JP6125020B2 - 防食塗料組成物、防食塗膜および基材の防食方法 - Google Patents

防食塗料組成物、防食塗膜および基材の防食方法 Download PDF

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Description

本発明は、防食塗料組成物、防食塗膜および基材の防食方法に関し、さらに詳しくは、金属基材との密着性および防食性等に優れる防食塗膜を形成することが可能な防食塗料組成物、該組成物から形成された防食塗膜、ならびに該組成物を用いた金属基材の防食方法に関する。
船舶、陸上構造物、橋梁等の大型の鉄鋼構造物には、腐食防止のため、通常、防食塗料組成物を用いた防食塗装が行われている。防食塗装では、鋼板等の表面に数百〜数千μmの厚さの防食塗膜を形成するように防食塗料組成物を塗布し、鋼板等の表面を該防食塗膜で遮蔽し、鋼板等と、酸素、塩分、水蒸気等との接触を防ぐことで鋼板等の腐食を防止している。
また、膜厚の確保が困難な溶接線、エッジ部にストライプコートが刷毛やローラーで塗装されている。刷毛やローラーでの塗装はスプレー塗装と比較すると、塗膜表面に泡沫が残存し、塗膜外観を損ねるため、塗料に消泡剤が添加されることが一般的である。
消泡剤としては、シリコーン系消泡剤、アクリル/ビニルエーテル系消泡剤等が知られている。
前記塗料組成物として、本出願人は、非タール系エポキシ樹脂、硬化剤、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物、特定の扁平状顔料および体質顔料を含有してなる防食塗料組成物を開示している(特許文献1)。
また、特許文献2には、シリコーン系消泡剤を含有するエポキシ樹脂塗料組成物が開示されており、特許文献3には、アクリル/ビニルエーテル系消泡剤を含有するエポキシ樹脂塗料組成物が開示されている。特許文献4には、ポリオレフィンワックスを含有するエポキシ塗料組成物が開示されている。
特開2000−129168号公報 特開平10−101773号公報 特許4451390号公報 特開平6−145559公報
船舶のバラストタンクなどの構造物にも防食性が要求されるため、防食塗装が行われている。このような構造物には、通常、エポキシ系防食塗料組成物が用いられ、膜厚の確保が困難な溶接線、エッジ部にはストライプコートが刷毛やローラーでの増し塗りにより行われている。この際には、防食性や外観を考慮し、泡噛みが少ないことが重要である。
しかし、従来から知られているシリコーン系消泡剤は、その上に形成される膜の密着性を低下させる傾向にある。また、アクリル/ビニルエーテル系消泡剤では効果が弱く、少量の添加では十分な効果がないことがある。特に、エポキシ樹脂系で層間付着性改質のために液状のアクリルポリマーを添加した塗料において、効果が弱い傾向にある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねたところ、炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含むポリα−オレフィンをエポキシ系防食塗料組成物に添加することにより、前記防食塗料組成物は良好な消泡効果を発揮し、また防食性に優れた塗膜を形成できることを見出した。
本発明の構成は以下の通りである。
[1] エポキシ樹脂(a)、硬化剤(b)、及び炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含むポリα−オレフィン(c)を含有する防食塗料組成物。
[2] 前記防食塗料組成物中の不揮発分100重量部に対して、前記ポリα−オレフィン(c)を0.01〜5重量部(不揮発分)の量で含む、上記[1]に記載の防食塗料組成物。
[3] さらに、シランカップリング剤(d)を含む、上記[1]または[2]に記載の防食塗料組成物。
[4] さらに、アマイドワックス(e)と液状アクリルポリマー(f)とを含む、上記[1]〜[3]の何れか1項に記載の防食塗料組成物。
[5] 前記液状アクリルポリマー(f)が、分岐構造を含む炭素数4〜18のアルキル基を有するアクリレート由来の構造単位を含有する、上記[4]に記載の防食塗料組成物。
[6] 前記液状アクリルポリマー(f)が、イソブチルアクリレートまたは2−エチルヘキシルアクリレート由来の構造単位を含む、上記[4]または[5]に記載の防食塗料組成物。
[7] 前記防食塗料組成物中の不揮発分100重量部に対して、液状アクリルポリマー(f)を0.01〜5重量部(不揮発分)の量で含む、上記[4]〜[6]の何れか1項に記載の防食塗料組成物。
[8] 前記液状アクリルポリマー(f)のガラス転移温度が0℃以下である、上記[4]〜[7]の何れか1項に記載の防食塗料組成物。
[9] さらに、体質顔料(g)を含む、上記[1]〜[8]の何れか1項に記載の防食塗料組成物。
[10] 前記体質顔料(g)が、少なくとも扁平状顔料(h)を含む、上記[9]に記載の防食塗料組成物。
[11] 上記[1]〜[10]の何れか1項に記載の防食塗料組成物から形成された防食塗膜。
[12] 基材上に、上記[1]〜[10]の何れか1項に記載の防食塗料組成物を塗布する工程を含む、基材の防食方法。
[13] 互いに接触しないように収容された主剤成分と硬化剤成分との組み合わせからなる2成分型塗料であって、
前記主剤成分がエポキシ樹脂(a)を含み、前記硬化剤成分が硬化剤(b)を含み、前記主剤成分または前記硬化剤成分の少なくとも一方が炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含むポリα−オレフィン(c)を含む2成分型塗料。
[14] 互いに接触しないように収容された主剤成分と硬化剤成分と少なくとも1つの他の成分との組み合わせからなる多成分型塗料であって、
前記主剤成分がエポキシ樹脂(a)を含み、前記硬化剤成分が硬化剤(b)を含み、前記主剤成分、前記硬化剤成分または前記他の成分の少なくとも1つが炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含むポリα−オレフィン(c)を含む多成分型塗料。
[15] 硬化剤(b)を含む硬化剤成分と混合して上記[1]に記載の防食塗料組成物を製造するための主剤成分であって、
エポキシ樹脂(a)および炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含むポリα−オレフィン(c)を含有する主剤成分。
[16] エポキシ樹脂(a)を含む主剤成分と混合して上記[1]に記載の防食塗料組成物を製造するための硬化剤成分であって、
硬化剤(b)および炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含むポリα−オレフィン(c)を含有する硬化剤成分。
本発明によれば、基材に対する密着性と防食性とに優れる防食塗料組成物であって、刷毛やローラーを用いて塗装しても、塗膜表面の泡沫残存を抑制する防食塗料組成物を得ることができる。
図1は、実施例における付着試験を説明するための概略図である。
≪防食塗料組成物≫
本発明の防食塗料組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)は、エポキシ樹脂(a)、硬化剤(b)、および炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含むポリα−オレフィン(c)を含有する。
本発明の組成物は、これら成分(a)〜(c)を含有するため、基材に対する密着性と防食性とに優れる防食塗料組成物であって、刷毛やローラーを用いて塗装しても、塗膜表面の泡沫を抑制することができる。
このため、本発明の組成物は、バラストタンク等の船舶構造用、刷毛やローラーで塗装される防食塗料組成物として好適に用いられる。
本発明の組成物は、保存安定性等の点から、主剤成分と硬化剤成分とを混合することで調製される、2成分型の組成物(すなわち、互いに接触しないように収容された主剤成分と硬化剤成分との組み合わせからなる2成分型塗料であって、前記主剤成分がエポキシ樹脂(a)を含み、前記硬化剤成分が硬化剤(b)を含み、前記主剤成分または前記硬化剤成分の少なくとも一方が炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含むポリα−オレフィン(c)を含む2成分型塗料の各成分を混合することで調製される組成物)であることが好ましい。また、本発明の組成物は、硬化剤の選択により、1成分型とすることも可能である。
また、本発明の組成物は、多成分型(すなわち、互いに接触しないように収容された主剤成分と硬化剤成分と少なくとも1つの他の成分との組み合わせからなる多成分型塗料であって、前記主剤成分がエポキシ樹脂(a)を含み、前記硬化剤成分が硬化剤(b)を含み、前記主剤成分、前記硬化剤成分または前記他の成分の少なくとも1つが炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含むポリα−オレフィン(c)を含む多成分型塗料の各成分を混合することで調製される組成物)とすることも可能である。前記他の成分に含まれる成分としては、組成物の塗装性や、該組成物から形成される塗膜の物性向上に寄与するものが挙げられ、たとえば、炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含むポリα−オレフィン(c)、シランカップリング剤(d)、アマイドワックス(e)、液状アクリルポリマー(f)、体質顔料(g)、着色顔料、タレ止め・沈降防止剤、溶媒、可塑剤、硬化促進剤、無機脱水剤(安定剤)、防汚剤等が挙げられる。すなわち、主剤成分が含むエポキシ樹脂(a)、硬化剤成分が含む硬化剤(b)以外の成分であれば、特に制約はない。
<エポキシ樹脂(a)>
前記エポキシ樹脂(a)としては、特に制限されず、例えば、特開平11−343454号公報や特開平10−259351号公報に記載の非タール系エポキシ樹脂が挙げられる。
前記エポキシ樹脂(a)としては、分子内に2個以上のエポキシ基を含むポリマーあるいはオリゴマー、およびそのエポキシ基の開環反応によって生成するポリマーあるいはオリゴマー等が挙げられる。このようなエポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、エポキシ化油系エポキシ樹脂等が挙げられる。
このようなエポキシ樹脂(a)の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテルタイプ);ビスフェノールAD型エポキシ樹脂;エピクロルヒドリンとビスフェノールF(4,4'−メチレンビスフェノール)とから得られるビスフェノールF型エポキシ樹脂;エポキシノボラック樹脂;3,4−エポキシフェノキシ−3',4'−エポキシフェニルカルボキシメタン等から得られる脂環式エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂中のベンゼン環に結合している水素原子の少なくとも1つが臭素原子で置換された臭素化エポキシ樹脂;エピクロルヒドリンと脂肪族2価アルコールとから得られる脂肪族エポキシ樹脂;エピクロルヒドリンとトリ(ヒドロキシフェニル)メタンとから得られる多官能性エポキシ樹脂が挙げられる。
これらの中でも、基材に対する密着性に優れた防食塗膜を形成することができる等の点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましく、さらにはビスフェノールA型およびビスフェノールF型のビスフェノール型エポキシ樹脂がより好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましい。
特に好ましく用いられるビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAポリプロピレンオキシドジグリシジルエーテル、ビスフェノールAエチレンオキシドジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAプロピレンオキシドジグリシジルエーテル等のビスフェノールA型ジグリシジルエーテルなどの縮重合物が挙げられる。
前記エポキシ樹脂(a)は、従来公知の方法で合成して得てもよく、市販品でもよい。
市販品としては、常温で液状のものとして、「E028」(大竹明新化学(株)製、ビスフェノールAジグリシジルエーテル樹脂、エポキシ当量180〜190、粘度12,000〜15,000mPa・s/25℃)、「jER−807」(三菱化学(株)製、ビスフェノールFジグリシジルエーテル樹脂、エポキシ当量160〜175、粘度3,000〜4,500mPa・s/25℃)、「フレップ60」(東レ・ファインケミカル(株)製、エポキシ当量約280、粘度約17,000mPa・s/25℃)、「E−028−90X」(大竹明新化学(株)製、ビスフェノールAジグリシジルエーテル樹脂のキシレン溶液(828タイプエポキシ樹脂溶液)、エポキシ当量約210)等が挙げられ、
常温で半固形状のものとして、「jER−834」(三菱化学(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量230〜270)、「E−834−85X」(大竹明新化学(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のキシレン溶液(834タイプエポキシ樹脂溶液)、エポキシ当量約300)等が挙げられ、
常温で固形状のものとして、「jER1001」(三菱化学(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量450〜500)、「E−001−75」(大竹明新化学(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のキシレン溶液(1001タイプエポキシ樹脂溶液)、エポキシ当量約630)等が挙げられる。前記エポキシ樹脂(a)は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記エポキシ樹脂(a)としては、基材に対する密着性に優れる組成物が得られる等の点から、常温(15〜25℃の温度、以下同様。)で液状または半固形状のものが好ましい。
前記エポキシ樹脂(a)のエポキシ当量は、防食性等の点から、好ましくは150〜1000、より好ましくは150〜600、特に好ましくは180〜500である。なお、エポキシ当量は、JIS K−7236法に基づいて算出される。
前記エポキシ樹脂(a)のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)で測定した重量平均分子量は、得られる組成物の塗装硬化条件(例:常乾塗装または焼付け塗装)などにもより、一概に決定されないが、その重量平均分子量は好ましくは350〜20,000である。
前記エポキシ樹脂(a)は、本発明の組成物中に、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜30重量%の量で含まれる。
また、前記エポキシ樹脂(a)は、本発明の組成物が主剤成分と硬化剤成分とからなる2成分型の組成物(すなわち、前記2成分型塗料の各成分を混合することで調製される組成物)または多成分型の組成物(すなわち、前記多成分型塗料の各成分を混合することで調製される組成物)である場合、前記エポキシ樹脂(a)は主剤成分に含まれ、該主剤成分中に、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは5〜50重量%の量で含まれていることが望ましい。
<硬化剤(b)>
前記硬化剤(b)としては、特に制限されず、アミン硬化剤およびカルボン酸系硬化剤が挙げられるが、中でも、脂肪族系、脂環族系、芳香族系、複素環系などのアミン硬化剤が好ましい。
脂肪族系アミン硬化剤としては、例えば、アルキレンポリアミン、ポリアルキレンポリアミン等が挙げられる。
前記アルキレンポリアミンとしては、例えば、式:H2N−R1−NH2(R1は、炭素数1〜12の二価の炭化水素基であり、該炭化水素基の任意の水素原子は、炭素数1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい。)で表される化合物が挙げられ、具体的には、メチレンジアミン、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、トリメチルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
前記ポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、式:H2N−(Cm2mNH)nH(mは1〜10の整数であり、nは2〜10の整数であり、好ましくは2〜6の整数である。)で表される化合物が挙げられ、具体的には、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、テトラプロピレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ノナエチレンデカミン等が挙げられる。
これら以外の脂肪族系アミン硬化剤としては、テトラ(アミノメチル)メタン、テトラキス(2−アミノエチルアミノメチル)メタン、1,3−ビス(2'−アミノエチルアミノ)プロパン、トリエチレン−ビス(トリメチレン)ヘキサミン、ビス(3−アミノエチル)アミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン等が挙げられる。
脂環族系アミン硬化剤としては、具体的には、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4'−メチレンビスシクロヘキシルアミン、4,4'−イソプロピリデンビスシクロヘキシルアミン、ノルボルナンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン(MDA)等が挙げられる。
芳香族系アミン硬化剤としては、ビス(アミノアルキル)ベンゼン、ビス(アミノアルキル)ナフタレン、ベンゼン環に結合した2個以上の1級アミノ基を有する芳香族ポリアミン化合物等が挙げられる。
この芳香族系アミン硬化剤として、より具体的には、例えば、ビス(シアノエチル)ジエチレントリアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン(MXDA)、p−キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ナフチレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,4'−ジアミノビフェニル、2,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジアミノビフェニル、ビス(アミノメチル)ナフタレン、ビス(アミノエチル)ナフタレンが挙げられる。
複素環系アミン硬化剤としては、具体的には、N−メチルピペラジン、モルホリン、1,4−ビス−(3−アミノプロピル)−ピペラジン、ピペラジン−1,4−ジアザシクロヘプタン、1−(2'−アミノエチルピペラジン)、1−[2'−(2"−アミノエチルアミノ)エチル]ピペラジン、1,11−ジアザシクロエイコサン、1,15−ジアザシクロオクタコサン等が挙げられる。
その他のアミン硬化剤としては、例えば、特公昭49−48480号公報に記載のアミン類(アミン化合物)を使用することもできる。前記アミン硬化剤としては、その他、ジエチルアミノプロピルアミン、ポリエーテルジアミン等が挙げられる。
前記アミン硬化剤としては、さらに、上述したアミン硬化剤の変性物、例えば、ポリアミド、ポリアミドアミン(ポリアミド樹脂)、エポキシ化合物とのアミンアダクト、マンニッヒ化合物(例:マンニッヒ変性ポリアミドアミン)、マイケル付加物、ケチミン、アルジミン、フェナルカミンなどが挙げられる。
カルボン酸系硬化剤としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサクロルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
前記硬化剤(b)としては、従来公知の方法で合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
市販品としては、例えば、脂肪族ポリアミンである「ACIハードナーK−39」(PTIジャパン(株)製)、ポリアミドアミンである「PA−66」、「PA−23」および「PA−290(A)」(いずれも、大竹明新化学(株)製)、変性ポリアミンである「MAD−204(A)」(大竹明新化学(株)製)、マンニッヒ変性ポリアミドアミンである「アデカハードナーEH−342W3」((株)ADEKA製)、マンニッヒ変性脂肪族ポリアミンである「サンマイドCX−1154」(三和化学(株)製)、フェノルカミンアダクトである「カードライトNC556X80」(カードライト社製)が挙げられる。前記硬化剤(b)は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記アミン硬化剤の活性水素当量は、防食性等の点から、好ましくは50〜1000、より好ましくは80〜400である。
前記硬化剤(b)は、本発明の組成物中に、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは2〜40重量%の量で含まれる。
本発明の組成物において、前記硬化剤(b)と前記エポキシ樹脂(a)との当量比(活性水素当量/エポキシ当量)は、好ましくは0.3〜1.5、より好ましくは0.4〜1.0となるような量で用いることが望ましい。この範囲内であれば、所望の速度で完全に硬化できる、防食性に優れるなどの点で好ましい。
本発明の組成物が主剤成分と硬化剤成分とからなる2成分型の組成物(すなわち、前記2成分型塗料の各成分を混合することで調製される組成物)または多成分型の組成物(すなわち、前記多成分型塗料の各成分を混合することで調製される組成物)である場合、前記硬化剤(b)は硬化剤成分に含まれ、該硬化剤成分中に、好ましくは5〜100重量%、より好ましくは10〜100重量%の量で含まれることが望ましい。この硬化剤成分は、前記硬化剤(b)がエポキシ樹脂(a)と反応硬化して生ずる不揮発分(固形分)として50〜100%の量で用いられるように調製されたものであることが好ましく、そのように調製された時の硬化剤成分のE型粘度計で測定した粘度は、取扱い性、塗工性に優れる等の点から、好ましくは100000mPa・s/25℃以下であり、より好ましくは50〜10000mPa・s/25℃である。
なお、不揮発分(固形分)とは、塗膜形成後に固形分となる成分または乾燥塗膜形成成分のことをいい、例えば23℃で24時間、常圧下に静置し、自然乾燥した後に残ったものを意味する。
<ポリα−オレフィン(c)>
前記ポリα−オレフィン(c)は、炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含み、好ましくは50〜100モル%、さらに好ましくは70〜100モル%のα−オレフィン由来の構造単位を含む。
前記ポリα−オレフィン(c)に含まれるα−オレフィン由来の構造単位(モル%)は、13C−NMRを用いた従来の測定方法により算出される。
前記ポリα−オレフィン(c)の重量平均分子量は、好ましくは2000以上、より好ましくは2000〜100000、特に好ましくは2000〜20000である。
前記ポリα−オレフィン(c)の粘度は、4000mPa・s/25℃以下であることが望ましい。また、前記ポリα−オレフィン(c)の動粘度(100℃)は、300mm2/s以下、引火点は220℃以上が望ましい。
前記ポリα−オレフィン(c)は、炭素数6以上のα−オレフィンを用いて合成されるが、主に、該α−オレフィンの炭素(α位)−炭素(β位)二重結合部分が反応して主鎖が形成され、側鎖に炭素数3以上の炭化水素基を有するものとなる。前記炭化水素基としては、好ましくは炭素数3以上、より好ましくは炭素数3〜18、特に好ましくは炭素数6〜10の直鎖状または分枝状アルキル基が、得られる防食塗料組成物は消泡性に優れるなどの点で好ましい。
前記ポリα−オレフィン(c)が炭素数3以上の炭化水素基を側鎖に有さない場合、また、前記重量平均分子量が2000未満である場合は、消泡性が劣る傾向にある。
前記α−オレフィンとしては、C−C二重結合を末端に有し、炭素数6以上、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数8〜12の直鎖状あるいは分枝状、中でも直鎖状のα−オレフィンが好ましく挙げられる。炭素数5以下の場合は、消泡性が劣る。
なお、前記α−オレフィンは、その分子中に、脂環構造、芳香環構造などの環構造、ヒドロキシル基等の極性基を含まないものが好ましい。
前記α−オレフィンの具体例としては、例えば1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンなどが挙げられ、中でも、消泡性に優れる点から、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンがより好ましい。これらの化合物は1種単独でも、また二種類以上の混合物として用いることもできる。また、これらの化合物はC−C二重結合が末端にある限り、とり得る異性体構造のどのような構造を有していてもよく、分枝構造でも直鎖構造でもよい。これらの構造異性体や二重結合の位置異性体の二種類以上を併用することもできる。
前記ポリα−オレフィンとしては、前記α−オレフィンの少なくとも1種以上からなる単独重合体、共重合体が挙げられる。これらの代表例としては、たとえば1−デセンから得られるホモポリマー、1−デセン、1−オクテンおよび1−デセンから選択される少なくとも2種から得られる共重合体などが挙げられる。
前記ポリα−オレフィン(c)は、従来公知の方法により適宜合成してもよいし、市販品を適宜選択して用いてもよい。前記ポリα−オレフィン(c)の市販品の好ましい例としては、「SpectraSyn 40」(重量平均分子量3200、粘度870mPa・s/25℃、1−オクテン、1−デセンおよび1−ドデセンから得られる重合体)、「SpectraSyn Elite150」(重量平均分子量7600、粘度3780mPa・s/25℃、1−オクテン、1−デセンおよび1−ドデセンから得られる重合体)、「SpectraSyn Elite65」(重量平均分子量4400、粘度1410mPa・s/25℃、1−オクテン、1−デセンおよび1−ドデセンから得られる重合体)(ExxonMobil Chemical Company社製)等のポリα−オレフィン等が挙げられる。このようなポリα−オレフィン(c)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ポリα−オレフィン(c)は、本発明の組成物中の不揮発分(固形分)100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部(不揮発分)、より好ましくは0.05〜3重量部、さらに好ましくは0.05〜1重量部(不揮発分)の量で含まれる。前記範囲内であれば、塗膜表面の泡沫が抑制できる点で好ましい。なお、ポリα−オレフィン(c)を5重量部(不揮発分)を越える量で含む場合は、得られる防食塗膜の防食性がやや低下する恐れがある。
このようなポリα−オレフィン(c)は、本発明の組成物を2成分型の防食塗料組成物(すなわち、前記2成分型塗料の各成分を混合することで調製される防食塗料組成物)とする場合は、主剤成分中に含まれていても、硬化剤中に含まれていてもよい。
また、ポリα−オレフィン(c)は、本発明の組成物を多成分型の防食塗料組成物(すなわち、前記多成分型塗料の各成分を混合することで調製される組成物)とする場合は、主剤中に含まれていても、硬化剤中に含まれていても、他の成分中に含まれていてもよい。
本発明の組成物は、このようなポリα−オレフィン(c)を含むため、塗膜表面に安定化された泡沫が残存し難い。また、このような効果は、本発明の組成物に後述するアマイドワックス(e)と液状アクリルポリマー(f)とを含有する場合に、より顕著にみられる。
このような効果は、刷毛やローラーによる塗装時の泡噛み等によって発生する泡沫が、塗料組成物中の親水基と疎水基とを持つ樹脂の存在や添加剤の塗膜表面への配列により安定化するが、それらの樹脂や添加剤との不相溶性を有するポリα−オレフィン(c)がその配列を乱すことにより泡沫の安定化を阻害することで発現していると考えられる。
特に、液状アクリルポリマーは塗膜表面に配列しやすく泡沫を安定化させやすいが、ポリα−オレフィン(c)により効果的に泡沫の安定化を阻害することができる。
<その他の成分>
本発明の組成物中には、前記成分(a)〜(c)の他に、必要に応じて、シランカップリング剤(d)、アマイドワックス(e)、液状アクリルポリマー(f)、体質顔料(g)、着色顔料、タレ止め・沈降防止剤、溶媒、可塑剤、硬化促進剤、無機脱水剤(安定剤)、防汚剤等を、本発明の目的を損なわない範囲で配合してもよい。
これらのその他の成分は、防食塗料組成物に用いられる従来公知のものであればよい。
(シランカップリング剤(d))
前記シランカップリング剤(d)を用いることで、得られる防食塗膜の基材への密着性をさらに向上させることができるのみならず、得られる防食塗膜の耐塩水性等の防食性をも向上させることができるため、本発明の組成物はシランカップリング剤(d)を含むことが好ましい。
このようなシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記、シランカップリング剤(d)としては、特に制限されず従来公知のものを用いることができるが、同一分子内に少なくとも2つの官能基を有し、基材に対する密着性の向上、組成物の粘度の低下等に寄与できる化合物であることが好ましく、式:X−Si(OR)3[Xは、有機質との反応が可能な官能基(例:アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、メタクリル基、ウレイド基、サルファ―基またはこれらの基を含有する炭化水素基等。なお、この炭化水素基にはエーテル結合等が存在していてもよい。)またはアルキル基を示し、ORは、加水分解性基(例:メトキシ基、エトキシ基)を示す。]で表わされる化合物であることがより好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、具体的には、「KBM403」(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)、「サイラエースS−510」(JNC(株)製)等が挙げられる。
本発明の組成物に前記シランカップリング剤(d)を配合する場合には、該シランカップリング剤(d)の配合量は、本発明の組成物の不揮発分100重量部に対し、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.3〜5重量部である。このような量でシランカップリング剤(d)を含む組成物を用いると、基材に対する密着性などの防食塗膜の性能が向上し、本発明の組成物の粘度を下げることができるため、塗装作業性が向上する。
(アマイドワックス(e))
前記アマイドワックス(e)としては、特に制限されないが、植物油脂肪酸とアミンより合成されるアマイドワックスが挙げられる。
このようなアマイドワックス(e)は、従来公知の方法で合成して得てもよく、市販品でもよい。市販品としては、楠本化成(株)製の「ディスパロンA630−20X」、「ディスパロン6650」、伊藤製油(株)製の「ASA T−250F」等が挙げられる。前記アマイドワックス(e)は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、このような塗料組成物の基材に対するタレ止めを向上させるために、従来からタレ止め剤・沈降防止剤(揺変剤)が用いられ、種々の化合物が知られているが、タレ止め効果に優れている等の点から、アマイドワックスを用いることが好ましい。
本発明の組成物中における前記アマイドワックス(e)の含有量(不揮発分)は、本発明の組成物中の不揮発分100重量部に対して、好ましくは0.05〜15重量部であり、より好ましくは0.3〜5重量部であり、さらに好ましくは0.5〜3重量部である。
(液状アクリルポリマー(f))
前記液状アクリルポリマー(f)は、炭素数4〜18のアルキル基を有するアクリレート由来の構造単位を含む。
本発明の組成物には、このような常温(15〜25℃)で液状のアクリルポリマー(f)を用いることが好ましい。液状アクリルポリマー(f)を用いることによりアマイドワックスが含まれていても、本発明の組成物から生じるスプレーダストは、その上に形成される膜の被塗物との密着性を低下させ難い。
従って、このような本発明の組成物は、防食性、基材に対する密着性(特にタレ止め性)およびスプレーダストとして付着したとしても、その上に形成される膜の被塗物との密着性を低下させ難いという性質に優れる。
なお、前記液状アクリルポリマー(f)は、固形状や半固形状ではなく常温で液状であること、メタクリレートを主原料とするポリマーではなくアクリレートを主原料とするポリマーであること、および、炭素数4〜18のアルキル基を有するアクリレート由来の構造単位を含まないポリマーではなく炭素数4〜18のアルキル基を有するアクリレート由来の構造単位を含むポリマーであることで、前記効果を奏する本発明の組成物を得ることができる。
前記液状アクリルポリマー(f)としては、例えば、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、イソノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリレート等の炭素数4〜18のアルキル基を有するアクリレートの単独重合体または共重合体が挙げられ、中でもイソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートの単独重合体または共重合体が好ましい。
前記液状アクリルポリマー(f)のガラス転移温度は、スプレーダストとして付着したとしても、その上に形成される膜の被塗物との密着性を低下させ難い組成物が得られる等の点から、好ましくは0℃以下であり、より好ましくは−30℃以下である。なお、ガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量測定)で測定することができる。
前記液状アクリルポリマー(f)の、GPCで測定した重量平均分子量は、基材に対する密着性に優れ、スプレーダストとして付着したとしても、その上に形成される膜の被塗物との密着性を低下させ難い組成物が得られる等の点から、好ましくは1000〜100000であり、より好ましくは1000〜30000である。
前記液状アクリルポリマー(f)を等量の酢酸ブチルで希釈したアクリルポリマー溶液のE型粘度計で測定した粘度は、該ポリマーの平均分子量にもよるが、基材に対する密着性に優れ、スプレーダストとして付着したとしても、その上に形成される膜の被塗物との密着性を低下させ難い組成物が得られる等の点から、好ましくは5〜3000mPa・s/25℃であり、より好ましくは5〜300mPa・s/25℃である。
前記液状アクリルポリマー(f)は、従来公知の方法で合成して得てもよく、市販品でもよい。
前記液状アクリルポリマー(f)は、前記炭素数4〜18のアルキル基を有するアクリレートと必要により用いられる他の単量体とを有機溶剤の存在下で、必要により重合開始剤等の添加剤を加えて30〜180℃の加熱下で2〜18時間程度反応させることで合成することができる。
この反応の際には、反応に用いるモノマーを、得られる液状アクリルポリマー(f)が、該モノマー由来の構造単位を下記範囲となるような量で含むような量で用いることが好ましい。
前記有機溶剤としては、特に限定しないが、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、ミネラルスピリット、n−ヘキサン、n−オクタン、2,2,2−トリメチルペンタン、イソオクタン、n−ノナン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤などが挙げられる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物には、前記反応で得られた液状アクリルポリマー(f)を含むワニスをそのまま、または該ワニスから重合開始剤を除去したものを用いてもよい。従って、前記有機溶剤としては、本発明の組成物に用いられ得る下記溶媒と同様の化合物を用いることが好ましい。
前記重合開始剤としては、特に限定されないが、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤やベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクタノエート、ジイソブチルパーオキサイド、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシピバレート、デカノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の過酸化物系開始剤を使用することができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物中における前記液状アクリルポリマー(f)の含有量(不揮発分)は、本発明の組成物中の不揮発分100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部であり、より好ましくは0.03〜5重量部であり、さらに好ましくは0.05〜2重量部である。本発明の組成物が、前記液状アクリルポリマー(f)をこのような量で含むことで、該組成物中にアマイドワックスを含んでも、該組成物から形成され得るスプレーダストは、その上に形成される膜の被塗物との密着性を低下させ難い。
前記液状アクリルポリマー(f)としては、前記炭素数4〜18のアルキル基を有するアクリレートと該アクリレートと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。
前記炭素数4〜18のアルキル基を有するアクリレートと共重合可能な他の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エチルヘキサオキシ)エチル(メタ)アクリレート、1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、m−メトキシフェニル(メタ)アクリレート、p−メトキシフェニル(メタ)アクリレート、o−メトキシフェニルエチル(メタ)アクリレート、m−メトキシフェニルエチル(メタ)アクリレート、p−メトキシフェニルエチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート,ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、γ−ブチロラクトンまたはε−カプロラクトン等との付加物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の二量体または三量体;グリセロール(メタ)アクリレート等の水酸基を複数有する単量体;ブチルアミノエチルメタクリレート、(メタ)アクリルアミド等の第一級または第二級アミノ基含有ビニル単量体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の第三級アミノ基含有ビニル単量体;ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール等の複素環族系塩基性単量体等;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル系単量体;が挙げられる。
前記炭素数4〜18のアルキル基を有するアクリレートと共重合可能な他の単量体は、1種で、または2種以上を適宜選択して使用できる。
前記液状アクリルポリマー(f)が、前記炭素数4〜18のアルキル基を有するアクリレートと該アクリレートと共重合可能な他の単量体との共重合体である場合には、「アクリルポリマー」とは、該共重合体の合成原料モノマーとして、該アクリレートと、該共重合可能な他の単量体中にアクリレートを含む場合はその合計量で、合成原料モノマー100重量%に対し、55重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上用いて得られるポリマーのことをいう。
前記炭素数4〜18のアルキル基は、基材に対する密着性(特にタレ止め性)およびスプレーダストとして付着したとしても、その上に形成される膜の被塗物との密着性を低下させ難いという性質にバランス良く優れる組成物が得られる等の点から、好ましくは炭素数4〜12のアルキル基であり、より好ましくは炭素数4〜8のアルキル基である。
前記液状アクリルポリマー(f)は、基材に対する密着性およびスプレーダストとして付着したとしても、その上に形成される膜の被塗物との密着性を低下させ難いという性質にバランス良く優れる組成物が得られる等の点から、枝分かれ構造を有する炭素数4〜18のアルキル基を有するアクリレート由来の構造単位を含有することが好ましく、枝分かれ構造を有する炭素数4〜12のアルキル基を有するアクリレート由来の構造単位を含有することが好ましく、イソブチルアクリレートまたは2−エチルへキシルアクリレート由来の構造単位を含むことがより好ましく、イソブチルアクリレートまたは2−エチルへキシルアクリレート由来の構造単位、および、n−ブチルアクリレート由来の構造単位を含むことが特に好ましく、イソブチルアクリレートおよびn−ブチルアクリレート由来の構造単位、または、2−エチルへキシルアクリレート由来の構造単位を含むことが特に好ましい。また、前記液状アクリルポリマーとして、イソブチルアクリレート、n−ブチルアクリレートおよび2−エチルへキシルアクリレート由来の構造単位を含むことも好ましい。
前記液状アクリルポリマー(f)が、枝分かれ構造を有する炭素数4〜18のアルキル基を有するアクリレート由来の構造単位を含有する場合、基材に対する密着性と防食性により優れ、スプレーダストとして付着したとしても、その上に形成される膜の被塗物との密着性を低下させ難い組成物が得られる等の点から、液状アクリルポリマー(f)の全体100重量%に対し、枝分かれ構造を有する炭素数4〜18のアルキル基を有するアクリレート由来の構造単位が30〜100重量%含まれることが好ましく、40〜100重量%含まれることがより好ましく、50〜100重量%含まれることが特に好ましい。また、同様の理由から、イソブチルアクリレートまたは2−エチルへキシルアクリレート由来の構造単位が30〜100重量%含まれることが好ましく、40〜100重量%含まれることがより好ましく、45〜100重量%含まれることが特に好ましい。
また、前記液状アクリルポリマー(f)が、イソブチルアクリレートまたは2−エチルへキシルアクリレート由来の構造単位(i)およびn−ブチルアクリレート由来の構造単位(ii)を含む場合、基材に対する密着性と防食性により優れ、スプレーダストとして付着したとしても、その上に形成される膜の被塗物との密着性を低下させ難い組成物が得られる等の点から、液状アクリルポリマー(f)の全体100重量%に対し、構造単位(i)と構造単位(ii)との合計が、好ましくは30〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%、特に好ましくは75〜100重量%となるように、また、構造単位(i)と構造単位(ii)との比(構造単位(i):構造単位(ii))が、好ましくは10:90〜99:1、より好ましくは10:90〜90:10(但し、構造単位(i)と構造単位(ii)の合計を100とする)となるように構造単位(i)および構造単位(ii)が含まれることが望ましい。
(体質顔料(g))
前記体質顔料(g)を用いることで、得られる組成物のコスト面におけるメリットのみならず、防食性、耐塩水性および高温耐湿性等に優れる防食塗膜を形成することができるため、本発明の組成物は体質顔料(g)を含むことが好ましい。
前記体質顔料(g)としては、具体的には、硫酸バリウム、カリ長石、バライト粉、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ガラスフレーク等が挙げられる。このような体質顔料(g)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物は、前記体質顔料(g)として、防食性、耐塩水性および高温耐湿性等により優れる防食塗膜を形成することができる等の点から、少なくとも扁平状顔料(h)を含むことが好ましい。
このような扁平状顔料(h)としては、マイカ、ガラスフレーク等が挙げられ、安価で入手容易性に優れ、より前記効果に優れる防食塗膜を形成することができる等の点から、マイカが好ましい。前記扁平状顔料(h)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記マイカとしては、そのアスペクト比が30〜90の高アスペクト比マイカが、得られる防食塗膜の耐膨れ性の向上、クリープ性の減少、内部応力緩和の観点等から好ましく、このような高アスペクト比マイカとしては、「スゾライトマイカ200HK」(西日本貿易(株)製、アスペクト比:40〜60)等が挙げられる。
本発明の組成物に前記体質顔料(g)を配合する場合には、該体質顔料(g)の配合量は、本発明の組成物の不揮発分100重量部に対し、好ましくは5〜80重量部、より好ましくは10〜70重量部である。
また、前記体質顔料(g)のうち扁平状顔料(h)を配合する場合の配合量は、耐水防食性、耐屈曲性などの防食塗膜の性能が向上する等の点から、本発明の組成物の不揮発分100重量部に対し、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは3〜20重量部である。
(着色顔料)
前記着色顔料としては、具体的には、チタン白、ベンガラ、黄色ベンガラ、カーボンブラック等が挙げられる。前記着色顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物に前記着色顔料を配合する場合には、該着色顔料の配合量は、本発明の組成物の不揮発分100重量部に対し、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。
また、前記体質顔料(g)および着色顔料は、本発明の組成物から形成される防食塗膜中の顔料体積濃度(PVC)が、好ましくは10〜75容量%となるような量、好ましくは25〜50容量%となるような量で本発明の組成物中に含まれることが、防食性等の点で望ましい。
(タレ止め・沈降防止剤)
前記タレ止め・沈降防止剤(アマイドワックス(e)以外の化合物)は、本発明の組成物に揺変性(チクソトロピー)を付与し、該組成物の基材への密着性を向上させることができる。前記アマイドワックス(e)もタレ止め・沈降防止剤であるが、本発明の組成物は、必要に応じてさらにタレ止め・沈降防止剤を含有していてもよい。
前記タレ止め・沈降防止剤としては、特に制限されないが、有機系揺変剤および無機系揺変剤等が挙げられる。前記タレ止め・沈降防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記有機系揺変剤としては、例えば、水素添加ひまし油系、酸化ポリエチレン系、植物油重合油系、界面活性剤系の揺変剤、または、これらを2種以上併用した揺変剤が挙げられる。
また、前記無機系揺変剤としては、例えば、微粉化シリカ、ベントナイト、シラン化合物等で表面を処理したシリカ、第4級アンモニウム塩等で表面を処理したベントナイト(有機ベントナイト)、極微細表面処理炭酸カルシウム、または、これらの混合物が挙げられる。具体的には、無機系揺変剤としては、乾式法により微粉化したシリカ微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル300]、シリカ微粉末をヘキサメチルジシラザンで変性した微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジルRX300]、シリカ微粉末をポリジメチルシロキサンで変性した微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジルRY300]、微粉シリカをジメチルジクロロシランで処理した疎水性微粉シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジルR972)、有機ベントナイト(Elementis Specialties, Inc 社製、商品名:ベントンSD−2)等が挙げられる。
これらの中でも、前記タレ止め・沈降防止剤としては、基材への密着性に優れる組成物が得られる等の点から、シラン化合物等で表面を処理したシリカ、および、第4級アンモニウム塩等で表面を処理したベントナイトを併用することが好ましい。
本発明の組成物に前記タレ止め・沈降防止剤を配合する場合には、塗料粘度、塗装作業性、貯蔵安定性に優れる組成物が得られる等の点から、該タレ止め・沈降防止剤の配合量は、本発明の組成物の不揮発分100重量部に対し、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.3〜2重量部である。
また、本発明の組成物中における、前記アマイドワックス(e)およびタレ止め・沈降防止剤の合計含有量は、タレ止め性に優れる点から、本発明の組成物の不揮発分100重量部に対し、好ましくは0.3〜6重量部、より好ましくは0.5〜3重量部である。
また、この際には、本発明の組成物中における、前記アマイドワックス(e)とタレ止め・沈降防止剤との含有量の質量比(アマイドワックス(e)の含有量:タレ止め・沈降防止剤の含有量)が、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは15:85〜85:15となるように配合することが望ましい(但し、アマイドワックス(e)とタレ止め・沈降防止剤の合計を100とする)。
(溶媒)
前記溶媒としては、特に限定されず、従来より公知の溶媒が使用でき、例えば、キシレン、トルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、ブタノール、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。
これら溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物に前記溶媒を配合する場合、前記溶媒の配合量は特に制限されず、本発明の組成物を塗装する際の塗装方法に応じて適宜調整すればよいが、本発明の組成物の塗装性などを考慮すると、本発明の組成物の不揮発分の濃度が、好ましくは55〜98重量%、より好ましくは65〜95重量%となるような量で含まれることが望ましい。
また、前記溶媒は、本発明の組成物をスプレー塗装する場合には、塗装性等の点から、本発明の組成物の不揮発分の濃度が、好ましくは55〜95重量%、より好ましくは65〜90重量%となるような量で含まれることが望ましい。
(可塑剤)
本発明の組成物には、得られる防食塗膜の柔軟性および耐侯性等を向上させる等の点から、可塑剤を配合することが好ましい。前記可塑剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記可塑剤としては、従来より公知のものを広く使用でき、ナフサを熱分解して得られる低沸点留分等の液状炭化水素樹脂、常温で固形の石油樹脂、キシレン樹脂、クマロンインデン樹脂等が挙げられる。具体的には、特開2006−342360号公報に記載の液状炭化水素樹脂および可撓性付与樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、前記エポキシ樹脂(a)との相溶性がよい等の点から、液状炭化水素樹脂、ならびに、水酸基含有の、常温で固形の石油樹脂、キシレン樹脂およびクマロンインデン樹脂が好ましい。
前記液状炭化水素樹脂の市販品としては、「ネシレス EPX−L」、「ネシレス EPX−L2」(以上、NEVCIN社製/フェノール変性炭化水素樹脂)、「HIRENOL PL−1000S」(KOLONケミカル社製/液状炭化水素樹脂)、常温で固形の石油系樹脂の市販品としては、「ネオポリマー E−100」、「ネオポリマー K−2」、「ネオポリマー K3」(以上、新日本石油化学(株)製/C9系炭化水素樹脂)、クマロンインデン樹脂の市販品としては、「NOVARES CA 100」(Rutgers Chemicals AG社製)、キシレン樹脂の市販品としては「ニカノールY−51」(三菱ガス化学(株)製)等が挙げられる。
本発明の組成物に前記可塑剤を配合する場合には、耐候性および耐クラック性等に優れる防食塗膜が得られる等の点から、該可塑剤の配合量は、本発明の組成物100重量部に対し、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは3〜30重量部である。
(硬化促進剤)
本発明の組成物には、硬化速度の調整、特に促進に寄与できる硬化促進剤が含有されていることが好ましい。
前記硬化促進剤としては、例えば、3級アミン類が挙げられる。これら硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、例えば、トリエタノールアミン、ジアルキルアミノエタノール、トリエチレンジアミン[1,4−ジアザシクロ(2,2,2)オクタン]、2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール(例:商品名「バーサミンEH30」(BASFジャパン(株)製)、商品名「アンカミンK−54」(エアープロダクツジャパン(株)製))が挙げられる。これら硬化促進剤は、本発明の組成物中に、好ましくは0.05〜2.0重量%の量で配合される。
また、前記硬化促進剤は、本発明の組成物が主剤成分と硬化剤成分とからなる2成分型の組成物(すなわち、前記2成分型塗料の各成分を混合することで調製される組成物)または多成分型の組成物(すなわち、前記多成分型塗料の各成分を混合することで調製される組成物)である場合、前記硬化促進剤は硬化剤成分に含まれ、該硬化剤成分中に、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.1〜10重量%の量で含まれていることが望ましい。
本発明の防食塗料組成物を、主剤成分と硬化剤成分との2成分型の組成物(すなわち、前記2成分型塗料の各成分を混合することで調製される組成物)または多成分型の組成物(すなわち、前記多成分型塗料の各成分を混合することで調製される組成物)とする場合は、主剤成分100重量部に対して、硬化剤成分を2〜200重量部、好ましくは5〜50重量部、特に好ましくは8〜40重量部の量で配合して、ボリュームソリッド(容積不揮発分%)を50〜100容量%、好ましくは65〜85容量%となるように適切に配合して調製することが望ましい。
≪防食塗膜≫
本発明の防食塗膜は、前記本発明の組成物から形成されたものであれば特に制限されないが、基材上に前記本発明の組成物を塗布することで塗膜を形成し、該塗膜を乾燥、硬化させることで得られたものであることが好ましい。
このような防食塗膜は、耐塩水性や耐高温高湿性などの防食性に優れ、基材に対する密着性、および刷毛やローラーでの塗装により形成されたものであったとしても、塗膜表面に泡沫が残存し難いという性質に優れる。
前記基材としては、特に制限されないが、本発明の効果がより発揮できることなどから、防食性が求められる基材であることが好ましい。
このような基材としては、鉄鋼、非鉄金属(亜鉛、アルミニウム、ステンレス等)などからなる金属基材が好ましく、これらからなる船舶、陸上構造物、橋梁等の構造物、より好ましくは船舶構造物が挙げられる。船舶構造物の中でもバラストタンクがより好ましい。バラストタンクは、亜鉛または亜鉛−アルミニウム等の陽極を設置することで電気防食を施したものであってもよい。その電気防食の際の電流密度は、1〜10mA/m2が好ましい。
前記基材としては、錆、油脂、水分、塵埃、スライム、塩分などを除去するため、また、得られる防食塗膜の密着性を向上させるために、必要により前記基材表面を処理(例えば、ブラスト処理(ISO8501−1 Sa2 1/2)、摩擦法、脱脂による油分・粉塵を除去する処理)等したものでもよく、基材の防食性や、溶接性、せん断性の点から、必要により、前記基材表面に従来公知の一次防錆塗料(ショッププライマー)等の薄膜形成用塗料や、その他プライマー等を塗布し乾燥させたものでもよい。
本発明の組成物を基材上に塗布する方法としては、特に制限されず、従来公知の方法を制限なく使用可能である。
前記塗膜を乾燥、硬化させる方法としては特に制限されず、乾燥、硬化時間を短縮させるために5〜60℃程度の加熱により前記塗膜を乾燥、硬化させてもよいが、通常は、常温、大気下で1〜14日程度放置することで、前記塗膜を乾燥、硬化させる。
≪基材の防食方法≫
本発明の基材の防食方法は、基材上に、前記本発明の組成物を塗布する工程を含めば特に制限されないが、基材上に前記本発明の組成物を塗布することで塗膜を形成し、該塗膜を乾燥、硬化させることで基材を防食する方法が好ましい。
この方法における、基材、塗布方法等は、前記防食塗膜の欄に記載したものと同様であればよい。
また、前記基材の防食方法では、所望の用途に応じて、得られた塗膜または防食塗膜の上に、防汚塗料等の従来公知の上塗り塗料を塗布し、乾燥、硬化させてもよい。
例えば、バラストタンクの防食方法は、以下のようにして行われる。
まず、バラストタンクに本発明の組成物をスプレー塗装し(1回目の塗装)、その塗膜が乾燥した後、膜厚の確保が困難な溶接線、エッジ部にストライプコートを刷毛やローラーで行い、再び先ほどの組成物をスプレー塗装(2回目の塗装)し320μm程度の厚みの防食塗膜を形成する。
このようなバラストタンクの防食方法は、刷毛やローラーでのストライプコートを必ず行わなければならないため、スプレー作業性だけでなく、刷毛やローラーでの塗装作業性も必要であり、また刷毛やローラーでの塗装によって、塗膜が、泡沫やピンホールのない、健全な状態で形成されなければならない。前述のように、塗膜表面に泡沫の発生しやすい刷毛やローラーで塗装を行う場合であっても、本発明の組成物を用いることで、塗膜表面の泡沫を抑制することができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
下記実施例および比較例で得られた組成物から形成した防食塗膜について、以下のような試験(1)〜(6)を行った。結果を表2に示す。
(1)塗膜外観(消泡性)
寸法が300mm×300mm×0.05mm(厚)のブリキ板(以下、「試験板」ともいう。)に、塗料の混合物粘度をキシレンで2.0Pa・sに調整し、刷毛で150μm〜200μmの膜厚で塗装し、得られた塗膜付試験板を、23℃、50%RHの雰囲気で1日間乾燥させた後、塗膜外観を評価した。
(評価基準)
○ :10cm2あたり、泡沫の残存個数が1個未満。
○△:10cm2あたり、泡沫の残存個数が1個以上2個未満。
△ :10cm2あたり、泡沫の残存個数が2個以上5個未満。
× :10cm2あたり、泡沫の残存個数が5個以上。
(2)耐塩水性試験
防食塗膜の耐塩水性を、JIS K-5600 6-1に準拠して測定した。具体的には以下のようにして行った。
寸法が150mm×70mm×1.6mm(厚)のブラスト処理された鋼板(以下「試験板」ともいう。)上に、下記実施例および比較例で得られた組成物を、それぞれ乾燥膜厚が約250μmとなるようにスプレー塗装し、得られた防食塗膜付試験板を、23℃、50%RHの雰囲気で7日間乾燥することで防食塗膜付試験板を作成した。この防食塗膜付試験板を40℃の3%塩水中に90日間浸漬した後の防食塗膜の外観を、以下の基準に従って目視評価した。
(評価基準)
○:フクレ、割れ、サビ、はがれ、色相のいずれも変化なし。
△:フクレ、割れ、サビ、はがれ、色相のいずれかに若干の欠陥(変化)が認められる。
×:フクレ、割れ、サビ、はがれ、色相の変化のいずれかが明らかに認められる。
(3)電気防食性試験
電気電流密度が5mA/m2以下になるよう、亜鉛陽極を、耐塩水性試験と同様にして作成した防食塗膜付試験板に接続し、この試験板を40℃の3%塩水中に90日間浸漬した後の防食塗膜の外観を以下の基準に従って目視評価した。
(評価基準)
○:フクレ、割れ、サビ、はがれ、色相のいずれも変化なし。
△:フクレ、割れ、サビ、はがれ、色相のいずれかに若干の欠陥(変化)が認められる。
×:フクレ、割れ、サビ、はがれ、色相の変化のいずれかが明らかに認められる。
(4)塩水噴霧試験
JIS K-5600 7-1に準拠して、耐塩水性試験と同様にして作成した防食塗膜付試験板に、35℃の条件下で、塩水濃度5%の溶液を連続的に90日間噴霧した後の防食塗膜の外観を以下の基準に従って目視評価した。
(評価基準)
○:フクレ、割れ、サビ、はがれ、色相のいずれも変化なし。
△:フクレ、割れ、サビ、はがれ、色相のいずれかに若干の欠陥(変化)が認められる。
×:フクレ、割れ、サビ、はがれ、色相の変化のいずれかが明らかに認められる。
(5)耐高温高湿試験
防食塗膜の耐高温高湿性を、JIS K-5600 7-2に準拠して測定した。具体的には以下のようにして行った。
耐塩水性試験と同様にして作成した防食塗膜付試験板を温度50℃、湿度95%の試験器内に90日間保持した後の防食塗膜の外観を、以下の基準に従って評価した。
(評価基準)
○:フクレ、割れ、サビ、はがれ、色相のいずれも変化なし。
△:フクレ、割れ、サビ、はがれ、色相のいずれかに若干の欠陥(変化)が認められる。
×:フクレ、割れ、サビ、はがれ、色相の変化のいずれかが明らかに認められる。
(6)スプレーダスト付着面上への付着性
スプレーダスト付着面上への付着性の評価を、JIS K-5400 8.5.3に準拠して実施した。具体的に以下のようにして行った。
150×70×1.6(厚)mmの大きさの試験板をその表面が重力に対し略垂直となるように置き、得られる防食塗膜の膜厚が160μmになるように、下記実施例および比較例で得られた防食塗料組成物それぞれを塗装し、塗膜付試験板を得た。
得られた塗膜付試験板の塗膜面上に、該試験板の上方約1.5mの高さからスプレー塗装にて、該塗膜を形成した組成物と同じ組成物を塗装し、塗膜の表面積の約95%上に乾燥することでスプレーダストとなる組成物を付着させた。該スプレーダストとなる組成物が付着した試験板を、23℃、50%RHの雰囲気で1日乾燥させた。得られた乾燥塗膜付試験板上に、再度、該防食塗膜を形成した組成物と同じ組成物を、乾燥膜厚が約160μmとなるようにスプレー塗装し、23℃、50%RHの雰囲気で7日間乾燥させることで膜厚約320μmの防食塗膜付試験板を得た。
なお、上記スプレーダストとなる組成物を付着させる条件は、本発明の組成物を実際の現場で用いた時に生じ得るスプレーダストが付着する条件の一例に似た条件を再現するための条件である。
得られた防食塗膜付試験板を用い、防食塗膜間の剥離状況(剥離率)を以下の基準に従って評価した。なお、図1に沿って説明する。
得られた防食塗膜付試験板の防食塗膜1面にX字状の切り込み2を入れた。この際に、該切り込み2の二つの切り込みの四つの端部を結ぶ四角形内の面積を、切り込みを入れた面積3とした。
その後、X字状の切り込み上にセロハン粘着テープを貼り付け、テープの一端を防食塗膜面に対し90°に近い角度で引き剥がすことで、防食塗膜間の剥離状況(剥離率)を評価した。テープ剥離後の、切り込みを入れた面積3に対する、試験板から剥離した防食塗膜の割合を目視により概算し、評価した。
(評価基準)
○ :全く剥離が認められない
○△:全体の10%以下が剥離している。
△ :全体の10%超〜20%以下が剥離している。
× :全体の20%を超える部分が剥離している。
本発明の実施例、比較例に用いた材料を以下の表1に示す。
Figure 0006125020
なお、(注15)の液状アクリル樹脂は、以下のようにして調製した。
窒素気流下にて500mlの四つ口フラスコに酢酸ブチル200gを仕込み、攪拌しながら125℃に加熱した。滴下ロートに、n−ブチルアクリレート100g、iso−ブチルアクリレート100gおよび重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名:カヤエステルO、化薬アクゾ(株)製)1.6gを仕込み、3時間かけて、加熱したフラスコに滴下した。その間、フラスコの内温は120〜130℃となるようコントロールした。
その後、後反応として125℃にて4時間攪拌した。次いで、60℃以下まで冷却することでアクリル系共重合物の酢酸ブチル溶液を調製した。得られた溶液は、加熱残分が50%であった。また、得られた溶液の一部を抜き取り、溶媒を蒸発させることで得られたアクリル系共重合物の、GPCで測定した重量平均分子量(Mw)は約15,000であり、DSCで測定したガラス転移温度は約−36℃であった。
[実施例1]
下記表2に示すように、容器に、エポキシ樹脂(注1)19重量部、石油樹脂(注3)10重量部、液状石油樹脂(注5)4重量部、キシレン9.5重量部、ブタノール2重量部、1−メトキシ−2−プロパノール 1重量部、シランカップリング剤(注6)1重量部、タルク(注7)23重量部、マイカ(注8)6重量部、カリ長石(注9)15重量部、チタン白(注10)6重量部、黄色弁柄(注11)1.5重量部、タレ止め剤(注12)1.5重量部および分岐構造を有するポリα−オレフィン(注16)0.5重量部を入れ、そこにガラスビーズを添加し、ペイントシェーカーを用いてこれらの配合成分を混合した。次いで、ガラスビーズを取り除き、ハイスピードディスパーを用い56〜60℃で分散後、30℃以下まで冷却し、主剤成分を調製した。
また、下記表2に示すように、ポリアミドアミン(注21)9.4重量部、変性ポリアミン(注22)4.7重量部、三級アミン(注23)0.1重量部、および1−メトキシ−2−プロパノール 0.8重量部を、ハイスピードディスパーを用いて混合することで、硬化剤成分を調製した。
得られた主剤成分100重量部と硬化剤成分15重量部を塗装前に混合することで組成物を調製した。
[実施例2〜8および比較例1〜7]
主剤成分および硬化剤成分に配合する成分および配合量を下記表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして組成物を調製した。
Figure 0006125020
1:防食塗膜
2:X字状の切り込み
3:切り込みを入れた面積

Claims (16)

  1. エポキシ樹脂(a)、硬化剤(b)、及び炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含むポリα−オレフィン(c)(ただし、エポキシ架橋剤である、α−オレフィンとオレフィン性不飽和酸無水物とのコポリマーおよび前記コポリマーにおいて酸無水物を開環したものを除く。)を含有する防食塗料組成物であって、
    前記ポリα−オレフィン(c)の量が、前記防食塗料組成物中の不揮発分100重量部に対して、0.01〜5重量部(不揮発分)である
    防食塗料組成物。
  2. 金属基材からなり、船舶構造物、陸上構造物および橋梁からなる群から選ばれる構造物の塗装に用いられる請求項1に記載の防食塗料組成物。
  3. さらに、シランカップリング剤(d)を含む、請求項1または2に記載の防食塗料組成物。
  4. さらに、アマイドワックス(e)と液状アクリルポリマー(f)とを含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の防食塗料組成物。
  5. 前記液状アクリルポリマー(f)が、分岐構造を含む炭素数4〜18のアルキル基を有するアクリレート由来の構造単位を含有する、請求項4に記載の防食塗料組成物。
  6. 前記液状アクリルポリマー(f)が、イソブチルアクリレートまたは2−エチルヘキシルアクリレート由来の構造単位を含む、請求項4または5に記載の防食塗料組成物。
  7. 前記防食塗料組成物中の不揮発分100重量部に対して、液状アクリルポリマー(f)を0.01〜5重量部(不揮発分)の量で含む、請求項4〜6の何れか1項に記載の防食塗料組成物。
  8. 前記液状アクリルポリマー(f)のガラス転移温度が0℃以下である、請求項4〜7の何れか1項に記載の防食塗料組成物。
  9. さらに、体質顔料(g)を含む、請求項1〜8の何れか1項に記載の防食塗料組成物。
  10. 前記体質顔料(g)が、少なくとも扁平状顔料(h)を含む、請求項9に記載の防食塗料組成物。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の防食塗料組成物から形成された防食塗膜。
  12. 基材上に、請求項1〜10の何れか1項に記載の防食塗料組成物を塗布する工程を含む、基材の防食方法。
  13. 互いに接触しないように収容された主剤成分と硬化剤成分との組み合わせからなる2成分型塗料であって、
    前記主剤成分がエポキシ樹脂(a)を含み、前記硬化剤成分が硬化剤(b)を含み、前記主剤成分または前記硬化剤成分の少なくとも一方が炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含むポリα−オレフィン(c)を含み、前記ポリα−オレフィン(c)の量が、前記2成分型塗料の不揮発分100重量部に対して、0.01〜5重量部(不揮発分)である2成分型塗料。
  14. 互いに接触しないように収容された主剤成分と硬化剤成分と少なくとも1つの他の成分との組み合わせからなる多成分型塗料であって、
    前記主剤成分がエポキシ樹脂(a)を含み、前記硬化剤成分が硬化剤(b)を含み、前記主剤成分、前記硬化剤成分または前記他の成分の少なくとも1つが炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含むポリα−オレフィン(c)を含み、前記ポリα−オレフィン(c)の量が、前記多成分型塗料の不揮発分100重量部に対して、0.01〜5重量部(不揮発分)である多成分型塗料。
  15. 硬化剤(b)を含む硬化剤成分と混合して請求項1または2に記載の防食塗料組成物を製造するための主剤成分であって、
    エポキシ樹脂(a)および炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含むポリα−オレフィン(c)(ただし、エポキシ架橋剤である、α−オレフィンとオレフィン性不飽和酸無水物とのコポリマーおよび前記コポリマーにおいて酸無水物を開環したものを除く。)を含有し、
    前記ポリα−オレフィン(c)の量が、前記防食塗料組成物中の不揮発分100重量部に対して、0.01〜5重量部(不揮発分)である
    主剤成分。
  16. エポキシ樹脂(a)を含む主剤成分と混合して請求項1または2に記載の防食塗料組成物を製造するための硬化剤成分であって、
    硬化剤(b)および炭素数6以上のα−オレフィン由来の構造単位を含むポリα−オレフィン(c)(ただし、エポキシ架橋剤である、α−オレフィンとオレフィン性不飽和酸無水物とのコポリマーおよび前記コポリマーにおいて酸無水物を開環したものを除く。)を含有し、
    前記ポリα−オレフィン(c)の量が、前記防食塗料組成物中の不揮発分100重量部に対して、0.01〜5重量部(不揮発分)である
    硬化剤成分。
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