有する材料を用いればよい。また、挿入されている毛髪のみに毛髪処理剤を施したいときには、該毛髪処理剤に対して非透過性を有する材料を用いればよい。本実施形態においては、毛髪処理剤に対して透過性を有する不織布が用いられている。
また、シート同士の接合には、ヒートシール、超音波シール、接着剤、粘着テープ、縫製などが用いられ、本実施形態においては、ヒートシールにより接合されている。
シートの厚みは、特に限定されないが、好ましくは5μm〜500μmである。シートのテーバーこわさ及び厚みは、シート全体で均一の方が好ましい。
一面シート3及び他面シート4における外表面の幅方向中央部には、それぞれ高剛性部5が形成されている。
高剛性部5は、一面シート3及び他面シート4の外表面に、一面シート3及び他面シート4とは別体で、両シート3,4と略同じ長さを有するリブ51が貼着されて形成されている。即ち、本実施形態においては、高剛性部5は、シート3,4の長手方向に連続的に配されており、また、高剛性部5は、一面シート3及び他面シート4それぞれにおける対向する位置に配されている。
高剛性部5がシート3,4の長手方向に連続的に配されていると、筒状体2を巻き上げた状態における屈曲部分の位置にかかわらず、高剛性部5が該屈曲部分に配置することになる点で好ましい。
リブ51を形成する材料としては、各種可撓性材料が用いられる。その例としては、樹脂フィルム、紙、金属板又はこれらの複合体などが挙げられ、一面シート3の剛性、他面シート4の剛性、リブの剛性、リブの本数・配置、毛髪保持具の用途等に応じて、後述する本発明の効果を奏し得る材料が用いられる。
リブ51の長手方向のテーバーこわさは、高剛性部としての充分な高剛性を得る上で、好ましくは0.4mN・m以上である。該「テーバーこわさ」は、JIS P8125に規定される「こわさ試験方法」により測定されるテーパーこわさである。
リブ51の幅は、筒状体2全体の巻き上げ性を阻害しないことを考慮すると、筒状体2の幅の1/2以下であることが好ましい。
また、本実施形態の毛髪保持具1においては、図1に示すように、筒状体2を構成するシート3,4に、該筒状体2の巻き上げ用の巻き上げ用糸7を挿通案内する複数個の挿通孔部6A,6Bが設けられており、巻き上げ用糸7は、その一端が筒状体2の他端の開口部22の近傍に止着され、挿通孔部6A,6Bに順次挿通案内されて該筒状体2の外周面にスパイラル状に巻き付けられている。
巻き上げ用糸7は、筒状体2内に挿入された状態の毛髪H(図2参照)を、該筒状体2ごと巻き上げる手段として用いられる。本発明において巻き上げとは、毛髪に所定のくせ付けをすること全般を意味し、本来の巻き上げ(スパイラル状の巻き上げ)に加えて例えば湾曲や屈曲なども包含される。
巻き上げ用糸7は、図1に示すように、一面シート3及び他面シート4における左右両側部に互い違いに形成された挿通孔部6A,6Bに、ジグザグの軌跡を描くように挿通されることで、筒状体2に取り付けられている。詳細には、筒状体2は、その左右両側部に第1の挿通孔部6Aからなる第1の挿通孔部列と、第2の挿通孔部6Bからなる第2の挿通孔部列とを有している。第1の挿通孔部列における隣り合う挿通孔部6A,6Aの間隔は一定になっている。第2の挿通孔部列においても同様であり、その間隔は第1の挿通孔部列と同じになっている。そして、各挿通孔部列における挿通孔部6A,6Bは、互いに半ピッチずれるように互い違いに配置されている。
巻き上げ用糸7は、図1に示すように、一面シート3から他面シート4に向けて最も下部に位置する第2の挿通孔部6Bに挿通され、その位置から斜め左上方に位置する第1の挿通孔部6Aに向けて、他面シート4の表面に沿って配されている。そして、第1の挿通孔部6Aにおいて、他面シート4から一面シート3に向けて挿通されている。第1の挿通孔部6Aに挿通された巻き上げ用糸7は、その位置から斜め右上方に位置する第2の挿通孔部6Bに向けて、一面シート3の表面に沿って配されている。以後この挿通が繰り返される。その結果、巻き上げ用糸7はジグザグの軌跡を描くことになる。
巻き上げ用糸7は、筒状体2に形成された挿通孔部6A,6Bのうち、最も下部に位置する挿通孔部(図1においては、第2の挿通孔部列における最も下部に位置する第2の挿通孔部6B)の位置において、筒状体2に固定されて、引き抜かれないようになされている(図1の「83」は止着部分を示す)。一方、筒状体2における最も上部に位置する挿通孔部(図1においては、第1の挿通孔部列の最も上部に位置する第1の挿通孔部6A)においては、巻き上げ用糸7は自由状態になっている。これによって、巻き上げ用糸7の他端を引っ張ると、筒状体2は、スパイラル状に変形することになる(これについては更に後述する)。
巻き上げ用糸7の他端は、タグ81が形成されている。タグ81は、巻き上げ用糸7を引張る際のツマミの役目を有している。
巻き上げ用糸7の他端近傍には、糸留め82が取り付けられている。糸留め82は、巻き上げ用糸7に沿って移動自在になっていると共に、所定位置で固定できるようになっている。そのため、筒状体2を巻き上げた状態において、糸留め82を最も上部に位置する挿通孔部6A近傍に移動し、その位置で固定することにより、筒状体2の巻き上げ状態を容易に維持できるようになっている。また、糸留め82は、巻き上げ用糸7の他端が最も上部に位置する挿通孔部6Aに引き込まれるのを防止するためのストッパーの役目も有している。
巻き上げ用糸7は、これを引っ張って毛髪の巻き上げ操作を行うときに、引きちぎれない程度の強度及び巻き上げ操作を円滑に行い得る柔軟性を有していることが好ましい。この点から、巻き上げ用糸7は各種樹脂などの合成物、木綿や麻などの天然物、レーヨンなどの半天然物、各種金属、又はこれらの複合体などから構成されていることが好ましい。また、巻き上げ用糸7は、糸状のものに限られず、例えば細長い帯状のものであってもよい。
筒状体2の側縁部23,24における所定位置には、図1に示すように、それぞれ、筒状体2の幅方向の切り込み9A、9Bが形成されている。筒状体2の一方の側縁部23に形成された切り込み9Aは、筒状体2の長手方向については隣接する第1の挿通孔部6A、6A間の中央に配置している。切り込み9Aは、筒状体2の幅方向については第2の挿通孔部6Bに対応する位置に配置している。
同様に、筒状体2の他方の側縁部24に形成された切り込み9Bは、筒状体2の長手方向については隣接する第2の挿通孔部6B、6B間の中央に配置しており、筒状体2の幅方向については第1の挿通孔部6Aに対応する位置に配置している。
本実施形態の毛髪保持具1の一使用方法について、パーマネント処理を例にとり図2を参照しながら説明する。先ず図2(a)に示すように、筒状体2内に毛髪挿入具10を挿入し、該毛髪挿入具10のフック部11を、筒状体2の一端の開口部21から突出させる。そして、筒状体2の他端の開口部22から、毛髪挿入具10の把持部12の端部を引き出す。
この状態下に、毛髪挿入具10のフック部11に所望量の毛髪Hを通して引っ掛ける。
次に、筒状体2の一端の開口部21付近の位置を一方の手(図示せず)で軽く押さえる。また筒状体2の他端の開口部22から引き出されている毛髪挿入具10の把持部12の端部を他方の手(図示せず)で把持し、図2(b)に示すように、毛髪挿入具10を筒状体2の外に引き出す。その操作によって、フック部11に引っ掛けられていた毛髪Hが首尾良く筒状体2の筒状体2内に挿入、収納される。
次に、筒状体2の一端の開口部21付近の位置を一方の手(図示せず)で軽く押さえる。この状態下に、図2(c)に示すように、筒状体2の外周面に巻き付けられている巻き上げ用糸7の一端(自由端)を引っ張る。すると図2(d)に示すように、毛髪Hは筒状体2と共にスパイラル状に巻き上げられて、小さく纏められる。
次に、この状態を保持するために、糸留め82を筒状体2の最も上部に位置する挿通孔部6A近傍に移動し、糸留め82を巻き上げ用糸7に係止して、筒状体2の巻き上げ状態を維持する。
この状態下に、筒状体2に向けて第1のパーマネント処理剤(還元剤)を付与する(図示せず)。筒状体2はパーマネント処理剤に対して透過性の材料から構成されているので、パーマネント処理剤は筒状体2を透過して毛髪Hに施される。
所定時間放置後、筒状体2に向けて第2のパーマネント処理剤(酸化剤)を付与し、再び所定時間放置する。これによって、筒状体2内に挿入されている毛髪Hに対して、その巻き上げ形態のパーマネントウエーブが掛けられる。その後、糸留め82を巻き上げ用糸7の他端側に移動し、毛髪Hの巻き上げ状態を解除する。引き続き毛髪Hを筒状体2から取り出し、すすぎ洗いをし、更にシャンプー及びブローをする。
本実施形態の毛髪保持具1によれば、筒状体2が所定の巻き上げ形状(スパイラル状)に巻き上げられた状態において、図2(d)及び図3に示すように、筒状体2に設けられた高剛性部5で筒状体2に挿入されている毛髪Hの屈曲部分を押圧することができる。そのため、筒状体2を巻き上げた状態において、毛髪Hを筒状体2内に充分な力で押さえ付けることができる。更には、ハンドリング時やすすぎ時に毛髪が筒状体から外れ難い。
また、本実施形態の毛髪保持具1においては、高剛性部5が一面シート3及び他面シート4それぞれにおける対向する位置に配されているため、毛髪Hの屈曲部分を高剛性部5で挟み込みように押圧され、毛髪Hの抜け易さが一層優れている。
また、本実施形態の毛髪保持具1においては、筒状体2の両側縁部23,24の所定位置に切り込み9A、9Bが形成されているため、シール部分の反発力が低下して巻上げが綺麗にできる。
以上、本発明の毛髪保持具の好ましい一実施形態について説明したが、本発明の毛髪保持具は、前述した毛髪保持具に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更が可能である。
高剛性部は、前記実施形態のように、筒状体の一面又は他面に、筒状体を形成するシートとは別体の高剛性部材(リブ等)を設けることにより形成することができ、また、筒状体2の一方の面又は他方の面を形成するシートの一部を肉厚にして、該シートにおけるその他の部分に比して高剛性にすることにより形成することもできる。即ち、筒状体を形成するシートの幅方向中央部に高剛性を有する部分が形成されていればよい。
高剛性部は、前記実施形態のように、筒状体の一面を形成するシート及び他面を形成するシートの両方に配されていてもよく、また、これらシートの何れか一方のみに配されていてもよい。
高剛性部は、前記実施形態の高剛性部5のように、筒状体を形成するシートの長手方向に1箇所のみ形成されていてもよく、また、図4に示す高剛性部5A、5B及び5Cのように、筒状体を形成するシートの長手方向に複数箇所(3箇所)形成されていてもよい。
高剛性部5は、前記実施形態のように、筒状体の長手方向に亘って連続的に形成されていてもよく、図5に示すように、筒状体の長手方向に亘って非連続的に(間欠的に)形成されていてもよい。非連続的に形成された高剛性部は、毛髪束が挿通された筒状体を所定の巻き上げ形状に変形させた際に、筒状体における屈曲部分を跨ぐ位置に配されていることが好ましい。
高剛性部(リブ)の形状は、長方形に限らず、正方形、ひし形、円形、楕円形等任意の形状をとることができる。ここで複数の高剛性部5の長手方向は、必ずしもシートの長手方向を向いている必要はなく、図6(a)に示すように巻き上げ用糸7に沿うように配しても良く、図6(b)に示すように巻き上げ用糸7を横断するようにシートの長手方向に対して交差する方向を向いていても良い。
筒状体を形成する一面シート及び他面シートは、1枚のシートから形成することができる。その場合、該1枚のシートをその幅方向中央部で長手方向に折り返して筒状体を形成すればよい。
図1は、本発明の毛髪保持具の一実施形態を示す正面斜視図である。 図2は、本発明の毛髪保持具の一実施形態の一使用態様を示す図で、(a)、(b)、(c)及び(d)は、それぞれ毛髪束の巻回手順を順次示す斜視図である。 図3は、図2(d)の拡大図(毛髪保持具のみ図示)である。 図4は、本発明の毛髪保持具の他の実施形態を示す正面斜視図である。 図5は、本発明の毛髪保持具の更に他の実施形態を示す正面斜視図である。 図6は、本発明の毛髪保持具の更に他の実施形態を示す正面斜視図である。
符号の説明
1 毛髪保持具
2 筒状体
21、22 開口部
3 一面を形成するシート
4 他面を形成するシート
5 高剛性部
51 リブ
6A、6B 挿通孔部
7 巻き上げ用糸
H 毛髪束

Claims (4)

  1. 一端の開口部から他端の開口部に向けて毛髪束を挿通可能にシートにより構成された扁平な筒状体からなり、
    前記扁平な筒状体の一面を形成するシート及び他面を形成するシートの幅方向中央部それぞれにおける対向する位置に、高剛性を有する高剛性部が配されており、
    前記高剛性部は、可撓性材料である毛髪保持具。
  2. 前記高剛性部は、毛髪束が挿通された前記筒状体を所定の巻き上げ形状に変形させた際に、前記筒状体における屈曲部分を跨ぐ位置に配されている請求項1記載の毛髪保持具。
  3. 前記高剛性部は、前記シートの長手方向に連続的に配されている請求項1又は2記載の毛髪保持具。
  4. 前記筒状体を構成するシートに、該筒状体の巻き上げ用の巻き上げ用糸を挿通案内する複数個の挿通孔部が設けられており、
    前記巻き上げ用糸は、その一端が前記筒状体の他端の開口部の近傍に止着され、前記挿通孔部に順次挿通案内されて該筒状体の外周面にスパイラル状に巻き付けられている請求項1〜の何れかに記載の毛髪保持具。
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