JP2003083408A - 摩擦ローラ式変速機及び原動機付摩擦ローラ式変速機 - Google Patents

摩擦ローラ式変速機及び原動機付摩擦ローラ式変速機

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JP2003083408A
JP2003083408A JP2001277778A JP2001277778A JP2003083408A JP 2003083408 A JP2003083408 A JP 2003083408A JP 2001277778 A JP2001277778 A JP 2001277778A JP 2001277778 A JP2001277778 A JP 2001277778A JP 2003083408 A JP2003083408 A JP 2003083408A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェッジローラ12やガイドローラ11aを
設置した環状空間19内のグリースの漏洩防止を図っ
て、耐久性及び伝達効率の確保を図る。 【解決手段】 上記環状空間19と外部空間とを、第一
〜第三各シールリング41〜43により遮断する。高速
運転に伴う温度上昇により上記グリースの流動性が高く
なった場合でも、設置方向に関係なく、上記環状空間1
9内のグリースの流失を防止できる。この為、転がり接
触に基づく動力伝達部の損傷を防止すると共に、この動
力伝達部の伝達効率を確保し、上記課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用エ
ンジンのスタータモータとして、或は工作機械等、各種
機械装置の駆動部に組み込んで、電動モータの回転駆動
力を減速すると同時にトルクを増大させて取り出す摩擦
ローラ式変速機、及び、この様な摩擦ローラ式変速機と
電動モータ等の原動機とを一体とした原動機付摩擦ロー
ラ式変速機の改良に関し、安価で小型に構成でき、しか
も優れた耐久性を有する構造を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】摩擦ローラ式変速機は、遊星歯車式等、
歯車式変速機に比べて高速で運転した場合にも発生する
騒音が小さい。この為、摩擦ローラ式変速機を電動モー
タ等の原動機の出力部に組み付けて減速機として使用
し、この原動機の回転運動を減速すると共にトルクを増
大させる構造が、例えば特開平8−210455号公
報、同10−252851号公報、米国特許第4709
589号明細書等に記載されている。このうちの米国特
許第4709589号明細書に記載された構造は、摩擦
係合により動力を伝達する部分(トラクション部)の面
圧を、伝達すべきトルクの大きさに応じて変化させる
為、優れた伝達効率を確保できる面からは好ましい。
【0003】図7〜9は、上記米国特許明細書に記載さ
れている摩擦ローラ式変速機1を示している。この摩擦
ローラ式変速機1は、有底円筒状の本体2とこの本体2
の基端開口部を塞ぐ端板3とから成る変速機ケース4内
に中心ローラ5の内半部(図7の右半部)を、上記端板
3の略中央部に形成した通孔6を通じて挿入している。
尚、この通孔6は、上記端板3の中心から、少しだけ外
れた位置に設けている。又、上記中心ローラ5の外半部
(図7の左半部)で上記端板3から突出した部分に、請
求項1に記載した第一回転軸である、入力軸7の端部を
結合固定している。
【0004】又、上記変速機ケース4の内側で上記中心
ローラ5の周囲部分に3本の支持軸8a、8bを、それ
ぞれこの中心ローラ5と平行に配置している。即ち、こ
れら各支持軸8a、8bの一端部(図7の左端部)を上
記端板3に支持すると共に、他端部(図7の右端部)を
連結板9に支持している。尚、これら3本の支持軸8
a、8bのうち、図7〜9の上部中央に位置する1本の
支持軸8aは、その両端部を上記端板3及び連結板9に
形成した嵌合孔に圧入固定している。従って、この支持
軸8aが、上記変速機ケース4内で円周方向或は直径方
向に変位する事はない。
【0005】これに対して、図8〜9の下部左右両側に
位置する残り2本の支持軸8b、8bは、両端部を上記
端板3及び連結板9に対し、上記変速機ケース4の円周
方向及び直径方向に関する若干の変位可能に支持してい
る。この為に、上記端板3及び連結板9の一部で上記支
持軸8b、8bの両端部に整合する部分には、図9に示
す様に、上記両支持軸8b、8bの外径よりも大きな内
径を有する支持孔10、10を形成し、これら各支持孔
10、10に、上記両支持軸8b、8bの両端部を緩く
係合させている。そして、これら各支持軸8a、8bの
中間部周囲に、それぞれガイドローラ11及びウェッジ
ローラ12a、12bを、回転自在に支持している。
尚、上記連結板9は、上記端板3の内面(上記ガイドロ
ーラ11及びウェッジローラ12a、12bを設置した
空間側の面で、図7の右面)の一部で、上記ガイドロー
ラ11及びウェッジローラ12a、12bから外れた位
置に突設した突部13、13に突き当て、連結ボルト1
4、14により、上記端板3に連結固定している。
【0006】又、上記変速機ケース4の内側で上記ガイ
ドローラ11及びウェッジローラ12a、12bを囲む
部分には、円環状の外輪15を、回転自在に設けてい
る。そして、この外輪15の内周面と、上記ガイドロー
ラ11及びウェッジローラ12a、12bの外周面とを
当接自在としている。又、上記外輪15には、結合ブラ
ケット16の外径側端部を外嵌固定し、この結合ブラケ
ット16の中心部に、請求項1に記載した第二回転軸で
ある、出力軸17の基端部を結合固定している。この出
力軸17は、前記変速機ケース4を構成する本体2の中
央部に形成した第二通孔18を回転自在に挿通して、こ
の変速機ケース4外に突出させている。
【0007】上記ガイドローラ11及びウェッジローラ
12a、12bの外周面は、前記中心ローラ5の外周面
と上記外輪15の内周面とに当接させている。上記中心
ローラ5の中心と上記出力軸17及び外輪15の中心と
は互いに偏心している。即ち、前述の様に、上記中心ロ
ーラ5を挿通する通孔6は、上記変速機ケース4の中心
から少しだけ外れた位置に設けているのに対して、上記
出力軸17を挿通する第二通孔18は上記変速機ケース
4の中心に設けている。又、この第二通孔18の内側に
回転自在に支持した出力軸17と外輪15とは互いに同
心である。従って、上記中心ローラ5と上記外輪15及
び出力軸17とは、上記通孔6の変速機ケース4の中心
からのずれ量δ(図7参照)分だけ、互いに偏心してい
る。そして、上記中心ローラ5の外周面と上記外輪15
の内周面との間に存在して上記ガイドローラ11及びウ
ェッジローラ12a、12bが設けられた環状空間19
の径方向に関する幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う
分だけ、円周方向に関して不同になっている。
【0008】この様に、上記環状空間19の幅寸法を円
周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ11及
びウェッジローラ12a、12bの外径を異ならせてい
る。即ち、上記外輪15に対して中心ローラ5が偏心し
ている側(図7〜9の下側)に位置するウェッジローラ
12a、12bの径を、互いに同じとすると共に比較的
小径にしている。これに対して、上記外輪15に対して
中心ローラ5が偏心しているのと反対側(図7〜9の上
側)に位置するガイドローラ11の径を、上記両ウェッ
ジローラ12a、12bよりも大きくしている。そし
て、これら3個の、それぞれが中間ローラであるガイド
ローラ11及びウェッジローラ12a、12bの外周面
を、上記中心ローラ5の外周面及び上記外輪15の内周
面に当接させている。
【0009】尚、それぞれが中間ローラである、上記1
個のガイドローラ11及び2個のウェッジローラ12
a、12bのうち、ガイドローラ11を支持した支持軸
8aは、前述の様に、上記変速機ケース4内に固定して
いる。これに対して、ウェッジローラ12a、12bを
支持した支持軸8b、8bは、やはり前述した様に上記
変速機ケース4内に、円周方向及び直径方向に関して若
干の変位を可能に支持している。従って、上記ウェッジ
ローラ12a、12bも、上記変速機ケース4内で円周
方向及び直径方向に若干の変位可能である。そして、前
記端板3のシリンダ孔20、20内に装着した圧縮コイ
ルばね21、21等の弾性材により、上記各ウェッジロ
ーラ12a、12bを支持した支持軸8b、8bを、こ
れら各支持軸8b、8bに回転自在に支持したウェッジ
ローラ12a、12bを前記環状空間19の幅の狭い部
分に向け移動させるべく、弾性的に軽く押圧している。
【0010】上述の様に構成される従来の摩擦ローラ式
変速機1の場合、入力軸7に結合した中心ローラ5の回
転は、この中心ローラ5の外周面とガイドローラ11及
びウェッジローラ12a、12bの外周面との当接部で
ある、各内径側当接部22、22を介して、これらガイ
ドローラ11及びウェッジローラ12a、12bに伝わ
る。更に、これらガイドローラ11及びウェッジローラ
12a、12bの回転は、上記ガイドローラ11及びウ
ェッジローラ12a、12bの外周面と前記外輪15の
内周面との当接部である、各外径側当接部23、23を
介して、この外輪15に伝わる。そして、この外輪15
に結合固定した前記出力軸17が回転する。
【0011】上記中心ローラ5が図8〜9の時計方向
(又は反時計方向)に、外輪15が同じく反時計方向
(又は時計方向)に、それぞれ回転すると、図8〜9の
右側の支持軸8b(又は左側の支持軸8b)に回転自在
に支持したウェッジローラ12a(又は12b)が、上
記中心ローラ5の外周面と外輪15の内周面との間に存
在する環状空間19内で、この環状空間19の幅の狭い
部分(図8〜9の下側中央部分)に向け移動する。この
結果、上記右側の支持軸8b(又は左側の支持軸8b)
に回転自在に支持したウェッジローラ12a(又は12
b)の外周面が、上記中心ローラ5の外周面と外輪15
の内周面とを強く押圧する。そして、当該ウェッジロー
ラ12a(又は12b)の外周面と上記中心ローラ5の
外周面との当接部である内径側当接部22、及び、当該
ウェッジローラ12a(又は12b)の外周面と上記外
輪15の内周面との当接部である外径側当接部23の当
接圧が高くなる。
【0012】上記1個のウェッジローラ12a(又は1
2b)に関する内径側、外径側両当接部22、23の当
接圧が高くなると、上記中心ローラ5と外輪15とのう
ちの少なくとも一方の部材が、組み付け隙間、或は弾性
変形等に基づき、それぞれの直径方向に関して僅かに変
位する。この結果、残り2個の中間ローラである、ガイ
ドローラ11及びウェッジローラ12b(又は12a)
の外周面と上記中心ローラ5の外周面との当接部である
2個所の内径側当接部22、22、及びこれらウェッジ
ローラ12b(又は12a)及びガイドローラ11の外
周面と外輪15の内周面との当接部である2個所の外径
側当接部23、23の当接圧が高くなる。
【0013】上記1本の支持軸8bに回転自在に支持し
たウェッジローラ12a(又は12b)を、上記環状空
間19内でこの環状空間19の幅の狭い部分に向け移動
させようとする力は、上記中心ローラ5から上記外輪1
5に伝達するトルクの大きさに応じて変化する。即ち、
上記中心ローラ5の駆動トルクが大きくなる程、上記ウ
ェッジローラ12a(又は12b)を上記環状空間19
の幅の狭い部分に向け移動させようとする力が大きくな
る。そして、この力が大きくなる程、上記各内径側、外
径側両当接部22、23の当接圧が大きくなる。逆に言
えば、上記駆動トルクが小さい場合には、これら各内径
側、外径側両当接部22、23の当接圧が小さい。
【0014】
【本発明に先立って考えた構造】図7〜9には、ウェッ
ジローラ型の摩擦ローラ式変速機単体の構造を示してい
るが、この様なウェッジローラ型の摩擦ローラ式変速機
と電動モータ或はエンジン等の原動機とを組み合わせて
原動機付摩擦ローラ式変速機を構成する事も、勿論可能
である。そして、ウェッジローラ型の摩擦ローラ式変速
機と原動機の一種である電動モータとを組み合わせれ
ば、前述の特開平8−210455号公報に記載された
様な、遊星ローラ型の摩擦ローラ式変速機を利用した場
合よりも、効率の良い電動モータ付摩擦ローラ式変速機
を実現できる。図10〜12は、この様な観点で本発明
に先立って考えた、電動モータ付摩擦ローラ式変速機を
示している。
【0015】この電動モータ付摩擦ローラ式変速機は、
電動モータ24の回転駆動軸25の回転を、ウェッジロ
ーラ型の摩擦ローラ式変速機1aにより減速してから、
出力軸17aを通じて送り出し自在としている。中間部
にロータ26を固定した上記回転駆動軸25は、基端部
(図10の左端部)を、請求項2に記載した原動機ケー
スであるモータケース27の底部中央に転がり軸受28
aにより、中間部先端寄り(図10の右端寄り)部分を
上記モータケース27の先端開口部に結合固定した仕切
板29の略中央部に転がり軸受28bにより、それぞれ
回転自在に支持している。そして、上記モータケース2
7の内周面に、上記ロータ26と対向する状態でステー
タ30を固定している。運転時には上記ロータ26への
通電に基づいて、上記回転駆動軸25を回転駆動自在と
している。尚、この回転駆動軸25の先端部は上記仕切
板29の外面よりも突出させて、上記摩擦ローラ式変速
機1aの入力部である中心ローラ5aとしての機能を持
たせている。
【0016】上記仕切板29の上記モータケース27と
反対側面には、変速機ケース31を結合固定している。
そして、この変速機ケース31と上記仕切板29とによ
り囲まれる空間内に、上記回転駆動軸25の先端部によ
り構成する、上記中心ローラ5aを配置している。尚、
この回転駆動軸25の先端寄り部分を挿通すべく、上記
仕切板29に設けた通孔6aは、上記モータケース27
の中央部であって、この仕切板29及び上記変速機ケー
ス31の中心から少しだけ外れた位置に設けている。
【0017】又、この変速機ケース31の内側で上記中
心ローラ5aの周囲部分に3本の支持軸8a、8bを、
この中心ローラ5aと平行に配置している。即ち、これ
ら各支持軸8a、8bの一端部(図10の左端部)を上
記仕切板29に支持すると共に、同じく他端部(図10
の右端部)を上記変速機ケース31の軸方向中間部内側
に配置した連結板9aに支持している。この連結板9a
は円板状とし、片面(図10の左面)の略中央部には凹
部32を形成して、上記中心ローラ5aとの干渉を防止
している。
【0018】上記3本の支持軸8a、8bのうち、図1
1の下部及び上部左側に位置する2本の支持軸8a、8
aは、それぞれの両端部を上記仕切板29及び連結板9
aに形成した嵌合孔に圧入固定している。一方、上記連
結板9aは、上記仕切板29に対し結合固定している。
従って、上記2本ずつの支持軸8a、8aが、上記変速
機ケース31内で円周方向或は直径方向に変位する事は
ない。これに対して、上記3本の支持軸8a、8bのう
ち、図10の上部右側に位置する残り1本の支持軸8b
は、両端部を上記仕切板29及び連結板9aに対し、上
記変速機ケース31の円周方向及び直径方向に関する若
干の変位可能に支持している。この為に、上記仕切板2
9及び連結板9aの一部で上記1本の支持軸8bの両端
部に整合する部分に、この支持軸8bの外径よりも大き
な内径を有する支持孔10a、10aを形成し、これら
各支持孔10a、10aに、上記支持軸8bの両端部を
緩く係合させている。
【0019】そして、上述の様に支持した各支持軸8
a、8bの中間部周囲に、それぞれが中間ローラである
ガイドローラ11a、11b及びウェッジローラ12
を、それぞれラジアルニードル軸受等の転がり軸受によ
り、回転自在に支持している。尚、上記連結板9aは、
上記仕切板29の内面(図10の左面)の一部で、上記
軸方向片側に配置したガイドローラ11a、11b及び
ウェッジローラ12から外れた位置に突設した突部13
a、13aに突き当て、連結ボルト14、14により、
上記仕切板29に連結固定している。
【0020】又、前記変速機ケース31の内側に円筒状
の外輪15aを、回転自在に設けている。そして、この
外輪15aの内周面で請求項1、2に記載した第二円筒
面である被駆動側円筒面33と、上記各ガイドローラ1
1a、11b及びウェッジローラ12の外周面で請求項
1、2に記載した第三円筒面である動力伝達用円筒面3
4、34とを当接自在としている。又、上記外輪15a
の端部(図10の右端部)は、前記出力軸17aの一端
部(図10の左端部)と、回転力の伝達自在に、且つ、
ラジアル方向に関する若干の位置調節可能に結合してい
る。
【0021】この為に、図示の例では、上記外輪15a
の端部の円周方向複数個所に切り欠き35を、上記出力
軸17aの基端部に結合固定した第二連結板36の外周
縁複数個所に突片37、37を、それぞれ形成してい
る。そして、これら各突片37、37を上記各切り欠き
35に係合させている。又、上記外輪15aの端部内周
面に形成した係止溝に止め輪38を係止して、上記各突
片37、37が上記各切り欠き35から抜け出る事を防
止している。
【0022】上記各ガイドローラ11a、11b及びウ
ェッジローラ12の外周面である、上記動力伝達用円筒
面34、34は、それぞれ前記回転駆動軸25の先端部
に設けた中心ローラ5aの外周面で請求項1、2に記載
した第一円筒面である駆動側円筒面39と、上記外輪1
5aの内周面である上記被駆動側円筒面33とに当接さ
せている。又、この状態で、前記回転駆動軸25及び中
心ローラ5aの中心と上記出力軸17a及び外輪15a
の中心とは互いに偏心している。即ち、前述の様に、上
記中心ローラ5aと同心の回転駆動軸25を挿通支持す
る為、前記仕切板29に形成した通孔6aは、前記変速
機ケース31の中心から少しだけ外れた位置に設けてい
るのに対して、上記外輪15aと同心の出力軸17aの
中心は、上記変速機ケース31の中心に一致させてい
る。従って、上記中心ローラ5aと上記外輪15aと
は、上記通孔6aの変速機ケース31の中心からのずれ
量δ分だけ、互いに偏心している。そして、上記中心ロ
ーラ5aの外周面である上記駆動側円筒面39と上記外
輪15aの内周面である上記被駆動側円筒面33との間
に存在して上記各ガイドローラ11a、11b及びウェ
ッジローラ12が設けられた環状空間19の径方向に関
する幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だけ、円周
方向に関して不同になっている。
【0023】この様に、上記環状空間19の幅寸法を円
周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ11
a、11b及びウェッジローラ12の外径を異ならせて
いる。即ち、上記ガイドローラ11a、11b及びウェ
ッジローラ12のうち、それぞれ上記外輪15aに対し
中心ローラ5aが偏心している側(図10〜11の上
側)に位置するウェッジローラ12及びガイドローラ1
1bの外径を、互いに同じにすると共に比較的小径にし
ている。これに対し、上記外輪15aに対し中心ローラ
5aが偏心しているのと反対側(図10〜11の下側)
に位置するガイドローラ11aの外径を、上記ウェッジ
ローラ12及びガイドローラ11bの外径よりも大きく
している。そして、上記ガイドローラ11a、11b及
びウェッジローラ12の外周面である動力伝達用円筒面
34、34を、それぞれ上記駆動側、被駆動側円筒面3
9、33に当接させている。
【0024】尚、上記ガイドローラ11a、11b及び
ウェッジローラ12のうち、各ガイドローラ11a、1
1bを支持した支持軸8a、8aは、前述の様に、上記
変速機ケース31内に固定している。これに対して、上
記ウェッジローラ12を支持した支持軸8bは、やはり
前述した様に前記変速機ケース31内に、円周方向及び
直径方向に関する若干の変位を可能に支持している。従
って、上記ウェッジローラ12も、上記変速機ケース3
1内で円周方向及び直径方向に若干の変位可能である。
そして、前記仕切板29及び連結板9aのシリンダ孔2
0a内に嵌挿した押圧ピン40により、上記ウェッジロ
ーラ12を支持した支持軸8bを、これら支持軸8bに
回転自在に支持したウェッジローラ12を前記環状空間
19の幅の狭い部分に向け移動させるべく、弾性的に軽
く押圧している。尚、上記各押圧ピン40の押圧力は、
これら各押圧ピン40の先端部に形成した鍔部と上記シ
リンダ孔20aの奥面との間に設けた、圧縮コイルばね
21aにより発生させている。この様にウェッジローラ
12を支持している支持軸8bを押圧する圧縮コイルば
ね21aは、この支持軸8bの両端部を押圧する他、図
12に示す様に、この支持軸8bの一端部のみを押圧す
る場合もある。
【0025】上述の様に構成する摩擦ローラ式変速機1
aを組み込んだ電動モータ付摩擦ローラ式変速機の場合
には、前記ロータ26への通電に基づいて前記回転駆動
軸25及び前記中心ローラ5aを、図11の反時計方向
に回転させる。これら回転駆動軸25及び中心ローラ5
aが回転すると、上記ウェッジローラ12が、上記中心
ローラ5aの外周面である駆動側円筒面39及び上記外
輪15aの内周面である被駆動側円筒面33から、上記
押圧ピン40による押圧力と同方向の力を受けて、上記
環状空間19の幅の狭い部分、即ち、図11の上部中央
に向け移動する傾向となる。
【0026】この結果、上記ウェッジローラ12の外周
面である動力伝達用円筒面34が、上記駆動側円筒面3
9と上記被駆動側円筒面33とを強く押圧する。そし
て、この動力伝達用円筒面34と上記駆動側円筒面39
との当接部である内径側当接部22、及び、この動力伝
達用円筒面34と上記被駆動側円筒面33との当接部で
ある外径側当接部23の当接圧が高くなる。この様に上
記ウェッジローラ12に関する内径側、外径側両当接部
22、23の当接圧が高くなると、このウェッジローラ
12の外周面に設けた動力伝達用円筒面34により押圧
される部材であり、前述の様に、出力軸17aに対しラ
ジアル方向に関して若干の変位自在に設けられた上記外
輪15aが、直径方向に僅かに変位する。この結果、前
記各ガイドローラ11a、11bに関する内径側、外径
側両当接部22、23の当接圧が高くなる。そして、こ
れら各内径側、外径側両当接部22、23での摩擦係合
に基き、上記回転駆動軸25及び中心ローラ5aの回転
力を、上記ガイドローラ11a、11b及びウェッジロ
ーラ12を介して上記外輪15a及び出力軸17aへ伝
達自在となる。
【0027】尚、上記ウェッジローラ12を上記環状空
間19の幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、
上記中心ローラ5aから上記外輪15aに伝達する回転
駆動力の大きさに応じて変化する。そして、この力が大
きくなる程、上記内径側、外径側両当接部22、23の
当接圧が高くなる。従って、この様な作用に基づき、上
記伝達する回転駆動力に応じた当接圧を自動的に選定し
て、摩擦ローラ式変速機の伝達効率を確保できる。
【0028】又、図10〜11に示した電動モータ付摩
擦ローラ式変速機に組み込む摩擦ローラ式変速機1aの
場合には、上記回転駆動力の伝達を行なう上記各ガイド
ローラ11a、11bの外径や取付位置が多少ずれた
り、構成各部材が弾性変形したり、更には上記外輪15
aが熱膨張した場合でも、これら各ガイドローラ11
a、11bに関する内径側、外径側両当接部22、23
の当接圧を、設計値通りに規制できる。即ち、上述の様
に、上記外輪15aを上記出力軸17aに対し、若干の
変位可能に支持している為、上記各ガイドローラ11
a、11bの外径や取付位置がずれた場合には、上記ウ
ェッジローラ12が上記環状空間19の幅寸法が狭い部
分に変位するのに伴って、上記外輪15aがラジアル方
向に変位する。そして、上記ガイドローラ11a、11
b及びウェッジローラ12(総ての中間ローラ)に関す
る内径側、外径側両当接部22、23の当接圧を設計値
通りにする。従って、上記外径や取付位置が多少ずれた
り、構成各部材が弾性変形したり、更には上記外輪15
aが熱膨張した場合でも、高い伝達効率を得られる。
【0029】一方、前記回転駆動軸25及び中心ローラ
5aの回転時に上記外輪15aが回転する場合の様に、
この中心ローラ5aの回転速度よりもこの外輪15aの
回転速度が早くなる場合、上記ウェッジローラ12は、
前記駆動側円筒面39及び被駆動側円筒面33から、前
記押圧ピン40の押圧力に抗する方向の力を受けて、前
記環状空間19の幅の広い部分に向け退避する傾向とな
る。従って、上記ガイドローラ11a、11b及びウェ
ッジローラ12(総ての中間ローラ)に関する内径側、
外径側両当接部22、23の当接圧が低下若しくは喪失
する。この結果、上記摩擦ローラ式変速機1aは、上記
外輪15a及び出力軸17aから上記回転駆動軸25及
中心ローラ5aへの回転力の伝達を行なわない状態とな
る。この為、前記電動モータ24が、上記出力軸17a
の回転力に対する抵抗となる事はない。
【0030】上述の様に構成し作用する摩擦ローラ式変
速機及び原動機付摩擦ローラ式変速機の場合、中心ロー
ラ5、5aの外周面と外輪15、15aの内周面との間
の環状空間19内にはトラクショングリースを注入し
て、内径側、外径側各当接部22、23部分の潤滑を図
ると同時に、これら各当接部22、23での効率の良い
動力伝達を可能にしている。トラクショングリースの流
動性は低い(粘度は高い)為、従来は、特にこのトラク
ショングリースが上記環状空間19から漏出するのを防
止する為の手段は設けていなかった。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】摩擦ローラ式変速機及
び原動機付摩擦ローラ式変速機の使用状態が一般的なも
のであれば、特に問題は生じない。ところが、自動車の
エンジンルーム内に設置する等、仕様環境温度が高かっ
たり、或は使用回転速度が速い等により、内部の温度上
昇が著しく、トラクショングリースの流動性が高く(粘
度が低くなる)事に加えて、摩擦ローラ式変速機及び原
動機付摩擦ローラ式変速機の設置方向との関係で流動性
が高くなった(粘度が低下した)上記トラクショングリ
ースが環状空間19から流失し易い等の条件が重なる
と、この環状空間19内のトラクショングリースの量が
不足する可能性がある。この環状空間19内のトラクシ
ョングリースが不足すると、内径側、外径側各当接部2
2、23部分の潤滑が不良になって、耐久性が損なわれ
る他、これら各当接部22、23での伝達効率が低下す
る。本発明の摩擦ローラ式変速機及び原動機付摩擦ロー
ラ式変速機は、この様な事情に鑑みて発明したものであ
る。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦ローラ式変
速機及び原動機付摩擦ローラ式変速機のうち、請求項1
に記載した摩擦ローラ式変速機は、前述した従来から知
られている摩擦ローラ式変速機と同様に、変速機ケース
と、第一回転軸と、中心ローラと、外輪と、第二回転軸
と、複数本の支持軸と、複数個の中間ローラとを備え
る。このうちの変速機ケースは、筒状の本体の開口部を
端板により塞いで成る。又、例えば入力軸である上記第
一回転軸は、上記変速機ケースに対し回転自在に支持さ
れている。又、上記中心ローラは、上記第一回転軸の端
部にこの第一回転軸と同心に且つ回転力の伝達自在に結
合され、外周面を例えば駆動側円筒面として機能する第
一円筒面としている。又、上記外輪は、内周面を例えば
被駆動側円筒面として機能する第二円筒面としてこの中
心ローラの周囲に、この中心ローラに対する相対回転を
自在に設けられている。又、例えば出力軸である上記第
二回転軸は、上記外輪と同心で一端部をこの外輪に回転
力の伝達自在に結合すると共に、上記変速機ケースに対
し回転自在に支持している。又、上記各支持軸は、上記
第一円筒面と上記第二円筒面との間の環状空間内に、上
記第一回転軸と平行に配置され、それぞれの両端部を上
記変速機ケースの一部とこの変速機ケース内に設けた連
結板とに支持している。又、上記各中間ローラは、上記
各支持軸により回転自在に支持され、それぞれの外周面
を、動力伝達用円筒面として機能する第三円筒面として
いる。更に、上記各構成部材のうち、第一回転軸の中心
と上記第二回転軸及び外輪の中心とを互いに偏心させる
事により、上記環状空間の幅寸法を円周方向に関して不
同にしている。そして、上記複数個の中間ローラのうち
の少なくとも1個の中間ローラを、少なくとも上記環状
空間の円周方向に変位自在に支持してウェッジローラと
すると共に、残りの中間ローラをガイドローラとしてい
る。
【0033】一方、請求項2に記載した原動機付摩擦ロ
ーラ式変速機は、やはり前述した先に考えた原動機付摩
擦ローラ式変速機と同様に、変速機ケースと、原動機ケ
ースと、回転駆動軸と、中心ローラと、外輪と、出力軸
と、複数本の支持軸と、複数個の中間ローラとを備え
る。このうちの変速機ケースは、有底筒状の本体の開口
端縁に仕切板の片面外周寄り部分を突き当てる事により
この本体の開口部を塞いで成る。又、上記原動機ケース
は、上記仕切板の他面外周寄り部分に開口端縁を突き当
てている。又、上記回転駆動軸は、上記原動機ケースの
一部に基端部を、上記仕切板に設けた通孔に中間部先端
寄り部分を、それぞれ転がり軸受により回転自在に支持
している。又、上記中心ローラは、上記回転駆動軸の先
端部で上記仕切板よりも上記変速機ケース内に突出した
部分に設けられ、外周面を駆動側円筒面として機能する
第一円筒面としている。又、上記外輪は、内周面を被駆
動側円筒面として機能する第二円筒面としたもので、こ
の中心ローラの周囲に、この中心ローラに対する相対回
転を自在に設けられている。又、上記出力軸は、上記外
輪と同心で一端部をこの外輪に回転力の伝達自在に結合
すると共に、上記変速機ケースを構成する本体の底部中
央に設けた第二通孔内に回転自在に支持している。又、
前記各支持軸は、上記第一円筒面と上記第二円筒面との
間の環状空間内に、上記第一回転軸と平行に配置され、
それぞれの両端部を上記仕切板の一部と上記変速機ケー
ス内に設けた連結板とに支持している。又、前記各中間
ローラは、上記各支持軸により回転自在に支持され、そ
れぞれの外周面を動力伝達用円筒面として機能する第三
円筒面としている。更に、上記各構成部材のうち、上記
回転駆動軸及び中心ローラの中心と上記出力軸及び外輪
の中心とを互いに偏心させる事により、上記環状空間の
幅寸法を円周方向に関して不同にしている。そして、上
記複数個の中間ローラのうちの少なくとも1個の中間ロ
ーラを、少なくとも上記環状空間の円周方向に変位自在
に支持してウェッジローラとすると共に、残りの中間ロ
ーラをガイドローラとしている。
【0034】特に、本発明の摩擦ローラ式変速機及び原
動機付摩擦ローラ式変速機に於いては、上記環状空間の
軸方向両端部に、この環状空間内に存在するグリースが
この環状空間外に流失するのを防止する為のシール手段
を設けている。この様なシール手段としては、外輪又は
中心ローラと相手部材との間に接触式のシールリング或
は非接触式のラビリンスシールを設ける事、或はこの外
輪の一部内周面に、上記グリースがこの外輪の開口端部
に向け流れる事に対する抵抗となる段差部を設ける事等
が考えられる。
【0035】
【作用】上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式変速
機及び原動機付摩擦ローラ式変速機が、第一回転軸(請
求項1の場合)或は回転駆動軸(請求項2の場合)と、
第二回転軸(請求項1の場合)或は出力軸(請求項2の
場合)との間で、効率良くトルク伝達を行なう事に関し
ては、前述した従来の、或は先に考えた摩擦ローラ式変
速機或は原動機付摩擦ローラ式変速機と同様である。特
に、本発明の摩擦ローラ式変速機及び原動機付摩擦ロー
ラ式変速機によれば、環状空間内に注入したグリースが
この環状空間外に流失する事を防止して、この環状空間
内のグリースが不足する事を防止できる。そして、耐久
性を確保し、しかも長期間に亙って良好な伝達効率の維
持を図れる。
【0036】
【発明の実施の形態】図1〜2は、請求項2に対応す
る、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、請
求項1に係る発明と請求項2に係る発明との関係は、請
求項2に係る発明が、請求項1に係る発明と電動モータ
等の原動機とを一体的に組み合わせて、摩擦ローラ式変
速機の使用状態を減速機に限定した点にある。逆に言え
ば、請求項2に係る発明から原動機を除き、摩擦ローラ
式変速機の使用状態を減速機に限定しない(増速機とし
て使用する状態も含む)のが、請求項1に係る発明であ
る。従って、請求項1のみに対応する実施例は特に記載
しない。又、本発明の特徴は、環状空間19内に存在す
るグリースが外部に流失するのを防止する部分の構造に
ある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図10〜
12に示した、先に考えた原動機付摩擦ローラ式変速機
と同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複
する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴
部分を中心に説明する。
【0037】本例の原動機付摩擦ローラ式変速機に於い
ては、仕切板29の内側面(図1〜2の右側面)で外輪
15aの一端面(図1〜2の左端面)に対向する部分に
第一シールリング41を添着支持すると共に、この第一
シールリング41の先端縁(図1〜2の右端縁)を上記
外輪15aの一端面に、全周に亙って摺接させている。
又、連結板9aの外周縁部に第二シールリング42を添
着支持すると共に、この第二シールリング42の外周縁
を上記外輪15aの内周面他端寄り(図1の右寄り)部
分に、全周に亙って摺接させている。更に、上記仕切板
29の略中央部に形成した通孔6aの内周面に第三シー
ルリング43を添着支持すると共に、この第三シールリ
ング43の内周縁を、回転駆動軸25の先端部乃至はこ
の回転駆動軸25の先端部に設けた中心ローラ5aの基
端部の外周面に、全周に亙って摺接させている。
【0038】本例の場合、上記第一〜第三各シールリン
グ41〜43により、上記中心ローラ5aの外周面と上
記外輪15aの外周面との間に存在する環状空間19を
外部と遮断している。この為、この環状空間19内に注
入したグリースがこの環状空間19外に流失する事を防
止して、この環状空間19内のグリースが不足する事を
防止できる。そして、耐久性を確保し、しかも長期間に
亙って良好な伝達効率の維持を図れる。
【0039】次に、図3〜5は、本発明の実施の形態の
第2〜4例を示している。先ず、図3に示した第2例の
場合には、外輪15aの内周面の一端部に大径の段差部
44を形成し、仕切板29の内側面に添着支持した第一
シールリング41の外周縁を上記段差部44の内周面
に、全周に亙って摺接させている。次に、図4に示した
第3例の場合には、外輪15aの一端部に添着支持した
第一のシールリング41の先端縁を、仕切板29の内側
面に、全周に亙って摺接させている。更に、図5に示し
た第4例の場合には、外輪15aの一端部に添着支持し
た第一のシールリング41の内周縁を、仕切板29の内
側面に形成した段差部45の外周面に、全周に亙って摺
接させている。その他の部分の構成及び作用は、何れの
場合も、上述した第1例の場合と同様であるから、同等
部分に関する図示並びに説明は省略する。
【0040】次に、図6は、本発明の実施の形態の第5
例を示している。本例の場合には、上述した第1例で連
結板9aの外周縁部に添着支持していた第二シールリン
グ42(図1参照)を省略するのに代えて、外輪15b
の内周面の他端寄り(図6の右寄り)部分に、他端側の
小径部と中央寄りの大径部とを連続させる段差部46
を、全周に亙って形成している。遠心力により上記外輪
15bの内周面に付着し、この外輪15bの内周面中間
部と連結板9aの外周縁との間の隙間を通じて環状空間
19外に流失しようとするトラクショングリースは、上
記段差部46に流れを堰き止められて、上記環状空間1
9外に流失する事がなくなる。この様な本例の場合に
は、上記外輪15bの中心軸が水平方向に配置されてい
る事が、上記段差部46による流失防止を図る面からは
重要であるが、この条件を満たす場合には、低コスト
で、しかもシールリングと相手面との摺動に基づくロス
トルクが小さくて済む構造として有効である。その他の
部分の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様で
あるから、同等部分には同一符号を付して、重複説明は
省略する。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、長期間に亙る使用によっても環状空間内に
十分な量のグリースを確保できて、十分な耐久性及び伝
達効率の確保を図れる構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、図10と
同様の図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同
様の図。
【図4】同第3例を示す、図2と同様の図。
【図5】同第4例を示す、図2と同様の図。
【図6】同第5例を示す、図10と同様の図。
【図7】従来構造の1例を示す断面図。
【図8】図7のB−B断面図。
【図9】同C−C断面図。
【図10】本発明に先立って考えた電動モータ付摩擦ロ
ーラ式変速機を示す、図11のD−D断面図。
【図11】図10のE−E断面図。
【図12】図11のF−F断面図。
【符号の説明】
1、1a 摩擦ローラ式変速機 2 本体 3 端板 4 変速機ケース 5、5a 中心ローラ 6、6a 通孔 7 入力軸 8a、8b 支持軸 9、9a 連結板 10、10a 支持孔 11、11a、11b ガイドローラ 12、12a、12b ウェッジローラ 13、13a 突部 14 連結ボルト 15、15a、15b 外輪 16 結合ブラケット 17、17a 出力軸 18 第二通孔 19 環状空間 20、20a シリンダ孔 21、21a 圧縮コイルばね 22 内径側当接部 23 外径側当接部 24 電動モータ 25 回転駆動軸 26 ロータ 27 モータケース 28a、28b 転がり軸受 29 仕切板 30 ステータ 31 変速機ケース 32 凹部 33 被駆動側円筒面 34 動力伝達用円筒面 35 切り欠き 36 第二連結板 37 突片 38 止め輪 39 駆動側円筒面 40 押圧ピン 41 第一シールリング 42 第二シールリング 43 第三シールリング 44 段差部 45 段差部 46 段差部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の本体の開口部を端板により塞いで
    成る変速機ケースと、この変速機ケースに対し回転自在
    に支持された第一回転軸と、この第一回転軸の端部にこ
    の第一回転軸と同心に且つ回転力の伝達自在に結合さ
    れ、外周面を第一円筒面とした中心ローラと、内周面を
    第二円筒面としてこの中心ローラの周囲に、この中心ロ
    ーラに対する相対回転を自在に設けられた外輪と、この
    外輪と同心で一端部をこの外輪に回転力の伝達自在に結
    合すると共に上記変速機ケースに対し回転自在に支持し
    た第二回転軸と、上記第一円筒面と上記第二円筒面との
    間の環状空間内に、上記第一回転軸と平行に配置され、
    それぞれの両端部を上記変速機ケースの一部とこの変速
    機ケース内に設けた連結板とに支持した複数本の支持軸
    と、これら各支持軸により回転自在に支持され、それぞ
    れの外周面を第三円筒面とした複数個の中間ローラとを
    備え、上記第一回転軸の中心と上記第二回転軸及び外輪
    の中心とを互いに偏心させる事により、上記環状空間の
    幅寸法を円周方向に関して不同にし、上記複数個の中間
    ローラのうちの少なくとも1個の中間ローラを、少なく
    とも上記環状空間の円周方向に変位自在に支持してウェ
    ッジローラとすると共に、残りの中間ローラをガイドロ
    ーラとした摩擦ローラ式変速機に於いて、上記環状空間
    の軸方向両端部に、この環状空間内に存在するグリース
    がこの環状空間外に流失するのを防止する為のシール手
    段を設けた事を特徴とする摩擦ローラ式変速機。
  2. 【請求項2】 有底筒状の本体の開口端縁に仕切板の片
    面外周寄り部分を突き当てる事によりこの本体の開口部
    を塞いで成る変速機ケースと、上記仕切板の他面外周寄
    り部分に開口端縁を突き当てた原動機ケースと、この原
    動機ケースの一部に基端部を、上記仕切板に設けた通孔
    に中間部先端寄り部分を、それぞれ転がり軸受により回
    転自在に支持した回転駆動軸と、この回転駆動軸の先端
    部で上記仕切板よりも上記変速機ケース内に突出した部
    分に設けられ、外周面を第一円筒面とした中心ローラ
    と、内周面を第二円筒面としてこの中心ローラの周囲
    に、この中心ローラに対する相対回転を自在に設けられ
    た外輪と、この外輪と同心で一端部をこの外輪に回転力
    の伝達自在に結合すると共に上記変速機ケースを構成す
    る本体の底部中央に設けた第二通孔内に回転自在に支持
    した出力軸と、上記第一円筒面と上記第二円筒面との間
    の環状空間内に、上記第一回転軸と平行に配置され、そ
    れぞれの両端部を上記仕切板の一部と上記変速機ケース
    内に設けた連結板とに支持した複数本の支持軸と、これ
    ら各支持軸により回転自在に支持され、それぞれの外周
    面を第三円筒面とした複数個の中間ローラとを備え、上
    記回転駆動軸及び中心ローラの中心と上記出力軸及び外
    輪の中心とを互いに偏心させる事により、上記環状空間
    の幅寸法を円周方向に関して不同にし、上記複数個の中
    間ローラのうちの少なくとも1個の中間ローラを、少な
    くとも上記環状空間の円周方向に変位自在に支持してウ
    ェッジローラとすると共に、残りの中間ローラをガイド
    ローラとした原動機付摩擦ローラ式変速機に於いて、上
    記環状空間の軸方向両端部に、この環状空間内に存在す
    るグリースがこの環状空間外に流失するのを防止する為
    のシール手段を設けた事を特徴とする原動機付摩擦ロー
    ラ式変速機。
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