JP2003090990A - 光ヘッド装置 - Google Patents

光ヘッド装置

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JP2003090990A
JP2003090990A JP2001281538A JP2001281538A JP2003090990A JP 2003090990 A JP2003090990 A JP 2003090990A JP 2001281538 A JP2001281538 A JP 2001281538A JP 2001281538 A JP2001281538 A JP 2001281538A JP 2003090990 A JP2003090990 A JP 2003090990A
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Koichi Murata
浩一 村田
Takuji Nomura
琢治 野村
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高パワー光源から出射するレーザ光に耐える液
晶素子を搭載し、安定した再生および記録特性を有する
光ヘッド装置を得る。 【解決手段】液晶素子100を構成する液晶材料とし
て、不飽和結合を有する分子の含有比が20mol%以
下のものが用いられ、かつ液晶素子100はこの液晶材
料からなる液晶層が透明基板に挟持されて構成された透
明積層基板を少なくとも1つ有しており、この液晶素子
100を光源である半導体レーザ1と光記録媒体である
光ディスク8との間の光路中または半導体レーザ1と光
検出器9との間の光路中に設置して光ヘッド装置を構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ヘッド装置に関
し、特に光ディスクなどの光記録媒体の情報の記録およ
び再生を行う光ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクであるDVDは、同じく光デ
ィスクであるCDに比べディジタル情報が高密度で記録
されており、DVDを再生するための光ヘッド装置は、
光源の波長をCDの780nmよりも短い650nmま
たは635nmとし、または対物レンズの開口数(N
A)をCDの0.45よりも大きい0.6として光ディ
スク面上に集光するスポット径を小さくしている。
【0003】さらに、次世代の光記録においては光源か
らの出射光の波長を400nm程度、NAを0.6より
大きくすることで、より大きな記録密度を得ることが提
案されている。しかし、光源の短波長化や対物レンズの
高NA化が原因で、光ディスク面が光軸に対して直角よ
り傾くチルトの許容量や光ディスクの厚さムラの許容量
が小さくなる。
【0004】これら許容量が小さくなる理由は、光ディ
スクのチルトの場合にはコマ収差が発生し、光ディスク
の厚さムラの場合には球面収差が発生するために、光ヘ
ッド装置の集光特性が劣化して信号の読み取りが困難に
なるからである。このため、液晶素子を光路中に設置
し、透過する光の波面形状を変えることにより上記収差
を打ち消すことが提案されている。
【0005】また、液晶素子を用いて、光源からの光の
出力をあまり変化させずに光ディスクへの到達光量を変
化させる方法として、例えば液晶素子透過光の偏光状態
を印加する電圧により変化させることができる液晶素子
と、偏光ビームスプリッタのような偏光分離素子を組み
合わせることで、偏光ビームスプリッタ透過後の光量を
変化させることができる。
【0006】例えば、ある直線偏光方向(a方向)の光
をほとんど100%透過させ、その偏光方向と直交する
直線偏光方向(b方向)の光はほぼ100%反射するよ
うな偏光ビームスプリッタを用いた場合について説明す
る。液晶素子にある特定以上の電圧を印加して、直線偏
光方向がa方向の入射光の透過させると、ほとんど10
0%入射光は偏光ビームスプリッタを透過し、また、液
晶素子への印加電圧を調整して素子透過後の偏光状態が
円偏光になるようにすると、偏光ビームスプリッタ透過
後の光強度は50%になる。このように液晶素子への印
加電圧を変えて透過光の偏光状態を変化させることによ
り、偏光ビームスプリッタ透過後の光強度を変調でき
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の液晶素
子では、光源からの出射光の波長が500nm以下、特
に波長400nm付近の光を照射し続けると光損傷を受
けることが判明し、光耐久性に問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、波長500n
m以下の光を出射する光源と、光源からの出射光を光記
録媒体上に集光させるための対物レンズと、集光されて
光記録媒体により反射された出射光を受光する光検出器
と、光源と光記録媒体との間の光路中または光記録媒体
と光検出器との間の光路中に設置された液晶素子とを備
える光ヘッド装置において、液晶素子を構成する液晶材
料として、不飽和結合(芳香環中の不飽和結合を除く)を
有する分子の含有比が20mol%以下の液晶材料が用
いられ、かつ液晶素子はこの液晶材料からなる液晶層が
透明基板に挟持されて構成された透明積層基板を少なく
とも1つ有していることを特徴とする光ヘッド装置を提
供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の光ヘッド装置は、波長5
00nm以下の光を出射する光源と、光源からの出射光
を光記録媒体上に集光させるための対物レンズと、集光
されて光記録媒体により反射された出射光を受光する光
検出器と、光源と対物レンズとの間の光路中に配された
液晶素子とを備える光ヘッド装置である。
【0010】光源として、波長500nm以下の光を出
射し、かつ再生用として最大光出力3mW以上、さらに
は20mW以上の半導体レーザなどの光源が使用でき
る。また、記録用として最大光出力30mW以上の光源
が使用できる。一方、液晶素子上での積算照射エネルギ
ー密度が500kJ/cm以上、さらに1000kJ
/cm以上の光源が使用できる。また、液晶素子は光
検出器と光記録媒体との間の光路中に配されていてもよ
い。液晶素子の位置は、光源と対物レンズとの間に、コ
リメートレンズ、ビームスプリッタなどがあるときは、
コリメートレンズとビームスプリッタとの間、またはビ
ームスプリッタと対物レンズとの間に設置されること
が、平面波を液晶素子が制御することとなり好ましい。
【0011】本発明における液晶素子を構成する液晶材
料として、不飽和結合(芳香環中の不飽和結合を除く)を
有する分子の含有比が20mol%以下の液晶材料が用
いられる。液晶は多成分からなる混合物であり、20m
ol%以下の不飽和結合(芳香環中の不飽和結合を除く)
を有する分子を含有すると、波長が500nm以下でか
つ、最大光出力30mW以上の(記録用の)光源を有する
光ヘッド装置の光路中に本発明の液晶素子を配置しても
光源の光によるダメージを受けにくいという効果があ
る。以下、不飽和結合とは、芳香環中の不飽和結合を除
くものを意味する。
【0012】不飽和結合としては、エステル結合、トラ
ン結合、スチルベン結合、アゾメチン結合などを挙げる
ことができる。また、不飽和結合の1つである、エステ
ル結合を有する分子の含有比が液晶材料の20mol%
以下である液晶材料を用いることで、波長が500nm
以下、特に400nm付近の光を照射し続けても、液晶
層を構成する液晶分子の配向性に影響を与えず好まし
い。
【0013】さらに、エステル結合を含む分子の含有比
が10mol%以下であるとさらに好ましく、また全く
含まない液晶を用いることが極めて好ましい。この理由
は、次のとおりである。我々の行った実験では、液晶中
のエステル結合を含む分子の含有比を変えると、光照射
量と液晶のダメージの大きさとの間に強い相関関係があ
ることを見出した。液晶中にエステル結合を有する分子
が多く20mol%以上、例えば50mol%程度の場
合約30kJ/cm少ない光照射量でも液晶分子のプ
レチルト角が増大し、最終的には垂直配向になり、液晶
素子に電圧を印加しても液晶の屈折率変化はなくなる。
【0014】また、液晶中のトラン結合を含む分子の含
有比を変えると、光照射量と液晶のダメージの大きさと
の間に強い相関関係があることを見出した。液晶中にト
ラン結合を有する分子が多く10mol%以上、例えば
約30mol%の場合30kJ/cm程度の少ない光
照射量でも液晶分子のΔn(屈折率異方性)が低下し、
最終的には複屈折性を示さなくなり、液晶素子に電圧を
印加しても液晶の屈折率変化はなくなる。
【0015】しかし一般に不飽和結合を有する分子の含
有比を20mol%まで低下させた液晶の場合には、実
用に耐え得る光照射特性を有することがわかった。さら
に不飽和結合を有する分子を含有しない液晶の場合に
は、1000kJ/cm程度の非常に強い光照射にお
いても液晶分子の配向特性や複屈折性の劣化はほとんど
見られなかった。ここで、光照射とはレーザ光照射を意
味する。
【0016】また、不飽和結合を有する分子の含有比が
20mol%の例としては、1)エステル結合を含む分
子の含有比が20mol%で、他の80mol%分子
は、不飽和結合を含まない分子である場合、2)エステ
ル結合を含む分子の含有比が10mol%、トラン結合
を含む分子の含有比が10mol%で、他の80mol
%分子は、不飽和結合を含まない分子である場合、さら
に3)スチルベン結合を含む分子の含有比が20mol
%で、他の80mol%分子は、不飽和結合を含まない
分子である場合、などの多数の組み合わせを挙げること
ができる。
【0017】上記において、不飽和結合の例をいくつか
挙げたが、例えばエステル結合が含まれた分子は、短波
長の光によりエステル結合が切断され、切断された分子
が配向膜に吸着されることで、液晶分子の配向方向が乱
されて配向状態が劣化していると思われる。これらの不
飽和結合は高強度の光照射により分子間結合が切断され
やすく、液晶分子の配向特性や複屈折性に影響を与える
ことが判明した。
【0018】また、透明基板の液晶層に接する側には、
無機物材料が斜方蒸着された配向膜が備えられているこ
とが好ましい。その理由は、通常の液晶素子に多用され
ている、配向膜としてのポリイミド膜は、短波長で高強
度の光照射を続けると、液晶分子の配向特性に劣化を来
すことがある。無機物材料からなる配向膜を備える液晶
素子を構成することにより、波長が500nm以下、特
に波長が400nm付近の短波長の光照射を継続しても
(1000kJ/cm以上の光照射)、配向膜は劣化
することなく、液晶分子の配向特性が劣化せず好まし
い。
【0019】本発明における液晶素子は、上述の液晶材
料からなる液晶層が透明基板に挟持されて構成された透
明積層基板を少なくとも1つ有している。透明積層基板
は、1つに限定されず、2つでも、3つでもよい。使用
目的に応じて透明積層基板の個数を選択すればよい。ま
た必要に応じて液晶層に接する透明基板の面に凹状、凸
状などの曲面を形成してもよい。
【0020】いずれの場合も1つの透明基板と他の透明
基板との間には本発明における液晶層が挟持され、透明
基板の液晶層に接する面には配向膜が備えられ、配向膜
はポリイミドでもよいが、上述のように無機物材料が斜
方蒸着された配向膜が備えられていることが好ましい。
【0021】また、例えば2つの透明積層基板を重ねて
形成する場合、3枚の透明基板で構成してもよい。すな
わち、1つの透明基板を共通基板とし、共通基板を挟ん
で2つの液晶層を形成し、それぞれの液晶層をそれぞれ
1枚の透明基板と共通基板とで挟む構造としてもよい。
3つの透明積層基板を重ねて形成する場合も同様であ
る。
【0022】以下において、透明基板は2枚使用し、液
晶層を2枚の透明基板間に挟持するものとして説明す
る。液晶素子を構成する透明基板には、液晶層に電圧が
印加できて液晶素子の透過光の波面形状を変化できるよ
うに、平面状の電極が形成されている光ヘッド装置とす
ることが、光ディスクの厚み偏差による球面収差や光デ
ィスクの傾き偏差によるコマ収差を補正できて好まし
い。また、基板に凹凸の曲面を加工することなく所望の
透過波面形状を生成できて好ましい。
【0023】図1に示す本発明の光ヘッド装置の一例
は、光源として波長405nmの光を出射する青色レー
ザを用いた、光記録媒体である光ディスク8に情報を記
録したり、光ディスク8に記録された情報を再生するた
めのものである。この光ヘッド装置は光源である半導体
レーザ1、コリメートレンズ30および31、対物レン
ズ6、対物レンズを搭載したアクチュエータ7、光ディ
スク8、プリズム型のビームスプリッタ2および光検出
器9を有する。さらに、半導体レーザ1からの出射光の
波面を変化させる液晶素子100である液晶収差補正素
子を、4分の1波長板5と一体化し配置した。
【0024】また、光ディスクへの到達光量を変化させ
る方法としては、光源の出力光量を変化させる方法があ
るが、半導体レーザの特性によっては、出力を小さくす
るとノイズが増える場合がある。液晶素子を構成する透
明基板には、液晶層に電圧が印加できて前記液晶素子の
透過光の偏光状態を変化できるように、平面状の電極を
形成し、例えば偏光ビームスプリッタのような偏光分離
素子と組み合わせた光ヘッド装置とする。このような装
置とすることで、半導体の出力ノイズの最も少ない状態
の出力に保ちつつ、光ディスクに到達する光量を液晶素
子に印加する電圧により変化させることができ好まし
い。
【0025】図3に示す本発明の光ヘッド装置の他の例
では、半導体レーザ1からの出射光の偏光状態を変化さ
せる液晶素子101を用いており、液晶素子101と偏
光型のビームスプリッタ2とを組み合わせることで、光
ディスクへの透過光量を変化させる。なお、図3におけ
る符号で図1と同じものは、図1と同じ要素を示す。
【0026】これら本発明の光ヘッド装置に使用されて
いる、液晶素子の一例を模式的断面図である図2を用い
て説明する。液晶素子は、対向する透明基板である2枚
のガラス基板21、21aの面上に平板状の電極である
透明導電膜24、24aが形成されており、透明導電膜
24、24a上には無機物材料を斜方蒸着して形成され
た配向膜26、26aが積層され、またガラス基板2
1、21aの周辺部にはシール材22でシールされて、
配向膜26と配向膜26aとが形成する空隙には液晶が
充填され液晶層23とされた構造を有している。使用し
た液晶材料には、エステル結合などの不飽和結合を有す
る分子を含まない材料を用いた。
【0027】ここで配向膜として斜方蒸着に用いる無機
物材料として、Ta、WO、Biを挙げ
ることができる。さらに、SiO(0<x<2)およ
び(1−y)SiO+yZrO、(1−y)SiO
TiO(0<x<2、0<y<1)複合酸化物
などでもよい。これらの中で、無機物材料としてSiO
(0<x<2)を使用することは配向状態の安定性に
優れ好ましい。
【0028】斜方蒸着の方法として、例えばSiO
斜方蒸着膜を形成する場合、真空蒸着装置内において、
SiO蒸着源の鉛直上に基板を配し、鉛直線と基板法
線のなす角度θを88〜60°に設定し、基板温度を室
温から300℃までの間に設定してSiOを真空蒸着
する。θは88〜80°が、液晶分子のプレチルト角と
しては好ましく、また、蒸着後に200℃程度で焼成を
行うことが膜の表面状態を安定化させる上で好ましい。
【0029】このように斜方蒸着により配向膜を形成し
た2枚の基板を、配向膜同士を対向させ、2つの配向方
向が所定の角度をなすように、かつ所定の間隙を持たせ
て基板の周辺部をシール材でシールし、間隙に液晶を注
入して液晶素子を構成する。
【0030】従来の液晶素子で最も多く用いられている
ポリイミドの配向膜では、波長の短いレーザ光(例えば
405nm)を高強度で照射し続けると液晶分子の配向
状態が大きく変化したが、本発明における斜方蒸着によ
る無機物材料を配向膜とするときには、配向状態の変化
は発生せず、透過波面は良好なものである。液晶分子の
配向方向(液晶層の両面における液晶分子の配向方向の
両基板上の成分方向)は、液晶素子を収差補正に用いる
場合には平行配向することが好ましく、液晶分子の配向
方向と入射光の偏光方向とが一致した場合に、液晶層に
電圧を印加することで実効的な屈折率が変化し光の偏光
状態をほとんど変化させずに、入射光の波面を変化させ
ることができる。
【0031】上記の液晶素子は、透過光の波面形状を変
化させる液晶収差補正素子として用いることができる。
また、透過により光の偏光状態が変化する液晶素子と偏
光方向によって光の透過率が異なる偏光ビームスプリッ
タとを組み合わせて、光ディスクへの透過光量を変更で
きるアクティブアッテネータなどとして用いることもで
きる。光ヘッド装置内に用いる、上記以外の液晶素子に
対しても光損傷に対する改善効果は大きく、この液晶素
子にも使用できる。
【0032】使用する液晶材料は、ディスプレイ用途な
どに用いられるネマティック液晶が好ましく用いられ、
またカイラル剤の添加により液晶分子をツイストさせて
用いてもよい。また、使用する透明基板の材料として
は、ガラス、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹
脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂などが使用でき
るが、耐久性などの点からガラスの基板が好ましい。
【0033】また、4分の1波長板などの位相板を液晶
素子に積層して用いてもよい。この位相板の材料として
は、水晶やLiNbOのような複屈折単結晶を用いて
もよいし、高分子液晶やポリカーボネートなどの有機物
膜を用いてもよい。
【0034】
【実施例】本実施例の光ヘッド装置は、光ディスクの厚
み偏差により生ずる球面収差を補正する、位相補正素子
を備えている。また、光源である半導体レーザからの出
射光の波長は405nmである。対物レンズは、光ディ
スクの厚さが設計値からずれると球面収差を発生し、信
号の読み取り精度が低下する。この球面収差を補正する
位相補正素子を図1に示した光ヘッド装置の液晶素子1
00の位置に組み込んだ。
【0035】この液晶素子は、図2に示した断面図と同
じ構造を有する。使用した液晶は、ネマチック液晶であ
り、液晶分子の配向方向は、半導体レーザからの出射光
の波面を変化させるように、液晶層を透過する前の出射
光の偏光方向に平行とした。
【0036】この液晶素子は図2に示すように、液晶層
23を、シール材22で囲み、配向膜26、26aおよ
び透明電極膜24、24aが形成されたガラス基板2
1、21aで挟む構成とした。この実施例では液晶層2
3を挟む2枚の透明なガラス基板には、液晶層23に電
圧を印加できるように、図4に示す同心円状のセグメン
トに分割されたITOよりなる透明電極を形成した。
【0037】使用した液晶材料は、エステル結合、トラ
ン結合、スチルベン結合、アゾメチン結合など、いずれ
の不飽和結合を含む分子を含まないものを用いた。この
液晶材料にはフッ素を含有する分子を入れた。この液晶
材料の相転移温度TNIは105℃、屈折率異方性Δn
は0.15、誘電率異方性Δεは8であった。
【0038】透明電極上に液晶用の配向膜として、厚さ
50nm(0.05μm)のSiO(純度99.99
%)斜方蒸着膜を、電子線加熱(EB)法により基板温
度80℃として真空蒸着した。このとき、基板法線が蒸
着源の垂直(鉛直)線となす角度が85°となるように
蒸着を行った。蒸着後、液晶分子の良好な配向性を得る
ために、この配向膜に対して大気中において200℃で
1時間の焼成を行った。ITOよりなる同心円状の透明
電極の各セグメントには、光ディスクの厚み偏差による
球面収差を補正するよう所望の電圧を印加した。
【0039】対物レンズのNAは0.85とし、光ディ
スクの反射面までのカバー層(保護層)の厚さが0.1
0mm、0.11mm、0.09mmの3種類の光ディ
スクについて再生特性を調べた。光ヘッド装置として、
光ディスクのカバー層の厚さ0.10mmで球面収差が
最小になるように調整されたものを用いた。厚さ0.1
0mmの光ディスクでは、液晶層に電圧を印加しなくて
も良好な再生特性が得られた。これに対して厚さ0.1
1mmと0.09mmの光ディスクでは、球面収差の影
響で再生特性がよくなかった。
【0040】液晶層に印加する電圧分布をそれぞれの光
ディスクの厚さに応じて調整し、光ディスクのカバー層
の厚み偏差により発生する球面収差と逆符号の球面収差
を発生させることで光ディスク上での光は良好な集光特
性を示し、再生特性を改善できた。また、レーザ光の出
力を30mWとし7000時間の光照射試験を行った後
も、特性の劣化はなく集光特性は良好であった。
【0041】
【発明の効果】本発明の光ヘッド装置に搭載する液晶素
子の液晶材料として、エステル結合を含む分子が少ない
液晶を用いることにより高いパワーの照射光に長時間耐
えることができ、液晶分子の配向状態を安定に保持でき
る。したがって、この液晶素子を搭載した光ヘッド装置
においては、長時間使用しても光源からの出射光の集光
特性は劣化せず、光記録媒体の情報の再生時には安定し
た信号の再生特性を得ることができ、また光記録媒体の
情報の記録時には良好で安定した記録特性を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ヘッド装置の原理構成の一例を示す
概念的断面図。
【図2】本発明における液晶素子の一例を示す断面図。
【図3】本発明の光ヘッド装置の原理構成の他の例を示
す概念的断面図。
【図4】本発明における、球面収差を補正する液晶素子
の分割電極パターンを示す模式的平面図。
【符号の説明】
1:半導体レーザ 2:ビームスプリッタ 30、31:コリメートレンズ 5:4分の1波長板 6:対物レンズ 7:アクチュエータ 8:光ディスク 9:光検出器 100、101:液晶素子 21、21a:ガラス基板 22:シール材 23:液晶層 24、24a:透明導電膜 26、26a:配向膜
フロントページの続き Fターム(参考) 2H088 EA62 GA01 HA03 5D119 AA11 AA32 BA02 BB01 EC01 EC04 EC12 JA09 JA62 5D789 AA11 AA32 BA02 BB01 EC01 EC04 EC12 JA09 JA62

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長500nm以下の光を出射する光源
    と、光源からの出射光を光記録媒体上に集光させるため
    の対物レンズと、集光されて光記録媒体により反射され
    た出射光を受光する光検出器と、光源と光記録媒体との
    間の光路中または光記録媒体と光検出器との間の光路中
    に設置された液晶素子とを備える光ヘッド装置におい
    て、液晶素子を構成する液晶材料として、不飽和結合
    (芳香環中の不飽和結合を除く)を有する分子の含有比が
    20mol%以下の液晶材料が用いられ、かつ液晶素子
    はこの液晶材料からなる液晶層が透明基板に挟持されて
    構成された透明積層基板を少なくとも1つ有しているこ
    とを特徴とする光ヘッド装置。
  2. 【請求項2】前記不飽和結合の1つがエステル結合であ
    り、エステル結合を有する分子の含有比が20mol%
    以下である請求項1記載の光ヘッド装置。
  3. 【請求項3】前記不飽和結合の1つがトラン結合であ
    り、トラン結合を有する分子の含有比が10mol%以
    下である請求項1または2記載の光ヘッド装置。
  4. 【請求項4】前記透明基板の液晶層に接する側には、無
    機物材料が斜方蒸着された配向膜が備えられている請求
    項1、2または3記載の光ヘッド装置。
  5. 【請求項5】前記透明基板には、液晶層に電圧が印加で
    きて前記液晶素子の透過光の波面形状を変化できるよう
    に、平面状の電極が形成されている請求項1から4のい
    ずれかに記載の光ヘッド装置。
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