JP4274923B2 - 毛髪保持具 - Google Patents
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この毛髪保持具によれば、引伸状態の筒状体内に毛髪を挿入した後、筒状体の引伸状態を開放すれば、筒状体内に挿入された毛髪を、巻き上げ操作することなく容易に巻き上げることができる。
本実施形態の毛髪保持具1は、図1及び図2に示すように、一端から他端に向けて毛髪束H(図3参照)を配置させて保持可能に形成された保持体2からなり、前記保持体2は、所定の巻き上げ形状に巻き上がるようになされており且つ伸長状態を維持可能になされている。詳細には、保持体2は、一端の開口部21から他端の開口部22に向けて毛髪束Hを挿通可能にシート3,4により構成された扁平な筒状体からなる。
筒状体2の大きさは、毛髪の長さやくせ付けしたい場所、挿入する毛髪束の量に応じて適宜選択される。
シートの厚みは、特に限定されないが、好ましくは5μm〜500μmである。
渦巻ばね5は、図2(c)に示すようにその断面が直線状になっているときは、図2(d)に示すように、その上面51を内側にして渦巻状(ロール状)に巻き上がるようになされている。一方、渦巻ばね5は、図2(d)に示す渦巻状から図2(a)に示す伸長状態に伸長させ、その状態でその幅方向断面を、図2(b)に示すようにその巻き上げ方向とは反対方向に向けて凸状(下面52から上面51に向けた凸状)に変形することにより、渦巻状に巻き上がろうとする渦巻ばね5を拘束し、伸長状態を維持可能になされている。更に、渦巻ばね5は、伸長状態を維持している状態において、その断面を図2(c)に示すように直線状に変形することにより、渦巻ばね5に対する拘束を開放し、図2(d)に示すように再度渦巻状に巻き上がるようになされている。
渦巻ばね5としては、渦巻状に巻き上がるようになされており、伸長状態にしてからその幅方向断面を凸状に変形することにより伸長状態を維持可能になされているものであれば、各種材料を用いることができ、例えば、金属ばね、樹脂ばね等が挙げられる。本実施形態においては、渦巻状への巻き上げ力の強さ、耐久性等を考慮し、金属ばねを用いている。ばねは腐食防止の目的で樹脂によってコーティングされていても良い。
本実施形態の毛髪保持具1においては、渦巻ばね5が筒状体2に前述した構成で設けられているため、筒状体2は、渦巻ばね5の巻き上がりに伴い所定の巻き上げ形状(本実施形態では渦巻状)に巻き上がり、且つ渦巻ばね5の伸長状態の維持に伴い伸長状態を維持するようになされている。
渦巻ばね5の巻き上げ力は、毛髪束を挿入した状態の筒状体2に対し巻き上げ操作をしなくても巻き上げ可能な大きさが必要であり、筒状体2を形成するシートの剛性、長さ、幅、毛髪の長さやくせ付けしたい場所、挿入する毛髪束の量等に応じて適宜選択される。
本発明において巻き上げとは、毛髪に所定のくせ付けをすること全般を意味し、本来の巻き上げに加えて例えば湾曲や屈曲なども包含される。
毛髪束Hの量や得ようとするカール形状に応じて、適当な長さ及び幅を有する筒状体2からなる毛髪保持具1を用いる。
筒状体2が図1(c)に示す巻き上げ状態になっているときは、筒状体2を渦巻ばね5と共に伸長し、その状態で筒状袋部6内の渦巻ばね5を、その幅方向断面が図2(b)に示す巻き上げ方向とは反対方向の凸状となるように変形させる。これにより、渦巻ばね5の伸長状態が維持されて、筒状体2は伸長状態が維持される。
尚、筒状体2の開口部21から毛髪束Hを挿入させる際に、必要に応じ、該開口部21を真円状に開口した方が、毛髪束Hをスムーズに挿入させ易い。また、必ずしも、毛髪束Hの先端を筒状体2の他端の開口部22からはみ出させる必要はない。
従って、本実施形態の毛髪保持具1によれば、筒状体2内に挿入された毛髪Hを巻き上げ操作することなく巻き上げることができると共に、筒状体2内へ毛髪Hを容易に挿入することができる
一面シート3’には、その幅方向中央部にその長手方向全長に亘って折り目31が形成されている。そのため、一面シート3’を伸長した状態で、図4(b)に示すように該折り目31に沿って幅方向断面を巻き上げ方向とは反対に凸状に折り曲げると、一面シート3’の巻き上げ力が拘束され、図4(a)に示すように一面シート3’の伸長状態が維持できるようになっている。
渦巻状に巻き上がるシートとしては、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等で形成されたシートが挙げられる。
一面シート3’と他面シート4’とは、一面シート3’が他面シート4’とは反対側を内側にして巻き上がるように〔図4(c)参照〕、両シート3’,4’の両側縁部で接合され、筒状体2を形成している。
このように、第2実施形態においては、筒状体2の一面を形成するシート3’自体が渦巻状に巻き上がるようになされていることにより、第1実施形態のように筒状体を形成するシートとは別体の弦巻ばねを備えていなくても、筒状体2が巻き上がるようになっている。
このように、第2実施形態の毛髪保持具1は、第1実施形態と同様の、筒状体の巻き上げ及び伸長に関する特性を有しているため、第2実施形態の毛髪保持具1においても、第1実施形態と同様に、筒状体2内に挿入された毛髪を巻き上げ操作することなく巻き上げることができると共に、筒状体2内へ毛髪を容易に挿入することができる。
第3実施形態の毛髪保持具1においては、図5(a)に示すように、保持体2が1枚のシート3”からなる。
シート3”には、毛髪束Hを挿通保持する幅方向に延びる挿通孔32が、複数個(本実施形態では6個)長手方向に離間して形成されている。挿通孔32は、幅方向に延びる楕円形状を有している。挿通孔の形状は、毛髪束を挿通できれば、矩形状、スリット状等でもよい。また、シート3”は、渦巻状に巻き上がるようになされ、図5(b)に示すように、その幅方向中央部に折り目31が形成されており、該折り目31で折り曲げることにより伸長状態を維持可能になされている。即ち、第3実施形態におけるシート3”は、挿通孔32が形成されている以外は、図4に示す第2実施形態における一面シート3’と実質的に同じ構成からなる。
このように、第3実施形態の毛髪保持具においても、毛髪を巻き上げ操作することなく巻き上げることができると共に、保持体であるシート3”に毛髪を容易に配置することができる。
第4実施形態の毛髪保持具1は、図6(a)に示すように、巻き上がるようになされた前記シート3”における長手方向側縁部に、該シート3”とは別のシート4”が該長手方向側縁部を連設部33として一体的に設けられている。別のシート4”は、図6(b)に示すように、連設部33で折曲することにより、巻き上がるようになされた前記シート3”に重ね合わせられるようになされている。
即ち、第4実施形態の毛髪保持具における保持体2は、図5に示す第3実施形態における、巻き上がるようになされたシートと実質的に同じシート3”(挿通孔の個数が異なる)の長手方向側縁部に、別のシート4”が一体的に設けられて構成されている。
第4実施形態の毛髪保持具においては、第3実施形態の毛髪保持具に比して、別のシート4”が設けられているため、毛髪束Hをシート3”とシート4”とで挟んだ状態で巻き上げることができ、また巻き上げ時において毛髪束H同士が接触せず、良好なくせ付けをすることができる。
保持体の巻き上げ形態は、前記実施形態のような渦巻ばね状に制限されず、目的に応じ、蛇腹状、ジグザグ状、スパイラル状などの種々の形態とすることができる。
筒状体2は、その形成方法について特に制限はなく、シートを縫合、融着又は接着して形成したものでも、押出成形等により当初から扁平筒状に形成したものでもよい。
第1、第2及び第4実施形態においては、巻き上げ状態における内側のシートが巻き上がるように構成されているが、本発明においては、巻き上げ状態における外側のシートが巻き上がるように構成することができ、内側のシート及び外側のシートの両方が巻き上がるように構成することもできる。
渦巻状に巻き上がるシートにおいては、それを折り曲げる構成として、第2〜第4実施形態に示す折り目に代えて、切り込みを設けることもできる。
筒状体の他端の開口部にチャックを設け、該開口部を閉塞可能な構造とすることもできる。
本発明の毛髪保持具における「扁平な筒状体」においては、全体として扁平形状と同視できれば、それを形成するシートの表面に凹凸が形成されていてもよい。
本発明の毛髪保持具における保持体を形成する「シート」は、一端から他端に向けて毛髪束を配置させて保持可能に形成されていれば、複数個の挿通孔を設けた構成に制限されない。
2 筒状体(保持体)
21、22 開口部
3 一面を形成するシート
4 他面を形成するシート
5 渦巻ばね
6 筒状袋部
H 毛髪束
Claims (2)
- 一端から他端に向けて毛髪束を配置させて保持可能に形成された保持体からなり、
前記保持体は、所定の巻き上げ形状に巻き上がるようになされており且つ伸長状態を維持可能になされており、
前記保持体は、扁平な筒状体であり、
渦巻ばねが、前記筒状体に、伸長状態で該筒状体の長手方向に沿うように配されており、
前記渦巻ばねは、その幅方向断面を凸状に変形することにより伸長状態を維持可能になされており、
前記筒状体は、前記渦巻ばねの巻き上がりに伴い渦巻状に巻き上がり、且つ前記渦巻ばねの伸長状態の維持に伴い伸長状態を維持するようになされている毛髪保持具。 - 前記保持体がシートである請求項1記載の毛髪保持具。
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