JP2000049104A - 化合物半導体の結晶成長方法及び化合物半導体装置 - Google Patents
化合物半導体の結晶成長方法及び化合物半導体装置Info
- Publication number
- JP2000049104A JP2000049104A JP7704099A JP7704099A JP2000049104A JP 2000049104 A JP2000049104 A JP 2000049104A JP 7704099 A JP7704099 A JP 7704099A JP 7704099 A JP7704099 A JP 7704099A JP 2000049104 A JP2000049104 A JP 2000049104A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- compound semiconductor
- nitrogen
- crystal
- group iii
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
- Led Devices (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 相分離することなく、GaAsNの良質の単
結晶を得る。また、GaAsNを用いたデバイスの特性
を向上させる。 【解決手段】 ミシビリティギャップ組成のGaAsN
混晶の成長において、Ga供給→窒化→Ga供給→砒化
のサイクルを繰り返しながら成長を行う。
結晶を得る。また、GaAsNを用いたデバイスの特性
を向上させる。 【解決手段】 ミシビリティギャップ組成のGaAsN
混晶の成長において、Ga供給→窒化→Ga供給→砒化
のサイクルを繰り返しながら成長を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、V族元素としてN
(窒素)とN以外の元素[As(砒素),P(燐)な
ど]とを共に含むIII−V族化合物混晶半導体材料の
結晶成長方法、及びその材料を用いた化合物半導体装置
に関する。
(窒素)とN以外の元素[As(砒素),P(燐)な
ど]とを共に含むIII−V族化合物混晶半導体材料の
結晶成長方法、及びその材料を用いた化合物半導体装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オプトエレクトロニクス用材料と
してのIII−V族化合物半導体の利用分野を大きく広
げる新しい材料系として、V族元素としてN(窒素)と
N以外の元素[As(砒素),P(燐)など]とを共に
組成として含むIII−V族化合物混晶半導体材料が提
案され、注目されている。
してのIII−V族化合物半導体の利用分野を大きく広
げる新しい材料系として、V族元素としてN(窒素)と
N以外の元素[As(砒素),P(燐)など]とを共に
組成として含むIII−V族化合物混晶半導体材料が提
案され、注目されている。
【0003】特開平6−334168号公報には、Si
基板に格子整合する新しい半導体材料として、GaNy
As1-y(y〜0.2)系混晶が開示され、Si基板上
に構築される光−電子集積回路の新規光源材料となる可
能性が高い。(従来例1) また、特開平6−37355号公報には、GaAs基板
に格子整合する新しい半導体材料として、N組成の小さ
なGa1-xInxNyAs1-y(y〜0.04)系混晶など
が開示され、安価なGaAs基板上に構築される半導体
レーザによって光ファイバー通信に多く用いられる波長
1.5μm帯でのレーザ発振が可能であることが示され
ている。(従来例2) これらの結晶成長には分子線エピタキシャル成長(MB
E)法または有機金属気相成長(MO−CVD)法が用
いられ、N源としてプラズマによって活性化されたN2
またはNH3ガスが採用される。また、DMeHy(ジ
メチルヒドラジン)などの窒素の有機化合物がN源とし
て用いられることもある。Ga,In,As,P源と、
上記のN源とを同時に供給することによって結晶成長が
行われる。
基板に格子整合する新しい半導体材料として、GaNy
As1-y(y〜0.2)系混晶が開示され、Si基板上
に構築される光−電子集積回路の新規光源材料となる可
能性が高い。(従来例1) また、特開平6−37355号公報には、GaAs基板
に格子整合する新しい半導体材料として、N組成の小さ
なGa1-xInxNyAs1-y(y〜0.04)系混晶など
が開示され、安価なGaAs基板上に構築される半導体
レーザによって光ファイバー通信に多く用いられる波長
1.5μm帯でのレーザ発振が可能であることが示され
ている。(従来例2) これらの結晶成長には分子線エピタキシャル成長(MB
E)法または有機金属気相成長(MO−CVD)法が用
いられ、N源としてプラズマによって活性化されたN2
またはNH3ガスが採用される。また、DMeHy(ジ
メチルヒドラジン)などの窒素の有機化合物がN源とし
て用いられることもある。Ga,In,As,P源と、
上記のN源とを同時に供給することによって結晶成長が
行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】V族元素としてN(窒
素)とN以外の元素とを共に含むIII−V族化合物混
晶半導体材料においては、従来の方法で作製した場合、
N組成の増大とともに高品質の混晶を得ることが著しく
難しくなる問題点がある。我々の検討の結果、前述の従
来例1のようにSi基板に格子整合するGaNyAs1-y
(y〜0.2)混晶を作製しようとした場合、GaNA
sの混晶を得るのは極めて難しく、GaNとGaAsと
に相分離した多結晶ができやすいことを見い出した。S
i基板に格子整合するGaNyAs1-y(y〜0.2)で
はN混晶比yが比較的大きな混晶である。また、前述の
従来例2のようにGaAs基板に格子整合するGaIn
NyAs1-y混晶を活性層とする半導体レーザを作製した
場合、N混晶比yはy=0.01〜0.04と非常に小
さなものであるにもかかわらず、N混晶比yを増加させ
るにつれて発振開始閾値電流が大幅に急激な増加を示
す。
素)とN以外の元素とを共に含むIII−V族化合物混
晶半導体材料においては、従来の方法で作製した場合、
N組成の増大とともに高品質の混晶を得ることが著しく
難しくなる問題点がある。我々の検討の結果、前述の従
来例1のようにSi基板に格子整合するGaNyAs1-y
(y〜0.2)混晶を作製しようとした場合、GaNA
sの混晶を得るのは極めて難しく、GaNとGaAsと
に相分離した多結晶ができやすいことを見い出した。S
i基板に格子整合するGaNyAs1-y(y〜0.2)で
はN混晶比yが比較的大きな混晶である。また、前述の
従来例2のようにGaAs基板に格子整合するGaIn
NyAs1-y混晶を活性層とする半導体レーザを作製した
場合、N混晶比yはy=0.01〜0.04と非常に小
さなものであるにもかかわらず、N混晶比yを増加させ
るにつれて発振開始閾値電流が大幅に急激な増加を示
す。
【0005】これらは、V族元素がNだけから成るGa
Nなどの窒化物と、V族元素がN以外の元素だけから成
るGaAs,GaInAs,GaPなどの砒化物,燐化
物とは、本質的に安定な混晶系を作らないことがその原
因であると考えられる。つまり、従来例1のGaAsN
混晶結晶はGa−As−N三元混晶系における非混和領
域(miscibility gap)内に相当する組
成であり、GaNとGaAsとに相分離し、混晶化合物
どころか単結晶でさえも得ることが困難となる。また、
単結晶が出来たとしてもV族組成に不均一が大きく、組
成の制御性にも乏しい。従来例2のGaInNAs混晶
結晶では、N組成が小さく単結晶の成長は可能である
が、やはり非混和領域の組成であるために微視的にN化
合物の領域とAs化合物の領域とに局在した不均一な組
成分布をもちやすい傾向があって多くの結晶欠陥が誘発
されると共に、AsとNとの組成比の制御が極めて困難
となる。その為に半導体レーザの活性層として用いるの
に十分な結晶性,発光特性が得られず、特性の再現性に
も乏しい。
Nなどの窒化物と、V族元素がN以外の元素だけから成
るGaAs,GaInAs,GaPなどの砒化物,燐化
物とは、本質的に安定な混晶系を作らないことがその原
因であると考えられる。つまり、従来例1のGaAsN
混晶結晶はGa−As−N三元混晶系における非混和領
域(miscibility gap)内に相当する組
成であり、GaNとGaAsとに相分離し、混晶化合物
どころか単結晶でさえも得ることが困難となる。また、
単結晶が出来たとしてもV族組成に不均一が大きく、組
成の制御性にも乏しい。従来例2のGaInNAs混晶
結晶では、N組成が小さく単結晶の成長は可能である
が、やはり非混和領域の組成であるために微視的にN化
合物の領域とAs化合物の領域とに局在した不均一な組
成分布をもちやすい傾向があって多くの結晶欠陥が誘発
されると共に、AsとNとの組成比の制御が極めて困難
となる。その為に半導体レーザの活性層として用いるの
に十分な結晶性,発光特性が得られず、特性の再現性に
も乏しい。
【0006】本発明は上記の問題を解決することを目的
としたものである。つまり、V族元素としてN(窒素)
とN以外の元素とを共に含むIII−V族化合物混晶半
導体材料において、非混和領域内に相当する組成でも良
好な結晶性を保ったまま均一な組成分布をもつ単結晶の
混晶材料を作製することができ、かつV族元素の組成比
の精密制御が可能な化合物半導体の結晶成長方法を提供
するものである。また、その方法を化合物半導体装置の
製造に適用することにより、優れた特性をもつ化合物半
導体装置が提供される。特に、発光デバイスの発光層と
して用いるのに十分な結晶性,発光特性を有する化合物
半導体膜を得ることができ、優れた発光特性を有するデ
バイスが得られるようになる。
としたものである。つまり、V族元素としてN(窒素)
とN以外の元素とを共に含むIII−V族化合物混晶半
導体材料において、非混和領域内に相当する組成でも良
好な結晶性を保ったまま均一な組成分布をもつ単結晶の
混晶材料を作製することができ、かつV族元素の組成比
の精密制御が可能な化合物半導体の結晶成長方法を提供
するものである。また、その方法を化合物半導体装置の
製造に適用することにより、優れた特性をもつ化合物半
導体装置が提供される。特に、発光デバイスの発光層と
して用いるのに十分な結晶性,発光特性を有する化合物
半導体膜を得ることができ、優れた発光特性を有するデ
バイスが得られるようになる。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明(請求項1)に
係る化合物半導体の結晶成長方法は、化合物半導体基板
の上にV族元素として窒素と窒素以外のV族元素とを両
方含むIII−V族化合物半導体の結晶成長を行う化合
物半導体の結晶成長方法において、窒素原料と、窒素以
外のV族元素原料とを、それぞれ同時に供給しないこと
により上記目的が達成される。
係る化合物半導体の結晶成長方法は、化合物半導体基板
の上にV族元素として窒素と窒素以外のV族元素とを両
方含むIII−V族化合物半導体の結晶成長を行う化合
物半導体の結晶成長方法において、窒素原料と、窒素以
外のV族元素原料とを、それぞれ同時に供給しないこと
により上記目的が達成される。
【0008】すなわち、均一に混ざりあわない窒素と窒
素以外のV族元素とをそれぞれ単独で供給しているの
で、結晶成長時におけるそれぞれのV族原子の吸着サイ
トが別のV族原子の影響を受けないので相分離を生じる
メカニズムが働かず、V族元素が均一な混晶の結晶成長
が可能となるものである。
素以外のV族元素とをそれぞれ単独で供給しているの
で、結晶成長時におけるそれぞれのV族原子の吸着サイ
トが別のV族原子の影響を受けないので相分離を生じる
メカニズムが働かず、V族元素が均一な混晶の結晶成長
が可能となるものである。
【0009】この発明(請求項2)に係る化合物半導体
の結晶成長方法は、請求項1に記載の化合物半導体の結
晶成長方法において、III族原料と、窒素原料と、窒
素以外のV族原料とを、それぞれ同時に供給しないこと
ことにより上記目的が達成される。
の結晶成長方法は、請求項1に記載の化合物半導体の結
晶成長方法において、III族原料と、窒素原料と、窒
素以外のV族原料とを、それぞれ同時に供給しないこと
ことにより上記目的が達成される。
【0010】すなわち、III族原料も同時に供給され
ず、単独で供給されているので、より均一な混晶の結晶
成長が可能となるものである。
ず、単独で供給されているので、より均一な混晶の結晶
成長が可能となるものである。
【0011】この発明(請求項3)に係る化合物半導体
の結晶成長方法は、請求項1または2に記載の化合物半
導体の結晶成長方法であって、少なくとも1回の、単原
子層以下のIII族原料を供給する工程と、少なくとも
1回の、単原子層以下の窒素原料を供給する工程と、少
なくとも1回の、単原子層以下の窒素以外のV族原料を
供給する工程と、を含む一連の成長プロセスを1周期と
し、前記の1周期の成長プロセスを少なくとも1回実行
することによって結晶成長を行うことにより上記目的が
達成される。
の結晶成長方法は、請求項1または2に記載の化合物半
導体の結晶成長方法であって、少なくとも1回の、単原
子層以下のIII族原料を供給する工程と、少なくとも
1回の、単原子層以下の窒素原料を供給する工程と、少
なくとも1回の、単原子層以下の窒素以外のV族原料を
供給する工程と、を含む一連の成長プロセスを1周期と
し、前記の1周期の成長プロセスを少なくとも1回実行
することによって結晶成長を行うことにより上記目的が
達成される。
【0012】すなわち、単原子層以下のIII族原料,
窒素原料,窒素以外のV族原料がそれぞれ単独で供給さ
れているので、より均一な混晶の結晶成長が可能となる
ものである。
窒素原料,窒素以外のV族原料がそれぞれ単独で供給さ
れているので、より均一な混晶の結晶成長が可能となる
ものである。
【0013】この発明(請求項4)に係る化合物半導体
の結晶方法は、請求項1または2に記載の化合物半導体
の結晶成長方法であって、少なくとも1回の、III族
原料を供給し、その後、基板表面に付着したIII族原
子を窒素原子で終端させる工程と、少なくとも1回の、
III族原料を供給し、その後、基板表面に付着したI
II族原子を窒素以外のV族原子で終端させる工程と、
を含む一連の成長プロセスを1周期とし、前記の1周期
の成長プロセスを少なくとも1回実行することによって
結晶成長を行うことにより上記目的が達成される。
の結晶方法は、請求項1または2に記載の化合物半導体
の結晶成長方法であって、少なくとも1回の、III族
原料を供給し、その後、基板表面に付着したIII族原
子を窒素原子で終端させる工程と、少なくとも1回の、
III族原料を供給し、その後、基板表面に付着したI
II族原子を窒素以外のV族原子で終端させる工程と、
を含む一連の成長プロセスを1周期とし、前記の1周期
の成長プロセスを少なくとも1回実行することによって
結晶成長を行うことにより上記目的が達成される。
【0014】すなわち、均一に混ざりあわない窒素と窒
素以外のV族元素とをそれぞれ単独で供給しているの
で、それぞれのV族原子の吸着サイトが別のV族原子の
影響を受けないので相分離を生じるメカニズムが働か
ず、V族元素が均一な混晶の結晶成長が可能となるもの
である。
素以外のV族元素とをそれぞれ単独で供給しているの
で、それぞれのV族原子の吸着サイトが別のV族原子の
影響を受けないので相分離を生じるメカニズムが働か
ず、V族元素が均一な混晶の結晶成長が可能となるもの
である。
【0015】さらに、III族源は基板表面への付着確
率が常に1であるのに対し、V族源は、III族原子が
表面に露出している部分では付着確率が1であり、II
I族原子が表面に露出していない部分では付着確率が0
であることを利用したものであり、一定量のIII族源
の供給とそのN終端、一定量のIII族源の供給とその
V族終端、とを繰り返していることにより、窒素と窒素
以外のV族元素との混晶比が精密に制御された結晶成長
が可能となるものである。
率が常に1であるのに対し、V族源は、III族原子が
表面に露出している部分では付着確率が1であり、II
I族原子が表面に露出していない部分では付着確率が0
であることを利用したものであり、一定量のIII族源
の供給とそのN終端、一定量のIII族源の供給とその
V族終端、とを繰り返していることにより、窒素と窒素
以外のV族元素との混晶比が精密に制御された結晶成長
が可能となるものである。
【0016】また、分離しやすい傾向にある各V族元素
(窒素及び窒素以外のV族元素)の結晶成長時における
吸着サイトが、相分離と相関が薄いIII族元素の吸着
サイトによって決まるので、よりV族元素が分離しにく
い成長方法となる。
(窒素及び窒素以外のV族元素)の結晶成長時における
吸着サイトが、相分離と相関が薄いIII族元素の吸着
サイトによって決まるので、よりV族元素が分離しにく
い成長方法となる。
【0017】この発明(請求項5)に係る化合物半導体
の結晶成長方法は、請求項4に記載の化合物半導体の結
晶成長方法において、少なくとも1回の、III族原料
を供給し、続いて窒素原料を供給する工程と、少なくと
も1回の、III族原料を供給し、続いて窒素以外のV
族原料を供給する工程と、を含む一連の成長プロセスを
1周期とし、前記の1周期の成長プロセスを少なくとも
1回実行することによって結晶成長を行うことにより上
記目的が達成される。
の結晶成長方法は、請求項4に記載の化合物半導体の結
晶成長方法において、少なくとも1回の、III族原料
を供給し、続いて窒素原料を供給する工程と、少なくと
も1回の、III族原料を供給し、続いて窒素以外のV
族原料を供給する工程と、を含む一連の成長プロセスを
1周期とし、前記の1周期の成長プロセスを少なくとも
1回実行することによって結晶成長を行うことにより上
記目的が達成される。
【0018】すなわち、均一に混ざりあわない窒素と窒
素以外のV族元素とをそれぞれ単独で供給しているの
で、それぞれのV族原子の吸着サイトが別のV族原子の
影響を受けないので相分離を生じるメカニズムが働か
ず、V族元素が均一な混晶の結晶成長が可能となるもの
である。
素以外のV族元素とをそれぞれ単独で供給しているの
で、それぞれのV族原子の吸着サイトが別のV族原子の
影響を受けないので相分離を生じるメカニズムが働か
ず、V族元素が均一な混晶の結晶成長が可能となるもの
である。
【0019】さらに、III族源は基板表面への付着確
率が常に1であるのに対し、V族源は、III族原子が
表面に露出している部分では付着確率が1であり、II
I族原子が表面に露出していない部分では付着確率が0
であることを利用したものであり、一定量のIII族源
の供給とそのN終端、一定量のIII族源の供給とその
V族終端、とを繰り返していることにより、窒素と窒素
以外のV族元素との混晶比が精密に制御された結晶成長
が可能となるものである。
率が常に1であるのに対し、V族源は、III族原子が
表面に露出している部分では付着確率が1であり、II
I族原子が表面に露出していない部分では付着確率が0
であることを利用したものであり、一定量のIII族源
の供給とそのN終端、一定量のIII族源の供給とその
V族終端、とを繰り返していることにより、窒素と窒素
以外のV族元素との混晶比が精密に制御された結晶成長
が可能となるものである。
【0020】また、分離しやすい傾向にある各V族元素
の結晶成長時における吸着サイトが、相分離と相関が薄
いIII族元素の吸着サイトで決まるので、よりV族元
素が分離しにくい成長方法となる。
の結晶成長時における吸着サイトが、相分離と相関が薄
いIII族元素の吸着サイトで決まるので、よりV族元
素が分離しにくい成長方法となる。
【0021】この発明(請求項6)に係る化合物半導体
の結晶成長方法は、請求項4または5に記載の化合物半
導体の結晶成長方法において、該化合物半導体基板の表
面をV族元素で終端させる工程と、少なくとも1回の、
y原子層分(0<y<1)のIII族原料を供給した
後、y原子層分以上の供給量に相当する窒素源を供給す
る工程と、少なくとも1回の、z原子層分(0<z<
1)のIII族原料を供給した後、z原子層分以上の供
給量に相当する窒素以外のV族原料を供給する工程と、
を含む一連の成長プロセスを1周期とし、前記の1周期
の成長プロセスを少なくとも1回実行することによって
結晶成長を行うと共に、前記の1周期において供給され
るIII族原料の総供給量うち、窒素源を供給する直前
に供給されるIII族原料の総量が占める比率は、当該
化合物の窒素の混晶比x(0<x<1)に略等しくてな
ることにより上記目的が達成される。
の結晶成長方法は、請求項4または5に記載の化合物半
導体の結晶成長方法において、該化合物半導体基板の表
面をV族元素で終端させる工程と、少なくとも1回の、
y原子層分(0<y<1)のIII族原料を供給した
後、y原子層分以上の供給量に相当する窒素源を供給す
る工程と、少なくとも1回の、z原子層分(0<z<
1)のIII族原料を供給した後、z原子層分以上の供
給量に相当する窒素以外のV族原料を供給する工程と、
を含む一連の成長プロセスを1周期とし、前記の1周期
の成長プロセスを少なくとも1回実行することによって
結晶成長を行うと共に、前記の1周期において供給され
るIII族原料の総供給量うち、窒素源を供給する直前
に供給されるIII族原料の総量が占める比率は、当該
化合物の窒素の混晶比x(0<x<1)に略等しくてな
ることにより上記目的が達成される。
【0022】すなわち、均一に混ざりあわない窒素と窒
素以外のV族元素とをそれぞれ単独で供給しているの
で、それぞれのV族原子の吸着サイトが別のV族原子の
影響を受けないので相分離を生じるメカニズムが働か
ず、V族元素が均一な混晶の結晶成長が可能となるもの
である。
素以外のV族元素とをそれぞれ単独で供給しているの
で、それぞれのV族原子の吸着サイトが別のV族原子の
影響を受けないので相分離を生じるメカニズムが働か
ず、V族元素が均一な混晶の結晶成長が可能となるもの
である。
【0023】さらに、III族源は基板表面への付着確
率が常に1であるのに対し、V族源は、III族原子が
表面に露出している部分では付着確率が1であり、II
I族原子が表面に露出していない部分では付着確率が0
であることを利用したものであり、一定量のIII族源
の供給とその窒素終端、一定量のIII族源の供給とそ
のV族終端、とを繰り返していることにより、窒素と窒
素以外のV族元素との固相比が精密に制御された結晶成
長が可能となるものである。
率が常に1であるのに対し、V族源は、III族原子が
表面に露出している部分では付着確率が1であり、II
I族原子が表面に露出していない部分では付着確率が0
であることを利用したものであり、一定量のIII族源
の供給とその窒素終端、一定量のIII族源の供給とそ
のV族終端、とを繰り返していることにより、窒素と窒
素以外のV族元素との固相比が精密に制御された結晶成
長が可能となるものである。
【0024】また、分離しやすい傾向にある各V族元素
の結晶成長時における吸着サイトが、相分離と相関が薄
いIII族元素の吸着サイトで決まるので、よりV族元
素が分離しにくい成長方法となる。
の結晶成長時における吸着サイトが、相分離と相関が薄
いIII族元素の吸着サイトで決まるので、よりV族元
素が分離しにくい成長方法となる。
【0025】この発明(請求項7)に係る化合物半導体
の結晶成長方法は、請求項1から6の何れかに記載の化
合物半導体の結晶成長方法において、V族原料を供給し
た後に、待ち時間を設けることにより上記目的が達成さ
れる。
の結晶成長方法は、請求項1から6の何れかに記載の化
合物半導体の結晶成長方法において、V族原料を供給し
た後に、待ち時間を設けることにより上記目的が達成さ
れる。
【0026】すなわち、過剰な供給を要求するV族原料
の供給の後に待ち時間を設けることにより、本発明がよ
り効果的に実施されるものである。
の供給の後に待ち時間を設けることにより、本発明がよ
り効果的に実施されるものである。
【0027】この発明(請求項8)に係る化合物半導体
の結晶成長方法は、請求項1から7の何れかに記載の化
合物半導体の結晶成長方法において、前記の窒素以外の
V族元素が、砒素及び/又は燐であることにより上記目
的が達成される。
の結晶成長方法は、請求項1から7の何れかに記載の化
合物半導体の結晶成長方法において、前記の窒素以外の
V族元素が、砒素及び/又は燐であることにより上記目
的が達成される。
【0028】すなわち、窒化物との非混和領域が広い砒
化物,燐化物との混晶を作製するのに本発明を適用する
ことによって、本発明がより効果的に実施されるもので
ある。
化物,燐化物との混晶を作製するのに本発明を適用する
ことによって、本発明がより効果的に実施されるもので
ある。
【0029】この発明(請求項9)に係る化合物半導体
の結晶成長方法は、請求項1から8の何れかに記載の化
合物半導体の結晶成長方法において、結晶成長が、基板
温度が400℃以上600℃以下の範囲で行われること
により上記目的が達成される。
の結晶成長方法は、請求項1から8の何れかに記載の化
合物半導体の結晶成長方法において、結晶成長が、基板
温度が400℃以上600℃以下の範囲で行われること
により上記目的が達成される。
【0030】すなわち、特定の範囲の基板温度を用いる
ことによって、本発明がより効果的に実施されるもので
ある。
ことによって、本発明がより効果的に実施されるもので
ある。
【0031】この発明(請求項10)に係る化合物半導
体の結晶成長方法は、請求項1から9の何れかに記載の
化合物半導体の結晶成長方法において、結晶成長が、
{100}面またはその微傾斜面を主面とするIII−
V族化合物半導体基板の上に行われることにより上記目
的が達成される。
体の結晶成長方法は、請求項1から9の何れかに記載の
化合物半導体の結晶成長方法において、結晶成長が、
{100}面またはその微傾斜面を主面とするIII−
V族化合物半導体基板の上に行われることにより上記目
的が達成される。
【0032】すなわち、特定の基板面方位を用いること
によって、本発明がより効果的に実施されるものであ
る。
によって、本発明がより効果的に実施されるものであ
る。
【0033】この発明(請求項11)に係る化合物半導
体装置は、V族元素として窒素と窒素以外のV族元素と
を両方含むIII−V族化合物半導体層を少なくとも1
層有する化合物半導体装置であり、その層が、請求項1
から10のいずれかに記載された化合物半導体の製造方
法に従って結晶成長されたものであることにより上記目
的が達成される。
体装置は、V族元素として窒素と窒素以外のV族元素と
を両方含むIII−V族化合物半導体層を少なくとも1
層有する化合物半導体装置であり、その層が、請求項1
から10のいずれかに記載された化合物半導体の製造方
法に従って結晶成長されたものであることにより上記目
的が達成される。
【0034】すなわち、請求項1から10のいずれかの
方法によって作製された結晶性の優れた結晶を用いて半
導体デバイスを作製しているため、高性能な素子が作製
されるものである。
方法によって作製された結晶性の優れた結晶を用いて半
導体デバイスを作製しているため、高性能な素子が作製
されるものである。
【0035】この発明(請求項12)に係る化合物半導
体装置は、請求項11に記載の化合物半導体装置におい
て、化合物半導体装置が発光素子であり、少なくとも発
光層に、V族元素として窒素と窒素以外のV族元素とを
両方含むIII−V族化合物半導体層を有していること
により上記目的が達成される。
体装置は、請求項11に記載の化合物半導体装置におい
て、化合物半導体装置が発光素子であり、少なくとも発
光層に、V族元素として窒素と窒素以外のV族元素とを
両方含むIII−V族化合物半導体層を有していること
により上記目的が達成される。
【0036】すなわち、請求項1から9のいずれかの方
法によって作製された、特に発光特性の優れた結晶を用
いて発光半導体デバイスを作製しているため、高性能な
発光素子が作製されるものである。
法によって作製された、特に発光特性の優れた結晶を用
いて発光半導体デバイスを作製しているため、高性能な
発光素子が作製されるものである。
【0037】この発明(請求項13)に係る化合物半導
体の結晶成長方法は、請求項1乃至10のいずれかに記
載の化合物半導体の結晶成長方法において、前記III
族原料に、アルミニウム原料を含んでなることにより上
記目的が達成される。
体の結晶成長方法は、請求項1乃至10のいずれかに記
載の化合物半導体の結晶成長方法において、前記III
族原料に、アルミニウム原料を含んでなることにより上
記目的が達成される。
【0038】すなわち、アルミニウム原料の供給によっ
て活性なアルミニウムが基板表面に存在するようになる
為、窒素原料の基板表面での分解、窒素原子の表面吸着
が著しく促進され、窒素原料の利用効率が著しく高めら
れると共に、結晶性のより優れた膜を得ることができる
ようになるものである。
て活性なアルミニウムが基板表面に存在するようになる
為、窒素原料の基板表面での分解、窒素原子の表面吸着
が著しく促進され、窒素原料の利用効率が著しく高めら
れると共に、結晶性のより優れた膜を得ることができる
ようになるものである。
【0039】この発明(請求項14)に係る化合物半導
体の結晶成長方法は、請求項13に係る化合物半導体の
結晶成長方法において、前記アルミニウム原料の供給さ
れる工程が窒素原料を供給する工程の直前であることに
より上記目的が達成される。
体の結晶成長方法は、請求項13に係る化合物半導体の
結晶成長方法において、前記アルミニウム原料の供給さ
れる工程が窒素原料を供給する工程の直前であることに
より上記目的が達成される。
【0040】すなわち、基板表面に活性なアルミニウム
が露出している状態で窒素原料を供給する為、請求項1
3の作用をより効果的に得ることができるものである。
が露出している状態で窒素原料を供給する為、請求項1
3の作用をより効果的に得ることができるものである。
【0041】この発明(請求項15)に係る化合物半導
体の結晶成長方法は、請求項4乃至10のいずれかに記
載の化合物半導体の結晶成長方法において、前記III
族原子に、アルミニウム原子を含んでなることにより上
記目的が達成される。
体の結晶成長方法は、請求項4乃至10のいずれかに記
載の化合物半導体の結晶成長方法において、前記III
族原子に、アルミニウム原子を含んでなることにより上
記目的が達成される。
【0042】すなわち、活性なアルミニウム原子が基板
表面に存在する為、窒素原料の基板表面での分解、窒素
原子の表面吸着が著しく促進され、窒素原料の利用効率
が著しく高められると共に、結晶性のより優れた膜を得
ることができるようになるものである。
表面に存在する為、窒素原料の基板表面での分解、窒素
原子の表面吸着が著しく促進され、窒素原料の利用効率
が著しく高められると共に、結晶性のより優れた膜を得
ることができるようになるものである。
【0043】この発明(請求項16)に係る化合物半導
体の結晶成長方法は、請求項15に係る化合物半導体の
結晶成長方法において、前記アルミニウム原子の基板へ
吸着される工程が、窒素原料を供給する工程の直前であ
ることにより、上記目的が達成される。
体の結晶成長方法は、請求項15に係る化合物半導体の
結晶成長方法において、前記アルミニウム原子の基板へ
吸着される工程が、窒素原料を供給する工程の直前であ
ることにより、上記目的が達成される。
【0044】すなわち、基板表面に活性なアルミニウム
原子が露出している状態で窒素原料を供給する為、請求
項15の作用をより効果的に得ることができるものであ
る。
原子が露出している状態で窒素原料を供給する為、請求
項15の作用をより効果的に得ることができるものであ
る。
【0045】この発明(請求項17)に係る化合物半導
体の結晶成長方法は、請求項13乃至16のいずれかに
記載の化合物半導体の結晶成長方法において、前記窒素
原料が、アンモニアガス(NH3)であることによっ
て、上記の目的を達成する。
体の結晶成長方法は、請求項13乃至16のいずれかに
記載の化合物半導体の結晶成長方法において、前記窒素
原料が、アンモニアガス(NH3)であることによっ
て、上記の目的を達成する。
【0046】すなわち、分解温度が高く、原料効率の低
いアンモニアガスに対して請求項13から16を適用す
ることにより、本発明の作用をより効果的に得ることが
できるものである。
いアンモニアガスに対して請求項13から16を適用す
ることにより、本発明の作用をより効果的に得ることが
できるものである。
【0047】この発明(請求項18)に係る化合物半導
体装置は、V族元素として窒素と窒素以外のV族元素と
を両方含むIII−V族化合物半導体層を、少なくとも
1層有する化合物半導体装置であり、前記III−V族
化合物半導体層が、請求項13乃至17に記載の化合物
半導体の結晶成長方法のいずれかによって結晶成長され
たものであることによって、上記の目的を達成する。
体装置は、V族元素として窒素と窒素以外のV族元素と
を両方含むIII−V族化合物半導体層を、少なくとも
1層有する化合物半導体装置であり、前記III−V族
化合物半導体層が、請求項13乃至17に記載の化合物
半導体の結晶成長方法のいずれかによって結晶成長され
たものであることによって、上記の目的を達成する。
【0048】すなわち、請求項13から17のいずれか
の方法によって作製された結晶性の優れた結晶を用いて
半導体デバイスを作製しているため、高性能な素子が作
製されるものである。
の方法によって作製された結晶性の優れた結晶を用いて
半導体デバイスを作製しているため、高性能な素子が作
製されるものである。
【0049】この発明(請求項19)に係る化合物半導
体装置は、請求項18に記載の化合物半導体装置が、発
光素子をなし、前記III−V族化合物半導体層が、少
なくとも発光層をなすことにより上記の目的を達成す
る。
体装置は、請求項18に記載の化合物半導体装置が、発
光素子をなし、前記III−V族化合物半導体層が、少
なくとも発光層をなすことにより上記の目的を達成す
る。
【0050】すなわち、請求項13から17のいずれか
の方法によって作製された、特に発光特性の優れた結晶
を用いて発光半導体デバイスを作製しているため、高性
能な発光素子が作製されるものである。
の方法によって作製された、特に発光特性の優れた結晶
を用いて発光半導体デバイスを作製しているため、高性
能な発光素子が作製されるものである。
【0051】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施形
態1として、GaP基板の上に、MO−CVDを用いて
GaAs0.8N0.2層を結晶成長した場合について示す。
従来の方法との違いは、従来は原料を全て同時に供給す
ることによって結晶成長を行っていたのに対し、本実施
形態ではAsとNとの2種類のV族源とを同時に供給し
ていない点で異なる。
態1として、GaP基板の上に、MO−CVDを用いて
GaAs0.8N0.2層を結晶成長した場合について示す。
従来の方法との違いは、従来は原料を全て同時に供給す
ることによって結晶成長を行っていたのに対し、本実施
形態ではAsとNとの2種類のV族源とを同時に供給し
ていない点で異なる。
【0052】(100)面からなる表面を有するGaP
基板を準備し、その上に、TMGa(トリメチルガリウ
ム),AsH3(アルシン),DMeHy(ジメチルヒ
ドラジン)を備え、H2(水素)をキャリアガスとする
減圧MO−CVD法により層厚0.1μmのGaAs
0.8N0.2層を結晶成長した。GaAsN結晶は、Siや
GaPに格子整合する組成の混晶である。結晶成長温度
は、結晶成長の間中、550℃に保持した。
基板を準備し、その上に、TMGa(トリメチルガリウ
ム),AsH3(アルシン),DMeHy(ジメチルヒ
ドラジン)を備え、H2(水素)をキャリアガスとする
減圧MO−CVD法により層厚0.1μmのGaAs
0.8N0.2層を結晶成長した。GaAsN結晶は、Siや
GaPに格子整合する組成の混晶である。結晶成長温度
は、結晶成長の間中、550℃に保持した。
【0053】MO−CVD法による結晶成長は、図1に
示すシーケンスで結晶成長を行った。図1(a)から
(c)はそれぞれの原料ガスの供給シーケンスを示す。
示すシーケンスで結晶成長を行った。図1(a)から
(c)はそれぞれの原料ガスの供給シーケンスを示す。
【0054】(工程A)3.2[cc/min]のTM
Gaを2.0秒間供給し、 (工程B)13.0[cc/min]のDMeHyを
1.0秒間供給し、 (工程C)50.6[cc/min]のAsH3を3.
0秒間供給し、GaAsNの1分子層を形成する。工程
AからCを適当な回数だけ繰り返すことにより、層厚
0.1μmのGaAsN混晶を得た。
Gaを2.0秒間供給し、 (工程B)13.0[cc/min]のDMeHyを
1.0秒間供給し、 (工程C)50.6[cc/min]のAsH3を3.
0秒間供給し、GaAsNの1分子層を形成する。工程
AからCを適当な回数だけ繰り返すことにより、層厚
0.1μmのGaAsN混晶を得た。
【0055】このように作製された試料を、X線回折に
よって構造解析した結果、良好な結晶性を有するGaA
s0.8N0.2単結晶が成長していることがわかった。比較
の為に、従来のようにTMGa,AsH3,DMeHy
を全て同時に供給して作製した試料の場合には、多結晶
のGaAsとGaNとに相分離した膜しか得られなかっ
た。また、本発明の方法で得られた膜には組成の不均一
はなく、表面状態も極めてスムースであったのに対し、
従来の方法の場合には非常に荒れた表面状態であり、場
所によってAsの多い領域とNの多い領域とにムラのあ
る膜であった。以上のように、本発明により、高いN組
成の制御性と均一性を有する高品質のGaAsN混晶を
得ることができた。
よって構造解析した結果、良好な結晶性を有するGaA
s0.8N0.2単結晶が成長していることがわかった。比較
の為に、従来のようにTMGa,AsH3,DMeHy
を全て同時に供給して作製した試料の場合には、多結晶
のGaAsとGaNとに相分離した膜しか得られなかっ
た。また、本発明の方法で得られた膜には組成の不均一
はなく、表面状態も極めてスムースであったのに対し、
従来の方法の場合には非常に荒れた表面状態であり、場
所によってAsの多い領域とNの多い領域とにムラのあ
る膜であった。以上のように、本発明により、高いN組
成の制御性と均一性を有する高品質のGaAsN混晶を
得ることができた。
【0056】以下、実施形態1における本発明の作用に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0057】従来のように原料を同時に供給して、非混
和領域内に相当する不安定な組成のAsとNとを共に含
むIII−V族化合物半導体混晶を結晶成長させた場
合、微視的に島状成長が起こり、個々の微小な結晶の島
で独立に安定な組成のAs化合物及びN化合物が結晶成
長し始めて相分離を起こし、GaNとGaAsとが混在
した多結晶となる。一方で本発明の結晶成長方法は、従
来の方法から発想を転換した結果得られたものであり、
III族原子の供給によるIII族終端面形成の後、所
定の量のN源の供給、N以外のV族元素(ここではA
s)の供給を行い、それを繰り返すことにより、NとN
以外のV族元素との吸着サイトが干渉することなく結晶
成長が進行する結果、相分離が生じることなく結晶成長
が可能とならしめるものである。つまり、NとN以外の
V族元素とが一方ずつ独立に供給されていることから、
Nの供給時にはN以外のV族元素(As)の影響がなく
基板表面のIII族原子を終端し、N以外のV族元素
(As)の供給時にはNの影響がなく基板表面のIII
族原子を終端することができることから、NとN以外の
V族元素(As)とが分離するメカニズムが働かない。
和領域内に相当する不安定な組成のAsとNとを共に含
むIII−V族化合物半導体混晶を結晶成長させた場
合、微視的に島状成長が起こり、個々の微小な結晶の島
で独立に安定な組成のAs化合物及びN化合物が結晶成
長し始めて相分離を起こし、GaNとGaAsとが混在
した多結晶となる。一方で本発明の結晶成長方法は、従
来の方法から発想を転換した結果得られたものであり、
III族原子の供給によるIII族終端面形成の後、所
定の量のN源の供給、N以外のV族元素(ここではA
s)の供給を行い、それを繰り返すことにより、NとN
以外のV族元素との吸着サイトが干渉することなく結晶
成長が進行する結果、相分離が生じることなく結晶成長
が可能とならしめるものである。つまり、NとN以外の
V族元素とが一方ずつ独立に供給されていることから、
Nの供給時にはN以外のV族元素(As)の影響がなく
基板表面のIII族原子を終端し、N以外のV族元素
(As)の供給時にはNの影響がなく基板表面のIII
族原子を終端することができることから、NとN以外の
V族元素(As)とが分離するメカニズムが働かない。
【0058】このことを、図1を参照しながら説明す
る。図1の工程Aで1原子層分のTMGaを供給する。
Ga1原子層分だけの成長で、成長が自己停止する原子
層エピタキシーのモードを使うこともできる。この時、
例えばAsH3やDMeHyなどのV族原料を同時に供
給するとGaAsやGaNの結晶核が形成されて微小領
域での相分離を引き起こすが、V族原料は供給されてい
ない状況ではGa原子は容易に2次元的な原子層を形成
する。成長温度は550℃の低温であるためにAsの再
蒸発はない。
る。図1の工程Aで1原子層分のTMGaを供給する。
Ga1原子層分だけの成長で、成長が自己停止する原子
層エピタキシーのモードを使うこともできる。この時、
例えばAsH3やDMeHyなどのV族原料を同時に供
給するとGaAsやGaNの結晶核が形成されて微小領
域での相分離を引き起こすが、V族原料は供給されてい
ない状況ではGa原子は容易に2次元的な原子層を形成
する。成長温度は550℃の低温であるためにAsの再
蒸発はない。
【0059】次に、図1の工程BでDMeHyを供給す
る。この工程で供給されるDMeHyは0.2原子層分
のNが固相に取り込まれる供給量であり、基板表面の単
原子層のGa原子と反応して0.2原子層分のN原子だ
けが表面にランダムに吸着する。
る。この工程で供給されるDMeHyは0.2原子層分
のNが固相に取り込まれる供給量であり、基板表面の単
原子層のGa原子と反応して0.2原子層分のN原子だ
けが表面にランダムに吸着する。
【0060】次に、図1の工程Cで供給したAsH3に
よって、0.8原子層分のAsが固相に取り込まれる。
この工程で供給されるAsH3は0.8原子層分以上の
供給量であるが、基板表面にはN原子と結合していない
0.8原子層分のGa原子が表面に露出しており、その
露出されたGa原子がAsH3と反応して0.8原子層
分のAs原子が表面に吸着する。それ以上のAsH3分
子線は、反応すべきGa原子がないために基板表面に吸
着しないまま脱離する。
よって、0.8原子層分のAsが固相に取り込まれる。
この工程で供給されるAsH3は0.8原子層分以上の
供給量であるが、基板表面にはN原子と結合していない
0.8原子層分のGa原子が表面に露出しており、その
露出されたGa原子がAsH3と反応して0.8原子層
分のAs原子が表面に吸着する。それ以上のAsH3分
子線は、反応すべきGa原子がないために基板表面に吸
着しないまま脱離する。
【0061】また、先に形成されている0.2原子層相
当のN原子は、Ga−N結合の結合エネルギーが非常に
大きいこと、基板温度が低いことから、後から供給され
るAs原子と置換されることはない。N原子の吸着サイ
トはAs原子の存在と関係無く決まり、Asの吸着サイ
トはN原子の穴を埋めるように決まることから、N原子
とAs原子とが吸着サイトの干渉を起こすことなく、A
sとNとが相分離する原理が働かない成長モードとな
る。
当のN原子は、Ga−N結合の結合エネルギーが非常に
大きいこと、基板温度が低いことから、後から供給され
るAs原子と置換されることはない。N原子の吸着サイ
トはAs原子の存在と関係無く決まり、Asの吸着サイ
トはN原子の穴を埋めるように決まることから、N原子
とAs原子とが吸着サイトの干渉を起こすことなく、A
sとNとが相分離する原理が働かない成長モードとな
る。
【0062】A〜Cの工程を1サイクル実行するごとに
GaAs0.8N0.2分子層が1層ずつ形成される。厚膜を
成長する場合にはこのサイクルを複数回繰り返せばよ
く、相分離が生じることなく単結晶のGaAsN化合物
を結晶成長することができる。
GaAs0.8N0.2分子層が1層ずつ形成される。厚膜を
成長する場合にはこのサイクルを複数回繰り返せばよ
く、相分離が生じることなく単結晶のGaAsN化合物
を結晶成長することができる。
【0063】なお、本実施形態では、工程Aで1原子層
のIII族源を供給したが、前述の作用を鑑みると、1
原子層以下であれば必ずしもぴったり1原子層でなくて
も問題ない。例えば工程Aで0.5原子層のGaを供給
したとすれば、その後の工程Bで0.1原子層のNが、
その後の工程Cで0.4原子層のAsが吸着すればよ
い。
のIII族源を供給したが、前述の作用を鑑みると、1
原子層以下であれば必ずしもぴったり1原子層でなくて
も問題ない。例えば工程Aで0.5原子層のGaを供給
したとすれば、その後の工程Bで0.1原子層のNが、
その後の工程Cで0.4原子層のAsが吸着すればよ
い。
【0064】また、Al0.3Ga0.7As0.8N0.2のよう
にIII族源が複数の場合には、工程Aにおいて、Al
対Gaの固相比が3:7となるように供給比が選ばれた
AlとGaの原料を同時,または独立して供給すればよ
いことは容易にわかる。
にIII族源が複数の場合には、工程Aにおいて、Al
対Gaの固相比が3:7となるように供給比が選ばれた
AlとGaの原料を同時,または独立して供給すればよ
いことは容易にわかる。
【0065】なお、本実施形態では結晶成長時の基板温
度を550℃としたが、基板温度を600℃より高くす
ると一旦表面に吸着したV族原子が再蒸発する為、得ら
れる結晶の表面は非常に荒れたものとなった。また、4
00℃よりも低くすると、良好な結晶性が得られなかっ
た。
度を550℃としたが、基板温度を600℃より高くす
ると一旦表面に吸着したV族原子が再蒸発する為、得ら
れる結晶の表面は非常に荒れたものとなった。また、4
00℃よりも低くすると、良好な結晶性が得られなかっ
た。
【0066】なお、本実施形態ではGaP基板を用いた
が、GaP基板に格子定数が近いSi基板を用いてもよ
いことは言うまでもない。
が、GaP基板に格子定数が近いSi基板を用いてもよ
いことは言うまでもない。
【0067】なお本実施形態では、図1を参照しなが
ら、III族の供給→N源の供給→N以外のV族源(A
s)の供給、というシーケンスでの本発明の実施形態の
一例を示したが、必ずしもこの形態だけで良好な結晶成
長が可能であるというわけではない。N源とN以外のV
族源とが固相において分離しないように、それぞれの吸
着サイトがコントロールできるよう、それぞれを単独で
供給しているところに本願の特徴があり、この特徴を満
たす成長シーケンスは図1のもの以外にも変形例が考え
られる。
ら、III族の供給→N源の供給→N以外のV族源(A
s)の供給、というシーケンスでの本発明の実施形態の
一例を示したが、必ずしもこの形態だけで良好な結晶成
長が可能であるというわけではない。N源とN以外のV
族源とが固相において分離しないように、それぞれの吸
着サイトがコントロールできるよう、それぞれを単独で
供給しているところに本願の特徴があり、この特徴を満
たす成長シーケンスは図1のもの以外にも変形例が考え
られる。
【0068】基板の面方位に関しては、上記の作用を鑑
みると、III族面とV族面とを交互に出すことができ
る{001}面およびその微傾斜面が望ましい。このこ
とは、他の実施形態に於いても同様である。
みると、III族面とV族面とを交互に出すことができ
る{001}面およびその微傾斜面が望ましい。このこ
とは、他の実施形態に於いても同様である。
【0069】なお、上記の例では、供給する原料の量を
単位時間当たりの供給量と供給時間とで制御したが、S
PA法などによって表面状態をリアルタイムで観察しな
がら供給すれば、原料の供給量がより精度よく制御でき
るようになることは言うまでもない。また、各原料の供
給後に、残留原料を追い出すために待ち時間を設けても
よい。特に、単位時間当たりの供給量が比較的多いV族
原料の供給後に待ち時間を設けるのがよい。このこと
は、他の実施形態に於いても同様である。 (実施の形態2)本発明の実施形態2として、Si基板
の上に、MBE法を用いてGaAs0.8N0.2層を結晶成
長した場合について示す。従来の方法との違いは、従来
は原料を全て同時に供給することによって結晶成長を行
っていたのに対し、本実施形態ではV族元素であるAs
とNの供給を単独で行っていることである。また、本実
施形態では、実施形態1で示した方法よりも、AsとN
とがよりランダムに混じりあった均一な混晶を作ること
ができる点で改良されている。また、制御が容易なII
I族元素の原料供給シーケンスを工夫することによっ
て、組成比の制御が難しいV族元素の混晶比を精密に制
御することを実現している点で実施形態1よりも改良さ
れている。
単位時間当たりの供給量と供給時間とで制御したが、S
PA法などによって表面状態をリアルタイムで観察しな
がら供給すれば、原料の供給量がより精度よく制御でき
るようになることは言うまでもない。また、各原料の供
給後に、残留原料を追い出すために待ち時間を設けても
よい。特に、単位時間当たりの供給量が比較的多いV族
原料の供給後に待ち時間を設けるのがよい。このこと
は、他の実施形態に於いても同様である。 (実施の形態2)本発明の実施形態2として、Si基板
の上に、MBE法を用いてGaAs0.8N0.2層を結晶成
長した場合について示す。従来の方法との違いは、従来
は原料を全て同時に供給することによって結晶成長を行
っていたのに対し、本実施形態ではV族元素であるAs
とNの供給を単独で行っていることである。また、本実
施形態では、実施形態1で示した方法よりも、AsとN
とがよりランダムに混じりあった均一な混晶を作ること
ができる点で改良されている。また、制御が容易なII
I族元素の原料供給シーケンスを工夫することによっ
て、組成比の制御が難しいV族元素の混晶比を精密に制
御することを実現している点で実施形態1よりも改良さ
れている。
【0070】[011]方向へ5°傾斜した(100)
面からなる表面を有するSi基板を準備し、その上に、
Ga分子線,In分子線,As2分子線,P分子線,及
び500℃に加熱したAl2O3(NH3に対する分解触媒)
を通してクラッキングされたNH3分子線を備えるMB
E法により結晶を成長した。
面からなる表面を有するSi基板を準備し、その上に、
Ga分子線,In分子線,As2分子線,P分子線,及
び500℃に加熱したAl2O3(NH3に対する分解触媒)
を通してクラッキングされたNH3分子線を備えるMB
E法により結晶を成長した。
【0071】作製した構造は、まずSi基板の上に層厚
0.5μmのGaPからなるバッファ層を、その上に層
厚0.1μmのGaAs0.8N0.2層を結晶成長した。G
aAsN結晶は、SiやGaPに格子整合する組成の混
晶である。結晶成長温度は、多層膜を作製する間中50
0℃に保持した。
0.5μmのGaPからなるバッファ層を、その上に層
厚0.1μmのGaAs0.8N0.2層を結晶成長した。G
aAsN結晶は、SiやGaPに格子整合する組成の混
晶である。結晶成長温度は、多層膜を作製する間中50
0℃に保持した。
【0072】MBE法による結晶成長は、GaP層を成
長する時には必要な原料をすべて同時に供給し、成長速
度は0.5μm/hr.とした。GaPからなるバッフ
ァ層を成長した後、その表面にP分子線を照射して表面
をV族面にした。その上に作製するGaAsN層は、図
2に示すシーケンスで結晶成長を行った。図2(a)か
ら(c)はそれぞれの分子線のシャッターシーケンスを
示す。
長する時には必要な原料をすべて同時に供給し、成長速
度は0.5μm/hr.とした。GaPからなるバッフ
ァ層を成長した後、その表面にP分子線を照射して表面
をV族面にした。その上に作製するGaAsN層は、図
2に示すシーケンスで結晶成長を行った。図2(a)か
ら(c)はそれぞれの分子線のシャッターシーケンスを
示す。
【0073】(工程A)1.5×10-5[Pa]のGa
分子線を、4.0秒間照射し、 (工程B)5.6×10-4[Pa]のAs2分子線を、
5.0秒間照射し、 (工程C)1.5×10-5[Pa]のGa分子線を、
1.0秒間照射し、 (工程D)1.6×10-4[Pa]のNH3分子線を、
3.0秒間照射し、GaAsNの1分子層を形成する。
工程AからDを適当な回数だけ繰り返すことにより、層
厚0.1μmのGaAsN混晶を得た。
分子線を、4.0秒間照射し、 (工程B)5.6×10-4[Pa]のAs2分子線を、
5.0秒間照射し、 (工程C)1.5×10-5[Pa]のGa分子線を、
1.0秒間照射し、 (工程D)1.6×10-4[Pa]のNH3分子線を、
3.0秒間照射し、GaAsNの1分子層を形成する。
工程AからDを適当な回数だけ繰り返すことにより、層
厚0.1μmのGaAsN混晶を得た。
【0074】このように作製された試料を、X線回折に
よって構造解析した結果、良好な結晶性を有するGaA
s0.8N0.2単結晶が成長していることがわかった。固相
におけるAsとNとの比は、工程Aにおいて供給したG
aの供給量と、工程Cで供給したGaの供給量との比に
等しく、それぞれのV族原料を供給する直前に供給する
III族原料の供給比によってそれぞれのV族元素の固
相比が精密制御されることがわかった。
よって構造解析した結果、良好な結晶性を有するGaA
s0.8N0.2単結晶が成長していることがわかった。固相
におけるAsとNとの比は、工程Aにおいて供給したG
aの供給量と、工程Cで供給したGaの供給量との比に
等しく、それぞれのV族原料を供給する直前に供給する
III族原料の供給比によってそれぞれのV族元素の固
相比が精密制御されることがわかった。
【0075】比較の為に、従来のようにGa分子線,A
s2分子線,NH3分子線を全て同時に照射して作製した
試料の場合には、多結晶のGaAsとGaNとに相分離
した膜しか得られなかった。また、本発明の方法で得ら
れた膜には組成の不均一はなく、表面状態も極めてスム
ースであったのに対し、従来の方法の場合には非常に荒
れた表面状態であり、場所によってAsの多い領域とN
の多い領域とにムラのある膜であった。
s2分子線,NH3分子線を全て同時に照射して作製した
試料の場合には、多結晶のGaAsとGaNとに相分離
した膜しか得られなかった。また、本発明の方法で得ら
れた膜には組成の不均一はなく、表面状態も極めてスム
ースであったのに対し、従来の方法の場合には非常に荒
れた表面状態であり、場所によってAsの多い領域とN
の多い領域とにムラのある膜であった。
【0076】以上のように、本発明により、高いN組成
の制御性と均一性を有する高品質のGaAsN混晶を得
ることができた。
の制御性と均一性を有する高品質のGaAsN混晶を得
ることができた。
【0077】以下、実施形態2における本発明の作用に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0078】従来のように原料を同時に供給して、非混
和領域内に相当する不安定な組成のAsとNとを共に含
むIII−V族化合物半導体混晶を結晶成長させた場
合、As原子とN原子との間で吸着サイトの干渉が生
じ、微視的に島状成長が起こる結果、個々の微小な結晶
の島で独立に安定な組成のAs化合物及びN化合物が結
晶成長し始めて相分離を起こし、GaNとGaAsとが
混在した多結晶となる。
和領域内に相当する不安定な組成のAsとNとを共に含
むIII−V族化合物半導体混晶を結晶成長させた場
合、As原子とN原子との間で吸着サイトの干渉が生
じ、微視的に島状成長が起こる結果、個々の微小な結晶
の島で独立に安定な組成のAs化合物及びN化合物が結
晶成長し始めて相分離を起こし、GaNとGaAsとが
混在した多結晶となる。
【0079】一方で本発明の結晶成長方法は、従来の方
法から発想を転換した結果得られたものであり、III
族原子の供給,基板表面への吸着とそのN原子での終
端、III族原子の供給,基板表面への吸着とそのN以
外のV族原子での終端とを繰り返すことにより、NとN
以外のV族元素との吸着サイトが競合することなく、相
分離が生じる原理が働かない状態で結晶成長が進行する
結果、均一な混晶の結晶成長が可能とならしめるもので
ある。また、III族源は基板表面への付着確率が常に
1であるのに対し、V族源は、III族原子が表面に露
出している部分では付着確率が1であり、III族原子
が表面に露出していない部分では付着確率が0であるこ
とを利用し、AsとNの混晶の成長を相分離することな
く、結晶成長を行いつつ、AsとNとの比をIII族源
とV族源との供給シーケンスによって精密に制御してい
る。
法から発想を転換した結果得られたものであり、III
族原子の供給,基板表面への吸着とそのN原子での終
端、III族原子の供給,基板表面への吸着とそのN以
外のV族原子での終端とを繰り返すことにより、NとN
以外のV族元素との吸着サイトが競合することなく、相
分離が生じる原理が働かない状態で結晶成長が進行する
結果、均一な混晶の結晶成長が可能とならしめるもので
ある。また、III族源は基板表面への付着確率が常に
1であるのに対し、V族源は、III族原子が表面に露
出している部分では付着確率が1であり、III族原子
が表面に露出していない部分では付着確率が0であるこ
とを利用し、AsとNの混晶の成長を相分離することな
く、結晶成長を行いつつ、AsとNとの比をIII族源
とV族源との供給シーケンスによって精密に制御してい
る。
【0080】このことを、図3を参照しながら説明す
る。すなわち、V族面となった基板1(図3(a))の
上に、図2の工程Aで照射したGa分子線によって、
0.8原子層分のGa源が供給される。基板の表面には
0.8原子層分のGa原子だけ付着し、その他の部分に
は下地のAs原子が露出したままである(図3
(b))。この時、例えばAsなどのV族原料を同時に
供給してしまうとGaAsの結晶核が形成されて微小領
域での相分離を引き起こすが、V族原料は供給されてい
ない状況ではGa原子は容易に2次元的な0.8原子層
を形成する。成長温度は500℃の低温であるためにA
sの再蒸発はない。
る。すなわち、V族面となった基板1(図3(a))の
上に、図2の工程Aで照射したGa分子線によって、
0.8原子層分のGa源が供給される。基板の表面には
0.8原子層分のGa原子だけ付着し、その他の部分に
は下地のAs原子が露出したままである(図3
(b))。この時、例えばAsなどのV族原料を同時に
供給してしまうとGaAsの結晶核が形成されて微小領
域での相分離を引き起こすが、V族原料は供給されてい
ない状況ではGa原子は容易に2次元的な0.8原子層
を形成する。成長温度は500℃の低温であるためにA
sの再蒸発はない。
【0081】次に、図2の工程BでAs2分子線を照射
する。この工程で供給されるAs2分子線は0.8原子
層分以上の供給量であるが、基板表面の0.8原子層分
のGa原子がAs2分子線と反応して0.8原子層分の
As原子だけが表面に吸着する。それ以上のAs2分子
線は、反応すべきGa原子がないために基板表面に吸着
しないまま脱離する(図3(c))。
する。この工程で供給されるAs2分子線は0.8原子
層分以上の供給量であるが、基板表面の0.8原子層分
のGa原子がAs2分子線と反応して0.8原子層分の
As原子だけが表面に吸着する。それ以上のAs2分子
線は、反応すべきGa原子がないために基板表面に吸着
しないまま脱離する(図3(c))。
【0082】次に、図2の工程Cで照射したGa分子線
によって、0.2原子層分のGa源が供給される。基板
の表面には0.2原子層分のGa原子だけ付着し、その
他の部分には下地のAs原子が露出したままである(図
3(d))。この時、例えばNH3などのV族原料を同
時に供給してしまうとGaNの結晶核が形成されて微小
領域での相分離を引き起こすが、V族原料が供給されて
いない状況ではGa原子のマイグレーション長が長く、
工程AでGa原子が付着しなかった部分(ポテンシャル
の低い位置)に容易に移動でき、2次元的な0.2原子
層を形成する。
によって、0.2原子層分のGa源が供給される。基板
の表面には0.2原子層分のGa原子だけ付着し、その
他の部分には下地のAs原子が露出したままである(図
3(d))。この時、例えばNH3などのV族原料を同
時に供給してしまうとGaNの結晶核が形成されて微小
領域での相分離を引き起こすが、V族原料が供給されて
いない状況ではGa原子のマイグレーション長が長く、
工程AでGa原子が付着しなかった部分(ポテンシャル
の低い位置)に容易に移動でき、2次元的な0.2原子
層を形成する。
【0083】次に、図2の工程DでNH3分子線を照射
する。この工程で供給されるNH3分子線は0.2原子
層分以上の供給量であるが、基板表面の0.2原子層分
のGa原子がNH3分子線と反応して0.2原子層分の
N原子だけが表面に吸着する。それ以上のNH3分子線
は、反応すべきGa原子がないために基板表面に吸着し
ないまま脱離する(図3(e))。
する。この工程で供給されるNH3分子線は0.2原子
層分以上の供給量であるが、基板表面の0.2原子層分
のGa原子がNH3分子線と反応して0.2原子層分の
N原子だけが表面に吸着する。それ以上のNH3分子線
は、反応すべきGa原子がないために基板表面に吸着し
ないまま脱離する(図3(e))。
【0084】このように、A〜Dの工程を1サイクル実
行するごとにGaAs0.8N0.2分子層が1層ずつ形成さ
れる。厚膜を成長する場合にはこのサイクルを複数回繰
り返せばよく、相分離が生じることなく単結晶のGaA
sN化合物を結晶成長することができる。
行するごとにGaAs0.8N0.2分子層が1層ずつ形成さ
れる。厚膜を成長する場合にはこのサイクルを複数回繰
り返せばよく、相分離が生じることなく単結晶のGaA
sN化合物を結晶成長することができる。
【0085】すなわち、均一に混ざりあわないNとN以
外のV族元素とをそれぞれ単独で供給しているので、そ
れぞれのV族原子の吸着サイトが別のV族原子の影響を
受けないので相分離を生じるメカニズムが働かず、V族
元素が均一な混晶の結晶成長が可能となるものである。
外のV族元素とをそれぞれ単独で供給しているので、そ
れぞれのV族原子の吸着サイトが別のV族原子の影響を
受けないので相分離を生じるメカニズムが働かず、V族
元素が均一な混晶の結晶成長が可能となるものである。
【0086】特に、GaAsNの成長においてはGaA
sとGaNとに分離しやすい事実からわかるようにV族
元素が分離しやすい傾向にあるわけであるが、その分離
しやすい傾向にあるV族元素の結晶成長時における吸着
サイトが、相分離と相関がないIII族元素の吸着サイ
トによって決まっているので、よりV族元素が均一にな
り、分離するメカニズムが働かない成長方法となってい
る。
sとGaNとに分離しやすい事実からわかるようにV族
元素が分離しやすい傾向にあるわけであるが、その分離
しやすい傾向にあるV族元素の結晶成長時における吸着
サイトが、相分離と相関がないIII族元素の吸着サイ
トによって決まっているので、よりV族元素が均一にな
り、分離するメカニズムが働かない成長方法となってい
る。
【0087】また、III族元素はV族元素よりも再蒸
発が著しく少ない為に供給量の制御性に優れており、V
族元素の混晶比がIII族元素の供給により制御されて
いる本実施形態の方法は実施形態1の方法よりも優れて
いる。
発が著しく少ない為に供給量の制御性に優れており、V
族元素の混晶比がIII族元素の供給により制御されて
いる本実施形態の方法は実施形態1の方法よりも優れて
いる。
【0088】なお、本実施形態では、工程Aと工程Cと
でそれぞれ0.8,0.2原子層のIII族源を供給し
たが、それぞれ0.4,0.1原子層ずつであっても、
0.6,0.15原子層ずつであっても同様の効果が得
られた。また、工程Aと工程Cとでそれぞれ0.8,
0.2原子層のIII族源を供給し、それに引き続いて
同様の工程A’から工程D’を行い、工程A’と工程
C’とでそれぞれ0.4,0.1原子層のIII族源を
供給する、8工程からなる成長プロセスを1周期として
結晶成長を行っても、同様の結果が得られた。
でそれぞれ0.8,0.2原子層のIII族源を供給し
たが、それぞれ0.4,0.1原子層ずつであっても、
0.6,0.15原子層ずつであっても同様の効果が得
られた。また、工程Aと工程Cとでそれぞれ0.8,
0.2原子層のIII族源を供給し、それに引き続いて
同様の工程A’から工程D’を行い、工程A’と工程
C’とでそれぞれ0.4,0.1原子層のIII族源を
供給する、8工程からなる成長プロセスを1周期として
結晶成長を行っても、同様の結果が得られた。
【0089】つまり、N源を供給する工程の直前の工程
で供給するIII族源の総供給量が、成長プロセス1周
期で供給するIII族源の総供給量に対して、20%
(つまり目標とする結晶のN混晶比に相当)を占めてい
ればよい。
で供給するIII族源の総供給量が、成長プロセス1周
期で供給するIII族源の総供給量に対して、20%
(つまり目標とする結晶のN混晶比に相当)を占めてい
ればよい。
【0090】本実施形態では、工程Aで供給するIII
族源と工程Cで供給するIII族源の単位時間当たりの
供給量を同じにし、供給時間を4:1として供給量を制
御した。MBE法のように、原料の単位時間当たりの供
給量を変えるのに時間を要する成長方法の場合、供給時
間によって制御するのが好ましい。
族源と工程Cで供給するIII族源の単位時間当たりの
供給量を同じにし、供給時間を4:1として供給量を制
御した。MBE法のように、原料の単位時間当たりの供
給量を変えるのに時間を要する成長方法の場合、供給時
間によって制御するのが好ましい。
【0091】また、各工程で結晶成長する原子層の厚さ
は、上記の作用を鑑みると、1原子層以下であることが
望ましい。このことは、他の実施形態に於いても同様で
ある。
は、上記の作用を鑑みると、1原子層以下であることが
望ましい。このことは、他の実施形態に於いても同様で
ある。
【0092】また、Al0.3Ga0.7As0.8N0.2のよう
にIII族源が複数の場合には、工程A,Cにおいて、
Al対Gaの固相比が3:7となるようにビーム強度比
が選ばれたAlとGaのビームを同時に照射すればよ
い。工程AではAlとGaの合計が0.8原子層相当
に、工程Cでは合計が0.2原子層相当になるように供
給時間を設定すればよい。
にIII族源が複数の場合には、工程A,Cにおいて、
Al対Gaの固相比が3:7となるようにビーム強度比
が選ばれたAlとGaのビームを同時に照射すればよ
い。工程AではAlとGaの合計が0.8原子層相当
に、工程Cでは合計が0.2原子層相当になるように供
給時間を設定すればよい。
【0093】なお、本実施形態では結晶成長時の基板温
度を500℃としたが、基板温度を600℃より高くす
ると一旦表面に吸着したV族原子が再蒸発する為、得ら
れる結晶の表面は非常に荒れたものとなった。なお、本
実施形態ではSi基板を用い、その上にGaPバッファ
層を用いたが、GaP基板の上に直接結晶成長してもよ
いことは言うまでもない。
度を500℃としたが、基板温度を600℃より高くす
ると一旦表面に吸着したV族原子が再蒸発する為、得ら
れる結晶の表面は非常に荒れたものとなった。なお、本
実施形態ではSi基板を用い、その上にGaPバッファ
層を用いたが、GaP基板の上に直接結晶成長してもよ
いことは言うまでもない。
【0094】基板の面方位に関しては、上記の作用を鑑
みると、III族面とV族面とを交互に出すことができ
る{001}面およびその微傾斜面が望ましい。このこ
とは、他の実施形態に於いても同様である。
みると、III族面とV族面とを交互に出すことができ
る{001}面およびその微傾斜面が望ましい。このこ
とは、他の実施形態に於いても同様である。
【0095】なお、上記の例では、供給するIII族原
料の量をビーム量と供給時間とで制御したが、電子線回
折の振動パターンのモニターや、SPA法などによって
表面状態をリアルタイムで観察しながら供給すれば、I
II族原料の供給量がより精度よく制御できるようにな
ることは言うまでもない。また、各原料の供給後に、残
留原料を追い出すために待ち時間を設けてもよい。この
ことは、他の実施形態に於いても同様である。 (実施の形態3)本発明の実施形態3として、GaAs
基板の上に、有機金属気相成長(MO−CVD)法を用
いてInPN層を結晶成長した場合について示す。実施
形態1,2との違いは、実施形態1,2ではN以外のV
族元素がAsであったのに対し、本実施形態ではP
(燐)である点で異なる。
料の量をビーム量と供給時間とで制御したが、電子線回
折の振動パターンのモニターや、SPA法などによって
表面状態をリアルタイムで観察しながら供給すれば、I
II族原料の供給量がより精度よく制御できるようにな
ることは言うまでもない。また、各原料の供給後に、残
留原料を追い出すために待ち時間を設けてもよい。この
ことは、他の実施形態に於いても同様である。 (実施の形態3)本発明の実施形態3として、GaAs
基板の上に、有機金属気相成長(MO−CVD)法を用
いてInPN層を結晶成長した場合について示す。実施
形態1,2との違いは、実施形態1,2ではN以外のV
族元素がAsであったのに対し、本実施形態ではP
(燐)である点で異なる。
【0096】(100)面からなる表面を有するGaA
s基板を準備し、その上に、TMIn(トリメチルイン
ジウム),PH3(フォスフィン),MMeHy(モノ
メチルヒドラジン)を備え、H2(水素)とN2(窒素)
の混合ガスをキャリアガスとする減圧MO−CVD法に
より結晶を成長した。
s基板を準備し、その上に、TMIn(トリメチルイン
ジウム),PH3(フォスフィン),MMeHy(モノ
メチルヒドラジン)を備え、H2(水素)とN2(窒素)
の混合ガスをキャリアガスとする減圧MO−CVD法に
より結晶を成長した。
【0097】作製した構造は、まずGaAs基板の上に
層厚0.5μmのGaAsからなるバッファ層を、その
上に層厚0.05μmのInP0.76N0.24層を、順次結
晶成長した。InP0.76N0.24結晶は、GaAsに格子
整合する組成の混晶である。基板温度は、各層を作製す
る間中550℃に保持した。
層厚0.5μmのGaAsからなるバッファ層を、その
上に層厚0.05μmのInP0.76N0.24層を、順次結
晶成長した。InP0.76N0.24結晶は、GaAsに格子
整合する組成の混晶である。基板温度は、各層を作製す
る間中550℃に保持した。
【0098】MO−CVD法による結晶成長は、InP
N層を成長する時以外では必要な原料をすべて同時に供
給し、成長速度は0.5μm/hr.とした。GaAs
からなるバッファ層を成長した後、その表面をAsH3
に曝してV族面にした。その上に作製するInPN層
は、図4に示すシーケンスで結晶成長を行った。図4
(a)から(d)はそれぞれの原料ガスのシーケンスを
示す。圧力は13[Pa]とし、H2+N2キャリアガス
を10[l/min]で供給した上で、 (工程A)2.4[cc/min]のTMInを、2.
0秒間流し、 (工程B)100[cc/min]のMMeHyを、
4.0秒間流し、 (工程C)7.6[cc/min]のTMInを、2.
0秒間流し、 (工程D)400[cc/min]のPH3を、4.0
秒間流し、InPNの0.5分子層を形成する。工程A
からDを適当な回数だけ繰り返すことにより、層厚0.
05μmのInPN混晶を得た。
N層を成長する時以外では必要な原料をすべて同時に供
給し、成長速度は0.5μm/hr.とした。GaAs
からなるバッファ層を成長した後、その表面をAsH3
に曝してV族面にした。その上に作製するInPN層
は、図4に示すシーケンスで結晶成長を行った。図4
(a)から(d)はそれぞれの原料ガスのシーケンスを
示す。圧力は13[Pa]とし、H2+N2キャリアガス
を10[l/min]で供給した上で、 (工程A)2.4[cc/min]のTMInを、2.
0秒間流し、 (工程B)100[cc/min]のMMeHyを、
4.0秒間流し、 (工程C)7.6[cc/min]のTMInを、2.
0秒間流し、 (工程D)400[cc/min]のPH3を、4.0
秒間流し、InPNの0.5分子層を形成する。工程A
からDを適当な回数だけ繰り返すことにより、層厚0.
05μmのInPN混晶を得た。
【0099】このように作製された試料を、X線回折に
よって構造解析した結果、良好な結晶性を有するInP
0.76N0.24単結晶が成長していることがわかった。固相
におけるNとPとの比は、工程Aにおいて供給したTM
Inの供給量と、工程Cで供給したTMInの供給量と
の比に等しく、それぞれのV族原料を供給する直前に供
給するIII族原料の供給比によってそれぞれのV族元
素の固相比が精密制御されることがわかった。比較の為
に、従来のように原料ガスを全て同時に供給して作製し
た試料の場合には、多結晶のInPとInNとに相分離
した膜しか得られなかった。
よって構造解析した結果、良好な結晶性を有するInP
0.76N0.24単結晶が成長していることがわかった。固相
におけるNとPとの比は、工程Aにおいて供給したTM
Inの供給量と、工程Cで供給したTMInの供給量と
の比に等しく、それぞれのV族原料を供給する直前に供
給するIII族原料の供給比によってそれぞれのV族元
素の固相比が精密制御されることがわかった。比較の為
に、従来のように原料ガスを全て同時に供給して作製し
た試料の場合には、多結晶のInPとInNとに相分離
した膜しか得られなかった。
【0100】また、本発明の方法で得られた膜には組成
の不均一はなく、表面状態も極めてスムースであったの
に対し、従来の方法の場合には非常に荒れた表面状態で
あり、場所によってPの多い領域とNの多い領域とにム
ラのある膜であった。
の不均一はなく、表面状態も極めてスムースであったの
に対し、従来の方法の場合には非常に荒れた表面状態で
あり、場所によってPの多い領域とNの多い領域とにム
ラのある膜であった。
【0101】以上のように、本発明により、高いN組成
の制御性と均一性を有する高品質のInPN混晶を得る
ことができた。
の制御性と均一性を有する高品質のInPN混晶を得る
ことができた。
【0102】以下、実施形態3における本発明の作用に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0103】GaAsからなるバッファ層を成長した
後、その表面をAsH3に曝してAs面にした基板の上
に、図4の工程Aで流したTMInによって、0.12
原子層分のIn層が付着する。Inが付着しなかった部
分には下地のV族原子が露出したままである。
後、その表面をAsH3に曝してAs面にした基板の上
に、図4の工程Aで流したTMInによって、0.12
原子層分のIn層が付着する。Inが付着しなかった部
分には下地のV族原子が露出したままである。
【0104】次に、図4の工程Bで流したMMeHyは
0.12原子層分以上の供給量であり、基板表面の0.
12原子層分のIII族原子がMMeHyガスと反応し
て0.12原子層分のN原子が表面に吸着する。それ以
上のMMeHyガスは、反応すべきIII族原子がない
ために基板表面に吸着しないまま脱離する。
0.12原子層分以上の供給量であり、基板表面の0.
12原子層分のIII族原子がMMeHyガスと反応し
て0.12原子層分のN原子が表面に吸着する。それ以
上のMMeHyガスは、反応すべきIII族原子がない
ために基板表面に吸着しないまま脱離する。
【0105】次に、図4の工程Cで流したTMInによ
って、0.38原子層分のIn層が付着する。Inが付
着しなかった部分には下地のV族原子が露出したままで
ある。
って、0.38原子層分のIn層が付着する。Inが付
着しなかった部分には下地のV族原子が露出したままで
ある。
【0106】次に、図4の工程Dで流したPH3は0.
38原子層分以上の供給量であり、基板表面の0.38
原子層分のIII族原子がPH3ガスと反応して0.3
8原子層分のP原子が表面に吸着する。それ以上のPH
3ガスは、反応すべきIII族原子がないために基板表
面に吸着しないまま脱離する。
38原子層分以上の供給量であり、基板表面の0.38
原子層分のIII族原子がPH3ガスと反応して0.3
8原子層分のP原子が表面に吸着する。それ以上のPH
3ガスは、反応すべきIII族原子がないために基板表
面に吸着しないまま脱離する。
【0107】このように、A〜Dの工程を1サイクル実
行するごとにInPN分子層が0.5分子層ずつ形成さ
れる。厚膜を成長する場合にはこのサイクルを複数回繰
り返せばよく、P原子とN原子とが競合することなく安
定なサイトに入るために良好な結晶性を有するInPN
化合物を結晶成長することができる。
行するごとにInPN分子層が0.5分子層ずつ形成さ
れる。厚膜を成長する場合にはこのサイクルを複数回繰
り返せばよく、P原子とN原子とが競合することなく安
定なサイトに入るために良好な結晶性を有するInPN
化合物を結晶成長することができる。
【0108】また、分離しやすい傾向にあるV族元素の
結晶成長時における吸着サイトが、相分離と相関がない
III族元素の吸着サイトによって決まっているので、
よりV族元素が均一になり、分離するメカニズムが働か
ない成長方法となっている。特に、III族元素はV族
元素よりも再蒸発が著しく少ない為に供給量の制御性に
優れており、V族元素の混晶比がIII族元素の供給に
より制御されている本実施形態の方法は実施形態1の方
法よりも優れている。
結晶成長時における吸着サイトが、相分離と相関がない
III族元素の吸着サイトによって決まっているので、
よりV族元素が均一になり、分離するメカニズムが働か
ない成長方法となっている。特に、III族元素はV族
元素よりも再蒸発が著しく少ない為に供給量の制御性に
優れており、V族元素の混晶比がIII族元素の供給に
より制御されている本実施形態の方法は実施形態1の方
法よりも優れている。
【0109】また、本実施形態では、工程Aと工程Cと
でそれぞれ0.12,0.38原子層分のIII族源を
供給したが、工程Aで供給するIII族源と工程Cで供
給するIII族源の供給比は、工程Bで供給するV族元
素と工程Dで供給するV族元素の固相比に対応するよう
に設定すればよい。その際に、本実施形態2において
は、工程Aで供給するIII族源と工程Cで供給するI
II族源の単位時間当たりの供給量を同じにし、供給時
間を変えることによって各工程での供給量を調節したの
に対し、本実施例では、工程Aで供給するIII族源と
工程Cで供給するIII族源の供給時間を同じにし、単
位時間当たりの供給量を変えることによって各工程での
供給量を調節している。
でそれぞれ0.12,0.38原子層分のIII族源を
供給したが、工程Aで供給するIII族源と工程Cで供
給するIII族源の供給比は、工程Bで供給するV族元
素と工程Dで供給するV族元素の固相比に対応するよう
に設定すればよい。その際に、本実施形態2において
は、工程Aで供給するIII族源と工程Cで供給するI
II族源の単位時間当たりの供給量を同じにし、供給時
間を変えることによって各工程での供給量を調節したの
に対し、本実施例では、工程Aで供給するIII族源と
工程Cで供給するIII族源の供給時間を同じにし、単
位時間当たりの供給量を変えることによって各工程での
供給量を調節している。
【0110】どちらの方法を用いても結果は同じである
が、供給時間の精密な制御が可能かどうかはメカニカル
なバルブやシャッターの応答時間によって律速される為
に制度のよい制御が難しいのに対し、単位時間当たりの
供給量の精密設定はマスフローコントローラ等の制御機
器の精度が高いことから比較的容易であることから、後
者の方がより望ましい。
が、供給時間の精密な制御が可能かどうかはメカニカル
なバルブやシャッターの応答時間によって律速される為
に制度のよい制御が難しいのに対し、単位時間当たりの
供給量の精密設定はマスフローコントローラ等の制御機
器の精度が高いことから比較的容易であることから、後
者の方がより望ましい。
【0111】なお、本実施形態では結晶成長時の基板温
度を550℃としたが、本発明の方法を実施するには基
板温度として400〜600℃の範囲とすることが好ま
しい。
度を550℃としたが、本発明の方法を実施するには基
板温度として400〜600℃の範囲とすることが好ま
しい。
【0112】なお、実施形態2と同様に、MO−CVD
法においても光学的な手法等を用いることで表面状態を
リアルタイムでモニターしながらIII族原料の供給量
を精密制御することが可能であることは言うまでもな
い。 (実施の形態4)本発明の実施形態4として、GaAs
基板の上に、MO−CVD法を用いて禁制帯幅1.55
μmのGaInNAs層を結晶成長した場合について示
す。実施形態1,2,3との違いは、実施形態1,2,
3では比較的N組成の大きな混晶を成長していたのに対
し、本実施形態ではN組成の小さな混晶を成長している
点で異なる。また、本実施形態ではIII族元素が2種
類である点でも異なる。
法においても光学的な手法等を用いることで表面状態を
リアルタイムでモニターしながらIII族原料の供給量
を精密制御することが可能であることは言うまでもな
い。 (実施の形態4)本発明の実施形態4として、GaAs
基板の上に、MO−CVD法を用いて禁制帯幅1.55
μmのGaInNAs層を結晶成長した場合について示
す。実施形態1,2,3との違いは、実施形態1,2,
3では比較的N組成の大きな混晶を成長していたのに対
し、本実施形態ではN組成の小さな混晶を成長している
点で異なる。また、本実施形態ではIII族元素が2種
類である点でも異なる。
【0113】(100)面からなる表面を有するGaA
s基板を準備し、その上に、TMGa(トリメチルガリ
ウム),TMIn(トリメチルインジウム),TMAl
(トリメチルアルミニウム),AsH3(アルシン),
DMeHy(ジメチルヒドラジン)を備えた、H2(水
素)をキャリアガスとする減圧MO−CVD法により結
晶を成長した。
s基板を準備し、その上に、TMGa(トリメチルガリ
ウム),TMIn(トリメチルインジウム),TMAl
(トリメチルアルミニウム),AsH3(アルシン),
DMeHy(ジメチルヒドラジン)を備えた、H2(水
素)をキャリアガスとする減圧MO−CVD法により結
晶を成長した。
【0114】作製した構造は、まずGaAs基板の上に
層厚0.5μmのGaAsからなるバッファ層を、その
上に層厚1μmのAl0.3Ga0.7Asからなる下部障壁
層を、その上に層厚10nmのGa0.905In0.095N
0.035As0.965からなる発光層を、その上に層厚0.3
μmのAl0.3Ga0.7Asからなる上部障壁層を、その
上に層厚0.1μmのGaAsからなる保護層を、順次
結晶成長した。Ga0.90 5In0.095N0.035As0.965結
晶は、GaAsに格子整合する組成の混晶である。基板
温度は、多層膜を作製する間中600℃に保持した。
層厚0.5μmのGaAsからなるバッファ層を、その
上に層厚1μmのAl0.3Ga0.7Asからなる下部障壁
層を、その上に層厚10nmのGa0.905In0.095N
0.035As0.965からなる発光層を、その上に層厚0.3
μmのAl0.3Ga0.7Asからなる上部障壁層を、その
上に層厚0.1μmのGaAsからなる保護層を、順次
結晶成長した。Ga0.90 5In0.095N0.035As0.965結
晶は、GaAsに格子整合する組成の混晶である。基板
温度は、多層膜を作製する間中600℃に保持した。
【0115】MO−CVD法による結晶成長は、GaI
nNAs層を成長する時以外では必要な原料をすべて同
時に供給し、成長速度は0.5μm/hr.とした。A
lGaAsからなる下部障壁層を成長した後、その表面
をAsH3に曝してAs面にした。その上に作製するG
aInNAs層は、図5に示すシーケンスで結晶成長を
行った。図5(a)から(d)はそれぞれの原料ガスの
シーケンスを示す。圧力は10[kPa]とし、H2キ
ャリアガスを9[l/min]で供給した上で、 (工程A)0.95[cc/min]のTMGaと0.
10[cc/min]のTMInを、1.0秒間流し、 (工程B)100[cc/min]のDMeHyを、
2.0秒間流し、 (工程C)3.28[cc/min]のTMGaと0.
34[cc/min]のTMInを、8.0秒間流し、 (工程D)300[cc/min]のAsH3を、5.
0秒間流し、GaInNAsの0.8分子層を形成す
る。工程AからDを適当な回数だけ繰り返すことによ
り、層厚10nmのGaInNAs混晶を得た。
nNAs層を成長する時以外では必要な原料をすべて同
時に供給し、成長速度は0.5μm/hr.とした。A
lGaAsからなる下部障壁層を成長した後、その表面
をAsH3に曝してAs面にした。その上に作製するG
aInNAs層は、図5に示すシーケンスで結晶成長を
行った。図5(a)から(d)はそれぞれの原料ガスの
シーケンスを示す。圧力は10[kPa]とし、H2キ
ャリアガスを9[l/min]で供給した上で、 (工程A)0.95[cc/min]のTMGaと0.
10[cc/min]のTMInを、1.0秒間流し、 (工程B)100[cc/min]のDMeHyを、
2.0秒間流し、 (工程C)3.28[cc/min]のTMGaと0.
34[cc/min]のTMInを、8.0秒間流し、 (工程D)300[cc/min]のAsH3を、5.
0秒間流し、GaInNAsの0.8分子層を形成す
る。工程AからDを適当な回数だけ繰り返すことによ
り、層厚10nmのGaInNAs混晶を得た。
【0116】このように作製した試料の発光層における
組成を分析した結果、Ga0.905In0.095N0.035As
0.965結晶が成長していることがわかった。固相におけ
るAsとNとの比は、それぞれ工程Aにおいて供給した
III族原料の供給量と、工程Cで供給したIII族原
料の供給量との比に等しく、それぞれのV族原料を供給
する直前に供給するIII族原料の供給比によって、そ
れぞれのV族元素の固相比が精密制御されることがわか
った。
組成を分析した結果、Ga0.905In0.095N0.035As
0.965結晶が成長していることがわかった。固相におけ
るAsとNとの比は、それぞれ工程Aにおいて供給した
III族原料の供給量と、工程Cで供給したIII族原
料の供給量との比に等しく、それぞれのV族原料を供給
する直前に供給するIII族原料の供給比によって、そ
れぞれのV族元素の固相比が精密制御されることがわか
った。
【0117】作製した試料の、室温におけるPL(フォ
トルミネッセンス)スペクトルを図6にAとして示す。
比較の為に、従来のようにTMGa,TMIn,AsH
3,DMeHyを全て同時に流して作製した試料のPL
スペクトルを同図にBとして示す。本発明の方法で作製
した場合には強く鋭い発光特性を有する良好な結晶性の
GaInNAs結晶が成長したのに対し、従来の方法で
作製した場合には発光強度が弱くブロードなスペクトル
のものしか得られなかった。また、本発明の方法で得ら
れた膜には組成の不均一はなく、表面状態も極めてスム
ースであった。以上のように、本発明により、高品質の
GaInNAs混晶を得ることができた。
トルミネッセンス)スペクトルを図6にAとして示す。
比較の為に、従来のようにTMGa,TMIn,AsH
3,DMeHyを全て同時に流して作製した試料のPL
スペクトルを同図にBとして示す。本発明の方法で作製
した場合には強く鋭い発光特性を有する良好な結晶性の
GaInNAs結晶が成長したのに対し、従来の方法で
作製した場合には発光強度が弱くブロードなスペクトル
のものしか得られなかった。また、本発明の方法で得ら
れた膜には組成の不均一はなく、表面状態も極めてスム
ースであった。以上のように、本発明により、高品質の
GaInNAs混晶を得ることができた。
【0118】以下、実施形態4における本発明の作用に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0119】AlGaAsからなる下部障壁層を成長し
た後、その表面をAsH3に曝してAs面にした基板の
上に、図5の工程Aで流したTMGa,TMInによっ
て、合計が0.028原子層分のGa0.905In0.095層
が付着する。その他の部分には下地のAs原子が露出し
たままである。
た後、その表面をAsH3に曝してAs面にした基板の
上に、図5の工程Aで流したTMGa,TMInによっ
て、合計が0.028原子層分のGa0.905In0.095層
が付着する。その他の部分には下地のAs原子が露出し
たままである。
【0120】次に、図5の工程Bで流したDMeHyは
0.028原子層分以上の供給量であり、基板表面の
0.028原子層分のIII族原子がDMeHyガスと
反応して0.028原子層分のN原子が表面に吸着す
る。それ以上のDMeHyガスは、反応すべきIII族
原子がないために基板表面に吸着しないまま脱離する。
0.028原子層分以上の供給量であり、基板表面の
0.028原子層分のIII族原子がDMeHyガスと
反応して0.028原子層分のN原子が表面に吸着す
る。それ以上のDMeHyガスは、反応すべきIII族
原子がないために基板表面に吸着しないまま脱離する。
【0121】次に、図5の工程Cで流したTMGa,T
MInによって、合計が0.772原子層分のGa
0.905In0.095層が付着する。その他の部分には下地の
As原子が露出したままである。
MInによって、合計が0.772原子層分のGa
0.905In0.095層が付着する。その他の部分には下地の
As原子が露出したままである。
【0122】次に、図5の工程Dで流したAsH3は
0.772原子層分以上の供給量であり、基板表面の
0.772原子層分のIII族原子がAsH3ガスと反
応して0.772原子層分のAs原子が表面に吸着す
る。それ以上のAsH3ガスは、反応すべきIII族原
子がないために基板表面に吸着しないまま脱離する。
0.772原子層分以上の供給量であり、基板表面の
0.772原子層分のIII族原子がAsH3ガスと反
応して0.772原子層分のAs原子が表面に吸着す
る。それ以上のAsH3ガスは、反応すべきIII族原
子がないために基板表面に吸着しないまま脱離する。
【0123】このように、A〜Dの工程を1サイクル実
行するごとにGaInNAs分子層が1層ずつ形成され
る。厚膜を成長する場合にはこのサイクルを複数回繰り
返せばよく、As原子とN原子とが競合することなく安
定なサイトに入るために良好な結晶性を有するGaIn
NAs化合物を結晶成長することができる。また、分離
しやすい傾向にあるV族元素の結晶成長時における吸着
サイトが、相分離と相関がないIII族元素の吸着サイ
トによって決まっているので、よりV族元素が均一にな
り、分離するメカニズムが働かない成長方法となってい
る。特に、III族元素はV族元素よりも再蒸発が著し
く少ない為に供給量の制御性に優れており、V族元素の
混晶比がIII族元素の供給により制御されている本実
施形態の方法は実施形態1の方法よりも優れている。
行するごとにGaInNAs分子層が1層ずつ形成され
る。厚膜を成長する場合にはこのサイクルを複数回繰り
返せばよく、As原子とN原子とが競合することなく安
定なサイトに入るために良好な結晶性を有するGaIn
NAs化合物を結晶成長することができる。また、分離
しやすい傾向にあるV族元素の結晶成長時における吸着
サイトが、相分離と相関がないIII族元素の吸着サイ
トによって決まっているので、よりV族元素が均一にな
り、分離するメカニズムが働かない成長方法となってい
る。特に、III族元素はV族元素よりも再蒸発が著し
く少ない為に供給量の制御性に優れており、V族元素の
混晶比がIII族元素の供給により制御されている本実
施形態の方法は実施形態1の方法よりも優れている。
【0124】また、本実施形態では、工程Aと工程Cと
でそれぞれ0.028,0.772原子層のIII族源
を供給したが、工程Aで供給するIII族源と工程Cで
供給するIII族源の供給比は、工程Bで供給するV族
元素と工程Dで供給するV族元素の固相比に対応するよ
うに設定すればよい。その際に、本実施例では、工程A
で供給するIII族源と工程Cで供給するIII族源の
単位時間当たりの供給量と供給時間とを共に変えること
によって各工程での供給量を調節している。このような
方法によって、N混晶比が非常に小さな場合にも対応で
きる。特にIII族原料である有機金属原料は、液体原
料の温度とバブリングガスの流量とで単位時間当たりの
供給量を精密に設定できる。
でそれぞれ0.028,0.772原子層のIII族源
を供給したが、工程Aで供給するIII族源と工程Cで
供給するIII族源の供給比は、工程Bで供給するV族
元素と工程Dで供給するV族元素の固相比に対応するよ
うに設定すればよい。その際に、本実施例では、工程A
で供給するIII族源と工程Cで供給するIII族源の
単位時間当たりの供給量と供給時間とを共に変えること
によって各工程での供給量を調節している。このような
方法によって、N混晶比が非常に小さな場合にも対応で
きる。特にIII族原料である有機金属原料は、液体原
料の温度とバブリングガスの流量とで単位時間当たりの
供給量を精密に設定できる。
【0125】なお、本実施形態では結晶成長時の基板温
度を600℃としたが、本発明の方法を実施するには基
板温度として400〜600℃の範囲とすることが好ま
しい。図7に、室温におけるPL強度の、基板温度の依
存性を示す。基板温度400℃から600℃の間で発光
強度の強い試料が得られることがわかる。結晶成長の温
度が低い場合には供給されるIII族原子のマイグレー
ションが十分に生じず、また結晶成長温度が高い場合に
は一旦結晶表面に吸着したV族元素が再蒸発する為に良
好な結晶成長が生じない。
度を600℃としたが、本発明の方法を実施するには基
板温度として400〜600℃の範囲とすることが好ま
しい。図7に、室温におけるPL強度の、基板温度の依
存性を示す。基板温度400℃から600℃の間で発光
強度の強い試料が得られることがわかる。結晶成長の温
度が低い場合には供給されるIII族原子のマイグレー
ションが十分に生じず、また結晶成長温度が高い場合に
は一旦結晶表面に吸着したV族元素が再蒸発する為に良
好な結晶成長が生じない。
【0126】上記の方法を、1.55μmの波長域に対
応する活性層の作製に適用して半導体レーザ素子を作製
したところ、高性能のレーザが得られた。 (実施の形態5)本発明の実施形態5として、InP基
板の上に、MO−MBE法を用いて禁制帯幅1.3μm
のInAsPN層を結晶成長した場合について示す。実
施形態1,2,3,4との違いは、実施形態1,2,
3,4ではN以外のV族元素としてAsのみを含むもの
についてその実施の形態を説明したのに対し、本実施形
態ではN以外のV族元素としてAsとP(燐)との二種
類を含む点で異なる。
応する活性層の作製に適用して半導体レーザ素子を作製
したところ、高性能のレーザが得られた。 (実施の形態5)本発明の実施形態5として、InP基
板の上に、MO−MBE法を用いて禁制帯幅1.3μm
のInAsPN層を結晶成長した場合について示す。実
施形態1,2,3,4との違いは、実施形態1,2,
3,4ではN以外のV族元素としてAsのみを含むもの
についてその実施の形態を説明したのに対し、本実施形
態ではN以外のV族元素としてAsとP(燐)との二種
類を含む点で異なる。
【0127】[011]方向に2度傾斜した(100)
面からなる表面を有するInP基板を準備し、その上
に、TMGa(トリメチルガリウム),TMIn(トリ
メチルインジウム),TMAl(トリメチルアルミニウ
ム),As2,P(燐),MMeHy(モノメチルヒド
ラジン)を原料とするMO−MBE(有機金属分子線エ
ピタキシャル成長)法により結晶を成長した。
面からなる表面を有するInP基板を準備し、その上
に、TMGa(トリメチルガリウム),TMIn(トリ
メチルインジウム),TMAl(トリメチルアルミニウ
ム),As2,P(燐),MMeHy(モノメチルヒド
ラジン)を原料とするMO−MBE(有機金属分子線エ
ピタキシャル成長)法により結晶を成長した。
【0128】作製した構造は、まずInP基板の上に層
厚0.5μmのInPからなるバッファ層を、その上に
層厚1μmのAlInAsからなる下部障壁層を、その
上に層厚8nmのInAs0.25P0.70N0.05からなる発
光層を、その上に層厚0.3μmのAlInAsからな
る上部障壁層を、その上に層厚0.1μmのGaInA
sからなる保護層を、順次結晶成長した。各層は、In
P基板に概ね格子整合する組成の混晶である。結晶成長
温度は、多層膜を作製する間中450℃に保持した。
厚0.5μmのInPからなるバッファ層を、その上に
層厚1μmのAlInAsからなる下部障壁層を、その
上に層厚8nmのInAs0.25P0.70N0.05からなる発
光層を、その上に層厚0.3μmのAlInAsからな
る上部障壁層を、その上に層厚0.1μmのGaInA
sからなる保護層を、順次結晶成長した。各層は、In
P基板に概ね格子整合する組成の混晶である。結晶成長
温度は、多層膜を作製する間中450℃に保持した。
【0129】MO−MBE法による結晶成長は、InA
sPN層を成長する時以外では必要な原料をすべて同時
に供給し、成長速度は1.0μm/hr.とした。Al
InAsからなる下部障壁層を成長した後、その表面に
As2ビームを照射してAs面にした。その上に作製す
るInAsPN層は、図8に示すシーケンスで結晶成長
を行った。図8(a)から(d)はそれぞれの原料のシ
ャッターシーケンスを示す。
sPN層を成長する時以外では必要な原料をすべて同時
に供給し、成長速度は1.0μm/hr.とした。Al
InAsからなる下部障壁層を成長した後、その表面に
As2ビームを照射してAs面にした。その上に作製す
るInAsPN層は、図8に示すシーケンスで結晶成長
を行った。図8(a)から(d)はそれぞれの原料のシ
ャッターシーケンスを示す。
【0130】(工程A)5.7×10-6[Pa]のTM
In分子線を、5.0秒間照射し、 (工程B)2.9×10-4[Pa]のAs2分子線を1
0.0秒間照射し、 (工程B’)1.0秒間の待ち時間を設け、 (工程C)5.7×10-6[Pa]のTMIn分子線
を、14.0秒間照射し、 (工程D)9.2×10-4[Pa]のP分子線を10.
0秒間照射し、 (工程D’)1.0秒間の待ち時間を設け、 (工程E)5.7×10-6[Pa]のTMIn分子線
を、1.0秒間照射し、 (工程F)2.0×10-4[Pa]のMMeHy分子線
を2.0秒間照射し、 (工程F’)1.0秒間の待ち時間を設け、InAsP
Nの1分子層が形成される。工程AからF’までの9工
程を適当な回数だけ繰り返すことにより、層厚8nmの
GaInNAs混晶を得た。
In分子線を、5.0秒間照射し、 (工程B)2.9×10-4[Pa]のAs2分子線を1
0.0秒間照射し、 (工程B’)1.0秒間の待ち時間を設け、 (工程C)5.7×10-6[Pa]のTMIn分子線
を、14.0秒間照射し、 (工程D)9.2×10-4[Pa]のP分子線を10.
0秒間照射し、 (工程D’)1.0秒間の待ち時間を設け、 (工程E)5.7×10-6[Pa]のTMIn分子線
を、1.0秒間照射し、 (工程F)2.0×10-4[Pa]のMMeHy分子線
を2.0秒間照射し、 (工程F’)1.0秒間の待ち時間を設け、InAsP
Nの1分子層が形成される。工程AからF’までの9工
程を適当な回数だけ繰り返すことにより、層厚8nmの
GaInNAs混晶を得た。
【0131】このように作製した試料の発光層における
組成を分析した結果、InAs0.25P0.70N0.05結晶が
成長していることがわかった。固相におけるAsとPと
Nとの固相比は、それぞれのV族原料を供給する直前に
供給したIII族原料の供給比によって精密制御される
ことがわかった。
組成を分析した結果、InAs0.25P0.70N0.05結晶が
成長していることがわかった。固相におけるAsとPと
Nとの固相比は、それぞれのV族原料を供給する直前に
供給したIII族原料の供給比によって精密制御される
ことがわかった。
【0132】作製された試料の、PL(フォトルミネッ
センス)は、従来のように全ての原料を同時に照射して
作製した試料のものと比べて極めて強く波長1.55μ
mで発光し、良好な結晶性のInAsPN結晶が成長し
ていた。また、本発明の方法で得られた膜には組成の不
均一はなく、表面状態も極めてスムースであった。以上
のように、本発明により、高品質のInAsPN混晶を
得ることができた。
センス)は、従来のように全ての原料を同時に照射して
作製した試料のものと比べて極めて強く波長1.55μ
mで発光し、良好な結晶性のInAsPN結晶が成長し
ていた。また、本発明の方法で得られた膜には組成の不
均一はなく、表面状態も極めてスムースであった。以上
のように、本発明により、高品質のInAsPN混晶を
得ることができた。
【0133】以下、実施形態5における本発明の作用に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0134】AlInAsからなる下部障壁層を成長し
た後、その表面をAs2に曝してAs面にした基板の上
に、図8の工程Aで照射したTMIn分子線によって、
0.25原子層分のInが付着する。その他の部分には
下地のAs原子が露出したままである。
た後、その表面をAs2に曝してAs面にした基板の上
に、図8の工程Aで照射したTMIn分子線によって、
0.25原子層分のInが付着する。その他の部分には
下地のAs原子が露出したままである。
【0135】次に、図8の工程Bで照射したAs2分子
線は0.25原子層分以上の十分な供給量であり、基板
表面の0.25原子層分のIn原子がAs2分子線と反
応して合計が0.25原子層分のAs原子が表面に吸着
する。それ以上のAs2分子線は、反応すべきIII族
原子がないために基板表面に吸着しないまま脱離する。
工程B’で待ち時間を設けることによって、工程Bで供
給したAs2分子線の残留分を追い出した。
線は0.25原子層分以上の十分な供給量であり、基板
表面の0.25原子層分のIn原子がAs2分子線と反
応して合計が0.25原子層分のAs原子が表面に吸着
する。それ以上のAs2分子線は、反応すべきIII族
原子がないために基板表面に吸着しないまま脱離する。
工程B’で待ち時間を設けることによって、工程Bで供
給したAs2分子線の残留分を追い出した。
【0136】次に、図8の工程Cで照射したTMInに
よって、0.7原子層分のIn層が付着する。その他の
部分には下地のV族原子が露出したままである。
よって、0.7原子層分のIn層が付着する。その他の
部分には下地のV族原子が露出したままである。
【0137】次に、図8の工程Dで照射したP分子線は
0.7原子層分以上の十分な供給量であり、基板表面の
0.7原子層分のIn原子がP分子線と反応して合計が
0.25原子層分のP原子が表面に吸着する。それ以上
のP分子線は、反応すべきIII族原子がないために基
板表面に吸着しないまま脱離する。工程D’で待ち時間
を設けることによって、工程Dで供給したP分子線の残
留分を追い出した。
0.7原子層分以上の十分な供給量であり、基板表面の
0.7原子層分のIn原子がP分子線と反応して合計が
0.25原子層分のP原子が表面に吸着する。それ以上
のP分子線は、反応すべきIII族原子がないために基
板表面に吸着しないまま脱離する。工程D’で待ち時間
を設けることによって、工程Dで供給したP分子線の残
留分を追い出した。
【0138】次に、図8の工程Eで照射したTMInに
よって、0.05原子層分のIn層が付着する。その他
の部分には下地のV族原子が露出したままである。
よって、0.05原子層分のIn層が付着する。その他
の部分には下地のV族原子が露出したままである。
【0139】次に、図8の工程Fで照射したMMeHy
分子線は0.05原子層分以上の十分な供給量であり、
基板表面の0.05原子層分のIII族原子と反応して
0.05原子層分のN原子が表面に吸着する。それ以上
のV族源は、反応すべきIII族原子がないために基板
表面に吸着しないまま脱離する。工程F’で待ち時間を
設けることによって、工程Fで供給したMMeHy分子
線の残留分を追い出した。
分子線は0.05原子層分以上の十分な供給量であり、
基板表面の0.05原子層分のIII族原子と反応して
0.05原子層分のN原子が表面に吸着する。それ以上
のV族源は、反応すべきIII族原子がないために基板
表面に吸着しないまま脱離する。工程F’で待ち時間を
設けることによって、工程Fで供給したMMeHy分子
線の残留分を追い出した。
【0140】このように、A〜F’の工程を1サイクル
実行するごとにInAsPN分子層が1層ずつ形成され
る。厚膜を成長する場合にはこのサイクルを複数回繰り
返せばよく、As,P原子とN原子とが競合することな
く安定なサイトに入るために良好な結晶性を有するGa
InNAs化合物を結晶成長することができる。また、
分離しやすい傾向にあるV族元素の結晶成長時における
吸着サイトが、相分離と相関がないIII族元素の吸着
サイトによって決まっているので、よりV族元素が均一
になり、分離するメカニズムが働かない成長方法となっ
ている。特に、III族元素はV族元素よりも再蒸発が
著しく少ない為に供給量の制御性に優れており、V族元
素の混晶比がIII族元素の供給により制御されている
本実施形態の方法は実施形態1の方法よりも優れてい
る。
実行するごとにInAsPN分子層が1層ずつ形成され
る。厚膜を成長する場合にはこのサイクルを複数回繰り
返せばよく、As,P原子とN原子とが競合することな
く安定なサイトに入るために良好な結晶性を有するGa
InNAs化合物を結晶成長することができる。また、
分離しやすい傾向にあるV族元素の結晶成長時における
吸着サイトが、相分離と相関がないIII族元素の吸着
サイトによって決まっているので、よりV族元素が均一
になり、分離するメカニズムが働かない成長方法となっ
ている。特に、III族元素はV族元素よりも再蒸発が
著しく少ない為に供給量の制御性に優れており、V族元
素の混晶比がIII族元素の供給により制御されている
本実施形態の方法は実施形態1の方法よりも優れてい
る。
【0141】ところで、上記の実施形態では、工程Aか
ら工程F’よりなる9工程を1サイクルとして結晶成長
を行っているが、これには次の変形例も可能であった。
すなわち、AsやPなどのN以外のV族原子と、Nと
は、結晶成長時に同時に供給すると、相分離のない良質
の単結晶を得ることが難しいが、AsとPとは同時に供
給に供給しても安定してAs化合物とP化合物との混晶
の単結晶を形成する。そこで、上述の工程Aから工程
F’を、工程G:Ga源供給→工程H:As源とP源の
同時供給(→工程H’:残留追い出し)→工程I:Ga
源供給→工程J:N源供給(→工程J’:残留追い出
し)からなる6工程(H’,J’を省略した場合は4工
程)とすることもできた。
ら工程F’よりなる9工程を1サイクルとして結晶成長
を行っているが、これには次の変形例も可能であった。
すなわち、AsやPなどのN以外のV族原子と、Nと
は、結晶成長時に同時に供給すると、相分離のない良質
の単結晶を得ることが難しいが、AsとPとは同時に供
給に供給しても安定してAs化合物とP化合物との混晶
の単結晶を形成する。そこで、上述の工程Aから工程
F’を、工程G:Ga源供給→工程H:As源とP源の
同時供給(→工程H’:残留追い出し)→工程I:Ga
源供給→工程J:N源供給(→工程J’:残留追い出
し)からなる6工程(H’,J’を省略した場合は4工
程)とすることもできた。
【0142】各工程の間に待ち時間を設けると、各工程
で供給する原料の残留分が追い出されるので、固相比の
制御性や再現性が向上する。より好ましくは、本実施形
態のように、固相に取り込まれる供給量以上の過剰な量
の供給が必要であるために供給量が多くなるV族原料の
供給後に待ち時間を設けるのがよい。このことは、他の
実施形態に於いても同様である。
で供給する原料の残留分が追い出されるので、固相比の
制御性や再現性が向上する。より好ましくは、本実施形
態のように、固相に取り込まれる供給量以上の過剰な量
の供給が必要であるために供給量が多くなるV族原料の
供給後に待ち時間を設けるのがよい。このことは、他の
実施形態に於いても同様である。
【0143】なお、本実施形態では結晶成長時の基板温
度を450℃としたが、本発明の方法を実施するには基
板温度として400〜600℃の範囲とすることが好ま
しい。
度を450℃としたが、本発明の方法を実施するには基
板温度として400〜600℃の範囲とすることが好ま
しい。
【0144】さらに、上記の方法を、1.55μmの波
長域に対応する量子井戸活性層の作製に適用して半導体
レーザ素子を作製したところ、高性能な素子が得られ
た。 (実施の形態6)本発明の実施形態6として、GaAs
基板の上に、MO−CVD法を用いて禁制帯幅1.3μ
m相当のGaInNAs疑似混晶層を結晶成長した場合
について示す。
長域に対応する量子井戸活性層の作製に適用して半導体
レーザ素子を作製したところ、高性能な素子が得られ
た。 (実施の形態6)本発明の実施形態6として、GaAs
基板の上に、MO−CVD法を用いて禁制帯幅1.3μ
m相当のGaInNAs疑似混晶層を結晶成長した場合
について示す。
【0145】例えば実施形態4で示したようなGaAs
基板に格子整合する禁制帯幅1.3〜1.55μm帯の
GaInNAs混晶のように、N組成が固相の全V族元
素に対して高々数%に過ぎないN組成の小さな混晶を作
製する場合には、それぞれのV族原料を供給する直前に
供給したIII族原料の供給量の比によってNとN以外
のV族元素との固相比を制御する本発明の方法において
は、N原料を供給する工程の直前の工程で供給するII
I族原料の1周期当りの供給量が非常に少なくなり、制
御性の精密さがやや低下する欠点がある。本実施形態は
その点に関して改良を行ったものであり、N組成が非常
に小さな場合でも本発明の1周期当りの各原料の供給量
を大きくして制御しやすくすることを目的として実施し
たものである。
基板に格子整合する禁制帯幅1.3〜1.55μm帯の
GaInNAs混晶のように、N組成が固相の全V族元
素に対して高々数%に過ぎないN組成の小さな混晶を作
製する場合には、それぞれのV族原料を供給する直前に
供給したIII族原料の供給量の比によってNとN以外
のV族元素との固相比を制御する本発明の方法において
は、N原料を供給する工程の直前の工程で供給するII
I族原料の1周期当りの供給量が非常に少なくなり、制
御性の精密さがやや低下する欠点がある。本実施形態は
その点に関して改良を行ったものであり、N組成が非常
に小さな場合でも本発明の1周期当りの各原料の供給量
を大きくして制御しやすくすることを目的として実施し
たものである。
【0146】(100)面からなる表面を有するGaA
s基板を準備し、その上に、TMGa(トリメチルガリ
ウム),TMIn(トリメチルインジウム),TMAl
(トリメチルアルミニウム),AsH3(アルシン),
DMeHy(ジメチルヒドラジン)を備えた、H2(水
素)をキャリアガスとする減圧MO−CVD法により各
層の結晶を成長した。
s基板を準備し、その上に、TMGa(トリメチルガリ
ウム),TMIn(トリメチルインジウム),TMAl
(トリメチルアルミニウム),AsH3(アルシン),
DMeHy(ジメチルヒドラジン)を備えた、H2(水
素)をキャリアガスとする減圧MO−CVD法により各
層の結晶を成長した。
【0147】作製した構造は、まずGaAs基板の上に
層厚0.5μmのGaAsからなるバッファ層を、その
上に層厚1μmのAl0.3Ga0.7Asからなる下部障壁
層を、その上に層厚20nmの禁制帯幅1.3μm相当
のGaInNAs疑似混晶からなる発光層を、その上に
層厚0.3μmのAl0.3Ga0.7Asからなる上部障壁
層を、その上に層厚0.1μmのGaAsからなる保護
層を、順次結晶成長した。発光層は、GaAs基板に概
ね格子整合している。基板温度は、多層膜を作製する間
中600℃に保持した。
層厚0.5μmのGaAsからなるバッファ層を、その
上に層厚1μmのAl0.3Ga0.7Asからなる下部障壁
層を、その上に層厚20nmの禁制帯幅1.3μm相当
のGaInNAs疑似混晶からなる発光層を、その上に
層厚0.3μmのAl0.3Ga0.7Asからなる上部障壁
層を、その上に層厚0.1μmのGaAsからなる保護
層を、順次結晶成長した。発光層は、GaAs基板に概
ね格子整合している。基板温度は、多層膜を作製する間
中600℃に保持した。
【0148】MO−CVD法による結晶成長は、発光層
を成長する時以外では必要な原料をすべて同時に供給
し、成長速度は0.5μm/hr.とした。AlGaA
sからなる下部障壁層と上部障壁層との間の発光層は、
次に示すシーケンスで結晶成長を行った。
を成長する時以外では必要な原料をすべて同時に供給
し、成長速度は0.5μm/hr.とした。AlGaA
sからなる下部障壁層と上部障壁層との間の発光層は、
次に示すシーケンスで結晶成長を行った。
【0149】図9(a)から(d)は発光層であるGa
InNAs疑似混晶を成長する際の原料ガスのシーケン
スを説明する為のものである。圧力は10[kPa]と
し、H2キャリアガスを9[l/min]で供給した上
で、 (工程A)TMGaとAsH3を同時に供給して2分子
層のGaAs層を成長する。成長後の表面はAs終端面
にする。
InNAs疑似混晶を成長する際の原料ガスのシーケン
スを説明する為のものである。圧力は10[kPa]と
し、H2キャリアガスを9[l/min]で供給した上
で、 (工程A)TMGaとAsH3を同時に供給して2分子
層のGaAs層を成長する。成長後の表面はAs終端面
にする。
【0150】(工程B)2.2[cc/min]のTM
Gaと2.8[cc/min]のTMInを、1秒間流
す。
Gaと2.8[cc/min]のTMInを、1秒間流
す。
【0151】(工程C)100[cc/min]のDM
eHyを、1秒間流す。
eHyを、1秒間流す。
【0152】(工程D)2.2[cc/min]のTM
Gaと2.8[cc/min]のTMInを、4秒間流
す。
Gaと2.8[cc/min]のTMInを、4秒間流
す。
【0153】(工程E)300[cc/min]のAs
H3を、5秒間流す。
H3を、5秒間流す。
【0154】(工程F)TMGaとAsH3を同時に供
給して2分子層のGaAs層を成長する。
給して2分子層のGaAs層を成長する。
【0155】工程AからFを適当な回数だけ繰り返すこ
とにより、2分子層のGaAsと0.5分子層のGa
0.44In0.56N0.2As0.8と2分子層のGaAsからな
る多層膜を積層し、層厚20nmの禁制帯幅1.3μm
相当の疑似混晶層を得た。
とにより、2分子層のGaAsと0.5分子層のGa
0.44In0.56N0.2As0.8と2分子層のGaAsからな
る多層膜を積層し、層厚20nmの禁制帯幅1.3μm
相当の疑似混晶層を得た。
【0156】このように作製した試料の発光層の構造を
分析した結果、厚さ20nmの発光層全体の平均組成
が、In組成0.07,N組成0.025となっている
ことがわかった。これは、2分子層のGaAsと、0.
5分子層相当のGa0.44In0. 56N0.2As0.8と、2分
子層のGaAsとを1サイクルとした結晶成長の結果得
られる平均組成に対応しており、設計通りの構造が作製
されていると考えられる。
分析した結果、厚さ20nmの発光層全体の平均組成
が、In組成0.07,N組成0.025となっている
ことがわかった。これは、2分子層のGaAsと、0.
5分子層相当のGa0.44In0. 56N0.2As0.8と、2分
子層のGaAsとを1サイクルとした結晶成長の結果得
られる平均組成に対応しており、設計通りの構造が作製
されていると考えられる。
【0157】0.5分子層のGaInNAs層の固相に
おけるNとAsとの比は、それぞれ工程Bにおいて供給
したIII族原料の供給量と、工程Dで供給したIII
族原料の供給量との比に等しく、それぞれのV族原料を
供給する直前に供給するIII族原料の供給比によっ
て、それぞれのV族元素の固相比が精密制御されること
が確認された。
おけるNとAsとの比は、それぞれ工程Bにおいて供給
したIII族原料の供給量と、工程Dで供給したIII
族原料の供給量との比に等しく、それぞれのV族原料を
供給する直前に供給するIII族原料の供給比によっ
て、それぞれのV族元素の固相比が精密制御されること
が確認された。
【0158】作製した試料の、室温におけるPL(フォ
トルミネッセンス)スペクトルは、従来のように全ての
原料を同時に流して作製した試料のPLスペクトルより
も強く鋭い発光特性を有しており、良好な結晶性のGa
InNAs結晶が成長していた。また、本発明の方法で
得られた膜には組成の不均一はなく、表面状態も極めて
スムースであった。以上のように、本発明により、高品
質のGaInNAs混晶を得ることができた。
トルミネッセンス)スペクトルは、従来のように全ての
原料を同時に流して作製した試料のPLスペクトルより
も強く鋭い発光特性を有しており、良好な結晶性のGa
InNAs結晶が成長していた。また、本発明の方法で
得られた膜には組成の不均一はなく、表面状態も極めて
スムースであった。以上のように、本発明により、高品
質のGaInNAs混晶を得ることができた。
【0159】以下、実施形態6における本発明の作用に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0160】AlGaAsからなる下部障壁層を成長し
た後、図9の工程Aにより全ての原料を同時に供給して
2分子層のGaAs層を成長し、成長後の表面はAs終
端面とする。Asリッチ下で成長すれば自然にAs終端
面となる。
た後、図9の工程Aにより全ての原料を同時に供給して
2分子層のGaAs層を成長し、成長後の表面はAs終
端面とする。Asリッチ下で成長すれば自然にAs終端
面となる。
【0161】次に、図9の工程Bで流したTMGa,T
MInによって、合計が0.1原子層分のGa0.44In
0.56層が付着する。その他の部分には下地のAs原子が
露出したままである。
MInによって、合計が0.1原子層分のGa0.44In
0.56層が付着する。その他の部分には下地のAs原子が
露出したままである。
【0162】次に、図9の工程Cで流したDMeHyは
0.1原子層分以上の供給量であり、基板表面の0.1
原子層分のIII族原子がDMeHyガスと反応して
0.1原子層分のN原子が表面に吸着する。それ以上の
DMeHyガスは、反応すべきIII族原子がないため
に基板表面に吸着しないまま脱離する。
0.1原子層分以上の供給量であり、基板表面の0.1
原子層分のIII族原子がDMeHyガスと反応して
0.1原子層分のN原子が表面に吸着する。それ以上の
DMeHyガスは、反応すべきIII族原子がないため
に基板表面に吸着しないまま脱離する。
【0163】次に、図9の工程Dで流したTMGa,T
MInによって、合計が0.4原子層分のGa0.44In
0.56層が付着する。その他の部分には下地のAs原子が
露出したままである。
MInによって、合計が0.4原子層分のGa0.44In
0.56層が付着する。その他の部分には下地のAs原子が
露出したままである。
【0164】次に、図9の工程Eで流したAsH3は
0.4原子層分以上の供給量であり、基板表面の0.4
原子層分のIII族原子がAsH3ガスと反応して0.
4原子層分のAs原子が表面に吸着する。それ以上のA
sH3ガスは、反応すべきIII族原子がないために基
板表面に吸着しないまま脱離する。
0.4原子層分以上の供給量であり、基板表面の0.4
原子層分のIII族原子がAsH3ガスと反応して0.
4原子層分のAs原子が表面に吸着する。それ以上のA
sH3ガスは、反応すべきIII族原子がないために基
板表面に吸着しないまま脱離する。
【0165】工程B〜Eでは、分離しやすい傾向にある
V族元素の結晶成長時における吸着サイトが、相分離と
相関がないIII族元素の吸着サイトによって決まって
いるので、よりV族元素が均一になり、分離するメカニ
ズムが働かない成長方法となっている。特に、III族
元素はV族元素よりも再蒸発が著しく少ない為に供給量
の制御性に優れており、V族元素の混晶比がIII族元
素の供給により制御されている本実施形態の方法は実施
形態1の方法よりも優れている。
V族元素の結晶成長時における吸着サイトが、相分離と
相関がないIII族元素の吸着サイトによって決まって
いるので、よりV族元素が均一になり、分離するメカニ
ズムが働かない成長方法となっている。特に、III族
元素はV族元素よりも再蒸発が著しく少ない為に供給量
の制御性に優れており、V族元素の混晶比がIII族元
素の供給により制御されている本実施形態の方法は実施
形態1の方法よりも優れている。
【0166】次に、図9の工程Fにより全ての原料を同
時に供給して2分子層のGaAs層を成長する。
時に供給して2分子層のGaAs層を成長する。
【0167】このように、A〜Fの工程を1サイクル実
行するごとにGaAs/Ga0.44In0.56N0.2As0.8
/GaAs多層膜が4.5分子層相当ずつ形成される。
この1サイクルの平均組成は禁制帯幅1.3μmのバル
クのGaInNAs結晶(Ga0.93In0.07N0.025A
s0.975)と等価であり、それと等価な光学特性を有す
る疑似混晶とみなすことができる。厚膜を成長する場合
にはこのサイクルを複数回繰り返せばよい。
行するごとにGaAs/Ga0.44In0.56N0.2As0.8
/GaAs多層膜が4.5分子層相当ずつ形成される。
この1サイクルの平均組成は禁制帯幅1.3μmのバル
クのGaInNAs結晶(Ga0.93In0.07N0.025A
s0.975)と等価であり、それと等価な光学特性を有す
る疑似混晶とみなすことができる。厚膜を成長する場合
にはこのサイクルを複数回繰り返せばよい。
【0168】上述の本実施形態では、工程Bから工程E
の4工程が、III族原料の供給とそのN終端,III
族原料の供給とそのAs終端とからなる本発明の1周期
を実行した本発明の結晶成長方法の実施部分に相当す
る。実施形態4と同じ方法で禁制帯幅1.3μm相当の
Ga0.93In0.07N0.025As0.975混晶を作製しようと
した場合、NとAsとの固相比が2.5:97.5と非
常に大きく差があるため、1周期においてN源の供給の
前に供給するIII族源の供給量が非常に少なくなって
制御性に支障をきたす場合がある。
の4工程が、III族原料の供給とそのN終端,III
族原料の供給とそのAs終端とからなる本発明の1周期
を実行した本発明の結晶成長方法の実施部分に相当す
る。実施形態4と同じ方法で禁制帯幅1.3μm相当の
Ga0.93In0.07N0.025As0.975混晶を作製しようと
した場合、NとAsとの固相比が2.5:97.5と非
常に大きく差があるため、1周期においてN源の供給の
前に供給するIII族源の供給量が非常に少なくなって
制御性に支障をきたす場合がある。
【0169】それに対して本実施形態では、同じ光学特
性の発光層を作製するのにGaInNAs層のNとAs
との固相比は1:4と差が小さく、上述の工程Bと工程
Dとで供給するIII族源の供給量の差が大幅に小さく
なり、1周期においてN源の供給の前に供給するIII
族源の供給量が適切量となって制御性しやすくなった。
性の発光層を作製するのにGaInNAs層のNとAs
との固相比は1:4と差が小さく、上述の工程Bと工程
Dとで供給するIII族源の供給量の差が大幅に小さく
なり、1周期においてN源の供給の前に供給するIII
族源の供給量が適切量となって制御性しやすくなった。
【0170】なお、本実施形態では、工程Bと工程Dと
でそれぞれ0.1,0.4原子層のIII族源を供給し
たが、工程Bで供給するIII族源と工程Dで供給する
III族源の供給比は、工程Cで供給するV族元素と工
程Eで供給するV族元素の固相比に対応するように設定
すればよい。
でそれぞれ0.1,0.4原子層のIII族源を供給し
たが、工程Bで供給するIII族源と工程Dで供給する
III族源の供給比は、工程Cで供給するV族元素と工
程Eで供給するV族元素の固相比に対応するように設定
すればよい。
【0171】なお、本実施形態では結晶成長時の基板温
度を600℃としたが、本発明の方法を実施するには基
板温度として400〜600℃の範囲とすることが好ま
しい。結晶成長の温度が低い場合には供給されるIII
族原子のマイグレーションが十分に生じず、また結晶成
長温度が高い場合には一旦結晶表面に吸着したV族元素
が再蒸発する為に良好な結晶成長が生じない。
度を600℃としたが、本発明の方法を実施するには基
板温度として400〜600℃の範囲とすることが好ま
しい。結晶成長の温度が低い場合には供給されるIII
族原子のマイグレーションが十分に生じず、また結晶成
長温度が高い場合には一旦結晶表面に吸着したV族元素
が再蒸発する為に良好な結晶成長が生じない。
【0172】上記の方法および構成を、1.3μmの波
長域に対応する活性層の作製に適用して半導体レーザ素
子を作製したところ、高性能のレーザが得られた。 (実施の形態7)本実施形態では、NH3を窒素原料と
して、GaAs(001)基板の上にAl0.1Ga0.9A
s/Al0.1Ga0.6In0.3As0.98N0.02/Al0.1G
a0.9Asからなる発光波長1.3μmの単一量子井戸
構造を作製した。これまでの実施形態と異なる点は、窒
素と窒素以外のV族元素とを両方含む井戸層の結晶に、
Alが混晶化されている点である。
長域に対応する活性層の作製に適用して半導体レーザ素
子を作製したところ、高性能のレーザが得られた。 (実施の形態7)本実施形態では、NH3を窒素原料と
して、GaAs(001)基板の上にAl0.1Ga0.9A
s/Al0.1Ga0.6In0.3As0.98N0.02/Al0.1G
a0.9Asからなる発光波長1.3μmの単一量子井戸
構造を作製した。これまでの実施形態と異なる点は、窒
素と窒素以外のV族元素とを両方含む井戸層の結晶に、
Alが混晶化されている点である。
【0173】結晶成長方法は、Al,Ga,In,As
4源にはそれぞれ固体原料を、N源にはNH3ガスを用い
たMBE法であり、結晶成長温度は600℃とした。
4源にはそれぞれ固体原料を、N源にはNH3ガスを用い
たMBE法であり、結晶成長温度は600℃とした。
【0174】本実施形態においては、上下バリア層であ
るAl0.1Ga0.9Asは全ての原料を同時に供給するこ
とによって結晶成長を行い、井戸層であるAl0.1Ga
0.6In0.3As0.98N0.02は図10に示すシーケンスに
よりIII族原料と2種類のV族原料を交互に供給する
1サイクルで単分子層毎の成長が生じるように結晶成長
を行った。すなわち、まず工程Aでは、AlとGaとI
nを供給し、As4とNH3とは供給しない。この時に、
AlとGaとInのビーム圧力をそれぞれ2.40×1
0-6Pa,2.61×10-5Pa,2.05×10-5P
aとし、供給時間を2.0秒間とした。この工程によ
り、基板表面に合計が1原子層のAlとGaとInを、
1:6:3の割合で吸着することができる。次に工程B
では、NH3だけを供給し、Al,Ga,In,As4は
供給を行わない。NH3の供給量はビーム圧力3.0×
10-5Pa相当とし、供給時間は3.0秒間とした。こ
の工程により、工程Aで出来るIII族終端面の2%を
部分窒化することが出来る。次に工程Cでは、As4だ
けを供給し、Al,Ga,In,NH3は供給を行わな
い。As4のビーム圧力は7.0×10-4Paであり、
供給時間は3.0秒間とした。この工程により、工程B
で窒化されなかった残りの98%の表面のIII族原子
をAsで終端することができる。以上の工程Aから工程
Cを複数回繰り返すことにより、層厚6nmのAl0.1
Ga0.6In0.3As0.98N0.02層を作製した。
るAl0.1Ga0.9Asは全ての原料を同時に供給するこ
とによって結晶成長を行い、井戸層であるAl0.1Ga
0.6In0.3As0.98N0.02は図10に示すシーケンスに
よりIII族原料と2種類のV族原料を交互に供給する
1サイクルで単分子層毎の成長が生じるように結晶成長
を行った。すなわち、まず工程Aでは、AlとGaとI
nを供給し、As4とNH3とは供給しない。この時に、
AlとGaとInのビーム圧力をそれぞれ2.40×1
0-6Pa,2.61×10-5Pa,2.05×10-5P
aとし、供給時間を2.0秒間とした。この工程によ
り、基板表面に合計が1原子層のAlとGaとInを、
1:6:3の割合で吸着することができる。次に工程B
では、NH3だけを供給し、Al,Ga,In,As4は
供給を行わない。NH3の供給量はビーム圧力3.0×
10-5Pa相当とし、供給時間は3.0秒間とした。こ
の工程により、工程Aで出来るIII族終端面の2%を
部分窒化することが出来る。次に工程Cでは、As4だ
けを供給し、Al,Ga,In,NH3は供給を行わな
い。As4のビーム圧力は7.0×10-4Paであり、
供給時間は3.0秒間とした。この工程により、工程B
で窒化されなかった残りの98%の表面のIII族原子
をAsで終端することができる。以上の工程Aから工程
Cを複数回繰り返すことにより、層厚6nmのAl0.1
Ga0.6In0.3As0.98N0.02層を作製した。
【0175】作製した単一量子井戸からは、室温におい
て波長1.3μmで鋭いPL発光が観測され、良好な結
晶性を有する井戸層が作製されていた。
て波長1.3μmで鋭いPL発光が観測され、良好な結
晶性を有する井戸層が作製されていた。
【0176】本実施形態において説明した方法を、波長
1.3μmで発振する半導体レーザ素子の活性層の作製
に適用したところ、発光特性に優れた高性能な素子が得
られた。 (比較例1)実施形態7において示した単一量子井戸の
構成において、井戸層にAlを含まないGaInNAs
とした点だけが異なる単一量子井戸を作製した。作製工
程も実施形態7と同じく、工程AでIII族元素の供給
を、工程BでNH3の供給を、工程CでAs原料の供給
を行った。ただし、III族元素にAlが無いことに伴
い、Ga,Inのビーム圧力をそれぞれ3.05×10
-5Pa,2.03×10-5Paとし、工程Aでの2.0
秒間のIII族原料の供給によって基板表面に合計が1
原子層のGaとInとが7:3の割合で吸着するように
した。このようにして井戸層であるGaInNAsの作
製を試みたが、工程BにおいてGaとInからなるII
I族元素終端面にNH3を照射しても、表面の部分窒化
は実施形態7の場合よりも格段に小さいものであり、部
分窒化の進行速度が非常に遅いものであった。実施形態
7と同等の部分窒化を得るには、NH3のビーム圧力を
100倍以上増加する必要があった。
1.3μmで発振する半導体レーザ素子の活性層の作製
に適用したところ、発光特性に優れた高性能な素子が得
られた。 (比較例1)実施形態7において示した単一量子井戸の
構成において、井戸層にAlを含まないGaInNAs
とした点だけが異なる単一量子井戸を作製した。作製工
程も実施形態7と同じく、工程AでIII族元素の供給
を、工程BでNH3の供給を、工程CでAs原料の供給
を行った。ただし、III族元素にAlが無いことに伴
い、Ga,Inのビーム圧力をそれぞれ3.05×10
-5Pa,2.03×10-5Paとし、工程Aでの2.0
秒間のIII族原料の供給によって基板表面に合計が1
原子層のGaとInとが7:3の割合で吸着するように
した。このようにして井戸層であるGaInNAsの作
製を試みたが、工程BにおいてGaとInからなるII
I族元素終端面にNH3を照射しても、表面の部分窒化
は実施形態7の場合よりも格段に小さいものであり、部
分窒化の進行速度が非常に遅いものであった。実施形態
7と同等の部分窒化を得るには、NH3のビーム圧力を
100倍以上増加する必要があった。
【0177】以下に、実施形態7及び比較例1を参照し
ながら、実施形態7における本願の作用と効果について
述べる。
ながら、実施形態7における本願の作用と効果について
述べる。
【0178】混合不安定である窒素と窒素以外のV族元
素を両方含むIII−V族化合物半導体を結晶成長する
場合に、窒素と窒素以外のV族元素の原料をそれぞれ単
独で供給することによって、窒素と窒素以外のV族元素
がランダムに混じり合い、相分離を示さない良好な混晶
が得られる点は、実施形態7においても前述の実施形態
と同様であった。さらに本実施形態では、III族元素
に特にAlが含まれる場合において、窒素原料であるN
H3の効率が著しく向上することを見い出し、それを利
用したものである。
素を両方含むIII−V族化合物半導体を結晶成長する
場合に、窒素と窒素以外のV族元素の原料をそれぞれ単
独で供給することによって、窒素と窒素以外のV族元素
がランダムに混じり合い、相分離を示さない良好な混晶
が得られる点は、実施形態7においても前述の実施形態
と同様であった。さらに本実施形態では、III族元素
に特にAlが含まれる場合において、窒素原料であるN
H3の効率が著しく向上することを見い出し、それを利
用したものである。
【0179】本願発明者の検討の結果、クラッキングを
行わないNH3ビームを超高真空中で500〜750℃
程度に加熱されたGaAsに照射した場合と、AlGa
Asに照射した場合とで、NH3ビームと基板表面との
相互作用が大きく異なることを見い出した。より具体的
には、電子線回折によって基板表面を観察しながら、G
aAs基板表面にNH3ビームを照射し続けた場合と、
AlxGa1-xAs(x=0.05〜1.0)へ照射し続
けた場合とで、表面の窒化速度が100倍以上異なり、
AlGaAsは素早く窒化されて最表面がAlGaNに
変質することが電子線回折像の観察結果からわかった。
また、その時の窒化速度は表面のAl混晶比に比例する
ことがわかった。つまり、NH3ビームを照射する基板
表面に活性なAlがある場合には、安定な分子であるた
めに熱的に分解しにくいNH3の表面分解・吸着が著し
く促進されるわけである。また、実施形態2のようにプ
レクラッキングを行ったNH3よりも、原料効率は高く
なる。
行わないNH3ビームを超高真空中で500〜750℃
程度に加熱されたGaAsに照射した場合と、AlGa
Asに照射した場合とで、NH3ビームと基板表面との
相互作用が大きく異なることを見い出した。より具体的
には、電子線回折によって基板表面を観察しながら、G
aAs基板表面にNH3ビームを照射し続けた場合と、
AlxGa1-xAs(x=0.05〜1.0)へ照射し続
けた場合とで、表面の窒化速度が100倍以上異なり、
AlGaAsは素早く窒化されて最表面がAlGaNに
変質することが電子線回折像の観察結果からわかった。
また、その時の窒化速度は表面のAl混晶比に比例する
ことがわかった。つまり、NH3ビームを照射する基板
表面に活性なAlがある場合には、安定な分子であるた
めに熱的に分解しにくいNH3の表面分解・吸着が著し
く促進されるわけである。また、実施形態2のようにプ
レクラッキングを行ったNH3よりも、原料効率は高く
なる。
【0180】実施の形態7は、上記に示した、Alを含
む表面でのNH3の表面分解・吸着の促進効果を利用し
て、比較的安定な分子であるNH3の分解・表面吸着効
率を飛躍的に高めることが出来たものである。まず工程
Aにより基板表面に吸着したAlを含むIII族原子が
露出した状態で、工程BにおいてNH3ビームを供給し
ている。NH3は、Alを含んだIII族露出面でAl
による触媒的な分解・吸着作用を受けて、効率良く窒素
原子が表面に吸着する。NH3ビームの照射時間を長く
し過ぎると表面にAlGaNの結晶が生じることがRH
EEDによる表面観察で確認されるが、供給時間を実施
形態7に示した程度に短時間とすれば窒化物の析出がな
く一定量の窒素原子が表面に吸着するのみである。一方
で比較例1のように工程AでAlを供給しない場合に
は、NH3の利用効率が1桁以上小さく、多量のNH3を
供給する必要がある。この場合、原料の交互供給時にお
いてバックグラウンドへの原料の残留が大きく、次の工
程で供給する他の原料との混合の問題が生じ、原料を交
互供給することによって得られる効果が低減する。この
ように、NH3ビームを用いる場合、表面のAl原子の
有無が、窒素原料の原料効率に著しく影響を与え、交互
供給に適したものとなる結果となった。引き続く工程C
では、As4だけを供給し、III族表面に窒素が吸着
していない部分を砒素でカバーする。砒素は、III族
原子が露出している部分にだけ吸着し、それ以上の過剰
な量を供給しても表面に吸着しないで蒸発するのみであ
った。このようにして工程AからCによりAlGaAs
Nの一分子層が形成され、このサイクルを複数回繰り返
すことによって所定の層厚の結晶を得ることができた。
む表面でのNH3の表面分解・吸着の促進効果を利用し
て、比較的安定な分子であるNH3の分解・表面吸着効
率を飛躍的に高めることが出来たものである。まず工程
Aにより基板表面に吸着したAlを含むIII族原子が
露出した状態で、工程BにおいてNH3ビームを供給し
ている。NH3は、Alを含んだIII族露出面でAl
による触媒的な分解・吸着作用を受けて、効率良く窒素
原子が表面に吸着する。NH3ビームの照射時間を長く
し過ぎると表面にAlGaNの結晶が生じることがRH
EEDによる表面観察で確認されるが、供給時間を実施
形態7に示した程度に短時間とすれば窒化物の析出がな
く一定量の窒素原子が表面に吸着するのみである。一方
で比較例1のように工程AでAlを供給しない場合に
は、NH3の利用効率が1桁以上小さく、多量のNH3を
供給する必要がある。この場合、原料の交互供給時にお
いてバックグラウンドへの原料の残留が大きく、次の工
程で供給する他の原料との混合の問題が生じ、原料を交
互供給することによって得られる効果が低減する。この
ように、NH3ビームを用いる場合、表面のAl原子の
有無が、窒素原料の原料効率に著しく影響を与え、交互
供給に適したものとなる結果となった。引き続く工程C
では、As4だけを供給し、III族表面に窒素が吸着
していない部分を砒素でカバーする。砒素は、III族
原子が露出している部分にだけ吸着し、それ以上の過剰
な量を供給しても表面に吸着しないで蒸発するのみであ
った。このようにして工程AからCによりAlGaAs
Nの一分子層が形成され、このサイクルを複数回繰り返
すことによって所定の層厚の結晶を得ることができた。
【0181】実施形態7では、Alを含むIII族原料
の供給(工程A)、NH3の供給(工程B)、As4の供
給(工程C)とし、この一サイクルで1分子層の結晶成
長を行ったが、一サイクルで作製される結晶は必ずしも
1分子層である必要はなく、一分子層以下であれば任意
の量で実行することができる。一分子層を超えると、工
程Aにおいて過剰なIII族元素のドロップレットが生
じて、表面の荒れた結晶が作製された。なお、工程Aに
おいてIII族元素の供給量をちょうど1原子層でスト
ップする為に、III族元素の原料を有機金属化合物と
し、それによるセルフリミッティング効果を用いること
も可能であることは言うまでもない。
の供給(工程A)、NH3の供給(工程B)、As4の供
給(工程C)とし、この一サイクルで1分子層の結晶成
長を行ったが、一サイクルで作製される結晶は必ずしも
1分子層である必要はなく、一分子層以下であれば任意
の量で実行することができる。一分子層を超えると、工
程Aにおいて過剰なIII族元素のドロップレットが生
じて、表面の荒れた結晶が作製された。なお、工程Aに
おいてIII族元素の供給量をちょうど1原子層でスト
ップする為に、III族元素の原料を有機金属化合物と
し、それによるセルフリミッティング効果を用いること
も可能であることは言うまでもない。
【0182】なお、例えばバンドギャップ波長1.3μ
mのGaInNAsへAlを混晶化した場合、Alの混
晶化に伴ってバンドギャップの拡大が生じるが、それを
打ち消すためにInとNの混晶比を増加すればよい。混
晶比0.1のAlの混晶化に伴うバンドギャップの拡大
を打ち消すには、N混晶比に関してはおおよそ1%増量
すればよい。
mのGaInNAsへAlを混晶化した場合、Alの混
晶化に伴ってバンドギャップの拡大が生じるが、それを
打ち消すためにInとNの混晶比を増加すればよい。混
晶比0.1のAlの混晶化に伴うバンドギャップの拡大
を打ち消すには、N混晶比に関してはおおよそ1%増量
すればよい。
【0183】実施形態7での一サイクルにおける成長工
程は、次に示す種々の変形が可能であった。 (変形例1)工程BでのNH3の供給の後、工程B’と
してAlを含まない1原子層以下のIII族元素を供給
し、工程CにおいてAs4を供給する方法でも、同様の
高品質の結晶を作製することができた。表面に露出して
いるAlによってNH3の分解・吸着を助ける実施形態
7の方法においては、NH3を供給する工程(工程B)
の直前の工程(工程A)においてAl原料が供給されて
いることがポイントであり、本変形例のように工程Bの
後に追加した工程B’において供給するIII族元素
は、Alを含んでいる必要はない。(もちろん、含んで
いてもよい) (変形例2)工程BにおいてNH3の供給を行った後、
5秒間のインターバルを置いて、工程Cを実行した。こ
の場合、NH3の雰囲気への残留の影響が低減され、窒
素の吸着量をより正確に制御できるようになった。 (変形例3)工程CにおいてAs4の供給を行った後、
10秒間のインターバルを置いて、工程Aを実行した。
この場合、Asの雰囲気への残留の影響が低減され、工
程Aにおいて供給するIII族元素が均一に基板表面に
吸着し、表面状態の良好な層が作製できるようになっ
た。
程は、次に示す種々の変形が可能であった。 (変形例1)工程BでのNH3の供給の後、工程B’と
してAlを含まない1原子層以下のIII族元素を供給
し、工程CにおいてAs4を供給する方法でも、同様の
高品質の結晶を作製することができた。表面に露出して
いるAlによってNH3の分解・吸着を助ける実施形態
7の方法においては、NH3を供給する工程(工程B)
の直前の工程(工程A)においてAl原料が供給されて
いることがポイントであり、本変形例のように工程Bの
後に追加した工程B’において供給するIII族元素
は、Alを含んでいる必要はない。(もちろん、含んで
いてもよい) (変形例2)工程BにおいてNH3の供給を行った後、
5秒間のインターバルを置いて、工程Cを実行した。こ
の場合、NH3の雰囲気への残留の影響が低減され、窒
素の吸着量をより正確に制御できるようになった。 (変形例3)工程CにおいてAs4の供給を行った後、
10秒間のインターバルを置いて、工程Aを実行した。
この場合、Asの雰囲気への残留の影響が低減され、工
程Aにおいて供給するIII族元素が均一に基板表面に
吸着し、表面状態の良好な層が作製できるようになっ
た。
【0184】変形例1〜3に示した変形のポイントは、
適宜組み合わせて実行することが可能であった。 (実施の形態8)実施形態7において、工程Aで供給す
るIII族元素をAlとGaとInとし、工程Cで供給
するV族元素をPとした。その結果、GaAs基板に格
子整合するAl0.05Ga0.43In0.52P0.97N0.03層を
高品質に作製することができた (実施の形態9)実施形態7において、基板をInPと
し、基板温度を600℃とした。また、工程Aで供給す
るIII族元素をAlとInとし、工程Cで供給するV
族元素をAsとPとした。その結果、InP基板に格子
整合するAl0.05In0.95As0. 014P0.96N0.025層を
高品質に作製することができた。 (実施の形態10)実施形態7において、基板をSiと
し、基板温度を650℃とした。また、工程Cで供給す
るV族元素をPとした。その結果、Si基板に格子整合
するAl0. 15Ga0.85P0.978N0.022層を高品質に作製
することができた。 (実施の形態11)実施形態7において、基板温度を5
50℃とした。また、工程Cで供給するV族元素をAs
とSbとした。その結果、GaAs基板に格子整合する
Al0.3Ga0.7As0.803Sb0.142N0.055層を高品質
に作製することができた。
適宜組み合わせて実行することが可能であった。 (実施の形態8)実施形態7において、工程Aで供給す
るIII族元素をAlとGaとInとし、工程Cで供給
するV族元素をPとした。その結果、GaAs基板に格
子整合するAl0.05Ga0.43In0.52P0.97N0.03層を
高品質に作製することができた (実施の形態9)実施形態7において、基板をInPと
し、基板温度を600℃とした。また、工程Aで供給す
るIII族元素をAlとInとし、工程Cで供給するV
族元素をAsとPとした。その結果、InP基板に格子
整合するAl0.05In0.95As0. 014P0.96N0.025層を
高品質に作製することができた。 (実施の形態10)実施形態7において、基板をSiと
し、基板温度を650℃とした。また、工程Cで供給す
るV族元素をPとした。その結果、Si基板に格子整合
するAl0. 15Ga0.85P0.978N0.022層を高品質に作製
することができた。 (実施の形態11)実施形態7において、基板温度を5
50℃とした。また、工程Cで供給するV族元素をAs
とSbとした。その結果、GaAs基板に格子整合する
Al0.3Ga0.7As0.803Sb0.142N0.055層を高品質
に作製することができた。
【0185】実施形態8〜11においては、実施形態7
と同じくAlを添加しながらNH3を供給することによ
ってNH3原料効率を飛躍的に高めることが出来たもの
である。つまり、Alによる効果は、実施形態7のA
l,Ga,In,As,N混晶系に限られたものではな
く、実施形態8〜11におけるようにAl,Ga,I
n,P,As,Sb,Nをそれぞれ任意に含む混晶系に
おいても生じるものである。また、実施形態1〜6にお
いても、窒素原料を供給する直前のIII族供給工程に
てAl原料を供給すれば、実施形態7〜11と同様の効
果を得ることができる。
と同じくAlを添加しながらNH3を供給することによ
ってNH3原料効率を飛躍的に高めることが出来たもの
である。つまり、Alによる効果は、実施形態7のA
l,Ga,In,As,N混晶系に限られたものではな
く、実施形態8〜11におけるようにAl,Ga,I
n,P,As,Sb,Nをそれぞれ任意に含む混晶系に
おいても生じるものである。また、実施形態1〜6にお
いても、窒素原料を供給する直前のIII族供給工程に
てAl原料を供給すれば、実施形態7〜11と同様の効
果を得ることができる。
【0186】Alによる窒素原料の効率が著しく向上す
る効果は、ビドラジン、ジメチルヒドラジン、モノメチ
ルヒドラジンなどの他の窒素化合物を原料に用いた場合
にも見られたが、特に実施形態7〜11で示したクラッ
キングを行わないNH3を窒素原料に用いた場合に特に
顕著であった。NH3よりも分解が容易で原料効率の高
いビドラジン、ジメチルヒドラジン、モノメチルヒドラ
ジンなどは水分を吸着しやすいために工業的に入手可能
な原料の純度が低く、またアルキル基を含む原料では作
製する結晶中への炭素汚染が問題となる。プラズマ励起
された原料では、イオンアタックによる結晶へのダメー
ジが問題となる。NH3を原料に用いた場合にはこれら
の問題点がなく、窒素原料としてより好ましいものであ
る。
る効果は、ビドラジン、ジメチルヒドラジン、モノメチ
ルヒドラジンなどの他の窒素化合物を原料に用いた場合
にも見られたが、特に実施形態7〜11で示したクラッ
キングを行わないNH3を窒素原料に用いた場合に特に
顕著であった。NH3よりも分解が容易で原料効率の高
いビドラジン、ジメチルヒドラジン、モノメチルヒドラ
ジンなどは水分を吸着しやすいために工業的に入手可能
な原料の純度が低く、またアルキル基を含む原料では作
製する結晶中への炭素汚染が問題となる。プラズマ励起
された原料では、イオンアタックによる結晶へのダメー
ジが問題となる。NH3を原料に用いた場合にはこれら
の問題点がなく、窒素原料としてより好ましいものであ
る。
【0187】本発明はこれまで示してきた実施形態のも
のに限定されるものではなく、別の基板を用いても同様
の効果が得られた。例えばGaAsP基板などのその他
のIII−V族化合物半導体基板、ZnS基板などのI
II−VI族化合物半導体基板、Ge基板などのIV族
半導体基板を用いることができる。
のに限定されるものではなく、別の基板を用いても同様
の効果が得られた。例えばGaAsP基板などのその他
のIII−V族化合物半導体基板、ZnS基板などのI
II−VI族化合物半導体基板、Ge基板などのIV族
半導体基板を用いることができる。
【0188】また、上記の実施形態ではMBE法,MO
−CVD法,MO−MBE法について述べたが、化学分
子線エピタキシャル成長(CBE)法,ガスソースMB
E(GS−MBE)法,ハイドライドVPE法,クロラ
イドVPE法などを用いても同様の効果が得られる。
−CVD法,MO−MBE法について述べたが、化学分
子線エピタキシャル成長(CBE)法,ガスソースMB
E(GS−MBE)法,ハイドライドVPE法,クロラ
イドVPE法などを用いても同様の効果が得られる。
【0189】また、上記の実施形態ではIII族元素と
してGa,In,Al、V族元素としてAs,P,Nを
適宜含んだ化合物について示したが、その他のIII族
元素(B等)やV族元素(Sb等)や不純物元素(Z
n,Be,Mg,Te,S,Se,Si等)が適宜含ま
れていても同様の効果が得られる。
してGa,In,Al、V族元素としてAs,P,Nを
適宜含んだ化合物について示したが、その他のIII族
元素(B等)やV族元素(Sb等)や不純物元素(Z
n,Be,Mg,Te,S,Se,Si等)が適宜含ま
れていても同様の効果が得られる。
【0190】なお、これまでの記述の中で「上」と示さ
れた方向は基板から離れる方向を示しており、「下」は
基板へ近づく方向を示している。「下」から「上」の方
向へ向かって結晶成長が進行する。
れた方向は基板から離れる方向を示しており、「下」は
基板へ近づく方向を示している。「下」から「上」の方
向へ向かって結晶成長が進行する。
【0191】本発明は上記の実施形態に示した結晶組
成,バンドギャップ波長,ヘテロ接合の組み合わせに限
定されることなく、他の組成,バンドギャップをもつV
族元素として窒素(N)とN以外のV族元素とを両方含
むIII−V族化合物半導体混晶の作製に対して適用す
ることが可能であることは言うまでもない。また、本発
明は成長層が基板結晶に格子整合する場合に限定される
ものではなく、例えば半導体レーザの歪量子井戸構造な
ど、結晶欠陥を誘発するものでなければ格子不整を有す
る混晶比であっても良い。
成,バンドギャップ波長,ヘテロ接合の組み合わせに限
定されることなく、他の組成,バンドギャップをもつV
族元素として窒素(N)とN以外のV族元素とを両方含
むIII−V族化合物半導体混晶の作製に対して適用す
ることが可能であることは言うまでもない。また、本発
明は成長層が基板結晶に格子整合する場合に限定される
ものではなく、例えば半導体レーザの歪量子井戸構造な
ど、結晶欠陥を誘発するものでなければ格子不整を有す
る混晶比であっても良い。
【0192】また、結晶成長の方法、原料に関しても上
記の具体例に示されたもの以外のものを用いることが可
能である。特にMBE法,CVD法共に、ラジカル励起
されたN2,NH3など、種々の原料を用いることが可能
である。
記の具体例に示されたもの以外のものを用いることが可
能である。特にMBE法,CVD法共に、ラジカル励起
されたN2,NH3など、種々の原料を用いることが可能
である。
【0193】
【発明の効果】請求項1に係わる化合物半導体の結晶成
長方法によれば、V族元素としてN(窒素)とN以外の
元素とを共に含むIII−V族化合物混晶半導体材料に
おいて、非混和領域内に相当する組成でも良好な結晶性
を保ったまま均一な組成分布をもつ単結晶の混晶材料を
作製することができる。この様にして作製される混晶結
晶は、発光デバイスの発光層として用いるのに十分な結
晶性,発光特性が得られる。
長方法によれば、V族元素としてN(窒素)とN以外の
元素とを共に含むIII−V族化合物混晶半導体材料に
おいて、非混和領域内に相当する組成でも良好な結晶性
を保ったまま均一な組成分布をもつ単結晶の混晶材料を
作製することができる。この様にして作製される混晶結
晶は、発光デバイスの発光層として用いるのに十分な結
晶性,発光特性が得られる。
【0194】請求項2に係わる化合物半導体の結晶成長
方法によれば、請求項1による効果をより効果的に得る
ことができる。
方法によれば、請求項1による効果をより効果的に得る
ことができる。
【0195】請求項3に係わる化合物半導体の結晶成長
方法によれば、請求項1または2による効果をより効果
的に得ることができる。
方法によれば、請求項1または2による効果をより効果
的に得ることができる。
【0196】請求項4に係わる化合物半導体の結晶成長
方法によれば、請求項1または2による効果をより効果
的に得ることができる。更に、V族元素の組成比の精密
制御が可能で、膜内の均一性に優れた結晶成長が行え
る。
方法によれば、請求項1または2による効果をより効果
的に得ることができる。更に、V族元素の組成比の精密
制御が可能で、膜内の均一性に優れた結晶成長が行え
る。
【0197】請求項5に係わる化合物半導体の結晶成長
方法によれば、請求項4による効果をより効果的に得る
ことができる。
方法によれば、請求項4による効果をより効果的に得る
ことができる。
【0198】請求項6に係わる化合物半導体の結晶成長
方法によれば、請求項4または5に係わる本発明を容易
かつ効果的に実施することができる。
方法によれば、請求項4または5に係わる本発明を容易
かつ効果的に実施することができる。
【0199】請求項7に係わる化合物半導体の結晶成長
方法によれば、請求項1から5の何れか係わる本発明の
効果をより効果的に得ることができる。
方法によれば、請求項1から5の何れか係わる本発明の
効果をより効果的に得ることができる。
【0200】請求項8に係わる化合物半導体の結晶成長
方法によれば、請求項1から7の何れか係わる本発明の
効果をより効果的に得ることができる。
方法によれば、請求項1から7の何れか係わる本発明の
効果をより効果的に得ることができる。
【0201】請求項9に係わる化合物半導体の結晶成長
方法によれば、請求項1から8の何れか係わる本発明の
効果をより効果的に得ることができる。
方法によれば、請求項1から8の何れか係わる本発明の
効果をより効果的に得ることができる。
【0202】請求項10に係わる化合物半導体の結晶成
長方法によれば、請求項1から9の何れか係わる本発明
の効果をより効果的に得ることができる。
長方法によれば、請求項1から9の何れか係わる本発明
の効果をより効果的に得ることができる。
【0203】請求項11に係わる化合物半導体装置によ
れば、V族元素としてN(窒素)とN以外の元素とを共
に含むIII−V族化合物混晶半導体材料を用いた半導
体素子において、たとえそれが非混和領域内に相当する
組成であっても、高性能な素子を得ることができる。
れば、V族元素としてN(窒素)とN以外の元素とを共
に含むIII−V族化合物混晶半導体材料を用いた半導
体素子において、たとえそれが非混和領域内に相当する
組成であっても、高性能な素子を得ることができる。
【0204】請求項12に係わる化合物半導体装置によ
れば、V族元素としてN(窒素)とN以外の元素とを共
に含むIII−V族化合物混晶半導体材料を発光層に含
む発光素子において、たとえそれが非混和領域内に相当
する組成であっても、発光特性に優れた素子を得ること
ができる。
れば、V族元素としてN(窒素)とN以外の元素とを共
に含むIII−V族化合物混晶半導体材料を発光層に含
む発光素子において、たとえそれが非混和領域内に相当
する組成であっても、発光特性に優れた素子を得ること
ができる。
【0205】請求項13、14に係わる化合物半導体の
結晶成長方法によれば、請求項1から10又は請求項4
から10による効果を得ることが出来ると共に、窒素原
料の利用効率が飛躍的に向上し、より優れた結晶性を有
する結晶を得ることができる。
結晶成長方法によれば、請求項1から10又は請求項4
から10による効果を得ることが出来ると共に、窒素原
料の利用効率が飛躍的に向上し、より優れた結晶性を有
する結晶を得ることができる。
【0206】請求項15、16に係わる化合物半導体の
結晶成長方法によれば、請求項13,14による効果を
より効果的に得ることができる。
結晶成長方法によれば、請求項13,14による効果を
より効果的に得ることができる。
【0207】請求項17に係わる化合物半導体の結晶成
長方法によれば、安定で分解されにくいNH3を原料に
用いた場合において、特に原料の利用効率が飛躍的に向
上し、より優れた結晶性を有する結晶を得ることがで
き、請求項13〜16による効果をより効果的に得るこ
とができる。
長方法によれば、安定で分解されにくいNH3を原料に
用いた場合において、特に原料の利用効率が飛躍的に向
上し、より優れた結晶性を有する結晶を得ることがで
き、請求項13〜16による効果をより効果的に得るこ
とができる。
【0208】請求項18に係わる化合物半導体装置によ
れば、V族元素として窒素と窒素以外の元素を共に含む
III−V族化合物混晶半導体材料を用いた半導体素子
において、たとえそれが非混和領域内に相当する組成で
あっても、高性能な素子を得ることができる。特にその
層にはAlを添加することによって窒素原料の効率が飛
躍的に高められて結晶成長されていることから結晶性が
高まっているため、より優れた特性を有する半導体素子
を得ることができる。
れば、V族元素として窒素と窒素以外の元素を共に含む
III−V族化合物混晶半導体材料を用いた半導体素子
において、たとえそれが非混和領域内に相当する組成で
あっても、高性能な素子を得ることができる。特にその
層にはAlを添加することによって窒素原料の効率が飛
躍的に高められて結晶成長されていることから結晶性が
高まっているため、より優れた特性を有する半導体素子
を得ることができる。
【0209】請求項19に係わる化合物半導体装置によ
れば、V族元素として窒素と窒素以外の元素を共に含む
III−V族化合物混晶半導体材料を発光層に含む発光
素子において、たとえそれが非混和領域内に相当する組
成であっても、発光特性に優れた高性能な素子を得るこ
とができる。特にその層にはAlを添加することによっ
て窒素原料の効率が飛躍的に高められて結晶成長されて
いることから結晶性が高まっているため、より発光特性
に優れた半導体素子を得ることができる。
れば、V族元素として窒素と窒素以外の元素を共に含む
III−V族化合物混晶半導体材料を発光層に含む発光
素子において、たとえそれが非混和領域内に相当する組
成であっても、発光特性に優れた高性能な素子を得るこ
とができる。特にその層にはAlを添加することによっ
て窒素原料の効率が飛躍的に高められて結晶成長されて
いることから結晶性が高まっているため、より発光特性
に優れた半導体素子を得ることができる。
【図1】本発明の実施形態1の原料供給シーケンスを示
す図である。
す図である。
【図2】本発明の実施形態2の原料供給シーケンスを示
す図である。
す図である。
【図3】本発明の実施形態2の作用を説明する為の図で
ある。
ある。
【図4】本発明の実施形態3の原料供給シーケンスを示
す図である。
す図である。
【図5】本発明の実施形態4の原料供給シーケンスを示
す図である。
す図である。
【図6】本発明の実施形態4により作製された結晶
(A)と、従来の方法によって作製された結晶(B)の
PLスペクトルを示す図である。
(A)と、従来の方法によって作製された結晶(B)の
PLスペクトルを示す図である。
【図7】本発明の実施形態4により作製された結晶のP
L強度の基板温度依存性を示す図である。
L強度の基板温度依存性を示す図である。
【図8】本発明の実施形態5の原料供給シーケンスを示
す図である。
す図である。
【図9】本発明の実施形態6の原料供給シーケンスを示
す図である。
す図である。
【図10】本発明の実施形態7〜10の原料シーケンス
を示す図である。
を示す図である。
1 基板
Claims (19)
- 【請求項1】 化合物半導体基板の上にV族元素として
窒素と窒素以外のV族元素とを両方含むIII−V族化
合物半導体の結晶成長を行う化合物半導体の結晶成長方
法において、 窒素原料と、窒素以外のV族元素原料とを、それぞれ同
時に供給しないことを特徴とする化合物半導体の結晶成
長方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の化合物半導体の結晶成
長方法において、 III族原料と、窒素原料と、窒素以外のV族原料と
を、それぞれ同時に供給しないことを特徴とする化合物
半導体の結晶成長方法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の化合物半導体
の結晶成長方法であって、 少なくとも1回の、単原子層以下のIII族原料を供給
する工程と、 少なくとも1回の、単原子層以下の窒素原料を供給する
工程と、 少なくとも1回の、単原子層以下の窒素以外のV族原料
を供給する工程と、を含む一連の成長プロセスを1周期
とし、 前記の1周期の成長プロセスを少なくとも1回実行する
ことによって結晶成長を行うことを特徴とする化合物半
導体の結晶成長方法。 - 【請求項4】 請求項1または2に記載の化合物半導体
の結晶成長方法であって、 少なくとも1回の、III族原料を供給し、その後、基
板表面に付着したIII族原子を窒素原子で終端させる
工程と、 少なくとも1回の、III族原料を供給し、その後、基
板表面に付着したIII族原子を窒素以外のV族原子で
終端させる工程と、を含む一連の成長プロセスを1周期
とし、 前記の1周期の成長プロセスを少なくとも1回実行する
ことによって結晶成長を行うことを特徴とする化合物半
導体の結晶成長方法。 - 【請求項5】 請求項4に記載の化合物半導体の結晶成
長方法において、 少なくとも1回の、III族原料を供給し、続いて窒素
原料を供給する工程と、 少なくとも1回の、III族原料を供給し、続いて窒素
以外のV族原料を供給する工程と、を含む一連の成長プ
ロセスを1周期とし、 前記の1周期の成長プロセスを少なくとも1回実行する
ことによって結晶成長を行うことを特徴とする化合物半
導体の結晶成長方法。 - 【請求項6】 請求項4または5に記載の化合物半導体
の結晶成長方法において、 該化合物半導体基板の表面をV族元素で終端させる工程
と、 少なくとも1回の、y原子層分(0<y<1)のIII
族原料を供給した後、y原子層分以上の供給量に相当す
る窒素源を供給する工程と、 少なくとも1回の、z原子層分(0<z<1)のIII
族原料を供給した後、z原子層分以上の供給量に相当す
る窒素以外のV族原料を供給する工程と、を含む一連の
成長プロセスを1周期とし、 前記の1周期の成長プロセスを少なくとも1回実行する
ことによって結晶成長を行うと共に、 前記の1周期において供給されるIII族原料の総供給
量うち、窒素源を供給する直前に供給されるIII族原
料の総量が占める比率は、当該化合物の窒素の混晶比x
(0<x<1)に略等しくてなることを特徴とする化合
物半導体の結晶成長方法。 - 【請求項7】 請求項1から6の何れかに記載の化合物
半導体の結晶成長方法において、 V族原料を供給した後に、待ち時間を設けることを特徴
とする化合物半導体の結晶成長方法。 - 【請求項8】 請求項1から7の何れかに記載の化合物
半導体の結晶成長方法において、 前記の窒素以外のV族元素は、砒素及び/又は燐である
ことを特徴とする化合物半導体の結晶成長方法。 - 【請求項9】 請求項1から8の何れかに記載の化合物
半導体の結晶成長方法において、 結晶成長が、基板温度が400℃以上600℃以下の範
囲で行われることを特徴とする化合物半導体の結晶成長
方法。 - 【請求項10】 請求項1から9の何れかに記載の化合
物半導体の結晶成長方法において、 結晶成長が、{100}面またはその微傾斜面を主面と
するIII−V族化合物半導体基板の上に行われること
を特徴とする化合物半導体の結晶成長方法。 - 【請求項11】 V族元素として窒素と窒素以外のV族
元素とを両方含むIII−V族化合物半導体層を少なく
とも1層有する化合物半導体装置であり、その層が、請
求項1から10のいずれかに記載された化合物半導体の
結晶成長方法に従って結晶成長されたものであることを
特徴とする化合物半導体装置。 - 【請求項12】 請求項11に記載の化合物半導体装置
において、 化合物半導体装置は発光素子であり、少なくとも発光層
に、V族元素として窒素と窒素以外のV族元素とを両方
含むIII−V族化合物半導体層を有していることを特
徴とする化合物半導体装置。 - 【請求項13】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
化合物半導体の結晶成長方法において、 前記III族原料に、アルミニウム原料を含んでなるこ
とを特徴とする化合物半導体の結晶成長方法。 - 【請求項14】 前記アルミニウム原料は、その供給さ
れる工程が窒素原料を供給する工程の直前であることを
特徴とする請求項13に記載の化合物半導体の結晶成長
方法。 - 【請求項15】 請求項4乃至10のいずれかに記載の
化合物半導体の結晶成長方法において、 前記III族原子に、アルミニウム原子を含んでなるこ
とを特徴とする化合物半導体の結晶成長方法。 - 【請求項16】 前記アルミニウム原子は、その、基板
へ吸着される工程が、窒素原料を供給する工程の直前で
あることを特徴とする請求項15に記載の化合物半導体
結晶成長方法。 - 【請求項17】 前記窒素原料は、アンモニアガス(N
H3)であることを特徴とする請求項13乃至16のい
ずれかに記載の化合物半導体の結晶成長方法。 - 【請求項18】 V族元素として窒素と窒素以外のV族
元素とを両方含むIII−V族化合物半導体層を、少な
くとも1層有する化合物半導体装置であり、前記III
−V族化合物半導体層が、請求項13乃至17に記載の
化合物半導体の結晶成長方法のいずれかによって結晶成
長されたものであることを特徴とする化合物半導体装
置。 - 【請求項19】 請求項18に記載の化合物半導体装置
は、発光素子をなし、前記III−V族化合物半導体層
が、少なくとも発光層をなすことを特徴とする化合物半
導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7704099A JP2000049104A (ja) | 1998-05-29 | 1999-03-23 | 化合物半導体の結晶成長方法及び化合物半導体装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-148870 | 1998-05-29 | ||
JP14887098 | 1998-05-29 | ||
JP7704099A JP2000049104A (ja) | 1998-05-29 | 1999-03-23 | 化合物半導体の結晶成長方法及び化合物半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000049104A true JP2000049104A (ja) | 2000-02-18 |
Family
ID=26418135
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7704099A Pending JP2000049104A (ja) | 1998-05-29 | 1999-03-23 | 化合物半導体の結晶成長方法及び化合物半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000049104A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003077840A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-14 | Japan Science & Technology Corp | 半導体装置及びその製造方法 |
EP2112729A2 (en) | 2008-04-25 | 2009-10-28 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Method of making nitride semiconductor laser, method of making epitaxial wafer, and nitride semiconductor laser |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02166723A (ja) * | 1988-12-20 | 1990-06-27 | Fujitsu Ltd | 化合物半導体の成長方法 |
JPH05206028A (ja) * | 1992-01-27 | 1993-08-13 | Fujitsu Ltd | 半導体結晶の成長方法 |
JPH07263744A (ja) * | 1994-03-23 | 1995-10-13 | Shiro Sakai | Iii−v族化合物半導体の積層超格子構造及びそれを用いた発光素子 |
-
1999
- 1999-03-23 JP JP7704099A patent/JP2000049104A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02166723A (ja) * | 1988-12-20 | 1990-06-27 | Fujitsu Ltd | 化合物半導体の成長方法 |
JPH05206028A (ja) * | 1992-01-27 | 1993-08-13 | Fujitsu Ltd | 半導体結晶の成長方法 |
JPH07263744A (ja) * | 1994-03-23 | 1995-10-13 | Shiro Sakai | Iii−v族化合物半導体の積層超格子構造及びそれを用いた発光素子 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003077840A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-14 | Japan Science & Technology Corp | 半導体装置及びその製造方法 |
EP2112729A2 (en) | 2008-04-25 | 2009-10-28 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Method of making nitride semiconductor laser, method of making epitaxial wafer, and nitride semiconductor laser |
US7883915B2 (en) | 2008-04-25 | 2011-02-08 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Method of making nitride semiconductor laser, method of making epitaxial wafer, and nitride semiconductor laser |
US8295317B2 (en) | 2008-04-25 | 2012-10-23 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Method of making nitride semiconductor laser, method of making epitaxial wafer, and nitride semiconductor laser |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100712753B1 (ko) | 화합물 반도체 장치 및 그 제조방법 | |
US6852161B2 (en) | Method of fabricating group-iii nitride semiconductor crystal, method of fabricating gallium nitride-based compound semiconductor, gallium nitride-based compound semiconductor, gallium nitride-based compound semiconductor light-emitting device, and light source using the semiconductor light-emitting device | |
KR910006589B1 (ko) | Ⅲ-v족 화합물 반도체 에피택셜층 성장 방법 | |
JP3809464B2 (ja) | 半導体層の形成方法 | |
US5438952A (en) | Method of growing a semiconductor layer and a fabrication method of a semiconductor device using such a semiconductor layer | |
US7670933B1 (en) | Nanowire-templated lateral epitaxial growth of non-polar group III nitrides | |
JPH07118450B2 (ja) | 単成分半導体基板上に化合物半導体層を成長させる方法及びかかる半導体構造 | |
JPH0812844B2 (ja) | ▲iii▼−v族化合物半導体およびその形成方法 | |
WO2002017369A1 (en) | Method of fabricating group-iii nitride semiconductor crystal, metho of fabricating gallium nitride-based compound semiconductor, gallium nitride-based compound semiconductor, gallium nitride-based compound semiconductor light-emitting device, and light source using the semiconductor light-emitting device | |
KR20020065892A (ko) | 3족 질화물 반도체 결정 제조 방법, 갈륨나이트라이드-기재 화합물 반도체 제조 방법, 갈륨나이트라이드-기재 화합물 반도체, 갈륨나이트라이드-기재 화합물 반도체 발광 소자, 및 반도체발광 소자를 이용한 광원 | |
JPH09295890A (ja) | 半導体製造装置および半導体製造方法 | |
JP2000049104A (ja) | 化合物半導体の結晶成長方法及び化合物半導体装置 | |
JPH1174202A (ja) | 窒化ガリウム系iii−v族化合物半導体の気相成長装置並びに窒化ガリウム系iii−v族化合物半導体装置及びその製造方法 | |
US20090309189A1 (en) | Method for the growth of indium nitride | |
JPH0431396A (ja) | 半導体結晶成長方法 | |
JP3159788B2 (ja) | 化合物半導体の結晶成長方法 | |
Scholz et al. | GaN‐Based Materials: Substrates, Metalorganic Vapor‐Phase Epitaxy, and Quantum Well Properties | |
JPS61106497A (ja) | 燐化砒化ガリウムエピタキシヤル膜の成長方法 | |
JP3101753B2 (ja) | 気相成長方法 | |
JPH0535719B2 (ja) | ||
Pohl et al. | Special Growth Techniques | |
JPS63182299A (ja) | 3−5族化合物半導体の気相成長方法 | |
EP1898449B1 (en) | Compound semiconductor devices and methods of manufacturing the same | |
JPH10335748A (ja) | 化合物半導体の製造方法及び化合物半導体装置 | |
JPH09293678A (ja) | InGaN層を有する半導体ウエハ及びその製造方法並びにそれを具備する発光素子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051201 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060418 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070619 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071016 |