JP2003075880A - 光学装置 - Google Patents

光学装置

Info

Publication number
JP2003075880A
JP2003075880A JP2001263232A JP2001263232A JP2003075880A JP 2003075880 A JP2003075880 A JP 2003075880A JP 2001263232 A JP2001263232 A JP 2001263232A JP 2001263232 A JP2001263232 A JP 2001263232A JP 2003075880 A JP2003075880 A JP 2003075880A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shake
shake correction
optical
camera
drive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001263232A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiro Fujinaga
伸広 藤永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001263232A priority Critical patent/JP2003075880A/ja
Publication of JP2003075880A publication Critical patent/JP2003075880A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学装置の小型化を図る。 【解決手段】 第1の方向に対する振れ補正光学手段の
演算された目標移動量が所定範囲内であるときに、第1
の方向と略直交する第2の方向に対する振れ補正光学手
段の移動量を制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカメラの小型化技術
に関するものであり、詳しくは互いに略直交する2方向
に各々独立に駆動する2組の駆動部材により補正光学機
構を光軸直交面内で移動させて被写体像の振れを補正す
る振れ補正装置を備えたカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在のカメラは露出決定やピント合わせ
等の撮影にとって重要な作業は全て自動化され、カメラ
操作に未熟な人でも撮影失敗を起こす可能性は非常に少
なくなっている。また、最近ではカメラに加わる手振れ
を防ぐシステムも研究されており、撮影者の撮影ミスを
誘発する要因は殆どなくなってきている。
【0003】ここで、手振れを防ぐ防振システムについ
て説明する。
【0004】撮影時のカメラの手振れは、周波数として
通常1Hzないし10Hzの振動であるが、シャッタレ
リーズ時点においてこのような手振れを起こしていても
像振れのない写真を撮影可能とするための基本的な考え
として、手振れによるカメラの振れを検出し、この検出
値に応じて撮影光学系内に配置された補正レンズを光軸
直交面内で上下左右に変位させなければならない。つま
り、カメラ本体に振れが生じても像振れが生じない写真
を撮影するためには、第1にカメラの振れを正確に検出
し、第2にカメラ振れによる撮影光軸の変化を補正する
ことが必要となる。
【0005】カメラ振れの検出は、原理的にいえば、加
速度、角加速度、角速度、角変位等を検出し、カメラの
振れを補正するために検出結果を適宜演算処理する振動
検出センサをカメラ本体に搭載することによって行うこ
とができる。そして、振動検出センサにより検出された
検出結果に基づき撮影光軸の変化を補正する(補正レン
ズを偏心させる)振れ補正装置を駆動させることにより
像振れを抑制することができる。
【0006】図5(a)は、防振システム(振動検出セ
ンサと振れ補正装置)を備えたコンパクトカメラの外観
斜視図である。このコンパクトカメラは、光軸41に対
して矢印42p、42yで示すカメラの縦(ピッチ)振
れ及び横(ヨー)振れに対する振れ補正を行う。
【0007】43はカメラ本体であり、43aは撮影時
に2段ストロークで押圧操作されるレリーズボタンであ
る。43bは各種撮影モードの設定を変更するために回
転操作されるモードダイヤルであり、このモードダイヤ
ル43bの回転軸中心部にはカメラの電源をオン/オフ
に切り換えるために押圧操作されるメインスイッチが配
置されている。43cは閃光発光するリトラクタブルス
トロボであり、43dは撮影者が被写体を観察するため
のファインダ窓である。
【0008】図5(b)はカメラ本体43の内部構造斜
視図である。ここで、44はカメラボディ、530は補
正レンズ52を矢印58p、58y方向に自在に駆動し
て矢印42p、42y方向の振れ補正を行う振れ補正装
置(詳細については後述する)、45p、45yは各々
矢印46p、46y回りの振れ(角速度や角加速度等)
を検出する角速度計や角加速度計等の振動検出センサで
ある。
【0009】振動検出センサ45p、45yの出力は、
後述する演算部47p、47yを介して振れ補正装置5
30の駆動目標値(振れ補正を行うために必要な補正レ
ンズ52の駆動量)に変換された後、振れ補正装置53
0に設けられたコイルに入力される。これにより、振れ
補正装置530が補正レンズ52を矢印58p、58y
方向に所定量駆動して撮影光軸の変化を補正することに
より振れ補正を行う。
【0010】図6は、演算部47p(47y)の詳細を
示すブロック図である。ここで、演算部47p、47y
は同じ構成であるため、演算部47pのブロック図だけ
を用いて説明する。
【0011】演算部47pは、一点鎖線にて囲まれるD
Cカットフィルタ48p、ローパスフィルタ49p、ア
ナログ−ディジタル(以下A/D)変換回路410p、
駆動回路419p及びカメラマイクロコンピュータ(カ
メラマイコン)411で構成されている。カメラマイコ
ン411は、第1記憶回路412p、第1差動回路41
3p、DCカットフィルタ414p、積分回路415
p、第2記憶回路416p、第2差動回路417p及び
PWMデューティ変換回路418pで構成される。
【0012】ここで、振動検出センサ45p(45y)
として、感度軸周りの回転角速度(カメラの振れ角速
度)を検出するレーザージャイロを用いており、このレ
ーザージャイロはカメラ本体43のメインスイッチオン
と同期して駆動されカメラに加わる振れ角速度の検出を
開始する。
【0013】振動検出センサ45pの検出信号(振れ角
速度信号)は、アナログ回路で構成されるDCカットフ
ィルタ48pにより検出信号に重畳しているDCバイア
ス成分がカット(DCカット)される。このDCカット
フィルタ48pは0.1Hz以下の周波数信号をカット
する周波数特性を有しており、カメラに加わる1〜10
Hzの手振れ周波数帯域には影響が及ばないようになっ
ている。
【0014】ここで、DCカットフィルタ48pを0.
1Hz以下の周波数信号をカットする特性にすると、D
Cカットフィルタ48pに振動検出センサ45pからの
信号が入力されてから完全にDCカットされるまでには
10秒近くかかってしまう。そこで、カメラのメインス
イッチがオンされてから例えば0.1秒まではDCカッ
トフィルタ48pの時定数を小さくしておく(例えば、
10Hz以下の周波数信号をカットする特性にしてお
く)ことで0.1秒位の短い時間でDCカットし、その
後に時定数を大きくする(例えば、0.1Hz以下の周
波数信号のみカットする特性にする)ことで、DCカッ
トフィルタ48pにより振れ角速度信号が劣化しないよ
うにしている。
【0015】DCカットフィルタ48pの出力信号は、
アナログ回路で構成されるローパスフィルタ49pによ
りA/D分解能にあわせて適宜増幅されるとともに、振
れ角速度信号に重畳する高周波のノイズがカットされ
る。これは振れ角速度信号をカメラマイコン411に入
力する時のA/D変換回路410pのサンプリングが振
れ角速度信号のノイズにより読み誤りが起きるのを避け
るためである。
【0016】ローパスフィルタ49pの出力信号は、A
/D変換回路410pによりサンプリングされてカメラ
マイコン411に取り込まれる。上述したようにDCカ
ットフィルタ48pによりDCバイアス成分はカットさ
れるが、その後のローパスフィルタ49pの増幅処理に
より再びDCバイアス成分が振れ角速度信号に重畳する
こととなるため、カメラマイコン411内において再度
DCカットを行う必要がある。
【0017】そこで、例えばカメラのメインスイッチオ
ンから0.2秒後にサンプリングされた振れ角速度信号
を第1記憶回路412pに記憶するとともに、第1差動
回路413pにより第1記憶回路412pに記憶された
記憶値(振れ角速度信号)とA/D変換回路410pに
よりサンプリングされた振れ角速度信号の差を求めるこ
とによりDCカットを行う。ここで、カメラメインスイ
ッチオンから0.2秒後に第1記憶回路412pに記憶
された振れ角速度信号の中にはDCバイアス成分ばかり
でなく実際の手振れによる成分も含まれており、上述し
た回路動作ではおおざっぱなDCカットしかできない。
このため、後段でデジタルフィルタで構成されたDCカ
ットフィルタ414pにより十分なDCカットを行って
いる。
【0018】このDCカットフィルタ414pの時定数
もアナログ回路で構成されるDCカットフィルタ48p
と同様に変更可能になっており、カメラのメインスイッ
チオンから0.2秒後から更に0.2秒費やして時定数
を徐々に大きくしている。具体的には、DCカットフィ
ルタ414pはメインスイッチオンから0.2秒経過し
た時には10Hz以下の周波数をカットするフィルタ特
性であり、その後50msec毎にDCカットフィルタ
414pでカットする周波数を5Hz、1Hz、0.5
Hz、0.2Hzと下げている。
【0019】ここで、上記回路動作の間に撮影者がレリ
ーズボタン43aを半押し(SW1)して測光・測距動
作を行った時には直ちに撮影を行う可能性があり、時間
を費やして時定数変更を行うことが好ましくない場合も
ある。そこで、このような時には、撮影条件に応じて時
定数変更を途中で中止する。例えば、測光結果により撮
影シャッタスピードが1/60となることが判明し、撮
影焦点距離が150mmの時には振れ補正の精度はさほ
ど要求されないためにDCカットフィルタ414pにお
ける回路動作は0.5Hz以下の周波数をカットする特
性まで時定数を変更した時点で完了とする。つまり、シ
ャッタスピードと撮影焦点距離に基づいて時定数変更量
を制御することにより、時定数変更の時間を短縮できる
とともに、シャッターチャンスを優先することができ
る。
【0020】また、より速いシャッタスピード或いはよ
り短い焦点距離の時には、DCカットフィルタ414p
の回路動作は1Hz以下の周波数をカットする特性まで
時定数変更した時点で完了とし、より遅いシャッタスピ
ード或いはより長い焦点距離の時には時定数が最後まで
変更完了するまで撮影を禁止する。
【0021】積分回路415pは、レリーズボタン43
aの半押し(SW1)に応じてDCカットフィルタ41
4pからの出力信号の積分を始め、振れ角速度信号を角
度信号に変換する。但し、上述したようにDCカットフ
ィルタ414pの時定数変更が完了していない時には、
時定数変更が完了するまで積分動作を行わない。
【0022】なお、図6では不図示であるが、積分回路
415pの積分により得られた角度信号は、レリーズ時
の焦点距離および被写体距離情報に基づいて適宜増幅さ
れ、振れ補正装置530が振れ角度に応じた適切な量で
駆動するように変換される。これは、ズームミングやフ
ォーカシングにより撮影光学系が光軸方向に移動する
際、振れ補正装置530の駆動量に対して光軸偏心量が
変わるためこれを補正する必要があるためである。
【0023】レリーズボタン43aの押し切り動作(S
W2)で振れ補正装置530は振れ角度信号に応じて駆
動し始めるが、振れ補正装置530の駆動が急激に始ま
らないように注意する必要がある。このため、カメラマ
イコン411内に第2記憶回路416p及び第2差動回
路417pを設けている。
【0024】第2記憶回路416pは、レリーズボタン
43aの押し切り(SW2)動作に同期して積分回路4
15pの振れ角度信号を記憶する。第2差動回路417
pは積分回路415pの振れ角度信号と第2記憶回路4
16pに記憶された振れ角度信号の差を求める。SW2
時における第2差動回路417pに入力された2つの信
号は等しく第2差動回路417pの振れ補正装置530
の駆動目標値はゼロであるが、その後積分回路415p
から第2差動回路417pに連続的に出力されることに
より駆動目標値が増加する。ここで、第2記憶回路41
6pに記憶された振れ角度信号は、振れ補正装置530
の駆動目標値を決定するための基準となる。これによ
り、振れ補正装置530は急激に駆動されることがなく
なる。
【0025】第2差動回路417pからの駆動目標値信
号は、PWMデューティ変更回路418pに入力され
る。振れ補正装置530に設けられたコイルに、振れ角
度に対応した電圧或いは電流を印可すれば、振れ補正装
置530に設けられた補正レンズがこの振れ角度に対応
して駆動するが、振れ補正装置530の駆動消費電力及
びコイルの駆動トランジスタの省電力化のためにはPW
M駆動が望ましい。
【0026】ここで、PWMデューティ変更回路418
pは駆動目標値に応じてコイル駆動デューティを変更し
ている。例えば、周波数が20kHzのPWMにおいて
第2差動回路417pの駆動目標値が2048の時には
デューティゼロ、駆動目標値が4096の時にはデュー
ティ100とし、この間を等分してデューティを駆動目
標値に応じて決定していく。なお、デューティの決定は
駆動目標値ばかりでなくカメラの撮影条件(温度やカメ
ラの姿勢、バッテリの状態)によって細かく制御して精
度良い振れ補正が行われるようにする。
【0027】PWMデューティ変更回路418pの出力
は、PWMドライバ等の公知の駆動回路419pに入力
され、駆動回路419pの出力を振れ補正装置530の
コイルに印可して振れ補正を行う。駆動回路419pは
SW2に同期してオンし、フィルムへの露光が終了する
とオフされる。また、露光が終了してもレリーズボタン
43aが半押し(SW1)されている限り積分回路41
5pは積分を継続しており、SW2で再び第2記憶回路
416pが新たな振れ角度信号を記憶する。
【0028】レリーズボタン43aの半押し(SW1)
を解除すると、積分回路415pはDCカットフィルタ
414pから出力された振れ角速度信号の積分を止め、
積分回路415pにおいて積分情報をリセットする(積
分してきた情報をすべてカラにする)。そして、カメラ
のメインスイッチをオフにすることで振動検出センサ4
5pがオフとなり振れ補正シーケンスは終了する。
【0029】なお、積分回路415pの信号が所定値よ
り大きくなった時には、カメラのパンニングが行われた
と判断して、DCカットフィルタ414pの時定数を変
更する。例えば、DCカットフィルタ414pが0.2
Hz以下の周波数をカットする特性であったものを1H
z以下の周波数をカットする特性に変更し、所定時間経
過した後に時定数をもとに戻していく。
【0030】このときの時定数変更量も積分回路415
pの出力の大きさにより制御される。即ち、積分回路4
15pの出力が第1の閾値を超えた時にはDCカットフ
ィルタ414pの特性を0.5Hz以下の周波数をカッ
トする特性にし、第2の閾値を超えた時にはDCカット
フィルタ414pの特性を1Hz以下の周波数をカット
する特性にし、第3の閾値を超えた時にはDCカットフ
ィルタ414pの特性を5Hz以下の周波数をカットす
る特性にする。また、積分回路415pの出力が非常に
大きくなった時には、積分回路415pにおける回路動
作を一旦リセットして演算上の飽和(オーバーフロー)
を防止している。
【0031】DCカットフィルタ414pは、上述した
ようにメインスイッチオンから0.2秒後に作動を開始
する構成になっているが、これに限られるものではなく
レリーズボタン43aの半押し(SW1)より作動を開
始させることができる。この場合、DCカットフィルタ
414pの時定数変更が完了した時点より積分回路41
4pを作動させる。
【0032】また、積分回路415pはレリーズボタン
43aの半押し(SW1)で作動を開始する構成となっ
ているが、レリーズボタン43aの押し切り(SW2)
のときに作動を開始する構成にすることもできる。この
場合には、カメラマイコン411内に第2記憶回路41
6pおよび第2差動回路417pを設ける必要はなくな
る。図6では、演算部47p内にDCカットフィルタ4
8p及びローパスフィルタ49pを設けているが、これ
らを振動検出センサ45p内に設けることもできる。
【0033】図7は振れ補正装置530の説明図であ
り、図7(a)は振れ補正装置530の正面図、図7
(b)は振れ補正装置530を図7(a)中矢印51方
向より見た側面図、図7(c)は振れ補正装置530の
図7(a)中A―A断面図である。また、図8は振れ補
正装置530の外観斜視図である。
【0034】補正レンズ52は、図7(c)に示すよう
に3枚のレンズ52a、52b、52cで構成されてい
る。レンズ52a、52bは支持枠53に固定され、レ
ンズ52cは地板54に固定されている。また、支持枠
53の外周には強磁性材料のヨーク55が取付けられて
おり、このヨーク55の裏面(地板54側)にはネオジ
ウム−鉄−ボロン等の希土類の永久磁石56p、56y
が吸着固定されている。
【0035】支持枠53から放射状に延出する3本の支
持軸53aは、地板54の側壁54bに設けられた長孔
54aに係合しており、光軸方向(波線57)にガタが
生じないようになっている。また、長孔54aは地板5
4の周方向に延びているため、支持枠53は光軸直交面
内において自由に移動することができる(支持枠53は
矢印58p、58y、58r方向に移動することができ
る)。但し、支持枠53に形成されたピン53bと地板
54に形成されたピン54cには引張りコイルバネ59
が掛けられているため、支持枠53の移動を弾性的に規
制している。
【0036】地板54には、支持枠53に設けられた永
久磁石56p、56yと対向する位置にコイル510
p、510yが取り付けられている。コイル510pに
電流を流すと支持枠53は矢印58p方向に移動し、コ
イル510yに電流を流すと支持枠53は矢印58y方
向に移動する。
【0037】ここで、支持枠53の移動量は、引張りコ
イルバネ59のバネ定数と、コイル510p、510y
および永久磁石56p、56yの関連で生ずる推力との
釣り合いで求まる。したがって、コイル510p、51
0yに流す電流量を変化させることにより、支持枠53
の移動量(補正レンズ52の偏心量)を変えることがで
きる。
【0038】また、振れ補正装置の小型化を目的に本出
願人により特開平5−66449号公報に示す振れ補正
装置が提案されている。この振れ補正装置は、補正光学
系の移動量を電気的に制限する駆動リミッタを設けてお
り、より詳しくは、互いに略直交する2方向に各々独立
に駆動する2組の駆動手段による補正光学機構の駆動変
位指令値が所定の関係に達したとき、これら2方向の駆
動変位を制限する制限手段を設けたり、2組の駆動手段
による補正光学機構の駆動変位指令値が第1の所定の関
係に達した時、2組の駆動手段を、各々の駆動制御信号
を第2の所定の関係で合成した信号にて駆動させる駆動
制御手段を設けたりしている。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】最近のコンパクトカメ
ラは小型化が顕著に進んできており、それに伴い撮影レ
ンズを有する撮影鏡筒はその全長、直径ともかなり小さ
くなってきている。
【0040】この様な中で上述した防振システムを撮影
鏡筒内に搭載していこうとすると、図7及び図8で説明
した振れ補正装置をよりいっそう小型化していく事が望
まれている。
【0041】しかしながら、振れ補正装置の小型化を追
求していくと一眼レフカメラの防振システムなどで採用
されている、補正レンズの位置を検出して制御するいわ
ゆるフィードバック制御を行うことがスペースの面で困
難になってくる。
【0042】また、振れ補正装置の近傍にシャッタやレ
ンズ駆動のアクチュエータを配置しないと鏡筒を小型化
することが難しくなってきている。
【0043】そこで、本発明は、主に小型化が可能な光
学装置を提供することを目的とする。
【0044】
【課題を解決するための手段】本発明の光学装置は、装
置本体の振れを検出する振れ検出手段と、光軸直交面内
を移動して被写体像の振れを補正する振れ補正光学手段
と、前記振れ検出手段の検出結果に基づいて前記振れ補
正光学手段の目標移動量を演算し、前記振れ補正光学手
段に、光軸直交面内における第1の方向およびこの第1
の方向と略直交する第2の方向にそれぞれ駆動力を与え
る駆動手段と、第1の方向に対する前記振れ補正光学手
段の演算された目標移動量が所定範囲内であるときに、
第2の方向に対する前記振れ補正光学手段の移動量を制
限する制御手段とを有することを特徴とする。
【0045】このように振れ補正光学手段の移動量を制
限することにより、この制限により形成された領域に、
装置内に配置される他の部材を配置することができ、光
学装置の小型化を図ることができる。
【0046】ここで、他の部材として光学ユニットの一
部、例えばシャッタや撮影レンズを駆動するアクチュエ
ータ等を配置することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1(a)は、
本発明の第1実施形態であるカメラに搭載される振れ補
正装置の動きを説明するための図である。この振れ補正
装置における基本的な構成及び作動シーケンスは前述の
従来技術に説明したものと同じである。本実施形態で
は、本発明に関連する部分についてのみ詳細に説明す
る。
【0048】図1(a)において、1は補正レンズ2を
支持するための支持枠である。3は不図示の地板に支持
枠1を弾性的に固定するためのバネである。本実施形態
では、バネ3として引張りコイルバネを2本使用し、こ
れらの引張りコイルバネを支持枠1を挟んで対向する位
置に配置して支持枠1を吊っている。
【0049】4a、4bは支持枠1の径方向外側に一体
に取り付けられた永久磁石である。不図示の地板には、
永久磁石4a、4bと対向する位置にコイル5a、5b
がそれぞれ取り付けられている。永久磁石4a及びコイ
ル5aと永久磁石4b及びコイル5bが2対のアクチュ
エータ(以後4a、5aのペアを第1アクチュエータ、
4b、5bのペアを第2アクチュエータと呼ぶ)となっ
ており、第1アクチュエータが矢印11p方向(ピッチ
方向)に対する駆動力を支持枠1に与え、第2アクチュ
エータが矢印11y方向(ヨー方向)に対する駆動力を
支持枠1に与える。これにより、支持枠1は、2本の引
張りコイルバネのバネ力に抗して移動することができ
る。
【0050】ここで、補正レンズ2、支持枠1及び永久
磁石4a、4bは振れ補正装置の可動部として一体で動
く。Aは振れ補正装置の可動部が移動するエリアを表
し、A’は後述する制御動作によって振れ補正装置の可
動部の移動を制限することにより形成されるエリアを表
している。
【0051】8p、8yはそれぞれ第1振動検出センサ
及び第2振動検出センサであり、本実施形態では角速度
を検出する振動ジャイロを用いている。ここで、第1振
動検出センサ8pは矢印11pで示すカメラ本体の縦方
向(ピッチ方向)の振れを検出し、第2振動検出センサ
8yは矢印11yで示すカメラ本体の横方向(ヨー方
向)の振れを検出する。
【0052】振動検出センサ8p、8yで検出された振
れ信号は、上述の従来技術で説明したようにカメラマイ
コン7内でフィルタ処理、積分処理、敏感度補正などの
各種信号演算処理された後、PWMドライバなどの公知
の駆動回路6a、6bに入力される。ここで、敏感度補
正は、ズーム・フォーカスのポジションによって振れ角
変位に対する補正レンズ2の偏心量(敏感度)が変化す
るため、この調節を行うものである。駆動回路6a、6
bは、カメラマイコン7からの入力を受けると、コイル
5a、5bにそれぞれ電圧を印可する。
【0053】図2は、本実施形態のカメラにおける振れ
補正装置を駆動する際の制御動作を表したフローチャー
トである。
【0054】ステップ♯201では、カメラ本体に備え
付けられたシャッタレリーズボタンの押し切り動作(S
W2)に同期して、カメラマイコン7は振動検出センサ
8p、8yから出力された検出信号の積分処理を開始す
る。
【0055】ステップ♯202では、カメラ本体に生じ
ているヨー方向の振動の大きさが所定の範囲内であるか
否か、つまりステップ♯201における処理結果に基づ
いて、ヨー方向における振動を補正するための可動部の
移動量が所定範囲(図1(a)中のαに示す範囲)内と
なるか否かを判断する。
【0056】ステップ♯202において、ヨー方向の振
動の大きさが所定の範囲内であると判断した場合にはス
テップ♯203に進み、所定の範囲外であると判断した
場合にはステップ♯205へ進む。
【0057】ステップ♯203では、カメラ本体に生じ
ているピッチ方向の振動が負(補正レンズ2が振れ補正
装置の下方向にシフトする)であるか否かを判断すると
ともに、このピッチ方向の振動の大きさが所定量以上で
あるか否かを判断する。つまり、ステップ♯201にお
ける処理結果に基づいて、ピッチ方向における振動を補
正するための可動部の移動方向が振れ補正装置の下方向
(図1(a)中下方向)であるか否かを判断するととも
に、この可動部の移動量が所定量(図1(a)中のβで
示す量)を超えるか否かを判断する。
【0058】ステップ♯203において、ピッチ方向の
振動が負であり、且つこの振動の大きさが所定量以上で
あると判断した場合にはステップ♯204に進み、これ
以外の場合にはステップ♯205に進む。
【0059】ステップ♯204では、ヨー方向に対する
可動部の移動量は制限せず、ピッチ方向に対する可動部
の移動量を所定量(図1(a)中のβで示す量)に制限
して可動部を駆動する。つまり、可動部のヨー方向への
駆動については第2振動検出センサ8yの検出信号に基
づいて行うが、可動部のピッチ方向への駆動については
第1振動検出センサ8pの検出信号によらずに所定値に
設定された駆動信号に基づいて行う。
【0060】ステップ♯205では、ヨー方向及びピッ
チ方向に対する可動部の移動量を制限せずに可動部を駆
動する。つまり、可動部のヨー方向への駆動については
第2振動検出センサ8yの検出信号に基づいて行い、可
動部のピッチ方向への駆動については第1振動検出セン
サ8pの検出信号に基づいて行う。
【0061】以上の制御を行うことにより、振れ補正装
置の可動部が図1(a)に示すA’のエリアを避けて動
くことになる。ここで、可動部の移動を制限することに
より形成されるエリアは、このエリアの面積をなるべく
大きくするためと、可動部の移動量をなるべく犠牲にし
ないために、可動部のうち出っ張りが少ない部分、即ち
永久磁石4a、4bが配置されていない側に設けること
が好ましい。
【0062】これによりエリアA’には、振れ補正装置
の可動部が移動してこないため、エリアA’にシャッタ
駆動用のアクチュエータ、フォーカスレンズ移動用のア
クチュエータ、絞り駆動用のアクチュエータ、センサ等
の部材を配置可能となり、鏡筒の小型化を図ることが可
能となる。従って、振れ補正装置をコンパクトカメラに
搭載することができる。
【0063】本実施形態では、可動部のヨー方向に対す
る移動量を制限せず、ピッチ方向に対する移動量を所定
量βに固定することにより可動部の駆動制御を行ってお
り、支持枠1を挟んで永久磁石4aと対向する位置にエ
リアA’が形成されているが(図1(a))、可動部の
ピッチ方向に対する移動量を制限せず、ヨー方向に対す
る移動量を所定量に固定することにより可動部の駆動制
御を行うようにしても良く、この場合には支持枠1を挟
んで永久磁石4bと対向する位置にエリアA’が形成さ
れることになる。
【0064】また、本実施形態では、ステップ♯202
における「所定範囲」として、可動部が、撮影光軸と補
正レンズ2の中心とが一致する位置からヨー方向に所定
量移動するまでの範囲αとしたが、可動部がヨー方向に
所定量移動した位置からエリアAの端まで移動するまで
の範囲とすることもできる。この場合、可動部の移動を
制限することにより形成されるエリアA’は、図1
(a)に示すエリアAのうち右下隅又は左下隅の領域と
なる。このように「所定範囲」を適宜設定することによ
り、エリアAにおけるエリアA’の位置を変更すること
ができる。
【0065】一方、振れ補正装置においては、バネ力に
つり合うようにコイルに電流を印可することで補正レン
ズ2の駆動制御を行っているが、振れ補正量(補正レン
ズの移動量)が大きくなると、この駆動ストロークに見
合うバネ力をうち消す電流をコイルに流す必要が出てく
る。ここで、本実施形態のように可動部がエリアA’内
に侵入しないように可動部の駆動制御を行うことで、可
動部を駆動する際の消費電力を低減することができる。
【0066】(第2実施形態)図1(b)は、本発明の
第2実施形態であるカメラに搭載される振れ補正装置の
動きを説明するための図である。この振れ補正装置にお
ける基本的な構成及び作動シーケンスは前述の従来技術
で説明したものと同じである。また、本実施形態におい
ては、第1実施形態において説明した部材と同一のもの
については同一符号を示している。
【0067】第1実施形態では、振動検出センサ8p、
8yの振動検出方向が2対のアクチュエータ(第1、第
2アクチュエータ)による補正レンズ2の駆動方向11
p、11yと同一方向であったが、本実施形態では、図
1(b)に示すように振動検出センサ8p、8yの振動
検出方向が矢印11p(ピッチ)方向、矢印11y(ヨ
ー)方向で、2対のアクチュエータ(第1、第2アクチ
ュエータ)による補正レンズ2の駆動方向が矢印11
a、11b方向であり、振動検出センサ8p、8yの振
動検出方向と補正レンズ2の駆動方向とが略45度シフ
トしている。
【0068】このため、振動検出センサ8p、8yで検
出された振れ信号をカメラマイコン7で演算処理してダ
イレクトに駆動回路6a、6bに出力してしまうと、実
際のカメラの振れ方向に対して45度ずれた補正を行う
こととなってしまう。
【0069】そこで、本実施形態では、振動検出センサ
8p、8yで検出されたカメラ本体の振れ方向(振動検
出センサ8p、8yの振動検出方向)とアクチュエータ
(第1、第2アクチュエータ)による補正レンズ2の駆
動方向とを一致させるための処理がカメラマイコン7内
で行われる。
【0070】即ち、ピッチ方向の振動を検出する第1振
動検出センサ8pの検出信号は、カメラマイコン7内で
第1実施形態と同様の各種演算処理がされた後、駆動回
路6a、6bにそれぞれ出力される。一方、ヨー方向の
振動を検出する第2振動検出センサ8yの検出信号は、
カメラマイコン7内で第1実施形態と同様の各種演算処
理がされた後、駆動回路6aにはこの演算処理されたま
まの信号が送られ、駆動回路6bには演算処理された信
号の符号を反転させてから送られる。これにより、振動
検出センサ8p、8yの振動検出方向と補正レンズ2の
駆動方向との整合性をとることができる。
【0071】上述した一連の処理により、振動検出セン
サ8p、8yで検出した振れ信号に基づいてコイル5
a、5bに通電が行われ、補正レンズ2を撮影光軸に垂
直な平面上で変位させることにより被写体像の振れを補
正することが可能となる。
【0072】ここで、図1(a)中Bで示すエリアは振
れ補正装置の可動部が移動する領域を示し、B’で示す
エリアは後述する制御動作によって可動部の移動を制限
することにより形成される領域を示している。
【0073】図3は、本実施形態のカメラにおける振れ
補正装置を駆動する際の制御動作を表したフローチャー
トである。
【0074】ステップ♯211では、カメラ本体に備え
付けられたシャッタレリーズボタンの押し切り動作(S
W2)に同期して、カメラマイコン7は振動検出センサ
8p、8yから出力された検出信号の積分処理を開始す
る。
【0075】ステップ♯212では、第1アクチュエー
タにより可動部を駆動する方向が第1駆動軸11a方向
のうち負方向(図1(b)中の左下方向)であり、且つ
振動の大きさが所定値以上であるか否かを判断する。こ
こで、振動の大きさが所定値以上になる場合とは、ステ
ップ♯211における処理結果に基づいて像振れを補正
する際に可動部の第1駆動軸11a方向への移動量が所
定量以上となる場合、つまり、可動部が第1駆動軸11
a方向へ移動した際に可動部の一部が図1(b)中の
α’に示す範囲内に入る場合である。
【0076】ステップ♯212において、可動部の駆動
方向が負で、振動の大きさが所定値以上であると判断し
た場合にはステップ♯213へ進み、これ以外の場合に
はステップ♯215へ進む。
【0077】ステップ♯213では、第2アクチュエー
タにより可動部を駆動する方向が第2駆動軸11b方向
のうち負方向(図1(b)中の右下方向)であり、且つ
振動の大きさが所定値以上であるか否かを判断する。こ
こで、振動の大きさが所定値以上となる場合とは、ステ
ップ♯211における処理結果に基づいて像振れを補正
する際に可動部の第2駆動軸11b方向への移動量が所
定量以上となる場合、つまり、可動部が第2駆動軸11
b方向へ移動した際に可動部の一部が図1(b)中の
β’に示す範囲内に入る場合である。
【0078】ステップ♯213において、可動部の駆動
方向が負で、振動の大きさが所定値以上であると判断し
た場合にはステップ♯214へ進む。これ以外の場合、
具体的には駆動方向が負でないと判断したり、振動の大
きさが所定値以下であると判断したりした場合にはステ
ップ♯215へ進む。
【0079】ステップ♯214では、第2駆動軸11b
方向のうち負方向に対する可動部の移動量を所定量に制
限することにより、可動部を駆動する。つまり、ステッ
プ♯214においては、第2駆動軸11b方向のうち負
方向に対する可動部の駆動を、振動検出センサ8p、8
yの検出信号によらずに所定の駆動信号に基づいて行
う。
【0080】ステップ♯215では、可動部の移動を制
限せずに振動検出センサ8p、8yの検出結果に基づい
て可動部を駆動する。
【0081】以上の制御を行うことにより、振れ補正装
置の可動部が図1(b)に示すB’のエリアを避けて動
くことになる。このようにエリアB’には振れ補正装置
の可動部が移動してこないため、エリアB’にシャッタ
駆動用のアクチュエータ、フォーカスレンズ駆動用のア
クチュエータ、絞り駆動用のアクチュエータ、センサ等
の部材を配置可能となり、レンズ鏡筒の小型化を図るこ
とが可能となる。
【0082】図4(a)は本実施形態における振れ補正
装置の外観斜視図であり、図4(b)はこの振れ補正装
置の分解斜視図である。
【0083】図4(a)および図4(b)において、支
持軸60にはコイルバネ3がはめ込まれており、この支
持軸60の摺動部(片端部)が支持枠1の長孔部に挿入
されている。また、支持軸60は、地板54の側壁部5
4bに形成されたネジ部54aに固定される。
【0084】支持軸60の摺動部と支持枠1の長孔部と
は、互いに嵌合する寸法に設計されており、支持軸60
と支持枠1は相対運動可能になっている。支持枠1は地
板54に対して3本のコイルバネ3により弾性的に支持
されている。従って、支持枠1は地板54に対して、撮
影光軸57方向に位置規制されているとともに、撮影光
軸57と直交する面内において移動可能な状態で弾性支
持されている。これにより支持枠1は地板54に対し撮
影光軸57方向にガタつくことなく、撮影光軸57に直
交する平面上を自由に動くことができる。
【0085】支持枠1には、この中央部に補正レンズ2
が取り付けられ、外周部に永久磁石4a、4bが取り付
けられている。また、地板54には、永久磁石4a、4
bと対向する位置にコイル5a、5bが取り付けられて
いる。このコイル5a、5bに通電することにより、支
持枠1が光軸に垂直な平面内で自由に移動することがで
きる。そして、カメラ本体に生じている振れと相反する
方向に支持枠1(補正レンズ2)を移動させることによ
り、被写体像の振れを補正することができる。
【0086】シャッタ地板63には、シャッタ羽根A6
5およびシャッタ羽根B66が摺動可能に取り付けられ
る。このシャッタ地板63は、地板54にビス止めされ
て、支持枠1の撮影光軸57方向のガタを抑えている。
【0087】シャッタ羽根A65の先端部を挟むように
配置された位置検出センサ67は、シャッタ羽根A65
の位置を検出する。本実施形態では、位置検出センサ6
7としてフォトインタラプタを用いている。フォトイン
タラプタ67は、シャッタ羽根A65の先端部に複数形
成された矩形形状のスリット65aのエッジを検出して
おり、この検出結果に基づいてシャッタの位置を確認す
ることができる。カメラ本体内に設けられたカメラマイ
コン7は、フォトインタラプタ67の検出信号に基づい
てシャッタの開閉駆動の制御を行う。
【0088】シャッタ羽根A65およびシャッタ羽根B
66を駆動するアクチュエータ部62は、永久磁石から
なるロータ62b、コイル62a、ヨークA62c、ヨ
ークB62dにより構成されており、振れ補正装置のう
ち上述したエリアB’に相当する領域に配置されてい
る。ロータ62bは、コイル62aの通電による磁力を
ヨークA62cおよびヨークB62dを介して受けるこ
とで回転し、これによりシャッタ羽根(A65、B6
6)が開閉動作する。
【0089】シャッタのアクチュエータ部62を構成す
るロータ62bは磁石でできているため、ロータ62b
を永久磁石4a、4bの近傍に配置すると磁気干渉を起
こす恐れがあるが、本実施形態では光軸直交面内におい
て補正レンズ2を挟んで永久磁石4a、4bと略180
度対向する位置(エリアB’)にアクチュエータ部62
を配置しているため、上述した磁気干渉を防止すること
ができる。
【0090】ダンパ板61は非磁性の金属板より形成さ
れている。このダンパ板61は、振れ補正装置に外部か
らの振動、例えば自動車が移動する際の振動が加えられ
たとき、可動部の高周波側の動きを、永久磁石4a、4
bとの相対運動によってダンパ板61内に発生する渦電
流の働きにより抑制することで可動部が周囲の部材に衝
突するのを防止する役割を有しているとともに、コイル
5a、5bの撮影光軸方向における位置決めの役割を有
している。これにより、永久磁石4a、4bとコイル5
a、5bのギャップの安定化が図られ、精度の良い振れ
補正を行うことができる。
【0091】ここで、シャッタのアクチュエータ部62
と振れ補正装置の可動部とは撮影光軸に垂直な平面内で
近接して配置されており、本実施形態のように可動部の
移動制御を行わずに振れ補正を行うと、可動部(特に、
支持枠1)がシャッタのアクチュエータ部62にぶつか
ってしまう。一方、本実施形態では、上述したように図
4(a)中の矢印68方向(図1(b)のエリアB’へ
の方向)に対する可動部の駆動量を制限しているため、
可動部がアクチュエータ部62にぶつかることがない。
また、振れ補正装置内にアクチュエータ部62を配置し
ているため、レンズ鏡筒を大型化(レンズ鏡筒径方向の
大型化)することなく振れ補正装置をレンズ鏡筒に搭載
することができる。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、第1の方向に対する振
れ補正光学手段の演算された目標移動量が所定範囲内で
あるときに、第2の方向に対する振れ補正光学手段の移
動量を制限しているため、この振れ補正光学手段の移動
を制限することにより形成された領域に、装置内に配置
される他の部材を配置することができ、光学装置の小型
化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)第1実施形態における振れ補正装置のブ
ロック図。 (b)第2実施形態における振れ補正装置のブロック
図。
【図2】第1実施形態における制御動作を説明するフロ
ーチャート。
【図3】第2実施形態における制御動作を説明するフロ
ーチャート。
【図4】(a)第2実施形態における振れ補正装置の斜
視図。 (b)第2実施形態における振れ補正装置の分解斜視
図。
【図5】(a)防振システムを搭載したカメラの外観
図。 (b)防振システムを搭載したカメラの内部構造斜視
図。
【図6】演算部のブロック図。
【図7】(a)振れ補正装置の正面図。 (b)振れ補正装置の側面図(図7a中の矢印51方向
から見た図)。 (c)振れ補正装置の断面図(図7a中のA−A断面
図)。
【図8】振れ補正装置の斜視図。
【符号の説明】
1、53 支持枠 2、52 補正レンズ 4a、4b、56p、56y 永久磁石 41、57 撮影光軸 5a、5b、510p、510y コイル 7、411 カメラマイコン 8p、8y、45p、45y 振動検出センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置本体の振れを検出する振れ検出手段
    と、 光軸直交面内を移動して被写体像の振れを補正する振れ
    補正光学手段と、 前記振れ検出手段の検出結果に基づいて前記振れ補正光
    学手段の目標移動量を演算し、前記振れ補正光学手段
    に、光軸直交面内における第1の方向およびこの第1の
    方向と略直交する第2の方向にそれぞれ駆動力を与える
    駆動手段と、 第1の方向に対する前記振れ補正光学手段の演算された
    目標移動量が所定範囲内であるときに、第2の方向に対
    する前記振れ補正光学手段の移動量を制限する制御手段
    とを有することを特徴とする光学装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、第2の方向に対する前
    記振れ補正光学手段の演算された目標移動量が所定量を
    超えるときに、第2の方向に対する前記振れ補正光学手
    段の移動量を前記所定量に制限することを特徴とする請
    求項1に記載の光学装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段は、前記振れ補正光学手段
    に対する前記駆動手段の配置方向と第1の方向又は第2
    の方向とが逆方向となるように、前記振れ補正光学手段
    に対して配置されていることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の光学装置。
  4. 【請求項4】 前記振れ補正光学手段の移動を制限する
    ことにより形成された領域に、前記振れ補正光学手段に
    近接する光学ユニットの一部を配置したことを特徴とす
    る請求項1から3のいずれかに記載の光学装置。
  5. 【請求項5】 前記光学ユニットの一部が、シャッタ又
    は撮影レンズを駆動するアクチュエータであることを特
    徴とする請求項4に記載の光学装置。
JP2001263232A 2001-08-31 2001-08-31 光学装置 Pending JP2003075880A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001263232A JP2003075880A (ja) 2001-08-31 2001-08-31 光学装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001263232A JP2003075880A (ja) 2001-08-31 2001-08-31 光学装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003075880A true JP2003075880A (ja) 2003-03-12

Family

ID=19090017

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001263232A Pending JP2003075880A (ja) 2001-08-31 2001-08-31 光学装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003075880A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005106579A1 (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Olympus Corporation 撮影装置及びデジタルカメラ
JP2008216877A (ja) * 2007-03-07 2008-09-18 Nikon Corp ブレ補正ユニット、レンズ鏡筒、カメラ
JP2009251149A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Canon Inc 光学機器
JP2010072062A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Canon Inc 光学機器
JP2020101606A (ja) * 2018-12-20 2020-07-02 株式会社タムロン レンズ鏡筒

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005106579A1 (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Olympus Corporation 撮影装置及びデジタルカメラ
JP2008216877A (ja) * 2007-03-07 2008-09-18 Nikon Corp ブレ補正ユニット、レンズ鏡筒、カメラ
JP2009251149A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Canon Inc 光学機器
US8159746B2 (en) 2008-04-03 2012-04-17 Canon Kabushiki Kaisha Optical apparatus with image stabilizing and movable lenses and actuators for shifting and/or moving the lenses
JP2010072062A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Canon Inc 光学機器
JP2020101606A (ja) * 2018-12-20 2020-07-02 株式会社タムロン レンズ鏡筒
JP7199955B2 (ja) 2018-12-20 2023-01-06 株式会社タムロン レンズ鏡筒

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009258389A (ja) 像振れ補正装置、撮像装置および光学装置
US20060165397A1 (en) Image blur compensation apparatus
JP2009098274A (ja) 像ぶれ補正装置を有する光学機器
JP2000235206A (ja) 支持状態検知装置、像振れ補正機能付きカメラ、像振れ補正機能付き交換レンズ、及び像振れ補正のための装置
JP2001215543A (ja) 振れ補正装置
JPH09211518A (ja) カメラ及び防振装置
JP2003098566A (ja) 振動検出手段の信号制御装置
JP3706661B2 (ja) レンズ鏡筒及びそれを用いた光学機器
JP2003091028A (ja) 補正手段の位置制御装置
JP2003075880A (ja) 光学装置
JP2000122106A (ja) 光学機器及びカメラ
JPH11109435A (ja) 補正光学装置及び防振装置
JP3526278B2 (ja) 振れ補正光学装置
JP2000187258A (ja) 防振制御装置
JPH0961880A (ja) レンズ鏡筒及びそれを用いた光学機器
JP2003107552A (ja) 撮影装置
JP4817544B2 (ja) 防振制御装置、カメラ及び補正手段位置制御装置
JP2002303908A (ja) 光学装置、レンズ鏡筒及びカメラ
JP2003057708A (ja) 振れ補正光学装置
JP3566391B2 (ja) 防振制御装置
JP2003107551A (ja) 補正手段用駆動装置及び振れ補正光学装置
JPH1026786A (ja) レンズ鏡筒及びそれを用いた光学機器
JP2000330156A (ja) 像振れ補正機能付き光学機器
JP2003021855A (ja) 振れ補正光学装置及びカメラ
JP4194156B2 (ja) 防振制御装置