JP2000122062A - 光学素子とその製造方法、及び光学装置とその製造方法 - Google Patents

光学素子とその製造方法、及び光学装置とその製造方法

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JP2000122062A
JP2000122062A JP10291181A JP29118198A JP2000122062A JP 2000122062 A JP2000122062 A JP 2000122062A JP 10291181 A JP10291181 A JP 10291181A JP 29118198 A JP29118198 A JP 29118198A JP 2000122062 A JP2000122062 A JP 2000122062A
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light
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polarization
optical element
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Hiroshi Suganuma
洋 菅沼
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Sony Corp
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    • G11B11/10543Heads for reproducing using optical beam of radiation

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶を利用して偏光状態を空間的に制御でき
る光学素子及び偏光状態を目的に合わせて補正できる光
学装置を、それらの製造方法とともに提供する。 【解決手段】配向膜による液晶分子の配向方向を変化せ
しめて配向方向分布をもたせ、電界を印加して入射光の
偏光状態の制御又は補正を行う。配向膜の配向性は、紫
外線等の光照射により制御し、その際、マスクを用いて
偏光状態を変えつつ光照射を行うか、又は配向膜を光照
射手段と相対的に移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶を利用した光
学素子とその製造方法、及び光学装置とその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】液晶セルは一般に液晶を配向膜間または
配向膜と透明電極との間に挟んだ構造を有し、光の位相
制御や変調を行うことができる。その構造は例えば図1
1〜図13に示すようなもので、2枚のガラス基板1、
1上に透明電極(ITO等)2と配向膜3を設け、これ
ら配向膜3、3の間隔をスペーサー4により一定に保
ち、そこに液晶5が充填される。6は電源を示す。
【0003】この液晶セルに外部電圧を印加すると、液
晶分子の配列方向は、それまでの図11の縦の状態から
図12の斜めの状態に変化し、更に図13に示すように
電圧の印加方向と平行に配列された状態になる。このよ
うに液晶分子の配列方向を制御すると、屈折楕円体の向
きは図14から図16に示すように変化し、入射光の見
る屈折率が変化するので、この複屈折の変化によって位
相制御や変調を行うことができる。
【0004】通常、配向膜はスピンコートにより成膜さ
れた高分子有機膜からなり、更にこれを布で擦る(ラビ
ング)ことによって、配向膜の表面に微小な溝を一方向
に形成する。外部電圧が印加されないときは、液晶分子
はこの溝に沿って配列されるが、外部電圧が印加される
と、液晶分子は連続的に且つ徐々に電圧の印加方向と平
行になるように揃っていく。しかし、このような配向膜
の形成方法では、光の散乱や不均一性、ゴミなどの問題
があるので、最近ではそれに取って代わる方法として、
紫外線の露光による形成方法が脚光を浴びている。
【0005】すなわち、この形成方法は、前記のように
溝を物理的に形成するのとは全然異なり、光異性化反
応、光二量化反応、光分解反応などを利用し、直線紫外
線偏光による照射によって配向膜に異方性を与えようと
するもので、殆どの場合、配向膜表面の高分子は紫外線
の偏光方向とは垂直方向に配向するから、この配向膜を
用いると、液晶分子も紫外線の偏光方向とは垂直方向に
配列する。このような形成方法は液晶表示の視野角拡大
を主目的に開発されてきたが(特開平10─90675
号、特開平10─123523号)、液晶セルの価格の
安さも手伝って、液晶表示のみならず多くの民生電子部
品の分野への適用が期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、光磁気ディスク
の信号検波には偏光の分離が必要であり、以前から、そ
れを実現するための簡便な手段と銘うって、プロトンイ
オン交換を利用し、ニオブ酸リチウム上に偏光特性を持
つ回折格子を形成した偏光ホログラムが提案されている
が(特開平6─300921号)、実際のところは、そ
の製作方法は複雑で製作コストが高くつく難点があっ
た。
【0007】また、液晶セルの領域を分割して各部それ
ぞれに電極を設けたものを素子として、光ディスクの駆
動時に発生するコマ収差や、異なる基板厚の光ディスク
を読みだす際の球面収差を補正しようとする方法が提案
されている(特開平10─20263号、特開平10─
92004号)。しかしながら、この方法の弱点は、透
明電極の配線や駆動方法が複雑であること、そして電極
構造に基く遮光や加工性の限界から効率及び波面の補正
精度が低いことである。
【0008】ホログラムの製作方法としては、前記以外
にも数多く知られており、たとえば所望の回折パターン
を形成するための位相分布を計算し、これに基いてホロ
グラムを製作する方法がある。しかし、これに代表され
る方法の共通の問題点は、使用する素子が静的なものが
多く、動的な機能を持つ高精度の素子を製作することが
困難である点である。
【0009】一方、液晶という能動的材料に着目し、そ
れを用いて動的な回折型光学素子を得ようとする方法も
確立されている(CLEO,Techical Digest,CTho34,(199
8)。しかし、回折格子上に液晶を充填するとき、回折効
率が元の回折格子の加工精度で決定されること、回折格
子を液晶の配向膜の代わりに用いるため応答が遅くなる
こと、等の問題を抱えている。しかも、この方法も含め
て液晶を利用したホログラムは、既述したように領域を
分割して各部それぞれに電極を設け、それらに異なる電
圧を印加するため、構造が複雑であるばかりでなく精度
や効率の低いものであった。
【0010】なお、その外にも最近提案されたホログラ
ムとして、偏光状態を変化させるのに微細な格子形状の
偏光特性を利用し、強度変調を実現するものがあるが、
これも製作が困難である(〃Design of Diffractive op
tical elements modulatingpolarization 〃,V.VKotla
r,O.K.Zalyalof, Optik,105.No.1,1997,pp.1-6)。
【0011】また、偏光顕微鏡や光ディスク用高開口数
対物レンズ等の光学装置や光学素子においては、偏光の
回転が大きな問題となる。たとえば、偏光顕微鏡では高
開口数対物レンズ自身で生じる偏光方向の回転を補正す
るために、レクティファイヤーと呼ばれる光学素子が用
いられてきた。入射角が大きい場合、電界ベクトルが入
射面内にある偏光(p 偏光)と入射面に対して垂直な偏
光(s 偏光)に対する透過率は、一致しない。従って、
入射面と電界ベクトルのなす角度が0度又は90度の場
合以外では、偏光方向の回転が生じる。この偏光の回転
は二分の一波長と屈折力を持たないヌルレンズの組み合
わせにより、補正することができる。
【0012】また、複屈折材料や応力などによる残留複
屈折が生じている媒質を透過する場合、透過光の偏光状
態は変化する。これらの偏光の変化は、偏光顕微鏡など
偏光を検出する光学系においては、著しい感度の低下を
招くことになる。高い開口数の偏光顕微鏡においては、
大きな入射角により、観察面での集光スポットが、非点
収差に似た回折パターンを示す。これは解像度の低下を
招くことになるので、消光の低下による感度低下ととも
に、大きな問題となる。
【0013】同様に、光磁気ディスクにおいても、それ
への光の入射角が大きいと、偏光の回転が生じる。ま
た、ディスクの基板が残留複屈折を持つ場合にも、偏光
状態の変化が生じる。更にディスクが光磁気ディスク等
のように多層構造を持つ場合にも、層間の反射光の干渉
により位相が変化し、偏光状態が変化するし、ディスク
のグループなどの構造も回折によって偏光依存性を示
す。
【0014】光磁気ディスクにおいては、入射偏光の光
磁気効果によるカー効果を利用して信号を再生するが、
カー回転角は典型的には0.2から0.5度程度と微小
である。光磁気ディスクにおいては、信号検出時に偏光
を分離して検出を行うが、高い開口数のレンズやディス
クへの高い入射角によって生じる偏光の回転によって、
信号以外の光がもれこむ。これはほぼDC成分と考えて
よいが、半導体レーザーの出力信号やフォーカスエラ
ー、トラッキングエラーなどに対して、このDC成分が
敏感に変動するので、信号のS/N比が低下する。従っ
て、信号以外の偏光状態の変化要因は出来るだけ除去す
ることが望ましい。偏光の回転はこれまでディスクにお
いてはあまり大きな問題とはならなかったが、近年、対
物レンズの開口数が高くなるにつれ、重要な問題となっ
ている。
【0015】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、液晶を利用して偏光状態
を空間的に制御することができる光学素子及び液晶を利
用して偏光状態を目的に合わせて補正できる光学装置
を、それらの製造方法とともに提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の光学素子は、配
向膜に接して液晶を配した液晶素子からなる光学素子に
おいて、配向膜による前記液晶の液晶分子の配向方向が
空間的に変化せしめられ、光の偏光状態が空間的に制御
されていることを特徴とする。
【0017】本発明の光学装置は、配向膜に接して液晶
を配した液晶素子からなる光学素子において、配向膜に
よる前記液晶の液晶分子の配向方向が空間的に変化せし
められ、光の偏光状態が空間的に制御されている光学素
子を具備し、この光学素子を用いて偏光の補正を行うこ
とを特徴とする。
【0018】本発明の光学素子の製造方法及び光学装置
の製造方法は、配向膜に接して液晶を配した液晶素子か
らなる光学素子において、配向膜による前記液晶の液晶
分子の配向方向が空間的に変化せしめられ、光の偏光状
態が空間的に制御されている光学素子又はそれを具備し
た光学装置を製造するに際し、配向膜に対してマスクを
用いて偏光状態を変えつつ光照射を行うか、又は前記配
向膜を光照射手段に対して相対的に移動させて偏光状態
を変えつつ光照射を行い、これによって、前記液晶分子
の配向方向を空間的に変化させる配向制御性を前記配向
膜に付与することを特徴とする。
【0019】このように、本発明では、液晶からなる光
学素子の配向膜の配向方向を、面内で離散的に又は連続
的に変え、これにより液晶分子の配向方向が空間的に変
化するので、入射光の偏光状態を任意の偏光状態分布に
変換できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を光学装置、特に光
ディスク記録及び/又は再生装置に適用した場合につい
て説明する。液晶分子は配向膜の配向方向に沿って配列
するから、各点で配向方向を変えてやれば、所望の配向
方向に液晶分子を並べることができる。更にこれに電界
を印加すれば、複屈折量を制御することができる。
【0021】ここで、液晶がネマティック相にあると
し、正の一軸性の偏光特性を示すものとする。また、入
射光はz方向に伝播する(vx,y )なるジョーンズベ
クトルを持つ偏光とし、外部電界が与えられていないと
き、配向膜により液晶分子は長軸がy軸と角θをなす方
向に配列しているものとする。このとき、液晶の遅相軸
はz軸と角θをなすことになる。透過光の偏光状態は、
ジョーンズベクトルを用いれば次の(1)式で与えられ
る。
【0022】
【式1】 ただし、ここでR,W0はそれぞれ回転と液晶中の位相遅延
量を与える行列で次の(2)式であたえられる。
【式2】 ここで、位相遅延量「と平均位相φは、液晶層の厚み
d、光速c、光の角周波ω、進相軸の屈折率nf =no
とns =no (ns >nf )に対して、
【式3】 で与えられる。たとえば、y 方向の直線偏光(v
x,y )=(0,1)にたいして、
【式4】 である。従って、配向膜の配向方向と偏光方向のなす角
θと位相遅延量「により任意の偏光状態を作りだすこと
ができる。特に、任意の方向の直線偏光を作るには、二
分の一波長板として「=πとすれば、
【式5】 となり、配向膜方向θで直線偏光方向は決定する。但
し、配向膜の配向方向と偏光方向のなす角度はθは固定
だが、位相遅延量「は次に述べるように外部電界によっ
て変えることができる。勿論、回転や移動機構を必要と
しない簡単な構造になり、デバイスとして望ましい。
【0023】外部電界が与えられると、液晶分子はz軸
方向に回転する。それに伴い、光学軸もz軸方向に回転
する。液晶の光学軸とz軸が角αをなすとき、垂直入射
異常光の見る屈折率n0 ( α) は、
【式6】 であたえられる。前式までのn3 をこのn0 ( α) で置
き変えれば、外部電界が与えられた場合の透過光の偏光
状態が求められ、外部電界が与えられていないとき、角
α=90度で、n0 ( α) =n0 となり、垂直入射光に
対して最大の複屈折を示す。外部電界が増加していく
と、角α=0度になったとき、n0 ( α) =n0 とな
り、垂直入射光に対する複屈折は消滅する。つまり、外
部電界の強度を変えることで、位相遅延量「を変化させ
て任意の偏光状態を作りだすことができる。
【0024】以上の液晶光学素子を用いて偏光の回転の
補正を行うことができる。これを図17に示す。y軸か
ら時計回りに2θ度の偏光の回転を伴う光学系出射偏光
を元の方向の偏光に変換し、偏光回転の補正を行うこと
を考える。y軸から90+θ度の方向に偏光した直線偏
光紫外光で配向膜を露光すれば、配向膜はy軸からθ度
の方向に配向する。この配向膜を用いた液晶セルに「=
πとなる電圧を印加すれば、このセルの透過偏光はy軸
方向に一致する。よって、偏光の回転の補正が可能にな
る。ここで、露光偏光方向を90度,180度、270
度回転しても、同様の機能の素子が実現できる。
【0025】製造方法 まず、偏光紫外線Aの露光による光配向法について説明
する。これにより、配向膜を各点で任意の方向に配向で
きる。露光光源としては、最も安価な、紫外線を発する
キセノンランプ等のアークランプに偏光フィルターをく
みあわせたもの、あるいは元々、偏光特性を持っている
エキシマレーザや固体レーザーや気体レーザーの波長変
換による紫外線でもよい。特にNd:YAGレーザーの第三ま
たは第四高調波は、連続発振が可能で制御性に優れ、高
出力が得られるのみならず、生産性にも取り扱い易さに
も優れるから、最も好ましい。現在の露光技術は半導体
や液晶等の電子部品の微細な加工技術としてミクロン以
下までの精密加工が可能である。従って、複数のマスク
ごとに露光偏光の状態を変えてやれば、露光ごとに異な
る領域を異なる方向の配向膜とすることができる(図1
9)。
【0026】また、送りステージ23を用いて配向材料
を塗布した基盤を移動しながら、紫外線の偏光状態を変
化させつつ、集光スポットで1点ずつ露光していけば、
配向膜の配向方向を所望の分布にすることができる(図
18)。勿論、ここでのスキャニング手段は送りステー
ジに限らず、回転ステージであってもよい。逆にスポッ
トを操作するためにガルバノミラーや音響光学偏光器、
電気光学偏光器等の手段であってもよい。露光偏光の偏
光状態を変えるには、電気光学効果、波長板の回転など
の手段をもちいればよい。また、1次元方向にのみ配向
膜の配向方向を制御したいなら、スリットやシリンドリ
カルレンズを用いて線状に光線を集光して、これを走査
してもよい。以上の手段により配向膜の配向方向を面内
で自由に制御することができる。このような面内に異な
る配向方向の分布を有する配向膜により、液晶分子は空
間的に変調された配向方向の分布を持つことになる。こ
の分布状態は離散的であってもよいし、連続的であって
もよい。
【0027】また、偏光顕微鏡におけるレクテファイヤ
ーと同様な機能を実現する素子を作製するには、例えば
次の手段によるのがよい(図20)。図21(a)の入
射偏光に対し、図21(b)のような偏光を出射する光
学系の補正を考える。まず、補正の対象となる光学系の
半分の偏光回転角を持ち、屈折力のないレンズ(ヌルレ
ンズ)7を用意する。これに平行光直線偏光紫外線を入
射する。このレンズの出射光を図21(c)に示す。出
射後に、入射直線偏光の偏光方向と中性軸(遅相軸)を
一致させた二分の一波長板8を用いて、偏光方向を反転
させる。反転後の偏光状態を図21(d)に示す。この
偏光を用いて配向膜を露光する。配向膜の配向方向は露
光偏光方向に直交する。露光後、この配向膜を用いて液
晶セルを作製し、90度回転する。回転後の液晶セルの
配向方向を図21(e)に示す。この液晶セルに二分の
一波長の位相遅延量を与えれば、目的の光学系の偏光回
転を補正する素子を得ることができる。一般に所望の偏
光状態の分布を得るために、これと同様に屈折力のない
レンズを用いて、液晶配向膜を照射して配向分布を形成
することも可能である。
【0028】光学素子の構造 以上述べたような配向膜をガラス、プラスチック基盤上
の透明電極上に作製する。これを2枚スペーサーで数ミ
クロンから、数十ミクロン程度に間隔をあけ、重ね合わ
せて固定し、その間隔に液晶を充填する。透明電極には
ITO等をもちいればよい。この透明電極に外部から電
圧を加えれば、液晶分子の光軸方向の回転量を電気的に
制御し、複屈折量を制御することができる。
【0029】光学素子の構造には次のような変形例が考
えられる。まず、ここまで主として透過型についてのみ
考えてきたが、基板の一枚をミラーで置き換えれば、反
射型の素子とすることもできる。配向膜2枚の位置合わ
せが困難であれば、スペーサ間隔を充分小さくし、配向
膜は1面のみにしてもよい。また、対向する2枚の配向
膜の配向方向は同じである必要はなく、例えば、液晶表
示で現在用いられているような90度ひねられた方向で
あってもよい。一般的には、入射側配向膜の配向方向を
入射直線偏光の偏光方向と平行にし、出射側配向膜の配
向方向を所望の出射光偏光方向と平行にすれば、その所
望の偏光を得ることができる。これは、ねじれネマティ
ックモード(TwistedNematic Mod
e)として知られている。液晶表示モードには、他にも
STNモード、GHモード、ECBモード、FLCモー
ドなどが知られている。このようなモードを用いる場合
に応じて配向膜の適切な配向方向を設計すれば、同様の
効果を得ることができる。従来、提案されてきた電気的
に制御可能なホログラム素子は電極構造を分割し、独立
に駆動するものであったが、本発明では空間的な領域の
分割は配向膜の構造によるので、複数の電極構造を設け
る必要はなく、これは実用上大きな利点である。しか
し、目的に応じて複数に分割した電極構造を設けて、そ
れぞれに異なる電圧を与える等の手段により高機能化を
はかってもよい。
【0030】また、基板はここまで主に平面基板を考え
てきたが、必要に応じて曲率を持っていてもよいし、回
折格子などの構造を有してもよい。なお、スペーサーと
しては微小な粉末状のプラスチック球が用いられること
が多く、2枚の基板を略平行とするために好都合であっ
たが、リズムまたはウエッジ形状とするために、異なる
2枚の大きさのスペーサを用いてもよい。
【0031】外部電界の有無 透明電極に加えられる電圧としては、DC、AC、パル
ス波、連続波など様々な駆動形態が可能である。また、
本発明でも配向膜で液晶分子の配列方向を制御している
ので、外部電圧がない状態で最大の複屈折を示す。従っ
て、電界を加えずに受動的な光学素子として用いること
ができる。また、電界を加える代わりに素子を回転また
は移動してやれば、入射光線と配向膜の配向方向を相対
的に変える事もできる。
【0032】光学素子の使用形態 (1)単独での使用形態 本素子単独で空間的に所望の偏光状態の分布を動的に作
りだすことができる。 〔偏光素子と検光子を併用した使用)本素子を偏光子と
それと直交する検光子とで挟むことにより、一方向の偏
光成分を取り出すことができる。従って、これは空間的
な強度変調である。勿論、入射光が直線偏光であれば、
偏光子は必要ない。
【0033】(2)本素子のホログラムとしての例と応
用 本素子の光線方向の変化を伴う光学素子としての動作原
理は、回折型又は屈折型が考えられる。しかし、液晶は
粘度が高く、外部電界に対する応答速度は液晶層が厚い
ほど低下する。液晶の常光と異常光に対する屈折率の差
は典型的には0.03程度である。ビデオレートの動作
速度を得るには、液晶層の厚さは20ミクロ程度が限界
である。従って、常光と異常光の光路差としては、0.
6ミクロン程度であり、この程度では屈折型の素子とし
て用いることは難しい。勿論、この程度の微小な屈折率
変化で微小な制御をおこなうのであれば、これを用いる
ことも可能である。
【0034】以下、回折型光学素子について述べる。 〈回折格子〉配向膜の配向方向θをy軸から時計回りを
正としてとる。
【式7】 とすれば、前述の結果を用いて「=πとなる電界Eを与
えたとき、y方向直線偏光の入射光(VX,V Y )=(0,1) に
対して出射光は、
【式8】 となる。これをポライザーに通してx成分とy成分のど
ちらかだけ取り出せば、出射光の振幅は正弦関数分布を
持つ。つまり、これは正弦関数状の透過率を持つ回折格
子である。従って、透過光は±1次光に分離する。更に
電界E2 をかけて液晶分子が入射面に対して直交する方
向にまで回転したときには、複屈折は生じないため、光
線はそのまま液晶セルを透過する。ポライザーを直交さ
せれば光は消え、偏光と一致させれば光はそのまま透過
する。従って、電界E1 ,E2 を切り替えるごとで電気
的に制御可能な回折格子を実現出来る。
【0035】図22に液晶配向膜配向方向、図23に液
晶セル透過後のX 方向偏光成分の振幅、図24に液晶配
向膜透過光の偏光方向の分布を示す。このように周期的
に液晶の光学軸を回転させ、回折格子を離散的又は連続
的にすることにより、回折格子を離散的又は連続的な形
状にすることが可能である。この液晶を用いた可変回折
格子は、従来の変調器や偏光器にくらべて安価であり、
製造上大きな利点がある。
【0036】(ホログラム)ホログラムは各空間周波数
成分について考えれば、回折格子を重ねたものと考えら
れるから、原理的には回折格子と同様に考えればよい。
つまり、任意のパターンのホログラムを振幅ホログラム
として、本発明の手法を用いて作製することができる。
ここで特徴的なのは、直交する偏光に対して反転した回
折パターンが生じるという点である。たとえば、図25
の液晶配向膜配向分布、図26の液晶セル透過光X 方向
成分、図27の液晶セル透過光の偏光方向分布のよう
に、ゾーンプレートとして回折型レンズを作ることがで
きる。この場合、直交する偏光の一方は凸レンズとなる
ので、光軸上で偏光分離された焦点が生じる。これを用
いて偏光比の測定を行うことができる。また、球面収差
を発生するパターンを用いれば、各偏光に対して異なる
基板厚の光ディスクを再生することができる。
【0037】〈本素子の偏光空間補正器としての例と応
用〉光路変換を伴わない光学素子としては、空間的な偏
光フィルターとしての活用が考えられる。偏光を検出す
ることを目的とする光学系または干渉を用いる光学系な
ど、偏光に依存する光学系にこの空間的偏光フィルター
を用いれば、光学系で発生する偏光の回転の空間的な補
正を行うことができる。
【0038】たとえば、図28に示す光学系(9はレン
ズ)において、入射光はy方向に直線偏光している(電
場振動面がy軸と光軸を含む平面内にあるとする。)と
する。出射面(X ’ Y’平面) の点(X’、Y ’) では、
出射光は偏光面が出射側からみて時計回りにθ= θ
(X’、Y ’) 度回転している直線偏光とする。ここで、
θは位置(X’、Y ’) による関数であるとする。つま
り、一般的な面内で偏光の回転角が一様でない分布の場
合を含めて考える。このとき、出射面に出射面から見て
Y 軸から時計回りにφ= φ(X’、Y ’) = θ(X’、Y
’) /2度回転した方向に配向された配向膜を持つ液
晶セルを置き、位相遅延量「=πとなる電圧をかけれ
ば、液晶セルはY 軸から時計回りにθ/2度の方向に中
性軸を持つ二分の一波長板として働き、電場振動面は−
θ度回転し、再び電場振動面はY 軸と光軸を含む平面内
に戻る。従って、液晶セル透過光は軸方向に偏光してい
る直線偏光となり、光学系による偏光の回転が補正され
る。
【0039】ここでは、入射偏光と出射偏光は各点で直
線偏光であるとして考えた。しかし、、入射光と出射光
が直線偏光ではなく、一般的に楕円偏光であっても、適
当な配向方向と各点に加える電圧を変えれば、偏光を自
由に空間的に制御することができる。しかし、液晶セル
の各点にかける電圧を独立に変えるためには、各点にそ
れぞれ電極を複数設けなければならなくなり、構造が複
雑になるが、偏光の補正としては、直線偏光について考
えればよいことが実用上多い。従って、楕円偏光であっ
ても、楕円率が充分小さく直線偏光に近い場合は、楕円
の長軸方向を回転させることによって、充分な補正効果
が得られる。
【0040】
【実施例】次にその具体的な設計例を、開口数0.85
の光ディスク用10の2群2枚の対物レンズ8、9につ
いて示す。設計波長は635nmである。無限倍率の構
成とした。H LAF2,BK7、ポリカーボネートの
屈折率は、それぞれ1.780421、1.51501
4、1.57950とした。図2にその光路を示す。P
偏光とS 偏光は入射角度により異なる透過率または反射
率をとる。従って、この例のような急峻な入射角度を持
つ光学系では、複屈折を示す材料が使われていなくて
も、偏光の回転が生じる。
【0041】
【0042】この対物レンズを図1に示すような光磁気
ディスク光学系で用いるときには、対物レンズで生じる
偏光の回転を戻り光の図の位置で補正する液晶レクチフ
ァイヤー11を設計する。なお、12は光ディスク、1
3は対物レンズ、14、15はビームスプリッター、1
6偏光ビームスプリッター、17コリメーターレンズ、
18集光レンズ、19信号検出系ディテクター、20L
D、21サーボ信号検出系ディテクターを示す。計算の
手続きは以下のとおりである。まず、瞳上の各点から光
線追跡を行い、各光線の各面での入射角θ1,θ2,θ3,
θ6,を求める。たとえば、上の設計例で、瞳の70%の
入射高の光線に対して、光線追跡の結果は次の表2に示
すようになった。
【0043】 角面について、入射角からp偏光とs偏光について、振
幅透過率( t p,t s )、反射率(rp,r s ) 、エネルギー
透過率(tp,t s ) は以下のように計算できる。p偏光と
s偏光に対する振幅透過率t p,t s と振幅反射率r p,r
s は入射角に依存する。入射側及び出射側媒質の屈折率
をn1, n2, 入射角と屈折角をθ1,θ2,とすれば、それぞ
【式9】 で与えられる。
【0044】一般的には、偏光の回転を考えれば、入射
光の電場ベクトル(EP,E S ) に対して、透過率は2行2
列の行列で表される。出射光の電場ベクトル( E p ,
E S’) は、
【式10】 となる。ここで、電場ベクトル、行列の各係数は一般に
複素数である。しかし、本設計では、屈折面だけを考え
ているので、行列中の非対角成分は0である。
【0045】しかし、前述のとおり、反射防止膜がある
場合には、多重反射の重ね合わせにより、出射光は楕円
偏光になり、長軸方向は回転する。なお、一般に入射側
または出射側媒質が不完全導体で吸収を持つ場合は、屈
折率n1, n2は複素数となるが、同様な式が成り立つ。任
意の偏光に対しては、偏光成分をp 成分とs 成分とに分
解して、それぞれの成分について考えればよい。しか
し、一般にp 成分とs 成分について、振幅透過率または
振幅反射率は一致しない。従って、直線偏光は反射また
は屈折後にp 成分とs 成分の振幅の比が変化し、偏光方
向が回転する。
【0046】表2から、各面の振幅透過率を計算すれ
ば、次の表3を得る。 これから、p 偏光とs 偏光の透過率をそれぞれ求める
と、片道について、 T P =0.8073, T S =0.6022, t p =0. 8985, ts =0.
7760 往復について、 T P =0.6517, T S =0.3626, t p = 0.8070, t s=0.
6020 となる。
【0047】また、ここで、座標系は入射点(rcos φ,r
sin φ) での局所座標を用いてp偏光とs 偏光について
既述したが、光軸をz 軸とする直交座標とは、次式の関
係で結ばれている。
【式11】 この計算を瞳上の入射光各点について行い、フィッテン
グをおこなえば、出射瞳上での各点( αcos θ, αsin
φ) のP 偏光、S 偏光の透過率は、 rp ( α)=0.8425+0.02894α-0.077726 α2+0.36014 α3-0.20315 α4 (11) r s ( α)=0.84178+0.057623α-0.47109α2+0.77805 α3-0.58556 α4 と求められる。ここで、光線は光軸を含む面内を伝播す
るメリディオナル面内の光線のみを考え、スキュウー光
線の影響は考えない。
【0048】以下、入射光はy方向成分のみの直線偏光
(EX 、Ey)=(0、1)とする。これを面内の各点
( αcos φ, αsin φについてp成分とs成分であらわ
せば、( E P 、E S )=(cosθ、sin φ) となる。従っ
て、出射光は
【式12】 で与えられる。この出射光の入射光に対する偏光の回転
角を、時計回りを正として瞳上の角点について計算して
結果を図3に示す。これから、各点の偏光方向がy軸方
向に戻るよう、先程の関係式から配向膜の方向を求める
ことができる。上記の偏光を入射光と同じy方向偏光に
変換するためには、y軸から時計回りに測った液晶の配
向方向φ(度)はy軸から時計回りに測った直線偏光の
回転角θ(度)に対して、
【式13】 で与えられる。これをm=0の場合について計算した結
果を図4に示す。連続的に配向膜の配向方向を変化させ
る場合には、図の矢印の方向に角度を徐々に変えながら
配向を与えていく。離散的に配向膜の配向方向の分布を
作製する場合には、等高線の等しい高さの領域毎にマス
クを作製して、露光光の偏光方向を変えながら露光を繰
り返せばよい。もしくは、この配向分布を形成するよう
な偏光特性を持つ光学系を用いて、配向膜を照射すれば
よい。この配向膜で液晶セルを作製し、半波長電圧を与
えれば、偏光の回転は補正される。
【0049】上の例では、最も単純な屈折面だけを取り
扱ったが、その他、様々な面についても同様に振幅透過
率又は反射率を求めることができる。例えば、通常、反
射による光量損失を防ぐ目的で、光学素子の表面にはコ
ーテングが施されているが、この薄膜内部での多重干渉
により出射光の偏光方向と楕円率は変化する。薄膜の反
射光と屈折光の偏光では、多重反射の干渉によって位相
の変化が生じる。
【0050】これを単層膜コートの場合について述べ
る。媒質1、2、3の屈折率を各々n1 、n2 、n3
媒質2の厚みをd、媒質1から媒質2への入射角度をθ
1 、媒質1から媒質2への出射角度をθ2 、媒質2から
媒質3への出射角度をθ3 とする。光線は媒質2で多重
反射する。このとき、多重反射間の光路差L は、
【式14】 である。媒質1、2、3は異方性を持たず、複屈折はな
いものと仮定する。この場合、p偏光とs偏光に対して
共通の形式で取り扱うことができるので、簡単のため、
ひとまずp偏光について考える。入射光の媒質1におけ
る振幅をA op、第1面と第2面の振幅透過率と振幅反射
率をそれぞれtp 、rp とする。この時、出射光の振幅
A P は多重反射の重ね合わせで示される。
【0051】
【式15】 たとえば、単層ARコーティングとして四分の一波長膜
(膜厚d=λ/4)を考えると、
【式16】 である。s偏光についても同様に考えることができる。
この多重反射光間の干渉により垂直入射以外の入射角に
対しては、出射光の位相が変化するため、出射光は一般
に楕円偏光になる。これを行列で表せば、
【式17】 一般の多層膜の場合についても同様に振幅透過率と反射
率を求めることができる。これについては、数多くの文
献に述べられており( たとえば『光学薄膜』藤原史郎
編、共立出版、第2版、1986年、『光学薄膜』、H.
A.M aClEad、日刊工業新聞社、1989)、数多くの薄膜設
計ソフトウエアも市販されている。先程の例について反
射防止膜として四分の一波長MgF2 単層膜をコーティ
ングした場合について、上記結果を用いて偏光の回転角
を計算した結果を図5に示す。先程の反射防止膜が無い
場合と同様に、これから偏光の回転を補正するための配
向膜の配向方向を計算することができる。その結果を図
6に示す。ここで、偏光の楕円率は充分小さいので、偏
光の長軸を補正すれば、光磁気ディスク再生信号を得る
ために充分な補正効果が得られる。
【0052】光磁気ディスクの場合、このような薄膜構
造が特に重要な役割を担う。光磁気ディスクはカー回転
角を読み出して信号を検出するので、多層膜に加えてこ
の効果を考慮しなければならない。ディスクの多層膜構
造によりカー回転角を増幅するなど、様々な工夫がこの
膜構造に加えられているので、膜構造の設計に応じた補
正が必要である。しかし、その透過率はいずれも2行2
列の複素行列で表すことができるので、上の例と同様に
計算することができる。
【0053】次に、固体液浸レンズ(Solid Immersion
Lens(SIL) の場合について述べる。固体液浸レンズで
は、レンズ最終面において、全反射光により生じたエバ
ネッセント場と近接した物体のカップリングにより、全
反射の減衰が起こる。この減衰を通じて、波長以下の物
体の構造について情報を得ることができる。従ってこの
減衰によって生じる位相の解析と制御が重要となる。
【0054】まず、波長以下の全反射の場合の振幅反射
率について説明する。全反射においても、入射光と出射
光の間には位相のとびが生じることが知られている。全
反射においては、p偏光、s偏光ともに振幅反射率の絶
対値は1である。しかし、p偏光とs偏光の位相のとび
が違うので、反射光の偏光状態は楕円偏光になる。この
位相のとびは、次のようにして求められる。入射側媒質
の屈折率をn1 、反射面媒質の屈折率をn2 、n12=
2 /n1 <1として、入射角θ1 、反射角θtは、
【式18】 で与えられる。ここで、反射角θt は全反射の場合、複
素数になる。これから、次式を得る。
【0055】
【式19】 透過光の電場は、
【式20】 ここで、位相は、
【式21】 これに前式を代入して、
【式22】 を得る。第二項の指数が正の場合は発散するので物理的
に意味がない。負の場合は、振幅は指数関数的に減衰す
ることになる。これがエバネッセント波である。従っ
て、p偏光とs偏光に対する振幅反射率は、
【式23】 その位相δp 、δs は、
【式24】 であり、位相のとびδ=δs −δp は、
【式25】 で与えられる。これを行列表示すれば、
【式26】 となる。
【0056】従って、直線偏光を入射させても、全反射
光は楕円偏光になる。記録媒体として光磁気効果を持つ
材料を用いようとすると、この楕円率の大きな変化は大
きな問題となる。最も簡単な方法として、図7に示すよ
うな配置において、次のような補正方法が考えられる。
なお、11aはビームスプリッター14と固体液浸型変
換フィルター13aとの間に置かれたp光変換フィルタ
ーである。入射直線偏光を本素子によって全てp偏光、
またはs偏光に変換する。この時、レンズ中での偏光の
回転や楕円率の変化を無視すれば、記録媒体が無い場合
は全反射後の光もp偏光またはs偏光である。全反射後
の光を再びこの素子に通せば、出射光は再び直線偏光に
なる。記録媒体が存在する場合は、反射後の偏光状態が
変化する。この偏光状態の直線偏光からの変化を信号と
して取り出せば、記録媒体に記録された信号を再生する
ことができる。
【0057】このような偏光フィルターは本光学素子を
用いて次のようにして実現できる。入射直線偏光はy偏
光(ジョーンズベクトルで(0、1))とする。このとき、
極座標(r:φ)での配向膜配向方向を、直交座標で
(sin(90- φ)/2)、cos(90- φ)/2))、(−sin(φ/2)
、cos(φ/2) )で表されるベクトル方向とし、液晶セ
ルに位相遅延量πを生じる電圧を印加すれば、フィルタ
ー出射光はそれぞれp偏光、s偏光に変換される。この
位置関係を図8、素子の配向方向を図9に示す。この素
子を作製するには、前述の作製方法を用いて、スリット
やシリンドリカルレンズを用いて線状に光線を集光し
て、偏光を回転させながら、同時に露光素子を回転指せ
ればよい(図10)。なお、図10において、3は配向
膜、22はシリンドリカルレンズである。
【0058】また、複屈折材料や応力などによる残留複
屈折が生じて媒質を通過する場合にも、透過光の偏光状
態は変化する。これについても、ジョーンズベクトルを
用いた取り扱いが知られている。(たとえば、”Optica
l Waves In Crystal”,P.Wiley internatinal)。回折格
子やホログラムを用いた回折型光学素子においても、p
偏光とs偏光に対する回折効率は異なるため、透過光の
偏光状態は変化する。これを正確に求めるためには、厳
密な結合波理論に基いて計算すればよい。光学系の各面
がこれらの性質を持っているなら、光線追跡を行い、p
偏光とs偏光について反射率または透過率を計算し、先
の例と同様に各面を2行2列の複素行列で表して出射光
の偏光状態を求め、それを所望の偏光状態に変換するθ
と「を求めればよい。本光学素子は任意の偏光状態の分
布を作りだせるので、以上述べた場合を含めて任意の光
学素子について補正を行い、所望の任意の偏光状態の分
布を作りだすことができる。
【0059】
【発明の効果】以上で明らかなように、本発明では配向
膜に接して液晶を配した液晶素子からなる光学素子にお
いて、光照射により配向膜の配向制御を離散的又は連続
的に行い、液晶分子の配向方向を空間的に変化せしめ、
光の偏光状態を空間的に制御するので、小型、安価、且
つ高品質の偏光変換光学素子を実現でき、能動的または
受動的に偏光分布を自由に制御することができる。本発
明の光学素子を利用すれば、電気的に変調可能なホログ
ラムを実現でき、高い開口数のレンズを用いた偏光顕微
鏡や光磁気ディスクなど偏光状態を検出する装置にあっ
ては、ノイズとなる偏光の回転を補償することができ、
光ディスクにおいては、高S/N比の高開口数レンズを
実現できる。また、従来のレクティファイヤーは複数の
レンズが必要であったため、光ディスクに組み込もうと
すれば、装置が複雑で且つ高コストになると言う問題が
あったが、前記光学素子を用いれば、偏光補償光学系の
小型化、軽量化、コスト低減を計ることができる。更
に、偏光顕微鏡に利用すれば、従来のレクテファイヤー
に比べて、設計の自由度が拡大し、コストを低下させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の光ディスク光学系である。
【図2】本発明の一実施例の光路図である。
【図3】ARコートがない場合の実施例の偏光回転角を
示す。
【図4】ARコートがない場合の実施例1の偏光回転を
補正する光学素子の配向膜配向方向の概念図。
【図5】ARコートがある場合の実施例1の偏光回転角
の概念図。
【図6】ARコートがある場合の実施例1の偏光回転を
補正する光学素子の配向膜配向方向の概念図光学系。
【図7】実施例2の情報記録再生装置光学系を示す。
【図8】p偏光又はs偏光変換光学素子の配向方向位置
関係をしめす。
【図9】p偏光又はs偏光変換光学素子の配向膜向配向
方向をしめす。
【図10】p偏光又はs偏光変換光学素子の配向膜作製
工程を示す。
【図11】外部電界をあたえない場合の液晶セルの概念
図である。
【図12】外部電界をあたえた場合の液晶セルの概念図
である。
【図13】液晶分子が電界印加方向に平行となる外部電
界を与えた場合の液晶セルの概念図である。
【図14】外部電界を与えない場合の屈折率楕円体の概
念図である。
【図15】外部電界を与えない場合の屈折率楕円体の概
念図。
【図16】液晶分子が電界印加方向に平行となる外部電
界を与えた場合の屈折率楕円体の概念図。
【図17】偏光回転光学系出射偏光と補正液晶セルの方
向概念図。
【図18】マスクによる配向膜露光の概念図。
【図19】送りステージ走査による配向膜露光の概念
図。
【図20】レクチィファイヤー作製光学系の概念図。
【図21】レクチィファイヤー作製光学偏光の概念図。
【図22】回折格子用の液晶配向膜の配向方向を示す。
【図23】回折格子液晶セル透過後のx方向偏光成分の
振幅の概念図。
【図24】回折格子液晶配向膜透過光の偏光方向の分布
概念図。
【図25】ゾーンプレート用の液晶配向膜の配向方向を
示す。
【図26】ゾーンプレート液晶セル透過後のx方向偏光
成分の振幅の概念図。
【図27】ゾーンプレート液晶配向膜透過光の偏光方向
の分布の概念図。
【図28】光学系による偏光の回転を示す。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…透明電極、3…配向膜、4…スペ
ーサー、5…液晶分子、7…屈折力のないレンズ、8…
二分の一波長板、9…レンズ、11…液晶レクテファイ
ヤー、12…光ディスク、13…対物レンズ、14、1
5…ビームスプリータ、16…偏光ビームスプリッタ
ー、17…コリメーターレンズ、18…集光レンズ、1
9…信号検出系ディテクター、20…LD、21…サー
ボ信号検出系ディテクター、11a…p又はs偏光変換
フィルター、13a…固体液浸型対物レンズ、23…マ
スク、24…ステージ、A…紫外線
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月30日(1999.9.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の光学素子は、液
晶と、該液晶に接して配置されるとともに液晶分子の配
向方向分布を有する配向膜と、前記液晶分子の配向方向
を変化させるために電界を印加する電界印加手段とによ
り構成され、入射光の偏光状態の制御又は補正を行うた
めに用いられることを特徴とするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】本発明の光学装置は、開口数が0.7以上
の対物レンズと;液晶と、該液晶に接して配置されると
ともに液晶分子の配向方向分布を有する配向膜と、前記
液晶分子の配向方向を変化させるために電界を印加する
電界印加手段とにより構成され、入射光の偏光状態の制
御又は補正を行うために用いられる液晶素子と;が光軸
上に配されていることを特徴とするものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】本発明の光学素子の製造方法は、液晶と、
該液晶に接して配置されるとともに液晶分子の配向方向
分布を有する配向膜と、前記液晶分子の配向方向を変化
させるために電界を印加する電界印加手段とにより構成
され、入射光の偏光状態の制御又は補正を行うために用
いられる光学素子を製造するに際し、前記配向膜に、偏
光状態を変化させながら光ビームを照射することによ
り、所定の方向に液晶分子の配向方向分布を有する配向
膜を形成することを特徴とするものである。また、本発
明の光学装置の製造方法は、開口数が0.7以上の対物
レンズと;液晶と、該液晶に接して配置されるとともに
液晶分子の配向方向分布を有する配向膜と、前記液晶分
子の配向方向を変化させるために電界を印加する電界印
加手段とにより構成され、入射光の偏光状態の制御又は
補正を行うために用いられる液晶素子と;が光軸上に配
されている光学装置を製造するに際し、前記配向膜に、
偏光状態を変化させながら光ビームを照射することによ
り、所定の方向に液晶分子の配向方向分布を有する配向
膜を形成することを特徴とするものである。この方法に
おいては、前記配向膜に対してマスクを用いて偏光状態
を変えつつ光照射を行うか、又は前記配向膜を光照射手
段に対して相対的に移動させて偏光状態を変えつつ光照
射を行うのがよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】このように、本発明では、液晶からなる光
学素子の配向膜の配向方向を、電界の印加によって面内
で離散的に又は連続的に変え、これにより液晶分子の配
向方向が空間的に変化するので、入射光の偏光状態を任
意の偏光状態分布に変換でき、入射光の偏光状態の制御
又は補正を行うことができる。本発明において、前記液
晶分子の配向方向が離散的又は連続的に変化するのがよ
いが、例えば外部電圧を印加することにより、複屈折が
制御される。また、本発明は、偏光依存性を有する回折
格子又はホログラムや、偏光変換フィルターとして用い
られ、その入射光の偏光状態を変換して所定の偏光状態
の出射光を出射し、或いはレクティファイヤーとして用
いられ、その入射光の偏光状態を変換して所定の偏光状
態の出射光を出射するのに好適であり、光情報記録及び
/又は再生装置にも好適である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】以下、入射光はy方向成分のみの直線偏光
(EX 、Ey)=(0、1)とする。これを面内の各点
( αcos φ, αsin φについてp成分とs成分であらわ
せば、( E P 、E S )=(cosθ、sin φ) となる。従っ
て、出射光は
【式12】 で与えられる。この出射光の入射光に対する偏光の回転
角を、時計回りを正として瞳上の各点について計算した
結果を図3に示す。これから、各点の偏光方向がy軸方
向に戻るよう、先程の関係式から配向膜の方向を求める
ことができる。上記の偏光を入射光と同じy方向偏光に
変換するためには、y軸から時計回りに測った液晶の配
向方向φ(度)はy軸から時計回りに測った直線偏光の
回転角θ(度)に対して、
【式13】 で与えられる。これをm=0の場合について計算した結
果を図4に示す。連続的に配向膜の配向方向を変化させ
る場合には、図の矢印の方向に角度を徐々に変えながら
配向を与えていく。離散的に配向膜の配向方向の分布を
作製する場合には、等高線の等しい高さの領域毎にマス
クを作製して、露光光の偏光方向を変えながら露光を繰
り返せばよい。もしくは、この配向分布を形成するよう
な偏光特性を持つ光学系を用いて、配向膜を照射すれば
よい。この配向膜で液晶セルを作製し、半波長電圧を与
えれば、偏光の回転は補正される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】このような偏光フィルターは本光学素子を
用いて次のようにして実現できる。入射直線偏光はy偏
光(ジョーンズベクトルで(0、1))とする。このとき、
極座標(r:φ)での配向膜配向方向を、直交座標で
(sin(90- φ)/2)、cos(90- φ)/2))、(−sin(φ/2)
、cos(φ/2) )で表されるベクトル方向とし、液晶セ
ルに位相遅延量πを生じる電圧を印加すれば、フィルタ
ー出射光はそれぞれp偏光、s偏光に変換される。この
位置関係を図8、素子の配向方向を図9に示す。この素
子を作製するには、前述の作製方法を用いて、スリット
やシリンドリカルレンズを用いて線状に光線を集光し
て、偏光を回転させながら、同時に露光素子を回転させ
ればよい(図10)。なお、図10において、3は配向
膜、22はシリンドリカルレンズである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の光ディスク光学系である。
【図2】本発明の一実施例の光路図である。
【図3】ARコートがない場合の実施例の偏光回転角の
概略図である。
【図4】ARコートがない場合の実施例1の偏光回転を
補正する光学素子の配向膜配向方向の概念図である。
【図5】ARコートがある場合の実施例1の偏光回転角
の概念図である。
【図6】ARコートがある場合の実施例1の偏光回転を
補正する光学素子の配向膜の配向方向の概念図である。
【図7】実施例2の情報記録再生装置の光学系の概略図
である。
【図8】p偏光又はs偏光変換光学素子の配向方向の位
置関係の概念図である。
【図9】p偏光又はs偏光変換光学素子の配向方向の概
念図である。
【図10】p偏光又はs偏光変換光学素子の配向膜作製
工程の概略図である。
【図11】外部電界を与えない場合の液晶セルの概略図
である。
【図12】外部電界を与えた場合の液晶セルの概略図で
ある。
【図13】液晶分子が電界印加方向に平行となる外部電
界を与えた場合の液晶セルの概略図である。
【図14】外部電界を与えない場合の屈折率楕円体の概
念図である。
【図15】外部電界を与えた場合の屈折率楕円体の概念
図である。
【図16】液晶分子が電界印加方向に平行となる外部電
界を与えた場合の屈折率楕円体の概念図である。
【図17】偏光回転光学系出射偏光と補正液晶セルの配
向方向の概念図である。
【図18】マスクによる配向膜の露光の概略図である。
【図19】送りステージ走査による配向膜の露光の概略
図である。
【図20】レクティファイヤー作製光学系の概略図であ
る。
【図21】レクティファイヤー作製光学系の概念図であ
る。
【図22】回折格子用の液晶配向膜の配向方向の概念図
である。
【図23】回折格子用の液晶セル透過後のx方向偏光成
分の振幅の概念図である。
【図24】回折格子用の液晶配向膜透過光の偏光方向の
分布の概念図である。
【図25】ゾーンプレート用の液晶配向膜の配向方向の
概念図である。
【図26】ゾーンプレート用の液晶セル透過後のx方向
偏光成分の振幅の概念図である。
【図27】ゾーンプレート用の液晶配向膜透過光の偏光
方向の分布の概念図である。
【図28】光学系による偏光の回転の概念図である。
【符号の説明】 1…ガラス基板、2…透明電極、3…配向膜、4…スペ
ーサー、5…液晶分子、7…屈折力のないレンズ、8…
二分の一波長板、9…レンズ、11…液晶レクティファ
イヤー、12…光ディスク、13…対物レンズ、14、
15…ビームスプリータ、16…偏光ビームスプリッタ
ー、17…コリメーターレンズ、18…集光レンズ、1
9…信号検出系ディテクター、20…LD、21…サー
ボ信号検出系ディテクター、11a…p又はs偏光変換
フィルター、13a…固体液浸型対物レンズ、23…マ
スク、24…ステージ、A…紫外線

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配向膜に接して液晶を配した液晶素子か
    らなる光学素子において、配向膜による前記液晶の液晶
    分子の配向方向が空間的に変化せしめられ、光の偏光状
    態が空間的に制御されていることを特徴とする、光学素
    子。
  2. 【請求項2】 前記液晶素子に外部電圧を印加すること
    により、複屈折が制御される、請求項1に記載の光学素
    子。
  3. 【請求項3】 偏光依存性を有する回折格子又はホログ
    ラムに用いられる、請求項1に記載の光学素子。
  4. 【請求項4】 偏光変換フィルターに用いられ、その入
    射光の偏光状態を所望の偏光状態の出射光に変換する、
    請求項1に記載の光学素子。
  5. 【請求項5】 配向膜に接して液晶を配した液晶素子か
    らなる光学素子において、配向膜による前記液晶の液晶
    分子の配向方向が空間的に変化せしめられ、光の偏光状
    態が空間的に制御されている光学素子を具備し、この光
    学素子を用いて偏光の補正を行うことを特徴とする、光
    学装置。
  6. 【請求項6】 光情報記録及び/又は再生装置である、
    請求項5に記載の光学装置。
  7. 【請求項7】 偏光顕微鏡である、請求項5に記載の光
    学装置。
  8. 【請求項8】 開口数0.7以上の対物レンズを有し、
    これにより偏光状態の補正が行える、請求項5に記載の
    光学装置。
  9. 【請求項9】 開口数1以上の固体液浸型対物レンズを
    有し、これにより偏光状態を補正する、請求項5に記載
    の光学装置。
  10. 【請求項10】 配向膜に接して液晶を配した液晶素子
    からなる光学素子において、配向膜による前記液晶の液
    晶分子の配向方向が空間的に変化せしめられ、光の偏光
    状態が空間的に制御されている光学素子を製造するに際
    し、配向膜に対してマスクを用いて偏光状態を変えつつ
    光照射を行うか、又は前記配向膜を光照射手段に対して
    相対的に移動させて偏光状態を変えつつ光照射を行い、
    これによって、前記液晶分子の配向方向を空間的に変化
    させる配向制御性を前記配向膜に付与することを特徴と
    する光学素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 配向膜に接して液晶を配した液晶素子
    からなる光学素子において、配向膜による前記液晶の液
    晶分子の配向方向が空間的に変化せしめられ、光の偏光
    状態が空間的に制御されている光学素子を具備した光学
    装置を製造するに際し、配向膜に対してマスクを用いて
    偏光状態を変えつつ光照射を行うか、又は前記配向膜を
    光照射手段に対して相対的に移動させて偏光状態を変え
    つつ光照射を行い、これによって、前記液晶分子の配向
    方向を空間的に変化させる配向制御性を前記配向膜に付
    与することを特徴とする光学装置の製造方法。
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