WO2005067761A1

WO2005067761A1 - 毛髪保持具

Info

Publication number: WO2005067761A1
Application number: PCT/JP2004/019081
Authority: WO
Inventors: Takehiko Tojo; Hideo Kobayashi
Original assignee: Kao Corporation
Priority date: 2004-01-15
Filing date: 2004-12-21
Publication date: 2005-07-28
Also published as: EP1704791A1; US20060157078A1; EP1704791A4; US7789093B2

Abstract

　本発明の毛髪保持具は、一端の開口部（２１）から他端の開口部（２２）に向けて毛髪束を挿通可能にシートにより構成された扁平形状の筒状体（２）からなり、該筒状体（２）の一方の面を形成するシート（２３Ａ）が他方の面を形成するシート（２３Ｂ）よりも該筒状体（２）の長手方向に伸長し易く、該他方の面を形成するシート（２３Ｂ）のテーバーこわさが０．４ｍＮｍ以上である。また、一方の面を形成するシート（２３Ａ）の５Ｎ荷重下での伸長率が、他方の面を形成するシート（２３Ｂ）の５Ｎ荷重下での伸長率よりも１５倍以上大きい。

Description

毛髪保持具

技術分野

[0001] 本発明は、パーマ等により毛髪にカールを付与する場合に、毛髪束を所定の形状に卷回するときの補助具として用いられる毛髪保持具及び該毛髪保持具を用いた毛髪処理方法に関する。

背景技術

[0002] 下記特許文献 1には、本出願人による「一端の開口部力他端の開口部に向けて毛髪束を揷通可能にシートにより構成された筒状体力なる毛髪保持具」が記載されている。この毛髪保持具によれば、毛髪束が筒状体の内部に挿入された状態で筒状体を巻き上げることにより、毛髪束を筒状体ごと巻き上げることができ、簡便な操作で毛髪にカールを付与することができる。

[0003] 特許文献 1：特開 2003—319815号公報

発明の開示

[0004] しかし、毛髪に綺麗な形状のカールを付与するためには毛髪巻き上げ時に毛髪束に一定の張力を付与することが重要であるが、前記毛髪保持具によれば、巻き上げ時における変形によって筒状体の外側のシートが規制される。その結果、筒状体内の毛髪に圧縮力が加わるため、カールの仕上がりが弱ぐ最悪の場合、毛髪に折れが生じる。

[0005] 従って、本発明の目的は、筒状体内の毛髪に張力が加わり、毛髪に綺麗なカールを付与することができる毛髪保持具及びそれを用いた毛髪処理方法を提供することにある。

[0006] 本発明は、一端の開口部力他端の開口部に向けて毛髪束を揷通可能にシートにより構成された扁平形状の筒状体力なり、該筒状体の一方の面を形成するシートが他方の面を形成するシートよりも該筒状体の長手方向に伸長し易ぐ該他方の面を形成するシートのテーバーこわさが 0. 4mNm以上である毛髪保持具を提供することにより、上記目的を達成したものである。 [0007] また、本発明は、上記毛髪保持具を用い、該毛髪保持具の前記筒状体に毛髪束を挿通し、その状態で該筒状体を前記一方の面を形成するシートを外側にして巻き上げる毛髪処理方法を提供するものである。

図面の簡単な説明

[0008] [図 1(a)]図 1 (a)は、本発明の毛髪保持具の一実施形態を示す正面斜視図である。

[図 1(b)]図 1 (b)は、本発明の毛髪保持具の一実施形態を示す背面斜視図である。

[図 2(a)]図 2 (a)は、図 1 (a)及び図 1 (b)に示す毛髪保持具の一使用態様における毛髪束の卷回手順を示す斜視図である。

[図 2(b)]図 2 (b)は、図 1 (a)及び図 1 (b)に示す毛髪保持具の一使用態様における毛髪束の卷回手順を示す斜視図である。

[図 2(c)]図 2 (c)は、図 1 (a)及び図 1 (b)に示す毛髪保持具の一使用態様における毛髪束の卷回手順を示す斜視図である。

[図 2(d)]図 2 (d)は、図 1 (a)及び図 1 (b)に示す毛髪保持具の一使用態様における毛髪束の卷回手順を示す斜視図である。

[図 3]図 3は、本発明の毛髪保持具の別の実施形態を示す正面斜視図である。

[図 4]図 4は、本発明の毛髪保持具の更に別の実施形態を示す正面斜視図である。

[図 5]図 5は、本発明の毛髪保持具の更に別の実施形態について、筒状体を構成するシートに生じたバリを強調して示した模式的断面図で、毛髪束が挿通された筒状体を示す図である。

[図 6(a)]図 6 (a)は、本発明の毛髪保持具の更に別の実施形態の引き伸ばした状態を示す正面斜視図である。

[図 6(b)]図 6 (b)は、本発明の毛髪保持具の更に別の実施形態の巻き上がった状態を示す正面斜視図である。

[図 6(c)]図 6 (c)は、本発明の毛髪保持具の更に別の実施形態の巻き上がった状態を示す正面斜視図である。

[図 7(a)]図 7 (a)は、本発明の毛髪保持具の更に別の実施形態を示す模式的正面図である。

[図 7(b)]図 7 (b)は、図 7 (a)に示す正面図における縦中央断面図である。発明の詳細な説明

[0009] 以下、本発明の毛髪保持具を、その好ましい一実施形態について、図 1 (a)及び図 1 (b)を参照して説明する。

本実施形態の毛髪保持具 1は、図 1 (a)及び図 1 (b)に示すように、一端の開口部 2 1から他端の開口部 22に向けて毛髪束 H〔図 2 (a)—図 2 (d)参照〕を揷通可能にシートにより構成された扁平形状の筒状体 2からなり、該筒状体 2の一方の面を形成するシート 23Aが他方の面を形成するシート 23Bよりも該筒状体 2の長手方向に伸長し易 <、該他方の面を形成するシート 23Bのテーバーこわさが 0. 4mNm以上である。

[0010] 本実施形態の毛髪保持具 1につ、て以下に詳述する。

筒状体 2は、図 1 (a)及び図 1 (b)に示すように、 2枚の矩形状のシート 23A、 23Bを、その長手方向に沿う側端部 24、 24同士を接合させて形成されている。筒状体 2の大きさは、長さ 50— 350mm、長径 20— 100mm、短径 0— 30mmであることが好ましぐ毛髪の長さやくせ付けしたい場所、挿入する毛髪束の量に応じて適宜選択できる。

[0011] 一方の面を形成するシート（以下「一面シート」ともいう） 23Aは、伸長し易い材料を用いることにより、伸長し易くなつている。伸長し易いシート材料としては、不織布 (ポリエチレン不織布、ポリエチレンテレフタレート不織布等）、織布等が挙げられる。

[0012] 一面シート 23Aは、 5N荷重下での伸長率が 5%以上、好ましくは 10%以上である。伸長率が 5%より小さいと、毛髪保持具に毛髪を挿入して巻き上げる際に発生する応力を充分に緩和することができず、不均一な形状に巻き上がったり、最悪の場合巻き上げができなくなってしまう。

本発明における「5N荷重下での伸長率」は、 JIS K7127に規定される「フィルム及びシートの引張特性の試験方法」により測定される伸長率（引張ひずみ)で、シートを 5N荷重で筒状体の長手方向に引っ張った場合における引っ張り前の長さに対する引っ張り後の伸びの比（百分率)である。引張試験における引っ張り速度は 20mm Zmin、スパン間距離は 100mmである。

[0013] 他方の面を形成するシート（以下「他面シート」ともいう） 23Bは、その長手方向に実質的に伸長性を有していない。具体的には、前記「5N荷重下での伸長率」が 5%以下である。

また、他面シート 23Bのテーバーこわさは、 0. 4mN'm以上であり、好ましくは lm N'm以上である。前記「テーバーこわさ」は、 JIS P8125に規定される「こわさ試験方法」により測定されるテーバーこわさである。

他面シートのテーバーこわさが上記範囲を外れると、毛髪保持具に毛髪を挿入して巻き上げる際、他面シートに座屈変形等が生じ、毛髪に充分な張力が作用せず、力ールの仕上がりが悪くなつたり、カールの強さが弱くなつてしまう。

[0014] 本実施形態の毛髪保持具においては、一面シート 23Aの 5N荷重下での伸長率が他面シートの 5N荷重下での伸長率よりも 15倍以上大きくなつており、 30倍以上大きくなつていると更に好まし!/、。

伸長率が 15倍以下だと、変形時に発生する応力を一面シートで充分に解消できず、他面シートにも不均一な変形や、座屈変形が生じてしまい、その結果カールの仕上力 Sりが悪くなつたり、カールの強さが弱くなつてしまう。

[0015] 筒状体 2を構成する一面シート 23A,他面シート 23Bとしては、各種可撓性材料が用いられ、例えば、不織布（ポリエチレン不織布、ポリエチレンテレフタレート不織布等）、織布、多孔性又は非多孔性の榭脂フィルム（ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等）、紙、高分子材料シート、ゴムシート、又はこれらの複合体等が挙げられる。

本実施形態においては、一面シート 23Aとして、 PPZPP芯鞘繊維を使用したエアスルー不織布を用い、他面シート 23Bとして、毛髪処理剤に対して透過性を有するポリエチレンテレフタレート（PET)不織布を用いている。毛髪処理剤としては、パーマ用のもの等がある。

一面シート 23A、他面シート 23Bの厚みは、好ましくは 30 μ m— 500 μ mである。

[0016] 次に、図 1 (a)及び図 1 (b)に示す実施形態の毛髪保持具を用いた本発明の毛髪処理方法の一実施態様につ!、て、図 2 (a)—図 2 (d)を参照して説明する。

本実施態様の毛髪処理方法は、図 1 (a)及び図 1 (b)に示す毛髪保持具 1を用い、該毛髪保持具 1の前記筒状体 2に毛髪束 Hを挿通し、その状態で該筒状体 2を前記一方の面を形成するシート 23Aを外側にして巻き上げるものである。 [0017] 本実施態様の毛髪処理方法を具体的に説明する。

先ず、毛髪束 Hの量や得ようとするカール形状に応じて、適当な長さ及び幅を有する筒状体 2からなる毛髪保持具 1を用い、図 2 (a)に示すように、筒状体 2の一端の開口部 21を楕円形状に開口して、該開口部 21から毛髪束 Hを挿入する。そして、図 2 ( b)に示すように、毛髪束 Hを、その先端が筒状体 2の他端の開口部 22から少しはみ出るまで、筒状体 2に挿通させる。

[0018] 毛髪束 Hを筒状体 2に挿通させた後、図 2 (c)及び (d)に示すように、一面シート 23 Aを外側にして筒状体 2を他端の開口部 22の側から、所望の卷回径で卷回し、クリツプ（図示せず)等の周知の固定手段を用いて毛髪束 Hの卷回状態を保持する。その後、筒状体 2の外側力パーマ用の毛髪処理剤を毛髪束 Hに付与する。毛髪処理剤は、一面シート 23A、他面シート 23Bを介して、毛髪束 Hに付与される。所定時間後、筒状体 2から毛髪束 Hを挿脱し、洗髪等して、パーマ処理を完了する。

筒状体 2の開口部 21から毛髪束 Hを挿入させる際に、必要に応じ、開口部 21を真円状に開口した方が、毛髪束 Hをスムーズに挿入させ易い。また、必ずしも、毛髪束 Hの先端を筒状体 2の他端の開口部 22からはみ出させる必要はな、。

[0019] 前述の通り、本実施形態の毛髪保持具 1の筒状体 2に毛髪束 Hを挿通し、その状態で一面シート 23Aを外側にして筒状体 2を卷回すると、周径の大きい一面シート 2 3Aに伸長力が加わる。而して、本実施形態の毛髪保持具 1においては、一面シート 23Aが他面シート 23Bよりも筒状体 2の長手方向に伸長し易くなつているため、一面シート 23A全体が容易に伸長する。その結果、筒状体 2に挿通されている毛髪束 H に一定の大きさの張力が付与される。そのため、本実施形態の毛髪保持具 1によれば、毛髪に、容易且つ確実に綺麗なカールを付与することができる。

[0020] 毛髪のくせ付け、特にパーマ処理によりくせ付けを行う場合には、イレギュラーな変形や縮れ、折れを防止するため、なおかつしつかりした掛かりを得るためには、毛髪に適度な張力が作用している状態で処理を行うことが好ましい。本実施形態では一面シート 23Aを伸張しやすぐかつ他面シート 23Bに一定の剛性を持たせることにより、毛髪保持具の巻き上げと同時に必然的に毛髪に張力が作用するようになっている。その結果容易、かつ確実にきれいなカールを付与することが可能になっている。 [0021] 次に、本発明の毛髪保持具の他の実施形態について説明する。これらの実施形態については、図 1 (a)及び図 1 (b)に示す実施形態と異なる点についてのみ説明し、特に説明しない点については、図 1 (a)及び図 1 (b)に示す実施形態に関する説明が適宜適用される。そして、他の実施形態の毛髪保持具においても、図 1 (a)及び図 1 (b)に示す実施形態の毛髪保持具と同様に、毛髪に、容易且つ確実に綺麗なカールを付与することができる。

[0022] 図 3に示す実施形態の毛髪保持具 1においては、筒状体 2の一面シート 23Aに、その短手方向の幅の略 1Z4の幅を有する空隙部 25Aが多数個形成されている。空隙部 25Aは、図 3に示すように、筒状体 2を起立させた状態において、 2個の空隙部 25 Aが同じ高さで短手方向に離間して並置しており、その下方に 2個の空隙部 25A力その上部に形成された 2個の空隙部 25Aとは一面シート 23Aの短手方向の幅の略 1 Z4ずれた位置に短手方向に離間して並置して、る。

このように多数個の空隙部 25Aが形成されているため、図 3に示す実施形態の毛髪保持具 1は、一面シート 23Aが伸長し易い構造を有しており、図 1 (a)及び図 1 (b) に示す実施形態の毛髪保持具と同様の効果が得られる。

[0023] 図 4に示す実施形態の毛髪保持具 1においては、筒状体 2の一面シート 23Aに、 4 5° の角度で斜行した空隙部 25Bが多数個形成されている。空隙部 25Bは、図 4に示すように、筒状体 2を起立させた状態において、 3個の空隙部 25Bが同じ高さ及び同じ傾きで短手方向に離間して並置しており、その下方に 3個の空隙部 25B力その上部に形成された 3個の空隙部 25Bとはシート 23Aの短手方向の幅の略 1Z6ずれた位置に傾きを 180° 異ならせて且つ短手方向に離間して並置している。

このように多数個の空隙部 25Bが形成されているため、図 4に示す実施形態の毛髪保持具 1は、一面シート 23Aが伸長し易い構造を有しており、図 1 (a)及び図 1 (b) に示す実施形態の毛髪保持具と同様の効果が得られる。

[0024] 本発明の毛髪保持具においては、筒状体の一面シートと他面シートの少なくとも一方に、多数の貫通孔を形成することができる。図 5に示す実施形態の毛髪保持具 1においては、筒状体 2の一面シート 23A及び他面シート 23Bの両方に、貫通孔 3が形成されている。シートへの貫通孔の形成は、打ち抜き加工が一般的である力打ち抜き加工により貫通孔を形成すると、貫通孔の周縁の打ち抜き方向に突出するバリが生じる。図 5に示す B力バリである。そこで、ノリ Bが生じていない面（平滑な面）を筒状体 2の内側に向けてシートが接合されている毛髪保持具 1によれば、毛髪束 Hを筒状体 2に挿通させたときに毛髪力バリ Bによって損傷することはない。

[0025] また、毛髪に、毛髪処理剤で処理した!/、部分と処理したくな、部分があるならば、筒状体の一部に毛髪処理剤に対して不透過性の剤不透過領域を設けるとよい。そのような構成の毛髪保持具を用いれば、剤不透過領域に存在する毛髪を、毛髪処理剤から保護し、毛髪処理剤で処理されなヽようにすることができる。

[0026] 図 6 (a)—図 6 (c)に示す実施形態の毛髪保持具 1は、筒状体 2が所定形状に巻き上げた状態が保持されるようにくせ付けをされている。詳細には、筒状体 2は、一面シート 23Aを外側にしてロール状に巻き上げた状態が保持されるように、所定の手段によってくせ付けをされて、る。

そのため、筒状体 2は、その長手方向に引き伸ばした状態〔図 6 (a)参照〕にして、その状態から解放すると、図 6 (b)及び図 6 (c)に示すように、ロール状に巻き上げられた状態へと自発的に巻き上げられるようになって!/、る。

[0027] 筒状体 2にくせ付けをするためには、その構成シートとして所定の形状に形成された弾性変形可能な材料を用いることが簡便である。該弾性変形可能な材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。これらの弾性変形可能な材料を用いて筒状体にロール状のくせ付けをするには、筒状体をロール状に巻き上げ、所定の手段によってその巻き上げ形態を保持し、その状態下に筒状体を所定温度に加熱すればよい。

図 6 (a)—図 6 (c)に示す実施形態の毛髪保持具 1によれば、筒状体 2内に毛髪を挿入した後、引き伸ばした状態にある筒状体 2の引き伸ばし状態を解除すれば、筒状体 2は一面シート 23Aを外側にして自発的に巻き上げられる。従って、この毛髪保持具 1は巻き上げ操作が全く不要である。その上、クリップ等の巻き上げ形態を保持するための手段が不要であるという利点もある。

[0028] 図 3及び図 4に示す実施形態においては、一面シート 23Aに空隙部を形成することにより、一面シート 23Aを構造的に伸長し易くしているが、本発明の毛髪保持具においては、その他の構造を採用して、一面シートを伸長し易くすることができる。このような伸長し易い構造としては、図 7 (a)及び図 7 (b)に示すような短冊状のシートを重ね合わせて一面シートを形成する構造等が挙げられる。

[0029] 図 7 (a)及び図 7 (b)に示す毛髪保持具にお!/、ては、その一面シート 23Aが複数個

(本実施形態では 6個）の短冊状のシート (短冊シート） 23aから構成されて、る。複数個の短冊シート 23aは筒状体 2の長手方向に沿って、それらの端部のみを重ね合わせた形態で配設されている。複数個の短冊シート 23aが、このような配設形態で筒状体 2の長手方向に沿う側端部 24、 24がシールされて、他面シート 23Bと接合されることにより、筒状体 2が形成される。短冊シート 23aは、側端部 24を除き、他の短冊シート 23a及び他面シート 23Bとは接合されて!、な!/、。

本実施形態の毛髪保持具は、一面シート 23Aが前述した形態で複数個の短冊シート 23aから形成されているため、一面シート 23Aを外側にして卷回すると、短冊シート 23aの重ね合わせ部分がずれ、一面シート 23A全体が伸びることになる。

[0030] くせ付けされた毛髪保持具では、繰り返し使用した場合にも十分な巻き上がり力を発揮させるために、筒状体に、室温以上のガラス転移点を有する素材力なる帯状の補強部材を、筒状体の長手方向に設けるのも一つの方策である。また、筒状体の一方の面を形成するシート及び Z又は他方の面を形成するシートが、室温以上のガラス転移点を有する素材から形成されてヽても良ヽ。

さらに、一方の面を形成するシート及び他方の面を形成するシート並びに補強部材を構成する、室温以上のガラス転移点を有する各素材の非晶性部分の割合を、 50 ( 体積％)以上、さらに好ましくは 70%以上とすることにより、毛髪保持具へのくせ付けがー層容易になる。

[0031] また、くせ付けされた毛髪保持具では、毛髪を把持して毛髪保持具に挿入される毛髪挿入具の毛髪保持具内での揷通をスムーズにするために、毛髪保持具の筒状体の一方の面を形成するシートについて、その 5N荷重下での伸長率を 5%以上とし、その長手方向に沿う端部の少なくとも一方に、その幅方向中央部よりも高剛性を有する高剛性部を該長手方向に沿って形成すると共に、前記筒状体の他方の面を形成するシートのテーバーこわさを 0. 4mNm以上にすると良!、。また、一方の面を形成するシートに形成される前記高剛性部は、テーバーこわさが

0. 4mNm以上であることが好ましい。

[0032] 本発明の毛髪保持具は、前述した実施形態に制限されることなぐ本発明の趣旨を逸脱しない限り、例えば以下に示すように適宜変更が可能である。

筒状体は、その一端が開口し且つその他端に閉口可能な手段を設けてあるものでもよい。筒状体は、その形成方法について特に制限はなぐシートを縫合、融着又は接着して形成したものでも、押出成形等により当初カゝら筒状に形成したものでもよい。

[0033] 本発明の前記実施形態のそれぞれ異なる部分を、適宜変更したり組み合わせた形態とすることちでさる。

尚、本発明の毛髪保持具における「筒状体」を構成するシートの形状及びその表面状態は、上述の形態の筒状体を形成可能なものであれば良ぐ「扁平形状」という場合、シート材の表面は、凹凸面であってもよい。

筒状体に空隙部を形成する方法について特に制限はなぐ例えば、シートの形成後に切断、打ち抜き等で形成することができる。

空隙部の形状は、前述した実施形態のような線形状に限定されず、例えば、矩形状、楕円状、実質上スリットからなるスリット形状でもよい。

[0034] また、本発明の毛髪保持具の使用方法は、図 2 (a)—図 2 (d)に示す使用態様 (本発明の毛髪処理方法の一実施態様）に限定されない。

毛髪束の卷回の際には、従来と同様に、ロッドを併用してもよい。

また、本発明の毛髪保持具は、パーマ処理により毛髪にカールを付与する場合に限らず、毛髪束を卷回した後、ドライヤー等により熱処理したり、乾燥した毛髪を卷回状態で保持したり、濡れた状態の毛髪を卷回状態で保持し自然乾燥させたりして、毛髪にカールを付与する場合等にも適用することができる。また、毛髪の先端にカールを付与する場合以外にも、毛髪に波状にカールを付与する場合、毛髪に螺旋状にカールを付与する場合等にも適用が可能である。

毛髪に市販の整髪料を付与した後に、前述の方法によってくせ付けしても良い。実施例

[0035] 力ールの仕上がりの評価試験の結果を以下に示す。〔実施例 1〕

毛髪保持具の筒状体の一面シートとして、下記〔表 1〕に示すグラフにおいて細い破線で示す伸長特性を有する PPZPP芯鞘繊維を使用したエアスルー不織布 (坪量 4

LT400)を用いる。他面シートとして、ポリエステル不織布（坪量 150gZm² 、旭化成株式会社製:スマッシュ Y15150)を用いる。両シートを両側縁部で接合して、長さ 250mm、長径 70mm、短径 0. 5mmの筒状体からなる毛髪保持具を得る。

[0036] この毛髪保持具を用いて、毛髪にカールを付与し、カールの仕上がりを評価した。

市販のパーマ剤 (ノヽードタイプ:チォグリコール酸系）を使用し、約 10gの毛束を浴比 1： 1で処理してカールの仕上がりを目視で判断した。

カールの仕上がりの評価基準を以下に示す。

〇：均一できれいなカールを形成

△：ほぼ均一なカールを形成。または掛かりが弱!ヽ

X：不均一で美しくないカールを形成

[0037] 〔実施例 2〕

毛髪保持具の筒状体の一面シートとして、下記〔表 1〕に示すグラフにおいて太い破線で示す伸長特性を有する PET不織布 (坪量 100g/m²、厚さ lmm、ノイリーン社製)を用いる。他面シートとして、前記実施例 1における他面シートと同じシートを用い、両シートから前記実施例 1と同じ大きさの毛髪保持具を得て、前記実施例 1と同様に力ールの仕上がりを評価した。

[0038] 〔比較例 1〕

毛髪保持具の筒状体の一面シートとして、下記〔表 1〕に示すグラフにおいて実線で示す伸長特性を有する、前記実施例 1における他面シートと同じシートを用いる。他面シートとして、一面シートと同じシートを用い、両シートから前記実施例 1と同じ大きさの毛髪保持具を得て、前記実施例 1と同様にカールの仕上力を評価した。

[0039] 〔比較例 2〕

毛髪保持具の筒状体の一面シートとして、下記〔表 1〕に示すグラフにおいて一点鎖線で示す伸長特性を有する LDPE (低密度ポリエチレン)フィルム (厚さ 30 m)を用いる。他面シートとして、ポリエステル不織布 (坪量 50gZm²、旭化成株式会社製：スマッシュ Y15050)を用い、両シートから前記実施例 1と同じ大きさの毛髪保持具を得て、前記実施例 1と同様にカールの仕上がりを評価した。

[0040] [表 1]

伸長率(％)

… 実施例 1

-- 実施例 2

一比較例 1

― 比較例 2

[0041] [表 2]

[0042] 〔表 2〕に示す評価結果力も明らかなように、毛髪保持具の筒状体における一面シートの伸長率が他面シートの伸長率よりも大きぐ且つ他面シートのテーバーこわさが所定の大きさ以上の場合には、綺麗なカール形状が得られる。

産業上の利用可能性

[0043] 本発明の毛髪保持具及び毛髪処理方法によれば、筒状体内の毛髪に張力が加わり、毛髪に綺麗なカールを付与することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 一端の開口部力他端の開口部に向けて毛髪束を揷通可能にシートにより構成された扁平形状の筒状体力なり、該筒状体の一方の面を形成するシートが他方の面を形成するシートよりも該筒状体の長手方向に伸長し易ぐ該他方の面を形成するシートのテーバーこわさが 0. 4mNm以上である毛髪保持具。

[2] 前記一方の面を形成するシートの 5N荷重下での伸長率が前記他方の面を形成するシートの 5N荷重下での伸長率よりも 15倍以上大きい請求の範囲第 1項記載の毛髪保持具。

[3] 前記一方の面を形成するシートは、 5N荷重下での伸長率が 5%以上である請求の範囲第 1項記載の毛髪保持具。

[4] 前記一方の面を形成するシートには多数個の空隙部が形成されており、該シートは該空隙部が形成されて、ること〖こより伸長するように構成されて、る請求の範囲第

1項一第 3項の何れかに記載の毛髪保持具。

[5] 前記シートが毛髪処理剤に対して透過性を有する請求の範囲第 1項一第 4項の何れカに記載の毛髪保持具。

[6] 前記一方の面を形成するシート及び Z又は前記他方の面を形成するシートは、多数の貫通孔を有しており、該一方の面を形成するシートと該他方の面を形成するシートとは、該貫通孔の周縁が平滑な面を前記筒状体の内側に向けて接合されている請求の範囲第 1項一第 5項の何れかに記載の毛髪保持具。

[7] 前記筒状体は、所定形状に巻き上げた状態が保持されるようにくせ付けをされて!、る請求の範囲第 1項一第 6項の何れかに記載の毛髪保持具。

[8] 請求の範囲第 1項一第 6項の何れかに記載の毛髪保持具を用い、該毛髪保持具の前記筒状体に毛髪束を揷通し、その状態で該筒状体を前記一方の面を形成するシートを外側にして巻き上げる毛髪処理方法。