JP2003077840A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
半導体装置及びその製造方法Info
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Abstract
晶基板上に完全に転位をなくした(無欠陥の)III −V
族化合物半導体層、更にはシリコン層を形成することを
目的とする。 【解決手段】 シリコン単結晶基板1と、シリコン単結
晶基板1上にその臨界膜厚以下の厚さに形成されたGa
Pバッファ層2と、GaPバッファ層2上に形成されシ
リコン単結晶に実質的に格子整合するように窒素を添加
したIII −V族化合物半導体からなる複数の半導体層3
とを有する。更には、複数の半導体層3の上にシリコン
表面層を有する。
Description
製造方法に関し、特に、シリコン単結晶基板上に完全に
転位をなくした(無欠陥の)III −V族化合物半導体層
を形成した半導体装置とその製造方法に関する。
上に、GaAs、InP等のIII −V族化合物半導体層
を形成することが行われている。これは、大型で安価な
シリコン単結晶を基板とすることにより、Siでは形成
不可能な発光素子、高速素子、MMIC(Monolithic M
icrowave Integrated Circuit )等を安価に形成しよう
とするものである。また、Si上に形成した集積回路
(LSI)と、III −V族化合物半導体により形成した
発光素子、高速素子、マイクロ波素子等とを組み合わせ
て、相互の特徴を活かしたOEIC(光電子集積回路)
等を得ようとするものである。
431オングストローム)とIII −V族化合物半導体の
格子定数とは、周知のように、本来その違いが大きい
(格子が不整合である)。また、SiとIII −V族化合
物半導体とでは、熱膨張係数が異なる。更に、IV族に属
するSiとIII −V族化合物半導体とでは、相互の界面
における電子数が異なる。特に、最初の格子不整合の問
題は致命的である。
たIII −V族化合物半導体層には、高密度の結晶欠陥
(正確にはミスフィットによる転位)が生じてしまう。
例えば、当該III −V族化合物半導体層を用いて発光素
子を形成した場合、この欠陥領域は発光しないか、又
は、多くの場合動作中に欠陥が増殖して発光強度が低下
してしまう。即ち、経時劣化を生じてしまう。
(正確には1990年代後半以降)、シリコン単結晶基
板上に無欠陥の(又は、半導体素子の形成において実用
に耐えうる程度の)III −V族化合物半導体層を形成す
ることは、事実上できないと認識されるに到っている。
即ち、シリコン単結晶基板上のIII −V族化合物半導体
層の無転位化は絶望視されている。
転位をなくした(無欠陥の)III −V族化合物半導体層
を形成した半導体装置及びその製造方法を提供すること
を目的としている。
(無欠陥の)III −V族化合物半導体層とシリコン半導
体層とを有する半導体装置を提供することを目的として
いる。
シリコン単結晶基板と、シリコン単結晶基板上にその臨
界膜厚以下の厚さに形成されたGaPバッファ層と、G
aPバッファ層上に形成されシリコン単結晶に実質的に
格子整合するように窒素を添加したIII −V族化合物半
導体からなる複数の半導体層とを有する。
ン単結晶基板上に前記シリコン単結晶基板を第1の基板
温度に加熱しながらその臨界膜厚以下の厚さのGaPバ
ッファ層を形成し、GaPバッファ層上にシリコン単結
晶基板を第1の基板温度よりも高い第2の基板温度に加
熱しながらMBE法によりシリコン単結晶に実質的に格
子整合するように窒素を添加したIII −V族化合物半導
体からなる複数の半導体層(以下、III −V−N半導体
層という)を形成する。
れば、シリコン単結晶基板上に、GaPバッファ層をそ
の臨界膜厚以下の厚さに形成する。これにより、GaP
バッファ層を無欠陥化(無転位化)するとともに、III
−V−N半導体層中のNがシリコン単結晶基板の表面ま
で到達することを防止できる。また、III −V族化合物
半導体に、シリコン単結晶に実質的に格子整合するよう
にNをV族原子として添加する。添加の割合は、例えば
V族原子における組成比で1〜3%である。これによ
り、その格子定数をSiに近い値とすることができる。
そこで、この格子定数をSiに近くしたIII −V族化合
物半導体からなるIII −V−N半導体層(III −V−N
混晶層)を、無欠陥のGaPバッファ層を介して、シリ
コン単結晶基板上に形成することにより、これらの間の
僅かな格子定数の相違に起因する欠陥(転位)の発生を
抑えることができる。一方、III −V−N半導体層の電
子的な特性は、III −V族化合物半導体層の電子的な特
性を損なうことはない。従って、III −V−N半導体層
を無欠陥化(無転位化)し、これを用いて所望の電子
(又は光)デバイスを形成することができる。
結晶基板上のIII −V族化合物半導体層の無欠陥化の原
理について、より詳細に説明する。
他のIII −V族化合物半導体の格子定数の相違と比べる
と小さい。このため、シリコン単結晶基板上に貫通転位
の少ないGaP層を形成できることが知られている。
子半径の小さい窒素(N)を添加すると、V族原子が
(それ自体がV族である)Nに置き換わる。これによ
り、添加後の格子定数は、当該III −V族化合物半導体
の格子定数より小さくなる(Siのそれに近い値にな
る)ことが知られている。
を添加したGaAs−N混晶を形成し、組成分離の生じ
ることのない、かつ、結晶欠陥(貫通転位及びミスフィ
ット転位)のない均質な混晶が形成できることを確認し
ている(藤本他、2000年春季応用物理学会予稿集、
Oa-P13-17 )。
リコン単結晶基板上に、GaAs−N混晶等のIII −V
−N半導体層を形成すれば、これを完全に転位のない
(無欠陥の)III −V族化合物半導体層とすることがで
きると考えた。本発明は、このような本発明者による新
たな知見に基づいてなされたものである。即ち、シリコ
ン単結晶基板上に、Siに格子定数が一致(格子整合)
したIII −V−N半導体層を形成することにより、III
−V族化合物半導体層を無転位化するものである。
却過程でSiとIII −V−N半導体層との熱膨張係数差
により、III −V−N半導体層に引っ張り応力が加わ
る。その結果、III −V−N半導体層の表面から転位が
層内に入ってくる。この問題は、III −V−N半導体層
の上にSi層を形成することによって解決される。それ
は、表面のSi層は厚いSi基板と格子定数及び熱膨張
係数が同じであるために、応力が加わらないためであ
る。これも本発明者による新たな知見である。
り、本発明の半導体装置の基本的な構成を示す。
下、基板という)1が用いられる。基板1は、これには
限られないが、例えば[011]方向に4°傾斜した
(100)面を有するシリコン(Si)の単結晶からな
る。基板1の厚さは、例えば400μm〜500μm程
度である。
3を形成することなく、基板1とIII −V−N半導体層
3との間に位置するように、バッファ層2が形成され
る。バッファ層2は、例えばGaPからなる。Nを添加
しないIII −V族化合物半導体の中では、GaPの格子
定数がSiに近い値であるので、バッファ層としてはG
aPが好ましい。
本発明者によって初めて見出されたものであって、以下
の通りである。Nを含むIII −V−N半導体層3をSi
上に直接形成すると、Nの原子半径が小さいので、Si
に優先的にNが付着してしまう。このため、基板1の表
面の性質が変化してしまう。このような変成した状態の
表面に対しては、Nを添加して格子定数をSiのそれに
近づけた意味が失われ、結晶欠陥を生じてしまう。従っ
て、III −V−N半導体層3に含まれるNが基板1に作
用しないように、GaPバッファ層2を形成することが
必要となる。
nm(ナノメートル)とされる。GaPバッファ層2の
厚さは、当該組成物(例えばGaP)が基板1のSiの
表面を覆う厚さ以上で臨界膜厚以下の範囲とされる。
に覆う厚さ」は以下のように定まる。例えば当該組成物
がGaPである場合、GaPの単分子層の厚さは約0.
2nmであるので、理論的には単分子層でもSiの表面
を覆うことはできる。しかし、実際には、単分子層のG
aPをSi表面に形成しただけでは、GaPバッファ層
2の表面の性質はSiに強く影響され、GaP(III −
V族化合物)の性質とはならない(Nが付着する可能性
が残る)。また、単分子層の制御は難しい。従って、当
該厚さは、バッファ層2の表面の性質がIII −V族化合
物の性質となるのに必要なだけの厚さである。実際に
は、数nmあれば十分である。しかし、この例では、余
裕をみて例えば20nmとしている。
る。GaPバッファ層2の厚さが一定の厚さ以下である
と、GaPバッファ層2にミスフィットによる転位を生
じることなく、Siとの格子定数の相違をGaPバッフ
ァ層2の内部応力の蓄積として吸収することができる。
この転位を生じない境界の厚さを「臨界膜厚」という。
しかし、僅かではあってもGaPとSiの格子定数は相
違するので、GaPバッファ層2の厚さが臨界膜厚を超
えると、両者の格子定数の相違を吸収することができな
くなり、転位を生じてしまう。実際には、バッファ層2
としてGaPを用いる場合には50nm程度までは転位
を生じないので、その膜厚は50nmでもよい。しか
し、この例では、余裕をみて例えば20nmとしてい
る。
iにほぼ等しいIII −V−N半導体層3が形成される。
この例では、III −V−N半導体層3は、シリコン単結
晶に実質的に格子整合するようにNを添加したGaP
1-X NX からなる。実際には、後述するように、複数の
III −V−N半導体層3が形成される。なお、後述の例
から判るように、複数とは、化合物の組成の相違する場
合の他に、同一の化合物において導伝型(p型とn型)
の相違する場合をも含む。III −V−N半導体層3は、
GaPバッファ層2と同一の族の化合物であるので、界
面が変質して新たな結晶欠陥が発生する原因はない。従
って、この例ではGaPバッファ層2に転位がないの
で、III −V−N半導体層3は無転位の層として形成さ
れる。
例えば全体で数100nm〜1500nm程度に形成さ
れる。このように厚く形成しても、III −V−N半導体
層3は、GaPバッファ層2によりSiである基板1か
ら分離され、かつ、Siに近い格子定数であるので、組
成分離の生じない均質な混晶(III −V−N混晶、この
場合はGaP−N混晶)となっており、かつ、結晶欠陥
(貫通転位及びミスフィット転位)のない完全結晶とな
っている。
層3は、Siとの界面における結晶欠陥からフリーであ
るので、GaP1-X NX の構成に限られることなく、種
々の構成のIII −V族化合物半導体とすることができ
る。即ち、所望のデバイスに合わせて、その組成や膜厚
等の構成を自由に選択することができる。例えば、後述
するように、Aly Ga1-y P1-z Nz (zは例えば
0.01〜0.03)、Ga(Asy P1-y )1-z Nz
(zは例えば0.01〜0.03)のいずれであっても
よい。周知のように、III 族原子は、アルミニウム(A
l)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)から1又
は複数選択される。V族原子は、窒素(N)、燐
(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)から1又は
複数選択される。
量は、この例では、例えばV族原子(この場合は燐
(P))における組成比で2%とされる。即ち、xは
0.02とされ、GaP0.98N0.02層を形成している。
前記組成比で例えば1〜3%(x=0.01〜0.0
3)とすることが、典型的なMBE法による成長では好
ましい。その特性はNを含まない既知のIII −V族化合
物半導体装置の特性に近い特性を示すと予測することが
できる。特に、GaP層の場合、Nの添加量が2%であ
れば、Siとの格子定数の相違を意識する必要を全くな
くすことができる。Nの添加量が1%未満であると、N
を添加した効果があまり現れない。即ち、III −V−N
半導体層3の格子定数がSiのそれにあまり近づかな
い。従って、III −V−N半導体層3の臨界膜厚が薄く
なり、これを越えた厚さになると転位が入る。Nの添加
量が増えると、光デバイスを形成した場合の発光特性が
悪くなる傾向があり、また、結晶性も悪化する(結晶が
歪む)傾向がある。
III −V−N半導体層3を用いてどのようなデバイスを
形成するかに依存し、また、III −V族化合物の(N以
外の)組成が何であるかにも依存する。例えば、III −
V族化合物がGaPである場合には10%(xが0.1
0)程度のNを添加することが可能である。従って、発
光特性や結晶性を一応のレベルに維持できるとも考えら
れる。しかし、一方で、Nの添加量が少ないほど、発光
特性や結晶性がよいことは明らかである。従って、形成
するデバイス及びIII −V族化合物の組成に応じて、N
の添加量を適切な値とする必要がある。
sの格子定数は5.660オングストローム、GaAs
格子定数は5.65325オングストロームである。両
者の差をGaAsの格子定数で割り100倍した値を格
子定数差といい、0.12%である。このことから、格
子定数差が0.12%より小さい状態は、「格子整合に
近い状態」即ち「実質的に格子整合している状態」と理
解されている。換言すれば、通常の発光デバイスや高速
電子デバイスの形成に必要な1〜3μmの厚さの層を転
位なしで形成できる。格子定数差が0.12%より大き
ければ直ちに「格子が不整合」かというとそうではな
く、経験的には、0.2%以下の格子定数差であれば、
実用上デバイス形成に必要な1μmの厚さの層を転位な
しで形成できると考えてよい。即ち、シリコン単結晶に
実質的に格子整合することが可能なNの添加量は、格子
定数差を0.2%以下とすることができる量と考えてよ
い。ちなみに、GaPとSiとの格子定数差は約0.4
%である(明らかに格子不整合である)。
り、本発明の半導体装置における結晶欠陥(転位)が無
い様子を模式的に示す。
半導体装置の断面を傾斜させたとき(傾斜断面)の透過
型電子顕微鏡による写真を模式的に示した図である。S
iの基板1とIII −V−N半導体層3である(n型)G
aP0.98N0.02層との界面及びIII −V−N半導体層3
内部には、全く転位が発生していないことが判る。な
お、図3(A)の右側の図においては、GaPバッファ
層2の図示を省略している(図3(B)及び図3(C)
において同じ)。
その左側に、従来のSiの基板上に直接Nを含まないG
aP層を厚く(数100nm)形成した場合における傾
斜断面の透過型電子顕微鏡による写真を模式的な図とし
て示す。Siの基板と厚いGaP層との界面において、
転位(黒い線)が相当数発生していることが判る。
(後述する図5の)半導体装置の断面の透過型電子顕微
鏡による写真を模式的に示した図である。Siの基板1
とIII−V−N半導体層3であるGaP0.98N0.02光閉
込層との界面及びIII −V−N半導体層3内部には、全
く転位が発生していないことが判る。なお、III −V−
N半導体層3は複数の化合物半導体層からなるが、その
いずれにおいても各界面を含めて転位は発生していない
ことが判る。
その左側に、従来のSiの基板上に直接Nを含まないG
aAs層を厚く(数μm)形成した場合における断面の
透過型電子顕微鏡による写真を模式的な図として示す。
Siの基板と厚いGaAs層との界面からGaAs層の
厚さ方向のほぼ全域にわたって、転位(黒い線)が発生
していることが判る。
7の)半導体装置の断面の透過型電子顕微鏡による写真
を模式的に示した図である。即ち、図1の半導体装置に
おいて、III −V−N半導体層3であるGaP0.98N
0.02層の上に、更にSi層を例えばMBE法により形成
して、SOI(Silicon On Insulator)構造としてい
る。なお、この場合のIII −V−N半導体層3は高抵抗
(又はイントリンシック)とされる。Siの基板1とII
I −V−N半導体層3であるGaP0.98N0.02高抵抗層
との界面、III −V−N半導体層3内部及び最上層のS
i層内部には、全く転位が発生していないことが判る。
明図であり、本発明の半導体装置の製造方法を示す。
基板1を用意する。実際の基板1は、例えば不純物とし
てPを添加することにより、n型(n−Si基板)とさ
れている。
板1を第1の基板温度に加熱しながら、周知のMEE
(Migration Enhanced Epitaxy)法により、GaPバッ
ファ層2を薄く(例えば20nmに)形成する。第1の
基板温度は、後述の第2の基板温度よりも低い温度、例
えば450°である。GaPバッファ層2を、このよう
な低温で(かつ薄く、即ち、臨界膜厚以下に)形成する
ことにより、III −V−N半導体層3よりもSiとの間
のミスフィットの大きいGaPの層を形成しても、結晶
欠陥が生じることを抑えることができる。GaPバッフ
ァ層2は、例えば不純物としてSiを添加することによ
り、n型(n−GaP)とされる。
E(Molecular Beam Epitaxy)法、MOVPE(Metal
Organic Vapor Phase Epitaxy )法、MOMBE(Meta
l Organic MBE )法、MOCVD(Metal Organic Chem
ical Vapor Deposition )法によって形成してもよい。
但し、MBE法によると成膜時の基板温度が590°と
やや高くなる。また、MOVPE法、MOMBE法、M
OCVD法によると成膜時の基板温度が700〜800
°と高くなる。本発明者の研究によれば、成膜時の温度
が高いほど転位が生じやすくなり、臨界膜厚が薄くなる
傾向にある。従って、高温の成膜方法による程、GaP
バッファ層2の膜厚を薄くする必要がある。
すように、基板1を第2の基板温度に加熱しながら、高
周波プラズマ装置によって活性窒素原子を供給する周知
の固体ソースMBE法により、Nを添加したGaP1-X
NX (xは0.01〜0.03)からなるIII −V−N
半導体層3を形成する。第2の基板温度は、第1の基板
温度よりは高いが比較的低い温度、例えば590°であ
る。III −V−N半導体層3の厚さは、例えば数100
nm(全体で数100nm〜1500nm)程度とされ
る。
III −V−N半導体層3が形成される。即ち、同一のM
BE装置(図示せず)を用いて、基板1を引き続き第2
の基板温度に加熱しながら、MBE法により、ソースを
選択して種々のIII −V−N半導体層3を連続した工程
で形成する。従って、複数のIII −V−N半導体層3の
各々の導伝型は、所望の電子(又は光)デバイスの構造
及び特性に応じて、適切に不純物を選択することにより
制御される。
OVPE法、MOMBE法、MOCVD法によって形成
してもよい。この場合でも、GaPバッファ層2が高い
温度を経験することになるので、これを考慮してその膜
厚を臨界膜厚以下とする必要がある。
利用して形成されるより具体的な構成の半導体装置につ
いて、詳細に説明する。
ルヘテロ発光ダイオード用の薄膜構造を有する半導体装
置を示す。
−Siからなる基板1上にn−GaPからなるGaPバ
ッファ層2を形成する。そして、この上に、III −V−
N半導体層3として、順に、n−Aly Ga1-y P1-z
Nz 層311、p−GaP1- X NX 層312、p−Al
y Ga1-y P1-z Nz 層313を形成する。例えば、A
l0.3 Ga0.7 P0.98N0.02層311及び313、Ga
P0.98N0.02層312である。これにより、GaP1-X
NX 層312と、n−Aly Ga1-y P1-z N z 層31
1及びp−Aly Ga1-y P1-z Nz 層313との間
で、ダブルヘテロ構造を形成する。即ち、III −V−N
半導体層3は、無欠陥であるので、光デバイスの一部を
構成してもなんら問題がない。なお、ダブルヘテロ構造
は、この例に限られるものではなく、Iny Ga1-y P
1-z Nz /GaP1-x Nx ダブルヘテロ構造等のよう
に、周知のダブルヘテロ構造において、そのV族原子を
Nで置換した構造であってもよい。
井戸(QW)レーザ用の薄膜構造を有する半導体装置を
示す。
びn−GaPバッファ層2の上に、III −V−N半導体
層3として、順に、n−GaP1-X NX 層321、n−
Ga(Asy P1-y )1-z Nz 層322、p−Ga(A
sy'P1-y')1-z'Nz'層323、p−Ga(Asy P
1-y )1-z Nz 層324、p−GaP1-X NX 層325
を形成する。例えば、GaP0.98N0.02層321及び3
25、GaAs0.05P0. 92N0.03層322及び324、
GaAs0.66P0.92N0.03層323である。これによ
り、n−GaP1-X NX 層321とp−GaP1-X NX
層325とでGaPNクラッド層(光閉込層)を形成
し、n−Ga(Asy P1-y )1-z Nz 層322とp−
Ga(Asy P1-y )1-z Nz 層324とでGaAsP
N光導波層を形成し、p−Ga(Asy'P1-y')1-z'N
z'層323でGaAsPN歪量子井戸層を形成する。な
お、量子井戸構造は、この例に限られるものではなく、
周知の量子井戸構造において、そのV族原子をNで置換
した構造であってもよい。また、GaAsPN光導波層
322及び324のない量子井戸構造にしても、レーザ
あるいは発光ダイオードに用いることができる。
子集積回路用の薄膜構造を有する半導体装置を示す。
びn−GaPバッファ層2の上に、III −V−N半導体
層3として、順に、n−GaP1-X NX 層331、p−
Ga(Asy P1-y )1-z Nz 層332、p−GaP
1-X NX 層333を形成する。例えば、GaP0.98N
0.02層331及び333、GaAs0.05P0.92N0.03層
332である。そして、更に、最上層にp−Si層43
を例えばCVD法により形成する。これにより、III −
V−N半導体層3によりレーザ素子等の光デバイスを形
成し、p−Si層43にMOSFET等からなる集積回
路を形成して、1チップに光電子集積回路を形成するこ
とができる。なお、III −V−N半導体層3による光デ
バイス用の構造は、この例に限られるものではなく、周
知の光デバイス構造において、そのV族原子をNで置換
した構造であってもよい。なお、この実施例では、前述
のように、高温で成長しても、成長後の冷却過程で転位
が表面から導入されることを、Si層43が防ぐ作用が
ある。
数はSiのそれよりも大きいので前記冷却過程でより大
きく縮もうとする。しかし、本発明では、III −V−N
半導体層3の格子定数がSiのそれにほぼ合わせられて
いるので、Siより大きく収縮することができない。こ
のため、III −V−N半導体層3の表面が、欠陥(転
位)が導入されやすい状態となっている。そこで、最上
層に、基板1と熱膨張係数の等しい層としてSi層43
を形成することにより、III −V−N半導体層3を上下
から挟み込んで更にIII −V−N半導体層3の収縮を抑
えるとともに、表面を保護して欠陥の発生を抑えてい
る。
OSFET等のデバイス形成のために使用する。しか
し、前述のように、III −V−N半導体層3を無欠陥
(無転位)に保つのに有効であるので、最上層のSi層
43を、図4、図5及び図8のようなデバイス形成の後
に、その最上層に形成してもよい。
/絶縁体/Si(SOI)の薄膜構造を有する半導体装
置を示す。
びn−GaPバッファ層2の上に、III −V−N半導体
層3として、i−Aly Ga1-y P1-z Nz 層341を
形成し、その上にn−Si層44を例えばCVD法によ
り形成する。例えば、Al0. 3 Ga0.7 P0.98N0.02層
341である。これにより、高品質で高抵抗(半絶縁
性)のi−Aly Ga1-y P1-z Nz 層341の上に良
質のSi層を形成し、高速のMOSFETからなる集積
回路や高電圧での動作が可能な高耐圧素子等を形成する
ことができる。なお、SOI構造におけるIII −V−N
半導体層3は、この例に限られるものではなく、周知の
高抵抗のIII −V族化合物半導体において、そのV族原
子をNで置換した構造であってもよい。この実施例にお
いても、高温成長後の冷却過程で、転位が表面から導入
されることが、Si層44によって防がれる。
子易動度トランジスタ(HEMT)用の薄膜構造を有す
る半導体装置を示す。
びn−GaPバッファ層2の上に、III −V−N半導体
層3として、順に、Ga(Asy P1-y )1-z Nz 層3
51、n−GaP1-x Nx 層352を形成する。例え
ば、GaAs0.05P0.92N0.03層351、n−GaP
0.98N0.02層352である。これにより、Ga(Asy
P 1-y )1-z Nz 層351とGaP1-x Nx 層352と
の界面に形成した2次元電子雲を制御する高電子易動度
トランジスタを形成することができる。なお、高電子易
動度トランジスタ構造は、この例に限られるものではな
く、周知の高電子易動度トランジスタ構造において、そ
のV族原子をNで置換した構造であってもよい。
明したが、本発明はその主旨の範囲において種々の変形
が可能である。
るIII −V族化合物半導体は、III族原子としてAl、
Ga、Inから1又は複数を選択し、V族原子として
N、P、As、Sb1又は複数を選択して形成される化
合物半導体であってよい。従って、また、III −V−N
半導体層3に形成する電子(又は光)素子は、ヘテロ接
合バイポーラトランジスタ、多重量子井戸レーザデバイ
ス、量子井戸レーザ以外の種々の超格子デバイス、共鳴
トンネル効果デバイス、量子干渉効果や単一電子トンネ
ル効果等を利用するデバイス等の化合物半導体デバイス
であってよい。このようなデバイスは周辺回路との接続
が困難であると予想されるが、本発明によれば、同一チ
ップのSiの基板1上等にLSIを形成できるので、前
記デバイスの利用に大きく寄与することができる。
造方法において、Nを添加することにより格子定数をS
iに近い値としたIII −V−N半導体層をシリコン単結
晶基板上に形成する。これにより、III −V−N半導体
とSiとの間の僅かな格子定数の相違に起因する欠陥
(転位)の発生を抑え、Siにほぼ格子整合したIII −
V−N半導体層を形成することができる。従って、この
III −V−N半導体層を無欠陥化(無転位化)したIII
−V族化合物半導体層として形成することができる。更
に、III −V−N半導体層の上にSi層を形成して、高
温成長後の冷却過程で熱膨張係数差に基づく応力によっ
て転位が導入されることを防ぐとともに、無欠陥(無転
位)のIII −V族化合物半導体層とSi層とを形成する
ことができる。
導体装置の基本的な構成を示す。
本発明の半導体装置の製造方法を示す。
半導体装置における結晶欠陥(転位)が無い様子を模式
的に示す。
光ダイオード用の薄膜構造を有する半導体装置を示す。
W)レーザ用の薄膜構造を有する半導体装置を示す。
用の薄膜構造を有する半導体装置を示す。
Si(SOI)の薄膜構造を有する半導体装置を示す。
ランジスタ用の薄膜構造を有する半導体装置を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 シリコン単結晶基板と、 前記シリコン単結晶基板上に、その臨界膜厚以下の厚さ
に形成されたGaPバッファ層と、 前記GaPバッファ層上に形成され、シリコン単結晶に
実質的に格子整合するように窒素を添加したIII −V族
化合物半導体からなる複数の半導体層とを有する こと
を特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置であって、
更に、 前記複数の半導体層の上に形成されたシリコン半導体層
を有することを特徴とする半導体装置。 - 【請求項3】 前記シリコン単結晶基板上に、前記シリ
コン単結晶基板を第1の基板温度に加熱しながら、その
臨界膜厚以下の厚さのGaPバッファ層を形成し、 前記GaPバッファ層上に、前記シリコン単結晶基板を
前記第1の基板温度よりも高い第2の基板温度に加熱し
ながら、MBE法により、シリコン単結晶に実質的に格
子整合するように窒素を添加したIII −V族化合物半導
体からなる複数の半導体層を形成することを特徴とする
半導体装置の製造方法。 - 【請求項4】 請求項3に記載の半導体装置の製造方法
において、 前記GaPバッファ層をMEE法により形成することを
特徴とする半導体装置の製造方法。
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