JP2003080162A - 耐候性鋼の防食法 - Google Patents

耐候性鋼の防食法

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JP2003080162A
JP2003080162A JP2001278640A JP2001278640A JP2003080162A JP 2003080162 A JP2003080162 A JP 2003080162A JP 2001278640 A JP2001278640 A JP 2001278640A JP 2001278640 A JP2001278640 A JP 2001278640A JP 2003080162 A JP2003080162 A JP 2003080162A
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Yoshinori Nagai
昌憲 永井
Takayuki Sato
隆幸 里
Toru Taki
徹 多記
Akira Yamazaki
曜 山崎
Hironari Tanabe
弘往 田辺
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Dai Nippon Toryo KK
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Dai Nippon Toryo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防錆性及び耐候性を長期間保持し、任意の着
色を可能にした、省工程の耐候性鋼の防食方法を提供す
る。 【解決手段】 耐候性鋼表面に、(a)湿気硬化型樹脂、
(b)防錆顔料、(c)腐食イオン固定化剤、及び(d)カップ
リング剤を含有する付着性付与塗膜(A)を乾燥塗布量
0.03〜2.00Kg/m2で形成し、次いで、促進
耐候性試験サンシャインウェザーメーター照射300時
間後の光沢保持率が85%以上の塗膜を形成する着色上
塗塗膜(B)を、乾燥膜厚50〜90μmで形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性鋼の新規な
塗装方法に関し、更に詳しくは、耐候性鋼の流れ錆(赤
錆)を防止し、環境に調和した様々な着色の付与を可能
にし、更に省工程で長期耐候性及び防錆性を付与する耐
候性鋼の防食方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に鋼構造物は、そのコストが安いと
いうこともあって炭素鋼を使用する場合が多い。しかし
ながら、炭素鋼は、空気中の水分(降雨、湿気等)や、
酸素が鋼材表面に接触して、短期間で赤錆が発生する。
この赤錆発生を防止する方法としては、塗料を塗装する
方法が一般的である。この方法は、塗装の塗替を極力減
らすため、耐久性の良好な塗装を施すことが一般的であ
る。例えば、無機ジンクリッチペイント塗装→エポキシ
樹脂塗料ミストコート→エポキシ樹脂塗料下塗塗装(2
回)→エポキシ樹脂塗料中塗塗装→ポリウレタン樹脂塗
料上塗塗装は、耐久性15年以上有する代表的な鋼材の
塗装システムである。
【0003】この塗装システムは、環境と調和した色彩
を付与した美観及び長期の防錆性が維持できる長所があ
るが、一方では、この塗装システムは膜厚が厚く、更に
6回塗りが必要なので、完成までに時間とコストがかか
る。そこで、最近では鋼構造物に耐食性の良い耐候性鋼
を使用する場合が増加してきている。
【0004】耐候性鋼は、一般的にP、Cu、Cr、N
i等の元素を添加した低合金鋼である。この鋼材は、屋
外に於て十数年で腐食に対して保護作用のある錆(以
下、「保護錆」という。)を形成し、以後防錆処理作業
を不要とする、いわゆるメンテナンスフリーになるとい
った特性を有している。この腐食に対する保護作用は、
いわゆる錆をもって錆を制すものであって、この保護錆
は、結晶水を多量に含む無定型オキシ水酸化鉄が主体で
あり、これが緻密で密着性の良い保護錆の形成に寄与す
るものと考えられている。既設鋼構造物の塗替え時期に
なると、通常鋼材表面には多くの赤錆が発生しており、
そのような表面に塗料を塗り替え塗装しても塗膜にふく
れや剥離が生じ、鋼材を長期間錆から保護できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、耐候性
鋼の鋼材を無処理のままで使用すると、保護錆が形成さ
れるまでの期間中に、赤錆や黄錆等の浮き錆や、流れ錆
を生じてしまい、外見的に好ましくないばかりでなく、
周囲環境の汚染原因にもなると云う問題点を有してい
る。また、従来例において、耐候性鋼の表面に保護錆を
得るための塗装による表面処理法があるが、それでも保
護錆が形成されるまでに数年間の長い期間を要し、この
間に塗膜自体の白化、ふくれ、剥離といった問題点を引
き起こしている。また、発生した錆を目立たなくするた
め色調はさび色に統一されており、炭素鋼への塗装のよ
うに環境と調和した様々な色彩を付与する配慮が全くな
されていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、耐候性鋼表面に、防
錆性を長期維持し、更に、耐候性の良好な樹脂と着色剤
を含む着色上塗塗料を塗装することにより、耐候性を長
期間維持し、更に任意の着色を可能にした、省工程の耐
候性鋼の防食方法を完成したものである。即ち、本発明
は、耐候性鋼表面に、(a)湿気硬化型樹脂、(b)防錆顔
料、(c)腐食イオン固定化剤、及び(d)カップリング剤を
含有する付着性付与塗膜(A)を乾燥塗布量0.03〜
2.00Kg/m2の範囲で形成し、次いで、促進耐候
性試験サンシャインウェザーメーター照射300時間後
の光沢保持率が85%以上の塗膜を形成する着色上塗塗
膜(B)を、乾燥膜厚50〜90μmで形成することを特
徴とする耐候性鋼の防食法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に用いる耐候性鋼は、SPA材、SMA材
と言われ、JISに規定されているものであり、錆等が
付着している場合は、前処理としてブラストや酸洗を行
ったものが好ましい。次に、本発明の付着性付与塗膜に
ついて説明する。(a)成分について (a)成分は、鋼材表面の水分や、大気中の水分により反
応硬化し、鋼材との付着性を強化させるとともに、後述
する防錆顔料や、腐食性イオン固定化剤、カップリング
剤等を固着化させるための結合剤である。このような機
能を有するものであれば、従来から塗料用に使用されて
いる各種湿気硬化型樹脂が使用可能であり、具体的に
は、例えば、ウレタン樹脂(ポリイソシアネートポリマ
ー)系や、エポキシ樹脂−ケチミン硬化系、アルキルシ
リケート樹脂系、アルキルアルコキシシラン樹脂系等が
代表的なものとして挙げられる。特に耐水性に優れた湿
気硬化型ウレタン樹脂が好ましい。
【0008】湿気硬化型ウレタン樹脂としては、例え
ば、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得
られる遊離イソシアネート基を有するウレタンポリマー
を好適に用いることが出来る。ポリオールとしては、例
えば、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオ
ール等を用いることが出来る。ポリエーテルポリオール
としては、エチレングリコールやプロピレングリコー
ル、ブタンジオールジエチレングリコール、グリセリ
ン、ヘキサンジオールヘキサントリオール、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール等の水酸基を2個
以上、好ましくは、2〜6個有する炭素数2〜8個のポ
リオールに、エチレンオキサイドや、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の、
好ましくは、炭素数2〜8のアルキレンオキサイドをア
ルカリ触媒等の存在下で付加重合して得た分子中に2〜
4個の水酸基を持つポリアルキレンポリオールなどを用
いることが適当である。
【0009】ポリオレフィンポリオールとしては、例え
ば、ブタジエンや、イソプレンなどのジエン系化合物
に、例えば、エチレンオキサイドや、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のア
ルキレンオキサイドを付加重合して得た分子量中に、2
〜4個の水酸基を持つポリジエンポリオールを用いるこ
とが適当である。ポリイソシアネートとしては、1分子
中に2個以上、好ましくは、2〜3個のイソシアネート
基を有する化合物が適当である。具体的には、例えば、
2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジ
イソシアネート、2,4−フェニルメタンジフェニルジ
イソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、水素化トルイレンジイ
ソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート
ソホロンジイソシアネート等のイソシアネート化合物、
ビュレットポリイソシアネート化合物、イソシアネート
環を有するポリイソシアネート化合物、アダクトポリイ
ソシアネート化合物を挙げることが出来る。これらのポ
リイソシアネートは、単独で、又は2種以上の混合物と
して使用できる。
【0010】湿気硬化型ウレタン樹脂の製造方法は、特
に限定されず、従来公知の各種の方法を利用できる。具
体的には、例えば、ポリオールと過剰のポリイソシアネ
ートを重合させる事により製造される。過剰のポリイソ
シアネートは、ポリオールの水酸基当量よりもイソシア
ネート当量が過剰であることを意味し、その当量関係を
NCO/OHで表すことが出来る。特に、液状で低粘度の湿
気硬化型ウレタン樹脂を形成するためには、ポリオール
の種類や、官能基数、分子量等を考慮するとともに、NC
O/OHを、例えば、2〜10、好ましくは、5〜10に
調整することが好ましい。重合温度、重合時間も特に制
限されないが、通常水分の影響を避けるために、窒素気
流下で、ポリオールとイソシアネートを混合した後、例
えば、50〜100℃にて3〜8時間反応させるのが適
当である。反応前、反応途中及び反応終了後有機金属塩
系ウレタン重合触媒や安定剤、脱水剤、重合調整剤等を
適量随時添加しても良い。
【0011】(b)成分について (b)成分は、鋼材の腐食を防止するための防錆顔料であ
る。防錆顔料としては、従来から防食塗料に利用されて
いるものが特に制限なく使用可能であるが、代表的に
は、例えば、リン酸アルミニウム、縮合リン酸アルミニ
ウム、リン酸亜鉛、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸亜
鉛、亜リン酸カルシウム等の(亜)リン酸塩、モリブデ
ン酸亜鉛やモリブデン酸カルシウム、モリブデン酸マン
ガン等のモリブデン酸塩、その他ステアリン酸やタンニ
ン酸、クエン酸、イタコン酸、硼酸、タングステン酸等
の各種酸の金属塩やポリアニリン等が挙げられる。
【0012】(c)成分について (c)成分は、塗膜中に透過したCl-やSO4 2-等の腐食性イ
オン物質を捕集するとともに化学反応し、水不溶性の複
塩を形成し、腐食性イオンを固定化し、不活性化するた
めの腐食性イオン固定化剤である。このような固定化剤
の例としては、代表的にはハイドロカルマイトや、ハイ
ドロタルサイト等が挙げられる。ハイドロカルマイト
は、式、 3CaO・Al2O3・CaX2/m・nH2O (式中、Xは、1価又は2価のアニオンであり、mは、ア
ニオンの価数を表し、nは、20以下を示す。)で示さ
れる層状構造を持つ含水結晶性粉末である。アニオン
(X)としては、NO3 -や、NO2 -、OH-、CH3COO-、CO3 2-
が代表的なものとして挙げられる。これらアニオンは、
塩素イオンや、硫酸イオン等と接触すると、アニオン交
換し、XであるNO3 -やNO2 -等を遊離するとともに、腐食
性イオン物質をハイドロカルマイト中に固定化し、不活
性化する。
【0013】また、遊離した上記アニオンは、耐候性鋼
材表面に不働態皮膜を形成し、防食性を更に向上させる
効果を有する。ハイドロタルサイトは、式、 Mg4.5Al2(OH)13CO3・nH2O (式中、nは、4以下、好ましくは、3.5を示す。)で示
される層状構造を持つ含水結晶性粉末である。これらア
ニオンは、塩素イオンや、硫酸イオン等と接触すると、
アニオン交換し、XであるNO3 -やNO2 -等を遊離するとと
もに、腐食性イオン物質をハイドロタルサイト中に固定
化し、不活性化する。
【0014】(d)カップリング剤 (d)成分は、鋼材との付着性を向上させ、また、その
上に塗装する着色上塗塗料との密着性を向上させるため
のものである。カップリング剤としては、具体的には、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロ
キシトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、等のシランカップリング剤、イソプロ
ピルトリイソステアロイルチタネート、テトラオクチル
ビス(ジドデシル)ホスファイトチタネート、イソプロ
ピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリド
デシルベンゼンスルホニルチタネート等のチタンカップ
リング剤、その他アルミニウム系カップリング剤、ジル
コニウム系カップリング剤などが代表的なものとして挙
げられる。
【0015】本発明の付着性付与塗膜は、以上説明した
(a)成分〜(d)成分を必須成分として含む付着性付与組成
物から形成される。付着性付与組成物は、必要に応じ
て、活性水素を含まない炭化水素系や、エステル系、ケ
トン系等の各種塗料用有機溶剤、消泡剤や分散剤、脱水
剤等の各種添加剤を配合されたものから構成される。付
着性付与組成物において、各成分の配合割合は、(a)成
分である湿気硬化型樹脂100質量部に対して、(b)成
分である防錆顔料は、例えば、1〜95質量部、好まし
くは、10〜50質量部、(c)成分である腐食性イオン
固定化剤は、例えば、1〜95質量部、好ましくは、1
0〜50質量部、(d)成分であるカップリング剤は、例
えば、0.1〜10質量部、好ましくは、1〜5質量部
であり、(b)成分と(c)成分の合計が、例えば、5〜10
0質量部、好ましくは、15〜70質量部であることが
適当である。
【0016】使用される有機溶剤の量は、付着性付与組
成物の固形分が、例えば、20〜80質量%、好ましく
は、30〜70質量%になる程度が適当である。また、
各種添加剤は、付着性付与組成物の固形分中、例えば、
0.1〜10質量%、好ましくは、1〜5質量%配合す
るのが適当である。なお、(b)成分が、前記範囲より
少ないと、十分な防錆力を発揮できず、逆に多すぎる
と、相対的に(a)成分の量が少なくなり、塗膜の凝集
力が不十分となりやすい。また、(c)成分の量が、前
記範囲より少ないと、腐食性イオン物質の捕集、固定化
が不十分となり、逆に多すぎると、相対的に(a)成分
の量が少なくなり、塗膜の強化が不十分となりやすい。
また、(d)成分の量が、前記範囲より少ないと、鋼材
表面との付着性やその上に塗装する着色上塗塗料との密
着性が不十分となり、逆に多すぎても前記効果の向上は
認められず、経済的にも不利である。
【0017】本発明においては、付着性付与組成物は、
例えば、刷毛や、ローラー、スプレー等の手段で、耐候
性鋼の表面に、塗布量(固形分換算)0.03〜2.0
0Kg/m2、好ましくは、0.05〜1.50Kg/
2程度塗布し、乾燥させる。乾燥は、自然乾燥でも、
強制的な乾燥でもよい。耐候性鋼の表面は、予め、ブラ
スト処理してもよい。付着性付与塗膜を形成した耐候性
鋼表面に着色上塗塗料を塗装すると、長期間フクレや剥
離しにくい塗膜が得られ、そのため耐候性鋼は、長期防
食性に優れたものとなる。
【0018】次に、着色上塗塗料について説明する。着
色上塗塗料は、樹脂、着色剤、必要に応じて配合される
防錆顔料、シランカップリング剤、溶媒、分散剤、紫外
線吸収剤、抗菌剤などの各種添加剤を含有する。着色上
塗塗料の形態は溶剤系や水系、無溶剤を問わない。着色
上塗塗料に配合される結合剤としての樹脂は、耐候性の
良好な樹脂を使用することが必要である。即ち、配合さ
れる樹脂は、促進耐候性試験、サンシャインウェザーメ
ーター照射300時間後の光沢保持率が、85%以上、
好ましくは、90%以上を有する塗膜を形成する樹脂で
ある。光沢保持率が85%未満であると、着色上塗塗膜
に、白化や、フクレ、剥離等が生じるので好ましくな
い。
【0019】このような光沢保持率を有する耐候性の良
い樹脂としては、有機樹脂や、有機無機複合樹脂、無機
樹脂等が好適に挙げられる。有機樹脂の具体例として
は、例えば、塩化ゴム樹脂や、アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、及びこれら樹脂
に硬化剤を併用したものであり、更に好ましくは、湿気
硬化型ウレタン樹脂、フッ素樹脂である。
【0020】有機無機複合樹脂の例としては、例えば、
加水分解性シリル基を有する有機樹脂と、一般式、 R1 nSi(OR24-n 〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、
炭素数1〜5のアルキル基であり、nは、1又は2であ
る。〕で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解
物とを含有するものが挙げられる。有機無機複合樹脂に
使用される、加水分解性シリル基を有する有機樹脂の例
としては、例えば、フッ素樹脂や、エポキシ樹脂、アク
リル樹脂等が好適に挙げられる。
【0021】フッ素樹脂や、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂等に加水分解性シリル基を導入するオルガノシランと
しては、一般式、 R1 nSi(OR24-n 〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、
炭素数1〜5のアルキル基であり、nは1又は2であ
る。〕で示されるオルガノシランが好適に挙げることが
できる。上記式において、R1としての有機基として
は、例えば、アルキル基や、シクロアルキル基、アリー
ル基、ビニル基等が挙げられる。
【0022】ここで、アルキル基は、直鎖でも分岐した
ものでもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基
や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
等のアルキル基が挙げられる。好ましいアルキル基は、
炭素数が、1〜4個のものである。シクロアルキル基と
しては、例えば、シクロヘキシル基や、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基等が好適に挙げられる。
【0023】アリール基としては、例えば、フェニル基
等が挙げられる。上記各官能基は、任意に置換基を有し
てもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲ
ン原子(例えば、塩素原子や、臭素原子、フッ素原子
等)や、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、脂環
式基等が挙げられる。R2としてのアルキル基は、直鎖
でも分岐したものでもよい。このようなアルキル基とし
ては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、
好ましいアルキル基は、炭素数が、1〜2個のものであ
る。
【0024】上記式で示されるオルガノシランの具体例
としては、例えば、メチルトリメトキシシランや、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシ
ラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピル
トリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリ
フルオロプロピルトリエトキシシラン、シクロヘキシル
トリメトキシシラン、
【0025】γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジ
メチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチル
ジプロポキシシランなどが挙げられる。好ましくは、メ
チルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ンである。
【0026】本発明の着色上塗塗料に使用される有機無
機複合樹脂においては、加水分解性シリル基を有するフ
ッ素樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂が使用され、塗
膜形成過程において反応するオルガノシランとしては、
式、 R1 nSi(OR24-n 〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、
炭素数1〜5のアルキル基であり、nは1又は2であ
る。〕で示されるオルガノシラン/又はその部分加水分
解縮合物を好適に挙げることができる。オルガノシラン
は、単独で使用してもよく、2種以上の混合物であって
もよい。オルガノシランの部分加水分解縮合物は、ポリ
スチレン換算重量平均分子量(Mn)が、例えば、30
0〜5000、好ましくは、500〜4200のものが
適当である。このような部分加水分解縮合物を使用する
ことにより、貯蔵安定性がよく、密着性のよい塗膜が得
られる。
【0027】このような部分加水分解縮合物の具体例と
しては、市販品として東レ・ダウコーニング社製のSR
2402や、DC3037、DC3074;信越化学工
業社製のKR−211や、KR−212、KR−21
3、KR−214、KR−216、KR−218;東芝
シリコーン社製のTSR−145や、TSR−160、
TSR−165、YR−3187等が挙げられる。有機
無機複合樹脂における加水分解縮合反応は、上記成分の
混合物を、水場合によれば、触媒の存在下で、40〜8
0℃、好ましくは、45〜65℃で、例えば、2〜10
時間撹拌しながら反応させる方法が適当であるが、この
方法に限定されるものではない。
【0028】上記加水分解縮合反応に使用される反応触
媒としては、例えば、トリメトキシボラン、トリエトキ
シボラン等のトリアルコキシボラン;トリ−n−ブトキ
シエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブト
キシジ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テト
ラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム等のジ
ルコニウムキレート化合物、ジイソプロポキシビス(ア
セチルアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(エ
チルアセトアセテート)チタン等のチタンキレート化合
物、モノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテ
ート)アルミニウム、ジイソプロポキシエチルアセトア
セテートアルミニウム等のアルミニウムキレート化合物
などの有機金属化合物が挙げられる。
【0029】なお、加水分解縮合反応物は、その反応で
生成するアルコール分により、又はそのアルコール分と
必要に応じて添加した後記する有機溶媒とにより溶液状
態のメルカプト基を持つポリオルガノシロキサン樹脂溶
液を合成することができる。本発明の着色上塗塗料に使
用される無機樹脂としては、一般式、 R1 nSi(OR24-n 〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、
炭素数1〜5のアルキル基であり、nは、1又は2であ
る。〕で示されるアルキルシリケートの加水分解縮合物
を好適に挙げることができる。
【0030】前記一般式中のR1としての有機基として
は、例えば、アルキル基や、シクロアルキル基、アリー
ル基、ビニル基等が挙げられる。ここで、アルキル基
は、直鎖でも分岐したものでもよい。アルキル基として
は、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブ
チル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基等のアルキル基が挙げられる。好ま
しいアルキル基は、炭素数が、1〜4個のものである。
【0031】シクロアルキル基としては、例えば、シク
ロヘキシル基や、シクロヘプチル基、シクロオクチル基
等が好適に挙げられる。アリール基としては、例えば、
フェニル基等が挙げられる。上記各官能基は、任意に置
換基を有してもよい。このような置換基としては、例え
ば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子や、臭素原子、フ
ッ素原子等)や、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、
メルカプト基、グリシジル基、脂環式基等が挙げられ
る。
【0032】一般式中のR2は、炭素数1〜5のアルキ
ル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、
t−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基などが挙
げられる。また、nは0又は1である。このようなアル
キルシリケートの具体例としては、例えば、テトラメチ
ルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラ−n−
プロピルシリケート、テトラ−i−プロピルシリケー
ト、テトラ−n−ブチルシリケートなどのnが0の場合
のアルキルシリケート;メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシ
シラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピ
ルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタク
リルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、
【0033】γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシ
ラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエト
キシシランなどのnが1の場合のアルキルシリケート等
が挙げられる。また、これらアルキルシリケートの部分
加水分解縮合物は、塗装作業性等の観点から縮合度、例
えば、30以下、好ましくは、10以下のものが好まし
い。
【0034】なお、オルガノシランの加水分解を促進さ
せ、シロキサン結合で硬化させるのに使用する硬化触媒
の具体例として、例えば、ジブチルスズジラウレート
や、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズジラウ
レート、ジオクチルスズジマレエート、ジオクチルスズ
マレエート、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物;リ
ン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェー
ト、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェー
ト、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、
ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオク
チルホスフェート、ジデシルホスフェートなどのリン酸
又はリン酸エステル;ジイソプロポキシビス(アセチル
アセテート)チタニウム、ジイソプロポキシビス(エチ
ルアセトアセテート)チタニウムなどの有機チタネート
化合物;トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウ
ム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウムなど
の有機アルミニウム化合物;テトラブチルジルコネー
ト、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウ
ム、テトライソブチルジルコネート、ブトキシトリス
(アセチルアセトナート)ジルコニウムなどの有機ジル
コニウム化合物等が代表的なものとして挙げられる。
【0035】促進耐候性試験サンシャインウェザーメー
ターは、JIS K5400で規定されるサンシャインカーボン
アーク灯式の、実際の屋外暴露と相関のある促進耐候性
試験機であり、光沢保持率とは、JIS K5400で規定され
る60度鏡面光沢度から下記の式で計算された、光沢の
残存の程度をいう。 光沢保持率=(サンシャインウェザーメーター照射30
0時間後の光沢)×100/初期光沢 (%) また、着色上塗塗料に配合される防錆顔料としては、無
公害防錆顔料が好適に使用される。このような無公害防
錆顔料としては、例えば、リン酸アルミニウムや、トリ
ポリリン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、
亜リン酸カリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸アル
ミニウム、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸亜鉛アルミニ
ウム、モリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸亜鉛、リン
モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、
ハイドロカルマイト等の防錆顔料が挙げられる。防錆顔
料は、単独で使用してもよく、又は、二種以上の混合物
として使用することができる。但し、クロム系、鉛系
は、毒性の観点から好ましくない。
【0036】着色上塗塗料に配合される着色顔料として
は、具体的には、二酸化チタンや、酸化亜鉛等の白色顔
料、カーボンブラック、黒鉛等の黒色顔料、モリブデー
トオレンジ、パーマネントカーミン、キナクリドンレッ
ド等の赤色顔料、キノフタレンイエロー、パーマネント
イエロー等の黄色顔料、フタロシアニングリーン、フタ
ロシアニンブルー等の緑、青顔料等の、通常塗料用に使
用されている各色の顔料が代表的なものとして挙げられ
る。更に、体質顔料も併用してもよい。着色顔料は、そ
の種類によっても異なるが、樹脂100質量部に対し
て、例えば、0.1〜70質量部、好ましくは、0.8
〜50質量部添加するのが適当である。
【0037】また、着色上塗塗料に配合されるシランカ
ップリング剤としては、例えば、γ−クロロプロピルト
リメトキシシランや、ビニルトリクロルシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ
クリロキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレ
イドプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルジメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチ
ルエトキシシラン等が代表的なものとして挙げられる。
【0038】シランカップリング剤は、着色上塗塗料塗
膜と、付着性付与塗膜との密着性を向上させるため配合
するものであり、その配合量は、樹脂100質量部に対
して、例えば、0〜20質量部、好ましくは、1〜5質
量部添加するのが望ましい。なお、配合量が20質量部
越えると、塗料安定性が低下する傾向にある。着色上塗
塗料は、乾燥膜厚50〜90μm、好ましくは、60〜
80μmとなるように塗装することが適当である。50
μm未満であると、隠蔽性や耐候性が不充分となる。一
方、90μm越えると、発泡や硬化不良が生じやすくな
り、また垂直面に塗装した場合、塗料がたれる等の不具
合が生じる。着色上塗塗料は、例えば、ハケや、スプレ
ー、ローラー等の手段で、付着性付与塗膜の上に、乾燥
膜厚50〜90μm、好ましくは、55〜80μmとな
るように塗装し、自然乾燥もしくは100℃以下の温度
で強制乾燥させる。
【0039】
【実施例】以下、本発明について、実施例及び比較例に
より、更に詳細に説明する。なお、実施例中「部」、
「%」は、質量基準で示す。
【0040】付着性付与組成物の調製 以下の表1に示す成分を混合分散し、付着性付与組成物
を調製し、密閉容器に貯蔵した。
【0041】
【表1】表1 付着性付与組成物の調製 (単位:部)
【0042】注1)芳香族ポリイソシアネートプレポリ
マー; 「スミジュールE21-1」(住友バイエルウレタン社製商
品名) 注2)リン酸アルミニウム系防錆顔料; 「Kホワイト#94」(テイカ社製商品名) 注3)実施例1〜3、比較例3ではハイドロタルサイ
ト;「DHT−4A」(協和化学社製商品名)実施例4
〜6では、亜硝酸型ハイドロカルマイト;「ソルカッ
ト」(日本化学工業社製商品名) 注4)「KBM403」(信越シリコン社製商品名)
(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 注5)「アディティブTI」(住友バイエルウレタン社
製商品名) 注6)「BYK354」(BYKケミー社製商品名)
【0043】(ロ)有機無機複合樹脂の合成合成例1 還流冷却器及び撹拌器を備えた反応器に、フッ素樹脂
(ダイキン工業社製商品名ゼッフルGK550、固形分
60%)190gを仕込み、撹拌しながらγ−イソシア
ネートプロピルメチルジメトキシシラン42gとジブチ
ルスズジラウレート0.05gとを加え、40℃で4時
間撹拌し、固形分67%の加水分解性シリル基を有する
フッ素樹脂(v)を合成した。
【0044】合成例2 還流冷却器及び撹拌器を備えた反応器に、キシレン55
部、及びイソブタノール40部を加え、混合した後、撹
拌しながら85℃に加熱した。次にイソブチルメタクリ
レート50部、2−エチルヘキシルメタクリレート35
部、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラ
ン15部及びアゾビスイソバレロニトリル1.5部の混
合溶液を85℃で3時間かけて滴下し、その後90℃に
昇温し、2時間維持して反応を終了させた。固形分50
%の加水分解性シリル基を有するアクリル樹脂(vi)を
合成した。
【0045】(ハ)無機樹脂の合成例合成例3 還流冷却器及び撹拌器を備えた反応器に、下記シリコー
ン中間体を添加し、60℃で3時間撹拌してアルコキシ
シリケート加水分解物(vii)(ポリスチレン換算質量平
均分子量(Mn)1500)を得た。 信越シリコン社製 KBM13 45.0部 信越シリコン社製 KBM103 25.0部 東芝ダウコーニング社製 SH6018 25.0部
【0046】合成例4 還流冷却器及び撹拌器を備えた反応器に、下記シリコー
ン中間体を添加し、60℃で3時間撹拌してアルコキシ
シリケート加水分解物(viii)(Mn1800)を得た。 信越シリコン社製 KBM14 13.5部 信越シリコン社製 KBM103 11.5部 東芝ダウコーニング社製SR2402 75.0部
【0047】実施例1 平均表面粗さ30μmのアルミナブラスト処理をした3
×100×300(mm)のJIS G3141に規定された耐
候性鋼(SMA400)表面に、表1に示す付着性付与組成物
(i)を、乾燥塗布量0.1Kg/m2となるよう塗装
し、乾燥して、付着性付与塗膜を形成し、その上に、下
記フッ素樹脂上塗塗料を、乾燥膜厚が60μmになるよ
う一回塗装し、乾燥した後、裏面及び側面をエポキシ樹
脂塗料でシールし、7日間自然乾燥させた。その塗装鋼
の耐候性及び防食性を評価した結果を以下の表2に示
す。
【0048】 〔主剤成分〕 フッ素樹脂溶液注7) 154.0部 トリポリリン酸アルミニウム 18.0部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 6.4部 二酸化チタン 55.4部 キシレン 61.6部 注7)樹脂の水酸基価45mgKOH/g、数平均分子量7000、固形分6 5%
【0049】 〔硬化剤成分〕 ヘキサメチレンジイソシアネート 17.6部 酢酸ブチル 53.6部
【0050】実施例2 平均表面粗さ30μmのアルミナブラスト処理をした3
×100×300(mm)のJIS G3141に規定された耐
候性鋼(SMA400)表面に、表1に示す付着性付与組成物
(i)を、乾燥塗布量0.1Kg/m2となるよう塗装
し、乾燥して、付着性付与塗膜を形成し、その上に、下
記ウレタン樹脂上塗塗料を、乾燥膜厚が60μmになる
よう一回塗装し、乾燥した後、裏面及び側面をエポキシ
樹脂塗料でシールし、7日間自然乾燥させた。その塗装
鋼の耐候性及び防食性を評価した結果を表2に示す。
【0051】 〔主剤成分〕 アクリル樹脂溶液注8) 154.0部 モリブデン酸亜鉛 9.9部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 4.9部 キナクリドンレッド 30.8部 キシレン 43.1部 注8)樹脂の水酸基価80mgKOH/g、数平均分子量12000、固形分6 5%
【0052】 〔硬化剤成分〕 ヘキサメチレンジイソシアネート 27.7部 酢酸ブチル 75.8部
【0053】実施例3 平均表面粗さ30μmのアルミナブラスト処理をした3
×100×300(mm)のJIS G3141に規定された耐
候性鋼(SMA400)表面に、表1に示す付着性付与組成物
(ii)を、乾燥塗布量0.1Kg/m2となるよう塗装
し、乾燥して、付着性付与塗膜を形成し、その上に、合
成例1で作製した加水分解性シリル基を有するフッ素樹
脂(v)及び合成例3で作製したアルコキシシリケート
加水分解物(vii)を含有しかつ下記組成を有する着色上
塗塗料を、乾燥膜厚が60μmになるよう一回塗装し、
乾燥した後、裏面及び側面をエポキシ樹脂塗料でシール
し、7日間自然乾燥させた。その塗装鋼の耐候性及び防
食性を評価した結果を以下の表2に示す。
【0054】 加水分解性シリル基を有するフッ素樹脂(v) 130.0部 アルコキシシリケート加水分解物(vii) 40.0部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 2.5部 トリポリリン酸アルミニウム 18.0部 キナクリドンレッド 32.3部
【0055】実施例4 平均表面粗さ30μmのアルミナブラスト処理をした3
×100×300(mm)のJIS G3141に規定された耐
候性鋼(SMA400)表面に、表1に示す付着性付与組成物
(ii)を、乾燥塗布量0.1Kg/m2となるよう塗装
し、乾燥して、付着性付与塗膜を形成し、その上に、合
成例2で作製した加水分解性シリル基を有するアクリル
樹脂(vi)及び合成例3で作製したアルコキシシリケー
ト加水分解物(vii)を含有しかつ下記組成を有する着色
上塗塗料を、乾燥膜厚が60μmになるよう一回塗装
し、乾燥した後、裏面及び側面をエポキシ樹脂塗料でシ
ールし、7日間自然乾燥させた。その塗装鋼の耐候性及
び防食性を評価した結果を以下の表2に示す。
【0056】 加水分解性シリル基を有するアクリル樹脂(vi) 125.0部 アルコキシシリケート加水分解物(vii) 30.0部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 1.8部 シアナミド亜鉛 21.5部 キナクリドンレッド 32.3部
【0057】実施例5 平均表面粗さ30μmのアルミナブラスト処理をした3
×100×300(mm)のJIS G3141に規定された耐
候性鋼(SMA400)表面に、表1に示す付着性付与組成物
(iii)を、乾燥塗布量0.1Kg/m2となるよう塗装
し、乾燥して、付着性付与塗膜を形成し、その上に、合
成例3で作製したアルコキシシリケート加水分解物(vi
i)を含有しかつ下記組成を有する着色上塗塗料を、乾
燥膜厚が60μmになるよう一回塗装し、乾燥した後、
裏面及び側面をエポキシ樹脂塗料でシールし、7日間自
然乾燥させた。その塗装鋼の耐候性及び防食性を評価し
た結果を以下の表2に示す。
【0058】 アルコキシシリケート加水分解物(vii) 125.0部 亜リン酸亜鉛 8.0部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 10.5部 キノフタレンイエロー 32.0部
【0059】実施例6 平均表面粗さ30μmのアルミナブラスト処理をした3
×100×300(mm)のJIS G3141に規定された耐
候性鋼(SMA400)表面に、表1に示す付着性付与組成物
(iii)を、乾燥塗布量0.1Kg/m2となるよう塗装
し、乾燥して、付着性付与塗膜を形成し、この上に、合
成例4で作製したアルコキシシリケート加水分解物(vi
ii)を含有しかつ下記組成を有する着色上塗塗料を、乾
燥膜厚60μmになるよう一回塗装し、乾燥した後、裏
面及び側面をエポキシ樹脂塗料でシールし、7日間自然
乾燥させた。その塗装鋼の耐候性及び防食性を評価した
結果を以下の表2に示す。
【0060】 アルコキシシリケート加水分解物(viii) 125.0部 トリポリリン酸アルミニウム 18.4部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 10.5部 二酸化チタン 32.0部
【0061】比較例1 実施例1と同じブラスト処理した耐候性鋼を、全く塗装
しないで、耐候性及び防食性を評価した結果を以下の表
2に示す。
【0062】比較例2 実施例1において、付着性付与組成物を塗装しないで、
着色フッ素樹脂系上塗塗料を塗装し、その塗装鋼の耐候
性及び防食性を評価した結果を以下の表2に示す。
【0063】比較例3 平均表面粗さ30μmのアルミナブラスト処理をした3
×100×300(mm)のJIS G3141に規定された耐
候性鋼(SMA400)表面に、表1に示す付着性付与組成物
(iv)を、乾燥塗布量0.1Kg/m2となるよう塗装
し、乾燥して、付着性付与塗膜を形成し、その上に、着
色上塗塗料を塗装しないで、裏面及び側面をエポキシ樹
脂塗料でシールし、7日間自然乾燥させた。その塗装鋼
の耐候性及び防食性を評価した結果を以下の表2に示
す。
【0064】
【表2】表2
【0065】注9) サンシャインウェザーメーター
300時間後の光沢保持率(%) 注10) 屋外暴露2年 注11) 複合サイクル試験900C 注12) 複合サイクル試験900C後の2mm碁盤目
試験
【0066】表2からも明らかな通り、本発明の実施例
においては、塗装鋼に対して、任意の色に着色でき、ま
た塗装鋼に、優れた耐候性、防食性を付与できる。一
方、無塗装の比較例1、付着性付与塗膜を形成しない比
較例2、及び付着性付与塗膜のみ形成した比較例3で
は、いずれも赤錆が発生した。
【0067】
【発明の効果】本発明の方法により、防錆性及び耐候性
を長期間保持し、更に任意の着色を可能にした、省工程
の耐候性鋼の防食方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 303 B05D 7/24 303B 303E C09D 5/08 C09D 5/08 7/12 7/12 175/04 175/04 201/00 201/00 (72)発明者 多記 徹 栃木県那須郡西那須野町下永田7−1414− 34 (72)発明者 山崎 曜 京都府相楽郡加茂町南加茂台9−8−4 (72)発明者 田辺 弘往 栃木県那須郡西那須野町朝日町8−15 Fターム(参考) 4D075 BB04X CA33 DA06 DB02 DC03 EB38 EC02 EC07 EC45 4J038 CD091 CG001 DB001 DD001 DG001 DL021 DL031 HA246 HA266 JA43 JC30 JC34 JC38 KA05 KA08 NA03 PC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐候性鋼表面に、(a)湿気硬化型樹脂、(b)
    防錆顔料、(c)腐食イオン固定化剤、及び(d)カップリン
    グ剤を含有する付着性付与塗膜(A)を乾燥塗布量0.0
    3〜2.00Kg/m2の範囲で形成し、次いで、促進
    耐候性試験サンシャインウェザーメーター照射300時
    間後の光沢保持率が85%以上の着色上塗塗膜(B)を乾
    燥膜厚50〜90μmで形成することを特徴とする耐候
    性鋼の防食法。
  2. 【請求項2】前記(a)成分100質量部に対して、(b)成
    分を1〜95質量部、(c)成分を1〜95質量部、(d)成
    分を0.1〜10質量部含有し、かつ(b)成分と(c)成分
    の合計が、5〜100質量部である請求項1記載の防食
    法。
  3. 【請求項3】前記(a)成分が、湿気硬化型ウレタン樹脂
    である請求項1記載の防食法。
  4. 【請求項4】前記(c)成分が、ハイドロカルマイト及び
    /又はハイドロタルサイトである請求項1又は請求項2
    記載の防食法。
  5. 【請求項5】前記着色上塗塗料が、シランカップリング
    剤を含有する請求項1又は請求項2記載の防食法。
  6. 【請求項6】前記着色上塗塗料が、防錆顔料を含有する
    請求項1又は請求項2記載の防食法。
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