JP3588890B2 - 電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電源装置に関し、特に燃料電池を用いた電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リン酸型、溶融炭酸塩型、固体電解質型等の燃料電池は、供給されるガスの化学エネルギーを、直接電気エネルギーに変換することができるので、高い発電効率が得られる。しかもこれらの燃料電池は、数100kWの大型のものから数100W程度の小規模のものまで実用化されつつある。その中で、特に小型の燃料電池は、例えば、ゴルフカート等の移動用、通信用、建築・土木工事用等の電源として使用されている。
【0003】
ところで、上記小型の燃料電池を用いた従来の電源装置は、燃料電池本体が収納されているケースの複数面に空気吸入口や反応ガス排出口が設けられ、電源非使用時にそれらの吸排口から外気等がケース内に侵入する恐れがある。その結果、燃料電池の電解質(例えば、リン酸等)が外気中の水分を吸収するため、電解質濃度が低下して電池特性が劣化するという課題があった。
【0004】
そこで、このような事態を回避するための従来例として、特開平5−190196号公報に示すようなものがある。以下、その構成について図4を参照にしながら説明する。図4に示す電源装置は、水素を燃料として発電動作をする燃料電池本体1と、この燃料電池本体1へ水素を供給する水素吸蔵合金から成る水素貯蔵装置2と、これら燃料電池本体1と水素貯蔵装置2とを収納するケース本体3と、このケース本体3を覆蓋する蓋体4とから成り、上記ケース本体3の一つの面に燃料電池発電動作に必要な空気を取り入れる空気吸入口5と、燃料電池発電動作に伴って生じる反応ガスを排気する反応ガス排出口6とを設けると共に、電源非使用時にはこれら吸排口5・6が上記蓋体4によって密閉されるように構成されており、電源非使用時には、吸排口5・6が蓋体4によって密閉されるので、これら吸排口5・6からケース本体3内に外気等が侵入し、外気中の水分によって燃料電池の電解質(例えば、リン酸等)濃度が低下することなく、電池特性の劣化を防止することができるようになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成のような電源装置では、外気との遮断を上記蓋体4によって行っているので、吸排口5・6それぞれの部分で遮断を行うよりもシール範囲が大きくなる。シール範囲が大きいとシール部に微小な隙間が生じやすくなり、気体の水分子は非常に小さくわずかな隙間でも通過しやすいため、ケース本体3内と外気との間の水分の出入りが生じ、外気中の水分による電解質濃度の低下が生じやすくなるという課題がある。
【0006】
また、電源使用を終了し蓋体4によって吸排口5・6を密閉しても、燃料電池本体1内の電気化学反応は残留ガスがなくなるまで継続され、残留ガスの消費によりケース本体3内の圧力が低下し、この圧力低下により水素供給口に密閉手段がないので燃料である水素が消費され続けたり、外気より圧力が小さくなって洩れによる外気や異物等の侵入等が生じやすくなるという課題がある。さらに、電源非使用時にケース本体3内の圧力が低下し負圧になっていると、電源使用開始時にガスを供給すると圧力差が大きいので、衝撃により壊れやすくなるという課題も生じる。
【0007】
また、ケース本体3の一つの面に、空気吸入口5と反応ガス排出口6とを設けるには、水素ガス流路および空気流路ともに、入口と出口が同一面になるように流路をUターン状にする必要があり、流路をUターン状にすると流路が長くなって流路抵抗が増大したり配管が複雑になり、燃料電池本体1内のガス流路構成が並列多パスになっている場合はパス間のガス流量が不均一になり電池特性が劣化するという課題もあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明においては燃料ガスと酸素との電気化学反応により発電する燃料電池本体と、前記燃料電池本体の空気入口と燃料ガス出口のそれぞれに対応して連通した空気供給路と燃料ガス排出路に設けられた密閉手段と、前記燃料電池本体の燃料ガス入口と空気出口とを連通するパージ流路とを備えたものである。
【0009】
この本発明によれば、燃料電池本体内の残留ガス消費による圧力低下を防止することができ、したがって密閉手段の信頼性を高め、電源使用開始ガス供給時の衝撃を防止できるという効果がある。
【0010】
【発明の実施の形態】
第1の構成としては、燃料ガスと空気中の酸素との電気化学反応により発電する燃料電池本体と、前記燃料電池本体の空気入口と燃料ガス出口にそれぞれ繋がる空気供給路と燃料ガス排出路に設けられた密閉手段と、前記燃料電池本体の燃料ガス入口と空気出口とを接続するパージ流路とを備えたものである。
【0011】
また第2の構成としては、燃料電池本体の燃料ガス入口と空気出口とを接続するパージ流路中に酸素濃度検知手段を備えたものである。
【0012】
また第3の構成としては、燃料電池本体の空気出口の下流に容積部を備えたものである。
【0013】
また第4の構成としては、パージ流路を接続する燃料ガス入口と空気出口とを燃料電池本体の一つの面上に設けたものである。
【0014】
また第5の構成としては、一端は燃料ガス入口に接続され、他端には空気出口に着脱自在な接続手段を有するパージ流路と、前記接続手段により前記パージ流路を着脱可能なパージ流路閉止部を備えたものである。
【0015】
また第6の構成としては、パージ流路が接続される空気出口またはその下流に、流路切換電磁弁を設け、通電時はパージ流路を閉止し、非通電時は分岐流路を閉止するものである。
【0016】
また第7の構成としては、密閉手段は、気密・液密性を有し、空気供給路および燃料ガス排出路を覆蓋するフィルム状またはシート状の遮断膜からなるものである。
【0017】
また第8の構成としては、密閉手段として、空気供給路に燃料電池本体上流側の圧力が燃料電池本体内の圧力より所定圧力だけ高くなったときに開成する逆止弁と、燃料ガス排出路に燃料電池本体内の圧力が燃料電池本体下流側の圧力より所定圧力だけ高くなったときに開成する逆止弁の少なくともどちらか一方を備えたものである。
【0018】
本発明は上記構成により以下の作用を有するものである。
すなわち、第1の構成の燃料電池本体の空気供給路と燃料ガス排出路に設けられた密閉手段と、燃料電池本体の燃料ガス入口と空気出口とを接続するパージ流路とを備えた構成により、運転停止時にパージ流路により燃料ガス入口と空気出口とを接続し、燃料電池本体で酸素が消費されて空気出口から排出される空気極排ガスを燃料ガス入口に導入することにより、燃料極内の燃料ガスは不活性な空気極排ガスによりパージされ、電気化学反応を継続することが不可能になるため、燃料電池本体内の残留ガス消費による圧力低下を防止することができる。そしてパージ終了後、空気供給路と燃料ガス排出路を密閉手段により密閉すると、電源非使用時には空気供給路および燃料ガス排出路それぞれの小さなシール範囲で燃料電池本体が確実に密閉されるので、燃料電池本体内への外気や水分、異物等の侵入を防止でき、外気中の水分吸収による電解質濃度の低下、電池特性の劣化を防ぐことができる。
【0019】
また第2の構成の、燃料電池本体の燃料ガス入口と空気出口とを接続するパージ流路中に酸素濃度検知手段を備えた構成により、パージ流路を通って燃料極に導入される空気極排ガス中の残留酸素濃度を監視することができるので、残留酸素と燃料ガスが燃料極内で反応し、急激な発熱や爆発を生じる前に空気極排ガスの導入を停止することができるので、運転停止後の残留ガス消費による圧力低下防止のためのパージを安全に行うことができる。
【0020】
また第3の構成の、燃料電池本体の空気出口の下流に容積部を備えた構成により、電源装置運転中に燃料電池本体で酸素が十分消費されて排出された空気極排ガスを容積部に蓄えておくことができるので、運転停止時に十分量の不活性な空気極排ガスによりパージを安全かつ確実に行うことができる。
【0021】
また第4の構成の、パージ流路を接続する燃料ガス入口と空気出口とを燃料電池本体の一つの面上に設けた構成により、パージ流路の接続や流路の切り換えなど運転停止時のパージに関連する操作を同一面上で行えるので停止操作が簡単に行え、密閉および圧力低下防止を簡単に実現することができるとともに、流路をUターン状にしたり複雑な配管をすることなく、燃料ガス流路と空気流路を対向流に構成すれば、容易に燃料ガス入口と空気出口とを同一面上に構成できるので、流路抵抗の増大や配管の複雑化も防止できる。
【0022】
また第5の構成の、一端は燃料ガス入口に接続され、他端には空気出口に着脱自在な接続手段を有するパージ流路と、接続手段によりパージ流路を着脱可能なパージ流路閉止部を備えた構成により、電源装置運転中にパージ流路閉止部に接続されて閉止されていたパージ流路を、運転停止時に流路閉止部から取り外し、空気出口に取り付けてパージを行えるようにパージ流路を接続することにより、運転時および運転停止時の密閉および圧力低下防止のための流路切り換えを、コストのかからない簡単構成で操作性よく行うことができる。
【0023】
また第6の構成の、パージ流路が接続される空気出口またはその下流に、流路切換電磁弁を設け、通電時はパージ流路を閉止し、非通電時は分岐流路を閉止する構成により、電源装置運転中は電源装置から流路切換電磁弁に通電することによりパージ流路を閉止し、運転停止時には流路切換電磁弁への通電も停止し分岐流路が閉止しパージ流路が連通するので、分岐流路からの空気極排ガスの排出が停止し、燃料ガス入口と空気出口がパージ流路により自動的に連通するので、運転時および運転停止時の密閉および圧力低下防止のための流路切り換えを、少ない部品構成で使用者が操作せずに自動で行うことができる。
【0024】
また第7の構成の、密閉手段は、気密・液密性を有し、空気供給路および燃料ガス排出路を覆蓋するフィルム状またはシート状の遮断膜で構成したことにより、密閉手段の構成部品は遮断膜のみになり得るので、密閉方法も簡単でコストもかからず、電源の軽量化を図ることもできる。
【0025】
また第8の構成の、密閉手段として空気供給路と燃料ガス排出路の少なくともどちらか一方に、それぞれ所定の条件のときのみ開成する逆止弁を設けた構成により、燃料ガスおよび空気が供給され、ガスが上流から下流に流れるときのみ圧力差で逆止弁が開成し、電源使用終了時にガスの供給を停止すると圧力差がなくなり逆止弁が閉成するので、簡単な構成で電源使用時および電源非使用時に密閉手段の開閉操作を必要とせずに運転・停止することができる。
【0026】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施例による電源装置の要部断面図であり、図2は正面図である。図1、図2において電源装置本体1の内部には、空気入口2と燃料ガス出口3と一つの面上の燃料ガス入口4および空気出口5の4つの給排口が設けられた燃料電池本体6と改質装置7とファン8が収納されており、電源装置本体1に設けられた空気供給口9および燃料ガス排出口10は、燃料電池本体6の空気入口2および燃料ガス出口3と、それぞれ空気供給路11および燃料ガス排出路12で繋がっている。電源装置本体1の原燃料供給口13と改質装置7は導管14により接続され、改質装置7と燃料電池本体6とは燃料ガス入口4に繋がり、途中に弁15とその下流に分岐部16を有する燃料ガス供給路17により接続されている。ファン8と燃料電池本体6とは空気供給口9に着脱可能に形成されたファン接続導管18により接続できる構成になっている。
【0027】
また、一端を燃料ガス供給路17の分岐部16に接続されたパージ流路19は、燃料ガス入口4と空気出口5がある燃料電池本体6の一つの面と同じ側の電源装置本体1の面から外部へ出て、その他端は電源装置本体1に設けられた接続口20に接続手段21により接続され、接続口20は空気出口5と空気排出路22により繋がっている。
【0028】
さらに電源装置本体1には、接続口20と同形状であり、パージ流路19の接続手段21が接続可能でパージ流路19を閉塞できるパージ流路閉止部23が設けられている。
【0029】
上記構成により、電源使用時には原燃料供給口13からボンベ等(図示せず)により供給された炭化水素系またはアルコール系の原燃料は、導管14を通り、改質装置7により燃料電池で発電するための燃料ガスとして水素リッチなガスに改質され、パージ流路19はパージ流路閉止部23に接続され閉塞されているのでパージ流路19側を通らずに、開成している弁15を通り分岐部16を経て、燃料ガス入口4から燃料電池本体6に供給される。一方、酸化剤ガスである空気は、ファン8により空気供給口9に接続されているファン接続導管18を通り、空気供給路11を経て空気入口3から燃料電池本体6に供給され、燃料ガスと電気化学反応を生じて発電を行う。
【0030】
そして、燃料電池本体6を出た燃料極排ガスは燃料ガス出口3から燃料ガス排出路12を通り燃料ガス排出口10から、空気極排ガスは空気出口5から空気排出路22を通り接続口20から外気へ排出される。
【0031】
次に電源使用終了後には図1、図2に示すように、パージ流路19をパージ流路閉止部23から取り外して接続口20に接続し、原燃料の供給を停止して燃料ガス供給路17の弁15を閉成する。燃料電池本体6の空気出口5から出た空気極排ガスは、燃料ガスと電気化学反応を生じて酸素が消費されており、この空気極排ガスをパージ流路19を通じて燃料ガス入口4に導入することにより、燃料極内の燃料ガスは不活性な空気極排ガスによりパージされ、電気化学反応を継続することが不可能になる。
【0032】
24はパージ流路19内に設けられた酸素濃度検知手段であり、ここで検知された酸素濃度信号は演算比較部25で急激な発熱や爆発を生じる濃度と比較され、危険な濃度である場合は表示部26に危険表示がされるようになっている。これにより、パージ流路19を通って燃料極側に導入される空気極排ガス中の残留酸素濃度を監視することができるので、残留酸素と燃料ガスが燃料電池本体6の燃料極内で反応し、急激な発熱や爆発を生じる前にパージを停止することができるので、運転停止後の残留ガス消費による圧力低下防止のためのパージを安全に行うことができる。そしてパージ終了後に空気供給口9に接続されたファン接続導管18をはずし、密閉手段である気密・液密性を有する遮断膜24を空気供給路11および燃料ガス排出路12を覆蓋するように空気供給口9および燃料ガス排出口10に貼付する。遮断膜24の片面には給排口に貼付するための粘着材(図示せず)が塗布されているので、簡単でコストもかからず密閉することができ、電源の軽量化を図ることもできる。
【0033】
したがって電源非使用時には、2つの給排口に貼付された遮断膜27とパージ流路19により、空気供給路11および燃料ガス排出路12それぞれの小さなシール範囲で燃料電池本体6が確実に密閉されるので、燃料電池本体6内への外気や水分、異物等の侵入を防止でき、外気中の水分吸収による電解質濃度の低下、電池特性の劣化を防ぐこともでき、長期保管後の再運転に際しての信頼性が向上できる。さらに、不活性な空気極排ガスによるパージにより、燃料電池本体6内の残留ガス消費による圧力低下を防止することができ、これにより密閉手段の信頼性を高め、電源使用開始ガス供給時の衝撃を防止できる。
【0034】
また、燃料ガス入口4と空気出口5とを燃料電池本体6の一つの面上に設けた構成とし、この面と同じ側の電源装置本体1の面から外部へ出ているパージ流路19を、同じ面に設けられたパージ流路閉止部23から接続口20に接続手段21を用いて接続しなおすので、運転時および運転停止時の密閉およびパージに関連する流路切り換え操作を同一面上で簡単に行え、密閉および圧力低下防止を簡単にコストもかけず実現することができるとともに、パージ流路19の長さを短くでき、さらに電源装置本体1内の流路をUターン状にしたり複雑な配管をすることなく、燃料ガス流路と空気流路を対向流に構成すれば、容易に燃料ガス入口4と空気出口5とを同一面上に構成できるので、流路抵抗の増大や配管の複雑化も防止できる。
【0035】
図3は本発明の第2の実施例による電源装置の要部断面図であり、図1、図2と同符号のものは相当する構成要素であり、詳細な説明は省略する。図において、28は空気出口5下流の空気排出路22の途中に設けられた容積部であり、容積部28下流には空気排出路22を通る空気極排ガスを、空気排出口29に繋がる分岐流路30側あるいはパージ流路19側のどちらかへ切り換える流路切換電磁弁31が設けられ、通電時はパージ流路19を閉止して分岐流路30を開通し、非通電時は分岐流路30を閉止してパージ流路19を開通するように構成されている。
【0036】
32は空気供給路11および燃料ガス排出路12に設けられた逆止弁であり、空気供給路11においては空気供給路11内に形成された弁座33の空気入口2側(下流側)に弁体34が配置され、弁体34のさらに下流にバネ支持部35に支持されたバネ36により弁体34の開成圧力が決まるように構成されている。また、燃料ガス排出路12においては燃料ガス排出路12内に形成された弁座33の燃料ガス排出口10側(下流側)に弁体34が配置され、弁体34のさらに下流にバネ支持部35、バネ36が設けられ、逆止弁32の前後に所定の開成圧力がかかったときのみ弁体34が開成するようになっている。
【0037】
上記構成において、電源装置運転中に発電に伴う電気化学反応により、燃料電池本体6で酸素が十分消費されて空気出口5より排出された空気極排ガスは、空気出口5下流の容積部28に蓄えられ、容積部28が満杯になると過剰分は空気排出路22から通電中は分岐流路30側に開いている流路切換電磁弁31を通り、空気排出口29から排出される。そして、電源使用終了後には図3に示すように、原燃料の供給を停止して原燃料供給口13を閉止し運転を停止すると、流路切換電磁弁31への通電が停止して流路切換電磁弁31がパージ流路19側に開き、パージ流路19が空気出口5から燃料ガス入口4まで連通し、パージが始まる。このとき、容積部28には酸素が消費された空気極排ガスが電源装置運転中に蓄えられているので、運転停止時に十分量の不活性な空気極排ガスによりパージができ、パージ中に酸素が消費された空気極排ガスがなくなって、運転停止のため酸素が消費されなかった空気極排ガスと燃料ガスが反応し急激な発熱や爆発を生じることを防ぎ、パージを安全かつ確実に行うことができる。
【0038】
また、電源装置の運転および運転停止操作をすることに伴って、電源装置運転中のパージ流路19の閉止および運転停止時のパージ流路19の連通を流路切換電磁弁31により自動的に行うことができるので、運転時および運転停止時のパージ流路19の接続と燃料ガス入口4および空気出口5の密閉、圧力低下防止のためのパージ流路切り換えを、少ない部品構成で使用者が操作せずに自動で行うことができる。
【0039】
さらに、電源使用時には燃料ガスおよび空気が供給されて供給圧がかかっているので、逆止弁32にはその上流から所定開成圧力以上の圧力がかかり、逆止弁が開成して反応ガスが入口側から出口側へ流れる。そして、電源使用終了後には反応ガスの供給を停止し、空気供給口9に接続されたファン接続導管18をはずすと、逆止弁32前後の圧力差がなくなり逆止弁が閉成するので、燃料電池本体6内は密閉状態になり、外気や水分、異物等の侵入を防止できるとともに、簡単な構成で電源使用時および電源非使用時に密閉手段の開閉操作を必要とせずに運転・停止することができる。
【0040】
なお、図3における説明ではパージ流路19内に酸素濃度検知手段を設けていないが、酸素濃度検知手段を設けるとパージ時の安全性が2重に確保できる。
【0041】
また、本発明の実施例では燃料電池本体6の空気入口2と燃料ガス出口3にそれぞれ繋がる空気供給路11と燃料ガス排出路12に密閉手段である遮断膜27または逆止弁32を設けているが、空気入口2および燃料ガス出口3に直接密閉手段を設けても同様の効果が得られる。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかのように本発明の電源装置によれば、以下の効果を有する。
【0043】
すなわち、第1の構成の燃料電池本体の空気供給路と燃料ガス排出路に設けられた密閉手段と、燃料電池本体の燃料ガス入口と空気出口とを接続するパージ流路とを備えた構成としているので、運転停止時にパージ流路により燃料ガス入口と空気出口とを接続し、燃料電池本体で酸素が消費されて空気出口から排出される空気極排ガスを燃料ガス入口に導入することにより、燃料極内の燃料ガスは不活性な空気極排ガスによりパージされ、電気化学反応を継続することが不可能になるため、燃料電池本体内の残留ガス消費による圧力低下を防止することができ、これにより密閉手段の信頼性を高め、電源使用開始ガス供給時の衝撃を防止できる。そしてパージ終了後に空気供給路と燃料ガス排出路を密閉手段により密閉することにより、電源非使用時には空気供給路および燃料ガス排出路それぞれの小さなシール範囲で燃料電池本体が確実に密閉されるので、燃料電池本体内への外気や水分、異物等の侵入を防止でき、外気中の水分吸収による電解質濃度の低下、電池特性の劣化を防ぐこともでき、長期保管後の再運転に際しての信頼性が向上できる。
【0044】
また第2の構成の、燃料電池本体の燃料ガス入口と空気出口とを接続するパージ流路中に酸素濃度検知手段を備えた構成としているので、パージ流路を通って燃料極に導入される空気極排ガス中の残留酸素濃度を監視することができるので、残留酸素と燃料ガスが燃料極内で反応し、急激な発熱や爆発を生じる前に空気極排ガスの導入を停止することができるので、運転停止後の残留ガス消費による圧力低下防止のためのパージを安全に行うことができる。
【0045】
また第3の構成の、燃料電池本体の空気出口の下流に容積部を備えた構成としているので、電源装置運転中に燃料電池本体で酸素が十分消費されて排出された空気極排ガスを容積部に蓄えておくことができるので、運転停止時に十分量の不活性な空気極排ガスによりパージを安全かつ確実に行うことができる。
【0046】
また第4の構成の、パージ流路を接続する燃料ガス入口と空気出口とを燃料電池本体の一つの面上に設けた構成としているので、パージ流路の接続や流路の切り換えなど運転停止時のパージに関連する操作を同一面上で行えるので停止操作が簡単に行え、密閉および圧力低下防止を簡単に実現することができるとともに、流路をUターン状にしたり複雑な配管をすることなく、燃料ガス流路と空気流路を対向流に構成すれば、容易に燃料ガス入口と空気出口とを同一面上に構成できるので、流路抵抗の増大や配管の複雑化も防止できる。
【0047】
また第5の構成の、一端は燃料ガス入口に接続され、他端には空気出口に着脱自在な接続手段を有するパージ流路と、接続手段によりパージ流路を着脱可能なパージ流路閉止部を備えた構成としているので、電源装置運転中にパージ流路閉止部に接続されて閉止されていたパージ流路を、運転停止時に流路閉止部から取り外し、空気出口に取り付けてパージを行えるようにパージ流路を接続することにより、運転時および運転停止時の密閉および圧力低下防止のための流路切り換えを、コストのかからない簡単構成で操作性よく行うことができる。
【0048】
また第6の構成の、パージ流路が接続される空気出口またはその下流に、流路切換電磁弁を設け、通電時はパージ流路を閉止し、非通電時は分岐流路を閉止する構成としているので、電源装置運転中は電源装置から流路切換電磁弁に通電することによりパージ流路を閉止し、運転停止時には流路切換電磁弁への通電も停止し分岐流路が閉止しパージ流路が連通するので、分岐流路からの空気極排ガスの排出が停止し、燃料ガス入口と空気出口がパージ流路により自動的に連通するので、運転時および運転停止時の密閉および圧力低下防止のための流路切り換えを、少ない部品構成で使用者が操作せずに自動で行うことができる。
【0049】
また第7の構成の、密閉手段は、気密・液密性を有し、空気供給路および燃料ガス排出路を覆蓋するフィルム状またはシート状の遮断膜で構成しているので、密閉手段の構成部品は遮断膜のみになり得るので、密閉方法も簡単でコストもかからず、電源の軽量化を図ることもできる。
【0050】
また第8の構成の、密閉手段として空気供給路と燃料ガス排出路の少なくともどちらか一方に、それぞれ所定の条件のときのみ開成する逆止弁を設けた構成としているので、燃料ガスおよび空気が供給され、ガスが上流から下流に流れるときのみ圧力差で逆止弁が開成し、電源使用終了時にガスの供給を停止すると圧力差がなくなり逆止弁が閉成するので、簡単な構成で電源使用時および電源非使用時に密閉手段の開閉操作を必要とせずに運転・停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における電源装置の要部断面図
【図2】同装置の正面図
【図3】本発明の第2の実施例における電源装置の要部断面図
【図4】従来の電源装置の斜視図
【符号の説明】
2 空気入口
3 燃料ガス出口
4 燃料ガス入口
5 空気出口
6 燃料電池本体
11 空気供給路
12 燃料ガス排出路
19 パージ流路
27 遮断膜
Claims (8)
- 燃料ガスと酸素との電気化学反応により発電する燃料電池本体と、前記燃料電池本体の空気入口と燃料ガス出口のそれぞれに対応して連通した空気供給路と燃料ガス排出路に設けられた密閉手段と、前記燃料電池本体の燃料ガス入口と空気出口とを連通するパージ流路とを備えた電源装置。
- 燃料電池本体の燃料ガス入口と空気出口とを連通するパージ流路中に酸素濃度検知手段を備えた請求項1記載の電源装置。
- 燃料電池本体の空気出口の下流に容積部を備えた請求項1または2記載の電源装置。
- パージ流路を接続する燃料ガス入口と空気出口とを燃料電池本体の一つの面上に設けた請求項1、2または3記載の電源装置。
- 一端は燃料ガス入口に接続され、他端には空気出口に着脱自在な接続手段を有するパージ流路と、前記接続手段により前記パージ流路を着脱可能なパージ流路閉止部を備えた請求項1、2、3または4記載の電源装置。
- パージ流路が接続される空気出口またはその下流に、流路切換電磁弁を設け、通電時はパージ流路を閉止し、非通電時は分岐流路を閉止する請求項1、2、3または4記載の電源装置。
- 密閉手段は、気密・液密性を有し、空気供給路および燃料ガス排出路を覆蓋するフィルム状またはシート状の遮断膜からなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の電源装置。
- 密閉手段として、空気供給路に燃料電池本体上流側の圧力が燃料電池本体内の圧力より所定圧力だけ高くなったときに開成する逆止弁と、燃料ガス排出路に燃料電池本体内の圧力が燃料電池本体下流側の圧力より所定圧力だけ高くなったときに開成する逆止弁の少なくともどちらか一方を備えた請求項1〜6のいずれか1項に記載の電源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01494896A JP3588890B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-01-31 | 電源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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