JP2003076416A - 作業機械のメンテナンスシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メンテナンスデータベースと切り離して機種
に応じたメンテナンスマニュアル等のデータを機種別情
報データベースで管理し、機種データに基づいて２つの
データベースの整合を取り、メンテナンス作業の一元化
を図り、メンテナンスと修理の作業時間を低減し、メン
テナンス作業の効率を高める。 【解決手段】 メンテナンスモニタ装置２１を備えた油
圧ショベル１１と、故障情報と稼働情報を機械ごとに管
理するメンテナンス管理サーバ１２と、機種別情報サー
バ１３と、サービス員用携帯電話１４とから構成され
る。メンテナンスモニタ装置、メンテナンス管理サー
バ、機種別情報サーバ、携帯電話は、インターネット１
５を介して接続される。油圧ショベルで故障が発生した
とき、メンテナンスモニタ装置は故障情報をメンテナン
ス管理サーバへ送信し、メンテナンス管理サーバは故障
の発生情報を携帯電話に送信しその表示部に表示させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、作業機械のメンテ
ナンスシステムに関し、特に、油圧ショベル等の作業機
械におけるエンジン、油圧ポンプ、油圧モータ、稼働機
構や部品などの故障を遠隔地から監視し、メンテナンス
マニュアルや修理部品の在庫等をネットワークを介して
一元的に管理する作業機械のメンテナンスシステムに関
する。

【０００２】

【従来の技術】作業現場に置かれた建設機械等の作業機
械の従来の故障診断は、通常、故障診断を行うサービス
員が当該現場に出向き、建設機械の外装を外す等の付帯
作業を行い、各種センサの導通チェック等の点検を行
い、その後に点検結果に基づき、かつ修理マニュアルを
参照しつつサービス員の経験、知識に従って故障箇所、
故障原因等を判断するようにしていた。次にサービス員
は、故障診断の結果、顧客の要望に沿って故障を修理す
ることが求められる。故障内容に応じてサービス員は現
場で故障を即座に修理できる場合もあるが、経験が不足
していたり、あるいは故障が複雑な場合には、より詳細
な修理マニュアルを参照して修理することが必要な場合
も起き得る。さらに故障修理のため部品交換をしなけれ
ばならないこともある。詳細な修理マニュアルが必要な
とき、あるいは交換部品の在庫を調べるときには、事務
所に戻るようにしていた。

【０００３】特開平７−３０９７７号公報（特許２７６
７３６３号公報）に開示される「駆動機械のデータ収集
装置」に基づく故障診断によれば、車体コントローラを
備えた建設機械において、当該車体コントローラと外部
コントローラを通信線を介して接続し、２つのコントロ
ーラの間で通信を行い、車体コントローラで故障診断プ
ログラムを実行させ、外部コントローラは故障データを
収集し、この故障データに基づいて故障診断を行うよう
に構成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】作業機械が置かれた現
場にサービス員が出向いて故障を診断する方法は手間が
かかり、メンテナンス作業の作業効率が悪い。さらに現
場で故障の修理を即座に行えない場合には、詳細な修理
マニュアルの情報や交換部品の在庫情報を得るために事
務所に戻る必要も生じ、サービス員にとって不便で、作
業効率をいっそう低減する。またかかる場合には、顧客
にとっても何時故障が直るのか不明であり、作業の予定
を立てることができない。さらに故障修理に要する費用
見積りも直ぐに用意できないという問題も生じる。

【０００５】特開平７−３０９７７号公報に開示される
故障診断法では、故障診断の作業が簡易化され、作業効
率の向上に役立つ。しかしながら、サービス員は現場ま
で外部コントローラを運び、この外部コントローラを、
建設機械に搭載された車体コントローラに接続し、故障
診断プログラムを起動させることが必要である。サービ
ス員が現場まで出向くという意味では、上述した従来の
故障診断法と同じ問題を有している。また故障の修理の
点での上記問題は解消されていない。

【０００６】他方、近年では、顧客の要求に応じて建設
機械は多種多様の機種構成となり、機種に応じて仕様が
変わり、機種に応じたメンテナンスや修理のためのマニ
ュアルや故障診断ツール等が個別に必要になってきてい
る。そのため、メンテナンスマニュアル等の管理も多大
になり、さらに故障修理用の部品も各機種ごとのパーツ
リスト等を参照して在庫確認や発注等の作業を別途に行
う必要がある。従ってメンテナンス・修理のための時間
と手間がかかる。

【０００７】さらに最近では多数台の建設機械を保有す
るレンタル会社が存在し、このレンタル会社によれば、
自社で機械の管理を行い、メンテナンスや修理を行う場
合がある。このようなレンタル会社でも、メンテナンス
の面では、機械メーカの場合と同様に、前述した問題が
起きている。

【０００８】本発明の目的は、上記問題を解決すること
にあり、機種に応じたメンテナンスマニュアルやパーツ
リスト等のデータを機械メーカの機種別情報データベー
スで管理し、機械メーカやレンタル会社等が管理するメ
ンテナンスデータベースを切り離して構築し、機種に基
づき２つのデータベースの整合を取り、メンテナンス作
業の一元化を図り、メンテナンス・修理の作業時間を低
減し、作業の効率を高め、レンタル会社等の独自に機械
管理を行っているユーザに有効な作業機械のメンテナン
スシステムを提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段および作用】本発明に係る
作業機械のメンテナンスシステムは、上記目的を達成す
るために、次のように構成される。

【００１０】第１の作業機械のメンテナンスシステム
（請求項１に対応）：このメンテナンスシステムは、通
信手段を有するメンテナンスモニタ装置を備えた少なく
とも１台の作業機械と、作業機械の故障情報と稼働情報
を作業機械ごとに管理するメンテナンス管理サーバと、
機種別情報サーバと、サービス員用携帯端末とから構成
される。作業機械のメンテナンスモニタ装置、メンテナ
ンス管理サーバ、機種別情報サーバ、携帯端末は、イン
ターネットを介して接続され、相互に必要に応じて故障
の発生事実や故障内容、所定のデータ、必要な情報等を
送受できるように構成されている。メンテナンスシステ
ムで管理される対象の作業機械は、作業現場等の遠隔の
地にある。サービス員も複数人であるので、携帯端末も
少なくとも１台である。携帯端末としては、好ましく
は、表示部を備えかつインターネット対応の携帯電話が
用いられる。作業機械のメンテナンスモニタ装置は、作
業機械に係る稼働情報および故障情報を収集してその内
蔵記憶部に保存しかつ通信手段およびインターネットを
介してメンテンナンス管理サーバに送信する。メンテナ
ンス管理サーバは、稼働情報と故障情報を受信して作業
機械ごとに稼働情報と故障情報を保存する。さらに機種
別情報サーバは、機種別に、マニュアルデータベースと
部品在庫データベースと見積りデータベースを備えてい
る。かかる構成において、作業機械で故障が発生したと
き、メンテナンスモニタ装置は故障に係る情報をメンテ
ナンス管理サーバへ送信し、他方、メンテナンス管理サ
ーバは故障の発生事実を上記の携帯端末に送信しその表
示部に表示させる。

【００１１】上記の作業機械のメンテナンスシステムに
よれば、故障発生時の対応方法の把握、故障修理に要す
る部品の在庫確認、さらに必要な場合には発注作業とい
った一連の作業を一括して行うことができ、メンテナン
スに費やす作業時間を低減することが可能となる。作業
機械で故障状態が発生すると、その状態は、搭載された
メンテナンスモニタ装置によって収集され、メンテナン
ス管理サーバにインターネット等を利用して自動的に知
らされる。故障発生に係る情報を受信したメンテナンス
管理サーバは、作業機械ごと（機種・号機ごと）のファ
イルに故障情報を保存すると同時に、関係するサービス
員の携帯端末に対して対象となる作業機械で故障が発生
した事実および故障内容を通知する。これにより、サー
ビス員は、現場に出向かなくても、どの作業機械でどの
ような故障が発生したのかを容易にかつ正確に知ること
ができる。さらにメンテナンスシステムにおいて、サー
バシステムを、メンテナンス管理を行うメンテナンス管
理用サーバと、機械メーカが管理する機種別情報サーバ
を分け、メンテナンス管理サーバは機械メーカ、ディー
ラ、レンタル会社、顧客等に所属させ、機種別情報サー
バは機械メーカに所属させることにより、データの保守
管理を合理的に行うことが可能である。

【００１２】第２の作業機械のメンテナンスシステム
（請求項２に対応）は、上記の構成において、好ましく
は、携帯端末からメンテナンス管理サーバへ送られるメ
ンテナンスマニュアルの要求に基づき、メンテナンス管
理サーバは機種別情報サーバにアクセスしてマニュアル
データベースを検索させ、機種別情報サーバは要求に応
じたマニュアル情報を取得し携帯端末に送信するように
構成される。この構成によれば、サービス員は、故障の
修理に関して情報が不充分であるときには、通信手段を
介して、メンテナンスマニュアルを得ることができ、現
場に故障マニュアル等を持ち運ぶ必要がなく、また事務
所に戻る必要もないので、メンテナンス作業の効率を高
めることができる。

【００１３】第３の作業機械のメンテナンスシステム
（請求項３に対応）は、上記の構成において、好ましく
は、機種別情報サーバは、故障内容に応じて部品在庫デ
ータベースと見積りデータベースを検索し、故障修理用
部品の在庫情報と故障修理に係る見積り情報とを取得
し、携帯端末に送信するように構成される。この構成に
よれば、故障修理に必要な部品の在庫情報を得ることが
できるので、現場において、部品入手時や修理日を即座
に決めることができ、さらに修理に要する費用を容易に
かつ迅速に求めることができる。また在庫情報に基づい
て、携帯端末を利用して発注を行うことも可能である。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を添付図面に基づいて説明する。

【００１５】実施形態で説明される構成、形状、大きさ
および配置関係については本発明が理解・実施できる程
度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、
以下に説明される実施形態に限定されるものではなく、
特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しな
い限り様々な形態に変更することができる。

【００１６】図１は本発明に係るメンテナンスシステム
の全体的な構成を示す。この実施形態では作業機械とし
て油圧ショベルの例が示されている。図１では、作業現
場に配備された油圧ショベル１１と、メンテナンス管理
サーバ１２と、機種別情報サーバ１３と、携帯電話１４
が示されている。これらは、インターネット（電気通信
回線）１５を介して接続され、相互にデータ等の送受が
行えるように構成されている。

【００１７】図１では、油圧ショベル１１は１台の例が
示されている。油圧ショベル１１の台数は任意であり、
通常、多数台の油圧ショベルが管理対象となる。油圧シ
ョベル１１は制御装置１６を搭載している。制御装置１
６は、コンピュータで構成され、稼働制御部、演算処理
部、記憶部、通信装置等を備えている。稼働制御部は、
油圧ショベル１１の作業動作におけるエンジンや作業機
械部の動作を制御する機能部であり、記憶部に用意され
た稼働制御プログラムを実行することにより機能が実現
される。演算処理部は、各種制御プログラム等を実行し
たり、あるいは稼働センサ等から得られる動作状態に係
る検出情報に基づき制御に必要な制御データを生成す
る。記憶部は各種のプログラムや稼働状態やメンテナン
ス等で得られた動作データ等が保存される。通信装置
は、演算処理部が、アンテナ１７や電波等の無線手段１
８およびインターネット１５を経由して外部との間でデ
ータ等の授受に係る通信を行うときに、これを実行する
手段である。油圧ショベル１１は、制御装置１６の通信
装置に基づき、インターネット１５を経由して外部と情
報の送受を行えるように構成されている。油圧ショベル
１１の制御装置１６は、さらに、油圧ショベルの稼働状
態、メンテナンス状態、故障状態を監視する機能、すな
わちメンテナンスモニタ装置を備えている。

【００１８】図２に従って油圧ショベル１１に設けられ
る上記メンテナンスモニタ装置を説明する。メンテナン
スモニタ装置２１は、コンピュータから成る制御装置１
６で実現される。制御装置１６は、ＣＰＵ２２、記憶部
（メモリ）２３、センサ入力インターフェース（Ｉ／
Ｆ）２４、表示インターフェース（Ｉ／Ｆ）２５および
通信インターフェース（Ｉ／Ｆ）２６から構成される。
油圧ショベル１１のエンジン、油圧系統、燃料供給系統
等の機械各部に稼働センサ２７が配置され、これらの稼
働センサ２７が検出した稼働に関する信号はセンサ入力
インターフェース２４を介してＣＰＵ２２に入力され
る。ＣＰＵ２２は入力された各種の稼働信号に基づく稼
働データを記憶部２３に格納する。記憶部２３には各種
処理のためのプログラムとデータが記憶されている。プ
ログラムには、例えば、稼働制御用プログラム、定期的
なメンテナンス処理プログラム、故障診断プログラム等
が含まれる。また記憶されるデータには、稼働データ、
機種・号機のデータ、アタッチメントに関する情報、メ
ンテナンスのデータおよび情報、故障情報が含まれる。
油圧ショベルの運転室には動作指令のための各種の操作
手段２８が設けられている。操作手段２８からの操作信
号はＣＰＵ２２に入力される。制御装置１６は、表示装
置２９を備える。この表示装置２９は運転室等に配備さ
れた車載用の表示装置である。ＣＰＵ２２から表示イン
ターフェース２５を経由して表示されるべきデータが送
られ、表示装置２９の画面にメンテナンスに係る情報の
表示が行われる。さらにメンテナンスモニタ装置２１は
前述した通信装置３０が接続されている。この通信装置
３０はデータ通信端末として機能する。通信装置３０を
介して制御装置１６とメンテナンス管理サーバ１２や機
種別情報サーバ１３との間で各種のデータの送受が行わ
れる。通信装置３０は通信インターフェース２６を介し
てＣＰＵ２２と接続される。

【００１９】上記構成を有するメンテナンスモニタ装置
２１によれば、稼働制御に係る稼働データ、定期的に実
行されるメンテナンス処理によるメンテナンスデータが
収集され、記憶部２３に記憶される。稼働データ、メン
テナンスデータ等は、送信プログラムに基づき適宜なタ
イミングで通信装置３０を介してインターネット１５を
経由してメンテナンス管理サーバ１２へ送信される。メ
ンテナンス管理サーバ１２では、稼働データおよびメン
テナンスデータを、対応するファイルに稼働情報として
記録する。また油圧ショベル１１で故障が発生すると、
ＣＰＵ２２で故障診断プログラムが実行され、故障情報
が収集され、記憶部２３に記憶される。故障情報は、同
時に、送信プログラムに基づき即座に通信装置３０を介
してインターネット１５を経由してメンテナンス管理サ
ーバ１２へ送信される。メンテナンス管理サーバ１２で
は、受信した故障情報を、油圧ショベル１１の機種およ
び号機に対応するファイルに記録する。

【００２０】上記の構成において、メンテナンス管理サ
ーバ１２と機種別情報サーバ１３は、２つの別々のサー
バとして、独立に分けて構成されている。メンテナンス
管理サーバ１２は、油圧ショベルの機械メーカまたはレ
ンタル会社等によって運営管理される。メンテナンス管
理サーバ１２には、通常のコンピュータとしての基本構
成と共に、機械情報データベースが１２ａが設けられて
いる。機械情報データベース１２ａには、各油圧ショベ
ルごとにファイル３１が設けられる。各ファイル３１に
は、機種情報、仕様、号機、故障情報、稼働情報のデー
タが保存されている。機種別情報サーバ１３は、通常の
コンピュータとしての基本構成と共に、機種ごとに、マ
ニュアルデータベース１３ａ、部品在庫データベース１
３ｂ、見積りデータベース１３ｃを備えている。マニュ
アルデータベース１３ａは、故障情報に応じて当該故障
を処置する作業手順に係るデータが保存されている。部
品在庫データベース１３ｂには、機種ごとに使用されて
いる部品の在庫状態がデータ管理されている。部品在庫
データベース１３ｂのデータは部品の補給が必要な場合
に検索され、用いられる。

【００２１】携帯電話１４は、サービス員によって携帯
されかつ利用されるインターネット通信対応の携帯端末
である。携帯電話１４は表示部を備える。この表示部に
は、必要に応じてメンテナンス管理サーバ１２あるいは
機種別情報サーバ１３から送信される故障に関する情
報、修理部品の在庫情報、修理に関する見積り情報等が
表示される。なお携帯電話１４は携帯端末の一例であ
り、携帯端末は携帯電話１４に限られない。

【００２２】図３を参照して、油圧ショベル１１で発生
した故障の例をとって、故障発生から携帯電話１４での
マニュアル表示までの手順についてデータの流れを中心
に説明する。

【００２３】油圧ショベル１１の機械本体で故障が発生
すると、故障情報は、前述の通り、メンテナンス管理サ
ーバ１２に送信される（手順Ｓ１）。故障情報は、油圧
ショベル１１に係る機種・号機ごとに、メンテナンス管
理サーバ１２での機械情報データベース１２ａ内の該当
するファイル３１に、機種、稼働情報と共に記録され
る。メンテナンス管理サーバ１２は、次に、サービス員
が携帯する携帯電話１４に対して油圧ショベル１１に関
して故障が発生したことを通知する（手順Ｓ２）。サー
ビス員は携帯電話１４を通して故障内容を知らされる。
故障内容に関して、サービス員は、自身が故障に対する
対応が分かるときには当該対応を行い、対応が分からな
いときにはメンテナンス管理サーバ１２にアクセスして
故障に対応するマニュアルを要求する（手順Ｓ３）。メ
ンテナンス管理サーバ１２は、サービス員から携帯電話
１４によって対応マニュアルの要求を受けると、機種別
情報サーバ１３にアクセスし（手順Ｓ４）、マニュアル
データベース１３ａにおいてマニュアル検索を行う。マ
ニュアルデータベース１３ａでのマニュアル検索におい
て対応するマニュアルが見つかると、当該マニュアル情
報を携帯電話１４に送信し（手順Ｓ５）、携帯電話１４
の表示部に対応マニュアルが表示される。従って、サー
ビス員は携帯電話１４の表示部に表示されるマニュアル
に従って油圧ショベル１１における故障に対処すること
ができる。

【００２４】上記のごとく、サービス員が例えば油圧シ
ョベル１１から離れた場所にいる場合、あるいは移動中
の場合に、メンテナンス管理サーバ１２からの故障通知
を受けることにより、発生故障情報の確認を行うことが
できる。さらに油圧ショベル１１の故障の通知を受けた
ときであってかつその故障内容に対する対応が分からな
いときであっても、メンテナンス管理サーバ１２に接続
して対応マニュアルを要求することにより、故障対応の
マニュアルをその場で即座に取得することができ、事務
所に戻る必要がなく、油圧ショベル１１が置かれた作業
現場へ直接に出向くことができる。

【００２５】前述の実施形態では、機種別情報サーバ１
３におけるマニュアルデータベース１３ａのみを利用し
た例であったが、携帯電話１４に送られる故障情報に係
る通知では、故障に対応する場合に修理のための部品が
必要とされることがある。この場合には、修理に必要な
部品の在庫状況に関して機種別情報サーバ１３に備えら
れた部品在庫データベース１３ｂで情報を探して在庫状
況を調べることができ、これによりサービス員は、機種
別情報サーバ１３から送られる情報に基づき携帯電話１
４を介して発注を行うことができ、これにより納期可能
日を即座に知ることができる。これによって、サービス
員は、現場で、油圧ショベル１１の利用者である顧客に
対して修理対応日等を提示することができる。

【００２６】機種別情報サーバ１３に備えられた見積り
データベース１３ｃには、故障修理の内容に応じてその
修理に要する費用の見積りに係るデータが格納されてい
る。従って、修理見積りに関して、要求に応じてあるい
は自動的に、修理に応じた見積りを見積りデータベース
１３ｃから得ることができる。得られた見積りに係るデ
ータは、機種別情報サーバ１３から、前述したマニュア
ルデータベース１３ａに基づく対応マニュアルに係るデ
ータ、あるいは部品在庫データベース１３ｂに基づく納
期可能日に係るデータと共に、携帯電話１４に送られ
る。これによりサービス員は修理見積りを顧客に対して
その場で提示することができる。

【００２７】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、油圧ショベル等の現場に置かれた作業機械の稼働
状態の把握、メンテナンスや故障発生時の修理に対応す
るように構築されたメンテナンスシステムにおいて、サ
ービス員の携帯する端末装置に対して、メンテナンス管
理サーバから故障に係る情報を自動的に知らせるように
構成し、さらに端末装置からメンテナンス管理サーバへ
必要な情報提供を要求できるように構成したため、サー
ビス員はどこの場所に居ても故障情報を得ることがで
き、必要に応じて機種別情報サーバから故障に関する対
応マニュアル情報、修理に必要な部品在庫情報、さらに
修理に係る費用についての見積り情報を知らせることが
でき、サービス員にて、作業機械の故障発生時の対応方
法を容易、迅速、かつ正確に把握することができ、修理
部品の在庫状態の確認を容易に行うことができる。本発
明に係るメンテナンスシステムによれば、携帯端末を利
用することにより、現場等の外地においても故障修理の
作業を一括して行うことができ、メンテナンスおよび故
障修理に費やす作業時間を低減することができる。さら
にサーバシステムの構成を、メンテナンス用管理サーバ
と、機種別情報サーバを分けることにより、各種のデー
タの保守・管理を合理的にかつ確実に行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る作業機械のメンテナンスシステム
の全体構成を概略的に示すシステム構成図である。

【図２】油圧ショベルの制御装置に設けられるメンテナ
ンスモニタ装置の構成を示すブロック図である。

【図３】故障発生時の情報の流れ（処理動作）を示すフ
ローチャートである。

【符号の説明】

１１ 油圧ショベル １２ メンテナンス管理サーバ １３ 機種別情報サーバ １４ 携帯電話 １５ インターネット １６ 制御装置 ２１ メンテナンスモニタ装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｈ０４Ｂ 7/26 Ｈ０４Ｂ 7/26 Ｍ (72)発明者 杉山 玄六 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 足立 宏之 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Ｆターム(参考） 5H223 AA17 CC08 CC09 DD07 EE06 FF09 5K067 AA21 BB02 BB21 DD51 EE02 EE10 EE16 FF02 FF23

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通信手段を有するメンテナンスモニタ装
   置を備えた少なくとも１台の作業機械と、前記作業機械
   の故障情報と稼働情報を作業機械ごとに管理するメンテ
   ナンス管理サーバと、機種別情報サーバと、サービス員
   用携帯端末とから成り、前記作業機械のメンテナンスモ
   ニタ装置とメンテナンス管理サーバと前記機種別情報サ
   ーバと前記携帯端末はインターネットを介して接続され
   るように構成されたメンテナンスシステムであり、 前記作業機械の前記メンテナンスモニタ装置は、前記作
   業機械に係る稼働情報および故障情報を収集して記憶部
   に保存しかつ前記通信手段および前記インターネットを
   介して前記メンテンナンス管理サーバに送信し、 前記メンテナンス管理サーバは、前記稼働情報と前記故
   障情報を受信して、前記作業機械ごとに前記稼働情報と
   前記故障情報を保存し、 前記機種別情報サーバは、機種別に、マニュアルデータ
   ベースと部品在庫データベースと見積りデータベースを
   備え、 前記作業機械で故障が発生したとき、前記メンテナンス
   モニタ装置は前記故障に係る情報を前記メンテナンス管
   理サーバへ送信し、前記メンテナンス管理サーバは前記
   故障の発生事実を前記携帯端末に送信しその表示部に表
   示させることを特徴とする作業機械のメンテナンスシス
   テム。
2. 【請求項２】 前記携帯端末から前記メンテナンス管理
   サーバへ送られるメンテナンスマニュアルの要求に基づ
   き、前記メンテナンス管理サーバは前記機種別情報サー
   バにアクセスして前記マニュアルデータベースを検索さ
   せ、前記機種別情報サーバは前記要求に応じたマニュア
   ル情報を取得し前記携帯端末に送信することを特徴とす
   る請求項１記載の作業機械のメンテナンスシステム。
3. 【請求項３】 前記機種別情報サーバは、故障内容に応
   じて前記部品在庫データベースと前記見積りデータベー
   スを検索し、故障修理用部品の在庫情報と故障修理に係
   る見積り情報とを取得し、前記携帯端末に送信すること
   を特徴とする請求項２記載の作業機械のメンテナンスシ
   ステム。