JP2003073890A - 電子部品の端面電極形成方法 - Google Patents

電子部品の端面電極形成方法

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JP2003073890A
JP2003073890A JP2001264724A JP2001264724A JP2003073890A JP 2003073890 A JP2003073890 A JP 2003073890A JP 2001264724 A JP2001264724 A JP 2001264724A JP 2001264724 A JP2001264724 A JP 2001264724A JP 2003073890 A JP2003073890 A JP 2003073890A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電ペーストによる厚膜電極を形成すること
なく、電子部品の特性を劣化させることのない電子部品
の端面電極形成方法を提供する。 【解決手段】 セラミック材料を用いた電子部品の端面
電極形成方法は、パラジウム、スズ、銀、銅から選択さ
れる少なくとも1種を含有する導電化材料を含む導電化
溶液に上記電子部品の端面を浸漬させて、上記導電化材
料を電子部品の端面に付着させる工程と、電子部品の端
面に付着した導電化材料を導電層として電解めっきを施
す工程とを有する。そして、上記導電化溶液の表面張力
は、30×10-3N/m〜70×10-3N/mにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の端面電
極形成方法に関する。特にセラミック、あるいはセラミ
ックと樹脂との複合セラミック材料を用いた電子部品の
端面電極形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子部品の端面電極形成(こ
こで、「端面電極」とは、具体的にはチップ型電子部品
の両端面および端面近傍の側面に形成する外部電極を指
す)は、以下の方法で行われていた。すなわち、セラミ
ック材料を成形、焼成後、電子部品の端面に厚膜導電ペ
ースト(金属ペースト)を印刷あるいは浸漬塗布し、焼
成炉にて数百℃から千数百℃の温度にて焼き付け、厚膜
電極を形成する。そして、電解めっき法にて厚膜電極上
をさらにニッケルやスズあるいはスズ−鉛、スズ−銀、
スズ−ビスマスなどのスズ合金でめっきして電子部品の
端面電極を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
端面電極形成方法では、以下のような問題を有してい
た。
【0004】すなわち、厚膜電極の形成には、導電ペー
ストを高温で焼成するプロセスを必要とする。そのた
め、セラミックと樹脂との複合セラミック材料のような
比較的融点の低い材料を用いた電子部品には、適用する
ことができないという問題があった。
【0005】また、近年、パラジウムや銀などの貴金属
に代わり、より安価なニッケルや銅などの卑金属の導電
ペーストが用いられている。このニッケルや銅ペースト
は、窒素などの還元雰囲気中で焼成する必要がある。そ
のため、このニッケルや銅ペーストの場合、還元雰囲気
での焼成によりセラミックの特性が低下しやすいなど、
その焼成条件の最適化が困難であるという問題があっ
た。
【0006】さらに、導電ペーストは、通常ガラスフリ
ットを含有している。このガラスフリットは、焼成後に
厚膜電極中で偏在する可能性がある。特に、ガラスフリ
ットが厚膜電極表面に偏在する場合には、後の電解めっ
きを行う際においてめっき付き性が悪くなるという問題
があった。また、ガラスフリットがセラミック界面付近
に偏在する場合には、電子部品において、所望の電気的
特性や物理特性が得られない等の不具合が生じるという
問題があった。
【0007】本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、電子部品に導電ペーストに
よる厚膜電極を形成することなく、電子部品の特性を劣
化させることのない電子部品の端面電極形成方法を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明者らは、鋭意研究の結果、以下の方法を見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0009】すなわち、本発明の電子部品の端面電極形
成方法は、セラミック材料やセラミックと樹脂との複合
セラミック材料を用いた電子部品の端面に電極を形成す
るにあたって、パラジウム、スズ、銀、銅からなる群か
ら選択される少なくとも1種を含有する導電化材料を含
む導電化溶液に電子部品の端面を接触させて、該導電化
材料を電子部品の端面のみに付着させる。そして、電子
部品の端面に付着した導電化材料を導電層として電解め
っきを行うことで、電子部品にめっきを施した端面電極
を形成することができる。
【0010】これにより、上記の方法では、従来のよう
な厚膜電極を形成することなく端面電極を形成すること
ができる。さらに、厚膜電極を形成する際に必要な高温
での焼成を行うことなく、電子部品に端面電極を形成す
ることができる。そのため、電子部品は高温にさらされ
ることなく、電子部品が劣化されることを回避できる。
【0011】本発明の電子部品の端面電極形成方法に使
用しうる電子部品は、絶縁体、半導体、誘電体、圧電
体、焦電体、磁性体等のセラミック材料や、これらのセ
ラミックと樹脂との複合材料からなる。これらの電子部
品に形状や寸法は、特に問題とすることなく、貫通孔や
凹凸を有するものや、すでに内部電極が形成された積層
型の電子部品に対しても、好適に適用することができ
る。
【0012】本発明の電子部品の端面電極形成方法にお
ける、導電化溶液の表面張力は、30×10-3N/m〜
70×10-3N/mであればよい。これにより、電子部
品において、導電化溶液の濡れ上がりによる端面外への
めっきの形成がなく、かつ、良好なめっき付き性を得る
ことができる。
【0013】また、上記導電化溶液の粘度は、3mPa
・s〜30Pa・sであることが好ましい。これによ
り、電子部品において、導電化溶液の濡れ上がりによる
端面外へのめっきの形成がなく、かつ、良好なめっき付
き性をより一層得ることができる。
【0014】また、電解めっきする金属は、スズ、スズ
合金、ニッケル、銅、銀、金、パラジウムからなる群か
ら選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0015】また、前記スズ合金は、スズ−鉛、スズ−
銀、スズ−銅、スズ−亜鉛、スズ−ビスマス、スズ−イ
ンジウムからなる群から選択されることが好ましい。
【0016】また、本発明の電子部品は、上記の電子部
品の端面電極形成方法により、端面電極が形成されたこ
とを特徴としている。これにより、厚膜電極を形成する
ことなく端面電極を形成することができるため、電子部
品は高温にさらされることはない。したがって、高温に
よる劣化のない端面電極を有する電子部品を提供するこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の電子部品の端面電極形成
方法(本方法)は、以下の通りである。例えば略直方体
のセラミック材料からなる電子部品を、まず脱脂やエッ
チング等の手法によって、電子部品の表面を清浄にす
る。次いで電子部品の端面のみを、パラジウム、スズ、
銀、銅からなる群から選択される少なくとも1種を含有
する導電化材料を含む導電化溶液に浸漬する。この浸漬
により、電子部品の端面(表面)に導電化材料を付着さ
せ、導電層を形成する。「セラミック材料」とは、セラ
ミック材料およびセラミックと樹脂との複合セラミック
材料を含むものとする。また、導電化材料とは、電子部
品に付着して導電性を与えることができる材料であり、
例えば、上記のような遷移金属のイオン、それらを含む
コロイド等が挙げられる。
【0018】ここで、上記導電化溶液の表面張力の最小
値は、30×10-3N/m以上であることが好ましく、
40×10-3N/m以上であることがより一層好まし
い。また、導電化溶液における表面張力の最大値は、7
0×10-3N/m以下であることが好ましく、60×1
-3N/m以下であることがより一層好ましい。また、
導電化溶液における粘度の最小値は、0.003Pa・
s(3mPa・s)以上であることが好ましく、0.1
Pa・s以上であることがより一層好ましく、1Pa・
s以上であることがさらにより一層好ましい。また、導
電化溶液における粘度の最大値は、30Pa・s以下で
あることが好ましい。導電化溶液の表面張力および粘度
は、添加剤を用いて調節すればよい。この添加剤は、導
電化溶液における導電化材料の物性に影響を与えないも
のであればいかなるものであってもよい。
【0019】なお、電子部品の端面への導電化材料の付
着量は、電解めっきによりめっきが可能となる量であれ
ばよい。また、導電化溶液の表面張力および粘度は、電
子部品の大きさによって決定される。これは、特に小型
の電子部品においては、表面張力が小さく、かつ、粘度
の低い導電化溶液を用いると、端面を浸漬させただけで
あっても濡れ上がり現象により所定以外の部分にも導電
化材料が付与されてしまうためである。これにより、後
の電解めっきにおいて、電子部品の所望でない部分まで
めっきされてしまう。
【0020】また、電子部品の材料の種類によっては、
これらの導電化材料が電子部品に付着しにくい場合があ
る。その場合には、電子部品を、導電化溶液に浸漬させ
る前に界面活性剤に浸漬させてもよい。この界面活性剤
により、電子部品の表面への導電化材料の付着力を高め
ことができる。ここで用いる界面活性剤は、電子部品の
端面に付与する導電化材料の種類に適合するように、ア
ニオン型、カチオン型、ノニオン型、両性のいずれかの
界面活性剤から選択する。
【0021】なお、表面に導電化材料が付着した電子部
品は、電解めっきを行うのに必要な導電化材料の付与量
(0.2μg/cm2 〜50μg/cm2 )を表面上に
残すようにして、水や溶剤等により洗浄することができ
る。
【0022】次に、電子部品の端面の導電化材料からな
る導電層上を、電解めっきによって、めっきする。これ
により、電子部品には、端面電極が形成される。
【0023】前記電解めっきで用いることが可能な金属
種は、特に限定されるものではなく、スズ、スズ合金、
ニッケル、銅、銀、金、パラジウム等からなる群から選
択される少なくとも1種の金属を使用することができ
る。また、スズ合金としては、スズ−鉛、スズ−銀、ス
ズ−銅、スズ−亜鉛、スズ−ビスマス、スズ−インジウ
ム等が好ましい。
【0024】また、めっき浴の性質も、酸性浴、中性
浴、アルカリ性浴のいずれの浴においても本方法を適用
できる。さらに、電解めっき法も、バレルめっき法、ラ
ックめっき法等種々の電解めっき法を用いることができ
る。
【0025】以下、本方法について実施例に基づいて詳
細に説明する。
【0026】
【実施例】〔実施例1〕チタン酸バリウムを主原料とし
たチップ積層コンデンサー(サイズ:1.6mm×0.
8mm×0.8mm)の端面電極を以下の手法により形
成した。まずチップ積層コンデンサーを、弱アルカリク
リーナーで洗浄した後、水洗した。
【0027】次いで、チップ積層コンデンサーの端面の
みを、導電化溶液に浸漬し、洗浄した。この導電化溶液
は、銅とパラジウムとを含有する導電化材料を含み、液
温30℃、表面張力45×10-3N/m、粘度15Pa
・sのものを使用した。また、導電化溶液への浸漬時間
は、10秒とした。
【0028】次いで、導電化溶液に浸漬したチップ積層
コンデンサーの端面に、電解ニッケルめっき浴にて、バ
レルめっき法により電解めっきを行った。この電解ニッ
ケルめっき浴の条件は、pH4.3、液温40℃、電流
密度1.0A/dm2 とした。また、めっき時間は、3
0分とした。この電解めっきにより、チップ積層コンデ
ンサーの端面には、膜厚約2μmのニッケルめっきが形
成された。
【0029】引き続き、ニッケルめっきを形成したチッ
プ積層コンデンサーの端面に、電解スズめっき浴にて、
バレルめっき法により電解めっきを行った。この電解ス
ズめっき浴の条件は、pH5.0、液温25℃、電流密
度0.5A/dm2 とした。また、めっき時間は、50
分とした。この電解めっきにより、チップ積層コンデン
サーの端面のニッケルめっき上には、膜厚約3μmのス
ズめっきが形成された。
【0030】以上のように、チップ積層コンデンサーに
端面電極を形成した。
【0031】この端面電極を形成したチップ積層コンデ
ンサーの電気的特性(静電容量、絶縁抵抗、誘電損失)
および機械的特性(たわみ強度、はんだ耐熱性)特性を
評価した。その結果、上記チップ積層コンデンサーの各
特性は、実用上にはまったく問題のないものであること
が判明した。
【0032】〔比較例1〕実施例1で用いたチタン酸バ
リウムを主原料としたチップ積層コンデンサー(サイ
ズ:1.6mm×0.8mm×0.8mm)の端面電極
を、従来どおりの厚膜電極を用いて形成した。
【0033】まず、チップ積層コンデンサーを弱アルカ
リクリーナーにて洗浄し、乾燥させた。そして、チップ
積層コンデンサーの端面のみに、ホウ素−シリカ−バリ
ウム系ガラスを含有する銅の導電ペースト(銅ペース
ト)を浸漬塗布した。この銅ペーストを塗布したチップ
積層コンデンサーを窒素雰囲気中、830℃で1時間焼
成した。これによりチップ積層コンデンサーの端面に銅
厚膜電極を形成した。
【0034】この銅厚膜電極上に、電解ニッケルめっき
浴にて、バレルめっき法により電解めっきを行った。電
解ニッケルめっき浴の条件は、pH4.3、液温40
℃、電流密度1.0A/dm2 とした。また、めっき時
間は、30分とした。この電解めっきにより、銅厚膜電
極上には、膜厚約2μmのニッケルめっきが形成され
た。
【0035】さらに、銅厚膜電極に、電解スズめっき浴
にて、バレルめっき法により電解めっきを行った。電解
スズめっき浴の条件は、pH5.0、液温25℃、電流
密度0.5A/dm2 とした。また、めっき時間は、5
0分とした。この電解めっきにより、ニッケルめっき上
には、膜厚約3μmのスズめっきが形成された。
【0036】以上のように、チップ積層コンデンサーの
端面電極を形成した。
【0037】この端面電極を形成したチップ積層コンデ
ンサーに対し、電気的特性と機械的特性との評価を行っ
た。その結果、上記チップ積層コンデンサーは、実用上
には問題がないものの、静電容量およびたわみ強度につ
いては、実施例1のチップ積層コンデンサーに比べて劣
るものであった。
【0038】〔実施例2〕酸化マンガンおよび酸化コバ
ルトを主原料としたチップ正特性サーミスタ(サイズ:
1.6mm×0.8mm×0.8mm)の端面電極を以
下の手法により形成した。
【0039】まず、チップ正特性サーミスタをアルカリ
系クリーナーにて洗浄した後、水洗した。
【0040】次いで、上記チップ正特性サーミスタの端
面のみを、導電化溶液に浸漬し、洗浄した。この導電化
溶液は、ニッケルを含有する導電化材料を含み、液温2
5℃、表面張力50×10-3N/m、粘度10Pa・s
のものを使用した。また、導電化溶液への浸漬時間は、
10秒とした。
【0041】次いで、実施例1と同様に方法にて、チッ
プ正特性サーミスタの端面に下地としてニッケルめっき
を施し、そのニッケルめっき上に最外スズめっきを施し
た。
【0042】以上のように、チップ正特性サーミスタに
端面電極を形成した。
【0043】この端面電極を形成したチップ正特性サー
ミスタの温度特性および抵抗特性を評価したところ、実
用上にはまったく問題のないものであることが判明し
た。
【0044】〔実施例3〕フェライトとPPS(ポリフ
ェレンサルファイド)樹脂との複合セラミック材料を主
原料としたチップ銅巻きコイル(4mm×4mm×6m
m)の端面電極を以下の手法により形成した。
【0045】まず、チップ銅巻きコイルを中性クリーナ
ーにて洗浄した後、水洗した。
【0046】次いで、チップ銅巻きコイルの端面のみ
を、導電化溶液に浸漬し、洗浄した。この導電化溶液
は、スズとパラジウムとを含有する導電化材料を含み、
液温50℃、表面張力38×10-3N/m、粘度9Pa
・sのものを使用した。また、導電化溶液への浸漬時間
は、20秒とした。
【0047】次いで、導電化溶液に浸漬したチップ銅巻
きコイルの端面に、電解銅めっき浴にて、バレルめっき
法により電解めっきを行った。電解銅めっき浴の条件
は、pH1以下、液温25℃、電流密度1.0A/dm
2 とした。また、めっき時間は、20分とした。この電
解めっきにより、チップ銅巻きコイルの端面には、膜厚
約5μmの銅めっきが形成された。
【0048】引き続き、この銅めっきを形成したチップ
銅巻きコイルの端面に、電解ニッケルめっき浴にて、バ
レルめっき法により電解めっきを行った。この電解ニッ
ケルめっき浴の条件は、pH4.3、液温40℃、電流
密度1.0A/dm2 とした。また、めっき時間は、3
0分とした。この電解めっきにより、チップ銅巻きコイ
ルの端面の銅めっき上には、膜厚約4μmのニッケルめ
っきが形成された。
【0049】さらに引き続き、ニッケルめっきを形成し
たチップ銅巻きコイル端面に、電解スズめっき浴にて、
バレルめっき法により電解めっきを行った。この電解ス
ズめっき浴の条件は、pH5.0、液温25℃、電流密
度0.5A/dm2 とした。また、めっき時間は、50
分とした。この電解めっきにより、チップ銅巻きコイル
の端面のニッケルめっき上には、膜厚約3μmのスズめ
っきが形成された。
【0050】以上のように、チップ銅巻きコイルに端面
電極を形成した。
【0051】この端面電極を形成したチップ正特性サー
ミスタのインダクタンス特性を評価したところ、実用上
にはまったく問題のないものであることが判明した。
【0052】〔比較例2〕実施例3において用いた、フ
ェライトとPPS(ポリフェレンサルファイド)樹脂と
の複合セラミック材料を主原料としたチップ銅巻きコイ
ル(サイズ:4mm×4mm×6mm)の端面電極を、
導電ペーストを用いた厚膜電極による作成を試みた。
【0053】まず、チップ銅巻きコイルを中性クリーナ
ーにて洗浄した後、水洗した。
【0054】次いで、チップ銅巻きコイルの端面のみ
に、銅ペーストを浸漬塗布した。この銅ペーストは、液
温25℃、表面張力32×10-3N/m、粘度10Pa
・sのものを使用した。また、浸漬時間は、5秒とし
た。そして、この複合セラミック材料の融点を10℃下
回る約260℃にて3時間焼成した。しかしながら、こ
の焼成時間では、銅ペースト中の銅粉を焼成することが
できなかった。そのため、チップ銅巻きコイルの端面
に、所望の電極を形成することはできなかった。
【0055】〔実施例4〜8、比較例3、4〕酸化亜鉛
を主原料とするチップバリスタ(サイズ:2.0mmt
×1.2mmt×1.2mmt)の端面電極を以下の手
法により形成した。
【0056】まず、チップバリスタを中性クリーナーに
て洗浄した後、水洗した。
【0057】次いで、チップバリスタの端面のみを、導
電化溶液に浸漬し、洗浄した。この導電化溶液は、銀−
パラジウムを含有する導電化材料を含み、液温25℃、
粘度10Pa・sのものを使用した。また、導電化溶液
の表面張力は、25×10-3N/m〜75×10-3N/
mの間で各実施例および比較例ごとに変えて使用した。
また、導電化溶液への浸漬時間は、10秒とした。
【0058】次いで、導電化溶液に浸漬したチップバリ
スタの端面に、電解ニッケルめっき浴にて、バレルめっ
き法により電解めっきを行った。電解ニッケルめっき浴
の条件は、pH4.3、液温40℃、電流密度1.0A
/dm2 とした。また、めっき時間は、20分とした。
この電解めっきにより、チップバリスタの端面には、ニ
ッケルめっきが形成された。
【0059】さらに、チップバリスタの端面のニッケル
めっき上に、電解スズめっき浴にて、バレルめっき法に
より電解めっきを行った。電解スズめっき浴の条件は、
pH5.5、液温25℃、電流密度0.7A/dm2
した。また、めっき時間は、40分とした。この電解め
っきにより、ニッケルめっき上には、スズめっきが形成
された。
【0060】以上の操作により、チップバリスタの端面
電極を形成した。そして、これら端面電極が形成された
チップバリスタにおいて、導電化溶液の濡れ上がりによ
る端面外へのめっきの形成、およびめっき付き性につい
て評価し、これらチップバリスタの実用についての判定
を行った。
【0061】ここで、各実施例および比較例の条件およ
び評価について、表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1から明らかなように、導電化溶液の表
面張力が30×10-3N/m〜70×10-3N/mの場
合に、導電化溶液の濡れ上がりによる端面外へのめっき
の形成がなく、かつ、良好なめっき付き性を得られるこ
とが判明した。
【0064】また、表1より、導電化溶液の表面張力の
最小値は、30×10-3N/m以上であることが好まし
く、40×10-3N/m以上であることがより一層好ま
しいこと、また、導電化溶液における表面張力の最大値
は、70×10-3N/m以下であることが好ましく、6
0×10-3N/m以下であることがより一層好ましいこ
とが判る。
【0065】〔実施例9〜13、比較例5、6〕酸化亜
鉛を主原料とするチップバリスタ(サイズ:2.0mm
t×1.2mmt×1.2mmt)の端面電極を以下の
手法により形成した。
【0066】まず、チップバリスタを中性クリーナーに
て洗浄した後、水洗した。
【0067】次いで、チップバリスタの端面のみを、導
電化溶液に浸漬し、洗浄した。この導電化溶液は、銀−
パラジウムを含有する導電化材料を含み、液温25℃、
表面張力45×10-3N/mのものを使用した。また、
導電化溶液の粘度は、0.001Pa・s(1mPa・
s)〜35Pa・sの間で各実施例および比較例毎に変
えて用した。また、導電化溶液への浸漬時間は、10秒
とした。
【0068】次いで、導電化溶液に浸漬したチップバリ
スタの端面に、電解ニッケルめっき浴にて、バレルめっ
き法により電解めっきを行った。電解ニッケルめっき浴
の条件は、pH4.3、液温40℃、電流密度1.0A
/dm2 とした。また、めっき時間は、20分とした。
この電解めっきにより、チップバリスタの端面には、ニ
ッケルめっきが形成された。
【0069】さらに、チップバリスタの端面に、電解ス
ズめっき浴にて、バレルめっき法により電解めっきを行
った。電解スズめっき浴の条件は、pH5.0、液温2
5℃、電流密度0.7A/dm2 とした。また、めっき
時間は、40分とした。この電解めっきにより、ニッケ
ルめっき上には、スズめっきが形成された。
【0070】以上の操作により、チップバリスタの端面
電極を形成した。そして、これら端面電極が形成された
チップバリスタにおける、導電化溶液の濡れ上がりによ
る端面外へのめっきの形成、めっき付き性について評価
し、これらチップバリスタの実用についての判定を行っ
た。
【0071】ここで、各実施例および比較例の条件およ
び評価について、表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】表2から明らかなように、導電化溶液の粘
度が0.003Pa・s(3mPa・s)〜30Pa・
sの場合に、導電化溶液の濡れ上がりによる端面外への
めっきの形成がなく、かつ、良好なめっき付き性を得ら
れることが判明した。
【0074】また、表2より、導電化溶液の粘度の最小
値は、0.003Pa・s以上であることが好ましく、
0.1Pa・s以上であることがより一層好ましく、1
Pa・s以上であることがさらにより一層好ましい。ま
た、導電化溶液における粘度の最大値は、30Pa・s
以下であることが好ましい。
【0075】
【発明の効果】本発明のセラミック材料を用いた電子部
品の端面電極形成方法は、パラジウム、スズ、銀、銅か
ら選択される少なくとも1種を含有する導電化材料を含
む導電化溶液に上記電子部品の端面を浸漬させて、上記
導電化材料を電子部品の端面に付着させる工程と、電子
部品の端面に付着した導電化材料を導電層として電解め
っきを施す工程とを有し、上記導電化溶液の表面張力
が、30×10-3N/m〜70×10-3N/mである構
成である。
【0076】本発明の端面電極形成方法を用いれば、従
来の導電ペーストを用いた厚膜電極を使用することなく
電子部品に端面電極を形成することが可能である。これ
により、厚膜電極を形成する際に必要な高温での焼成を
行うことなく、電子部品に端面電極を形成することがで
きる。そのため、電子部品は高温にさらされることな
く、電子部品が劣化されることを回避できるという効果
を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K024 AA03 AA07 AA09 AA10 AA11 AA12 AA21 AA22 AB02 BA12 BA15 BB09 DA10 GA16 5E001 AB03 AD03 AE02 AH01 AH09 AJ01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック材料を用いた電子部品の端面電
    極形成方法において、 パラジウム、スズ、銀、銅から選択される少なくとも1
    種を含有する導電化材料を含む導電化溶液に上記電子部
    品の端面を浸漬させて、導電化材料を電子部品の端面に
    付着させる工程と、 電子部品の端面に付着した導電化材料を導電層として電
    解めっきする工程とを有し、 上記導電化溶液の表面張力が、30×10-3N/m〜7
    0×10-3N/mであることを特徴とする電子部品の端
    面電極形成方法。
  2. 【請求項2】前記導電化溶液の粘度が、3mPa・s〜
    30Pa・sであることを特徴とする請求項1に記載の
    電子部品の端面電極形成方法。
  3. 【請求項3】電解めっきする金属が、スズ、スズ合金、
    ニッケル、銅、銀、金、パラジウムからなる群から選択
    される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の電子部品の端面電極形成方法。
  4. 【請求項4】前記スズ合金は、スズ−鉛、スズ−銀、ス
    ズ−銅、スズ−亜鉛、スズ−ビスマス、スズ−インジウ
    ムからなる群から選択されることを特徴とする請求項3
    に記載の電子部品の端面電極形成方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
    電子部品の端面電極形成方法により、端面電極が形成さ
    れたことを特徴とする電子部品。
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