JP7028591B2 - 変性アクリル樹脂系塗料組成物、積層塗膜、塗膜付き基材およびその製造方法 - Google Patents

変性アクリル樹脂系塗料組成物、積層塗膜、塗膜付き基材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、変性アクリル樹脂系塗料組成物、積層塗膜、塗膜付き基材およびその製造方法に関する。
従来、船舶、橋梁、タンク、プラント、海上ブイ、海中パイプライン等の(大型)鉄鋼構造物は、防食性等の各種機能を付与することを目的として、様々な仕様の積層塗膜で被覆されている。例えば、下塗りとしてエポキシ樹脂系防食塗料組成物を塗装した後、形成された防食塗膜上に、意匠性や耐候性を高める目的で、上塗り塗料組成物が塗装される。
前記上塗り塗料組成物としては、2液反応硬化型の上塗り塗料組成物(例:アクリルウレタン樹脂系塗料組成物、フッ素ウレタン樹脂系塗料組成物)が用いられている。しかし、このような2液反応硬化型の上塗り塗料組成物は、塗料組成物自体が高価である上、主剤成分と硬化剤成分との混合を必要とするため、取扱いが煩雑である点、可使時間による制限がある等の作業性にも問題があり、前記大型鉄鋼構造物のような大面積の塗装には適さない場合がある。
また、前記上塗り塗料組成物としては、安価に入手することができる上、主剤成分と硬化剤成分との混合による手間や、混合後の可使時間による制限がない、作業性に優れた1液型の上塗り塗料組成物、具体的には、アクリル樹脂系塗料組成物やアルキド樹脂系塗料組成物等も知られている。
前述の(大型)鉄鋼構造物、特に船舶を被覆する積層塗膜に関して、特許文献1には、エポキシ樹脂系防食塗膜上に、アクリル樹脂系塗料組成物を塗装する方法が開示されており、また、特許文献2には、エポキシ樹脂系下塗り塗膜上に、アルキド樹脂系塗膜を形成する防食塗膜の形成方法が開示されている。
特開平11-333374号公報 特開昭61-107981号公報
前述のように、エポキシ樹脂系防食塗膜上に、アクリル樹脂系塗料組成物を塗装することは知られていたが、本発明者は、従来のアクリル樹脂系塗料組成物を塗装した場合、特にエアレススプレー等で塗装した場合、塗装時に発生した気泡が、形成したアクリル樹脂系塗膜中に残存し、該塗膜が夏季等の高温環境に曝された際に、膨張や融合拡大し、塗膜表面上にフクレが現れるといった問題があることを見出した。
また、前述のように、エポキシ樹脂系防食塗膜上に、アルキド樹脂系塗料組成物を塗装することは知られていたが、本発明者は、エポキシ樹脂系防食塗膜に対し、アルキド樹脂系塗料組成物からなる塗膜を形成する場合、エポキシ樹脂系防食塗膜の形成からアルキド樹脂系塗膜(上塗り塗膜)を形成するまでの時間(塗装間隔)が長くなるにつれて、エポキシ樹脂系防食塗膜に対するアルキド樹脂系塗膜(上塗り塗膜)の付着性が低下しやすい傾向にあることを見出した。
なお、エポキシ樹脂系下塗り防食塗膜を形成した後は、通常、所定のインターバルを空けて上塗り塗料が塗装され、特に、船舶用塗料組成物には、下塗り塗装から上塗り塗装までのインターバル(塗装間隔)が通常、1日~120日程度であり、塗装間隔が120日という長期であっても、付着性(インターバル付着性)が低下しないことが求められている。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、高温環境に曝された場合であってもフクレの発生が抑制され、エポキシ樹脂系防食塗膜への付着性に優れる、特に、インターバル付着性に優れる上塗り塗膜を形成可能な塗料組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決する方法について鋭意検討を重ねた結果、以下の構成により本発明を完成するに至った。
本発明の構成例は以下の通りである。
<1> エポキシ樹脂系防食塗膜上に塗装される、
ヨウ素価が4~25の変性アクリル樹脂(a)および乾燥促進剤(b)を含有する、変性アクリル樹脂系塗料組成物。
<2> さらに可塑剤(c)を含有する、<1>に記載の塗料組成物。
<3> さらに顔料(d)を含有し、該塗料組成物中の顔料体積濃度(PVC)が15~45%である、<1>または<2>に記載の塗料組成物。
<4> エポキシ樹脂系下塗り防食塗膜と、<1>~<3>の何れかに記載の塗料組成物から形成された上塗り塗膜との積層塗膜。
<5> <4>に記載の積層塗膜と基材とを含む塗膜付き基材。
<6> 前記基材が鉄鋼構造物である、<5>に記載の塗膜付き基材。
<7> 下記工程[1]および[2]を含む、塗膜付き基材の製造方法。
[1]基材に、エポキシ樹脂系防食塗料組成物を塗装し、下塗り防食塗膜(A)を形成する工程
[2]下塗り防食塗膜(A)上に、ヨウ素価が4~25の変性アクリル樹脂(a)および乾燥促進剤(b)を含有する変性アクリル樹脂系塗料組成物を塗装し、上塗り塗膜(B)を形成する工程
本発明によれば、高温環境に曝された場合であってもフクレの発生を抑制することができる(耐気泡フクレ性に優れる)とともに、エポキシ樹脂系防食塗膜への付着性に優れる、特に、インターバル付着性に優れる上塗り塗膜を形成可能な塗料組成物を提供することができる。
≪変性アクリル樹脂系塗料組成物≫
本発明に係る変性アクリル樹脂系塗料組成物(以下「アクリル塗料」ともいう。)は、エポキシ樹脂系防食塗膜上に塗装され、ヨウ素価が4~25の変性アクリル樹脂(a)および乾燥促進剤(b)を含有する。
このようなアクリル塗料が、前記効果を奏する作用機序は必ずしも明らかではないが、その一例として、以下のように推定される。すなわち、変性アクリル樹脂(a)を含有するアクリル塗料から形成された上塗り塗膜は、酸化重合することによる架橋構造を形成することができるため、従来のアクリル樹脂を含有する塗膜よりも強靭性に優れ、結果として耐気泡フクレ性に優れると考えられる。また、ヨウ素価が特定の範囲にある変性アクリル樹脂(a)と、乾燥促進剤(b)とを併用することによって、上塗り塗膜の架橋密度を適度の範囲に調整することができるため、優れたインターバル付着性を発現するものと推定される。
一般的に、樹脂のヨウ素価が高ければ高い程、架橋密度の高い塗膜を形成することができ、「耐気泡フクレ性」に優れる塗膜を得ることができると考えられるが、下塗り塗膜、特に、該下塗り塗膜がエポキシ樹脂系防食塗膜である場合には、「インターバル付着性」が低下する傾向にあることが分かった。すなわち、耐気泡フクレ性に優れることと、インターバル付着性に優れることとは、相互に両立しないため、従来はこれら両方の効果を同時に満たす上塗り塗膜は存在しなかったが、本発明によれば、これら両方の効果を同時に満たす上塗り塗膜を容易に形成することができる塗料を得ることができる。
前記アクリル塗料は、変性アクリル樹脂(a)および乾燥促進剤(b)を含有すれば特に制限されず、所望により、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤(c)、顔料(d)、その他の成分として、タレ止め・沈降防止剤、消泡剤、皮張り防止剤、溶剤等を含んでいてもよい。
前記アクリル塗料によれば、1成分型の塗料、好ましくは1液型の塗料とすることができ、このような塗料は、主剤成分と硬化剤成分との混合を必要とせず、取扱いが容易であり、可使時間による制限がない点等の作業性に優れ、大型鉄鋼構造物のような大面積の塗装に適している。
〈変性アクリル樹脂(a)〉
前記変性アクリル樹脂(a)は、ヨウ素価が前記範囲となるように、(メタ)アクリル化合物を用いて得られる樹脂であれば特に制限されないが、酸化重合型変性アクリル系樹脂であることが好ましく、アルキド樹脂変性アクリル系樹脂または脂肪酸変性アクリル系樹脂であることがより好ましく、アルキド樹脂変性アクリル系樹脂であることが特に好ましい。
このように、アルキド樹脂または脂肪酸で変性されたアクリル系樹脂は、酸化重合可能な酸化重合性基を有する。
変性アクリル樹脂(a)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記アルキド樹脂変性アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル化合物とアルキド樹脂とを用いて合成することができる。
具体的には、アルキド樹脂に溶剤を加え、これに(メタ)アクリル化合物を含む不飽和モノマーおよび重合開始剤を所定量加えて、80~150℃で3~10時間程度反応させることにより合成することができる。
前記アルキド樹脂は、従来公知の方法で得ることができるが、(半)乾性油または(半)乾性油脂肪酸と、酸成分と、多価アルコール成分とを重縮合させて得られる樹脂であることが好ましい。
前記(半)乾性油としては、魚油、脱水ヒマシ油、サフラワー油、アマニ油、大豆油、ゴマ油、ケシ油、エノ油、麻実油、ブドウ核油、トウモロコシ油、トール油、ヒマワリ油、綿実油、クルミ油、ゴム種油などが挙げられ、(半)乾性油脂肪酸としては、魚油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ケシ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻実油脂肪酸、ブドウ核油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、クルミ油脂肪酸、ゴム種油脂肪酸などが挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を使用することができる。
前記(半)乾性油または(半)乾性油脂肪酸の使用量としては、得られる変性アクリル樹脂(a)を用いた場合、耐気泡フクレ性とインターバル付着性にバランスよく優れる上塗り塗膜を容易に得ることができる等の点から、アルキド樹脂を合成する際のモノマー成分100質量%に対し、好ましくは20~70質量%、より好ましくは30~60質量%である。
前記酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、アジピン酸、安息香酸、ロジン、コハク酸等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を使用することができる。
前記酸成分の使用量としては、アクリル塗料の性能に大きく影響しないため、特に制限されないが、アルキド樹脂を合成する際のモノマー成分100質量%に対し、好ましくは10~50質量%、より好ましくは20~40質量%である。
前記多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオールなどの二価アルコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を使用することができる。
前記多価アルコール成分の使用量としては、アクリル塗料の性能に大きく影響しないため、特に制限されないが、アルキド樹脂を合成する際のモノマー成分100質量%に対し、好ましくは10~50質量%、より好ましくは20~40質量%である。
変性アクリル樹脂(a)を合成する際に用いるアルキド樹脂の使用量は、得られる変性アクリル樹脂(a)を用いた場合、耐気泡フクレ性とインターバル付着性にバランスよく優れる上塗り塗膜を容易に得ることができる等の点から、変性アクリル樹脂(a)100質量%中の(半)乾性油または(半)乾性油脂肪酸由来の構造単位の含有量が、好ましくは2~25質量%、より好ましくは3~10質量%となる量である。
前記不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル化合物を用いれば特に制限されず、(メタ)アクリル化合物と共に、他の不飽和モノマーを用いてもよい。
前記(メタ)アクリル化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-またはiso-プロピル(メタ)アクリレート、n-、iso-またはtert-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の脂環,芳香環,複素環またはビニル基含有(メタ)アクリル酸エステル、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、γ-ブチロラクトンまたはε-カプロラクトン等との付加物、グリセロール(メタ)アクリレート等の複数の水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステル、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、m-またはp-メトキシフェニル(メタ)アクリレート、o-、m-またはp-メトキシフェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の第三級アミノ基および(メタ)アクリロイル基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の第一級または第二級アミノ基および(メタ)アクリロイル基含有モノマー、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸などが挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を使用することができる。
前記他の不飽和モノマーとしては、ビニルピロリドン、ビニルピリジン等の複素環族系塩基性モノマー、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル系モノマー、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の一塩基酸または二塩基酸モノマー、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル等の二塩基酸モノマーのモノエステル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を使用することができる。
前記(メタ)アクリル化合物の使用量としては、得られる変性アクリル樹脂(a)を用いた場合、耐気泡フクレ性と塗膜物性にバランスよく優れる上塗り塗膜を容易に得ることができる等の点から、前記不飽和モノマー100質量%に対し、好ましくは10~100質量%、より好ましくは20~90質量%である。
前記不飽和モノマーとしては、顔料分散性に優れるアクリル塗料が得られ、また、下塗り防食塗膜に対する付着性に優れる上塗り塗膜が得られる傾向にあることから、2-ヒドロキシエチルメタクリレートまたはメタクリル酸を含むこと、特にこれら2者の併用が好ましい。
前記不飽和モノマーとして、2-ヒドロキシエチルメタクリレートを用いる場合には、変性アクリル樹脂(a)100質量%に対し、2-ヒドロキシエチルメタクリレート由来の構造単位の含有量は、2質量%以上が好ましく、またその上限値は20質量%であることが、得られるアクリル塗料より形成される上塗り塗膜の防食性(耐水性など)等の点から望ましい。
また、前記不飽和モノマーとして、メタクリル酸を用いる場合には、変性アクリル樹脂(a)100質量%に対する、メタクリル酸由来の構造単位の含有量は0.5質量%以上が好ましく、またその上限値は10質量%であることが、得られるアクリル塗料より形成される上塗り塗膜の防食性(耐水性など)等の点から望ましい。
前記不飽和モノマーとしては、硬度とインターバル付着性とにバランスよく優れる上塗り塗膜を容易に得ることができる傾向にあることから、スチレンを含むことが好ましい。また、スチレン由来の構造単位の含有量は、変性アクリル樹脂(a)100質量%に対し、10~60質量%、好ましくは15~50質量%であることが望ましい。
前記脂肪酸変性アクリル系樹脂は、前記不飽和モノマーと、脂肪酸変性重合性不飽和モノマーとを用い、従来公知の方法で合成することができる。
前記脂肪酸変性重合性不飽和モノマーとしては、エポキシ基または水酸基を有する重合性不飽和モノマーと、(半)乾性油脂肪酸とを反応させることにより得られるモノマー等が挙げられる。
該反応の条件としては、重合禁止剤の存在下に、140~170℃で6時間~15時間程度反応させる等の条件が挙げられる。
エポキシ基を有する重合性不飽和モノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
水酸基を有する重合性不飽和モノマーとしては、前記(複数の)水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルと同様の化合物等が挙げられる。
脂肪酸変性重合性不飽和モノマーの使用量は、得られる変性アクリル樹脂(a)を用いた場合、耐気泡フクレ性とインターバル付着性にバランスよく優れる上塗り塗膜を容易に得ることができる等の点から、変性アクリル樹脂(a)100質量%中の(半)乾性油脂肪酸由来の構造単位の含有量が、好ましくは2~25質量%、より好ましくは3~10質量%となる量である。
また、変性アクリル樹脂(a)は、前記不飽和モノマーを用いてアクリル系樹脂を得た後、該樹脂に酸化重合性基を導入した樹脂であってもよい。
該酸化重合性基としては、(半)乾性油脂肪酸由来の基、ジシクロペンタジエンオキシアルキル基、アリル基等が挙げられる。
例えば、(半)乾性油脂肪酸由来の基を樹脂に導入するには、不飽和モノマーとしてエポキシ基または水酸基を有する不飽和モノマーを用い、得られた樹脂中のエポキシ基または水酸基に(半)乾性油脂肪酸を付加させればよい。
前記酸化重合性基の導入量は、得られる変性アクリル樹脂(a)を用いた場合、耐気泡フクレ性とインターバル付着性にバランスよく優れる上塗り塗膜を容易に得ることができる等の点から、変性アクリル樹脂(a)100質量%中の酸化重合性基の含有量が、好ましくは2~25質量%、より好ましくは3~10質量%となる量である。
(ヨウ素価)
ヨウ素価とは、変性アクリル樹脂(a)100gに対してヨウ素を作用させた場合、吸収されるヨウ素のg(グラム)数をいい、酸化重合反応による架橋に寄与する二重結合の度合いを示す。
変性アクリル樹脂(a)のヨウ素価は、耐気泡フクレ性およびインターバル付着性の両者が同時に優れる上塗り塗膜が得られる等の点から、4~25であり、好ましくは4~15、より好ましくは4~10である。
(重量平均分子量(Mw))
変性アクリル樹脂(a)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、耐気泡フクレ性およびインターバル付着性の両者が同時に優れる上塗り塗膜(B)を容易に得ることができる等の点から、好ましくは25000~250000、より好ましくは30000~200000である。
(酸価)
変性アクリル樹脂(a)の酸価は、樹脂に含まれるカルボキシ基数に依存して変動することから、変性アクリル樹脂(a)のカルボキシ基(COOH基)がどの程度存在するかを示す指標となる。
ここで、変性アクリル樹脂(a)のCOOH基は、下塗り防食塗膜中のエポキシ樹脂由来のOH基と水素結合等することで、上塗り塗膜と下塗り防食塗膜との付着性に影響すると考えられる。ただし、変性アクリル樹脂(a)中にカルボキシ基が過剰に存在する場合、上塗り塗膜の耐水性を低下させる可能性がある。これらの観点などから、変性アクリル樹脂(a)の酸価は、好ましくは0.5~10mgKOH/gである。
(粘度)
塗工性に優れるアクリル塗料が得られる等の点から、変性アクリル樹脂(a)は、該樹脂の50%キシレンまたはトルエン溶液における粘度(25℃、mPa・s)が、好ましくは300~15000、より好ましくは500~12000である。
(含有量)
変性アクリル樹脂(a)の含有量は、所望の物性を有する塗膜を容易に得ることができる等の観点から、アクリル塗料の固形分100質量%に対し、好ましくは20~60質量%、より好ましくは30~50質量%である。
本発明における「塗料組成物の固形分」とは、塗料組成物の、JIS K5601-1-2の規格(加熱温度:125℃、加熱時間:60分)に従って測定された加熱残分を意味し、通常は、変性アクリル樹脂(a)、乾燥促進剤(b)、可塑剤(c)等の塗膜形成主要成分、ならびに、顔料(d)およびその他の成分中の固体成分からなる。
(ガラス転移温度)
前記変性アクリル樹脂(a)の内、前記不飽和モノマー由来の構造単位のガラス転移温度(Tg、理論値)は、硬度、耐汚染性、耐クラック性およびインターバル付着性にバランスよく優れる上塗り塗膜を容易に得ることができる等の点から、好ましくは20~70℃、より好ましくは25~50℃である。Tgが前記範囲を下回ると、形成される上塗り塗膜の硬度が低下し易く、耐汚染性にも悪影響を生じる傾向にある。また、Tgが前記範囲を上回ると、形成される上塗り塗膜の耐クラック性やインターバル付着性が低下する傾向にある。
前記Tgは、Fox T.G.,Bull.Am.Physics Soc.1,3,第123頁(1956)に記載の、下記Foxの式により近似的に算出することができる。
Figure 0007028591000001
[式中、Xnは、前記変性アクリル樹脂(a)の合成に用いる不飽和モノマーの合計100質量%に対する不飽和モノマーnの質量分率(質量%/100)であり、Tgnは、該モノマーnのホモポリマーのガラス転移温度(ケルビン)である]
Tgnは、例えば、Polymer Handbook 2nd Edition,J.Wiley & Sons,New York(1975)に記載の値を参考にできる。このハンドブックによれば、例えば、ポリスチレンのTgは373Kであり、ポリ(メチルメタクリレート)のTgは378Kであり、ポリ(ブチルメタクリレート)のTgは297Kであり、ポリメタクリル酸2-ヒドロキシルエチルのTgは328Kであり、ポリメタクリル酸のTgは458Kである。
〈乾燥促進剤(b)〉
前記アクリル塗料は、前記特定の変性アクリル樹脂(a)と共に乾燥促進剤(b)を含むため、耐気泡フクレ性およびインターバル付着性に優れる上塗り塗膜を得ることができる。
乾燥促進剤(b)としては特に限定されないが、酸化重合による架橋反応を促進する作用を有する物質であることが好ましく、具体的には、脂肪酸の金属塩、金属酸化物、単体金属等が挙げられる。
乾燥促進剤(b)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記脂肪酸としては、オクチル酸、ナフテン酸、ネオデカン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラギン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、トウハク酸、リンデル酸、ツズ酸、マッコウ酸、ミリストオレイン酸、ゾーマリン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、鯨油酸、エルシン酸、サメ油酸、リノール酸、ヒラゴ酸、エレオステアリン酸、プニカ酸、トリコサン酸、リノレン酸、モノクチ酸、パリナリン酸、アラギドン酸、イワシ油酸、ヒラガシラ酸、ニシン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸等が挙げられる。
前記金属としては、コバルト、マンガン、ジルコニウム、リチウム、バリウム、亜鉛、銅、鉄、カルシウム、マグネシウム、セリウム、アルミニウム等が挙げられる。
乾燥促進剤(b)としては、より耐気泡フクレ性およびインターバル付着性に優れる上塗り塗膜を容易に得ることができる等の点から、脂肪酸の金属塩が好ましく、特に、ナフテン酸コバルト系化合物、ナフテン酸カルシウム系化合物、オクチル酸ジルコニウム系化合物およびオクチル酸バリウム系化合物が好ましい。
乾燥促進剤(b)の含有量は、塗膜の硬化性およびエポキシ樹脂系防食塗膜とのインターバル付着性に優れる上塗り塗膜を容易に得ることができる等の点から、変性アクリル樹脂(a)100質量部に対し、好ましくは0.05~10質量部、より好ましくは0.1~5質量部である。
〈可塑剤(c)〉
アクリル塗料は、耐クラック性や耐水性の向上、特に、エポキシ樹脂系防食塗膜の形成からアクリル塗料を塗布するまでの時間が長期間になった場合の、下塗り塗膜と上塗り塗膜との付着性を向上させることができる等の点から、可塑剤(c)を含むことが好ましい。
可塑剤(c)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
可塑剤(c)としては特に限定されないが、塩素化パラフィン、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、マレイン酸エステル、安息香酸エステル、アクリル樹脂(但し、変性アクリル樹脂(a)を除く)、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、可塑剤(c)は市販品でもよく、該市販品としては、塩素化パラフィンである「トヨパラックス150」(東ソー(株)製)、フタル酸エステルである「DOP」(シージーエスター(株)製)、アジピン酸エステルである「モノサイザーW-242」(DIC(株)製)、トリメリット酸エステルである「モノサイザーW-705」(DIC(株)製)、リン酸エステルである「TCP」(大八化学工業(株)製)、ポリエステル樹脂である「BAA-15」(大八化学工業(株)製)等が挙げられる。この中でも、「トヨパラックス150」、「DOP」、「TCP」が好ましい。これら可塑剤は、塗料用途によく使用されるものであり、入手もしやすい。
可塑剤(c)の含有量は、より上塗り塗膜のインターバル付着性および粘着性などにバランスよく優れる等の点から、アクリル塗料中の固形分100質量%に対して、0.5~10質量%が好ましい。可塑剤(c)の含有量が0.5質量%未満であると、エポキシ樹脂系防食塗膜の形成からアクリル塗料を塗布するまでの時間が長期間(60日以上)になった場合の、下塗り塗膜と上塗り塗膜との付着性が低下する場合がある。可塑剤(c)の含有量が10質量%を超えると、上塗り塗膜の粘着性が大きくなる傾向にある。
〈顔料(d)〉
顔料(d)としては特に限定されないが、着色顔料、体質顔料、機能性顔料等が挙げられ、所望の物性に応じて適宜選択して使用すればよい。
顔料(d)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
着色顔料の例としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン、アゾ系化合物、縮合多環系化合物が挙げられる。
体質顔料の例としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、シリカが挙げられる。
機能性顔料の例としては、導電顔料、蛍光顔料、アルミ顔料、ステンレス顔料が挙げられる。
(顔料体積濃度(PVC))
アクリル塗料中の顔料体積濃度(PVC)は、上塗り塗膜の強靭性および光沢などにバランスよく優れる等の点から、15~45%であることが好ましく、18~40%であることがより好ましく、20~38%であることが特に好ましい。PVCが低すぎると、塗膜の耐気泡フクレ性が低下する傾向にあり、高すぎると、インターバル付着性が低下する傾向にある。
なお、本明細書中のPVCとは、塗料組成物中の固形分の体積に対する、顔料の合計の体積濃度を指す。PVCは、具体的には下記式より求められる。
PVC(%)=顔料の合計の体積/塗料組成物中の固形分の体積×100(%)
なお、PVCは、より具体的には、前記JIS K5601-1-2に基づいて、加熱残分の質量および真密度を測定し、さらに、該加熱残分より顔料を分離し、分離された顔料の質量および真密度を測定することで、PVCを算出することができる。
〈その他の成分〉
アクリル塗料は、必要により、本発明の効果を損なわない範囲で、前記以外のその他の成分として、タレ止め・沈降防止剤、消泡剤、皮張り防止剤および溶剤等を含んでいてもよい。
これらその他の成分は、それぞれ、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
タレ止め・沈降防止剤としては、アマイドワックス系揺変剤、水添ヒマシ油系揺変剤、酸化ポリエチレン系揺変剤等の有機系揺変剤;ベントナイト等の粘土鉱物、合成微粉シリカ等の無機系揺変剤が挙げられ、アマイドワックス系揺変剤、酸化ポリエチレン系揺変剤、合成微粉シリカ、およびベントナイト等の粘土鉱物が好ましい。
このようなタレ止め・沈降防止剤の市販品としては、アマイドワックス系化合物である「ディスパロンA630-20X」(楠本化成(株)製)等が挙げられる。
タレ止め・沈降防止剤は、アクリル塗料中に、例えば、0.1~10質量%の量で含有することが好ましい。
消泡剤としては、アクリル系、ビニルエーテル系、シリコーン系、ブタジエン系、オレフィン系、およびフッ素系の化合物等が挙げられる。このような消泡剤の市販品としては、アクリル系化合物である「ディスパロンOX-720」(楠本化成(株)製)等が挙げられる。
消泡剤は、アクリル塗料中に、例えば、0.01~5質量%の量で含有することが好ましい。
皮張り防止剤としては、オキシム系化合物やフェノール系化合物などの酸化防止剤が用いられる。このような皮張り防止剤の市販品としては、オキシム系化合物である「MEKオキシム」(宇部興産(株)製)等が挙げられる。
皮張り防止剤は、アクリル塗料中に、例えば、0.01~2質量%の量で含有することが好ましい。
溶剤としては特に限定されないが、トルエン、キシレン、「スワゾール1000」(丸善石油化学(株)製)、「ソルベッソ100」、「ソルベッソ150」(エクソンモービル社製)、「LAWS」(シェル社製)等の芳香族炭化水素系溶剤、エチレングリコールモノブチルエーテル、イソプロピルアルコール、n-ブタノール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、n-ヘキサン、n-オクタン、2,2,2-トリメチルペンタン、イソオクタン、n-ノナン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、ミネラルスピリット等の石油系溶剤等が挙げられる。
<エポキシ樹脂系防食塗膜>
前記エポキシ樹脂系防食塗膜(下塗り塗膜)は、エポキシ樹脂系防食塗料組成物(以下「エポキシ塗料」ともいう。)から形成される塗膜である。該エポキシ塗料としては、特に制限されず、従来公知のエポキシ樹脂系防食塗料組成物を用いることができるが、該塗料から形成される下塗り防食塗膜の防食性および基材との密着性の観点から、エポキシ樹脂(p)およびエポキシ樹脂用硬化剤(q)を含有することが好ましい。
〈エポキシ樹脂(p)〉
前記エポキシ樹脂(p)としては、特に制限されないが、分子内に2個以上のエポキシ基を有するポリマーまたはオリゴマー、およびそのエポキシ基が開環反応したポリマーまたはオリゴマー等が挙げられる。このようなエポキシ樹脂としては、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂、脂環族型エポキシ樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂(p)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
これらの中でも、防食性および基材との密着性に優れる塗膜を形成できる等の点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂であることが好ましく、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型およびビスフェノールF型のエポキシ樹脂から選択される1種以上であることがより好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であることが特に好ましい。
前記エポキシ樹脂(p)は、防食性向上の観点から、溶剤等を含む塗料中に、通常10~60質量%、好ましくは20~50質量%の量で、また塗料の固形分100質量%に対して、通常10~70質量%、好ましくは20~60質量%の量で含まれていることが望ましい。
エポキシ樹脂(p)の重量平均分子量およびエポキシ当量は、得られる塗料の塗装硬化条件(例:常乾塗装または焼付け塗装等)などにも依り、一概に決定されないが、そのGPC法により測定した重量平均分子量は通常350~20000であり、エポキシ当量は通常150~1000である。
エポキシ樹脂(p)は、従来公知の方法で合成して得てもよく、市販品であってもよい。該市販品の内、常温で液状のものとしては、「jER-828」(三菱ケミカル(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量180~190)、「E-028-90X」(大竹明新化学(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂キシレン溶液、固形分90%、エポキシ当量約210)等が挙げられる。
常温で半固形状のものとしては、「jER834」(三菱ケミカル(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量230~270)、「E-834-85X」(大竹明新化学(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂キシレン溶液、固形分85%、エポキシ当量約290~310)等が挙げられる。
常温で固形状のエポキシ樹脂としては、「jER1001」(三菱ケミカル(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量450~500)、「E-001-75X」(大竹明新化学(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂キシレン溶液、固形分75%、エポキシ当量約600~650)、「jER1004」(三菱ケミカル(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量875~975)等が挙げられる。
〈エポキシ樹脂用硬化剤(q)〉
エポキシ樹脂用硬化剤(q)としては特に制限されないが、具体的には、アミン硬化剤および酸無水物系硬化剤が挙げられ、脂肪族系、脂環族系、芳香族系、複素環系などのアミン硬化剤が好ましい。
硬化剤(q)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
脂肪族系アミン硬化剤としては、アルキレンポリアミン、ポリアルキレンポリアミン等が挙げられる。
前記アルキレンポリアミンとしては、例えば、式:H2N-R1-NH2(R1は、炭素数1~12の二価炭化水素基である。)で表される化合物が挙げられ、具体的には、メチレンジアミン、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、トリメチルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
前記ポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、式:H2N-(Cm2mNH)nH(mは1~10の整数である。nは2~10であり、好ましくは2~6の整数である。)で表される化合物が挙げられ、具体的には、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、テトラプロピレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ノナエチレンデカミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン等が挙げられる。
これら以外の脂肪族系アミン硬化剤としては、テトラ(アミノメチル)メタン、テトラキス(2-アミノエチルアミノメチル)メタン、ジエチルアミノプロピルアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、ビス(シアノエチル)ジエチレントリアミン等が挙げられる。
脂環族系アミン硬化剤としては、具体的には、1,4-シクロヘキサンジアミン、4,4'-メチレンビス(シクロヘキサンアミン)、4,4'-イソプロピリデンビス(シクロヘキサンアミン)、ノルボルナンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン(MDA)等が挙げられる。
芳香族系アミン硬化剤としては、ビス(アミノアルキル)ベンゼン、ビス(アミノアルキル)ナフタレン、ベンゼン環に結合した2個以上の1級アミノ基を有する芳香族ポリアミン化合物等が挙げられる。
この芳香族系アミン硬化剤として、より具体的には、o-キシリレンジアミン、m-キシリレンジアミン(MXDA)、p-キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルフェニルメタン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、2,4'-ジアミノビフェニル、2,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメトキシ-4,4'-ジアミノビフェニル、ビス(アミノメチル)ナフタレン、ビス(アミノエチル)ナフタレン等が挙げられる。
複素環系アミン硬化剤としては、具体的には、ピペラジン、N-メチルピペラジン、モルホリン、1,4-ビス-(3-アミノプロピル)-ピペラジン、1,4-ジアザシクロヘプタン、1-(2'-アミノエチルピペラジン)、1-[2'-(2''-アミノエチルアミノ)エチル]ピペラジン、1,11-ジアザシクロエイコサン、1,15-ジアザシクロオクタコサン等が挙げられる。
その他のアミン硬化剤としては、ポリエーテルジアミン等が挙げられる。
前記アミン硬化剤としては、さらに、前述したアミン硬化剤の変性物、ポリアミド、ポリアミドアミン(ポリアミド樹脂)、エポキシ化合物とのアミンアダクト、マンニッヒ化合物(例:マンニッヒ変性ポリアミドアミン)、マイケル付加物、ケチミン、アルジミン、フェナルカミン等が挙げられる。
前記アミン硬化剤の市販品としては、具体的には、脂肪族ポリアミンである「ACIハードナーK-39」(PTIジャパン(株)製)、ポリアミドアミンである、「PA-66」、「PA-23」および「PA-290(A)」(いずれも、大竹明新化学(株)製)、変性ポリアミンである「MAD-204(A)」(大竹明新化学(株)製)、マンニッヒ変性ポリアミドアミンである「アデカハードナーEH-342W3」((株)ADEKA製)、マンニッヒ変性脂肪族ポリアミンである「サンマイドCX-1154」(三和化学(株)製)、「カードライトNX-4918」(カードライト社製)、フェノルカミンアダクトである「カードライトNC556X80」(カードライト社製)等が挙げられる。
前記アミン硬化剤の活性水素当量は、防食性に優れる下塗り防食塗膜(A)が得られる等の点から、好ましくは50~1000、より好ましくは80~400である。
エポキシ塗料は、硬化剤(q)としてアミン硬化剤を用いる場合、当量比(硬化剤の使用量/活性水素当量)/(エポキシ樹脂の使用量/エポキシ当量)が、好ましくは0.20~0.9、より好ましくは0.25~0.75となるような量で用いる。
酸無水物系硬化剤としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6-エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサクロルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチル-3,6-エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
〈他の成分〉
エポキシ塗料は、エポキシ樹脂(p)および硬化剤(q)の他に、硬化促進剤、前記顔料(d)、タレ止め・沈降防止剤、消泡剤および溶剤を含んでいてもよく、基材への密着性および価格の観点から、前記顔料(d)を含有することが好ましい。
ISO3233に準拠して測定されるエポキシ塗料の固形分の容積率(VS)は、好ましくは50~100%、より好ましくは55~90%、特に好ましくは60~85%である。
〈エポキシ樹脂系防食塗膜の形成方法〉
エポキシ樹脂系防食塗膜は、前記エポキシ塗料を用いて、従来公知の方法で形成すればよく、具体的には、基材に、エポキシ塗料を塗装し、塗装された該塗料を乾燥、硬化させることで形成できる。
前記エポキシ塗料の塗装方法としては、特に制限されず、スプレー塗装、ハケ塗り、ローラー塗りなど従来公知の方法が利用できる。これらの中でも、大型(大面積)の基材を容易に塗装できる等の点から、スプレー塗装が好ましい。
なお、塗装の際には、必要に応じて各種溶剤にて希釈したものを用いることができる。該溶剤としては、相溶性や乾燥性のよいものであれば制限なく、前述した溶剤を使用することができる。
前記基材としては特に限定されないが、その素材としては、鉄鋼、アルミニウム、FRP(繊維強化プラスチック)等が挙げられる。前記基材としては、特に、本発明の効果がより発揮される等の点から、(大型)鉄鋼構造物であることが好ましく、具体的には、船舶、橋梁、タンク、プラント、海上ブイ、海中パイプライン等が挙げられる。特に、客船、貨物船、タンカーなどの船体(船舶)の外表面(特に船舶の外舷部、水線部、デッキ、上部構造部等の部位)には、耐気泡フクレ性や下塗り塗膜とのインターバル付着性などが求められる。
なお、エポキシ塗料を塗装する前に、必要により表面処理を行ってもよく、具体的には、塗装予定の基材表面に既に発生・付着している錆、油脂、水分、塵埃などの基材表面の付着物を清掃・除去してもよく、また、基材の材質に応じてシーラー、バインダー、プライマー等を予め塗布してもよい。
すなわち、前記基材としては、シーラー、バインダー、プライマー等で塗装された基材も含まれる。
前記塗装された塗料を乾燥、硬化させる方法としては特に制限されず、硬化時間を短縮させるために5~60℃程度の加熱により乾燥、硬化させてもよいが、通常は、常温、大気下で1~14日程度放置することで、塗装したエポキシ塗料を乾燥、硬化させる。
前記エポキシ樹脂系防食塗膜の厚さは特に制限ないが、通常は50μm~500μm、好ましくは100μm~350μmである。
このような膜厚の塗膜を形成する際は、1回の塗装で、前記所望の厚みの塗膜を形成してもよいし、2回(必要によりそれ以上)の塗装で、前記所望の厚みの塗膜を形成してもよい。
≪積層塗膜≫
本発明に係る積層塗膜は、前記エポキシ樹脂系下塗り防食塗膜と、前記アクリル塗料から形成された上塗り塗膜との積層塗膜である。
このような積層塗膜は、エポキシ塗料を用いて、下塗り防食塗膜(A)を形成し、該下塗り防食塗膜(A)上にアクリル塗料を用いて上塗り塗膜(B)を形成することで、製造することができるが、具体的には、前記基材に、エポキシ塗料を塗装し、塗装された該塗料を乾燥、硬化させて下塗り防食塗膜(A)を形成する工程、および、下塗り防食塗膜(A)上に、アクリル塗料を塗装し、塗装された該塗料を乾燥、硬化させて上塗り塗膜(B)を形成する工程を含む方法により、製造することができる。後者の方法では、塗膜付き基材が製造される。
なお、エポキシ塗料を塗装する前に、必要により前記表面処理を行ってもよい。
前記エポキシ塗料およびアクリル塗料の塗装方法としては、前記エポキシ塗料の塗装方法と同様の方法等が挙げられ、好ましい方法も同様である。
なお、塗装の際には、前記のとおり、必要に応じて各種溶剤にて希釈したものを用いることができる。
前記塗装された塗料を硬化させる方法としては特に制限されず、前記エポキシ塗料を硬化させる方法と同様の方法等が挙げられる。
前記アクリル塗料は、所望の用途や塗装現場の状況等にもよるが、通常、エポキシ塗料が硬化した下塗り防食塗膜(A)を形成してから、一定期間(インターバル)を空けて塗装される。
前記インターバルとしては、通常、1~120日程度である。前記アクリル塗料としては、このように、120日もの間下塗り防食塗膜(A)の形成から時間が空くことが十分に考えられる(場合によっては、180日程度のインターバルが要求される)ため、該アクリル塗料の性質として、このような塗膜に対する付着性に優れることが求められる。前記アクリル塗料は、前述の効果を奏するため、下塗り防食塗膜(A)の形成から1~120日程度インターバルを空けて塗装する用途に好適に用いることができる。
前記下塗り塗膜(A)の厚さは特に制限ないが、通常は50μm~500μm、好ましくは100μm~350μmである。
また、前記上塗り塗膜(B)の厚さも特に制限ないが、通常は20μm~350μm、好ましくは30μm~150μmである。
このような膜厚の塗膜を形成する際は、1回の塗装で、前記所望の厚みの塗膜を形成してもよいし、2回(必要によりそれ以上)の塗装で、前記所望の厚みの塗膜を形成してもよい。
前記積層塗膜は、日射等により塗膜が高温多湿環境に曝され、気泡によるフクレやインターバル付着性の課題が生じうる基材用の塗膜として好適に使用することができる。つまり、前記積層塗膜は、通常、基材上に設けられて、該積層塗膜と基材とを含む塗膜付き基材として使用される。
以下、本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
以下に記載の試験方法で、得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)、比重、酸価(mgKOH/g)およびヨウ素価(固形分換算値)を測定し、樹脂溶液中の固形分(質量%)を測定した。結果を表1または表2に示す。なお、表1および表2中の「比重(全体)」は、以下で得られた樹脂溶液全体の比重を示し、「比重(固形分)」は、以下で得られた樹脂溶液中の固形分の比重を示す。以下同様の記載は、同様の意味を示す。
(重量平均分子量(Mw)の測定)
重量平均分子量は、GPC法により、装置(東ソー(株)製、HLC-8220GPC)、カラム(SuperH2000+SuperH4000(東ソー(株)製、内径6mm/長さ各15cm))、カラム温度(40℃)、溶離液(テトラヒドロフラン)、流速(0.50mL/min.)、検出器(RI)、標準物質(ポリスチレン)の条件にて測定した。
(固形分の測定)
樹脂溶液を108℃の熱風乾燥機中3時間乾燥した後の加熱残分(「固形分」と同義)を計測し、以下の式から算出した。
固形分(質量%)=(前記加熱残分の質量/加熱前の樹脂溶液の質量)×100(%)
(比重の測定)
前記「比重(全体)」および「比重(固形分)」は、JIS K 0061;2001(化学製品の密度及び比重測定方法)に準拠して測定した。
(酸価の測定)
コニカルビーカーに樹脂1~5gを正確に秤量し、トルエン/エタノール=7/3(体積比)混合溶液を30~50ml加えて該樹脂を溶かし、指示薬としてフェノールフタレイン-エタノール溶液を2滴加え、N/10水酸化カリウム-エタノール溶液で滴定した。液の赤みが30秒間消えなくなったときを滴定の終点とし、酸価は次式によって計算した。
酸価=(B×f×5.61)/S
(B:水酸化カリウム-エタノール溶液の使用量(ml)、f:水酸化カリウム-エタノール溶液のファクター、S:樹脂の質量(g))
(ヨウ素価の測定)
共栓付きフラスコに、樹脂0.2~5gを正確に秤量し、四塩化炭素10mlを加えて該樹脂を溶解し、さらにウィイス液25mlを正確に加えた。栓をしたのち、30分間常温で暗所に置いた。次に、10W/V%ヨウ化カリウム水溶液20mlおよび水100mlを加えて振り混ぜた。N/10チオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定し、溶液が微黄色になった後、デンプン溶液を数滴加え、よく振り混ぜながら滴定を続け、デンプンによる青色が消失した時を終点とすることで本試験を行った。なお前記本試験と並行して、樹脂を用いない以外は本試験と同様の空試験を行った。
ヨウ素価は、次式によって計算した。算出したヨウ素価と前記固形分とから、固形分換算におけるヨウ素価を算出した。
ヨウ素価=((A-B)×f×1.269)/S
(A:空試験のN/10チオ硫酸ナトリウム水溶液使用量(ml)、B:本試験のN/10チオ硫酸ナトリウム水溶液使用量(ml)、f:N/10チオ硫酸ナトリウム水溶液のファクター、S:樹脂の質量(g))
[合成例1]<アルキド樹脂溶液(K1)の合成>
反応器内に大豆油脂肪酸311.55質量部と、無水フタル酸230.70質量部と、グリセリン82.05質量部と、ペンタエリスリトール98.55質量部と、安息香酸27.15質量部と、還流溶剤としてキシレン22.50質量部とを仕込んだ。
窒素気流下で、得られた混合液を220℃まで昇温し、6時間保温した後冷却し、その後キシレン650.80質量部を加えてアルキド樹脂溶液(K1)を調製した。
[合成例2]<アルキド樹脂溶液(K2)の合成>
アルキド樹脂溶液(K1)の合成において、保温時間を3時間に変更したこと以外は、(K1)の合成と同様にアルキド樹脂溶液(K2)を調製した。
アルキド樹脂溶液(K2)中のアルキド樹脂(K2)のMwは16000であった。また、アルキド樹脂溶液(K2)中の固形分は50.0質量%であり、アルキド樹脂(K2)の酸価は6.4mgKOH/gであった。
[製造例1]<アクリル樹脂溶液(a1)の合成>
反応器内に、溶剤としてキシレン57.67質量部およびトルエン9.00質量部を仕込み、混合液を得た。窒素気流下で、前記混合液を125℃(反応温度)まで昇温させた後、モノマー成分の混合液(スチレン:40.00質量部、メタクリル酸メチル(MMA):18.90質量部、n-ブチルアクリレート(BA):31.10質量部、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル(2-HEMA):8.90質量部、および、メタクリル酸(MAA):1.10質量部)100質量部と、開始剤(t-ブチルパーオキシベンゾエート)1.00質量部との混合液を、125℃を維持しながら3時間かけて滴下した。滴下後、同温度(125℃)で1時間保温した後、t-ブチルパーオキシベンゾエート0.3質量部を加えて2時間保温した後、冷却し、キシレン33.33質量部を加えてアクリル樹脂溶液(a1)を調製した。
[製造例2]<変性アクリル樹脂溶液(a2)の合成>
反応器内に、前記で得られたアルキド樹脂溶液(K1)10.00質量部(固形分換算で5.00質量部)と、溶剤としてキシレン52.67質量部およびトルエン9.00質量部とを仕込み、混合液を得た。窒素気流下で、前記混合液を125℃(反応温度)まで昇温させた後、モノマー成分の混合液(スチレン:38.00質量部、メタクリル酸メチル(MMA):18.00質量部、n-ブチルアクリレート(BA):29.50質量部、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル(2-HEMA):8.45質量部、および、メタクリル酸(MAA):1.05質量部)95質量部と、開始剤(t-ブチルパーオキシベンゾエート)1.00質量部との混合液を、125℃を維持しながら3時間かけて滴下した。滴下後、同温度(125℃)で1時間保温した後、t-ブチルパーオキシベンゾエート0.3質量部を加えた。2時間保温した後、冷却し、キシレン33.33質量部を加えて変性アクリル樹脂溶液(a2)を調製した。
[製造例3~13]<変性アクリル樹脂溶液(a3)~(a13)の合成>
製造例2の樹脂溶液(a2)の合成において、使用したアルキド樹脂溶液およびモノマー成分の混合液を表1または2に示す組成に変更したこと以外は樹脂溶液(a2)の合成と同様にして、変性アクリル樹脂溶液(a3)~(a13)を調製した。その際に、有機溶剤および開始剤の量は適宜調整して製造を行った。なお、表1または2中のアルキド樹脂(K1)および(K2)の配合量(質量部)は固形分の値を示す。
Figure 0007028591000002
Figure 0007028591000003
<変性アクリル樹脂系塗料組成物(E1)の製造例>
容器に、変性アクリル樹脂(a)として製造例4の変性アクリル樹脂溶液(a4)45.5質量部を添加した。次に、可塑剤(c)として「トヨパラックス150」(東ソー(株)製)1質量部を添加し、さらに、顔料(d)として、「GPS-55」(丸尾カルシウム(株)製)0.2質量部、「沈降性硫酸バリウム100」(堺化学工業(株)製)28.5質量部、「三菱カーボンブラックMA-100」(三菱ケミカル(株)製)1質量部、および、「ネオライト SP-100」(竹原化学工業(株)製)3.5質量部を添加した。次いで、溶剤として、「スワゾール1000」(丸善石油化学(株)製)7.1質量部、「ブチセロ」(三協化学(株)製)2質量部、キシロール(大伸化学(株)製)3.4質量部、および、n-ブタノール(ダウ・ケミカル日本(株)製)3.2質量部を添加した。
その後、ガラスビーズGB605M(ポッターズ・バロティーニ(株)製)を添加し、ペイントシェーカー(浅田鉄工(株)製)を用いてこれらの配合成分を混合した。次いで、ガラスビーズを取り除き、その他の添加剤として、「ディスパロンA630-20X」(楠本化成(株)製)3質量部、「ディスパロンOX-720」(楠本化成(株)製)0.5質量部、および、「MEKオキシム」(宇部興産(株)製)0.5質量部を添加して、さらに乾燥促進剤(b)として、「ナフテックス コバルト6%(T)」(日本化学産業(株)製)0.2質量部、「12% Zr-OCTOATE」(DIC(株)製)0.1質量部、および、「ナフテックス カルシウム3%(T)」(日本化学産業(株)製)0.3質量部を添加して、ディスパー「HOMODISPER MODEL 2.5」(プライミクス(株)製)で混合し、変性アクリル樹脂系塗料組成物(E1)を製造した。
<変性アクリル樹脂系塗料組成物(E2)~(E22)およびアクリル樹脂系塗料組成物(C1)~(C8)の製造例>
各成分の種類および配合量を表3~5に示すとおりに変更した以外は組成物(E1)の製造例と同様にして、塗料組成物(E2)~(E22)および(C1)~(C8)をそれぞれ製造した。なお、表3~5中の樹脂溶液(a)の配合量(質量部)は溶液の値を示す。
塗料組成物(E1)~(E22)および(C1)~(C8)の製造例で用いた各成分の詳細を表6に示す。
なお、塗料組成物の固形分(加熱残分)は、JIS K5601-1-2(加熱温度:125℃、加熱時間:60分)に従って測定した。
Figure 0007028591000004
Figure 0007028591000005
Figure 0007028591000006
Figure 0007028591000007
<エポキシ樹脂系防食塗料組成物(P1)の製造例>
容器に、エポキシ樹脂「E-001-75X」(大竹明新化学(株)製)5質量部、エポキシ樹脂「E-834-85X」(大竹明新化学(株)製)23.7質量部を添加した。次に、顔料として、「R-5N」(堺化学工業(株)製)3質量部、「三菱カーボンブラックMA-100」(三菱ケミカル(株)製)0.1質量部、「TTKタルク」(竹原化学工業(株)製)22質量部、および、「セラミックパウダーOF-T」(キンセイマテック(株)製)18質量部を添加した。さらに、添加剤として、「KBM-403」(信越化学工業(株)製)0.3質量部、「DISPARON6650」(楠本化成(株)製)1質量部を添加した。次いで、溶剤として、「メトキシプロパノール」(ダイセル化学工業(株)製)4質量部、キシロール(大伸化学(株)製)7.9質量部、および、n-ブタノール(ダウ・ケミカル日本(株)製)1質量部を添加した。
その後、ガラスビーズGB605Mを添加し、ペイントシェーカー(浅田鉄工(株)製)を用いてこれらの配合成分を混合した。次いで、このガラスビーズを取り除き、エポキシ樹脂系防食塗料組成物(P1)の主剤成分を製造した。
主剤成分を製造したのとは別の容器に、アミン硬化剤として、「PA-66」(大竹明新化学(株)製)7.9質量部、および、「PA-290(A)」(大竹明新化学(株)製)3質量部、および、「カードライトNX-4918」(カードライト社製)3質量部を添加し、次に硬化促進剤として「アンカミンK-54」(エアープロダクツ社製)0.1質量部を添加し、ディスパー「HOMODISPER MODEL 2.5」で配合物を均一に混合して、エポキシ樹脂系防食塗料組成物(P1)の硬化剤成分を製造した。
エポキシ樹脂系防食塗料組成物を塗装する際には、前記主剤成分と硬化剤成分とを表7の「塗装時の混合比」の欄に示した質量比で混合して用いた。
なお、表7における当量比とは、(硬化剤の使用量/活性水素当量)/(エポキシ樹脂の使用量/エポキシ当量)のことを意味する。
<エポキシ樹脂系防食塗料組成物(P2)および(P3)の製造例>
各成分の種類および配合量を表7に示すとおりに変更した以外は組成物(P1)の製造例と同様にして、組成物(P2)および(P3)をそれぞれ製造した。
エポキシ樹脂系防食塗料組成物(P1)~(P3)の製造例で用いた各成分の詳細を表8に示す。
Figure 0007028591000008
Figure 0007028591000009
[実施例1]
<耐気泡フクレ性試験>
環境温度23℃の下、サンドブラスト鋼板(150mm×70mm×2.3mm、Sa2.5以上)上に、エアースプレー塗装機(W-77、アネスト岩田(株)製)を用い、エポキシ樹脂系防食塗料組成物(P1)をウェット膜厚約200μmで塗装した。温度23℃、湿度55%の環境条件下で1日乾燥後、エアレススプレー塗装機(Xフォース、Graco社製)を用い、得られたエポキシ樹脂系防食塗膜上に変性アクリル樹脂系塗料組成物(E1)をウェット膜厚約400μmで塗装した。次いで、温度23℃、湿度55%の環境条件下で1日乾燥後、エアレススプレー塗装機(Xフォース)を用い、得られた変性アクリル樹脂系塗膜上にさらに変性アクリル樹脂系塗料組成物(E1)をウェット膜厚約400μmで塗装し、温度23℃、湿度55%の環境条件下で7日間乾燥させることで、耐気泡フクレ性試験用の塗装鋼板を作成した。
得られた耐気泡フクレ性試験用の塗装鋼板を、温度70℃、湿度70%の恒温恒湿機中に4時間保持する工程と、その後、温度23℃、湿度70%の恒温恒湿機中に4時間保持する工程(計8時間)を1サイクルとして、14サイクル行った。
(評価方法)
14サイクル後の塗装鋼板表面を目視で確認し、フクレの程度を6点満点で評価した。なお、この評価は、サンドブラスト鋼板の塗膜形成面を平面視した状態で、ASTM D714-87に従い、下記表9の判断基準に基づいて評価した。評価値が4以上の場合を、耐気泡フクレ性が良好(合格)の塗膜とした。結果を表10に示す。
Figure 0007028591000010
<インターバル付着性試験>
環境温度23℃の下、前記と同様のサンドブラスト鋼板上に、エアースプレー塗装機(W-77)を用い、エポキシ樹脂系防食塗料組成物(P1)をウェット膜厚約200μmで塗装した。温度23℃、湿度55%の環境条件下で1日乾燥後、得られた下塗り塗膜付き塗装板を屋外暴露台(中国塗料(株)大竹研究所敷地内)に設置し、1、3、7、15、30、60、90または120日間屋外暴露させた。ここで、屋外暴露台に得られた下塗り塗膜付き塗装板を設置する際には、下塗り塗膜が、水平(地面)に対して45°の角度で南側を向くように固定した。以下、屋外暴露とは、この条件で実施したことを意味する。
各日数屋外暴露した塗装板を軽く水洗し、乾燥させた後、下塗り塗膜上に、アプリケーターを用いて変性アクリル樹脂系塗料組成物(E1)をウェット膜厚約200μmで塗装し、温度23℃、湿度55%の環境条件下で7日間乾燥させることで、屋外暴露日数の異なるインターバル付着性試験用の塗装鋼板を作成した。
得られたインターバル付着性試験用の塗装鋼板を、90日間屋外暴露した。暴露後、水洗を行い、温度23℃、湿度55%の環境条件下で1日乾燥した後、碁盤目テープ剥離試験(2mm×2mm、25マス)を行った。
(評価方法)
碁盤目テープ剥離試験は、該塗装鋼板の塗膜表面にカッターガイドを使用し、基材である鋼板に達する深さで、縦6本×横6本の切り傷をつけて25マスの碁盤目を作成した。なお、切り傷の間隔は2mmとした。次に、前記塗膜の碁盤目の部分にセロテープ(登録商標)を強く圧着し、該セロテープの端を塗膜面に対して60°に近い角度で一気に引き剥がし、前記25マス中、残存・付着しているマスの面積である、残存面積率(%)でインターバル付着性を評価した。残存面積率(%)が80%以上の場合をインターバル付着性が良好(合格)の塗膜とした。結果を10に示す。
[実施例2~22および比較例1~8]
変性アクリル樹脂系塗料組成物(E1)の代わりに、表10~12に記載の(変性)アクリル樹脂系塗料組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、耐気泡フクレ性試験およびインターバル付着性試験を行った。結果を表10~12に示す。
Figure 0007028591000011
Figure 0007028591000012
Figure 0007028591000013
[実施例23]
エポキシ樹脂系防食塗料組成物(P1)の代わりに、エポキシ樹脂系防食塗料組成物(P2)または(P3)を用い、下塗り塗膜付き塗装板を屋外暴露させた日数を、7、15、30または90日間に変更した以外は、実施例1と同様にして、インターバル付着性試験を行った。結果を表13に示す。
[実施例24]
変性アクリル樹脂系塗料組成物(E1)の代わりに、変性アクリル樹脂系塗料組成物(E3)を用いた以外は、実施例23と同様にして、インターバル付着性試験を行った。結果を表13に示す。
Figure 0007028591000014
(考察)
変性アクリル樹脂のヨウ素価が4~25の場合、これを含む変性アクリル樹脂系塗料組成物から得られる塗膜は、十分なインターバル付着性を有していた(実施例1~24)。変性アクリル樹脂のヨウ素価が25を超える場合、これを含む変性アクリル樹脂系塗料組成物から得られる塗膜のインターバル付着性は、前記実施例と比べて顕著に低下した(比較例4および5)。変性アクリル樹脂のヨウ素価が4未満の場合、これを含む変性アクリル樹脂系塗料組成物を用いて得られる積層塗膜の耐気泡フクレ性は、顕著に低下した(比較例1~3)。
実施例1、9および10と比較例7との比較、実施例2および11と比較例8との比較から、乾燥促進剤を用いることで、耐気泡フクレ性およびインターバル付着性に優れる積層塗膜が得られ、乾燥促進剤を用いない場合では、得られる積層塗膜のインターバル付着性が顕著に劣る結果となった。
これらの結果から、変性アクリル樹脂のヨウ素価が4~25である樹脂と、少なくとも1種以上の乾燥促進剤とを併用することで、はじめて、十分な耐気泡フクレ性およびインターバル付着性を有する積層塗膜が得られることが分かった。
以上、実施例等を参照しながら本発明を説明してきたが、本発明は係る実施例により限定されるものではなく、例えば、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更は許容される。

Claims (7)

  1. エポキシ樹脂系防食塗膜上に塗装される、
    ヨウ素価が4~25のアルキド樹脂変性アクリル樹脂(a)乾燥促進剤(b)および顔料(d)を含有する、変性アクリル樹脂系塗料組成物であって、
    前記変性アクリル樹脂(a)が、下記式[I]で表される構成単位を有さない樹脂であり、
    前記塗料組成物中の顔料体積濃度(PVC)が15~45%である、変性アクリル樹脂系塗料組成物
    Figure 0007028591000015
    (式中、R1は、水素原子、又は、-O-R3(R3は、水素、又は、炭素数1~4のアルキル基を表わす。)を表わし、R2は、水素、又は、炭素数1~4のアルキル基を表わす。)
  2. さらに可塑剤(c)を含有する、請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記変性アクリル樹脂(a)が、スチレン由来の構造単位を、変性アクリル樹脂(a)100質量%に対し、10~60質量%含有する樹脂である、請求項1または2に記載の塗料組成物。
  4. エポキシ樹脂系下塗り防食塗膜と、請求項1~3の何れか1項に記載の塗料組成物から形成された上塗り塗膜との積層塗膜。
  5. 請求項4に記載の積層塗膜と基材とを含む塗膜付き基材。
  6. 前記基材が鉄鋼構造物である、請求項5に記載の塗膜付き基材。
  7. 下記工程[1]および[2]を含む、塗膜付き基材の製造方法。
    [1]基材に、エポキシ樹脂系防食塗料組成物を塗装し、下塗り防食塗膜(A)を形成する工程
    [2]下塗り防食塗膜(A)上に、ヨウ素価が4~25のアルキド樹脂変性アクリル樹脂(a)乾燥促進剤(b)および顔料(d)を含有する変性アクリル樹脂系塗料組成物であって、該変性アクリル樹脂(a)が、下記式[I]で表される構成単位を有さない樹脂であり、該塗料組成物中の顔料体積濃度(PVC)が15~45%である変性アクリル樹脂系塗料組成物を塗装し、上塗り塗膜(B)を形成する工程
    Figure 0007028591000016
    (式中、R1は、水素原子、又は、-O-R3(R3は、水素、又は、炭素数1~4のアルキル基を表わす。)を表わし、R2は、水素、又は、炭素数1~4のアルキル基を表わす。)

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