JP2021166652A - 毛髪保持具 - Google Patents
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Abstract
【課題】巻回状態の保持性と、ハンドリング性とが両立した毛髪保持具を提供すること。【解決手段】本発明の毛髪保持具1は、長手方向Xと該方向Xに直交する幅方向Yとを有し、一端の開口部21から他端の開口部22に向けて毛髪束Hを挿通できる筒状体2を備える。筒状体2は、巻き上げ時に内側に位置する一面シート23Aと、巻き上げ時に外側に位置する他面シート23Bとを有する。一面シート23Aは、巻き上げ時に他面シート23Bと対向する面に且つ一端の開口部21の近傍に、第1固定部材5を有する。他面シート23Bは、巻き上げ時に一面シート23Aと対向する面に、第1固定部材5と係合する第2固定部材6を有する。一面シート23Aと第1固定部材5とを筒状体2の幅方向Xに沿って結合する結合部10が形成されている。第1固定部材5は、筒状体2の長手方向Xに沿う方向の少なくとも一方の端部域が一面シート23Aと結合されていない。【選択図】図1
Description
本発明は、毛髪保持具に関する。
本出願人は、先に、毛髪束を挿通可能且つ2枚のシートで構成された筒状体の長手方向の両側縁部に、筒状体を構成する2枚のシートの一方の長手方向の両側縁部から立設するフランジが、前記一方のシート側に折り返されている毛髪保持具を提案している(特許文献1)。
また本出願人は、前記筒状体の一方の面を形成するシートは、オスのメカニカルファスナーと係合する係合シートからなり、該一方の面を形成するシートのテーバーこわさが0.4mN・m以下であり、前記筒状体の他方の面を形成するシートは、そのテーバーこわさが前記一方の面を形成するシートのテーバーこわさよりも大きい毛髪保持具を提案している(特許文献2)。
上述した毛髪保持具は、毛髪束に巻回形状をしっかり付与する観点から、毛髪束を巻き上げたあとで毛髪保持具の巻回形状を保持するように、筒状体を構成する一方のシートの内面と他方のシートとの外面との係合力を高くすることが望まれている。これとともに、毛髪束に巻回形状を付与したあとは、毛髪保持具を容易に取り外せるような操作性の高い構成が望まれている。これらの点を両立することに関して、特許文献1及び2に記載の毛髪保持具は改善の余地があった。
したがって、本発明の課題は、上述した従来技術の改良にある。
本発明は、長手方向と該長手方向に直交する幅方向とを有し、一端の開口部から他端の開口部に向けて毛髪束を挿通可能に構成された筒状体を備え、
前記筒状体は、前記長手方向に沿って巻き上げ可能に構成されており、巻き上げ時に内側に位置する一面シートと、巻き上げ時に外側に位置する他面シートとを有しており、
前記一面シートは、巻き上げ時に前記他面シートと対向する面に且つ前記一端の開口部の近傍に、巻回状態を固定する第1固定部材が配されており、
前記他面シートは、巻き上げ時に前記一面シートと対向する面に、前記第1固定部材と係合する第2固定部材が配されており、
前記一面シートと前記第1固定部材とを前記筒状体の幅方向に沿って結合する結合部が形成されており、
前記第1固定部材は、前記筒状体の長手方向に沿う方向の少なくとも一方の端部域が前記一面シートと結合されていない、毛髪保持具を提供するものである。
前記筒状体は、前記長手方向に沿って巻き上げ可能に構成されており、巻き上げ時に内側に位置する一面シートと、巻き上げ時に外側に位置する他面シートとを有しており、
前記一面シートは、巻き上げ時に前記他面シートと対向する面に且つ前記一端の開口部の近傍に、巻回状態を固定する第1固定部材が配されており、
前記他面シートは、巻き上げ時に前記一面シートと対向する面に、前記第1固定部材と係合する第2固定部材が配されており、
前記一面シートと前記第1固定部材とを前記筒状体の幅方向に沿って結合する結合部が形成されており、
前記第1固定部材は、前記筒状体の長手方向に沿う方向の少なくとも一方の端部域が前記一面シートと結合されていない、毛髪保持具を提供するものである。
本発明によれば、巻回状態の保持性と、ハンドリング性とが両立した毛髪保持具が提供される。
以下、本発明の毛髪保持具を、その好ましい実施形態に基づき、図面を参照しながら説明する。本発明の毛髪保持具は、毛髪束への巻回形状の付与を行うために好適に用いられる。
図1(a)及び(b)には、本発明の毛髪保持具の一実施形態が示されている。同図に示すように、本実施形態の毛髪保持具1は、長手方向Xと、長手方向Xに直交する幅方向Yを有している。また同図に示すように、毛髪保持具1は、長手方向Xの一端に位置する開口部(以下、これを「第1開口部」ともいう。)21から、長手方向Xの他端に位置する開口部(以下、これを「第2開口部」ともいう。)22に向けて毛髪束を挿通可能な2枚のシート23A、23Bにより構成された筒状体2を備えている。
筒状体2は、図1(a)及び(b)に示すように、扁平の形状であり、2枚のシート23A,23Bどうしを結合する一対の側部結合部24と、その間に位置する毛髪束が挿入される筒状部20とを有している。筒状部20は、第1開口部21から挿入した毛髪束を、第2開口部22に向けて挿通する部分である。筒状体2は、一方の面を形成するシート(以下、これを「一面シート」ともいう。)23Aと、他方の面を形成するシート(以下、これを「他面シート」ともいう)23Bとを側部結合部24により結合させて形成されている。本実施形態の筒状体2は、一面シート23Aが毛髪保持具1の巻き上げ時に内側に位置し、他面シート23Bが毛髪保持具1の巻き上げ時に外側に位置するように配されている。本実施形態の毛髪保持具1を構成する一面シート23A及び他面シート23Bの長手方向と、毛髪保持具1の長手方向Xとはそれぞれ一致している。側部結合部24は、例えば、接着剤等による接合、ヒートシールや超音波等による融着、又は縫合によって形成されて、各シート23A,23Bを一体化している。
筒状体2は、その長手方向Xに沿って巻き上げ可能に構成されていることが好ましい。巻き上げ可能な構成とは、図2に示すように、筒状体2を巻回してロール状にすることが可能であることを指す。このような構成は、筒状体2に対して外力を加えずに、自然状態において自動的に巻き上がる状態を発現するものであることが、毛髪束を挿入した後の巻き上げの利便性の観点から好ましい。
自動的に巻き上がる構成としては、例えば、自然状態において、筒状体2がロール状に巻回された巻回状態が維持されており、使用時において筒状体2を引き伸ばして毛髪束を挿入した後、手を放すと、筒状体2が毛髪束とともに巻き上がるようになされている構成が挙げられる。このような構成とするためには、例えば、筒状体2を構成する2枚のシート23A,23Bの少なくとも一方に、毛髪保持具1を巻き上げた状態の形状を記憶させてある形状記憶シートを用いることができる。シート23A,23Bを構成する材料については後述する。
自動的に巻き上がる構成としては、例えば、自然状態において、筒状体2がロール状に巻回された巻回状態が維持されており、使用時において筒状体2を引き伸ばして毛髪束を挿入した後、手を放すと、筒状体2が毛髪束とともに巻き上がるようになされている構成が挙げられる。このような構成とするためには、例えば、筒状体2を構成する2枚のシート23A,23Bの少なくとも一方に、毛髪保持具1を巻き上げた状態の形状を記憶させてある形状記憶シートを用いることができる。シート23A,23Bを構成する材料については後述する。
図1(a)及び(b)に示すように、毛髪保持具1は、長手方向Xにおける筒状体2の第1開口部21側の端部から一面シート23Aが延出した延設部4を有していることが好ましい。延設部4は、毛髪保持具1の使用時及び使用終了後において、筒状体2を引き伸ばす際の把持部としても機能する。したがって、延設部4を有することによって、毛髪束の挿入作業を容易にすることができ、毛髪束を挿入した後の巻き上げの利便性が向上するとともに、使用後の毛髪保持具1の除去も容易となる。
図1(a)及び(b)に示すように、一面シート23Aは、毛髪保持具1の巻き上げ時に他面シート23Bと対向する面に、第1固定部材5が配されていることが好ましい。第1固定部材5は、後述する第2固定部材6と係合可能な可撓性を有する部材である。各部材5,6どうしの係合によって、毛髪保持具1の巻回状態を固定することができる。第1固定部材5と第2固定部材6とは互いに係合可能であればその形態は特に制限されず、例えば、第1固定部材5が機械的面ファスナーのオス部材であり、第2固定部材6が機械的面ファスナーのメス部材であってもよい。あるいは、第1固定部材5が機械的面ファスナーのメス部材であり、第2固定部材6が機械的面ファスナーのオス部材であってもよい。詳細には、第1固定部材5及び第2固定部材6はいずれもシート状物であり、好ましくは機械的面ファスナーである。
本実施形態における第1固定部材5は、一面シート23Aと別体の部材として配されており、長手方向と幅方向とを有する矩形状の形状を有している。第1固定部材5は、その長手方向が筒状体2の幅方向Yに沿って延びている。また、第1固定部材5の幅方向は、筒状体2の長手方向Xと一致するように、且つ延設部4における第1開口部21の近傍に配されている。これに加えて、毛髪保持具1は、結合部10が、筒状体2の幅方向Yに沿うように且つ第1固定部材5の長手方向の全長にわたって形成されている。これによって、第1固定部材5と一面シート23Aとが、筒状体2の幅方向に沿って結合され、一体化している。結合部10は、例えば、接着剤等による接合、ヒートシールや超音波等による融着、又は縫合によって形成することができ、好ましくは線状又は帯状の形状である。
以下の説明では、第1固定部材5の幅方向を「第1方向」ともいい、本実施形態では、該第1方向と筒状体2の長手方向Xに沿う方向とは互いに一致しているので、「第1方向X」とも表記する。また、第1固定部材5の長手方向を「第2方向」ともいい、本実施形態では、該第2方向と筒状体2の幅方向Yに沿う方向とは互いに一致しているので、「第2方向Y」とも表記する。
本実施形態の第1固定部材5は、第1固定部材5と結合部10との形成位置に特徴の一つを有する。詳細には、第1固定部材5は、筒状体2の長手方向Xに沿う方向である第1方向Xの少なくとも一方の端部域が一面シート23Aと結合されていないことが好ましい。すなわち、第1固定部材5は、その第1方向Xの少なくとも一方の端部域において、結合部10が形成されていない自由端となっていることが好ましい。このような構成を有していることによって、巻き上げ時における巻回状態の保持性が高く、且つ取り外し時の操作性が高い毛髪保持具となる。
第1固定部材5における結合部10の形成位置の態様としては、例えば、(i)図1(b)及び図3(a)に示すように、第1固定部材5の第1方向Xの端部域において、筒状体2の第1開口部21側に位置する部位にのみ結合部10が形成されている態様、(ii)図3(b)に示すように、第1固定部材5の第1方向Xの端部域における、筒状体2の第1開口部21側に位置する部位と、第1固定部材5の第1方向Xの中央域とのそれぞれに結合部10が形成されている態様、(iii)図3(c)に示すように、第1固定部材5の第1方向Xの中央域にのみ結合部10が配されている態様、(iv)図3(d)に示すように、第1固定部材5の第1方向Xの端部域において、筒状体2の第2開口部22側に位置する部位にのみ結合部10が形成されている態様、及び(v)図3(e)に示すように、第1固定部材5の第1方向Xの端部域における、筒状体2の第2開口部22側に位置する部位と、第1固定部材5の第1方向Xの中央域とのそれぞれに結合部10が形成されている態様、等が挙げられる。
なお、図1(b)並びに図3(a)ないし(e)に示す結合部10は点線にて示されているが、説明の便宜上そのように示しただけであり、実際には、結合部10は連続的に形成されていてもよく、間欠的に形成されていてもよい。
また、結合部10と、結合部10の形成位置に最も近い第1固定部材5の第1方向X側の端縁との間、並びに、結合部10どうしの間は、それぞれ結合していてもよく、結合部10の形成位置以外の部位は結合していなくてもよい。
また、結合部10と、結合部10の形成位置に最も近い第1固定部材5の第1方向X側の端縁との間、並びに、結合部10どうしの間は、それぞれ結合していてもよく、結合部10の形成位置以外の部位は結合していなくてもよい。
上述した「第1固定部材5の第1方向Xの端部域」とは、第1固定部材5を第1方向Xに沿って仮想的に4等分したときに、筒状体2の長手方向に位置する両端の領域を指す。また、「第1固定部材5の第1方向Xの中央域」とは、第1固定部材5を第1方向Xに沿って仮想的に3等分したときの中央の領域を指す。第1固定部材5が矩形状以外の形状である場合には、第1固定部材5を平面視したときにおける外形の相似形となるように、第1方向Xに沿って仮想的に分割した領域とする。
図1(a)に示すように、他面シート23Bは、毛髪保持具1の巻き上げ時に一面シート23Aと対向する面に、第2固定部材6が配されていることが好ましい。上述のとおり、第2固定部材6は、第1固定部材5と係合可能な可撓性を有する部材であり、各部材5,6との係合によって、毛髪保持具1の巻回状態を固定することができる。第2固定部材6は、好ましくは機械的面ファスナーである。
本実施形態における第2固定部材6は、他面シート23Bと別体の部材として、巻き上げ時における第1固定部材5との対向予定位置及びその近傍に配されている。第2固定部材6は、その長手方向と、筒状体2の長手方向Xとが一致するように配された矩形状の形状を有しており、側部結合部24よりも幅方向Y内方に一対配されている。第2固定部材6と他面シート23Bとは、例えば、接着剤等による接合、ヒートシールや超音波等による融着、又は縫合によって結合して一体化することができる。
図1(a)に示すように、毛髪保持具1は、一面シート23A及び他面シート23Bの少なくとも一方に、幅方向Yに延びるスリット7が一本以上形成されていることも好ましい。このような構成を有していることによって、毛髪保持具1を構成する各シート23A,23Bの伸長性を向上させることができ、筒状体2をスムーズに巻き上げることができる。また、第2固定部材6を配する場合、同図に示すように、スリット7の幅方向Y両端部に第2固定部材6を一対配することが、スリット7の端部からの意図しない破れを防ぐ点でより好ましい。なお、スリット7は、筒状体2の長手方向Xにおける長さが3mm未満のものを意味する。
筒状体2をスムーズに巻き上げやすくする観点から、スリット7の形成態様として、巻き上げ時に外側となる他面シート23Bに筒状体2の幅方向Yに延びる複数本のスリットが筒状体2の長手方向Xに間欠的に形成されていることが好ましく、一面シート23A及び他面シート23Bの双方に、スリットが複数本形成されていることがより好ましい。スリット7の他の形態として、例えば、特開2006−129972号公報に記載のスリットを設けることができる。
本実施形態の毛髪保持具1は、図1(a)及び(b)に示すように、第2開口部22側の近傍に、両側縁部25から幅方向Yの外方側にそれぞれ延出した巻き締め片8を有していることも好ましい。本実施形態の各巻き締め片8,8は、半円状の平面視形状を有しており、一面シート23Aと一体的に一対形成されている。このような構成を有していることによって、毛髪束を挿通した筒状体2を巻回する際に、巻き締め片8を手で把持して筒状体2を巻き上げると、筒状体2を容易に且つ必要に応じてきつく巻き上げることができる。巻き締め片8として、例えば、特開2006−129972号公報に記載のものを設けることができる。巻き締め片8の形成方法、形状、大きさ、厚さ及び配置等は適宜設定できる。
以上の構成を有する毛髪保持具1は、第1固定部材5と第2固定部材6とが配されているので、これらの部材5,6との係合によって、毛髪保持具1の巻回状態を固定することができ、巻回状態の保持性が高いものとなる。これに加えて、第1固定部材5は、第1方向Xにおける少なくとも一方の端部域に結合部10が形成されておらず、該端部域において第1固定部材5と一面シート23Aとが結合していないので、第1固定部材5の可撓性が維持されており、毛髪保持具1の巻回によって形成された第2固定部材6の外周面に沿うように第1固定部材5を面接触させやすくすることができるので、係合力が高くなり、これに起因して毛髪保持具1における巻回状態の保持性が高いものとなる。また、毛髪保持具1における巻回状態の高い保持性を発現しながらも、使用時及び使用終了後において、筒状体2を引き伸ばす際に、第1固定部材5と第2固定部材6との係合を解除しやすくなるので、ハンドリング性に優れたものとなる。これらの優れた効果は、後述する実施例による結果からも支持される。
上述した効果を顕著なものとする観点から、第1固定部材5における結合部10の形成位置の態様として、結合部10は、第1固定部材5の第1方向Xにおける一方の端部域に形成されていることが好ましい。すなわち、上述した態様のうち、(i)、(ii)、(iv)、又は(v)のいずれかの態様を採用することが好ましい。この場合、結合部10が形成されていない領域は、第1固定部材5と一面シート23Aとが結合されていないことが、第1固定部材5の可撓性を維持して、第2固定部材6との面接触を容易にする観点から好ましい。
同様の観点から、第1固定部材5における結合部10の形成位置の態様として、結合部10は、第1固定部材5の第1方向Xにおける中央域に形成されていることも好ましい。すなわち、上述した態様のうち、(ii)、(iii)又は(v)のいずれかの態様を採用することが好ましい。この場合、結合部10が形成されていない領域は、第1固定部材5と一面シート23Aとが結合されていないことが、第1固定部材5の可撓性を維持して、第2固定部材6との面接触を容易にする観点から好ましい。
また同様の観点から、第1固定部材5における結合部10の形成位置の態様として、結合部10は、筒状体2の長手方向X外方側に位置する第1固定部材の第1方向Xの端部域に形成されていることが好ましい。すなわち、上述した態様のうち、(i)又は(ii)の態様を採用することが好ましい。この場合、結合部10が形成されていない領域は、第1固定部材5と一面シート23Aとが結合されていないことも好ましい。
これらのうち、第1固定部材5における結合部10の形成位置の態様として、筒状体2の第1開口部21側に位置する第1固定部材の第1方向Xの端部域に形成されていることがより好ましく、筒状体2の第1開口部21側に位置する第1固定部材5の第1方向Xの端部域にのみ形成されていることが更に好ましい。すなわち、上述した態様のうち、(i)又は(ii)の態様を採用することがより好ましく、(i)の態様を採用することが更に好ましい。これに加えて、結合部10が形成されていない領域は、第1固定部材5と一面シート23Aとが結合されていないことも更に好ましい。このような態様を採用することによって、巻き上げ時の保持性と、ハンドリング性とのバランスが更に優れたものとなる。詳細には、このような態様を採用することによって、巻き上げ時に第2固定部材6の周面に第1固定部材5を容易に面接触させることができるので、高い係合力を発現させて、毛髪保持具1における巻回状態を十分に保持できるものとなる。これに加えて、延設部4の長手方向Xの端部近傍を把持して、筒状体2を引き伸ばす際に、第1固定部材5の第1方向Xの端部域に形成されている結合部10が作用点となり、第1固定部材5と第2固定部材6とを引きはがす外力が集中しやすいので、第1固定部材5と第2固定部材6との係合を少ない外力で解除することができるので、ハンドリング性が更に向上する。
以下に、上述した各実施形態に共通の事項について説明する。結合部10は、縫合によって形成されているか、又は、超音波による融着によって形成されていることが好ましく、縫合によって形成されていることが更に好ましい。このような結合態様で第1固定部材5と一面シート23Aとを一体化することによって、結合部10における結合領域の形成を制御しやすくすることができるとともに、第1固定部材5と一面シート23Aとの材質によらず、結合強度を発現することができる。また、結合部10の幅方向Yの長さは、少なくとも第1固定部材5の第2方向Yの長さ以上であることが、十分な結合強度を発現する点で好ましい。
また、第2固定部材6と他面シート23Bとの結合についても同様に、縫合によって形成されているか、又は、超音波による融着によって形成されていることが好ましく、縫合によって形成されていることが更に好ましい。このような結合態様で第2固定部材6と他面シート23Bとを一体化することによって、巻回された状態における第2固定部材6の可撓性を維持して、第1固定部材5との係合性を高めるとともに、第2固定部材6と他面シート23Bとの材質によらず、結合強度を発現することができる。また、第2固定部材6と他面シート23Bとを結合する場合、その結合領域は、少なくとも第2固定部材6の長手方向の長さ以上となって形成されることが、十分な結合強度を発現する点で好ましい。
第1固定部材5と一面シート23Aとの物性の関係については、第1固定部材5のテーバーこわさが、一面シート23Aのテーバーこわさよりも高いことが好ましい。このような構成となっていることによって、筒状体2への毛髪束の挿入作業を更に容易にすることができるとともに、毛髪束を挿入した後の巻き上げを簡便に行うことができ、その結果、毛髪束への巻回形状の付与を効果的に行うことができる。テーバーこわさは、JIS P8125−2000に規定される「こわさ試験方法」により測定される。このようなテーバーこわさの関係を満たすためには、例えば、第1固定部材5の厚みを一面シート23Aの厚みよりも大きいものとしたり、又は第1固定部材5の剛性が一面シート23Aの剛性よりも高くなるような材質を適宜選択したりすればよい。
詳細には、第1固定部材5のテーバーこわさは、一面シート23Aのテーバーこわさよりも高いことを条件として、好ましくは1mN・m以上、更に好ましくは5mN・m以上であり、好ましくは100mN・m以下、更に好ましくは50mN・m以下である。
また、一面シート23Aのテーバーこわさは、上述と同様の条件において、好ましくは0.4mN・m以上、更に好ましくは1mN・m以上であり、好ましくは10mN・m以下、更に好ましくは5mN・m以下である。
また、一面シート23Aのテーバーこわさは、上述と同様の条件において、好ましくは0.4mN・m以上、更に好ましくは1mN・m以上であり、好ましくは10mN・m以下、更に好ましくは5mN・m以下である。
また、第2固定部材6のテーバーこわさは、他面シート23Bのテーバーこわさよりも低いことを条件として、好ましくは0.1mN・m以上、更に好ましくは0.4mN・m以上であり、好ましくは5mN・m以下、更に好ましくは3mN・m以下である。
また、他面シート23Bのテーバーこわさは、上述と同様の条件において、好ましくは0.4mN・m以上、更に好ましくは1mN・m以上であり、好ましくは5mN・m以下、更に好ましくは3mN・m以下である。
また、他面シート23Bのテーバーこわさは、上述と同様の条件において、好ましくは0.4mN・m以上、更に好ましくは1mN・m以上であり、好ましくは5mN・m以下、更に好ましくは3mN・m以下である。
また、第1固定部材5の厚みが、一面シート23Aの厚みよりも厚いことが好ましい。このような構成となっていることによって、筒状体2への毛髪束の挿入作業を更に容易にすることができるとともに、毛髪束を挿入した後の巻き上げを簡便に行うことができ、その結果、毛髪束への巻回形状の付与を効果的に行うことができる。また、上述したテーバーこわさの関係を容易に達成することができる。
具体的には、第1固定部材5の厚みは、一面シート23Aの厚みよりも高いことを条件として、好ましくは150μm以上、更に好ましくは300μm以上であり、好ましくは3000μm以下、更に好ましくは2000μm以下である。
同様に、第2固定部材6の厚みは、好ましくは100μm以上、更に好ましくは200μm以上であり、好ましくは2000μm以下、更に好ましくは1500μm以下である。
同様に、第2固定部材6の厚みは、好ましくは100μm以上、更に好ましくは200μm以上であり、好ましくは2000μm以下、更に好ましくは1500μm以下である。
また、一面シート23Aの厚みは、上述と同様の条件において、好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上であり、好ましくは2000μm以下、更に好ましくは1500μm以下である。
また、他面シート23Bの好ましい厚みは、一面シート23Aの厚みと同様の範囲とすることができる。
第1固定部材5及び第2固定部材6並びに各シート23A,23Bの各厚みは、例えばフジワーク製、不織布厚み測定器HKT−Lite 1.0Fを用いて、0.5kPa荷重下で測定することができる。
また、他面シート23Bの好ましい厚みは、一面シート23Aの厚みと同様の範囲とすることができる。
第1固定部材5及び第2固定部材6並びに各シート23A,23Bの各厚みは、例えばフジワーク製、不織布厚み測定器HKT−Lite 1.0Fを用いて、0.5kPa荷重下で測定することができる。
各シート23A,23Bの形成材料としては、例えば、不織布(ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂系不織布;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂系不織布等;レーヨン不織布等)、織布、網状シート、多孔性又は非多孔性の樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、紙、高分子材料シート、ゴムシート、形状記憶シート又はこれらの複合体等が挙げられる。各シート23A,23Bの形成材料として形状記憶シートを用いる場合、熱収縮率の異なるフィルム、あるいは張力の異なるフィルムを複数枚貼り合わせることによって形成することができる。また、形状記憶シートは、これを加熱することにより、記憶していた元のロール形状に復帰するものであっても良い。
毛髪保持具1は、毛髪束への巻回形状の付与を行うために好適に用いられるところ、毛髪束への巻回形状の付与を効果的に行う観点から、各シート23A,23Bは、パーマ剤等の毛髪処理剤の拡散性を向上させる加工が施されていることが好ましい。このような加工は、特に制限されないが、エンボス加工、カレンダー加工、樹脂膜形成加工等が挙げられる。例えばエンボス加工は、各シート23A,23Bの長手方向に連なる凸部を形成することにより、毛髪処理剤が該凸部を伝うことで拡散性を向上させることができる。カレンダー加工は、各シート23A,23Bの密度を調整することにより、毛髪処理剤の拡散性を向上させることができる。樹脂膜形成加工は、各シート23A,23Bの一部あるいは全域に吸液性の低い樹脂膜を形成して、各シート23A,23B全体の吸液量を低減させることにより、毛髪処理剤の拡散性を向上させることができる。
また、毛髪保持具1は、自然状態において、筒状体2が引き伸ばされた状態であっても良いが、その使用を容易とする観点から、筒状体2が、自然状態において一面シート23Aを内側にしてロール状に巻回された形態となっていることが好ましい。このような形態は、例えば上述した形状記憶シートを用いることで形成することができる。
第1固定部材5及び第2固定部材6の形成材料として、それぞれ独立して、例えば、ポリエステル系熱可塑性エラストマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂;ナイロン等のポリアミド系樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂等のうち一種以上を原料として用いた機械的面ファスナーが挙げられる。
毛髪保持具1の寸法及び筒状体2の寸法は、毛髪の長さやくせ付けしたい場所、挿入する毛髪束の量に応じて適宜調整することができる。詳細には、毛髪保持具1の長さL1(図1(b)参照)は、好ましくは50mm以上、更に好ましくは100mm以上であり、好ましくは400mm以下、更に好ましくは350mm以下である。長手方向Xにおける毛髪保持具1の長さL1は、これを引き伸ばして展開状態としたときの、長手方向Xにおける延設部4と、筒状体2との合計長さである。
筒状体2の長手方向Xにおける長さL2(図1(b)参照)は、好ましくは45mm以上、更に好ましくは90mm以上であり、好ましくは300mm以下、更に好ましくは275mm以下である。筒状体2の長さL2は、毛髪保持具1を引き伸ばして展開状態としたときの、長手方向Xに沿う最大長さとする。
筒状体2の幅方向Yにおける長さW1(図1(b)参照)は、好ましくは25mm以上、更に好ましくは30mm以上であり、また好ましくは200mm以下、更に好ましくは150mm以下である。
第2開口部22の幅方向Yにおける長さW2(図1(b)参照)は、筒状体2の幅方向Yにおける長さW1に対する百分率で表して、好ましくは40.0%以上、更に好ましくは66.7%以上であり、好ましくは97.5%以下、更に好ましくは96.7%以下である。
第2開口部22の幅方向Yにおける長さW2〔図1(b)参照〕は、好ましくは10mm以上、更に好ましくは20mm以上であり、好ましくは195mm以下、更に好ましくは145mm以下である。
また、第1開口部21の幅方向Yにおける長さ、及び長さW1に対する百分率は、長さW2と同様の範囲とすることができる。本実施形態において、第1開口部21の幅方向Yにおける長さは、第2開口部22の幅方向Yにおける長さW2と同じに形成されている。第1開口部21の幅方向Yにおける長さと、第2開口部22の幅方向Yにおける長さW2とは、本発明が奏される限りにおいて、異なっていてもよい。
また、第1開口部21の幅方向Yにおける長さ、及び長さW1に対する百分率は、長さW2と同様の範囲とすることができる。本実施形態において、第1開口部21の幅方向Yにおける長さは、第2開口部22の幅方向Yにおける長さW2と同じに形成されている。第1開口部21の幅方向Yにおける長さと、第2開口部22の幅方向Yにおける長さW2とは、本発明が奏される限りにおいて、異なっていてもよい。
毛髪保持具1にスリット7が形成されている場合、スリット7の幅方向Yにおける長さW7〔図1(a)参照〕は、筒状体2の幅方向Yにおける長さW1に対する百分率で表して、好ましくは40.0%以上、更に好ましくは50.0%以上であり、好ましくは90.0%以下、更に好ましくは80.0%以下である。
毛髪保持具1にスリット7が形成されている場合、スリット7の幅方向Yにおける長さW7(図1(a)参照)は、好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上であり、また好ましくは180mm以下、より好ましくは120mm以下である。
次に、本実施形態における毛髪保持具1を用いた、本発明の毛髪処理方法について、毛髪(頭髪)に直接カールを付与する場合について、図4を参照しながら説明する。毛髪保持具1を用いた毛髪処理方法では、筒状体2を、該筒状体2に挿通した毛髪束Hと共に巻き上げる。毛髪保持具は、巻き上げ時の巻き具合によって、毛髪束の巻き径を調整することができる。
先ず、毛髪束Hの量や所望のカール形状に応じて、適当な長さ及び幅を有する筒状体2からなる毛髪保持具1を用い、図4(a)に示すように、引き伸ばした筒状体2の第1開口部21に毛髪束を挿入する。この際、毛髪保持具1の一端の第1開口部21は楕円状に開口されても良いが、必要に応じ、該第1開口部21を真円状に開口させることによって、毛髪束Hをスムーズに挿通させ易くなる。また、毛髪束の挿通作業をスムーズに行う観点から、後述する毛髪挿入具を用いて、毛髪束Hの挿通作業を行うことが好ましい。また、図4(a)に示すように、毛髪束Hの先端を筒状体2の第2開口部22からはみ出させてもよい。
毛髪束Hを筒状体2に挿通させた後、図4(b)及び(c)に示すように、筒状体2を第2開口部22の側から、一面シート23Aを内側にして巻き上げる。その後、第1固定部材5と第2固定部材6とを係合させて、巻回状態を保持させる。
次に、毛髪保持具1で巻き上げた毛髪束Hに対して、毛髪処理剤を付与したり、あるいは熱の付与等を行ったりして、所望のカール形状を毛髪束Hに付与する。毛髪処理剤を付与する場合、毛髪処理剤は、筒状体2の外側、すなわち他面シート23B側から毛髪束Hに付与することが好ましい。そして所定時間経過後、第1固定部材5と第2固定部材6との係合を解除して、毛髪保持具1を図4(a)に示す形態に引き伸ばす。その後、筒状体2から毛髪束Hを抜き取り、洗髪等して、パーマ処理を完了する。2剤式の毛髪処理剤の場合は、毛髪保持具1で巻き上げた毛髪束Hに、筒状体2の外側から第1剤を付与した後、毛髪束Hを抜き取る前に毛髪束Hに第2剤を塗布する。そして所定時間経過後、筒状体2から毛髪束Hを抜き取り、洗髪等して、パーマ処理を完了することができる。
毛髪処理剤として、公知のパーマ剤の他、染毛剤、脱色剤、スタイリング剤、水等が挙げられる。
毛髪保持具1は、上述したように、毛髪処理剤を用いて毛髪束Hにカールを付与するパーマ処理に使用できるが、毛髪処理剤を用いないで毛髪束Hにカールを付与する処理にも使用することができる。毛髪処理剤を用いない処理としては、例えば、毛髪束Hを毛髪保持具1によって巻回した後、毛髪処理剤を用いずに、ドライヤー等により熱処理したり、乾燥した毛髪を巻回状態で保持したり、濡れた状態の毛髪を巻回状態で保持し自然乾燥させたりして、毛髪にカールを付与する場合等にも適用することができる。
また、毛髪保持具1と、筒状体2に毛髪束を挿入する長尺状の毛髪挿入具と共に用いることができる。毛髪束の挿入作業をより容易にする観点から、毛髪挿入具は、毛髪束をフック可能なフック部が設けられていることが好ましい。毛髪挿入具として、特開2008−61959号公報に記載のもの等を用いることもできる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、本実施形態の毛髪保持具1は、延設部4が形成されていたが、延設部4が形成されていない態様となっていてもよい。この場合、第1固定部材5は、筒状体2の長手方向Xにおける第1開口部21が位置する側に配されていることが、巻回状態の保持を効果的に行える点から好ましい。
また、本実施形態の毛髪保持具1は、その両側縁部25のそれぞれに巻き締め片8を有していたが、片方の側縁部25に複数の巻き締め片8を有していても良いし、片方の側縁部25のみに巻き締め片を有していても良い。また、毛髪保持具1は、巻き締め片8を有していなくても良い。
また、筒状体2を構成するシート材の形状及びその表面状態は、上述の形態の筒状体2を形成可能なものであれば良く、各シート材の表面は、凹凸面であってもよい。
また、本実施形態は第2固定部材6を有し、第1固定部材5と第2固定部材6とを係合可能に構成されていたが、本発明の効果が奏される限りにおいて、第2固定部材6を有しない形態となっていてもよい。この場合、巻回状態において、好ましくは機械的面ファスナーのオス部材としての第1固定部材5と、第1固定部材5に対向する他面シート23Bとを直接係合させることによって、巻回状態を保持させることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。以下の説明では、図5(a)ないし(d)に示す断面の模式図を参照して、巻回状態における第1固定部材5、第2固定部材6及び結合部10の各配置位置を説明する。
〔実施例1〕
図3(a)に示すように、第1固定部材5の第1方向Xの端部域における、筒状体2の第1開口部21側に位置する部位にのみに結合部10を一箇所形成して、図1(a)及び(b)に示す構成を有する毛髪保持具1を形成した。本実施形態における巻回状態の第1固定部材5、第2固定部材6及び結合部10の各配置位置を、図5(a)に模式的に示す。毛髪保持具1は、図2に示すように、巻き上げた状態の形状が記憶されてあるものであった。
図3(a)に示すように、第1固定部材5の第1方向Xの端部域における、筒状体2の第1開口部21側に位置する部位にのみに結合部10を一箇所形成して、図1(a)及び(b)に示す構成を有する毛髪保持具1を形成した。本実施形態における巻回状態の第1固定部材5、第2固定部材6及び結合部10の各配置位置を、図5(a)に模式的に示す。毛髪保持具1は、図2に示すように、巻き上げた状態の形状が記憶されてあるものであった。
本実施例における結合部10は縫合によって形成されており、結合部10以外の領域は、第1固定部材5と一面シート23Aとが結合されていないものであった。第1固定部材5はYKK製の機械的面ファスナーのオス部材であり、そのテーバーこわさは13.2mN・mであり、第1固定部材5の厚みは580μmであった。また、一面シート23A及び他面シート23Bはともに旭化成製のポリエチレンテレフタレート不織布であり、一面シート23Aのテーバーこわさは9.0mN・mであり、一面シート23Aの厚みは330μmであった。第2固定部材6は、機械的面ファスナーのメス部材であり、第1固定部材5と係合可能に構成されていた。
〔実施例2〕
図3(b)に示すように、第1固定部材5の第1方向Xの端部域における、筒状体2の第1開口部21側に位置する部位と、第1固定部材5の第1方向Xの中央域との二箇所に結合部10を形成して、それ以外は実施例1と同様に、図1(a)及び(b)に示す構成を有する毛髪保持具1を形成した。本実施例における巻回状態の第1固定部材5、第2固定部材6及び結合部10の各配置位置を、図5(b)に模式的に示す。
図3(b)に示すように、第1固定部材5の第1方向Xの端部域における、筒状体2の第1開口部21側に位置する部位と、第1固定部材5の第1方向Xの中央域との二箇所に結合部10を形成して、それ以外は実施例1と同様に、図1(a)及び(b)に示す構成を有する毛髪保持具1を形成した。本実施例における巻回状態の第1固定部材5、第2固定部材6及び結合部10の各配置位置を、図5(b)に模式的に示す。
〔実施例3〕
図3(d)に示すように、第1固定部材5の第1方向Xの端部域における、筒状体2の第2開口部22側に位置する部位のみに結合部10を一箇所形成して、それ以外は実施例1と同様に、図1(a)及び(b)に示す構成を有する毛髪保持具1を形成した。本実施例における巻回状態の第1固定部材5、第2固定部材6及び結合部10の各配置位置を、図5(c)に模式的に示す。
図3(d)に示すように、第1固定部材5の第1方向Xの端部域における、筒状体2の第2開口部22側に位置する部位のみに結合部10を一箇所形成して、それ以外は実施例1と同様に、図1(a)及び(b)に示す構成を有する毛髪保持具1を形成した。本実施例における巻回状態の第1固定部材5、第2固定部材6及び結合部10の各配置位置を、図5(c)に模式的に示す。
〔比較例1〕
図3(f)に示すように、第1固定部材5の第1方向Xの両端部域に結合部10を二箇所形成して、それ以外は実施例1と同様に、図1(a)及び(b)に示す構成を有する毛髪保持具1を形成した。本比較例1における巻回状態の第1固定部材5、第2固定部材6及び結合部10の各配置位置を、図5(d)に模式的に示す。
図3(f)に示すように、第1固定部材5の第1方向Xの両端部域に結合部10を二箇所形成して、それ以外は実施例1と同様に、図1(a)及び(b)に示す構成を有する毛髪保持具1を形成した。本比較例1における巻回状態の第1固定部材5、第2固定部材6及び結合部10の各配置位置を、図5(d)に模式的に示す。
〔巻回状態の保持性の評価〕
実施例及び比較例の毛髪保持具について、第1固定部材5と第2固定部材6との係合を解除する際の剥離強度を測定した。具体的には、図5(a)ないし(d)に示す毛髪保持具の巻回状態において、筒状体2によって画成される内部空間に金属棒を挿入して、筒状体2の回転以外の動きを規制する。そして、延設部4をフォースゲージに取り付けたクリップで把持し、一定速度で該フォースゲージを鉛直上方に引き上げ、第1固定部材5と第2固定部材6との係合を解除する際の力を測定し、その力の最大値を剥離強度(N)とした。剥離強度が3.0N以上であれば、使用時における巻回状態の保持性を有していることを示し、剥離強度の数値が高いほど保持性が高いことを意味する。結果を表1に示す。
実施例及び比較例の毛髪保持具について、第1固定部材5と第2固定部材6との係合を解除する際の剥離強度を測定した。具体的には、図5(a)ないし(d)に示す毛髪保持具の巻回状態において、筒状体2によって画成される内部空間に金属棒を挿入して、筒状体2の回転以外の動きを規制する。そして、延設部4をフォースゲージに取り付けたクリップで把持し、一定速度で該フォースゲージを鉛直上方に引き上げ、第1固定部材5と第2固定部材6との係合を解除する際の力を測定し、その力の最大値を剥離強度(N)とした。剥離強度が3.0N以上であれば、使用時における巻回状態の保持性を有していることを示し、剥離強度の数値が高いほど保持性が高いことを意味する。結果を表1に示す。
〔ハンドリング性の評価〕
実施例及び比較例の毛髪保持具について、第1固定部材5と第2固定部材6との係合を解除する際のハンドリング性を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
A:適度な外力を加えて、第1固定部材5と第2固定部材6との間を引きはがすことができ、ハンドリング性に優れる。
B:やや強い外力を加えて、第1固定部材5と第2固定部材6との間を引きはがすことができ、問題のないハンドリング性である。
C:強い外力を加えて第1固定部材5と第2固定部材6との間を引きはがす必要があるか、又は、第1固定部材5と第2固定部材6との係合性が悪く、ハンドリング性に劣る。
実施例及び比較例の毛髪保持具について、第1固定部材5と第2固定部材6との係合を解除する際のハンドリング性を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
A:適度な外力を加えて、第1固定部材5と第2固定部材6との間を引きはがすことができ、ハンドリング性に優れる。
B:やや強い外力を加えて、第1固定部材5と第2固定部材6との間を引きはがすことができ、問題のないハンドリング性である。
C:強い外力を加えて第1固定部材5と第2固定部材6との間を引きはがす必要があるか、又は、第1固定部材5と第2固定部材6との係合性が悪く、ハンドリング性に劣る。
表1に示すように、各実施例の毛髪保持具1は、比較例のものと比較して、巻回状態を保持できる保持性を有し、また、ハンドリング性に優れるものである。特に、実施例1及び2の毛髪保持具は、巻回状態の十分な保持性を発現できるとともに、高いハンドリング性を有しており、巻回状態の十分な保持性とハンドリング性とが両立して優れたものとなる。
一方、比較例1の毛髪保持具1は、図5(d)に示すように、結合部10の形成位置に起因して、第1固定部材5が第2固定部材6の周面に沿ってたわみづらくなっており、各実施例のものと比較して、第2固定部材6との接触面積が少なくなっている。その結果、巻回状態を保持できる保持性が発現しにくくなったと考えられる。
1 毛髪保持具
2 筒状体
21 一端の開口部
22 他端の開口部
23A 一面シート
23B 他面シート
4 延設部
5 第1固定部材
6 第2固定部材
10 結合部
X 長手方向,第1方向
Y 幅方向,第2方向
2 筒状体
21 一端の開口部
22 他端の開口部
23A 一面シート
23B 他面シート
4 延設部
5 第1固定部材
6 第2固定部材
10 結合部
X 長手方向,第1方向
Y 幅方向,第2方向
Claims (9)
- 長手方向と該長手方向に直交する幅方向とを有し、一端の開口部から他端の開口部に向けて毛髪束を挿通可能に構成された筒状体を備え、
前記筒状体は、前記長手方向に沿って巻き上げ可能に構成されており、巻き上げ時に内側に位置する一面シートと、巻き上げ時に外側に位置する他面シートとを有しており、
前記一面シートは、巻き上げ時に前記他面シートと対向する面に且つ前記一端の開口部の近傍に、巻回状態を固定する第1固定部材が配されており、
前記他面シートは、巻き上げ時に前記一面シートと対向する面に、前記第1固定部材と係合する第2固定部材が配されており、
前記一面シートと前記第1固定部材とを前記筒状体の幅方向に沿って結合する結合部が形成されており、
前記第1固定部材は、前記筒状体の長手方向に沿う方向の少なくとも一方の端部域が前記一面シートと結合されていない、毛髪保持具。 - 前記結合部は、前記筒状体の長手方向における前記第1固定部材の一方の端部域に形成されている、請求項1に記載の毛髪保持具。
- 前記結合部は、前記一端の開口部側に位置する前記第1固定部材の前記端部域に形成されており、
前記結合部が形成されていない領域は、前記第1固定部材と前記一面シートとが結合されていない、請求項1又は2に記載の毛髪保持具。 - 前記結合部は、前記筒状体の長手方向における前記第1固定部材の中央域に形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の毛髪保持具。
- 前記結合部は縫合によって形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の毛髪保持具。
- 前記結合部は融着によって形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の毛髪保持具。
- 前記第1固定部材のテーバーこわさが、前記一面シートのテーバーこわさよりも高い、請求項1〜6のいずれか一項に記載の毛髪保持具。
- 前記第1固定部材の厚みが、前記一面シートの厚みよりも厚い、請求項1〜7のいずれか一項に記載の毛髪保持具。
- 巻き上げた状態の形状を記憶させてある、請求項1〜8のいずれか一項に記載の毛髪保持具。
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