JP6574095B2 - アクリル系塗料およびその塗膜 - Google Patents
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Description
本発明に係るアクリル系塗料は、ブチルアクリレート及びスチレンを含有する不飽和モノマー成分を共重合して得られるアクリル系樹脂(a)と、可塑剤(b)とを含有し、前記アクリル系樹脂(a)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が10000〜40000であり、前記不飽和モノマー成分全体を100質量部とした場合に、前記スチレンの割合が30〜70質量部であることを特徴とする。
顔料容積濃度(%)=塗料組成物の固形分中の顔料の体積/塗料組成物の固形分の体積×100
前記アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、上記アクリル系塗料を用いて形成した塗膜のインターバル付着性を向上させる観点から、通常10000〜40000、特に、20000〜30000であることが好ましい。
本発明に係るアクリル系塗料は、ブチルアクリレート及びスチレンを含有する不飽和モノマー成分を共重合して得られるアクリル系樹脂(a)と、可塑剤(b)とを少なくとも含有し、前記アクリル系樹脂(a)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が10000〜40000であり、前記不飽和モノマー成分全体100質量部中、スチレンの割合が30〜70質量部であることを特徴とする。また、上記アクリル系塗料の成分として、任意に所定量の顔料(c),添加剤または溶剤を含んでいてもよい。以下各成分(a)〜(c)について説明する。
本発明で用いられるアクリル系樹脂(a)は、特定の不飽和モノマーを共重合することにより得られるものであり、少なくともブチルアクリレート(BA)およびスチレン(ST)を含有する。ブチルアクリレートおよびスチレンに由来する構造単位を有するアクリル系樹脂(a)及び可塑剤(b)を配合した本発明に係るアクリル系塗料は、耐気泡フクレ性およびインターバル付着性に優れた塗膜を形成できる。また、本発明では、前記不飽和モノマーとしてブチルアクリレートまたはスチレンと重合可能な後述するその他の不飽和モノマーを所定量含んでもよい。
(ブチルアクリレート)
アクリル系樹脂(a)を調製する際に用いられるブチルアクリレートの量は、使用する不飽和モノマー成分全体を100質量部とした場合に、通常5〜50質量部であり、好ましくは10〜45質量部でありである。ブチルアクリレートとしては、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレートおよびtert−ブチルアクリレートからなる群から選択された1種または2種以上を使用することができる。本発明ではアクリル系樹脂(a)を製造する際に、これらブチルアクリレートをスチレンと併用しているために、アクリル系塗料により形成される塗膜の耐気泡フクレ性,インターバル付着性がバランスよく優れる傾向がある。なお、不飽和モノマーとしてブチルアクリレートを含有しない場合には、ブチルアクリレートを含有した場合と比べて、アクリル系塗料により形成される塗膜の耐気泡フクレ性が劣る。
アクリル系樹脂(a)を調製する際に用いられるスチレンの量は、使用する不飽和モノマー成分全体を100質量部とした場合に、30〜70質量部であり、10〜45質量部であることが、得られる塗膜が耐気泡フクレ性、インターバル付着性の両方の特性により優れる傾向となる点より好ましい。前記不飽和モノマー成分全体がスチレンを上記範囲の量で含有しない場合や特に全く含有しない場合(0質量部)には、上記量で含有する場合と比べてアクリル系塗料により形成される塗膜(アクリル系塗膜ともいう。以下同様。)のインターバル付着性が劣る。
本発明では、アクリル系樹脂(a)を調製する際に、必要により、上記ブチルアクリレートとスチレン以外に「その他の不飽和モノマー」を用いることができ、その場合、用いられる「その他の不飽和モノマー」の量は、使用する不飽和モノマー成分全体を100質量部とした場合に15〜55質量部が好ましく、20〜55質量部が塗膜硬度の調整、塗膜への耐候性の付与などの点から、より好ましい。
(メタ)アクリロニトリルなど;
ビニルピロリドン、ビニルピリジン等の複素環族系塩基性モノマー、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル系モノマー;
メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の一塩基酸または二塩基酸モノマー;
マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル等の二塩基酸モノマーのモノエステル;
からなる群から選択された1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
アクリル系樹脂(a)の含有量(不揮発分)は、アクリル系塗料中の不揮発分100質量部に対して30〜60質量部であることが塗膜強度、塗膜硬度のバランスの点で好ましい。アクリル系樹脂(a)の含有量(不揮発分)が30質量部未満の場合には樹脂分が少ない為に塗膜は脆くなる傾向にある。また、アクリル系樹脂(a)の含有量(不揮発分)が60質量部を超えた場合、逆に樹脂分が多すぎるために塗膜硬度が低下する傾向にある。
前記アクリル系樹脂(a)は、従来公知の方法で合成してもよく、例えば、ブチルアクレート、スチレンと必要により用いられる他のモノマーとを後述するような有機溶剤の存在下で、必要により重合開始剤等を加えて、通常常圧で、60〜180℃の加熱下で5〜15時間程度反応させる溶液重合により合成することができる。工業的にアクリル系樹脂の生産を行う場合は、攪拌装置、温度計、窒素ガス導入管および還流冷却管等を備えた所定容量の反応容器を使用することが好ましい。
重合が進行し過ぎるとアクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)が上述した所望の範囲(10000〜40000)の上限を超えるおそれがあるため、重合反応停止剤等により重合反応を停止させることが望ましい。また、ラジカル重合開始剤を使用した場合には、上記重合禁止剤の添加とともにラジカル重合開始剤を失活させるために、ラジカル重合開始剤の半減期が数分となる高温度で1〜2時間、反応溶液を保温することで反応を停止させる必要がある。
アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)の調節は、重合反応時間、反応温度、重合開始剤の使用量等の条件により調節することができる。溶液重合開始からの経過時間ごとにサンプルを採取してゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)に供し、重合時間(または他の条件(例えば、重合温度のみ変更した場合は重合温度))と製造されるアクリル系樹脂の分子量の関係を調べておくことが望ましい。
重合開始剤の割合は、重合する不飽和モノマーの混合液全体を100質量部とした場合に、0.001〜10質量部を用いることが好ましい。前記重合開始剤としては、従来公知のものを広く使用でき、特に限定されないが、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤や、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクタノエート、ジイソブチルパーオキサイド、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシピバレート、デカノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の過酸化物系開始剤を使用することができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で使用されるアクリル系樹脂(a)の重量平均分子量(Mw:GPCによるポリスチレン換算値)、数平均分子量(Mn:GPCによるポリスチレン換算値)、分子量分布(Mw/Mn)、ガラス転移温度(Tg)、粘度等の特性の望ましい範囲について説明する。
アクリル系樹脂(a)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、アクリル系塗料から形成される塗膜の耐気泡フクレ性、インターバル付着性の両方が良好となるなどの点から、10000〜40000であり、10000〜35000であることが好ましく、20000〜30000であることがより好ましい。分子量が10000未満では、該アルキル系樹脂(a)を配合して得られる塗膜は脆くなり下塗り塗料とのインターバル付着性が低下する傾向がある。分子量(Mw)が40000を超えると、塗膜中に気泡が残存しやすくなり、耐気泡フクレ性が低下する傾向にある。
また、アクリル系樹脂(a)を用いて塗液を調製した際に、該塗液の塗工性の観点から、例えば50%キシレン溶液における粘度(25℃、mPa・s)は、通常300〜15000、好ましくは500〜12000であることが望ましい。
アクリル系樹脂(a)の酸価は、アクリル系樹脂の主として側鎖に含まれるカルボキシル基数に依存して変動することから、アクリル系樹脂の側鎖にカルボキシル基(COOH基)がどの程度存在するかを示す指標となる。また、アクリル系樹脂(a)の水酸基価は、アクリル系樹脂の側鎖に含まれる水酸基(OH基)数に依存して変動することから、アクリル系樹脂の側鎖に水酸基がどの程度存在するかを示す指標となる。
アクリル系樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、通常1.0〜4.0、好ましくは1.0〜3.0、特に好ましくは1.0〜2.5であることが塗膜の引張破断強度,伸び、衝撃強さ、表面光沢、耐ストレスクラッキング性、収縮率等の点から望ましい。
アクリル系樹脂(a)のガラス転移温度(Tg、計算値)は、塗膜硬度、塗膜物性の観点から、好ましくは10℃〜80℃であり、より好ましくは20℃〜60℃であり、さらに好ましくは40℃〜45℃ある。アクリル系樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)は、10〜80℃が好ましく、20〜60℃であることが得られる塗膜は耐汚染性に優れ、またべたつき、クラックなどが生じにくい等の点でより好ましい。Tgが上記範囲を下回って低すぎると、塗膜温度が上昇した場合、塗膜の粘着性が大きくなる傾向にある。即ち、塗膜の耐汚染性が悪く、また塗膜上を歩行した場合べたつき感を感じる傾向にある。Tgが高すぎると、塗膜にクラックが発生しやすくなる傾向にある。このようなガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量測定)で測定することができる。
可塑剤(b)の種類は特に限定されるものではないが、塩素化パラフィン、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、マイレイン酸エステル、安息香酸エステル、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等からなる群から選択された1種または2種以上を使用することができる。
顔料(c)の種類は特に限定されるものではないが、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、機能性顔料等を使用することができる。着色顔料の例には、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン、アゾ系化合物、縮合多環系化合物が含まれる。体質顔料の例には、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、シリカが含まれる。防錆顔料の例には、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、カルシウム交換シリカが含まれる。機能性顔料の例には、導電顔料、蛍光顔料、アルミ顔料、ステンレス顔料が含まれる。
アクリル系塗料(揮発分も含む)中の顔料容積濃度(PVC)は塗膜の強靭性、光沢等にバランスよく優れるなどの点から、24〜40%であることが好ましい。PVCが低すぎると(PVCが24%未満であると)塗膜の強靭性が低下する傾向にある。PVCが高すぎる(PVCが40%を超える)と、光沢が低下する傾向にある。
顔料容積濃度(%)=塗料組成物の固形分中の顔料の容積/塗料組成物中の固形分の容積×100。なお、塗料組成物中の固形分や顔料の含有量やそれらの容積は、各原材料の固形分と密度から算出できる。
アクリル系塗料の任意の成分として、上記成分以外にも添加剤としてのタレ止め・沈降防止剤や消泡剤を含有させることができる。
前記有機溶剤としては、特に限定しないが、例えば、トルエン、キシレン、「スワゾール(登録商標)1000」(丸善石油化学(株)製)、「ソルベッソ(登録商標)100」,「ソルベッソ(登録商標)150」(エクソン モービル コーポレーション社製),「LAWS(登録商標)」 (シェル社製)等の芳香族炭化水素系溶剤、エチレングリコールモノブチルエーテル(2-ブトキシエタノール,商品名「ブチルセロソルブソルベント」(ブチセロ)(ダウ・ケミカル社製)、イソプロピルアルコール、n − ブタノール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、n−ヘキサン、n−オクタン、2,2,2−トリメチルペンタン、イソオクタン、n−ノナン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、石油系溶剤でテレピン油の代用溶剤として作られた塗料用シンナーであるミネラルスピリットなどが挙げられる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に係る塗膜は、被塗物としての基材(例:鋼板)または(基材上の)下塗り膜に対して上記のアクリル系塗料を用いて形成されていることを特徴とする。典型的には、基材鋼板に対して下塗り膜を形成した上で、該下塗り膜に対して本発明に係る塗膜、すなわち上塗り塗膜が形成される。
上記被塗物としては特に限定されず、鋼板、アルミ板などの材質からなる客船、貨物船、タンカーなどの船体(船舶)の外表面(特に、特に船舶の外舷部、水線部、デッキ、上構造部等の部位を言い、耐気泡フクレ性や下塗り塗膜との付着性などが求められ、通常海水等と常時接触することがあまりない部位(船舶では通常船底、バラストタンク、カーゴオイルタンク、清水タンク、カーゴホールド以外の部位がこの被塗物基材の塗装対象部位となる。);船舶以外の鋼構造物としては、塔(例:鉄塔;ゴミ焼却炉、発電所、工場などの煙突;)、橋梁、石油掘削プラントその他の各種プラント、海中展望台の海洋構造物;等が挙げられる。これら船舶、海洋構造物等の材質は、上記鋼材の他、スレート、コンクリート、FRP、木等でもよい。上記本発明のアクリル系塗料を基材表面に塗装するに先立ち、必要により、塗装予定の基材表面に既に発生・付着している錆、油脂、水分、塵埃などの基材表面の付着物を清掃・除去し、被塗物の材質に応じてシーラー、バインダー、プライマー等を予め塗布してもよい。
本発明に係るアクリル系塗料からなる塗膜を基材表面に形成するに先立って、下塗り膜、好ましくは、上記アクリル系樹脂のOH基及び/又はCOOH基と結合可能な基を有する樹脂を含む下塗塗料からなる膜(下塗り膜)を予め上記基材の表面に塗設してもよい。
本発明に係るアクリル系塗料は、基材(例:鋼板)表面、好ましくは、上記のように予め下塗り膜が形成された基材(例:鋼板)表面に塗設されるが、基材に直接塗布するよりも下塗り塗膜に対して塗布して積層塗膜を形成する方が好ましい。ここで、アクリル系樹脂のOH基及び/又はCOOH基と結合可能な基を有する樹脂を含む下塗塗膜の表面に、前述のアクリル系塗料を用いて形成した塗膜を有する積層塗膜が好ましい。
本発明に係るアクリル系塗料よりなる塗膜(アクリル系塗膜)の厚さは特に制限ないが、通常は20μm〜300μm、好ましくは20μm〜150μmである。塗膜の硬度については、F〜2Hであることが好ましい。この塗膜の硬度と塗膜の可撓性はブチルアクリレートの含有割合等に関係する。
本発明に係るアクリル系塗料は、日射等により塗膜が高温多湿環境に晒され、気泡によるフクレやインターバル付着性の課題が生じうる被塗物用の塗料として好適に使用することができる。代表的な用途としては、船舶用塗料(特に前記部位用)、橋梁用塗料等が挙げられる。この他にも、各種建造物の外壁用塗料、設置物(看板等)用塗料として用いることができる。本発明には、上記アクリル系塗料を用いて形成された塗膜、さらには該塗膜を含む船舶,橋梁等の構造が含まれる。
加熱装置、攪拌装置、窒素導入管及び温度計を有する反応装置内に、有機溶剤としてキシレン(Xy)を57質量部と、n−ブタノール(BuOH)24質量部を仕込んだ。窒素気流下で、前記溶剤を115℃(反応温度)まで昇温させた後、モノマー成分の混合液(スチレン:51.22質量部、n−ブチルアクリレート(BA):17.00質量部、n−ブチルメタクリレート(BMA):16.98質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(2−HEMA):13.00質量部、およびメタクリル酸(MAA):1.80質量部(表2参照))と、開始剤として、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.48質量部およびt−ブチルパーオキシベンゾエート0.04質量部との混合液を該混合液の温度を維持しながら3時間かけて滴下した。
さらに、1時間30分保温してアクリル系樹脂(A1)を調製した。
製造したアクリル系樹脂(A1)を108℃の熱風乾燥機中3時間乾燥した後の加熱残分(「固形分」と同義)を計測し、不揮発分を表すNV値(%)を式:(上記加熱残分の重量/加熱前のアクリル系樹脂の重量)×100(%)で算出した。
酸価(AV)とは、試料1gに含まれているカルボキシル基を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数をいう。
アクリル系樹脂の酸価は、次式によって計算した。
酸価(AV)=(B×f×5.61)/S
(上記式において、B:N/10水酸化カリウム−エタノール溶液の使用量(ml)、f:N/10水酸化カリウム−エタノール溶液のファクター、S:試料(g)を示す)。
製造例1において、モノマー成分の混合液を表2A〜Dに示す組成に変更し、滴下時の開始剤(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートおよびt−ブチルパーオキシベンゾエート)の量を、表2A〜Dに示す量に変更したこと以外は、製造例1と同様にアクリル系樹脂(A2〜A9、A11〜A19)の製造等を行った。
製造例1において、
モノマー成分の混合液を表2Bに示す組成に変更し有機溶剤としてキシレンを55質量部と、酢酸ブチルを15質量部に変更し、反応温度を120℃に変更し、滴下時の開始剤(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートおよびt−ブチルパーオキシベンゾエート)の量を、表2Bに示す量に変更したこと以外は製造例1等と同様にアクリル系樹脂を製造した。得られたアクリル系樹脂(A10)のGPCによる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量、不揮発分(NV)、酸価(AV)(mgKOH/g)は、表2Bに記載のとおりであった。
ポリ容器に対して、アクリル系樹脂(a)として製造例1のアクリル系樹脂(A2)46.7質量部を添加した。
さらに、顔料(c)として、「GPS−55」(丸尾カルシウム(株))0.2質量部、「沈降性硫酸バリウム100」(堺化学工業(株))17.6質量部、「三菱(登録商標)カーボンブラックMA−100」(三菱化学社製)1質量部、「NEOLIGHT SP-100」(竹原化学工業(株)社製)8質量部を添加した。
比較例1で製造した塗料を用いて以下のように塗膜を形成し、さらに該塗膜について耐気泡フクレ性試験、及びインターバル付着性試験を行った。
環境温度23℃の下、サンドブラスト鋼板(温度23℃、150mm×70mm×2.3mm、Sa2.5以上)上に、下塗り膜としてエアースプレー塗装機(W−77、アネスト岩田(株)製)を用い、エポキシ樹脂系塗料(バンノー500グレー)をウェット膜厚約200μmで塗装した。
上記塗装鋼板を7日間乾燥し、恒温恒湿機に入れ、温度70℃×湿度70%×4時間→温度23℃×湿度70%×4時間を7サイクル行った。
目視でフクレの程度を6点満点で評価した。なお、この評価は、サンドブラスト鋼板の塗膜形成面を平面視した状態で、ASTM D714−87(ASTM;American Society for. Testing and Material:アメリカ材料試験協会,"Standard Test Method for Evaluating Degree of Blistering of Paints")に従い、下記表1の判断基準に基づいて評価した。比較例1の耐気泡フクレ性についての評価結果を表4A〜4Dに示す。
(塗装鋼板作成方法)
サンドブラスト鋼板上に、エアースプレー塗装機(W−77、アネスト岩田(株)製)を用い、下塗り塗料として、エポキシ樹脂系塗料「バンノー1500グレー」(中国塗料(株)社製)をウェット膜厚約200μmで塗装した。1日、23℃,湿度55%の条件下で乾燥後、上記下塗り塗装された塗装板を、3、7、15、30日間、屋外暴露を行った。屋外暴露した塗装板を軽く水洗し、アプリケーターを用いてアクリル系塗料をウェット膜厚約150μmで塗装し、屋外暴露日数の異なるインターバル付着性試験用の塗装鋼板(i)を作成した。
上記インターバル付着性試験用の塗装鋼板(i)を7日間湿度55%,23℃で乾燥し、碁盤目テープ剥離試験(2mm×2mm、25マス)を行った。碁盤目テープ剥離試験は、該塗装鋼板の塗膜表面(試験面)にカッターガイドを使用して素地である鋼板に達するまでの深さで、縦6本×横6本の切り傷をつけて25マスの碁盤目を作成した。なお、切り傷の間隔は2mmとした。次に、前記塗膜の碁盤目の部分にセロテープ(登録商標)を強く圧着させ、該セロテープ(登録商標)の端を塗布面に対して90°の角度で一気に引き剥がし、上記25マス中、残存・付着しているマスの割合である、残存面積率(%)で評価した。残存面積率(%)が80%以上を良好(合格)の塗膜とした。
上記塗装鋼板(i)を湿度55%,温度23℃で7日間乾燥した後、3%食塩水中(温度23℃)に30日間浸漬した。浸漬液から塗装鋼板を取出し、湿度55%,23℃で1日乾燥した後、得られた2次付着性試験用の該塗装鋼板(ii)について上記碁盤目テープ剥離試験を行った(結果を表4A〜4Dに示す)。
比較例1と同様に表3A,3Bに示す組成表に基づき、塗料E1〜E15(実施例1〜15)、塗料C1〜C11(比較例1〜11)をそれぞれ製造し、耐気泡フクレ性試験およびインターバル付着性試験に供した。
比較例1と同様に表3A,3Bに示す組成表に基づき、塗料C2〜C11(比較例2〜11)をそれぞれ製造し、耐気泡フクレ性試験およびインターバル付着性試験に供した。
(分子量)
アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)が12000〜27000の場合、これを含むアクリル系塗料による塗膜の十分なインターバル付着性が得られる(実施例5〜2)。アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)が32000の場合、耐気泡フクレ性がやや低下するが問題ない適正範囲となる(実施例1)。
アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)が40000超(44000程度)の場合は、耐気泡フクレ性のみが顕著に低下する(比較例1)。
実施例2と比べて、アクリル系樹脂のスチレンの含有量を約0.6倍(32.00質量部)に低減させ、BMAの量を約2.3倍(36.20質量部)に増加させた場合(実施例9)、実施例2と同等の耐気泡フクレ性およびインターバル付着性が得られた。
これらの結果から、不飽和モノマー成分全体を100質量部とした場合におけるアクリル系樹脂中のスチレンの含有量が32〜62質量部であることで少なくとも十分な耐気泡フクレ性およびインターバル付着性が得られる適正範囲であるといえる。また、アクリル系樹脂の含有量が30質量部以上〜70質量部以下の程度まで十分な耐気泡フクレ性およびインターバル付着性が得られると考えられる。
実施例2のアクリル系塗料のアクリル樹脂と比べて、2−HEMAを含有せずブチルアクリレート(BA)の含有量を1.76倍(30質量部)に増加させた場合、耐気泡フクレ性のみがやや低下する(実施例6)。
実施例2のアクリル系塗料が可塑剤を含有しない場合(比較例10,11)には、耐気泡フクレ性のみが顕著に劣る結果となった。この結果から、可塑剤が耐気泡フクレ性を得るために必須成分であることが分かった。可塑剤については種類や量を変更しても影響は少ないと考えられる(実施例1〜15)。
実施例2のアクリル系塗料と比べて、顔料容積濃度(PVC)(質量%)を低下させると、インターバル付着性に影響ないが、耐気泡フクレ性がやや低下する結果となった(実施例11〜15)。
Claims (12)
- ブチルアクリレート及びスチレンを含有する不飽和モノマー成分を共重合して得られるアクリル系樹脂(a)及び可塑剤(b)を含有し、前記アクリル系樹脂(a)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が10000〜40000であり、不飽和モノマー成分全体100質量部中、スチレンが30〜70質量部であるアクリル系塗料
(ただし、
下記一般式(a1):
(式中、Rは、水素原子またはメチル基である)で示される単量体から誘導される構成単位(a−1)を10〜80重量%、グリシジル(メタ)アクリレートから誘導される構成単位(a−2)を1〜50重量%およびその他のエチレン性不飽和単量体から誘導される構成単位(a−3)を0〜89重量%(ただし、構成単位(a−1)、(a−2)および(a−3)の合計量は100重量%である。)含む共重合体(A)と、
下記一般式(b1):
(式中、Xは水素原子またはカルボキシル基であり、R 1 は水素原子またはメチル基であり、R 2 〜R 6 は炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基であって互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1以上の整数である。)で示される単量体から誘導される構成単位(b−1)を含む重合体(B)と、
防汚剤と、
可塑剤と
を含有する防汚塗料組成物を除く。)。 - ブチルアクリレート及びスチレンを含有する不飽和モノマー成分を共重合して得られるアクリル系樹脂(a)及び可塑剤(b)を含有するアクリル系塗料であり、
前記アクリル系樹脂(a)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が10000〜40000であり、不飽和モノマー成分全体100質量部中、スチレンが30〜70質量部であり、
船舶における海水と常時接触することがない部位用、橋梁用、塔用またはプラント用である、
アクリル系塗料。 - さらに顔料(c)を含有し、塗料中の顔料容積濃度(PVC)が24〜40%である、請求項1または2に記載のアクリル系塗料。
- 前記不飽和モノマー成分全体100質量部中、スチレンが30〜62質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクリル系塗料。
- 前記重量平均分子量(Mw)が20000〜30000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクリル系塗料。
- 前記不飽和モノマー成分として水酸基及び/又はカルボキシル基を有するモノマーを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のアクリル系塗料。
- 被塗物の表面に、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアクリル系塗料を用いて形成した塗膜。
- アクリル系樹脂のOH基及び/又はCOOH基と結合可能な基を有する樹脂を含む下塗塗膜の表面に、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアクリル系塗料を用いて形成した塗膜を有する積層塗膜。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のアクリル系塗料からなる船舶用塗料または橋梁用塗料。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のアクリル系塗料から形成された塗膜にて被塗物の表面が被覆されてなる塗膜付き被塗物。
- 被塗物表面を請求項1〜6のいずれか一項に記載のアクリル系塗料から形成された塗膜で被覆する被塗物の防食方法。
- 被塗物の表面を、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアクリル系塗料で塗装する工程、及び塗装された前記アクリル系塗料を硬化させて塗膜を形成する工程を有する塗膜付き被塗物の製造方法。
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