JPH1113848A - 摩擦ローラ式変速機 - Google Patents

摩擦ローラ式変速機

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Publication number
JPH1113848A
JPH1113848A JP17354797A JP17354797A JPH1113848A JP H1113848 A JPH1113848 A JP H1113848A JP 17354797 A JP17354797 A JP 17354797A JP 17354797 A JP17354797 A JP 17354797A JP H1113848 A JPH1113848 A JP H1113848A
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JP
Japan
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cylindrical surface
lubricating oil
casing
roller
rollers
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Pending
Application number
JP17354797A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Machida
尚 町田
Koichi Sakai
幸一 坂井
Ryoichi Otaki
大滝  亮一
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0487Friction gearings

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中心ローラ9bの外周面に設けた第一の円筒
面10aと、ウェッジローラ31a及びガイドローラ3
2の外周面に設けた第三の円筒面18a、18aとの間
に、適正量の潤滑油を保持自在とする。そして、これら
各円筒面10a、18aの損傷を防止する。 【解決手段】 ケーシング44の内側でガイドローラ3
2及びウエッジローラ31a、31bの間部分に設けた
突部33、33の一部に、凹部29、29を設ける。そ
して、これら各凹部29、29にグリース等の潤滑油を
保持して、上記各円筒面10a、18a同士の当接部の
潤滑油が不足する事を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種機械装置に
組み込んで、減速或は増速しつつ回転運動を伝達する摩
擦ローラ式変速機の改良に関し、安価で小型に構成で
き、しかも優れた耐久性を有する構造を実現するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】摩擦ローラ式変速機は、遊星歯車式等の
歯車式変速機に比べて、高速で運転した場合にも発生す
る騒音が小さい。この為、摩擦ローラ式変速機を電動モ
ータの出力部に組み付けて減速機として使用し、この電
動モータの回転運動を減速すると共にトルクを増大させ
る構造が、例えば特開平8−210455号公報に記載
されている。図3〜4は、この公報に記載されている、
摩擦ローラ式減速機付電動モータを示している。
【0003】電動モータ1を構成するモータケース2
は、有底円筒状のケース本体3と、このケース本体3の
一端(図3の下端)開口部を塞ぐ蓋体4とから成る。そ
して、この様なモータケース2の内側中心部に回転駆動
軸5を、回転自在に支持している。上記ケース本体3の
内周面にはステータ6を、上記回転駆動軸5の中間部外
周面でこのステータ6の内周面に対向する部分にはロー
タ7を、それぞれ固定し、上記ステータ6への通電に基
づいて、上記回転駆動軸5を回転駆動自在としている。
そして、上記蓋体4の外面(図3の下面)に、摩擦ロー
ラ式減速機8を設けている。
【0004】この摩擦ローラ式減速機8は、第一の回転
軸である上記回転駆動軸5の一端部(図3の下端部)
で、上記蓋体4の外面から突出した部分を、中心ローラ
9として機能させている。この中心ローラ9は、上記回
転駆動軸5と同心であり、外周面を第一の円筒面10と
している。上記中心ローラ9の周囲には外側ドラム11
を、この中心ローラ9に対する相対回転自在に配置して
いる。図示の例では、上記蓋体4の外面外径寄り部分に
形成した円筒壁部12の内側に上記外側ドラム11を内
嵌すると共に、複数本の固定ボルト21、21により上
記外側ドラム11を、上記蓋体4の下面に固定してい
る。即ち、固定の上記外側ドラム11の内側で、上記中
心ローラ9が回転する。この様な外側ドラム11の内周
面は、第二の円筒面13としている。
【0005】この第二の円筒面13と上記第一の円筒面
10との間の環状空間14内には、複数本(図示の例で
は4本)の枢軸15、15の一部を挿入している。これ
ら各枢軸15、15は、それぞれ上記回転駆動軸5と平
行に配置している。又、これら各枢軸15、15の一部
で上記環状空間14の内側に位置する部分に中間ローラ
16、16を、ラジアルニードル軸受17、17によ
り、これら各枢軸15、15に対する回転自在に支持し
ている。上記各中間ローラ16、16の外周面は、それ
ぞれ上記第一の円筒面10及び上記第二の円筒面13に
当接する第三の円筒面18としている。更に、上記各枢
軸15、15の端部で上記環状空間14から突出した部
分を、支持部材である円輪状の連結板19に結合固定し
ている。そして、この連結板19の中心部に、第二の回
転軸である出力軸20の基端部を結合固定している。こ
の出力軸20は、複数本の連結ボルト22、22により
上記円筒壁部12の先端部に連結固定したカバー23の
中心部に設けた円筒部24の内側に、1対の玉軸受4
3、43により、回転自在に支持している。
【0006】上述の様に構成される摩擦ローラ式減速機
付電動モータの作用は、次の通りである。前記ステータ
6への通電に基づいて前記回転駆動軸5が回転すると、
前記中心ローラ9の第一の円筒面10と上記各中間ロー
ラ16、16の第三の円筒面18、18との摩擦に基づ
き、これら各中間ローラ16、16が、上記中心ローラ
9の周囲で自転しつつ公転する。この公転運動は、上記
各枢軸15、15及び上記連結板19を介して上記出力
軸20に伝達され、この出力軸20が、上記回転駆動軸
5よりも低速で回転する。
【0007】一方、米国特許第4709589号明細書
には、図5〜7に示す様な摩擦ローラ式変速機が記載さ
れている。この従来構造の第2例の摩擦ローラ式変速機
は、有底円筒状のケーシング本体25とこのケーシング
本体25の基端開口部を塞ぐ蓋体26とから成るケーシ
ング44の内側に、中心ローラ9aの内半部(図5の右
半部)を、上記蓋体26の略中央部に形成した通孔27
を通じて挿入している。尚、この通孔27は、上記蓋体
26の中心から、少しだけ外れた位置に設けている。
又、上記中心ローラ9aの外半部(図5の左半部)で上
記蓋体26から突出した部分には、第一の回転軸である
入力軸28の端部を結合固定している。
【0008】又、上記ケーシング本体25の内側で上記
中心ローラ9aの周囲部分には、3本の枢軸15a、1
5b、15cを、それぞれこの中心ローラ9aと平行に
配置している。即ち、これら各枢軸15a、15b、1
5cの一端部(図5の左端部)を上記蓋体26に支持す
ると共に、他端部(図5の右端部)を連結板19aに支
持している。尚、これら3本の枢軸15a、15b、1
5cのうち、図6〜7の上部中央に位置する1本の枢軸
15aは、その両端部を上記蓋体26及び連結板19a
に形成した嵌合孔に圧入固定している。従って、この枢
軸15aが、上記ケーシング本体25内で円周方向或は
直径方向に変位する事はない。
【0009】これに対して、図6〜7の下部左右両側に
位置する残り2本の枢軸15b、15cは、両端部を上
記蓋体26及び連結板19aに対し、上記ケーシング本
体25の円周方向及び直径方向に亙る若干の変位自在に
支持している。この為、上記蓋体26及び連結板19a
の一部で上記各枢軸15b、15cの両端部に整合する
部分には、図7に示す様に、上記各枢軸15b、15c
の外径よりも大きな内径を有する支持孔30、30を形
成し、これら各支持孔30、30に、上記各枢軸15
b、15cの両端部を緩く係合させている。そして、こ
れら各枢軸15a、15b、15cの中間部周囲には、
それぞれが中間ローラであるガイドローラ32及びウェ
ッジローラ31a、31bを、それぞれラジアルニード
ル軸受17により、回転自在に支持している。尚、上記
連結板19aは、上記蓋体26の内面(上記ガイドロー
ラ32及びウェッジローラ31a、31bを設置した空
間側の面で、図5の右面)の一部で、上記ガイドローラ
32及びウェッジローラ31a、31bから外れた位置
に突設した突部33、33に突き当て、連結ボルト3
4、34により、上記蓋体26に連結固定している。
【0010】又、上記ケーシング本体25の内側で上記
ガイドローラ32及びウェッジローラ31a、31bを
囲む部分には、円環状の外側ドラム11aを、回転自在
に設けている。この外側ドラム11aの内周面中央部は
直径方向内方に突出させる事により、土手状の凸部35
とし、この凸部35の内周面を第二の円筒面13aとし
ている。そして、この第二の円筒面13aと、上記ガイ
ドローラ32及びウェッジローラ31a、31bの外周
面である第三の円筒面18a、18aとを当接自在とし
ている。又、上記外側ドラム11aには、結合ブラケッ
ト36の外径側端部を外嵌固定し、この結合ブラケット
36の中心部に、出力軸20aの内端部を結合固定して
いる。この出力軸20aは、前記ケーシング44を構成
するケーシング本体25の中央部に形成した第二の通孔
37を回転自在に挿通して、このケーシング本体25外
に突出している。
【0011】上記ガイドローラ32及びウェッジローラ
31a、31bの外周面は、前記中心ローラ9aの外周
面と上記外側ドラム11aの内周面とに当接させてい
る。上記中心ローラ9aの中心と上記出力軸20a及び
外側ドラム11aの中心とは互いに偏心している。即
ち、前述の様に、上記中心ローラ9aを挿通する通孔2
7は、上記ケーシング本体25の中心から少しだけずれ
た位置に設けているのに対して、上記出力軸20aを挿
通する第二の通孔37は、上記ケーシング本体25の中
心に設けている。又、この第二の通孔37の内側に回転
自在に支持した出力軸20aと外側ドラム11aとは互
いに同心である。従って、上記中心ローラ9aと上記外
側ドラム11a及び出力軸20aとは、上記通孔27の
ケーシング本体25の中心からのずれ量δ(図5参照)
分だけ、互いに偏心している。そして、上記中心ローラ
9aの外周面である第一の円筒面10aと上記外側ドラ
ム11aに形成した凸部35の内周面である第二の円筒
面13aとの間に存在して上記ガイドローラ32及びウ
ェッジローラ31a、31bが設けられた環状空間14
aの幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だけ、円周
方向に亙り不同になっている。
【0012】この様に、上記環状空間14aの幅寸法を
円周方向に亙り不同にした分、上記ガイドローラ32及
びウェッジローラ31a、31bの外径を異ならせてい
る。即ち、上記外側ドラム11aに対して中心ローラ9
aが偏心している側(図5〜7の下側)に位置する両ウ
ェッジローラ31a、31bの外径を、互いに同じとす
ると共に比較的小径にしている。これに対して、上記外
側ドラム11aに対して中心ローラ9aが偏心している
のと反対側(図5〜7の上側)に位置するガイドローラ
32の外径を、上記両ウェッジローラ31a、31bの
外径よりも大きくしている。そして、これら3個の、そ
れぞれが中間ローラであるガイドローラ32及びウェッ
ジローラ31a、31bの外周面である第三の円筒面1
8a、18aを、上記第一、第二の円筒面10a、13
aに当接させている。
【0013】尚、それぞれが中間ローラである、上記1
個のガイドローラ32及び2個のウェッジローラ31
a、31bのうち、ガイドローラ32を支持した枢軸1
5aは、前述の様に、上記ケーシング本体25と蓋体2
6とから成るケーシング44内に固定している。これに
対して、ウェッジローラ31a、31bを支持した各枢
軸15b、15cは、やはり前述した様に上記ケーシン
グ44内に、円周方向及び直径方向に亙る若干の変位を
自在に支持している。従って、上記各ウェッジローラ3
1a、31bも、上記ケーシング44内で円周方向及び
直径方向に亙り若干の変位自在である。そして、前記蓋
体26のシリンダ孔38、38内に装着した圧縮コイル
ばね39、39等の弾性材により、上記各ウェッジロー
ラ31a、31bを支持した枢軸15b、15cを、こ
れら各枢軸15b、15cに回転自在に支持した各ウェ
ッジローラ31a、31bを前記環状空間14aの幅の
狭い部分に向け移動させるべく、弾性的に軽く押圧して
いる。
【0014】上述の様に構成される従来構造の第2例の
摩擦ローラ式変速機の場合、入力軸28に結合した中心
ローラ9aの回転は、この中心ローラ9aの外周面であ
る第一の円筒面10aと、ガイドローラ32及びウェッ
ジローラ31a、31bの外周面である第三の円筒面1
8a、18aとの当接部である、各内径側当接部40、
40を介して、これらガイドローラ32及びウェッジロ
ーラ31a、31bに伝わる。更に、これらガイドロー
ラ32及びウェッジローラ31a、31bの回転は、上
記各第三の円筒面18a、18aと前記外側ドラム11
aの内周面に設けた第二の円筒面13aとの当接部であ
る、各外径側当接部41、41を介して、この外側ドラ
ム11aに伝わる。そして、この外側ドラム11aに結
合固定した前記出力軸20aが回転する。
【0015】上述の様に構成される各摩擦ローラ式変速
機の場合、ケーシング本体25と蓋体26とから成るケ
ーシング44内にグリース或はトラクションオイル等の
潤滑油を入れ、第一、第二の円筒面10、10a、1
3、13aと第三の円筒面18、18aとの間の動力伝
達を、この潤滑油を介して行なっている。これら各円筒
面10、10a、13、13a、18、18a同士の間
に存在する油膜は極く薄い為、この油膜に作用する大き
な剪断力に基づき、上記動力伝達を行なえる。又、この
油膜は、動力を伝達すると同時に、上記各円筒面10、
10a、13、13a、18、18a同士が直接接触す
る事を防止して、金属接触に基づく著しい摩耗の発生を
防止する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述の様な摩擦ローラ
式変速機の運転が高速で行なわれた場合、中心ローラ
9、9aの自転、中間ローラ16、16、ウェッジロー
ラ31a、31b、ガイドローラ32の自転、公転に基
づく遠心力により、ケーシング44内に入れた潤滑油
が、このケーシング44の内周面に向け、直径方向外方
に振り飛ばされる。この為、第一の円筒面10、10a
と第三の円筒面18、18aとの接触部である内径側当
接部40、40の近傍に存在する潤滑油が不足しがちに
なる。この結果、これら各内径側当接部40、40部分
で金属接触が発生し易くなり、この金属接触が発生した
場合には、第一、第三の円筒面10、10a、18、1
8aにフレーキング等の損傷が発生して、摩擦ローラ式
変速機の耐久性を損なう原因となる。内部への潤滑油の
充填量の増大は、撹拌抵抗の増大に基づく動力の伝達ロ
スの増大を招く為、採用できない。本発明の摩擦ローラ
式変速機は、上述の様な耐久性悪化の原因となる潤滑油
不足の発生を、内部への潤滑油の充填量を増大させずに
防止すべく、発明したものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦ローラ式変
速機は、前述した従来の摩擦ローラ式変速機と同様に、
第一の回転軸と、この第一の回転軸の一端部にこの第一
の回転軸と同心に固設した、外周面が第一の円筒面であ
る中心ローラとを備える。又、この中心ローラの周囲に
この中心ローラに対する相対回転自在に配置した、内周
面が第二の円筒面である外側ドラムと、それぞれが上記
第一の回転軸と平行に配置され、それぞれの一部が上記
第二の円筒面と上記第一の円筒面との間の環状空間内に
挿入された複数本の枢軸とを備える。又、これら各枢軸
の一部で上記環状空間の内側に位置する部分に、これら
各枢軸に対する回転自在に支持され、それぞれの外周面
を上記第一の円筒面及び上記第二の円筒面に当接する第
三の円筒面とした複数個の中間ローラと、上記各枢軸の
端部を支持した支持部材とを備える。そして、この支持
部材と上記外側ドラムとのうちの一方にその一端部を結
合固定した第二の回転軸と、上記外側ドラムを覆う状態
で設けられたケーシングとを備える。
【0018】特に、本発明の摩擦ローラ式変速機は、上
記ケーシングの内側で上記中間ローラの間部分に設けら
れた突部と、この突部の一部で上記第三の円筒面に対向
する部分に形成され、内側に潤滑油を保持自在な凹部と
を設けている。
【0019】
【作用】上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式変速
機によれば、ケーシングの内側で中間ローラの間部分に
設けられた突部の一部で、第三の円筒面に対向する部分
に設けた凹部に潤滑油を保持する事により、上記第三の
円筒面と相手面との間に介在させる潤滑油の不足を防止
できる。この為、特にケーシング内への潤滑油の充填量
を過大にしなくても、大きな遠心力が作用する高速運転
時にも、第一の円筒面と第三の円筒面との接触部に十分
な量の潤滑油を存在させる事ができる。従って、上記接
触部で金属接触が発生する事を防止して、摩擦ローラ式
変速機の耐久性向上を図れる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の1例を示している。本例の摩擦ローラ式変速機の基本
構造は、前述の図5〜7に示した従来構造の第2例と同
様である。特に、本例の摩擦ローラ式変速機は、ケーシ
ング本体25aと蓋体26とから成るケーシング44の
内側で中間ローラの間部分に設けられた突部33、33
の一部で、第三の円筒面18a、18aに対向する部分
に、潤滑油を保持自在な凹部29、29を設ける点が、
従来構造とは異なる。その他の部分の構造及び作用は、
基本的には前述の図5〜7に示した従来構造の第2例と
同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複
する説明を省略若しくは簡略にし、以下の説明は、本発
明の特徴部分、並びに図5〜7に示した従来構造の第2
例と異なる部分を中心に説明する。
【0021】上記ケーシング44の内側で円周方向に隣
り合う上記ガイドローラ32及びウエッジローラ31
a、31bの間部分に存在し、このケーシング44を構
成する蓋体26と連結板19aとを結合する突部33、
33の一部に、グリース或はトラクションオイル等の潤
滑油を保持自在な凹部29、29を設けている。即ち、
上記各突部33、33の円周方向両面で、上記ガイドロ
ーラ32及びウエッジローラ31a、31bの外周面で
ある第三の円筒面18a、18aに対向する部分に上記
各凹部29、29を設けて、上記各第三の円筒面18
a、18aへの、潤滑油の供給を自在としている。
【0022】尚、上記各突部33、33の円周方向両面
で上記各凹部29、29を設けた部分の曲率半径r1
は、当該部分が対向する第三の円筒面18a、18aの
曲率半径r2 よりも僅かに大きくしている。そして、上
記各突部33、33の円周方向両面と上記第三の円筒面
18a、18aとの間に、これら両面に沿った微小隙間
を介在させている。この微小隙間には毛細管現象によっ
て潤滑油が保持される。そして、上記微小隙間に存在す
る潤滑油が、高速回転時にも、上記各第三の円筒面18
a、18aと第一、第二の円筒面10a、13aとの当
接部である、内径側当接部40、40及び外径側当接部
41、41を潤滑する。
【0023】又、図示の例では、外側ドラム11bと、
第二の回転軸である出力軸20bとの結合構造を、図5
〜7に示した従来構造の第2例とは異ならせている。即
ち、上記外側ドラム11bの一端(図1の左端)開口部
を円板部42により塞ぎ、この円板部42の外側面(図
1の左側面)中心部に上記出力軸20bの基端部(図1
の右端部)を、上記外側ドラム11bと同心に固定して
いる。更に、上記出力軸20b、並びに第一の回転軸で
ある入力軸28aの先端部(図1の左端部)にこの入力
軸28aと一体に設けた中心ローラ9bを、ケーシング
本体25a又は蓋体26に対して、それぞれ深溝型の玉
軸受43、43により回転自在に支持している。
【0024】以上の様に構成する本発明の摩擦ローラ式
変速機の運転が高速で行なわれた場合、中間ローラであ
るガイドローラ32及び各ウェッジローラ31a、31
bの自転に基づく遠心力により、ケーシング25内に存
在する潤滑油が、上記ガイドローラ32及びウエッジロ
ーラ31a、31bの外周面である第三の円筒面18
a、18aから上記ケーシング本体25aの外径寄り部
分に振り飛ばされる方向の力を受ける。但し、本発明の
摩擦ローラ式変速機の場合には、上記各突部33、33
の円周方向両面で上記各ローラ32、31a、31bの
外周面と近接対向する部分に、潤滑油を保持する凹部2
9、29を設けている為、特にケーシング44内に充填
する潤滑油の量を過大にしなくても、上記第三の円筒面
18a、18aの周囲に存在する潤滑油が不足する事は
ない。従って、高速運転時に潤滑油が不足しがちにな
る、中心ローラ9bの外周面である第一の円筒面10a
と上記ガイドローラ32及びウエッジローラ31a、3
1bの外周面である第三の円筒面18a、18aとの当
接部である、各内径側当接部40、40の近傍にも、十
分な量の潤滑油を存在させる事ができる。この為、潤滑
油の撹拌抵抗を抑えて、動力の伝達ロスを少なく抑えつ
つ、これら各内径側当接部40、40で金属接触が発生
する事を防止できる。
【0025】尚、図示の実施の形態は、3個の中間ロー
ラのうちの2個をウェッジローラ31a、31bとし、
残り1個の中間ローラをガイドローラ32とした構造に
本発明を適用した場合に就いて説明した。この様な構造
は、入力軸28a及び出力軸20bが何れの方向に回転
した場合でも、各内径側当接部40、40及び各外径側
当接部41、41の当接圧を確保できる。但し、本発明
は、この様な構造に限らず、各種摩擦ローラ式変速機に
適用できる。例えば、入力軸及び出力軸の回転方向が常
に一定であれば、3個の中間ローラのうちの1個をウェ
ッジローラとし、残り2個の中間ローラをガイドローラ
とする構造で足りる。更に、中間ローラであるガイドロ
ーラとウェッジローラとを、それぞれ1個ずつ設けた構
造でも、或は、ウェッジローラを設けず、総ての中間ロ
ーラをガイドローラとした構造でも、本発明を実施でき
る。又、前述の図3〜4に示した従来構造の第1例の様
に、中心ローラ9と外側ドラム11とを同心に配置し
た、遊星ローラ式の構造にも、本発明を適用する事がで
きる。但し、この遊星ローラ式の構造に本発明を適用す
る場合には、突部を連結板の内側面に設け、この突部に
潤滑油を保持自在な凹部を設ける。更には、入力軸と出
力軸とを図示の例とは逆にし、増速機として使用する構
造にも、本発明は適用できる。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上に述べた通り構成され作用
するので、伝達ロスの増大を抑えつつ、構成各部に早期
摩耗等の損傷が発生する事を有効に防止して、摩擦ロー
ラ式変速機の耐久性及び信頼性の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、図2のA−
A断面図。
【図2】図1のB−B断面図。
【図3】従来構造の第1例を示す、摩擦ローラ式減速機
付電動モータの断面図。
【図4】摩擦ローラ式減速機のみを取り出して示す、図
3のC−C断面図。
【図5】従来構造の第2例を示す断面図。
【図6】図5のD−D断面図。
【図7】同E−E断面図。
【符号の説明】
1 電動モータ 2 モータケース 3 ケース本体 4 蓋体 5 回転駆動軸 6 ステータ 7 ロータ 8 摩擦ローラ式減速機 9、9a、9b 中心ローラ 10、10a 第一の円筒面 11、11a、11b 外側ドラム 12 円筒壁部 13、13a 第二の円筒面 14、14a 環状空間 15、15a、15b、15c 枢軸 16 中間ローラ 17 ラジアルニードル軸受 18、18a 第三の円筒面 19、19a 連結板 20、20a、20b 出力軸 21 固定ボルト 22 連結ボルト 23 カバー 24 円筒部 25、25a ケーシング本体 26 蓋体 27 通孔 28、28a 入力軸 29 凹部 30 支持孔 31a、31b ウェッジローラ 32 ガイドローラ 33 突部 34 連結ボルト 35 凸部 36 結合ブラケット 37 第二の通孔 38 シリンダ孔 39 圧縮コイルばね 40 内径側当接部 41 外径側当接部 42 円板部 43 玉軸受 44 ケーシング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の回転軸と、この第一の回転軸の一
    端部にこの第一の回転軸と同心に固設した、外周面が第
    一の円筒面である中心ローラと、この中心ローラの周囲
    にこの中心ローラに対する相対回転自在に配置した、内
    周面が第二の円筒面である外側ドラムと、それぞれが上
    記第一の回転軸と平行に配置され、それぞれの一部が上
    記第二の円筒面と上記第一の円筒面との間の環状空間内
    に挿入された複数本の枢軸と、これら各枢軸の一部で上
    記環状空間の内側に位置する部分に、これら各枢軸に対
    する回転自在に支持され、それぞれの外周面を上記第一
    の円筒面及び上記第二の円筒面に当接する第三の円筒面
    とした複数個の中間ローラと、上記各枢軸の端部を支持
    した支持部材と、この支持部材と上記外側ドラムとのう
    ちの一方にその一端部を結合固定した第二の回転軸と、
    上記外側ドラムを覆う状態で設けられたケーシングとを
    備えた摩擦ローラ式変速機に於いて、上記ケーシングの
    内側で上記中間ローラの間部分に設けられた突部と、こ
    の突部の一部で上記第三の円筒面に対向する部分に形成
    され、内側に潤滑油を保持自在な凹部とを設けた事を特
    徴とする摩擦ローラ式変速機。
JP17354797A 1997-06-30 1997-06-30 摩擦ローラ式変速機 Pending JPH1113848A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003090401A (ja) * 2001-09-14 2003-03-28 Nsk Ltd 摩擦ローラ式変速機及び原動機付摩擦ローラ式変速機
US11368071B2 (en) 2018-03-21 2022-06-21 Dyson Technology Limited Electric drive

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