JP4484638B2 - 毛髪保持具 - Google Patents
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Description
本実施形態の毛髪保持具1は、図1に示すように、一端の開口部21から他端の開口部22に向けて毛髪束H(図5参照)を挿通可能にシート23A、23Bにより構成された扁平形状の筒状体2からなり、該筒状体2は、所定形状に巻き上げた状態が保持されるようにくせ付けをされている毛髪保持具であって、筒状体2の一方の面を形成するシート23Aは、5N荷重下での伸長率が5%以上であり、その長手方向に沿う両端部24、24に、その幅方向中央部よりも高剛性を有する高剛性部Qが該長手方向に沿って形成されており、筒状体2の他方の面を形成するシート23Bは、テーバーこわさが0.4mNm以上である。なお、毛髪保持具としての強度を確保する観点から、伸長率は200%以下が好ましく、毛髪保持具としての変形容易性の観点から、テーバーこわさは10mNm以下が好ましい。
筒状体2は、図1(a)及び(b)に示すように、一端の開口部21から他端の開口部22に向けて毛髪束を挿通可能にシート23A、23Bにより構成された扁平形状のもので、2枚の矩形状のシート23A、23Bを、その長手方向に沿う側端部24、24同士を接合させて形成されている。筒状体2の大きさは、長さ50〜350mm、長径20〜100mm、短径0〜30mmであることが好ましく、毛髪の長さやくせ付けしたい場所、挿入する毛髪束の量に応じて適宜選択できる。
そのため、筒状体2は、その長手方向に引き伸ばした状態〔図1(a)及び(b)参照〕にして、その状態から解放すると、図1(c)に示すように、ロール状に巻き上げられた状態へと自発的に巻き上げられるようになっている。このような筒状体2からなる毛髪保持具1は、巻き上げ操作が全く不要である上、クリップ等の巻き上げ形態を保持するための手段が不要であるという利点もある。
本発明における「5N荷重下での伸長率」は、JIS K7127に規定される「フィルム及びシートの引張特性の試験方法」により測定される伸長率(引張ひずみ)で、シートを5N荷重で筒状体の長手方向に引っ張った場合における引っ張り前の長さに対する引っ張り後の伸びの比(百分率)である。引張試験のおける引っ張り速度は20mm/min、スパン間距離は100mmである。
また、一面シート23Aのうち高剛性部Q以外の領域(本実施形態においては、図2に示す左下がりハッチング部分)Pを「低剛性部」という。一面シート23Aにおける高剛性部Qの割合〔高剛性部Qの面積/(低剛性部Pの面積+高剛性部Qの面積)〕は、好ましくは8%〜50%、更に好ましくは10%〜30%である。高剛性部Qの割合(面積%)が8%〜50%であると、毛髪挿入具及び毛髪の挿入性と変形時の応力緩和のバランスが良い。
高剛性部Qは、一面シート23Aの長手方向の80%以上に亘って設けられていることが好ましく、本実施形態においては一面シート23Aの長手方向の全長に亘って設けられている。
伸長率が15倍以上であると、変形時に発生する応力を一面シート23Aで充分に解消でき、他面シート23Bに不均一な変形や座屈変形が生じ難く、その結果、毛髪のカールの仕上がりが優れ、カールの強さが弱くなり難い。
一面シート23Aの高剛性部Qを形成する材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂等が挙げられる。本実施形態においては、ポリエステル樹脂を使用したスパンボンド不織布を用いている。
他面シート23Bを形成する材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂等が挙げられる。本実施形態においては、ポリエステル樹脂を使用したスパンボンド不織布を用いている。
一面シート23A、他面シート23Bの厚みは、好ましくは30μm〜500μmである。
筒状体2にくせ付けをするためには、例えば、筒状体をロール状に巻き上げ、所定の手段によってその巻き上げ形態を保持し、その状態下に筒状体を所定温度に加熱すればよい。
本実施形態の毛髪処理器具は、図1に示す毛髪保持具1と、該毛髪保持具1の内部に毛髪束H(図4参照)を挿入又は挿通する毛髪挿入具3とからなる毛髪処理器具であって、毛髪挿入具3は、その挿入端部33が毛髪保持具1の高剛性部Qで規制されながら、該毛髪保持具1の内部に挿入又は挿通されるようになっている。
本実施形態の毛髪挿入具3は、図3に示すように、均一厚の板状部材からなり、長尺状の本体31と本体31の一端部に連結された係止部32と備えている。係止部32は、枠状となっており、毛髪束Hを係止し得るようになっている。
本体31の挿入端部33(毛髪保持具へ挿入する際に毛髪保持具の内部に挿入される側の端部)は、その尖端部34が毛髪挿入具3の長手方向に沿う一方の端部に近接する形状を有している。
先ず、毛髪挿入具3の係止部32に毛髪束Hを係止する。ここで、毛髪保持具1は、くせ付けによりロール状に巻き上げた形状となっている。次に、図4(a)に示すように、係止部32に毛髪束Hを係止した状態で、毛髪挿入具3を挿入端部33側から、毛髪保持具1の筒状体2の一端の開口部21へ挿入する。
そして、図4(c)に示すように、毛髪挿入具3を筒状体2の他端の開口部22から抜き出す。尚、本発明においては、毛髪の挿入性の観点から、予め毛髪保持具の中に毛髪挿入具を挿入しておき、その後毛髪を毛髪挿入具にセットし、毛髪挿入具を毛髪保持具から抜き出すことにより毛髪を毛髪保持具に導くのが好ましい。
尚、必ずしも、毛髪束Hの先端を筒状体2の他端の開口部22からはみ出させる必要はない。また、毛髪束には、明確には束になっていないが、ある程度の本数の毛髪がまとまっているものを含む。
図7(a)に示す実施形態の毛髪保持具1においても、図1に示す実施形態の毛髪保持具と同様の効果が得られる。
図7(b)に示す実施形態の毛髪保持具1においても、図1に示す実施形態の毛髪保持具と同様の効果が得られる。
高剛性部Qは、筒状体2の長手方向に沿う端部の一方のみに形成されていてもよい。高剛性部Qは、一面シート23Aと他面シート23Bとの接合部分には必ずしも設けられていなくてもよい。その場合、毛髪挿入具3の挿入端部33を高剛性部Qで規制しながら、毛髪保持具1の内部に挿入又は挿通することができれば、高剛性部Qが一面シート23Aと他面シート23Bとの接合部分から少し離間していてもよい。
例えば、挿入端部33は、図8に示すように、その尖端部34,34が毛髪挿入具の長手方向に沿う両端部それぞれに近接する形状、即ち、挿入端部33が略半円弧状に切り抜かれた形状とすることができる。このような形状の挿入端部33を備えた毛髪挿入具3によれば、図1に示すような筒状体2の両端部24,24に高剛性部Qが設けられた毛髪保持具1と組み合わせて用いると、筒状体2の両端部24,24それぞれにおいて、毛髪挿入具3の挿入端部33の2個の尖端部34が規制されるため、毛髪挿入具3を一層スムーズに毛髪保持具1の筒状体2に挿入又は挿通することができる。
毛髪挿入具の構造は、図1に示すような板状部材から形成されているもの制限されず、挿入端部の形状、断面形状、係止部の形状、係止部の構造等を適宜変更することができる。
尚、本発明の毛髪保持具における「筒状体」を構成するシートの形状及びその表面状態は、上述の形態の筒状体を形成可能なものであれば良く、「扁平形状」という場合、シート材の表面は、凹凸面であってもよい。
毛髪に市販の整髪料を付与した後に、前述の方法によってくせ付けしても良い。
2 筒状体
21、22 開口部
23A,23B シート
24 側縁部
3 毛髪挿入具
31 本体
32 係止部
33 挿入端部
34 尖端部
H 毛髪束
Q 高剛性部
Claims (4)
- 一端の開口部から他端の開口部に向けて毛髪束を挿通可能にシートにより構成された扁平形状の筒状体からなり、該筒状体は、所定形状に巻き上げた状態が保持されるようにくせ付けをされている毛髪保持具であって、
前記筒状体は、2枚の矩形状のシートを有し、2枚の該シートをその長手方向の両側端部同士を接合部にて接合して形成されており、該接合部は、該両側端部それぞれに沿って形成されており、
前記筒状体の一方の面を形成するシートは、5N荷重下での伸長率が5%以上であり、その長手方向に沿う両端部に、その幅方向中央部よりも高剛性を有する高剛性部が該長手方向に沿って形成されており、各該高剛性部は、前記接合部の幅よりも広い範囲に形成されており、
前記筒状体の他方の面を形成するシートは、テーバーこわさが0.4mNm以上である毛髪保持具。 - 前記高剛性部は、前記一方の面を形成する前記シートにおける該高剛性部の割合が8%〜50%である請求項1記載の毛髪保持具。
- 前記高剛性部は、テーバーこわさが0.4mNm以上である請求項1又は2に記載の毛髪保持具。
- 各前記高剛性部は、前記一方の面を形成する前記シートとは異なるシートを、前記一方の面を形成する前記シートの長手方向の端部における表面に貼り付けて構成されている請求項1〜3の何れかに記載の毛髪保持具。
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