JP3700239B2 - 液晶回折格子、その製造方法及びそれを用いた光ヘッド装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ポリマーを用いた液晶回折格子、その製造方法及びそれを用いた光ヘッド装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ヘッドに用いられる回折格子として、等方性格子が使用されている。この等方性格子は、ガラス、プラスチック上に矩形格子(レリーフ型)をドライエッチングまたは射出成型等によって形成し、これによって光を回折し、ビームスプリッタ機能を持たせるものである。これは、製造も容易であり、薄いフィルム上にすることも可能なので、軽量、小型という点では有利であった。
【0003】
しかし、この等方性格子においては光ヘッドとして使用した場合、光利用効率が悪いという問題点を有していた。具体的には往路がせいぜい50%、復路がせいぜい20%で、往復で10%程度が限界であった。このため、充分な検出出力を得るためには、レーザー光源の出力を大きくしなくてはならないという問題点を有していた。
【0004】
これを改善するために、等方性格子の代わりに異方性格子を用いることが提案されている。即ち、ビームスプリッタに偏光選択性を持たせ、1/4波長板と組み合わせることにより、往復での光効率を上げることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このプリズムタイプの偏光ビームスプリッタは製造が面倒で高価であり、大きくて重くなる傾向がある。このため、小型、軽量の光関係のディスクの光ヘッドとして用いるには不利であった。
【0006】
これを改善するために、LiNb3等の複屈折結晶の平板を用い、表面に異方性格子を形成し、偏光選択性を持たせる方法等が知られている。しかし、この複屈折結晶を用いた場合は、複屈折結晶は基本的に製造が困難なため、大量に入手が難しく、高価であり、民生分野への適用は難しいものであった。また、これはプロトン交換法という方法を用いて回折格子を製造することになるので、細かい周期を持つ格子を形成することは難しいものであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の問題点を解決すべくなされたものであり、液晶ポリマーを用いた液晶回折格子において、液晶ポリマーの配向方向が、基板に対してねじれた部分と基板に対してほぼ垂直な部分とが交互に配列して回折格子を形成しており、この液晶のねじれ角が90°+180°×n(nは0以上の整数)であってねじれた部分は右回り及び左回りの円偏光の透過光の偏光状態を変化させずに、ねじれた部分の右回りまたは左回りの円偏光の透過光の位相差と垂直な部分の透過光の位相差とを異ならせて、回折効果の有無を生じさせることを特徴とする液晶回折格子を提供する。
また、液晶ポリマーを挟む上下の基板に形成された、ストライプ状の上下の電極の幅が異なっており、上下非対称な格子を形成している上記の液晶回折格子を提供する。
【0008】
また、液晶ポリマーを用いた液晶回折格子の製造方法において、光硬化可能な液晶性化合物を、回折格子を形成するようにパターニングされた電極及び液晶性化合物のねじれ角が90°+180°×n(nは0以上の整数)になるような配向処理層を有する基板間に挟持して、電極に電圧を印加しつつ光を照射して光硬化可能な液晶性化合物を硬化させることにより、硬化した液晶ポリマーの配向方向が、基板に対してねじれた部分と基板に対してほぼ垂直な部分とが基板に平行方向に交互に配列して回折格子を形成している液晶回折格子を製造することを特徴とする液晶回折格子の製造方法を提供する。
【0009】
また、レーザー光源から出た光が1/4波長板を通過し、前記の液晶回折格子または前記の液晶回折格子の製造方法により製造された液晶回折格子を通過し、被読み取りディスクで反射させ、その反射光を再度液晶回折格子、1/4波長板を通して光を回折させて、レーザー光源の側部に設けられた光検出器で検出するようにしたことを特徴とする光ヘッド装置を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明では、液晶ポリマーを用いた液晶回折格子であって、液晶ポリマーの配向方向が、基板に対してねじれた部分と基板に対してほぼ垂直な部分とが交互に配列しているものを用いる。この基板に対してねじれた部分とは、液晶ポリマーが基板に平行で、そのねじれ角が90°+180°×n(nは0以上の整数)とされているものを意味する。
【0011】
図1は、本発明の液晶回折格子を模式的に示した断面図である。
図において、1A、1Bはガラス、プラスチック等の基板、2A、2Bは光硬化時に電圧を印加するためのIn2O3−SnO2(ITO)、SnO2等の電極、3A、3Bはその表面に形成された配向膜、4は硬化した液晶ポリマー、5はそのねじれ構造を有する部分、6は垂直配向した部分を示している。
【0012】
基板1A、1Bは、ガラス、プラスチック等の透明な基板であり、電極2A、2Bは液晶性化合物を光硬化させる際に電圧を印加するための透明な電極である。この電極は通常はストライプ状とされ、この繰り返しピッチW3が所望の回折が得られるように調整される。通常は数μm〜数十μmの繰り返しピッチにされる。この際、電極への電圧印加により垂直配向される部分は上下の電極の重なり部分となるので、必ずしも上下の電極が同じ形状でなくてもよいが、液晶の配向状態をより明確に2分するためには、上下の電極をほぼ完全に重なるように同じパターンにしておくことが好ましい。ただし、+1次または−1次のいずれか一方の効率を増加させたい場合には、意図的に上下の電極の面積(幅)を変えておいて、上下で非対称な格子を形成してもよい。
【0013】
また、片側の電極のみストライプ状にパターニングし、もう一方は全面ベタ電極とすることは、パターニング工程が減る点で有利であり、実用的な構成である。しかし、この場合には、ストライプ状のパターンの電極に対応する部分の少し横の部分とストライプ状のパターンの電極との間にも斜めに電界がかかるため、2種類の配向の間が不鮮明になりやすいので、回折効率が低下しやすくなる。このため、ファインピッチの格子を形成する時には、両方の基板ともに同様に電極をストライプ状にパターニングする方が、できた回折格子としての効率が高くなり好ましい。
【0014】
図2はこの電極のパターンの例を示す平面図である。この図2に示すように、回折格子として機能させる部分は電極をストライプ状にパターニングし、かつ外部端子部分ではそれを1つにつなげて取り出しを容易にしている。もちろん、この図の例で、図の下側でも電極をつなぐようなパターンにしてもよい。この電極のある部分12の幅W1と電極の無い部分11の幅W2とは通常1:1にされる。もちろん、必要に応じて1:1からずらすこともできる。
【0015】
この電極付き基板の表面には、配向処理層を形成する。この配向処理層は、電極付き基板の表面を直接ラビングして配向処理してもよい。しかし、電極付き基板の表面にポリイミド、ポリアミド等の有機高分子の膜やSiO2、Al2O3等無機物の膜を形成し、その表面をラビングしたり、無機物を斜め蒸着したりして形成した配向膜とした方が液晶の配向性が良く好ましい。
【0016】
このようにして配向処理層を設けた電極付き基板を2枚、電極面が相対向するように配置して周辺をシール材で注入口を除いてシールして空セルを形成する。次いで、その空セルの注入口から光硬化可能な液晶性化合物を注入して、注入口を封止する。なお、空セルを形成せずに、基板の上にシール材を設けた後、液晶性化合物をその内部に滴下し、もう1枚の基板を重ねてシールと注入とを同時に行うようにしてもよい。本発明では、配向状態の異なる部分が周期的に繰り返されている液晶ポリマーのフィルムができればよいので、周辺のシールをなくしてもよい。
【0017】
本発明では、液晶のねじれ角は、液晶ポリマーを製造する段階で、液晶性化合物のねじれ角が90°+180°×n(nは0以上の整数)となるようなものが使用される。このねじれ角は、基板の表面の配向処理層と液晶性化合物のピッチと基板間隙とによって定まる。このため、2枚の基板の表面の配向処理層の配向方向がほぼ直交するようにされ、基板間隙に対して液晶性化合物のピッチが整合するようにされる。もっとも、n=0の場合であるねじれ角が90°の場合には、液晶性化合物自体でもつ固有ピッチはほぼ無限大であってもよい。
【0018】
通常は、ねじれ角が90°の場合には、基板間隙をdとし、液晶性化合物自体のもつ固有ピッチをpとしたときに、そのd/pを0.25とした時が整合することになる。そして、配向状態が揃うためには0<d/p<0.5の範囲とされることが好ましい。同様にねじれ角を270°とする場合にはd/pは0.75が整合しており、0.5<d/p<1.0 の範囲とされ、ねじれ角を450°とする場合には 1.0<d/p<1.5の範囲とされる。
【0019】
ただし、このねじれ角は通常のネマチック液晶で用いられている90°よりもSTN液晶で用いられている 270°または 450°とすることが好ましい。これは、ねじれ角がSTN液晶のように大きい方が、電界に対する液晶の配向立ち上がりがシャープであるので、電極からの漏れ電界による影響を受けにくく、ファイピッチの回折格子が可能になるという利点がある。
【0020】
この液晶性化合物は、1種類の化合物でもよいし、複数の化合物を組み合わせて用いてもよい。また、所望の固有のねじれを生じるように光学活性物質等を添加してもよい。また、必要に応じて、光硬化用の触媒、色素、その他の添加剤も併用してもよい。
【0021】
この液晶性化合物は、それ自体で液晶性を示し、かつ光硬化可能な化合物とされる。複数の化合物を併用した組成物として用いる場合には、組成物として液晶性を示せばよいので、一部の化合物は単体では非液晶の化合物を含んでいてもよい。本発明では、電圧印加時に垂直配向する液晶が安定しており好ましいので、通常は正の誘電異方性のネマチック液晶性を示す液晶性化合物を用いる。
【0022】
この光硬化が可能な液晶性化合物としては、代表的な化合物として以下に示すようなアクリル酸構造を末端に有するビフェニル、ターフェニル化合物や、安息香酸フェニル化合物がある。ただし、本発明はこれらの化合物に限定されるものではなく、液晶性を示し、かつ光硬化可能な化合物であればよい。以下の化学式において、-Ph-は1,4-ジ置換フェニレン基を示し、-Rはアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基を示す。このアルキル基は、その一部のエーテル結合、エステル結合、ケトン構造が入ったり、一部の水素原子がハロゲン原子に置換されたりしていてもよい。mは1〜2、nは1〜10を表す。
【0023】
CH2=CH-COO-Ph-(Ph)m-R
CH2=CH-COO-(CH2)n-O-Ph-(Ph)m-R
CH2=CH-COO-(Ph)m-OOC-(Ph)m-R
【0024】
このような液晶性化合物を基板間隙に挟んだ状態にする。具体的には、例えば、前記したように空セルに液晶性化合物を封入する。この際、液晶性化合物の基板間でのねじれが 270°であったとする。すると、電圧を印加していない状態では、セル全体にわたって液晶性化合物は図1の5のねじれ構造を有する部分で示すように270°ねじれている均一な配向状態を取っている。
【0025】
次いで、上下の電極間に液晶が立ち上がるに充分な電圧を印加する。すると、電極のある部分では、図1の6の部分で示すように液晶性化合物が電界に平行に配向、即ち、電極面には垂直に配向する。一方、電極の無い部分では、液晶性化合物は図1の5の部分で示すように 270°ねじれて配向している。この状態で、光を照射して光硬化を行って、液晶性化合物の硬化した液晶ポリマーの配向状態を固定化する。
【0026】
即ち、これにより硬化した液晶ポリマーの配向方向が、基板に対してねじれた部分と基板に対してほぼ垂直な部分とが交互に配列して回折格子を形成している光学異方性のある液晶回折格子が得られる。
【0027】
図3は、このように製造した液晶回折格子を用いた光ヘッドの側面から見た模式図である。
図3において、21はレーザー光源、22は1/4波長板、23は本発明の液晶回折格子、24は集光レンズ、25は被読み取りディスク、26は光検出器を表している。
【0028】
レーザー光源21からでた光は、直線偏光、例えばP偏光を有するが、1/4波長板22を通過することにより円偏光とされる。ここでは説明の都合上、右回りの円偏光に変化したとして説明する。これは、本発明の光学異方性のある液晶回折格子が円偏光に対して機能するものであるためである。この1/4波長板22を通過して右回りの円偏光とされた光が、本発明の液晶回折格子23に入射する。
【0029】
右回りの円偏光は、液晶ポリマーが垂直に配向した部分では、そのまま右回りの円偏光で出射し、その光路差(液晶ポリマーの常光屈折率no と基板間隙dとの積)の分だけ位相が変化する。一方液晶ポリマーがねじれた部分では、基板間隙、液晶の屈折率及びねじれ方向、ねじれ角とを適当に選ぶと、特定の波長で、右回りの円偏光が、同じく右回りの円編光で出射する条件が存在する。ただし、この条件は液晶の基板間隙に対してそれほどクリテイカルではないことが重要なポイントである。
【0030】
この時の位相変化はジョーンズマトリックスを用いて計算され、これもまた基板間隙にクリテイカルに依存しない。このため、基板間隙をうまく選ぶと、偏光状態を変えずに、ねじれ配向部を透過した光と垂直配向部を透過した光との位相差を、ほぼゼロになるようにできる。そのためこの液晶回折格子23に入射した入射光は、そのまま回折されずに、回折素子を通過する。
【0031】
この液晶回折格子23を通過した光は、集光レンズ24により集光されて、被読み取りディスク25の表面で反射する。この反射光は、反射前の光とは円偏光状態が、反対になっている。例えば、この場合には、左回りの円偏光になって戻ってくることになる。この反射光は、集光レンズを通り再度液晶回折格子23に入射する。
【0032】
この時、往路と同様にねじれ配向部を透過した光と垂直配向部を透過した光とは共に偏光状態が保たれる。しかし、位相差に関しては、垂直配向部は往路と同じ位相変化量であるのに対し、ねじれ配向部は、左回り円偏光に対しては、ねじれ角の2倍位相変化量が異なる。このため、ねじれ角が270°の場合、ちょうど2倍の 540°の位相差が生じる、即ち、180°位相が異なることになり、垂直配向部を通過した光とねじれ配向部を通過した光とが干渉することにより、光は回折する。
【0033】
その後、液晶回折格子23により回折した光は、再び1/4波長板22を通り、円偏光からS偏光になって、光検出器26に到達する。このような構成とすることにより、往復での光効率の高い光学異方性回折格子または光利用効率の高い光ヘッドを構成できる。
【0034】
以上の説明は、本発明の基本的な構成について説明したものであり、本発明はさらに、可変焦点レンズを付加したり、液晶回折格子の回折格子のピッチを複数種類設けたり、光検出器の配置や数を変えることもできる。
【0035】
本発明を適用する被読み取りディスクは、レーザー光をあててその反射光を読み取る形式のものであれば何にでも使用でき、代表的なものとしてCDやDVDのディスクがある。
【0036】
【実施例】
実施例1
無アルカリガラス基板上にITO電極を40nm厚で形成し、これを図2に示すように繰り返しピッチW3が15μm、電極のある部分12の幅W1=電極の無い部分11の幅W2となるようにストライプ状にパターニングした。その表面にポリイミドをスピンコーターで塗布し、加熱硬化後、ナイロン布でラビング処理を行った。このラビング処理は一方の基板では、電極のストライプの方向と直交する方向にラビングし、他方の基板では電極のストライプの方向と平行な方向にラビングした。
【0037】
次いで、これらの2枚の基板を電極面(配向処理層面)が対向するように、かつ両方の基板のストライプ状の電極が図1に示すように電極同士が、重なり合うように位置合わせを行った後、予め周辺に印刷したシール材を用いて貼り合せ、空セルを作製した。この際、シール材にスペーサを混入し、基板間隙が7.2μmになるようにした。この空セルに、別途下記の組成になるように用意した光硬化可能な液晶性化合物を65℃で空セルに設けた注入口から注入し、注入口を封止した。
【0038】
光硬化可能な液晶性化合物の組成
下記の式(1)で表される光重合性の液晶モノマーである4-[w-(プロペノイルオキシ) プロペピルオキシ]- 4'- シアノビフェニル48.5wt%に、式(2) で表される光重合性液晶モノマーである4-(4'-n-ペンチルフェニルカルボニルオキシ- フェニルアクリレートを48.5wt%混合した。この液晶モノマーの組成物は、室温でネマチック液晶状態を示し、かつ57℃で等方性液体に相転移するモノトロピック液晶であった。この液晶にねじれ性を与えるために、コレステリックノナエイトを 2wt%添加し、ねじれのピッチpが9.5533μmのカイラルネマチック液晶とした。さらに、この液晶に光重合開始剤として2-メチル-1-[4-( メチルチオ) フェニル]-2-モルホリノプロパン-1を1wt%混合した。
【0039】
CH2=CH-COO-(CH2)3-O-Ph-Ph-CN (1)
CH2=CH-COO-Ph-OOC-Ph-C5H11(n) (2)
なお、-Ph-は1,4-ジ置換フェニレン基を示す。
【0040】
次に、この液晶性化合物を充填したセルに、電圧を印加しながら光重合を行った。印加電圧は3Vrms 、100Hzの矩形波交流電圧である。光重合は、環境温度20℃、10mW/cm2の強度の紫外線を 150秒照射させて行った。重合後得られた液晶ポリマーは可視光域で透明であり、散乱も見られなかった。
【0041】
この液晶回折格子の一面に1/4波長板を積層し、偏光ホログラムビームスプリッタを作製した。この素子を図3に示すような構成の光ヘッドに用いたところ、波長 650nmのレーザー光源で、約50%の光利用効率を得ることができた。
【0042】
【発明の効果】
本発明の液晶回折格子は、製造が容易で大量生産に向いており、かつ小型軽量の異方性回折格子である。この回折格子を光ヘッドに用いることにより、往復での光効率を上げることができ、低い出力のレーザー光源でも高いS/N比が得られ、光ヘッド自体を小型、軽量、低消費電力とできる。
【0043】
特に、液晶のねじれ角をSTN並にすることにより、ファインピッチでシャープな特性の回折格子が得られる。
本発明は、本発明の効果を損しない範囲内で、種々の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶回折格子の断面図。
【図2】本発明の液晶回折格子の基板の電極の状態を示す平面図。
【図3】本発明の液晶回折格子を用いた光ヘッドの側面から見た模式図。
【符号の説明】
1A、1B:基板
2A、2B:電極
3A、3B:配向膜
4 :液晶ポリマー
5 :ねじれ構造を有する部分
6 :垂直配向した部分
Claims (4)
- 液晶ポリマーを用いた液晶回折格子において、液晶ポリマーの配向方向が、基板に対してねじれた部分と基板に対してほぼ垂直な部分とが基板に平行方向に交互に配列して回折格子を形成しており、この液晶のねじれ角が90°+180°×n(nは0以上の整数)であってねじれた部分は右回り及び左回りの円偏光の透過光の偏光状態を変化させずに、ねじれた部分の右回りまたは左回りの円偏光の透過光の位相差と垂直な部分の透過光の位相差とを異ならせて、回折効果の有無を生じさせることを特徴とする液晶回折格子。
- 液晶ポリマーを挟む上下の基板に形成された、ストライプ状の上下の電極の幅が異なっており、上下非対称な格子を形成している請求項1に記載の液晶回折格子。
- 液晶ポリマーを用いた液晶回折格子の製造方法において、光硬化可能な液晶性化合物を、回折格子を形成するようにパターニングされた電極及び液晶性化合物のねじれ角が90°+180°×n(nは0以上の整数)になるような配向処理層を有する基板間に挟持して、電極に電圧を印加しつつ光を照射して光硬化可能な液晶性化合物を硬化させることにより、硬化した液晶ポリマーの配向方向が、基板に対してねじれた部分と基板に対してほぼ垂直な部分とが基板に平行方向に交互に配列して回折格子を形成している液晶回折格子を製造することを特徴とする液晶回折格子の製造方法。
- レーザー光源から出た光が1/4波長板を通過し、請求項1あるいは2の液晶回折格子、または請求項3の液晶回折格子の製造方法により製造された液晶回折格子を通過し、被読み取りディスクで反射させ、その反射光を再度液晶回折格子、1/4波長板を通して光を回折させて、レーザー光源の側部に設けられた光検出器で検出するようにしたことを特徴とする光ヘッド装置。
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