JP2007106952A - 塗料用組成物、塗料、塗料用キットおよび塗装物品 - Google Patents

塗料用組成物、塗料、塗料用キットおよび塗装物品 Download PDF

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達朗 山崎
Shuji Ikeda
修二 池田
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Abstract

【課題】金属材からなる被塗装面上に直接塗装して、防食性、耐候性および接着性に優れた塗膜を形成できる塗料用組成物を提供する。
【解決手段】フッ素樹脂と、防錆剤と、エポキシ基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤、イミダゾール基を有するシランカップリング剤、およびメタクリル基を有するシランカップリング剤からなる群から選ばれる1種以上のカップリング剤とを含有することを特徴とする塗料用組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は塗料用組成物、該組成物を用いた塗料および塗料用キット、ならびに該塗料用組成物を用いて形成された塗膜を有する塗装物品に関する。
従来より、金属素地上に防食塗料を塗装する場合、金属に対する防食性と接着性を達成するために、たとえば、防錆顔料が配合された塗料を下塗り塗料として塗装し、その上に美観、保護を目的として、耐候性に優れた塗料を上塗り塗料として塗装する方法が用いられている。
下記特許文献1には、耐候性に優れた塗膜を得る方法として、硬化型フッ素樹脂系塗料を用いることが記載されている。被塗装物が金属材である場合には、被塗装物との密着性または防錆効果を得るために、予め溶剤型下塗り剤を塗装しておく方法が記載されている。
特開平10−130567号公報
高所において防食塗料を塗装する場合、特に送電鉄塔を塗装する場合には塗装中に送電線への通電を停止させて作業するため、塗装工程をできる限り少なくし、塗装時間を短くすることが要求される。
この対策として、耐候性に優れるフッ素樹脂系塗料に、防錆剤を含有させることが考えられるが、フッ素樹脂に防錆剤を添加してなる組成物は金属素地との接着性が劣る問題がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、金属材からなる被塗装面上に直接塗装して、防食性、耐候性および接着性に優れた塗膜を形成できる塗料用組成物、該組成物を用いた塗料および塗料用キット、ならびに該塗料用組成物を用いて形成された塗膜を有する塗装物品を提供する。
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意研究する中で、フッ素樹脂に防錆剤を添加した塗料と金属素地との接着性を向上させるべく、さらにカップリング剤を添加してみたところ、塗料中で凝集が生じる場合があることを見出し、さらに研究を重ねた結果、本発明に至った。
前記課題を解決するために、本発明は、フッ素樹脂と、防錆剤と、エポキシ基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤、イミダゾール基を有するシランカップリング剤、およびメタクリル基を有するシランカップリング剤からなる群から選ばれる1種以上のカップリング剤とを含有する塗料用組成物を提供する。
本発明は、上記塗料用組成物と硬化剤とを含有する塗料を提供する。
また本発明は、本発明の塗料用組成物と硬化剤を備える塗料用キットを提供する。
また本発明は、金属材からなる被塗装面に本発明の塗料用組成物を用いて形成された塗膜を有する塗装物品を提供する。
本発明によれば、金属材からなる被塗装面上に直接塗布して良好な接着性が得られるとともに、防食性および耐候性に優れた塗膜を形成でき、かつ凝集が生じ難い塗料用組成物および塗料が得られる。
また本発明によれば、金属材からなる被塗装面に、接着性に優れ、防食性に優れ、耐候性に優れた塗膜が形成された塗装物品が得られる。
[塗料用組成物]
<フッ素樹脂>
本発明で用いられるフッ素樹脂としては、フルオロオレフィン系共重合体が好ましい。フルオロオレフィン系共重合体は、フルオロオレフィンと他の共重合性単量体との共重合体である。共重合体中のフルオロオレフィンに基づく重合単位の割合は、塗膜に充分な耐候性を与えるために、20〜70モル%が好ましい。共重合体の数平均分子量は2,000〜100,000が好ましく、6,000〜30,000がより好ましい。
フルオロオレフィンの例としては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル等の炭素数2〜3のフルオロオレフィンが挙げられる。
共重合性単量体としては、ビニル系モノマー、すなわち、炭素−炭素二重結合を有する化合物が好ましい。
ビニル系モノマーとしては、たとえばビニルエーテル、アリルエーテル、カルボン酸ビニルエステル、カルボン酸アリルエステル、オレフィン等が挙げられる。
ビニルエーテルとしては、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル、ノニルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルが挙げられる。
アリルエーテルとしてはエチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテルが挙げられる。
カルボン酸ビニルエステルまたはカルボン酸アリルエステルとしては酢酸、酪酸、ピバリン酸、安息香酸、プロピオン酸等のカルボン酸のビニルエステルまたはアリルエステル等が挙げられる。また、分枝状アルキル基を有するカルボン酸のビニルエステルとして、市販されているベオバ−9、ベオバ−10(いずれもシェル化学社製、商品名)等を使用してもよい。
オレフィン類としてはエチレン、プロピレン、イソブチレン等が挙げられる。
上記共重合性単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、フルオロオレフィン系共重合体は硬化反応性部位を与える官能基を有することが好ましい。該官能基は硬化剤と反応して架橋結合を形成するものであればよい。
官能基は硬化剤との組み合わせにより、適宜選択でき、代表的な例として水酸基、カルボキシル基、加水分解性シリル基、エポキシ基、アミノ基等が好ましく挙げられる。
該官能基の導入法としては共重合反応時に官能基を有するモノマーを共重合する方法がある。
前記硬化反応性部位を与える官能基を有するモノマーとしては、以下のものが挙げられる。
2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル;ヒドロキシアルキルクロトン酸ビニル等の水酸基含有カルボン酸のビニルエステルまたはアリルエステル等の水酸基を有するモノマー。
クロトン酸、ウンデセン酸等のカルボキシル基を有するモノマー。
トリエトキシビニルシラン等の加水分解性シリル基を有するモノマー。
グリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテル等のエポキシ基を有するモノマー。
アミノプロピルビニルエーテル、アミノプロピルビニルエーテル等のアミノ基を有するモノマー。
また、前記硬化反応性部位を与える官能基は、重合後の後反応によっても導入できる。この方法としては、たとえばカルボン酸ビニルエステルを共重合した重合体をケン化することにより水酸基を導入する方法、水酸基を有する重合体に多価カルボン酸またはその無水物を反応させてカルボキシル基を導入する方法、水酸基を有する重合体にイソシアネートアルキルアルコキシシランを反応させて加水分解性シリル基を導入する方法、水酸基を有する重合体に多価イソシアネート化合物を反応させてイソシアネート基を導入する方法等が挙げられる。
本発明におけるフッ素樹脂として好適なフルオロオレフィン系共重合体の具体例としては、たとえば、クロロトリフルオロエチレン、シクロヘキシルビニルエーテル、アルキルビニルエーテルおよびヒドロキシアルキルビニルエーテルの共重合体、クロロトリフルオロエチレン、アルキルビニルエーテルおよびアリルアルコールの共重合体、クロロトリフルオロエチレン、脂肪族カルボン酸ビニルエステルおよびヒドロキシアルキルビニルエーテルの共重合体、または該共重合体におけるクロロトリフルオロエチレンの代わりにテトラフルオロエチレンを用いた共重合体等が挙げられる。またこれらは、ルミフロン(旭硝子社製)、セフラルコート(セントラル硝子社製)等の商品名で市販されている。
本発明において、フルオロオレフィン系共重合体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられるフッ素樹脂の数平均分子量(M)は2,000以上100,000以下が好ましく、6,000以上30,000以下がより好ましい。
該数平均分子量を上記範囲の下限値以上とすると、塗膜の耐候性に優れ、耐薬品性に優れる。
該数平均分子量を上記範囲の上限値以下とすると、塗料の粘度が適度となり、作業性に優れる。
<防錆剤>
本発明で用いられる防錆剤としては、防錆塗料用として従来から使用されている防錆顔料を使用できる。
たとえば、トリポリリン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム等のリン酸系防錆顔料;モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛カルシウム等のモリブデン酸系防錆顔料;リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛等のリンモリブデン酸系防錆顔料;亜鉛末;アルミニウムペースト等が好ましく挙げられる。
これらのうちでも、リン酸系防錆顔料、モリブデン酸系防錆顔料、およびリンモリブデン酸系防錆顔料が、防錆性および安全性が高く、高温高湿下でも劣化し難い点で好ましい。
防錆剤の配合量は、フッ素樹脂固形分100質量部に対して、1〜100質量部の範囲が好ましく、5〜50質量部の範囲がより好ましい。防錆剤の配合量を1質量部以上とすることにより良好な防食性が得られ、100質量部以下とすることにより塗膜の耐候性が良好となる。
<カップリング剤>
本発明で用いられるカップリング剤としては、エポキシ基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤、イミダゾール基を有するシランカップリング剤、およびメタクリル基を有するシランカップリング剤からなる群から選ばれる1種以上が用いられる。2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ基を有するシランカップリング剤の例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
メルカプト基を有するシランカップリング剤の例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
イミダゾール基を有するシランカップリング剤の例としては、イミダゾールシラン、等が挙げられる。
メタクリル基を有するシランカップリング剤としては、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピルメチル)ジメトキシシラン等が挙げられる。
これらのうちでも、エポキシ基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤、イミダゾール基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
カップリング剤の配合量は、フッ素樹脂固形分100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲が好ましく、0.05〜1質量部の範囲がより好ましい。カップリング剤の配合量を0.01質量部以上とすることにより、金属材からなる被塗装面と塗膜との良好な接着性が得られ、5質量部以下とすることにより塗料中での凝集が生じ難く、良好な安定性が得られる。
本発明の塗料用組成物には、必要に応じて酸化チタン、鱗片状酸化鉄等の着色顔料、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、増粘剤等、一般的に塗料に用いられる顔料や添加剤を含有させてもよい。
また、必要に応じて粘度調整剤を含有させてもよい。粘度調整剤としては、従来から知られている脂肪酸アミド系粘度調整剤、ベントナイト系粘度調整剤、有機変性ベントナイト系粘度調整剤、長鎖脂肪酸エステル系粘度調整剤等が使用できる。
これらのうちで、フッ素樹脂系塗料の溶剤として使用されることが多い芳香族系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤で容易に膨潤し、少量で増粘するため耐候性への影響が小さい等の理由から、脂肪酸アミド系粘度調整剤が好ましい。粘度調整剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪酸アミド系粘度調整剤の配合方法としては、フッ素樹脂、カップリング剤、溶剤、防錆剤等が配合された混合物に、脂肪酸アミド系粘度調整剤を添加した後、混練機、分散機等で分散するか、または撹拌する方法が好ましい。脂肪酸アミド系粘度調整剤は、たとえばA−S−A Tシリーズ(伊藤製油社製)、ターレンまたはフローノン(共栄社化学社製)、ディスパロン(楠本化成社製)等の商品名で市販されているものを使用できる。
粘度調整剤の配合量は、得ようとする塗料の好ましい粘度に応じて設定される。粘度調整剤の配合量が適量であると塗料を塗布する際に飛散しにくく、塗料の粘度が適度となり、塗装作業が容易となり、耐候性に優れる傾向がある。塗料用組成物中における粘度調整剤の固形分濃度は0.05〜2.0質量%の範囲内が好ましく、0.1〜1.0質量%の範囲内がより好ましい。
本発明の塗料用組成物は、フッ素樹脂、防錆剤、カップリング剤、および必要に応じて顔料、粘度調整剤等のその他の成分を溶剤に溶解または分散させることによって得られる。
溶剤は、特に限定されず、一般的にフッ素樹脂系塗料の溶剤として使用される有機溶剤を用いることができる。溶剤の具体例としては、キシレン、トルエン等の芳香族系溶剤;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸ブチル等のエステル系溶剤等が好ましく挙げられる。溶剤は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の塗料用組成物は、フッ素樹脂として自己硬化性のフルオロオレフィン系共重合体を用いた場合には、硬化剤を用いずに該塗料用組成物自体を塗料として被塗装物に塗布して塗膜を形成することができる。
上記に挙げたフルオロオレフィン系共重合体のうち、自己硬化性を有するのは、加水分解性シリル基を有するフルオロオレフィン系共重合体である。
[塗料]
本発明の塗料用組成物および硬化剤を混合することにより本発明の塗料が得られる。
<硬化剤>
本発明で用いられる硬化剤としては、塗料用硬化剤として公知の種々の硬化剤が使用できる。具体例としては、アミノプラスト、尿素樹脂等のアミノ系硬化剤、多価イソシアネート系硬化剤、ブロック多価イソシアネート系硬化剤等が好ましく挙げられる。これらのうちでも、高温焼付けを必要とせず、現場施工ができる多価イソシアネート系硬化剤が好ましく、無黄変タイプの多価イソシアネート系硬化剤がより好ましい。硬化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塗料における硬化剤の含有量は、塗料用組成物中の樹脂成分の100質量部に対して、0.1〜100質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。
硬化剤が0.1質量部以上であると、塗膜の耐溶剤性に優れ、耐薬品性に優れる。
硬化剤が100質量部以下であると塗膜の耐候性に優れ、可撓性に優れる。
塗装時の塗料粘度は、JIS−K7117の粘度試験方法による20rpmでの測定値η20rpmで2,000〜10,000cPの範囲内が好ましく、3,000〜9,000cPの範囲内がより好ましい。塗料粘度を上記範囲に調整することによって、塗装時の塗料の飛散を防止できる。なお、塗装時の塗料粘度とは、塗装する際に必要な各成分が配合された状態の塗料の粘度のことである。
また塗装方法として多く用いられる刷毛塗りの作業性の点からは、塗料の揺変性が強いことが好ましい。具体的には、塗装時の塗料粘度が、JIS−K7117の粘度試験方法による2rpmでの測定値η2rpmをη20rpmで除した値η2rpm/η20rpm が3.0以上であることが好ましく、4.0〜6.0であることがより好ましい。
塗装時の塗料粘度を調整する方法は特に限定されず、上記粘度調整剤を配合することにより調整する方法が好ましい。また、たとえば塗料に配合される上記硬化剤、顔料等の配合成分の配合量によっても塗料粘度を調整できる。
[塗料用キット]
本発明の塗料用組成物は、これと前記硬化剤とを備えた塗料用キットとして、流通、販売等することができる。
該塗料用キットは、塗装を行う現場で、塗料用組成物と硬化剤とを混合して塗料を調製するのに好適である。
[塗装物品]
本発明における被塗装物は、金属材からなる被塗装面を有するものが好ましい。たとえば、建築用金属外板パネル、金属系屋根材、金属製門扉、金属製階段、鉄道高架橋、橋梁等の道路部材、タンク、パイプ、塔、煙突等のプラント設備、送電鉄塔、パラボラアンテナ等の通信設備等が挙げられる。
被塗装面の材質は、たとえば鋼、亜鉛メッキ鋼、ステンレス鋼等の鋼材、アルミニウム等の非鉄金属材等が好ましい。
金属材からなる被塗装面は化成処理されていてもよい。
本発明の塗装物品は、被塗装物の金属材からなる被塗装面に、本発明の塗料を塗布し、乾燥させて塗膜を形成することによって得られる。
また、フッ素樹脂として自己硬化性のフルオロオレフィン系共重合体を用いた場合には、本発明の塗料用組成物からなる、硬化剤を含まない塗料を用いて被塗装面に直接塗装を施し、塗膜を形成することによっても、本発明の塗装物品が得られる。
塗装方法は、種々の方法で行うことができる。たとえば刷毛塗り、スプレー塗装、浸漬法による塗装、ロールコーターやフローコーターによる塗装等が適用できる。
塗膜の厚さは、特に制限はなく、5〜100μmの範囲が好ましく、40〜80μmの範囲がより好ましい。
乾燥方法は、特に制限されず、たとえば自然乾燥で行うことができる。
本発明の塗料用組成物を用いた塗料は、金属素地に対して良好な接着性および防食性を有するとともに、耐候性に優れた塗膜を形成できる。したがって、金属素地上に下塗り塗料を塗装することなく、直接塗装で防食塗装を施すことができる。
また、特定のシランカップリング剤を用いることにより、シランカップリング剤を含有するにもかかわらず凝集が生じ難く、良好な塗料安定性が得られる。
本発明の塗料用組成物および塗料は、たとえば、送電鉄塔の塗装等、高所での防食塗装、および制限された塗装時間内での防食塗装が求められる用途に好適である。
特に、塗装時の塗料粘度を上記の好ましい範囲に調整することにより、塗料が飛散し難く、高所での塗装により好適な塗料が得られる。
以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。なお、実施例および比較例において行った各評価の試験法は下記のとおりである。
「接着性」接着力試験器(エルコメーター社製、製品名:アドヒージョンテスター)により、塗装後、20℃で14日間乾燥養生した試験体の接着力強度(単位:MP/mm)を測定した。
「防食性」塩水噴霧試験機(スガ試験機社製、塩水噴霧試験機)により、1000時間試験を行い、塗膜の膨や錆等の異常の有無を目視で観察した。
「塗料粘度」塗料の温度を20℃に保持して、B型粘度計(トキメック社製、型式BH)を使用し、JIS−K7117の粘度試験方法によって、回転数20rpm、ローターNo.4の条件での測定値η20rpm(単位:cP)を求めた。
「揺変性」回転数を2rpmで行う以外は上記η20rpmの測定と同様の方法でη2rpmを測定し、この測定値(η2rpm)をη20rpmで除した値η2rpm/η20rpm を求めた。
「耐候性」塗装物品について、サンシャインウェザーメーターによる促進耐候性試験を4000時間行った後の光沢保持率を測定した。
「塗料安定性」塗料を200mLのガラス瓶の中に空隙がないように充填して、密封した後、50℃の恒温器中で2週間静置した時の塗料の状態を観察した。
[例1]
表1の配合で塗料を調製した。クロロトリフルオロエチレン、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテルおよびヒドロキシアルキルビニルエーテルの共重合体(水酸基価:52mgKOH/g)であるフッ素樹脂(旭硝子社製、商品名:LF−200、数平均分子量:20,000)の60.0質量部に、エポキシ基を有するシランカップリング剤(日本ユニカー工業社製、商品名:A−187、化合物名:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)の1.0質量部を加え、キシレンの12.0質量部、トリポリリン酸アルミ系防錆顔料(テイカ社製、商品名:K−WHITE TC720)の10.0質量部、酸化チタン(石原産業社製、商品名:CR−90)の17.0質量部を加えてサンドミルで分散を行った後、脂肪酸アミド系粘度調整剤(共栄社化学社製、商品名:フローノンSP−1000、固形分10質量%)の3.5質量部を添加して一様になるまで撹拌して塗料用組成物を得た。
得られた塗料用組成物に、硬化剤として、無黄変タイプ多価イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートHX)の6.6質量部を加えて混合して塗料を得た。
被塗装物として、塩水噴霧試験を100時間実施して全面に白錆を発生させた溶融亜鉛メッキ鋼板をサンドペーパー(#80)にてケレン後、脱脂処理を施したものを用意し、これに上記で得られた塗料を刷毛塗りし、乾燥塗膜の厚みが60μmの塗膜を有する塗装物品を得た。塗料および塗装物品について上記の各項目の試験を行った結果を表1に示す。なお、表1に示す配合の単位は「質量部」である。
[例2]
表1の配合で塗料を調製した。すなわち、上記例1において、シランカップリング剤を、メルカプト基を有するシランカップリング剤(信越シリコン社製、商品名:KBM−803、化合物名:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)に変更し、かつ防錆顔料をリン酸亜鉛系防錆顔料(キクチカラー社製、商品名:LFボウセイZP−DL)に変更したほかは、例1と同様にして塗料を調製した。
得られた塗料について、例1と同様の各項目の試験を行った結果を表1に示す。
[例3]
表1の配合で塗料を調製した。すなわち、上記例1において、シランカップリング剤を、イミダゾール基を有するシランカップリング剤(ジャパンエナジー電子材料社製、商品名:IM−1000、化合物名:イミダゾールシラン)に変更したほかは、例1と同様にして塗料を調製した。
得られた塗料について、例1と同様の各項目の試験を行った結果を表1に示す。
[例4]
表1の配合で塗料を調製した。すなわち、上記例1において、シランカップリング剤を、アミノ基を有するシランカップリング剤1(日本ユニカ社製、商品名:A−1100、化合物名:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)に変更したほかは、例1と同様にして塗料を調製した。
本例においては、塗料用組成物を調製する過程で凝集が生じたため、上記各項目の試験は行わなかった。
[例5]
表1の配合で塗料を調製した。すなわち、上記例1において、シランカップリング剤を、アミノ基を有するシランカップリング剤2(信越シリコン社製、商品名:KBM−603、化合物名:N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)に変更したほかは、例1と同様にして塗料を調製した。
本例においては、塗料用組成物を調製する過程で凝集が生じたため、上記各項目の試験は行わなかった。
[例6]
表1の配合で組成物を調製した。すなわち上記例1において、シランカップリング剤を配合しないほかは例1と同様にして、組成物を調製した。
得られた組成物について、例1と同様の各項目の試験を行った結果を表1に示す。
Figure 2007106952
表1の結果に示されるように、シランカップリング剤を配合しない例6に比べて、例1〜3は接着性が向上している。またアミノ基を有するシランカップリング剤を用いた例4および5では塗料中に凝集が生じたが、例1〜3では良好な塗料安定性が得られた。
[例7]
市販のエポキシ樹脂系塗料(新日鐵化学社製、変成エポキシ樹脂塗料、商品名:NBコート3000GWT)を用いて、上記「接着性」、「防食性」、および「耐候性試験」の各試験を行った。その結果を表2に示す。なお表2には、比較のために上記例1の試験結果を併記する。
[例8]
市販のビニル樹脂系塗料(ジャパンカーボライン社製、変成ビニル樹脂塗料、商品名:カーボタワー16)を用いて、例7と同様の各試験を行った。その結果を表2に示す。
[例9]
市販のアクリル樹脂系塗料(三井金属塗料化学社製、アクリル樹脂塗料、商品名:ユニコープタワー#1000)を用いて、例7と同様の各試験を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2007106952
表2の結果に示されるように、例1の塗料を用いて形成された塗膜は防食性、耐候性および接着性に優れているのに比べて、エポキシ樹脂系塗料(例7)は接着性および耐候性が劣っており、ビニル樹脂系塗料(例8)およびアクリル樹脂系塗料(例9)は防食性、耐候性および接着性のいずれも劣っている。

Claims (4)

  1. フッ素樹脂と、防錆剤と、エポキシ基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤、イミダゾール基を有するシランカップリング剤およびメタクリル基を有するシランカップリング剤からなる群から選ばれる1種以上のカップリング剤とを含有することを特徴とする塗料用組成物。
  2. 請求項1記載の塗料用組成物と硬化剤とを含有する塗料。
  3. 請求項1記載の塗料用組成物と、硬化剤を備える塗料用キット。
  4. 金属材からなる被塗装面上に請求項1記載の塗料用組成物を用いて形成された塗膜を有する塗装物品。

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