JP2003077510A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
に供される酸素量の状態に応じてより適正な状態に維持
できるようにした電子機器を提供することである。 【解決手段】上記課題は、燃料と酸素との化学的反応に
より発電を行う燃料電池(20)を、給電により所定の
動作を行う被給電部(24)に対する電源として用いた
電子機器において、上記燃料電池(20)に供される酸
素濃度に対応した酸素濃度情報を検出する酸素濃度検出
手段(28)と、該酸素濃度検出手段(28)にて検出
される酸素濃度情報に基づいて当該電子機器の動作制御
を行う制御手段(22、24)とを有する電子機器にて
達成される。
Description
などの燃料と酸素との化学的反応により電気エネルギー
を発生する燃料電池を電源として用いた電子機器に関す
る。
(充電式電池など)やACアダプタでの変換にて得られ
たDC出力が電源として用いられている。このように化
学電池とACアダプタのDC出力とを電源として使用可
能な電子機器では、例えば、図1に示すように、制御手
段16がスイッチ手段14を制御することにより、化学
電池10及びACアダプタ12のDC出力のいずれかが
電源として電子機器の回路部18に接続される。例え
ば、化学電池10の容量が十分な状態では、化学電池1
0が電子機器の回路部18に接続され、化学電池10の
容量が少なくなった場合に、制御手段16がスイッチ手
段14を制御することにより、電子機器の回路部18に
接続すべき電源が化学電池10からACアダプタのDC
出力に切り換えられる。
酸素との化学的反応により電気エネルギーを発生する燃
料電池が従来知られている(例えば、特開平9−213
358号公報、特公平6−54674号公報参照)。こ
のような燃料電池は、近年、小型化が図られ、その燃料
電池を上述したような電子機器の電源として用いること
が提案されている。
高くすることができ、この燃料電池を用いることにより
寿命の長い電子機器の電源を実現すること可能となる。
また、燃料電池は、メタノール等の燃料の供給がなされ
る限り、空気中の酸素を利用して電気エネルギーを生成
できるので、充電器やACアダプタの必要もなくなる。
池を電子機器の電源として用いた場合、その燃料電池が
有効に動作するためには、常に酸素を供給しなければな
らない。従って、何らかの原因により燃料電池に供給さ
れる酸素の濃度が低下すると、燃料電池から安定的に電
力を供給できなくなるため、電子機器の状態や動作が不
安定になってしまう。
ことから、電子機器を密閉空間で使用するような場合、
その電子機器の周囲での酸素濃度の低下を注意しなけれ
ばならない。
られる燃料電池に供される酸素量の状態に応じてより適
正な状態に維持できるようにした電子機器を提供するこ
とである。
め、本発明は、請求項1に記載されるように、燃料と酸
素との化学的反応により発電を行う燃料電池を、給電に
より所定の動作を行う被給電部に対する電源として用い
た電子機器において、上記燃料電池に供される酸素濃度
に対応した酸素濃度情報を検出する酸素濃度検出手段
と、該酸素濃度検出手段にて検出される酸素濃度情報に
基づいて当該電子機器の動作制御を行う制御手段とを有
するように構成される。
れる酸素濃度に対応した酸素濃度情報に基づいて当該電
子機器の動作制御がなされる。従って、供される酸素濃
度で発揮される燃料電池の性能に応じた電子機器の動作
制御を行うことができるようになる。
た酸素濃度情報は、その燃料電池に供される酸素濃度に
依存する情報であれば特に限定されず、例えば、その燃
料電池に供される酸素濃度そのものを表すものであって
も、その酸素濃度からある減衰をもって検出される酸素
濃度を表す情報であってもよい。従って、酸素濃度検出
手段による酸素濃度の検出位置は、電子機器の内部であ
っても、その外部であっても、燃料電池に供される酸素
濃度に依存する酸素濃度情報が検出できる位置であれ
ば、特に限定されない。更に、燃料電池の出力特性から
当該燃料電池に供される酸素濃度に依存した情報を酸素
濃度情報として検出することもできる。
性能に適した消費電力にて電子機器を使用することがで
きるという観点から、本発明は、請求項2に記載される
ように、上記電子機器において、上記制御手段は、上記
酸素濃度検出手段にて検出される酸素濃度情報に基づい
て上記被給電部での消費電力を調整するようにその動作
制御を行う第一の制御手段を有するように構成すること
ができる。
きるように燃料電池の性能を制御できるという観点か
ら、本発明は、請求項3に記載されるように、上記各電
子機器において、上記燃料電池に供給される酸素量を調
整する供給酸素量調整手段を有し、上記制御手段は、上
記酸素濃度検出手段にて検出される酸素濃度情報に基づ
いて上記供給酸素量調整手段の動作制御を行う第二の制
御手段を有するように構成することができる。
給される酸素量の調整が行えるものであれば特に限定さ
れず、例えば、ファンなどのように積極的に燃料電池に
供給される酸素量を調整するものであっても、通気口の
開度を調整する機構のように燃料電池に対する酸素の供
給され易さ、難さを制御するものであってもよい。ま
た、この供給酸素量調整手段は、外気の電子機器内への
導入量を調整するものであっても、例えば、タンクから
の酸素供給量を調整するものであってもよい。
のより好ましい使用制御が可能であるという観点から、
本発明は、請求項4に記載されるように、上記各電子機
器において、酸素の有無にかかわりなく電力を発生する
化学電池と、上記化学電池及び上記燃料電池のいずれか
を選択的に上記被給電部に電源として接続させる電源切
換え手段とを有し、上記制御手段は、上記酸素濃度検出
手段にて検出される酸素濃度情報に基づいて上記電源切
換え手段の動作制御を行う第三の制御手段を有するよう
に構成することができる。
れる酸素濃度に起因した当該燃料電池の性能の状況を通
知できるという観点から、本発明は、請求項5に記載さ
れるように、上記各電子機器において、所定の警報情報
を発する警報手段を有し、上記制御手段は、上記酸素濃
度検出手段にて検出される酸素濃度情報に基づいて上記
警報手段の動作制御を行う第四の制御手段を有するよう
に構成することができる。
て図面にもとづいて説明する。
は、例えば、図2に示すように構成される。この電子機
器は、例えば、所謂ノートパソコン、携帯電話、携帯端
末(PDA)のような携帯電子機器であっても、工場設
備機器内の所定電子機器回路部分、車両搭載機器、家電
製品等の特に携帯性を有しないものであってもよい。
20、制御マイコン22、電子機器回路24、スイッチ
26及び酸素濃度検出器28を有している。燃料電池2
0は、例えば、メタノールを燃料とし、その燃料と空気
中の酸素との化学的反応により電気エネルギーを発生す
る。電子機器回路24は、スイッチ26を介して燃料電
池20から給電された状態で、当該電子機器の機能を発
揮させるための種々の動作を行う。
20の近傍に設置され、燃料電池20の近傍の酸素濃度
を当該燃料電池20に供される酸素濃度として検出す
る。この酸素濃度検出器28として、例えば、ガルバニ
電池式の酸素センサを用いることができる。
にて検出された酸素濃度を表す濃度信号に基づいて、後
述するように、電子機器回路24に供給すべき省電力制
御信号や、スイッチ26のオン、オフを制御するための
ON/OFF制御信号を生成する。なお、この制御マイ
コン22の電源は、上記燃料電池20であっても、他の
化学電池であってもよい。
手順に従って処理を行う。
周期で酸素濃度検出器28からの濃度信号を読み込み
(S101)、その濃度信号で表される検出酸素濃度値
を内部の濃度レジスタに保存する(S102)。そし
て、制御マイコン22は、濃度レジスタに保存された検
出酸素濃度値が、酸素不足の状態を判定するための基準
値1より小さいか否かを判定する(S103)。その検
出酸素濃度値がその基準値1以上である場合(S103
でN)、制御マイコン22は、更に、その検出酸素濃度
値が酸素十分の状態を判定するための基準値2(>基準
値1)を超えているか否かを判定する(S104)。
あれば、制御マイコン22は、所定のタイミングで再
度、酸素濃度検出器28からの濃度信号の読み込みを行
い(S101)、その濃度信号に対応した検出酸素濃度
値を濃度レジスタに保存する(S102)。以下、酸素
濃度検出器28にて検出される酸素濃度(検出酸素濃度
検出値)が上記基準値1以上かつ上記基準値2以下とな
る状態では、上述した処理(S101〜S104)が繰
り返し実行される。
料電池20に供される酸素濃度が低下し、上記酸素濃度
検出器28にて検出される酸素濃度(濃度レジスタに保
存される検出酸素濃度値)が上記基準値1より小さくな
ると(S103でY)、制御マイコン22は、酸素不足
の割り込みを発生し、その割り込み信号を省電力制御信
号として電子回路機器24に出力する(S105)。
電池20に供される酸素濃度が上昇し、上記検出酸素濃
度値が上記基準値2を超えると(S104でY)、制御
マイコン22は、酸素十分の割り込みを発生し、その割
り込み信号を省電力制御信号として電子機器回路24に
出力する(S105)。
電子機器回路24は、例えば、図4に示す手順に従って
処理を行う。
制御マイコン22からの割り込みがない状態では、当該
電子機器の機能を発揮するための種々の処理(通常処
理)を行っている(S201)。その過程で、上記制御
マイコン22から酸素不足に係る割り込み信号が入力さ
れると、電子機器回路24は、制御マイコン22の濃度
レジスタに保存された検出酸素濃度値(<基準値1)を
読み込み(S202)、その検出酸素濃度値が上記酸素
十分の状態を判定するための基準値2を超えていないと
の確認(S203でN)を行った後に、その検出酸素濃
度値に応じた段階的な省電力制御を行う。
づいてなされる。
5より小さいか否かの判定(S205)がなされ、その
検出酸素濃度値が基準値5以上であれば、更に、その検
出酸素濃度値が基準値4より小さいか否かの判定(S2
07)がなされる。そして、その検出酸素濃度値が基準
値4以上であれば、その検出酸素濃度値が基準値3より
小さいか否かの判定(S209)がなされ、その検出酸
素濃度値が基準値3以上であれば、更に、その検出酸素
濃度値が基準値1より小さいか否かの判定がなされる
(S211)。
値1より小さいが、基準値3は下回っていない場合(S
211でY)、電子機器回路24は、酸素濃度が減少し
ている旨のメッセージを、警報情報として、例えば、当
該電子機器に備えられた表示ユニット(図示略)に表示
させる(S212)。また、上記検出酸素濃度が上記基
準値4より小さくはないものの、上記基準値3より小さ
い場合(S209でY)、電子機器回路24は、表示ユ
ニットやインジケータ類に使用されている照明機器の輝
度を低減させる(S210)。これにより、照明機器の
輝度を低減させた分、電子機器回路24での消費電力を
低減させることができる。
小さくないものの、上記基準値4より小さい場合(S2
07でY)、電子機器回路24は、内部の処理の同期信
号として用いているクロック信号の周波数(速度)を低
減させる(S208)。これにより、電子機器24での
処理速度が低減され、単位時間当たりの処理ステップ数
が低減されることにより、当該電子機器回路24での消
費電力を低減させることができる。
5より小さい場合(S205でY)、その酸素濃度に基
づいた燃料電池20からの給電では、正常な処理が維持
できないとして、電子機器回路24は、サスペンド処理
を実行する(S206)。このサスペンド処理は、例え
ば、図5に示すような手順に従って実行される。
Mなどの揮発性メモリ内のデータをフラッシュメモリな
どの不揮発性記憶装置に書き込む(S301)。その
後、電子機器回路24は、制御マイコン22に対して電
源供給停止の制御信号を供給する(S302)。この制
御信号を入力した制御マイコン22は、スイッチ26を
オフするためのON/OFF制御信号をスイッチ26に
供給し、そのON/OFF制御信号によりスイッチ26
がオフされる。その結果、電子機器回路24に対する給
電が停止され、当該電子機器回路24はサスペンド状態
となる(S303)。
は電子機器回路24の正常な処理が維持できないと予想
されるほど、当該燃料電池20に供される酸素濃度が低
下してしまった場合、サスペンド処理を実行することに
より、酸素濃度低下に起因した燃料電池20の出力電力
低下に伴う電子機器回路24でのデータの消失を未然に
防止することができる。
ンプリング(図3のS101参照)周期、及び上記各基
準値1、3、4、5は、予想される燃料電池20近傍の
酸素濃度変動の状態、及び酸素濃度に対する燃料電池2
0の出力特性に基づいて決められる。その結果、通常酸
素濃度が低下する過程で、図4に示すS212での処理
(酸素濃度減少報告)、S210での処理(輝度低
減)、S208での処理(クロック速度低減)、S20
6での処理(サスペンド処理)がその順番に行われるよ
うにすることができる。また、通常酸素濃度が復帰する
過程では、逆の順にて各処理を停止させて、元の状態に
順次復帰させることができる。
は、酸素濃度の減少に伴って電子機器回路24での消費
電力を減少させることができ、また、酸素濃度が復帰す
る過程では、酸素濃度の回復に伴って電子機器回路24
での消費電力を順次回復させることができる。即ち、燃
料電池20に供される酸素濃度に応じて、電子機器回路
24での機能をできるだけ高いレベルに維持しつつ、当
該電子機器回路24の消費電力の調整を行うことができ
る。
る旨のメッセージを、警報情報として、表示ユニットに
表示させる(S212)が、そのメッセージの表示に代
えて、例えば、所定のランプを点灯させたり、警報音を
発生させることもできる。
る割り込み信号ではなく、酸素十分に係る割り込み信号
が電子機器回路24に入力されると、電子機器回路24
は、制御マイコン22の濃度レジスタに保存された検出
酸素濃度値(>基準値2)を読み込み(S202)、そ
の検出酸素濃度値が上記酸素十分の状態を判定するため
の基準値2を超えていることを確認する(S203で
Y)。すると、電子機器回路24は、酸素濃度が十分で
ある旨のメッセージを、例えば、当該電子機器に備えら
れた表示ユニットに表示させる(S204)。ユーザ
は、この表示ユニットに表示されるメッセージを確認す
ることにより、燃料電池20が正常な状態で動作してい
ることを知ることができる。
明する。この第二の実施の形態では、燃料電池に供され
る酸素濃度に応じて当該燃料電池に供給される酸素量を
調整するようにしている。
は、例えば、図6に示すように構成される。なお、図6
において、図2に示す部位と同様の部位には同じ参照番
号が付されている。
例と同様に、燃料電池20、制御マイコン22、電子機
器回路24、スイッチ26及び酸素濃度検出器28の
他、酸素濃度調整装置30を有している。
池20に対して当該電子機器の外気を強制的に導くため
のファンと、そのファンを駆動するための駆動回路とを
備えている。なお、この酸素濃度調整装置30の電源
は、上記燃料電池20であっても、他の化学電池であっ
てもよい。
手順に従って処理を行う。
濃度検出器28からの濃度信号を読み込み(S40
1)、その濃度信号で表される検出酸素濃度値と各基準
値との比較を行い、その比較結果に基づいて酸素濃度調
整装置30のファンの駆動制御を行う。
出酸素濃度値が上述した酸素十分の状態を判定するため
の基準値2を超えるか否かの判定を行い(S402)、
超えていなければ(S402でN)、更に、その検出酸
素濃度値が基準値6より小さいか否かの判定を行う(S
404)。この基準値6は、前述した酸素不足の状態を
判定するための基準値1より更に小さい値に設定される
(基準値1>基準値6)。その検出酸素濃度値が上記基
準値6以上でれば、制御マイコン22は、更に、その検
出酸素濃度値が上記酸素部不足の状態を判定するための
基準値1より小さいか否かを判定する(S406)。
にて検出される酸素濃度(検出酸素濃度値)が上記基準
値2以下でかつ上記基準値1以上となる濃度範囲にある
状態では、制御マイコン22は、所定周期で酸素濃度検
出器28からの濃度信号を読み込み(S401)、その
濃度信号にて表される検出酸素濃度値と各基準値2、
6、1との比較処理(S402、S404、S406)
を繰り返し実行する。この状態では、制御マイコン22
から酸素濃度調整装置30に対する制御信号は出力され
ずに、その酸素濃度調整装置30のファンは停止状態を
維持する。
傍の酸素濃度が低下し、酸素濃度検出器28からの濃度
信号にて表される検出酸素濃度値が、基準値6より小さ
くはないものの、基準値1より小さくなると(S406
でY)、制御マイコン22は、酸素濃度調整装置30に
駆動制御信号を出力する(S407)。すると、この駆
動制御信号により、酸素濃度調整装置30は、ファンを
駆動させる。それにより、燃料電池20に対して当該電
子機器の外気が強制的に導かれる。
の酸素濃度が上昇し、検出酸素濃度値が上記基準値1を
超えても、ファンが駆動された状態が維持される。そし
て、更に酸素濃度が上昇し、検出酸素濃度値が上記基準
値2を超えると(S402でY)、制御マイコン22
は、酸素濃度調整装置30に対してファンの停止制御信
号を出力する(S403)。この停止制御信号により、
酸素濃度調整装置30は、ファンを停止させる。
が基準値1を下回ったときに、ファンの駆動が開始さ
れ、その検出濃度値が基準値2を上回ったときに、ファ
ンが停止される。そして、そのような動作が燃料電池2
0近傍の酸素濃度に応じて繰り返し行われる。それによ
り、燃料電池20近傍は、常に、その燃料電池20が正
常に機能するための酸素濃度に維持されるようになる。
が上記基準値1を下回ってファンの駆動が開始された
後、その検出酸素濃度値が基準値6より小さくなってし
まうと(S407でY)、制御マイコン22は、酸素濃
度調整装置30に対して、ファンの停止制御信号を出力
する(S405)。この停止制御信号により、燃料電池
20近傍の酸素濃度が正常な状態でないにもかかわら
ず、酸素濃度調整装置30は、ファンを停止させる。
池20近傍の酸素濃度が回復せずに更に低下してしまう
場合にファンを停止させることにより、酸素濃度調整装
置30での無駄な電力消費を防止することができる。ま
た、そのように酸素濃度が回復しない状況は、電子機器
が、鞄などの密閉された空間に置かれていて、その密閉
空間の酸素濃度自体が低下している状況であると考え得
る。そのような状況において、上記のようなファンの駆
動制御により、その密閉空間の酸素欠乏を防止すること
ができる。
出力特性と共に、ファンを停止させる目的に応じて決め
ることができる。
または複数の基準値を設定し、それらの基準値と検出酸
素濃度値との比較結果に基づいてファンの回転数を徐々
に低下させるような制御を行うことも可能である。
濃度調整装置30の制御と共に、前述した第一の実施の
形態における電子機器回路24の消費電力の制御を並列
的に実行することも可能である。
説明する。この第三の実施の形態では、燃料電池に供さ
れる酸素濃度に応じて電子機器回路に接続すべき電源を
当該燃料電池及び他の化学電池のいずれかに切換えるよ
うにしている。
は、例えば、図8に示すように構成される。なお、図8
において、図2及び図6に示す部位と同様の部位には同
じ参照番号が付されている。
各実施の形態と同様に、燃料電池20、制御マイコン2
2、電子機器回路24及び酸素濃度検出器28を有して
いる。また、この電子機器は、更に、第一のスイッチ2
61(スイッチA),第二のスイッチ262(スイッチ
B)、充電式の化学電池32及び充電器34を有してい
る。
1を介して燃料電池20からの給電を受けることが可能
となると共に、第二のスイッチ262を介して化学電池
32からの給電を受けることも可能となっている。制御
マイコン22は、酸素濃度検出器28からの濃度信号に
基づいて第一のスイッチ261をオン、オフするための
ON/OFF制御信号、第二のスイッチ262をオン、
オフするためのON/OFF制御信号、及び充電器34
に対する充電制御信号を生成する。燃料電池20の出力
端子は充電器34を介して化学電池32の出力端子に接
続され、燃料電池20から化学電池32に充電ができる
ようになっている。
24は、第一の実施の形態と同様に(図2、図3、図
4、図5参照)、電子機器回路42の消費電力制御を行
う(ただし、サスペンド処理は行わない)。
(図3参照)と平行して、図9に示す手順に従って電源
の切換え制御を行う。
チ261(スイッチA)をオンにするためのON/OF
F制御信号を当該第一のスイッチ261に供給すると共
に、第二のスイッチ262をオフにするためのON/O
FF信号を当該第二のスイッチ262に供給している。
その結果、通常の状態では、電子機器回路24は、燃料
電池20を電源として、当該燃料電池20からの給電を
受ける。
コン22は、酸素濃度検出器28からの濃度信号を読み
込むと(S501)、その濃度信号にて表される検出酸
素濃度値と各基準値との比較を行い、その比較結果に基
づいて電源の切換え制御を行う。
たサスペンド処理を実行すべきか否かの判定の基準とな
る基準値5より小さいか否かを判定し(S502)、そ
の検出酸素濃度値が基準値5以上であれば(S502で
N)、更に、その検出酸素濃度値が前述した酸素十分の
状態を判定するための基準値2より大きいか否かを判定
する(S503)。上記検出酸素濃度値が基準値5以上
でかつ基準値2以下の濃度範囲にある状態では、制御マ
イコン22は、所定周期で、酸素濃度検出器28からの
濃度信号を読み込み(S501)、上記各基準値5及び
2との比較処理(S502、S503)を繰り返し実行
する。そして、燃料電池20から第一のスイッチ261
を介して電子機器回路24に給電される状態が維持され
る。
近傍の酸素濃度が低下し、検出酸素濃度値が基準値5よ
り小さくなると(S502でY)、制御マイコン22
は、各ON/OFF制御信号の状態を切換えて、第二の
スイッチ262をオンにすると共に、第一のスイッチ2
61をオフにする(S504、S505)。その結果、
化学電池32から第二のスイッチ262を介して電子機
器回路24に給電が開始されると共に、燃料電池20か
ら電子機器回路24に対する給電が停止される。
は電子機器回路24の正常な処理が維持できないと予想
されるほど、当該燃料電池20に供される酸素濃度が低
下してしまった場合(検出酸素濃度値が基準値5より小
さい場合)、上述したサスペンド処理に代えて電子機器
回路24の電源を燃料電池20から化学電池34に切換
えることにより、電子機器回路24の機能を正常な状態
に維持できるようになる。
0近傍の酸素濃度が回復し、検出酸素濃度値が基準値2
より大きくなると(S503でY)、制御マイコン22
は、更に、各ON/OFF制御信号の状態を切換えて、
第一のスイッチ261をオンにすると共に、第二のスイ
ッチ262をオフにする(S506、S507)。その
結果、燃料電池20から第一のスイッチ261を介して
電子機器回路24に給電が再開されると共に、化学電池
34から電子機器回路24に対する給電が停止される。
これにより、燃料電池20近傍の酸素濃度が、十分な値
に回復すると、再び、電子機器回路24の電源が化学電
池34から燃料電池20に切換えられる。
に、制御マイコン22は、化学電池34の、例えば、出
力電圧を測定し、その測定された出力電圧に基づいて化
学電池34の残量が所定の残量(例えば、満タン状態で
の残量)より少ないか否かを判定する(S508)。そ
して、化学電池34の残量が所定の残量より少ないと判
定されると(S508でY)、制御マイコン22は、充
電器32に対して充電制御信号を出力する(S50
9)。その充電制御信号により、充電器34は、燃料電
池20からの出力電力により化学電池34への充電を行
う。
が十分な状態(検出酸素濃度値が基準値2以上の場合)
において、燃料電池20が電子機器回路24の電源とし
て選択されると共に、化学電池34への充電も行われ
る。このため、電子機器回路24の正常な機能を維持で
きると共に、電源が化学電池34に切換わった際にも最
良の充電状態となる化学電池34から電子機器回路24
への給電がなされるようになる。
基準値5より小さい値から基準値2より大きい値に復帰
した際の動作について説明したが、検出酸素濃度値が基
準値5以上かつ基準値2以下の濃度範囲にある状態から
その検出酸素濃度値が基準値2を超える状態になった場
合も同様の処理がなされる。即ち、この場合、燃料電池
20は既に電源として電子機器回路24への給電を行っ
ているので、制御マイコン22は、第一のスイッチ26
1のオン状態を確認する(S506)と共に、第二のス
イッチ261のオフ状態を確認した(S507)後に、
上述した化学電池34に対する充電処理(S508、S
509)を行う。これにより、通常の状態における、化
学電池34の自然放電を、燃料電池20近傍の酸素濃度
が十分なときに補うことができる。
一の実施の形態で説明した消費電力制御におけるサスペ
ンド処理に代えて、電源の切換え制御を行うようにした
が、このような電源の切換え制御を単独で行うようにし
てもよい。更に、上述した消費電力制御及び電源切換え
制御と共に、第二の実施の形態で説明した酸素濃度調整
制御を並列的に行うことできる。
に供される酸素濃度は、その燃料電池20の近傍に配置
した酸素濃度検出器28にて検出するようにしたが、燃
料電池20の出力電圧を測定し、その出力電圧の履歴曲
線と、酸素が十分ある場合の出力電圧の履歴曲線とを比
較して、その比較結果に基づいて酸素濃度を計算するこ
とができる。
器28は、酸素濃度検出手段に対応し、図3、図4、図
5、図7、図9に示す制御マイコン22及び電子機器回
路24での処理は、制御手段に対応する。特に、図3、
図4、図5に示す制御マイコン22及び電子機器22で
の処理は、第一の制御手段に対応し、図7に示す制御マ
イコン22での処理は、第二の制御手段に対応し、図9
に示す制御マイコン22での処理が第三の制御手段に対
応する。また、特に、図3に示す制御マイコン22での
処理及び図4に示すステップS211及びS212での
処理が第四の制御手段に対応する。
す。
り発電を行う燃料電池を、給電により所定の動作を行う
被給電部に対する電源として用いた電子機器において、
上記燃料電池に供される酸素濃度に対応した酸素濃度情
報を検出する酸素濃度検出手段と、該酸素濃度検出手段
にて検出される酸素濃度情報に基づいて当該電子機器の
動作制御を行う制御手段とを有する電子機器。
て、上記制御手段は、上記酸素濃度検出手段にて検出さ
れる酸素濃度情報に基づいて上記被給電部での消費電力
を調整するようにその動作制御を行う第一の制御手段を
有する電子機器。
て、上記第一の制御手段は、上記酸素濃度検出手段にて
検出される酸素濃度情報が表す検出酸素濃度値が2以上
の濃度範囲のいずれに属するかを判定する濃度範囲判定
手段を有し、該濃度範囲判定手段にて判定される上記検
出酸素濃度値が属する濃度範囲がより低い濃度範囲とな
るほど、上記被給電部での消費電力がより少なくなるよ
うにその動作制御を行うようにした電子機器。
池に供される酸素濃度が低下するほど、消費電力を低く
抑えることができる。
て、揮発性記憶手段と、不揮発性記憶手段とを有し、上
記第一の制御手段は、上記濃度範囲判定手段により上記
検出酸素濃度値が所定の値より小さくなる濃度範囲に属
すると判定されるときに、上記揮発性記憶手段に記憶さ
れていた情報を不揮発性記憶手段に保存するパックアッ
プ制御手段と、上記バックアップ制御手段により上記不
揮発性記憶手段に情報の保存がなされた後に、上記燃料
電池から上記被給電部への電源供給を遮断するサスペン
ド制御手段とを有する電子機器。
器の本来の機能を維持できないほど燃料電池の機能が低
下するような酸素濃度となった際に、より適した動作を
行いうる。
子機器において、上記燃料電池に供給される酸素量を調
整する供給酸素量調整手段を有し、上記制御手段は、上
記酸素濃度検出手段にて検出される酸素濃度情報に基づ
いて上記供給酸素量調整手段の動作制御を行う第二の制
御手段を有する電子機器。
て、上記第二の制御手段は、上記酸素濃度検出手段にて
検出される酸素濃度情報が表す検出酸素濃度値が、予め
定めた第一の濃度範囲より高い値から当該第一の濃度範
囲内の値に変化したか否かを判定する低濃度変化判定手
段と、該低濃度変化判定手段にて上記検出酸素濃度値が
上記第一の濃度範囲内の値に変化したと判定されたとき
に、上記燃料電池に供給される酸素量を増やすように上
記供給酸素量調整手段の動作制御を行う第一の低酸素濃
度時制御手段を有する電子機器。
度低下に起因した燃料電池の機能低下を防止できる (付記7)付記6記載の電子機器において、上記第二の
制御手段は、上記酸素濃度検出手段にて検出される酸素
濃度情報が表す検出酸素濃度値が上記第一の濃度範囲よ
り低い第二の濃度範囲にあるか否かを判定する低濃度判
定手段と、該低濃度判定手段にて上記検出酸素濃度値が
上記第二の濃度範囲にあると判定されたときに、上記燃
料電池に供給される酸素量が、上記検出酸素濃度値が上
記第一の濃度範囲にある場合に上記燃料電池に供給され
る酸素量より少なくなるように上記供給酸素量調整手段
の動作制御を行う第二の低酸素濃度時制御手段を有する
電子機器。
給酸素量調整手段が外気からの酸素の導入量を調整する
場合に、外気の酸素濃度が低下してしまう状況を防止で
き、また、供給酸素量調整手段が燃料電池からの電力供
給で動作する場合に、無駄な電力消費をなくすことがで
きる。
て、上記第二の低酸素濃度時制御手段は、上記燃料電池
に供給される酸素量が上記供給酸素量調整手段にて調整
できる最小の量となるように上記供給酸素量調整手段の
動作制御を行うようにした電子機器。
手段の動作制御は、燃料電池に酸素を供給しない制御も
含む。
子機器において、酸素の有無にかかわりなく電力を発生
する化学電池と、上記化学電池及び上記燃料電池のいず
れかを選択的に上記被給電部に電源として接続させる電
源切換え手段とを有し、上記制御手段は、上記酸素濃度
検出手段にて検出される酸素濃度情報に基づいて上記電
源切換え手段の動作制御を行う第三の制御手段を有する
電子機器。
て、上記第三の制御手段は、上記酸素濃度検出手段にて
検出される酸素濃度情報が表す検出酸素濃度値が、第三
の濃度範囲及び該第三の濃度範囲より低い第四の濃度範
囲のいずれにあるかを判定する判定手段と、該判定手段
にて上記検出酸素濃度値が第三の濃度範囲にあると判定
されたときに上記燃料電池が上記被給電部に電源として
接続され、上記判定手段にて上記検出酸素濃度値が第四
の濃度範囲にあると判定さたときに上記化学電池が上記
被給電部に電源として接続されるように上記電源切換え
手段の動作制御を行う切換え制御手段とを有する電子機
器。
池に供される酸素濃度の低下に起因して当該燃料電池の
性能が低下したときに電子機器の性能を維持できる。
いて、上記化学電池は充電式電池であり、上記燃料電池
から上記化学電池への充電を可能とする充電器を有し、
上記第三の制御手段は、上記判定手段にて上記酸素濃度
値が第三の濃度範囲にあると判定されるときに、上記燃
料電池から上記化学電池への充電を行うように上記充電
器の動作制御を行う充電制御手段を有する電子機器。
池の性能が十分確保されている状況において、該燃料電
池にて発生される電力を有効に利用できる。
の電子機器において、所定の警報情報を発する警報手段
を有し、上記制御手段は、上記酸素濃度検出手段にて検
出される酸素濃度情報に基づいて上記警報手段の動作制
御を行う第四の制御手段を有する電子機器。
いて、上記第四の制御手段は、上記酸素濃度検出手段に
て検出される酸素濃度情報が表す検出酸素濃度値が所定
の値より小さいか否かを判定する手段と、上記検出濃度
値が所定の値より小さいと判定されたときに、上記所定
の警報情報が発せられるように上記警報手段の動作制御
を行う警報制御手段とを有する電子機器。
池の機能低下を当該電子機器のユーザに通知できる。
記載の本願発明によれば、供される酸素濃度で発揮され
る燃料電池の性能に応じた電子機器の動作制御を行うこ
とができるようになるので、電子機器の状態を電源とし
て用いられる燃料電池に供される酸素量の状態に応じて
より適正な状態に維持できるようになる。
電源管理を表す図である。
を示すフローチャートである。
を示すフローチャートである。
すフローチャートである。
を示すフローチャートである。
を示すフローチャートである。
Claims (5)
- 【請求項1】燃料と酸素との化学的反応により発電を行
う燃料電池を、給電により所定の動作を行う被給電部に
対する電源として用いた電子機器において、 上記燃料電池に供される酸素濃度に対応した酸素濃度情
報を検出する酸素濃度検出手段と、 該酸素濃度検出手段にて検出される酸素濃度情報に基づ
いて当該電子機器の動作制御を行う制御手段とを有する
電子機器。 - 【請求項2】請求項1記載の電子機器において、 上記制御手段は、上記酸素濃度検出手段にて検出される
酸素濃度情報に基づいて上記被給電部での消費電力を調
整するようにその動作制御を行う第一の制御手段を有す
る電子機器。 - 【請求項3】請求項1乃至2いずれか記載の電子機器に
おいて、 上記燃料電池に供給される酸素量を調整する供給酸素量
調整手段を有し、 上記制御手段は、上記酸素濃度検出手段にて検出される
酸素濃度情報に基づいて上記供給酸素量調整手段の動作
制御を行う第二の制御手段を有する電子機器。 - 【請求項4】請求項1乃至3いずれか記載の電子機器に
おいて、 酸素の有無にかかわりなく電力を発生する化学電池と、 上記化学電池及び上記燃料電池のいずれかを選択的に上
記被給電部に電源として接続させる電源切換え手段とを
有し、 上記制御手段は、上記酸素濃度検出手段にて検出される
酸素濃度情報に基づいて上記電源切換え手段の動作制御
を行う第三の制御手段を有する電子機器。 - 【請求項5】請求項1乃至4いずれか記載の電子機器に
おいて、 所定の警報情報を発する警報手段を有し、 上記制御手段は、上記酸素濃度検出手段にて検出される
酸素濃度情報に基づいて上記警報手段の動作制御を行う
第四の制御手段を有する電子機器。
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