JP2003077994A - 静電チャック及びその製造方法 - Google Patents

静電チャック及びその製造方法

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JP2003077994A
JP2003077994A JP2001262471A JP2001262471A JP2003077994A JP 2003077994 A JP2003077994 A JP 2003077994A JP 2001262471 A JP2001262471 A JP 2001262471A JP 2001262471 A JP2001262471 A JP 2001262471A JP 2003077994 A JP2003077994 A JP 2003077994A
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electrostatic chuck
adhesive layer
adhesive
dielectric substrate
electrode
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Masashi Sakagami
勝伺 坂上
Masaki Terasono
正喜 寺園
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接着層の耐電圧が高く、寿命の長い静電チャッ
ク及びその製造方法を提供する。 【解決手段】基体7と、該基体7の上に設けられた接着
層3と、前記接着層3の上に設けられた誘電体基板1
と、誘電体基板1の表面に前記接着層3と接するように
設けられた電極2とを具備し、前記電極2から前記接着
層3を経由して外部に電流が流れる経路の耐電圧が4k
V/mm以上であることを特徴とし、特に、前記電極2
が複数の電極からなり、該複数の電極2a、2b間の耐
電圧が4kV/mm以上であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置等
においてウエハを静電的に吸着保持して処理したり、搬
送する為の静電チャック及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来技術】従来より、半導体製造装置において、シリ
コンウエハ等の基板に成膜やエッチング等の加工処理を
施すためには、シリコンウエハの平面を平坦に保ちなが
ら静電チャック等のウエハ支持体に保持する必要があ
る。このような保持手段としては、機械式、真空吸着
式、静電吸着式が提案されている。
【0003】これらの保持手段の中で、静電引力を利用
してシリコンウエハを保持することのできる静電チャッ
クは、シリコンウエハに要求される加工面の平坦度や平
行度を容易に達成できること、及びシリコンウエハを真
空中で保持できることから、半導体の製造プロセスにお
いて多用されている。
【0004】このような静電チャックの一例を図3に示
す。図3は従来の双極型静電チャックの構造を示す断面
図であり、誘電体基板21と、誘電体基板21内部に設
けられた複数の電極22a、22bと、ウエハ等の載置
面25とを具備し、電極22aと電極22bとの間に電
圧を印加し、発生する静電力により載置面25に載置さ
れたウエハ等の被吸着物を載置面25に強固に吸着する
ものである。
【0005】また、図4は従来の単極型静電チャックの
構造を示す断面図であり、誘電体基板31と、誘電体基
板31内部に設けられた電極32とウエハ等の載置面3
5とを具備し、載置面35に載置されたウエハ等の被吸
着物と電極32との間に電圧を印加し、発生する静電力
により被吸着物を載置面35に強固に吸着するものであ
る。
【0006】このような絶縁性誘電体である誘電体基板
中に電極が内蔵された構造の静電チャックを製造するに
は、一対の絶縁セラミックスの間に導電層を挟みこんで
一体成形し、得られた成形体を焼成する必要があり、多
くの工程数を必要とするとともに、複雑な工程と難易度
の高い技術のため不良の発生率が高く、コストが高いと
いう問題があった。
【0007】そこで、図5(a)に示すように、誘電体
基板41と、誘電体基板41の表面に設けられた電極4
2a、42bと、電極42a、42bを覆うように誘電
体基板41の表面に設けられた接着層43と、接着層4
3の表面に設けられた基体47とを具備した双極型静電
チャックが、特開平5−347352号公報に提案され
ている。
【0008】また、同様に、図6に示したように、誘電
体基板51と、誘電体基板51の表面に設けられた電極
52と、電極52を覆うように誘電体基板51の表面
に、第1接着層53aを介して設けられた絶縁フィルム
54と、絶縁フィルム54の表面に第2接着層53bを
介して設けられた基体57とを具備した単極型静電チャ
ックが、特開平5−347352号公報に提案されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
5−347352号公報に記載の静電チャックは、誘電
体基板41と電極42の周りが、有機物製の接着剤から
なる第1接着層43で覆われており、図5(a)の部分
的拡大図である図5(b)に示すように、電極42a、
42bの外側にも接着層43があるため、特に電極42
a、42bの外側の接着層43cに気孔が発生しやす
い。これは、特開平5−347352号公報に記載の単
極型静電チャックでも同様であり、このような電極の外
周にある気孔が原因で、電極と側面部49との間で電流
が流れ、外周部絶縁破壊を生じ、静電チャックとしての
寿命が短いという問題があった。
【0010】また、図5(a)の部分的拡大図である図
5(c)に示すように、電極42a及び電極42bの間
も接着剤が充填されているため、特に電極42a、42
b間や電極42の周囲に気孔が発生しやすい。従って、
複数の電極42a、42bを有する静電チャックの場
合、電極42a、42b間の接着層43dに気孔がある
と電極42a、42b間で低い電圧でも絶縁破壊を生じ
やすいという問題があった。
【0011】本発明の目的は、接着層の耐電圧が高く、
寿命の長い静電チャック及びその製造方法を提供するこ
とである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、電極に隣接す
る接着層の気孔を制御することによって、特に電極が形
成された誘電体基板に沿う経路における耐電圧を向上さ
せ、接着層の耐電圧及び静電チャックの寿命を改善でき
るという知見に基づく。
【0013】即ち、本発明の静電チャックは、基体と、
該基体の上に設けられた接着層と、前記接着層の上に設
けられた誘電体基板と、誘電体基板の表面に前記接着層
と接するように設けられた電極とを具備し、前記電極か
ら前記接着層を経由して外部に電流が流れる経路の耐電
圧が4kV/mm以上であることを特徴とするものであ
る。
【0014】また、前記電極が複数の電極からなり、該
複数の電極間の耐電圧が4kV/mm以上であることが
好ましい。これにより、電極間の耐電圧が向上するの
で、静電チャックを何回使用しても絶縁破壊がなく、更
に寿命と信頼性を改善することができる。
【0015】特に、前記電極間の最小距離が0.5mm
以上であることが好ましい。これにより電極間の耐電圧
を高くでき、静電チャックとしての寿命が延びる。
【0016】また、前記基体が導電性を有し、前記接着
層の少なくとも内部に絶縁フィルムが設けられてなるこ
とが好ましい。これにより、基体を電極として利用する
ことが可能となり、プラズマを発生する装置で好適に用
いることができる。また、熱伝導率の大きな金属材料を
使用できるため、ウエハ等の保持部材の温度を一定に保
つことが容易となる。
【0017】さらに、前記接着層の気孔率が20%以下
であることが好ましい。これにより、接着層の耐電圧が
向上し、静電チャックの寿命を延ばすことができる。
【0018】また、前記接着層に含まれる気孔の最大径
が10μm以下であることが好ましい。これにより、接
着層の耐電圧が向上し、静電チャックの寿命を延ばすこ
とできる。
【0019】さらに、前記誘電体基板と前記絶縁フィル
ムとの間の接着層の厚みが、前記電極の厚みより5〜1
00μm大きいことが好ましいい。これにより、接着層
に残る気孔を少なくできる。
【0020】また、本発明の静電チャックの製造方法
は、(a)誘電体基板の表面に電極を作製する工程と、
(b)接着温度での粘度が100Pa・s以下で揮発成
分が5%以下の接着剤を脱泡する工程と(c)前記
(a)工程で作製した誘電体基板の電極が形成された表
面に絶縁フィルムを前記(b)工程で得られた接着剤を
用いて接着する工程と、(d)前記(c)工程によって
前記誘電体基板に接着した前記絶縁フィルムと基体とを
接着剤を用いて接着する工程とを具備することを特徴と
するものである。これにより、接着層に残存する気孔を
少なくでき、接着層中の耐電圧を向上し、静電チャック
の寿命を延ばすことができる。
【0021】特に、前記(c)工程において、前記誘電
体基板の表面に電極を覆うように絶縁フィルムを載置
し、該絶縁フィルムと前記誘電体基板の隙間の少なくと
も一部に、前記(b)工程で得られた接着剤を挿入し、
しかる後に前記絶縁フィルムの上からスキージを用いて
前記接着剤を延ばして前記隙間を前記接着剤で充填する
ことが好ましい。これにより、さらに一層気孔の少ない
接着層を形成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の静電チャックを、図1
(a)に示す双極型静電チャックを例として説明する。
本発明によれば、双極型静電チャックは、図1(a)に
示すように、表面に電極2を形成した誘電体基板1と、
基体7が接着層3を介して一体となり、接着層3の内部
に絶縁フィルム4が設けられており、第1接着層3aと
第2接着層3bとに挟持されるように絶縁フィルム4が
配設されている。また、双極型静電チャックであるた
め、2つの電極2a、2bが誘電体基板1の表面に形成
されている。この電極2は、第1接着層3aにより覆わ
れている。
【0023】誘電体基板1は、静電チャックとしての耐
電圧、吸着力等を満足させるために、Al23、Si
C、AlN及びSi34のうち少なくとも1種を主体と
するセラミックスからなることが好ましい。これらの中
でも、低コストの観点でAl23が好ましい。また、耐
食性の観点でAlNが好ましい。さらに、強度が高く機
械的信頼性が高い点でSi34が好ましい。
【0024】また、電極2は、Ni、Ti、Ag、C
u、Au、Pt、Mo、Mn等の金属及びこれらを含む
合金、導電性セラミックス等の導電性材料から構成され
る。
【0025】双極型静電チャックの場合、誘電体基板1
表面に、1対の電極2a及び2bが形成されており、そ
の最小距離が0.5mm以上、特に1mm以上であるこ
とが好ましい。これにより、電極2a、2b間に印加で
きる電圧を高くすることができ、より大きな吸着力によ
ってウエハ等の被吸着物を保持する時にも絶縁破壊の危
険性を小さくすることができる。
【0026】接着層3は、誘電体基板1と基体7とを強
固に接着するためのものであり、絶縁性を有しているこ
とが必要であり、エポキシ樹脂、シリコーン等の有機物
系の接着剤を硬化させたものであることが好ましい。
【0027】本発明によれば、セラミックスからなる誘
電体基板1の表面に設けられた電極2から、第1接着層
3aを経由して外部に電流が流れる経路の耐電圧が4k
V/mm以上であることが重要である。4kV/mmに
満たないとエッチング等の処理中に生じた印加電圧によ
って絶縁破壊を生じて吸着できない。また、一度に絶縁
破壊をしない場合でも、気孔間等において部分的な絶縁
破壊が起こり、繰り返し使用しているうちに耐電圧が低
下し、しまいには絶縁破壊に至り、寿命が短い。この耐
電圧は、高い信頼性を確保するために、特に6kV/m
m以上であることが好ましい。
【0028】また、電極2a及び電極2bとの間の接着
層3cを電流が流れる経路の耐電圧が4kV/mm以
上、特に6kV/mm以上であることが好ましい。これ
により、電極間での絶縁破壊が抑制され、また、静電チ
ャックの寿命を延ばし、信頼性を高めることができる。
【0029】さらに、接着層3の気孔率が20%以下、
特に10%以下、更には5%以下であることが好まし
い。特に、電極2a、2b間の接着層3c及び電極2
a、2bの外側の接着層3dにおいて、気孔率が局所的
に20%を超え易いため、全体的には勿論のこと、局所
的にも20%以下の気孔率であることが好ましい。この
ように、気孔率を20%以下にすることにより接着層3
の耐電圧を向上し、寿命を長くする効果を有する。
【0030】さらにまた、接着層3に含まれる気孔の最
大径が10μm以下、特に6μm以下であることが好ま
しい。接着層3に含まれる気孔の最大径を10μm以下
にすることにより、耐電圧をより大きくし、製品間にお
ける耐電圧のばらつきを小さくすることが容易になる。
【0031】また、誘電体基板1と絶縁フィルム4との
間の接着3層の厚みが、電極2a、2bの厚みより5〜
100μmだけ大きいことが好ましい。5μm未満で
は、接着層3、特に電極2a、2bの外側の接着層3c
及び電極2a、2b間の接着層3dにボイドが形成され
やすく、耐電圧を低下する傾向がある。また、100μ
mを超えると絶縁フィルム4の平面度が悪くなる傾向が
あり、また、基体7との接触や接着が悪くなることがあ
る。従って、耐電圧低下を防ぎ、絶縁フィルム4の平面
度を保つため、電極2a、2bの厚みより特に10〜8
0μm大きいことが好ましい。
【0032】絶縁フィルム4は、所望により、特に基体
7が金属の場合に、電極2と基体7との間の耐電圧を高
めるために設けられるものであり、絶縁フィルム4の材
質は、絶縁性を有する材料であれば特に限定されるもの
ではなく、アルミナ等の薄板や、ポリイミド等の有機質
フィルムを用いることができる。コスト及び取扱いの点
で有機質フィルムが好ましい。
【0033】基体7は、誘電体基板1を支持できるもの
であれば材料をどのような材料であっても良い。例え
ば、プラズマを発生する装置においては、アルミニウム
等の金属を用いて放電用の電極を兼ねることも可能であ
る。
【0034】このような構成を有する静電チャックで
は、接着層3aの厚み及び接着層3c、3dに存在する
気孔を制御することによって接着層の耐電圧を高めるこ
とができ、その結果、電極外周の最外接着層3cや電極
2a、2b間の接着層3dでの絶縁破壊を防止し、静電
チャックの寿命を延ばし、信頼性が高くなるという特徴
を有するので、エッチング、CVD等に好適に用いるこ
とができる。
【0035】次に、本発明の静電チャックの他の例であ
る単極型静電チャックについて説明する。本発明の単極
型静電チャックは、図2に示すように、表面に単一の電
極12を形成した誘電体基板11と、基体17が接着層
13を介して一体となり、接着層13の内部に絶縁フィ
ルム14が設けられており、第1接着層13aと第2接
着層13bとに挟持されるように絶縁フィルム14が配
設されている。
【0036】また、電極12は、第1接着層13aによ
り覆われており、電極12に電圧が加わるため、双極型
静電チャックの場合と同様に、第1接着層13aの耐電
圧が低いと第1接着層13aを介して電流が流れ、絶縁
破壊が起こり、寿命が短くなるため、セラミックスから
なる誘電体基板11の表面に設けられた電極12から、
第1接着層13aを経由して外部に電流が流れる経路の
耐電圧が4kV/mm以上であることが重要である。
【0037】なお、双極型静電チャックにおける電極2
a、2b間の耐電圧以外の上記項目は、単極型静電チャ
ックにおいても適用されるのは言うまでも無い。
【0038】次に、本発明の静電チャックの製造方法に
ついて説明する。本発明品である静電チャックは、以下
の方法で作られる。まず、第1の(a)工程として、誘
電体基板の表面に電極を作製する。
【0039】例えば、Al23、SiC、AlN及びS
34のうち少なくとも1種を主体とするセラミックス
からなる誘電体基板を用意し、その誘電体基板の一方の
表面に、Ni、Ti、Ag、Cu、Au、Pt、Mo、
Mn等の金属成分を主成分とする電極をメッキ法、スパ
ッタ法、蒸着法、印刷法等により形成する。作製する電
極の厚みは導電性を確保するため、0.1μm以上であ
ることが好ましい。
【0040】次いで、第2の(b)工程として、接着温
度での粘度が100Pa・s以下で揮発成分が5%以下
の接着剤を脱泡する。即ち、流動性の高い接着剤物を準
備し、接着剤は予め脱泡しておくことが重要である。こ
の脱泡処理は、真空容器に接着剤を入れ、真空度2.6
kPa以下になるまで排気する。真空になると、接着剤
に含まれる気体がガスとなって真空中に放出される。こ
こで、脱法をより効率良く行うため、接着剤の粘度を低
下させることが望ましい。例えば、加熱して接着剤の粘
性を高めることができる。
【0041】脱法処理は、発生するガスが実質的に出な
くなるまで続けることが好ましい。この脱法処理によっ
て、接着剤中に含まれる気泡成分を除去し、接着剤を誘
電体基板上に塗布し、固化する時に発生する気孔を顕著
に減少させることができ、その結果、接着層の耐電圧を
高めることができる。
【0042】従って、接着剤は、接着する温度において
粘度100Pa・s以下であることが重要であり、特に
50Pa・s以下が好ましい。粘度が100Pa・sを
越えると、接着剤の流動性が悪く、接着剤中の気孔の除
去が難しくなり、その結果、耐電圧低下の原因となる。
【0043】また、揮発成分が5%以下であることが重
要であり、特に3%以下が好ましい。揮発成分が5%を
超えると、硬化時に気泡を多く含み、耐電圧が低くな
る。このような接着剤としては、例えば、エポキシ樹
脂、シリコーン等の有機物系の接着剤等がある。
【0044】次いで、第3の(c)工程として、(a)
工程で作製した誘電体基板の表面と絶縁フィルムとを
(b)工程の脱泡処理を行った接着剤を用いて接着す
る。即ち、(a)工程で電極を形成した誘電体基板の電
極を形成した面に、脱泡を行ったエポキシ、シリコーン
等の有機性接着剤を載せ、さらに接着剤の上に絶縁フィ
ルムを載せ、固化して接着する。
【0045】(c)工程においては、誘電体基板の表面
に電極を覆うように絶縁フィルムを載置し、絶縁フィル
ムと誘電体基板の隙間に接着剤を挿入し、しかる後に絶
縁フィルムの上からスキージを用いて接着剤を押し延ば
すことによって、絶縁フィルムと誘電体基板との隙間を
接着剤で満たすことが好ましい。
【0046】特に、スキージは、絶縁フィルムに傷をつ
けて耐電圧低下の原因となることを防止するために、樹
脂製であることが好ましい。また、接着剤が多すぎる程
度に挿入し、発生した気孔を排除するためにスキージを
用いて気孔を外部に掻き出すこともできる。
【0047】そして、接着剤を硬化させ、誘電体基板に
絶縁フィルムを固定する。なお、接着剤の効果条件は、
使用する接着剤で異なるが、使用する接着剤に応じた最
適条件で実施する。
【0048】最後に(d)工程として、誘電体基板に接
着した絶縁フィルムと基体とを接着剤を用いて接着す
る。即ち、エポキシ樹脂、シリコーン等の有機物系の接
着剤を用いて、絶縁フィルムと基体とを接着する。接着
は、(c)工程の条件と同様である。
【0049】このようにして作製した本発明の静電チャ
ックは、接着層に発生する気孔が少なく、接着層の耐電
圧が改善さらたため、静電チャックの電極間、電極外周
の最外接着層での絶縁破壊が押さえられ、静電チャック
の寿命を向上することができる。
【0050】
【実施例】誘電体基板としてAlN磁器を用いた。Al
N磁器の厚みは1mmになるように研磨し、図1となる
ように、一方の表面に静電吸着力発生用の双極又は単極
の電極をNiで形成した。
【0051】一方、エポキシ接着剤を容器に入れ、表1
の粘度となるように調整し、1kPaの真空中で15分
保持することにより接着剤の脱泡を実施した。15分で
脱泡はほぼ停止した。なお、粘度の測定は、JIS Z
8803に示される円錐−平板回転粘度計を用いて測定
した。また、揮発成分の測定は、接着剤を硬化温度以下
の温度で0.01Pa以下に24時間保持し、その前後
での重量減少分を揮発成分とした。
【0052】次いで、AlN磁器の電極形成面にポリイ
ミドフィルムを接着した。接着方法は、表1に示すよう
に、塗布法とスキージ法を用いた。塗布法では、脱泡処
理を行っていない接着剤をスクリーン印刷法によりAl
N磁器の表面に塗布した後、ポリイミドフィルムを載せ
て接着した。また、スキージ法では、AlN磁器の電極
形成面にポリイミドフィルムを載せ、その隙間に脱泡処
理を行った接着剤を挿入し、ポリイミドフィルムの上か
ら、ポリイミドに傷をつけないように、樹脂製スキージ
を用いてポリイミドの上を滑らせて接着剤をポリイミド
と誘電体基板及び電極の間に広げるとともに、発生した
少量の気泡を余分な接着剤と共に排除した。
【0053】その後、80℃の乾燥機中で接着剤を硬化
させた。そして、これをアルミニウムの板にシリコーン
接着剤で接着し、静電チャックを作製した。
【0054】また、気孔率及び最大気孔径の測定は、試
料を切断し、接着層の断面の走査型電子顕微鏡(SE
M)による写真観察から、100個の気孔のうち最大の
径を最大気孔径とするとともに平均気孔径を算出し、こ
の平均気孔径から100個の気孔の総面積を算出して、
気孔の存在する領域の全面積に占める気孔の総面積の割
合を気孔率として算出した。
【0055】次に、絶縁破壊のテストを行った。即ち、
作製した静電チャックの載置面にウエハを載せ、双極の
電極に0.5kVの電圧を印加して5分間保持して絶縁
破壊を確認し、絶縁破壊の無い場合には電圧を0.5k
V増加し、5分間保持して絶縁破壊を確認する作業を繰
り返した。そして、絶縁破壊した時の電圧を読取り、そ
の場所を確認し、電極間で絶縁破壊が起こったときは最
短電極間距離で絶縁破壊電圧を割り、耐電圧とした。一
方、外周部で絶縁破壊が生じたときは、電極と接着層の
周端部との距離で絶縁破壊電圧を割り、耐電圧とした。
なお、測定上の最大値は10kV/mmであり、それ以
上は>10kV/mmと表示した。
【0056】さらに、信頼性試験として、4kVの電圧
を30秒間印加し、印加と停止とを繰り返して5000
(5k)回及び10000(10k)回の印加を行った
ときに、絶縁破壊が起こるかどうかを確認した。絶縁破
壊が発生したものを×、発生しなかったものを○として
表示した。結果を表1に示した。
【0057】
【表1】
【0058】本発明の試料No.5〜23及び26〜3
7は、耐電圧が4kV/mm以上であり、1万回の電圧
印加でも絶縁破壊せず、信頼性の高いものであった。
【0059】特に、気孔率が10%以下の試料No.5
〜22及び26〜37は、耐電圧が6kV/mm以上で
あった。さらに、気孔率が5%以下の試料No.5〜1
1、13〜20、28〜34及び36〜37は、耐電圧
が10kV/mm以上であった。
【0060】また、気孔の最大径が6μm以下の試料N
o.5〜11、13〜20、27〜34及び36〜37
は、耐電圧が8kV/mm以上であった。
【0061】一方、接着剤の脱泡処理を行わず、耐電圧
が3.5kV/mm以下で、本発明の範囲外の試料N
o.1〜4及び38は、電極の外周と接着層の周端部間
又は電極間において絶縁破壊を起こし、信頼性試験では
いずれも5千回で絶縁破壊し、信頼性が低かった。
【0062】また、粘度が150Pa・sと大きく、ま
た揮発成分が7%と大きい本発明の範囲外の試料No.
24及び25は、耐電圧が3kV/mmと低く、信頼性
試験ではいずれも5千回で絶縁破壊し、信頼性が低かっ
た。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、接着剤を用いて誘電体
基板と基体とを接着してなる静電チャックにおいて、接
着層の気孔率を制御することにより、電極から接着層を
経由して外部に電流が流れる経路の耐電圧を向上するこ
とができ、静電チャックの寿命及び信頼性を改善するこ
とができる。また、電極間においても耐電圧を改善する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の双極型静電チャックの構造を示すもの
で、(a)全体の断面図、(b)周端部付近の部分的に
拡大した断面図、(c)電極間の部位を拡大した断面図
である。
【図2】本発明の単極型静電チャックの構造を示す断面
図である。
【図3】従来の双極型静電チャックの構造を示す断面図
である。
【図4】従来の単極型静電チャックの構造を示す断面図
である。
【図5】従来の双極型静電チャックの他の構造を示すも
ので、(a)全体の断面図、(b)周端部付近の部分的
に拡大した断面図、(c)電極間の部位を拡大した断面
図である。
【図6】従来の単極型静電チャックの他の構造を示す断
面図である。
【符号の説明】
1、11・・・誘電体基板 2、2a、2b、12・・・電極 3、13・・・接着層 3a、13a・・・第1接着層 3b、13b・・・第2接着層 3c・・・電極の外側の接着層 3d・・・電極間の接着層 4、14・・・絶縁フィルム 7、17・・・基体

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体と、該基体の上に設けられた接着層
    と、前記接着層の上に設けられた誘電体基板と、誘電体
    基板の表面に前記接着層と接するように設けられた電極
    とを具備し、前記電極から前記接着層を経由して外部に
    電流が流れる経路の耐電圧が4kV/mm以上であるこ
    とを特徴とする静電チャック。
  2. 【請求項2】前記電極が複数の電極からなり、該複数の
    電極間の耐電圧が4kV/mm以上であることを特徴と
    する請求項1記載の静電チャック。
  3. 【請求項3】前記電極間の最小距離が0.5mm以上で
    あることを特徴とする請求項2記載の静電チャック。
  4. 【請求項4】前記基体が導電性を有し、前記接着層の少
    なくとも内部に絶縁フィルムが設けられてなることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電チャッ
    ク。
  5. 【請求項5】前記接着層の気孔率が20%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電
    チャック。
  6. 【請求項6】前記接着層に含まれる気孔の最大径が10
    μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいず
    れかに記載の静電チャック。
  7. 【請求項7】前記誘電体基板と前記絶縁フィルムとの間
    の接着層の厚みが、前記電極の厚みより5〜100μm
    大きいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記
    載の静電チャック。
  8. 【請求項8】(a)誘電体基板の表面に電極を作製する
    工程と、(b)接着温度での粘度が100Pa・s以下
    で揮発成分が5%以下の接着剤を脱泡する工程と(c)
    前記(a)工程で作製した誘電体基板の電極が形成され
    た表面に絶縁フィルムを前記(b)工程で得られた接着
    剤を用いて接着する工程と、(d)前記(c)工程によ
    って前記誘電体基板に接着した前記絶縁フィルムと、基
    体とを接着剤を用いて接着する工程とを具備することを
    特徴とする静電チャックの製造方法。
  9. 【請求項9】前記(c)工程において、前記誘電体基板
    の表面に電極を覆うように絶縁フィルムを載置し、該絶
    縁フィルムと前記誘電体基板の隙間の少なくとも一部
    に、前記(b)工程で得られた接着剤を挿入し、しかる
    後に前記絶縁フィルムの上からスキージを用いて前記接
    着剤を延ばして前記隙間を前記接着剤で充填することを
    特徴とする請求項8記載の静電チャックの製造方法。
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