JP2003079312A - 発酵漬け物の保存方法 - Google Patents
発酵漬け物の保存方法Info
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Abstract
なるシーラント層、酸素吸収剤を10〜70重量%及び
炭酸ガス吸収剤を20〜40重量%配合された熱可塑性
樹脂組成物からなる酸素吸収層、及びガスバリア性物質
からなるバリア層からなる酸素吸収多層フィルムを少な
くとも一部に使用してなる酸素吸収性容器に密封する。 【効果】漬け物中の乳酸菌を死滅させることなく酵母発
酵が進行することを抑えて発酵漬け物本来の風味が低下
することを防止し、かつ容器の膨れを防止する。
Description
け物において、乳酸菌数を減少させることなく、風味劣
化や包装容器の膨れを防止して、発酵漬け物を長期にわ
たって保存する方法に関する。
物が関与しない漬け物と、微生物が関与する発酵漬け物
とがある。前者には、奈良漬け、わさび漬けや守口漬け
などの粕漬け、らっきょう漬けやしょうが漬けなどの酢
漬け、なすの辛子漬けがある。一方、発酵漬け物は、乳
酸菌を主とする微生物が関与する発酵が進行することに
よって酸味と風味が付与される漬け物であって、例え
ば、たくあん漬けなどの糠漬け、みそ漬け、すぐきや野
沢菜漬けなどの塩漬け、べったら漬けなどの麹漬けがあ
る。またキムチ、ザワークラウトやピクルス、ザーサイ
なども発酵漬け物である。
要なだけでなく、発酵の過程で増殖する乳酸菌はそれ自
体が整腸作用をはじめとして人体にとって有用な菌であ
り、乳酸菌を多量に含む発酵漬け物は健康増進食品とし
て近年注目を集めている。
物も含まれており、特に酵母は発酵漬け物中で速やかに
増殖し、袋や、トレー、瓶などの密閉容器に発酵漬け物
を詰めて流通、販売した場合、たとえ冷蔵での流通・販
売であっても、発酵が過度に進行し、漬け物の風味を著
しく損うという問題がある。また、発酵過程で発生する
炭酸ガスにより容器が膨張変形したり、破裂するという
問題がある。また、産膜酵母と呼ばれる酵母が増殖し、
漬け物表面に白い膜を生成して外観を損なうこともあ
る。これらのため、発酵漬け物を長期間にわたって保存
することは困難だった。
漬け物を袋や容器内に密封後、100℃以下の低温加熱
殺菌が行われる場合がある。低温加熱殺菌処理により乳
酸菌や酵母は殺菌されるため、炭酸ガスの発生による膨
れの問題を防止して保存性を向上させることが可能であ
る。しかし加熱殺菌をおこなうと、漬け物本来の風味や
野菜の食感が熱により著しく損なわれるという問題があ
る。
する方法として、脱酸素剤を用いる包装技術があり、様
々な食品で利用されている。脱酸素剤包装技術は、保存
すべき食品を被包した包装容器内を脱酸素剤を用いて嫌
気状態に保つことにより、酸素の存在に起因する食品の
品質劣化を防止する技術である。近年、脱酸素包装技術
の一つとして、熱可塑性樹脂に酸素吸収剤を配合した酸
素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層を配した多層材
料で容器を構成し、容器のガスバリア性の向上を図ると
共に、容器自体に酸素吸収機能を付与した包装容器の開
発が行われている。これらのうち、総厚みの薄い酸素吸
収性多層体、いわゆる酸素吸収性多層フィルムは、ヒー
トシール層、酸素吸収剤を分散した熱可塑性樹脂層であ
る酸素吸収層及びガスバリア層が積層してなる多層フィ
ルムであり、容器外部からの酸素透過を防ぐ機能に容器
内の酸素を吸収する機能を付加したものとして利用さ
れ、押し出しラミネートや共押し出しラミネート、ドラ
イラミネート等の従来公知の製造方法を利用して製造さ
れている。
け物の風味、食感を損なわず、なおかつ漬け物に含まれ
る乳酸菌数を減少させることなく、発酵漬け物を長期間
保存できる方法を提供することを目的とする。
中の乳酸菌数を高く保持すると共に、発酵漬け物本来の
過度の発酵を抑制することにより風味・食感を保持して
保存性を向上させる方法について鋭意研究を行った結
果、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、発酵漬
け物を、少なくとも内側より熱可塑性樹脂からなるシー
ラント層、熱可塑性樹脂に酸素吸収剤と炭酸ガス吸収剤
の組み合わせ又は鉄粉とハロゲン化金属からなる酸素吸
収剤を分散した酸素吸収層、並びに、ガスバリア性物質
からなるバリア層を必須の構成とする酸素吸収多層フィ
ルムを使用した酸素吸収性容器に密封することを特徴と
する発酵漬け物を保存する方法である。
乳酸菌をはじめとした多数の微生物を含み、微生物の発
酵作用により、風味形成が行われた漬け物のことであ
る。発酵漬け物としては、たくあん漬け、ぬかみそ漬け
などの糠漬け、みそ漬け、すぐきや野沢菜漬けなどの塩
漬け、べったら漬けなどの麹漬け、キムチ、ザワークラ
ウトやピクルス、ザーサイなどがあげられる。本発明に
おいては、加熱やアルコール等による殺菌処理を行って
いない発酵漬け物が使用できる。
とも内側より熱可塑性樹脂からなるシーラント層、熱可
塑性樹脂に酸素吸収剤を分散した酸素吸収層及びガスバ
リア性物質からなるバリア層からなる酸素吸収多層フィ
ルムに密封する。また、酸素吸収層に炭酸ガス吸収剤と
してアルカリ土類金属酸化物又はアルカリ土類金属水酸
化物を添加することが好ましい。
るシーラント層は、本発明の酸素吸収性多層フィルムを
包装容器の一部または全部に利用した際にシーラントと
なる部分であり、また収納物品と酸素吸収層を隔離する
隔離層としての役割や、包装容器内の酸素が酸素吸収層
中の酸素吸収剤に速やかに吸収されるために効率良く酸
素透過する酸素透過層としての役割を有する。
るシーラント層には前述の役割を果たすことが可能な、
酸素透過性を有する熱可塑性樹脂であれば、制限するこ
となく使用することができる。例えば、低密度ポリエチ
レン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレ
ン、メタロセン触媒によるポリエチレン等の各種ポリエ
チレン類、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ
ー、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−
アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メ
タクリル酸メチル共重合体、プロピレンホモポリマー、
プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−
エチレンランダム共重合体、メタロセン触媒によるポリ
プロピレン等の各種ポリプロピレン類、ポリメチルペン
テン、熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらを単
独で、または組み合わせて使用することができる。
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレ
ン、メタロセン触媒によるポリエチレン等の各種ポリエ
チレン類、ポリメチルペンテンが好ましい。
料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、安定剤等の
添加剤、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ等の
充填剤、消臭剤等を添加しても良い。
るヒートシール層の膜厚は、10〜100μmであるこ
とが好ましく、20〜60μmであればより好ましい。
ヒートシール層の膜厚が10μmより薄いと酸素吸収層
の酸素吸収剤が表面に露出したり、ヒートシール強度が
低下するため好ましくない。また、ヒートシール層の膜
厚が100μmより厚いと、積層が困難になったり、ま
た酸素透過性が低下してフィルムの酸素吸収性能が低下
したり、さらにコストに問題があるため好ましくない。
る酸素吸収層は、熱可塑性樹脂中に酸素吸収剤と炭酸ガ
ス吸収剤の組み合わせ又は鉄粉及びハロゲン化金属から
なる酸素吸収剤を分散してなるものである。酸素吸収層
は、容器内又は収納物品中に溶存する酸素を吸収する役
割、また、バリア層外部から侵入する微量の酸素を吸収
して容器内部への酸素透過を防ぐ役割を有する。
脂は、前述のヒートシール層に用いる樹脂として挙げた
ものと同様の樹脂が使用されるが、ヒートシール層との
相溶性を考慮して適宜選択される。
る酸素吸収層に分散される酸素吸収剤としては、鉄粉及
びハロゲン化金属からなる鉄系酸素吸収剤組成物が好ま
しく用いられる。鉄系酸素吸収剤組成物の主剤である鉄
粉としては、酸素吸収反応を起こしうるものであれば純
度等には特に制限することなく使用でき、例えば、表面
の一部が既に酸化していても良く、他の金属を含有する
ものであっても良い。また、鉄粉は粒状のものが好まし
く、例えば、還元鉄粉、噴霧鉄粉、電解鉄粉等の鉄粉、
鋳鉄、鋼材等の各種鉄の粉砕物や研削品等が用いられ
る。その平均粒径は、取り扱い性や、酸素吸収層の膜厚
を薄くすること、及びフィルム外観に現れる酸素吸収剤
の凹凸をできるだけ小さくすることを考慮し、1〜10
0μmの範囲とすることが好ましく、特に1〜80μm
の範囲とすることが好ましい。
属としては、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類
金属の塩化物、臭化物又はヨウ化物が用いられ、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム
またはバリウムの塩化物又はヨウ化物が好ましく用いら
れる。ハロゲン化金属の配合量は、鉄粉100重量部当
たり0.1〜20重量部が好ましく、特に0.1〜5重
量部が好ましい。
分離しないよう、予め混合して添加することが好まし
い。例えば、ボールミル、スピードミル等を用いてハロ
ゲン化金属と鉄粉を混合する方法、鉄粉表面の凹凸部に
ハロゲン化金属を埋め込む方法、バインダーを用いてハ
ロゲン化金属を鉄粉表面に付着させる方法、ハロゲン化
金属水溶液と鉄粉を混合した後乾燥して鉄粉表面にハロ
ゲン化金属を付着させる方法等を採ることができる。好
ましい酸素吸収剤は、鉄粉とハロゲン化金属を含む鉄粉
系組成物であり、特に好ましくは、鉄粉にハロゲン化金
属を付着させたハロゲン化金属被覆鉄粉組成物である。
る酸素吸収層中における酸素吸収剤の配合量は10〜7
0重量%の範囲とすることが好ましく、10〜60重量
%の範囲がより好ましい。酸素吸収剤の配合量が10重
量%より低いと、酸素吸収能力が不十分であり好ましく
なく、70重量%より高いと、酸素吸収層を製膜するこ
とが困難であるため好ましくない。
素吸収剤と炭酸ガス吸収剤の組み合わせを分散した熱可
塑性樹脂が使用される。炭酸ガス吸収剤は、炭酸ガスを
吸収する能力を有する物質であり、アルカリ土類金属の
酸化物もしくはアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく
用いられる。具体的には、酸化カルシウム、酸化バリウ
ム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリ
ウム、水酸化マグネシウムであり、添加量として、酸素
吸収層の20〜40重量%が好ましく、さらに好ましく
は20〜30重量%である。
ン化金属からなる酸素吸収剤を分散した熱可塑性樹脂を
使用することもできる。鉄粉及びハロゲン化金属からな
る酸素吸収剤は、同時に炭酸ガスを吸収剤としても作用
するので、この場合は、他の炭酸ガス吸収剤を配合しな
くても酸素の吸収と炭酸ガスの吸収が並行して進行す
る。好ましい炭酸ガス吸収性酸素吸収剤は、鉄粉とハロ
ゲン化金属を含む鉄粉系組成物であり、特に好ましく
は、鉄粉にハロゲン化金属を付着させたハロゲン化金属
被覆鉄粉組成物である。
る酸素吸収層の膜厚は、構成材料によらず、20〜10
0μmの範囲とすることが好ましく、特に好ましくは3
0〜80μmの範囲である。酸素吸収層の膜厚が20μ
mより薄いと、製膜が困難となったり、フィルム単位面
積当たりの酸素吸収剤量が少なくなり、十分な酸素吸収
性能が得られなくなる。また、100μmより厚いと、
フィルム総厚みが厚くなり、取り扱い性に不便を生じる
場合があったり、コストに問題が生じる。
じて、酸化チタン等の着色顔料、酸化防止剤、スリップ
剤、帯電防止剤、安定剤等の各種添加剤、クレー、マイ
カ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム等の充填剤、消臭剤、活性炭やゼオライト等の吸
着剤等を添加しても良い。
容器とした場合に容器外部から侵入する酸素を遮断する
層であり、例えば、アルミ箔等の金属箔、ポリ塩化ビニ
リデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ナイ
ロン6、ナイロン6,6、ナイロンMXD6、ポリエチ
レンテレフタレート等のガスバリアー性樹脂、アルミニ
ウム蒸着フィルムやシリカ蒸着フィルム等の蒸着フィル
ム等を単独又は組合せて用いることができる。
収多層フィルムは、内側より熱可塑性樹脂からなるシー
ラント層、熱可塑性樹脂に酸素吸収剤及び炭酸ガス吸収
剤が配合された酸素吸収層、及びガスバリア性物質から
なるバリア層の少なくとも3層からなるが、その他の層
を付加することは差し支えない。
を防ぐために、バリア層の外側に熱可塑性樹脂からなる
保護層を設けることが好ましい。保護層に用いる樹脂と
しては、例えば、高密度ポリエチレン等のポリエチレン
類、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合
体等のポリプロピレン類、ナイロン6、ナイロン6,6
等のポリアミド類、さらに、ポリエチレンテレフタレー
ト等のポリエステル類およびこれらの組合せが挙げられ
る。
性樹脂からなるシーラント層、熱可塑性樹脂に酸素吸収
剤を分散した酸素吸収層及びガスバリア性物質からなる
バリア層からなる酸素吸収多層フィルムを少なくとも一
部に使用してなる酸素吸収性容器に密封し、これを保存
する。
酸素吸収多層フィルムからなる容器でもよいが、片面が
前記酸素吸収多層フィルムで片面が一般のガスバリア性
フィルムからなる容器等、一部に前記酸素吸収多層フィ
ルムが使用された酸素吸収性容器でも良い。酸素吸収性
容器に密封された発酵漬け物の保存温度は、25℃以下
が好ましく、−5〜15℃がより好ましく、0〜10℃
が特に好ましい。
る。尚、本発明は実施例に必ずしも限定されない。 [実施例1]平均粒径30μmの鉄粉1000kgを加
熱ジャケット付き真空乾燥機中に投入し、10mmHg
の減圧下140℃で混合しつつ、塩化カルシウム50重
量%水溶液50kgを噴霧し、乾燥した後、篩い分けし
粗粒を除き、平均粒径30μmの鉄系酸素吸収剤を得
た。次に、ベント付き二軸押出機を用いて、直鎖状低密
度ポリエチレン(ダウケミカル(株)製、商品名PT14
50)を押出しながら、サイドフィードにて鉄系酸素吸
収剤及び酸化カルシウムを供給し、ポリエチレン:鉄系
酸素吸収剤:酸化カルシウム=35:40:25重量比
となるように、混練し、ストランドダイから押し出した
後、冷却、ペレタイザーにてペレット化し、酸素吸収性
樹脂組成物Aを得た。
ロール及びスリッター及び巻取機からなるタンデム押出
ラミネーター装置を用い、繰り出される低密度ポリエチ
レン25μm/MXD6延伸フィルム15μm(ガスバ
リア層;三菱興人パックス(株)製、商品名ナイロンスー
パーニール)/印刷PET12μm(外層)の低密度ポ
リエチレン側に酸素吸収層として、酸素吸収樹脂組成物
Aを厚さ30μmで押出ラミネートし、さらにシーラン
ト層として、酸化チタンを10重量%含有した直鎖状低
密度ポリエチレン(ダウケミカル(株)製、商品名PT1
450)を厚さ20μmで押し出しラミネートし、酸素
吸収多層フィルムを得た。得られた酸素吸収多層フィル
ムの構成は、シーラント層20μm/酸素吸収層30μ
m/低密度ポリエチレン25μm/ガスバリア層15μ
m/外層12μmとなる。
面と、直鎖状低密度ポリエチレン40μm/MXD6延
伸フィルム15μm(三菱興人パックス(株)製、商品名
ナイロンスーパーニール)からなるガスバリア性フィル
ムの直鎖状低密度ポリエチレン面とをヒートシールによ
り貼り合わせ、15cm×20cmの酸素吸収性袋を作
製した。
酵母数300cfu/g未満のだいこんのたくあん漬け150g
を充填、密封し、10℃下に保存した。15日目に袋外
観の観察、色調、風味評価を行った。その結果、袋形状
に膨れ等の変化がなく、だいこんのたくあん漬けは、色
調、風味が良好に保持されていた。だいこんのたくあん
漬けは、乳酸菌数1.0×104cfu/g、酵母数300cfu/g未満
であった。
で片面がガスバリア性フィルムからなる酸素吸収性袋に
代え、両面が直鎖状低密度ポリエチレン/MXD6延伸
フィルム15μmからなる酸素吸収性のないガスバリア
性フィルム袋を用いた以外は実施例1と同様に、だいこ
んのたくあん漬け150gを充填、密封し、10℃下に
15日間保存した。その結果、袋形状に膨れが認めら
れ、だいこんのたくあん漬けは、黒っぽく変色し、酸味
が強くなっていた。だいこんのたくあん漬けは、乳酸菌
数1.1×104cfu/g、酵母数5.5×107cfu/gであった。
樹脂組成物Aを、ポリエチレン:鉄系酸素吸収剤:酸化
カルシウム:水酸化カルシウム=35:30:20:1
5からなる酸素吸収樹脂組成物Bに代えた以外、実施例
1同様に酸素吸収性ル袋を作製した。この袋に、乳酸菌
数1.5×107cfu/g、酵母数300cfu/g未満のかぶの糠漬け
を充填、密封し、10℃下に保存した。15日目に袋外
観の観察、色調、風味評価を行った。その結果、袋形状
に膨れ変化がなく、かぶの糠漬けは、色調、風味が良好
に保持されていた。かぶの糠漬けは、乳酸菌数2.0×107
cfu/g、酵母数300cfu/g未満であった。
ンと平均粒径20ミクロンの鉄粉と平均粒径2ミクロンに粉砕し
た塩化ナトリウムを59:40:1の割合で加熱しなが
らニーダーを用いて混合し、押し出して酸素吸収樹脂組
成物Bを得た。酸素吸収剤樹脂組成物Bを用いた以外
は、実施例1と同様に袋を作製し、乳酸菌数5.2×106cf
u/g、酵母数300cfu/g未満の白菜漬け150gを充填、
密封し、10℃下に保存した。保存15日目、袋形状に
膨れ等の変化がなく、白菜漬けは、色調、風味が良好に
保持されていた。白菜漬けは、乳酸菌数7.3×105cfu/
g、酵母数300cfu/g未満であった。
樹脂組成物Aを、ポリエチレン:鉄系酸素吸収剤:酸化
カルシウム:水酸化カルシウム=30:40:25:5
からなる酸素吸収樹脂組成物Cに代えた以外、実施例1
同様に酸素吸収性袋を作製した。この袋に、乳酸菌数1.
6×107cfu/g、酵母数300cfu/g未満の白菜漬けを充填、
密封し、10℃下に保存した。15日目に袋外観の観
察、色調、風味評価を行った。その結果、袋形状に膨れ
変化がなく、白菜漬けは、色調、風味が良好に保持され
ていた。白菜漬けは、乳酸菌数1.8×107cfu/g、酵母数3
00cfu/g未満であった。
乳酸菌を死滅させることなく酵母発酵が進行することを
抑えて、発酵漬け物本来の風味が低下することの防止効
果を果たす。しかも、発酵漬け物を密封した容器の膨れ
を防止し、発酵漬け物の長期間の保存を可能とする。本
発明の方法は、特殊な装置、機器を必要とせず、低コス
トで安全かつ簡易に、発酵漬け物の賞味期間を著しく延
長する。
Claims (2)
- 【請求項1】発酵漬け物を、内側より熱可塑性樹脂から
なるシーラント層、酸素吸収剤を10〜70重量%及び
炭酸ガス吸収剤を20重量%を超え40重量%以下の量
配合された熱可塑性樹脂組成物からなる酸素吸収層、及
びガスバリア性物質からなるバリア層からなる酸素吸収
多層フィルムを少なくとも一部に使用してなる酸素吸収
性容器に密封することを特徴とする発酵漬け物の保存方
法。 - 【請求項2】酸素吸収剤が、ハロゲン化金属被覆鉄粉組
成物であることを特徴とする請求項1記載の保存方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001271671A JP2003079312A (ja) | 2001-09-07 | 2001-09-07 | 発酵漬け物の保存方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001271671A JP2003079312A (ja) | 2001-09-07 | 2001-09-07 | 発酵漬け物の保存方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003079312A true JP2003079312A (ja) | 2003-03-18 |
JP2003079312A5 JP2003079312A5 (ja) | 2008-10-02 |
Family
ID=19097152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001271671A Pending JP2003079312A (ja) | 2001-09-07 | 2001-09-07 | 発酵漬け物の保存方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003079312A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019218136A (ja) * | 2018-06-22 | 2019-12-26 | 大日本印刷株式会社 | 発酵食品用炭酸ガス吸収シーラントフィルム、発酵食品用積層体および発酵食品用包装袋 |
JP2019217750A (ja) * | 2018-06-22 | 2019-12-26 | 大日本印刷株式会社 | 炭酸ガス吸収シーラントフィルム、積層体および包装袋 |
-
2001
- 2001-09-07 JP JP2001271671A patent/JP2003079312A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019218136A (ja) * | 2018-06-22 | 2019-12-26 | 大日本印刷株式会社 | 発酵食品用炭酸ガス吸収シーラントフィルム、発酵食品用積層体および発酵食品用包装袋 |
JP2019217750A (ja) * | 2018-06-22 | 2019-12-26 | 大日本印刷株式会社 | 炭酸ガス吸収シーラントフィルム、積層体および包装袋 |
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