JP5055694B2 - 偏光性回折素子および光ヘッド装置 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光性回折素子およびこの偏光性回折素子を構成要素として含む光ヘッド装置に係り、特に円偏光選択反射に起因した大きな旋光分散特性を有する旋光性材料を用いた偏光性回折素子および光ヘッド装置に関する。
コレステリック液晶やカイラル材が含有されたネマティック液晶は、螺旋構造のねじれ配向をなすコレステリック相液晶となり、螺旋ピッチPが入射光の波長λと同程度の場合、螺旋軸方向から入射した液晶のねじれ方向と同じ回転方向を有する円偏光が反射され、逆向きの回転を有する円偏光が透過する円偏光依存性を有する(これを「円偏光選択反射」とよぶ)ことが知られている。
また、このコレステリック相液晶では、例えば液晶のねじれ方向を右回りとすると、右回り円偏光の入射光に対しては、円偏光選択反射をもたらす波長帯(これを「反射波長帯」とよぶ)が存在し、その反射波長帯の近傍(反射波長帯近傍)で、大きな旋光分散(波長により旋光性が異なる現象)を示す。一方、左回り円偏光の入射光に対しては、反射波長帯が存在しないため、小さな旋光分散を示すことが、非特許文献1に記載されている。
すなわち、コレステリック相液晶の円偏光選択反射機能を有する反射波長帯域の近傍の透過波長帯域において、右回り円偏光と左回り円偏光で旋光性に顕著な相違が発生する。
また、螺旋ピッチPが比較的小さなコレステリック相液晶において、コレステリック相と等方相の中間温度域に、コレステリックブルー相(このコレステリックブルー相状態の液晶を「ブルー相液晶」とよぶ)を発現することが知られている。
このブルー相液晶は、二重ねじれ螺旋内部構造を有する円筒状部分が空間的に規則正しく配列した3次元周期格子構造をなしており、回折条件を満たす波長および入射角の入射光をブラッグ回折する。ここで発生するブラッグ回折光は、コレステリック相液晶と同様に円偏光依存性を有するが、コレステリック相液晶に比べ円偏光選択反射の反射波長帯域は狭いため、より狭い反射波長帯域の近傍の透過波長帯域において、右回り円偏光と左回り円偏光で旋光性の顕著な相違が発生する。
また、従来のブルー相の温度範囲は、数℃程度と極めて狭かったため、ブルー相液晶を応用した実用的素子は実現するのが困難であった。しかし、近年、液晶にモノマを混合しブルー相液晶の温度域で紫外線を照射することにより、モノマを高分子化してブルー相液晶の温度範囲が60℃以上に拡大された高分子安定化ブルー相液晶が得られることが報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
ところで、CDやDVDなどのような光ディスクや光磁気ディスクなどの光記録媒体の情報記録面上に情報を記録及び/又は情報を再生する(以下、「記録・再生」と呼ぶ)光ヘッド装置では、半導体レーザからの出射光が対物レンズを介して光ディスクの情報記録面に集光されるとともに反射されて戻り光となり、この戻り光がビームスプリッタを介して光検出器である受光素子へ導かれる。ここで、このビームスプリッタとして、例えば回折素子の一種であるホログラムビームスプリッタなどを用いることにより、光の進行方向を回折によって偏向して光検出器に導くことができるため、光ヘッド装置の小型化が実現している。
また、DVD用の半導体レーザとCD用の半導体レーザを搭載した光ヘッド装置において、規格の異なる光記録媒体であるDVDおよびCD用の光ディスクの情報を記録・再生できるDVD/CD互換光ヘッド装置も実用化されている。
ところで、このような光ヘッド装置の小型化と高い光利用効率を実現するために、配向方向の揃った高分子液晶からなる矩形回折格子の凹凸部での位相差を、CD用の波長の異常光に対して波長の自然数倍、かつ、常光に対してゼロとなるように加工することにより、DVD用の650nm波長帯の常光偏光を透過し異常光偏光を回折するとともに、CD用の790nm波長帯の入射光をその偏光状態にかかわらず透過する波長選択性を備えた偏光性回折素子が特許文献1に記載されている。
チャンドラセカール著、「液晶の物理」吉岡書店、1995年、p.260〜p.261(第4章、図4.1,6) (Chandrasekhar, "Liquid Crystals", Second edition, Cambridge University Press,Chap.4 Fig.4.1,6) 「ネイチャー マテリアル(Nature Materials)」マクシミリアン出版、2002年9月、第1巻、第1号、p.64〜p.68("Nature Materials", vol.1, no.1, Macmillan Press, 2002,Sep., p.64〜p.68) 特開2001−174614号公報
しかしながら、このような偏光性回折素子にあっては、偏光性回折素子の格子ピッチが狭くなると、格子壁面の影響により790nm波長帯の異常光偏光の透過率が低下する問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、二つの波長の光の一方に対して偏光性回折素子として機能し、他方に対しては入射偏光状態に関わらず回折素子として機能せず高い透過率を有する波長選択性の偏光性回折素子およびそれを用いた光ヘッド装置を提供することを目的とする。
本発明は、特定波長の入射光に対して回折を生じさせる第1の偏光性回折素子であって、偏光性回折素子は旋光性材料と等方性材料とが接することにより形成される回折格子を含み、前記旋光性材料は、前記特定波長の入射光のうち1つの回転方向を有する第1の円偏光を反射する反射波長帯域を有するとともに、前記第1の円偏光と逆向きの回転方向となる第2の円偏光の前記特定波長の入射光に対して反射する反射波長帯域を有さず、前記第1の円偏光と前記第1の円偏光と逆向き回転である前記第2の円偏光との2つの偏光状態をそれぞれ有する第1波長λ 1 および第2波長λ 2 (λ 1 ≠λ 2 )の入射光に対して、前記2つの入射光の波長および2つの偏光状態に応じて選択的に回折する偏光性回折素子であって、少なくとも前記第1の円偏光の入射光に対して前記第1波長λ 1 および前記第2波長λ 2 を反射波長の対象として含まない反射波長帯域を有し、前記第1波長λ 1 および前記第2波長λ 2 の前記入射光のうち、前記反射波長帯域近傍の透過波長である前記第1波長λ 1 の前記入射光の方が、前記第2波長λ 2 に比べると相対的により大きく発現する旋光分散機能を有する旋光性材料と、前記第1波長λ 1 の前記第2の円偏光の入射光に対する旋光性材料の屈折率と略等しい屈折率を有する等方性材料を用いて、前記第1波長λ 1 の前記第1の円偏光の入射光のみを選択的に回折させる波長偏光選択回折機能を有する
上記構成によれば、少なくとも2つの波長の異なる入射光に対して、第1の円偏光と第2の円偏光で回折効率が異なる偏光依存性が発現する波長選択性の偏光性回折素子が実現できる。
また、第1の偏光性回折素子において、前記第1波長λ 1 の入射光と前記第2波長λ 2 の入射光の一方が、前記反射波長帯よりも短波長側にあり、前記第2波長λ 2 の入射光と前記第1波長λ 1 の入射光の他方が、前記反射波長帯よりも長波長側にあり、前記反射波長帯よりも短波長側と長波長側で異なる旋光分散機能を有する旋光性材料を用いて、前記第1波長λ 1 の前記第1の円偏光の入射光のみを選択的に回折させるの偏光性回折素子を提供する。
上記構成によれば、少なくとも2つの波長の異なる入射光のうち、少なくとも1つの波長の入射光における第1の円偏光の入射光のみを選択的に回折させる偏光性回折素子が実現できる。
また、第の偏光性回折素子において、波長λの、前記第1の円偏光に対する屈折率と前記第2の円偏光に対する屈折率との差を△n(λ)とすると、△n(λ1)>△n(λ2)を満たし、かつ、△n(λ2)≒0である前記旋光性材料と、前記第2波長λ2において前記旋光性材料の屈折率と略等しい光学的等方材料とのうちのいずれか一方の材料を用いて、断面形状が周期的な凹凸を有する格子形状に加工された格子と、少なくともその加工された前記格子の凹部に、前記旋光性材料と前記光学的等方材料とのうちいずれか他方の材料が充填された充填材とを有する第の偏光性回折素子を提供する。
上記構成によれば、第1の円偏光と第2の円偏光の入射光に対して第1波長λ1では回折効率が異なる偏光依存性が発現し、第2波長λ2では入射光の偏光状態に関わらず回折することなく直進透過する。このため、光利用効率の高い波長選択性の偏光性回折素子が実現する。特に、第2波長λ2において旋光性材料と光学的等方材料の屈折率が略等しいため、格子ピッチおよび格子形状に関わらず高い透過率が得られる。
さらに、第の偏光性回折素子において、前記旋光性材料は、螺旋軸方向が厚さ方向に揃っているとともに、前記第1の円偏光に対して前記第1波長λ1および前記第2波長λ2を反射波長の対象として含まない前記反射波長帯域を有し、かつ、前記第1波長λ1が前記第2波長λ2に比べて相対的に前記反射波長帯域の近傍の透過波長となる螺旋ピッチを有するコレステリック相液晶より構成されている第の偏光性回折素子を提供する。
上記構成によれば、断面形状が周期的な凹凸形状である螺旋軸の揃ったコレステリック相液晶を用いるため、コレステリック相液晶の螺旋ピッチを調整することにより、任意の波長域に円偏光選択反射波長帯域を発現できる。その結果、波長選択性に関する設計自由度の高い偏光性回折素子が得られる。
さらに、第の偏光性回折素子において、前記コレステリック相液晶がコレステリック相高分子液晶からなり、その螺旋軸方向が厚さ方向に揃っているとともに、前記第1の円偏光に対して前記第1波長λ1および前記第2波長λ2を反射波長の対象として含まない前記反射波長帯域を有し、かつ、前記第1波長λ1が前記第2波長λ2に比べて相対的に前記反射波長帯域の近傍の透過波長となる螺旋ピッチを有するコレステリック相高分子液晶より構成されている第の偏光性回折素子を提供する。
上記構成によれば、コレステリック相高分子液晶は固体であるため、コレステリック相低分子液晶に比べて分子配向が安定化され、温度変化などの環境変化に対する特性変動が少ない偏光性回折素子が実現できる。また、セル内に密封する必要がないため、作製プロセスが簡略化できる。
さらに、第の偏光性回折素子において、前記旋光性材料は、第1の円偏光に対して前記第1波長λ1および前記第2波長λ2を反射波長の対象として含まない前記反射波長帯域を有するとともに、前記第1波長λ1が前記第2波長λ2に比べて相対的に前記反射波長帯域の近傍の透過波長となる波長選択性を有し、高分子ネットワークによりコレステリックブルー相の温度範囲が拡大された高分子安定化コレステリックブルー相液晶より構成されている第の偏光性回折素子を提供する。
上記構成によれば、第1波長λ1と第2波長λ2の波長間隔が狭い場合でも、光利用効率の高い波長選択性の偏光性回折素子が実現できる。
また、本発明は、特定波長の入射光に対して回折を生じさせる第7の偏光性回折素子であって、偏光性回折素子は旋光性材料と等方性材料とが接することにより形成される回折格子を含み、前記旋光性材料は、前記特定波長の入射光のうち1つの回転方向を有する第1の円偏光を反射する反射波長帯域を有するとともに、前記第1の円偏光と逆向きの回転方向となる第2の円偏光の前記特定波長の入射光に対して反射する反射波長帯域を有さず、前記第1の円偏光と前記第1の円偏光と逆向き回転である前記第2の円偏光との2つの偏光状態をそれぞれ有する第1波長λ 1 および第2波長λ 2 (λ 1 ≠λ 2 )の入射光に対して、前記2つの入射光の波長および2つの偏光状態に応じて選択的に回折する偏光性回折素子であって、少なくとも前記第1の円偏光の入射光に対して前記第1波長λ 1 および前記第2波長λ 2 を反射波長の対象として含まない反射波長帯域を有し、前記第1波長λ 1 および前記第2波長λ 2 の前記入射光のうち、前記反射波長帯域近傍の透過波長である前記第1波長λ 1 の前記入射光の方が、前記第2波長λ 2 に比べると相対的により大きく発現する旋光分散機能を有する旋光性材料と、前記第1波長λ 1 において前記第1の円偏光対する前記旋光性材料の屈折率と略等しい屈折率を有する等方性材料を用いて、前記第1波長λ 1 の前記第1の円偏光の入射光のみを選択的に回折させず透過させる。
また、第7の偏光性回折素子において、前記第1波長λ 1 の入射光と前記第2波長λ 2 の入射光の一方が、前記反射波長帯よりも短波長側にあり、前記第2波長λ 2 の入射光と前記第1波長λ 1 の入射光の他方が、前記反射波長帯よりも長波長側にあり、前記反射波長帯よりも短波長側と長波長側で異なる旋光分散機能を有する旋光性材料を用いて、前記第1波長λ 1 の前記第1の円偏光の入射光のみを選択的に回折させず透過させる第8の偏光性回折素子を提供する。
また、第の偏光性回折素子において、波長λの、前記第1の円偏光に対する屈折率と前記第2の円偏光に対する屈折率との差を△n(λ)とすると、△n(λ 1 )>△n(λ 2 )を満たし、かつ、△n(λ 2 )≒0である前記旋光性材料と、前記第1波長λ において前記第1の円偏光に対する前記旋光性材料の屈折率と略等しい屈折率を有する光学的等方材料と、を含み、前記旋光性材料と前記光学的等方材料のいずれか一方の材料を用いて、断面形状が周期的な凹凸を有する格子形状に加工された格子と、少なくともその加工された前記格子の凹部に他方の材料が充填された構成からなる第の偏光性回折素子を提供する。
上記構成によれば、少なくとも2つの波長の異なる入射光にのうちの少なくとも1つの
波長に対して入射光の偏光状態に関わらず回折することなく直進透過(第1の偏光性回折素子)または回折(第7の偏光性回折素子)し、それと波長の異なる入射光に対しては第1の円偏光と第2の円偏光で回折効率が異なる偏光依存性が発現する。このため、光利用効率の高い波長選択性の偏光性回折素子が実現する。
さらに、第の偏光性回折素子において、前記旋光性材料は、螺旋軸方向が厚さ方向に揃っているとともに、前記第1の円偏光に対して少なくとも2つの波長の異なる入射光のすべての波長を反射波長の対象として含まない前記反射波長帯域を有し、かつ、少なくとも2つの波長の異なる入射光のなかで、最も短い入射波長よりも長波長であり、最も長い入射波長よりも短波長である反射波長帯となる螺旋ピッチを有するコレステリック相液晶より構成されている第10の偏光性回折素子を提供する。
上記構成によれば、コレステリック相液晶の螺旋ピッチ調整により規定される円偏光選択反射波長帯域に対して、短波長域および長波長域において発現する大きな旋光性の相違を利用した光利用効率の高い波長選択性の偏光性回折素子が実現する。
さらに、第10の偏光性回折素子において、前記コレステリック相液晶がコレステリック相高分子液晶からなり、その螺旋軸方向が厚さ方向に揃っているとともに、前記第1の円偏光に対して少なくとも2つの波長の異なる入射光のすべての波長を反射波長の対象として含まない前記反射波長帯域を有し、かつ、少なくとも2つの波長の異なる入射光のなかで、最も短い入射波長よりも長波長であり、最も長い入射波長よりも短波長である反射波長帯となる螺旋ピッチを有するコレステリック相高分子液晶より構成されている第11の偏光性回折素子を提供する。
上記構成によれば、コレステリック相高分子液晶は固体であるため、コレステリック相低分子液晶に比べて分子配向が安定化され、温度変化などの環境変化に対する特性変動が少ない偏光性回折素子が実現できる。また、セル内に密封する必要がないため、作製プロセスが簡略化できる。
また、本発明は、少なくとも2つの波長の異なる光を出射する少なくとも2つの半導体レーザと、この半導体レーザからの出射光を光記録媒体に集光する対物レンズと、前記光記録媒体で反射された光のうち少なくとも1つの波長の光を回折するビームスプリッタと、前記回折された前記波長の光を検出する光検出器とを備え、前記光記録媒体の記録及び/又は再生を行う光ヘッド装置であって、
前記ビームスプリッタは、第1から11のいずれかの偏光性回折素子を含む光ヘッド装置を提供する。
上記構成によれば、少なくとも1つの波長に対しては、光利用効率の高い偏光ビームスプリッタとして機能し、少なくとも1つの入射光に対しては、入射偏光に依存しない光損失の少ない直進光透過素子として機能する。その結果、使用波長の異なる光ディスクに対して安定した記録再生を行う小型の光ヘッド装置が実現できる。
さらに、前記光ヘッド装置において、前記ビームスプリッタは、格子ピッチおよび格子角度が格子形成面内で分布したホログラムパターンからなるホログラムビームスプリッタである
上記構成によれば、小型でレンズ機能などを付加した設計自由度の高いビームスプリッタが形成できるので、高精度で記録・再生を行うことができる小型の光ヘッド装置が実現できる。
本発明によれば、第1の円偏光と第2の円偏光の入射光に対して、第1波長λ1では回折効率が異なる偏光依存性が発現し、第2波長λ2では回折効率が略等しく偏光依存性が発現しない波長偏光選択性の回折効率特性を有する偏光性回折素子を提供できる。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態である偏光性回折素子10の断面図を示すものであり、この偏光性回折素子10は、透光性基板11、12と、この透光性基板11、12間に設けた高分子液晶からなる格子(以下、これを「高分子液晶格子」とよぶ)13および充填材14とを備えている。
このうち、透光性基板11、12は、均一屈折率を有するガラス等の透光性材料で形成されている。
ここで、高分子液晶格子13の高分子液晶層は、例えばカイラル材が含有された常光屈折率n。で異常光屈折率neのネマティック液晶モノマ材料を均一に塗布して形成しており、カイラル材を含有させることにより、液晶層の厚さ方向(Z方向)に螺旋軸を有する螺旋構造のねじれ配向を成すコレステリック相液晶を形成できる。
一方、充填材14は、後に詳述するが、所要の屈折率を有する等方性光学材料からなるものを用いる。
(1)初めに、透光性基板11上に、例えばカイラル材が含有された常光屈折率n。で異常光屈折率neのネマティック液晶モノマ材料を均一に塗布して形成する。
これにより、カイラル材に対応して液晶層の厚さ方向(Z方向)に螺旋軸を有する螺旋構造のねじれ配向を成すコレステリック相液晶が形成される。このコレステリック相液晶状態で紫外線照射などを行うことで、モノマ液晶を重合硬化させれば、ねじれ配向が固定したコレステリック相高分子液晶が形成される。
ここで、高分子液晶格子13を構成するコレステリック相高分子液晶は、その厚さ方向(Z方向)から垂直入射する入射光のうち、液晶の螺旋ピッチPと液晶層の平均屈折率n=(n。+ne)/2の積に相当する中心波長λ0、つまり、
λ0=P・(n。+ne)/2
近傍の波長帯域(反射波長帯域)の光に対して、液晶のねじれ方向と同じ回転方向を有する第1の円偏光を反射させるとともに、液晶のねじれ方向と逆向きの回転を有する第2の円偏光を透過させる特性を有する。
ここで、第1の円偏光の反射波長帯域R1は、螺旋ピッチPと液晶材料の複屈折n=ne−n。との積、つまり
1=P・(ne−n。)
に相当する。
ところで、この反射波長帯域R1の近傍の透過波長λ1の光において、第1の円偏光に対してのみ大きな旋光分散(波長により旋光性が異なる現象)が発生するが、その程度は前述の波長λ1と比べ、反射波長帯域R1から隔たった波長λ2の入射光ほど旋光分散が減少する。
一方、反射波長帯域の存在しない第2の円偏光に対しては、前述の波長λ1および波長λ2の入射光において、小さな旋光分散となっている。
例えば、波長λの入射光において、コレステリック相高分子液晶の第1の円偏光に対する屈折率をn1(λ)、第2の円偏光に対する屈折率をn2(λ)とし、その差(屈折率差)を△n12(λ)、すなわち、
△n12(λ)=|n1(λ)−n2(λ)|
とすると、
i)波長λ2での屈折率差△n12(λ2)は、ゼロに近い小さな値、すなわち、
△n12(λ2)=|n1(λ2)−n2(λ2)|
≒0 ・・・(1)
ii)また、波長λ1での屈折率差△n12(λ1)は、大きな値、すなわち、
△n12(λ1)=|n1(λ1)−n2(λ1)|
>△n12(λ2) ・・・(2)
となる。
(2)次に、透光性基板11上に形成された、高分子液晶格子13を構成するコレステリック相高分子液晶を、断面が凹凸格子形状で凹部の深さがdの格子となるよう加工する。例えば図1では、凸部を矩形断面形状に加工した例を示すが、これ以外に、例えば鋸波形状または鋸波形状を階段状に近似したいわゆる擬似ブレーズド格子としてもよい。
この格子形状加工法の例としては、フォトリソグラフィによりコレステリック相高分子液晶層上にレジストをパターニングした後、反応性イオンエッチングによりコレステリック相高分子液晶をバターニング加工することにより、ミクロンレベルの微細格子形状に加工することもできる。また、金型を用いた成形や転写或いは紫外線干渉露光などによる加工法を用いてもよい。
(3)次に、透明な充填材14を用いて前述した高分子液晶格子13の少なくとも凹部を埋めるように充填するとともに、この充填材14の上から透光性基板12を接着・狭持し、偏光性回折素子10とする。この充填材14は、光学的等方材料で有れば何れでもよいが、紫外線照射により重合・固化する光学接着材を用いることが好ましい。
さらに、この充填材14には、波長λ1および波長λ2の入射光において、第2の円偏光に対するコレステリック相高分子液晶の屈折率と略等しい屈折率を有する等方性光学材料からなるものを用いる。
これにより、波長λ1と波長λ2の入射光において、第1の円偏光に対する高分子液晶格子13と充填材14との屈折率差は、コレステリック相高分子液晶の第1の円偏光と第2の円偏光とに対する前述の屈折率差△n12(λ1)および△n12(λ2)に相当する。
[1].第1の円偏光の入射光について:
i)すなわち、波長λ1の第1の円偏光に対する高分子液晶格子13と充填材14との屈折率差△n1(λ1)は、コレステリック相高分子液晶の波長λ1の第1および第2の円偏光に対する前述した屈折率差△n12(λ1)、つまり
△n1(λ1)=△n12(λ1
=|n1(λ1)−n2(λ1)|
>△n12(λ2)(∵(2)式より) ・・・(3)
に相当する。
ii)同様に、波長λ2の第1の円偏光に対する高分子液晶格子13と充填材14との屈折率差△n1(λ2)は、コレステリック相高分子液晶の第1および第2の円偏光に対する前述の屈折率差△n12(λ2)、つまり
△n1(λ2)=△n12(λ2
=|n1(λ2)−n2(λ2)|
≒0(∵(1)式より) ・・・(4)
に相当する。
なお、△n1(λ2)は、前述の△n1(λ1)に対して、20%以下の値であれば、波長λ2において、高分子液晶格子13と充填材14の屈折率は略等しいといえる。
[2].第2の円偏光の入射光について:
また、波長λ1および波長λ2の入射光において、第2の円偏光に対する高分子液晶格子13と充填材14との屈折率差△n2(λ1)および△n2(λ2)は生じない。すなわち、
△n2(λ1)=△n2(λ2)≒0 ・・・(5)
である。
次に、図2を用いて、第1の実施形態に係る偏光性回折素子10の作用を説明する。
[1].第1の円偏光の入射光について:
第1の円偏光の入射光に対しては、
i)例えば波長λ2については、高分子液晶格子13と充填材14との屈折率差△n1(λ2)が(4)式からゼロに近い小さな値である。このため、図2(A)に示すように回折光は生じることなく偏光性回折素子10を直進透過する。
ii)また、波長λ1については、その屈折率差△n1(λ1)が(3)式から有限な値であるため、図2(A)に示すように回折光が発生する。このとき、波長λ1に対して±1次回折効率を最大とするためには、次式
d=λ1/(2・△n1(λ1)) ・・・(6)
但し、
d;高分子液晶格子13の凹部の深さ
△n1(λ1);波長λ1の第1の円偏光に対する高分子液晶格子13と充填材14との屈折率差を満たすように、コレステリック相高分子液晶からなる高分子液晶格子13の凹部深さdを加工すればよい。
なお、鋸波断面形状の場合は、高分子液晶格子13の凹部深さdが次式
d=λ1/△n1(λ1) ・・・(7)
を満たすときに+1次回折効率が最大になる。
[2].第2の円偏光の入射光について:
一方、第2の円偏光の入射光に対しては、波長λ1および波長λ2何れの波長の場合でも、前述のように高分子液晶格子13と充填材14との屈折率差△n2(λ1)および△n2(λ2)は(5)式から僅かである。このため、図2(B)に複式的に示すように、波長λ1および波長λ2の何れの波長であっても、回折光が生じることなく、偏光性回折素子10を直進透過する。
以上、説明してきたように、図1に示す偏光性回折素子10では、高分子液晶格子13を構成するコレステリック相高分子液晶を格子の形状に加工した後、その格子の凹部に光学的等方材料からなる充填材14を充填した構成としたが、別の構成、例えば次に説明する第2の実施形態のような構成としてもよい。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態である偏光性回折素子について、図3に示す断面図を用いて以下に説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
第2の実施形態の偏光性回折素子20では、図3に示すように、光学的等方材料を用いて断面が凹凸形状の格子(以下、これを「等方性格子」とよぶ)21に加工した後、少なくともその格子の凹部に、高分子安定化ブルー相液晶22を充填する点が、第1の実施形態とは異なる。
等方性格子21は、透光性基板11の表面を直接加工して形成してもよいし、透光性基板11上にSiON等の無機材料膜またはポリイミドや紫外線硬化樹脂などの有機材料膜を成膜した後、格子形状にエッチング加工してもよい。
一方、高分子安定化ブルー相液晶22に用いられる材料および作製方法については、前述の[背景技術]の欄で説明したように非特許文献2に記載の通りであるので、これを参照されたい(具体的には、例えば64〜65頁参照)。
第2の実施形態の偏光性回折素子20によれば、高分子安定化ブルー相液晶22は、コレステリック相液晶に比べ反射波長帯域R1の幅が一般に狭いため、波長λ1と波長λ2の波長間隔が小さな場合でも、光利用効率の高い波長選択性の偏光性回折素子が実現する。
なお、本実施形態では、光学的等方材料を用いて断面が凹凸形状の等方性格子21に加工した後、少なくともその凹部に高分子安定化ブルー相液晶22を充填したが、コレステリック相液晶23(図1に示す第1の実施形態では、このコレステリック相液晶を高分子液晶格子13として用いている。)を充填してもよい。なお、このときのコレステリック相液晶は、低分子液晶でもよいし高分子液晶としてもよいが、低分子液晶の場合は、シール材(図示せず)を用いて液晶を密封保持する。
[第3の実施形態]
次に、第1の実施形態の偏光性回折素子10に波長選択性回折素子と位相板を積層した本発明の第3の実施形態である偏光性回折素子50について、図4に示す断面図を用いて以下に説明する。なお、本実施形態においても、第1、第2の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
本実施形態の偏光性回折素子50は、後述する位相板43を有する光学素子(以下、これを「位相子」とよぶ)40と、波長選択性回折素子30と、第1の実施形態の偏光性回折素子10とを一体に備えている。なお、これら波長選択性回折素子30と偏光性回折素子10は、高分子液晶格子13および格子32がホログラムパターンからなる、ホログラムビームスプリッタとしてもよい。
このうち、波長選択性回折素子30は、透光性基板31と、格子32と、充填材33と、透光性基板34(11)とを備えている。即ち、透光性基板31の片側表面には、波長λ1よりも短い波長域に光の吸収端を有する有機物顔料を含む光学的等方材料からなり、断面形状が周期的な凹凸形状の格子(以下、「短波長吸収格子」とよぶ)32を形成している。また、この短波長吸収格子32の凹部には、波長λ1の光に対しては短波長吸収格子32と同じ屈折率を有するとともに、波長λ2の光に対しては短波長吸収格子32と異なる屈折率を有する充填材33を充填している。また、充填材33の外面には、偏光性回折素子10での透光性基板11を兼用する透光性基板34を接着している。
このようにして形成された波長選択性回折素子30は、本願出願人と同一出願人により出願されている特開2002−318306に記載の発明と同一の構成および機能を有する(例えば、P5[0032]〜[0038]、図1参照)。
一方、位相子40は、波長選択性回折素子30の透光性基板31を兼用する透光性基板42と透光性基板41により狭持した位相板43と備えている。
位相板43は、少なくとも波長λlの光に対して複屈折位相差がπ/2すなわち1/4波長板として機能する。この位相板43としては、水晶やルチル結晶などの無機複屈折材料を平板状に加工して用いてもよいし、ポリカーポネート膜を延伸して複屈折性を発現させたものを用いてもよいし、配向方向が面内で揃った液晶や高分子液晶などの有機複屈折材料を用いてもよい。また、複屈折位相差が異なる2種の複屈折材料をその遅相軸方向が所定の角度を成すように積層することにより、波長λlおよび波長λ2に対して、1/4波長板として機能する位相板43としてもよい。この場合、波長λ1および波長λ2の直線偏光の入射光を何れも円偏光に変換する。なお、本実施形態の偏光性回折素子50では、波長λ1および波長λ2に対して1/4波長板として機能する高分子液晶からなる位相板43を用いた例を示す。
次に、本実施形態の偏光性回折素子50の作用について説明する。
(I)波長λ1の光について:
このようにして得られた偏光性回折素子50において、透光性基板41側から、Y軸方向の偏光面を有する波長λ1の直線偏光がZ方向に平行に入射したとき、位相板43で第2の円偏光に変換されて波長選択性回折素子30に入射する。この波長λ1の光に対して短波長吸収格子32と充填材33は同じ屈折率を有するため、波長λ1の光は、ここで回折されることなく直進透過し、偏光性回折素子10に入射する。次に、この波長λ1の光は、図2(B)に示すように、偏光性回折素子10では回折されることなく、直進透過して透光性基板12側から出射する。
また、透光性基板12側から偏光性回折素子10に、波長λ1の第1の円偏光(ここでの第1の円偏光は、第2の円偏光が光ディスクD(図5参照)で反射して形成される)が入射したとき、図2(A)に示すように、偏光性回折素子10における高分子液晶格子13の凹部の深さdに応じて、回折光が発生し、波長選択性回折素子30に入射する。これらの回折光は、波長λ1であるので、波長λ2の光に対してのみ回折機能を有する波長選択性回折素子30で回折されることなく透過し、さらに位相板43を透過してX軸方向に偏光面を有する直線偏光となり、透光性基板41側から出射する。
したがって、透光性基板41側からY軸方向に偏光面を有する波長λ1の直線偏光が入射した場合、本実施形態の偏光性回折素子50(位相板43)で第2の円偏光に変換されて光損失なく直進透過する。さらに、この第2の円偏光が、光ディスクDなどの反射面により反射されて第1の円偏光となって透光性基板12側から再入射すると、偏光性回折素子10で回折光が発生し、その後、位相板43でX軸方向に偏光面を有する直線偏光となって透光性基板41側から出射する。
(II)波長λ2の光について:
一方、透光性基板41側からX軸またはY軸方向に偏光面を有する波長λ2の直線偏光がZ方向に入射したとき、この波長λ2の直線偏光は、位相板43により第1または第2の円偏光に変換されて波長選択性回折素子30に入射する。ところが、この波長選択性回折素子30では、波長λ2の光に対しては短波長吸収格子32と充填材33の屈折率が異なる。このため、短波長吸収格子32の凹部の深さに応じて、直進透過光(0次回折光)以外に±1次回折光が発生する。
次に、これらの回折光は、波長λ2であるので、波長λ1(の第1円偏光)のみを回折する機能を有する偏光性回折素子10に入射すると、第1または第2の円偏光のいずれであっても、図2(A)または(B)に示すように回折されることなく透過し、透光性基板12側から出射する。
その後、波長λ2の円偏光は、光ディスクなどの反射面により反射されると、第1の円偏光は第2の円偏光に、第2の円偏光は第1の円偏光となる。そして、この波長λ2の円偏光が、透光性基板12側から入射すると、偏光性回折素子10で回折されることなく直進透過する。その後、波長選択性回折素子30で回折光が発生し、さらに、位相板43で入射時と直交する(Y軸方向またはX軸方向の)偏光面を有する直線偏光となって透光性基板41側から出射する。
従って、波長λ1の直線偏光入射光に対しては、偏光性回折素子10が偏光性回折格子として機能し、波長λ2の直線偏光入射光に対しては、波長選択性回折素子30が入射光の偏光状態に依存しない回折格子として機能する。また、本実施形態の偏光性回折素子50を往復した波長λ1および波長λ2の光は、元の直線偏光と直交する偏光面の直線偏光となる。
[第4の実施形態]
次に、図4に示した偏光性回折素子50を搭載した本発明の光ヘッド装置60について、その配置構成を模式的に示した図5を用いて、以下に詳細に説明する。
本実施形態の光ヘッド装置60は、半導体レーザ1および光検出器2と、偏光性回折素子50と、コリメータレンズ3と、対物レンズ4とを備えており、光ディスクDの記録および再生を行うように構成されている。
半導体レーザ1は、Y軸方向に偏光面を有する波長λ1および波長λ2の2つの発光点を有し、出射光の波長λ1とλ2を切り換えて用いる2波長用半導体レーザで構成されている。この半導体レーザ(以下、「2波長用半導体レーザ」とよぶ)1は、波長λ1が660nm±20nmのDVD波長域のレーザ光と、波長λ2が790nm±20nmのCD波長域のレーザ光とを出射するものであり、それぞれのレーザ発光点が100μm程度の間隔に配置されている。
なお、この2波長用半導体レーザ1は、光検出器2とともに単一のパッケージU内に配置されており、本発明の第3の実施形態である偏光性回折素子50がそのパッケージUの光入出射側に一体化配置された光ユニットとして用いる。
次に、本実施形態の光ヘッド装置60の作用を説明する。
2波長用半導体レーザ1から出射し、偏光性回折素子50を直進透過した波長λ1および波長λ2の発散光は、コリメータレンズ3により略平行光となり、対物レンズ4により光ディスクDの情報記録面に集光され、この情報記録面で反射され戻り光となる。この戻り光は、偏光性回折素子50により回折されて光検出器2の受光面へ導かれ、光ディスクDの記録情報が電気信号に変換される。
i)波長λ1の直線偏光の場合:
具体的には、2波長用半導体レーザ1から出射したY軸方向に偏光面を有する波長λ1の直線偏光は、偏光性回折素子50内の位相板43で第2の円偏光となる。その後、第2の円偏光の全てが偏光性回折素子50を直進透過し、DVD用の光ディスクDの情報記録面に集光するとともに反射されて第1の円偏光となり、偏光性回折素子50に再入射する。
その後、この波長λ1の第1の円偏光(戻り光)は、偏光性回折素子50内の偏光性回折素子10(図4参照)によって回折され、1次回折光が光検出器2の受光面に集光される。また、この波長λ1の第1の円偏光(戻り光)のうち偏光性回折素子10を直進透過した0次回折光は、X軸方向に偏光面を有する直線偏光となって、2波長用半導体レーザ1の発光点に入射する。
ii)波長λ2の直線偏光の場合:
一方、2波長用半導体レーザ1から出射し偏光性回折素子50に入射するY軸方向に偏光面を有する波長λ2の直線偏光のうち、偏光性回折素子50内の波長選択性回折素子30(図4参照)で回折された±1次回折光は、コリメータレンズ3および対物レンズ4によって、CD用の光ディスクDの情報記録面には集光されない。
他方、前述の波長λ2の直線偏光のうち、偏光性回折素子10に対して直進透過する0次回折光(この0次回折光も、位相板43で既に第2の円偏光となっている。)は、コリメータレンズ3および対物レンズ4によってCD用の光ディスクDの情報記録面に集光され、反射された後、第1の円偏光となって偏光性回折素子50に再入射し、偏光性回折素子10を透過する。
その後、この波長λ2の入射光の一部が、偏光性回折素子50内の波長選択性回折素子30によって回折され、1次回折光が光検出器2の受光面に集光される。なお、波長選択性回折素子30での直進透過光である0次回折光は、X軸方向に偏光面を有する直線偏光となって2波長用半導体レーザ1の発光点に入射する。
したがって、偏光性回折素子50は、DVD用の波長λ1に対して、偏光性回折格子として作用し、光ディスクDヘと集光される往路において光損失が生じないとともに、光検出器2へと集光される復路において高い回折効率が得られる偏光ビームスプリッタとして機能する。
また、この偏光性回折素子50は、CD用の波長λ2に対して、入射光の偏光状態に依存しない回折格子として作用し、カバー層がDVD用に比べて2倍厚いために残留複屈折が比較的大きなCD用の光ディスクDに対しても、回折効率の変動がないため、安定した光検出が実現するビームスプリッタとして機能する。
また、この偏光性回折素子50によれば、波長λ1および波長λ2に対して独立に偏光性回折素子10および波長選択性回折素子30の格子パターンを作製できるため、回折角および回折効率を制御できる。その結果、2波長用半導体レーザ1とDVD/CD共通の光検出器2が一つのパッケージU内に配置された単一の光ユニットを用いて、DVD用およびCD用の光ディスクDの安定した記録および再生が実現する。
さらに、2波長用半導体レーザ1の発光点への戻り光は、発振光と直交する偏光方向の直線偏光となっているので、発振光との干渉を回避できるため安定したレーザ出射光強度が得られる。
本実施形態では、偏光性回折素子10と、波長選択性回折素子30と、位相子40とが一体化された偏光性回折素子50を用いた光ヘッド装置60について説明したが、各要素を分離配置した構成としてもよい。なお、実際の光ヘッド装置においては、対物レンズをY軸およびZ軸方向に移動するアクチュエータやトラッキング制御用の回折光を発生する回折格子などが使用されるが、本発明と直接関係しないため説明を省略した。
また、フォーカス信号やトラッキング信号を得るため、光検出器2の受光面は複数に分割され、それぞれの受光面に偏光性回折素子50による回折光が集光されるように、偏光性回折素子10および波長選択性回折素子30の格子パターンを空間分割して用いることが多い。
上記実施形態では、断面形状が周期的な凹凸状の回折格子について説明したが、回折格子の構成に限定されない。例えば、コレステリック相液晶などの旋光性材料の膜厚が面内で空問的に分布した素子としてもよい。この場合、旋光性材料の膜厚分布に応じて、特定の波長域において第1の円偏光成分の透過波面のみを変化させる波長および偏光選択性の波面変換素子となる。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態である偏光性回折素子について、図6に示す断面図を用いて以下に説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
第5の実施形態の偏光性回折素子70では、高分子液晶格子を形成する材料として、実施形態1よりも短い螺旋ピッチを有するコレステリック相高分子液晶を用いることが、異なる。
螺旋ピッチにより決定される前述の反射波長帯域よりも十分に離れた透過波長λの光および透過波長λの光に対しては第1の円偏光と第2の円偏光との屈折率は略等しくなる。これに対して、反射波長帯域よりも短波長側では、長波長側と比較して相対的に大きな屈折率差が発生する。例えば、反射波長帯域よりも短波長側の波長をλとし、反射波長帯域よりも十分に長波長側の波長を、λおよびλとし、前述と同様にコレステリック相高分子液晶の第1の円偏光に対する屈折率をn1(λ)、第2の円偏光に対する屈折率をn2(λ)とし、その差(屈折率差)を△n12(λ)、すなわち、
△n12(λ)=|n1(λ)−n2(λ)|
とすると、
i)波長λ2およびλでの屈折率差△n12(λ2)および△n12(λ)は、ゼロに近い小さな値、すなわち、
△n12(λ2)=|n1(λ2)−n2(λ2)|
≒0 ・・・(8)
△n12(λ3)=|n1(λ3)−n2(λ3)|
≒0 ・・・(9)
但し、 △n12(λ2)>△n12(λ3

ii)また、波長λ1での屈折率差△n12(λ1)は、大きな値、すなわち、
△n12(λ1)=|n1(λ1)−n2(λ1)|
>△n12(λ2) ・・・(10)
となる。
第1の実施形態と同様に、透光性基板11上に形成された、高分子液晶格子73を構成するコレステリック相高分子液晶を、断面が凹凸格子形状で凹部の深さがdの格子となるよう加工し、透明な充填材74を用いて前述した高分子液晶格子73の少なくとも凹部を埋めるように充填するとともに、この充填材74の上から透光性基板12を接着・狭持し、偏光性回折素子70とする。この充填材74には、波長λ1、λ2および波長λ3の入射光において、第2の円偏光に対するコレステリック相高分子液晶の屈折率と略等しい屈折率を有する等方性光学材料からなるものを用いる。
これにより、波長λ1、λ2および波長λ3の入射光において、第1の円偏光に対する高分子液晶格子73と充填材74との屈折率差は、コレステリック相高分子液晶の第1の円偏光と第2の円偏光とに対する前述の屈折率差△n12(λ1)、△n12(λ2)および△n12(λ3)に相当する。
[1].第1の円偏光の入射光について:
i)すなわち、波長λ1の第1の円偏光に対する高分子液晶格子73と充填材74との屈折率差△n1(λ1)は、コレステリック相高分子液晶の波長λ1の第1および第2の円偏光に対する前述した屈折率差△n12(λ1)、つまり
△n1(λ1)=△n12(λ1
=|n1(λ1)−n2(λ1)|
>△n12(λ2)(∵(10)式より) ・・・(11)に相当する。
ii)同様に、波長λ2、波長λ3の第1の円偏光に対する高分子液晶格子73と充填材74との屈折率差△n1(λ2)、△n1(λ3)は、コレステリック相高分子液晶の第1および第2の円偏光に対する前述の屈折率差△n12(λ2)および△n12(λ3)、つまり
△n1(λ2)=△n12(λ2
=|n1(λ2)−n2(λ2)|
≒0(∵(8)式より) ・・・(12)
ならびに
△n1(λ3)=△n12(λ3
=|n1(λ3)−n2(λ3)|
≒0(∵(9)式より) ・・・(13)
に相当する。
なお、△n1(λ2)および△1(λ3)は、前述の△n1(λ1)に対して、20%以下の値であれば、波長λ2および波長λ3において、高分子液晶格子73と充填材74の屈折率は略等しいといえる。
[2].第2の円偏光の入射光について:
また、波長λ1、波長λ2および波長λ3の入射光において、第2の円偏光に対する高分子液晶格子73と充填材74との屈折率差△n2(λ1)、△n2(λ2)(λ1)および△n(λ3)は生じない。すなわち、
△n2(λ1)=△n2(λ2)=△n(λ3
≒0 ・・・(14)
である。
次に、図7を用いて、第5の実施形態に係る偏光性回折素子70の作用を説明する。
[1].第1の円偏光の入射光について:
第1の円偏光の入射光に対しては、
i)例えば波長λ2および波長λ3については、高分子液晶格子73と充填材74との屈折率差△n1(λ2)および△n1(λ3)が(12)式および(13)式からゼロに近い小さな値である。このため、図7(A)に示すように回折光は生じることなく偏光性回折素子70を直進透過する。
ii)また、波長λ1については、その屈折率差△n1(λ1)が(11)式から有限な値であるため、図7(A)に示すように回折光が発生する。このとき、波長λ1に対して±1次回折効率を最大とするためには、次式
d=λ1/(2・△n1(λ1)) ・・・(15)
但し、
d;高分子液晶格子73の凹部の深さ
△n1(λ1);波長λ1の第1の円偏光に対する高分子液晶格子73と充填材74との屈折率差を満たすように、コレステリック相高分子液晶からなる高分子液晶格子73の凹部深さdを加工すればよい。
なお、鋸波断面形状の場合は、高分子液晶格子73の凹部深さdが次式
d=λ1/△n1(λ1) ・・・(16)
を満たすときに+1次回折効率が最大になる。
[2].第2の円偏光の入射光について:
一方、第2の円偏光の入射光に対しては、波長λ1、波長λ2および波長λ3何れの波長の場合でも、前述のように高分子液晶格子73と充填材74との屈折率差△n2(λ1)、△n2(λ2)および△n2(λ3)は(14)式から僅かである。このため、図7(B)に複式的に示すように、波長λ1、波長λ2および波長λ3の何れの波長であっても、回折光が生じることなく、偏光性回折素子70を直進透過する。
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態である偏光性回折素子について、図8に示す断面図を用いて以下に説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
第6の実施形態の偏光性回折素子80では、高分子液晶格子を充填する材料として、実施形態5の充填材とは屈折率の異なる充填材を用いることが、実施形態5と異なる。
前述と同様にコレステリック相高分子液晶の第1の円偏光に対する屈折率をn1(λ)、第2の円偏光に対する屈折率をn2(λ)とし、充填材の屈折率をnS(λ)とする。第1の円偏光および第2の円偏光に対する充填材との屈折率の差をそれぞれ、△n1-S(λ)、△n1-S(λ)とする。
すなわち、
△n1-S(λ)=|n1(λ)−ns(λ)|
△n2-S(λ)=|n2(λ)−ns(λ)|
とする。波長λ1において充填材の屈折率nS(λ1)と、第1の円偏光に対する屈折率をn1(λ1)が略一致するように選ぶ。
i)波長λ1での第1の円偏光および第2の円偏光対する充填材と高分子液晶格子の屈折率差△n1-S(λ)、△n2-S(λ)は、第1の円偏光に対しては、ゼロに近い小さな値となり、第2の円偏光に対しては(11)式より有意な値を持つ、すなわち、
△n1-S(λ1)=|n1(λ1)−nS(λ1)|
≒0 ・・・(17)
△n2-S(λ1)=|n2(λ1)−nS(λ1)|
>△n1-S(λ1) ・・・(18)
ii)また、波長λ2および波長λ3での第1の円偏光および第2の円偏光に対する充填材と高分子液晶格子の屈折率差△n1-S(λ)、△n2-S(λ)は、(12)式および(13)式より略等しい有意な値を持つ、すなわち、
△n1-S(λ2)=|n1(λ2)−nS(λ2)|
≒|n2(λ2)−nS(λ2)|
=△n2-S(λ2) ・・・(19)
△n1-S(λ3)=|n1(λ3)−nS(λ3)|
≒|n2(λ3)−nS(λ3)|
=△n2-S(λ3) ・・・(20)
となる。
第1の実施形態と同様に、透光性基板11上に形成された、高分子液晶格子83を構成するコレステリック相高分子液晶を、断面が凹凸格子形状で凹部の深さがdの格子となるよう加工し、透明な充填材84を用いて前述した高分子液晶格子83の少なくとも凹部を埋めるように充填するとともに、この充填材84の上から透光性基板12を接着・狭持し、偏光性回折素子80とする。この充填材84には、波長λ1の入射光において、第1の円偏光に対するコレステリック相高分子液晶の屈折率と略等しい屈折率を有する等方性光学材料からなるものを用いる。
これにより、波長λ1、λ2および波長λ3の入射光において、第1の円偏光に対する高分子液晶格子83と充填材84との屈折率差は、△n1-S(λ1)、△n1-S(λ2)ならびに△n1-S(λ3)に相当し、第1の円偏光に対する高分子液晶格子83と充填材84との屈折率差は、△n2-S(λ1)、△n2-S(λ2)ならびに△n2-S(λ3)に相当する。
この場合の作用を、図9を用いて説明する。
[1].第1の円偏光の入射光について:
第1の円偏光の入射光に対しては、
i)例えば波長λ1については、高分子液晶格子83と充填材84との屈折率差△n1-S(λ1)が(17)式に示すようにゼロに近い小さな値である。このため、図9(A)に示すように回折光は生じることなく偏光性回折素子80を直進透過する。
ii)また、波長λ2および波長λ3については、その屈折率差△n1-S(λ2)および△n1-S(λ3)が(19)式および(20)式に示すように有限な値であるため、図9(A)に示すように回折光が発生する。
[2].第2の円偏光の入射光について:
一方、第2の円偏光の入射光に対しては、波長λ1、波長λ2および波長λ3何れの波長の場合でも、高分子液晶格子83と充填材84との屈折率差△n2-S(λ1)、△n2-S(λ2)および△n2-S(λ3)は有意な値を持つ。このため、図9(B)に複式的に示すように、波長λ1、波長λ2および波長λ3の何れの波長であっても、偏光性回折素子80で回折光が発生する。
本構成にすることで、第1の円偏光に対して、入射する波長のうちの1つでのみ回折光が発生しない素子を実現することが可能となる。
[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態である偏光性回折素子について、図10に示す断面図を用いて以下に説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
第7の実施形態の偏光性回折素子90では、高分子液晶格子を形成する材料として、実施形態1ならびに実施形態5とは異なる螺旋ピッチを有するコレステリック相高分子液晶を用いることが、異なる。
螺旋ピッチにより決定される前述の反射波長帯域よりも十分に離れた透過波長λの光に対しては第1の円偏光と第2の円偏光との屈折率は略等しくなる。これに対して、反射波長帯域よりも短波長側である透過波長λ1ならびに反射波長帯域の長波長側近傍の透過波長λ2では、透過波長λと比較して相対的に大きな屈折率差が発生する。前述と同様にコレステリック相高分子液晶の第1の円偏光に対する屈折率をn1(λ)、第2の円偏光に対する屈折率をn2(λ)とし、その差(屈折率差)を△n12(λ)、すなわち、
△n12(λ)=|n1(λ)−n2(λ)|
とすると、
i)波長λでの屈折率差△n12(λ)は、ゼロに近い小さな値、すなわち、
△n12(λ3)=|n1(λ3)−n2(λ3)|
≒0 ・・・(21)
ii)また、波長λ1および波長λ2での屈折率差△n12(λ1)および△n12(λ2)は、大きな値、すなわち、
△n12(λ1)=|n1(λ1)−n2(λ1)|
>△n12(λ3) ・・・(22)
△n12(λ2)=|n1(λ2)−n2(λ2)|
>△n12(λ3) ・・・(23)
となる。
第1の実施形態と同様に、透光性基板11上に形成された、高分子液晶格子93を構成するコレステリック相高分子液晶を、断面が凹凸格子形状で凹部の深さがdの格子となるよう加工し、透明な充填材94を用いて前述した高分子液晶格子93の少なくとも凹部を埋めるように充填するとともに、この充填材94の上から透光性基板12を接着・狭持し、偏光性回折素子90とする。この充填材94には、波長λ1、λ2および波長λ3の入射光において、第2の円偏光に対するコレステリック相高分子液晶の屈折率と略等しい屈折率を有する等方性光学材料からなるものを用いる。
これにより、波長λ1、λ2および波長λ3の入射光において、第1の円偏光に対する高分子液晶格子93と充填材94との屈折率差は、コレステリック相高分子液晶の第1の円偏光と第2の円偏光とに対する前述の屈折率差△n12(λ1)、△n12(λ2)および△n12(λ3)に相当する。
この場合の作用を、図11を用いて説明する。
[1].第1の円偏光の入射光について:
第1の円偏光の入射光に対しては、
i)例えば波長λ3については、高分子液晶格子93と充填材94との屈折率差△n1(λ3)が(21)式に示すようにゼロに近い小さな値である。このため、図11(A)に示すように回折光は生じることなく偏光性回折素子90を直進透過する。
ii)また、波長λ1および波長λ2については、その屈折率差△n1(λ1)および△n1(λ2)が(22)式および(23)式に示すように有限な値であるため、図11(A)に示すように回折光が発生する。
[2].第2の円偏光の入射光について:
一方、第2の円偏光の入射光に対しては、波長λ1、波長λ2および波長λ3何れの波長の場合でも、前述の実施形態と同様に高分子液晶格子93と充填材94との屈折率差△n2(λ1)、△n2(λ2)および△n2(λ3)は僅かである。このため、図11(B)に複式的に示すように、波長λ1、波長λ2および波長λ3の何れの波長であっても、回折光が生じることなく、偏光性回折素子90を直進透過する。
本構成にすることで、入射する波長のうちの1つでのみ入射する偏光によらず回折光が発生しない素子を実現することが可能となる。
本発明の偏光性回折格子は、入射する第1の円偏光と第2の円偏光の間で、最も大きな透過・回折特性の差異を有するものであるが、入射する直線偏光に対しても、回折素子としての機能を有する。この場合の作用を、第5の実施形態を例に図12にて説明する。
直線偏光は、略等しい強度の第1の円偏光と第2の円偏光の足し合わせと考えることが可能である。このため、得られる透過・回折特性も、第1の円偏光と第2の円偏光の平均的な特性となる。すなわち、波長λ1に対しては、図12(A)ならびに図12(B)に示すように、紙面に平行な第1の直線偏光に対しても紙面に垂直な第2の直線偏光に対しても、図7(A)に示した第1の円偏光と、図7(B)に示した第2の円偏光に対して生じる各々の透過・回折特性の和に相当する透過・回折特性を示す。波長λ2および波長λ3に対しては、図7(A)ならびに図7(B)に示したように、第1の円偏光と第2の円偏光のいずれに対しても回折光は発生しないため、図12(A)ならびに図12(B)に示すように、第1の直線偏光および第2の直線偏光のいずれでも回折光は発生しない。
この、直線偏光に対する透過・回折特性は、第1の直線偏光および第2の直円偏光に限定されるものではなく、任意の方向に偏光した直線偏光で略等しい回折特性を示す。このように、直線偏光を入射光に用いる場合には、偏光性回折素子の偏光依存性を消失させ、波長選択性のみを利用することも可能である。
本発明の偏光性回折素子およびそれを用いた光ヘッド装置のさらなる特徴については、以下に示す実施例により具体的に説明する。
「例1」
本実施例の偏光性回折素子50について、図4に示す断面図を用いて、その作製方法および構成を具体的に説明する。
[I].偏光性回折素子10について:
(1)この偏光性回折素子10は、第1の実施形態で説明した構成と同一のものであり、高分子液晶格子13としては、高分子化後の常光屈折率n。=151および異常光屈折率ne=1.71で、右回り螺旋ピッチP=0.38μmとなるコレステリック相高分子液晶を用いており、断面が矩形格子形状となるように加工する。このとき、コレステリック相高分子波晶は、第1の円偏光である右回り円偏光に対して中心波長λ0=612nmで、波長帯域75nmの反射帯域R1を示す。
(2)次に、このコレステリック相高分子液晶の平均屈折率n=1.61に相当する屈折率を有する透明接着材からなる充填材14を用いて、高分子液晶格子13の凹部を埋めるとともに、ガラスからなる透光性基板12に接着・固定することにより、偏光性回折素子10が製造される。
ここで、第2の円偏光である左回り円偏光に対するコレステリック相高分子液晶の屈折率n2(λ)は、平均屈折率nに略等しい。4×4の伝播行列法を用いたコレステリック相高分子液晶の透過光偏光成分の理論的な計算から、高分子液晶格子13の凹部の深さを、d=8.8μmとする。これにより、第1の円偏光である右回り円偏光と第2の円偏光である左回り円偏光との透過光の位相差が、波長λ1=660nmに対しては約πで、波長λ2=790nmに対しては約0.14πとなる。
したがって、凹凸形状の凸部(高分子液晶格子13)と凹部(充填材14)の透過光の位相差φ、つまり、次式から算出される位相差
φ=2π・△n(λ)・d/λ ・・・(24)
但し、△n(λ);屈折率差
は、波長λ1において、第1の円偏光である右回り円偏光に対しては約πに相当し、第2の円偏光である左回り円偏光に対しては約0.14πとなる。また、波長λ2においては何れの円偏光に対しても略ゼロとなる。
この偏光性回折素子10において、直進透過する0次回折効率は、
η0=cos2(φ/2) ・・・(25)
±1次回折効率は、
η1=(2/π)2・sin2(φ/2) ・・・(26)
で近似的に求められる。
したがって、波長λ1の第1の円偏光は、(26)式から、±1次回折光が最大η1=41%となり、第2の円偏光は回折されることなく直進透過(η0=100%)する。また、波長λ2の第1の円偏光に対しては、(25)式から、0次回折効率が最大η0=95%、第2の円偏光に対してはη0=100%となり、回折されることなく直進透過する光が大半である。
[II].波長選択性回折素子30について:
(1)波長590nmに吸収端を有する有機物顔料(赤色顔料)を含む赤色レジストをスピンコート法によりガラスからなる透光性基板31上に、均一に厚さ6.0μmにコーティングした後、加熱硬化する。
(2)次に、フォトマスクを用いて、赤色レジストを紫外線露光および現像処理することにより、断面が矩形状の短波長吸収格子32を作製する。この短波長吸収格子32の屈折率は、波長λ1においてn1=1.654、波長λ2においてn2=1.626である。
(3)次に、重合後の屈折率が波長λ1においてn1=1.656、波長λ2においてn2=1.646であるフォトポリマを、モノマの状態で充填材33として短波長吸収格子32の凹部に充填する。その後、充填材33の上に、偏光性回折素子10の透光性基板11を積層して短波長吸収格子32と充填材33を挟み込み、モノマに紫外線を照射し重合させて、波長選択性回折素子30を作製する。
このようにして作製した波長選択性回折素子30では、波長λ1に対しては短波長吸収格子32と充填材33との屈折率差がないため、回折光は発生せず直進透過する。一方、波長λ2に対しては短波長吸収格子32の凸部と凹部の通過光の位相差が略0.30πとなり、直進透過する0次回折効率は、(25)式から、η0=79%、±1次回折光率は、(26)式から、η1=8.5%となる。したがって、波長選択性回折素子30は、入射光の偏光状態に依存せず、波長λ1の入射光を直進透過し、波長λ2の入射光のうち8.5%を±1次回折する波長選択性回折素となる。
[III].位相子40について:
波長λ1と波長λ2の中心波長であるλC=725nmに対する複屈折位相差がπおよびπ/2に相当するリタデーション値362.5nmの第1の高分子液晶(図略)と、リタデーション値181.3nmの第2の高分子液晶(図略)を、それぞれの遅相軸角度がXY面内でY軸に対して15°および75°を成すように、ガラスから成る透光性基板41上に第1の高分子液晶、第2の高分子液晶の順に積層して、位相子40を作製する。
この位相子40は、Y軸方向に偏光面を有する波長λ1および波長λ2の直線偏光が透光性基板41側から入射すると、透過光は第2の円偏光である左回り円偏光となる。また、位相子40は、第1の円偏光である右回り円偏光が透光性基板42側から入射すると、透過光は何れもX軸方向に偏光面を有する直線偏光となる。すなわち、この位相子40は、波長λ1および波長λ2に対して、1/4波長板として作用する。
このようにして、位相板43を有する位相子40と、波長選択性回折素子30と、偏光性回折素子10とを積層して成る本実施例の偏光性回折素子50を作製することができ、前述の第3の実施形態において説明した光学機能が得られる。
「例2」
次に、偏光性回折素子50を搭載した光ヘッド装置60について、その配置構成を模式的に示した図5を参照しながら説明する。
この偏光性回折素子50は、DVD用の波長λ1に対しては偏光性回折格子として作用し、光ディスクDヘと集光される往路においては回折光による光損失が抑制されて90%以上の光利用効率が実現する。一方、この偏光性回折素子50は、光検出器2へと集光される復路において、30%以上の高い±1次回折効率が得られる偏光ビームスプリッタとして機能する。
また、この偏光性回折素子50は、CD用の波長λ2に対しては入射光の偏光状態に依存しない回折格子として作用し、複屈折が残存したCD用の光ディスクDに対しても回折効率の変動がないため、安定した光検出が実現するビームスプリッタとして機能する。
その結果、光ヘッド装置60の小型・軽量化が達成されるとともに、DVD用およびCD用の光ディスクDの安定した記録および再生が実現する。
「例3」
本実施例の偏光性回折素子70について、図6に示す断面図を用いて、その作製方法および構成を具体的に説明する。
[I].偏光性回折素子70について:
(1)この偏光性回折素子70は、第5の実施形態で説明した構成と同一のものであり、高分子液晶格子73としては、高分子化後の常光屈折率n。=155および異常光屈折率ne=1.77で、右回り螺旋ピッチP=0.33μmとなるコレステリック相高分子液晶を用いており、断面が矩形格子形状となるように加工する。このとき、コレステリック相高分子波晶は、第1の円偏光である右回り円偏光に対して中心波長λ0=550nmで、波長帯域70nmの反射帯域R1を示す。
(2)次に、このコレステリック相高分子液晶の平均屈折率n=1.66に相当する屈折率を有する透明接着材からなる充填材74を用いて、高分子液晶格子73の凹部を埋めるとともに、ガラスからなる透光性基板12に接着・固定することにより、偏光性回折素子70が製造される。
ここで、第2の円偏光である左回り円偏光に対するコレステリック相高分子液晶の屈折率n2(λ)は、平均屈折率nに略等しい。4×4の伝播行列法を用いたコレステリック相高分子液晶の透過光偏光成分の理論的な計算から、高分子液晶格子73の凹部の深さを、d=9.1μmとする。これにより、第1の円偏光である右回り円偏光と第2の円偏光である左回り円偏光との透過光の位相差が、波長λ1=405nmに対しては約πで、波長λ2=660nmに対しては約0.12πとなり、波長λ3=790nmに対しては約0.05πとなる。
したがって、凹凸形状の凸部(高分子液晶格子73)と凹部(充填材74)の透過光の位相差φ、つまり、次式から算出される位相差
φ=2π・△n(λ)・d/λ ・・・(27)
但し、△n(λ);屈折率差
は、波長λ1において、第1の円偏光である右回り円偏光に対しては約πに相当し、波長λ2および波長λ3においては、それぞれ約0.10πおよび約0.05πとなる。第2の円偏光においては何れの波長に対しても略ゼロとなる。
この偏光性回折素子70において、直進透過する0次回折効率は、
η0=cos2(φ/2) ・・・(28)
±1次回折効率は、
η1=(2/π)2・sin2(φ/2) ・・・(29)
で近似的に求められる。
したがって、波長λ1の第1の円偏光は、(29)式から、±1次回折光が最大η1=41%となり、第2の円偏光は回折されることなく直進透過(η0=100%)する。また、波長λ1および波長λ2の第1の円偏光に対しては、(28)式から、0次回折効率がそれぞれ最大η0=96%およびη0=98%、第2の円偏光に対してはいずれもη0=100%となり、回折されることなく直進透過する光が大半である。
「例4」
次に、偏光性回折素子70を搭載した光ヘッド装置100について、その配置構成を模式的に示した図13を参照しながら説明する。
光ヘッド装置100は、波長λ1が405nm±10nmの高密度光ディスク用のレーザ光と、波長λ2が660nm±20nmのDVD波長域のレーザ光と、波長λ3が790nm±20nmのCD波長域のレーザ光を切り替えて出射する3波長用半導体レーザ5を用いる。さらに、実施例2に示した偏光性回折素子50に含まれる位相差板に波長λ1、波長λ2および波長λ3に対して略λ/4位相差板として作用する波長範囲の広いものを用い、新たに偏光性回折格子70を追加したものである。
実施例2で説明したDVD用の波長λ2およびCD用の波長λ3の機能に関しては、実施例4でもほぼ等しく機能し、説明を省略する。
新たに追加した偏光性回折素子70は、高密度光ディスク用に用いられるレーザ光の波長λ1に対しては偏光性回折格子として作用し、光ディスクDヘと集光される往路においては回折光による光損失が抑制されて90%以上の光利用効率が実現する。一方、この偏光性回折素子70は、光検出器2へと集光される復路において、30%以上の高い±1次回折効率が得られる偏光ビームスプリッタとして機能する。
また、この偏光性回折素子70は、DVD用の波長λ2およびCD用の波長λ3に対しては入射光の偏光状態に依存せず回折光が発生しない。
その結果、光ヘッド装置100の小型・軽量化が達成されるとともに、高密度ディスク用、DVD用およびCD用の光ディスクDの安定した記録および再生が実現する。
本発明の偏光性回折素子に用いられるコレステリック相高分子液晶をなす重合性のコレステリック相液晶としては公知の光学活性化合物を使用することが可能である。たとえば式(30)の特開2002-12580に示されているようなラセン誘起力のおおきな化合物が好ましい。
R-X1 -A1 -B1 -C*HY1 -CH2 -(B2 )n -X2 -A2 -X3 -A3 -X4 -Z-OCO-CY2 =CH2 ・・・(30)
ただし、式(30)中の記号は下記の意味を示す。
R:炭素数1〜12のアルキル基、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された炭素数1〜12のアルキル基、水素原子またはハロゲン原子。
X1 、X2 、X3 、X4 :相互に独立して、カルボニルオキシ基(−COO−)、オキシカルボニル基(−OCO−)、エーテル性の酸素原子(−O−)、オキシメチレン基(−OCH2−)、メチレンオキシ基(−CH2 O−)または単結合。
Y1 :メチル基(−CH3 )または水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されたメチル基。
Y2 :水素原子またはメチル基(−CH3 )。
Z:炭素数1〜12のアルキレン基または水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された炭素数1〜12のアルキレン基。
A1 、A2 、A3 :相互に独立して、水素原子の1個または2個がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基、水素原子の1個または2個がメチル基(−CH3 )に置換されていてもよい1,4−フェニレン基、非置換の2,6−ナフチレン基、非置換のトランス−1,4−シクロヘキシレン基または単結合。
B1 、B2 :相互に独立して、水素原子の1個もしくは2個がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基、水素原子の1個もしくは2個がメチル基(−CH3 )に置換されていてもよい1,4−フェニレン基、非置換の2,6−ナフチレン基、非置換のトランス−1,4−シクロヘキシレン基または−D1 −CH2 CH2 −D2 −で表される基(D1 およびD2 はそれぞれ独立に、水素原子の1個または2個がフッ素原子および/またはメチル基(−CH3 )に置換されていてもよい1,4−フェニレン基、非置換の2,6−ナフチレン基、非置換のトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表す。)。
n:1または2。
C* :不斉炭素原子。
また、ラセンピッチを調整するため、他の重合性液晶化合物を併用しても良い。他の重合性液晶化合物が、複数の重合性官能基を有する場合には、重合性官能基の種類が異なっていてもよい。
重合性官能基を2つ有する化合物は多数知られており、これらを重合させた場合には、一般的に良好な耐熱性および強度特性を得られることから好適に用いられる。具体的には、特開平10−265531号公報に記載されている下記のジアクリル酸エステル化合物を例示できる。
Figure 0005055694
(式中、Aはフッ素原子、塩素原子、水素原子またはメチル基であり、qは0〜8の整数であり、qが0または1である場合のrは0であり、qが2〜8の整数である場合のrは1であり、Xは単結合、−COO−、−OCO−または−CHCH−であり、sは0または1であり、pは0または1であり、pが0である場合のXは単結合であり、pが1である場合のXはXと同一構造である。ただし、ここで用いられる符号は本式中の符号のみを指すものとする。)
具体的には下記の化合物が例示できる。
Figure 0005055694
Figure 0005055694
Figure 0005055694
また、分子内に重合性官能基を1つ含有する化合物としては、同公報に例示される下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005055694
(式中、Aはフッ素原子、塩素原子、水素原子またはメチル基であり、mは0〜8の整数であり、mが0または1である場合のnは0であり、mが2〜8の整数である場合のnは1であり、Xは単結合、−COO−、−OCO−または−CHCH−であり、Yは1,4−フェニレン基または1,4−トランスシクロへキシレン基であり、Zは炭素数1〜8のアルコキシル基、フッ素原子、塩素原子またはシアノ基である。ただし、ここで用いられる符号は本式中の符号のみを指すものとする。)
具体的には下記の化合物が例示される。
Figure 0005055694
Figure 0005055694
Figure 0005055694
さらに、下記式で示される化合物も例示できる。
Figure 0005055694
(式中Xは1,4−フェニレン基または1,4−トランスシクロヘキレン基であり、Yは炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
具体的には、4−(トランス−4’−n−プロピルシクロヘキシルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、4−(トランス−4’−n−ブチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、4−(トランス−4’−n−ペンチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、4−(4’−n−プロピルフェニルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、4−(4’−n−ブチルフェニルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、4−(4’−n−ペンチルフェニルカルボニルオキシ)フェニルアクリレートが好ましく例示される。これらの重合性液晶化合物は、1種でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、本発明の偏光性回折素子に用いられる重合性のコレステリック相液晶の組成物は重合性非液晶化合物を含んでも良い。このような重合性化合物としては、特に限定されないが、アクリレート系、メタクリレート系、ビニルエーテル系の化合物が好ましく、これらは1種でも2種以上組み合わせて用いることもできる。
本発明の重合性基を有する液晶性化合物は、その保存安定性を向上させるために安定剤を添加しても良い。安定剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類または第三ブチルカテコール類などが例示される。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。
本発明の偏光性回折素子は、その回折効率が特定の透過波長域において円偏光依存性を有し、他の透過波長域では偏光依存性がないため、格子形状および格子パターンを設計調整することにより、特定透過波長域の特定の円偏光のみを取り出す波長選択性と偏光選択性を有するビームスプリッタが得られる。
特に、複数の波長のレーザ光源を用いて規格の異なる光ディスクの情報を記録または再生する光ヘッド装置に本発明の偏光性回折素子を適用することにより、光ヘッド装置の小型・軽量化が実現するとともに、光利用効率の高い光学系となるため、安定した記録・再生が実現可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る偏光性回折素子の構成例を示す側断面図。 図1に示す偏光性回折素子に光が入射した場合の作用を示すものであって、(A)は波長λ1、λ2の第1の円偏光が入射したときの透過状態を示す説明図。(B)は波長λ1、λ2の第2の円偏光が入射したときの透過状態を示す説明図。 本発明の第2の実施形態に係る偏光性回折素子の構成例を示す側断面図。 本発明の第3の実施形態に係る偏光性回折素子の構成例を示す側断面図。 本発明の第4の実施形態に係る本発明の偏光性回折素子を用いた光ヘッド装置の構成例を示す側断面図。 本発明の第5の実施形態に係る偏光性回折素子の構成例を示す側断面図。 図6に示す偏光性回折素子に光が入射した場合の作用を示すものであって、(A)は波長λ1、λ2、λの第1の円偏光が入射したときの透過状態を示す説明図。(B)は波長λ1、λ2、λの第2の円偏光が入射したときの透過状態を示す説明図。 本発明の第6の実施形態に係る偏光性回折素子の構成例を示す側断面図。 図8に示す偏光性回折素子に光が入射した場合の作用を示すものであって、(A)は波長λ1、λ2、λの第1の円偏光が入射したときの透過状態を示す説明図。(B)は波長λ1、λ2、λの第2の円偏光が入射したときの透過状態を示す説明図。 本発明の第7の実施形態に係る偏光性回折素子の構成例を示す側断面図。 図10に示す偏光性回折素子に光が入射した場合の作用を示すものであって、(A)は波長λ1、λ2、λの第1の円偏光が入射したときの透過状態を示す説明図。(B)は波長λ1、λ2、λの第2の円偏光が入射したときの透過状態を示す説明図。 図6に示す偏光性回折素子に光が入射した場合の作用を示すものであって、(A)は波長λ1、λ2、λの紙面に平行な第1の直線偏光が入射したときの透過状態を示す説明図。(B)は波長λ1、λ2、λの紙面に垂直な第2の直線偏光が入射したときの透過状態を示す説明図。 本発明の第4の実施例に係る本発明の偏光性回折素子を用いた光ヘッド装置の構成例を示す側断面図。
符号の説明
1 2波長用半導体レーザ
2 光検出器
3 コリメータレンズ
4 対物レンズ
5 3波長用半導体レーザ
10、20、50、70、80、90 偏光性回折素子
11(34)、12、31(42)、41 透光性基板
13、73、83、93 高分子液晶格子
14、33、74、84、94 充填材
21 等方性格子
22 高分子安定化ブルー相液晶
23 コレステリック相液晶
30 波長選択性回折素子
32 短波長吸収格子
40 位相子
43 位相板
60、100 光ヘッド装置
D 光ディスク
1 反射波長帯域
U パッケージ
λ1 (第1)波長
λ2 (第2)波長
λ3 (第3)波長

Claims (13)

  1. 特定波長の入射光に対して回折を生じさせる偏光性回折素子であって、偏光性回折素子は旋光性材料と等方性材料とが接することにより形成される回折格子を含み、
    前記旋光性材料は、前記特定波長の入射光のうち1つの回転方向を有する第1の円偏光を反射する反射波長帯域を有するとともに、前記第1の円偏光と逆向きの回転方向となる第2の円偏光の前記特定波長の入射光に対して反射する反射波長帯域を有さず、
    前記第1の円偏光と前記第1の円偏光と逆向き回転である前記第2の円偏光との2つの偏光状態をそれぞれ有する第1波長λ 1 および第2波長λ 2 (λ 1 ≠λ 2 )の入射光に対して、前記2つの入射光の波長および2つの偏光状態に応じて選択的に回折する偏光性回折素子であって、
    少なくとも前記第1の円偏光の入射光に対して前記第1波長λ 1 および前記第2波長λ 2 を反射波長の対象として含まない反射波長帯域を有し、
    前記第1波長λ 1 および前記第2波長λ 2 の前記入射光のうち、前記反射波長帯域近傍の透過波長である前記第1波長λ 1 の前記入射光の方が、前記第2波長λ 2 に比べると相対的により大きく発現する旋光分散機能を有する旋光性材料と、前記第1波長λ 1 の前記第2の円偏光の入射光に対する旋光性材料の屈折率と略等しい屈折率を有する等方性材料を用いて、前記第1波長λ 1 の前記第1の円偏光の入射光のみを選択的に回折させる波長偏光選択回折機能を有する偏光性回折素子。
  2. 前記第1波長λ 1 の入射光と前記第2波長λ 2 の入射光の一方が、前記反射波長帯よりも短波長側にあり、前記第2波長λ 2 の入射光と前記第1波長λ 1 の入射光の他方が、前記反射波長帯よりも長波長側にあり、前記反射波長帯よりも短波長側と長波長側で異なる旋光分散機能を有する旋光性材料を用いて、前記第1波長λ 1 の前記第1の円偏光の入射光のみを選択的に回折させる、請求項1に記載の偏光性回折素子。
  3. 波長λの、前記第1の円偏光に対する屈折率と前記第2の円偏光に対する屈折率との差を△n(λ)とすると、△n(λ1)>△n(λ2)を満たし、かつ、△n(λ2)≒0である前記旋光性材料と、前記第2波長λ2において前記旋光性材料の屈折率と略等しい光学的等方材料とのうちのいずれか一方の材料を用いて、断面形状が周期的な凹凸を有する格子形状に加工された格子と、
    少なくともその加工された前記格子の凹部に、前記旋光性材料と前記光学的等方材料とのうちいずれか他方の材料が充填された充填材と、を有する、請求項に記載の偏光性回折素子。
  4. 前記旋光性材料は、螺旋軸方向が厚さ方向に揃っているとともに、前記第1の円偏光に対して前記第1波長λ1および前記第2波長λ2を反射波長の対象として含まない前記反射波長帯域を有し、かつ、前記第1波長λ1が前記第2波長λ2に比べて相対的に前記反
    射波長帯域の近傍の透過波長となる螺旋ピッチを有するコレステリック相液晶より構成されている、請求項に記載の偏光性回折素子。
  5. 前記コレステリック相液晶がコレステリック相高分子液晶からなり、その螺旋軸方向が厚さ方向に揃っているとともに、前記第1の円偏光に対して前記第1波長λ1および前記第2波長λ2を反射波長の対象として含まない前記反射波長帯域を有し、かつ、前記第1波長λ1が前記第2波長λ2に比べて相対的に前記反射波長帯域の近傍の透過波長となる螺旋ピッチを有するコレステリック相高分子液晶より構成されている、請求項に記載の偏光性回折素子。
  6. 前記旋光性材料は、第1の円偏光に対して前記第1波長λ1および前記第2波長λ2を反射波長の対象として含まない前記反射波長帯域を有するとともに、前記第1波長λ1が前記第2波長λ2に比べて相対的に前記反射波長帯域の近傍の透過波長となる波長選択性を有し、高分子ネットワークによりコレステリックブルー相の温度範囲が拡大された高分子安定化コレステリックブルー相液晶より構成されている、請求項に記載の偏光性回折素子。
  7. 特定波長の入射光に対して回折を生じさせる偏光性回折素子であって、偏光性回折素子は旋光性材料と等方性材料とが接することにより形成される回折格子を含み、
    前記旋光性材料は、前記特定波長の入射光のうち1つの回転方向を有する第1の円偏光を反射する反射波長帯域を有するとともに、前記第1の円偏光と逆向きの回転方向となる第2の円偏光の前記特定波長の入射光に対して反射する反射波長帯域を有さず、
    前記第1の円偏光と前記第1の円偏光と逆向き回転である前記第2の円偏光との2つの偏光状態をそれぞれ有する第1波長λ 1 および第2波長λ 2 (λ 1 ≠λ 2 )の入射光に対して、前記2つの入射光の波長および2つの偏光状態に応じて選択的に回折する偏光性回折素子であって、
    少なくとも前記第1の円偏光の入射光に対して前記第1波長λ 1 および前記第2波長λ 2 を反射波長の対象として含まない反射波長帯域を有し、
    前記第1波長λ 1 および前記第2波長λ 2 の前記入射光のうち、前記反射波長帯域近傍の透過波長である前記第1波長λ 1 の前記入射光の方が、前記第2波長λ 2 に比べると相対的により大きく発現する旋光分散機能を有する旋光性材料と、前記第1波長λ 1 において前記第1の円偏光対する前記旋光性材料の屈折率と略等しい屈折率を有する等方性材料を用いて、前記第1波長λ 1 の前記第1の円偏光の入射光のみを選択的に回折させず透過させる波長偏光選択回折機能を有する偏光性回折素子。
  8. 前記第1波長λ 1 の入射光と前記第2波長λ 2 の入射光の一方が、前記反射波長帯よりも短波長側にあり、前記第2波長λ 2 の入射光と前記第1波長λ 1 の入射光の他方が、前記反射波長帯よりも長波長側にあり、前記反射波長帯よりも短波長側と長波長側で異なる旋光分散機能を有する旋光性材料を用いて、前記第1波長λ 1 の前記第1の円偏光の入射光のみを選択的に回折させず透過させる、請求項7に記載の偏光性回折素子。
  9. 波長λの、前記第1の円偏光に対する屈折率と前記第2の円偏光に対する屈折率との差を△n(λ)とすると、
    △n(λ 1 )>△n(λ 2 )を満たし、かつ、△n(λ 2 )≒0である前記旋光性材料と、
    前記第1波長λ において前記第1の円偏光に対する前記旋光性材料の屈折率と略等しい屈折率を有する光学的等方材料と、を含み、
    前記旋光性材料と前記光学的等方材料のいずれか一方の材料を用いて、断面形状が周期的な凹凸を有する格子形状に加工された格子と、少なくともその加工された前記格子の凹部に他方の材料が充填された構成からなる、請求項に記載の偏光性回折素子。
  10. 前記旋光性材料は、螺旋軸方向が厚さ方向に揃っているとともに、前記第1の円偏光に対して少なくとも2つの波長の異なる入射光のすべての波長を反射波長の対象として含まない前記反射波長帯域を有し、かつ、少なくとも2つの波長の異なる入射光のなかで、最も短い入射波長よりも長波長であり、最も長い入射波長よりも短波長である反射波長帯となる螺旋ピッチを有するコレステリック相液晶より構成されている、請求項9に記載の偏光性回折素子。
  11. 前記コレステリック相液晶がコレステリック相高分子液晶からなり、その螺旋軸方向が厚さ方向に揃っているとともに、前記第1の円偏光に対して少なくとも2つの波長の異なる入射光のすべての波長を反射波長の対象として含まない前記反射波長帯域を有し、かつ、少なくとも2つの波長の異なる入射光のなかで、最も短い入射波長よりも長波長であり、最も長い入射波長よりも短波長である反射波長帯となる螺旋ピッチを有するコレステリック相高分子液晶より構成されている、請求項10に偏光性回折素子。
  12. 前記少なくとも2つの波長の異なる光を出射する少なくとも2つの半導体レーザと、
    この半導体レーザからの出射光を光記録媒体に集光する対物レンズと、
    前記光記録媒体で反射された光のうち少なくとも1つの波長の光を回折するビームスプリッタと、
    前記回折された前記波長の光を検出する光検出器とを備え、前記光記録媒体の記録及び/又は再生を行う光ヘッド装置であって、
    前記ビームスプリッタは、請求項1から11のいずれか1項に記載の偏光性回折素子を含む、光ヘッド装置。
  13. 前記ビームスプリッタは、格子ピッチおよび格子角度が格子形成面内で分布したホログラムパターンからなるホログラムビームスプリッタである、請求項12に記載の光ヘッド装置。
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