JP4474706B2 - 光ヘッド装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDやDVDなどの光ディスク、および光磁気ディスクなどの光記録媒体の情報記録面上に情報を記録または情報記録面上の情報を再生する光ヘッド装置において、半導体レーザからの出射光が光ディスクに反射されて戻り光となり、この戻り光はビームスプリッタを用いて光検出器である受光素子へ導かれる。
【0003】
このビームスプリッタとして回折素子の一種であるホログラム素子を用いることにより、光の進行方向を回折によって曲げて、受光素子に導くことができるため、光ヘッド装置を小型化でき実用化されている。
また、同一の光ヘッド装置で規格の異なるCDおよびDVDの光ディスクの情報を記録・再生するため、CD/DVD互換の光ヘッド装置が製品化されている。特に、光記録媒体層に波長依存性の高い媒質を用いるCD−Rなどの再生を前提とした場合、CD用に790nm波長帯の半導体レーザが用いられ、DVD用に650nm波長帯の半導体レーザが用いられている。
【0004】
図5において、650nm波長帯の半導体レーザ1Aおよび790nm波長帯の半導体レーザ1Bからの出射光は、コリメートレンズ4Aおよび4Bにより平行光となり、色合成分離ダイクロイックプリズム8により光軸が同軸化され、ホログラムビームスプリッタなどの偏光性回折素子20、波長λ1と波長λ2との中間の波長用の1/4波長板71を透過し、対物レンズ3でCDやDVDなどの光ディスク5の上に集光される。
【0005】
光ディスク5からの反射光は、再び対物レンズ3を透過し、偏光性回折素子20により回折され、色合成分離ダイクロイックプリズム8により各波長の光に分離され、コリメートレンズ4Aおよび4Bにより光検出器6Aおよび6Bを構成する受光素子に到達する。受光素子は、受光した反射光を電気信号に変換し、電気信号はアンプで増幅され、さらに自動ゲイン補正回路でゲインが掛けられて信号レベルを一定範囲に調整される。
【0006】
偏光性回折素子20であるホログラムビームスプリッタは、図5のように対物レンズ3に一体化して用いる場合と、半導体レーザと光検出器との近くに配置し一体化したユニットとして用いる場合とがある。
また、偏光性回折素子20は、従来ガラス基板の上面に均一屈折率材料からなる回折格子を形成した、偏光依存性のない非偏光性ホログラムビームスプリッタが用いられていたが、往路および復路で回折されるため、10%以上の往復の光利用効率を得るのは困難であった。
【0007】
そこで、光利用効率を向上させるために、光の偏光方向によって回折効率が異なる偏光性ホログラムビームスプリッタを用いることが提案されている。
これを用いる場合、650nmと790nmとの中間波長の光に対する1/4波長板71を使用する。直線偏光が1/4波長板71を往復することにより偏光面が90゜回転した直交偏光となるため、往路の偏光に対しては回折格子として作用せず復路の偏光に対しては回折格子として作用することにより、結果として非偏光性ホログラムビームスプリッタよりも高い往復効率が得られる。
【0008】
また、1/4波長板の代わりに650nmの波長の光に対して5/4波長板を用いる構成も提案されている。
図6の5/4波長板を用いる場合、650nmの波長の光は往路の偏光面と復路の偏光面が5/4波長板72により90゜回転する直交偏光となるため、偏光性ホログラムが往路の偏光に対しては回折格子として作用せず復路の偏光に対しては回折格子として作用することにより、結果として非偏光性ホログラムビームスプリッタよりも高い往復効率が得られる。
【0009】
一方、790nmの波長の光は往路の偏光面と復路の偏光面が5/4波長板72によりほぼ360゜回転し、偏光状態の変化がない直交偏光のままであるため、復路の偏光に対しても回折格子として作用しないで透過する。その結果、色合成分離ダイクロイックプリズム8により790nmの波長の光は、650nmの波長の光とは分離され、別に設けられた790nmの波長用の非偏光性回折素子22により回折され、光検出器6Bに到達する。なお、図6中の図5と同じ符号の要素は、同じものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の偏光性回折素子20を使用した場合、複屈折性が残留した光ディスクを用いたとき、光ディスクに反射された戻り光の偏光状態がその複屈折性により変化するため、復路の偏光性回折素子20の回折光強度が変動し、その結果、光検出器の信号強度が変動して安定した信号再生ができない問題があった。光ディスクの複屈折性に伴う入射光の偏光の乱れは、光ディスク材料の加工時に生じる複屈折性とディスク厚に比例する。
【0011】
したがって、この信号強度の変動は光ディスクの厚さが0.6mmのDVD系に比べて、1.2mmのCD系において顕著に現れる。
この信号強度の変動は、波長板として1/4波長板71を用いた場合も、5/4波長板72を用いた場合にも発生し、問題となっていた。
【0012】
本発明は、上述の課題を解決し、複屈折性の残留するCD系の光ディスクに対しても安定した信号再生ができる光ヘッド装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、波長λ1の光を出射する半導体レーザと、波長λ2(λ1≠λ2)の光を出射する半導体レーザと、光軸が同軸化された前記波長λ1の光および前記波長λ2の光を光記録媒体に集光する対物レンズと、前記光記録媒体で反射された前記波長λ1の光を受光する第1の光検出器と、前記光記録媒体で反射された前記波長λ2の光を受光する第2の光検出器と、を備えた光ヘッド装置であって、前記2つの半導体レーザと前記対物レンズとの間の、光軸が同軸化された前記波長λ1の光および前記波長λ2の光の光路中に2波長用回折素子を備え、前記2波長用回折素子は、これら2種類の波長の光の第1の直線偏光に対する屈折率がno、前記第1の直線偏光と直交する第2の直線偏光に対する屈折率がneである複屈折性材料と、前記2種類の波長の光に対する屈折率が前記no と等しいnsである均一屈折率材料とが、前記2種類の波長の光の入射方向に垂直な面内で交互に周期的に並んで、断面が凹凸形状で段差がdである回折格子を有し、前記波長λ2の光の前記第2の直線偏光に対する、屈折率が前記nsの部分と前記neの部分との透過光の位相差2π×(ne−ns)×d/λ2が、2πの整数倍であり、前記波長λ1の光の前記第2の直線偏光に対する、屈折率が前記nsの部分と前記neの部分との透過光の位相差2π×(ne−ns)×d/λ1が、2πの非整数倍であり、前記光記録媒体で反射されて前記2波長用回折素子に入射する光のうち、前記波長λ1の光は、回折されて前記第1の光検出器に集光し、前記波長λ2の光は、偏光状態を変えずに前記第2の光検出器に集光することを特徴とする光ヘッド装置を提供する。
【0014】
また、前記2波長用回折素子と前記第2の光検出器との間の前記波長λ 2 の光の光路中に、非偏光性回折素子が備えられている上記の光ヘッド装置を提供する。また、前記凹凸形状がマルチステップの階段格子からなる上記の光ヘッド装置を提供する。さらに、前記波長λ 1 がDVD用の650nm波長帯であり、前記波長λ 2 がCD用の790nm波長帯である上記の光ヘッド装置を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の2波長用回折素子である偏光性ホログラムの1例について、図1を用いて説明する。透光性基板21Aである例えばガラス基板上に形成された複屈折性材料21Bを、断面が凹凸形状に加工して回折格子とし、さらに、透光性基板21Dである例えばガラス基板との間に均一屈折率材料21Cを充填することにより偏光性ホログラムを作製する。ここで、複屈折性材料21Bの常光屈折率noと異常光屈折率neとが異なり、また、均一屈折率材料21Cの屈折率nsが複屈折性材料の常光屈折率noと等しい材料を用いる。
しかし、本発明では均一屈折率材料21Cの屈折率nsと複屈折性材料の常光屈折率noとがわずか異なっていても、効果に大きな差はない。
【0016】
ここで、複屈折性材料の断面が凹凸形状の段差dを次のように形成する。すなわち、複屈折性材料の異常光屈折率neと均一屈折率材料21Cの屈折率nsとの差(ne−ns)とにより生成される波長λ2に対する位相差2π×(ne−ns)×d/λ2が2πの整数倍となり、波長λ1に対する位相差2π×(ne−ns)×d/λ1が2πの非整数倍となるようにする。
この構成の2波長用回折素子2に、異なる波長λ1と波長λ2の直線偏光を入射する。
【0017】
ここで、波長λ1の入射光の直線偏光方向が複屈折性材料による回折格子の常光屈折率noに対応した方向の常光の場合、図1(a)に示すように、noとns が等しいため入射光は回折されることなく透過する。一方、波長λ1の常光の偏光方向と直交し、入射光の直線偏光方向が複屈折性回折格子の異常光屈折率neに対応した方向の異常光の場合、図1(b)に示すように、位相差2π×(ne−ns)×d/λ1の回折格子として作用するため、回折光が生じる。
【0018】
また、波長λ2の常光が入射した場合も同様に、noとnsが等しいため入射光は回折されることなく透過する。さらに、波長λ2の異常光が入射した場合、位相差2π×(ne−ns)×d/λ2は2πの整数倍となり、回折格子として作用しないため透過する。
すなわち、波長λ2の入射光はその偏光状態に関係なく2波長用回折素子2により回折されることなく透過する。
【0019】
本発明の2波長用回折格子である偏光性ホログラムの他の例について、図3を用いて説明する。透光性基板31A、31Dである例えばガラス基板の表面に透明電極を成膜した後、透明電極上に配向膜を形成し、常光屈折率がnoで異常光屈折率neの高分子液晶などの複屈折性材料を均一ギャップ(液晶膜厚)で液晶セル化する。このセル化により、第1の直線偏光の入射光には常光屈折率noとして作用し、第1の偏光方向と直交する第2の直線偏光の入射光には異常光屈折率neとして作用する複屈折性材料31Bとなる。
【0020】
さらに、格子の周期的パターンに対応して複屈折性材料の異常光屈折率neを与える方向をセルの厚さ方向にそろえることにより、常光屈折率がnoを与える方向は常にセルの面内にあって、第1および第2の直線偏光の入射光に対して常に常光屈折率noを与える複屈折性材料すなわち均一屈折率材料31Cとなる。
その結果、上記の液晶セルは第1の直線偏光の入射光には回折格子として作用しないが第2の直線偏光の入射光には回折格子として作用する。
【0021】
このような液晶などのセルの回折格子の製法は種々ある。具体的には、あらかじめ2枚のガラス基板上に形成された透明電極を格子形状にパターニングしておき、電極間に電圧を印加して液晶などの複屈折性材料の異常光屈折率neを与える方向をセルの厚さ方向にそろえる。ここで、あらかじめ重合開始剤が混入された複屈折性材料に光を照射する、または加熱することにより複屈折性材料を硬化させて分子などの配向を固定する。または、電極をパターニングのないベタ電極とし、セル表面に格子の周期的パターンに対応した遮光マスクを配置し、全面に電圧を印加しつつ光硬化させ、さらに遮光マスクを取り除き、電圧を印加しないで未硬化部を光硬化させてもよい。
【0022】
このとき、図1と同様に、複屈折性材料31Bおよび均一屈折率材料31Cの厚さdを、次のように形成すれば2波長用回折素子となる。すなわち、複屈折性材料の常光屈折率noと異常光屈折率neとの差(ne−no)により生成される、波長λ2に対する位相差2π×(ne−no)×d/λ2が2πの整数倍となり、波長λ1に対する位相差2π×(ne−no)×d/λ1が2πの非整数倍となるようにする。
【0023】
本発明の2波長用回折素子は、波長λ1の第1の直線偏光を透過し、第1の直線偏光と直交する波長λ1の第2の直線偏光を回折するとともに、波長λ1とは異なる波長λ2の光を偏光状態に関係なく透過できる。すなわち、特定波長の直線偏光に対して、偏光方向に応じて回折させたり回折させなかったりできるが、この特定波長とは異なる波長の直線偏光に対して、偏光方向によらず回折せずに透過させることができる。
【0024】
このようにして得られた2波長用回折素子を偏光性ホログラムビームスプリッタとして光ヘッド装置に搭載した例を図2を用いて説明する。
半導体レーザ1Aから出射した波長λ1=650nmの光は、色合成分離ダイクロイックプリズム8を透過しコリメートレンズ4により平行光化されて、さらに、2波長用回折素子2である偏光性ホログラムビームスプリッタにより回折されることなく通過し、波長λ1に対する1/4波長板7を経て対物レンズ3によりDVD系の光ディスク5の情報記録面に集光される。情報記録面で反射された光は再び対物レンズ3により平行光となって2波長用回折素子2に入射する。
【0025】
ここで、2波長用回折素子2は、往路においてはレーザ光の常光に対して回折を生じないが、復路においては対物レンズ3と2波長用回折素子2との間に配置された1/4波長板7を2回通過することによって偏光方向が90゜回転した異常光に対して回折が生じる。
【0026】
このとき、2波長用回折素子2による回折光のうち+1次回折光が色合成分離ダイクロイックプリズム8を透過し、コリメートレンズ4によって光検出器6Aの受光面に集光される。
一方、半導体レーザ1Bから出射した波長λ2=790nmの光のうち、非偏光性回折素子22であるホログラムビームスプリッタに回折されないで透過した光は色合成分離ダイクロイックプリズム8により反射され、2波長用回折素子2により回折されることなく通過し、対物レンズ3によりCD系の光ディスク5の情報記録面に集光される。情報記録面で反射された光は再び対物レンズ3により平行光となって2波長用回折素子2に入射する。
【0027】
そして、波長λ2の光は2波長用回折素子2を透過し、コリメートレンズ4を通過し、色合成分離ダイクロイックプリズム8により反射された後、非偏光性回折素子22に回折されて、光検出器6Bの受光面に集光される。
波長λ2の光は、その偏光状態に関わらず2波長用回折素子2に回折されることなく透過するため、CD系の光ディスク5に複屈折性が残留し、光ディスクの入射光の偏光状態が変化しても2波長用回折素子2で回折光が発生しない。
【0028】
したがって、波長λ2用のホログラムビームスプリッタである非偏光性回折素子22として偏光依存性のない均一屈折率材料を凹凸加工して作製された回折格子を用いることにより、CD系の光ディスク内の複屈折性量の変動に対しても、回折効率が一定な信号光が光検出器6Bへ入射する。その結果、安定した信号再生が行える光ヘッド装置を実現できる。
【0029】
【実施例】
[例1]
本例を、図1に基いて説明する。複屈折性材料21Bの断面矩形波状の回折格子に均一屈折率材料21Cである等方性充填材を充填することにより2波長用回折素子を作製した。
ここで、複屈折性材料21Bによる回折格子として常光屈折率no=1.52、異常光屈折率ne=1.67の高分子液晶を用い、均一屈折率材料21Cとして屈折率ns=1.52のアクリル系等方性充填材を用いた。
【0030】
また、(ne−ns)×dが波長λ2=790nmのほぼ2倍となるように、すなわち格子深さdをほぼ10.53μmとした。その結果、波長λ1=650nmの異常光のみをほぼ38%の高い±1次回折効率で回折し、波長λ1の常光および波長λ2の光を偏光状態にかかわらず透過する、2波長用回折素子2である偏光性ホログラムビームスプリッタが実現した。
【0031】
[例2]
例1における断面矩形波状の回折格子の代わりに図4に示す4段ステップの階段格子からなる2波長用回折素子を作製した。各階段ピッチ(格子深さ)を同じ高さとした。
ここで、複屈折性材料21Bの各階段の格子深さdを(ne−ns)×dが波長λ2の整数倍となるように加工することで、例1と同様に波長λ2の常光に対しても回折が起こらない条件とした。
【0032】
具体的には、(ne−ns)×dがλ2となるように、すなわち各階段の格子深さを0、5.27、10.53、15.80μmの4段構造とすることにより、波長λ1=650nmの異常光のみをほぼ76%の高い+1次回折効率で回折する2波長用回折素子が実現した。
【0033】
[例3]
例1の偏光性ホログラムビームスプリッタを2波長用回折素子として図2に示した光ヘッド装置に搭載した。
その結果、波長λ1=650nmの半導体レーザ光に対して、2波長用回折素子2は、往路では常光に対してほぼ95%の光を直進透過し、復路ではほぼ35%の光を+1次回折光として回折するため、33%程度の高い往復効率が得られた。
【0034】
DVD系の光ディスク5はディスク厚が薄いため、残留複屈折性による入射光の位相差の乱れが少ないので、直線偏光が1/4波長板を往復により2回透過しても復路の光の直線偏光からのずれは少なかった。したがって、光検出器6Aで検出される信号光の変動は抑制されていた。
また、光ディスクの残留複屈折性による信号光の変動を低減するために、あらかじめ1/4波長板7によって生成された直交する偏光成分の位相差を1/4波長からずらしてもよい。
【0035】
一方、半導体レーザ1Bから出射したCD系の波長λ2=790nmの光は、往路では2波長用回折素子2にほとんど回折されずほぼ95%の光が直進透過し、復路においてもほぼ90%の光が2波長用回折素子2に回折されずに直進透過した。
【0036】
CD系の光ディスク5は、DVD系に比べ厚いため残留複屈折性による入射光の位相差の乱れがDVD系の光ディスクに比べ大きいが、復路では波長λ2の光はその偏光状態にかかわらずほとんどの光が2波長用回折素子2を透過するため、非偏光性回折素子22であるホログラムビームスプリッタによって回折された+1次回折光が光検出器6Bに集光された。
したがって、光検出器6Bに到達する信号光はCD系の光ディスクの残留複屈折性に依存しないため、信号光は変動をほとんど受けなかった。
【0037】
このようにして得られた2波長用回折素子を用いた光ヘッド装置により、DVD系の光ディスクの情報の記録・再生を高い光利用効率でできるとともに、CD系の複屈折性の残留する光ディスクに対しても安定した情報の記録・再生ができた。
【0038】
本例では例1で記載した単純な2ステップ段差の凹凸形状回折格子のホログラムを用いたが、例2に記載した断面がマルチステップの階段格子や鋸波形状のブレ−ズ格子とすることにより、特定次数の回折効率を向上できるため、用途に応じて種々の設計および製作ができる。
【0039】
以上説明したように、本発明に係る光ヘッド装置に用いる2波長用回折素子は、波長λ1の第1の直線偏光を透過し、第1の直線偏光と直交する波長λ1の第2の直線偏光を回折するとともに、波長λ1とは異なる波長λ2の光を偏光状態に関係なく透過できる。すなわち、特定波長の直線偏光に対して、偏光方向に応じて回折させたり回折さなかったりできるが、この特定波長とは異なる波長の直線偏光に対して、偏光方向によらず回折せずに透過させることができる
【0040】
また、本発明の2波長用回折素子を用いた光ヘッド装置によれば、光利用効率の高いDVD系の光ディスクの情報の記録・再生ができるとともに、CD系の複屈折性の残留する光ディスクに対しても安定した情報の記録・再生ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2波長用回折素子の1例を示す概略的側面図で、(a)常光が透過する様子を示す側面図、(b)異常光が透過する様子を示す側面図。
【図2】本発明の2波長用回折素子を用いた光ヘッド装置の概略側面図。
【図3】本発明の2波長用回折素子の別の例を示す概略的側面図で、(a)常光が透過する様子を示す側面図、(b)異常光が透過する様子を示す側面図。
【図4】本発明の2波長用回折素子の他の例を示す概略的側面図。
【図5】従来の光ヘッド装置の1例を示す概略側面図。
【図6】従来の他の光ヘッド装置の別の例を示す概略側面図。
【符号の説明】
1A、1B:半導体レーザ
2、2A、2B:2波長用回折素子
3:対物レンズ
4、4A、4B:コリメートレンズ
5:光ディスク
6A、6B:光検出器
7、71:1/4波長板
72:5/4波長板
8:色合成分離ダイクロイックプリズム
20:偏光性回折素子
21A、31A、21D、31D:透光性基板
21B、31B:複屈折性材料
21C、31C:均一屈折率材料
22:非偏光性回折素子
Claims (4)
- 波長λ1の光を出射する半導体レーザと、波長λ2(λ1≠λ2)の光を出射する半導体レーザと、光軸が同軸化された前記波長λ1の光および前記波長λ2の光を光記録媒体に集光する対物レンズと、前記光記録媒体で反射された前記波長λ1の光を受光する第1の光検出器と、前記光記録媒体で反射された前記波長λ2の光を受光する第2の光検出器と、を備えた光ヘッド装置であって、
前記2つの半導体レーザと前記対物レンズとの間の、光軸が同軸化された前記波長λ1の光および前記波長λ2の光の光路中に2波長用回折素子を備え、
前記2波長用回折素子は、これら2種類の波長の光の第1の直線偏光に対する屈折率がno、前記第1の直線偏光と直交する第2の直線偏光に対する屈折率がneである複屈折性材料と、前記2種類の波長の光に対する屈折率が前記no と等しいnsである均一屈折率材料とが、前記2種類の波長の光の入射方向に垂直な面内で交互に周期的に並んで、断面が凹凸形状で段差がdである回折格子を有し、
前記波長λ2の光の前記第2の直線偏光に対する、屈折率が前記nsの部分と前記neの部分との透過光の位相差2π×(ne−ns)×d/λ2が、2πの整数倍であり、
前記波長λ1の光の前記第2の直線偏光に対する、屈折率が前記nsの部分と前記neの部分との透過光の位相差2π×(ne−ns)×d/λ1が、2πの非整数倍であり、
前記光記録媒体で反射されて前記2波長用回折素子に入射する光のうち、前記波長λ1の光は、回折されて前記第1の光検出器に集光し、前記波長λ2の光は、偏光状態を変えずに前記第2の光検出器に集光することを特徴とする光ヘッド装置。 - 前記2波長用回折素子と前記第2の光検出器との間の前記波長λ2の光の光路中に、非偏光性回折素子が備えられている請求項1に記載の光ヘッド装置。
- 前記凹凸形状がマルチステップの階段格子からなる請求項1または請求項2に記載の光ヘッド装置。
- 前記波長λ1がDVD用の650nm波長帯であり、前記波長λ2がCD用の790nm波長帯である請求項1〜3いずれか1項に記載の光ヘッド装置。
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