JP2010238350A - 光ヘッド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】分光により光量分布が補正される光ヘッド装置を提供する。
【解決手段】レーザ光源と、偏光ビームスプリッタと、光量モニター用光検出器と、信号光用検出器と、光軸を含む中心領域である第1の領域と、第1の領域の周辺において形成され、第1の領域より出射する光の偏光状態とは異なる偏光状態の光を出射する第2の領域とを有し、第1の領域と前記第2の領域のうち少なくとも一方は複屈折性材料により形成される空間分割位相差素子と、を有し、レーザ光源からの光を空間分割位相差素子に入射し、空間分割位相差素子における第1の領域を出射した光の一部は偏光ビームスプリッタにより偏向され光量モニター用光検出器に入射させ、第1の領域を出射した光の他の一部及び、第2の領域を出射する光は偏光ビームスプリッタを透過し前記光ディスクを照射し、光ディスクからの反射光を信号光用検出器に入射させることを特徴とする光ヘッド装置を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光ストレージを扱う光学系として、CD、DVD、光磁気ディスクなどの光記録媒体および、「Blu−ray」(登録商標:以下BD)などの高密度光記録媒体(以下、「光ディスク」という)に情報の記録および/または再生(以下、「記録・再生」という。)を行う光ヘッド装置に関する。
光記録媒体としてDVDやCDなどの光ディスクが普及し、高密度情報記録光ディスクBDが製品化され、光ディスクへの情報の記録及び光ディスクに記録されている情報の再生に光ヘッド装置が用いられる(例えば、特許文献1、2)。
図14に基づき従来の光ヘッド装置200について説明する。なお、図14は、従来の光ヘッド装置200のXZ面を示す構成模式図である。
従来の光ヘッド装置200は、半導体レーザ光源201、1/2波長板202、偏光ビームスプリッタープリズム203、光量モニター用光検出器204、コリメートレンズ205、1/4波長板206、対物レンズ207、光検出器209を有している。ここで、偏光ビームスプリッタ203はZ方向に進行する光のうちX軸方向(紙面に水平方向)に偏光を有する光を直進透過させ、Y軸方向(紙面に垂直方向)の直線偏光の光を反射する機能を有する。なお、偏光を有する光を以下、「直線偏光」という。
半導体レーザ光源201から出射されたレーザ光のうち、1/2波長板202を透過し、偏光ビームスプリッタープリズム203を直進透過したX軸方向の直線偏光の光は、コリメートレンズ205により平行光となり、1/4波長板206で円偏光の光となり、対物レンズ207により光ディスク210の情報記録面に集光される。集光された光は情報記録面で逆回りの円偏光の光となって反射され対物レンズ207により平行光となり、1/4波長板206でY軸方向の直線偏光の光となってコリメートレンズ205を透過し、偏光ビームスプリッタープリズム203に入射する。入射したY軸方向の直線偏光の光は偏光ビームスプリッタープリズム203において偏向され光検出器209に入射する。光検出器209では、入射した光の情報に基づき光ディスク210の情報記録面に記録されている情報を検出する。
一方、半導体レーザ光源201から出射されたレーザ光のうち、1/2波長板202を透過し、偏光ビームスプリッタープリズム203において反射されたY軸方向の直線偏光の光は、偏向されて光量モニター用光検出器204側に入射し、半導体レーザ光源201から発せられるレーザ光のパワーがモニターされる。ここで、モニター用光検出器204によりモニターされる光量が一定の値となるように、半導体レーザ光源201のドライバに対して電気信号を送信する図示しない制御回路が付加されている。このように、モニター用光検出器204の光量を調整することによって、光ディスク210へ向かう光量を調整することができる。
従って、1/2波長板202を調整することにより、半導体レーザ光源201より出射された光の偏光状態(X軸方向の直線偏光とY軸方向の直線偏光との比率)を調整し、偏光ビームスプリッタープリズム203において、光ディスク210に向かう光と、光量モニター用光検出器204に向かう光を分岐させることができる。なお、光ディスク210に向かう光の光量と、光量モニター用光検出器204に向かう光の光量との調整は、1/2波長板202を調整することにより行われる。
即ち、図に示す光ヘッド装置は、半導体レーザ光源201から出射される光がY軸方向の直線偏光の光であり、1/2波長板202を通過することにより、X軸方向の直線偏光の光にY軸方向の直線偏光の光が含まれた光となる。1/2波長板202は、半導体レーザ光源201から発射する光の波長に対して半波長分の位相差を発生させる機能を有し、上記のようにY軸方向の直線偏光の光が入射する場合、1/2波長板202の光学軸方向を調整することによって1/2波長板202を透過する光の偏光状態を変えることができる。例えば、1/2波長板202の光学軸をXY平面においてY軸(入射する直線偏光の方向)に対して45°方向と平行に配置すると、1/2波長板202を透過する光はほぼX軸方向の直線偏光の光となるが、この角度を変えることによって、X軸方向の直線偏光の成分とY軸方向の直線偏光の成分とを含む偏光状態とすることができる。
そして、1/2波長板202を透過したY軸方向の直線偏光の光は、偏光ビームスプリッタープリズム203において反射し偏向されて、光量モニター用光検出器204に入射する。また、1/2波長板202を透過したX軸方向の直線偏光の光は、偏光ビームスプリッタープリズム203を直進透過し、上記に説明した光路を辿って光検出器209に入射し、光ディスクからの信号が検出される。
特開2005−18813号公報 特開2001−229569号公報
従来の光ヘッド装置では、1/2波長板202を透過する光はいずれも同じ偏光状態であるので、偏光ビームスプリッタープリズム203において光ディスク210側へ直進透過する光と反射されてモニター用光検出器204へ偏向される光との比は、光軸付近であっても光軸から離れた部分であっても同じである。しかしながら、半導体レーザのパワー分布の関係から以下に説明する問題が発生する。
まず、図15に基づき半導体レーザから出射する光のパワー分布について説明する。図15(a)に示すように、半導体レーザ光源201の出射光は端面発光のレーザ活性層の構造より、長辺に略平行なY軸方向の直線偏光の光となる。また、発光面から充分離れた位置の強度分布であるファー・フィールド・パターン(FFP)は長辺方向に比べ短辺方向の放射角が大きな非軸対称光強度分布を有しており、最大出射光強度の軸を含む断面の強度はガウス分布となっている。X軸方向およびY軸方向のFFP光強度分布を図15(b)および(c)に示す。
このような非軸対称光強度分布の出射光を円形有効径で開口数(=NA)を規定するコリメートレンズ205および対物レンズ207で光ディスク210の情報記録面に集光した場合、強度分布を反映した実効的な開口数は非軸対称となる。そして、集光するスポット径は対物レンズ207におけるこの実効的な開口数に反比例するため、半導体レーザ光源201の出射光放射角が小さいY軸方向に分布する光に比べ、出射光放射角が大きいX軸方向に分布する光がより集光された楕円形状のスポットとなる。
このとき、具体的に、コリメートレンズ205のNAを放射角が大きいX軸方向に分布する光が取り込まれるように設定する場合、一方で放射角が小さいY軸方向に分布する光は対物レンズの開口中心部に集中するため、開口境界域の光量は極めて僅かとなり実効的な開口数は小さくなるので、光ディスク上で集光スポットが広がってしまうといった問題がある。また、コリメートレンズ205のNAを放射角が小さいY軸方向に分布する光が取り込まれるように設定する場合、円形のスポット形状には近づくが、一方で放射角が大きいX軸方向に分布する光は、コリメートレンズ205の開口径外に広く分布するため大幅な光量損失を招くという問題がある。
光ディスク210の情報記録面上に集光するスポットが楕円形状である場合、光ディスク210の同心円あるいは渦巻き状のトラックに沿って記録された情報を再生するために、楕円の短軸方向と光ディスクの半径方向とが一致するように設計されている。これは、光ヘッド装置200が、光ディスク210の回転にともなう半径方向のトラック偏心に追随するため、対物レンズ207を図示しないアクチュエータに搭載して高速でトラックと垂直な方向に往復させるトラッキングシフトをするとき、対物レンズ207に入射する光の強度分布の変動にともなって集光スポットが拡大して本来集光すべきでない隣接するトラックに到達しないように工夫したものである。しかし、対物レンズ207に入射する光の強度分布の変動が大きくなって集光スポットが拡大すると、隣接するトラックの反射光がノイズとなって本来再生すべき信号光に重畳するクロストーク現象が生じるため、情報を再生する品質が低下するという問題があった。
また、従来の光ヘッド装置200では、半導体レーザ光源201から偏光ビームスプリッタープリズム203に入射した光のうち、すべてのY軸方向の直線偏光の光を反射してモニター用光検出器204側に偏向させるので、まず、光ディスク210側へ進行する光量が低減されるため、光利用効率が低下するという問題があった。さらに、発散光中にモニター用光検出器204を配置すると、偏光ビームスプリッタープリズム203で反射されたY軸方向の直線偏光の光の中心部の光量しかモニターできないため光利用効率が低下してSN比の低下や光量を制御させるための応答性が劣化する。また、これを改善するためには、モニター用光検出器204の受光面積を大きくしなければならず、また、モニター用光検出器204の受光面積を小さくするために集光レンズを配置しなければならず、いずれにしても光ヘッド装置の大型化を招くという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、光ディスクの情報記録面に収束されるレーザ光の光量分布の変動を小さくするとともに、装置の大型化を招くことなくモニター用光検出器のSN比が高くかつモニター用光検出器の受光面積が小さくすることが可能な光ヘッド装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、情報記録層が設けられている光ディスクにおいて情報の記録または再生を行うための光ヘッド装置であって、レーザ光源と、偏光ビームスプリッタと、光量モニター用光検出器と、信号光用検出器と、光軸を含む中心領域である第1の領域と、前記第1の領域の周辺において形成され、前記第1の領域より出射する光の偏光状態とは異なる偏光状態の光を出射する第2の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域のうち少なくとも一方は複屈折性材料により形成される空間分割位相差素子と、を有し、前記レーザ光源からの光を前記空間分割位相差素子に入射し、前記空間分割位相差素子における前記第1の領域を出射した光の一部は偏光ビームスプリッタにより偏向され前記光量モニター用光検出器に入射させ、前記第1の領域を出射した光の他の一部及び、前記第2の領域を出射する光は前記偏光ビームスプリッタを透過し前記光ディスクを照射し、前記光ディスクからの反射光を前記信号光用検出器に入射させることを特徴とする。
また、本発明は、前記光軸と直交する前記空間分割位相差素子の面における前記第1の領域の形状は、楕円または長方形であることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1の領域と前記第2の領域は、いずれも複屈折性材料を含み、前記第1の領域に入射する光に対する屈折率異方性と、第2の領域に入射する光に対する屈折率異方性とが異なることを特徴とする。
また、本発明は、前記空間分割位相差素子は、前記第1の領域のみに形成される第1の位相差板と、前記第1の領域及び前記第2の領域に形成される第2の位相差板と、が重なることを特徴とする。
また、本発明は、前記空間分割位相差素子における前記第1の領域と前記第2の領域は、同じ複屈折性材料により形成される複屈折性材料層を有し、前記複屈折性材料層における前記第1の領域と前記第2の領域との厚さが異なることを特徴とする。
また、本発明は、前記空間分割位相差素子における前記第1の領域と前記第2の領域とは、同じ複屈折性材料により形成される複屈折性材料層を有し、前記複屈折性材料層における前記第1の領域と前記第2の領域とは、厚さが同じであって、厚さ方向に揃った光学軸方向が互いに異なることを特徴とする。
また、本発明は、前記空間分割位相差素子における前記第1の領域と前記第2の領域は、複屈折性材料により形成される複屈折性材料層を有し、前記複屈折性材料層における前記第1の領域と前記第2の領域とは、光学軸が厚さ方向に捩れてなる角度が互いに異なることを特徴とする。
また、本発明は、前記空間分割位相差素子は、第1の位相差板と第2の位相差板とが重ねて配置されているものであって、前記空間分割位相差素子面内の直線Aを基準に、前記空間分割位相差素子に入射する直線偏光の光の偏光方向の角度をθin〔°〕とし、前記第1の領域における前記偏光方向に対する出射する直線偏光の光の偏光方向の角度をθout〔°〕とし、前記空間分割位相差素子に入射する直線偏光の光の偏光方向を基準に、前記第1の位相差板における前記第1の領域の複屈折性材料層の遅相軸方向の角度をα〔°〕とし、前記第2の位相差板における前記第1の領域の複屈折性材料層の遅相軸方向の角度をα〔°〕とし、前記空間分割位相差素子に入射する波長λの光に対して、前記第1の位相差板における前記第1の領域の複屈折性材料層において生じる位相差をRe(λ)〔°〕とし、前記第2の位相差板における前記第1の領域の複屈折性材料層において生じる位相差をRe(λ)〔°〕とし、前記直線Aを基準に、前記第2の領域における前記偏光方向に対する出射する直線偏光の光の偏光方向の角度をθout〔°〕とし、前記空間分割位相差素子に入射する直線偏光の光の偏光方向を基準に、前記第1の位相差板における前記第2の領域の複屈折性材料層の遅相軸方向の角度をα〔°〕とし、前記第2の位相差板における前記第2の領域の複屈折性材料層の遅相軸方向の角度をα〔°〕とし、前記空間分割位相差素子に入射する波長λの光に対して、前記第1の位相差板における前記第2の領域の複屈折性材料層において生じる位相差をRe(λ)〔°〕とし、前記第2の位相差板における前記第2の領域の複屈折性材料層において生じる位相差をRe(λ)〔°〕とした場合において、下記(1)から(6)に示す式
|θout−θin|=2×|α−α|・・・・・・・・・・・(1)
150+360×m≦Re(λ)≦210+360×m・・・・(2)
150+360×n≦Re(λ)≦210+360×n・・・・(3)
|θout−θin|=2×|α−α|・・・・・・・・・・・(4)
150+360×m≦Re(λ)≦210+360×m・・・・(5)
150+360×n≦Re(λ)≦210+360×n・・・・(6)
(m、n、m、nは、正の整数)を満たしていることを特徴とする。
また、本発明は、前記空間分割位相差素子における前記複屈折性材料は、高分子液晶であることを特徴とする。
また、本発明は、前記空間分割位相差素子の一方の面に回折格子が形成されており、前記第1の領域及び前記第2の領域において、一方の偏光方向の光は透過し、前記一方の偏光方向の光と垂直な他方の偏光方向の光は回折されることを特徴とする。
また、本発明は、前記レーザ光源より前記空間分割位相差素子に照射される光束は、前記第1の領域よりも大きな面積であることを特徴とする。
本発明によれば、光ディスクの情報記録面に収束されるレーザ光の光量分布の変動を小さくするとともに、装置の大型化を招くことなくモニター用光検出器のSN比が高くかつモニター用光検出器の受光面積が小さくすることが可能な光ヘッド装置を提供することができる。
第1の実施の形態における光ヘッド装置の構成模式図 第1の実施の形態における空間分割位相差素子の断面模式図 第1の実施の形態における空間分割位相差素子の平面模式図 第1の実施の形態における光ヘッド装置の偏光ビームスプリッタープリズム透過後のFFP光強度分布図 第2の実施の形態における空間分割位相差素子の断面模式図 第3の実施の形態における空間分割位相差素子の断面模式図 第3の実施の形態における空間分割位相差素子の平面模式図 第3の実施の形態における光ヘッド装置の偏光ビームスプリッタープリズム透過後のFFP光強度分布図 第4の実施の形態における空間分割位相差素子の断面模式図 第5の実施の形態における空間分割位相差素子の断面模式図 第6の実施の形態における空間分割位相差素子の断面模式図 空間分割位相差素子170の領域A又は領域Bにおける平面模式図 第7の実施の形態における空間分割位相差素子の断面模式図 従来の光ヘッド装置の構成模式図 半導体レーザの説明図
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。
〔第1の実施の形態〕
(光ヘッド装置)
第1の実施の形態における光ヘッド装置について図1に基づき説明する。図1は、本実施の形態における光ヘッド装置100の構成を示すものであり、光ヘッド装置100におけるXZ面を示す構成模式図である。
本実施の形態における光ヘッド装置100は、半導体レーザ光源101、空間分割位相差素子102、偏光ビームスプリッタープリズム103、光量モニター用光検出器104、コリメートレンズ105、1/4波長板106、対物レンズ107、光検出器109を有している。また、半導体レーザ光源101から光ディスク110までの光路を「往路」、光ディスク110から光検出器109までの光路を「復路」とする。
半導体レーザ光源101から出射されたY軸方向の直線偏光の光であるレーザ光のうち、空間分割位相差素子102を透過し、偏光ビームスプリッタープリズム103を透過したX軸方向の直線偏光の光は、コリメートレンズ105により平行光となり、1/4波長板106で円偏光の光となり、対物レンズ107により光ディスク110の情報記録面に集光される。集光された光は、情報記録面で逆回りの円偏光の光となって反射され対物レンズ107により平行光となり、1/4波長板106で往路と直交するY軸方向の直線偏光の光となってコリメートレンズ105を透過し、偏光ビームスプリッタープリズム103に入射する。入射した光は偏光ビームスプリッタープリズム103により偏向され光検出器109に入射する。光検出器109では、入射した光の情報に基づき光ディスク110の情報記録面に記録されている情報を検出する。
一方、半導体レーザ光源101から出射されたレーザ光のうち、空間分割位相差素子102を透過し、偏光ビームスプリッタープリズム103において偏向されたY方向の直線偏光の光は、光量モニター用光検出器104に入射し、半導体レーザ光源101から発せられるレーザ光のパワーが検出される。つまり、モニター用光検出器104によりモニターされる光量が一定の値となるように、半導体レーザ光源101のドライバに対して電気信号を送信する図示しない制御回路が付加されている。
(空間分割位相差素子)
次に、図2および図3に基づき本実施の形態における空間分割領域位相差素子102について説明する。図2は、空間分割領域位相差素子102の断面模式図であり、図3は、平面模式図である。
空間分割位相差素子は、光軸に垂直な平面において、光軸を含む領域Aと、領域Aの周辺に位置する領域Bを含む。そして、領域Aを透過する光の偏光状態は同一であって、領域Bを透過する光の偏光状態も同一であるが、領域Aを出射する光と領域Bを出射する光の偏光状態は互いに異なる。領域Aと領域Bとは少なくとも一方は、入射する光の偏光状態を変える複屈折性材料から構成されていればよく、後述する実施形態においても同様である。以下、本実施形態に係る空間分割領域位相差素子102の領域Aおよび領域Bはいずれも複屈折性材料により構成するものとして説明する。このように、いずれも複屈折性材料により構成すると、領域Aを透過する光の偏光状態および領域Bを透過する光の偏光状態をそれぞれ自由に設計することができる。
空間分割位相差素子102は、コリメートレンズ105の有効径NAに対応した入射光において、中心部(光軸)を含む領域Aと領域Aの周囲の領域Bとでは光の出射偏光の状態が異なるように複屈折性材料が分割して形成されている。例えば、半導体レーザ光源101の出射光であるY軸方向の直線偏光の光を、領域Bでは90°偏光方向が回転したX軸方向の直線偏光の光に変換し、領域AではX軸方向の直線偏光の光とY軸方向の直線偏光の光とを含む偏光状態に変換するものである。これにより領域Bを透過した光は、偏光ビームスプリッタープリズム103を直進透過するが、領域Aを透過した光のうちY軸方向の直線偏光の光は、偏光ビームスプリッタープリズム103において反射され光量モニター用光検出器104の受光面に入射する。尚、領域Aは第1の領域に相当し、領域Bは第2の領域に相当する。
一方、X軸方向の直線偏光の光は、偏光ビームスプリッタープリズム103を直進透過し、コリメートレンズ105および対物レンズ107により光ディスク110の情報記録面において回折限界まで集光される。このため、有効径NA内を透過する波面が揃っていることが望ましい。一方、Y軸方向の直線偏光の光は光量をモニターするためものであり、X軸方向の直線偏光の光と波面が揃うものであっても位相差を有するものであってもよい。従って、空間分割位相差素子102の領域Aを出射する光はX軸およびY軸方向の直線偏光成分からなる直線偏光の光または楕円偏光の光であるが、領域Aを出射するX軸方向の直線偏光と領域Bを出射するX軸方向の直線偏光の透過波面は揃うように構成されている。
図3において、領域Aを出射する全光強度をIとし、領域Aを出射する光のうち領域Bを出射する偏光方向と直交する直線偏光の光の光強度Iとする。このときの光量比I/Iをα(0<α<1)とすると、光ディスク110の情報記録面の集光スポットビーム形状におけるサイドローブを増加させないためにはα≦0.5であることが好ましい。さらに、光量モニター用に一定の光量を利用することにともなって光ディスク110へ集光される光量の低下を抑制するためには、α≦0.3であることが好ましい。また、高いSN比で光量モニターするためには、α≧0.05であることがより一層好ましい。このような領域Aの光量比αを得るために、空間分割位相差素子102は複屈折性材料からなる位相差板114aおよび位相差板114bを含んで構成される。
また、領域Aは半導体レーザ光源101からの出射光の強度分布を均一化する形状であることが好ましい。具体的には、領域Bの出射偏光と直交する領域Aの出射偏光の光は偏光ビームスプリッタープリズム103により反射されてモニター用光検出器104側へ偏向されるため、半導体レーザ光源101の出射光強度分布の中心部を低下させて光強度分布を均一化することができる。領域Aは円形でもよいが、半導体レーザ光源101のFFPの光強度は一般にガウス分布(図15)であり、その強度分布を有効に均一化するために楕円形や長方形の形状とすることが好ましい。図3に示す領域Aは、例として、長軸の長さa、短軸の長さbの楕円形の形状により形成されている。
次に、図2を用いて空間分割位相差素子102の具体的な構成について説明する。空間分割位相差素子102は、位相差板114bが片面に形成された透光性基板111と、位相差板114aが形成された透光性基板112とを光学的に等方性な均質屈折率透明材料である充填材により充填し接合する。なお、充填材により充填材層113が形成される。尚、空間分割位相差素子102は、一体化された構成に限らず、例えば、透光性基板112と位相差板114a、充填材層113の一部を含む部分と、透光性基板111と位相差板114b、充填材層113の一部を含む部分とが分離して構成されていてもよい。以下、実施形態における空間分割位相差素子はいずれも一体化された構成としているが、一体型と同等の機能を有するものであれば、分離された構成としてもよい。
位相差板114bは、Y軸方向の直線偏光の光をX軸方向の直線偏光の光に透過変換する複屈折性材料で有ればどのような材料や構成でもよい。例えば、XY面において、Y軸に対して45°方向にラビング処理された不図示の配向膜が片面に形成された透光性基板111に液晶モノマーを所定の膜厚dとなるように塗布して重合硬化させることにより、基板面に平行でラビング処理された方向に液晶分子の長軸方向が揃った高分子液晶膜の位相差板114bが得られる。ここで、所定の膜厚dは、高分子液晶膜の常光屈折率および異常光屈折率をそれぞれn、n、入射光の波長をλとした場合、(n−n)×d=(2m+1)×λ/2により定まる値(m≧0の整数)であり、入射偏光を90°回転する1/2波長板を得ることができる。
また、このほかにツイスト型の高分子液晶膜を用いることもできる。この場合、Y軸方向にラビング処理された不図示の配向膜が片面に形成された透光性基板111とX軸方向にラビング処理された不図示の配向膜が片面に形成された不図示の透光性基板をガラスビーズ等のギャップ制御材およびシール材を用いて空セルを作製し、液晶モノマーを空セル内に注入して重合硬化させ、片側の透光性基板を離型させることにより液晶分子の配向が基板面に平行ではあるが層内では90°捻れた高分子液晶膜の位相差板114bを得ることができる。また、(低分子の)ツイストネマティック液晶と同様に、上述のように所望の膜厚dを定めて形成することにより90°偏光回転の位相差板を得ることができる。
位相差板114aは、位相差板114bを透過してX軸方向の直線偏光となった光のうちY軸方向の直線偏光の光の光量比がαとなるように変換することができる複屈折性材料であればどのような材料や構成であってもよい。
尚、有効径NAに入射する光を光ディスク110の情報記録面に回折限界まで有効径NAに入射する光を集光させるため、領域Aを出射する光のうちX軸方向の直線偏光と領域Bを出射するX軸方向の直線偏光の透過波面が揃うよう光学的に等方性となる均質屈折率透明材料である充填材層113を構成する充填材の屈折率nを調整する。具体的には、領域Bの出射する直線偏光の光に対して位相差板114aと充填材層113の光路長とが等しくなるよう充填材層113の屈折率nを高分子液晶の常光屈折率nと異常光屈折率nの間の値に調整する。
このようにして得られた空間分割位相差素子102において、領域Aを透過したY軸方向の直線偏光の成分の光は偏光ビームスプリッタープリズム103により反射されて光量モニター用光検出器104へ入射する。一方、空間分割位相差素子102の有効径NAを通過したX軸方向の直線偏光の成分の光は偏光ビームスプリッタープリズム103を直進透過する。図4は、このとき偏光ビームスプリッタープリズム103を透過した光の強度分布を示すものである。図4(a)は、偏光ビームスプリッタープリズム103を透過後の光のX軸方向の強度分布を示し、図4(b)は、偏光ビームスプリッタープリズム103を透過後の光のY軸方向の強度分布を示す。なお、これらはいずれも光軸を含む強度分布を示すものであって、この強度分布を有する光が光ディスク110の情報記録面に集光される。
このような空間分割位相差素子102を用いることにより、領域Aに相当する中心部に入射する光量の一部が光量モニター光検出器104に用いられるため、有効径NA内の光の強度分布を均一化させることができる。ここでいう均一化とは、有効径NAを透過する光の強度分布において、空間分割位相差素子102を用いない場合の有効径NAに相当する光の強度分布のうちの最大値と最小値との差に対して、空間分割位相差素子102を用いた場合の領域Aを透過する光の強度分布のうちの最大値と最小値との差を小さくすることをいう。
このように、有効径NA内の光の強度分布を均一化することよって、実効的な開口数NAが改善されるので光ディスク110の情報記録面上の集光スポットを縮小化することができる。なお、実効的な開口数NAとは、幾何学的な開口形状に開口内の実際の光量分布の影響を反映した開口数を意味する。開口内の光強度分布が均一となる場合の集光スポット径に対して、同じ開口数で開口内の周辺の強度が中心に対して低下した場合の光強度分布の集光スポット径は拡大するため、この場合、実効的な開口数(均一光強度分布とした場合の集光スポット径となる開口数)は低下したことになる。即ち、周辺部が中心部に比べて光量が低下するガウス分布に対して、中心部の光量を低下させ中心部に対する周辺部の光量比を相対的に増加させることにより、集光スポット径を小さくすることができるものであり、光量分布を均一に近づけることにより、集光スポット径を小さくすることができるのである。
さらに、領域Aに相当する中心部における光量の一部のみを光量モニターのために用いることから、光量モニター用光検出器104の受光領域を小さくすることができ、また、光電変換信号のSN比を高めたり、半導体レーザ光源の制御の応答性を速めたりする点で優れた特性が得られる。
なお、本実施の形態における空間分割位相差素子102は2種類の位相差板114aと114bを含む構成としたが、領域Aにのみ複屈折性材料の位相差板114aを形成したものであってもよい。この場合、半導体レーザ光源101の出射光をX軸方向の直線偏光の光とし、領域Bを出射する光は、偏光方向が回転することなくX軸方向の直線偏光のまま偏光ビームスプリッタープリズム103を直進透過するが、領域AではY軸方向の直線偏光の成分の光が偏光ビームスプリッタープリズム103により反射されて光量モニター用光検出器104へ入射する。この構成では、光ディスク110の記録面における集光スポット形状を考慮した配置とすることで、同様の機能を有する光ヘッド装置を実現できる。また、空間分割位相差素子の製造工程を短縮することができるため、低コストで光ヘッド装置を得ることができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態に係る光ヘッド装置に使用する空間分割位相差素子について説明する。本実施の形態の空間分割位相差素子は、複屈折性材料層が一方の基板にのみ形成され、複屈折性材料層の厚さが領域Aと領域Bとで異なる形状を有する。なお、後述する空間分割位相差素子120の平面から見た領域Aと領域Bの考え方は第1の実施形態に係る空間分割位相差素子102と同じである。また、空間分割位相差素子120は、第1の実施の形態における光ヘッド装置において、空間分割位相差素子102に代えて用いることができる。
図5に基づき本実施形態に係る空間分割位相差素子120について説明する。図5は、本実施形態に係る空間分割位相差素子120の断面模式図である。本実施の形態における空間分割位相差素子120は、透光性基板121上に、領域Aと領域Bとで厚さが異なる複屈折性材料層125が形成される。そして、複屈折性材料層125の少なくとも凹部を充填するように充填材からなる充填材層123が形成され、透光性基板122によって挟持されて構成される。
次に、本実施の形態における空間分割位相差素子120の製造方法について説明する。
最初に、透光性基板121上に厚さが均一となる複屈折性材料層を形成する。この複屈折性材料層は、例えば、高分子液晶からなる場合、第1の実施形態に係る空間分割位相差素子102と同様の方法で形成する。また、高分子液晶に限らず他の複屈折性材料を用いることもできる。そして、複屈折性材料層にフォトレジストを塗布した後、露光、現像を行うことにより、領域Aとなる部分に開口を有するレジストパターンを形成する。その後、RIE(反応性イオンエッチング)等により領域Aとなる部分の複屈折性材料を一定の厚さだけエッチングして複屈折性材料層を薄くする。その後、レジストパターンを除去することにより、領域Aには薄い複屈折性材料部125aが形成され、領域Bは、エッチングされないため厚い複屈折性材料部125bが形成される。これにより、薄い複屈折性材料部125aと厚い複屈折性材料部125bからなる断面形状が凹状となる複屈折性材料層125が形成される。次に、透光性基板121の複屈折性材料層125が形成されている面に、光学的に等方性な均質屈折率透明材料である充填材を充填し、充填材層123を形成し透光性基板122を接合する。これにより、本実施の形態における空間分割位相差素子120を得ることができる。
次に、本実施の形態に係る空間分割位相差素子120の光学作用について図5を用いて説明する。本実施の形態に係る空間分割位相差素子120において、領域Bに相当する厚い複屈折性材料部125bに入射するY軸方向の直線偏光の光はX軸方向の直線偏光の光に変換されて出射するが、領域Aに相当する薄い複屈折性材料部125a入射するY軸方向の直線偏光の光は、X軸方向の直線偏光の成分とY軸方向の直線偏光の成分とが混在した光となって出射される。なお、領域Aを出射するX軸方向の直線偏光と領域Bを出射するX軸方向の直線偏光の透過波面が揃うように、充填材層123を構成する光学的に等方性となる均質屈折率透明材料である充填材の屈折率nが調整されている。
このように、本実施の形態における空間分割位相差素子120は、形成される複屈折性材料層125が一層であることから、製造工程を短縮して製造することが可能である。
なお、本実施の形態における空間分割位相差素子120は、領域Aが薄く、領域Bが厚い断面形状が凹状の複屈折性材料層125について詳しく説明したが、構成はこれに限らない。逆に、領域Aが厚く、領域Bが薄いというように断面形状が凸状の複屈折性材料層であっても断面形状が凹状のものと同様に領域Aを透過する偏光の光と領域Bを透過する偏光の光に所望の位相差を与えることができればよい。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態に係る光ヘッド装置に使用する空間分割位相差素子について説明する。本実施の形態の空間分割位相差素子は、第2の実施の形態に係る空間分割位相差素子における複屈折性材料層の領域Aと領域Bとの境界付近より複屈折性材料層の厚さが段階的に変化している形状を有する。なお、後述する空間分割位相差素子130の平面から見た領域Aと領域Bの考え方は第1の実施形態に係る空間分割位相差素子102と同じである。また、空間分割位相差素子130は、第1の実施の形態における光ヘッド装置において、空間分割位相差素子102に代えて用いることができる。
図6および図7に基づき本実施形態に係る空間分割位相差素子130について説明する。図6は、本実施形態に係る空間分割位相差素子130の断面模式図であり、図7は、本実施形態に係る空間分割位相差素子130の平面模式図である。本実施の形態における空間分割位相差素子130は、領域Aにおける複屈折性材料層の厚さと領域Bにおける複屈折性材料層の厚さとが異なるものであって、領域Aにおける複屈折性材料層の厚さは、領域Aの中心に相当する入射する光の光軸となる位置から離れるにしたがって領域Bの厚さに近づくように段階的に変化しているものである。このような断面形状とすることによって、後述するように空間分割位相差素子130の領域Aを出射する光の強度分布をより均一化させることができる。また、領域Aにおいて中心(入射する光の光軸)を含まずに同じ厚さを有する、平面が輪帯形状となる領域は、FFPの強度分布のうち同一レベルの光強度となる領域と同じ程度になる領域となるように形成するとよい。
次に、本実施の形態における空間分割位相差素子130の製造方法について説明する。
最初に、透光性基板131上に厚さが均一となる複屈折性材料層を形成する。この複屈折性材料層は、例えば、高分子液晶からなる場合、第1の実施形態に係る空間分割位相差素子102と同様の方法で形成する。また、高分子液晶に限らず他の複屈折性材料を用いることもできる。そして、複屈折性材料層にフォトレジストを塗布した後、露光、現像を行うことにより、領域Aとなる部分に開口を有するレジストパターンを形成する。この後、RIE等により領域Aとなる部分の複屈折性材料をエッチングし複屈折性材料層を薄くし、レジストパターンを除去することにより、領域Aには薄い複屈折性材料部が形成され、領域Bは、エッチングされることがないため厚い複屈折性材料部135bが形成される。次に、領域Aよりも狭い(入射する光の光軸を含む)中心領域に開口を有するレジストパターンを形成し、RIE等により複屈折性材料をエッチングすることによりさらに複屈折性材料層を薄く加工する。
この工程を繰り返すことにより、領域Aにおいて、複屈折性材料層の厚さが領域Bよりも薄い複屈折性材料部135a1、次に薄い複屈折性材料部135a2、最も薄い複屈折性材料部135a3が中心部に向けて形成された薄い複屈折性材料部135aが形成される。その後、透光性基板131の複屈折性材料層135が形成されている面に、光学的に等方性な均質屈折率透明材料である充填材を充填し、充填材層133を形成し透光性基板132を接合する。これにより、本実施の形態における空間分割位相差素子130を得ることができる。なお、複屈折性材料層135は、領域Aにおいて、段階的に厚さを薄くする加工をさらに繰り返して3段に限らず4段以上の階段状となる断面形状を有するものであってもよく、段数が増えることによって、領域Aを出射する光の強度分布をさらに均一化させることができる。
次に、本実施の形態に係る空間分割位相差素子130の光学作用について図6を用いて説明する。本実施の形態に係る空間分割位相差素子130において、領域Bに相当する厚い複屈折性材料部135bに入射するY軸方向の直線偏光の光はX軸方向の直線偏光の光に変換されて出射する。一方、領域Aに入射するY軸方向の直線偏光の光は、X軸方向の直線偏光の成分とY軸方向の直線偏光の成分とが混在した光となって出射されるが、複屈折性材料層135の厚さに応じて中心から周辺に向かって、つまり、複屈折性材料部135a3、複屈折性材料部135a2、複屈折性材料部135a1の順にX軸方向の直線偏光の成分の割合が多い光となって出射される。
これにより、空間分割位相差素子130を図1に示す光ヘッド装置に配置したとき、空間分割位相差素子130の有効径NAを透過してX軸方向の直線偏光となった光が偏光ビームスプリッタープリズム103を透過すると、図8に示すようにより均一化された光強度分布となる。なお、図8(a)は、偏光ビームスプリッタープリズム103を透過後の光のX軸方向の強度分布を示し、図8(b)は、偏光ビームスプリッタープリズム103を透過後の光のY軸方向の強度分布を示す。このように本実施の形態に係る空間分割位相差素子130は、図8に示されるように、光の強度分布をよりなめらかなものとすることができるため、コリメートレンズ105および対物レンズ107により光ディスク110の情報記録面に集光されるスポットのメインビーム周辺に発生するサイドローブの強度が減少し、隣接するトラックの反射光がノイズとなって本来再生すべき信号光に重畳するクロストークを低減することができる。この結果、より安定して高品質な情報の再生ができる光ヘッド装置を実現することができる。尚、サイドローブは有効径NA内の光強度分布の非連続な境界において発生する回折光に起因して生じ、光強度分布の非連続変化が大きいほど発生量も増加する。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態に係る光ヘッド装置に使用する空間分割位相差素子について説明する。本実施の形態の空間分割位相差素子は、領域Aと領域Bに形成された複屈折性材料層における複屈折性材料の光学軸方向が厚さ方向に捩れてなる角度の大きさが異なる構成を有する。なお、後述する空間分割位相差素子140の平面から見た領域Aと領域Bの考え方は第1の実施形態に係る空間分割位相差素子102と同じである。また、空間分割位相差素子140は、第1の実施の形態における光ヘッド装置において、空間分割位相差素子102に代えて用いることができる。
図9に基づき本実施形態に係る空間分割位相差素子140について説明する。図9は、本実施形態に係る空間分割位相差素子140の断面模式図である。本実施の形態における空間分割位相差素子140は、領域Aにおける複屈折性材料層の光学軸が厚さ方向に捩れてなる角度と領域Bにおける複屈折性材料層の光学軸が厚さ方向に捩れてなる角度の大きさが異なるものである。また、光学軸が厚さ方向に捩れてなる角度を以下、「ツイスト角」として説明する。なお、領域Aにおける光学軸および領域Bにおける光学軸の組み合わせは進相軸同士であっても遅相軸同士であってもよいが、これらが互いに平行せず、かつ直交しないように組み合わせる。また、領域Aおよび領域Bにおいて、複屈折性材料層を構成する複屈折性材料および厚さは同じとして考える。
次に、本実施の形態における空間分割位相差素子140の製造方法について説明する。
最初に、透光性基板141の片面(XY平面)に例えばポリイミドからなる膜を形成し、Y軸方向にラビング処理された不図示の配向膜を形成する。次に、透光性基板142の片面に配向を制御できる例えばポリイミドからなる膜を形成する。そして、波長400nm以下の直線偏光UV光に対して液晶分子の長軸方向がUV光の偏光方向あるいはUV光の偏光方向と直交する方向に配向を付与するように不図示の配向膜を形成する。具体的に、波長400nm以下の直線偏光UV光を出射する偏光UV光源とフォトマスクを用い、透光性基板142における領域Bに相当する領域の膜に対して、液晶分子の長軸方向がX軸方向の配向を付与するように直線偏光UV光を照射する。同様に、透光性基板142における領域Aに相当する領域の膜に対して、XY平面において液晶分子の長軸方向がY軸方向と角度θ(ただし、0°<θ<90°)をなす配向を付与するように直線偏光UV光を照射する。
このようにして得られた配向膜付き透光性基板141と142を用いて所望のセルギャップとなるように空セルを作製し、液晶モノマーを空セル内に注入後、UV光照射などで重合硬化させる。これにより、透光性基板面と平行方向に液晶分子が配向した高分子液晶膜からなる領域Aの位相差部143aと領域Bの位相差部143bとを有する複屈折性材料層143が形成される。
ここで、複屈折性材料層143の領域Bに相当する位相差部143bを構成する高分子液晶膜の液晶分子の長軸方向は厚さ方向、つまり透光性基板141側から透光性基板142側に向かってY軸方向からX軸方向に90°捻れて配向される。したがって、領域Bに入射するY軸方向の直線偏光の光は、X軸方向の直線偏光の光に変換されて出射される。一方、複屈折性材料層143の領域Aに相当する位相差部143aを構成する高分子液晶膜の液晶分子の長軸方向は、透光性基板141側から透光性基板142側に向かってY軸方向からY軸方向に対して角度θをなす方向に捻れて配向される。したがって、領域Aに入射するY軸方向の直線偏光は、X軸方向の直線偏光の成分とY軸方向の直線偏光の成分との出射直線偏光強度比がsinθ:cosθの偏光状態の光に変換されて出射される。
なお、領域Aを出射するX軸方向の直線偏光と領域Bを出射するX軸方向の直線偏光の透過波面が揃っていない場合、透光性基板141または透光性基板142の表面に位相段差調整用の凹凸が形成されていてもよい。この場合、出射するX軸方向の直線偏光の透過波面を揃えて透過波面収差を改善することができるので、集光スポットを縮小でき好ましい。
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態に係る光ヘッド装置に使用する空間分割位相差素子について説明する。本実施の形態の空間分割位相差素子は、領域Aと領域Bに形成された複屈折性材料層における複屈折性材料のツイスト角が異なる領域を含んで構成される。第4の実施の形態に係る空間分割位相差素子140の複屈折性材料層143と異なるところは、領域Aにおける複屈折性材料のツイスト角の大きさが段階的に変化している領域を有するところである。なお、後述する空間分割位相差素子150の平面から見た領域Aと領域Bの考え方は第1の実施形態に係る空間分割位相差素子102と同じである。また、空間分割位相差素子150は、第1の実施の形態における光ヘッド装置において、空間分割位相差素子102に代えて用いることができる。
図10に基づき本実施形態に係る空間分割位相差素子150について説明する。図10は、本実施形態に係る空間分割位相差素子150の断面模式図である。本実施の形態における空間分割位相差素子150は、領域Aにおける複屈折性材料層のツイスト角と領域Bにおける複屈折性材料層のツイスト角が異なるものであって、さらに、第4の実施の形態に係る空間分割位相差素子102と異なるのは、領域Aにおける複屈折性材料層のツイスト角の大きさが段階的に異なる領域を有するところである。例えば、領域Bにおける複屈折性材料層のツイスト角の大きさが90°であるとき、領域Aにおける複屈折性材料層は中心(入射する光の光軸)に近づくにつれて、90°との差が大きいツイスト角を有し、中心から離れるにしたがってツイスト角が90°に近づくように段階的に変化している。このように領域Aにおける複屈折性材料層のツイスト角に分布を与えることによって、後述するように空間分割位相差素子150の領域Aを出射する光の強度分布をより均一化させることができる。また、領域Aにおいて中心(光軸)を含まずに同じツイスト角を有する、平面が輪帯形状となる領域は、FFPの強度分布のうち同一レベルの光強度となる領域と同じ程度になる領域となるように形成するとよい。
次に、本実施の形態における空間分割位相差素子150の製造方法について説明する。
最初に、透光性基板151の片面(XY面)に例えばポリイミドからなる膜を形成し、Y軸方向にラビング処理された不図示の配向膜を形成する。次に、透光性基板152の片面に配向を制御できる例えばポリイミドからなる膜を形成する。そして、波長400nm以下の直線偏光UV光に対して液晶分子の長軸方向がUV光の偏光方向あるいはUV光の偏光方向と直交する方向に配向を付与するように不図示の配向膜を形成する。具体的に、波長400nm以下の直線偏光UV光を出射する偏光UV光源とフォトマスクを用い、透光性基板152における領域Bに相当する領域の膜に対して、液晶分子の長軸方向がX軸方向の配向を付与するように直線偏光UV光を照射する。同様に、透光性基板152における領域Aに相当する領域の膜に対して、XY平面において液晶分子の長軸方向がY軸方向と角度θ(ただし、0°<θ<90°)をなす配向を付与するように直線偏光UV光を照射する。
このとき、図10に示すように領域Aの複屈折性材料層に相当する位相差部153aを、領域Aの中心(入射する光の光軸)を含む複屈折性材料部153a3、複屈折性材料部153a3を囲う輪帯状の領域を有する複屈折性材料部153a2、そして複屈折性材料部153a2を囲うとともに領域Bと接する複屈折性材料部153a1に分割し、複屈折性材料部153a3の角度θに対して領域Bに近づくほどこの角度θが大きく90°に近づくように直線偏光UV光を照射する。なお、領域Aの位相差部153aの分割数は3つに限らず、4以上の互いに角度θが異なるとともに段階的に変化する複屈折性材料部を有するものであってもよく、この場合、領域Aを出射する光の強度分布をさらに均一化させることができる。
このようにして得られた配向膜付き透光性基板151と152を用いて所望のセルギャップとなるように空セルを作製し、液晶モノマーを空セル内に注入後、UV光照射などで重合硬化させる。これにより、透光性基板面と平行方向に液晶分子が配向した高分子液晶膜からなる領域Aの位相差部153aと領域Bの位相差部153bとを有する複屈折性材料層153が形成される。
このように、領域Aの高分子液晶膜の液晶分子の長軸方向は透光性基板151側から透光性基板152側に向かってY軸方向からY軸方向に対して角度θをなす方向に捻れ、角度θが領域Aの中心から周辺に向けて段階的に変化する。したがって、領域Aに入射するY軸方向の直線偏光の光は、ツイスト角に相当するこの角度θが段階的に変化するように設定することにより、領域Aを出射する光のうち偏光ビームスプリッタープリズムを透過するX軸方向の出射直線偏光強度分布が均一化するように調整することができる。
これにより、空間分割位相差素子150を図1に示す光ヘッド装置に配置したとき、空間分割位相差素子150の有効径NAを通過してX軸方向の直線偏光となった光は偏光ビームスプリッタープリズム103を透過すると、図8に示すものと同じようにより均一化された光強度分布となる。このように本実施の形態に係る空間分割位相差素子150は、光の強度分布をよりなめらかなものとすることができるため、コリメートレンズ105および対物レンズ107により光ディスク110の情報記録面に集光されるスポットは縮小化され、さらにトラッキングシフトによる変化(拡大)が抑制されるので安定して高品質な情報の再生ができる光ヘッド装置を実現することができる。
〔第6の実施の形態〕
次に、第6の実施の形態に係る光ヘッド装置に使用する空間分割位相差素子について説明する。図11は、本実施の形態における空間分割位相差素子の断面模式図である。本実施の形態における空間分割位相差素子170は、領域A及び領域Bにおいて、位相差板174及び位相差板175が重ねて配置されている。
位相差板174は、領域Aに複屈折率材料層174aを有し、領域Bに複屈折率材料層174bを有している。また、位相差板175は、領域Aに複屈折率材料層175aを有し、領域Bに複屈折率材料層175bを有している。これらの複屈折率材料層174a、174b、175a、175bは、いずれも光学軸(進相軸及び遅相軸)が、厚さ方向に揃っている。また、複屈折率材料層174aにおける遅相軸方向と複屈折率材料層175aにおける遅相軸方向とは互いに異なる方向であり、複屈折率材料層174bにおける遅相軸方向と複屈折率材料層175bにおける遅相軸方向とは互いに異なる方向である。複屈折率材料層174aと複屈折率材料層174b、または、複屈折率材料層175aと複屈折率材料層175bにおいて、少なくともどちらか一方は、相互の複屈折率材料層における遅相軸の方向が異なる方向となるように形成されている。
次に、本実施の形態における空間分割位相差素子170の製造方法について説明する。
最初に、透光性基板171の一方の面及び透光性基板172の一方の面に配向膜を形成する。具体的には、ポリイミド等からなる膜を形成し、この後、波長400nm以下の直線偏光のUV光を発する偏光UV光源とフォトマスクを用い、透光性基板171の一方の面及び透光性基板172の一方の面の所定の領域において、液晶分子の長軸方向が所定の方向に配向するようにUV光を照射する。これにより、透光性基板171の一方の面と透光性基板172の一方の面とを対向させて、液晶を封入した際に、領域Aにおける液晶分子の配向方向と領域Bにおける液晶分子の配向方向とを異なる方向とすることができる。即ち、透光性基板171の一方の面に形成される配向膜と、透光性基板172の一方の面に形成される配向膜とは、領域Aにおける対向する面では液晶分子を配向させるための方向が互いに平行であり、領域Bにおける対向する面では液晶分子を配向させるための方向が互いに平行であり、領域Aにおける液晶分子を配向させるための方向と領域Bにおける液晶分子を配向させるための方向とは異なる方向となるように形成する。
このように配向膜の形成された透光性基板171の一方の面と透光性基板172の一方の面とを対向させ、不図示のガラスビーズ等のギャップ制御材及びシール材を用いて空セルを形成し、形成された空セル内に液晶モノマーを注入して重合硬化させることにより、位相差板174を作製する。同様の方法により、透光性基板172の他方の面及び透光性基板173の一方の面に、領域Aと領域Bにおける配向膜を形成し、透光性基板172の他方の面と透光性基板173の一方の面とを対向させて空セルを形成し、液晶モノマーを注入し重合硬化させることにより、位相差板175を作製する。
次に、空間分割位相差素子170に入射する直線偏光の光及び出射する直線偏光の光と、位相差板174及び位相差板175の光学軸との関係について説明する。図12は、空間分割位相差素子170の領域A又は領域Bにおける平面模式図である。空間分割位相差素子170にはZ軸方向に光が入射し、入射する光は偏光方向181の直線偏光の光である。また、空間分割位相差素子170より出射する光は、領域Aでは偏光方向182の直線偏光の光となり出射され、領域Bでは偏光方向183の直線偏光の光となり出射される。尚、ここでは、位相板174における遅相軸方向と位相板175における遅相軸方向の組み合わせの場合について説明するが、進相軸同士の組み合わせであってもよい。
図12(a)は、領域Aを示すものであり、XY平面において、X軸を基準に左回りをプラス(+)とし、空間分割位相差素子170に入射する直線偏光の光の偏光方向181の角度をθin〔°〕とし、偏光方向181を基準に、出射する直線偏光の光の偏光方向182の角度をθout〔°〕とする。入射する直線偏光の光の偏光方向181を基準として、左回りをプラス(+)とし、複屈折性材料層174aの遅相軸方向176の角度をα〔°〕、複屈折性材料層175aの遅相軸方向177の角度をα〔°〕とする。また、入射する波長λの光に対して、複屈折性材料層174aにおいて生じる位相差をRe(λ)〔°〕とし、複屈折性材料層175aにおいて生じる位相差をRe(λ)〔°〕とした場合、本実施の形態における空間分割位相差素子170における複屈折性材料層174a及び複屈折性材料層175aは、下記の(1)〜(3)の式を満たすように形成する。尚、m、nは、正の整数である。
|θout−θin|=2×|α−α|・・・・・・・・・・・(1)
150+360×m≦Re(λ)≦210+360×m・・・・(2)
150+360×n≦Re(λ)≦210+360×n・・・・(3)
尚、(2)及び(3)の式において、m=n=0の場合では、Re(λ)及びRe(λ)を150〔°〕から210〔°〕の値とすることも可能であるが、波長λ近傍における波長依存性を良好に保つためには、180〔°〕に近い値であることが好ましく、また、m、nの値は、0〜3であることが好ましい。
また、図12(b)は、領域Bを示すものであり、XY平面において、X軸を基準に左回りをプラス(+)とし、空間分割位相差素子170に入射する直線偏光の光の偏光方向181の角度をθin〔°〕とし、偏光方向181を基準に、出射する直線偏光の光の偏光方向183の角度をθout〔°〕とする。入射する直線偏光の光の偏光方向181を基準として、左回りをプラス(+)とし、複屈折性材料層174bの遅相軸方向178の角度をα〔°〕、複屈折性材料層175bの遅相軸方向179の角度をα〔°〕とする。また、入射する波長λの光に対して、複屈折性材料層174bにおいて生じる位相差をRe(λ)〔°〕とし、複屈折性材料層175bにおいて生じる位相差をRe(λ)〔°〕とした場合、本実施の形態における空間分割位相差素子170における複屈折性材料層174b及び複屈折性材料層175bは、下記の(4)〜(6)の式を満たすように形成する。形成する。尚、m、nは、正の整数である。
|θout−θin|=2×|α−α|・・・・・・・・・・・(4)
150+360×m≦Re(λ)≦210+360×m・・・・(5)
150+360×n≦Re(λ)≦210+360×n・・・・(6)
尚、(5)及び(6)の式において、m=n=0の場合では、Re(λ)及びRe(λ)を150〔°〕から210〔°〕の値とすることも可能であるが、波長λ近傍における波長依存性を良好に保つためには、180〔°〕に近い値であることが好ましく、また、m、nの値は、0〜3であることが好ましい。
ここで、領域A及び領域Bにおいて、各々所望のθout〔°〕及びθout〔°〕を得ることができるように、α、α、Re(λ)、Re(λ)、α、α、Re(λ)、Re(λ)の値を設定する。
このように形成された空間分割位相差素子170は、入射する直線偏光の光の偏光方向に対して、出射する直線偏光の光の偏光方向を所望の方向にすることができるとともに、θout〔°〕及びθout〔°〕が入射する光の偏光方向に大きく依存しない旋光子としての機能を有する。従って、空間分割位相差素子170を光ヘッド装置の一部として用いた場合においても、精度の高い回転調整等を行うことなく良好な特性を得ることが可能である。
例えば、空間分割位相差素子170において光ディスクに照射される光の入射側に、メインビーム(0次回折光)と2つのサブビーム(±1次回折光)との3ビームを発生させることができる3ビーム用回折格子を設けて一体化させたものを形成することも可能である。光ヘッド装置において光ディスクのトラッキングを行うためには、3ビーム用回折格子の回転調整を行うが、3ビーム用回折格子と空間分割位相差素子170とを一体化させたものの場合、回転調節を行った場合においても、所望のθout〔°〕及びθout〔°〕を得ることができる。従って、光ディスクに照射される光ビームの光量を高く保つことができる。
尚、3ビーム用回折格子は、断面が矩形状の周期的な凹凸形状を有するものであり、例えば、透光性基板171における光の入射する側の面に凹凸形状を形成したものや、透光性基板171における光の入射する側の面に凹凸形状を有する層を形成したものであっても良い。更に、これら凹凸形状の表面には、凹凸形状を形成する材料の屈折率とは異なる屈折率の材料により凹凸形状を平坦化する層を形成したものであってもよい。また、空間分割位相差素子170は領域A及び領域Bの二つの領域により構成されるものであるが、第3の実施の形態に示すような、領域Aと領域Bの境界領域においてθoutからθoutへと段階的に変化するものであってもよい。
〔第7の実施の形態〕
第7の実施の形態は、第1〜第6の実施の形態に係る空間分割位相差素子にさらに偏光子が一体化されて構成される空間分割位相差素子である。光源側に偏光子を備えることでより安定した光量モニターができるためより安定した記録及び再生が可能となる。本実施の形態に係る空間分割位相差素子について図13に基づき説明する。偏光子は、特定の直線偏光の光のみ直進透過させる機能を有するものであって、ここでは具体的に偏光性回折素子を用い、偏光子としての具体的設計は後述する。
本実施の形態における空間分割位相差素子160は、透光性基板161と透光性基板142との間に、偏光回折格子163、充填層164、複屈折性材料層143が形成されたものである。本実施の形態は、複屈折性材料層として、第4の実施の形態において説明した複屈折性材料層143を用い、第4の実施の形態で説明した部材に相当するものは同じ番号を付して説明の重複を避ける。また、光は、空間分割位相差素子160において偏光回折格子163、複屈折性材料層143の順に入射する。
次に、本実施の形態における空間分割位相差素子160の製造方法について説明する。
最初に、透光性基板161の片面(XY面)にX軸方向に異常光屈折率nとY軸方向に常光屈折率nとなるように膜厚dで厚さ方向に光学軸が揃った高分子液晶層を形成する。次に、フォトリソグラフィとドライエッチングにより断面が矩形状で高分子液晶を有する凸部と高分子液晶を有しない凹部とが周期的に直線状に配列する回折格子である偏光回折格子163を形成する。次に、光学的に等方性となる均質屈折率nを有する透明材料である充填材を偏光回折格子163の少なくとも凹部に充填材層164として形成し、領域Aに相当する位相差部143aと領域Bに相当する位相差部143bとを有する複屈折性材料層143が形成された透光性基板142とを接合する。
ここで、充填材層164となる充填材は、偏光回折格子163を構成する高分子液晶の常光屈折率nにほぼ等しい屈折率nを有するものとする。また、偏光回折格子163を構成する高分子液晶層の膜厚dは、(n−n)×dが半導体レーザ光源の波長λの略1/2となるように形成する。これにより、常光の偏光に相当するY軸方向の直線偏光の光は偏光回折格子163において屈折率の差を生じないので直進透過するが、一方、異常光の偏光に相当するX軸方向の直線偏光の光は偏光回折格子163において屈折率の差を生じるため、回折する。このとき、上記のように偏光回折格子163の膜厚dを設定すると、X軸方向の直線偏光の光は、直進透過光の効率(0次回折効率)が10%以下となる。このように入射する光の偏光方向によって透過または回折の作用が異なる偏光回折格子163を得ることができる。
なお、本実施の形態の説明では、第4の実施の形態に係る空間分割位相差素子140と偏光回折格子(偏光子)とを一体化させた空間分割位相差素子について説明したが、第1から第3、第5、第6の実施の形態に係る空間分割位相差素子と偏光回折格子(偏光子)とを組み合わせとしてもよい。また、偏光回折格子163を構成する複屈折性材料として高分子液晶を用いる例について説明したが、高分子液晶とは異なる複屈折性材料を用いて偏光回折格子163を形成してもよく、また偏光子としての機能を有するものであれば、偏光回折格子とは異なるものを用いてもよい。
偏光子機能を有するものとして、偏光回折格子163とは異なる素子として用いられるものとしては、直交する2つの成分の直線偏光のうち一方を透過し他方を吸収する偏光フィルムや偏光ガラスなどの偏光透過・吸収型の偏光子が挙げられる。この他に、直交する2つの成分の直線偏光のうち一方を透過し他方を反射するワイヤグリッド偏光子やフォトニック結晶として用いられる偏光透過・反射型の偏光子等が挙げられる。フォトニック結晶を用いた偏光子として、ワイヤグリッド偏光子における波長以下の周期構造の金属膜の代わりに、自己クローニングフォトニック結晶では波長以下のTaとSiOから成る誘電体多層膜傾斜面の周期構造により、誘電体多層膜傾斜面により発現するP偏光透過とS偏光反射の偏光依存性を利用するものであってもよい(応用物理学会誌、77巻、2008年5月、川上彰二郎他、積層型フォトニック結晶の諸応用、参照)。
本実施の形態に係る空間分割位相差素子160は、第1の実施の形態における光ヘッド装置において、空間分割位相差素子102に代えて用いることができる。この場合、図1に示す半導体レーザ光源101より発せられたレーザ光のうち、Y軸方向の直線偏光の光は偏光回折格子163により回折することなく直進透過し、複屈折性材料層143を出射する光は第4の実施形態に係る空間分割位相差素子140を出射する光と同じ偏光状態の光に変換される。さらに、偏光ビームスプリッタープリズム103に入射した光のうちX軸方向の直線偏光の光は直進透過し、Y軸方向の直線偏光の光は反射され、光量モニター用光検出器104の受光面に入射する。
一方、半導体レーザ光源101より出射したレーザ光のうち、X軸方向の直線偏光の光は偏光回折格子163により回折され、さらに屈折性材料層143を透過した光のうちX軸方向の直線偏光の光は、偏光ビームスプリッタープリズム103を直進透過するが、回折された方向(回折角≠0)に進行するので、コリメートレンズ105および対物レンズ107によって光ディスク110の情報記録面に集光されない。また、複屈折性材料層143を透過した光のうちY軸方向の直線偏光の光は、偏光ビームスプリッタープリズム103で反射されて光量モニター用光検出器104側に偏向されるが、同様に回折された方向(回折角≠0)に基づいて反射して進行するので、光量モニター用光検出器104の受光面に入射させないようにすることができる。
このように、偏光子として偏光回折格子163と複屈折性材料層143とを一体化した空間分割位相差素子160を用いた光ヘッド装置は、例えば、半導体レーザ光源101から出射する光の偏光状態が温度の変化などによってばらついたり、半導体レーザ光源101の個別素子の特性がそれぞればらついたりすることによって、本来利用されるY軸方向の直線偏光とは異なるX軸方向の直線偏光の成分が発生しても、偏光回折格子163により直進方向に進行しないように制御できるため、光量モニター用光検出器104において正確な光量をモニターすることができ、高精度な半導体レーザ光源101の光強度制御を行うことができる。
なお、第1〜第7の実施の形態では、複屈折性材料層を構成する複屈折性材料として高分子液晶を用いた例を示したが、その他の複屈折性材料の例として、水晶やLiNbOなどの無機複屈折結晶や、ポリカーボネートフィルムなどを一軸延伸にて複屈折性を発現させた位相差フィルムや、波長以下の微細周期構造を基板表面に形成して構造により屈折率異方性を発現させた構造複屈折や、さらに構造複屈折基板に光学多層膜を成膜することで位相差を増大させた前述のフォトニック結晶などを複屈折性材料として用いてもよい。
また、透光性基板において空気の接する表面に反射防止膜を形成すると光利用効率を高められるので好ましい。さらに、透光性基板において空気と接する表面に、光ディスクのトラッキングサーボ信号に用いられる0次回折光(直進透過光)および±1次回折光を発生する3ビーム回折格子を形成してもよい。
また、第1〜第7の実施の形態では、空間分割位相差素子に入射する光の波長をBD用の405nm波長帯域、DVD用の660nm波長帯域、CD用の785nm波長帯域のいずれか1つの波長帯域を想定した構成について説明したが、これに限らない。例えば、2つおよび3つの波長帯域の光が入射する場合でも同様の機能が実現できるように、第1〜第6の実施の形態で説明した位相差板または複屈折性材料層の構成を適宜設計することにより、2つ以上の波長帯域となる広波長帯域において偏光変換機能を発現する空間分割位相差板を得ることができる。
具体例として、波長λおよび波長λ(λ≠λ)に対して1/2波長板として機能させる2枚の位相差板の組み合わせを考える。この場合、波長λと波長λの中心波長λ=2×λ×λ/(λ+λ)に対する複屈折性材料層のリタデーション値がλの0.4〜0.6倍となる2層の位相差板を、その遅相軸(光学軸)同士のなす角度が55°から85°の範囲となるように積層すればよい。
また、第1〜第7の実施の形態に係る光ヘッド装置では、光量モニター用検出器104と光ディスク110と光検出器109に光分岐するビームスプリッタとして偏光ビームスプリッタープリズム103を用いた例を示したが、それ以外に透光性平板基板の片面に誘電体多層膜からなる偏光分離膜や偏光回折格子を所望の格子パターンとした偏光ホログラムなどの偏光ビームスプリッタを用いて光分岐してもよい。
実施例として、第2の実施の形態における空間分割位相差板120について説明する。まず、図5に基づき、空間分割位相差板120の製造方法について詳細に説明する。
最初に、BD用の405nm波長帯域において、透光性基板121である石英ガラス基板の片面に、ポリイミドを塗布し、ポリイミド表面を一軸方向にラビング処理されてなる(水平配向処理をした)不図示の配向膜を形成する。次に、図示しないポリイミド配向膜付き石英ガラス基板を用意し、それぞれの配向膜の水平配向方向が平行になるように対向させる。さらに、ポリイミド配向膜付き石英ガラスの外周部に図示しない熱硬化型のエポキシシール材を印刷して固定し、2枚のガラス基板間のギャップが2.02μmの液晶セルを形成する。このように対向させた2枚のガラス基板の2.02μmのスペースに重合性ネマティック液晶組成物を注入し、挟持させる。
波長365nmのUV光を重合性ネマティック液晶組成物全体に照射して重合・硬化し、厚さ2.02μmの水平配向された高分子液晶層を形成する。なお、このときの水平配向方向(液晶分子の長軸方向)に対して45°の角度をなす方向をY軸方向とする。その後、一方の配向膜付き石英ガラス基板を除去する。このとき、常光屈折率n=1.55および異常光屈折率n=1.65で、波長λ=404nmの光に対しリタデーション値がλ/2の高分子液晶層が形成される。
次に、高分子液晶層の表面について中心部を、フォトリソグラフィとドライエッチング加工により、X軸方向の長軸長さ0.5mm、Y軸方向の短軸長さ0.25mmの楕円領域を深さ1.01μmだけ除去して、領域Aに相当する厚さ1.01μmとなる複屈折性材料部125aを形成する。これにより、領域Aに相当する複屈折性材料部125aと領域Bに相当する複屈折性材料部125bからなる複屈折性材料層125を形成する。なお、領域Aの複屈折性材料部125aにおけるリタデーション値はλ/4となる。
次に、屈折率がn=(n+n)/2=1.60の光学的に等方性な均質屈折率透明材料である充填材層123に相当する接着剤によって複屈折性材料層125の凹部を充填するようにして透光性基板122である石英ガラス基板と接合し、空間分割位相差素子120を作製する。
次に、作製された空間分割位相差素子120を第1の実施の形態における光ヘッド装置100における空間分割位相差素子102に代えて配置する。この光ヘッド装置の半導体レーザ光源101は、波長λ=404nmであって、Y軸方向の直線偏光の光を出射する。出射される光のFFPの半値全幅の放射角はX軸方向が20°、Y軸方向が10°であり、空間分割位相差素子120に入射する面内での光強度が楕円形状のガウス分布を有する。
この空間分割位相差素子120が設置される位置では対物レンズ107の開口数NA=0.85に対応する有効径NAが2mmで、対物レンズ107はトラッキングサーボのためX軸方向に±0.3mm移動するため、コリメートレンズ105の有効径NAを2.6mmとする。
この光ヘッド装置100において、空間分割位相差素子120のうち領域Bを出射する光はX軸方向の直線偏光の光となって偏光ビームスプリッタープリズム103を直進透過し、領域Aを出射する光の半分は偏光ビームスプリッタープリズム103を直進透過し、残りの半分が反射されて光量モニター用光検出器104の受光面に入射する。1/4波長板106により円偏光の光に変換されるとともにコリメートレンズ105および対物レンズ107により光ディスク110の情報記録面に集光されたスポットは、空間分割位相差素子120の代わりに従来の1/2波長板102が搭載された光ヘッド装置200に比べて縮小することができ、より安定した記録再生を行うことができる。
さらに、偏光ビームスプリッタープリズム103で反射され、光量モニター用光検出器104に入射する光は光軸の近傍の光のみを抽出したものであるので光量モニター用光検出器104の受光面の面積を大きくすることなく、かつ、受光する光量を低下させずにモニターできる。従って、光量モニター用光検出器104を小型化しても、従来同様の半導体レーザ光源101の出射光量制御ができるとともに、偏光ビームスプリッタープリズム103により光ディスク110に分岐される光量の比率が向上し、光ヘッド装置の小型化および低消費電力化が可能となる。
また、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
100 光ヘッド装置
101 半導体レーザ光源
102 空間分割位相差素子
103 偏光ビームスプリッタープリズム
104 光量モニター用光検出器
105 コリメートレンズ
106 1/4波長板
107 対物レンズ
109 光検出器
110 光ディスク
111 透光性基板
112 透光性基板
113 充填材層
114a 位相差板
114b 位相差板
123 複屈折性材料層
163 偏光回折格子

Claims (11)

  1. 情報記録層が設けられている光ディスクにおいて情報の記録または再生を行うための光ヘッド装置であって、
    レーザ光源と、
    偏光ビームスプリッタと、
    光量モニター用光検出器と、
    信号光用検出器と、
    光軸を含む中心領域である第1の領域と、前記第1の領域の周辺において形成され、前記第1の領域より出射する光の偏光状態とは異なる偏光状態の光を出射する第2の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域のうち少なくとも一方は複屈折性材料により形成される空間分割位相差素子と、を有し、
    前記レーザ光源からの光を前記空間分割位相差素子に入射し、前記空間分割位相差素子における前記第1の領域を出射した光の一部は偏光ビームスプリッタにより偏向され前記光量モニター用光検出器に入射させ、
    前記第1の領域を出射した光の他の一部及び、前記第2の領域を出射する光は前記偏光ビームスプリッタを透過し前記光ディスクを照射し、前記光ディスクからの反射光を前記信号光用検出器に入射させることを特徴とする光ヘッド装置。
  2. 前記光軸と直交する前記空間分割位相差素子の面における前記第1の領域の形状は、楕円または長方形であることを特徴とする請求項1に記載の光ヘッド装置。
  3. 前記第1の領域と前記第2の領域は、いずれも複屈折性材料を含み、
    前記第1の領域に入射する光に対する屈折率異方性と、第2の領域に入射する光に対する屈折率異方性とが異なることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ヘッド装置。
  4. 前記空間分割位相差素子は、
    前記第1の領域のみに形成される第1の位相差板と、
    前記第1の領域及び前記第2の領域に形成される第2の位相差板と、が重なることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の光ヘッド装置。
  5. 前記空間分割位相差素子における前記第1の領域と前記第2の領域は、同じ複屈折性材料により形成される複屈折性材料層を有し、
    前記複屈折性材料層における前記第1の領域と前記第2の領域との厚さが異なることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の光ヘッド装置。
  6. 前記空間分割位相差素子における前記第1の領域と前記第2の領域とは、同じ複屈折性材料により形成される複屈折性材料層を有し、
    前記複屈折性材料層における前記第1の領域と前記第2の領域とは、厚さが同じであって、厚さ方向に揃った光学軸方向が互いに異なることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の光ヘッド装置。
  7. 前記空間分割位相差素子における前記第1の領域と前記第2の領域は、複屈折性材料により形成される複屈折性材料層を有し、
    前記複屈折性材料層における前記第1の領域と前記第2の領域とは、光学軸が厚さ方向に捩れてなる角度が互いに異なることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の光ヘッド装置。
  8. 前記空間分割位相差素子は、第1の位相差板と第2の位相差板とが重ねて配置されているものであって、
    前記空間分割位相差素子面内の直線Aを基準に、前記空間分割位相差素子に入射する直線偏光の光の偏光方向の角度をθin〔°〕とし、前記第1の領域における前記偏光方向に対する出射する直線偏光の光の偏光方向の角度をθout〔°〕とし、前記空間分割位相差素子に入射する直線偏光の光の偏光方向を基準に、前記第1の位相差板における前記第1の領域の複屈折性材料層の遅相軸方向の角度をα〔°〕とし、前記第2の位相差板における前記第1の領域の複屈折性材料層の遅相軸方向の角度をα〔°〕とし、前記空間分割位相差素子に入射する波長λの光に対して、前記第1の位相差板における前記第1の領域の複屈折性材料層において生じる位相差をRe(λ)〔°〕とし、前記第2の位相差板における前記第1の領域の複屈折性材料層において生じる位相差をRe(λ)〔°〕とし、
    前記直線Aを基準に、前記第2の領域における前記偏光方向に対する出射する直線偏光の光の偏光方向の角度をθout〔°〕とし、前記空間分割位相差素子に入射する直線偏光の光の偏光方向を基準に、前記第1の位相差板における前記第2の領域の複屈折性材料層の遅相軸方向の角度をα〔°〕とし、前記第2の位相差板における前記第2の領域の複屈折性材料層の遅相軸方向の角度をα〔°〕とし、前記空間分割位相差素子に入射する波長λの光に対して、前記第1の位相差板における前記第2の領域の複屈折性材料層において生じる位相差をRe(λ)〔°〕とし、前記第2の位相差板における前記第2の領域の複屈折性材料層において生じる位相差をRe(λ)〔°〕とした場合において、下記(1)から(6)に示す式
    |θout−θin|=2×|α−α|・・・・・・・・・・・(1)
    150+360×m≦Re(λ)≦210+360×m・・・・(2)
    150+360×n≦Re(λ)≦210+360×n・・・・(3)
    |θout−θin|=2×|α−α|・・・・・・・・・・・(4)
    150+360×m≦Re(λ)≦210+360×m・・・・(5)
    150+360×n≦Re(λ)≦210+360×n・・・・(6)
    (m、n、m、nは、正の整数)を満たしていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光ヘッド装置。
  9. 前記空間分割位相差素子における前記複屈折性材料は、高分子液晶であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の光ヘッド装置。
  10. 前記空間分割位相差素子の一方の面に回折格子が形成されており、
    前記第1の領域及び前記第2の領域において、一方の偏光方向の光は透過し、前記一方の偏光方向の光と垂直な他方の偏光方向の光は回折されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の光ヘッド装置。
  11. 前記レーザ光源より前記空間分割位相差素子に照射される光束は、前記第1の領域よりも大きな面積であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の光ヘッド装置。
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