JP2003074693A - 自動変速機のロックアップ制御装置 - Google Patents

自動変速機のロックアップ制御装置

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JP2003074693A
JP2003074693A JP2001262094A JP2001262094A JP2003074693A JP 2003074693 A JP2003074693 A JP 2003074693A JP 2001262094 A JP2001262094 A JP 2001262094A JP 2001262094 A JP2001262094 A JP 2001262094A JP 2003074693 A JP2003074693 A JP 2003074693A
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pressure
power
control
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Application number
JP2001262094A
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Masaaki Nishida
正明 西田
Hiroshi Tsutsui
洋 筒井
Yutaka Teraoka
豊 寺岡
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Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パワーオフ状態からスロットルの急踏み込みが
行われても、出力変動を緩和することの出来る、自動変
速機のロックアップ制御装置の提供。 【解決手段】ロックアップクラッチが係合状態となって
いるか否かを判定するクラッチ係合判定手段(S2
7)、エンジンがパワーオフ状態にあるか否かを判定す
るパワーオフ判定手段(S36)、係合状態となってい
る状態で、パワーオフ状態にあるものと判定された場合
に、ロックアップ圧を低下させるパワーオフ制御手段
(S39からS41)、及び、パワーオフ状態からスロ
ットルが踏み込まれた際のエンジントルクの上昇時に、
ロックアップクラッチが滑るようにそのロックアップ圧
を制御するロックアップ圧制御手段(S42)、からな
る。スロットル再踏み込みに際したエンジントルクの急
上昇は、トルクコンバータ1の流体継ぎ手部分に吸収さ
れ、自動変速機の出力が大幅に変動することが防止され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロックアップクラ
ッチがロックアップ状態で、エンジンがアイドル状態又
は極低トルク状態などのパワーオフ状態からスロットル
の急踏み込みが行われた場合でも、エンジンの出力トル
クの急上昇に伴うチップインショックを緩和することの
出来る、自動変速機のロックアップ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図15は、従来の、ロックアップクラッ
チがロックアップ状態で、エンジンがアイドル状態又は
極低トルク状態からスロットルの急踏み込みが行われた
際の、チップインショックの発生状態を示すタイムチャ
ートである。
【0003】従来、ロックアップクラッチを係合保持す
る場合、ロックアップ圧PLUPは、図15に示すよう
に、エンジンの出力状態に無関係に常に最大圧力に保持
され、ロックアップクラッチは、完全係合状態を保持
し、スロットルの急踏み込みに際しても、トルク容量が
不足して滑りが生じないようにしていた。
【発明が解決しようとする課題】しかし、これでは、ス
ロットルが開放された、アイドル状態又は低トルク状態
(図15の時点T5から時点T6の間など)から、時点
T6でスロットルの急踏み込みを行うと、エンジン回転
数の変動が、完全係合状態のロックアップクラッチを介
してそのまま自動変速機側に伝達され、自動変速機への
入力回転数も同様に変動し、その結果自動変速機の出力
トルクは大幅に変動し、大きなショックが生じる不都合
があった。
【0004】本発明は、上記した事情に鑑み、アイドル
状態又は極低トルク状態などのパワーオフ状態から、ス
ロットルの急踏み込みが行われても、エンジントルクの
急上昇に伴う出力変動を緩和することの出来る、自動変
速機のロックアップ制御装置を提供することを目的とす
るものである。
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ロッ
クアップ圧(PLUP )を供給制御することにより、トル
クコンバータ(1)のロックアップクラッチ(5)の係
合状態を制御することのできる自動変速機のロックアッ
プ制御装置において、ロックアップクラッチが係合状態
となっているか否かを判定するロックアップクラッチ係
合判定手段(53,ロックアップ制御選択プログラムR
SPのステップS27など)、前記エンジンがパワーオ
フ状態にあるか否かを判定するパワーオフ判定手段(5
3、ロックアップ制御選択プログラムRSPのステップ
S36)、前記ロックアップクラッチ係合判定手段によ
り、ロックアップクラッチが係合状態となっている状態
で、前記パワーオフ判定手段によりエンジンがパワーオ
フ状態にあるものと判定された場合に、前記ロックアッ
プ圧を低下させるパワーオフ制御手段(53、パワーオ
フ係合プログラムPOPのステップS39からステップ
S41など)、及び、前記パワーオフ状態からスロット
ルが踏み込まれた際のエンジントルクの上昇時に、前記
ロックアップクラッチが滑るようにそのロックアップ圧
を制御するロックアップ圧制御手段(53、パワーオフ
係合プログラムPOPのステップS42など)、から構
成される。
【0005】請求項2の発明は、前記パワーオフ判定手
段は、パワーオフ状態をスロットルの開度から判定する
ことを特徴として構成される。
【0006】請求項3の発明は、前記パワーオフ判定手
段は、パワーオフ状態をエンジントルクから判定するこ
とを特徴として構成される。
【0007】請求項4の発明は、前記ロックアップ圧制
御手段は、前記パワーオフ状態でのみ前記ロックアップ
クラッチが係合状態を維持することが出来るように、そ
のロックアップ圧を制御することを特徴として構成され
る。
【0008】請求項5の発明は、前記パワーオフ状態か
らスロットルが踏み込まれた際に、エンジントルクが所
定の閾値(TPON)を越えた場合、前記ロックアップ
クラッチを再度係合させるように制御する、再係合手段
(53)を設けて構成される。
【0009】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、パワーオフ制
御手段(53、パワーオフ係合プログラムPOPのステ
ップS39からステップS41など)により、ロックア
ップ圧が低下され、ロックアップ圧制御手段(53、パ
ワーオフ係合プログラムPOPのステップS42など)
が、スロットルの再踏み込みに際して、ロックアップク
ラッチが滑るようにそのロックアップ圧を制御するの
で、スロットルの再踏み込みに際したエンジントルクの
急上昇は、トルクコンバータ(1)の流体継ぎ手部分に
吸収され、自動変速機の出力が大幅に変動することを防
止することが出来る。
【0010】請求項2の発明によれば、パワーオフ状態
をスロットルの開度から判定するので、パワーオフ状態
の判定を容易に行うことが出来る。
【0011】請求項3の発明によれば、パワーオフ状態
をエンジントルクから判定するので、実際のエンジン状
態をタイムラグなく的確に反映することが可能となる。
【0012】請求項4の発明によれば、パワーオフ状態
でのみ前記ロックアップクラッチの係合状態が維持され
るので、エンジントルクが上昇すると直ちにロックアッ
プクラッチが滑り始め、エンジントルクの上昇に伴うシ
ョックの発生を極力防止することが出来る。
【0013】請求項5の発明によれば、パワーオフ状態
からスロットルが踏み込まれた際に、エンジントルクが
所定の閾値(TPON)を越えた場合、前記ロックアッ
プクラッチを再度係合させるように制御するので、何時
までもロックアップクラッチが滑ってしまい、燃費が悪
化してしまう状態が回避され、良好な運転フィーリング
と経済性の両立が可能となる。
【0014】なお、括弧内の番号等は、図面における対
応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述
は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、トルクコンバータの一例
を示す断面図、図2は、トルクコンバータの油圧回路の
一例を示す図、図3は、自動変速機のロックアップ制御
装置の一例を示す制御ブロック図、図4は、ロックアッ
プクラッチ制御プログラムの一例を示すフローチャー
ト、図5はアップシフト係合プログラムの一例を示すフ
ローチャート、図6はダウンシフト係合プログラムの一
例を示すフローチャート、図7は、ロックアップ動作に
際したロックアップクラッチのロックアップ圧の変化
と、エンジン回転数及び変速機入力回転数との関係を示
すタイムチャート、図8は、アップシフト動作に際した
ロックアップクラッチのロックアップ圧の変化と、エン
ジン回転数及び変速機入力回転数との関係を示すタイム
チャート、図9は、ダウンシフト動作に際したロックア
ップクラッチのロックアップ圧の変化と、エンジン回転
数及び変速機入力回転数との関係を示すタイムチャー
ト、図10は、完全係合開始圧を設定する際の、各種の
態様を示す図、図11及び図12は、ロックアップ制御
選択プログラムの一例を示すフローチャート、図13
は、パワーオフ係合プログラムの一例を示すフローチャ
ート、図14は、パワーオフ時におけるスロットルの急
踏み込みに際した、ロックアップクラッチのロックアッ
プ圧の変化と、エンジントルク、エンジン回転数及び変
速機入力回転数、変速機の出力トルクとの関係を示すタ
イムチャートである。
【0016】車両のエンジン50には、図3に示すよう
に、トルクコンバータ1が接続されており、更に、トル
クコンバータ1には、自動変速機51が接続している。
これにより、エンジン50の回転は、トルクコンバータ
1を介して自動変速機51に入力され、そこで、適宜な
変速動作が行われて、図示しない車軸に伝達される。
【0017】また、エンジン50には、エンジン制御部
52が接続しており、トルクコンバータ1には、トルク
コンバータ制御部53が、更に、自動変速機51には、
変速機制御部55が接続している。
【0018】トルクコンバータ53は、図1に詳示する
ように、ドライブプレートに固定されてエンジン50か
らの回転が入力される、入力要素となるフロントカバー
2a及びケース2bからなるコンバータハウジング2を
有しており、該ハウジング内にはケース2bに一体に設
けられたポンプ羽根車1a、自動変速機51の入力軸2
3に接続され、出力要素となるタービンハブ3に一体に
連結されたタービン羽根車1b及びワンウェイクラッチ
4により一方向回転が阻止されるステータ羽根車1cが
収納されており、かつこれら羽根車にてトーラスを構成
している。そして、該トーラスとフロントカバー2aと
の間にはロックアップクラッチ5が配設されており、該
クラッチ5はクラッチプレート6及び2種類のバネ22
a,22bからなるダンパ22を有しており、該クラッ
チプレート6に固着された摩擦材6aがフロントカバー
2aに接触することにより、エンジン50のクランク軸
の回転がフロントカバー2a、クラッチプレート6及び
ダンパ22を介して直接タービンハブ3に伝達され、そ
して該ハブ3にスプライン結合されている自動変速機5
1の入力軸23に伝達される。また、クラッチプレート
6はフロントカバー2aとの間で、クラッチプレートを
オフ側に作用する第1油室9を形成すると共に、その背
面側即ちトーラス側にて、クラッチプレートをオン側に
作用する第2油室10を形成しており、後述するように
これら両油室9,10の圧力差(ロックアップ圧)にて
係合及び解放操作される。
【0019】ついで、トルクコンバータ1におけるロッ
クアップクラッチ5の油圧制御回路について、図2に沿
って説明する。
【0020】油圧制御回路は、ロックアップコントロー
ルバルブ21、ロックアップリレーバルブ35、リニア
ソレノイドバルブ19及びソレノイドバルブ36を有し
ている。
【0021】ロックアップリレーバルブ35は、スプー
ル35aを有しており、該スプール上端に制御油室36
aが形成され、また該スプール下端にライン圧油路37
からのライン圧PL が作用している油室37bが形成
されている。更に、該バルブ35はセカンダリ圧油路1
1に連通している供給ポート11d、更に調圧油路12
に連通している第3のポート12c及びセカンダリレギ
ュレータバルブ(図示せず)からの潤滑油圧PJ が供
給されている油路39に連通しているポート39a、そ
してトルクコンバータ1の前記第1油室9に連通してい
る第1のポート9d、前記第2油室10に連通している
第2のポート10c、更にクーラ等へ導かれる排出油路
に連通する第4のポート21a、複数のドレーンポート
EXを有している。更に、該リレーバルブ35の下端部
分にはライン圧油路37に連通している第5のポート3
7a及びリニアソレノイドバルブ19の供給ポート40
aに油路40を介して連通している第6のポート40b
が形成されている。なお、前記セカンダリ圧PS が作
用している油路11とライン圧油路37はチェックバル
ブ41を介して連通している。
【0022】また、ロックアップコントロールバルブ2
1は第1のスプール21a及び第2のスプール21bを
有しており、第1のスプール上端には前記トルクコンバ
ータの第1油室9に油路9bを介して連通しているオフ
側油室9aが形成されており、また該第1のスプールの
中段には上記油室9aと同じ方向に作用するように、制
御圧油路42に連通する制御油室42aが形成されて
いる。また、第2のスプール21bの下端にはスプリン
グ21cが縮設されていると共に前記トルクコンバータ
の第2油室10に油路10d,10bを介して連通して
いるオン側油室10aが形成されている。更に、該バル
ブ21には調圧油路12に連通している調圧ポート12
aが形成され、更に該ポート12aに隣接して、セカン
ダリ圧油路11に連通している供給ポート11a及びド
レーンポートEXが形成されている。
【0023】また、リニアソレノイドバルブからなるロ
ックアップ差圧制御用ソレノイドバルブ19は前記油路
40を介してライン圧が供給される供給ポート40a、
制御圧ポート42b、更にドレーンポートEX及び解放
ポート19aを有しており、制御部からの所定電気信号
に基づき、供給ポート40aの油圧を調圧して制御圧ポ
ート42bから出力する。
【0024】また、ソレノイドリレーバルブ43はスプ
ール上端にスプリングが縮設されていると共に、油路B
1が接続されたポート43aが形成され、かつ該スプー
ル下端には油室43bを有しており、更にロックアップ
差圧制御用のリニアソレノイドバルブ19の制御圧ポー
ト42bに油路42 を介して連通するポート42d
を有し、かつ該ポート42dを挟んで、前記制御圧油路
42 に連通するポート42c及びプライマリレギュ
レータバルブ(図示せず)の2次側ポートに連通してい
るポート43cを有している。
【0025】そして、ソレノイドバルブ36は制御部か
らの電気信号(ON,OFF)に基づき制御ポート36
bの油圧を供給状態及びドレーン状態に切換える。該ポ
ート36bは、油路B2にオリフィス45を介して連通
している油路36cに連通しており、該油路36cはロ
ックアップリレーバルブ35の制御油室36aに連通し
ている。なお、油路B2には2、3及び4速時にライン
圧が供給され、また油路B1には2レンジ及び1レンジ
おける2速時にライン圧が供給される。
【0026】ついで、本実施例の作用について説明す
る。1速状態にあっては、トルクコンバータ制御部53
からの電気信号に基づき、ソレノイドバルブ36はドレ
ーン状態にあり、ロックアップリレーバルブ35は、制
御油室35aに油圧が作用していないことに基づき、O
FF位置(図5左半位置)にある。また、ソレノイドリ
レーバルブ43は、制御室43bに油圧が作用せず、図
5における右半位置にあって、ロックアップクラッチ制
御圧油路421 はドレーン状態(ポート42cとドレ
ーンポートEXとの連通)にあり、従ってロックアップ
コントロールバルブ21はその制御油室42aに油圧が
作用せず、右半位置にある。なお、ロックアップリレー
バルブ35のOFF位置にあっては、ポート37aが遮
断されると共にポート40bがドレーンポートEXに連
通しており、従ってリニアソレノイドバルブ19の供給
ポート40aはドレーン状態にある。
【0027】そして、セカンダリ(コンバータ)油圧は
油路11からリレーバルブ35のポート11d,9d及
び油路9cを介してトルクコンバータ1の第1油室9に
供給され、一方第2油室10のオイルは油路10b、リ
レーバルブ35のポート10c,21a及び油路21を
介してクーラ連通管46及びクーラバイパスバルブ47
に導かれる。従って、ロックアップクラッチ5は解放状
態にあり、エンジンクランク軸の回転は、専らポンプ羽
根車1a、ステータ羽根車1c及びタービン羽根車1b
に作用する油流を介してタービンハブ3に伝達され、そ
して自動変速機51の入力軸23に伝達される。なお、
該ロックアップクラッチ5の解放状態は1速におけるソ
レノイドリレーバルブ43の切換えに限らず、2,3,
4速においてソレノイドバルブ36及び/又はリニアソ
レノイドバルブ19がオフ状態にあっても現出する。
【0028】また、Dレンジにおける2速時にあって
は、油路B2へのライン圧供給に起因して、ソレノイド
リレーバルブ43はその制御室43bにライン圧が供給
されて図2の左半位置に切換えられ、入力ポート42d
がロックアップクラッチ制御用出力ポート42cに連通
する。この状態において、トルクコンバータ制御部53
がソレノイドバルブ36及びリニアソレノイドバルブ1
9にロックアップクラッチオン信号を発すると、まず、
ソレノイドバルブ36が供給状態に切換わり、油路36
cを介してロックアップリレーバルブ35の制御油室3
6aにライン圧を作用して、該リレーバルブ35がON
位置(図5の右半位置)に切換わる。この状態にあって
は、油路11からのセカンダリ(コンバータ)油圧PS
はリレーバルブ36のポート11d,10c及び油路
10bを介してトルクコンバータ1の第2油室10に供
給され、一方第1油室9のオイルは油路9c、リレーバ
ルブ35のポート9d,12c及び調圧油路12を介し
てコントロールバルブ21の調圧ポート12aに導かれ
る。
【0029】更に、該リレーバルブ35は上記ON位置
への切換えに基づき、ポート37aと40bが連通し、
ライン圧油路37のライン圧が油路40を介してリニア
ソレノイドバルブ19の供給ポート40aに直接供給さ
れる。そして、該リレーバルブ35のON位置への切換
えと略々同時に、又は僅かに遅れて、トルクコンバータ
制御部53からリニアソレノイドバルブ19に所定調圧
信号が出力される。すると、該リニアソレノイドバルブ
19は、供給ポート40aに供給されたライン圧を調圧
して制御圧ポート42bに出力し、該制御油圧が油路4
22 、ソレノイドバルブ43のポート42d,42c
及び油路42 を介してロックアップコントロールバ
ルブ21の制御油室42aに供給される。
【0030】そして、ロックアップクラッチ5の完全係
合(オン)時にあっては、前記ロックアップ差圧制御用
リニアソレノイドバルブ19は、比較的高い制御圧を発
生し、従って制御油室42aに高い制御圧が作用し、コ
ントロールバルブ21は図5の左半位置に保持され、前
記調圧ポート12aはドレーンポートEXに連通して、
油路12からの油圧が排出される。この状態では、ロッ
クアップクラッチ5は、第1油室9と第2油室10との
圧力差に基づきクラッチプレート6の摩擦材6aがフロ
ントカバー2aに完全に接触し、クラッチ係合状態とな
って、エンジンクランク軸の回転は該ロックアップクラ
ッチ5を介してタービンハブ3に伝達される。
【0031】また、自動変速機のアップシフトやダウン
シフトに際しては、シフトショックが発生することを防
止するために、トルクコンバータ制御部53が差圧制御
用リニアソレノイドバルブ19にスリップ制御信号を発
する。これにより、該バルブ19は、トルクコンバータ
1の入力側(エンジン回転数)及び出力側回転速度(自
動変速機入力回転数)を検知して、例えばその差回転数
が目標値になるような信号を受信して、制御圧ポート4
2bから所定油圧を出力し、該油圧は、油路422 ,
421 を介してコントロールバルブ21の制御油室4
2aに作用する。この状態にあっては、第1油室9内の
油圧が油路9bを介してコントロールバルブ21におけ
るスプール21a上端のオフ側油室9aに作用し、また
第2油室10内の油圧が油路10bを介してスプール2
1b下端のオン側油室10aに作用し、従ってコントロ
ールバルブ21は両油室9,10の油圧が直接対向作用
した状態にあり、該差圧作用状態にあって、前記差圧制
御用リニアソレノイドバルブ19からの制御油室42a
の油圧に基づき、調圧ポート12aは供給ポート11a
とドレーンポートEXとの絞り量割合を変化し、該調圧
ポート12aの油圧を調圧・変化する。これにより、第
2油室10のセカンダリ圧PS に対抗して、第1油室
9に所定調圧が作用し、ロックアップクラッチ5は、ク
ラッチプレートの摩擦材6aがフロントカバー2aにス
リップしつつ当接して所定回転数を伝達するスリップ制
御状態となる。
【0032】こうして、ロックアップクラッチの係合動
作は行われるが、当該係合動作に際しては、トルクコン
バータ制御部53は、更に以下のような制御を行う。
【0033】即ち、トルクコンバータ制御部53は、図
11に示す、ロックアップ制御選択プログラムRSPを
所定のタイミングで常に実行しており、ロックアップ制
御選択プログラムRSPは、ステップS20で、エンジ
ン回転数や自動変速機51の変速状態からトルクコンバ
ータ1がロックアップクラッチ5をONすべき状態とな
っているか否かを判定し、トルクコンバータ1がロック
アップクラッチ5をONすべき状態となっていない場合
には、ステップS21に入り、トルクコンバータ1がロ
ックアップクラッチ5をOFFすべき状態となっている
か否かを判定する。
【0034】トルクコンバータ1がロックアップクラッ
チ5をOFFすべき状態となっているものと判定された
場合には、図12のステップS22に入り、BestLupの
フラグをOFFにして、ステップS23で、現在ロック
アップクラッチ5がOFFか否かを、フラグCurrentLup
がOFFか否かで判定する。フラグCurrentLupがOFF
の場合、即ち、ロックアップクラッチ5が現在係合して
いない状態を示している場合には、ステップS24に入
り、ロックアップクラッチの係合圧PLUPを0とし、
フラグCurrentLupがONの場合、即ち、ロックアップク
ラッチ5が現在係合している場合には、ステップS25
に入り、ロックアップクラッチの係合圧PLUPを徐々
にスイープダウンさせて、ロックアップクラッチの係合
を解除する。
【0035】次に、ステップS20で、トルクコンバー
タ1がロックアップクラッチ5をONすべき状態となっ
ているものと判定された場合には、ステップS26に入
り、BestLupのフラグをONにして、ステップS27
で、現在のロックアップクラッチの係合状態を、フラグ
CurrentLupがONか否かで判定する。または、実際にト
ルクコンバータの差回転を検出して、ロックアップクラ
ッチの係合状態を判定しても良い。この場合、トルクコ
ンバータの差回転が所定値よりも小さな場合に、ロック
アップクラッチは係合状態にあるものと判定される。フ
ラグCurrentLupがONでない場合、即ち、現在ロックア
ップクラッチ5が係合していないものと判定された場合
には、ステップS28に入り、ロックアップクラッチ5
を係合させるべき以下の〜の条件のうちいずれかが
成立しているか否かを判定する。
【0036】即ち、変速判断が出されていない場合、
アップシフトに際して、摩擦係合要素を係合させるサ
ーボ起動制御が終了している場合、ダウンシフトが行
われている場合である。これらの条件の内、いずれかが
成立している場合には、ロックアップクラッチ5を係合
させる条件が成立しているので、ステップS29に入
り、ロックアップONスイープ制御に入って、後述する
ロックアップクラッチ制御プログラムRCPを実行し、
ロックアップクラッチを係合させる。
【0037】また、ステップS27で、フラグCurrentL
upがONの場合、即ち、現在ロックアップクラッチ5が
完全係合しているものと判定された場合には、ステップ
S30に入り、現在、変速機制御部55からの変速判断
が出力されているか否かを判定する。変速機制御部55
からの変速判断が出力されている場合には、ステップS
31に入り、当該変速判断がアップシフトか否かを判定
し、アップシフトの場合には、ステップS32に入り、
アップシフト時ロックアップ制御を行い、後述するアッ
プシフト係合プログラムUEPを実行し、当該変速判断
がダウンシフトの場合には、ステップS33に入り、ダ
ウンシフト時ロックアップ制御を行い、後述するダウン
シフト係合プログラムDEPを実行する。
【0038】ロックアップクラッチ制御プログラムRC
P、アップシフト係合プログラムUEP及びダウンシフ
ト係合プログラムDEPは、互いに関連しているので、
以下に、ロックアップクラッチ制御プログラムRCPを
中心にして、詳しく説明する。
【0039】即ち、変速機制御部55により、自動変速
機51が制御されアップシフトやダウンシフトの変速動
作が行われた場合には、変速機制御部55から、アップ
シフト信号UPSまたはダウンシフト信号DNSがトル
クコンバータ制御部53に対して出力され、トルクコン
バータ制御部53は、ロックアップ制御選択プログラム
RSPのステップS31でこれから行う制御が、自動変
速機の変速動作に伴う、一時的な開放制御であることを
認識する。また、トルクコンバータ制御部53がエンジ
ン制御部52や変速機制御部55からの各種の制御信号
やエンジン回転数信号などに基づいて、ロックアップ制
御選択プログラムRSPのステップS28でロックアッ
プクラッチを開放状態からロックアップさせるように判
断した場合は、トルクコンバータ制御部53は、これか
ら行う制御が、ロックアップクラッチのロックアップ動
作に伴う制御であることを認識する。
【0040】従って、トルクコンバータ制御部53は、
ステップS27、ステップS28、ステップS30及び
ステップS31で、これから行う制御を認識したところ
で、図示しないメモリから、対応する制御プログラムを
読み出し、該読み出された制御プログラムに従って、ロ
ックアップクラッチの係合制御を行う。
【0041】即ち、ステップS27、ステップS28に
より、これから行う制御が、ロックアップクラッチのロ
ックアップ動作に伴う制御と判定認識した場合には、ス
テップS29で、ロックアップONスイープ制御を行
う。即ち、図4に示す、ロックアップクラッチ制御プロ
グラムRCPを読み出して、該ロックアップクラッチ制
御プログラムRCPに基づいて制御する。
【0042】トルクコンバータ制御部53は、ロックア
ップクラッチ制御プログラムRCPのステップS1でタ
イマt1を始動させ、ステップS2に入り、サーボ起動
制御を行う。すると、ロックアップクラッチ5の第1油
室9と第2油室10との間の差圧である、ロックアップ
圧PLUP は、図7の時点T1で初期圧PF にまで高めら
れて、ロックアップクラッチ5が、係合する寸前にまで
移動した後、所定の待機圧PWAITにまで低められる。ス
テップS3で、ステップS1の制御開始から所定時間t
1=TimeServo経過した時点で、ロックアップ圧PLUP
完全係合開始圧PLONSt_1まで高められ、その後、勾配dP
LON1でスイープアップされるが、この完全係合開始圧P
LONSt_1と、勾配dPLON1は、ステップS4及びステップ
S5に示すように、現在行っている制御に応じて、変化
させる。
【0043】即ち、完全係合開始圧について述べると、
ステップS4に示すように、現在行われている制御がロ
ックアップクラッチのロックアップ動作に伴う制御、従
って、定常走行からのロックアップクラッチのON制御
の場合には、完全係合開始圧は、PLONSt_1となり、自動
変速機のアップシフト変速動作に伴う制御である場合に
は、完全係合開始圧は、PLONSt_2となり、自動変速機
のダウンシフト変速動作に伴う制御である場合には、完
全係合開始圧は、PLONSt_3となる。
【0044】この完全係合開始圧PLONSt_i(i=1,
2,3:数字iは、ロックアップクラッチの制御態様に
対応しており、数字の1はロックアップクラッチのロッ
クアップ動作に伴う制御、2は自動変速機のアップシフ
ト変速動作に伴う一時開放制御、3は自動変速機のダウ
ンシフト変速動作に伴う一時開放制御に対応する。以下
の係合開始圧PLONSt_iに関する式及び、図10に示す
各添え字iの数字は同様の意味を有する)は、トルクコ
ンバータ制御部53が、 PLONSt_i=Ai・f(trg)+Bi で求め、当該求められた係合開始圧PLONSt_iに基づい
て、ロックアップクラッチ5の油圧を制御する。即ち、
係合開始圧PLONSt_iは、エンジントルクtrgの関数
で得られる値f(trg)に、制御態様に基づく所定の
ゲインAiを乗じ、得られた圧力に、制御態様に基づく
所定の圧力値Biを加算して得られる。
【0045】また、ゲインAiと圧力値Biは、パラメ
ータの取り方により、種々の値を取るが、図10の
(a)から(d)に、その一例を示す。
【0046】図10の(a)は、ゲインAiを、各制御
態様について固定した場合で、圧力値Biを決定するパ
ラメータとしてエンジントルクを採用した場合を示し、
図10の(b)は、ゲインAiを、各制御態様について
固定した場合で、圧力値Biを決定するパラメータとし
て、エンジン回転数と自動変速機の入力回転数の差であ
る、スリップスピードを採用した場合を示し、図10の
(c)は、圧力値Biを、各制御態様について固定した
場合で、ゲインAiを決定するパラメータとしてエンジ
ントルクを採用した場合を示し、図10の(d)は、圧
力値Biを、各制御態様について固定した場合で、ゲイ
ンAiを決定するパラメータとして、エンジン回転数と
自動変速機の入力回転数の差である、スリップスピード
を採用した場合を示す。
【0047】図7の場合は、既に述べたように、ロック
アップクラッチのロックアップ動作に伴う制御なので、
ステップS4では、 PLONSt_1=A1・f(trg)+B1 に基づいて、完全係合開始圧が決定される。
【0048】ステップS4で、完全係合開始圧PLONSt_
1が、ロックアップ圧PLUPとして供給され、ロックアッ
プクラッチ5の完全係合動作が開始されたたところで、
ステップS5に入り、既に述べたように、スイープアッ
プの勾配dPLONも、dPLONi(i=1,2,
3:数字iは、ロックアップクラッチの制御態様に対応
しており、数字の1はロックアップクラッチのロックア
ップ動作に伴う制御、2は自動変速機のアップシフト変
速動作に伴う一時開放制御、3は自動変速機のダウンシ
フト変速動作に伴う一時開放制御に対応する)により、
ロックアップクラッチの制御態様に応じて変化させる形
で制御する。
【0049】これにより、ロックアップクラッチは、通
常走行におけるロックアップクラッチのON制御に適し
た完全係合開始圧PLONSt_1およびスイープアップ勾配
dPLON1で制御される。
【0050】スイープアップは、ステップS6で、エン
ジン回転数と自動変速機の入力回転数の差ΔNが、N
LONEND以下となるまで継続され、その後ステップ
S7及びステップS8で、所定時間TLONEND経過
後に、ロックアップクラッチ5が完全係合した時点で終
了する。
【0051】その後、ステップS34で、フラグCurren
tLupをONにして、現在ロックアップクラッチ5が係合
状態にあることを表示する。更に、ステップS35で、
現在スロットルが戻されてパワーオフ状態にあるか否か
をエンジントルクから判定し、パワーオフ状態有るもの
と判定された場合には、スロットルの急踏み込みに備え
た後述のパワーオフ係合プログラムPOPを実行し、パ
ワーオフ状態に無い場合には、ロックアップクラッチ制
御プログラムRCPを終了する。
【0052】なお、図11のロックアップ制御選択プロ
グラムRSPのステップS31で、トルクコンバータ制
御部53が、これから行う制御が、自動変速機のアップ
シフト変速動作に伴う制御であることを認識した場合に
は、既に述べたように、ステップS32に入り、アップ
シフト時のロックアップ制御を行う。即ち、トルクコン
バータ制御部53は、図5に示すアップシフト係合プロ
グラムUEPを読み出して、該アップシフト係合プログ
ラムUEPに基づいて、ロックアップクラッチを制御す
る。
【0053】即ち、トルクコンバータ制御部53は、ア
ップシフト係合プログラムUEPのステップS9で、図
8に示すように、アップシフトの変速判断が成された時
点T2で、ロックアップクラッチの開放制御を実行し、
ステップS10で、変速機制御部55の変速開始判断が
成された時点T3で、ステップS11に入り、ロックア
ップ圧PLUP を所定の勾配dP_sweepdpn_1でスイープ
ダウンさせ、ステップS12及びステップS13で所定
のアップシフト時の待機圧PUPWAITまで低下させ
る。ステップS14で、変速機制御部55から変速終了
判断が出された時点T4で、トルクコンバータ制御部5
3は、図4に示すロックアップクラッチ制御プログラム
RCPのステップS4に入り、前述したように、ロック
アップクラッチの制御態様、即ち、アップシフトの変速
動作に伴う制御に応じた、完全係合開始圧PLONSt_2を
求めて、当該ロックアップ圧PLUP をロックアップクラ
ッチ5に供給し、更に、ステップS5で、アップシフト
の変速動作に伴う制御に応じたスイープイアップ勾配d
PLON2で制御する。
【0054】更に、図11のロックアップ制御選択プロ
グラムRSPのステップS31で、トルクコンバータ制
御部53が、これから行う制御が、自動変速機のダウン
シフト変速動作に伴う制御であることを認識した場合に
は、既に述べたように、ステップS33に入り、ダウン
シフト時のロックアップを行う。即ち、トルクコンバー
タ制御部53は、図6に示すダウンシフト係合プログラ
ムDEPを読み出して、該ダウンシフト係合プログラム
DEPに基づいて、ロックアップクラッチを制御する。
【0055】即ち、トルクコンバータ制御部53は、ダ
ウンシフト係合プログラムDEPのステップS15で、
図9に示すように、ダウンシフトの変速判断が成された
時点T5で、ロックアップクラッチの開放制御を実行
し、ステップS16で、変速機制御部55の変速開始判
断が成立するか、ロックアップ圧PLUPが所定のダウンシ
フト時の待機圧PDOWNWAIT以下になった時点T
6で、ステップS17に入り、ロックアップ圧PLUP
所定の待機圧PDOWNWAITで維持する。ステップ
S18で、変速機制御部55から変速終了判断が出され
た時点T7で、トルクコンバータ制御部53は、図4に
示すロックアップクラッチ制御プログラムRCPのステ
ップS4に入り、前述したように、ロックアップクラッ
チの制御態様、即ち、ダウンシフトの変速動作に伴う制
御に応じた、完全係合開始圧PLONSt_3を求めて、当該
ロックアップ圧PLUP をロックアップクラッチ5に供給
し、更に、ステップS5で、ダウンシフトの変速動作に
伴う制御に応じたスイープイアップ勾配dPLON3で
制御する。
【0056】これにより、ロックアップクラッチは、通
常の開放状態からロックアップする場合、また、ダウン
シフトやアップシフトなどの自動変速機の変速動作に伴
う一時的な開放動作にそれぞれ適合した形で、完全係合
開始圧PLONSt_iが演算され、当該演算された完全係合
開始圧PLONSt_iに基づいて、待機圧状態から完全係合
動作を開始するので、それぞれの制御状態に適した形で
の完全係合動作が可能となり、運転フィーリングを向上
させることが出来、係合完了までの時間を最適な状態に
設定することが容易に出来る。
【0057】次に、図11に示すロックアップ制御選択
プログラムRSPのステップS30で、現在、変速機制
御部55からの変速判断が出力されていない、従って、
自動変速機51が変速動作中でないものと判断された場
合には、ステップS36に入り、現在スロットルが戻さ
れ(開放され)て、図14に示すように、エンジントル
クEgtorqueが所定の閾値TPOFF(例えば、0)を下
回るパワーオフ状態となっているか否かを判定する。
【0058】エンジントルクEgtorqueが所定の閾値T
POFF(例えば、0)を下回るパワーオフ状態となっ
ていない場合には、ロックアップクラッチ5は通常のロ
ックアップ状態を保持すべき状態となっているので、ス
テップS37に入り、ロックアップ圧PLUPを完全係合圧
FULLとして、完全係合状態を維持する。なお、完
全係合圧PFULLは、入力トルクに応じてロックアッ
プクラッチ5に滑りが生じない程度の油圧であればよ
い。
【0059】なお、図14に示すように、スロットルが
時点T7で戻され、時点T8でエンジントルクEgtorque
が所定の閾値TPOFF(例えば、0)を下回るパワー
オフ状態となっている場合には、その後スロットルの急
踏み込みが予想されることから、ロックアップ制御選択
プログラムRSPはステップS38のパワーオフ時ロッ
クアップ制御に入り、図13に示す、パワーオフ係合プ
ログラムPOPを実行する。
【0060】即ち、パワーオフ係合プログラムPOP
は、ロックアップ制御選択プログラムRSPのステップ
S36または、ロックアップクラッチ制御プログラムR
CPのステップS35で、エンジントルクEgtorqueが所
定の閾値TPOFF(例えば、0)を下回るパワーオフ
状態となっていると判断された時点T8で、ステップS
39に入り、ロックアップ圧PLUPを所定のスイープダウ
ン開始圧PPOFFS まで低下させる。次いで、ステ
ップS40に入り、所定勾配dP_POFFで、スイー
プダウンを開始して、ステップS41及びステップS4
2でロックアップ圧PLUPを所定のパワーオフロックアッ
プ圧PPOFFに維持する。
【0061】このパワーオフロックアップ圧PPOFF
は、エンジンがアイドル状態又は極低トルク状態などの
パワーオフ状態においては、ロックアップクラッチ5
は、滑りが生じることのない完全係合状態を維持するこ
とが出来、エンジン回転はそのまま自動変速機の入力軸
に伝達されるが、エンジントルクがパワーオフ状態より
も上昇した場合には、ロックアップクラッチ5はその完
全係合状態を維持することが出来ず、滑りが生じ、エン
ジン回転数と自動変速機の入力回転数との間に差回転
(エンジン回転数>自動変速機の入力回転数)が生じる
ような圧力状態である。この状態では、自動変速機51
の出力トルクは、図14の時点T8からT9の間に示す
ように、パワーオフ状態に対応した低いものとなる。
【0062】パワーオフ状態が維持される限り、図14
に示すように、ロックアップクラッチ5は、パワーオフ
ロックアップ圧PPOFFが維持されるが、ある時点T
9で、スロットルの踏み込みが行われると、それに伴っ
て、エンジン回転数及びエンジントルクが増大する。し
かし、既に述べたように、ロックアップクラッチ5はパ
ワーオフロックアップ圧PPOFFが維持されているの
で、ロックアップクラッチ5に滑りが生じ、エンジン回
転数に対して自動変速機入力回転数が少なくなる。これ
により、スロットルの踏み込みに伴うエンジントルクの
変動は、ロックアップクラッチ5が滑り状態であるため
にトルクコンバータ1の流体継ぎ手部分に吸収され、シ
ョックが自動変速機51側に伝達されることは極力防止
される。
【0063】スロットルの急踏み込みにより、図14に
おいて、エンジントルクが急激に上昇し、時点T10で
所定の閾値TPONを越えると、トルクコンバータ制御
部53は、ロックアップクラッチ5の完全係合を開始さ
せるために、ロックアップクラッチ5に対して完全係合
開始圧PLONSTを供給した後、所定勾配でスイープ
アップさせ、ロックアップクラッチ5を完全係合させ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、トルクコンバータの一例を示す断面図
である。
【図2】図2は、トルクコンバータの油圧回路の一例を
示す図である。
【図3】図3は、自動変速機のロックアップ制御装置の
一例を示す制御ブロック図である。
【図4】図4は、ロックアップクラッチ制御プログラム
の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5はアップシフト係合プログラムの一例を示
すフローチャートである。
【図6】図6はダウンシフト係合プログラムの一例を示
すフローチャートである。
【図7】図7は、ロックアップ動作に際したロックアッ
プクラッチのロックアップ圧の変化と、エンジン回転数
及び変速機入力回転数との関係を示すタイムチャートで
ある。
【図8】図8は、アップシフト動作に際したロックアッ
プクラッチのロックアップ圧の変化と、エンジン回転数
及び変速機入力回転数との関係を示すタイムチャートで
ある。
【図9】図9は、ダウンシフト動作に際したロックアッ
プクラッチのロックアップ圧の変化と、エンジン回転数
及び変速機入力回転数との関係を示すタイムチャートで
ある。
【図10】図10は、完全係合開始圧を設定する際の、
各種の態様を示す図である。
【図11】図11は、ロックアップ制御選択プログラム
の一例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、ロックアップ制御選択プログラム
の一例を示すフローチャートである。
【図13】図13は、パワーオフ係合プログラムの一例
を示すフローチャートである。、
【図14】図14は、パワーオフ時におけるスロットル
の急踏み込みに際した、ロックアップクラッチのロック
アップ圧の変化と、エンジントルク、エンジン回転数及
び変速機入力回転数、変速機の出力トルクとの関係を示
すタイムチャートである。
【図15】図15は、従来の、ロックアップクラッチが
ロックアップ状態で、エンジンがアイドル状態又は極低
トルク状態からスロットルの急踏み込みが行われた際
の、チップインショックの発生状態を示すタイムチャー
トである。
【符号の説明】
1……トルクコンバータ 5……ロックアップクラッチ 53……ロックアップクラッチ係合判定手段、パワーオ
フ判定手段 パワーオフ制御手段、ロックアップ圧制御手段 再係合手段(トルクコンバータ制御部) PLUP……ロックアップ圧 TPON……閾値
フロントページの続き (72)発明者 寺岡 豊 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 Fターム(参考) 3J053 CA03 CB14 DA02 DA06 EA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロックアップ圧を供給制御することによ
    り、トルクコンバータのロックアップクラッチの係合状
    態を制御することのできる自動変速機のロックアップ制
    御装置において、 ロックアップクラッチが係合状態となっているか否かを
    判定するロックアップクラッチ係合判定手段、 前記エンジンがパワーオフ状態にあるか否かを判定する
    パワーオフ判定手段、 前記ロックアップクラッチ係合判定手段により、ロック
    アップクラッチが係合状態となっている状態で、前記パ
    ワーオフ判定手段によりエンジンがパワーオフ状態にあ
    るものと判定された場合に、前記ロックアップ圧を低下
    させるパワーオフ制御手段、及び、 前記パワーオフ状態からスロットルが踏み込まれた際の
    エンジントルクの上昇時に、前記ロックアップクラッチ
    が滑るようにそのロックアップ圧を制御するロックアッ
    プ圧制御手段、から構成される自動変速機のロックアッ
    プ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記パワーオフ判定手段は、パワーオフ
    状態をスロットルの開度から判定することを特徴とす
    る、請求項1記載の、自動変速機のロックアップ制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記パワーオフ判定手段は、パワーオフ
    状態をエンジントルクから判定することを特徴とする、
    請求項1記載の、自動変速機のロックアップ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ロックアップ圧制御手段は、前記パ
    ワーオフ状態でのみ前記ロックアップクラッチが係合状
    態を維持することが出来るように、そのロックアップ圧
    を制御することを特徴とする、請求項1記載の、自動変
    速機のロックアップ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記パワーオフ状態からスロットルが踏
    み込まれた際に、エンジントルクが所定の閾値を越えた
    場合、前記ロックアップクラッチを再度係合させるよう
    に制御する、再係合手段を設けて構成した、請求項1記
    載の、自動変速機のロックアップ制御装置。
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