JP2002373685A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム

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JP2002373685A
JP2002373685A JP2001181087A JP2001181087A JP2002373685A JP 2002373685 A JP2002373685 A JP 2002373685A JP 2001181087 A JP2001181087 A JP 2001181087A JP 2001181087 A JP2001181087 A JP 2001181087A JP 2002373685 A JP2002373685 A JP 2002373685A
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JP
Japan
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fuel cell
hydrogen
gas
cell system
case
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Withdrawn
Application number
JP2001181087A
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English (en)
Inventor
Minoo Mizuno
三能夫 水野
Jinsei Ishidoya
尽生 石戸谷
Hideyuki Tanaka
秀幸 田中
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の大型化を伴うことなく、燃料電池のケ
ース内で水素濃度が上昇しすぎるのを防止する技術を提
供する。 【解決手段】 燃料電池システムにおいて、スタック2
10を収納するスタックケース220内とエアクリーナ
502とを連通させる連通路250が、設けられてい
る。コンプレッサ504を駆動することにより、エアク
リーナ502側が負圧となるため、スタックケース22
0内からエアクリーナ502側に連通路250を介して
気体が流れる。スタックケース220内に水素が漏れ出
した場合には、この水素は連通路250によってエアク
リーナ502に導かれ、酸化ガスとして燃料電池に供給
する空気中に混入される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水素を含有する
燃料ガスと酸素を含有する酸化ガスの供給を受け、電気
化学反応により起電力を得る燃料電池を備える燃料電池
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池システムでは、水素を含有する
燃料ガスを利用して発電を行なうため、水素の漏洩を防
止することが要求される。単セルを複数積層したスタッ
ク構造によって構成される燃料電池本体は、通常は、充
分な強度および剛性を有するケース内に収納することで
保護されている。このようなケース内に燃料電池本体を
収納することによって、不測の外力が加わって燃料電池
本体が損傷を受け、水素含有ガスが外部に漏れ出してし
まうのを防止している。
【0003】このようにケース内に収納して燃料電池本
体を保護する場合にも、長期にわたって燃料電池を継続
して、あるいは繰り返し動作させると、水素を含有する
ガスが燃料電池本体から漏れだしてくる可能性が考えら
れる。例えば、燃料電池本体において、単セルの積層方
向に押圧力を加えることでスタック構造を保持する場合
に、燃料電池本体の温度が昇降を繰り返すときには、部
材の熱膨張と収縮に伴って微量の気体が燃料電池本体か
ら漏れ出す場合が考えられる。水素含有気体が燃料電池
本体から漏れ出すことがあると、たとえ漏れだした水素
量が極微量であっても、漏れだした水素は次第にケース
内に蓄積されてしまう。燃料電池システムでは、たとえ
燃料電池本体から微量の水素がケース内に漏れ出すこと
があっても、ケース内の水素濃度を充分に低く抑えてお
く必要がある。
【0004】このようにケース内における水素濃度が望
ましくない程度に上昇するのを抑えるために、ケース内
に送風機を設けて、ケース内の換気を行なう技術が提案
されている(例えば、特開平11−185781号公報
等)。このような構成とすれば、ケース内に漏れだした
水素濃度が充分に低いうちに、ケース内の水素を積極的
に外部に排出することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成では、ケース内部に換気のための送風機を設け
る必要があり、ケースの大型化、コストアップは避けが
たい。特に、燃料電池システムを車載して車両の駆動用
電源として用いる場合などのように、燃料電池システム
を設置するためのスペースに制限がある場合には、上記
のように装置の大型化を伴う構成は採用し難い場合があ
る。
【0006】本発明は、上述した従来の課題を解決する
ためになされたものであり、装置の大型化を伴うことな
く、ケース内で水素濃度が上昇しすぎるのを防止する技
術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的を達成するために、本発明は、水素を含有する燃
料ガスと酸素を含有する酸化ガスの供給を受け、電気化
学反応により起電力を得る燃料電池システムであって、
前記電気化学反応が進行する電池本体と収納ケースとを
有する燃料電池と、前記燃料電池システムの運転中に前
記収納ケースの内部の圧力とは圧力差を生じる差圧室
と、前記収納ケースの内部と前記差圧室とを連通させる
連通路とを備えることを要旨とする。
【0008】このような燃料電池システムによれば、電
池本体あるいはこれに接続する部材など収納ケース内に
収納された部材から、収納ケース内に、燃料ガスが漏れ
出した場合には、漏れ出したガスは、上記圧力差によっ
て、上記収納ケース内から排出される。したがって、収
納ケース内において、水素濃度を充分に低く抑えること
ができる。このように、収納ケース内から水素を排出さ
せる動作は、連通路すなわち流路を設けるという簡単な
構成によって実現されるため、装置の大型化を招くこと
がない。また、収納ケース内から水素を排出させるため
に特別にエネルギを消費する必要がないため、エネルギ
効率の低下を引き起こすこともない。
【0009】ここで、電池本体とは、例えば、単セルを
積層したスタックとすることができる。
【0010】本発明の燃料電池システムにおいて、前記
差圧室は、前記収納ケースに比べてその内部の圧力が低
いこととしても良い。
【0011】このような構成とすれば、収納ケース内に
燃料ガスが漏れ出した場合には、漏れ出したガスは、上
記圧力差によって、収納ケース内から上記差圧室側に排
出される。なお、このような動作を行なう際には、例え
ば、上記圧力差によって、収納ケースを構成する複数の
部材が互いに接続される部位の隙間から、収納ケース内
に空気が流入することとすればよい。あるいは、外部か
ら収納ケース内に空気を流入させるための細孔を、収納
ケースに設けることとしても良い。
【0012】このような本発明の燃料電池システムにお
いて、前記差圧室は、前記酸化ガスとして前記燃料電池
に供給するために外部から取り込んだ空気を、空気中に
含まれる異物を取り除くためのフィルタに通過させるこ
とによって浄化するエアクリーナであって、前記エアク
リーナによって浄化された空気の流路に設けられ、前記
エアクリーナを介して外部から空気を取り込む吸引力を
発生する空気吸引部をさらに備え、前記連通路は、前記
エアクリーナの内部であって、前記フィルタによって浄
化された空気が通過する部位と、前記収納ケース内部と
を連通させることとしても良い。
【0013】このような構成とすれば、空気吸引部が発
生する吸引力によって、エアクリーナの内部であって上
記フィルタによって浄化された空気が通過する部位は、
収納ケース内に比べて圧力が低くなる。したがって、収
納ケース内に漏れ出した水素は、上記エアクリーナにお
いて、上記フィルタによって浄化された空気が通過する
部位に排出される。なお、空気吸引部としては、コンプ
レッサやエアポンプなどを用いることができる。
【0014】このような本発明の燃料電池システムにお
いて、前記連通路が前記収納ケース内部と接続する接続
部は、前記収納ケースの上面またはその近傍に設けられ
ていることとしても良い。
【0015】水素は、空気を構成する他の成分に比べて
軽い。したがって、上記収納ケース内に水素が漏れ出し
た場合には、漏れ出した水素は、収納ケース内の上方に
集まる。したがって、前記連通路が前記収納ケースと接
続する接続部を、収納ケースの上面またはその近傍に設
けることによって、収納ケース内に漏れ出した水素を効
率よく排出することができる。
【0016】本発明の燃料電池システムにおいて、前記
差圧室は、前記収納ケースに比べてその内部の圧力が高
いこととしても良い。
【0017】このような構成とすれば、上記圧力差によ
って、上記差圧室から上記収納ケース内に気体が流入す
る。これによって、収納ケース内に燃料ガスが漏れ出し
た場合には、漏れ出したガスは収納ケース外に押し出さ
れる。なお、このような動作を行なう際には、例えば、
上記圧力差によって、収納ケースを構成する複数の部材
が互いに接続される部位の隙間から、収納ケース内に漏
れ出したガスが排出されることとすればよい。あるい
は、収納ケース内から外部にガスを排出させるための細
孔を、収納ケースに設けることとしても良い。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて以下の順序で説明する。 A.装置の全体構成: B.燃料電池200における水素漏れ対策: C.変形例
【0019】A.装置の構成:図1は本発明の一実施例
としての車載用燃料電池システムを示す構成図である。
本実施例の燃料電池システム100は、自動車などの車
両に搭載されるものであって、主として、水素ガスの供
給を受けて電力を発生する燃料電池200と、その燃料
電池200に水素ガスを供給する高圧水素ガスタンク3
00と、を備えている。
【0020】このうち、燃料電池200は、水素を含ん
だ水素ガスの他、酸素を含んだ酸化ガス(例えば、空
気)の供給を受けて、アノードとカソードにおいて、下
記に示すような反応式に従って、電気化学反応を起こ
し、電力を発生させている。
【0021】即ち、アノードに水素ガスが、カソードに
酸化ガスがそれぞれ供給されると、アノード側では式
(1)の反応が、カソード側では式(2)の反応がそれ
ぞれ起こり、燃料電池全体としては、式(3)の反応が
行なわれる。
【0022】 H2 → 2H++2e- …(1) 2H++2e-+(1/2)O2 → H2O …(2) H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
【0023】このような燃料電池200を車両の動力源
として用いる場合、燃料電池200から発生された電力
によって駆動モータ(図示せず)を駆動し、その発生ト
ルクをギア(図示せず)によって車軸(図示せず)に伝
達して、車両の推進力を得る。
【0024】また、燃料電池200は、スタックケース
内に、複数の単セルが積層された燃料電池スタックを収
納して構成されている。1つの単セルは、電解質膜(図
示せず)と、それを両側から挟み込む拡散電極(図示せ
ず)であるアノード及びカソードと、さらにそれらを両
側から挟み込む2枚のセパレータ(図示せず)と、で構
成されている。セパレータの両面には、凹凸が形成され
ており、挟み込んだアノードとカソードとの間で、単セ
ル内ガス流路を形成している。このうち、アノードとの
間で形成される単セル内ガス流路には、前述したごとく
供給された水素ガスが、カソードとの間で形成される単
セル内ガス流路には、酸化ガスが、それぞれ流れてい
る。なお、スタックケース内にスタックを収納した燃料
電池200の構成については、後にさらに詳しく説明す
る。
【0025】一方、高圧水素ガスタンク300は、内部
に高圧の水素ガスを蓄えており、根本に取り付けられた
シャットバルブ302を開くことにより、およそ20〜
35MPaの圧力を有する水素ガスが放出される。な
お、本実施例の場合、高圧水素ガスタンク300は、車
両内に4本搭載されている。
【0026】その他、本実施例の燃料電池システム10
0は、図1に示すように、システム内で水素ガスを流通
させるための水素ガス流路と、酸化ガスを流通させるた
めの酸化ガス流路と、電気化学反応に供された後に排出
される酸化ガスであるカソードオフガスに含まれる水を
循環させるための水循環流路601と、システム全体を
制御するためのパワーコントロールユニット700を備
えている。
【0027】このうち、水素ガス流路は、高圧水素ガス
タンク300の放出口から燃料電池200の供給口に至
る本流流路401と、燃料電池200の排出口からポン
プ410を介して本流流路401に戻る循環流路403
と、循環している水素ガス中の不純物を排出するための
排出流路405と、圧力異常時に水素ガスを排出するた
めのリリーフ流路407,409と、水素ガス漏れをチ
ェックする際に用いるリークチェック流路411と、水
素ガス供給ポート428から高圧水素ガスタンク300
の充填口に至る供給流路413と、を備えている。本実
施例では、水素ガスの供給源として高圧水素ガスタンク
300を用いており、高圧の水素ガスを放出することが
できる。
【0028】本流流路401では、高圧水素ガスタンク
300の放出口にシャットバルブ302および放出マニ
ュアルバルブ304が配置されており、流路途中に減圧
バルブ418,熱交換器420および減圧バルブ422
がそれぞれ配置されており、燃料電池200の供給口に
シャットバルブ202が配置されている。また、循環流
路403には、燃料電池200の排出口にシャットバル
ブ204が配置されており、流路途中に、気液分離器4
06,ポンプ410及び逆止弁419がそれぞれ配置さ
れている。また、供給流路413には、高圧水素ガスタ
ンク300の充填口に逆止弁306および充填マニュア
ルバルブ308が配置されている。さらに、排出流路4
05にはシャットバルブ412および水素希釈器424
が、リリーフ流路407にはリリーフバルブ414が、
同じくリリーフ流路409にはリリーフバルブ416
が、リークチェック流路411には、リークチェックボ
ート426が、それぞれ配置されている。
【0029】一方、酸化ガス流路は、燃料電池200に
酸化ガスを供給するための酸化ガス供給流路501と、
燃料電池200から排出されたカソードオフガスが通過
するカソードオフガス排出流路503と、除湿したカソ
ードオフガスを水素希釈器424に導くためのカソード
オフガス導入流路505と、を備えている。
【0030】酸化ガス供給流路501には、エアクリー
ナ502と、コンプレッサ504と、加湿モジュール5
06と、が配置されている。また、カソードオフガス排
出流路503には、調圧弁508と、前述の加湿モジュ
ール506と、気液分離器510と、消音器512と、
オフガス排出口514が配されている。
【0031】また、水循環流路601には、ポンプ60
2,606と、加湿水タンク604と、インジェクタ6
08と、が配されている。
【0032】さらに、パワーコントロールユニット70
0は、図示しない各種センサから得られた検出結果を入
力すると共に、各バルブ202,204,302,41
2や、ポンプ410,602,606や、コンプレッサ
504をそれぞれ制御する。なお、図面を見やすくする
ために、制御線等は省略されている。また、ポンプ41
0や、コンプレッサ504や、ポンプ602,606な
どは、それぞれ、モータによって駆動されるが、それら
についても省略されている。なお、放出マニュアルバル
ブ304および充填マニュアルバルブ308は、それぞ
れ、手動で開閉されるようになっている。
【0033】それではまず、酸化ガスの流れについて説
明する。パワーコントロールユニット700によってコ
ンプレッサ504を駆動すると、大気中の空気が酸化ガ
スとして取り込まれ、エアクリーナ502によって浄化
され、さらに、コンプレッサ504によって加圧された
後、酸化ガス供給流路501を通り、加湿モジュール5
06を介して燃料電池200に供給される。
【0034】供給された酸化ガスは、燃料電池200内
において、上述した電気化学反応に使用された後、カソ
ードオフガスとして排出される。排出されたカソードオ
フガスは、カソードオフガス排出流路503を通り、調
圧弁508を介した後、再び、加湿モジュール506に
流入される。
【0035】前述したように、燃料電池200内のカソ
ード側では、式(2)に従って水(H2O )が生成され
るため、燃料電池200から排出されるカソードオフガ
スは、非常にウェットで、多くの水分を含んでいる。一
方、大気中から取り入れて、コンプレッサ504によっ
て加圧された酸化ガス(空気)は、湿度の低いガスであ
る。本実施例では、酸化ガス供給流路501とカソード
オフガス排出流路503を一つの加湿モジュール506
を通過させ、両者の間で水蒸気交換を行なうことによ
り、非常にウェットなカソードオフガスからドライな酸
化ガスへ水分を与えるようにしている。この結果、加湿
モジュール506から流出され燃料電池200へ供給さ
れる酸化ガスはある程度ウェットになり、加湿モジュー
ル506から流出され車両外部の大気中へ排出されるカ
ソードオフガスはある程度ドライになる。
【0036】こうして、加湿モジュール506において
或る程度ドライになったカソードオフガスは、次に、気
液分離器510に流入される。気液分離器510では、
その内部をカソードオフガスが通過することによって、
カソードオフガスから液体分が除去される。これによっ
てカソードオフガスは、よりドライとなる。また、除去
された水分は回収水として回収され、ポンプ602によ
って汲み上げられて、加湿水タンク604に蓄えられ
る。そして、この回収水はポンプ606によってインジ
ェクタ608に送り出され、コンプレッサ504の流入
口で、インジェクタ608により霧吹きされて、エアク
リーナ502からの酸化ガスに混合される。こうするこ
とによって、酸化ガス供給流路501を通る酸化ガスを
さらにウェットにしている。
【0037】以上のようにして、気液分離器510にお
いてさらにドライになったカソードオフガスは、その
後、消音器512で消音されて、オフガス排出口514
から車両外部の大気中に排出される。
【0038】次に、水素ガスの流れについて説明する。
高圧水素ガスタンク300の放出マニュアルバルブ30
4は、通常時は、常に開いており、充填マニュアルバル
ブ308は、常に閉じている。また、高圧水素ガスタン
ク300のシャットバルブ302と、燃料電池200の
シャットバルブ202,204は、それぞれ、パワーコ
ントロールユニット700によって、燃料電池システム
の運転時には開いているが、停止時には閉じている。そ
の他、排出流路405のシャットバルブ412は、パワ
ーコントロールユニット700によって、運転時には、
基本的に閉じている。なお、リリーフバルブ414,4
16は、通常は閉じており、圧力異常時などの場合に開
いて、過剰な圧力を逃がすように働く。
【0039】運転時において、前述したとおり、パワー
コントロールユニット700がシャットバルブ302を
開くと、高圧水素ガスタンク300からは水素ガスが放
出され、その放出された水素ガスは、本流流路401を
通って燃料電池200に供給される。供給された水素ガ
スは、燃料電池200内において前述の電気化学反応に
使用された後、残りは水素オフガスとして排出される。
排出された水素オフガスは、循環流路403を通って本
流流路401に戻され、再び、燃料電池200に供給さ
れる。このとき、循環流路403の途中に設けられてい
るポンプ410が駆動することによって、循環流路40
3を通る水素オフガスは勢いをつけて本流流路401に
送り出される。こうして、水素ガスは、本流流路401
及び循環流路403を通って循環している。なお、循環
流路403中において、本流流路401との接続点と、
ポンプ410との間には、循環している水素オフガスが
逆流しないようにするために、逆止弁419が設けられ
ている。
【0040】このように、水素オフガスを本流流路40
1に戻して水素ガスを循環させることにより、燃料電池
200で使用される水素量は同じであっても、燃料電池
200に供給される水素ガスの見かけの流量が多くな
り、流速も速くなるため、燃料電池200に対する水素
の供給という観点から、有利な条件を作り出している。
この結果、燃料電池200の出力電圧も上がる。
【0041】また、燃料電池200内では、酸化ガスに
含まれる窒素などの不純物がカソード側から電解質膜を
透過してアノード側に漏れ出してくる。本実施例の燃料
電池システム100では、アノードに供給する水素ガス
を循環させているため、上記不純物は水素ガス流路全体
で均一化される。したがって、電解質膜を介して漏れだ
してきた不純物が蓄積することで燃料電池200におけ
る発電動作に支障を来たすのを抑えることができる。
【0042】もとより、水素ガスを循環して均一化させ
たとしても、燃料電池200内において、カソード側か
らアノード側には不純物が常時漏れ出してくるため、長
時間経てば、均一化された水素ガス中の不純物の濃度は
次第に上がり、それに連れて水素の濃度は低下する。そ
のため、循環流路403から分岐した排出流路405
に、シャットバルブ412を設け、パワーコントロール
ユニット700によって、このシャットバルブ412を
定期的に開いて、循環している不純物を含む水素ガスの
一部を排出している。シャットバルブ412を開くこと
で、不純物を含んだ水素ガスの一部は循環路から排出さ
れ、その分だけ、高圧水素ガスタンク300からの純粋
な水素ガスが導入される。これにより、水素ガス中の不
純物の濃度は下がり、逆に水素の濃度は上がる。この結
果、燃料電池200は、発電を継続して適切に行なうこ
とができる。シャットバルブ412を開く時間間隔は、
運転条件や出力により異なるが、例えば5秒に1回程度
としても良い。
【0043】なお、燃料電池200の発電動作中にシャ
ットバルブ412を開けたとしても、燃料電池200の
出力電圧は一瞬下がるだけで、大きな電圧低下にはなら
ない。シャットバルブ412の開放時間としては、1秒
以下が好ましく、例えば、500msec程度がより好
ましい。
【0044】シャットバルブ412から排出された水素
ガスは、排出流路405を通って、水素希釈器424に
供給される。水素希釈器424には、カソードオフガス
排出流路503から分岐したカソードオフガス導入流路
505を通って、カソードオフガスも供給されている。
水素希釈器424では、これら供給された水素ガスとカ
ソードオフガスとを混合することによって、シャットバ
ルブ412から排出された水素ガスを希釈している。希
釈された水素ガスは、カソードオフガス排出流路503
に送り込まれ、カソードオフガス排出流路503を流れ
るカソードオフガスとさらに混合される。そして、混合
されたガスは、オフガス排出口514から車両外の大気
中に排気される。
【0045】なお、ポンプ410は、パワーコントロー
ルユニット700によって、その駆動が制御されてお
り、燃料電池200の発生した電力の消費量に応じて、
循環流路403を流れる水素オフガスの流速、即ち燃料
としての水素ガスの供給量を変化させている。
【0046】また、高圧水素ガスタンク300の出口近
傍には、1次減圧用の減圧バルブ418と2次減圧用の
減圧バルブ422の2つ減圧バルブが設けられている。
これらの減圧バルブは、高圧水素ガスタンク300内の
高圧の水素ガスを、2段階で減圧している。即ち、具体
的には、1次減圧用の減圧バルブ418によって、およ
そ20〜35MPaからおよそ0.8〜1MPaに減圧
し、さらに2次減圧用の減圧バルブ422によって、お
よそ0.8〜1MPaからおよそ0.2〜0.3MPa
に減圧する。この結果、高圧の水素ガスを燃料電池20
0に供給して、燃料電池200を傷めるということがな
い。
【0047】なお、1次減圧用の減圧バルブ418によ
って、高圧の水素ガスをおよそ20〜35MPaからお
よそ0.8〜1MPaに減圧される。高圧水素ガスタン
ク300からの水素放出は、膨張を伴うために圧力、流
量によって、放出温度が変化する。本実施例では、1次
減圧用の減圧バルブ418と2次減圧用の減圧バルブ4
22との間に、熱交換器420を配置して、減圧後の水
素ガスに対して熱交換する仕組みを採用している。この
熱交換器420には、図示していないが、燃料電池20
0を循環した冷却水が供給されており、その冷却水と温
度変化した水素ガスとの間で熱交換が行なわれる。水素
ガスの温度は、この熱交換器420を通過することによ
って、ほぼ適正な温度範囲となり、燃料電池200に供
給することができる。従って、燃料電池200内では、
十分な反応温度が得られるため、電気化学反応が進み、
適正な発電動作を行なうことができる。
【0048】また、前述したように、燃料電池200内
のカソード側では、式(2)に従って水(H2O) が生
成され、生成された水は電解質膜を通してアノード側に
も入ってくる。従って、燃料電池200から排出される
水素オフガスは、電解質膜を通して入り込んだ上記生成
水によって加湿された状態となる。本実施例では、循環
流路403の途中に気液分離器406を設け、水素オフ
ガスに気液分離器406内を通過させることによって、
水素オフガスに含まれる水分を取り除き、水素オフガス
をより乾燥した状態としてポンプ410に送るようにし
ている。このように、水素オフガスを除湿するため、水
素ガス流路内で水分の滞留が生じることがなく、発電動
作は良好に継続される。
【0049】一方、減圧バルブ418や422が故障す
るなどの異常が生じた場合には、燃料電池200に供給
される水素ガスの圧力が異常に高くなることがあり得
る。本実施例では、本流流路401における減圧バルブ
418の後段で分岐したリリーフ流路407に、リリー
フバルブ414を設けると共に、減圧バルブ422の後
段で分岐したリリーフ流路409に、リリーフバルブ4
16を設けている。この結果、減圧バルブ418から減
圧バルブ422に至る本流流路401中の水素ガスの圧
力が所定値以上に上がった場合に、リリーフバルブ41
4が開いて、また、減圧バルブ422から燃料電池20
0に至る本流流路401中の水素ガスの圧力が所定値以
上に上がった場合には、リリーフバルブ416が開い
て、車両外の大気中に水素ガスを排気して、水素ガスの
圧力がそれ以上高くなるのを防止している。
【0050】高圧水素ガスタンク300に水素ガスを充
填する場合には、車両の側面に設けられている水素ガス
供給ポート428に、水素ガス供給パイプ(図示せず)
をつなぎ、高圧水素ガスタンク300に取り付けられて
いる充填マニュアルバルブ308を手動で開く。こうす
ることで、水素ガス供給パイプから供給される高圧の水
素ガスは、供給流路413を介して高圧水素ガスタンク
300に充填される。なお、高圧水素ガスタンク300
の根本には逆止弁306が設けられており、ガス充填時
の逆流事故を防止している。
【0051】図2は図1の燃料電池システムを搭載した
車両の縦断面を模式的に示した断面図である。本実施例
の燃料電池システム100は、図2に示すように、車両
10全体にわたって配置されている。このうち、車両1
0のフロント部10aには、主として、燃料電池200
や、パワーコントロールユニット700や、コンプレッ
サ504などが配置され、床下部10bには、水素ガス
流路401,403やポンプ410などが配置され、リ
ア部10cには、高圧水素ガスタンク300や水素ガス
供給ポート428などが配置されている。
【0052】図1に示した燃料電池システムの他、フロ
ント部10aには、燃料電池200によって発生された
電力により車両10の推進力を生じさせる駆動モータ8
00や、駆動モータ800の発生したトルクを車軸に伝
えるギヤ810や、駆動モータ800を冷却させるため
のラジエタ820や、エアコン用のコンデンサ830
や、燃料電池200を冷却するためのメインラジエタ8
40などが配置され、床下部10bには、燃料電池20
0を冷却するためのサブラジエタ850などが配置さ
れ、リア部10cには、燃料電池200を補助するため
の2次電池860などが配置されている。
【0053】B.燃料電池200における水素漏れ対
策:図3は、燃料電池200の断面の様子を模式的に表
わす説明図である。燃料電池200では、単セルを積層
して成るスタック210が、スタックケース220内に
収納されている。スタックケース220は、充分な強度
および剛性を備える材料によって形成された上蓋部22
2と収納部224という二つの部材から成っている。ス
タック210は、マウント230によって収納部224
内に固定されている。マウント230は、スタック21
0に伝わる衝撃を吸収する役目も果たしている。スタッ
ク210を内部に収納した収納部224の開口部は、上
蓋部222によって閉じられている。上蓋部222と収
納部224との間は、ガスケット234によって気密性
が確保されると共に、締め付け具232によって両者は
固定されている。
【0054】また、上蓋部222の内壁面には、基板2
40が取り付けられている。基板240は、燃料電池2
00の駆動に関わる制御を行なうための回路の一部を備
えている。すなわち、燃料電池200の内部温度に関わ
る情報など、燃料電池200の動作状態を表わす種々の
信号を入力すると共に、燃料電池200の各部に対して
駆動信号を出力する。基板240は、パワーコントロー
ルユニット700と接続されており、基板240が入力
した燃料電池200の動作状態に関わる検出信号は、基
板240を介してパワーコントロールユニット700に
も伝えられる。また、パワーコントロールユニット70
0からシャットバルブ202やシャットバルブ204に
出力される駆動信号は、基板240を介して伝えられ
る。
【0055】また、上蓋部222には、水素濃度センサ
242が設けられている。水素濃度センサ242は、ス
タック210が配設されたスタックケース220内の空
隙における水素濃度を検出する。水素濃度センサ242
が出力する検出信号は、基板240を介してパワーコン
トロールユニット700に伝えられる。燃料電池200
において不測の事態が生じ、上記スタックケース220
内の空隙に水素が漏れ出した場合には、この水素濃度セ
ンサ242によってこれを検知することができる。上記
したように上蓋部222の内側には基板240が配設さ
れており、上蓋部222は、基板240を取り付けるた
めに部分的に凸部を有している。水素濃度センサ242
は、このように凸部となっている部位に配設されてい
る。水素は、空気を構成する他の気体成分に比べて軽い
ため、スタックケース220内に漏れ出した水素は、ス
タックケース220内の空隙の上方、すなわち凸部に集
まる。したがって、スタックケース220の上方を構成
する上蓋部222の凸部に水素濃度センサ242を設け
ることで、水素漏れがあったときにはいち早くこれを検
知することが可能となる。
【0056】さらに、上蓋部222には、連通路250
が接続している。連通路250は、スタックケース22
0内とエアクリーナ502とを連通させる流路である。
図4は、図1に示した燃料電池システム100の構成に
おいて燃料電池200の近傍を拡大して、連通路250
が設けられた様子を模式的に示した説明図である。ま
た、図5は、燃料電池200とエアクリーナ502との
間に連通路250が設けられている様子を表わす説明図
である。連通路250は、上蓋部222が有する上記凸
部において、スタックケース220内の上記空隙と連通
している。
【0057】エアクリーナ250は、空気浄化用のフィ
ルタを備え、このフィルタを通過させることによって、
外部から取り込んだ空気から異物を取り除く装置であ
る。エアクリーナ250には、図5に示すように、外部
から取り込んだ空気が流入するダスティサイド502b
と、このダスティサイド502bに流入した空気が上記
フィルタを通過して浄化された後に流入するクリーンサ
イド502aとを備えている。連通路250は、クリー
ンサイド502aにおいて、エアクリーナ250内と連
通している。
【0058】酸化ガスとして燃料電池200に供給する
空気は、コンプレッサ504を駆動することで生じる吸
引力によって外部から取り込まれ、エアクリーナ250
で浄化された後に、酸化ガス供給流路501によって燃
料電池200に導かれる。したがって、コンプレッサ5
04よりも上流側に設けられたエアクリーナ250のク
リーンサイド502a内では、外部に比べて圧力が低い
状態となっている。クリーンサイド502aにおける負
圧の程度は、コンプレッサ504における駆動力と、エ
アクリーナ502が備えるフィルタを空気が通過する際
に生じる抵抗の大きさなどによって決まる。
【0059】スタックケース220を構成する上蓋部2
22と収納部224の間の接続部226(図4参照)
は、既述したように締め付け具232およびガスケット
234によって、密着されている。しかしながら、上記
のように圧力の低いクリーンサイド502aとスタック
ケース220内とを連通させると、スタックケース22
0内からクリーンサイド502a側に吸引力が働く。こ
れによって、上蓋部222と収納部224の間の接続部
226より微量の空気がスタックケース220内に流入
し、スタックケース220内からクリーンサイド502
a側に、スタックケース220内の気体が吸引される。
図4では、接続部226から空気が流入する様子、およ
び、連通路250を介して気体が吸引される様子を、矢
印で示した。スタックケース220内からクリーンサイ
ド502aに吸引された気体は、外部から取り込まれて
浄化された空気に混合されて、酸化ガスの一部として燃
料電池200のカソード側に供給される。
【0060】以上のように構成された本実施例の燃料電
池システム100によれば、スタックケース220内に
水素が漏れだした場合にも、漏れだした水素はエアクリ
ーナ502のクリーンサイド502aに吸引されるた
め、スタックケース220内で水素濃度が上昇しすぎる
のを防止することができる。また、このようにスタック
ケース220内に漏れだした水素をスタックケース22
0内から取り除くための動作を、連通路250を設ける
という簡単な構成によって実現するため、装置の大型化
を招くこともない。さらに、スタックケース220内の
水素を取り除くために、外部から酸化ガスである空気を
取り込むために設けたコンプレッサ504の動力を利用
しているため、特別にエネルギを消費することがない。
【0061】また、連通路250は、上方に隆起した構
造として上蓋部222に設けられた凸部において、スタ
ックケース220と接続しているため、スタックケース
220内に漏れ出して上方に集まった水素をいち早く排
出することができる。したがって、スタックケース22
0内への水素の漏れ出しがあった場合にも、水素濃度が
極めて薄いうちに(水素濃度センサ242によって水素
の漏れ出しが検出される前に)水素を排出することがで
きる。また、水素濃度が高くなり易い凸部において水素
を排出することから、スタックケース220内におい
て、部分的であっても、望ましくない程度に水素濃度が
上昇する領域が生じるのを防止することができる。この
ように、スタックケース220における連通路250と
の接続部は、水素が集まりやすい上方に設けることが望
ましい。
【0062】このように、連通路250を介してスタッ
クケース220内から気体が吸い出される際には、既述
したように、上蓋部222と収納部224との接続部よ
り微量の空気がスタックケース220内に流入する。こ
こで、上蓋部222と収納部224とが接続する部位
は、連通路250と上蓋部222との接続部よりも下方
に位置する。したがって、上蓋部222と収納部224
との接続部から空気が流入して、連通路250と上蓋部
222との接続部から排出されるというスタックケース
220内の気体の流れによって、スタックケース220
内の上方に集まる水素を効率よく排出することができ
る。
【0063】なお、既述したように、スタックケース2
20内から排出された水素は、外部から取り込んだ空気
に混合されて、酸化ガスの一部として燃料電池200の
カソード側に供給される。ここで、スタックケース22
0内に漏れ出す水素は通常は極微量であり、これがさら
に空気と混合されるため、酸化ガス中の水素濃度は極め
て低くなる。したがって、連通路250を設けることに
よって電気化学反応に不都合を引き起こすおそれはな
い。
【0064】また、スタックケース220内において、
不測の事態により、連通路250によって汲み出す速度
が不十分となるほど水素の漏れがあったときには、スタ
ックケース220内で水素濃度が上昇を始める。このよ
うな場合には、水素濃度センサ242によってこれを検
知することが可能となる。
【0065】C.変形例:なお、この発明は上記の実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが
可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0066】C1.変形例1:上記実施例では、エアク
リーナ502のクリーンサイド502aとスタックケー
ス220内とは、常に連通路250によって連通された
状態としたが、連通路250に開閉弁を設け、開閉状態
を制御することとしても良い。スタックケース220内
に水素が漏れ出した場合に、スタックケース220内部
で水素濃度が上昇しすぎる前に、スタックケース220
内から水素を排出することができればよい。
【0067】C2.変形例2:上記実施例では、スタッ
クケース220内の空隙への空気の流入は、上蓋部22
2と収納部224との接続部から行なわれることとした
が、スタックケース220内に空気を導入するための細
孔をスタックケース220に設けることとしても良い。
この場合にも、上記細孔を、連通路250と上蓋部22
2との接続部よりも下方に設けることが望ましい。
【0068】C3.変形例3:また、燃料電池システム
において、スタックケース220内に漏れ出した水素を
排出するために、エアクリーナ502のクリーンサイド
502a以外の構成要素と、スタックケース220内と
を連通させることとしても良い。スタックケース220
内に比べて充分に内部圧力が低い構成要素であって、微
量の水素が内部に導入されても支障のないものであれ
ば、同様に用いることができる。図6は、スタックケー
ス220内に漏れ出した水素を排出するための連通路2
50aを備える変形例としての燃料電池システムの構成
を表わす説明図である。連通路250aは、酸化ガス供
給流路501の一部であって、エアクリーナ502とコ
ンプレッサ504とを接続する流路と、スタックケース
220内とを連通させる流路である。酸化ガス供給流路
501において、コンプレッサ504よりも上流側は、
コンプレッサ504を駆動することによって、スタック
ケース220内に比べて圧力が低い状態となる。したが
って、連通路250aを設ける場合にも、連通路250
を設けた上記実施例と同様に気体が流れる。すなわち、
接続部226を介して外部からスタックケース220内
に空気が流入すると共に、スタックケース220内に漏
れだした水素は連通路250aを介して排出可能となる
(図6中の矢印参照)。
【0069】あるいは、燃料電池システムにおいて、ス
タックケース220内に比べて充分に内部圧力が高い構
成要素であって、微量の水素が内部に導入されても支障
のないものと、スタックケース220内とを連通させる
こととしても良い。図7は、スタックケース220内に
漏れ出した水素を排出するための連通路250bを備え
る変形例としての燃料電池システムの構成を表わす説明
図である。連通路250bは、酸化ガス供給流路501
の一部であって、コンプレッサ504と加湿モジュール
506とを接続する流路と、スタックケース220内と
を連通させる流路である。酸化ガス供給流路501にお
いて、コンプレッサ504よりも下流側は、コンプレッ
サ504を駆動することによって、スタックケース22
0内に比べて圧力が高い状態となる。したがって、連通
路250bを設ける場合には、連通路250を設けた上
記実施例とは逆方向に気体が流れる。すなわち、連通路
250bを介してスタックケース220内に空気が流入
すると共に、スタックケース220内に漏れ出した水素
は接続部226を介して排出可能となる(図7中の矢印
参照)。
【0070】また、図8は、スタックケース220内に
漏れ出した水素を排出するための連通路250cを備え
る変形例としての燃料電池システムの構成を表わす説明
図である。連通路250cは、カソードオフガス排出流
路503とスタックケース220内とを連通させる流路
である。コンプレッサ504が空気を加圧して燃料電池
200に供給することにより、燃料電池200から排出
されるカソードオフガスが通過するカソードオフガス排
出流路503は、スタックケース220内に比べて圧力
が高い状態となる。したがって、連通路250cを設け
る場合には、図7と同様の方向に気体が流れる。すなわ
ち、連通路250cを介してスタックケース220内に
空気が流入すると共に、スタックケース220内に漏れ
だした水素は接続部226を介して排出可能となる(図
8中の矢印参照)。
【0071】上記変形例でスタックケース220内と連
通させた各部のように、燃料電池システムの運転中にス
タックケース220(電池本体の収納ケース)の内部の
圧力とは圧力差を生じる差圧室と、収納ケースとを連通
させることで、収納ケース中の水素濃度の上昇を抑える
ことが可能となる。
【0072】C4.変形例4:上記実施例の燃料電池シ
ステム100では、燃料電池200に供給する燃料ガス
として、高圧水素ガスタンク300に充填した水素ガス
を用いたが、異なる構成とすることもできる。例えば、
ガソリンや天然ガスあるいはアルコールなどの炭化水素
系燃料を改質して得られる水素リッチガスを、燃料ガス
として用いることとしても良い。あるいは、水素分離膜
を備えた水素分離装置などを用いて上記水素リッチガス
から抽出した水素を、燃料ガスとして燃料電池200に
供給することとしても良い。水素を含有する燃料ガスを
供給される燃料電池に本発明を適用することにより、燃
料電池の本体部を収納するケース内で、望ましくない程
度に水素濃度が上昇してしまうのを防止することができ
る。
【0073】C5.変形例5:上記実施例では、スタッ
クケース220内に、スタック210およびスタック2
10に接続する配管(本流流路401および循環流路4
03における燃料電池200との接続部近傍部)のみを
収納したが、燃料ガスの供給に関わる他の構成要素をさ
らに収納することとしても良い。燃料電池200に燃料
ガスを供給する動作に関わる構成要素が、燃料電池の本
体部と共にケース内に収納されるシステムにおいて、本
発明を適用することとすれば、ケース内に収納された各
部から水素が漏れ出すことによってケース内の水素濃度
が上昇してしまうのを、防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての車載用燃料電池シス
テムを示す構成図である。
【図2】燃料電池システム100を搭載した車両の縦断
面を模式的に示した図である。
【図3】燃料電池200の断面の様子を模式的に表わす
説明図である。
【図4】燃料電池200の近傍を拡大して、連通路25
0が設けられた様子を模式的に示した説明図である。
【図5】燃料電池200とエアクリーナ502との間に
連通路250が設けられている様子を表わす説明図であ
る。
【図6】連通路250aを備える変形例を表わす説明図
である。
【図7】連通路250bを備える変形例を表わす説明図
である。
【図8】連通路250cを備える変形例を表わす説明図
である。
【符号の説明】
10…車両 10a…フロント部 10b…床下部 10c…リア部 100…燃料電池システム 200…燃料電池 202,204,302,412…シャットバルブ 210…スタック 220…スタックケース 222…上蓋部 224…収納部 226…接続部 230…マウント 232…締め付け具 234…ガスケット 240…基板 242…水素濃度センサ 250…エアクリーナ 250,250a,250b、250c…連通路 300…高圧水素ガスタンク 304…放出マニュアルバルブ 306…逆止弁 308…充填マニュアルバルブ 401…本流流路 403…循環流路 405…排出流路 406…気液分離器 407,409…リリーフ流路 410,602,606…ポンプ 411…リークチェック流路 413…供給流路 414,416…リリーフバルブ 418…減圧バルブ 419…逆止弁 420…熱交換器 422…減圧バルブ 424…水素希釈器 426…リークチェックボート 428…水素ガス供給ポート 501…酸化ガス供給流路 502…エアクリーナ 502a…クリーンサイド 502b…ダスティサイド 503…カソードオフガス排出流路 504…コンプレッサ 505…カソードオフガス導入流路 506…加湿モジュール 508…調圧弁 510…気液分離器 512…消音器 514…オフガス排出口 601…水循環流路 604…加湿水タンク 608…インジェクタ 700…パワーコントロールユニット 800…駆動モータ 810…ギヤ 820…ラジエタ 830…コンデンサ 840…メインラジエタ 850…サブラジエタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 秀幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 CX06 CX10 HH09 5H027 AA06 BA13 BA19 BC11 BC19 KK11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を含有する燃料ガスと酸素を含有す
    る酸化ガスの供給を受け、電気化学反応により起電力を
    得る燃料電池システムであって、 前記電気化学反応が進行する電池本体と収納ケースとを
    有する燃料電池と、 前記燃料電池システムの運転中に前記収納ケースの内部
    の圧力とは圧力差を生じる差圧室と、 前記収納ケースの内部と前記差圧室とを連通させる連通
    路とを備える燃料電池システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料電池システムであっ
    て、 前記差圧室は、前記収納ケースに比べてその内部の圧力
    が低い燃料電池システム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の燃料電池システムであっ
    て、 前記差圧室は、前記酸化ガスとして前記燃料電池に供給
    するために外部から取り込んだ空気を、空気中に含まれ
    る異物を取り除くためのフィルタに通過させることによ
    って浄化するエアクリーナであって、 前記エアクリーナによって浄化された空気の流路に設け
    られ、前記エアクリーナを介して外部から空気を取り込
    む吸引力を発生する空気吸引部をさらに備え、 前記連通路は、前記エアクリーナの内部であって、前記
    フィルタによって浄化された空気が通過する部位と、前
    記収納ケース内部とを連通させる燃料電池システム。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載の燃料電
    池システムであって、 前記連通路が前記収納ケース内部と接続する接続部は、
    前記収納ケースの上面またはその近傍に設けられている
    燃料電池システム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の燃料電池システムであっ
    て、 前記差圧室は、前記収納ケースに比べてその内部の圧力
    が高い燃料電池システム。
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