JP2003082354A - 液晶組成物および液晶素子 - Google Patents

液晶組成物および液晶素子

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JP2003082354A
JP2003082354A JP2001271512A JP2001271512A JP2003082354A JP 2003082354 A JP2003082354 A JP 2003082354A JP 2001271512 A JP2001271512 A JP 2001271512A JP 2001271512 A JP2001271512 A JP 2001271512A JP 2003082354 A JP2003082354 A JP 2003082354A
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carbon atoms
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Takashi Kato
隆志 加藤
Hisashi Okamura
寿 岡村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高いオーダーパラメーターを与える液晶組成
物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される化合物を含
む液晶組成物である。 式中、D1は塩基性核を表し、L1は共役鎖を表し、mは
0または1を表し、A1は酸性核を表す。但し、D1、L
1およびA1のうち少なくとも1つは、−((B1p
(Q1q−(B2rn−C1で表される置換基を有す
る。ここでB1およびB2は各々2価のアリール基、ヘテ
ロアリール基または環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1
は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアル
キル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基または
アシルオキシ基を表す。p、qおよびrは各々0〜5の
いずれかの整数を表し、nは1〜3のいずれかの整数を
表すが、但し(p+r)×nは3〜10である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶素子、特にゲ
スト−ホスト方式の液晶素子ならびに液晶組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶素子として多くの方式が提案されて
いるが(例えば、日本学術振興会第142委員会編、液
晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989
年)、中でも、2色性色素を液晶中に溶解させ、電場に
よる液晶の動きに合わせた2色性色素の配向変化に基づ
く吸光状態変化による表示方法(いわゆる、ゲストホス
ト方式)は、明るい表示が可能である点で反射型液晶素
子として期待されている。ゲストホスト方式は、例え
ば、B. Bahadur著、D. Demus, J. Goodby, G. W. Gray,
H. W. Spiess, V. Vill編、Handbook of Liquid Cryst
als, Vol. 2A, Wiley-VCH社、1998年、第3.4
章、第257〜302頁に詳しい。その液晶素子に用い
られる2色性色素に要求される性能としては、適切な吸
収特性、高いオーダーパラメーター、高いホスト液晶に
対する溶解性、耐久性などが挙げられる。2色性色素に
関しては、A. V. Ivashchenko著、Dichroic Dyes for L
iquid Crystal Display、CRC社、1994年に詳しい。
従来、共役鎖の末端に酸性核と塩基性核を有する、いわ
ゆるメロシアニン色素に関して2色性色素としての検討
がいくつか報告されているが、いずれの色素もオーダー
パラメーターは低く満足できる結果は得られていない。
メロシアニン色素の報告例としては、例えば、T. Uchid
a, C. Shishido, H. Seki, M. Wada、Molecular Crysta
l and Liquid Crystals, Vol.34(Letter), pp.153-158,
1977年が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高い
オーダーパラメーターを有する2色性色素を含む液晶組
成物および液晶素子を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の液晶組成物は下記一般式(1)で表される
化合物を含むことを特徴とする。
【0005】一般式(1)
【化3】
【0006】式中、D1は塩基性核を表し、L1は共役鎖
を表し、mは0または1を表し、A 1は酸性核を表す。
但し、D1、L1およびA1のうち少なくとも1つは、−
((B 1p−(Q1q−(B2rn−C1で表される置
換基を有する。ここでB1およびB2は各々2価のアリー
ル基、ヘテロアリール基または環状脂肪族炭化水素基を
表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シ
クロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル
基またはアシルオキシ基を表す。p、qおよびrは各々
0〜5のいずれかの整数を表し、nは1〜3のいずれか
の整数を表すが、但し(p+r)×nは3〜10であ
る。nが2以上のとき、2以上のB1、Q1、B2、p、
qおよびrは、各々同一であっても異なっていてもよ
く、またp、qおよびrが2以上の場合、2以上の
1、Q1およびB2は各々同一であっても異なっていて
もよい。
【0007】本発明の好ましい態様して、前記一般式
(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表され
る化合物であることを特徴とする上記液晶組成物が提供
される。
【0008】一般式(2)
【化4】
【0009】式中、X1はNR7、O、SまたはSeを表
し、R7はアルキル基、アリール基またはヘテロアリー
ル基を表す。R1およびR2は各々独立にアルキル基、ア
ルコキシ基、アリール基もしくはNR89基を表すか、
またはR1とR2とが結合して5もしくは6員環を形成し
ていてもよい。R8およびR9は各々独立に、水素原子、
アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表
す。R3、R4、R5およびR6は各々独立に、水素原子ま
たは置換基を表す。Y1およびY2は各々独立に、Oまた
はSを表し、L1は共役鎖を表し、mは0または1を表
す。ただし、該化合物は−((B1p−(Q1q−(B
2rn−C1で表される置換基を有する。B1、Q1、B
2、p、q、rおよびnの意味は前記一般式(1)中の
各々と同義である。
【0010】また、前記課題を解決するため、本発明の
液晶素子は、上記いずれかの液晶組成物を含むことを特
徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される
数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示
す。まず、本発明に用いられる下記一般式(1)で表さ
れる化合物について説明する。 一般式(1)
【化5】
【0012】前記一般式(1)中、D1は塩基性核を表
す。本明細書において「塩基性核」とは、電子供与性の
末端基を意味する。例えば、James編、The T
heory of the Photographic
Process、第4版、マクミラン出版、1977
年、198〜200頁に記載されているものが挙げられ
る。塩基性核としては、5または6員の複素環が好まし
く、これらの環はさらに縮環されていてもよい。5また
は6員の複素環としては、チアゾリン核、チアゾール
核、ベンゾチアゾール核、オキサゾリン核、オキサゾー
ル核、ベンゾオキサゾール核、セレナゾリン核、セレナ
ゾール核、ベンゾセレナゾール核、3,3−ジアルキル
インドレニン核(例えば3,3−ジメチルインドレニ
ン)、イミダゾリン核、イミダゾール核、ベンゾイミダ
ゾール核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、2−キノ
リン核、4−キノリン核、1−イソキノリン核、3−イ
ソキノリン核、イミダゾ[4,5−b]キノキザリン
核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、テトラゾ
ール核、ピリミジン核、ジチオラン核等が挙げられる。
【0013】D1は、4−ピリジン核、4−キノリン
核、イミダゾリン核またはチオラン核であるのが好まし
い。
【0014】D1で表される塩基性核は置換基を有して
いてもよく、そのような置換基をVとすると、置環基V
については特に制限はないが、例えば、ハロゲン原子
(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、
シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒド
ロキシ基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、
更に好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えば
メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、モルホ
リノカルバモイル基);炭素数0〜10、好ましくは炭
素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のスルファモ
イル基(例えばメチルスルファモイル基、エチルスルフ
ァモイル基、ピペリジノスルファモイル基);ニトロ
基;炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に
好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキ
シ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェ
ニルエトキシ基);炭素数6〜20、好ましくは炭素数
6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリールオ
キシ基(例えばフェノキシ基、p−メチルフェノキシ
基、p−クロロフェノキシ基、ナフトキシ基);炭素数
1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは
炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイ
ル基、トリクロロアセチル基);炭素数1〜20、好ま
しくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8の
アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベンゾイル
オキシ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜1
2、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例
えばアセチルアミノ基);炭素数1〜20、好ましくは
炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホ
ニル基(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル
基、ベンゼンスルホニル基);炭素数1〜20、好まし
くは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のス
ルフィニル基(例えばメタンスルフィニル基、エタンス
ルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基);炭素数1〜
20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素
数1〜8のスルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニ
ルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスル
ホニルアミノ基);
【0015】炭素数0〜20、好ましくは炭素数1〜1
2、更に好ましくは炭素数1〜8のアミノ基(例えば、
アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ベンジ
ルアミノ基、アニリノ基、ジフェニルアミノ基);炭素
数0〜15、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましく
は炭素数3〜6のアンモニウム基(例えばトリメチルア
ンモニウム基、トリエチルアンモニウム基);炭素数0
〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭
素数1〜6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジ
ノ基);炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、
更に好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えばウレ
イド基、N,N−ジメチルウレイド基);炭素数1〜1
5、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数
1〜6のイミド基(例えばスクシンイミド基);炭素数
1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは
炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ基、
エチルチオ基、プロピルチオ基);炭素数6〜20、好
ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜1
0のアリールチオ基(例えばフェニルチオ基、p−メチ
ルフェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、2−ピ
リジルチオ基、ナフチルチオ基);炭素数2〜20、好
ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8
のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、2−ベンジルオキシカルボ
ニル基);炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜1
2、更に好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカル
ボニル基(例えばフェノキシカルボニル基);炭素数1
〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭
素数1〜5の無置換のアルキル基(例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基);炭素数1〜18、好
ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5
の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル基、トリフ
ルオロメチル基、ベンジル基、カルボキシエチル基、エ
トキシカルボニルメチル基、アセチルアミノメチル基、
またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜1
0、更に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基
(例えばビニル基、エチニル基1−シクロヘキセニル
基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル
基に含まれることにする};炭素数6〜20、好ましく
は炭素数6〜15、更に好ましくは炭素数6〜10の置
換もしくは無置換のアリール基(例えばフェニル基、ナ
フチル基、p−カルボキシフェニル基、p−ニトロフェ
ニル基、3,5−ジクロロフェニル基、p−シアノフェ
ニル基、m−フルオロフェニル基、p−トリル基);炭
素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、更に好まし
くは炭素数4〜6の置換もしくは無置換のヘテロ環基
(例えばピリジル基、5−メチルピリジル基、チエニル
基、フリル基、モルホリノ基、テトラヒドロフルフリル
基);が挙げられる。これらの例示した置換基Vは、さ
らに置換基Vのいずれかで置換されていてもよい。
【0016】置換基Vとしては、アルキル基、アリール
基、アルコキシ基またはハロゲン原子が好ましく、メチ
ル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、メトキシ
基、トリフルオロメトキシ基、フッ素原子、塩素原子ま
たは臭素原子がより好ましい。
【0017】前記一般式(1)中、A1は酸性核を表
す。本明細書において、「酸性核」とは電子受容性の末
端基を意味する。例えば、James編、The Th
eory of the Photographic
Process、第4版、マクミラン出版、1977
年、198〜200頁に記載されているものが挙げられ
る。酸性核を形成する官能基としては、チオカルボニル
基、カルボニル基、エステル基、アシル基、カルバモイ
ル基、シアノ基、スルホニル基などが挙げられる。酸性
核の具体例としては、米国特許第3,567,719
号、第3,575,869号、第3,804,634
号、第4,002,480号、第4,925,777
号、第5,747,236号などの各明細書に記載され
ているものが挙げられる。酸性核は複素環を形成してい
てもよく、そのような複素環としては、例えば、2−ピ
ラゾリン−5−オン、ピラゾリジン−3−ジオン、イミ
ダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2または4−チオ
ヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−4−オン、
2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリジン
−2,5−ジオン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジ
オン、イソオキサゾリン−5−オン、2−チアゾリン−
4−オン、チアゾリジン−2,4−オン、ロダニン、チ
アゾリジン−2,4−ジチオン、イソロダニン、インダ
ン−1,3−ジオン、チオフェン−3−オン、チオフェ
ン−3−オン−1,1−ジオキシド、インドリン−2−
オン、インドリン−3−オン、2−オキソインダゾリニ
ウム、3−オキソインダゾリニウム、5,7−ジオキソ
−6,7−ジヒドロ[3、2−a]ピリミジン、シクロ
ヘキサン−1,3−ジオン、3,4−ジヒドロイソキノ
リン−4−オン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオ
ン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クロマ
ン−2,4−ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリド
[1、2−a]ピリミジン−1,3−ジオン、ピラゾロ
[1、5−b]キナゾロン、ピラゾロ[1、5−a]ベ
ンゾイミダゾール、ピラゾロピリドン、1,2,3,4
−テトラヒドロキノリン−2,4−ジオン、3−オキソ
−2,3−ジヒドロベンゾ[d]チオフェン−1,1−
ジオキサイド、3−ジシアノメチン−2,3−ジヒドロ
ベンゾ[d]チオフェン−1,1−ジオキサイドなどの
核が挙げられる。
【0018】A1としては、1,3−ジオンまたは1,
3−ジエステルからなる酸性核が好ましい。これらの酸
性核には前述の置換基Vで示した置換基または環が置換
していても、あるいは置換基Vで示した環が縮環してい
てもよい。
【0019】前記一般式(1)中、塩基性核D1と酸性
核A1との好ましい組合せとしては、塩基性核D1が4−
ピリジン核、キノリン核およびジチオラン核から選ばれ
る少なくとも1種であり、酸性核A1がシクロヘキサン
−1,3−ジオン核、バルビツール酸およびインダン−
1,3−ジオンから選ばれる少なくとも1種である組合
せである。特に好ましい組合せとしては、塩基性核D1
が4−ピリジン核またはジチオラン核であり、酸性核A
1がシクロヘキサン−1,3−ジオン核またはインダン
−1、3−ジオンである組合せである。
【0020】前記一般式(1)中、L1は共役鎖を表
す。共役鎖L1はπ電子を有し、末端の塩基性核D1およ
び酸性核A1とπ共役系を形成する。共役鎖L1として
は、炭素−炭素2重結合または3重結合を有する炭素鎖
が好ましく、該炭素鎖は置換基を有していてもよい。置
換基としては前述の置換基Vが挙げられる。さらに、共
役鎖L1は環を形成していてもよい。環構造を有する共
役鎖L1としては、例えば、下記に示すものが挙げられ
る。
【0021】
【化6】
【0022】また、L1は他のメチン基と環を形成して
もよく、もしくは助色団環を形成していてもよい。mは
0または1を表し、mが0のとき塩基性核D1と酸性核
1とは二重結合によって連結される。
【0023】D1、L1およびA1のうち少なくとも1つ
は、−((B1p−(Q1q−(B2rn−C1で表さ
れる基を含む置換基を有する。ここでB1およびB2は各
々2価のアリール基、ヘテロアリール基または環状脂肪
族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1
アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコ
キシカルボニル基またはアシルオキシ基を表す。p、q
およびrは各々0〜5のいずれかの整数を表し、nは1
〜3のいずれかの整数を表すが、但し(p+r)×nは
3〜10を満足する。
【0024】B1およびB2が各々表す2価のアリール基
としては、好ましくは炭素数2〜20のアリール基であ
り、好ましいアリール基の具体例を挙げると、ベンゼン
環、ナフタレン環、アントラセン環を含むアリール基で
ある。特に好ましくは、ベンゼン環、置換ベンゼン環を
含むアリール基であり、さらに好ましくは1、4−フェ
ニレン基である。B1およびB2がそれぞれ表す2価のヘ
テロアリール基としては、好ましくは炭素数1〜20の
ヘテロアリール基であり、具体的には、ピリジン環、キ
ノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン
環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾ
ール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾ
ール環、チアジアゾール環、トリアゾール環を含むヘテ
ロアリール基、およびこれらが縮環してなる縮環ヘテロ
アリール基である。
【0025】B1およびB2が各々表す2価の環状脂肪族
炭化水素基としては、好ましくはシクロヘキサン−1,
2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シ
クロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタンー
1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シ
クロヘキサン−1、4−ジイル基である。
【0026】Q1は2価の連結基を表し、炭素原子、窒
素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる少なくと
も1種の原子から構成される原子団からなる。Q1で表
される2価の連結基としては、炭素数1〜20のアルキ
レン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン
基、ブチレン基、ペンチレン基、シクロヘキシル−1,
4−ジイル基)、炭素数2〜20のアルケニレン基(例
えば、エテニレン基)、炭素数2〜20のアルキニレン
基(例えば、エチニレン基)、アミド基、エーテル基、
エステル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、
ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエー
テル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素
原子、アルキル基またはアリール基を表す)、アゾ基、
アゾキシ基、複素環2価基(例えば、ピペラジンー1,
4−ジイル基)を1つまたはそれ以上組み合わせて構成
される炭素数0〜60の2価の連結基が挙げられる。Q
1の表す2価の連結基として、好ましくは、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チ
オエーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、
およびそれらを組み合わせた基である。
【0027】C1はアルキル基、シクロアルキル基、ア
ルコキシ基、アルコキシカルボニル基またはアシルオキ
シ基を表す。C1の好ましい例としては、炭素数1〜3
0、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数
1〜8のアルキル基およびシクロアルキル基(例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル
基、i−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、t−ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シク
ロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチ
ルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、
4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキ
シル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、
ベンジル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜
10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例
えば、メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ
基、2−フェニルエトキシ基);炭素数1〜20、好ま
しくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8の
アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベンゾイル
オキシ基);炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜1
2、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニ
ル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基、2−ベンジルオキシカルボニル基);が挙げられ
る。C1として特に好ましくはアルキル基、アルコキシ
基であり、さらに好ましくは、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、トリフルオロメト
キシ基である。
【0028】p、qおよびrは各々0〜5のいずれかの
整数を表し、nは1〜3のいずれかの整数を表すが、但
し(p+r)×nは3〜10を満足する。なお、p、
q、rおよびnが2以上の場合、その繰り返し単位は同
一であっても異なっていてもよい。なお、nが2以上の
とき、2以上のB1、Q1、B2、p、qおよびrは、各
々同一であっても異なっていてもよく、またp、qおよ
びrが2以上の場合、2以上のB1、Q1およびB2は各
々同一であっても異なっていてもよい。好ましいp、
q、rおよびnの組合せ(1)〜(13)を以下に記
す。 (1) p=3、q=0、r=0、n=1 (2) p=4、q=0、r=0、n=1 (3) p=5、q=0、r=0、n=1 (4) p=2、q=1、r=1、n=1 (5) p=1、q=1、r=2、n=1 (6) p=3、q=1、r=1、n=1 (7) p=1、q=1、r=3、n=1 (8) p=2、q=1、r=2、n=1 (9) p=1、q=1、r=1、n=3 (10) p=0、q=1、r=3、n=1 (11) p=0、q=1、r=2、n=2 (12) p=1、q=1、r=2、n=2 (13) p=2、q=1、r=1、n=2
【0029】(1)〜(13)の組合せの中でも、
(1)p=3、q=0、r=0、n=1、(2)p=
4、q=0、r=0、n=1、(4)p=2、q=1、
r=1、n=1の組合せが特に好ましい。
【0030】なお、−((B1p−(Q1q
(B2rn−C1としては、液晶性を示す構造を含むこ
とが好ましい。ここでいう液晶とは、いかなるフェーズ
の液晶であってもよいが、好ましくはネマチック液晶、
スメクチック液晶、デイスコテイック液晶であり、特に
好ましくは、ネマチック液晶である。液晶性を示す構造
の具体例としては、液晶便覧編集委員会編、液晶便覧、
丸善、2000年の第3章「分子構造と液晶性」に記載
されているものなどが挙げられる。
【0031】−((B1p−(Q1q−(B2rn
1の具体例を以下に示すが、本発明は以下の具体例に
よってなんら限定されるものではない。
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】前記一般式(1)で表される化合物の中で
も、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
【0038】一般式(2)
【化12】
【0039】前記一般式(2)で表される化合物は、−
((B1p−(Q1q−(B2r n−C1で表される基
を含む置換基を少なくとも一つ有する。B1、Q1
2、p、q、rおよびnの意味は前記一般式(1)中
の各々と同義である。
【0040】前記一般式(2)中、X1はN−R7、O、
SまたはSeを表し、R7はアルキル基、アリール基ま
たはヘテロアリール基を表す。R7として具体的には、
炭素原子1〜18、好ましくは1〜7、特に好ましくは
1〜4の無置換アルキル基(例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、オクタデ
シル基);炭素原子1〜18、好ましくは1〜7、特に
好ましくは1〜4の置換アルキル基{例えば置換基とし
て前述のVが置換したアルキル基が挙げられる。好まし
くはアラルキル基(例えばベンジル基、2−フェニルエ
チル基)、不飽和炭化水素基(例えばアリル基)、ヒド
ロキシアルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル基、
3−ヒドロキシプロピル基)、カルボキシアルキル基
(例えば、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプ
ロピル基、4−カルボキシブチル基、カルボキシメチル
基)、アルコキシアルキル基(例えば2−メトキシエチ
ル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基)、アリ
ーロキシアルキル基(例えば2ーフェノキシエチル基、
2ー(1ーナフトキシ)エチル基)、アルコキシカルボ
ニルアルキル基(例えばエトキシカルボニルメチル基、
2ーベンジルオキシカルボニルエチル基)、アリーロキ
シカルボニルアルキル基(例えば3ーフェノキシカルボ
ニルプロピル基)、アシルオキシアルキル基(例えば2
ーアセチルオキシエチル基)、アシルアルキル基(例え
ば2ーアセチルエチル基)、カルバモイルアルキル基
(例えば2ーモルホリノカルボニルエチル基)、スルフ
ァモイルアルキル基(例えばN,Nージメチルカルバモ
イルメチル基)、スルホアルキル基(例えば2−スルホ
エチル基、3−スルホプロピル基、3−スルホブチル
基、4−スルホブチル基、2−[3−スルホプロポキ
シ]エチル基、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル
基、3−スルホプロポキシエトキシエチル基)、スルホ
アルケニル基、スルファトアルキル基(例えば2ースル
ファトエチル基、3−スルファトプロピル基、4−スル
ファトブチル基)、複素環置換アルキル基(例えば2−
(ピロリジン−2−オン−1−イル)エチル基、テトラ
ヒドロフルフリル基)、アルキルスルホニルカルバモイ
ルメチル基(例えばメタンスルホニルカルバモイルメチ
ル基)};炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜1
0、さらに好ましくは炭素数6〜8の無置換アリール基
(例えばフェニル基、1ーナフチル基);炭素数6〜2
0、好ましくは炭素数6〜10、さらに好ましくは炭素
数6〜8の置換アリール基(例えば置換基の例として挙
げた前述のVが置換したアリール基が挙げられる。具体
的にはp−メトキシフェニル基、p−メチルフェニル
基、p−クロロフェニル基などが挙げられる。)、炭素
数1〜20、好ましくは炭素数3〜10、さらに好まし
くは炭素数4〜8の無置換複素環基(例えば2ーフリル
基、2ーチエニル基、2ーピリジル基、3ーピラゾリル
基、3ーイソオキサゾリル基、3ーイソチアゾリル基、
2ーイミダゾリル基、2ーオキサゾリル基、2ーチアゾ
リル基、2ーピリダジル基、2ーピリミジル基、3ーピ
ラジル基、2ー(1,3,5−トリアゾリル)基、3ー
(1,2,4−トリアゾリル)基、5ーテトラゾリル
基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数3〜10、さ
らに好ましくは炭素数4〜8の置換複素環基(例えば置
換基の例として挙げた前述のVが置換した複素環基が挙
げられる。具体的には5ーメチルー2ーチエニル基、4
ーメトキシー2ーピリジル基などが挙げられる);が挙
げられる。
【0041】X1としてはN−R7が好ましく、R7とし
ては無置換のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピ
ル基)またはアリール基(フェニル基)が好ましい。
【0042】前記一般式(2)中、R1およびR2は、そ
れぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アリール基ま
たはNR89基であるか、あるいはR1とR2とが結合し
て5員環または6員環を形成してもよい。R8およびR9
はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基
またはヘテロアリール基を表す。R1およびR2が各々表
すアルキル基としては、炭素数1〜18、好ましくは1
〜7、特に好ましくは1〜4の無置換アルキル基(例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル
基、ドデシル基、オクタデシル基)、炭素数1〜18、
好ましくは1〜7、特に好ましくは1〜4の置換アルキ
ル基が挙げられ、置換基としては前述の置換基Vなどの
説明で記載したものなどが挙げられる。置換基として好
ましくは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、ス
ルファト基、ホスホノ基、アルキルスルフォニルカルバ
モイル基(例えば、メタンスルフォニルカルバモイル
基)、アシルカルバモイル基(例えば、アセチルカルバ
モイル基)、アシルスルファモイル基(例えば、アセチ
ルスルファモイル基)、アルキルスルフォニルスルファ
モイル基(例えば、メタンスルフォニルスルファモイル
基)、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基が挙
げられる。R1およびR2が各々表すアルコキシ基として
は、炭素原子1〜18、好ましくは1〜7、特に好まし
くは1〜4のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基など)が挙げられる。前記アルコ
キシ基は置換基を有していてもよく、該置換基として
は、前述の置換基Vが挙げられる。R1およびR2が各々
表すアリール基としては、前述のR7が表すアリール基
と同様であり、好ましい範囲も同様である。
【0043】R8およびR9が各々表すアルキル基、アリ
ール基およびヘテロアリール基については、前述のR7
が表す各々と同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0044】R1およびR2として好ましくは、互いに結
合して5員環または6員環を形成する場合である。これ
らの5員環または6員環はさらに置換基を有していても
よく、それらの置換基としては、前述の置換基群Vが挙
げられる。R1とR2で環を形成する場合としては、例え
ば、エチレン、1,3−プロピレン、1,2−フェニレ
ンなどが挙げられる。
【0045】前記一般式(2)中、R3、R4、R5およ
びR6は、それぞれ独立に水素原子または置換基であ
り、置換基としては、前述の置換基群Vが挙げられる。
好ましくは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子であ
る。特に好ましくは、水素原子、メチル基である。
【0046】前記一般式(2)中、Y1およびY2は各々
OまたはSを表す。好ましくはともにOの場合である。
【0047】以下に、前記一般式(1)で表される化合
物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって何
ら制限されるものではない。
【0048】
【化13】
【0049】
【化14】
【0050】
【化15】
【0051】
【化16】
【0052】前記一般式(1)で表される化合物および
前記一般式(2)で表される化合物は、 F. M. Harmer著、Heterocyclic Compounds - Cyanine
Dyes and Related Compounds、John Wiley & Sons社−
ニューヨーク、ロンドン、1964年刊; D. M. Sturmer著、Heterocyclic Compouds - Special
Topics in Heterocyclic Chemistry、第18章、第1
4節、482から515頁、John Wiley & Sons社−ニ
ューヨーク、ロンドン、1977年刊; Rodd's Chemistry of Carbon Compouds、第2版、ボ
リュームIV、パートB、第15章、369から422
頁、Elsevier Science Publishing Company Inc.社−ニ
ューヨーク、1977年刊;等を参考にして合成するこ
とができる。
【0053】本発明の液晶組成物は、前記一般式(1)
で表される化合物(好ましくは前記一般式(2)で表さ
れる化合物、以下「本発明の化合物」という)を含有す
ることを特徴とする。本発明の化合物は吸光係数が高
く、液晶組成物のオーダーパラメーターの向上に寄与す
る。特に、ゲストホスト型液晶セルの二色性色素として
機能させた場合に、表示コントラストの向上に寄与す
る。
【0054】本発明の液晶組成物において、本発明の化
合物は、1種を単独で使用してもよいが、複数種を混合
して用いてもよい。複数種の色素を混合する場合には、
本発明の化合物を2種以上混合して用いてもよいし、本
発明の化合物と公知の2色性色素を混合して用いてもよ
い。併用可能な2色性色素としては、たとえば 「Dichr
oic Dyes for Liquid Crystal Display」( A. V. Ivas
hchenko著、CRC社、1994年)に記載のものを用いる
ことができる。例えば、本発明の化合物を、黒色表示の
ために用いる場合には、可視域全体の光を吸収すること
が必要であり、複数の2色性色素を混合して用いること
が好ましい。
【0055】本発明の液晶素子に使用可能なホスト液晶
は、本発明の化合物と共存し得るものであれば特に制限
はないが、たとえば、ネマチック相あるいはスメクチッ
ク相を示す液晶化合物が利用できる。その具体例として
は、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シア
ノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シ
クロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換
シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフ
ェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキ
サン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェ
ニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、
フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニ
ルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化
合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル等が挙
げられる。、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術
振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989
年)の第154〜192頁ならびに第715〜722頁
に記載の液晶化合物を用いることができる。TFT駆動
に適したフッ素置換されたホスト液晶を使用することも
できる。
【0056】本発明の液晶組成物には、ホスト液晶の物
性を所望の範囲とすることを目的として(例えば、液晶
相の温度範囲を所望の範囲とすることを目的として)、
液晶性を示さない化合物を添加してもよい。また、カイ
ラル化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの化合物を
含有させてもよい。そのような添加剤は、たとえば、
「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第14
2委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第199
〜202頁に記載のTN、STN用カイラル剤が挙げら
れる。
【0057】本発明の液晶組成物において、ホスト液晶
および本発明の化合物の含有量については特に制限はな
いが、本発明の化合物の含有量はホスト液晶の含有量に
対して0.1〜15質量%であるのが好ましく、0.5
〜6質量%であるのが特に好ましい。
【0058】本発明の液晶組成物は、ホスト液晶に本発
明の化合物を溶解することによって調製することができ
る。溶解は、機械的攪拌、加熱、超音波、あるいはその
組合せなどを利用することができる。
【0059】本発明の液晶組成物は、液晶素子に利用す
ることができる。好ましい実施形態として、本発明の液
晶組成物からなる液晶セルを有するゲストホスト型液晶
素子が挙げられる。前記液晶セルは、例えば、1対の電
極基板と、1対の電極基板に挟持される本発明の液晶組
成物を含有する液晶層とから構成することができる。前
記電極基板は、通常ガラスあるいはプラスチックからな
る基板上に、電極層を形成したものを用いることができ
る。プラスチック基板としては、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。基板
については、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」
(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、
1989年)の第218〜231頁に記載のものを用い
ることができる。基板上に形成させる電極層は、好まし
くは透明電極層である。例えば、酸化インジウム、酸化
インジウムスズ(ITO)、酸化スズ等から形成するこ
とができる。透明電極については、例えば、「液晶デバ
イスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会
編、日刊工業新聞社、1989年)の第232〜239
頁に記載のものが用いられる。
【0060】前記基板が、液晶層と接する表面には、配
向処理を施した層(配向層)を形成することが好まし
い。前記配向処理としては、たとえば、4級アンモニウ
ム塩を塗布し配向させる方法、ポリイミドを塗布しラビ
ング処理により配向する方法、SiOxを斜め方向から
蒸着して配向する方法、さらには、光異性化を利用した
光照射による配向方法などが挙げられる。配向膜につい
ては、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学
術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989
年)の第240〜256頁に記載のものを用いることが
できる。
【0061】本実施の形態において、前記液晶セルは、
例えば、1対の基板をスペーサー等を介して、1〜50
μmの間隔で対向させ、基板間に形成された空間に本発
明の液晶組成物を注入することにより作製することがで
きる。スペーサーについては、たとえば、「液晶デバイ
スハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、
日刊工業新聞社、1989年)の第257〜262頁に
記載のものを用いることができる。
【0062】本実施の形態において、前記液晶セルは、
単純マトリックス駆動方式あるいは薄膜トランジスタ
(TFT)などを用いたアクテイブマトリックス駆動方
式により駆動することができる。駆動方式については、
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興
会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の
第387〜460頁、「シリーズ先端デイスプレイ技術
2、カラー液晶デイスプレイ」(堀浩雄、鈴木幸治責任
編集、共立出版社、2001年)の第4章および第6章
に詳細が記載され、液晶セルの駆動方式として利用でき
る。
【0063】本実施の形態の液晶素子は、液晶デイスプ
レイに利用することができる。特にその方式については
制限されないが、例えば、「液晶デバイスハンドブッ
ク」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞
社、1989年)の第309頁のゲストホスト方式に記
載されているホモジニアス配向、ホメオトロピック
配向、White−Taylor型(相転移)として
フォーカルコニック配向およびホメオトロピック配
向、Super Twisted Nematic
(STN)との組合せ、強誘電性液晶(FLC)との
組合せ、また、「反射型カラーLCD総合技術」(内田
龍男監修、シーエムシー社、1999年)の第2−1章
(GHモード反射型カラーLCD)、第15〜16頁に
記載されている、Heilmeier型GHモード、
1/4波長板型GHモード、2層型GHモード、
相転移型GHモード、高分子分散液晶(PDLC)型
GHモードなどが挙げられる。
【0064】さらに、本発明の液晶素子は特開平10−
67990号、同10−239702号、同10−13
3223号、同10−339881号、同11−524
11号、同11−64880号、特開2000−221
538号などに記載されている積層型GHモード、特開
平11−24090号の各公報などに記載されているマ
イクロカプセルを利用したGHモードに用いることがで
きる。さらに、特開平6−235931号、同6−23
5940号、同6−265859号、同7−56174
号、同9−146124号、同9−197388号、同
10−20346号、同10−31207号、同10−
31216号、同10−31231号、同10−312
32号、同10−31233号、同10−31234
号、同10−82986号、同10−90674号、同
10−111513号、同10−111523号、同1
0−123509号、同10−123510号、同10
−206851号、同10−253993号、同10−
268300号、同11−149252号、特開200
0−2874号の各公報などに記載されている反射型液
晶デイスプレイに用いることができる。また、特開平5
−61025号、同5−265053号、同6−369
1号、同6−23061号、同5−203940号、同
6−242423号、同6−289376号、同8−2
78490号、同9−813174号などの各公報に記
載されている高分子分散液晶型GHモードに用いること
ができる。
【0065】その他、本発明の液晶組成物は、空間光変
調素子、光または熱書き込み型液晶デイスプレイなどに
適用することができる。
【0066】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操
作等は、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜変更する
ことができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す
具体例に制限されるものではない。
【0067】[実施例1(化合物1−2の合成)]
【0068】
【化17】 化合物(C−1)2.0g、化合物(C−2)1.4
g、酢酸パラジウム0.10g、トリフェニルホスフィ
ン0.20g、フッ化セシウム1.1gをジメチルホル
ムアミド溶液(20mL)中、100℃で3時間攪拌下
反応させた。反応液を冷却後、有機物を塩化メチレン抽
出した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製
し、目的化合物1−2の0.80gを得た。得られた結
晶は淡白色結晶であった。 H NMR(CDCl3):0.9(t、3H)、1.
0(m、2H)、1.1−1.3(m、8H)、1.9
−2.0(m、4H)、2.6(m、1H)、2.9
(m、4H)、7.0−7.4(m、7H)、7.5
(m、4H)、7.8(d、2H)、8.0(d、2
H)、9.2(d、2H) 極大吸収波長(DMF溶液):410nm
【0069】[実施例2]下記表1に示した化合物それ
ぞれの1.0mgを、商品名「ZLI−1132」
(E.Merck社製)100mgに溶解させ、液晶組
成物をそれぞれ調製した。この液晶組成物を、市販の液
晶セル用基板に注入し、ゲストホスト型液晶素子を作製
した。用いた液晶セル用基板は、E.H.C.社製のも
ので、ITO透明電極層、およびポリイミド配向膜(ラ
ビング処理によるパラレル配列付き)が形成されたガラ
ス板(厚さ0.7mm)であり、セルギャップ8μm、
エポキシ樹脂シール付きのものであった。この素子に、
ラビング方向と平行な偏光および垂直な偏光を各々照射
し、それぞれの吸収スペクトル(A‖およびA⊥)をS
himadzu UV3100にて測定した。極大吸収
波長におけるA‖およびA⊥から、オーダーパラメータ
ーSを下式1に従い求めた。 式1 S=(A‖−A⊥)/(A‖+2・A⊥)
【0070】
【化18】
【0071】測定結果を下記表1に示す。表1に示し結
果から、従来知られていたメロシアニン色素M−1より
も本発明の化合物のほうが高いオーダーパラメーターを
与えることがわかる。
【0072】
【表1】
【0073】[実施例3]本発明の化合物(例示化合物
1−2)を用い、商品名「ZLI−5081」(フッ素
系液晶、E. Merck社製)に溶解させ、実施例1
と同様の操作によりオーダーパラメーターSを測定した
ところ、S=0.78であった。本発明の化合物はフッ
素系ホスト液晶を用いても高いオーダーパラメーターを
与えることがわかる。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、高いオーダーパラメー
ターを示す液晶組成物を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される化合物を含
    むことを特徴とする液晶組成物。一般式(1) 【化1】 (式中、D1は塩基性核を表し、L1は共役鎖を表し、m
    は0または1を表し、A 1は酸性核を表す。但し、D1
    1およびA1のうち少なくとも1つは、−((B 1p
    (Q1q−(B2rn−C1で表される置換基を有す
    る。ここでB1およびB2は各々2価のアリール基、ヘテ
    ロアリール基または環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1
    は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアル
    キル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基または
    アシルオキシ基を表す。p、qおよびrは各々0〜5の
    いずれかの整数を表し、nは1〜3のいずれかの整数を
    表すが、但し(p+r)×nは3〜10である。nが2
    以上のとき、2以上のB1、Q1、B2、p、qおよびr
    は、各々同一であっても異なっていてもよく、またp、
    qおよびrが2以上の場合、2以上のB1、Q1およびB
    2は各々同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)で表される化合物が、
    下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴と
    する請求項1に記載の液晶組成物。一般式(2) 【化2】 (式中、X1はNR7、O、SまたはSeを表し、R7
    アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表
    す。R1およびR2は各々独立にアルキル基、アルコキシ
    基、アリール基もしくはNR89基を表すか、またはR
    1とR2とが結合して5もしくは6員環を形成していても
    よい。R8およびR9は各々独立に、水素原子、アルキル
    基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。R3
    4、R5およびR6は各々独立に、水素原子または置換
    基を表す。Y1およびY2は各々独立に、OまたはSを表
    し、L1は共役鎖を表し、mは0または1を表す。ただ
    し、該化合物は−((B1p−(Q1q−(B2rn
    −C1で表される置換基を有する。B1、Q1、B2、p、
    q、rおよびnの意味は前記一般式(1)中の各々と同
    義である。)
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の液晶組成物を
    含むことを特徴とする液晶素子。
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