JP7208777B2 - 塗料組成物 - Google Patents

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本発明は、塗料組成物、塗膜、塗膜付き基材および塗膜付き基材の製造方法に関する。
道路などに設けられているガードレールは、車両等による損傷が発生するだけでなく、長い年月の経過により、めっきの消耗や塗膜の劣化等による錆の発生、また、空気中の汚染物質等による汚れも付着するため、新しいものとの交換が必要とされている。しかし、ガードレール交換は非常に高価であり、容易に行えないため、多くの場合補修塗装で対応している。
このようなガードレールの補修塗装方法として、特許文献1には、ガードレールに沿って走行し、ブラスト材をガードレールに投射してガードレールに付着した錆、汚れ、塗料等を落とすブラスト車両と、ブラスト車両に後続して同じくガードレールに沿って走行し、搭載した溶射装置から溶射材をガードレールに向けて投射してガードレールに溶射材の溶射被膜を形成する溶射車両からなる、ガードレールを安価にリメイクするガードレールのリメイクシステムが提案されている。
しかし、特許文献1に記載されているガードレールのリメイクシステムは、溶射処理時に火花が生じることがあり、火災の危険性を有している点、また、求められる外観などに応じて、溶射被膜が形成された後、塗装処理しようとすると、溶射処理をした直後の溶射被膜は高温であるため、前記塗装処理まで十分な時間を空ける必要があり、塗装作業性の観点でも改善の余地があった。
また、送電鉄塔や電波塔等の鉄塔は長期に亘って風雨等に曝されるため、防錆対策として亜鉛めっきが施されているが、この亜鉛めっきが経年劣化し、錆が発生する。しかし、これらの塔も簡単には建て替えることができないため、腐食を防止し、長く安全に塔を利用することなどを目的として、補修塗装が行われている。
前記ガードレールを現場で補修塗装する際には、通行を制限した上で、補修塗装を行う必要があるが、長時間の通行制限はできるだけ避けたいため、また、前記塔を現場で補修塗装する際には、高所作業であるため、これらを補修塗装する際には、常温硬化可能な塗料であることが求められており、さらに、耐候性に優れる塗膜を形成可能な塗料が求められている。また、補修塗装のサイクルをできるだけ長くしたい等の点から、形成される塗膜には、長期に亘る耐候性が求められ、塗膜の耐用年数を長くするために、厚膜化が求められている。
例えば、特許文献2には、現場塗装が可能な常温硬化型の組成物であり、耐候性に優れる塗膜を形成可能な組成物が記載されている。
特開2009-275397号公報 特開2000-063612号公報
従来の現場塗装が可能な常温硬化型の組成物から厚膜を形成する場合、得られる塗膜にはクラックが発生し易く、このような厚膜を形成した際に、耐候性と防食性を両立することができなかった。
また、前記補修塗装では、所望の箇所以外の箇所にスプレーダストが飛び散りにくいこと、刷毛塗りなどの際の刷毛などからの塗料の飛び散りが起こり難いことが求められるが、従来の組成物では、必ずしもこれらの飛び散りを抑制できなかった。
なお、塗料組成物に関する文献では、添加剤として、可塑剤などを配合してもよいことなどが記載されていることがある。ガードレールや鉄塔などのように、常に屋外にあり、太陽光や雨風に曝される用途では高い耐候性が要求されるが、塗料組成物に可塑剤等を配合すると、耐候性が悪化することは当業者の技術常識であり、このような用途に使用される塗料組成物には、実際には可塑剤等は配合されてこなかった。
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、常温硬化可能な組成物であって、スプレーダストの飛び散りや刷毛などからの飛び散りが起こり難い組成物を提供すること、ならびに、厚膜としてもクラックが生じにくく、防食性、耐候性および柔軟性(耐屈曲性)にバランスよく優れるとともに、基材に対する付着性に優れる塗膜を形成することができる組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決する方法について鋭意検討を重ねた結果、特定組成の塗料組成物によれば、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の構成例は以下の通りである。
<1> エポキシ基との反応性官能基を有するアクリル樹脂(A)、非反応性液状柔軟性付与剤(B)、エポキシ基を有するシラン化合物(C)および顔料(D)を含有する塗料組成物。
<2> 前記非反応性液状柔軟性付与剤(B)が、塩素化炭化水素系化合物およびフタル酸エステルからなる群より選択される1種以上である、<1>に記載の塗料組成物。
<3> 前記塗料組成物の不揮発分100質量%に対して、前記非反応性液状柔軟性付与剤(B)を1~7質量%含有する、<1>または<2>に記載の塗料組成物。
<4> さらに、エポキシ基を有さないシリコーン樹脂(E)を含有する、<1>~<3>の何れかに記載の塗料組成物。
<5> 前記塗料組成物の顔料体積濃度(PVC)が15~35%である、<1>~<4>の何れかに記載の塗料組成物。
<6> ガードレール用または鉄塔用である、<1>~<5>の何れかに記載の塗料組成物。
<7> <1>~<6>の何れかに記載の塗料組成物より形成された塗膜。
<8> <7>に記載の塗膜と基材とを含む塗膜付き基材。
<9> 下記工程[1]および[2]を含む、塗膜付き基材の製造方法。
[1]<1>~<6>の何れかに記載の塗料組成物を基材に塗装する工程
[2]塗装された塗料組成物を乾燥させて塗膜を形成する工程
本発明によれば、1回塗りで厚膜(例:100μm以上)を形成でき、常温硬化可能な乾燥性に優れる組成物を提供でき、該組成物によれば、厚膜としてもクラックが生じにくく(耐クラック性)、防食性、耐候性および柔軟性(耐屈曲性)に優れるとともに、基材、特に亜鉛めっき鋼板やその上の少なくとも一部に旧塗膜(基材にもともと設けられていた塗膜)が付着した基材に対する付着性に優れる塗膜を形成することができる。
また、本発明によれば、スプレー塗装などの際に、所望の箇所以外の箇所にスプレーダストが飛び散りにくく、刷毛塗りなどの際に、刷毛などからの飛び散りが起こり難い組成物を提供することができ、ガードレールや鉄塔などに、特にこれらの補修用として好適に用いられる組成物を提供することができる。
≪塗料組成物≫
本発明の一実施形態に係る塗料組成物(以下単に「本組成物」ともいう。)は、エポキシ基との反応性官能基を有するアクリル樹脂(A)(以下「成分(A)」ともいう。他の成分についても同様。)、非反応性液状柔軟性付与剤(B)、エポキシ基を有するシラン化合物(C)および顔料(D)を含有する組成物である。
本組成物は、1回塗りで厚膜を形成でき、常温硬化可能な乾燥性に優れる組成物であり、該組成物によれば、厚膜としてもクラックが生じにくく(耐クラック性)、防食性、耐候性および柔軟性(耐屈曲性)に優れるとともに、基材、特に亜鉛めっき鋼板やその上の少なくとも一部に旧塗膜が付着した基材に対する付着性に優れる塗膜を形成することができる。
また、本組成物は、スプレー塗装などの際に、所望の箇所以外の箇所にスプレーダストが飛び散りにくく、刷毛塗りなどの際に、刷毛などからの飛び散りが起こり難い組成物とすることができ、スプレーダストの抑制が求められるガードレールや、刷毛などからの飛び散りが起こり難いことが求められる鉄塔などに、特にこれらの補修用塗料として好適に用いられる。
本組成物は、このような効果を奏するため、基材との付着性や基材の防食性が求められる下塗り塗料として、また、耐候性が求められる上塗り塗料として好適に用いることができ、特に、これらの要求性能が両立するため、下塗り上塗り兼用の塗料として好適に用いられる。
本組成物の用途は特に制限されず、前記本組成物の有する効果が要求されるような用途に制限なく使用することができるが、本組成物を用いる効果がより発揮される等の点から、好ましくは、ガードレール、鉄塔(例:送電鉄塔、電波塔)、橋梁等の鉄鋼構造物が挙げられ、好ましくはガードレールまたは鉄塔である。
なお、前記送電鉄塔、電波塔等の鉄塔は、通常、鉄を主な素材としており、通常、亜鉛めっき等で表面処理されている。本明細書では、このような亜鉛めっき等で表面処理された塔も通常通り鉄塔という。
本組成物の粘度は、本組成物の用途、塗装方法などにより適宜選択すればよいが、塗装作業性、貯蔵安定性に優れる組成物を容易に得ることができる等の点から、好ましくは0.5~5Pa・sである。
前記粘度は、B型粘度計(型式:BII型粘度計、東機産業(株)製)を用い、温度25℃、回転速度60rpmにおいて、4号ローターを使用して測定した。なお、本組成物は、4号ローターを使用して測定したが、塗料組成物の粘度に応じた任意のローターを使用することができる。
本組成物を、刷毛、ローラー、ヘラ、コテなどを用いて塗装する場合、特に、本組成物を鉄塔に用いる場合、本組成物の粘度は、好ましくは1~5Pa・s、より好ましくは1.5~5Pa・s、特に好ましくは2~5Pa・sである。
刷毛、ローラー、ヘラ、コテなどを用いた塗装をする場合、本組成物の粘度が前記範囲にあると、刷毛などからの本組成物の飛び散りが起こり難い組成物を容易に得ることができる。
本組成物の極限粘度は、本組成物の用途、塗装方法などにより適宜選択すればよいが、塗装作業性、取り扱い容易性に優れる組成物を容易に得ることができる等の点から、好ましくは0.15~1.2Pa・s、より好ましくは0.15~0.5Pa・sである。
本組成物を、スプレー塗装する場合、特に、本組成物をガードレールに用いる場合、本組成物の極限粘度は、好ましくは0.15Pa・s以上、より好ましくは0.17Pa・s以上、特に好ましくは0.18Pa・s以上であり、好ましくは0.30Pa・s以下、より好ましくは0.28Pa・s以下、特に好ましくは0.27Pa・s以下である。
スプレー塗装する場合、本組成物の極限粘度が前記範囲にあると、霧化性に優れながらも、所望の箇所以外の箇所にスプレーダストが飛び散りにくい組成物を容易に得ることができる。
前記極限粘度は、下記Cassonの式を用いて外挿により求めた値であり、具体的には、下記実施例に記載の方法で測定される。
√(S)=a√(D)+b
(Sはせん断応力、Dはせん断速度を表す。また、a及びbは定数である。)
Cassonの式は、せん断速度の平方根と、せん断応力の平方根とをプロットすると、直線関係になることを意味するものである。ここで、傾きaの二乗を極限粘度(残留粘度ともいう。)、切片bの二乗を降伏値という。
本組成物は、一成分型の組成物であってもよいが、貯蔵安定性および貯蔵の容易性を考慮すると、主剤および硬化剤を含む多成分型の組成物であることが好ましく、例えば、前記成分(A)を含有する主剤、好ましくは前記成分(A)および(D)を含有する主剤、より好ましくは前記成分(A)、(B)および(D)を含有する主剤と、前記成分(C)を含有する硬化剤、好ましくは前記成分(C)および(E)を含有する硬化剤とを含む二成分型の組成物が望ましい。さらに、成分(E)を別の成分とした三成分型以上の組成物であってもよく、下記その他の成分等を含有する第3剤等を含む三成分型以上の組成物であってもよい。
<エポキシ基との反応性官能基を有するアクリル樹脂(A)>
成分(A)は、1分子中に少なくとも1つのエポキシ基との反応性官能基を有していれば特に制限されず、本組成物に用いる成分(A)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
該成分(A)を用いることで、耐候性、柔軟性(耐屈曲性)等に優れる塗膜を容易に形成することができる。
前記エポキシ基との反応性官能基としては、具体的には、アミノ基、カルボン酸アミド基、スルホンアミド基、シアノ基、カルボキシ基、酸無水物基等が挙げられる。中でも、アミノ基、カルボキシ基、酸無水物基が好ましい。
このエポキシ基との反応性官能基は、後述する成分(C)のエポキシ基と反応し、本組成物の硬化に寄与する。該硬化反応の反応機構は、必ずしも明らかではないが、例えば、成分(A)がアミノ基を含有する場合、一部は以下のように推定される。
(1)成分(A)の反応性官能基が1級や2級アミノ基である場合、これらの反応性官能基がエポキシ基と反応して硬化する。
(2)成分(A)の反応性官能基がカルボキシ基や酸無水物基である場合、これらの反応性官能基がエポキシ基と反応するが、さらに成分(A)が3級アミノ基を含有することで、これらの硬化反応を促進することができる。
成分(A)は、例えば、エポキシ基との反応性官能基を有するアクリル系ビニル単量体を、公知の方法によって(共)重合することにより調製することができる。
該アクリル系ビニル単量体は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
該エポキシ基との反応性官能基を有するアクリル系ビニル単量体の具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t-ブチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリルアミド、ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド基含有ビニル系単量体;(メタ)アクリル酸が挙げられる。
成分(A)は、必要に応じて、エポキシ基との反応性官能基を有するアクリル系ビニル単量体と、1種または2種以上の他のビニル系単量体とを共重合して得られる樹脂であってもよい。
該他のビニル系単量体の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類;マレイン酸、イタコン酸などのカルボキシ基含有ビニル系単量体;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有ビニル系単量体;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニル系単量体;p-スチレンスルホン酸などのスルホン酸基含有ビニル系単量体;p-スチレンスルホンアミド、N-メチル-p-スチレンスルホンアミドなどのスルホンアミド基含有ビニル系単量体;フッ素含有ビニル単量体が挙げられる。
成分(A)は、厚膜としてもクラックが生じにくく耐屈曲性に優れ、基材、特に亜鉛めっき鋼板やその上の少なくとも一部に旧塗膜が付着した基材に対する付着性に優れる塗膜を容易に得ることができる等の点から、その重量平均分子量(以下、単に「Mw」ともいう。)が、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上、さらに好ましくは30,000以上、特に好ましくは40,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは80,000以下、さらに好ましくは70,000以下、特に好ましくは65,000以下である。
前記Mwは、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法により測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量であり、具体的には、以下のGPC条件で測定することができる。
・GPC条件
・装置:「Alliance 2695」(Waters社製)
・カラム:「TSKgel SuperH4000」1本と「TSKgel SuperH2000」2本を連結(いずれも東ソー(株)製、内径6mm×長さ15cm)
・溶離液:テトラヒドロフラン99%(Stabilized whith BHT)
・流速:0.6ml/min
・検出器:「RI-104」(Shodex社製)
・カラム恒温槽温度:40℃
・標準物質:標準ポリスチレン
・サンプル調製法:試料をサンプル管に量り取り、テトラヒドロフランを加えて約100倍に希釈
本組成物の不揮発分100質量%中の成分(A)の含有量(不揮発分)は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、特に好ましくは30質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、特に好ましくは40質量%以下である。
成分(A)の含有量が前記範囲にあると、厚膜としてもクラックが生じにくく、防食性、耐候性および柔軟性(耐屈曲性)にバランスよく優れるとともに、基材に対する付着性に優れる塗膜を容易に得ることができる。
本組成物の不揮発分(固形分)は、本組成物を十分に反応硬化(加熱)した後の塗膜(加熱残分)の質量百分率、または、該塗膜(加熱残分)自体を意味する。前記不揮発分は、JIS K 5601-1-2に従って、本組成物(例えば、主剤成分と硬化剤成分を混合した直後の組成物)1±0.1gを平底皿に量り採り、質量既知の針金を使って均一に広げ、23℃で24時間乾燥させた後、加熱温度110℃で1時間(常圧下)加熱した時の、加熱残分および該針金の質量を測定することで算出することができる。なお、この不揮発分は、本組成物に用いる原料成分の固形分(溶媒以外の成分)の総量と同等の値である。
<非反応性液状柔軟性付与剤(B)>
成分(B)は、常温(23℃)で液状であり、かつ、常温下で本組成物中の他の成分と反応性を有さない、つまり、エポキシ基、アミノ基、カルボン酸アミド基、スルホンアミド基、シアノ基、カルボキシ基、酸無水物基、ビニル基、水酸基、アルコキシ基等を含有しない、エポキシ基、アミノ基、水酸基、アルコキシ基等と反応性を有さない化合物である。
本組成物に用いる成分(B)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
従来、柔軟性付与剤は、高い耐候性が要求される用途に用いられてこなかったが、本発明者が鋭意検討した結果、特定の柔軟性付与剤を用いることにより、スプレーダストの飛び散りや刷毛などからの飛び散りが起こり難い組成物を得ることができ、厚膜としてもクラックが生じにくく、防食性、耐候性および柔軟性(耐屈曲性)にバランスよく優れる塗膜を形成することができることを見出した。
このような成分(B)としては、塩素化炭化水素系化合物、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸トリフェニル、ポリビニルエチルエーテル等が挙げられ、これらの中でも安価で入手容易性に優れる点から、塩素化パラフィン(塩化パラフィン)、フタル酸ジアルキルが好ましく、より耐候性に優れる塗膜を形成できる傾向にある等の点から、融点が20℃以下の塩素化パラフィン、フタル酸ジオクチルがより好ましい。
前記塩素化パラフィンとしては、直鎖状でも分岐を有していてもよく、その平均炭素数は、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、特に好ましくは12以上であり、好ましくは26以下、より好ましくは24以下、特に好ましくは22以下である。平均炭素数が前記範囲にある塩素化パラフィン用いると、柔軟性(耐屈曲性)に優れる塗膜を容易に得ることができる傾向にある。
前記塩素化パラフィンの前記B型粘度計で測定された回転速度60rpmにおける粘度(25℃下)は、好ましくは0.1Pa・s以上、より好ましくは1.5Pa・s以上であり、好ましくは5.0Pa・s以下、より好ましくは3.5Pa・s以下、特に好ましくは3.0Pa・s以下である。
前記塩素化パラフィンの塩素化率(塩素含有量)は、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上であり、好ましくは60%以下、より好ましくは55%以下である。
前記フタル酸ジアルキルとしては、安価で入手容易性に優れることから、フタル酸ジオクチルおよびフタル酸ジイソノニルが好ましく、前記フタル酸ジオクチルとしては、DOP、DHEP(フタル酸ビス(2-エチルヘキシル))等が挙げられる。なお、本願において、単にフタル酸ジオクチルと記載した場合、前記DOPとDHEPの両方が含まれる。
本組成物の不揮発分100質量%中の成分(B)の含有量(不揮発分)は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、特に好ましくは2質量%以上であり、好ましくは7質量%以下、より好ましくは6質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。
成分(B)の含有量が前記範囲にあると、スプレーダストの飛び散りや刷毛などからの飛び散りが起こり難い組成物を得ることができ、厚膜としてもクラックが生じにくく、防食性、耐候性および柔軟性(耐屈曲性)にバランスよく優れる塗膜を形成することができる。
成分(B)の含有量が前記範囲の下限を下回ると、耐クラック性、柔軟性に優れる塗膜が得られ難い場合があり、特に、スプレーダストの飛び散りや刷毛などからの飛び散りが起こりやすくなる傾向にある。また、成分(B)の含有量が前記範囲の上限を上回ると、得られる塗膜が粘着質になりやすく、耐候性が低下する傾向にある。
<エポキシ基を有するシラン化合物(C)>
成分(C)は特に制限されず、1分子中に少なくとも1つのエポキシ基を有していれば、モノマー、オリゴマーおよびポリマーのいずれであってもよく、本組成物に用いる成分(C)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
成分(C)は、後述する顔料(D)と、成分(A)や(E)等の塗膜形成成分とを化学的に結合させる機能を有し、また、形成される塗膜の基材との密着性を改善する効果を有する。
なお、成分(C)は、エポキシ基を有するため、前記効果を奏する塗膜を得ることができる。一方、エポキシ基を有さない化合物のみを用いた場合、前記所望の効果を奏さない。
成分(C)としては、防食性および耐候性等により優れる塗膜を容易に形成できる等の点から、エポキシ基とアルコキシ基を有する化合物が好ましく、1分子中に1個のエポキシ基を有するアルコキシ基含有シランカップリング剤がより好ましく、下記式で表される化合物であることが特に好ましい。
X-SiRn3-n
[nは0または1であり、Xはエポキシ基、炭化水素基の一部がエポキシ基で置換された基、または、炭化水素基の一部がエーテル結合等で置換された基の一部がエポキシ基で置換された基を示し、Rはアルキル基であり、Yはメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基を示す。]
前記式で表されるシラン化合物としては、例えば、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのγ-グリシドキシアルキルアルキルジアルコキシシラン;γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのγ-グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン;3,4-エポキシシクロヘキシルエチルメチルジメトキシシランなどの3,4-エポキシシクロヘキシルアルキルアルキルジアルコキシシラン;3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリプロポキシシランなどの3,4-エポキシシクロヘキシルアルキルトリアルコキシシランが挙げられ、これらが脱水縮合したオリゴマーやポリマーであってもよい。
前記オリゴマーとしては、その数平均分子量(Mn)が、好ましくは200以上、より好ましくは300以上、好ましくは2,000以下、より好ましくは1,000以下の化合物が挙げられる。
前記ポリマーとしては、その重量平均分子量(Mw)が、好ましくは3,000以上、より好ましくは5,000以上、好ましくは50,000以下、より好ましくは30,000以下の化合物が挙げられる。
本組成物の不揮発分100質量%中の成分(C)の含有量(不揮発分)は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、特に好ましくは3質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。
成分(C)の含有量が前記範囲にあると、塗装作業性に優れ、常温硬化可能な乾燥性に優れる組成物を容易に得ることができ、防食性、耐候性および柔軟性(耐屈曲性)にバランスよく優れる塗膜を容易に得ることができる。
乾燥性および塗装容易性により優れる組成物を容易に得ることができ、耐候性に優れる塗膜を容易に得ることができる等の点から、本組成物中において、成分(A)中の反応性官能基1モルに対して、成分(C)中のエポキシ基は、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは0.15モル以上であり、好ましくは2モル以下、より好ましくは1.5モル以下である。
また、同様の理由から、成分(A)と成分(C)の質量比(成分(A)の質量/成分(C)の質量)は、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、好ましくは20以下、より好ましくは15以下である。
<顔料(D)>
成分(D)としては、体質顔料、着色顔料、防錆顔料等が挙げられ、有機系、無機系の何れであってもよい。
成分(D)は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本組成物が主剤と硬化剤からなる多成分型の組成物である場合、成分(D)は主剤および硬化剤のどちらか一方に配合してもよく、または、両方に配合してもよいが、主剤に配合することが好ましい。
本組成物中の成分(D)の含有量は、防食性、耐候性および柔軟性(耐屈曲性)に優れるとともに、形成される塗膜に応力緩和の効果を得られるため、基材、特に亜鉛めっき鋼板やその上の少なくとも一部に旧塗膜が付着した基材に対する付着性に優れる塗膜を容易に形成できる等の点から、本組成物の不揮発分100質量%に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上であり、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。
本組成物中の顔料体積濃度(PVC)は、防食性、耐候性および柔軟性(耐屈曲性)に優れるとともに、基材、特に亜鉛めっき鋼板やその上の少なくとも一部に旧塗膜が付着した基材に対する付着性に優れる塗膜を容易に形成できる等の点から、好ましくは10~70%、より好ましくは10~50%、特に好ましくは10~40%である。
PVCが前記範囲を下回ると、得られる塗膜の防食性の低下や前記応力緩和の効果が乏しくなる傾向にあり、また、前記範囲を超えると、得られる塗膜の防食性が低下するとともに、組成物の粘度が高くなることによって塗装方法が限られる(スプレー塗装に適さなくなる)傾向にある。
本組成物を、スプレー塗装する場合、特に、本組成物をガードレールに用いる場合、本組成物のPVCは、好ましくは17%以上、より好ましくは20%以上、特に好ましくは23%以上であり、好ましくは30%以下、より好ましくは29%以下である。
スプレー塗装する場合、本組成物のPVCが前記範囲にあると、霧化性に優れながらも、所望の箇所以外の箇所にスプレーダストが飛び散りにくい組成物を容易に得ることができる。
本組成物を、刷毛、ローラー、ヘラ、コテなどを用いて塗装する場合、特に、本組成物を鉄塔に用いる場合、本組成物のPVCは、好ましくは15~35%である。
刷毛、ローラー、ヘラ、コテなどを用いた塗装をする場合、本組成物のPVCが前記範囲にあると、刷毛などからの本組成物の飛び散りが起こり難い組成物を容易に得ることができる。
前記PVCとは、本組成物中の不揮発分の体積に対する、顔料の合計の体積濃度のことをいう。PVCは、具体的には下記式より求めることができる。
PVC[%]=本組成物中の全ての顔料の体積合計×100/本組成物中の不揮発分の体積
前記本組成物中の不揮発分の体積は、本組成物の不揮発分の質量および真密度から算出することができる。前記不揮発分の質量および真密度は、測定値でも、用いる原料から算出した値でも構わない。
前記顔料の体積は、用いた顔料の質量および真密度から算出することができる。前記顔料の質量および真密度は、測定値でも、用いる原料から算出した値でも構わない。例えば、本組成物の不揮発分より顔料と他の成分とを分離し、分離された顔料の質量および真密度を測定することで算出することができる。
前記体質顔料としては特に制限されず、従来公知の顔料を用いることができるが、下記着色顔料および防錆顔料以外の顔料である。
前記体質顔料としては、例えば、タルク、マイカ、硫酸バリウム(沈降性硫酸バリウムや簸性硫酸バリウムを含む)、(カリ)長石、カオリン、アルミナホワイト、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、ドロマイト、シリカ、ガラスフレーク、プラスチックフレークが挙げられる。特に、タルク、シリカ、(沈降性)硫酸バリウム、(カリ)長石、マイカが好ましい。
本組成物がこのような体質顔料を含有する場合、その含有量は、防食性、柔軟性(耐屈曲性)、基材、特に亜鉛めっき鋼板やその上の少なくとも一部に旧塗膜が付着した基材に対する付着性によりバランスよく優れる塗膜を容易に形成できる等の点から、本組成物の不揮発分100質量%に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。
前記着色顔料としては特に制限されず、従来公知の顔料を用いることができるが、下記防錆顔料以外の顔料である。
前記着色顔料としては、例えば、従来公知の、カーボンブラック、二酸化チタン(チタン白)、酸化鉄(弁柄)、黄色酸化鉄、群青、アルミニウムフレーク、鱗片状酸化鉄、ステンレスフレーク等の無機顔料、シアニンブルー、シアニングリーン等の有機顔料を用いることができる。特に、チタン白、カーボンブラック、弁柄が好ましい。
本組成物がこのような着色顔料を含有する場合、その含有量は、本組成物の不揮発分100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。
本組成物は、より防食性に優れる塗膜を容易に得ることができる等の点から、防錆顔料を含有することが好ましい。
防錆顔料としては、前記効果が得られ易い等の点から、好ましくは、金属シアナミド系化合物、リン酸金属系化合物、亜リン酸金属系化合物、トリポリリン酸金属系化合物が挙げられ、シアナミド亜鉛系化合物、リン酸亜鉛系化合物、リン酸カルシウム系化合物、リン酸モリブデン系化合物、リン酸アルミニウム系化合物、リン酸マグネシウム系化合物、リンストロンチウム系化合物、亜リン酸亜鉛系化合物、亜リン酸カルシウム系化合物、亜リン酸アルミニウム系化合物、亜リン酸ストロンチウム系化合物、トリポリリン酸アルミニウム系化合物がより好ましい。
本組成物がこのような防錆顔料を含有する場合、その含有量は、防食性、耐候性および柔軟性(耐屈曲性)にバランスよく優れる塗膜を容易に形成できる等の点から、本組成物の不揮発分100質量%に対して、好ましくは5~50質量%、より好ましくは5~40質量%である。
<その他の成分>
本組成物は、前記成分に加え、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに、エポキシ基を有さないシリコーン樹脂(E)、アルキルシリケート,トリアルコキシラン(F)、公知の分散剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、タレ止め剤(沈降防止剤)、硬化促進剤、有機溶剤等を含有してもよい。
これらはそれぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記その他の成分は、主剤成分に配合してもよく、硬化剤成分に配合してもよい。
<エポキシ基を有さないシリコーン樹脂(E)>
前記成分(E)は、エポキシ基を有さず、シロキサン結合を有する樹脂であれば特に制限されず、直鎖状でも、分岐状であってよい。
成分(E)を用いると、耐候性および柔軟性(耐屈曲性)により優れる塗膜を得ることができる傾向にある。
本組成物に用いる成分(E)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
成分(E)は、例えば、耐候性および柔軟性(耐屈曲性)により優れる塗膜を得ることができる等の点から、下記式(I)で示される樹脂であることが好ましい。
Figure 0007208777000001
(式(I)中、R1はそれぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数6~8のアリール基または炭素数1~8のアルコキシ基を示し、R2はそれぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数6~8のアリール基または水素原子を示す。また、nは繰り返し数を示す。)
前記R1およびR2における炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基が挙げられる。
前記R1およびR2における炭素数6~8のアリール基は、芳香環上にアルキル基等の置換基を有する基であってもよく、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基が挙げられる。
前記R1における炭素数1~8のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フェノキシ基が挙げられる。
前記R1は、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基またはフェニル基であり、また、R2は、好ましくは、メチル基、エチル基、フェニル基または水素原子である。
成分(E)の前述のGPC条件で測定されるMwは、耐候性および柔軟性(耐屈曲性)にバランスよく優れる塗膜を容易に得ることができる等の点から、好ましくは5,000以上、より好ましくは50,000以上、特に好ましくは100,000以上であり、好ましくは10,000,000以下、より好ましくは5,000,000以下、特に好ましくは3,000,000以下である。
前記繰り返し数nは、成分(E)のMwが前記範囲となるように選択されることが好ましい。
Mwが前記範囲の上限を超える成分(E)は、粘度が高いため、取り扱い性を考慮した場合、このような成分(E)を含む本組成物の粘度を下げるために、後述する有機溶剤等による希釈が必要となる場合が多い。この結果、本組成物中の溶剤分が増加することとなり、本組成物中のVOC(Volatile Organic Compounds/揮発性有機化合物)を低減できない場合がある。
成分(E)は、メチルシリコーンレジン、メチルフェニルシリコーンレジン等の耐候性および撥水性を有する樹脂であることが好ましく、下記、ジメチルシロキサン単位(a1)、ジフェニルシロキサン単位(a2)、メチルフェニルシロキサン単位(a3)、モノメチルシロキサン単位(a4)、モノプロピルシロキサン単位(a5)およびモノフェニルシロキサン単位(a6)からなる群より選択される1種以上の構成単位を含有することがより好ましい。
Figure 0007208777000002
(式(a1)~(a6)中、Si-O-における、Oに結合し、Siに結合していない「-」は、結合手を示し、Si-O-は、必ずしもSi-O-CH3を示すわけではない。)
成分(E)は、従来公知の合成方法で合成して得てもよく、市販品でもよい。該市販品としては、例えば、「Silicone KR-271」(信越化学工業(株)製)、「SILRES REN60」、「SILRES REN80」(いずれも旭化成ワッカーシリコーン(株)製)、「SILIKOPHEN P80/X」(Evonik社製)が挙げられる。
本組成物が成分(E)を含有する場合、本組成物の不揮発分100質量%中の成分(E)の含有量(不揮発分)は、耐候性および柔軟性(耐屈曲性)にバランスよく優れる塗膜を容易に得ることができる等の点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、特に好ましくは1.5質量%以上であり、好ましくは45質量%以下、より好ましくは30質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。
<アルキルシリケート,トリアルコキシシラン(F)>
前記成分(F)としては、アルキルシリケートおよびトリアルコキシシランから選択される少なくとも1種の化合物が挙げられ、その縮合物である部分加水分解縮合物であってもよい。
本組成物に用いる成分(F)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
前記アルキルシリケートとしては、例えば、テトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、テトラ-n-プロピルオルトシリケート、テトラ-i-プロピルオルトシリケート、テトラ-n-ブチルオルトシリケート、テトラ-sec-ブチルオルトシリケート等の化合物;メチルポリシリケート、エチルポリシリケート等の化合物が挙げられる。
前記トリアルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等の化合物が挙げられる。
これらの中でも、アルキルシリケートの縮合物が好ましく、テトラエチルオルトシリケートの縮合物がより好ましく、テトラエチルオルトシリケートの部分加水分解縮合物が特に好ましい。
このようなテトラエチルオルトシリケートの部分加水分解縮合物(以下、単に「エチルシリケートの縮合物」ともいう。)は、エトキシ基を有するシロキサンで構成される化合物であって、例えば、下記式(II)で表される。
Figure 0007208777000003
(式(II)中、nは1~10である。)
前記エチルシリケートの縮合物は、従来公知の合成方法で合成して得てもよく、市販品でもよい。該市販品としては、例えば、五量体を中心とする分子量分布を持つオリゴマーである「エチルシリケート 40」(コルコート(株)製)、「Wacker Silicate TES 40WN」(旭化成ワッカーシリコーン(株)製)が挙げられる。
本組成物が成分(F)を含有する場合、本組成物の不揮発分100質量%中の成分(F)の含有量(不揮発分)は、乾燥性、および貯蔵中の脱水効果に起因する貯蔵安定性に優れる等の点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、特に好ましくは2質量%以上であり、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、特に好ましくは7質量%以下である。
本組成物の不揮発分100質量%中の、成分(C)、(E)および(F)(これらを併せて「シリコン成分」ともいう。)の含有量(不揮発分)は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
また、成分(A)とシリコン成分との質量比(成分(A)の質量/(成分(C)の質量+成分(E)の質量+成分(F)の質量))は、好ましくは0.2以上、より好ましくは1以上、好ましくは10以下、より好ましくは7以下である。
シリコン成分の含有量が前記範囲にあることで、触媒(有機金属化合物)を用いなくても本組成物を硬化させることができ、安価で容易に前記所望の物性を有する塗膜を得ることができる。
[タレ止め剤(沈降防止剤)]
前記タレ止め剤(沈降防止剤)としては、Al、Ca、Znのステアレート塩、レシチン塩、アルキルスルホン酸塩などの有機粘土系ワックス、ポリエチレンワックス、アマイドワックス、水添ヒマシ油ワックス、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワックス等、従来公知のものを使用できるが、中でも、アマイドワックス、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワックスおよび有機粘土系ワックスが好ましい。
本組成物がタレ止め剤(沈降防止剤)を含有する場合、主剤成分の不揮発分100質量%中に、例えば0.1~10質量%の量で含有すればよい。
[有機溶剤]
前記有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、イソプロパノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤、ミネラルスピリット、n-ヘキサン、n-オクタン、2,2,2-トリメチルペンタン、イソオクタン、n-ノナン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
<本組成物の調製方法>
本組成物は、前記各成分を混合(混練)することで、調製することができる。
この混合(混練)の際には、各成分を一度に添加・混合してもよく、複数回に分けて添加・混合してもよい。また、季節、環境等に応じて加温、冷却等しながら行ってもよい。
前記混合(混練)の際には、従来公知の混合機、分散機、攪拌機等を使用でき、例えば、混合・分散ミル、モルタルミキサー、ロール、ペイントシェーカー、ホモジナイザーが挙げられる。
本組成物が主剤および硬化剤を含む多成分型の組成物である場合、成分(A)中の反応性官能基1モルに対して、成分(C)中のエポキシ基のモル数が前記範囲となるように調整して混合(混練)することが好ましい。
≪塗膜、塗膜付き基材≫
本発明の一実施形態に係る塗膜(以下「本塗膜」ともいう。)は、前記本組成物を用いて形成され、本組成物の一実施形態に係る塗膜付き基材(以下「本塗膜付き基材」ともいう。)は、本塗膜と被塗物(基材)とを含む積層体である。
前記基材としては特に制限されず、前記本組成物の有する効果が要求されるような基材に制限なく使用することができるが、本組成物を用いる効果がより発揮される等の点から、好ましくは、ガードレール、鉄塔、橋梁等の鉄鋼構造物が挙げられる。
また、前記基材の材質としては特に制限されないが、例えば、鉄鋼(鉄、鋼、合金鉄、炭素鋼、マイルドスチール、合金鋼等)、非鉄金属(アルミニウム、銅、真鍮、亜鉛めっき、亜鉛溶射等)、ステンレス(SUS304、SUS410等)が挙げられる。
基材としては、前記基材の表面がめっき等された基材であってもよい。
前記基材としては、ガードレールや鉄塔が好ましく、これらの基材は、通常、亜鉛めっき(特に溶融亜鉛めっき)被膜が形成された鉄鋼製の基材であるため、前記基材としては、鉄鋼やその表面にめっき被膜が形成された基材が好ましい。
また、前記基材は、その表面がアルキド樹脂系、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、エポキシエステル樹脂系等の塗料組成物から形成された塗膜などで被覆されていてもよく、基材として、ガードレールや鉄塔を採用する場合、これらに形成されている塗膜(旧塗膜)が付いた基材であってもよい。
本組成物は、これらの基材に対して良好な付着性を有するため、これらの基材を用いることで、本発明の効果がより発揮され好ましい。
本塗膜の乾燥膜厚は特に限定されないが、十分な防食性、耐候性を有し、基材に対する付着性によりバランスよく優れる塗膜が得られる等の点から、通常は30μm以上、好ましくは50μm以上であり、通常は200μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは130μm以下である。
前記基材としてガードレールを用いる場合、十分な防食性、耐候性、柔軟性(耐屈曲性)、耐衝撃性を有し、本塗膜を形成後のガードレールの耐用年数を長期化できる等の点から、好ましくは50~150μm、好ましくは50~130μmである。
また、前記基材として鉄塔を用いる場合、十分な防食性、耐候性、付着性を有し、本塗膜を形成後の鉄塔の耐用年数を長期化できる等の点から、好ましくは30μm以上、好ましくは50μm以上であり、好ましくは150μm以下、好ましくは100μm以下である。
本塗膜付き基材は、本塗膜と被塗物(基材)とを含む積層体であればよく、本塗膜上に、さらに耐候性や美観に優れる上塗り塗膜を形成してもよい。このような上塗り塗膜としては、アクリル樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系等の各種上塗り塗料組成物より形成される塗膜等が挙げられる。
≪塗膜付き基材の製造方法≫
本発明の一実施形態に係る塗膜付き基材の製造方法(以下「本方法」ともいう。)は、下記工程[1]および[2]を含む。
工程[1]:本組成物を基材に塗装する工程
工程[2]:塗装された本組成物を乾燥させて塗膜を形成する工程
<工程[1]>
前記工程[1]における塗装方法としては、特に制限されず、例えば、エアレススプレー塗装、エアスプレー塗装等のスプレー塗装、刷毛、ローラー、ヘラ、コテなどを用いた塗装などの従来公知の方法が挙げられ、自動化してもよく、手動にて塗装してもよい。
これらの中でも、大面積の基材を容易に塗装できる等の点から、スプレー塗装が好ましく、特に、基材としてガードレールを用いる場合には、スプレー塗装が好ましい。
一方、基材として鉄塔を用いる場合など、高所作業が必要で、塗料の飛散が問題になる場合には、塗料の飛散をより抑制できる等の点から、刷毛、ローラー、ヘラ、コテなどを用いた塗装が好ましく、特に刷毛塗りが好ましい。
本組成物を塗装する際には、所望に応じて、塗料組成物の粘度を適正な値に調整してもよく、この時の粘度としては、前記(極限)粘度となるような粘度にすればよい。
本組成物を塗装する際には、2回以上の塗装(2回以上塗り)で所望の膜厚の塗膜を形成してもよいが、ガードレールや鉄塔などの現場作業を行う場合、短時間で塗装作業を終わらせることが要求されるため、1回の塗装(1回塗り)で所望の膜厚を形成することが好ましい。
本組成物によれば、1回塗りで前記所望の膜厚の塗膜を容易に形成することができるため、ガードレールや鉄塔などの現場作業性に優れ、これらの補修用塗料として好適に用いられる。
ここで、1回塗りとは、被塗物に対して前記工程[1]および[2]を経て乾燥塗膜を形成する方法であり、乾燥塗膜を形成する工程を行った後、該工程で得られた乾燥塗膜上に、前記工程[1]を行わない方法である。また、2回以上塗りとは、被塗物に対して前記工程[1]および[2]を経て、乾燥塗膜を形成する工程を少なくとも1回行なった後、該工程で得られた乾燥塗膜上に対し、さらに前記工程[1]および[2]を経て乾燥塗膜を形成する方法である。
なお、ガードレールや鉄塔などの基材によっては、表面を前処理する工程、例えば、基材に付着した錆、汚れ、塗料(旧塗膜)等を落とす洗浄処理やブラスト処理を、前記工程[1]の前に行うことが好ましい。
また、前記基材として、例えば、マイルドスチール(SS400等)を用いる場合、必要により、グリットブラスト等で基材表面を研磨するなど、素地調整(例:算術平均粗さ(Ra)が30~75μm程度になるよう調整)しておくことが望ましい。
<工程[2]>
前記工程[2]における乾燥条件としては特に制限されず、塗膜の形成方法、基材の種類、用途、塗装環境等に応じて適宜設定すればよいが、乾燥温度は、常温乾燥の場合、通常5~35℃、より好ましくは10~30℃である。なお、所望により加熱、送風により強制乾燥(例:30~90℃)してもよいが、通常は自然条件下で乾燥、硬化され、特に、ガードレールや鉄塔などの現場作業を行う場合、通常常温乾燥が採用される。
乾燥時間は、塗膜の乾燥方法によって異なり、常温乾燥の場合、通常1日~7日、好ましくは1日~3日である。
本発明について実施例を挙げ、更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されない。
[実施例1]
ポリ容器に、表1に記載の主剤を構成する各成分を、表1に記載の量(数値)に従って入れ、ハイスピードディスパーを用いて攪拌した後、適量のガラスビーズを入れ、ペイントシェーカーで1~2時間分散させた。次いで、ガラスビーズを取り除くことで、主剤を調製した。
また、容器に、表1に記載の硬化剤を構成する各成分を、表1に記載の量(数値)に従って加え、ハイスピードディスパーを用いて十分に分散させることで硬化剤を調製した。
塗装する際に、前記主剤および硬化剤を表1に記載の所定の混合比で混合し、塗料組成物を調製した。
[実施例2~4および比較例1~3]
実施例1を構成する各成分の種類および配合量を、下記表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして主剤、硬化剤および塗料組成物を調製した。表1中の各成分の数値は、それぞれ質量部を示す。なお、表1に記載の各成分の説明を表2に示す。
<塗膜外観>
寸法が150mm×50mm×0.3mm(厚)のブリキ板を用意した。このブリキ板の表面に、前述のようにして調製した各塗料組成物を、エアスプレーを用いて、それぞれ乾燥膜厚が120μmとなるよう塗装し、23℃で7日間乾燥して試験板を作成した。得られた試験板表面の塗膜状態を目視で観察した。
塗膜にクラック、剥離、目標とする色相とのズレ(黄変)、粘着のいずれの発生もなかった場合を、「正常」と評価し、この正常の場合以外については、生じた問題を表1に記載した(例:目標とする色相に対して黄味がかった色相になった場合、「黄変」と記載)。
<耐屈曲性試験>
寸法が150mm×50mm×0.3mm(厚)のブリキ板を用意した。このブリキ板の表面に、前述のようにして調製した各塗料組成物を、エアスプレーを用いて、それぞれ乾燥膜厚が120μmとなるよう塗装し、23℃で7日間乾燥して耐屈曲性試験板を作成した。次に、得られた耐屈曲性試験板を、JIS K 5600-5-1:1999(耐屈曲性(円筒形マンドレル法))に準拠し、直径12mmのマンドレルを使用して耐屈曲性試験を行った。屈曲部の塗膜状態を目視で観察し、下記評価基準に従って塗膜の耐屈曲性を評価した。
なお、ガードレールへの実際の塗装を想定すると、直径12mmのマンドレルで屈曲した場合であってもクラックが発生しないことが求められると考えられるため、前記試験を行った。
ガードレールは長尺の鋼板であるため、たわみが生じやすく、厚さが厚くなってもクラック(割れ)が生じない柔軟性を有する塗膜が要求されるため、この耐屈曲性試験において、クラックや剥離が生じない塗膜は、ガードレールに好適に用いることができる。
(評価基準)
○:塗膜にクラック、剥離のいずれも発生しなかった。
×:塗膜にクラックおよび剥離のいずれかが発生した。
<耐候性試験>
寸法が150mm×70mm×0.8mm(厚)のアロジン処理したアルミ板を用意した。このアルミ板の表面に、前述のようにして調製した各塗料組成物を、エアスプレーを用いて、それぞれ乾燥膜厚が50μmとなるよう塗装し、23℃で7日間乾燥して耐候性試験板を作成した。次に、得られた耐候性試験板を、QUV促進耐候試験機(型式:QUV Accelerated Weathering Tester、UV-B313型ランプ、Q-Lab社製)内に設置し、ISO 11507のMethod Aに準拠して、1500時間の耐候性試験を行った。
その後、光沢計(型式:BYK-Gardner社製)を用いて、試験後の塗膜表面の垂直方向から60°の角度で入射させた光の反射率(60°光沢)を測定し、耐候性試験を実施する前の塗膜の60°光沢の値に対する光沢保持率(%)を算出した。
また、分光測色計(型式:SD5000、日本電色工業(株)製)を用いて、C光源、角度0°における、耐候性試験を実施する前後の塗膜の色差の絶対値(ΔE)を測定した。
これらの値を基に、下記評価基準に従って塗膜の耐候性を評価した。
(評価基準)
○:光沢保持率が70%以上、かつ、ΔEが1.0未満であった。
△:光沢保持率が50%以上70%未満であり、かつ、ΔEが1.0未満であった。
×:光沢保持率が50%未満、または、ΔEが1.0以上であった。
<防食性試験>
寸法が150mm×70mm×2.3mm(厚)のSS400のサンドブラスト鋼板(算術平均粗さ(Ra):30~75μm)を用意した。この鋼板の表面に、前述のようにして調製した各塗料組成物を、エアスプレーを用いて、それぞれ乾燥膜厚が200μmになるよう塗装し、23℃で7日間乾燥して防食性試験板を作成した。次に、得られた防食性試験板に対し、現場での熱サイクル環境を考慮し、JIS K 5659:2018の7.17に基づいて冷熱繰り返し試験を行った。具体的には、23±1℃の水中に試験板を18時間浸した後直ちに-20±3℃に保った恒温槽で3時間冷却し、次いで、50±3℃に保った別の恒温槽で3時間加温した。この操作を10回繰り返した。その後、複合サイクル試験機(型式:CYP-90L、スガ試験機(株)製)内に試験板を設置し、JIS K 5600-7-9のサイクルDに準拠し、180サイクルの防食性試験を行なった。試験後の塗膜の一般部(試験板の端から10mmを除く部分)を目視で観察し、下記評価基準に従って塗膜の防食性を評価した。
(評価基準)
○:鋼板に錆の発生がなく、塗膜にフクレおよび剥離がなかった。
×:鋼板に錆の発生、塗膜にフクレの発生または塗膜の剥離のいずれかが生じていた。
<旧塗膜との付着性試験>
数年間高速道路上に暴露された旧塗膜が存在するガードレールを寸法が150mm×70mmとなるように切り出し用意した。この旧塗膜の表面に、前述のようにして調製した各塗料組成物を、エアスプレーを用いて、それぞれ乾燥膜厚が60μmになるよう塗装し、23℃で7日間乾燥して旧塗膜との付着性試験板を作成した。次に、得られた試験板を、複合サイクル試験機(型式:CYP-90L、スガ試験機(株)製)内に設置し、JIS K 5600-7-9のサイクルDに準拠し、180サイクルの防食性試験を行った。試験後の塗膜をJIS K 5600-5-6に規定のクロスカット法に準拠し、旧塗膜との付着性を下記評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:前記JIS K 5600-5-6における評価基準の分類が0~1であり、かつ、旧塗膜との層間にフクレ、剥離がなかった。
×:前記JIS K 5600-5-6における評価基準の分類が2~5である、または、旧塗膜との層間にフクレ、剥離があった。
<飛散防止性>
寸法が24cm×24cm×35cm(高さ)の段ボール製の箱を作成し、天井面にエアレススプレーのスプレーガンの先端と同じサイズの穴を空け、前述のようにして調製した各塗料組成物を、エアレススプレー(圧縮比;30:1、1次圧;0.45MPa、チップサイズ:615、Graco社製)を用いて、段ボール製の箱内底部の中央にめがけて10秒間吐出した。その後、該段ボール製の箱を23℃で1日間乾燥させた後、段ボール製の箱の側面(壁面)に付着した塗料組成物の飛沫およびダストの付着状態を目視で観察した。下記評価基準に従って塗料組成物の飛散防止性を評価した。
(評価基準)
○:側面に付着した塗料組成物の飛沫およびダストの付着量が400cm2以下であり、かつ、スプレー時の霧化性に問題がない(均質にスプレーできており、テーリングやフィンガリングの発生がない)。
△:側面に付着した塗料組成物の飛沫およびダストの付着量が400cm2以下であるが、スプレー時の霧化性に問題がある(均質にスプレーできておらず、テーリングやフィンガリングが発生)。
×:側面に付着した塗料組成物の飛沫およびダストの付着量が400cm2を超える。
<極限粘度の測定>
レオメーター(型式:Discovery HR-2、TAインスツルメント社製)を用い、前述のようにして調製した各塗料組成物の極限粘度(Pa・s)を下記測定条件で測定した。
(測定条件)
せん断速度:0/sから1000/sまで60秒間で直線的に上昇させ、その後直ぐに1000/sから0/sまで60秒間で直線的に下降させた。
温調プレート温度:25℃一定
パラレルプレートの直径:40mm
プレート間のギャップ:300μm
Figure 0007208777000004
Figure 0007208777000005

Claims (7)

  1. エポキシ基との反応性官能基を有するアクリル樹脂(A)、非反応性液状柔軟性付与剤(B)、エポキシ基を有するシラン化合物(C)および顔料(D)を含有するガードレール用塗料組成物であって、
    前記塗料組成物の不揮発分100質量%に対して、前記非反応性液状柔軟性付与剤(B)を1~7質量%含有する、
    塗料組成物
  2. 前記非反応性液状柔軟性付与剤(B)が、塩素化炭化水素系化合物およびフタル酸エステルからなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の塗料組成物。
  3. さらに、エポキシ基を有さないシリコーン樹脂(E)を含有する、請求項1または2に記載の塗料組成物。
  4. 前記塗料組成物の顔料体積濃度(PVC)が15~35%である、請求項1~の何れか1項に記載の塗料組成物。
  5. 請求項1~の何れか1項に記載の塗料組成物より形成された塗膜。
  6. 請求項に記載の塗膜と基材とを含む塗膜付き基材。
  7. 下記工程[1]および[2]を含む、塗膜付き基材の製造方法。
    [1]請求項1~の何れか1項に記載の塗料組成物を基材に塗装する工程
    [2]塗装された塗料組成物を乾燥させて塗膜を形成する工程


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