JP4390816B2 - 毛髪保持具 - Google Patents
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Description
しかし、毛髪巻取り具を筒状に形成した場合、変形により内側と外側のシートに必然的に歪みが生じてしまう。この歪みは筒状の毛髪保持具に挿入する毛髪束が増えるほど、また毛髪に曲率の大きなウェーブを付けようとするほど顕著になる。また、歪みを解消しない状態でくせ付けを行うと綺麗な円形なウェーブにならず、不均一な多角形のウエーブが形成されてしまう。
この毛髪処理装置によれば、その筒状部を長手方向に縮小し短手方向に伸張してから、筒状部の中に毛髪束を挿通し、筒状部を伸張させた後、筒状部を毛髪束と共に複数箇所ねじったりしてから、その状態を所定時間維持する等して、毛髪束にカールを付与することができる。
しかし、この毛髪処理装置を用いた場合、筒状部に毛髪束を挿通する際又は挿通した後に、筒状部が収縮すると毛先がいわゆる逆毛になったり、毛先に不規則なくせが付いたりして、毛髪束に綺麗なカールを付与できないという問題点がある。
参考発明の第1実施形態の毛髪保持具1は、図1及び図2に示すように、一端の開口部21から他端の開口部22に向けて毛髪束3を挿通可能に、シート23A、23Bにより構成された扁平形状の筒状体2からなる。そして、該筒状体2の一方の面を形成するシート23Aに、該筒状体2の短手方向(図1における左右方向)に長い形状の空隙部25が、該筒状体2の長手方向(図1における上下方向)に離間して直列に複数個(図1には例示として5個)形成されており、該筒状体2は、その長手方向に実質的に伸縮性を有していない。
前記筒状体2は、2枚の矩形状のシート23A、23Bを、その長手方向に沿う側端部24、24同士で接合させて形成されており、一方の前記シート23Aに楕円状の5個の前記空隙部25が形成されている。
筒状体2の大きさは、長さ50〜350mm、長径20〜100mm、短径0〜30mmであることが好ましく、毛髪の長さやくせ付けしたい場所、挿入する毛髪束の量に応じて適宜選択できる。
前記空隙部25は、前記シート23Aの短手方向の長さL(図3参照)の2/3以上、本実施形態では、該長さLの80〜90%に亘っている。空隙部25は、シート全体に均一に分散して配置していることが好ましく、本実施形態では、空隙部25間の各間隔P(図3参照)は2〜50mmである。
また、両面のシート23A及び23Bのテーバーこわさが何れも0.4mN・m以下である筒状体2からなる毛髪保持具1においては、筒状体2に中芯(例えば、後述の塑性変形部材)が取付けられているものの方が毛髪束を綺麗に巻回することができる。両面のシートのテーバーこわさがそれぞれ1.0〜5.0mN・mのものであると、中芯が取付けられていなくても問題なく、筒状体を手で容易に変形することができる。また、ある程度の硬さのテーバーこわさを有している筒状体の方が、筒状体に挿通した毛髪束がズレ難いという副次的な効果がある。
前記「テーバーこわさ」は、JIS P8125に規定される「こわさ試験方法」により測定されるテーパーこわさである。
シート23の厚みは、シートのテーバーこわさの高低によって異なるが、好ましくは30μm〜500μmである。
先ず、毛髪束3の量や得ようとするカール形状に応じて、適当な長さ及び幅を有する筒状体2からなる毛髪保持具1を用い、図2(a)に示すように、筒状体2の一端の開口部21を楕円形状に開口して、該開口部21から毛髪束3を挿入する。そして、図2(b)に示すように、毛髪束3を、その先端が筒状体2の他端の開口部22から少しはみ出るまで、筒状体2に挿通させる。
毛髪束3を筒状体2に挿通させた後、図2(c)及び(d)に示すように、毛髪保持具1を筒状体2の他端の開口部22の側から、所望の巻回径で巻回し、クリップ(図示せず)等の周知の固定手段を用いて毛髪束3の巻回状態を保持する。その後、筒状体2の外側からパーマ用の毛髪処理剤を毛髪束3に付与する。毛髪処理剤は、該毛髪処理剤に対して透過性を有するシート23を介して又は空隙部25を介して、毛髪束3に付与される。所定時間後、筒状体2から毛髪束3を挿脱し、洗髪等して、パーマ処理を完了する。
また、筒状体2の開口部21から毛髪束3を挿入させる際に、必要に応じ、該開口部21を真円状に開口した方が、毛髪束3をスムーズに挿入させ易い。また、必ずしも、毛髪束3の先端を筒状体2の他端の開口部22からはみ出させる必要はない。
参考発明の第4実施形態の毛髪保持具1においては、図4(b)に示すように、シート23Aに7個の線形状の空隙部25が形成されている。これ以外の構成は、参考発明の前記第1実施形態の毛髪保持具と同様の構成である。
参考発明の第4実施形態のように、線形状の空隙部が形成されている筒状体からなる毛髪保持具において、該空隙部がピッチを変えて形成されているものによれば、毛髪束に、部分的に巻径が大きくなったり小さくなったりする、滑らかな円弧形状のウエーブを付与することができる。
参考発明の第5実施形態のように、筒状体の両面のシートにそれぞれ空隙部が該筒状体2の長手方向に互い違いに形成されている毛髪保持具によれば、くせ付けのための変形によりシートに発生する歪みをそれぞれ両面のシートで解消できるため、より少ない空隙部で筒状体をきれいな円形に巻回することができる。
参考発明の第6実施形態のように、斜行した線形状の空隙部が形成されている筒状体からなる毛髪保持具によれば、毛髪束にスパイラル状のウエーブを付与することができる。
参考発明の第7実施形態のように、空隙部25にテーバーこわさ0.4mN・m以下の張設シート26が張設されている毛髪保持具によれば、空隙部25からの毛先の飛出しを防止しつつ、筒状体2の巻回し易さも確保できる。
参考発明の第8実施形態のように、筒状体2の長手方向の両側端部24に、間歇的に凹部24aが形成されている毛髪保持具によれば、毛髪束を巻回した後、図6(b)に示すように、筒状体2の凹部24aに輪ゴム6を掛止すれば、巻回状態を容易に維持することができる。
本発明の一実施形態である第9実施形態の毛髪保持具1’は、図7(a)に示すように、一端の開口部21’から他端の開口部22’に向けて毛髪束を挿通可能に、一方の面がテーバーこわさ0.4mN・m以下のシート23’Aにより構成された扁平形状の筒状体2’からなる。そして、該筒状体2’の該一方の面を形成するシート23’Aに、該筒状体2’の短手方向に長い形状の貼り付け片4’が、該筒状体2’の長手方向に離間して直列に複数個〔図7(a)には例示として8個〕貼り付けてあり、該筒状体2’は、その長手方向に実質的に伸縮性を有していない。
その他の構成については、本発明の実施形態である第9実施形態の毛髪保持具と同様である。
本発明及び参考発明の毛髪保持具においては、前記筒状体に、その長手方向に向けて塑性変形部材が取り付けられた構成とすることができる。また、図8に示すように、他方のシート23Bに、塑性変形部材5を収納し得る形状を有する扁平筒状の収納部29を設け、塑性変形部材5を該収納部29の内部を摺動可能に配置し、塑性変形部材5が、筒状体2に対し、相互に可動自在になされた構成とすることもできる。
このように塑性変形部材を設けた構成の毛髪保持具を用いて毛髪束を巻回すると、該塑性変形部材の塑性変形により、筒状体に挿通された毛髪束の復元力を抑制することができる。
筒状体は、その一端が開口し且つその他端に閉口可能な手段を設けてあるものでもよい。筒状体は、その形成方法について特に制限はなく、シートを縫合、融着又は接着して形成したものでも、押出成形等により当初から筒状に形成したものでもよい。
参考発明の毛髪保持具においては、図4(c)に示す第5実施形態以外の前記実施形態のように、空隙部を筒状体の一方の面のみに設けてもよく、更に、一方の面における空隙部の形状と同一形状又は異なる形状の空隙部を、筒状体の他方の面にも設けることができる。
尚、本発明の毛髪保持具における「筒状体」を構成するシート材の形状及びその表面状態は、上述の形態の筒状体を形成可能なものであれば良く、「扁平状」という場合、シート材の表面は、凹凸面であってもよい。
空隙部の形状は、第1〜第6実施形態のように、楕円状、矩形状又は線形状に限定されず、筒状体の短手方向に長い形状であれば、例えば、実質上スリットからなるスリット形状でもよい。
毛髪束の巻回の際には、従来と同様に、ロッドを併用してもよい。
また、本発明の毛髪保持具は、パーマ処理により毛髪にカールを付与する場合に限らず、毛髪束を巻回した後、ドライヤー等により熱処理したり、乾燥した毛髪を巻回状態で保持したり、濡れた状態の毛髪を巻回状態で保持し自然乾燥させたりして、毛髪にカールを付与する場合等にも適用することができる。また、毛髪の先端にカールを付与する場合以外にも、毛髪に波状にカールを付与する場合、毛髪に螺旋状にカールを付与する場合等にも適用が可能である。
尚、毛髪に市販の整髪料を付与した後に、前述の方法によってくせ付けしても良い。
2 筒状体
21、22 開口部
23,23A,23B シート
24 側縁部
25 空隙部
26 シート(張設シート)
27 中心線
28 側端部
29 収納部
3 毛髪束
4’ 貼り付け片
5 塑性変形部材
Claims (3)
- 一端の開口部から他端の開口部に向けて毛髪束を挿通可能に、一方の面がテーバーこわさ0.4mN・m以下のシートにより構成された扁平形状の筒状体からなり、該筒状体の該一方の面を形成する該シートに、該筒状体の短手方向に長い形状の貼り付け片が、該筒状体の長手方向に離間して直列に複数個の貼り付けてあり、該筒状体は、その長手方向に実質的に伸縮性を有しておらず、一方の面を形成する前記シートを外側又は内側にして毛髪束を巻回する補助具として用いられる毛髪保持具。
- 前記貼り付け片は、一方の面を形成する前記シートの短手方向の長さの略全域に亘っている請求項1記載の毛髪保持具。
- 前記筒状体は、テーバーこわさが0.4mN・m以下の編み目状のシートからなる一方の面を形成する前記シートと、テーバーこわさが0.4mN・m以上で且つ孔の形成されていないシートからなる他方の面を形成するシートとを、その長手方向に沿う側端部同士で接合させて形成されている請求項1記載の毛髪保持具。
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