JP2002148800A - 感光性転写シート - Google Patents

感光性転写シート

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JP2002148800A
JP2002148800A JP2000342535A JP2000342535A JP2002148800A JP 2002148800 A JP2002148800 A JP 2002148800A JP 2000342535 A JP2000342535 A JP 2000342535A JP 2000342535 A JP2000342535 A JP 2000342535A JP 2002148800 A JP2002148800 A JP 2002148800A
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photosensitive transfer
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Pending
Application number
JP2000342535A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Suzuki
保 鈴木
Mikio Totsuka
三樹雄 戸塚
Shinji Fujimoto
進二 藤本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度化を図った感光性転写シートを提供す
ること。また、画像転写した非画像部に黄着色が発生す
ることの無い感光性転写シートを提供すること。 【解決手段】 支持体上に、剥離層、有機高分子重合体
層及び光重合系感光性樹脂層をこの順に有する感光性転
写シートにおいて、有機高分子重合体層が、アクリル酸
アラルキル及び/又はメタクリル酸アラルキルとアクリ
ル酸及び/又はメタクリル酸とからなる共重合体を含有
してなり、光重合系感光性樹脂層が、光重合開始剤とし
て下記一般式(1)で表わされる化合物と下記一般式
(A)で表わされる有機ホウ素化合物とを含有してな
る、ことを特徴とする感光性転写シートである。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色校正用のプレプ
レスプルーフ、及びディスプレイなどに用いられる感光
性転写シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりフォトポリマーを使用する色校
正法(プレプレスプルーフ)の製版方法として、通常
は、リスフィルムを介してマスク露光(面露光)後、非
画像部を溶解除去することにより所望のプレプレスプル
ーフを得ていた。
【0003】近年、画像情報にコンピュータを用いて電
子的に処理、蓄積、出力する、ディジタル化技術が広く
普及してきている。そして、その様なディジタル化技術
に対応した新しい画像出力方式が種々実用化される様に
なってきた。その結果レーザ光のような指向性の高い光
をディジタル化された画像情報に従って走査し、リスフ
ィルムを介す事無く、直接プレプレスプルーフを製造す
るダイレクト・ディジタル・カラープルーフ(DDC
P)技術が切望されており、これに適応したプレプレス
プルーフ用原版を得ることが重要な技術課題となってい
る。近年のレーザ技術の進歩は目覚しく、例えば、In
GaN系の材料を用い、350nm〜450nm域で連
続発振可能な半導体レーザが実用されるに至った。これ
らの短波光源を用いたDDCPシステムを構築できれ
ば、より明るいセーフライト下での作業が可能な、感光
域が短波である感材が使用できるようになる。さらに、
半導体レーザは構造上、安価な製造が可能であり、DD
CPシステム用光源として非常に好ましいものである。
これらのことから、350nm〜450nmの比較的短
波な半導体レーザを用いたDDCPシステムに適したプ
レプレスプルーフを得ることが、強く望まれるようにな
っているが、従来のものでは感度が十分でなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、DD
CPシステムに適合した走査露光用感光性転写シート等
の感光層に用いられる、高感度な感光性転写シートを提
供することにある。また、本発明の目的は、露光及び現
像することにより感光性転写シート上に画像を形成し、
一旦、光重合性画像受容層を設けたシート上に各色の画
像を剥離層を伴って転写し、その後永久支持体上に再転
写し、更に全面露光により光重合性画像受容層を固める
操作を行なったとき、画像転写した非画像部に黄着色が
発生することの無い高感度な感光性転写シートを提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決する手段】上記課題は、以下の手段により
解決される。即ち、本発明は、 <1>支持体上に、有機重合体よりなる剥離層、色材を
含有する有機高分子重合体層、及び光重合開始剤を含有
する光重合系感光性樹脂層をこの順に有する感光性転写
シートにおいて、前記有機高分子重合体層が、アクリル
酸アラルキル及び/又はメタクリル酸アラルキルと、ア
クリル酸及び/又はメタクリル酸と、からなる共重合体
を含有してなり、前記光重合系感光性樹脂層が、前記光
重合開始剤として、下記一般式(1)で表わされる化合
物と、下記一般式(A)で表わされる有機ホウ素化合物
とを含有してなる、ことを特徴とする感光性転写シー
ト。
【0006】
【化7】
【0007】前記一般式(1)において、Q1〜Q3は、
各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を表す。R1及び
2は、各々独立して、水素原子、脂肪族基、芳香族
基、又は複素環基を表す。Z1及びZ2は、各々独立し
て、前記一般式(1)で表される化合物が色素になるた
めに必要な置換基を表す。
【0008】
【化8】
【0009】前記一般式(A)において、Ra1、R
2、及びRa3は、各々独立して、脂肪族基、芳香族
基、複素環基、又は−SiRa5Ra6Ra7を表す。R
5、Ra 6及びRa7は、各々独立して、脂肪族基又は
芳香族基を表す。Ra4は、脂肪族基を表す。Y+は陽イ
オンを形成し得る基を表す。
【0010】<2>支持体上に、有機重合体よりなる剥
離層、色材を含有する有機高分子重合体層、及び光重合
開始剤を含有する光重合系感光性樹脂層をこの順に有す
る感光性転写シートにおいて、前記有機高分子重合体層
が、アクリル酸アラルキル及び/又はメタクリル酸アラ
ルキルと、アクリル酸及び/又はメタクリル酸と、から
なる共重合体を含有してなり、前記光重合系感光性樹脂
層が、前記光重合開始剤として、下記一般式(2)で表
される化合物、及び下記一般式(2)で表される化合物
と相互作用してラジカルを発生し得る化合物を含有して
なることを特徴とする感光性転写シート。
【0011】
【化9】
【0012】前記一般式(2)において、R3及びR
4は、各々独立して、水素原子又は一価の置換基を表
す。Z3及びZ4は、各々独立して、前記一般式(2)で
表される化合物が色素になるために必要な置換基を表
す。
【0013】<3>支持体上に、有機重合体よりなる剥
離層、色材を含有する有機高分子重合体層、及び光重合
開始剤を含有する光重合系感光性樹脂層をこの順に有す
る感光性転写シートにおいて、前記有機高分子重合体層
が、アクリル酸アラルキル及び/又はメタクリル酸アラ
ルキルと、アクリル酸及び/又はメタクリル酸と、から
なる共重合体を含有してなり、前記光重合系感光性樹脂
層が、前記光重合開始剤として、下記一般式(3)で表
される化合物、及び下記一般式(3)で表される化合物
と相互作用してラジカルを発生し得る化合物を含有して
なることを特徴とする感光性転写シート。
【0014】
【化10】
【0015】前記一般式(3)において、L1及びL
2は、各々独立して、置換されていてもよいメチン基を
表す。mは0〜3の整数を表す。G1及びG2は、各々独
立して、電子吸引性基を表すか、あるいはG1とG2とで
結合して芳香環又は複素環を形成する。Q3は、酸素原
子又は硫黄原子を表す。R1及びR2は、各々独立して、
水素原子、脂肪族基、芳香族基、又は複素環基を表す。
【0016】<4>前記一般式(2)で表される化合物
が、下記一般式(4)で表される化合物であることを特
徴とする前記<2>に記載の感光性転写シート。
【0017】
【化11】
【0018】前記一般式(4)において、L1及びL
2は、各々独立して、置換されていてもよいメチン基を
表す。mは0〜3の整数を表し、G1及びG2は、各々独
立して、電子吸引性基を表すか、あるいはG1とG2とで
結合して芳香環又は複素環を形成する。R3及びR4は、
各々独立して、水素原子又は一価の置換基を表す。
【0019】<5>前記ラジカルを発生し得る化合物
が、下記一般式(A)で表される有機ホウ素化合物であ
ることを特徴とする前記<2>から<4>のいずれかに
記載の感光性転写シート。
【0020】
【化12】
【0021】前記一般式(A)において、Ra1、R
2、及びRa3は、各々独立して、脂肪族基、芳香族
基、複素環基、又は−SiRa5Ra6Ra7を表す。R
5、Ra 6及びRa7は、各々独立して、脂肪族基又は
芳香族基を表す。Ra4は、脂肪族基を表す。Y+は陽イ
オンを形成し得る基を表す。
【0022】<6>前記アクリル酸アラルキルが、ベン
ジルアクリレート、フェネチルアクリレートおよび3−
フェニルプロピルアクリレートからなる群より選らばれ
る少なくとも一種の化合物であることを特徴とする前記
<1>から<5>のいずれかに記載の感光性転写シー
ト。 <7>前記メタクリル酸アラルキルが、ベンジルメタク
リレート、フェネチルメタクリレートおよび3−フェニ
ルプロピルメタクリレートからなる群より選らばれる少
なくとも一種の化合物であることを特徴とする前記<1
>から<6>のいずれかに記載の感光性転写シート。 <8>前記共重合体を形成するアクリル酸アラルキル及
び/又はメタクリル酸アラルキルと、アクリル酸及び/
又はメタクリル酸とのモル比が、75:25〜40:6
0の範囲にあることを特徴とする前記<1>から<7>
のいずれかに記載の感光性転写シート。 <9>前記有機高分子重合体層の層厚が、0.1〜10
μmの範囲にあることを特徴とする前記<1>〜<8>
のいずれかに記載の感光性転写シート。 <10>350nm〜450nmの発振波長で露光が行
われる感光性転写シートであることを特徴とする前記<
1>から<9>のいずれかに記載の感光性転写シート。
【0023】
【発明の実施の形態】(感光性転写シート)本発明の感
光性転写シートは、支持体上に、有機重合体よりなる剥
離層、色材を含有する有機高分子重合体層、及び光重合
開始剤を含有する光重合系感光性樹脂層をこの順に有し
てなる。本発明の本発明の感光性転写シートは、有機重
合体よりなる剥離層と後述する特定の光重合開始剤を含
有する光重合系感光性樹脂層との間に、後述する特定の
共重合体を含有する有機高分子重合体層を設けること
で、優れた感度を有する。
【0024】<支持体>本発明の感光性転写シートにお
いて、支持体の材料としては、化学的及び熱的に安定で
あって、かつ可撓性を有する物質が好適に用いられる。
また、必要に応じて、化学光線透過性を有している物質
でもよい。具体的には、例えば、セルロースアセテー
ト、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン等
のような、特開昭47−41830号、特開昭48−9
337号及び特開昭51−5101号の各公報に記載さ
れている種々の物質が好ましく、その中でも、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリカーボネート及びこれらの熱
処理物等が、より好ましい。
【0025】前記支持体において、有機重合体からなる
剥離層が設けられる面と反対側の面には、加工性の向上
等の目的で、ポリビニルブチラール、塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合体、セルロースアセテート等の高分子物質
からなるバック層が設けられていてもよい。また、バッ
ク層にはマット剤などの各種の添加剤が含有されていて
もよい。
【0026】<剥離層>次に、前記有機重合体からなる
剥離層について説明する。前記支持体上(前記バック層
が設けられる面と反対側の面)には、有機重合体からな
る剥離層が設けられる。剥離層を構成する有機重合体の
材料としては、既に感光性転写シートの剥離層の材料と
して使用される公知の材料を適宣選択して用いることが
できる。そのような材料としては、例えば、アルコール
可溶性ポリアミド、ヒドロキシスチレン系重合体、ポリ
酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ塩化ビニ
ル、ボリビニルブチレート、メチルメタアクリレート・
アクリレート共重合体、ポリエチレン・(メタ)アクリ
ル酸共重合体、ポリエチレン・(メタ)アクリル酸共重
合体の金属架橋物、セルロースアセテートブチレート、
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、二酢酸セルロース、
三酢酸セルロース、ポリビニルアルコール、スチレン・
無水マレイン酸共重合体の部分エステル化樹脂とメトキ
シメチル化ナイロンとのブレンド物、等が好ましい。そ
の中でも、アルコール可溶性ポリアミドとヒドロキシス
チレン系重合体との混合物がより好ましい。この場合、
アルコール可溶性ポリアミドとヒドロキシスチレン系重
合体との比率は、高湿下における剥離層の支持体との剥
離性、及び転写時における受像側の支持体等との接着性
の観点から、4:6〜9:1(重量混合比)であること
が好ましい。
【0027】前記剥離層は、前記有機重合体を適当な溶
剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を支持体
上に塗布、乾燥することにより形成することができる。
塗布液中には、表面状態の改良剤として各種の界面活性
剤を添加することができ、特に、フッ素系界面活性剤が
有効である。剥離層の層厚としては、0.1〜20μm
が好ましく、0.2〜5μmがより好ましく、0.3〜
3μmが特に好ましい。
【0028】<有機高分子重合体層(色材層)>ここで
は、色材を含有する有機高分子重合体層について説明す
る。本発明の感光性転写シートは、有機高分子重合体層
にアクリル酸アラルキル及び/又はメタクリル酸アラル
キルとアクリル酸及び/又はメタクリル酸とからなる共
重合体を含有してなる。この特定の共重合体は、現像液
に対する耐溶解性にすぐれるので、具体的には現像液が
浸透し難い、現像液による膨潤が発生し難い等の効果を
奏し、サイドエッジングの発生を防止することができ
る。このため、画像は色画像は原稿(網点)の寸法に対
して高い精度で再現することができ、原稿と画像の寸法
誤差を少なくすることができる。
【0029】前記アクリル酸アラルキル及び/又はメタ
クリル酸アラルキルからなる化合物において、アラルキ
ルのアルキル部分は低級アルキル(炭素数1〜6)であ
ることが好ましい。前記アクリル酸アラルキルの好まし
い例としては、ベンジルアクリレート、フェネチルアク
リレートまたは3−フェニルプロピルアクリレートであ
る。また、前記メタクリル酸アラルキルの好ましい例と
しては、ベンジルメタクリレート、フェネチルメタクリ
レートまたは3−フェニルプロピルメタクリレートであ
る。
【0030】前記アクリル酸アラルキル及び/又はメタ
クリル酸アラルキルと、アクリル酸及び/又はメタクリ
ル酸との混合化(モル比)は、75:25〜40:60
の範囲にあることが好ましい。特に、現像(エッチン
グ)を炭酸ソーダのような弱アルカリ性の現像液を用い
て行なう場合には、上記モル比は、67:33〜40:
60の範囲にあることが好ましい。
【0031】前記アクリル酸アラルキル及び/又はメタ
クリル酸アラルキルと、アクリル酸及び/又はメタクリ
ル酸とからなる共重合体には、所望により、第三成分と
して他のビニル化合物から導かれる繰り返し単位が含ま
れていれもよい。前記他のビニル化合物の例としては、
スチレン又は置換されたスチレン、例えば、ビニルトル
エン、p−クロルスチレン、α−クロルスチレン、α−
メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、o−メチキシ
スチレン及びm−ブロムスチレン、ビニルナフタリン又
は置換されたビニルナフタリン、ビニルヘテロ環化合
物、例えば、N−ビニルカルバゾール、ビニルピリジ
ン、ビニルオキサゾール、ビニルシクロアルカン類、例
えば、ビニルシクロヘキサン、3,5−ジメチルビニル
シクロヘキサン、アクリルアミド、メタクリルアミド、
N−アルキルアクリルアミド、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、メタクリル酸アリール、メタクリル酸
アルアルキル及び類似物等を挙げることができる。これ
らのうちではスチレンが好ましい。但し、これらの第三
成分が共重合体中で占める割合は20モル%以下である
ことが好ましい。
【0032】前記色材としては、公知の顔料及び染料を
用いるのが好ましいが、印刷用の色校正としては、カラ
ーインキと同等の色相をもつ有機顔料(イエロー、マゼ
ンタ、シアン、ブラック)を用いるのがより好ましい。
【0033】前記色材の含有比率は、目的とする感光性
転写シートによっても異なるが一般には、バインダーに
対して5〜50重量%の範囲である。通常、画像形成材
料を返し用の非銀塩系フィルムなどの用途とする場合に
は、十分に光学的濃度を要求されるため上記色材は多量
に用いられる。オーバーレイ用のカラープルーフなどの
用途とする場合には比較的低い光学的濃度でよいため、
用いる色材の量は少量でもよい。前記有機高分子重合体
層(色材層)の層厚は一般に0.1〜10μmの範囲に
あるのが好ましく、特に好ましくは0.1〜3μmの範
囲である。前記有機高分子重合体層は、上記材料による
塗布液を通常の塗布手段、例えば、ホエラーなどを用い
て塗布した後、乾燥することにより形成することができ
る。 <光重合系感光性樹脂層>ここでは、前記光重合開始剤
を含有する光重合系感光性樹脂層について説明する。本
発明の感光性転写シートは、光重合系感光性樹脂層に含
有する光重合開始剤の種類によって、以下に挙げる第1
から第3の態様を有する。本発明の感光性転写シートに
おける第1の態様は、前記光重合開始剤が、前記一般式
(1)で表される化合物及び、前記一般式(A)で表さ
れる有機ホウ素化合物からなる感光性転写シートであ
る。また、第2の態様は、前記光重合開始剤が、前記一
般式(2)で表される化合物及び、前記一般式(2)で
表される化合物と相互作用してラジカルを発生し得る化
合物(以下、「ラジカル発生剤」と、称する場合があ
る。)からなる感光性転写シートである。さらに、第3
の態様は、前記光重合開始剤が、前記一般式(3)で表
される化合物及び、前記一般式(3)で表される化合物
と相互作用してラジカルを発生し得る化合物(以下、
「ラジカル発生剤」と、称する場合がある。)からなる
感光性転写シートである。そして、第2の態様の中に
は、前記光重合開始剤が、前記一般式(2)で表される
化合物の中でも好ましい化合物である、前記一般式
(4)で表される化合物、及びラジカル発生剤からなる
感光性転写シートの態様がある。
【0034】前記第1〜第3の態様の感光性転写シート
に光が照射されると、前記一般式(1)〜(3)で表さ
れる化合物の各々が光を吸収して、第1の態様では、前
記一般式(A)で表される有機ホウ素化合物が、前記一
般式(1)で表される化合物と相互作用し、第2及び第
3の態様では、ラジカル発生剤が、前記一般式(2)で
表される化合物及び前記一般式(3)で表される化合物
の各々と相互作用し、ラジカルを発生して、該ラジカル
によって光重合系感光性樹脂層を形成するモノマー化合
物がラジカル重合する。
【0035】前記光重合系感光性樹脂層の材料として
は、公知の感光性転写シートに用いられる各種の材料を
使用することができるが、水あるいはアルカリ現像タイ
プの光重合系感光性樹脂が好ましい。前記光重合系感光
性樹脂層の材料、及びその形成方法の詳細については、
例えば特公昭46−15326号、同46−35682
号、特開昭47−41830号、同48−93337
号、同49−441号、同51−5101号、同59−
97140号等の公報に記載されている。
【0036】前記光重合系感光性樹脂層は、通常は、常
圧で150℃以上の沸点を有し、少なくとも一個の付加
重合によって光重合体を形成し得る基を有するモノマー
化合物、有機重合体結合剤、及び活性光線によって活性
化される光重合開始剤からなり、必要に応じて、熱重合
禁止剤等その他の成分を含有するものであり、本発明の
光重合系感光性樹脂層は、それに含有される光重合開始
剤に特徴がある。また、前記光重合系感光性樹脂層の膜
厚としては、一般に0.5〜150μmが好ましく、2
〜100μmがより好ましい。以下、前記光重合系感光
性樹脂層に含有される各成分について説明する。
【0037】−モノマー化合物− 光重合系感光性樹脂層の形成に使用できるモノマー化合
物としては、ビニルモノマー及びビニリデンモノマーが
好ましく、その中でも、ポリオールの不飽和エステルが
より好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸のエステル
がさらに好ましい。その中でも特に好ましい具体例とし
ては、エチレングリコールジアクリレート、グリセリン
トリアクリレート、ポリアクリレート、エチレングリコ
ールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレー
ト、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエ
リトリットジメタクリレート、ペンタエリトリットトリ
メタクリレート、ペンタエリトリットテトラメタクリレ
ート、ペンタエリトリットジアクリレート、ペンタエリ
トリットトリアクリレート、ペンタエリトリットテトラ
アクリレート、ジペンタエリトリット−ポリアクリレー
ト、1,3−プロパンジオール−ジアクリレート、1,
5−ペンタンジオール−ジメタクリレート、200〜4
00の分子量を有するポリエチレングリコールのビスア
クリレート、ビスメタクリレート及び類似の化合物が挙
げられる。
【0038】また、前記モノマー化合物として、不飽和
アミドを用いることもでき、その例としては、α,ω−
ジアミンを有するアクリル酸、メタクリル酸の不飽和ア
ミド及びエチレンビスメタクリルアミドを挙げることが
できる。不飽和アミドのアルキレン鎖は炭素原子によっ
て開かれていてもよい。
【0039】前記モノマー化合物は単独であってもよ
く、また二種以上の混合物であってもよい。ただし、光
重合性モノマーはこれらの化合物に限定されるものでは
ない。
【0040】−有機重合体結合剤− 前記有機重合体結合剤としては、以下のものが好適に挙
げられるが、本発明においては、これらのものに何ら限
定されるわけではない。前記有機重合体結合剤として
は、側鎖にカルボン酸を有する付加重合体、側鎖にカル
ボン酸を有する酸性セルロース誘導体等が好ましく、前
記側鎖にカルボン酸を有する付加重合体の中でも、メタ
クリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共
重合体、クロトン酸共重合体、部分エステル化マレイン
酸共重合体等がより好ましい。前記メタクリル酸共重合
体の中でも、メタクリル酸メチルとメタクリル酸との共
重合体、メタクリル酸エチルとメタクリル酸との共重合
体、メタクリル酸ブチルとメタクリル酸との共重合体、
メタクリル酸アリルとメタクリル酸との共重合体、アク
リル酸エチルとメタクリル酸との共重合体、メタクリル
酸エチルとスチレンとメタクリル酸との共重合体、ベン
ジルメタクリレートとメタクリル酸との共重合体等が、
さらに好ましい。前記アクリル酸共重合体の中でも、ア
クリル酸エチルとアクリル酸との共重合体、アクル酸ブ
チルとアクリル酸との共重合体、アクリル酸エチルとス
チレンとアクリル酸との共重合体等が、さらに好まし
い。
【0041】前記有機重合体結合剤は、単独で用いても
よく、また、塗布液の調製から塗布・乾燥に至る製造工
程中に脱混合を起こさない程度に、互いの相溶性がよい
二種以上の有機重合体結合剤を適当な比率で混合して用
いてもよい。前記有機重合体結合剤の分子量は、重合体
の種類により広範な値をとり得るが、一般には5000
〜200万が好ましく、1万〜100万がより好まし
い。
【0042】ここで、前記モノマー化合物と、前記有機
重合体結合剤の混合比としては、使用されるモノマー化
合物と有機重合体結合剤との組合せによって、その適正
比は異なるが、一般には1:10〜2:1(重量比)が
好ましい。
【0043】−光重合開始剤− 本発明の光重合系感光性樹脂層に含有される光重合開始
剤としては、第1の態様に用いられる、前記一般式
(1)で表される化合物及び前記一般式(A)で表され
る有機ホウ素化合物からなるもの、第2の態様に用いら
れる、前記一般式(2)で表される化合物及びラジカル
発生剤からなるもの、並びに、第3の態様で用いられ
る、前記一般式(3)で表される化合物及びラジカル発
生剤からなるものが挙げられる。さらに、第2の態様で
は、前記一般式(2)で表される化合物の中でも好まし
い化合物である、前記一般式(4)で表される化合物及
びラジカル発生剤からなるものが挙げられる。以下、前
記一般式(1)〜(4)で表される化合物、前記一般式
(A)で表される有機ホウ素化合物及び前記ラジカル発
生剤について説明する。
【0044】ア)一般式(1)〜(4)で表される化合
物 第1〜第3の態様に用いられる光重合開始剤を構成す
る、前記一般式(1)〜前記一般式(4)で表される化
合物は、構造中に対アニオンを有しない中性の有機色素
である。第1の態様の光重合開始剤において、前記一般
式(1)で表される化合物は、前記一般式(A)で表さ
れる有機ホウ素化合物からのラジカル発生を分光増感す
る機能を有する。第2及び第3の態様の光重合開始剤に
おいて、前記一般式(2)、前記一般式(4)及び前記
一般式(3)で表される化合物は、ラジカル発生剤を分
光増感する機能を有する。即ち、前記一般式(1)〜
(4)で表される化合物の吸収に対応した近紫外〜赤外
光を照射すると、この領域に吸収を有しない有機ホウ素
化合物あるいはラジカル発生剤であっても、有機ホウ素
化合物あるいはラジカル発生剤からのラジカル発生を促
進することができる。また、前記一般式(1)〜(4)
で表される化合物は、特に波長が350〜450nmの
光を照射することによって、高い消色性を示すので、本
発明の感光性転写シートは、非画像部のカブリが抑制さ
れ、画像部の色再現性にも優れることにより、コントラ
ストの高い鮮明な画像を形成し得る。
【0045】ア)−1 一般式(1)及び一般式(3)
で表される化合物
【0046】
【化13】
【0047】前記一般式(1)において、Q1〜Q3は、
各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を表す。R1及び
2は、各々独立して、水素原子、脂肪族基、芳香族
基、又は複素環基を表す。Z1及びZ2は、各々独立し
て、前記一般式(1)で表される化合物が色素になるた
めに必要な置換基を表す。
【0048】前記一般式(1)において、R1及びR
2は、各々独立して、水素原子、脂肪族基、芳香族基、
又は複素環基を表す。前記R1及びR2が脂肪族基を表す
場合、該脂肪族基としては、例えば、アルキル基、置換
アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキ
ニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、又は置換ア
ラルキル基等が挙げられ、中でも、アルキル基、置換ア
ルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキ
ル基、又は置換アラルキル基が好ましく、アルキル基、
置換アルキル基が特に好ましい。また、前記脂肪族基
は、環状脂肪族基でも鎖状脂肪族基でもよい。鎖状脂肪
族基は分岐を有していてもよい。
【0049】前記アルキル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアルキル基が挙げられ、該アルキル基の炭素
原子数としては、1〜30が好ましく、1〜20がより
好ましい。置換アルキル基のアルキル部分における炭素
原子数の好ましい範囲については、アルキル基の場合と
同様である。また、前記アルキル基は、置換基を有する
アルキル基、無置換のアルキル基のいずれであってもよ
い。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチ
ル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、
オクタデシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル
基、ネオペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基等
が挙げられる。
【0050】前記置換アルキル基の置換基としては、カ
ルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例
えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシ
基、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベ
ンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキ
ルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニル
アミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、炭素数30以下のアシルアミノスルホニ
ル基、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシエト
キシ基、フェネチルオキシ基等)、炭素数30以下のア
ルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、
メチルチオエチルチオエチル基等)、炭素数30以下の
アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリル
オキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等)、
ニトロ基、炭素数30以下のアルキル基、アルコキシカ
ルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ
基、
【0051】炭素数30以下のアシルオキシ基(例え
ば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭
素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピ
オニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例え
ば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル
基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基
等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、
N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホ
ニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下
のアリール基(例えば、フェニル基、4−クロロフェニ
ル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチル基等)、置
換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジ
アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミ
ノ基、アシルアミノ基等)、置換ウレイド基、置換ホス
ホノ基、複素環基等が挙げられる。ここで、カルボキシ
ル基、スルホ基、ヒドロキシ基、ホスホノ基は、塩の状
態であってもよい。その際、塩を形成するカチオンとし
ては、後述のY+等が挙げられる。
【0052】前記アルケニル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアルケニル基が挙げられ、該アルケニル基の
炭素原子数としては、2〜30が好ましく、2〜20が
より好ましい。置換アルケニル基のアルケニル部分の、
炭素原子数の好ましい範囲については、アルケニル基の
場合と同様である。また、前記アルケニル基は、置換基
を有するアルケニル基、無置換のアルケニル基のいずれ
であってもよい。前記置換アルケニル基の置換基として
は、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げら
れる。
【0053】前記アルキニル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアルキニル基が挙げられ、該アルキニル基の
炭素原子数としては、2〜30が好ましく、2〜20が
より好ましい。置換アルキニル基のアルキニル部分にお
ける炭素原子数の好ましい範囲については、アルキニル
基の場合と同様である。また、前記アルキニル基は、置
換基を有するアルキニル基、無置換のアルキニル基のい
ずれであってもよい。置換アルキニル基の置換基として
は、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げら
れる。
【0054】前記アラルキル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアラルキル基が挙げられ、該アラルキル基の
炭素原子数としては、7〜35が好ましく、7〜25が
より好ましい。置換アラルキル基のアラルキル部分にお
ける炭素原子数の好ましい範囲については、アラルキル
基の場合と同様である。また、前記アラルキル基は、置
換基を有するアラルキル基、無置換のアラルキル基のい
ずれであってもよい。置換アラルキル基の置換基として
は、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げら
れる。
【0055】前記R1及びR2が芳香族基を表す場合、該
芳香族基としては、例えば、アリール基、置換アリール
基が挙げられる。アリール基の炭素原子数としては、6
〜30が好ましく、6〜20がより好ましい。置換アリ
ール基のアリール部分の好ましい炭素原子数の範囲とし
ては、アリール基と同様である。前記アリール基として
は、例えば、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチ
ル基等が挙げられる。置換アリール基の置換基として
は、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げら
れる。
【0056】前記R1及びR2が複素環基を表す場合、複
素環基には、置換基を有する複素環基及び無置換の複素
環基が含まれる。R1及びR2が表す複素環基としては、
炭素数4〜13の複素環基が好ましい。このような複素
環基としては、含窒素原子、含酸素原子、及び含硫黄原
子の複素環が挙げられ、より具体的には、ピリジン環、
ピリダジン環、ピリミジン環、ピリダゾン環、キノリン
環、イソキノリン環、キノキサリン環、アクリジン環、
フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジア
ゾール環、チアゾリン環、チオフェン環、インドール環
等が挙げられる。R1及びR2が置換基を有する複素環基
を表す場合、その置換基としては、前述のR1及びR2
置換基を有する場合の置換基と同様の置換基が挙げられ
る。
【0057】特に、R1及びR2は、無置換のアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−
ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、オクチル
基、オクタデシル基等)、又は置換アルキル基であるの
が好ましい。好ましい置換アルキル基の例としては、ア
ルコキシアルキル基(例えば、メトキシエチル基、フェ
ノキシエチル基等)、アルコキシカルボニルアルキル基
(例えば、ブトキシカルボニルメチル基、フェノキシエ
トキシカルボニルメチル基等)が好ましい。また、R1
及びR2は、各々、隣接する他の置換基と互いに結合し
て環を形成していてもよく、該環としては、例えば、5
員又は6員のヘテロ環が挙げられる。
【0058】前記一般式(1)において、Z1及びZ
2は、各々独立して、前記一般式(1)で表される化合
物が色素になるために必要な置換基を表す。該置換基と
しては、共役鎖を形成し得る基が挙げられる。
【0059】前記一般式(1)で表される化合物の中で
も、下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
【0060】
【化14】
【0061】前記一般式(3)において、L1及びL2
各々独立して置換されていてもよいメチン基を表す。L
1及びL2がメチン基を表す場合、メチン基には置換基を
有するメチン基、及び無置換のメチン基が含まれる。L
1及びL2が置換基を有するメチン基を表す場合、その置
換基としては、前述のR1及びR2が置換基を有する場合
の置換基と同様の置換基が挙げられ、これらは、他のメ
チン基と環(例えば、5員又は6員の炭素環)を形成し
ていてもよく、あるいは助色団と環を形成していてもよ
い。
【0062】前記一般式(3)において、G1及びG2
各々独立して、電子吸引性基を表すか、あるいはG1
2で結合して芳香環又は複素環を形成する。G1及びG
2が表す電子吸引性基としては、アセチル基、プロピオ
ニル基、ピバロイル基、クロロアセチル基、トリフルオ
ロアセチル基、1−メチルシクロプロピルカルボニル
基、1−エチルシクロプロピルカルボニル基、1−ベン
ジルシクロプロピルカルボニル基、ベンゾイル基、4−
メトキシベンゾイル基、テノイル基等のアシル基、メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−メトキ
シエトキシカルボニル基、4−メトキシフェノキシカル
ボニル基等のオキシカルボニル基、カルバモイル基、
N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカ
ルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−2,
4−ビス(ペンチルオキシ)フェニルカルバモイル基、
N−2,4−ビス(オクチルオキシ)フェニルカルバモ
イル基、モルホリノカルボニル基等のカルバモイル基、
シアノ基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル
基、トルエンスルホニル基等のスルホニル基、ジエチル
ホスホノ基等のホスホノ基、ベンゾオキサゾール−2−
イル、ベンゾチアゾール−2−イル基、3,4−ジヒド
ロキナゾリン−4−オン−2−イル基、3,4−ジヒド
ロキナゾリン−4−スルホン−2−イル基等の複素環基
が好ましい。
【0063】なお、前記「電子吸引性基」とは、ハメッ
トのσ値が正である置換基を意味する。ここで、σ値
は、構造活性相関懇話会編「化学の領域」増感122号
の「薬物の活性相関−ドラッグデザインと作用機作研究
への指針」96〜103頁、南江堂社刊やコルビン・ハ
ッシュ(Corwin・Hansch)、アルバート・
レオ(Albert Leo)著、「サブティチューア
ント・コンスタンツ・フォー・コーリレーション・アナ
リシス・イン・ケミストリー・アンド・バイオロジー」
(Substituent Constants fo
r Correlation Analysis in
Chemistry and Biology)69
〜161頁、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(Jh
on Wiley and Sons)社刊、コルビン
・ハッシュ(Corwin Hansch)、エー・レ
オ(A. Leo)、アール・ダブリュー・タフト
(R.W. Taft)、ケミカル・レビュー(Che
mical Reviews)第91巻第165〜19
5頁などに記載されている。また、σp が未知の置換基
については、ケミカル・レビュー(Chemical
Reviews)第17巻125〜136頁(193
5)に記載の方法で測定し求めることができる。
【0064】G1とG2で結合して芳香環を形成する場
合、該芳香環としては、ベンゼン、ナフタレン、アント
ラセン等が挙げられる。
【0065】G1とG2で結合して複素環を形成する場
合、該複素環としては、5員又は6員の複素環が挙げら
れる。G1とG2によって形成される5員又は6員の複素
環核としては、チアゾール核{チアゾール核(例えば、
チアゾール、4−メチルチアゾール、4−フェニルチア
ゾール、4,5−ジクロロチアゾール)、ベンゾチアゾ
ール核(例えば、ベンゾチアゾール、4−クロロベンゾ
チアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロ
ベンゾチアゾール、5−ニトロベンゾチアゾール、5−
メチルベンゾチアゾール、5−フェニルベンゾチアゾー
ル、5−エトキシベンゾチアゾール、5−エトキシカル
ボニルベンゾチアゾール、5−フェノキシベンゾチアゾ
ール、5−フルオロベンゾチアゾール、5−トリフルオ
ロメチルベンゾチアゾール、5−クロロ−6−メチルベ
ンゾチアゾール、テトラヒドロベンゾチアゾール、4−
フェニルベンゾチアゾール、5,6−ビスメチルチオベ
ンゾチアゾール)、
【0066】ナフトチアゾール核(例えば、ナフト
〔2,1−d〕チアゾール、ナフト〔1,2−d〕チア
ゾール、ナフト〔2,3−d〕チアゾール、5−メトキ
シナフト〔1,2−d〕チアゾール、7−エトキシナフ
ト〔2,1−d〕チアゾール、8−メトキシナフト
〔2,1−d〕チアゾール、5−メトキシナフト〔2,
3−d〕チアゾール)、8−メチルチオナフト〔2,1
−d〕チアゾール}、チアゾリン核(例えば、チアゾリ
ン、4−メチルチアゾリン、4−ニトロチアゾリン)、
オキサゾール核{オキサゾール核(例えば、オキサゾー
ル、4−メチルオキサゾール、4−ニトロオキサゾー
ル、4−フェニルオキサゾール、4,5−ジフェニルオ
キサゾール、4−エチルオキサゾール)、ベンゾオキサ
ゾール核(例えば、ベンゾオキサゾール、5−クロロベ
ンゾオキサゾール、5−メチルベンゾオキサゾール、5
−フルオロベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオ
キサゾール、5−ニトロベンゾオキサゾール、5−トリ
フルオロメチルベンゾオキサゾール、5−アセチルベン
ゾオキサゾール)、ナフトオキサゾール核(例えば、ナ
フト〔2,1−d〕オキサゾール、ナフト〔1,2−
d〕オキサゾール、ナフト〔2,3−d〕オキサゾー
ル、5−ニトロナフト〔2,1−d〕オキサゾー
ル)}、
【0067】オキサゾリン核(例えば、4,4−ジメチ
ルオキサゾリン)、セレナゾール核{セレナゾール核
(例えば、4−メチルセレナゾール、4−ニトロセレナ
ゾール、4−フェニルセレナゾール)、ベンゾセレナゾ
ール核(例えば、ベンゾセレナゾール、5−クロロベン
ゾセレナゾール、5−ニトロベンゾセレナゾール、6−
ニトロベンゾセレナゾール、5−クロロ−6−ニトロベ
ンゾセレナゾール、5,6−ジメチルベンゾセレナゾー
ル)、ナフトセレナゾール核(例えば、ナフト〔2,1
−d〕セレナゾール、ナフト〔1,2−d〕セレナゾー
ル)}、セレナゾリン核(例えば、セレナゾリン、4−
メチルセレナゾリン)、テルラゾール核{テルラゾール
核(例えば、テルラゾール、4−メチルテルラゾール、
4−フェニルテルラゾール)、ベンゾテルラゾール核
(例えば、ベンゾテルラゾール、5−クロロベンゾテル
ラゾール、5−メチルベンゾテルラゾール、5,6−ジ
メチルベンゾテルラゾール、6−メトキシベンゾテルラ
ゾール)、ナフトテルラゾール核(例えば、ナフト
〔2,1−d〕テルラゾール、ナフト〔1,2−d〕テ
ルラゾール)}、
【0068】テルラゾリン核(例えば、テルラゾリン、
4−メチルテルラゾリン)、3,3−ジアルキルインド
レニン核(例えば、3,3−ジメチルインドレニン、
3,3−ジエチルインドレニン、3,3−ジメチル−5
−シアノインドレニン、3,3−ジメチル−6−ニトロ
インドレニン、3,3−ジメチル−5−ニトロインドレ
ニン、3,3−ジメチル−5−メトキシインドレニン、
3,3,5−トリメチルインドレニン、3,3−ジメチ
ル−5−クロロインドレニン)、
【0069】イミダゾール核{イミダゾール核(例え
ば、1−アルキルイミダゾール、1−アルキル−4−フ
ェニルイミダゾール、1−アリールイミダゾール)、ベ
ンゾイミダゾール核(例えば、1−アルキルベンゾイミ
ダゾール、1−アルキル−5−クロロベンゾイミダゾー
ル、1−アルキル−5,6−ジクロロベンゾイミダゾー
ル、1−アルキル−5−シアノベンゾイミダゾール、1
−アルキル−5−フルオロベンゾイミダゾール、1−ア
ルキル−5−トリフルオロメチルベンゾイミダゾール、
1−アルキル−6−クロロ−5−シアノベンゾイミダゾ
ール、1−アルキル−6−クロロ−5−トリフルオロメ
チルベンゾイミダゾール、1−アリル−5,6−ジクロ
ロベンゾイミダゾール、1−アリールベンゾイミダゾー
ル)、ナフトイミダゾール核(例えば、1−アルキルナ
フト〔1,2−d〕イミダゾール)}が挙げられる。イ
ミダゾール核の例示中、アルキル基としては、炭素数が
1〜8のアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル等の無置換アルキル基やヒド
ロキシアルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル、3
−ヒドロキシプロピル)が好ましく、メチル基、エチル
基が特に好ましい。イミダゾール核の例示中、アリール
基としては、例えば、フェニル、ハロゲン(例えばクロ
ロ)置換フェニル、アルキル(例えばメチル)置換フェ
ニル、アルコキシ(例えばメトキシ)置換フェニルが挙
げられる。
【0070】また、G1及びG2によって形成される5員
又は6員の複素環核としては、ジチオール核{ジチオー
ル核(例えば、1,3−ジチオール、4−クロロ−1,
3−ジチオール、4,5−ジアルコキシカルボニル−
1,3−ジチオール)、4,5−ベンゾ−1,3−ジチ
オール核、4,5−ナフト−1,3−ジチオール核}、
ジチオラン核(例えば、1,3−ジチオラン、4−フル
オロ−1,3−ジチオラン)、ジオキシソール核{ジオ
キソール核(例えば、1,3−ジオキソール、4−メチ
ル−1,3−ジオキソール)、4,5−ベンゾ−1,3
−ジオキソール核、4,5−ナフト−1,3−ジオキソ
ール核}、ジオキソラン核(例えば、1、3−ジオキソ
ラン、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラ
ン)が挙げられる。ジチオール核の例示中、アルコキシ
カルボニル基としては、炭素数が2〜9のアルコキシカ
ルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカ
ルボニル、ブトキシカルボニル等のアルコキシカルボニ
ル基が好ましい。
【0071】さらに、G1及びG2によって形成される5
員又は6員の複素環核としては、ピリジン核(例えば、
2−ピリジン、4−ピリジン、5−メチル−2−ピリジ
ン、3−メチル−4−ピリジン)、キノリン核{キノリ
ン核(例えば、2−キノリン、3−メチル−2−キノリ
ン、5−エチル−2−キノリン、6−メチル−2−キノ
リン、6−ニトロ−2−キノリン、8−フルオロ−2−
キノリン、6−メトキシ−2−キノリン、6−ヒドロキ
シ−2−キノリン、8−クロロ−2−キノリン、4−キ
ノリン、6−エトキシ−4−キノリン、6−ニトロ−4
−キノリン、8−クロロ−4−キノリン、8−フルオロ
−4−キノリン、8−メチル−4−キノリン、8−メト
キシ−4−キノリン、6−メチル−4−キノリン、6−
メトキシ−4−キノリン、6−クロロ−4−キノリン、
5,6−ジメチル−4−キノリン)、イソキノリン核
(例えば、6−ニトロ−1−イソキノリン、3,4−ジ
ヒドロ−1−イソキノリン、6−ニトロ−3−イソキノ
リン)}、イミダゾ〔4,5−b〕キノキザリン核(例
えば、1,3−ジエチルイミダゾ〔4,5−b〕キノキ
ザリン、6−クロロ−1,3−ジアリルイミダゾ〔4,
5−b〕キノキザリン、6−クロロ−1,3−ジベンジ
ルイミダゾ〔4,5−b〕キノキザリン、6−クロロ−
1,3−ジフェニルイミダゾ〔4,5−b〕キノキザリ
ン、6−ニトロ−1,3−ジアリルイミダゾ〔4,5−
b〕キノキザリン)、
【0072】オキサジアゾール核、チアジアゾール核、
ピリミジン核、イミダゾ〔4,5−b〕ピラジン核(例
えば1,3−ジエチル〔4,5−b〕ピラジン、1,3
−ジアリル〔4,5−b〕ピラジン)、イミダゾ〔4,
5−b〕1,4−キノン核、ピロロピリジン核、ピラゾ
ロピリジン核、1,3,3a,7−テトラアザインデン
核、インドリジン核、1,8−ナフチリジン核、ピラン
核(例えば、α−ピラン、γ−ピラン、ベンゾ−α−ピ
ラン、ベンゾ−γ−ピラン)、チアピラン核(例えば、
α−チアピラン、γ−チアピラン、ベンゾ−α−チアピ
ラン、ベンゾ−γ−チアピラン)、インドレニン核、
【0073】
【化15】
【0074】等が挙げられる。
【0075】前記一般式(3)において、mは0〜3の
整数を表す。また、R1、R2及びQ 3は、前記一般式
(1)におけるR1、R2及びQ3と同義である。
【0076】ア)−2 一般式(2)及び一般式(4)
で表される化合物
【0077】
【化16】
【0078】前記一般式(2)において、R3及びR
4は、各々独立して、水素原子又は1価の置換基を表
す。1価の置換基としては、置換又は無置換のアルキル
基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヒドロキシエチル基、トリフルオロメチル基、ベン
ジル基、スルホプロピル基、ジエチルアミノエチル基、
シアノプロピル基、アダマンチル基、p−クロロフェネ
チル基、エトキシエチル基、エチルチオエチル基、フェ
ノキシエチル基、カルバモイルエチル基、カルボキシエ
チル基、エトキシカルボニルメチル基、アセチルアミノ
エチル基等)、置換又は無置換のアリール基(例えば、
フェニル基、ナフチル基、p−カルボキシフェニル基、
3,5−ジカルボキシフェニル基、m−スルホフェニル
基、p−アセトアミドフェニル基、3−カプリルアミド
フェニル基、p−スルファモイルフェチル基、m−ヒド
ロキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、3,5−ジ
クロロフェニル基、p−アニシル基、o−アニシル基、
p−シアノフェニル基、p−N−メチルウレイドフェニ
ル基、m−フルオロフェニル基、p−トリル基、m−ト
リル基等)、
【0079】置換又は無置換のアルキルチオ基あるいは
置換又は無置換のアリールチオ基(例えば、メチルチオ
基、エチルチオ基、スルホブチルチオ基、フェニルチオ
基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、
フッ素原子等)、カルバモイル基、スルファモイル基、
置換又は無置換のアシル基(例えば、アセチル基、ベン
ゾイル基等)、置換又は無置換のアルコキシカルボニル
基(例えば、メトキシカルボニル基)、置換又は無置換
のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカ
ルボニル基等)、カルボキシル基、ホルミル基、置換ア
ミノ基、ニトリル基等が挙げられる。また、前記一般式
(2)において、R3及びR4は互いに結合して、芳香環
又は複素環を形成していてもよい。
【0080】前記一般式(2)において、Z3及びZ
4は、各々独立して、一般式(2)で表される化合物が
色素になるために必要な置換基を表す。Z3及びZ4で表
される置換基としては、共役鎖を形成し得る基が挙げら
れる。
【0081】前記一般式(2)で表される化合物の中で
も、下記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
【0082】
【化17】
【0083】前記一般式(4)において、L1及びL
2は、各々独立して、置換されていてもよいメチン基を
表す。L1及びL2が表すメチン基としては、前記一般式
(3)におけるL1及びL2が表すメチン基と同義であ
り、好ましい例も同様である。前記一般式(4)におい
て、G1及びG2は、各々独立して、電子吸引性基を表す
か、あるいはG1とG2とで結合して芳香環又は複素環を
形成する。G1及びG2が表す電子吸引性基としては、前
記一般式(3)のG1及びG2が表す電子吸引性基と同義
であり、好ましい例も同様である。G1とG2で結合して
芳香環又は複素環を形成する場合、該芳香環及び複素環
としては、前記一般式(3)のG1とG2で結合して芳香
環又は複素環を形成する場合に例示した芳香環及び複素
環(複素環核)と同様のものが挙げられる。前記一般式
(4)において、mは0〜3の整数を表す。また、R3
及びR4は、前記一般式(2)におけるR3及びR4と同
義である。
【0084】以下に、前記一般式(1)〜一般式(4)
で表される化合物の例示化合物1〜97を挙げるが、本
発明に用いられる化合物は以下の例示化合物に限定され
るものではない。
【0085】
【化18】
【0086】
【化19】
【0087】
【化20】
【0088】
【化21】
【0089】
【化22】
【0090】
【化23】
【0091】
【化24】
【0092】
【化25】
【0093】
【化26】
【0094】
【化27】
【0095】
【化28】
【0096】
【化29】
【0097】
【化30】
【0098】
【化31】
【0099】前記第1〜第3の態様に用いられる光重合
開始剤において、前記一般式(1)〜前記一般式(4)
で表される化合物は、各々、後述するラジカル発生剤1
重量部に対して0.01〜5重量%含有されるのが好ま
しく、0.05〜2重量%含有されるのがより好まし
い。
【0100】イ) 一般式(A)で表される有機ホウ素
化合物又はラジカル発生剤 第1の態様に用いられる光重合開始剤において、一般式
(A)で表される有機ホウ素化合物は、近傍に存在する
前記一般式(1)で表される化合物が光を吸収した場合
に、該化合物と相互作用し、高効率でラジカル等を発生
し、近傍に存在する前記モノマー化合物の重合を開始さ
せる機能を有する。
【0101】
【化32】
【0102】前記一般式(A)において、Ra1、R
2、及びRa3は、各々独立して、脂肪族基、芳香族
基、複素環基、又は−SiRa5Ra6Ra7を表す。ま
た、Ra4は、脂肪族基を表す。Ra1〜Ra3及びRa4
が、脂肪族基を表す場合、該脂肪族基としては、例え
ば、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換
アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラ
ルキル基、又は置換アラルキル基等が挙げられ、中で
も、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換
アルケニル基、アラルキル基、又は置換アラルキル基が
好ましく、アルキル基、置換アルキル基が特に好まし
い。また、前記脂肪族基は、環状脂肪族基でも鎖状脂肪
族基でもよい。鎖状脂肪族基は分岐を有していてもよ
い。
【0103】前記アルキル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアルキル基が挙げられ、該アルキル基の炭素
原子数としては、1〜30が好ましく、1〜20がより
好ましい。置換アルキル基のアルキル部分の,炭素原子
数の好ましい範囲については、アルキル基の場合と同様
である。また、前記アルキル基は、置換基を有するアル
キル基、無置換のアルキル基のいずれであってもよい。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペン
チル基、ネオペンチル基、イソプロピル基、イソブチル
基、シクロヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシ
ル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基等が挙げ
られる。
【0104】前記置換アルキル基の置換基としては、カ
ルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例
えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシ
基、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベ
ンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキ
ルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニル
アミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、炭素数30以下のアシルアミノスルホニ
ル基、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェネチルオキ
シ基等)、炭素数30以下のアルキルチオ基(例えば、
メチルチオ基、エチルチオ基、メチルチオエチルチオエ
チル基等)、炭素数30以下のアリールオキシ基(例え
ば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキ
シ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、炭素数30以
下のアルキル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリ
ールオキシカルボニルオキシ基、炭素数30以下のアシ
ルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニル
オキシ基等)、炭素数30以下のアシル基(例えば、ア
セチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、カルバ
モイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチル
カルバモイル基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノ
カルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、スルフ
ァモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モル
ホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭
素数30以下のアリール基(例えば、フェニル基、4−
クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチ
ル基等)、置換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキル
アミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジ
アリールアミノ基、アシルアミノ基等)、置換ウレイド
基、置換ホスホノ基、複素環基等が挙げられる。ここ
で、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基、ホスホ
ノ基は、塩の状態であってもよい。その際、塩を形成す
るカチオンとしては、後述のY+等が挙げられる。
【0105】前記アルケニル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアルケニル基が挙げられ、該アルケニル基の
炭素原子数としては、2〜30が好ましく、2〜20が
より好ましい。置換アルケニル基のアルケニル部分の、
炭素原子数の好ましい範囲については、アルケニル基の
場合と同様である。また、前記アルケニル基は、置換基
を有するアルケニル基、無置換のアルケニル基のいずれ
であってもよい。前記置換アルケニル基の置換基として
は、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げら
れる。
【0106】前記アルキニル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアルキニル基が挙げられ、該アルキニル基の
炭素原子数としては、2〜30が好ましく、2〜20が
より好ましい。置換アルキニル基のアルキニル部分の炭
素原子数の好ましい範囲については、アルキニル基の場
合と同様である。また、前記アルキニル基は、置換基を
有するアルキニル基、無置換のアルキニル基のいずれで
あってもよい。置換アルキニル基の置換基としては、前
記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
【0107】前記アラルキル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアラルキル基が挙げられ、該アラルキル基の
炭素原子数としては、7〜35が好ましく、7〜25が
より好ましい。置換アラルキル基のアラルキル部分の、
炭素原子数の好ましい範囲については、アラルキル基の
場合と同様である。また、前記アラルキル基は、置換基
を有するアラルキル基、無置換のアラルキル基のいずれ
であってもよい。置換アラルキル基の置換基としては、
前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられ
る。
【0108】前記Ra1〜Ra3が芳香族基アルキル基を
表す場合、該芳香族基としては、例えば、アリール基、
置換アリール基が挙げられる。アリール基の炭素原子数
としては、6〜30が好ましく、6〜20がより好まし
い。置換アリール基のアリール部分の好ましい炭素原子
数の範囲としては、アリール基と同様である。前記アリ
ール基としては、例えば、フェニル基、α−ナフチル
基、β−ナフチル基等が挙げられる。置換アリール基の
置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置
換基が挙げられる。
【0109】Ra1〜Ra3が複素環基を表す場合、該複
素環基としては、置換基を有する複素環基、無置換の複
素環基が挙げられる。置換基を有する複素環基の置換基
としては、Ra1〜Ra3が置換基を有するアリール基を
表す場合に例示した置換基と同様の置換基が挙げられ
る。中でも、Ra1〜Ra3が表す複素環基としては、フ
ラン環、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール
環、チアゾール環、ピリジン環等の窒素原子、硫黄原
子、又は酸素原子を含む複素環基が好ましい。
【0110】Ra1〜Ra3が−SiRa5Ra6Ra7
表す場合、Ra5、Ra6及びRa7は、各々独立して、
脂肪族基又は芳香族基を表す。Ra5、Ra6及びRa7
は、それぞれ独立に脂肪族基、芳香族基を表す。該脂肪
族基、芳香族基は、Ra1〜Ra3及びRa4が表す脂肪
族基、Ra1〜Ra3が表す芳香族基と各々同義であり、
好ましい例も同様である。
【0111】前記一般式(A)において、Ra1、R
2、Ra3、及びRa4のうちの2以上が直接又は置換
基を介して連結し、環を形成していてもよい。環を形成
している場合、該環としては、下記の(C1)〜(C
3)の環より選ばれるいずれかの環が好ましく、中で
も、(C2)の環が好ましい。
【0112】
【化33】
【0113】前記(C1)の環において、Rbは、以下
の2価基をあらわす。
【0114】
【化34】
【0115】前記一般式(A)において、高感度と保存
性向上の観点から、Ra1〜Ra3がアリール基で、Ra
4がアルキル基であるのが好ましい。特に、アリール基
に電子吸引性基が置換したトリアリールアルキル型の有
機ホウ素化合物が好ましく、その中でも、3つのアリー
ル基上にある置換基(電子吸引性基)の、Hammet
(σ)値の合計が+0.36〜+2.58のものがより
好ましい。前記電子吸引性基としては、ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基が好ましく、特にフッ素原子、塩
素原子がより好ましい。
【0116】電子吸引性基が置換したアリール基として
は、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル
基、2−フルオロフェニル基、3−クロロフェニル基、
4−クロロフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニ
ル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ
フルオロフェニル基、4―ブロモフェニル基、3,4−
ジフルオロフェニル基、5−フルオロ−2−メチルフェ
ニル基、5−フルオロ−4−メチルフェニル基、5−ク
ロロ−2−メチルフェニル基、5−クロロ−4−メチル
フェニル基等が挙げられる。
【0117】前記一般式(A)のアニオン部の具体例と
しては、例えば、テトラメチルボレート、テトラエチル
ボレート、テトラブチルボレート、トリイソブチルメチ
ルボレート、ジ−n−ブチル−ジ−t−ブチルボレー
ト、テトラ−n−ブチルボレート、トリ−m−クロロフ
ェニル−n−ヘキシルボレート、トリフェニルメチルボ
レート、トリフェニルエチルボレート、トリフェニルプ
ロピルボレート、トリフェニル−n−ブチルボレート、
トリメシチルブチルボレート、トリトリルイソプロピル
ボレート、トリフェニルベンジルボレート、m−フルオ
ロ−テトラベンジルボレート、トリフェニルフェネチル
ボレート、トリフェニル−p−クロロベンジルボレー
ト、トリフェニルエテニルブチルボレート、ジ(α−ナ
フチル)−ジプロピルボレート、トリ−n−ブチル(ジ
メチルフェニルシリル)ボレート、ジフェニルジヘキシ
ルボレート、トリ−m−フルオロフェニルヘキシルボレ
ート、トリ−(5−クロロ−4−メチルフェニル)ヘキ
シルボレート、トリ−m−フルオロフェニルシクロヘキ
シルボレート、トリ−m−フルオロフェニルベンジルボ
レート、トリ−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)
ヘキシルボレート等が挙げられる。
【0118】前記一般式(A)において、Y+は陽イオ
ンを形成し得る基を表す。中でも、有機カチオン性化合
物、遷移金属配位錯体カチオン(特許2791143号
公報に記載の化合物等)又は金属カチオン(例えば、N
+、K+、Li+、Ag+、Fe2+、Fe3+、Cu+、C
2+、Zn2+、Al3+、1/2Ca2+等)が好ましい。
前記有機カチオン性化合物としては、例えば、4級アン
モニウムカチオン、4級ピリジニウムカチオン、4級キ
ノリニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ヨードニ
ウムカチオン、スルホニウムカチオン、色素カチオン等
が挙げられる。
【0119】前記4級アンモニウムカチオンとしては、
テトラアルキルアンモニウムカチオン(例えば、テトラ
メチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウ
ムカチオン)、テトラアリールアンモニウムカチオン
(例えば、テトラフェニルアンモニウムカチオン)等が
挙げられる。前記4級ピリジニウムカチオンとしては、
N−アルキルピリジニウムカチオン(例えば、N−メチ
ルピリジニウムカチオン)、N−アリールピリジニウム
カチオン(例えば、N−フェニルピリジニウムカチオ
ン)、N−アルコキシピリジニウムカチオン(例えば、
4−フェニル−N−メトキシ−ピリジニウムカチオ
ン)、N−ベンゾイルピリジニウムカチオン等が挙げら
れる。前記4級キノリニウムカチオンとしては、N−ア
ルキルキノリニウムカチオン(例えば、N−メチルキノ
リニウムカチオン)、N−アリールキノリニウムカチオ
ン(例えば、N−フェニルキノリニウムカチオン)等が
挙げられる。前記ホスホニウムカチオンとしては、テト
ラアリールホスホニウムカチオン(例えば、テトラフェ
ニルホスホニウムカチオン)等が挙げられる。前記ヨー
ドニウムカチオンとしては、ジアリールヨードニウムカ
チオン(例えば、ジフェニルヨードニウムカチオン)等
が挙げられる。前記スルホニウムカチオンとしては、ト
リアリールスルホニウムカチオン(例えば、トリフェニ
ルスルホニウムカチオン)等が挙げられる。
【0120】さらに、前記Y+の具体的な例として、特
開平9−188686号公報の段落[0020]〜[0
038]に記載の化合物等も挙げることができる。
【0121】上記に例示した各カチオン性化合物(例示
化合物)において、そのアルキル基としては、炭素数が
1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基等の無置換アルキル基や、Ra1〜Ra4が表す
前記置換アルキル基が好ましい。中でも特に、炭素数1
〜12のアルキル基が好ましい。また、上記に例示した
各カチオン性化合物において、そのアリール基として
は、例えば、フェニル基、ハロゲン原子(例えば、塩素
原子)置換フェニル基、アルキル(例えば、メチル基)
置換フェニル基、アルコキシ(例えば、メトキシ基)置
換フェニル基が好ましい。
【0122】前記一般式(A)で表される有機ホウ素化
合物の具体例としては、米国特許第3,567,453
号明細書、同4,343,891号明細書、特開昭62
−143044号公報、特開昭62−150242号公
報、特開平9−188684号公報、特開平9−188
685号公報、特開平9−188686号公報、特開平
9−188710号公報、特公平8−9643号公報、
特開平11−269210号公報に記載されている化合
物、及び以下に例示する化合物(b−1〜33)が挙げ
られる。有機ホウ素化合物は、後述のラジカル発生剤と
併用してもよい。但し、本発明に用いられる前記有機ホ
ウ素化合物は、これに限定されるものではない。
【0123】
【化35】
【0124】
【化36】
【0125】
【化37】
【0126】
【化38】
【0127】
【化39】
【0128】第1の態様で用いられる光重合開始剤にお
いて、前記一般式(A)で表される有機ホウ素化合物
は、光重合系感光性樹脂層を形成するモノマー化合物の
含有量に対して、0.01〜20重量%が好ましく、
0.1〜10重量%がより好ましい。ただし、好ましい
範囲は、併用する「光重合系感光性樹脂層を形成するモ
ノマー化合物」の種類に応じて変動するので、これに限
定されるものではない。
【0129】第2の態様で用いられる光重合開始剤は、
前記一般式(2)で表される化合物及び、前記一般式
(2)で表される化合物と相互作用してラジカルを発生
し得る化合物(ラジカル発生剤)からなり、第3の態様
で用いられる光重合開始剤は、前記一般式(3)で表さ
れる化合物及び、前記一般式(3)で表される化合物と
相互作用してラジカルを発生し得る化合物(ラジカル発
生剤)からなる。前記ラジカル発生剤は、近傍に存在す
る前記一般式(2)又は前記一般式(3)で表される化
合物が光を吸収した場合に、該化合物と相互作用しラジ
カルを発生して、近傍に存在している光重合系感光性樹
脂層を形成するモノマー化合物の重合反応を開始させる
機能を有する。第2及び第3の態様の光重合開始剤にお
いて、前記ラジカル発生剤としては、高効率にラジカル
を発生でき、感度がより向上するという観点から、前記
一般式(A)で表される有機ホウ素化合物が好ましい。
なお、第2及び第3の態様の光重合開始剤において、ラ
ジカル発生剤として、前記一般式(A)で表される有機
ホウ素化合物を使用する場合、その含有量の好ましい範
囲は、第1の態様と同様である。
【0130】前記ラジカル発生剤としては、ベンゾフェ
ノン、カンファーキノン、4,4−ビス(ジメチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルア
ミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェ
ノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチ
ルアミノアセトフェノン、ベンジルアントラキノン、2
−tert−ブチルアントラキノン、2−メチルアント
ラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロルチ
オキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フル
オレノン、アクリドン、ビス(2,4,6−トリメチル
ベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のビス
アシルホスフィンオキサイド類、Lucirin TP
O等のアシルホスフィンオキサイド類、α−ヒドロキシ
又はα−アミノアセトフェノン類、α−ヒドロキシシク
ロアルキルフェニルケトン類、ジアルコキシアセトフェ
ノン類等の芳香族ケトン類;
【0131】ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベン
ゾインフェニルエーテル等のベンゾイン及びベンゾイン
エーテル類;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ
フェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニ
ル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾー
ル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジ
フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェ
ニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−
(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール二量体等の2,4,6−トリアリールイミダゾー
ル二量体、その他米国特許第3784557号、同42
52887号、同4311783号、同4459349
号、同4410621号、同4622286号等に記載
の化合物;
【0132】四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルス
ルホン、フェニルトリクロロメチルケトン等のポリハロ
ゲン化合物;特開昭59−133428号、特公昭57
−1819号、特公昭57−6096号、米国特許第3
615455号に記載の化合物;
【0133】2,4,6−トリス(トリクロロメチル)
−S−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−S−トリアジン、2−アミノ−4,6
−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−
(P−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロ
メチル)−S−トリアジン等の特開昭58−29803
号記載のトリハロゲン置換メチル基を有するS−トリア
ジン誘導体;
【0134】メチルエチルケトンパーオキサイド、シク
ロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチル
シクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド、ジターシャリ−ブチルジパーオキシイソフタレ
ート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパー
オキシ)ヘキサン、ターシャリ−ブチルパーオキシベン
ゾエート、a,a’−ビス(ターシャリ−ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイ
ド、3,3’,4,4’−テトラ−(ターシャリイブチ
ルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の特開昭5
9−189340号記載の有機過酸化物;
【0135】米国特許第4743530号に記載のアジ
ニウム塩;既述の有機ホウ素化合物;フェニルグリオキ
サル酸メチルエステル等のフェニルグリオキサル酸エス
テル類;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1
−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピ
ロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノ
セン類;η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−
アイアン(1+)−ヘキサフルオロホスフェイト(1
−)等の鉄アレン錯体;ジフェニルヨードニウム塩等の
ジアリールヨードニウム塩類;トリフェニルスルホニウ
ム塩等のトリアリールスルホニウム塩類等が好適に挙げ
られる。
【0136】前記ラジカル発生剤のより詳細な化合物
例、及びその他別種のラジカル発生剤の例としては、特
開平10−45816号公報の段落[0067]〜[0
132]に記載のものを挙げることができる。
【0137】また、前記ラジカル発生剤としては、二種
以上の化合物の組合わせからなる材料を使用することも
できる。例えば、2,4,5−トリアリールイミダゾー
ル二量体とメルカプトベンズオキサゾール等との組合
せ、米国特許第3427161号明細書に記載の4,
4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンとベンゾ
フェノンとベンゾインメチルエーテルとの組合せ、米国
特許第4239850号明細書に記載のベンゾイル−N
−メチルナフトチアゾリンと2,4−ビス(トリクロロ
メチル)−6−(4’−メトキシフェニル)−トリアゾ
ールとの組合せ、特開昭57−23602号公報に記載
のジアルキルアミノ安息香酸エステルとジメチルチオキ
サントンとの組合せ、特開昭59−78339号公報に
記載の4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノ
ンとベンゾフェノンとポリハロゲン化メチル化合物との
三種組合わせ、等が挙げられる。
【0138】二種以上を組合せてなるラジカル発生剤の
場合、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノ
ンとベンゾフェノンとの組合せ、2,4−ジエチルチオ
キサントンと4−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの組
合せ、又は4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフ
ェノンと2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体
との組合せを用いるのが好ましい。
【0139】前記ラジカル発生剤のうち、露光領域に、
色素と相互作用し効果的にラジカルを発生させることが
でき、より高感度化し得る点で、有機ホウ素化合物、ジ
アリールヨードニウム塩、鉄アレン錯体、トリハロゲン
置換メチル基を有するS−トリアジン誘導体、有機過酸
化物、チタノセン、2,4,5−トリアリールイミダゾ
ール二量体、又はアジニウム塩化合物が好ましく、有機
ホウ素化合物は特に好ましい。該有機ホウ素化合物は、
分光増感化合物として分光増感色素を使用した場合で
も、光照射して画像定着する際に共存する分光増感色素
を良好に消色できる点で好ましい。また、該有機ホウ素
化合物は、前述のラジカル発生剤と併用してもよい。
【0140】有機ホウ素化合物としては、前記一般式
(A)で表される化合物、及び「機能性色素の化学」
(1981年、CMC出版社、p.393〜p.41
6)や「色材」(60〔4〕212−224(198
7))等に記載のカチオン性色素を、カチオン部として
構造内に有する分光増感色素系有機ホウ素化合物も挙げ
られる。前記分光増感色素系有機ホウ素化合物として
は、特開昭62−143044号、特開平1−1382
04号、特表平6−505287号、特開平4−261
406号等に記載の化合物が挙げられる。
【0141】前記分光増感色素系有機ホウ素化合物のカ
チオン部を構成している色素としては、300nm以上
の波長領域、好ましくは400〜1100nmの波長領
域に最大吸収波長を有するカチオン性色素を用いること
ができる。中でも、カチオン性のメチン色素、ポリメチ
ン色素、トリアリールメタン色素、インドリン色素、ア
ジン色素、キサンテン色素、シアニン色素、ヘミシアニ
ン色素、ローダミン色素、アゾメチン色素、オキサジン
色素又はアクリジン色素等が好ましく、カチオン性のシ
アニン色素、ヘミシアニン色素、ローダミン色素又はア
ゾメチン色素がより好ましい。
【0142】第2及び第3の態様に用いられる光重合開
始剤において、前記ラジカル発生剤の含有量としては、
前記第1の態様の光重合開始剤における前記一般式
(A)で表される有機ホウ素化合物の場合と同様であ
り、また、その好ましい範囲は、光重合系感光性樹脂層
を形成するモノマー化合物の種類に応じて変動するの
で、これに限定されるものではない。
【0143】前記光重合系感光性樹脂層における光重合
開始剤の含有量は、光重合系感光性樹脂層のモノマ−化
合物の含有量に対して、0.01〜20重量%が好まし
く、0.1〜15重量%がより好ましく、0.5〜10
重量%が特に好ましい。光重合開始剤の含有量が、0.
01重量%未満では感度が不足し、20重量%を越える
と非画像部の白色度が低下する。また、使用する全光重
合開始剤のうち、光重合反応に必要な分光増感色素/ボ
レート化合物の比(モル比で1/1)に加え、さらに層
内に残存する分光増感色素を十分に消色するのに必要な
量のボレート化合物を添加することが、十分な高感度化
と消色性能を得る点から、特に好ましい。即ち、分光増
感色素/ボレート化合物の比は、1/1〜1/50の範
囲で使用することが好ましく、1/1.2〜1/30の
範囲で使用することがより好ましく、1/1.2〜1/
20の範囲で使用することが、最も好ましい。一方、分
光増感色素/ボレート化合物の比が、1/1未満では、
十分な重合反応性と消色性を得ることができず、1/5
0を越えると、塗布適性が劣化するため好ましくない。
【0144】−その他の成分− 前記光重合系感光性樹脂層には、前記モノマー化合物及
び前記光重合開始剤以外に、その他の成分が含有されて
いてもよい。その他の成分としては、重合を促進するた
めの助剤として還元剤、例えば酸素除去剤(oxyge
n scavenger)及び活性水素ドナーの連鎖
移動剤、さらに、連鎖移動的に重合を促進するその他の
化合物(重合促進剤)を挙げることができる。前記酸素
除去剤としては、ホスフィン、ホスホネート、ホスファ
イト、第一錫塩、及び酸素により容易に酸化されるその
他の化合物が好ましく、その中でも、N−フェニルグリ
シン、トリメチルバルビツール酸、N,N−ジメチル−
2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N,N,−2,
4,6−ペンタメチルアニリン等がより好ましい。ま
た、前記重合促進剤としては、チオール類、チオケトン
類、トリハロメチル化合物、ロフインダイマー化合物、
ヨードニウム塩類、スルホニウム塩類、アジニウム塩
類、有機過酸化物等が好ましい。
【0145】さらに、その他の成分としては、熱重合禁
止剤が挙げられる。熱重合禁止剤としては、例えば、p
−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキル又は
アリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、
ピロガロール、ナフチルアミン、β−ナフトール、フェ
ナチアジン、ピリジン、ニトロベンゼン、o−トルキノ
ン、アリールホスファイト等が好適に挙げられるが、こ
れらに何ら限定されるものではない。
【0146】<保護層>さらに、前記光重合系感光性樹
脂層の上には、保護層を設けるのが好ましい。前記保護
層は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、
ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム等の高
分子物質の溶液を、塗布・乾燥することにより形成する
ことができる。
【0147】(感光性転写シートを用いた色校正)本発
明の感光性転写シートは、例えば、以下に述べるサープ
リント法に従う操作により、色校正に使用することがで
きる。
【0148】1)感光性転写シートに色分解マスクを重
ね合わせた状態で、活性光線を照射することにより露光
を行う(露光工程)。 2)この転写シートを現像液で処理することにより、剥
離層上に分解画像を形成する(現像工程)。 3)別の感光性転写シートを用いて、上記露光工程及び
現像工程を繰り返すことにより、二色〜四色のカラープ
ルーフィングシートを得る。
【0149】なお、前記露光工程は、における露光方法
としては、公知の露光方法を用いることができ、一般的
には近紫外〜赤外領域に発振波長、特に好ましくは35
0nm〜450nmの発振波長で露光が行われることが
よい。露光する際に使用可能な光源としては、近紫外〜
赤外領域に発振波長を有する公知の光源の中から適宜選
択することができる。その中でも、光源の最大吸収波長
が、300〜1000nmであるのが好ましく、350
〜450nmであるのがより好ましい。また、光源とし
ては、例えば、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、
ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、可視
及び紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステ
灯、太陽光等が好適に挙げられるが、装置の簡易小型化
が可能な点、及び低コストが達成し得る点から、InG
aN系レーザ等の半導体レーザがより好ましい。
【0150】4)第一色目の分解画像を有するカラープ
ルーフィングシートについて、該分解画像側を、支持体
と光重合性画像受容層からなる受像シートの画像受容層
に接するように重ね合わせた後、加熱加圧して接着を行
う。該分解画像は未硬化の画像受容層中に埋め込まれた
状態で熱圧着される。次いで、転写シートの支持体(仮
支持体)を剥離して、剥離層と共に該分解画像の転写を
行う(転写工程)。
【0151】さらに、残りのカラープルーフィングシー
トを用いて同様の操作により、第二色目以降の分解画像
を第一色目の分解画像に整合させながら同一の受像シー
ト上に順次転写する。受像シート上には、二色〜四色の
分解画像が画像受容層に埋め込まれた状態で転写形成さ
れる。
【0152】5)多色画像が転写された受像シートの支
持体を、該多色画像が白色紙と接するように白色紙に重
ね合わせたのちに加熱加圧して接着する。 6)受像シートの支持体を通して全面に活性光線を照射
して、光重合性画像受容層を光硬化させる。 7)受像シートの支持体(仮支持体)を剥離することに
より、所望により、画像受容層上にマットフイルムなど
を重ねて加熱加圧し、画像受容層表面に微細な凹凸を設
けることもできる。
【0153】なお、上記においては分解画像が最終的に
転写される支持体として白色紙の例を挙げたが、それ以
外に各種の紙、金属、フイルム、ガラス等も支持体とし
て用いることができる。また、受像シートを介さずに、
直接に最終支持体に転写することも可能である。
【0154】さらに、上記第三工程で得られた二色〜四
色のカラープルーフィングシートは、そのまま直接に正
確に重ね合わせることによりオーバーレイ法に従う色校
正に使用することができる。
【0155】
【実施例】次に本発明の実施例及び比較例を記載する。
ただし、以下の各例は本発明を制限するものでない。
【0156】[実施例1]ポリエチレンテレフタレート
フィルム(厚さ:100μm)を支持体として、この上
に下記組成の剥離層用塗布液を塗布して、乾燥膜厚が
0.5μmの剥離層を設けた。
【0157】 [剥離層用塗布液] アルコール可溶性ポリアミド 5.4g (CM−8000、粘度:23cps、東レ株式会社製) ポリヒドロキシスチレン 3.6g (マルカリンカーM、平均分子量:5000、丸善石油株式会社製) メタノール 400g プロピレングリコールモノメチルエーテル 100g
【0158】次に、色材を含有する有機高分子重合体層
の塗布液として、下記組成を有するイエロー(Y)、マ
ゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の四色の
塗布液をそれぞれ調製し、厚さ1.0μとなるように塗
布を行った。
【0159】 [色材を含有する有機高分子重合体層用塗布液] <イエロー塗布液> ベンジルメタクリレート・メタクリル酸・アクリル酸共重合体(モル比:50/ 35/15)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエ チルケトン40%、3/1溶液、(粘度η:0.12) 60.0g セイカファーストイエローH−7055 9.4g (大日精化工業株式会社製) アセトン 60.0g シクロヘキサノール 20.0g n−プロパノール 720.0g フッ素系界面活性剤 1g (フロラードFC−430、住友スリーエム株式会社製)
【0160】以下、マゼンタ塗布液、シアン塗布液、ブ
ラック塗布液を上記イエロー顔料の代わりにセイカファ
ーストカーミン1483(大日精化工業株式会社製)、
シアニンブルー4920(大日精化工業株式会社製)、
三菱カーボンブラックMA−100を使用して作成し
た。
【0161】この上に、下記組成よりなる感光液を塗布
し乾燥膜厚が2.4μmの光重合系感光性樹脂層を設け
4色の着色感光性シートを作成した
【0162】 [光重合系感光性樹脂層感光塗布液] ベンジルメタクリレート・メタクリル酸共重合体 60g (モル比:73/27、粘度η:0.12) ペンタエリスリトールテトラアクリレート 43.2g 一般式(1)〜(4)で表される化合物の例示化合物30 0.432g 有機ホウ素化合物(例示化合物b−10) 2.592g プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 560g メチルエチルケトン 280g フッ素系界面活性剤 1g (フロラードFC−430、住友スリーエム株式会社製)
【0163】別に、下記組成の保護層形成用の塗布液を
調製し、この塗布液を各色の光重合系感光性樹脂層の上
にそれぞれ塗布、乾燥して、乾燥膜厚が1.5μmの保
護層を設けた。 [保護層用塗布液] ポリビニルアルコール 60g (GL−05,日本合成化学工業株式会社製) 水 970g メタノール 30g
【0164】このようにして、順に支持体、剥離層、色
素含有有機高分子樹脂層、光重合系感光性樹脂層及び保
護層からなる四色の感光性転写シート(ネガ型着色感光
シート)を製造した。
【0165】[比較例1]有機高分子重合体層を形成せ
ずに、剥離層の付設された四枚の支持体上に、光重合系
感光性樹脂層形成用の塗布液として、下記組成を有する
イエロー(Y)、マゼンタ(M),シアン(C),ブラ
ック(K)の四色の感光性塗布液をそれぞれ塗布、乾燥
して、乾燥膜厚が2.4μmの光重合系感光性樹脂層を
形成した以外は、実施例1と同様にして感光性転写シー
トを製造した。
【0166】 [光重合系感光性樹脂層用塗布液] <イエロー感光性塗布液> ベンジルメタクリレート・メタクリル酸共重合体 60g (モル比:73/27、粘度η:0.12) ペンタエリスリトールテトラアクリレート 43.2g 一般式(1)〜(4)で表される化合物の例示化合物30 0.864g 有機ホウ素化合物(例示化合物b−10) 5.184g セイカファーストイエローH−7055 9.4g (大日精化工業株式会社製) プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 560g メチルエチルケトン 280g フッ素系界面活性剤 1g (フロラードFC−430、住友スリーエム株式会社製)
【0167】 <マゼンタ感光塗布液> ベンジルメタクリレート・メタクリル酸共重合体 60g (モル比:73/27、粘度η:0.12) ペンタエリスリトールテトラアクリレート 43.2g 一般式(1)〜(4)で表される化合物の例示化合物30 0.864g 有機ホウ素化合物(例示化合物b−10) 5.184g セイカファーストカーミン1483 5.2g (大日精化工業株式会社製) プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 560g メチルエチルケトン 280g フッ素系界面活性剤 1g (フロラードFC−430、住友スリーエム株式会社製)
【0168】 <シアン感光塗布液> ベンジルメタクリレート・メタクリル酸共重合体 60g (モル比:73/27、粘度η:0.12) ペンタエリスリトールテトラアクリレート 43.2g 一般式(1)〜(4)で表される化合物の例示化合物30 0.864g 有機ホウ素化合物(例示化合物b−10) 5.184g シアニンブルー4920 5.6g (大日精化工業株式会社製) プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 560g メチルエチルケトン 280g フッ素系界面活性剤 1g (フロラードFC−430、住友スリーエム株式会社製)
【0169】 <ブラック感光塗布液> ベンジルメタクリレート・メタクリル酸共重合体 60g (モル比:73/27、粘度η:0.12) ペンタエリスリトールテトラアクリレート 43.2g 一般式(1)〜(4)で表される化合物の例示化合物30 0.864g 有機ホウ素化合物(例示化合物b−10) 5.184g 三菱カーボンブラックMA−100 6.6g (三菱化学工業株式会社製) プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 560g メチルエチルケトン 280g フッ素系界面活性剤 1g (フロラードFC−430、住友スリーエム株式会社製)
【0170】[評価]得られた実施例及び比較例の感光
性転写シートを用いて、次に示すようにそれぞれ画像形
成を行った。四色各々の感光性転写シートを、日亜化学
工業NLHV500A半導体レーザーを使用し標準発進
波長405nm、最小波長395nm、最大波長415
nm光出力10mWを組み込んだ露光装置にて露光後、
カラーアート用現像液CA−1(商品名:富士写真フィ
ルム株式会社製)の5倍希釈液により、31℃で22秒
間自動現像(カラーアートプロセッサーCA−600P
III(商品名:富士写真フィルム株式会社製を使用)
を行なった。このようにして原画情報を忠実に再現した
各四色の感光性転写シートが得られた。別に、厚みが1
00μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に、下記処方の塗布液を調整し、乾燥膜厚20μm
となるように塗布形成し、受像シートを作製した。
【0171】 [受像層用塗布液] メタクリル酸メチルポリマー 90g (平均分子量:100,000、和光純薬株式会社製) ペンタエリスリトールテトラアクリレート 90g 2,2、−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン 3.18g P−メトキシフェノール 0.09g メチルエチルケトン 220g
【0172】次に、一色目としてブラックの感光性転写
シートの画像側を、受像シート材料の膜面と接するよう
に重ね、カラーアート転写機CA−600TIII(富
士写真フィルム株式会社製)を用いてラミネートを行
い、しかるのち感光性転写シートの支持体を剥離し、受
像シート上にブラックの画像を転写した。次いで残りの
三色の感光性転写シートについて、位置を合わせながら
順次転写を行い、四色の網点画像が転写形成された受像
シートを得た。次に、四色画像が転写された受像シート
とアート紙(最終支持体)を重ねて、上記転写機でラミ
ネートを行い、その後P−607FW明室プリンター
(大日本スクリーン製造株式会社製、1kW超高圧水銀
灯使用)で受像シート側から120秒間前面露光し、次
いで受像シートの支持体を取り除き、アート紙上に最終
画像(カラープルーフ)を得た。
【0173】実施例の感光性転写シートを用いて得られ
た画像について、目視にて評価したところ色再現性・カ
ブリ・印刷物近似性・網点再現性に優れていた。また、
感度ついて評価したところ、後述する比較例と比較し、
2倍の感度を得ることができた。一方、比較例の感光性
転写シートは、現像時における有機高分子重合体層(色
材層)のサイドエッジが確認された。なお、感度の評価
は、以下に示すようにして行った。
【0174】−感度試験− 前記露光後、現像して画像を得た後の感光性転写シート
は、ステップウェッジの高い段数に相当する領域ほど露
光量が少なくなるため、該領域の光重合系感光性樹脂層
は現像液中に溶出し、剥離層面が現れることになる。そ
こで、感光性転写シートについて、光重合系感光性樹脂
層が完全に溶出した領域を調べ、最も露光量の少なかっ
た領域に相当するステップウェッジの段数(ベタ段数)
により評価した。なお、段数が高いほど感光性転写シー
トの感度が高いことを意味する。
【0175】実施例及び比較例から本発明の感光性転写
シートは、剥離層と、特定の光重合開始剤を含有する光
重合系感光性樹脂層との間に、特定の重合体を含有した
有機高分子重合体層(色材層)を設けることで、高感度
化を図れることがわかる。また、光重合系感光性樹脂層
に特定の開始剤を使用することで、350nm〜450
nmの波長に対し高い感度を有することがわかる。特
に、本発明の感光性転写シートは、InGaNの様な短
波長の半導体レーザによる走査露光に適したより高い感
度を有し、かつ色再現性・カブリ・印刷物近似性・網点
再現性に優れることがわかる。また、本発明の感光性転
写シートは、特定の重合開始剤を含む光重合系感光性樹
脂層を有するので、黄色灯下でのカブリ、取り扱い作業
性、保存安定性等が大幅に改善された走査露光用感光性
転写シートであった。
【0176】
【発明の効果】以上、本発明によれば、DDCPシステ
ムに適合した走査露光用感光性転写シート等の感光層に
用いられる、高感度化を図った感光性転写シートを提供
することができる。また、本発明によれば、露光及び現
像することにより感光性転写シート上に画像を形成し、
一旦、光重合性画像受容層を設けたシート上に各色の画
像を剥離層を伴って転写し、その後永久支持体上に再転
写し、更に全面露光により光重合性画像受容層を固める
操作を行なったとき、画像転写した非画像部に黄着色が
発生することの無く、特に高感度化を図った感光性転写
シートを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/029 G03F 7/029 7/11 503 7/11 503 7/40 521 7/40 521 (72)発明者 藤本 進二 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA00 AA01 AB09 AC01 AC08 BC14 BC32 BC42 CA20 CA28 CA32 CA50 CB04 CB10 CB13 CB14 CB43 DA19 DA33 DA40 FA03 FA15 FA35 2H096 AA00 AA23 BA05 BA20 CA05 EA02 EA04 GA02 HA07 JA04 4J002 BG041 BG051 EU136 EU206 EV306 EV316 EY017 FD206 FD207 GP03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、有機重合体よりなる剥離
    層、色材を含有する有機高分子重合体層、及び光重合開
    始剤を含有する光重合系感光性樹脂層をこの順に有する
    感光性転写シートにおいて、 前記有機高分子重合体層が、アクリル酸アラルキル及び
    /又はメタクリル酸アラルキルと、アクリル酸及び/又
    はメタクリル酸と、からなる共重合体を含有してなり、 前記光重合系感光性樹脂層が、前記光重合開始剤とし
    て、下記一般式(1)で表わされる化合物と、下記一般
    式(A)で表わされる有機ホウ素化合物とを含有してな
    る、 ことを特徴とする感光性転写シート。 【化1】 前記一般式(1)において、Q1〜Q3は、各々独立し
    て、酸素原子又は硫黄原子を表す。R1及びR2は、各々
    独立して、水素原子、脂肪族基、芳香族基、又は複素環
    基を表す。Z1及びZ2は、各々独立して、前記一般式
    (1)で表される化合物が色素になるために必要な置換
    基を表す。 【化2】 前記一般式(A)において、Ra1、Ra2、及びRa3
    は、各々独立して、脂肪族基、芳香族基、複素環基、又
    は−SiRa5Ra6Ra7を表す。Ra5、Ra 6及びR
    7は、各々独立して、脂肪族基又は芳香族基を表す。
    Ra4は、脂肪族基を表す。Y+は陽イオンを形成し得る
    基を表す。
  2. 【請求項2】 支持体上に、有機重合体よりなる剥離
    層、色材を含有する有機高分子重合体層、及び光重合開
    始剤を含有する光重合系感光性樹脂層をこの順に有する
    感光性転写シートにおいて、 前記有機高分子重合体層が、アクリル酸アラルキル及び
    /又はメタクリル酸アラルキルと、アクリル酸及び/又
    はメタクリル酸と、からなる共重合体を含有してなり、 前記光重合系感光性樹脂層が、前記光重合開始剤とし
    て、下記一般式(2)で表される化合物、及び下記一般
    式(2)で表される化合物と相互作用してラジカルを発
    生し得る化合物を含有してなることを特徴とする感光性
    転写シート。 【化3】 前記一般式(2)において、R3及びR4は、各々独立し
    て、水素原子又は一価の置換基を表す。Z3及びZ4は、
    各々独立して、前記一般式(2)で表される化合物が色
    素になるために必要な置換基を表す。
  3. 【請求項3】 支持体上に、有機重合体よりなる剥離
    層、色材を含有する有機高分子重合体層、及び光重合開
    始剤を含有する光重合系感光性樹脂層をこの順に有する
    感光性転写シートにおいて、 前記有機高分子重合体層が、アクリル酸アラルキル及び
    /又はメタクリル酸アラルキルと、アクリル酸及び/又
    はメタクリル酸と、からなる共重合体を含有してなり、 前記光重合系感光性樹脂層が、前記光重合開始剤とし
    て、下記一般式(3)で表される化合物、及び下記一般
    式(3)で表される化合物と相互作用してラジカルを発
    生し得る化合物を含有してなることを特徴とする感光性
    転写シート。 【化4】 前記一般式(3)において、L1及びL2は、各々独立し
    て、置換されていてもよいメチン基を表す。mは0〜3
    の整数を表す。G1及びG2は、各々独立して、電子吸引
    性基を表すか、あるいはG1とG2とで結合して芳香環又
    は複素環を形成する。Q3は、酸素原子又は硫黄原子を
    表す。R1及びR2は、各々独立して、水素原子、脂肪族
    基、芳香族基、又は複素環基を表す。
  4. 【請求項4】 前記一般式(2)で表される化合物が、
    下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴と
    する請求項2に記載の感光性転写シート。 【化5】 前記一般式(4)において、L1及びL2は、各々独立し
    て、置換されていてもよいメチン基を表す。mは0〜3
    の整数を表し、G1及びG2は、各々独立して、電子吸引
    性基を表すか、あるいはG1とG2とで結合して芳香環又
    は複素環を形成する。R3及びR4は、各々独立して、水
    素原子又は一価の置換基を表す。
  5. 【請求項5】 前記ラジカルを発生し得る化合物が、下
    記一般式(A)で表される有機ホウ素化合物であること
    を特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の感光性
    転写シート。 【化6】 前記一般式(A)において、Ra1、Ra2、及びRa3
    は、各々独立して、脂肪族基、芳香族基、複素環基、又
    は−SiRa5Ra6Ra7を表す。Ra5、Ra 6及びR
    7は、各々独立して、脂肪族基又は芳香族基を表す。
    Ra4は、脂肪族基を表す。Y+は陽イオンを形成し得る
    基を表す。
  6. 【請求項6】 前記アクリル酸アラルキルが、ベンジル
    アクリレート、フェネチルアクリレートおよび3−フェ
    ニルプロピルアクリレートからなる群より選らばれる少
    なくとも一種の化合物であることを特徴とする請求項1
    から5のいずれかに記載の感光性転写シート。
  7. 【請求項7】 前記メタクリル酸アラルキルが、ベンジ
    ルメタクリレート、フェネチルメタクリレートおよび3
    −フェニルプロピルメタクリレートからなる群より選ら
    ばれる少なくとも一種の化合物であることを特徴とする
    請求項1から6のいずれかに記載の感光性転写シート。
  8. 【請求項8】 前記共重合体を形成するアクリル酸アラ
    ルキル及び/又はメタクリル酸アラルキルと、アクリル
    酸及び/又はメタクリル酸とのモル比が、75:25〜
    40:60の範囲にあることを特徴とする請求項1から
    7のいずれかに記載の感光性転写シート。
  9. 【請求項9】 前記有機高分子重合体層の層厚が、0.
    1〜10μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜
    8のいずれかに記載の感光性転写シート。
  10. 【請求項10】 350nm〜450nmの発振波長で
    露光が行われる感光性転写シートであることを特徴とす
    る請求項1から9のいずれかに記載の感光性転写シー
    ト。
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