WO2007105767A1 - 光ヘッド装置 - Google Patents

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Abstract

 本発明は、光源と、前記光源からの出射光を光ディスクの情報記録面上に集光させる対物レンズと、集光されて光ディスクの情報記録面によって反射された戻り光を、前記出射光の光路とは異なる光路に偏向分離するビームスプリッタと、偏向分離された前記戻り光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置であって、前記ビームスプリッタと前記光検出器との間の光路中に、入射した戻り光を、偏光度を低下させて透過させる偏光解消素子が設置されている光ヘッド装置を提供する。

Description

明 細 書

光ヘッド装置

技術分野

[0001] 本発明は、例えば CD、 DVD等の光記録媒体 (以下「光ディスク」という。 )、特に複 数層の情報記録層を有する複層光ディスクに対して記録再生を行う必要のある光へ ッド装置に関する。

背景技術

[0002] 光ディスクには、情報記録層が単層の単層光ディスクと、複数層ある複層光ディスク とがある。例えば 2層の記録層を有する 2層光ディスクに対して情報の記録再生を行 うとき、光検出器に戻る戻り光は、光源からの出射光を集光させた情報記録層により 反射された光のみならず、隣接した情報記録層により反射された光の影響を受ける。 複層光ディスクの記録再生をおこなう光ヘッド装置では、このような層間クロストーク がサーボ信号に影響を与えないような構成にする必要がある。なお、本明細書で用 いる「記録再生」という文言は、光ディスクに対する記録若しくは再生、又は、記録及 び再生を総称するものである。

[0003] 従来の複層光ディスクの記録再生をおこなう光ヘッド装置における 2層光ディスク再 生時の光路の模式図を図 17に示す。 2層光ディスクの光入射面力 近い層を L1層、 遠い層を L2層とすると、 L1層の再生時に光検出器に受光される光 L11に対し、 L2 層で反射された光 L12は、その焦点が光 L11より前方に位置する。一方、 L2層の再 生時に光検出器に受光される光 L22に対し、 L1層で反射された光 L21は、その焦 点が光 L22より後方に位置する。

[0004] L1層の再生時において L1層からの戻り光は、回折素子で回折された 0次回折光、 士 1次回折光がそれぞれ光検出器の検出面上に集光される。 L2層より反射された戻 り光は、ビーム径が大きく光密度は低いものの光検出器の検出面上に迷光となって 照射されて、 L1層からの戻り光と光検出器上で干渉を生じる。情報記録層の層間隔 や光源波長の変化によって光の干渉条件が変化すると、信号強度が変化して読み 取り性能が低下する問題を引き起こす。 [0005] この対策として、例えば特許文献 1に示すような光ヘッド装置が提案されている。こ れは、図 18に示すようなホログラム素子を光束中に配置し、光ディスクからの戻り光 の一部を回折して、サブビームの光検出器に照射される迷光を取り除くものである。

[0006] 特許文献 1:特開 2005— 203090号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] し力しながら、特許文献 1に示された構成では、 L2層からの迷光のみならず、本来 情報を読み出したい L1層からの光もホログラム素子で回折することになり、光検出器 に入る信号光強度も低下してしまうという問題があった。

[0008] 本発明は、従来技術の力かる問題を解決するためになされたものであり、光検出器 への信号強度を低下させることなく複層光ディスクを記録再生することができる光へッ ド装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009] (1)本発明の光ヘッド装置は、光源と、前記光源からの出射光を光ディスクの情報 記録面上に集光させる対物レンズと、集光されて光ディスクの情報記録面によって反 射された戻り光を前記出射光の光路とは異なる光路に偏向分離するビームスプリッタ と、偏向分離された前記戻り光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置であって 、前記ビームスプリッタと前記光検出器との間の光路中に、入射した戻り光を、偏光 度を低下させて透過させる偏光解消素子が設置されて ヽる構成を有して ヽる。

[0010] この構成により、光源カゝら光ディスクへ照射される光源光の偏光度を低下させて光 ディスクへの集光特性を低下させることなぐ光ディスク力 の戻り光が光検出器上に 照射されて検出されるときの偏光度を低下させることができる。その結果、複層光ディ スクに対して読み取りまたは書き込みをおこなうときに、光検出器上において、複層 ディスクのそれぞれの層からの戻り光の偏光度を低下させて、それらの光の干渉性を 低減させることができる。それにより、複層ディスクの層間隔の変化や光源光波長の 変化によって、読み取りまたは書き込みをおこなう自層および他層からの光の干渉条 件が変化しても、信号強度が変化して読み取り性能が低下することが抑制できて、良 好な特性で複層光ディスクを記録再生することができる。 [0011] (2)本発明の光ヘッド装置は、(1)の態様において、前記偏光解消素子が複屈折 材料力もなる複屈折層を有していて、前記偏光解消素子に入射した戻り光が前記偏 光解消素子の素子面上の位置により異なる偏光状態とされて透過されるように、前記 複屈折層の位相差および光学軸のいずれか一方又は両方が前記素子面上の位置 により異なる構成を有して 、ることが好ま U、。

[0012] 光検出器上の同じ位置に照射される光ディスクの各層からの戻り光は、フォーカス 状態が互いに異なるので、偏光解消素子上では異なる位置を透過している。この構 成により、本発明の光ヘッド装置は、偏光解消素子の素子面を透過する位置により 互いに異なる偏光状態として透過させるので、光検出器上におけるそれぞれの層か らの戻り光の干渉を低減することができる。

[0013] (3)本発明の光ヘッド装置は、(1)または(2)の態様において、前記偏光解消素子 は、透過する光の偏光度が 0. 5以下となるよう前記偏光状態を変化させる構成を有 していることが好ましい。

[0014] この構成により、光検出器上における、複層ディスクのそれぞれの層からの戻り光の 干渉性をより低減することができる。さらに、偏光度を 0. 25以下、さらに概ねゼロすな わち偏光していない状態とすることで、より干渉性を低減できる。干渉性を低減すると 、複層ディスクの層間隔の変化や光源波長の変化に対する、信号の強度変化を抑え て、読み取り性能の低下を抑制することができて好まし 、。

[0015] (4)本発明の光ヘッド装置は、(2)または(3)の態様において、前記光源光が入射 される入射光束径内の前記複屈折層が、複数の領域に分割されていて、隣接する領 域を透過する光の偏光状態が互いに異なって 、る構成を有して 、ることが好ま 、。

[0016] この構成により、光ディスクの各層からの戻り光が偏光解消素子に入射される位置 ごとに、透過する光の偏光状態を変えることができるので、光検出器上におけるそれ ぞれの層からの戻り光の干渉を効果的に低減することができる。

[0017] (5)本発明の光ヘッド装置は、(4)の態様において、前記入射光束径内の前記複 屈折層が、前記偏光解消素子の光軸を中心とした放射状に複数の領域に分割され 、前記領域を透過した光が、前記偏光解消素子の光軸を中心に 360度 Zj (jは 2以 上の整数)の回転周期で同じ偏光状態となって 、る構成を有して 、ることが好ま ヽ [0018] この構成により、入射光束径内の一部だけの光束に対しても偏光度 Vが低減されて 干渉性が低減されるので好ましい。また、 4分割や 2分割された受光エリアをもつ光検 出器を用いた場合に、それぞれの受光エリアに異なる偏光状態に変換された戻り光 が複数入射されるようになって、読み取り特性が向上される。

[0019] (6)本発明の光ヘッド装置は、(4)の態様において、前記領域が、前記入射光束径 内の前記複屈折層が光軸を中心とした同心円状に分割されてなる構成を有している ことが好ましい。

[0020] この構成により、入射光が偏心しても偏光度 Vの変動が小さく抑えられて、良好な 読み取り特性が維持される。

[0021] (7)本発明の光ヘッド装置は、(4)、(5)または (6)の態様において、前記光源光が 入射される前記偏光解消素子の入射光束径内の前記複屈折層が複数の領域に分 割され、その領域ごとに透過する光の偏光状態が異なっており、隣接する 2つの領域 を透過する光の偏光状態を基準化スト一タスパラメータ (S = 1, S , S , S )を用

Ok lk 2k 3k いてそれぞれ(1, S ,S ,S )及び(1, s s s で表すと、これらのパラメ

10 20 30 11, 21, )

31 一 タの間に式(1) :

0< (S — s ) 2+ (s — s ) 2

10 11 20 21

+ (S - S ) 2≤3 (1)

30 31

の関係が成立して 、る構成を有して 、ることが好ま 、。

[0022] 複数の領域に分割された偏光解消素子を透過した光が、隣り合う領域間での偏光 状態の差 γが大きいと、その領域境界での光の回折が生じ、光の利用効率が低下 する。隣り合う領域間の偏光状態の差を 0 ( = (S — S ) 2+ (S — S ) 2+ (S — S

10 11 20 21 30

) 2)とするとき、 0< y≤ 3とすることで、隣り合う領域間で生じる回折を抑制でき好ま

31

しい。

[0023] 例えば、 γ =4の場合のように γが非常に大きいときは、回折効率が 40% ( ± 1次 光の和)に達し、回折しない透過光の効率が 50%程度と減少してしまい、透過率の 低下が大きい。これに対して、分割する領域の数を増やして、隣り合う領域間の位相 差または光学軸の変化を小さくして、隣り合う領域間の偏光状態の差 γを小さくする ことが好ましぐ y = 3では、回折しない透過光の効率が 75%以上となり、透過率の 低下は実用上問題の無いレベルとなるので好ましい。さらに、 γ = 2では、回折しな い透過光の効率が 85%以上となり、透過率の低下はより小さくなり実用上問題の無 いレベルとなるのでより好ましい。さらに好ましくは、 γ = 1. 5、さらに γ≤1とすること で、回折ロスがより低減できて好ましい。

[0024] (8)本発明の光ヘッド装置は、(4)、(5)または (6)の態様において、前記複屈折層 力 つ以上の領域数に分割されていて、そのうち概ね 90度の位置の関係にある 2つ の領域を透過する光の偏光状態を基準化スト一タスパラメータ(S = 1, S , S , S

Ok lk 2k 3

)を用いてそれぞれ(1, s , S , S )及び(1, S , S , S )で表すと、これらのパ k 13 23 33 14 24 34

ラメータの間に式(2) :

2≤(S -S ) 2+ (S -S ) 2

13 14 23 24

+ (S -S ) 2≤4 (2)

33 34

の関係が成立して 、る構成を有して 、ることが好まし 、。

[0025] 概ね 90度の位置の関係にある 2つの領域を透過する光の偏光状態の差 γ = (S

13

— S ) 2+ (S — S ) 2+ (S — S ) 2が、式 (2)の関係を満足するように構成されて

14 23 24 33 34

いると、フォーカスサーボ方式として非点収差法を用いた光ヘッド装置において、複 層光ディスクに対して読み取りまたは書き込みをおこなうときに、読み取りまたは書き 込みをおこなう自層からの光と、自層以外の他層からの迷光とが、光検出器の検出 面上に、光軸を中心に 90度回転させて集光させるとともに、大きく異なる偏光状態で 集光されるようにすることができて、それにより、干渉性を低減することができる。尚、 本明細書において、 "概ね 90度"とは、 67. 5度〜 112. 5度であることを意味する。 さらに、前記複屈折層が 8つ以上の領域に分割されていて、概ね 90度の位置の関 係にある 2つの領域を透過する光の偏光状態が式 (2)の関係を満たすとともに、隣り 合う領域を透過する光の偏光状態の差 γが式(1)の関係を満たすことがより好ましい

[0026] (9)本発明の光ヘッド装置は、(2)、(3)または (4)の態様において、前記光源光が 入射される前記偏光解消素子の入射光束径内の前記複屈折層が、複数の領域から なり、それぞれの領域は、中心間の距離が 30 m以上かつ 3mm以下の間隔であつ て、それぞれの領域内で光学軸の方向が放射状または同心円状である構成を有し ていることが好ましい。

[0027] この構成により、偏光解消素子の中心から偏心して入射光が入射された時でも、非 常に小さい偏光度の光が透過されるので、光ヘッド装置の組立て調整が容易になり

、また、対物レンズシフト特性を向上することができる。

[0028] (10)本発明の光ヘッド装置は、(2)、(3)または (4)の態様において、前記複屈折 層の位相差の大きさが一定で光学軸の方向が光軸を中心とする放射状または同心 円状とされて 、る構成を有して 、ることが好まし 、。

[0029] この構成により、複層光ディスクの情報記録層から戻り光が、光検出器に対して、そ れぞれの受光エリアの中心を中心として 90度回転対称な偏光状態で入射されて、そ れぞれの受光領域内での偏光度 Vが 0に近づくため、干渉性が低減されて、良好な 読み取り特性が実現される。

この場合、偏光解消素子の光軸を中心として概ね 90度の位置の関係にある 2つの 領域を透過する光の偏光状態を基準化スト一タスパラメータを用いてそれぞれ(1, S , S , S )及び(1, S , S , S )で表すと、これらのパラメータの間に式(2) :

13 23 33 14 24 34

2≤(S — S ) 2+ (S — S ) 2

13 14 23 24

+ (S -S ) 2≤4 (2)

33 34

の関係を成立していることが、(8)の態様の場合と同様の理由により好ましい。

[0030] (11)本発明の光ヘッド装置は、(4)〜(10)のいずれかの態様において、前記複 屈折層の位相差の大きさが入射光波長えの 1Z2の奇数倍である構成を有している ことが好ましい。

[0031] この構成により、透過光の偏光度を効果的に低減させることができる。前記位相差 は入射光波長えの 1Z2とすることがより好ましい。

[0032] (12)本発明の光ヘッド装置は、(5)の態様において、前記複屈折層が 90度ずつ に分割された 4つの領域力 なり、隣接する前記領域の光学軸が互 、に 90度の角度 をなすとともに、入射される光源光の偏光方向と 45度の角度をなすようにされた構成 を有して!/、ることが好まし!/、。

[0033] この構成により、自層からの戻り光が他層からの戻り光と干渉する層間の光干渉が 低減され、クロストークが低減される。

[0034] (13)本発明の光ヘッド装置は、(4)の態様において、前記入射光束径内の前記複 屈折層が、前記光軸を中心に配置された第 1の領域と、他の部分力 なる第 2の領域 とに分割されてなる構成を有して 、ることが好まし 、。

[0035] この構成により、作製が容易な簡単な構成の偏光解消素子により、偏光解消素子 を透過する光の偏光度 Vを低減させ、メインビームと迷光との干渉性を低下させること ができる。

[0036] (14)本発明の光ヘッド装置は、(4)の態様において、前記入射光束径内の前記複 屈折層が、前記光軸を中心に対称に配置された第 1および第 2の領域と、他の部分 力もなる第 3の領域とに分割されてなる構成を有していることが好ましい。

[0037] この構成により、光検出器の受光エリアにおいて、自層からのサブビームの戻り光と 、他層からの迷光との、偏光状態を大きく違えることができて、干渉が低減され、クロ ストークが低減される。

発明の効果

[0038] 本発明は、光検出器への信号強度を低下させることなく複層光ディスクを記録再生 することができるという効果を有する光ヘッド装置を提供することができるものである。 図面の簡単な説明

[0039] [図 1]本発明の一実施の形態に係る光ヘッド装置の概念的な構成を示す図

[図 2]本発明の一実施の形態に係る光ヘッド装置の光検出器が受光する集光スポッ トの一例を示す模式図

[図 3] (a)本発明に係る偏光解消素子の第 1の構成例を模式的に示す平面図 (b) 本発明に係る偏光解消素子の第 1の構成例において、透過した光の偏光状態を模 式的に示す平面図

[図 4] (a)本発明に係る偏光解消素子の第 2の構成例を模式的に示す平面図 (b) 本発明に係る偏光解消素子の第 2の構成例において、透過した光の偏光状態を模 式的に示す平面図

[図 5] (a)本発明に係る偏光解消素子の第 3の構成例を模式的に示す平面図 (b) 図 5(a)の構成例の偏光解消素子を透過した光の偏光状態を模式的に示す平面図 [図 6]本発明に係る偏光解消素子の第 3の構成例において 24領域に分割した構成 の例を模式的に示す平面図

[図 7] (a)本発明に係る偏光解消素子の第 3の構成例にお 、て 4領域に分割した構 成の例を模式的に示す平面図 (b)図 7(a)の構成例の偏光解消素子を透過した光 の偏光状態を模式的に示す平面図

[図 8]図 7の偏光解消素子と組み合わせて用いることが好ましい偏光選択素子の構成 例を模式的に示す平面図

[図 9] (a)本発明に係る偏光解消素子の第 4の構成例を模式的に示す平面図 (b) 本発明に係る偏光解消素子の第 3の構成例において、透過した光の偏光状態を模 式的に示す平面図

[図 10]本発明に係る偏光解消素子の第 5の構成例を模式的に示す平面図 (b)第 5 の構成例における、隣接する正 6角形の領域を拡大して示す模式的平面図

[図 11]本発明に係る偏光解消素子の第 6の構成例を模式的に示す平面図

[図 12]本発明に係る偏光解消素子の第 7の構成例を模式的に示す平面図

[図 13]本発明に係る偏光解消素子の第 7の構成例の別の形態を模式的に示す平面 図

[図 14]本発明に係る偏光解消素子の第 8の構成例を模式的に示す平面図

[図 15]本発明に係る偏光解消素子の第 9の構成例を模式的に示す平面図

[図 16]本発明に係る偏光解消素子において、複屈折媒質層として高分子液晶を用 いて同心円状の位相差の大きさの分布を形成した場合の模式的な断面図

[図 17]二層光ディスク再生時の光路の模式図

[図 18]光ディスクからの戻り光の一部を回折する従来のホログラム素子の模式図 符号の説明

1 光源

2 回折素子

3 コリメータレンズ

4 ビームスプリッタ

5 対物レンズ 6 光ディスク

6a 情報記録面

7 コリメータレンズ

8 偏光解消素子

9 光検出器

11、 12、 13 受光エリア

15、 17 サブビームの集光スポット

16 メインビームの集光スポット

18 迷光となる戻り光の集光スポット

20 偏光方向を示す矢印

21〜28、 131〜138、 171〜174, 181〜184 分割された領域

31、 32、 121〜123、 151〜153、 161〜163 分割された領域

34、 35 それぞれの領域を透過した光の偏光方向を示す矢印

41〜45 分割された領域

51、 53 基板

52 高分子液晶層

54 透明媒質層

60 入射光束径

100 光ヘッド装置

発明を実施するための最良の形態

図 1は、本実施の形態に係る光ヘッド装置 100の概念的な構成を示す図である。図 1において、光ヘッド装置 100は、所定の波長の光束を出射する光源 1と、光源 1が 出射した光束の一部を回折させてメインビームと 2つのサブビームの 3つのビームを 生成する回折素子 2と、入射された光束を略平行光に変換するコリメータレンズ 3と、 コリメータレンズ 3から出射された上記 3つのビームを透過させると共に、光ディスク 6 の情報記録面 6aにより反射された 3つのビームの戻り光を偏向分離して光検出器 9 に導くビームスプリッタ 4と、上記 3つのビームを光ディスク 6の情報記録面 6aに集光 する対物レンズ 5と、上記 3つのビームの戻り光を光検出器 9に集光するコリメ一タレ ンズ 7と、透過させる光の偏光状態を変化させ偏光度 Vを低下させる偏光解消素子 8 と、上記 3つのビームの戻り光を検出する光検出器 9とを備える。

[0042] 光源 1により出射された光束は、その一部が回折素子 2で回折されてメインビームと 2つのサブビームの 3つのビームにされ、コリメータレンズ 3、ビームスプリッタ 4をこの 順で透過して、対物レンズ 5により光ディスク 6の所望の情報記録面 6aに集光される。 光ディスク 6の情報記録面 6aに集光された上記の 3つのビームは、それぞれ、情報記 録面 6aで反射され、対物レンズ 5を透過してビームスプリッタ 4で反射され、コリメータ レンズ 7から偏光解消素子 8を介して光検出器 9に入射される。

[0043] 光検出器 9では、光ディスク 6の所望の情報記録面 6aに記録された情報の読み取り 信号、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号が読み取られ出力信号が生 成される。なお、光ヘッド装置 100は、上記のフォーカスエラー信号に基づいてレン ズを光軸方向に制御する機構 (フォーカスサーボ)と、上記のトラッキングエラー信号 に基づ!/、てレンズを光軸にほぼ垂直な方向に制御する機構(トラッキングサーボ)とを 備えるが、図 1に示す構成図では省略されている。

[0044] 光源 1は、例えば、波長 650nm近傍の波長かつ直線偏光の発散光束を出射する 半導体レーザで構成される。なお、本発明で用いられる光源 1の波長は、波長 650η m近傍に必ずしも限定されず、例えば 400nm近傍や 780nm近傍、その他の波長で あってもよい。ここで、 400nm近傍、波長 650nm近傍及び 780nm近傍の波長とは、 それぞれ、 385nm〜430nm、 630nm〜690nm及び 760nm〜800nmの範囲に ある波長を意味する。

[0045] また、光源 1は、 2つ又は 3つの波長の光束を出射する構成としてもよい。かかる構 成の光源としては、 2個又は 3個の半導体レーザチップが同一基板上にマウントされ た、所謂ハイブリッド型の 2波長レーザ光源又は 3波長レーザ光源や、互いに異なる 波長を発光する 2個又は 3個の発光点を持ったモノリシック型の 2波長レーザ光源又 は 3波長レーザ光源を挙げることができる。

[0046] 偏光解消素子 8は、複屈折性を示す複屈折材料からなる複屈折層を備える。複屈 折材料としては、例えば、水晶や LiNbO (ニオブ酸リチウム)のような複屈折性を示

3

す単結晶、複屈折性を示す榭脂フィルムゃ榭脂の射出成型品等を用いることができ る。あるいは、基板上に設けた層や基板表面を加工して、本願素子を用いる光の波 長と同程度またはさらに短い周期の微細な周期構造を形成して得られる構造複屈折 材料を用いることもできる。構造複屈折材料を用いると、光学軸の方向や位相差の大 きさを自由に設計できるので好ましい。また、複屈折材料として液晶を高分子化した 高分子液晶を用いると、液晶の配向方向を制御することで遅相軸方向を容易にまた 自由に設定できるので好ましい。なお、図 1においては、コリメータレンズ 7と光検出 器 9との間に偏光解消素子 8を設置した例を示しているが、本発明はこれに限定され るものではなぐビームスプリッタ 4とコリメータレンズ 7との間に偏光解消素子 8を設置 してちよい。

[0047] 多層光ディスクの情報記録層に記録された情報を読み取るときの、光検出器 9の受 光面上における戻り光の集光状態について図を用いて説明する。図 2は、光検出器 9の受光面上における戻り光の集光状態の一例を模式的に示したものである。

[0048] 光検出器 9の受光面は、複数の受光エリア 11、 12及び 13を有し、光ディスクの所 望の情報記録層により反射された戻り光が、その受光エリア内に集光されて集光スポ ット 15、 16及び 17を形成している。集光スポット 16は回折素子 2から出射された 0次 回折光すなわちメインビームによる集光スポットであり、集光スポット 15及び 17は、士 1次回折光すなわちサブビームによる集光スポットである。また、集光スポット 18は、 所望の情報記録層以外の情報記録層により反射されて生じた迷光による集光スポッ トを示し、光検出器 9の受光面上でデフォーカス状態となっており、図 2に示すような 大きなスポット径を有する。

[0049] 迷光の集光スポット 18は、受光エリア 11、 12及び 13に重なっているため、従来の 光ヘッド装置では集光スポット 15、 16及び 17の光と干渉してノイズを発生させる問題 があった。特に、サブビームは、メインビームと比べて光量が 10分の 1以下と小さいの で、迷光との干渉によるノイズの影響が特に大きくトラッキング性能の低下を招いてい た。また、多層光ディスクの情報記録層間の間隔や光源の出射波長が変動すると、 干渉条件が変化してさらにノイズが大きくなつて、特に問題となっていた。

[0050] それに対して、本願発明に係る光ヘッド装置 100では、偏光解消素子 8を用いるこ とで、以下述べるように光検出器 9上に集光されるメインビームやサブビームの戻り光 と、集光スポット 18となる迷光とが共に偏光度が低下されて干渉が抑制される。それ により、本発明に係る光ヘッド装置 100は、光ディスクの記録層間の間隔や光源波長 の変動による信号光量変化が小さく抑えられて、記録再生特性を向上させることがで きる。以下、本願発明に係る光ヘッド装置 100に用いられる偏光解消素子 8について 7つの構成例を挙げ、図を用いて具体的に説明する。

[0051] 偏光解消素子 8の第 1の構成例は、図 3 (a)に示すように、複屈折性を示す複屈折 媒質を含む前記複屈折層が、光軸を中心とした 8つの放射状に分割されてなる領域 21〜28を有している。領域 21〜28は、その光学軸の向きが図中矢印の方向で示 すように領域ごとに異なっている。ここで、複屈折媒質の位相差は、半導体レーザの 波長の 1Z2になるようにする。

[0052] 図 3 (a)の構成の偏光解消素子 8に、図 3 (b)の矢印 20で示した偏光方向の直線偏 光を入射したときの、透過光の偏光方向を図 3 (b)に示す。偏光解消素子 8の各領域 21〜28をそれぞれ透過した透過光は、光軸を中心とした放射状に 8つに分割された 領域毎に偏光方向が異なる直線偏光であって、複数の偏光方向を持った光となるの で、偏光解消素子 8を透過した光束全体で見ると偏光度 Vが低下する。したがって、 偏光解消素子 8の第 1の構成例では、領域 21〜28をそれぞれ透過した光の光量が 等 ヽ場合には偏光度 Vは 0となる。

[0053] ここで、光の偏光状態を表すために、スト一タスパラメータを用いて説明する。以下 、スト一タスパラメータについて簡単に説明するが、スト一タスパラメータの詳細な説 明は、例えば培風館発行「応用光学 2」第 5— 3章「偏光の表記」に記されている。

[0054] (X, y, z)座標系において z方向に進む光を考えると、この光の x、 y成分の Ex、 Ey は次式で表わされる。

E =A ' exp {i t—k + δ ) } (3)

Ε =Α -exp{i ( W t-k + δ ) } (4)

ここで、 ωは角周波数、 kは波数ベクトル、 δ、 δ はそれぞれ x、 y方向の光の位相

、 A、 Aはそれぞれ x、 y方向の電場振幅を示す。

[0055] 偏光状態は 4つのパラメータであるスト一タスパラメータ(S , S , S , S )によって表

0 1 2 3 すことができる。 S =<A 2> + <A 2> (5)

O x y

S =<A 2>-<A 2> (6)

S =2<A -A -cos6 > (7)

2 x y

S =2<A -A -sin6 > (8)

3 x y

ここで、 δ = δ — δ とし、記号〃く > "は十分に長い時間の平均値を示す。

y

[0056] sは光強度を表すパラメータなので、 s 0 =ιで規格ィ匕した基準化スト一タスパラメ

0 一 タによって、光の偏光状態を表すことができる。つまり、基準化スト一タスパラメータは 、次のように表される。

S =1 (9)

0

S ={<A 2>-<A 2>}/{<A 2> + <A 2>} (10)

1 χ y χ y

S =2<A -A -cos6 >/{<A 2> + <A 2>} (11)

2 x y x y

S =2<A -A -sin6 >/{<A 2> + <A 2>} (12)

3 x y x y

[0057] また、偏光度 Vは次式で表すことができる。

V= (S 2+S 2+S 2) 1/2 /S (13)

1 2 3 0

[0058] ここで、図 3(b)に示された領域 21〜28を透過した光の偏光状態を基準化ストーク スパラメータで表記すると、領域 21及び 25を透過した光は、(S , S , S , S ) = (1,

0 1 2 3

1, 0, 0)、領域 22及び 26を透過した光は、(S

0, S

1, S = (1

2, S )

3 , 0, 1, 0)、領域 2

3及び 27を透過した光は、(S

0, S

1, S = (1, 一 1

2, S )

3 , 0, 0)、領域 24及び 28を透 過した光は、(S, S, S, S ) = (1, 0, 一 1, 0)と表すことができ、これらの光を足し

0 1 2 3

合わせた光束の基準化スト一タスパラメータは(S , S , S , S ) = (1, 0, 0, 0)となり

0 1 2 3

、偏光度 Vは 0となる。

[0059] また、例えば隣り合う領域 21、 22の偏光状態を (S , S , S , S ), (S , S , S

00 10 20 30 01 11

, S )で表すと、それぞれ(1, 1, 0, 0)、 (1, 0, 1, 0)となる。この領域の偏光状態

21 31

の差を )2)で評価すると、次式が得ら

れる。

y = (S -S )2+(S -S )2+(S -S )2

10 11 20 21 30 31

= (i-o)2+(o-i)2+(o-o)2 [0060] したがって、偏光解消素子 8の第 1の構成例によれば、 γ = 2とすることにより、領域 間の偏光状態の差による回折を小さく抑えることができるので好ましい。また、本構成 例の偏光解消素子 8は、透過光が各領域において図 3(b)に示した偏光状態で出射 されればよぐ偏光解消素子 8の各領域の位相差および光学軸の方向の構成は、図 3(a)の構成に限定されない。

[0061] また、本構成例の偏光解消素子 8から出射された透過光は、光軸を中心に 180度( j = 2)回転対称な偏光状態となって!/、る。

[0062] 偏光解消素子 8の第 1の構成例の別の態様を図 4 (a)、(b)に模式的に示す。この 構成例の偏光解消素子 8は、複屈折層が光軸を中心とした放射状に 8つに分割され てなる領域 21〜28における複屈折層が、領域ごとに異なる位相差の大きさを有し、 光学軸の向きは等しくしたものである。

[0063] すなわち、偏光解消素子 8の第 2の構成は、例えば、領域 21と 25との位相差を 0、 領域 22と 28との位相差を λ Z4 ( λは光源 1が出射する光の波長)、領域 23と 27と の位相差を λ Ζ2、領域 24と 26との位相差を 3 λ Ζ4とする。この偏光解消素子 8に 対して矢印 20で示した偏光方向の直線偏光を入射させると、透過光の偏光状態は 図 4 (b)に示すように、領域により偏光方向が異なる直線偏光と回転方向が異なる円 偏光となって光軸を中心とした放射状に 8つに分割された領域毎に異なる偏光状態 となる。

[0064] この透過光を領域ごとに基準化スト一タスパラメータを表記すると、領域 21及び 25 を透過した光は、(S , S , S , S ) = (1, 1, 0, 0)、領域 22及び 28を透過した光は

0 1 2 3

、(S , S , S , S ) = (1, 0, 0, 1)、領域 23及び 27を透過した光は、 (S , S , S ,

0 1 2 3 0 1 2

S ) = (1, - 1, 0, 0)、領域 24及び 26を透過した光は、 (S , S , S , S ) = (1, 0,

3 0 1 2 3

0, 1)と表すことができ、これらの光を足し合わせた光束の基準化スト一タスパラメ ータは(S , S , S , S ) = (1, 0, 0, 0)となって偏光度 Vは 0となり、隣り合う領域の

0 1 2 3

偏光状態の差 γは 2となる。また、光軸を中心として 90度の位置の関係にある領域、 例えば領域 21、 25と領域 23、 27の偏光状態の差 γは 2となる。

[0065] したがって、偏光解消素子 8の第 2の構成例によれば、偏光解消素子 8に設けられ た領域間で光学軸の向きをそろえることが可能となり、領域間の偏光状態の差による 回折を小さく抑えることができるので好ましい。また、偏光解消素子 8の第 2の構成例 のものは、製作も容易であり好ましい。また、本構成例の偏光解消素子 8は、透過光 が各領域において図 4(b)に示した偏光状態で出射されればよぐ偏光解消素子 8の 各領域の位相差および光学軸の方向の構成は、図 4(a)の構成に限定されな!、。

[0066] 偏光解消素子 8の第 1の構成例のさらに別の態様を図 5に示す。この構成例の偏光 解消素子 8は、図 5 (a)に示すように、複屈折層が光軸を中心とした放射状に 8つに 分割されてなる 8つの領域 131〜138のうち、ひとつおきの 4つの領域 131, 133, 1 35, 137は位相差が 0 (ゼロ)であって、他のひとつおきの 4つの領域は、ともに矢印 2 0で示す偏光方向の入射光に対して光学軸が 45度の角度をなし、位相差が λ Ζ2と されている。本構成例の偏光解消素子 8に入射した上述の直線偏光の入射光は、図 5 (b)に示すように 90度 (j =4)の回転周期の領域で同じ偏光状態とされ出射される。

[0067] 偏光解消素子 8を、光軸を中心とした放射状の領域に分割する分割数を増やして、 透過光が同じ偏光状態となる領域の回転対称の角度 360度 Zjを小さくすると、透過 光束中の部分的な光束に対しても偏光度 Vを小さくすることができて、干渉性をさら に低減できる。偏光解消素子 8を光ヘッド装置に用いる場合、光検出器の受光エリア 11, 12, 13は図 2に示した様に一般に 2分割ないし 4分割されているので、これらの 受光エリア内での偏光度 Vを下げてより干渉性を低減させるためには、 jは 4以上が好 ましい。一方、 jが 40を超えると、偏光解消素子からの透過光束中の偏光状態の変化 が急峻になり、光の回折現象が生じやすくなつて好ましくない。そのため、 jは 4以上 4 0以下が好ましく、さらに好ましくは 4以上 12以下である。

[0068] 図 6に示した偏光解消素子は、光軸を中心とした放射状に 24分割された領域を有 していて、前記領域は、ともに光学軸の方向が矢印 20で示す入射光の偏光方向に 対して光学軸が 45度の角度とされ、隣り合う領域との位相差の差が λ Ζ4とされてい る。図 5の例では透過光の偏光状態が 90度回転対称 (j =4)であり、また隣り合う領 域との位相差の差が λ Ζ2であって、隣り合う領域間の偏光状態の差 γが 4であるの に対して、図 6の例では透過光の偏光状態が 60度回転対称 (j = 6)であり、また隣り 合う領域との位相差の差が λ Ζ4であって、隣り合う領域間の偏光状態の差 γが 2で あるので、領域間での回折がより低減されて好ましい。領域間での回折をより低減す るためには、隣り合う領域間の位相差の差を小さくすることが好ましい。

[0069] 図 7の偏光解消素子 8は偏光解消素子 8の第 1の構成例のさらに別の態様であつて 、複屈折材料力もなる複屈折層が光軸を中心とした放射状に 4つの領域 171〜174 に分割されていて、隣接する領域の光学軸は互いに 90度の角度をなすとともに、矢 印 20で示した入射光の偏光方向と 45度の角度をなすように構成されている。また、 それぞれの領域の位相差の大きさは入射光波長の 1/4倍とされている。図 7(a)に平 面図を示した構成例では、光学軸の方向はそれぞれの領域内で同一方向であって 前記光軸に対して概ね放射状とされているが、概ね同心円状すなわち図 7 (a)の光 学軸方向と直交する方向とすることもできる。

また、前記 4つの領域 171〜174の領域間にさらに領域を設けることもできる。かか る領域を設けると、領域 171〜174の間での偏光状態の差 γを小さくして、領域境界 での光の回折を抑制できて好まし 、。

[0070] この偏光解消素子 8を透過した透過光の偏光状態は、図 7 (b)に示したように、隣り 合う領域からの透過光は左右の反対周りの円偏光となり、 180度 (j = 2)の回転周期 の領域で同じ偏光状態とされ出射される。また、 90度の位置の関係にある 2つの領 域を透過する光の偏光状態の差 γが 4となるとともに、偏光解消素子 8を透過した光 を足し合わせた光束は偏光度 V力 SO (ゼロ)となり、隣り合う領域の偏光状態の差 γは 4となり、干渉性が十分に抑えられる。とくに、複層光ディスクを読み取り ·書き込みす る光ヘッド装置に用いると、自層からの戻り光が他層からの戻り光と干渉する層間光 干渉を低減できて好まし ヽ。

図 1の光ヘッド装置の偏光解消素子 8として図 7の構成の偏光解消素子 8を用い、 フォーカスサーボ方式として非点収差法を用いる場合には、非点収差の焦線の方向 と偏光解消素子の分割領域の分割方向を概ね平行に選ぶことで、偏光解消素子 8 の各領域を透過した、複層光ディスクの所望の情報記録層(自層)からの戻り光と、他 層からの光とを、光検出器上で位置が 90度回転して入射される様にすることができる 。このとき、光検出器上の各位置では、自層からの光と他層からの光との偏光状態の 差 γは 4となり、クロストークが低減される。これは、トラッキング方式として DPP方式な どの 3ビーム方式を用いたときのメインビームや、 PushPull方式などの 1ビーム方式 を用いたときのメインビームのクロストーク低減に効果が大き 、。

[0071] 図 1の光ヘッド装置の偏光解消素子 8として図 7の構成の偏光解消素子 8を用いる 場合は、偏光解消素子 8と光検出器 9の間の光路中に、さらに不図示の偏光選択素 子 180を配置することが好ましい。偏光選択素子 180は図 8の平面図に示したように 、光軸を中心とした放射状に分割された 4つの領域 181〜184を有していて、分割さ れた領域ごとに異なる偏光選択性を有し、偏光選択素子 180に入射された入射光を その偏光状態によって、異なる透過率で透過させる力、異なる光路に出射するように 構成されている。

[0072] このような偏光選択素子 180としては、分割された領域ごとに、液晶分子のねじれ 方向が異なるコレステリック液晶で構成されたコレステリック液晶ミラーが例示される。 図 8の各領域 181〜184では、図に示した回転方向と反対の回転方向の円偏光を反 射し、同じ回転方向の円偏光を透過させる。また、領域ごとに同様の偏光選択性をも つて異なる回折効率で入射光を回折させる偏光回折格子を用いても良い。

[0073] 偏光解消素子 8と偏光選択素子 180とは、それぞれの 4分割した領域の位置を合 わせて光路中に配置することが好ましぐまた、偏子選択素子 180は、できるだけ光 検出器 9の近くに配置することが好ましい。このように構成すると、偏光解消素子 8の 各領域を透過した、複層光ディスクの所望の情報記録層(自層)からの戻り光を、偏 光選択素子 180の対応する偏光選択性を有する領域で透過させることができる。他 層からの光は、非点収差により自層からの光とは位置が 90度回転して偏光選択素子 180上に入射される。そのため、他層からの光は偏光選択素子 180の各領域で反射 されて光検出器への到達量が著しく低減され、クロストークがさら〖こ低減される。

[0074] 偏光解消素子 8の第 2の構成例は、前述の構成例のように複数の領域に分割する 代わりに、素子面内の位置により光学軸の向きや位相差の量が連続的に変化する構 成を有する。図 9 (a)に示す本構成例では、前記光源光が入射される入射光束径内 の前記複屈折層の光学軸の方向が光軸を中心とする放射状とされ、位相差が入射 光波長えの 1Z2倍とされた構成を有する。

[0075] 偏光解消素子 8への入射光の偏光方向が図 9 (b)の矢印 20で示した偏光方向で ある場合、透過する光の偏光方向は図 9 (b)に示された偏光状態となる。すなわち、 偏光解消素子 8を透過した光は個別には偏光しているものの、透過した光束全体で 見ると、複数の偏光方向を持った光となり、偏光度 Vが低下されて概ね 0 (ゼロ)となる 。本構成例では、透過した光が素子面内の位置による偏光状態の変化が連続的で あるため、領域間での偏光状態の差による回折がほとんど生じないので好ましい。な お、図 9 (a)及び (b)において、各矢印で示した偏光状態は、各矢印に付した丸印の 位置における偏光状態を表している。複屈折媒質の位相差は λ Ζ2の奇数倍として もよぐ λ Ζ2とすることがより好ましい。また、本構成例の偏光解消素子の光学軸の 方向は、上述のように放射状とする代わりに同心円状としても同様の効果が得られて 好ましい。

偏光解消素子 8の第 3の構成例は、光源光が入射される入射光束径 60内の複屈 折層が複数の領域力 なり、それぞれの領域内の複屈折材料の光学軸の方向が放 射状である構成を有する。図 10に示した本構成例の偏光解消素子 8は、図 10 (a)の 平面図のように、光源光が入射される入射光束径内の複屈折層力 正 6角形で蜂の 巣配置された複数の領域に分割されている。また、隣接する正 6角形の領域を拡大 して示した図 10 (b)のように、各領域内では、矢印で表わした光学軸の方向は各領 域の中心に対して放射状とされ、複屈折媒質の位相差は入射光波長 λの 1Z2倍と されている。すなわち、本構成例の偏光解消素子は、第 2の構成例の偏光解消素子 8における光学軸の向きが放射状とされた入射光束径内の複屈折層(以下、放射状 の光学軸の領域という)が、複屈折層の入射光束径中に複数形成された構成を有す る。隣接する放射状の光学軸の領域は、それぞれの領域の中心間の距離を 30 m 以上かつ 3mm以下とされる。それぞれの領域の中心間の距離は、散乱光により光量 損失を防ぐためには、 50 /z m以上が好ましい。

また、他の構成例として、光源光が入射される入射光束径 60内の複屈折層が、図 1 0に示した第 3の構成例の偏光解消素子 8と同様に分割されているとともに、各領域 内の複屈折層は、光学軸の向きおよび位相差の大きさが一定であって、領域間で光 学軸の向きおよび位相差の大きさのいずれか一方または両方が異なるように構成さ れた偏光解消素子を挙げることができる。この構成例の偏光解消素子における、領 域の形状、配置や大きさ、位相差は、第 3の構成例と同様である。 [0077] 単一の放射状の光学軸の領域力 なる第 2の構成例の場合、入射された偏光光束 と偏光解消素子の中心とがー致されている時は、出射光の偏光度 Vが 0となるが、入 射された偏光光束が偏心して ヽる時は、出射光の偏光度 Vが充分に低減されな 、お それがある。それに対して、本構成例の偏光解消素子 8は入射光束が入射される位 置への依存性が小さぐ入射光束が偏心しても出射光の偏光度 Vは低い値に維持さ れる。それにより、図 1の光ヘッド装置 100に用いた場合に、回折素子 2により生成さ れた 3ビームの内、偏光解消素子 8に対して偏心して入射されるサブビームに対して も出射光の偏光度が低く維持されて、それにより光検出器 9の受光面における集光ス ポット 15および 17と、デフォーカス状態の集光スポット 18との干渉光の変動が有効 に低減され、良好な光ディスクの記録再生特性が実現される。入射光束の入射位置 に対する出射光の偏光度の変動を抑えるためには、放射状の光学軸の領域は入射 光束径内に 2つ以上包含されることが好ま 、。

[0078] 放射状の光学軸の領域の形状は、図 10に示した正六角形以外に、正三角形や正 方形などでもよい。また、放射状の光学軸の領域の、複屈折材料の光学軸の方向は 、上述のように放射状とする代わりに同心円状としても同様の効果が得られて好まし い。

[0079] 偏光解消素子 8の第 4の構成例は、図 11に示すように、光源光が入射される入射 光束径 60内の複屈折層が、第 1の領域 31及び第 2の領域 32を有する。領域 31は複 屈折性を示す複屈折媒質を含み、その光学軸の向きが図中矢印 33の方向で示した ように、図中矢印 30で示した入射光の偏光方向と 45度の角度をなすようにし、位相 差の大きさを、光源光波長えの 1Z2の奇数倍倍とする。領域 31は位相差を示さな いように構成する。

[0080] 本構成の偏光解消素子 8に、上述の偏光方向の直線偏光、すなわち偏光度 Vが概 ね 1である入射光が入射されると、偏光解消素子 8の領域 31及び 32を透過した光は 、それぞれ図中矢印 34及び 35で示すように互いに直交した直線偏光の光となる。偏 光解消素子 8を透過した光束は、その透過する場所により光束の偏光状態が異なる 偏光が重ね合わされるため、偏光度 Vが低下する。例えば、領域 31及び領域 32をそ れぞれ透過する光量が 3 : 1の場合は、偏光度 Vは 0. 5となる。領域 31及び 32をそれ ぞれ透過する光量が 1: 1の場合には、偏光度 Vは 0になり、より好ましい。

[0081] なお、図 11においては、偏光解消素子 8の構成例の説明を簡単にするために、領 域 31の形状を円形とし、領域数は 2つとしたが、本発明は例示した形状及び領域数 に限られるものではない。

[0082] また、領域 31の形状は、例えば図 2に示した光検出器 9の受光エリア 11、 12及び 1 3の形状の相似形あるいは包絡する形状とすることができる。また、受光エリア 11、 1 2及び 13に照射される、迷光の集光スポット 18を構成する光の内、受光エリア 11、 1 2及び 13に到達する光の偏光を例えば図 11に示す矢印 34方向の偏光方向とするこ とができる。上記構成により、記録再生する光ディスクの記録面からの、図 2に示した 集光スポット 15、 16及び 17を構成する光は、図 11に示す領域 31及び 32のように複 数の領域を透過した光束として集光される。それにより、偏光解消素子 8を透過する 光は、偏光度 Vが低減され、メインビームと迷光との干渉性が低下されて好ましい。

[0083] 偏光解消素子 8の第 5の構成例は、図 12に示すように、分割された領域 151、 152 及び 153を有し、領域 151と領域 152は、偏光解消素子 8の光学軸を中心に対称に 配置され、領域 151と領域 152は、位相差が実質的に等しくされている。領域 151、 152の位相差と領域 153の位相差とは、差を入射光波長えの 1Z2の奇数倍とするこ とが好ましい。

[0084] 力かる構成としては、領域 151、 152の位相差をともに入射光波長 λの 1/2倍とし、 光学軸の方向をともに入射される直線偏光の偏光方向と 45度の角度をなす様にし、 領域 153の位相差を 0とする構成が好ましく例示される。力かる構成により、領域 151 、 152を透過した光は、入射光と直交する偏光方向の直線偏光となり、領域 153を透 過した光は、偏光状態が変化しないため、領域 151、 152を透過した光と直交する偏 光方向をもつ。そのため、構成例 6の場合と同様に、それぞれの領域を透過する光 量を適宜設定して、透過光の偏光度 Vを低下させることができる。

[0085] 領域 151、 152からの透過光と領域 153からの透過光は偏光方向が互いにほぼ直 交する方向となるので、図 1の光ヘッド装置 100の偏光解消素子 8として本構成例の 偏光解消素子 8を用いると、光検出器 18の受光エリア 11、 13上には、面積が広い領 域 153からの透過光が支配的となる自層からのサブビームの戻り光と、領域 151、 15 2を透過した他層からの迷光とが、大きく異なる偏光状態で入射されることになり、干 渉が低減され、クロストークが低減されて好ましい。

[0086] 図 13の構成例の偏光回折素子は、第 5の構成例の別の態様であって、図 12の態 様の偏光回折素子における領域 151、 152に相当する領域 161、 162と、図 12の構 成例の偏光回折素子における領域 153に相当する領域 163と、の境界が、位相差が 連続的あるいは階段状に変化するように構成されている。力かる構成により、領域間 の境界で回折が生じるのを低減できるので、例えば領域 163を透過した他層の迷光 成分が、領域の境界による回折現象により受光エリア 11, 13に混入して生じる偏光 の混ざりこみを低減できる。それにより、自層からの戻り光と他層からの戻り光との間 で偏光状態の大きな違 、を実現し、クロストーク改善に大きな効果が得られる。

[0087] 本構成例の偏光解消素子を用いると、種々の方式のトラッキング方式を用いた複層 光ディスク用光ヘッド装置においてクロストークを低減する効果が得られるが、特に 3 ビーム方式や DPP方式など、回折格子 2により、 3つのビームに分けた光を用いてト ラッキングエラーを検出する方式に用いると、特に大きなクロストーク低減の効果が得 られる。

[0088] 偏光解消素子 8の第 5の構成例のさらに別の態様は、図 14に示すように、分割され た領域 121、 122及び 123を有し、領域 121と領域 122は、偏光解消素子 8の光学 軸を中心に対称に配置され、領域 121と領域 122の領域は、図 9(a)に示した第 2の 構成例と同様、光学軸の方向が光軸を中心とする放射状とされ、複屈折媒質の位相 差が入射光波長えの 1Z2の奇数倍とされている。領域 121と領域 122の領域は、光 学軸方向を上述の放射状とする代わりに、同心円状としてもよい。また、それぞれの 領域 121、 122を放射状にさらに分割して、前記さらに分割された各領域からの透過 光の偏光状態が 90度の回転対称となるようにした、例えば図 5や図 7と同様の構成と してちよい。

[0089] 本構成例の偏光解消素子 8における領域 121と 122の位置、大きさおよび形状は、 複層光ディスクを読み書きする光ヘッド装置 100に用いたときに、領域 121と 122を 透過した他層力もの戻り光力 図 2の光検出器上でサブビーム用の受光エリア 11、 1 3に到達するように、設計することが好ましい。このように構成することにより、サブビー ムの受光エリアにおける他層からの戻り光の偏光度を小さくすることができるので、特 にクロストークに弱いサブビームに対する検出特性を改善することができる。

[0090] 本構成例の偏光解消素子 8を、複層光ディスクを読み書きする光ヘッド装置 100〖こ 用いた場合、自層からの戻り光は、偏光解消素子 8の領域 121、 122および領域 12 3を透過し、面積が大きい領域 123の透過光が支配的となる。そのため、領域 123の 光学軸の方向および位相差の大きさは、領域 123を透過した戻り光と、領域 121、 1 22を透過した上述の戻り光との干渉性が低減されるように、設計することが好ま U、。

[0091] すなわち、領域 123は、光学軸の方向が光軸を中心とする放射状とされ、複屈折媒 質の位相差が入射光波長を λとしたときに λ Ζ2とされた、図 9(a)に示した第 4の構 成例と同様の状態、としたり、さらに領域分割して、さらに分割された領域ごとに偏光 状態が異なるようにしたり、してもよく、あるいは、位相差が無い状態としたり、一定の 位相差と光学軸の方向をもつ状態としたりしてもよい。これらどの場合でも、光検出器 上における、自層と他層からの戻り光の干渉性が低減されてクロストークを改善するこ とがでさる。

[0092] 偏光解消素子 8の第 6の構成例は、図 15に示すように、同心円状に分割された領 域 41〜45を有し、領域 41〜45をそれぞれ透過する光の偏光状態を、例えば図中 の矢印の方向とした構成である。ここで、隣り合う領域における直線偏光の方向が互 いに約 60度異なる偏光状態となっている。また、各領域 41〜45の位相差の大きさは 、入射光の波長えの 1Z2の奇数倍とすることが好ましぐより好ましくは 1Z2倍であ る。

[0093] 例えば領域 41と領域 42との偏光状態を基準化スト一タスパラメータ (S , S , S

00 10 20

, S )、(S , S , S , S )で表すと、それぞれ(1, 1, 0, 0)、(1, 一0. 5, 0. 866

30 01 11 21 31

, 0)と表すことができる。この領域の偏光状態の差を γ (= (S — S ) 2+ (S — S

10 11 20 21

)2+ (s 30 -s ) 2)で評価すると、次式が得られる。

31

γ = (1 + 0. 5) 2+ (0-0. 866) 2+ (0 -。)2

= 3 (15)

[0094] したがって、偏光解消素子 8の第 9の構成例では、 y = 3とすると、分割された領域 間の偏光状態の差による回折を小さく抑えることができるので好ましい。 [0095] 以上、本実施の形態に係る偏光解消素子 8について構成例を用いて説明したが、 本発明は前述の構成例に限定されるものではない。例えば、複屈折媒質の領域の 分割方法は、前述の構成の他に、例えばストライプ状、市松模様状等、さまざまな構 成が可能である。また、領域ごとに位相差、光学軸のどちらか、あるいは両方を変化 させることもできる。さらに、連続的に位相差や光学軸の向きを変える場合にも、面内 で連続的に変化させるパターンは図 9の例示に限定されない。

[0096] 位相差の大きさの分布は、複屈折媒質層の厚さ方向に分布を設ける方法や、複屈 折媒質層の厚さを等しくして基板面に対する光学軸方向を変化させる方法により形 成することができる。位相差の分布を、複屈折媒質層として高分子液晶を用いて作成 する方法について、偏光解消素子 8の第 7の構成例である図 16を用いて説明する。 図 16は、素子の中心力も外周へ向力つて増加する同心円状の位相差の分布をもつ 偏光解消素子 8を、複屈折媒質層として高分子液晶を用いて形成した構成の模式的 な断面図であるが、本法の適用は、力かる同心円状の分布の場合に限定されない。

[0097] 図 16の偏光解消素子 8は、透明な第 1の基板 51と、素子面内の半径方向に厚さの 分布を有する高分子液晶層 52と、透明な第 2の基板 53と、第 1の基板 51と第 2の基 板 53との間に挟持された透明媒質層 54とを備えていて、位相差の大きさが相異なる 同心円状の領域を有している。

[0098] 高分子液晶層 52の厚さは、例えばフォトリソグラフィ及びエツティングで所望の分布 に形成することができる。また、第 1の基板 51に所定の凹凸をつけることで高分子液 晶層 52の厚さを設定することも可能である。ここで、第 1、第 2の基板 51、 53としては 、例えば透明なガラスやブラスティックカゝらなる基板を用いることが好ま ヽ。

[0099] 第 1の基板 51と第 2の基板 53との間の空間は、厚さの分布を有する高分子液晶層 52の薄い部分を含めてすべて透明媒質層 54により埋められている。透明媒質層 54 は、高分子液晶層 52の常光屈折率 n及び異常光屈折率 nのいずれか一方の値と ο e

等しいか、又は常光屈折率 nと異常光屈折率 nとの間の屈折率を有する透明材料 o e

力もなる。力かる透明材料層 54は、たとえば等方性材料力もなる充填材を、高分子 液晶層 52の凹部を埋めるように、透明基板 51、 53の間を充填して形成することがで きる。 [0100] 透明媒質層 54の屈折率 nを、高分子液晶層 52の常光屈折率 nと異常光屈折率 n o e のいずれかと一致させるか、常光屈折率 nと異常光屈折率 nの平均値 (n +n ) /2 o e o e とすると透過した光の波面の乱れを抑えることができて一層好ましい。

[0101] 次に、複屈折媒質層の厚さを等しくして基板面に対する光学軸方向を変化させる 方法について説明する。基板面に対する光学軸方向は、高分子液晶層のチルト角 を素子面内で分布させて形成することができる。チルト角とは、高分子液晶層 52の液 晶分子の長軸が基板面となす角をいう。例えば、複屈折媒質層の厚さを一定としたま ま、チルト角を 90度に近くすなわち液晶分子を基板 51と垂直に近くすると、複屈折 量 Δ ηを小さくして位相差を小さくすることができ、チルト角を 0度に近くすなわち液晶 分子を基板面と平行に近くすると、複屈折量 Δ ηを大きくして位相差を大きくすること ができる。

[0102] 次に、光学軸方向の制御方法について説明する。複屈折層として高分子液晶層 5 2を用いる場合には、液晶の配向方向を決める配向膜を所望の方向(例えば同心円 状)にラビングする方式や、配向膜を光配向する材料を用いて配向方向を制御する 方法を用いて、光学軸方向を制御することができる。

[0103] また、高分子液晶層 52と接する基板面に、所望の光学軸向きの分布に応じた微小 な凹凸溝を多数形成すると、その凹凸溝の長手方向に液晶分子を配向させることが できる。力かる方法はとくに、図 9に示すような光学軸向きが連続的に変化する偏光 解消素子 8を作製する場合、好適である。

[0104] 本願発明にかかる偏光解消素子は、入射光が直線偏光である場合に限定されず、 偏光光であれば効果的に用いることができる。すなわち、本願発明にかかる偏光回 折素子は、円偏光や楕円偏光に対しても、直線偏光の場合と同様に好ましく用いる ことができる。

[0105] 以上のように、本実施の形態に係る光ヘッド装置 100によれば、ビームスプリッタ 4と 光検出器 9との間の光路中に、透過する光の偏光度を低下させる偏光解消素子 8を 設置する構成としたので、複層ディスクのそれぞれの層からの戻り光が照射される光 検出器 9上で、それぞれの層力もの戻り光の偏光度を低下させることができ、それら の光の干渉性を低減させることができる。 [0106] したがって、本実施の形態に係る光ヘッド装置 100は、複層ディスクの層間隔の変 化や波長の変化による異なる層からの光の干渉条件が変化することによって信号の 強度変化による、読み取り性能の低下が抑制できるので、光検出器 9への信号強度 を低下させることなく複層光ディスクを記録再生することができる。

[0107] 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲 を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明ら かである。

[0108] 本出願は、 2006年 3月 16日出願の日本特許出願 (特願 2006— 072671)に基づ くものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

産業上の利用可能性

[0109] 以上のように、本発明に係る光ヘッド装置は、光検出器への信号強度を低下させる ことなく複層光ディスクを記録再生することができるという効果を有する光ヘッド装置 等として有用である。

Claims

請求の範囲
[1] 光源と、前記光源からの出射光を光ディスクの情報記録面上に集光させる対物レン ズと、集光されて光ディスクの情報記録面によって反射された戻り光を、前記出射光 の光路とは異なる光路に偏向分離するビームスプリッタと、偏向分離された前記戻り 光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置であって、前記ビームスプリッタと前記 光検出器との間の光路中に、入射した戻り光を、偏光度を低下させて透過させる偏 光解消素子が設置されて ヽる光ヘッド装置。
[2] 前記偏光解消素子が複屈折材料からなる複屈折層を有して!/、て、前記偏光解消 素子に入射した戻り光が、前記偏光解消素子の素子面上の位置により異なる偏光状 態とされて透過されるように、前記複屈折層の位相差および光学軸のいずれか一方 又は両方が前記素子面上の位置により異なる請求項 1に記載の光ヘッド装置。
[3] 前記偏光解消素子は、透過する光の偏光度が 0. 5以下となるよう前記偏光状態を 変化させる請求項 1又は 2記載の光ヘッド装置。
[4] 前記偏光解消素子に対して前記光源光が入射される入射光束径内の前記複屈折 層が、複数の領域に分割されていて、隣接する領域を透過する光の偏光状態が互い に異なっている請求項 2または 3に記載の光ヘッド装置。
[5] 前記領域が、前記入射光束径内の前記複屈折層が光軸を中心とした放射状に分 割されてなり、前記領域を透過した光が、前記偏光解消素子の光軸を中心に 360度 /j (jは 2以上の整数)の回転周期で同じ偏光状態となっている請求項 4に記載の光 ヘッド装置。
[6] 前記領域が、前記入射光束径内の前記複屈折層が光軸を中心とした同心円状に 分割されてなる、請求項 4に記載の光ヘッド装置。
[7] 前記領域のうち隣接する 2つの領域を透過する光の偏光状態を基準化ストークスパ ラメータ(S = 1, S , S , S )を用いてそれぞれ(1, S , S , S )及び(1, S ,
Ok lk 2k 3k 10 20 30 11
S , S )で表すと、これらのパラメータの間に式(1)の関係が成立している請求項 4
21 31
、 5または 6に記載の光ヘッド装置。
0< (S — s ) 2+ (s — s ) 2
10 11 20 21
+ (S -S ) 2≤3 (1)
[8] 概ね 90度の位置の関係にある 2つの領域を透過する光の偏光状態を基準化スト一 タスパラメータ(S = 1, S , S , S )を用いてそれぞれ(1, S , S , S )及び(1
Ok lk 2k 3k 13 23 33
, S , S , S )で表すと、これらのパラメータの間に式(2)の関係が成立している請
14 24 34
求項 4、 5または 6に記載の光ヘッド装置。
2≤ (S -S ) 2+ (S -S ) 2
13 14 23 24
+ (S -S ) 2≤4 (2)
33 34
[9] 前記領域は、前記入射光束径内の前記複屈折層が中心間の距離が 30 m以上 かつ 3mm以下の間隔で分割されてなり、それぞれの領域内で光学軸の方向が放射 状または同心円状である請求項 4に記載の光ヘッド装置。
[10] 前記入射光束径内の前記複屈折層の位相差の大きさが一定で光学軸の方向が放 射状または同心円状とされている請求項 2または 3に記載の光ヘッド装置。
[11] 前記複屈折層の位相差の大きさが入射光波長えの 1Z2の奇数倍である請求項 4
〜 10のいずれかに記載の光ヘッド装置。
[12] 前記複屈折層が 90度ずつに分割された 4つの領域からなり、隣接する前記領域の 光学軸が互いに 90度の角度をなすとともに、入射される光源光の偏光方向と 45度の 角度をなすように構成されて 、る請求項 5に記載の光ヘッド装置。
[13] 前記入射光束径内の前記複屈折層が、前記光軸を中心に配置された第 1の領域と
、他の部分力もなる第 2の領域とに分割されてなる、請求項 4に記載の光ヘッド装置。
[14] 前記入射光束径内の前記複屈折層が、前記光軸を中心に対称に配置された第 1 および第 2の領域と、他の部分力もなる第 3の領域とに分割されてなる、請求項 4に記 載の光ヘッド装置。
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