JP2003076028A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2003076028A
JP2003076028A JP2001269844A JP2001269844A JP2003076028A JP 2003076028 A JP2003076028 A JP 2003076028A JP 2001269844 A JP2001269844 A JP 2001269844A JP 2001269844 A JP2001269844 A JP 2001269844A JP 2003076028 A JP2003076028 A JP 2003076028A
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JP2001269844A
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Shinji Fujimoto
進二 藤本
Minoru Maeda
稔 前田
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾式で、解像力および網点再現性の優れた高
画質の画像を高感度に形成することができる画像形成方
法を提供する。 【解決手段】 支持体上11に、着色感光層12と、着
色感光層12に隣接する隣接層13とを順次有する感光
材料14の着色感光層12を隣接層13側から画像様に
露光して、潜像を形成する潜像形成工程と、潜像が形成
された感光材料14と受像材料17とを接触させて加熱
及び/又は加圧して貼り合わせるラミネート工程と、感
光材料14と受像材料17とを剥離し、少なくとも露光
部分の着色感光層12を受像材料17に転写して、受像
材料17上に画像を形成する画像形成工程と、を有し、
前記潜像形成工程、ラミネート工程及び画像形成工程を
同一の受像材料17を用いて二回以上繰り返し、多色画
像を形成する画像形成方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾式現像による画
像形成方法に関する。詳しくは、印刷校正用のカラープ
ルーフ、中でもデジタル信号からレーザー記録により直
接カラープルーフを得る方法(Digital Dir
ect Color Proof)や、多色ディスプレ
イの作製等に有用な多色の画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グラフィックアーツ分野において、カラ
ー原稿からの一組の色分解フィルムを用いて印刷版焼き
付けが行われているが、本印刷を行う前に、色分解フィ
ルムからカラープルーフを作成し、色分解工程での誤り
チェック、色補正の必要性チェック等が一般に行われて
いる。このカラープルーフ用の材料としては、印刷物と
の高い近似性から、印刷本紙上での画像形成と共に、色
材として顔料の使用が好ましいとされている。更に、中
間調画像の高再現性を可能にする高解像力、および高い
工程安定性と共に、近年は現像液を使用しない乾式プル
ーフ作成法が必要とされている。
【0003】従来からのカラー印刷の校正方法として、
印刷校正機を使用して、校正刷りを行い、色校正を行う
方法がある。しかしながらこの方法は、手間と時間がか
かり、また、高度に熟練性が必要とされ、その信頼性に
も限度があった。
【0004】一方、これら印刷法に代わって、より手軽
で簡易に行う方法として、写真法による各種校正法が開
発されている。これら写真法による色校正法にはフォト
ポリマーを使用する色校正法(プリプレスプルーフ)が
あり、広く用いられている。
【0005】フォトポリマーの代表的な系である光重合
系の場合、写真法による中間フィルムをマスクとして露
光する従来プロセス用として、後述するような多くの方
法が実用に供されている。高画質のカラープルーフを得
るためには、一般的には150線/インチ以上の網点画
像を再現させる必要があるが、この方法では、解像力は
基本的に十分高い性能を有している。また、従来の光重
合系開始剤の多くは近紫外域に感光するが、一方で、特
開昭54−155292号公報に示されるように、感光
波長域を可視域まで広げる分光増感剤が現在まで数多く
開発されている。そのためアルゴンイオンレーザー、ヘ
リウムカドミウムレーザー等の可視光波長のレーザーに
対して、高い記録感度を実現することは比較的容易にな
りつつある。
【0006】ここで、最近の印刷前工程(プリプレス分
野)における電子化システムの普及と、工程短縮化、フ
ィルム等の消耗品使用量低減の要求から、リスフィルム
のような中間材料を経由しないで、ディジタル画像信号
から直接カラープルーフを作成する材料と記録システム
に対する要求が高まっている。そのためディジタル信号
から高画質のプルーフを記録するために、ディジタル信
号で変調可能で、かつ記録光を細く絞り込むことが可能
なレーザー光を、記録ヘッドとして使用することが好ま
しい。そのため記録材料には、網点再現可能な高解像力
と共に、レーザー光に対する高い記録感度が必要とされ
る。しかし、本質的な問題として、ディジタル信号の直
接記録が可能で実用に供しうる品質の材料が未だ開発さ
れていない点が挙げられる。
【0007】上述した光重合系は、解像力、レーザー記
録感度の点でもディジタル画像記録に対し、高い潜在的
な可能性を有しているものの、未だ実用に供するものは
得られていない。以下に、光重合系材料を用いた写真法
による多色画像記録の従来技術につき概観し、その問題
点を示す。
【0008】従来からの写真法によるカラー印刷の校正
方法としては、オーバーレイ法およびサープリント法が
ある。オーバーレイ法は、透明支持体上に各色の分解画
像が設けられた複数のカラープルーフィングシートを用
意し、これらのシートを重ね合わせることにより(得ら
れたものをカラーテストシートという)校正を行う方法
である。
【0009】このオーバーレイ法は簡便で安価であり、
その都度、2色または3色のみを重ねることにより連続
検査に使用できる等の利点を有するが、重ねられた合成
樹脂シートにより、カラーテストシートがやや暗くな
り、また入射光はいくつかのシートから反射し光沢を与
え、そのためにカラーテストシートから受ける印象が、
印刷機による印刷物に比べ非常に異なる欠点を有する。
【0010】一方、サープリント法は単一の支持体に数
色の着色画像を重ね合わせるものであり、このためには
種々の着色層を一枚の不透明ベース上に設けるか、また
は相当するトナーを順次不透明ベース上に設ける。この
重ね合わせ法は色濃度が合成樹脂ベースにより影響され
ないという利点を有するとともに、印刷インキに使用さ
れる顔料と同一、もしくは色相が近い顔料を色材として
使用することが容易であるという特有の長所もあり、広
く用いられるようになっている。
【0011】この方法の一例として、仮支持体上に有機
重合体よりなる剥離層、色材層および感光層が順次積層
されてなる感光性転写材料を像様露光したのち、これを
湿式現像することにより剥離層上に着色画像を形成し、
次いでこの着色画像を剥離層と共に、任意の支持体(永
久支持体)に接着剤を用いて転写する方法がすでに知ら
れている(特公昭46−15326号公報、特公昭49
−441号公報)。この方法は、例えばカラープルーフ
として、オーバーレイタイプ、サープリントタイプ等の
各種の操作に使用できる長所を持っているが、寸度安定
性に劣る紙支持体の上で各色を順次転写するために、各
色の位置合わせ精度を維持することが難しく、また出来
上がった画像の機械的強度が弱い欠点を有している。
【0012】上記の欠点を改良する方法として、永久支
持体上に画像を転写する前に、一旦仮の受像シート(受
像材料)に画像を転写する方法が本願出願人の出願にか
かる特開昭59−97140号公報に記載されている。
すなわち、この方法では、支持体上に光重合性材料から
なる画像受容層を設けた仮の受像材料を用意し、各色の
画像を永久支持体上に転写する前に、一旦、仮の受像材
料の上に各色の画像を転写する。次いで永久支持体上に
再転写し、更に全面露光を行なって、転写された光重合
性受像層を硬化させる工程が含まれる。この方法によれ
ば、各色画像の位置合わせ、転写を寸度安定性の高いポ
リエチレンテレフタレートのような支持体の上で行うこ
とができるため、位置合わせ精度、品質安定性共に向上
し、また硬度の大きな光硬化層により最終画像が保護さ
れるため、画像の機械的強度にも優れる長所も有する。
しかしながら、この方法は原理上、湿式現像法という本
質的な課題を有している。
【0013】このような湿式現像法の欠点を解決した多
色画像形成方法も従来多く提案され、その一部が広く実
用化されている。その例として、米国特許第3、06
0、024号、同第3、582、327号、同第3、6
20、726号等によるものが知られており、これらの
方法では、支持体層及び少なくとも一つの付加重合しう
るモノマーと光重合開始剤とを含む光重合可能層からな
る、粘着性の光重合可能複製材料が画像様露光により硬
化され、その粘着性を失うことを利用して形成された潜
像に適当な粉末状トナー材料を付与することにより可視
化される。このトナーは未露光の粘着性の区域にだけ付
着するが、露光された非粘着性の画像区域からは付与後
とり除くことができる。この方式は現像液が不要な乾式
現像法であり、その簡便性もあって色分解フィルムを用
いた校正刷りに広く用いられている。しかし、粉末状ト
ナーを取り扱うため作業周辺を汚しやすく、またトナー
付与/除去の仕方に個人差が出やすく、改善も強く望ま
れている。
【0014】上記粘着性光重合性感光層を用いる方式を
改良するための方法として、トナーをフィルム化する方
法が例えば、特開昭63−41847号公報、および特
開平2−14985号公報に示されている。これらの方
法では上記方法と同様に、未露光状態で粘着性を示し、
露光/硬化により粘着性を失う感光層が光重合性モノマ
ーと光開始剤からなり、該感光層を支持体と一緒に、紙
等のレシーバーベースに積層した形で使用する。画像様
露光、感光層支持体の剥離により露出された潜像は、別
の支持体上に設けられたフィルム状のトナーと接触さ
れ、加熱および/または加圧されることによりトナーが
転写され、現像される。上記二件の公報のうち、前者は
トナー層の結合材として互いに相溶しないポリマーを混
合することを特徴とし、また後者は同じくトナー層の結
合材ポリマーの熱的および機械的性質を選択することに
より、得られる画質の向上を図っている。これら二件の
方法は、いずれも前述した粉末トナーを用いる方式の欠
点を改良するもので、印刷物近似性で優れる(印刷本紙
上での顔料画像形成)と共に乾式現像可能であり、また
品質安定性が改良されるため、従来の方式に比較して著
しく好ましい方法といえる。
【0015】しかしながら、これらフィルム化したトナ
ーを用いる方法にもなお、解決すべき課題がある。第一
に、寸法安定性の劣る紙支持体上で、感光層の画像露光
の位置合わせを繰り返すため、各色相画像の位置ずれが
生じやすい。また最終画像は機械的強度が小さく、その
ため耐スリ傷性、耐接着性等をもたせようとすると、最
終画像の上に保護層積層等の煩雑な工程を付加させる必
要がある。さらに、最終画像の解像力や網点再現性が不
十分であり、トナーフィルムの膜強度が小さく、トナー
フィルムの取り扱い時に損傷を受け易い等の問題もあ
る。
【0016】上記問題点を解決すべく、本発明者らは先
に、デジタル画像信号で変調されたレーザー光により印
刷物近似性の高い高画質のカラープルーフをダイレクト
形成する画像形成方法として、特開平5−224427
号公報および特開平5−224428号公報に記載の方
法を提案している。これらの方法では、非露光時に粘着
性を示し、露光後に非粘着性を示す感光材料を画像様に
露光して潜像を形成し、トナー材料のトナー層を面対面
の関係で接触させ積層し、感光材料からトナー材料を引
き離して、画像を形成し、トナー材料上に残留したトナ
ー層のネガ画像を受像材料に転写して画像を形成する。
【0017】この方法によれば、可視領域に感度を有す
る光重合開始剤を用いても、開始剤や分光増感色素に起
因する着色の心配なく高画質の画像が得られるメリット
があり、特に高感度化の要求の高いDDCPの形成に好
適である。しかしながら、画像形成工程が煩雑であるこ
と、廃材となる支持体枚数が多くなること等の課題が生
じていた。また、露光−剥離現像工程の間に転写工程を
含んでいることから、ほこり等の多い環境下では、転写
の際にほこり等が混入し、微少な画像欠陥を生じる問題
があった。
【0018】乾式の剥離現像方式であって、画像形成工
程の最も簡略な方式として、デュポンからオーバーレイ
剥離システムであるクロマチェック(Cromache
ck)が市販されており、このシステムおよび関連する
システムが、米国特許第3,754,920号、同第
4,282,308号、同第4,247,619号、同
第4,489,153号および同第4,316,951
号に開示されている。これらの方法では、各カラーシー
トを像どおりに露光し、剥離して、別々の基材上にシア
ン、マゼンタ、イエローおよびブラック像を生じさせた
後、各色画像を単純に重ね合わせることでオーバーレイ
プルーフが得られる。感光材料は、剥離可能なカバーシ
ート、光接着層、非感光性粘着性隣接層および基材を順
に含んでなる。光接着層は着色されていてもよく、その
場合には像どおりの照射および剥離により即座に像が発
現する。粘着性隣接層は一般に、柔らかい弾性の樹脂製
物質を含んでなる。この方式の場合、集成方法が簡単で
あり、素早く行えるという利点を有する。しかしなが
ら、オーバーレイ方式の欠点の概略を上述したように、
これら方式では透明プラスチック基材が介在するため
に、印刷物近似性の高い高品質のプルーフを作成するこ
とができない問題を有する。
【0019】乾式の剥離現像方式であって、サープリン
トタイプのプルーフを提供できる比較的工程の簡略なネ
ガ作用の画像形成システムとしては、特開平6−214
381号公報を挙げることができる。ここでは、基材上
に着色感光層、親水性バリアー層および接着剤層を有す
る感光材料を用いた画像形成システムを開示している。
このシステムは、上記材料を貼合−露光−剥離現像の工
程により、感光材料の着色感光層を受像材料に転写して
多色画像を形成するのであるが、露光工程においては、
一般に受像材料が紙等の非光透過性のものであることも
あって、感光材料の基材側から(基材を通して)露光す
るのが通例となっている。しかしながら、基材側からの
露光では着色感光層の接着が安定して行えず、特にDD
CP用途として考えた場合、十分な感度が得られない問
題があった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、より高
画質の画像を形成すべく鋭意検討した結果、感光材料に
対していずれの面から露光するかで画像の感度が異なる
ことを見出し、本発明に到達した。従って、本発明は、
乾式で、解像力および網点再現性の優れた高画質の画像
を高感度に形成することができる画像形成方法を提供す
ることを目的とし、該目的を達成することを課題とす
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】<1> 上記課題を解決
するための本発明の第1の画像形成方法は、支持体上
に、エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合
物(以下、重合性化合物ともいう。)、光重合開始剤及
び着色剤を含有する着色感光層と、該着色感光層に隣接
する隣接層とを支持体側から順次有する感光材料の該着
色感光層を画像様に露光して、潜像を形成する潜像形成
工程と、前記潜像が形成された感光材料と受像材料とを
接触させて加熱及び/又は加圧して貼り合わせるラミネ
ート工程と、前記感光材料と前記受像材料とを剥離し、
少なくとも露光部分の着色感光層を前記受像材料に転写
して、受像材料上に画像を形成する画像形成工程と、を
有し、前記潜像形成工程、ラミネート工程及び画像形成
工程を同一の受像材料を用いて二回以上繰り返し、多色
画像を形成する画像形成方法であって、前記潜像形成工
程における露光が隣接層側から行われることを特徴とす
る画像形成方法である。
【0022】<2> 上記課題を解決するための本発明
の第2の画像形成方法は、支持体上に、エチレン性不飽
和二重結合を有する付加重合性化合物、光重合開始剤及
び着色剤を含有する着色感光層、並びに該着色感光層に
隣接する隣接層を支持体側から順次有する感光材料と実
質的に透明の受像材料とを接触させて加熱及び/又は加
圧して貼り合わせるラミネート工程と、貼り合わせられ
た感光材料の着色感光層を画像様に露光して、潜像を形
成する潜像形成工程と、前記感光材料と前記受像材料と
を剥離し、少なくとも露光部分の着色感光層を前記受像
材料に転写して、受像材料上に画像を形成する画像形成
工程とを有し、前記ラミネート工程、潜像形成工程及び
画像形成工程を同一の受像材料を用いて二回以上繰り返
し、多色画像を形成する画像形成方法であって、前記潜
像形成工程における露光が受像材料側から行われること
を特徴とする画像形成方法である。
【0023】<3> 上記課題を解決するための本発明
の第3の画像形成方法は、支持体a上に、エチレン性不
飽和二重結合を有する付加重合性化合物、光重合開始剤
及び着色剤を含有する着色感光層と、該着色感光層に隣
接する隣接層と、実質的に透明の支持体bとを支持体a
側から順次有する感光材料を画像様に露光して、潜像を
形成する潜像形成工程と、前記支持体aと支持体bとを
剥離し、支持体b上に露光部分の着色感光層を残留さ
せ、支持体a上に未露光部分の着色感光層を残留させ
て、支持体a及び支持体b上に画像を形成する画像形成
工程と、を色相の異なる感光材料についてそれぞれ繰り
返し、支持体b上に形成された各色相の画像を受像材料
上に転写して該受像材料上に多色画像を形成する画像形
成方法であって、前記潜像形成工程における露光が支持
体b側から行われることを特徴とする画像形成方法であ
る。
【0024】<4> 上記課題を解決するための本発明
の第4の画像形成方法は、支持体a上に、エチレン性不
飽和二重結合を有する付加重合性化合物、光重合開始剤
及び着色剤を含有する着色感光層と、該着色感光層に隣
接する隣接層と、実質的に透明の支持体bとを支持体a
側から順次有する感光材料を画像様に露光して、潜像を
形成する潜像形成工程と、前記支持体aと支持体bとを
剥離し、支持体b上に露光部分の着色感光層を残留さ
せ、支持体a上に未露光部分の着色感光層を残留させ
て、支持体a及び支持体b上に画像を形成する画像形成
工程と、を色相の異なる感光材料についてそれぞれ繰り
返し、支持体a上に形成された各色相の画像を受像材料
上に転写して該受像材料上に多色画像を形成する画像形
成方法であって、前記潜像形成工程における露光が支持
体b側から行われることを特徴とする画像形成方法であ
る。
【0025】<5> 潜像形成工程において、露光を4
50nmより短波長のレーザー光により行うことを特徴
とする<1>〜<4>のいずれかに記載の画像形成方法
である。
【0026】
【発明の実施の形態】[画像形成方法]以下、本発明の
画像形成方法について説明する。本発明の第1の画像形
成方法は、支持体上に着色感光層と隣接層とを支持体側
から順次有する感光材料の着色感光層を隣接層側から画
像様に露光して、潜像を形成する潜像形成工程と、潜像
が形成された感光材料と受像材料とを接触させて加熱及
び/又は加圧して貼り合わせるラミネート工程と、感光
材料と受像材料とを剥離し、少なくとも露光部分の着色
感光層を前記受像材料に転写して、受像材料上に画像を
形成する画像形成工程と、を有し、潜像形成工程、ラミ
ネート工程及び画像形成工程を同一の受像材料を用いて
二回以上繰り返し、多色画像を形成する画像形成方法で
ある。
【0027】以下、図を用いて本発明の第1の画像形成
方法の一例を説明する。ここに、図1は、本発明の第1
の画像形成方法を説明するための概略工程図である。図
2は、本発明の第1の画像形成方法によって形成された
多色画像を示す概略断面図である。
【0028】(潜像形成工程)図1(a)に示すよう
に、潜像形成工程においては、支持体上11に、着色感
光層12及び隣接層13を順次有する感光材料14の隣
接層13側から、着色感光層12を画像様に露光する。
露光部分では、着色感光層12中の重合性化合物の重合
(架橋)反応に伴う作用により、隣接層13に着色感光
層12が接着し、潜像を形成する。隣接層側から露光す
ることにより、支持体側から露光するよりも光感度が向
上し、着色感光層の接着性が増して、より低エネルギー
での露光が可能となり、また、解像度及び網点再現性の
良好な画像を形成することが可能となる。光感度向上の
要因は明らかではないが、その要因の一つとして、隣接
層側からの露光では、着色感光層と隣接層との界面(以
下、接着界面という。)に光が到達するまでに、光が着
色感光層中を通過しないため、着色感光層に含まれる着
色剤によって光が遮断されないことが考えられる。
【0029】前記露光に際しては、水銀灯、キセノンラ
ンプ等の紫外線、レーザー光等を使用することができ
る。紫外線を使用する場合は画像マスクを通して全面照
射することにより、レーザー光を使用する場合は画像信
号で変調されたレーザー光を着色感光層上で適当なビー
ム径に集光し走査することにより、画像様に露光するこ
とができる。画像処理システムからのデジタルデータを
利用して直接に画像様露光できる点から、レーザー光を
使用することが好ましい。
【0030】レーザー光としては、アルゴンイオンレー
ザー、ヘリウムネオンレーザー、ヘリウムカドミウムレ
ーザー等のガスレーザー、YAGレーザーなどの固体レ
ーザー、半導体レーザーなどの他に、色素レーザー、エ
キシマーレーザーなどから直接出射された光、もしくは
これらの出射光を二次高調波素子を通して、半分の波長
に変換した光を使用することができる。着色感光層の感
光波長、感度、必要とされる記録速度に応じて、これら
のレーザーから適宜選択される。
【0031】潜像形成工程の露光における光は、波長が
450nmより短波であることが好ましく、450nm
より短波の発振波長を持つ入手可能なレーザー光源とし
ては、以下のものが好適に挙げられる。ガスレーザーと
して、Arイオンレーザー(364nm、351nm、
10mW〜1W)、Krイオンレーザー(356nm、
351nm、10mW〜1W)、He−Cdレーザー
(441nm、325nm、1mW〜100mW)、固
体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG
結晶×2回の組み合わせ(355nm、5mW〜1
W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(4
30nm、10mW)等が、半導体レーザー系として、
KNbO3リング共振器(430nm、30mW)、導
波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体
の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜10
0mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、Al
GaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350n
m、5mW〜100mW)、AlGaInN(350n
m〜450nm、5mW〜30mW)等が、その他、パ
ルスレーザーとしてN2レーザー(337nm、パルス
0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10
〜250mJ)等が挙げられる。これらの中でも、Al
GaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レ
ーザー400〜410nm、5〜30mW)が波長特
性、コストの面で特に好ましい。
【0032】画像信号によるレーザー光の変調は、例え
ばArイオンレーザーの場合には外部変調器にビームを
通し、また半導体レーザーの場合には、レーザーに注入
する電流を信号により制御(直接変調)する等、公知の
方法により行われる。また、変調されたレーザー光を着
色感光層上で集光し、走査することも公知の方法により
行われる。レーザー光を走査させるためには、一般的に
は回転ドラム上で感光材料を高速で回転させつつ、その
走査方向と直交する方向に同期を取りつつレーザービー
ムを移動(副走査)させる方法(ドラム走査方式)と、
平面ステージ上の感光材料にレーザービームを高速で走
査しつつ、直交方向に感光材料を移動(副走査)させる
方法(平面走査方式)等がある。本発明では、これらい
ずれの方式、若しくはこれらの変形方式を用いることが
できる。
【0033】(ラミネート工程)図1(b)に示すよう
に、ラミネート工程においては、潜像が形成された感光
材料14の隣接層13の表面と、支持体15上に受像層
16を有する受像材料17の受像層16の表面とを重ね
合わせて接触させ、加熱及び/又は加圧により両者を貼
り合わせる。加熱加圧方法は特に限定しないが、熱ロー
ラーによるラミネーションが特に好ましい。この場合、
熱ローラーの温度は室温〜180℃が好ましく、70℃
〜150℃がより好ましい。熱ローラーの圧力は、0.
98〜98N(0.1〜10kgf/cm2)が好まし
く、9.8〜49N(1〜5kgf/cm2)がより好
ましい。熱ローラーの速度は、100〜5000mm/
minが好ましく、300〜2000mm/minがよ
り好ましい。これらラミネーションの条件は、用いる材
料の特性、例えば、熱接着性、支持体の変形強さ等によ
り適宜選ばれる。
【0034】(画像形成工程)図1(c)及び(d)に
示すように、画像形成工程においては、感光材料14と
受像材料17とを剥離し、隣接層13及び露光部分の着
色感光層12を受像材料17に転写して、受像材料17
上に一色目の色相からなる画像18を形成する。
【0035】本工程においては、隣接層13を介して着
色感光層12が受像材料17に転写されるので、着色感
光層12界面へのごみ等の浸入を防止でき、画像欠陥の
発生を抑制することができる。即ち、隣接層13が設け
られていない場合には、受像材料17上にごみ等が存在
すると、必要である部分(露光部分)の着色感光層12
の転写が安定して行えずに画像欠陥となるおそれがある
が、これを抑制することができる。感光材料と受像材料
の剥離は、感光材料の支持体を180°折り返すように
変形剥離することが好ましい。剥離速度は特に限定され
ないが、100〜100000mm/minとするのが
好ましい。また、剥離のスピードや剥離角度を大きく変
化させないように、機械により剥離するのが好ましい。
さらに、剥離現像の際に受像材料が浮き上がらないよう
に、何らかの密着手段を施すことがより好ましい。密着
手段としては受像材料の背面を吸気する事で真空密着さ
せ固定する方法、再剥離可能な範囲の粘着性を持つ粘着
剤で受像材料の背面を固定する方法等が挙げられる。
【0036】本発明の画像形成方法において、二色目以
降の色相の画像については、上記潜像形成工程、ラミネ
ート工程及び画像形成工程を同一の受像材料を用いて繰
り返し、図2に示すように、受像材料17上に多色画像
を形成する。なお、符号19は二色目の感光材料の隣接
層を示し、符号20は二色目の色相の画像を示す。この
二色目以降の色相の画像形成においては、第N回目(N
は、2以上の整数)の潜像形成工程は、少なくとも第
(N−1)回目の画像形成工程終了前に開始されること
が好ましい。即ち、例えば、二色目の画像を形成する場
合には、一色目の画像形成工程が終了する前、例えば、
一色目の潜像形成工程終了後直ちに、二色目の潜像形成
工程を開始することが好ましい。このようにして多色画
像を形成することにより、画像形成に要する時間を短縮
することが可能となり、効率よく高画質(解像度、網点
再現性の良好な)多色画像を形成することができる。
【0037】本発明の第2の画像形成方法は、支持体上
に着色感光層及び隣接層を支持体側から順次有する感光
材料と実質的に透明の受像材料とを接触させて加熱及び
/又は加圧して貼り合わせるラミネート工程と、貼り合
わせられた感光材料の着色感光層を受像材料側から画像
様に露光して、潜像を形成する潜像形成工程と、感光材
料と受像材料とを剥離し、少なくとも露光部分の着色感
光層を受像材料に転写して、受像材料上に画像を形成す
る画像形成工程とを有し、前記ラミネート工程、潜像形
成工程及び画像形成工程を同一の受像材料を用いて二回
以上繰り返し、多色画像を形成する画像形成方法であ
る。各工程については、前記第1の画像形成方法と同様
である。第2の画像形成方法においても、前記第1の画
像形成方法と同様に、受像材料側から露光することによ
り、支持体側から露光するよりも光感度が向上し、着色
感光層の接着性が増して、解像度及び網点再現性の良好
な画像を形成することが可能となる。
【0038】本発明の第3の画像形成方法は、支持体a
上に、着色感光層と隣接層と実質的に透明の支持体bと
を支持体a側から順次有する感光材料を、支持体b側か
ら画像様に露光して、潜像を形成する潜像形成工程と、
支持体aと支持体bとを剥離し、支持体a及び支持体b
上に画像を形成する画像形成工程と、を色相の異なる感
光材料についてそれぞれ繰り返し、支持体b上に形成さ
れた各色相の画像を受像材料上に転写して受像材料上に
多色画像を形成する画像形成方法である。
【0039】以下、図を用いて本発明の第3の画像形成
方法の一例を説明する。ここに、図3及び図4は、本発
明の第3の画像形成方法を説明するための概略工程図で
ある。
【0040】(潜像形成工程)図3(a)に示すよう
に、潜像形成工程においては、支持体a21上に、着色
感光層22と隣接層23と実質的に透明の支持体b24
とを順次有する感光材料25の支持体b24側から着色
感光層22を画像様に露光する。露光部分では、着色感
光層22中の重合性化合物の重合(架橋)反応に伴う作
用により、隣接層23に着色感光層22が接着し、潜像
を形成する。支持体b側から露光することにより、支持
体a側から露光するよりも光感度が向上し、着色感光層
の接着性が増して、解像度及び網点再現性の良好な画像
を形成することが可能となる。光感度向上の要因は明ら
かではないが、その要因の一つとして、支持体b側から
の露光では、接着界面に光が到達するまでに、光が着色
感光層中を通過しないため、着色感光層に含まれる着色
剤によって光が遮断されないことが考えられる。本工程
に用いられる光源等は、第1の画像形成方法と同様であ
る。
【0041】(画像形成工程)図3(b)に示すよう
に、画像形成工程においては、感光材料25の支持体a
21と支持体b24とを剥離し、支持体b24上に露光
部分の着色感光層22を残留させ、支持体a21上に未
露光部分の着色感光層22を残留させて、図3(c)に
示すように、支持体a21及び支持体b24上に(ON
/OFF)画像26を形成する。なお、支持体a21と
支持体b24の剥離は、支持体aを180°折り返すよ
うに変形剥離することが好ましい。剥離速度や、密着手
段等については、第1の画像形成方法の画像形成工程に
おける剥離方法等と同様である。
【0042】第3の画像形成方法においては、前記潜像
形成工程及び画像形成工程を色相の異なる各感光材料に
ついてそれぞれ繰り返す。そして、画像形成工程におい
て得られた、各色相の画像が形成された支持体bを用い
て多色画像を形成する。即ち、支持体bに形成された各
色相の画像を受像材料上に転写して(転写工程)、受像
材料上に多色画像を形成する。
【0043】(転写工程)図4(a)に示すように、ま
ず、ある色相(一色目)の画像26が形成された支持体
b24の画像形成面と、支持体27上に受像層28を有
する受像材料29の受像層28の表面とを重ね合わせて
接触させ、加熱及び/又は加圧して両者を貼り合わせ
る。次に、上記貼り合わせた支持体b24及び受像材料
29とを剥離し、支持体b24上に形成されていた画像
26を隣接層23と共に、受像材料29上に転写して、
図4(b)に示すように、一色目からなる画像26を受
像材料29上に形成する。
【0044】続いて、一色目と異なる色相の画像が形成
された支持体b及び前記一色目の画像が形成された受像
材料29を用いて、上記転写工程における操作を行い、
受像材料29上に二色目からなる画像26を形成する。
同様に、三色目以降の色相の画像が形成された支持体b
及び受像材料29を用いて上記転写工程を繰り返し、図
4(c)に示すように、受像材料29上に多色の画像を
形成する。なお、符号30は二色目の色相の画像を示
し、符号31は三色目の色相の画像を示す。
【0045】上記転写工程において、加熱加圧方法は特
に限定しないが、熱ローラーによるラミネーションが特
に好ましい。この場合、熱ローラーの温度は室温〜18
0℃が好ましく、70℃〜150℃がより好ましい。熱
ローラーの圧力は、0.98〜98N(0.1〜10k
gf/cm2)が好ましく、9.8〜49N(1〜5k
gf/cm2)がより好ましい。熱ローラーの速度は、
100〜5000mm/minが好ましく、300〜2
000mm/minがより好ましい。これらラミネーシ
ョンの条件は、用いる材料の特性、例えば、熱接着性、
支持体の変形強さ等により適宜選ばれる。
【0046】また、支持体bと受像材料の剥離は、支持
体bを180°折り返すように変形剥離することが好ま
しい。剥離速度は特に限定されないが、100〜100
000mm/minとするのが好ましい。また、剥離の
スピードや剥離角度を大きく変化させないように、機械
により剥離するのが好ましい。さらに、剥離現像の際に
受像材料が浮き上がらないように、何らかの密着手段を
施すことがより好ましい。密着手段としては受像材料の
背面を吸気する事で真空密着させ固定する方法、再剥離
可能な範囲の粘着性を持つ粘着剤で受像材料の背面を固
定する方法等が挙げられる。
【0047】本発明の第4の画像形成方法は、支持体a
上に、着色感光層と隣接層と実質的に透明の支持体bと
を支持体a側から順次有する感光材料を支持体b側から
画像様に露光して、潜像を形成する潜像形成工程と、前
記支持体aと支持体bとを剥離し、支持体a及び支持体
b上に画像を形成する画像形成工程と、を色相の異なる
感光材料についてそれぞれ繰り返し、支持体a上に形成
された各色相の画像を受像材料上に転写して受像材料上
に多色画像を形成する画像形成方法である。第4の画像
形成方法は、感光材料の支持体a側に形成された画像を
受像材料上に転写して受像材料上に多色画像を形成する
点で異なるが、その他は、第3の画像方法と同様であ
る。第4の画像形成方法においても、支持体b側から露
光することにより、支持体a側から露光するよりも光感
度が向上し、着色感光層の接着性が増して、解像度及び
網点再現性の良好な画像を形成することが可能となる。
【0048】次に、本発明の第1及び第2の画像形成方
法に用いられる材料について説明する。 [感光材料]本発明の第1及び第2の画像形成方法に用
いられる感光材料は、支持体上に着色感光層と、該着色
感光層に隣接する隣接層とを順次有してなるが、これら
の層以外に接着層や中間層等の他の層を有していてもよ
い。中間層としては、例えば、特開平8−305004
号公報に記載の、支持体と着色感光層の間に設けられ、
フェノール基を有する重合体を含んでなる層等が挙げら
れる。
【0049】<着色感光層>着色感光層は、エチレン性
不飽和二重結合を有する付加重合性化合物、光重合開始
剤及び着色剤を含有する。また、必要に応じて、有機重
合体結合剤等の他の成分が含まれていてもよい。
【0050】−エチレン性不飽和二重結合を有する付加
重合性化合物− 前記エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合
物としては、多官能ビニルまたはビニリデン化合物等が
挙げられる。好ましい多官能ビニルまたはビニリデン化
合物としては、例えば、ポリオールの不飽和エステル、
特にアクリル酸またはメタクリル酸のエステル、例え
ば、エチレングリコールジアクリレート、グリセリント
リアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、1,2,4−ブ
タントリオールトリメタクリレート、トリメチロールエ
タントリアクリレート、ペンタエリトリットジメタクリ
レート、ペンタエリトリットトリメタクリレート、ペン
タエリトリットテトラメタクリレート、ペンタエリトリ
ットジアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレ
ート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、ジペン
タエリトリット−ポリアクリレート、1,3−プロパン
ジオールージアクリレート、1,5−ペンタンジオール
−ジメタクリレート、200〜400の分子量を有する
ポリエチレングリコールのビスアクリレートおよびビス
−メタクリレートおよび類似の化合物、不飽和アミド、
特にそのアルキレン鎖が炭素原子によって開かれていて
もよいα,ω−ジアミンを有するアクリル酸およびメタ
クリル酸の不飽和アミドおよびエチレンビス−メタクリ
ルアミド等が挙げられる。さらに、例えば、多価アルコ
ールと多価の有機酸のエステルと、アクリル酸またはメ
タクリル酸との縮合によるポリエステルアクリレートも
使用し得るが、これらに限定されるものではない。
【0051】−光重合開始剤− 前記光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤系を用
いることができる。例えば、トリクロロメチルトリアジ
ン、トリクロロメチルオキサジアゾール等のトリハロメ
チル類、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン[4,4’−
ビス−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’
−ビス−(ジメエルアミノ)ベンゾフェノン、4−メト
キシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチ
ルアントラキノン、フェノントラキノン、およびその他
の芳香族ケトンのような芳香族ケトン類、ベンゾイン、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインフェニルエーテルのようなベンゾインエ
ーテル類、メチルベンゾイン、エチルベンゾインおよび
その他のベンゾイン類、並びに2−(o−クロロフェニ
ル)−4、5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−
(o−クロロフェニル)−4,5−(m−メトキシフェ
ニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニ
ル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−
(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5
ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メト
キシフェニル)−4,5ジフェニルイミダゾール二量
体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−
ジフェニルイミダゾール二量体、および米国特許第3、
476、185号、英国特許第1、047、569号お
よび米国特許第3、784、557号の各明細書に記載
の二量体と同様な2,4,5−トリアクリールイミダゾ
ール二量体等が用いられる。光重合開始剤の添加量とし
ては、重合性化合物の質量の0.01〜30質量%が好
ましい。
【0052】また、前記光重合開始剤としては、450
nmより短波に感光波長を持つ色素(増感色素)、及び
光ラジカル発生剤を組み合わせた系がより好ましい。前
記光ラジカル発生剤としては、有機ホウ素化合物、及び
チタノセン化合物が特に好ましい。前記450nmより
短波に感光波長を持つ色素と、光ラジカル発生剤とを併
用することにより、該色素の吸収帯に対応する波長域で
の感度が著しく向上する。即ち、前記450nmより短
波に感光波長を持つ色素が増感色素として機能し、露光
光を吸収、励起状態を生成し、共存する光ラジカル発生
剤からの開始ラジカル発生を促進するものと考えられ
る。(この様なプロセスを、色素増感という。)前記光
ラジカル発生剤のうち、チタノセン化合物の多くは、そ
れ自体紫外から500nm付近までの波長域に弱い吸収
を持つが、前記450nmより短波に感光波長を持つ色
素により感光性が著しく向上される。従って、チタノセ
ン化合物の使用量を比較的少量にとどめても、該色素の
働きによって450nmより短波での感光性は高めるこ
とができる一方、450nm以上の波長域での感光性は
実質問題ない程度の低感度に抑えることが可能となるも
のである。一方、有機ホウ素化合物の場合は、可視域に
吸収がなく、有機ホウ素化合物の使用量を増やしても、
450nm以上の波長域での感光性は問題とならない。
【0053】(ア)450nmより短波に感光波長を持
つ色素 ここでは、前記光重合開始剤を構成する、450nmよ
り短波に感光波長を持つ色素(増感色素)について説明
する。該色素としては、以下に挙げるメロシアニン系色
素、カルボニル系色素等が好ましく用いられる。
【0054】(ア)−1 メロシアニン系色素 450nmより短波に感光波長を持つ色素(増感色素)
としては、下記一般式(1)で表されるメロシアニン系
色素が好ましく、さらに下記一般式(2)、一般式
(3)、又は一般式(4)で表される増感色素がより好
ましい。
【0055】
【化1】
【0056】前記一般式(1)において、AはS原子又
はNR1を表す。R1は置換若しくは無置換のアルキル
基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。Y
は、隣接するA、及び炭素原子と共に色素の塩基性核を
形成する非金属原子団を表す。X 1及びX2は、各々独立
に、一価の非金属原子団を表し、X1、X2は、互いに結
合して色素の酸性核を形成してもよい。
【0057】
【化2】
【0058】前記一般式(2)、(3)、(4)におい
て、A及びYは、前記一般式(1)におけるものと同義
である。X3、X4及びZは、各々独立に、O原子、S原
子又はNR5を表す。R5は、置換若しくは無置換のアル
キル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。
2は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、
置換若しくは無置換のアルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ
基又はアリールアミノ基を表す。R3は、水素原子、置
換若しくは無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロア
リール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基又はアリー
ルアミノ基を表す。R4は、水素原子、置換若しくは無
置換のアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を
表す。
【0059】前記一般式(1)〜(4)で表されるメロ
シアニン系色素については、特開2000−14776
3号公報の段落[0034]〜段落[0070]におい
て、詳細に説明されている。
【0060】なお、メロシアニン系色素が本発明の感光
材料において好適に用いられる理由は以下の通りと考え
られる。メロシアニン系色素は、その吸収波長が350
〜450nm域であり、また、本発明における特定構造
のメロシアニン系色素は、チタノセン化合物や有機ホウ
素化合物等の光ラジカル発生剤の感光性を著しく向上さ
せる働きを持つ。そのため、特にチタノセン化合物を用
いる場合には、その使用量を比較的少量にとどめること
で、短波での感光性を十分に高めながら、同時に光ラジ
カル発生剤自体による500nm域での感光性を、実質
問題のない程度の低感度にすることが可能となったもの
である。さらに、本発明における特定構造のメロシアニ
ン色素が特に色素増感能に優れる理由は色素増感の機構
が不明のため詳述できないが、以下の様に考えることが
できる。即ち、本発明のメロシアニン系色素は、色素の
吸収に直接関わるπ電子系(前記一般式(1)〜(4)
中のA−C=C−C=O部分)が比較的rigidな構
造を有しており、結果として、例えば特開平8−272
096号公報、特開平8−262715号公報記載のカ
ルボメロシアニン系色素等に比較して、色素の光吸収に
より生じる励起状態の寿命が永くなり、色素増感反応の
効率が高くなったのかものと考えられる。また、本発明
における色素は、他の一般的な色素に比較して、電子供
与性が低い(電気化学的な酸化・還元電位が相対的に正
側である。分子軌道法的なHOMO、LUMO軌道エネ
ルギーが負に大きい。)化合物群と考えられ、そのこと
が色素増感効率向上に有利に作用していると考えられ
る。
【0061】以下に、前記一般式(1)〜(4)で表さ
れる増感色素の好ましい例示化合物(D1〜D52)を
示すが、これらに限定されるものではない。
【0062】
【化3】
【0063】
【化4】
【0064】
【化5】
【0065】
【化6】
【0066】
【化7】
【0067】
【化8】
【0068】
【化9】
【0069】(ア)−2 カルボニル系色素 前記450nmより短波に感光波長を持つ色素(増感色
素)としては、下記一般式(5)で表されるカルボニル
系色素も好適に挙げられる。
【0070】
【化10】
【0071】前記一般式(5)において、Zは、隣接す
るN原子及び炭素原子と共に含窒素ヘテロ環を形成する
非金属原子団を表す。Xは、一価の非金属原子団を表
す。前記Zは、含窒素ヘテロ環を形成する非金属原子団
を表すが、好ましい含窒素ヘテロ環の例としては、例え
ば、F.M. Hamer著、The Chemist
ry of Heterocyclic Compou
nds18巻 ”The Cyanine Dyes
and Related Compounds”(19
64),JohnWilley & Sons(New
York)に記載の、シアニンベース(Base)化
合物群を構成する含窒素ヘテロ環群を挙げることができ
る。
【0072】前記一般式(5)で表されるカルボニル系
色素については、特開2000−98605号公報の段
落[0011]〜段落[0049]において、詳細な説
明がされている。なお、本明細書における前記一般式
(5)は、特開2000−98605号公報では、一般
式(1)に該当し、本明細書における一般式(5)中の
Zは、特開2000−98605号公報における一般式
(1)中のYに該当する。
【0073】また、前記一般式(5)で表される色素
は、公知の合成法及びその関連合成法を用いて容易に合
成できる。より具体的な合成法は、例えば、特公平6−
97339号公報に詳しく記載されている。
【0074】以下に、前記一般式(5)で表されるカル
ボニル系色素の好ましい例示化合物(D53〜D10
5)を示すが、これらに限定されるものではない。
【0075】
【化11】
【0076】
【化12】
【0077】
【化13】
【0078】
【化14】
【0079】
【化15】
【0080】
【化16】
【0081】
【化17】
【0082】(ア)−3 その他の増感色素 450nmより短波に感光波長を持つ色素(増感色素)
としては、前記メロシアニン系色素及びカルボニル系色
素以外にも、特願2000−94431号明細書に記載
の「一般式(1)〜(3)で表される化合物」のうち、
450nmより短波に感光波長をもつ化合物が好適に挙
げられる。以下に、該当する例示化合物(D106〜D
113)を示す。
【0083】
【化18】
【0084】
【化19】
【0085】なお、前記化合物については、特願200
0−94431号明細書の段落[0047]〜段落[0
112]、及び段落[0281]〜段落[0306]に
詳細な説明がされている。
【0086】(イ)光ラジカル発生剤 ここでは、前記光重合開始剤に用いられる光ラジカル発
生剤について説明する。本発明において用いられる光ラ
ジカル発生剤としては、有機ホウ素化合物及びチタノセ
ン化合物が好ましい。
【0087】(イ)−1 有機ホウ素化合物 前記光重合開始剤に用いられる光ラジカル発生剤として
は、有機ホウ素化合物が好適に挙げられる。該有機ホウ
素化合物は、近傍に存在する450nmより短波に吸収
を持つ色素(増感色素)が光を吸収した場合に、該色素
と相互作用し、高効率でラジカル等を発生し、近傍に存
在する前記付加重合性化合物の重合を開始させる機能を
有する。
【0088】有機ホウ素化合物としては、下記一般式
(A)で表される化合物、及び「機能性色素の化学」
(1981年、CMC出版社、p.393〜p.41
6)や「色材」(60〔4〕212−224(198
7))等に記載のカチオン性色素を、カチオン部として
構造内に有する分光増感色素系有機ホウ素化合物等が挙
げられる。前記分光増感色素系有機ホウ素化合物として
は、特開昭62−143044号、特開平1−1382
04号、特表平6−505287号、特開平4−261
406号公報等に記載の化合物が挙げられる。
【0089】前記分光増感色素系有機ホウ素化合物のカ
チオン部を構成している色素としては、300nm以上
の波長領域、好ましくは400〜1100nmの波長領
域に最大吸収波長を有するカチオン性色素を用いること
ができる。中でも、カチオン性のメチン色素、ポリメチ
ン色素、トリアリールメタン色素、インドリン色素、ア
ジン色素、キサンテン色素、シアニン色素、ヘミシアニ
ン色素、ローダミン色素、アゾメチン色素、オキサジン
色素又はアクリジン色素等が好ましく、カチオン性のシ
アニン色素、ヘミシアニン色素、ローダミン色素又はア
ゾメチン色素がより好ましい。
【0090】前記有機ホウ素化合物の中でも、本発明に
おいては、下記一般式(A)で表される有機ホウ素化合
物がより好ましい。
【0091】
【化20】
【0092】前記一般式(A)において、Ra1、R
2、及びRa3は、各々独立して、脂肪族基、芳香族
基、複素環基、又は−SiRa5Ra6Ra7を表す。ま
た、Ra4は、脂肪族基を表す。Ra1〜Ra3及びRa4
が、脂肪族基を表す場合、該脂肪族基としては、例え
ば、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換
アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラ
ルキル基、又は置換アラルキル基等が挙げられ、中で
も、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換
アルケニル基、アラルキル基、又は置換アラルキル基が
好ましく、アルキル基、置換アルキル基が特に好まし
い。また、前記脂肪族基は、環状脂肪族基でも鎖状脂肪
族基でもよい。鎖状脂肪族基は分岐を有していてもよ
い。
【0093】前記アルキル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアルキル基が挙げられ、該アルキル基の炭素
原子数としては、1〜30が好ましく、1〜20がより
好ましい。置換アルキル基のアルキル部分の,炭素原子
数の好ましい範囲については、アルキル基の場合と同様
である。また、前記アルキル基は、置換基を有するアル
キル基、無置換のアルキル基のいずれであってもよい。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペン
チル基、ネオペンチル基、イソプロピル基、イソブチル
基、シクロヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシ
ル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基等が挙げ
られる。
【0094】前記置換アルキル基の置換基としては、カ
ルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例
えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシ
基、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベ
ンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキ
ルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニル
アミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、炭素数30以下のアシルアミノスルホニ
ル基、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェネチルオキ
シ基等)、炭素数30以下のアルキルチオ基(例えば、
メチルチオ基、エチルチオ基、メチルチオエチルチオエ
チル基等)、炭素数30以下のアリールオキシ基(例え
ば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキ
シ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、炭素数30以
下のアルキル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリ
ールオキシカルボニルオキシ基、炭素数30以下のアシ
ルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニル
オキシ基等)、炭素数30以下のアシル基(例えば、ア
セチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、カルバ
モイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチル
カルバモイル基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノ
カルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、スルフ
ァモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モル
ホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭
素数30以下のアリール基(例えば、フェニル基、4−
クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチ
ル基等)、置換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキル
アミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジ
アリールアミノ基、アシルアミノ基等)、置換ウレイド
基、置換ホスホノ基、複素環基等が挙げられる。ここ
で、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基、ホスホ
ノ基は、塩の状態であってもよい。その際、塩を形成す
るカチオンとしては、後述のY+等が挙げられる。
【0095】前記アルケニル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアルケニル基が挙げられ、該アルケニル基の
炭素原子数としては、2〜30が好ましく、2〜20が
より好ましい。置換アルケニル基のアルケニル部分の、
炭素原子数の好ましい範囲については、アルケニル基の
場合と同様である。また、前記アルケニル基は、置換基
を有するアルケニル基、無置換のアルケニル基のいずれ
であってもよい。前記置換アルケニル基の置換基として
は、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げら
れる。
【0096】前記アルキニル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアルキニル基が挙げられ、該アルキニル基の
炭素原子数としては、2〜30が好ましく、2〜20が
より好ましい。置換アルキニル基のアルキニル部分の炭
素原子数の好ましい範囲については、アルキニル基の場
合と同様である。また、前記アルキニル基は、置換基を
有するアルキニル基、無置換のアルキニル基のいずれで
あってもよい。置換アルキニル基の置換基としては、前
記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
【0097】前記アラルキル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアラルキル基が挙げられ、該アラルキル基の
炭素原子数としては、7〜35が好ましく、7〜25が
より好ましい。置換アラルキル基のアラルキル部分の、
炭素原子数の好ましい範囲については、アラルキル基の
場合と同様である。また、前記アラルキル基は、置換基
を有するアラルキル基、無置換のアラルキル基のいずれ
であってもよい。置換アラルキル基の置換基としては、
前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられ
る。
【0098】前記Ra1〜Ra3が芳香族基アルキル基を
表す場合、該芳香族基としては、例えば、アリール基、
置換アリール基が挙げられる。アリール基の炭素原子数
としては、6〜30が好ましく、6〜20がより好まし
い。置換アリール基のアリール部分の好ましい炭素原子
数の範囲としては、アリール基と同様である。前記アリ
ール基としては、例えば、フェニル基、α−ナフチル
基、β−ナフチル基等が挙げられる。置換アリール基の
置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置
換基が挙げられる。
【0099】Ra1〜Ra3が複素環基を表す場合、該複
素環基としては、置換基を有する複素環基、無置換の複
素環基が挙げられる。置換基を有する複素環基の置換基
としては、Ra1〜Ra3が置換基を有するアリール基を
表す場合に例示した置換基と同様の置換基が挙げられ
る。中でも、Ra1〜Ra3が表す複素環基としては、フ
ラン環、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール
環、チアゾール環、ピリジン環等の窒素原子、硫黄原
子、又は酸素原子を含む複素環基が好ましい。
【0100】Ra1〜Ra3が−SiRa5Ra6Ra7
表す場合、Ra5、Ra6及びRa7は、各々独立して、
脂肪族基又は芳香族基を表す。Ra5、Ra6及びRa7
は、各々独立に、脂肪族基、芳香族基を表す。該脂肪族
基、芳香族基は、Ra1〜Ra3及びRa4が表す脂肪族
基、Ra1〜Ra3が表す芳香族基と各々同義であり、好
ましい例も同様である。
【0101】前記一般式(A)において、Ra1、R
2、Ra3、及びRa4のうちの2以上が直接又は置換
基を介して連結し、環を形成していてもよい。環を形成
している場合、該環としては、下記の(C1)〜(C
3)の環より選ばれるいずれかの環が好ましく、中で
も、(C2)の環が好ましい。
【0102】
【化21】
【0103】前記(1)の環において、Rbは、以下の
2価基をあらわす。
【化22】
【0104】前記一般式(A)において、高感度と保存
性向上の観点から、Ra1〜Ra3がアリール基で、Ra
4がアルキル基であるのが好ましい。特に、アリール基
に電子吸引性基が置換したトリアリールアルキル型の有
機ホウ素化合物が好ましく、その中でも、3つのアリー
ル基上にある置換基(電子吸引性基)の、ハメット
(σ)値の合計が+0.36〜+2.58のものがより
好ましい。前記電子吸引性基としては、ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基が好ましく、特にフッ素原子、塩
素原子がより好ましい。
【0105】なお、前記「電子吸引性基」とは、ハメッ
トのσ値が正である置換基を意味する。ここで、σ値
は、構造活性相関懇話会編「化学の領域」増感122号
の「薬物の活性相関−ドラッグデザインと作用機作研究
への指針」96〜103頁、南江堂社刊やコルビン・ハ
ッシュ(Corwin・Hansch)、アルバート・
レオ(Albert Leo)著、「サブティチューア
ント・コンスタンツ・フォー・コーリレーション・アナ
リシス・イン・ケミストリー・アンド・バイオロジー」
(Substituent Constants fo
r Correlation Analysis in
Chemistry and Biology)69
〜161頁、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(Jh
on Wiley and Sons)社刊、コルビン
・ハッシュ(Corwin Hansch)、エー・レ
オ(A. Leo)、アール・ダブリュー・タフト
(R.W. Taft)、ケミカル・レビュー(Che
mical Reviews)第91巻第165〜19
5頁などに記載されている。また、σ値が未知の置換基
については、ケミカル・レビュー(Chemical
Reviews)第17巻125〜136頁(193
5)に記載の方法で測定し求めることができる。
【0106】電子吸引性基が置換したアリール基として
は、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル
基、2−フルオロフェニル基、3−クロロフェニル基、
4−クロロフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニ
ル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ
フルオロフェニル基、4―ブロモフェニル基、3,4−
ジフルオロフェニル基、5−フルオロ−2−メチルフェ
ニル基、5−フルオロ−4−メチルフェニル基、5−ク
ロロ−2−メチルフェニル基、5−クロロ−4−メチル
フェニル基等が挙げられる。
【0107】前記一般式(A)のアニオン部の具体例と
しては、例えば、テトラメチルボレート、テトラエチル
ボレート、テトラブチルボレート、トリイソブチルメチ
ルボレート、ジ−n−ブチル−ジ−t−ブチルボレー
ト、テトラ−n−ブチルボレート、トリ−m−クロロフ
ェニル−n−ヘキシルボレート、トリフェニルメチルボ
レート、トリフェニルエチルボレート、トリフェニルプ
ロピルボレート、トリフェニル−n−ブチルボレート、
トリメシチルブチルボレート、トリトリルイソプロピル
ボレート、トリフェニルベンジルボレート、m−フルオ
ロ−テトラベンジルボレート、トリフェニルフェネチル
ボレート、トリフェニル−p−クロロベンジルボレー
ト、トリフェニルエテニルブチルボレート、ジ(α−ナ
フチル)−ジプロピルボレート、トリ−n−ブチル(ジ
メチルフェニルシリル)ボレート、ジフェニルジヘキシ
ルボレート、トリ−m−フルオロフェニルヘキシルボレ
ート、トリ−(5−クロロ−4−メチルフェニル)ヘキ
シルボレート、トリ−m−フルオロフェニルシクロヘキ
シルボレート、トリ−m−フルオロフェニルベンジルボ
レート、トリ−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)
ヘキシルボレート等が挙げられる。
【0108】前記一般式(A)において、Y+は陽イオ
ンを形成し得る基を表す。中でも、有機カチオン性化合
物、遷移金属配位錯体カチオン(特許2791143号
公報に記載の化合物等)又は金属カチオン(例えば、N
+、K+、Li+、Ag+、Fe2+、Fe3+、Cu+、C
2+、Zn2+、Al3+、1/2Ca2+等)が好ましい。
前記有機カチオン性化合物としては、例えば、4級アン
モニウムカチオン、4級ピリジニウムカチオン、4級キ
ノリニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ヨードニ
ウムカチオン、スルホニウムカチオン、色素カチオン等
が挙げられる。
【0109】前記4級アンモニウムカチオンとしては、
テトラアルキルアンモニウムカチオン(例えば、テトラ
メチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウ
ムカチオン)、テトラアリールアンモニウムカチオン
(例えば、テトラフェニルアンモニウムカチオン)等が
挙げられる。前記4級ピリジニウムカチオンとしては、
N−アルキルピリジニウムカチオン(例えば、N−メチ
ルピリジニウムカチオン)、N−アリールピリジニウム
カチオン(例えば、N−フェニルピリジニウムカチオ
ン)、N−アルコキシピリジニウムカチオン(例えば、
4−フェニル−N−メトキシ−ピリジニウムカチオ
ン)、N−ベンゾイルピリジニウムカチオン等が挙げら
れる。前記4級キノリニウムカチオンとしては、N−ア
ルキルキノリニウムカチオン(例えば、N−メチルキノ
リニウムカチオン)、N−アリールキノリニウムカチオ
ン(例えば、N−フェニルキノリニウムカチオン)等が
挙げられる。前記ホスホニウムカチオンとしては、テト
ラアリールホスホニウムカチオン(例えば、テトラフェ
ニルホスホニウムカチオン)等が挙げられる。前記ヨー
ドニウムカチオンとしては、ジアリールヨードニウムカ
チオン(例えば、ジフェニルヨードニウムカチオン)等
が挙げられる。前記スルホニウムカチオンとしては、ト
リアリールスルホニウムカチオン(例えば、トリフェニ
ルスルホニウムカチオン)等が挙げられる。
【0110】さらに、前記Y+の具体的な例として、特
開平9−188686号公報の段落[0020]〜[0
038]に記載の化合物等も挙げることができる。
【0111】上記に例示した各カチオン性化合物(例示
化合物)において、そのアルキル基としては、炭素数が
1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基等の無置換アルキル基や、Ra1〜Ra4が表す
前記置換アルキル基が好ましい。中でも特に、炭素数1
〜12のアルキル基が好ましい。また、上記に例示した
各カチオン性化合物において、そのアリール基として
は、例えば、フェニル基、ハロゲン原子(例えば、塩素
原子)置換フェニル基、アルキル(例えば、メチル基)
置換フェニル基、アルコキシ(例えば、メトキシ基)置
換フェニル基が好ましい。
【0112】前記一般式(A)で表される有機ホウ素化
合物の具体例としては、米国特許第3,567,453
号明細書、同4,343,891号明細書、特開昭62
−143044号公報、特開昭62−150242号公
報、特開平9−188684号公報、特開平9−188
685号公報、特開平9−188686号公報、特開平
9−188710号公報、特公平8−9643号公報、
特開平11−269210号公報に記載されている化合
物、及び以下に例示する化合物(b−1〜33)が挙げ
られる。ただし、本発明に用いられる前記有機ホウ素化
合物は、これらの具体例に何ら限定されるものではな
い。
【0113】
【化23】
【0114】
【化24】
【0115】
【化25】
【0116】
【化26】
【0117】
【化27】
【0118】前記一般式(A)で表される有機ホウ素化
合物は、付加重合性化合物の含有量に対して、0.01
〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好
ましい。ただし、好ましい範囲は、併用する「付加重合
性化合物」の種類に応じて変動するので、これに限定さ
れるものではない。
【0119】(イ)−2 チタノセン化合物 前記光重合開始剤に用いられる光ラジカル発生剤として
は、チタノセン化合物も好適に挙げられる。前記チタノ
セン化合物としては、前記増感色素との共存下で光照射
した場合、活性ラジカルを発生し得るチタノセン化合物
であればいずれであってもよく、例えば、特開昭59−
152396号、特開昭61−151197号、特開昭
63−41483号、特開昭63−41484号、特開
平2−249号、特開平2−291号、特開平3−27
393号、特開平3−12403号、特開平6−411
70号公報等に記載されている公知の化合物を適宜に選
択して用いることができる。
【0120】さらに具体的には、ジ−シクロペンタジエ
チル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエチ
ル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエチル
−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフ
ェニル−1−イル(以下「T−1」ともいう。)、ジ−
シクロペンタジエチル−Ti−ビス−2,3,5,6−
テトラフルオロフェニル−1−イル、ジ−シクロペンタ
ジエチル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェ
ニル−1−イル、ジ−シクロペンタジエチル−Ti−ビ
ス−2,6−ジフルオロフェニル−1−イル、ジ−シク
ロペンタジエチル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフ
ェニル−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエチル−
Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェ
ニル−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエチル−T
i−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−
1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエチル−Ti−ビ
ス−2,4−ジフルオロフェニル−1−イル、ビス(シ
クロペンタジエチル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3
−(ピル−1−イル)フェニル)チタニウム(以下「T
−2」ともいう。)等を挙げることができる。
【0121】前記チタノセン化合物は、着色感光層の特
性を改良するため、様々な化学修飾を行うことが可能で
ある。例えば、増感色素や付加重合性化合物その他のラ
ジカル発生パートとの結合、親水性部位の導入、相溶性
向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上
させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
【0122】前記チタノセン化合物の使用法に関して、
感光材料の性能設計により適宜、任意に設定できる。例
えば、チタノセン化合物を2種以上併用することで、着
色感光層への相溶性を高めることができる。前記チタノ
セン化合物の使用量は、通常多い方が感光性の点で有利
であり、感光層成分100質量部に対し、0.5〜80
質量部、好ましくは1〜50質量部の範囲で用いること
で十分な感光性が得られる。一方、本発明の主要な目的
である、黄色灯下での使用に際しては、500nm付近
の光によるカブリ性の点からチタノセン化合物の使用量
は少ないことが好ましいが、本発明における増感色素と
の組み合わせにより、チタノセン化合物の使用量は、6
質量部以下、さらに1.9質量部以下、さらには1.4
質量部以下にまで下げても、十分な感光性を得ることが
できる。
【0123】−着色剤− 前記着色剤としては、印刷校正用プルーフとして用いる
場合には、印刷に用いられる物と同様に前記着色剤が顔
料であることがより好ましい。顔料としては公知の物を
用いることができ、例えば、カーボンブラック、アゾ
系、フタロシアニン系、キナクリドン系、チオインジゴ
系、アントラキノン系、イソインドリン系等の顔料が挙
げられる。これらは2種以上組み合わせて使用すること
も可能であり、また、色相調整のため公知の染料を添加
してもよい。
【0124】着色剤は、着色感光層の固形分の5〜70
質量%で含有させることが好ましく、15〜50質量%
がより好ましい。5質量%より少ないと、所望の光学濃
度を得るために膜厚を厚くする必要が生じ、解像度が低
下する問題が生じることがある。また、70質量%より
多いと、画像形成自体が困難となったり、着色感光層の
耐傷性が著しく低下したりする問題が生じることがあ
る。
【0125】−有機重合体結合剤− 着色感光層は、有機重合体結合剤を含むことが好まし
い。有機重合体結合剤は着色感光層の硬さを決定するの
みならず、その粘着性、隣接層との親和性、支持体との
親和性をも決める大きな要因の一つである。有機重合体
結合剤としては、特に制限はないが、隣接層にPVAを
用いる場合には、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル等のようなアクリル
系モノマーの単独重合体または共重合体、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩素化ゴム、ブタジエン−スチレン共重合体のよう
なゴム系ポリマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系ポリマー等が好適に挙げ
られる。これらの中で、上記アクリル系モノマーの共重
合体は、広い範囲で軟化点等の熱的性質を制御すること
が容易であり、また重合性化合物との相溶性が良好であ
る点で好ましい。
【0126】前記有機重合体結合剤の平均分子量として
は、10000〜2000000が好ましい。ここで、
重合性化合物と有機重合体結合剤との混合比(重合性化
合物:有機重合体結合剤)は、使用される重合性化合物
と有機重合体結合剤の組み合わせによって適性比は異な
るが、0.1:1.0〜5.0:1.0(質量比)が好
ましく、0.5:1.0〜2.0:1.0(質量比)が
より好ましい。着色感光層には、その他の添加剤として
公知の熱重合禁止剤、可塑剤、界面活性剤等を添加剤と
して含むことができる。着色感光層の層厚としては、
0.1〜3μmであることが好ましく、0.1〜1.5
μmであることがより好ましい。
【0127】<隣接層>隣接層は、前記着色感光層に隣
接して設けられる層であり、可視光および照射線の両方
に対して無色透明な種々のポリマー材料を用いることが
好ましく、着色感光層バインダーと非相溶性の材料が好
ましく、中でも親水性の材料がより好ましい。
【0128】隣接層に用いられる好ましい材料として
は、ゼラチン等のタンパク質;デンプン、変性デンプ
ン、キサンテン、ヒドロキシアルキルセルロース、カル
ボキシアルキルセルロース等のポリサッカライドおよび
その誘導体;ならびにポリ(ビニルアルコール)もしく
はヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸等のポリ
マーおよびコポリマー等の分子中にヒドロキシル基、カ
ルボキシル基または他の親水性官能基を多数含む合成ポ
リマー等が挙げられる。特に好ましい材料は、ポリ(ビ
ニルアルコール)(PVA)であり、高加水分解度(例
えば、90%以上)のものがより好ましい。隣接層は塗
布に続いて架橋することができ、必要であればアンチハ
レーション染料(特に紫外線吸収染料)等の添加剤を含
むことができる。また、隣接層に用いる材料としては、
特開平8−305004号公報に記載の光接着層に用い
られる材料を使用することもできる。隣接層には種々の
界面活性剤を使用することができる。添加量は、隣接層
の全固形分の0.1〜15質量%が好ましい。また、隣
接層には有機、無機の各種マット剤、フィラー等を含有
することができる。
【0129】隣接層の厚みとしては、0.2〜10μm
が好ましく、0.5〜2.0μmがより好ましい。前記
厚みが0.2μm未満であると隣接層としての十分な種
々の機能を発揮することが困難となることがあり、10
μmを超えると光学的ドットゲインの影響で、印刷物近
似性を損ねる問題が生じることがある。
【0130】<接着層>本発明の画像形成方法に用いる
感光材料は、支持体上に、着色感光層、隣接層及び接着
層を順次有する構成とすることもできる。特に隣接層と
してポリビニルアルコールを用いる場合、この接着層を
設けることにより受像材料への転写がより安定したもの
となる。接着層は、熱可塑性を有する材料を含むことが
好ましく、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリアクリル酸エステル、アクリル酸エステル共重
合体、ポリメタクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル共重合体、ポリアクリルアミド、アクリルアミド共重
合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル共重合体(例えば、
ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体)、ポリ塩化ビ
ニル、塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化
ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレン共重合
体、エチレン共重合体(例えば、エチレン・酢酸ビニル
共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体、エチレン・
アクリル酸共重合体)、ポリビニルアセタール(例え
ば、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール)、
ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロ
ン、共重合体ナイロン)、各種ゴム(例えば、合成ゴ
ム、塩化ゴム)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン)、フェノール樹脂、ポリビニルピ
ロリドン等を挙げることができる。これらの材料は単独
で使用しても、混合して使用してもよい。
【0131】接着層には、さらに所望により、粘着性付
与物質、可塑材料等の各種の添加剤が含まれていてもよ
い。また、粘着性をコントロールする目的で各種フィラ
ー等が含まれていてもよい。フィラーとしては、ポリス
チレン、PMMA等の有機フィラー、シリカ、アルミナ
等の無機フィラーを挙げることができる。さらに、接着
層には種々の界面活性剤を使用することができる。添加
量は剥離層の全固形分の0.1〜15質量%が好まし
い。
【0132】接着層の厚みは、0.2〜10μmである
ことが好ましく、0.5〜2.0μmであることがより
好ましい。0.2μmより薄いと十分な熱接着性を得る
ことが困難になることがあり、また、10μmより厚い
と光学的ドットゲインの影響で、印刷物近似性を損ねる
問題が生じることがある。
【0133】<支持体>支持体は、実質的に透明である
のが好ましく、フィルム状もしくは板状のいずれでも特
に限定されず、いかなる材料からなるものであってもよ
い。支持体が実質的に透明であることにより、支持体内
部での光の散乱を抑制して、ハレーションによる解像度
の低下を抑制することができる。ここで、「実質的に透
明である」とは、感光領域および可視光領域において、
極端な光散乱(反射)を起こさないこと、具体的には、
白色系でないこと等、を意味する。支持体の材料として
は、一般的には、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体等の高分子化合物を挙げることができ、二軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートが機械的強度、熱に対する寸法
安定性の点で、特に好ましい。
【0134】支持体の厚さは、薄いほど解像度が向上し
良好だが、しわ等が発生しやすくなる等の取り扱い上の
問題を招く。従って、3〜100μmの厚さが好まし
く、4.5〜50μmがより好ましい。また、支持体の
着色感光層の接する面には適宜、離型処理を施すことが
できる。離型処理剤としては、シリコーン系、フッ素系
等の離型剤、または米国特許第5,028,511号に
記載されているような、「フォトリリース(photo
release)」層を被覆したポリエステルを用いる
ことができる。
【0135】また、支持体の層が積層された面、もしく
はその反対面にハレーション防止剤として、適当な染料
もしくは顔料を含有したハレーション防止層を導入する
ことが好ましいが、支持体と隣接する層への拡散による
弊害の可能性を考えると支持体の層が積層されていない
面に導入することがより好ましい。ハレーション防止剤
として用いる染料、もしくは顔料としては、光重合開始
剤の吸収波長の位置に十分な吸収を持つ化合物であれば
特に限定されるものではなく、公知の物を用いることが
できる。
【0136】上記各層は、公知の方法で形成することが
できる。例えば、支持体の表面に着色感光層塗布液を回
転塗布機等を使用して塗布し、60〜180℃で乾燥し
て着色感光層を形成し、着色感光層の上に、隣接層塗布
液を回転塗布機等を使用して塗布し、60〜180℃で
乾燥して隣接層を形成することにより感光材料を作製す
ることができる。
【0137】[受像材料]第1及び第2の画像形成方法
に用いる受像材料としては、好ましくは透明であり、感
光材料の着色感光層を転写可能なものであれば特に制限
なく、支持体上に、前記感光材料の着色感光層を転写可
能な受像層を有する構成であってもよいし、支持体その
ものが受像層の役目を果たすものであってもよい。な
お、第2の画像形成方法に用いる受像材料は、露光が受
像材料側から行われるため、実質的に透明であることが
必要である。ここで、「実質的に透明である」とは、感
光領域および可視光領域において、光の吸収や散乱を起
こしにくく、画像形成に支障を来さない程度の光透過性
を有することを意味する。
【0138】(支持体)支持体は、フィルム状もしくは
板状のものであれば特に限定されず、いかなる材料から
なるものであってもよいが、第2の画像形成方法に用い
られる受像材料の支持体は実質的に透明である必要があ
る。支持体の材料としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレンーア
クリロニトリル共重合体等の高分子化合物を挙げること
ができ、特に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
が、水、熱に対する寸法安定性の点で好ましい。また支
持体の厚さは、フィルム状の場合は、10〜400μm
が好ましく、25〜200μmより好ましい。板状の場
合は、100〜3000μmが好ましく、500〜20
00μmがより好ましい。また、用途によっては、支持
体としてガラス等も使用することができる。
【0139】支持体の表面には、受像層との密着性をあ
げるため、積層した中間層を形成させるか、もしくは物
理的な表面処理が施されていてもよい。中間層として
は、被膜性のあるポリマー材料から、支持体および受像
層22両者との密着性等を考慮して適宜選択される。そ
の厚みには特に制限は無いが、0.01〜2μmが好ま
しい。物理的な表面処理手段としては、支持体表面のグ
ロー放電処理、コロナ放電処理等が好ましい。
【0140】(受像層)受像層としては、着色感光層を
受容するために、ビカー(Vicat)法による軟化温
度が約80℃より低いポリマー層が好ましい。さらに必
要に応じて印刷本紙に転写するため、適度のレリース性
を得るためには、受像層の形成材料としては特開昭59
−97140号公報に記載されているような光重合性材
料からなることが好ましい。
【0141】受像層として特に好ましいものは、少な
くとも一種の、付加重合によって光重合体を形成し得る
光重合性モノマーまたはオリゴマー、少なくとも一種
の有機重合体結合剤(ポリマーバインダー)、少なく
とも一種の光重合開始剤、および、必要に応じて添加
される熱重合禁止剤等の添加剤、を含有するものであ
る。上記の光重合性モノマーまたはオリゴマーとして
は、前記の着色感光層に使用されるものと同様の物質を
挙げることができ、また、上記の有機重合体結合剤とし
ては、前記着色感光層に使用されものと同様の物質を挙
げることができる。
【0142】上記の光重合開始剤としては、近紫外部に
吸収、活性を有し、可視部に吸収が無い、もしくは小さ
な化合物である必要がある。このような例としてベンゾ
フェノン、ミヒラーケトン[4,4’−ビス−(ジメチ
ルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’−ビス−(ジメ
エルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジ
メチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノ
ン、フェノントラキノン、およびその他の芳香族ケトン
のような芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフ
ェネチルエーテルのようなベンゾインエーテル類、メチ
ルベンゾイン、エチルベンゾインおよびその他のベンゾ
イン類、並びに2−(O−クロロフェニル)−4,5−
ジフェニルイミダゾール二量体、2−(O−クロロフェ
ニル)−4,5−(m−メトキシフェニル)イミダゾー
ル二量体等、近紫外部に活性を有する光重合開始剤が挙
げられる。
【0143】ここで、光重合性モノマーと、有機重合体
結合剤の混合比は使用される光重合性モノマーと有機重
合体結合剤との組み合わせによって適正比は異なるが、
一般的には光重合性モノマー:有機重合体結合剤が、
0.1:1.0〜2.0:1.0(質量比)が好まし
い。光重合開始剤の添加量は光重合性モノマーに対して
0.01〜20質量%が好ましい。
【0144】受像層は、それ自体公知の塗膜形成方法に
従って、上記のような成分を含有する受像層形成塗布液
を、支持体上に塗布し、乾燥することにより形成するこ
とができる。受像層の膜厚は、1〜50μmが好まし
く、5〜20μmがより好ましい。
【0145】受像層は必要に応じて、二層構成であって
もよい。特に、後の工程で受像層上の画像を印刷本紙等
の永久支持体に転写する際、二層のうち上層を画像と共
に転写し、下層(支持体側)を受像材料に残留させる方
法が特開昭61−189535号公報、特開平2−24
4146号公報、特開平2−244147号公報、特開
平2−244148号公報に詳細に記載されている。こ
れらの公報に記載されている方法は、印刷物との近似
性、その他の点から好ましい。従って、受像層を二層構
成にすることが好ましい。
【0146】続いて、本発明の第3及び第4の画像形成
方法に用いられる材料について説明する。 [感光材料]本発明の第3及び第4の画像形成方法に用
いられる感光材料は、支持体a上に着色感光層と、該着
色感光層に隣接する隣接層と、支持体bと順次を有して
なるが、接着層や中間層等の他の層を有していてもよ
い。例えば、支持体a上に着色感光層と、該着色感光層
に隣接する隣接層と、接着層と支持体bとを順次有して
なる構成とすることもできるし、支持体a上にホトレリ
ーズ層(特許2550421号に記載)と、着色感光層
と、該着色感光層に隣接する隣接層と、支持体bとを順
次有してなる構成とすることもできる。
【0147】本発明の第3及び第4の画像形成方法に用
いられる感光材料の支持体a(支持体に対応)、着色感
光層、隣接層、及び接着層については、上記第1及び第
2の画像形成方法に用いられる感光材料と同様であるの
で説明を省略し、支持体bについて説明する。
【0148】<支持体b>支持体bは、実質的に透明で
あれば、フィルム状もしくは板状のいずれでも特に限定
されず、いかなる材料からなるものであってもよい。従
って、用途によってはガラス等を使用することが可能で
ある。支持体bが実質的に透明であることが必要である
のは、潜像形成工程における露光が支持体b側から行わ
れるからであるが、その他の理由として、画像をオーバ
ーレイプルーフとして使用する場合に本質的な透明性が
要求されること;サープリント画像を作成する場合に
も、再転写の際に目視による見当合わせが可能となるこ
と;不透明な場合、支持体b内部での光の散乱により、
解像度の低下を招きやすくなること;等が挙げられる。
ここで、「実質的に透明である」とは、感光領域および
可視光領域において、光の吸収や散乱を起こしにくく、
画像形成に支障を来さない程度の光透過性を有すること
を意味する。
【0149】各層が設けられる側の支持体bの表面に
は、これらとの密着性を向上させるために、積層された
中間層もしくは物理的な表面処理が施されていてもよ
い。中間層としては被膜性のあるポリマー材料から、支
持体bと層との間の密着性、隣接層等を塗布する際の隣
接層形成用組成物中の溶剤に対する溶解性を考慮して適
宜選択される。その厚みには特に制限はないが、0.0
1〜2μmが好ましい。密着性を挙げる物理的な表面処
理手段としては、支持体bの表面のグロー放電処理、コ
ロナ放電処理等が好ましい。
【0150】また、支持体bの厚さは、20〜300μ
mが好ましく、50〜200μmがより好ましい。
【0151】[受像材料]本発明の第3及び第4の画像
形成方法に用いられる受像材料としては、本発明の第1
及び第2の画像形成方法に用いられる受像材料と同様の
ものを用いることができるが、実質的に透明であること
は必ずしも必要ない。
【0152】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0153】(実施例1)感光材料を以下のようにして
作製した。まず、下記組成を有する着色感光層用顔料分
散液A(シアン顔料含有分散液)を、ペイントシェーカ
ー(東洋精機(株)製)を使用して2時間分散処理して
調製した。
【0154】 ・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比73/27) のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート27%溶液 ・・・5.56質量部 ・シアン顔料(C)(C.I.PB.15:4) ・・・3.6質量部 ・分散助剤1(ソルスパースS−24000、ICIジャパン(株)製) ・・・0.68質量部 ・分散助剤2(ソルスパースS−5000、ICIジャパン(株)製) ・・・0.23質量部 ・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) ・・・19.94質量部 ・ガラスビーズ ・・・17.50質量部
【0155】上記組成について、シアン顔料(C)を、
下記顔料にそれぞれ代えた他は同様にして、感光層用顔
料分散液B(マゼンタ顔料含有分散液)、感光層用顔料
分散液C(イエロー顔料含有分散液)および感光層用顔
料分散液D(ブラック顔料含有分散液)を調製した。な
お、分散助剤2は、感光層用顔料分散液Bおよび感光層
用顔料分散液Cを調製する際には、使用しなかった。
【0156】 ・マゼンタ顔料(M)(C.I.PR.57:1) ・イエロー顔料(Y)(C.I.PY.180) ・ブラック顔料(K)(CB−100)
【0157】得られた感光層用顔料分散液A〜D(各々
15質量部)それぞれに、下記化合物を混合し、撹拌装
置を使用して感光層用塗布液を調製した。
【0158】 ・メチルエチルケトン ・・・134.69質量部 ・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・44.90質量部 ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(MEK75wt%溶液) ・・・3.36質量部 ・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比73/27) のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート27%溶液 ・・・1.78質量部 ・下記オキサジアゾール化合物A ・・・0.126質量部 ・界面活性剤(大日本インキ(株)製、メガファックF−176) ・・・0.150質量部
【0159】
【化28】
【0160】厚さ6μmのポリエチレンテレフタレート
((株)東レ製 ルミラー)の支持体を4つ用意し、そ
れぞれの表面に前記感光層用塗布液A〜Dを回転塗布機
(ホエラー)を使用して塗布し、100℃のオーブン中
で2分間乾燥してシアン、マゼンタ、イエロー、ブラッ
クの各感光層を形成させた。膜厚はそれぞれ0.4μ
m、0.4μm、0.8μm、0.4μmであった。
【0161】下記組成を有する隣接層用塗布液を、撹拌
装置を使用して調製した。 ・イオン交換水 ・・・1520.00質量部 ・ポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA−205) ・・・100.00質量部 ・プロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・380.00質量部 ・界面活性剤(旭硝子(株)製、サ−フロンS−131) ・・・3.30質量部
【0162】前記各着色感光層の上に、隣接層用塗布液
を回転塗布機(ホエラー)を使用して塗布し、100℃
のオーブン中で2分間乾燥した。得られた隣接層の膜厚
は、2.0μmであった。
【0163】下記組成を有する接着層用塗布液を、撹拌
装置を使用して調製した。 ・n−PrOH ・・・90.0質量部 ・PVP−VA E−735(ISP社製) ・・・10.0質量部 ・メガファックF−176(大日本インキ社製) ・・・0.25質量部
【0164】前記各隣接層の上に、接着層用塗布液をワ
イヤーバー#6を使用して塗布し、100℃のオーブン
中で2分間乾燥した。得られた接着層の膜厚は0.5μ
mであった。
【0165】受像材料を以下のようにして作製した。ま
ず、受像層第一層および受像層第二層用として、下記の
組成を有する受像層用塗布液を撹拌装置を用いて溶解す
ることにより、それぞれ調製した。
【0166】 受像層第一層用塗付液: ・ポリ塩化ビニル(日本ゼオン(株)製、ゼオン25) ・・・9質量部 ・界面活性剤(大日本インキ(株)製、メガファックF−177) ・・・0.1質量部 ・メチルエチルケトン ・・・130質量部 ・トルエン ・・・35質量部 ・シクロヘキサノン ・・・20質量部 ・ジメチルフォルムアミド ・・・20質量部
【0167】 受像層第二層用塗付液: ・メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(三菱レ ーヨン(株)製、ダイヤナールBRー77) ・・・17質量部 ・アルキルアクリレート/アルキルメタクリレート共重合体(三菱レーヨン(株 )製、ダイヤナールBRー64) ・・・17質量部 ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学(株)製、A−TMM T) ・・・22質量部 ・界面活性剤(大日本インキ(株)製、メガファックF−177) ・・・0.4質量部 ・メチルエチルケトン ・・・100質量部 ・ハイドロキノンモノメチルエーテル ・・・0.05質量部 ・2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(光重合開始剤) ・・・1.5質量部
【0168】厚さ100μmのポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルムを支持体として、回転塗布機
(ホエラー)を使用して、上記受像層第一層用塗布液を
塗布し、100℃のオーブン中で2分間乾燥して、受像
層第一層を形成した。得られた受像層第一層の膜厚は1
μmであった。形成された受像層第一層上に、上記受像
層第二層用塗布液を用いて、同様の方法により塗布・乾
燥し、膜厚26μmの受像層第二層を積層し、受像材料
を作製した。
【0169】[画像形成]上記作製したブラック色の感
光材料の着色感光層を、相応する色分解マスクを用い、
超高圧水銀灯(2kW 大日本スクリーン製 P−64
7−GA)にて隣接層側(接着層側)から画像様に露光
した(潜像形成工程)。
【0170】次いで、感光材料の接着層面と受像材料の
受像層面を接触させて、加熱加圧することで貼り合わせ
た(ラミネート工程)。ラミネートは、富士カラーアー
トラミネータにて900mm/minのスピードで行っ
た。このときの加熱ローラーの温度は125℃であっ
た。
【0171】次に、ブラック色の感光材料の支持体を1
80°折り返すように剥離速度3000mm/minで
剥離現像を行ったところ、受像材料上に露光部分が着色
するようにブラック色の画像が形成された(画像形成工
程)。
【0172】上記工程をシアン、マゼンタ、イエローの
感光材料について、同一の受像材料を用いて繰り返し、
受像材料上にフルカラー画像を得た。この画像の画像面
をアート紙に重ね合わせ、富士カラーアートラミネータ
にて、450mm/min.のスピードで加熱加圧する
ことで貼り合わせ、更に、超高圧水銀灯にて受像材料側
から全面露光し、最後に受像材料の支持体を剥離するこ
とでアート紙上にフルカラー画像を得た。
【0173】(実施例2)以下のように感光材料を作製
した。厚さ6μmのポリエチレンテレフタレート
((株)東レ製 ルミラー)からなる支持体aを4つ用
意し、それぞれの表面に実施例1で調製した感光層用塗
布液A〜Dを回転塗布機(ホエラー)を使用して塗布
し、100℃のオーブン中で2分間乾燥してシアン、マ
ゼンタ、イエロー、ブラックの各着色感光層を形成させ
た。膜厚はそれぞれ0.4μm、0.4μm、0.8μ
m、0.4μmであった。
【0174】各着色感光層の上に、隣接層用塗布液を回
転塗布機(ホエラー)を使用して塗布し、100℃のオ
ーブン中で2分間乾燥した。得られた隣接層の膜厚は、
2.0μmであった。厚さ100μmのポリエチレンテ
レフタレート(PET)フイルムからなる支持体bを4
つ用意し、実施例1で調製した接着層用塗布液を回転塗
布機(ホエラー)を使用して塗布し、100℃のオーブ
ン中で2分間乾燥した。得られた接着層の膜厚は1.0
μmであった。
【0175】接着層を有する支持体bと、感光層及び隣
接層を有する支持体aとを、接着層と感光層とが接触す
るように重ね合わせ、加熱、加圧することで貼り合わ
せ、Y,M,C,Kの4色の感光材料を作製した。貼り
合わせは富士カラーアートラミネータにて900mm/
minのスピードで行った。このときの加熱ローラーの
温度は125℃であった。
【0176】[画像形成]上記作製した各色相の感光材
料の着色感光層を、相応する色分解マスクを用い、超高
圧水銀灯(2kW 大日本スクリーン製 P−647−
GA)にて、支持体b側から画像様に露光した(潜像形
成工程)。続いて、各色相の感光材料の支持体aを18
0°折り返すように剥離速度3000mm/minで剥
離現像を行ったところ、支持体b上に露光部分が着色す
るように画像が形成された(画像形成工程)。
【0177】各色相の画像が形成された4つの支持体b
のうち、まず、イエロー画像が形成された支持体bを用
い、イエロー画像の画像面と受像材料(実施例1で作成
したのと同様)の受像層面を重ね合わせて加熱、加圧に
よるラミネーションを行った。ラミネーションは富士カ
ラーアートラミネータにて900mm/minのスピー
ドで行った。このときの加熱ローラーの温度は125℃
であった。
【0178】支持体bを180°折り返すように剥離し
たところ、イエロー画像は接着層とともに受像材料の受
像層に転写された。同様に、イエロー画像の転写した受
像材料に、マゼンタ画像、シアン画像、ブラック画像の
順に転写を行い、受像材料上にフルカラー画像を形成し
た。
【0179】<評価>実施例1に用いた感光材料を用い
て、隣接層側から露光した場合と、支持体側から露光し
た場合の感度比較を行った。感度評価には、富士写真フ
イルム(株)製の富士ステップガイド(ΔD=0.15
で不連続に透過光学濃度が変化するグレイスケール)を
用い、感光材料を上記ステップガイドに密着させて露光
し、更にラミネート、現像工程を経て得られた画像の着
色/非着色の境界となる段数を読取ることで行った。こ
の際、露光面を隣接層側、支持体側と変化させることで
感度差の比較を行った。なお、着色/非着色の境界は各
段の光学濃度を測定し、ベタ濃度の90%となる段数を
着色/非着色の境界として読取った。その結果を以下に
示す。
【0180】
【表1】
【0181】上記の結果から明らかなように、隣接層側
から露光する方が、高感度を示すことは明らかである。
なお、マゼンタ色で感度差が生じない理由としては、マ
ゼンタ感光材料の着色剤の光重合開始剤の感光波長にお
ける吸光度が低いことに原因があると推定している。
【0182】
【発明の効果】本発明の画像形成方法によれば、乾式
で、解像力および網点再現性の優れた高画質の画像を高
感度に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の画像形成方法を説明するため
の概略工程図である。
【図2】 本発明の第1の画像形成方法によって形成さ
れた多色画像を示す概略断面図である。
【図3】 本発明の第3の画像形成方法を説明するため
の概略工程図である。
【図4】 本発明の第3の画像形成方法を説明するため
の概略工程図である。
【符号の説明】
11、15、27・・・支持体 12、22・・・着色感光層 13、19、23・・・隣接層 14、25・・・感光材料 16、28・・・受像層 17、29・・・受像材料 18、20、26、30、31・・・画像 21・・・支持体a 24・・・支持体b
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA04 AB09 AC08 AD01 BC13 BC42 CA00 CC11 DA01 EA08 FA10 FA24 2H096 AA23 BA05 CA16 DA10 EA04 EA23 FA10 GA50 JA03 2H097 GA45 LA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、エチレン性不飽和二重結合
    を有する付加重合性化合物、光重合開始剤及び着色剤を
    含有する着色感光層と、該着色感光層に隣接する隣接層
    とを支持体側から順次有する感光材料の該着色感光層を
    画像様に露光して、潜像を形成する潜像形成工程と、 前記潜像が形成された感光材料と受像材料とを接触させ
    て加熱及び/又は加圧して貼り合わせるラミネート工程
    と、 前記感光材料と前記受像材料とを剥離し、少なくとも露
    光部分の着色感光層を前記受像材料に転写して、受像材
    料上に画像を形成する画像形成工程と、を有し、 前記潜像形成工程、ラミネート工程及び画像形成工程を
    同一の受像材料を用いて二回以上繰り返し、多色画像を
    形成する画像形成方法であって、前記潜像形成工程にお
    ける露光が隣接層側から行われることを特徴とする画像
    形成方法。
  2. 【請求項2】 支持体上に、エチレン性不飽和二重結合
    を有する付加重合性化合物、光重合開始剤及び着色剤を
    含有する着色感光層、並びに該着色感光層に隣接する隣
    接層を支持体側から順次有する感光材料と実質的に透明
    の受像材料とを接触させて加熱及び/又は加圧して貼り
    合わせるラミネート工程と、 貼り合わせられた感光材料の着色感光層を画像様に露光
    して、潜像を形成する潜像形成工程と、 前記感光材料と前記受像材料とを剥離し、少なくとも露
    光部分の着色感光層を前記受像材料に転写して、受像材
    料上に画像を形成する画像形成工程とを有し、 前記ラミネート工程、潜像形成工程及び画像形成工程を
    同一の受像材料を用いて二回以上繰り返し、多色画像を
    形成する画像形成方法であって、 前記潜像形成工程における露光が受像材料側から行われ
    ることを特徴とする画像形成方法。
  3. 【請求項3】 支持体a上に、エチレン性不飽和二重結
    合を有する付加重合性化合物、光重合開始剤及び着色剤
    を含有する着色感光層と、該着色感光層に隣接する隣接
    層と、実質的に透明の支持体bとを支持体a側から順次
    有する感光材料を画像様に露光して、潜像を形成する潜
    像形成工程と、 前記支持体aと支持体bとを剥離し、支持体b上に露光
    部分の着色感光層を残留させ、支持体a上に未露光部分
    の着色感光層を残留させて、支持体a及び支持体b上に
    画像を形成する画像形成工程と、 を色相の異なる感光材料についてそれぞれ繰り返し、支
    持体b上に形成された各色相の画像を受像材料上に転写
    して該受像材料上に多色画像を形成する画像形成方法で
    あって、 前記潜像形成工程における露光が支持体b側から行われ
    ることを特徴とする画像形成方法。
  4. 【請求項4】 支持体a上に、エチレン性不飽和二重結
    合を有する付加重合性化合物、光重合開始剤及び着色剤
    を含有する着色感光層と、該着色感光層に隣接する隣接
    層と、実質的に透明の支持体bとを支持体a側から順次
    有する感光材料を画像様に露光して、潜像を形成する潜
    像形成工程と、 前記支持体aと支持体bとを剥離し、支持体b上に露光
    部分の着色感光層を残留させ、支持体a上に未露光部分
    の着色感光層を残留させて、支持体a及び支持体b上に
    画像を形成する画像形成工程と、 を色相の異なる感光材料についてそれぞれ繰り返し、支
    持体a上に形成された各色相の画像を受像材料上に転写
    して該受像材料上に多色画像を形成する画像形成方法で
    あって、 前記潜像形成工程における露光が支持体b側から行われ
    ることを特徴とする画像形成方法。
  5. 【請求項5】 潜像形成工程において、露光を450n
    mより短波長のレーザー光により行うことを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法。
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JP2007226158A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Asahi Kasei Electronics Co Ltd ドライフィルムレジスト

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