JPWO2008020591A1 - 波長選択性遮光素子およびそれを用いた光ヘッド装置 - Google Patents
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Abstract
特定範囲の波長の光のうち、特定方向に回転する円偏光を遮光することのできる波長選択性遮光素子を提供するため、透明基板の一部に、第1の方向に回転する第1の円偏光を波長に係らず透過し、第2の方向に回転する第2の円偏光のうち、所定範囲内の波長の第2の円偏光を遮光し、所定範囲外の第2の円偏光を透過する遮光領域を設ける。
Description
本発明は、遮光素子およびそれを用いた光ヘッド装置に係り、特に、特定範囲の波長の光のうち、特定方向に回転する円偏光を遮光することのできる波長選択性遮光素子およびそれを用いた光ヘッド装置に関する。
CDのように一層の記録層を有する光ディスクに加えて、DVDあるいは高密度DVDのように記録容量を増大させるために複数の記録層を有する複数層光ディスクが使用されるようになっているが、複数層光ディスクの記録層からの情報の読み出し(以下再生という)時に、光検出器には、再生対象の記録層(再生層)で反射された情報光だけでなく、再生対象でない記録層(非再生層)で反射された光である迷光も入射するため、情報光と迷光とが干渉して再生精度が悪化する場合がある。
図8A及び図8Bは、2層の記録層を有するDVD808を再生する時の光路図であって、図8Aは光入射面に近い第1の記録層809を再生する時の反射光の光路を、図8Bは光入射面から遠い第2の記録層810を再生する時の反射光の光路を示す。
即ち、DVD808で反射された反射光は、対物レンズ804およびコリメータレンズ803を透過して、光検出器805に入射する。
図8Aに示すように第1の記録層809の再生時には、光源から放射された光源光は第1の記録層809上に焦点を結び、第1の記録層809で反射された光源光は情報光801となって光検出器805上に収束する。しかし、光源光は第2の記録層810上には焦点を結ばないため第2の記録層810で反射された光源光は迷光802となって光検出器805前方で収束し光検出器805では収束しないものの、一部は光検出器805に入射する。
また、図8Bに示すように第2の記録層810の再生時には、光源光は第2の記録層810上に焦点を結ぶため第2の記録層810で反射された情報光801は、光検出器805上に収束する。しかし、光源光は第1の記録層809上に焦点を結ばないため第1の記録層809で反射された迷光802は、光検出器805後方で収束するので光検出器805では収束しないが、一部は光検出器805に入射する。
この結果、光検出器805内で、再生層で反射された情報光と非再生層で反射された迷光との干渉が発生するので、再生精度が低下することを回避できない。
再生精度を向上するために、再生層で反射された情報光と非再生層で反射された迷光との干渉を低減するために使用する光学部材も既に提案されている(例えば、特開2005−203090号公報参照)。
上記提案に係る光学部材9は、図9Aに示すように、有効領域901の中央部に光検出器805の外形と略同形状のホログラム領域91が形成されている。
光源光は、再生層で反射されて情報光となり、非再生層で反射されて迷光となるが、光学部材9のホログラム領域91に入射する情報光および迷光はホログラム領域91で回折されて、光検出器805には到達しない。
この結果、図9Bに示すように、光検出器805面において、迷光802は、光検出器805領域を照射せず、光検出器805の周囲94に拡散する。
これに対して、ホログラム領域91に入射した情報光801はホログラム領域91で回折され光検出器805に到達しないものの、ホログラム領域91以外の領域を透過した情報光801は光検出器805の3つのセル92上にスポット93を形成するので、光検出器805において情報光801と迷光802との干渉は発生せず、複数層光ディスクの再生精度を改善することが可能となる。
しかしながら、上記提案に係る光学部材は、ホログラム領域91は波長に係らず情報光801および迷光802を回折してしまうので、干渉を防止する必要のない記録層が単層である光ディスク(例えば、CD)の再生時には光軸近傍の光密度の高い情報光が失われてしまい、光利用率が低下するという課題があった。干渉を防止する必要のない光ディスクの再生時に光学素子を光路から除去することも可能であるが、再生する光ディスクに応じて光学素子を挿入・排出する機構を設ける必要が生じる。
よって本発明は、情報光と迷光との干渉を防止する必要がある場合には干渉を防止し、干渉を防止する必要がない場合には光利用率を向上することのできる波長選択性遮光素子およびそれを使用した光ヘッド装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、波長選択性遮光素子であって、
透明基板と、
前記透明基板の一部に設けられ、第1の方向に回転する第1の円偏光を波長に係らず透過し、前記第1の方向と逆方向である第2の方向に回転する第2の円偏光のうち、所定範囲内の波長の前記第2の円偏光を遮光し、前記所定範囲外の前記第2の円偏光を透過する遮光領域を具備して成るものが提供される。
透明基板と、
前記透明基板の一部に設けられ、第1の方向に回転する第1の円偏光を波長に係らず透過し、前記第1の方向と逆方向である第2の方向に回転する第2の円偏光のうち、所定範囲内の波長の前記第2の円偏光を遮光し、前記所定範囲外の前記第2の円偏光を透過する遮光領域を具備して成るものが提供される。
この構成により、特定範囲の波長の光のうち、特定方向に回転する円偏光が遮光されることとなる。
前記遮光領域が、前記所定範囲内の波長の前記第2の円偏光を反射する反射領域である構成としてもよい。
この構成により、特定範囲の波長の光のうち、特定方向に回転する円偏光が反射されることとなる。
前記反射領域が、コレステリック相液晶であってもよい。
前記反射領域が、
中心周波数λc={(no+ne)/2}×P
波長帯域幅Δλ=(ne−no)×P
ただし、no=コレステリック相液晶の常光屈折率
ne=コレステリック相液晶の異常光屈折率
P=コレステリック相液晶の螺旋ピッチ
の反射波長領域に含まれる光を反射するものであるものであってもよい。
中心周波数λc={(no+ne)/2}×P
波長帯域幅Δλ=(ne−no)×P
ただし、no=コレステリック相液晶の常光屈折率
ne=コレステリック相液晶の異常光屈折率
P=コレステリック相液晶の螺旋ピッチ
の反射波長領域に含まれる光を反射するものであるものであってもよい。
前記遮光領域が、前記所定範囲内の波長の前記第2の円偏光を回折する第1の回折領域を有する構成であってもよい。
この構成により、特定範囲の波長の光のうち、特定方向に回転する円偏光が回折されることとなる。
前記遮光領域が、前記所定範囲外の波長の前記第2の円偏光を前記第1の角度より小さい第2の角度で回折する第2の回折領域を有する構成であってもよい。
前記回折領域が、コレステリック相液晶の回折格子と前記回折格子の間に充填される等方性材料とで構成されていてもよい。
前記回折領域が、
中心波長λc={(no+ne)/2}×P
波長帯域幅Δλ=(ne−no)×P
ただし、no=コレステリック相液晶の常光屈折率
ne=コレステリック相液晶の異常光屈折率
P=コレステリック相液晶の螺旋ピッチ
の反射波長領域近傍の波長の光を回折する構成を有していてもよい。
中心波長λc={(no+ne)/2}×P
波長帯域幅Δλ=(ne−no)×P
ただし、no=コレステリック相液晶の常光屈折率
ne=コレステリック相液晶の異常光屈折率
P=コレステリック相液晶の螺旋ピッチ
の反射波長領域近傍の波長の光を回折する構成を有していてもよい。
なお、本明細書において、反射波長領域近傍の波長とは、短波長側反射波長領域端波長λc+Δλ以上、λc+Δλ+150ナノメートル以下の波長あるいは、長波長側反射波長領域端波長λc−Δλ以下、λc−Δλ−150ナノメートル以上の波長をいう。
なお、実用上有効な効果を得るためには、反射波長領域近傍の波長は、短波長側反射波長領域端波長λc+Δλ以上、λc+Δλ+100ナノメートル以下の波長あるいは、長波長側反射波長領域端波長λc−Δλ以下、λc−Δλ−100ナノメートル以上の波長であることが望ましい。
前記回折格子の格子深さdが、[λ/{2・Δn(λ)}]である構成であってもよい。
ただし、λ=遮光する光の波長
Δn(λ)=|nP(λ)−nA(λ)|
nP(λ)=コレステリック相液晶の第1の円偏光に対する屈折率
nA(λ)=コレステリック相液晶の第2の円偏光に対する屈折率
とする。
この構成により、特定範囲の波長の光のうち、特定方向に回転する円偏光を大きい角度で回折されることとなる。
ただし、λ=遮光する光の波長
Δn(λ)=|nP(λ)−nA(λ)|
nP(λ)=コレステリック相液晶の第1の円偏光に対する屈折率
nA(λ)=コレステリック相液晶の第2の円偏光に対する屈折率
とする。
この構成により、特定範囲の波長の光のうち、特定方向に回転する円偏光を大きい角度で回折されることとなる。
本発明によれば、上記の波長選択性遮光素子を少なくとも2つ積層した構成の波長選択性遮光素子が提供される。
この構成により、複数の特定範囲の波長の光のうち、特定方向に回転する円偏光が遮光されることとなる。
本発明によれば、光ヘッド装置であって、
光源と、
前記光源から放射される光源光を平行にするコリメータレンズと、
光ディスクの記録層に集光させる対物レンズと、
前記光源と前記コリメータレンズとの間の前記光源光の光路中に配置され、前記記録層によって反射された反射光を前記光源光が前記記録層に達するまでの光路とは異なる光路へ偏向分離するビームスプリッタと、
偏向分離された前記反射光を検出する光検出器と、
前記コリメータレンズと前記対物レンズとの間の光路中に配置された、上記に記載の波長選択性遮光素子とを具備して成るものが提供される。
光源と、
前記光源から放射される光源光を平行にするコリメータレンズと、
光ディスクの記録層に集光させる対物レンズと、
前記光源と前記コリメータレンズとの間の前記光源光の光路中に配置され、前記記録層によって反射された反射光を前記光源光が前記記録層に達するまでの光路とは異なる光路へ偏向分離するビームスプリッタと、
偏向分離された前記反射光を検出する光検出器と、
前記コリメータレンズと前記対物レンズとの間の光路中に配置された、上記に記載の波長選択性遮光素子とを具備して成るものが提供される。
前記光源から放射される前記光源光が直線偏光であり、
前記ビームスプリッタと上記に記載の波長選択性遮光素子との間の光路中に配置された、前記光源光を円偏光に変換する位相変調素子を更に具備する構成としてもよい。
前記ビームスプリッタと上記に記載の波長選択性遮光素子との間の光路中に配置された、前記光源光を円偏光に変換する位相変調素子を更に具備する構成としてもよい。
この構成により、複数の記録層を再生する場合に情報光と迷光との干渉が防止されることとなるだけでなく、1つの記録層を再生する場合に光の利用率が向上することとなる。
上述のように本発明によれば、第1の方向に回転する第1の円偏光を波長に係らず透過し、第1の方向と逆方向である第2の方向に回転する第2の円偏光のうち、所定範囲内の波長の第2の円偏光を遮光し、所定範囲外の第2の円偏光を透過する遮光領域を設けることにより、特定方向に回転する特定範囲の波長の光を遮光することができるという効果を有する波長選択性遮光素子およびそれを使用した光ヘッド装置を提供することができる。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施例について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、液晶の螺旋ねじれ方向は時計方向であるとする。
本発明の第1実施例に係る波長選択性遮光素子1は、図1Aおよび1Bに示すように、有効領域101を光が透過する透明基板10の一部に第1の方向(例えば、反時計方向)に回転する第1の円偏光を波長に係らず透過し、第2の方向(例えば、時計方向)に回転する第2の円偏光のうち、所定範囲内の波長の第2の円偏光を遮光し、所定範囲外の第2の円偏光を透過する少なくとも1つの遮光領域11とを有する。
本発明の第1実施例に係る波長選択性遮光素子1は、図1Aおよび1Bに示すように、有効領域101を光が透過する透明基板10の一部に第1の方向(例えば、反時計方向)に回転する第1の円偏光を波長に係らず透過し、第2の方向(例えば、時計方向)に回転する第2の円偏光のうち、所定範囲内の波長の第2の円偏光を遮光し、所定範囲外の第2の円偏光を透過する少なくとも1つの遮光領域11とを有する。
即ち、波長選択性遮光素子1は、2枚の透明基板10および12と、透明基板10上に形成され遮光領域11として機能するコレステリック相液晶と、遮光領域11が形成された透明基板10と透明基板12の間に充填された充填層13とから構成される。
透明基板10および12は、本発明に係る波長選択性遮光素子に積層される他の光学素子と共用してもよい。また、充填層13は、光学的に等方性であり、本発明に係る波長選択性遮光素子が対象とする波長の光に対して透明であればよく、例えば、アクリル系重合樹脂を適用することができる。
コレステリック相液晶としては、コレステリック液晶またはカイラル材が添加されたネマティック液晶を使用することができる。液晶を固体化すると、温度依存性を低減できるだけでなく、液晶の漏洩を防止するためのシール構造が不要となるので、重合性液晶組成物を重合・固体化した高分子コレステリック液晶を使用することが好ましい。
高分子コレステリック液晶は、少なくとも一方が重合性を有するネマティック液晶とカイラル剤とを含む重合性液晶組成物を、紫外線照射、加熱等により重合・固体化することにより得られる。
コレステリック相液晶は、螺旋ねじれを有し、螺旋ピッチPが入射光の波長λと略等しい場合、螺旋軸方向から入射し螺旋ねじれ方向と同一方向に回転する円偏光を反射し、逆方向に回転する円偏光を透過する。なお、反射する円偏光の中心波長λcおよび帯域幅Δλは[数1]で与えられる。
即ち、コレステリック相液晶は、液晶の螺旋ねじれ方向と同一方向に回転する波長λの円偏光に対して以下の性質を有する。
λc−Δλ/2<λ<λc+Δλ/2の反射波長帯域内の円偏光を反射する。
λ≦λc−Δλ/2、または、λc+Δλ/2≦λの反射波長帯域外の円偏光を透過する。
また、コレステリック相液晶は、液晶の螺旋ねじれ方向と逆方向に回転する円偏光に対しては、入射光の波長に係らず透過性を有する等方性媒体として機能し、その屈折率は液晶の常光に対する屈折率と異常光に対する屈折率の平均値に略等しい。
従って、遮光部の周辺に充填する充填材としては、波長λ1およびλ2の円偏光に対して平均屈折率と略等しい屈折率を有する材料を使用することが、集光特性の劣化を引き起こす光学的な位相段差が生じないため好ましい。
次に、波長選択性遮光素子1の製造方法を説明する。
1)2枚の透明基板のそれぞれ一方の面に塗布したポリイミド膜を塗布・焼成し、ラビング等の配向処理を施して配向膜を形成する。
2)配向膜を内側にして6.2マイクロメートルの間隔を隔てて対向させた2枚の透明基板の間に重合性液晶組成物を注入する。
3)重合性液晶組成物に紫外線を照射して、重合・固体化して高分子コレステリック相液晶とする。
1)2枚の透明基板のそれぞれ一方の面に塗布したポリイミド膜を塗布・焼成し、ラビング等の配向処理を施して配向膜を形成する。
2)配向膜を内側にして6.2マイクロメートルの間隔を隔てて対向させた2枚の透明基板の間に重合性液晶組成物を注入する。
3)重合性液晶組成物に紫外線を照射して、重合・固体化して高分子コレステリック相液晶とする。
例えば、常光屈折率no=1.56、異常光屈折率ne=1.68の重合性ネマティック液晶に、時計回りの重合カイラル剤を螺旋ピッチPが0.405マイクロメートルとなる量添加し、重合・固体化することにより、中心周波数λc=663ナノメートル、帯域幅Δλ=49ナノメートルの範囲にある波長の時計回りの円偏光を反射する高分子コレステリック液晶層を得ることができる。
4)2枚のうち一方の透明基板のみ取り除き、遮光領域11以外の高分子コレステリック液晶層をフォトリソグラフィおよびエッチングにより除去して、透明基板10上に遮光領域11が形成された形態を得る。
5)透明基板10の遮光領域11上に間隔10マイクロメートルを隔てて他の透明基板12を配置し、その間に、例えば屈折率が1.62である等方性樹脂を充填した後、硬化させる。
4)2枚のうち一方の透明基板のみ取り除き、遮光領域11以外の高分子コレステリック液晶層をフォトリソグラフィおよびエッチングにより除去して、透明基板10上に遮光領域11が形成された形態を得る。
5)透明基板10の遮光領域11上に間隔10マイクロメートルを隔てて他の透明基板12を配置し、その間に、例えば屈折率が1.62である等方性樹脂を充填した後、硬化させる。
なお、波長選択性遮光素子1を他の光学素子と積層する場合には、透明基板10および透明基板12を他の光学素子と共用してもよい。
上記の工程により製造された波長選択性遮光素子1は、図2に示すように、DVDの記録・再生に適用する波長λ1=660ナノメートルの光のうち、時計回りの円偏光だけを反射し、反時計回りの円偏光および直線偏光を透過する。そして、CDの記録・再生に適用する波長λ1=785ナノメートルの光を偏光状態に係らず透過する。
なお、高分子コレステリック液晶層の厚さは、螺旋ピッチの5倍程度とすれば波長選択性を呈するようになるが、実際には螺旋ピッチの10倍以上とすることが必要であり、より反射率を大きくするには螺旋ピッチの20倍以上とすることが望ましい。
ただし、高分子コレステリック液晶層の厚さは、50マイクロメートルを超えると液晶層にドメインが生じて配向が乱れるおそれがあるので、50マイクロメートル以下とすることが必要であり、製造が容易な30マイクロメートル以下とすることが望ましい。
以上説明したように、上記の構成を有する波長選択性遮光素子1によれば、遮光部を形成するコレステリック相液晶の常光屈折率、異常光屈折率、および螺旋ピッチに基づいて定まる波長の円偏光のうち、コレステリック相液晶の螺旋ピッチと同一方向に回転する円偏光を反射させ、反対方向に回転する円偏光を透過させることが可能となる。以下では、光源光は光源から光ディスクの記録層までの光路中の光であり、反射光は光ディスクの記録層から光検出器までの光路中の光として説明する。
波長選択性遮光素子1を使用した光ヘッド装置2は、図3に示すように、DVD再生用の波長λ1=660ナノメートルの直線偏光の光源光およびCDの記録・再生に適用する波長λ2=785ナノメートルの直線偏光の光源光を放射する光源21と、光源光を平行直線偏光とするコリメータレンズ22と、直線偏光の光源光を第1の方向に回転する第1の円偏光に変換する1/4波長板23と、光ディスク24の第1の記録層241および第2の記録層242である2つの記録層の中の第1の記録層241に集光するとともに、第1の記録層241および第2の記録層242で反射されて第1の方向と逆方向である第2の方向に回転する第2の円偏光となった反射光を平行化する対物レンズ25と、1/4波長板23と対物レンズ25の間に配置される波長選択性遮光素子1と、光源21とコリメータレンズ22の間に配置され光源光と1/4波長板23で直線偏光に変換された反射光とを分離するビームスプリッタ26と、ビームスプリッタ26で分離された反射光の強度を電気信号に変換する光検出器27とを含む。なお、第1実施例の波長選択性遮光素子1は、650ナノメートル帯の時計方向円偏光を反射する遮光領域11を有する。また、回折素子28は、光源21が放射した直線偏光を1つのメインビームと2つのサブビームに分離する光学素子である。
波長選択性遮光素子1を使用した光ヘッド装置2は、図3に示すように、DVD再生用の波長λ1=660ナノメートルの直線偏光の光源光およびCDの記録・再生に適用する波長λ2=785ナノメートルの直線偏光の光源光を放射する光源21と、光源光を平行直線偏光とするコリメータレンズ22と、直線偏光の光源光を第1の方向に回転する第1の円偏光に変換する1/4波長板23と、光ディスク24の第1の記録層241および第2の記録層242である2つの記録層の中の第1の記録層241に集光するとともに、第1の記録層241および第2の記録層242で反射されて第1の方向と逆方向である第2の方向に回転する第2の円偏光となった反射光を平行化する対物レンズ25と、1/4波長板23と対物レンズ25の間に配置される波長選択性遮光素子1と、光源21とコリメータレンズ22の間に配置され光源光と1/4波長板23で直線偏光に変換された反射光とを分離するビームスプリッタ26と、ビームスプリッタ26で分離された反射光の強度を電気信号に変換する光検出器27とを含む。なお、第1実施例の波長選択性遮光素子1は、650ナノメートル帯の時計方向円偏光を反射する遮光領域11を有する。また、回折素子28は、光源21が放射した直線偏光を1つのメインビームと2つのサブビームに分離する光学素子である。
光源21が放射した波長λ1=660ナノメートルの直線偏光の光源光は、回折素子28によりメインビームと2つのサブビームに分離し、ビームスプリッタ26を通過して、コリメータレンズ22により平行化される。
平行化された光源光は、1/4波長板23によって反時計方向に回転する円偏光に変換され、波長選択性遮光素子1に入射するが、回転方向が反時計方向であるので、波長選択性遮光素子1を透過する。
対物レンズ25は、第1の記録層241の再生時には、波長選択性遮光素子1を透過した光源光を再生層である第1の記録層241に集光するが、円偏光は非再生層である第2の記録層242にも到達する。
第1の記録層241および第2の記録層242で反射された反時計方向に回転する円偏光は、波長λ1の時計方向に回転する円偏光の反射光となり、対物レンズ25により平行化される。
平行化された反射光は第1実施例の波長選択性遮光素子1に入射するが、反射光の回転方向は時計方向であるため、反射光は遮光領域11で反射され、遮光領域11以外の領域を透過する。
反射光はビームスプリッタ26で光源光と分離されて光検出器27に到達するが、第2の記録層242で反射された反射光である非情報光のうち、波長選択性遮光素子1の遮光領域11以外の領域を透過した非情報光は、光検出器面で集光しないため、図4の領域275のように、波長選択性遮光素子1の遮光領域11で覆われる光検出器27の外側に拡散する。なお、波長選択性遮光素子1の遮光領域11に入射した非情報光は、遮光領域11で反射されて光検出器27には到達しない。
これに対し、再生層である第1の記録層241で反射された反射光である情報光のうち、波長選択性遮光素子1の遮光領域11以外の領域を透過した情報光は、図4の黒丸276で示すように、光検出器27に含まれる3つのセル271上に集光する。なお、波長選択性遮光素子1の遮光領域11に入射した情報光も、遮光領域11で反射されて光検出器27には到達しない。
従って、3つのセル271のそれぞれには、第1の記録層241で反射された情報光だけが入射し、第2の記録層242で反射された非情報光は入射しないため、情報光と非情報光の干渉は発生せず、再生精度を確保することが可能となる。
上記は、第1の記録層241が再生層、第2の記録層242が非再生層である場合について説明したが、第1の記録層241を非再生層、第2の記録層242を再生層とする場合には、対物レンズ25を移動させて、第2の記録層242上に光源光が焦点を結ぶように調整する。
光源21が放射した波長λ2=785ナノメートルの直線偏光の光源光は、上述の波長λ1(DVD用の650ナノメートル帯)の直線偏光の光源光と同様に光ヘッド装置2の光路を進行して波長選択性遮光素子1に入射するが、波長選択性遮光素子1は波長λ1=785ナノメートルの光に対しては作用しないので、波長選択性遮光素子1により遮光されずに透過する。波長選択性遮光素子1を透過し、対物レンズ25により不図示の一層からなる光ディスクの記録層に集光、照射された波長λ1=785ナノメートルの光源光は、記録層で反射されて反射光となり、光路を逆方向に進行して再び波長選択性遮光素子1に入射するが、光源光の場合と同様に、波長選択性遮光素子1を遮光されずに透過して、光検出器27に到達する。
以上説明したように、上記の構成を有する光ヘッド装置2によれば、波長λ1の光源光を用いる複数の記録層をもつ光ディスクを再生する場合に、情報光と迷光との干渉を防止することができる。また、波長λ1と異なる波長λ2の光源光を用いる光ディスクを再生する場合には、光源光を有効に利用することができる。
本実施例では、光源21は、波長λ1(DVD用の650ナノメートル帯)の直線偏光およびCDの記録・再生に適用する波長λ1=785ナノメートルの直線偏光を放射するものとしたが、波長λ1(DVD用の650ナノメートル帯)および波長λ3(例えば、高密度光ディスク用の400ナノメートル帯)の直線偏光を放射する光源として機能するものであってもよく、あるいは、波長λ1(DVD用の650ナノメートル帯)および波長λ3(例えば、高密度光ディスク用の400ナノメートル帯)の直線偏光を放射する光源として機能するものであってもよい。さらにあるいは、波長λ3(例えば、高密度光ディスク用の400ナノメートル帯)、波長λ1(DVD用の650ナノメートル帯)、および波長λ1(DVD用の650ナノメートル帯)の3波長の直線偏光を放射する光源として機能するものであってもよい。
ここで、650ナノメートル帯とは630〜670ナノメートルの帯域を、780ナノメートル帯とは760〜800ナノメートルの帯域を、400ナノメートル帯とは385〜430ナノメートルの帯域を意味する。
光源21は直線偏光の光を放射するものとしたが、円偏光の光を放射する光源であれば、とくに1/4波長板23を配置しなくともよい。また、直線偏光の光を円偏光の光に変換するために1/4波長板23を配置したが、光源光が楕円偏光の光であればその偏光状態を円偏光にする波長板を配置すればよい。これら直線偏光および楕円偏光の光を円偏光に変換する素子を位相変調素子とし、1/4波長板も含むものとする。さらに、位相変調素子は、1/4波長板23に代えて、複屈折媒体を積層した広帯域波長板をであってもよい。この場合、波長選択性遮光素子1の遮光性を高めることができる。また、戻り光による光源の不安定化を回避することが可能となるだけでなく、波長選択性遮光素子1と広帯域波長板を一体化して部品点数を削減し組み立てを簡略化することも可能となる。
また、コリメータレンズ22は、光源21とビームスプリッタ26との間の光源光の光路中に配置し、ビームスプリッタ26と光検出器27との間の反射光の光路中に図示しない集光レンズを配置しても同じ機能をするが、部品点数が増加するので、図3の配置が好ましい。
次に本発明の第2実施例について説明する。
本実施例の波長選択性遮光素子5は、図5Aに示すように、遮光領域51としてコレステリック相液晶からなる波長選択性回折格子を用いている。本実施例においては、コレステリック相液晶の透過回折性を使用するため、第2実施例の波長選択性遮光素子5で取り扱う光の波長λはλc−Δλ/2以下、または、λc+Δλ/2以上の反射波長帯域外にあることが好ましい。
次に本発明の第2実施例について説明する。
本実施例の波長選択性遮光素子5は、図5Aに示すように、遮光領域51としてコレステリック相液晶からなる波長選択性回折格子を用いている。本実施例においては、コレステリック相液晶の透過回折性を使用するため、第2実施例の波長選択性遮光素子5で取り扱う光の波長λはλc−Δλ/2以下、または、λc+Δλ/2以上の反射波長帯域外にあることが好ましい。
コレステリック相液晶からなる波長選択性回折格子は、反射波長帯域近傍の波長の光に対しては、コレステリック相液晶の回転方向と同一方向に回転する円偏光の屈折率と反対方向に回転する円偏光との屈折率の差が大きくなる。
一方、反射波長帯域から離れた波長の光に対しては、コレステリック相液晶の回転方向と同一方向に回転する円偏光の屈折率と反対方向に回転する円偏光の屈折率はほとんど一致する。
コレステリック相液晶の液晶分子の回転方向と同一方向に回転する波長λの円偏光に対する屈折率をnP(λ)、液晶分子の回転方向と反対方向に回転する波長λの円偏光に対する屈折率をnA(λ)、それらの差(屈折率差)をΔn(λ)とすると、Δn(λ)は[数2]により表される。
反射波長帯域近傍の波長をλ1、反射波長帯域から離れた波長をλ2とすると、Δn(λ2)は略零となり、Δn(λ1)は大きい値となる。即ち、[数3]が成立する。
そして、遮光性を高めるためには、回折格子の深さdと屈折率差Δn(λ1)の積は[数4]を満足することが望ましい。
特に、波長依存性および入射角度依存性に優れ、格子形成が容易な[数5]を満たす回折格子は、波長λ1の光に対する旋回角度が90度となり最も好ましい。
コレステリック相液晶は、液晶の螺旋ねじれ方向と逆方向に回転する円偏光に対しては、入射光の波長に係らず透過性を有する等方性媒体として機能し、その屈折率は液晶の常光に対する屈折率と異常光に対する屈折率の平均値に略等しい。
従って、遮光部の周辺に充填する充填材としては、波長λ1およびλ2の円偏光に対して平均屈折率と略等しい屈折率を有する材料を使用することが、回折損失を抑制し、旋光分散を大きくする上で好ましい。
次に、波長選択性遮光素子5の製造方法を説明する。
1)2枚の透明基板のそれぞれ一方の面にポリイミド膜を塗布・焼成し、ラビング等の配向処理を施して配向膜を形成する。
2)配向膜を内側にして2枚の透明基板を10.0マイクロメートルの空間を隔てて平行に対向させ、空間にコレステリック液晶またはカイラル剤を添加したネマティック液晶であるコレステリック相液晶を注入する。
1)2枚の透明基板のそれぞれ一方の面にポリイミド膜を塗布・焼成し、ラビング等の配向処理を施して配向膜を形成する。
2)配向膜を内側にして2枚の透明基板を10.0マイクロメートルの空間を隔てて平行に対向させ、空間にコレステリック液晶またはカイラル剤を添加したネマティック液晶であるコレステリック相液晶を注入する。
例えば、常光屈折率n0が1.56、異常光屈折率neが1.78であるネマティック液晶にカイラル剤を添加して、時計回り螺旋ピッチPが0.35マイクロメートルとなるコレステリック相液晶を注入する。
3)紫外線を照射してコレステリック相液晶を厚さ=10.0マイクロメートルとなるように固体化したのち、2枚うち一方の透明基板のみ取り除き、透明基板50上に固体化したコレステリック相液晶が露出して形成された形態を得る。
4)フォトリソグラフィおよびエッチングにより遮光領域51の格子ピッチ=5マイクロメートルの格子部以外のコレステリック相液晶を除去して格子部を形成する。
5)透明基板50の格子部上に透明基板52を配置し、その間を例えば屈折率が1.67の等方性樹脂である充填層53で充填する。
3)紫外線を照射してコレステリック相液晶を厚さ=10.0マイクロメートルとなるように固体化したのち、2枚うち一方の透明基板のみ取り除き、透明基板50上に固体化したコレステリック相液晶が露出して形成された形態を得る。
4)フォトリソグラフィおよびエッチングにより遮光領域51の格子ピッチ=5マイクロメートルの格子部以外のコレステリック相液晶を除去して格子部を形成する。
5)透明基板50の格子部上に透明基板52を配置し、その間を例えば屈折率が1.67の等方性樹脂である充填層53で充填する。
上記の製造方法により、第2実施例の波長選択性遮光素子5は、中心波長λc=585ナノメートル、波長帯域Δλ=77ナノメートルの光を回折する。
即ち、遮光領域51は、図5Bに示すように、DVDの記録・再生に使用する波長λ1=660ナノメートルの光のうち、時計回りの円偏光を大きい角度で回折し、反時計周りの円偏光および直線偏光をほとんど回折しない。
そして、波長選択性遮光素子5の遮光領域51は、図5Bに示すように、CDの記録・再生に使用する波長λ2=785ナノメートルの光を偏光状態に係らずほとんど回折しない。
以上説明したように、上記の構成を有する波長選択性遮光素子によれば、遮光部を形成するコレステリック相液晶の常光屈折率、異常光屈折率、および螺旋ピッチに基づいて定まる波長の円偏光のうち、コレステリック相液晶の螺旋ピッチと同一方向に回転する円偏光を選択的に回折することが可能となる。
波長選択性遮光素子5を、波長選択性遮光素子1に代えて光ヘッド装置2に適用すると、遮光した光の伝搬方向が主たる光線経路から離れるので、主たる光線経路上での多重反射などによる影響を低減できる。
次に本発明の第3実施例について説明する。
本実施例の波長選択性遮光素子6は、図6Aに示すように、遮光部としてコレステリック相液晶で製造した第1の波長選択性回折格子61を使用する点で第2実施例と同一であるが、第1の波長選択性回折格子61の外側に第1の波長選択性回折格子61よりも広い格子ピッチを有する第2の波長選択性回折格子62を形成する点が第2実施例と相違する。
次に本発明の第3実施例について説明する。
本実施例の波長選択性遮光素子6は、図6Aに示すように、遮光部としてコレステリック相液晶で製造した第1の波長選択性回折格子61を使用する点で第2実施例と同一であるが、第1の波長選択性回折格子61の外側に第1の波長選択性回折格子61よりも広い格子ピッチを有する第2の波長選択性回折格子62を形成する点が第2実施例と相違する。
波長選択性遮光素子6は、図6Bに示すように、反時計回りの円偏光を透過するが、時計回りの円偏光を第1の波長選択性回折格子61で大きい角度で回折し、第2の波長選択性回折格子62で小さい角度で回折する。このときの角度は光の進行方向と回折方向とのなす角度のことである。
光検出器27を、第2の波長選択性回折格子62で小さい角度で回折された反射光を受光できる位置に配置すれば、光検出器27に入射・集光しない程度に充分に大きな回折角度を有する第1の波長選択性回折格子61は反射光の遮光部として機能することとなる。
波長選択性遮光素子6を、波長選択性遮光素子1に代えて光ヘッド装置2に適用すると、遮光機能と信号検出用の偏光ホログラム機能を合わせ有する素子とすることが可能となる。
次に本発明の第4実施例について説明する。
本実施例の波長選択性遮光素子7は、図7に示すように、中央の第1のガラス基板711を共用して、第1実施例の波長選択性遮光素子1と第2実施例の波長選択性遮光素子5とを積層した構成を有する。
次に本発明の第4実施例について説明する。
本実施例の波長選択性遮光素子7は、図7に示すように、中央の第1のガラス基板711を共用して、第1実施例の波長選択性遮光素子1と第2実施例の波長選択性遮光素子5とを積層した構成を有する。
即ち、第1のガラス基板711と第2のガラス基板712とに挟まれた反射型遮光領域71は、第1実施例の波長選択性遮光素子1の遮光領域11と同じく、中心波長λc=663ナノメートル、帯域幅Δλ=49ナノメートルの時計回り円偏光を反射し、それ以外の光を透過する。
第1のガラス基板711と第3のガラス基板713とに挟まれた回折型遮光領域72は、第2実施例の波長選択性遮光素子5の遮光領域51と同じ構成を有するが、回折格子は常光屈折率=1.55、異常光屈折率=1.71、時計回り螺旋ピッチ=0.285マイクロメートル、厚さ=15マイクロメートルのコレステリック相液晶により形成されている。
この結果、第2の遮光領域72は、中心波長λc=465ナノメートル、帯域幅Δλ=35ナノメートルの反射波長帯域の光を反射する。反射波長帯域の短波長側の近傍の波長である波長405ナノメートルの光に対しては、旋光角度は略90度となり、円偏光の回転方向により異なる屈折率を有する。
第2の遮光領域72は、反射波長帯域から十分に隔たった660ナノメートルおよび785ナノメートルの光に対しては、旋光角度は略0度となり、円偏光の回転方向によらず略等しい屈折率を有する。
従って、第4実施例の波長選択性遮光素子7は、高密度DVD用の405ナノメートルの反時計回りの円偏光、DVD用の660ナノメートルの光、CD用の785ナノメートルの光を透過する。
これに対して、高密度DVD用の405ナノメートルの時計回りの円偏光は、第2の遮光領域72で大きく回折されるため、光検出器27に入射しない。また、DVD用の660ナノメートルの時計回りの円偏光は、第1の遮光領域71で反射されるため、光検出器27に入射しない。そして、CD用の785ナノメートルの時計回りの円偏光は、第1の遮光領域71および第2の遮光領域72を透過するので、光軸近傍の密度の高い光が失われることはない。
光源として波長λ3(例えば、高密度光ディスク用の400ナノメートル帯)、波長λ1(DVD用の650ナノメートル帯)、および波長λ2(CD用の785ナノメートル帯)の3波長の直線偏光を放射する光源を用いる以外は同様の構成を有する光ヘッド装置2に、波長選択性遮光素子6を、波長選択性遮光素子1に代えて適用すると、2つの異なる波長λ1およびλ3に対して遮光機能を有する光学素子とすることが可能となるだけでなく、遮光する2つの波長λ1およびλ3の光に対して、それぞれの遮光性能や光線経路を独立に最適に設定することが可能となる。
ここでは第1実施例の波長選択性遮光素子1と第2実施例の波長選択性遮光素子5とを積層した構成について説明したが、第1実施例の波長選択性遮光素子1または第2実施例の波長選択性遮光素子5を複数積層した構成としてもよい。また、第3実施例の波長選択性遮光素子6と第1実施例の波長選択性遮光素子1または第2実施例の波長選択性遮光素子5とを積層した構成としてもよい。
以上説明したように、第4実施例の波長選択性遮光素子によれば、CD、DVDおよび高密度DVD再生用の光ピックアップ装置に適用することにより、複数の記録層を有するDVDおよび高密度DVD再生時には再生精度を高め、CD再生時には光利用率を高めることが可能となる。
以上のように、本発明の波長選択性遮光素子は、特定方向に回転する特定領域の波長の円偏光を遮光できるという効果を有し、光学素子等として有効である。
Claims (12)
- 波長選択性遮光素子であって、
透明基板と、
前記透明基板の一部に設けられ、第1の方向に回転する第1の円偏光を波長に係らず透過し、前記第1の方向と逆方向である第2の方向に回転する第2の円偏光のうち、所定範囲内の波長の前記第2の円偏光を遮光し、前記所定範囲外の前記第2の円偏光を透過する遮光領域とを具備して成る。 - 請求項1に記載の波長選択性遮光素子であって、
前記遮光領域が、前記所定範囲内の波長の前記第2の円偏光を反射する反射領域である。 - 請求項2に記載の波長選択性遮光素子であって、
前記反射領域が、コレステリック相液晶である。 - 請求項3に記載の波長選択性遮光素子であって、
前記反射領域が、
中心周波数λc={(no+ne)/2}×P
波長帯域幅Δλ=(ne−no)×P
ただし、no=コレステリック相液晶の常光屈折率
ne=コレステリック相液晶の異常光屈折率
P=コレステリック相液晶の螺旋ピッチ
の反射波長領域に含まれる光を反射するものである。 - 請求項1に記載の波長選択性遮光素子であって、
前記遮光領域が、前記所定範囲内の波長の前記第2の円偏光を回折する第1の回折領域を有する。 - 請求項5に記載の波長選択性遮光素子であって、
前記遮光領域が、前記所定範囲外の波長の前記第2の円偏光を前記第1の角度より小さい第2の角度で回折する第2の回折領域を有する。 - 請求項5または請求項6に記載の波長選択性遮光素子であって、
前記回折領域が、コレステリック相液晶の回折格子と前記回折格子の間に充填される等方性材料とを含んで構成される。 - 請求項7に記載の波長選択性遮光素子であって、
前記回折領域が、
中心波長λc={(no+ne)/2}×P
波長帯域幅Δλ=(ne−no)×P
ただし、no=コレステリック相液晶の常光屈折率
ne=コレステリック相液晶の異常光屈折率
P=コレステリック相液晶の螺旋ピッチ
の反射波長領域近傍の波長の光を回折するものである。 - 請求項8に記載の波長選択性遮光素子であって、
前記回折格子の格子深さdが、[λ/{2・Δn(λ)}]である。
ただし、λ=遮光する光の波長
Δn(λ)=|nP(λ)−nA(λ)|
nP(λ)=コレステリック相液晶の第1の円偏光に対する屈折率
nA(λ)=コレステリック相液晶の第2の円偏光に対する屈折率 - 請求項1〜9いずれか一項に記載の波長選択性遮光素子を少なくとも2つ積層した波長選択性遮光素子。
- 光ヘッド装置であって、
光源と、
前記光源から放射される光源光を平行にするコリメータレンズと、
光ディスクの記録層に集光させる対物レンズと、
前記光源と前記コリメータレンズとの間の前記光源光の光路中に配置され、前記記録層によって反射された反射光を前記光源光が前記記録層に達するまでの光路とは異なる光路へ偏向分離するビームスプリッタと、
偏向分離された前記反射光を検出する光検出器と、
前記コリメータレンズと前記対物レンズとの間の光路中に配置された、請求項1〜10いずれか一項に記載の波長選択性遮光素子とを具備して成る。 - 請求項11に記載の光ヘッド装置であって、
前記光源から放射される前記光源光が直線偏光であり、
前記ビームスプリッタと前記波長選択性遮光素子との間の光路中に配置された、前記光源光を円偏光に変換する位相変調素子を更に具備して成る。
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