JP2006114073A - 光ヘッド装置 - Google Patents

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Takeshi Fujiyama
毅 藤山
Noriaki Seki
則彰 関
Takatoshi Minoda
孝敏 蓑田
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【課題】開口制限付偏光性ホログラム回折素子におけるCD0次透過光とDVD+1次回折光効率のトレードオフの関係を解消して光量の両立を図り、CD光とDVD光のいずれについても往復効率を上げることが可能な光ヘッド装置を提供する。
【解決手段】少なくとも1つ以上の光源からの光束を回折素子を通して光記録媒体上の記録面に照射することにより、光記録媒体への光学的情報の書き込み及び/又は光記録媒体上の光学的情報の読み取りを行う光ヘッド装置において、前記回折素子は、光軸に垂直な面にて非対称性を有し、かつ180度回転対称性を有する光学等方性回折格子を有し、前記光記録媒体からの復路における前記光学等方性回折格子への光の入射角度によって回折現象の有無または回折効率が変化することを特徴とする光ヘッド装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、CD(コンパクト・光ディスク)、DVD(デジタルビデオ光ディスク)等の光ディスク及び光磁気光ディスク等に光学的情報を書き込んだり、光学的情報を読み取るための光ヘッド装置に関する。
従来、光ディスク及び光磁気光ディスク等に光学的情報を書き込んだり、光学的情報を読み取る光ヘッド装置には、光ディスクの記録面から反射された信号光を検出部へ導光(ビームスプリット)する光学部品が用いられ、この光学部品としては、プリズム式ビームスプリッタを用いたものと、回折格子又はホログラム素子を用いたものとが知られていた。
従来、光ヘッド装置用の回折格子又はホログラム素子は、ガラスやプラスチックの基板上に、矩形の断面を有する矩形格子(レリーフ型)をドライエッチング法又は射出成形法によって形成し、これによって光を回折しビームスプリット機能を付与していた。また、光の利用効率が10%程度の等方性回折格子よりも光の利用効率を上げようと、偏光を利用することが考えられてきた。偏光を利用するには、プリズム式ビームスプリッタにλ/4板を組み合わせて、往路(光源から記録面へ向かう方向)及び復路(記録面から検出部へ向かう方向)の効率を上げて往復効率を上げる方法があった。
しかし、プリズム式偏光ビームスプリッタは高価であるため、他の方式が模索されていた。その一つの方式としてLiNbO3等の複屈折結晶の平板を用い、表面に異方性回折格子を形成し偏光選択性を持たせる方法が知られているが、複屈折結晶自体が高価であり、民生分野への適用は困難であった。
そこで(特許文献1)および(特許文献2)に示されているように、回折素子の断面が凹凸(あるいは鋸歯(ブレーズ))形状で、凸部と凹部は異なる光学材料で構成され、一方は等方性、他方は複屈折性材料である偏光性ホログラム回折格子で、複屈折材料として高分子液晶(液晶ポリマー)を用いたものが考え出された。この液晶ポリマーは配向処理後の光照射によって架橋硬化できるため、格子を形成している凹部に充填するなどの操作を行うことで回折格子の製造が可能となる。そのため、前述の複屈折結晶よりコストが低くなり、現在は広くこの形式のものが使用されている。これにより、往路と復路におけるトレードオフの関係を解消し、CDなどの記録・再生における往復効率を上げることができていた。
特開平9−270124号公報 特開平10−12817号公報
しかし、上記液晶ポリマーの配向処理と光硬化時の膜厚制御は、量産工程における製造技術としては非常に難しく、歩留まりが低くて生産性が悪いため十分な手段とはいえない。
また、メディア記録密度の発達により、DVDが登場し、2つの光源の光によってCDとDVDの両者を読み込んだり、記録したりするようになってくると液晶ポリマーと等方性光学材料からなる偏光性ホログラム回折格子を用いて上記往復効率を、波長の異なる光を発する2つの光源に対して同時に上げる必要性がでてきた。すなわち、ユーザーは、D
VDを使用するときはDVD用光源から照射される光ディスクによる反射光の情報を検出器にて拾い、メディアを再生したり、書き込みを行ったりする。またCDを使用するときはCD用光源から照射される光に対して光ディスクによる反射光の情報を検出器にて拾い、メディアを再生したり書き込みを行ったりする。
現状のCD/DVD両用の記録再生装置は図1に示すように、DVD1、CD2に対して垂直方向にCD用の光源と検出器を備えたCD用レーザー集積ユニット8がある距離を隔てて存在し、一般的にDVD用の光源と検出器を備えたDVD用レーザー集積ユニット7は同様にある距離を隔ててDVD1、CD2に対して水平方向に配置されている。
そして各光源からの出射光(往路)は、光源と光ディスクの中間に位置するダイクロイックプリズム6によって1つの光路になるように設計され、コリメータレンズ5によって平行な光ビームに変換され、開口制限付偏光性ホログラム光学素子4、対物レンズ3を透過してDVD1、CD2に照射される。
往路については上記と逆方向の軌跡をたどる。光ディスクの情報を含んだ反射光(復路)は逆にこのダイクロイックプリズム6によって互いに垂直方向にある検出器に導かれ、CDとDVDの波長によって2つの光路に分割される。また、DVD光源とCD光源のパワーの大小により、パワーが弱いDVD光については光ディスクからの反射光が対物レンズ3を通過した近傍にて回折現象を利用し、パワーが十分なCD光についてはCD用レーザー集積ユニット8(検出器)近くのCD用ガラスホログラム9にて回折現象を利用し、ビームをスプリットする方法が一般的である。
次に現在、CD・DVDの両用光ヘッド装置に搭載されている、光学的に複屈折性を有する高分子液晶材料を用いた開口制限付偏光性ホログラム回折素子について、断面概観図とそれを用いた時の回折/透過効率に関する理論上のグラフ曲線を図2に示す。図2(a)に示す回折素子は、透明基板11の間に光学等方性材料13を挟み込み、この光学等方性材料13の領域内に矩形波状の高分子液晶材料12の領域を設けたものである。また、図2(b)に示す回折素子は、透明基板11の下側に光学等方性材料13の層を形成し、この光学等方性材料13の領域内に断面が鋸歯形状の高分子液晶材料12の領域を設けたものである。
図3には、現在用いられている開口ホログラム回折素子構成の詳細を示した上で、CD/DVD用の光の回折と透過についてその概略図を示す。図3に示す開口ホログラム回折素子は、透明基板11の間に光学等方性材料13の層を設け、この光学等方性材料13の領域内に矩形波状の高分子液晶材料12の領域を設けたものであり、光学等方性材料13の上面に位相差板10である1/4波長板を設け、その上面の一部に波長選択板17が設けられている。また、光学等方性材料13の層の下面には配向膜15の層が設けられ、透明基板11が空気と接する側にはARコート16の層が形成されている。
図3において、DVD1またはCD2に照射される光は、開口ホログラム回折素子に対してθの角度をなして透過してから対物レンズ3に入射するが、光軸に対して回折素子がθ=0〜30度傾いて設置されているものも存在する。
いま、波長が異なる2つの光源(半導体レーザー)からの入射光(P波)が開口制限付偏光性ホログラム回折素子に入射したとき、往路においては、矩形波状、または鋸歯状の格子を形成している高分子液晶材料12の部分と光学等方性材料13の部分の屈折率は、P波に対しては等しいので一体ものの光学材料として作用し、CD用の波長λ1の光とDVD用の波長λ2の光のいずれも100%透過する。従って、往路についてはエネルギー損失の問題は発生しない。但し、開口制限付レンズによりCD用の光は中心部のみ透過し
、DVD用の光は対物レンズ3の瞳径全てに光を透過するように設計されている。これは、CD用の光源の方が半導体レーザーのパワーが大きいことに起因していて光量が十分に大きいからである。
エネルギー損失の問題が生じるのは、復路の反射光についてである。位相差板10によって円偏光に変えられ、各々対応した光ディスクにて反射し、再び位相差板10を透過することで偏光方向が90度ねじられ、それぞれ戻ってくる反射光(S波)に対して、一般的な回折現象を用いて光を透過光(0次透過光)と回折光(+1次回折光)にスプリットする時の各割合は、下記の理論式により決まってしまう。
回折効率(グラフ縦軸)D=f (Δn×d/λ1) (1)
透過率(グラフ縦軸)T=f (Δn×d/λ2) (2)
ここでΔnは光学等方性材料13と高分子液晶材料12の屈折率の差であり、dは回折格子を構成している高分子液晶材料12の厚み(格子の高さ:例えばドライエッチングの深さ)である。また、λは、光源の光の波長で、CD用(λ1=780nmの赤外光)と、DVD用(λ2=668nmの可視光赤)であり、CD用とDVD用の光は上述のごとく異なる波長を有している。
一般的にCD光は復路にてその多くをそのまま0次透過光として開口制限付偏光性ホログラム回折素子から出射され、CD集積ユニット手前の回折格子(図1に示すCD用ガラスホログラム9)にて、+1次回折光に変えられて検出器に入る。DVD光は+1次回折光として開口制限付偏光性ホログラム回折素子より出射され、そのままの状態にて検出器に入るように設計されている。また、開口制限付偏光性ホログラム回折格子のピッチPは、回折角度に依存し、小さいほど回折角度は大きくなることが知られている。
また、回折格子の断面形状(屈折率の異なる材料の界面の形状)を変えることにより、上記の回折/透過効率を示す理論式のグラフ曲線の形は変化する。図2(a)、(b)に、高分子液晶材料12で形成される領域の形状を矩形波状と鋸歯状としたときの回折/透過効率を示す。断面矩形波形状の場合は、Δn×d/λ=0.5の時に回折効率が40%(透過光は0%)と最大になる。また、断面鋸歯状形状の場合は、Δn×d/λ=1.0の時に回折効率が100%(透過光は0%)と最大になる。
現在CDとDVD集積ユニット(光源と検出器のセット)の位置は、互いに直交するように配置されていて、光源と検出器の相対的位置は戻ってくる光による迷光を防ぐため、それぞれある距離をおいて隔てられている。回折現象を必要とするのは、DVDの検出器と光源との間の距離に対応した光路(復路の角度)に切り替え、検出器が存在するある角度に光を集束せるためである。グラフにおいて例えば、DVD用の光を復路にて100%検出器に回折するように回折格子を鋸歯状に設計する(+1次回折光=100%にする)こともできるが、CD用の光の場合には、おのずと同じホログラム設計値であるΔnとdのもとで、波長がλ1からλ2に変化することになるので、0次透過光はおおよそ0%付近に低下してしまう。すなわち、+1次回折光と0次透過光の効率は、グラフからわかるように互いにトレードオフの関係にある。このため両者とも何とか使えるように光の損失を最小限に抑えるべく、特に光量の少ないDVD側を優先的に考えて、妥協点(最適点)を模索して設計しているのが現状である。
これらの理論式からの脱却の1つの手段として、例えば光学的に均質な材料中に、ある特定の波長に対して吸収を示し、波長による屈折率変化が非線形的に変化する異常分散現象を示すようにして、DVD光の波長λ2に対して常光と異常光の屈折率差を狭くするなどの工夫もなされているがその効果は十分とはいえない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、開口制限付偏光性ホログラム回折素子におけるCD0次透過光とDVD+1次回折光効率のトレードオフ関係を解消して光量の両立を図り、CD光とDVD光のいずれについても往復効率を上げることが可能な光ヘッド装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、少なくとも1つ以上の光源からの光束を回折素子を通して光記録媒体上の記録面に照射することにより、光記録媒体への光学的情報の書き込み及び/又は光記録媒体上の光学的情報の読み取りを行う光ヘッド装置において、前記回折素子は、光軸に垂直な面にて非対称性を有し、かつ180度回転対称性を有する光学等方性回折格子を有し、前記光記録媒体からの復路における前記光学等方性回折格子への光の入射角度によって回折現象の有無または回折効率が変化することを特徴とする光ヘッド装置である。
本発明によれば、少なくとも1つ以上の光源の光によってCDやDVD、あるいはその両者を読み込んだり、記録したりするCD/DVD用光ヘッド装置において、CD0次透過光とDVD+1次回折光の光量の両立が可能となり、記録再生機能に優れた光ヘッド装置を実現することができる。
本願の第1の発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、少なくとも1つ以上の光源からの光束を回折素子を通して光記録媒体上の記録面に照射することにより、光記録媒体への光学的情報の書き込み及び/又は光記録媒体上の光学的情報の読み取りを行う光ヘッド装置において、前記回折素子は、光軸に垂直な面にて非対称性を有し、かつ180度回転対称性を有する光学等方性回折格子を有し、前記光記録媒体からの復路における前記光学等方性回折格子への光の入射角度によって回折現象の有無または回折効率が変化することを特徴とする光ヘッド装置である。
この光学等方性回折格子を用いることにより、少なくとも1つ以上の光源の光によってCDやDVD、あるいはその両者を読み込んだり、記録したりするCD/DVD用光ヘッド装置において、CD0次透過光とDVD+1次回折光の光量の両立が可能となる。
本願の第2の発明は、本願の第1の発明において、前記復路にて前記光学等方性回折格子への光の入射角度を変化させる光学部材を前記光学等方性回折格子と位相差板の間に設置し、前記光学等方性回折格子の後方に前記光学等方性回折格子からの出射角度をもとに戻すための光学部材を、前記光学等方性回折格子の前方に配置された光学部材とは逆向きにして設置したことを特徴とする。
これにより、回折素子の前後の光軸方向をそろえることができる。
本願の第3の発明において、本願の第2の発明における光学部材は、光学的等方性材料からなるモノリシックな薄膜プリズムと光学的異方性材料からなるモノリシックな薄膜プリズムとを組み合わせて、各波長に対応した屈折角を示す光学異方性プリズムによって形成することができる。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態を図示例とともに説明する。
図1は、CD、DVDの両方に対して情報の記録再生を行う一般的な光ヘッド装置の構
成図である。
図4に本発明の実施の形態における回折素子の原理概略図を示す。また、図4に示す原理を、2つの異なる波長の光を発するCDとDVD光源に応用した実施形態を図5に示す。
図4において、光源から出射された光は、往路においては先ず光学等方性材料19と高分子液晶材料12とからなる光学異方性プリズム20を直進し、次に屈折率が互いに異なる光学等方性材料13と光学等方性材料18とが上下で逆向きになるように鋸歯状に配置された光学等方性回折格子21を透過する。この光学等方性回折格子21は、光軸に垂直な面にて非対称性を有し、かつ180度回転対称性を有する形状となっている。この時点で光はP波偏光であるため、屈折も回折現象も生じることなく光は直進する。
そして位相差板10により1/4λだけ偏光面がねじられてディスクに照射されて信号をひろう。その後ディスクにより反射された光は、復路にて再び位相差板10により1/4λだけ偏光面がねじられることでS波偏光に変えられ、光学等方性材料19と高分子液晶材料12とからなる光学異方性プリズム20へと入射する。ここで複屈折率を有する光学異方性材料である高分子液晶材料12と光学等方性材料19の界面にて屈折率が異なるため屈折現象を生じて、その波長に依存した角度の方向に進路方向を変えられる。この角度が光学等方性回折格子21の屈折率が異なる部分の格子の向きに等しいとき、光は回折現象をおこして+1次回折光となり、再び後の光学異方性プリズム20にてその進路方向を変えられて、+1次の回折光として検出器にもどることになる。
図5においては、光学等方性回折格子21の格子の向きが屈折角度と等しくなるDVD光源からの光のみについて回折現象が生じる。これに対して、CD光の往路は、屈折率の異なる光学等方性回折格子21を斜めに横切ることとなるが、隣り合う光路が周期的に180度回転対称形であることから、光の波面のずれによる回折現象はおきず、0次透過光のままCD集積ユニット手前のCD用ガラスホログラム9まで導かれ、ここで+1次回折光に変換されることになる。
図6(a)〜(d)は、本発明において用いられる光軸に垂直な面にて非対称性を有し、かつ180度回転対称性を有する光学等方性回折格子の断面形状の例である。
図6(a)のように通常の矩形波状の回折格子を2段以上積層して、千鳥配置させた断面形状のもの、図6(b)のように通常の鋸歯形状を1つとびに上下逆転させた断面形状のもの、図6(c)、図6(d)のように図6(b)を2段以上に積層して、千鳥配置させた断面形状のものがその例として当てはまる。
図7(a)に、図6(c)のように光学等方性回折格子21を形成したときに、往路における光の進路方向のうちで回折現象が起きないものを代表として図示した。このようなものを用いて、その入射角度と等しくなるように光を屈折することができれば、5つの進路方向のうち4つの光路については0次透過光のまま光を得ることができ、残りの1つは1次回折光に変えることが可能である。また、図7(b)に、図6(d)のように光学等方性回折格子21を形成したときに、往路における0次透過光と+1次回折光の進路を示す。この場合には、2つの光路については0次透過光のままであり、残りの2つの光路については1次回折光に変えられる。
以上説明した回折素子は、断面凹凸状の回折格子を形成する光学材料と、回折格子の少なくとも凸部間に充填される別の光学材料との2種類の光学材料はどちらも複屈折性を示さない光学等方性回折格子であり、格子模様が光軸に垂直な面にて非対称性を有し、かつ
180度回転対称性を有する光学等方性回折格子を有し、復路における回折格子への光の屈折現象を用いて入射角度を変化させることで、回折現象の有無や、波長による光路長の違いから回折効率を制御することができる角度依存性のある光学等方性回折格子である。
ここで復路のみにおける0次光の光学等方性回折格子21への光の屈折現象は、復路にて光学等方性回折格子21への光の入射角度を変化させる光学部材を光学等方性回折格子21と位相差板10の間に設置し、光学等方性回折格子21の後方に光学等方性回折格子21からの出射光の出射角度をもとに戻すための光学部材を、光学等方性回折格子21の前方に配置された光学部材とは逆向きにして設置することで達成される。この光学部材は、光学等方性材料からなるモノリシックな薄膜プリズムと複屈折を有した光学異方性材料からなるモノリシックな薄膜プリズムとを組み合わせて(張り合わせて)、各波長に対応した屈折角を示す光学異方性プリズムによって形成することができる。そして、本実施の形態では、光学等方性回折格子21を形成する2種類の光学材料を等方性の光学材料としており、この等方性の光学材料の屈折率の差が大きい方が回折効率が大きくなり、薄い回折格子でも大きな回折効率を達成することができるため、近年の薄型・軽量化のトレンドに合致する。等方性光学材料としては、たとえば、種々の光学ガラス薄膜やアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂、脂環式系樹脂などを使用することができる。屈折率差を大きくする目的で、無機材料と有機材料とを併用してもよい。
図3に示した従来の偏光系の回折素子である開口ホログラム回折素子と、図4の本発明の実施の形態に係る偏光系の回折素子の違いは、上記回折格子が光学異方性回折格子であるか、光学等方性回折格子であるかの違いであり、開口制限つき波長板、位相差板などの設置位置やその作用等はまったく同じである。
両者の相違点は、従来では光の偏光の向きを往路と復路で変化させ、回折格子の屈折率差Δnを変化させていたのに対し、本発明においては同様に光の偏光の向きを往路と復路で変化させているが、回折格子は等方性光学材料によって形成されているため、屈折率そのものは変化せず、その前方と後方に設置された複屈折率を有するプリズムを用いた異方性光学プリズム等の光学部材によって、回折格子に入射する光の進路方向(入射角度)と格子中の光路長dを変化させていることになる(図2のグラフ、横軸Δn×d/λを参照)。
従って、本発明の実施の形態においては、光軸に垂直な面に対して非対称性を有していて、かつ180度回転対称性を有する回折格子であるため、往路では光の波面の乱れが起きないが、復路では光に対して回折格子として機能するような進路をたどらせることで回折をおこさせている。このようにして従来同様、往路/復路の一方向のみの回折素子としてはたらき、さらに復路においては波長の違いによって屈折角が異なるいわゆる屈折現象を利用して、回折現象の有無や回折格子中の光路長dを制御することができる。
すなわち例えばCDとDVD等の異なる光源に対して回折現象の有無(例えばDVD用の光に対して回折効率D=100%とし、CD用の光に対してD=0%とすることの実現)、または光路長dを変化させることが可能となり、従来では不可能であったCDの0次透過光とDVDの+1次回折光の回折効率の両立を達成することが可能となった。
以上説明した回折格子の製造方法としては、ガラスなどの基板上に反応性スパッタ法で形成した第1の等方性光学材料の薄膜にフォトリソグラフィーやエッチングなどを施すことにより、例えば断面矩形波状の凹凸形状を形成し、この凸部間に別の第2の等方性光学充填材を充填して回折格子を構成したものを2つ作成し、周期をずらして(張り合わせ面にて第1の等方性光学材料には第2の等方性光学充填材がくるように千鳥配置で)この2つを張り合わせる。ここでさらにこの回折格子の前後に、光学等方性材料からなるモノリ
シックな薄膜プリズムと複屈折を有した光学異方性材料からなるモノリシックな薄膜プリズムとを組み合わせて(張り合わせて)、作製した屈折プリズム(例えば三角柱のプリズムを2つ張り合わせて直方体に)を、互いに光学等方性材料と複屈折を有した光学異方性材料の向きを逆向きになるように設置する。前後両方に設けるのは、回折素子の前後の光軸方向をそろえる場合であり、図8にその場合の回折素子構成例を示す。ここで、光学等方性材料の屈折率と複屈折を有する光学異方性材料の常光屈折率、異常光屈折率は、互いに張り合わせるモノリシックな薄膜プリズムの界面形状とともに、屈折角を制御する因子として任意に設定することができる。
本発明は、少なくとも1つ以上の光源の光によってCDやDVD、あるいはその両者を読み込んだり、記録したりするCD/DVD用光ヘッド装置において、CD0次透過光とDVD+1次回折光の光量の両立が可能であり、記録再生機能に優れた光ヘッド装置として利用することができる。
一般的な光ヘッド装置の構成図 従来のホログラム回折格子の側方断面形状と回折効率のグラフ 従来の開口ホログラム回折素子の詳細構成と回折原理の概略図 本発明の実施の形態における回折素子の側方断面図と単一光源に対する回折素子の原理図 本発明の実施の形態に係る回折素子の側方断面図とCD/DVDの2光源に対する回折素子の原理図 本発明の実施の形態に係る回折素子の側方断面図 本発明の実施の形態に係る回折素子の側方断面図と光の進路に対する(復路)回折現象の有無を示す図 本発明の実施の形態に係る光学異方性プリズムを回折格子の前後に設置した場合の回折素子の側方断面図
符号の説明
1 DVD
2 CD
3 対物レンズ
4 開口制限付偏光性ホログラム光学素子
5 コリメータレンズ
6 ダイクロイックプリズム
7 DVD用レーザー(λ=668nm)集積ユニット
8 CD用レーザー(λ=780nm)集積ユニット
9 CD用ガラスホログラム
10 位相差板
11 透明基板
12 高分子液晶材料
13 光学等方性材料
14 接着材
15 配向膜
16 ARコート
17 波長選択板
18 光学等方性材料
19 光学等方性材料
20 光学異方性プリズム
21 光学等方性回折格子

Claims (3)

  1. 少なくとも1つ以上の光源からの光束を回折素子を通して光記録媒体上の記録面に照射することにより、光記録媒体への光学的情報の書き込み及び/又は光記録媒体上の光学的情報の読み取りを行う光ヘッド装置において、前記回折素子は、光軸に垂直な面にて非対称性を有し、かつ180度回転対称性を有する光学等方性回折格子を有し、前記光記録媒体からの復路における前記光学等方性回折格子への光の入射角度によって回折現象の有無または回折効率が変化することを特徴とする光ヘッド装置。
  2. 前記復路にて前記光学等方性回折格子への光の入射角度を変化させる光学部材を前記光学等方性回折格子と位相差板の間に設置し、前記光学等方性回折格子の後方に前記光学等方性回折格子からの出射角度をもとに戻すための光学部材を、前記光学等方性回折格子の前方に配置された光学部材とは逆向きにして設置したことを特徴とする請求項1記載の光ヘッド装置。
  3. 前記光学部材が光学的等方性材料からなるモノリシックな薄膜プリズムと光学的異方性材料からなるモノリシックな薄膜プリズムとを組み合わせて、各波長に対応した屈折角を示す光学異方性プリズムであることを特徴とする請求項2記載の光ヘッド装置。
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