JP4396341B2 - 光ヘッド装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ディスクなどの光記録媒体の記録および/または再生を行う光ヘッド装置に関する。
近時、光記録媒体、例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスクに情報を記録したり、記録した情報を再生することができる、光ヘッド装置を備えた記録再生装置が各種提案され開発されている。ここで、この光ディスクの記録再生装置に用いる光ヘッド装置について説明する。
この光ヘッド装置では、通常、光源である半導体レーザーから出射した光を、対物レンズにより光ディスク記録面に集光するとともに、その記録面での反射光を再び対物レンズで集め、ビームスプリッターで分岐して検出光学系へと導く。
ところで、光ディスクに複屈折の面内分布の偏りがある場合、対物レンズを透過したレーザー光が照射される光ディスクは、この照射位置(以下、これを「レーザー照射位置」とよぶ)での複屈折状態がディスクの回転とともに変化する。その結果と、光ディスクでの反射光の偏光状態も変化する。このため、光ヘッド装置に使用するビームスプリッターが、反射率に偏光依存性をもつ、いわゆる偏光ビームスプリッター(PBS)である場合、一部の光が反射せずに透過して光源側に戻るので、検出光学系への光量が光ディスクの回転位置(回転動作)に応じて時間的に変化する問題が生じている。
また、この光ディスクは、通常、ポリカーボネートなどの樹脂材料を用いて作成されることが多い。例えば、この光ディスクがCDやDVDなどでは、レーザー光の入射側のカバー厚が、例えば1.2mmや0.6mmなどと厚いので、ディスクのカバー(これを「ディスクカバー」とよぶ)部分を射出成型により製造することが一般的である。
このように、ディスクカバーを射出成型により製造する方法では、通常、光ディスクカバーの複屈折の進相軸の方向が、光ディスクの半径方向や円周方向に概ね平行、つまり概ね回転対称である。光ディスクを回転させたとき、対物レンズを透過後の光ディスクでのレーザー光の照射位置では、複屈折の進相軸の方向時間変化は小さく、位相差の量のみが回転に伴って変化する。この位相差量が変化する場合、光ディスクからの反射光の偏光状態が変化し、前記偏光ビームスプリッターで反射した光が光検出器へ入射するときの光量が時間変化する問題を生じる。
そこでこの対策として、前述のように、光ディスクの回転に伴って変化する複屈折の位相差の量のみの変化を補正するために、特許文献1に記載のように、液晶パネルを用い、光ディスクの回転に伴って位相差量のみ変化させることで、ディスクの複屈折を相殺し、光検出器への光量を安定させる方法が提案されている。しかしながら、このような方法では、進相軸の異なるディスクの複屈折を相殺することは不可能であった。
ところで、近年、光ディスクの記録密度を高めるために、光源の波長が短い400nm帯の青色レーザーを用いるとともに、開口数(NA)が大きな(0.85)対物レンズを設けた光ディスクシステムが実用化されようとしている。
このように大きなNAの対物レンズを設けた光ディスクシステムでは、光ディスク(高密度ディスク)の傾き(そり)による収差を低減するために、ディスクカバー厚を0.1mm程度にする必要がある。そこで、このように薄い光ディスクのディスクカバーは、従来の射出成型では製造が困難であることから、シート状に成型した樹脂フィルムを切り出す方法が用いられる。
ここで、光ディスクでの複屈折の面内分布の一例について、図8を参照しながら説明する。
図3に示すように、ディスクカバーをフィルムなどのシート状の樹脂で作成した場合、このシート状の樹脂での複屈折は、シート作成時に一方向に応力がかかるなどして、進相軸の方向が概ね一方向に向きやすい。例えば、図8に光ディスクDでの複屈折の面内分布の一例を模式的に示したものであるが、矢印αは複屈折の遅相軸の方向を示す。また、積層工程などでも複屈折が発生する場合がある。このように、ディスクカバーをフィルムで形成した光ディスクは、従来のDVDやCDと異なり、複屈折の進相軸方向がディスクに対して回転対称とはならない。
特開2000−99986号公報
このように、光ディスクの複屈折の進相軸方向がディスクに対して回転対称でない場合、光ディスクを回転させたときの、対物レンズ透過後の光ディスクでのレーザー光の照射位置では、光ディスクの複屈折位相差に加え、進相軸方向も時間変化する。
従って、前述の特許文献1に記載のような位相差のみを変化させる方法では、光検出器への光量を安定させることができず、記録特性や再生特性を劣化させてしまい、問題となっていた。また、光源の波長が400nm帯と短波長化することで、光ディスクの複屈折による偏光状態の変化も大きくなり、問題を深刻化していた。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、光ディスクの複屈折による記録特性や再生特性の劣化を改善できる光ヘッド装置を提供することを目的とする。
本発明は、光源と、前記光源からの出射光を光記録媒体上に集光させる対物レンズと、前記光源と前記対物レンズとの間に設けられ前記光源から出射した光の偏光状態を変更させる可変位相板とを備えた光ヘッド装置であって、
前記光記録媒体の回転位置に応じて前記可変位相板に所要の電圧を印加し前記可変位相板の複屈折位相量とその複屈折の進相軸方向とを変更させる制御手段を備え、前記対物レンズの前記光記録媒体側への透過光が楕円偏光となることを特徴とする光ヘッド装置を提供する。
また、前記可変位相板は、2つの液晶層と前記2つの液晶層に臨んで設けた透明電極とを有するとともに、
前記2つの液晶層は、液晶の配向方向が45度又はこれに近い角度で交差する上記の光ヘッド装置を提供する
さらに、前記可変位相板は、前記光源から出射した光が入射する入射面において、直線偏光またはこれに近い偏光状態で入射するとともに、
前記液晶層は、入射する前記光源からの光の前記偏光方向と、液晶の配向方向とが、22.5度の奇数倍の角度で、または22.5度に近い角度の奇数倍の角度で交差する上記の光ヘッド装置を提供する。
さらに、前記可変位相板において、位相差量の分布を形成した分布方向が、前記可変位相板の前記入射面の面方向と平行な方向である上記の光ヘッド装置を提供する。
本発明によれば、光ディスクでの複屈折の進相軸方向がディスクに対して回転対称でない場合であっても、ディスクの回転に伴って変化する複屈折の位相差量と光学軸方向(たとえば、進相軸方向)の時間的な変化をキャンセル(相殺)させて光検出器への光量を安定させることができ、延いては光ディスク記録再生装置の記録特性および/または再生特性を向上させることができる光ヘッド装置を提供できる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る光ヘッド装置10を示すものであり、この光ヘッド装置10は、光源である半導体レーザー11と、コリメータレンズ12と、ビームスプリッター13と、可変位相板20と、対物レンズ14と、光検出系15と、制御回路16を備えており、半導体レーザー11からの出射光を光記録媒体である光ディスクD上に集光させ、その光ディスクDに情報を記録したり、光ディスクDの情報を再生したりする。
半導体レーザー11は、本実施形態の場合、波長(λ=405nm)の青色光を発振する。
制御回路16は、光ディスクDに記録された記録情報を正確に再生するとともに記録するために、光ディスクDが回転する際、その回転位置に応じて可変位相板20での複屈折位相量とその複屈折の方向とを制御する。そのため、この制御回路16は、所要の制御電圧を発生して可変位相板20に印加する制御手段を構成している。なお、本実施形態の制御回路16は、光検出器に入射する光強度が最適となるように、可変位相板20に所要値の電圧を印加する。
可変位相板20は、制御回路16からの駆動信号を入力することで、リタデーション量や複屈折の方向を変化させることができる。
このような構成の光ヘッド装置10によれば、半導体レーザー11から出た光は、コリメータレンズ12、ビームスプリッター13、本発明の可変位相板20、および対物レンズ14を透過し、光ディスクDに集光される。そして、この光ディスクDで反射された光は、対物レンズ14、および可変位相板20を透過し、ビームスプリッター(或いは偏光ビームスプリッター)13で反射され、光検出系15に導かれる。
次に、本実施形態に係る可変位相板20について、図2を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の可変位相板20は、液晶層を2層(2つの液晶層)で構成しており、具体的には、3枚の基板21、22、23と、これらの基板21、22、23とシール材30との間に形成される空間内に充填された2つの液晶層24、25とを設けており、位相差可変用の液晶素子を構成している。なお、本実施形態では、光源である半導体レーザー11からの光が、直線偏光またはこれに近い偏光状態で、入射面である基板21から入射する。
基板21、22には、それぞれ、液晶層24、25を臨む一面側に、透明電極26、27が形成されているとともに、基板23の液晶層24、25に臨む両面に透明電極28、29が形成されている。
2つの液晶層24、25には、透明電極26、28の組み合わせ、および透明電極27、29の組み合わせにより、それぞれ電圧を印加することができる。
透明電極26〜29は、配線28A、29A(図2では、透明電極28、29の配線のみ図示する)を介して制御回路16と接続されている。なお、この図2では省略したが、透明電極26〜28の表面には、絶縁膜や配向膜を成膜することが好ましい。
シール材30は、基板21、22、23を保持し、かつ、液晶層24、25を構成する液晶を基板21、22、23間に充填して閉じ込めている。
従って、本実施形態によれば、可変位相板20の透明電極26〜29には、配線28A、29Aなどを介して制御回路16により電圧を印加することにより、基板21、22、23間に挟持された液晶には、電圧の分布に応じて複屈折の変化が発生する。そして、入射光は、透過する液晶での複屈折率によって、偏光状態を変化させることができる。
なお、本発明の可変位相板20では、複屈折媒質として液晶を用いて説明したが、電気光学効果を有するニオブ酸リチウム(LiNbO)などの他の材料でもよい。また、この可変位相板に液晶を用いる場合には、ツイストさせた液晶を用いることが好ましい。ツイストさせた液晶に電圧を印加することで、可変位相板20は位相差と光学軸方向(遅相軸方向)を、実質的に変化させることができる。
次に、2つの液晶層24(以下、液晶層LC1とよぶ)、液晶層25(以下、液晶層LC2とよぶ)を用いた可変位相板20の作用について、さらに詳しく説明する。
この可変位相板20は、例えば、図3に示すように、ツイストをさせていない液晶層LC1とLC2での液晶の配向方向を45度(または、これに近い角度;たとえば45度±10度)で交差させるとともに、制御回路16でそれぞれ電圧制御を独立に行う構成とすれば、それぞれの液晶層LC1、LC2での位相差を独立に変化させることにより、位相差と光学軸方向を自由に変化させることができ、好ましい。
さらに、この可変位相板20に入射する光の偏光方向と、液晶層LC1の液晶の配向方向とを、概ね22.5度の奇数倍の角度θ
θ=22.5・N ・・・(1)
ここで、N=2n+1(但し、nは整数)
(または、この角度θの近傍の角度;たとえばθ=22.5・N±10[度])で交差させることにより、液晶層LC1での位相差の変化量が小さな範囲でも、2層の液晶層LC1、LC2の組み合わせにより、位相差と光学軸の変化範囲を大きく取れるので好ましい。
なお、図3では、光の入射側(光源側)の偏光方向と液晶層LC1の配向方向とのなす角を22.5度とした構成例を示している。以下、位相差量の大きさを光の波長に対する比で示すことにする。つまり、液晶層の複屈折(Δn)と液晶層の厚さ(d)の積であるリタデーション量(Δn・d)を入射する光の波長λで割算したときの位相(Δn・d/λ)で表す。この場合、可変位相板20は、液晶層LC1の位相差を(1/4)・λ、液晶層LC2の位相差を(1/8)・λとすることで、直線偏光を入射した光は円偏光となり、1/4波長板として機能する。光ディスクDに複屈折がほとんどない場合には、このような位相差が発生するように、液晶層LC1と液晶層LC2に電圧を印加することが好ましい。
また、図4(A)や図5(A)、図6(A)のように、液晶層LC1とLC2の位相差をそれぞれ変化させると、可変位相板20を透過する透過光での偏光状態は、それぞれ図4(B)、図5(B)、図6(B)に示す円周上を変化することになる。
なお、図4(B)、図5(B)、図6(B)は、偏光状態を示すポアンカレ球を北極方向から見た平面図であり、偏光状態を示すストークスパラメータS1、S2、S3のうちS1−S2座標系で、液晶層LC1とLC2を透過した光の偏光状態を示した。但し、紙面に垂直にS3軸、また、水平軸、垂直軸がそれぞれS1とS2の各軸をあらわす。また、図中、S1とS2が0となり、S3が±1となる点は円偏光状態を表し、原点からの距離が離れるにしたがって直線偏光に近い状態を表す。なお、ストークスパラメータS1、S2、S3とは、光の偏光状態により、電場の方向と振幅を記述するための光学的な要素であり、S1は横偏光と縦偏光の差、S2、は45°偏光と135°偏光の差、S3は右円偏光と左円偏光の差を示すものである。
例えば、図4(B)に示す円周上は、楕円率の等しい楕円偏光で楕円の軸方向が円周上で変化していることを示す。また、図4(B)にくらべ、図5(B)、図6(B)はポアンカレ球上で半径が大きな円であり、これはより直線偏光に近い楕円偏光であることがわかる。
従って、図4(A)に示すように、液晶層LC1とLC2の位相差を変化させると、可変位相板20の透過光は、位相差が等しく、光学軸の方向が変化する位相板を透過したことと実質的に等価である。これは、図8に示すような面内でほぼ均一な複屈折を持つ光ディスクDを回転したときに、対物レンズを透過した光が感じる複屈折の変化と実質的にほぼ等価である。
つまり、これは、光ディスクの回転に伴って変化する複屈折をキャンセル(相殺)するような複屈折を、本発明の可変位相板が発生可能であることを意味している。これを利用して、光ディスクDの複屈折量にあわせて、液晶層LC1とLC2の位相差、つまり液晶層LC1とLC2に印加する電圧を時間変化させることで、光ディスクDの複屈折をキャンセルできる。これにより、光ヘッド装置での良好な記録特性および再生特性を得ることができる。
次に、図7には、複屈折のある光ディスクDに光が入射したときの断面模式図を示す。
光ディスクDが高密度ディスク(例えば、ブルーレイ・ディスクなど)の場合には、この光ディスクDに入射する光は、図示外の対物レンズのNAが0.85と非常に大きいため、周辺光Lfと中心光Lcの光で入射角が大きく異なる。これにより、ディスクDの複屈折の影響が周辺光と中心の光では異なる。なお、同図において、複屈折楕円体IEを模式的に示した。
図7によれば、中心光Lcには、屈折率楕円体IEの長軸方向と短軸方向の2つの屈折率が作用する。一方、周辺光Lfには、屈折率楕円体IEの長軸方向の屈折率よりは短軸方向に近い異常光屈折率と短軸方向の常光屈折率が作用する。つまり、周辺光Lfの方が小さな複屈折を感じることになる。
従って、例えば直線偏光が入射する光ヘッド装置においては、この入射角度により屈折率が異なることで非点収差が発生し、ディスクの記録および再生特性を劣化させる。従来のDVDやCDではNAが小さかったためにこのような複屈折の入射角依存性は小さく無視できたが、高NAの光ヘッド装置では無視できなくなる。
そこで、この周辺光Lfと中心光Lcでの光ディスクDの屈折率の差を補正するために、本発明の可変位相板20では、複屈折位相差が中心と周辺とでかまぼこ型となるように、位相差量の分布を形成することが好ましい。これは、液晶に印加する電圧を中心と周辺で変えるように、透明電極の構造を工夫することで実現できる。
次に、本発明の光ヘッド装置の実施例について、図1に示す模式図を参照しながら具体的に説明する。
この実施例では、光源として、前述したように、波長λ(=405nm)を発振する青色レーザー11を用いた。また、可変位相差板20には、制御電圧を発生して出力する(制御電圧の発生手段である)制御回路16を備えており、光ディスクDの情報を正確に記録したり再生できるように可変位相差板20の制御をする。例えば、光検出系15に設けた図示外の光検出器に入射する光強度が最適となるように、制御回路16から可変位相差板20に電圧を印加する。つまり、この可変位相差板20は、制御回路16より駆動信号が入力することで、リタデーション量や複屈折の方向を変化させることができる。
ここで、2つの液晶層を用いた構成の可変位相差板20について、図2に示す模式的断面図を用いて説明する。なお、この実施例では、液晶層として2層用いた場合について説明するが、1層やさらに3層などであってもよいし、さらに位相差が可変ではない位相板(波長板)と組み合わせても(積層しても)よい。
この実施例の可変位相板20では、前述のように、液晶層を2層(2つの液晶層)で構成しており、2つの液晶層24、25には透明電極26、28の組み合わせ、および透明電極27、29の組み合わせにより、電圧を印加できる。また、シール材30は基板21、22、23を保持しており、かつ、液晶24、25は基板21、22、23間に閉じ込めている。また、透明電極26、27、28、29の表面には、図示しないが絶縁膜と配向膜を成膜している。
まず、制御回路16から可変位相板20の透明電極26、27、28、29に、FPC(フレキシブルプリント基板)などの配線28A、29Aにより電圧を印加する。すると、基板21、22、23間に挟持された液晶24、25には、電圧の分布に応じて複屈折の変化が発生する。そして、入射光がこの液晶24、25を透過する際に、液晶24、25の複屈折率によって偏光状態を変化することができる。
(I)例えば、ツイストをさせていない液晶層LC1(24)とLC2(25)の液晶の配向方向を、図3のように45度の角度で交差させ、それぞれの液晶層LC1、LC2の位相差を独立に変化させれば、位相差と光学軸方向を自由に変化させることができ、好ましい。
即ち、この図3では、光の入射偏光方向と、光の入射側(光源側)の液晶層LC1の配向方向とのなす角を22.5度とし、また、液晶層LC1の位相差を90度、液晶層LC2の位相差を45度とすることで、直線偏光で入射した光は円偏光となり、可変位相板20は1/4波長板として機能する。光ディスクDに複屈折がほとんどない場合には、このような位相差が発生するように液晶層LC1とLC2に電圧を印加することが好ましい。
(II)また、例えば、図4(A)や図5(A)、図6(A)のように、液晶層LC1とLC2の位相差をそれぞれのグラフのように変化させると、透過光の偏光状態は、それぞれ図4(B)、図5(B)、図6(B)に示す円周上を変化することになる。
例えば、図4(B)に示す円周上は、楕円率の等しい楕円偏光で、楕円の軸方向が円周上で変化していることを示す。また、この図4(B)にくらべ、図5(B)や図6(B)はポアンカレ球上で半径が大きな円であり、これはより直線偏光に近い楕円偏光であることがわかる。
また、図4(A)のように液晶層LC1とLC2の位相差を変化させると、可変位相板20の透過光は、位相差が等しく、かつ、光学軸の方向が変化する位相板を透過したことと等価である。
これは、図8に示すような面内でほぼ均一な複屈折分布を持つ光ディスクDを回転したときに、対物レンズを透過した光が感じる複屈折の変化とほぼ等価である。つまり、これは、光ディスクDの回転に伴って変化する複屈折をキャンセル(相殺)するような複屈折を、本発明の可変位相板20が発生可能であることを意味している。
これを利用して、光ディスクDに、複屈折量にあわせて液晶層LC1とLC2の位相差、つまり液晶層LC1とLC2に印加する電圧を時間変化させることで、光ディスクの複屈折をキャンセルさせることができる。その結果、良好な記録特性および再生特性を有する光ヘッド装置を得ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。
本発明は、位相板の屈折率の高い遅相軸方向が光源からの光の光軸を中心にして円周方向により異なり、換言すれば、光源からの光の偏光方向による位相の差が光の光軸を中心にして半径方向に異なることにより、光ディスクなどの光記録媒体での複屈折を相殺(キャンセル)させることができ、青紫レーザーなどを用いた高密度ディスクに対しても安定した記録および/または再生が実現可能となり、ブルーレイ・ディスク用の光ヘッド装置などに有用である。
本発明の光ヘッド装置の構成を示すブロック図。 本発明の可変位相板の構成を示す模式的断面図。 本発明の可変位相板の2層の液晶層の配向方向と入射偏光方向との関係を示す説明図。 (A)本発明の可変位相板の2つの液晶層での位相差の時間変化の一例を示すグラフ。 (B)は本発明の可変位相板を透過した光の偏光状態の一例をストークスパラメータS1,S2座標で示した模式図。 (A)本発明の可変位相板の2つの液晶層での位相差の時間変化の他の例を示すグラフ。 (B)本発明の可変位相差板を透過した光の偏光状態をストークスパラメータS1,S2座標で示した他の例を示す模式図。 (A)本発明の可変位相差板の2つの液晶層の位相差の時間変化のさらに他の例を示す模式図。 (B)本発明の可変位相差板を透過した光の偏光状態をストークスパラメータS1,S2座標で示したさらに他の例を示す模式図。 複屈折のある光ディスクへの光の入射を模式的に示した光路図。 光ディスクでの複屈折分布の一例を示す模式図。
符号の説明
10 光ヘッド装置
11 半導体レーザー(光源)
12 コリメータレンズ
13 ビームスプリッター
14 対物レンズ
15 光検出系
16 制御回路(制御手段)
20 可変位相板
21、22、23 基板
24、25 液晶層(LC1、LC2
26、27、28、29 透明電極
28A、29A 配線(フレキシブルプリント基板)
30 シール材
D 光ディスク
IE 屈折率楕円体
C 中心光
f 周辺光
α (複屈折の)遅相軸方向

Claims (4)

  1. 光源と、前記光源からの出射光を光記録媒体上に集光させる対物レンズと、前記光源と前記対物レンズとの間に設けられ前記光源から出射した光の偏光状態を変更させる可変位相板とを備えた光ヘッド装置であって、前記光記録媒体の回転位置に応じて前記可変位相板に所要の電圧を印加し前記可変位相板の複屈折位相量とその複屈折の進相軸方向とを変更させる制御手段を備え、前記対物レンズの前記光記録媒体側への透過光が楕円偏光となることを特徴とする光ヘッド装置。
  2. 前記可変位相板は、2つの液晶層と前記2つの液晶層に臨んで設けた透明電極とを有するとともに、前記2つの液晶層は、液晶の配向方向が45度又はこれに近い角度で交差する請求項1に記載の光ヘッド装置。
  3. 前記可変位相板は、前記光源から出射した光が入射する入射面において、直線偏光またはこれに近い偏光状態で入射するとともに、前記液晶層は、入射する前記光源からの光の前記偏光方向と、液晶の配向方向とが、22.5度の奇数倍の角度で、または22.5度に近い角度の奇数倍の角度で交差する請求項2に記載の光ヘッド装置。
  4. 前記可変位相板において、位相差量の分布を形成した分布方向が、前記可変位相板の前記入射面の面方向と平行な方向である請求項1から3のいずれか1項に記載の光ヘッド装置。
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