JPH08186050A - 電子部品及びその製造方法 - Google Patents

電子部品及びその製造方法

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JPH08186050A
JPH08186050A JP6337625A JP33762594A JPH08186050A JP H08186050 A JPH08186050 A JP H08186050A JP 6337625 A JP6337625 A JP 6337625A JP 33762594 A JP33762594 A JP 33762594A JP H08186050 A JPH08186050 A JP H08186050A
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layer
plating
hydrogen
chip
electronic component
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JP6337625A
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Inventor
Hideyuki Kanai
秀幸 金井
Mitsuyoshi Ito
光由 伊藤
Toshimitsu Honda
敏光 本多
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
    • H05K3/32Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
    • H05K3/34Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by soldering
    • H05K3/341Surface mounted components
    • H05K3/3431Leadless components
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
    • H05K3/32Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
    • H05K3/34Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by soldering
    • H05K3/3489Composition of fluxes; Methods of application thereof; Other methods of activating the contact surfaces
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】チップ状電子部品の外部電極表面のはんだメッ
キ層の酸化膜によりプリント基板に対するはんだ付け性
が害されることを防止し、電気特性測定機器の端子がそ
の酸化膜により汚れることを防止し、プリント基板にチ
ップ状電子部品を自動マウント機により搭載する際にバ
ルク供給装置ではその部品に発生する静電気によりその
部品がかたまりになり、テーピング供給方式では収納テ
ープにくっつき、いずれも一つづつスムーズに取り出せ
ないことを防止する。 【構成】外部電極に加熱により脱離する水素を含有する
層を設ける。外部電極を熱処理又は研磨する。水素を含
有させるには過剰電流密度で電解メッキを行う。 【効果】はんだ付け時に水素が発生しはんだ酸化物を還
元し、はんだ付け性を良くし、熱処理又は研磨により電
気特性測定機器の端子の汚れを少なくし、帯電量も少な
くなって自動マウント機による搭載もスムーズに行われ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばプリント基板等
に実装されるチップ状積層コンデンサ等の電子部品にお
いて、外部電極を改善した電子部品及びその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンデンサやインダクタ等の電子部品は
多くの電子機器に用いられているが、最近の電子機器の
小型化に伴って、プリント基板に電子部品を高密度に実
装した回路部品が用いられるようになり、この高密度に
実装するための電子部品として例えばチップ状の積層セ
ラミックコンデンサ、チップ状のセラミックサーミス
タ、チップ状のインダクタ等のチップ状電子部品が多く
用いられている。これらのチップ状電子部品は、それぞ
れの素子の角柱タイプや円柱タイプのセラミック素体の
両端面に外部電極を形成したものであり、これら外部電
極がプリント基板のはんだ付けランドにはんだ付けされ
て使用される。例えばチップ状の積層セラミックコンデ
ンサは、セラミック誘電体層と内部電極が交互に積層さ
れ、その積層体のセラミック素体の両側端面に当該内部
電極の端部が一つおきに互いに反対側になるように引き
出され、その端部に接続する外部電極が当該端面に形成
され、この外部電極がプリント基板のはんだ付けランド
にはんだ付けされて使用される。このチップ状積層セラ
ミックコンデンサやその他のチップ状電子部品の外部電
極を形成するには、AgやAg−Pd等を含有する焼付
け型導電ペーストをそれぞれのセラミック素体の両側端
面に塗布して焼付ける。次に、この焼付け膜だけでは、
プリント基板のはんだ付けランドにはんだ付けされると
きに、溶融はんだにAgが溶解して移行し、その焼付け
膜を痩せさせる、いわゆる「はんだ食われ」の現象を生
じるので、この焼付け膜の上にNi、Cuなどの金属の
メッキを施すことが行われており、さらにそのメッキ層
では溶融はんだを良く濡らすことができず、実用性のあ
るはんだ付け強度が得られないので、そのメッキ層の上
に溶融はんだに対する濡れ性を高めるためのSnあるい
はSnとPbからなるはんだをメッキすることが一般的
に行われている。
【0003】ところで、このような外部電極を形成した
チップ状の電子部品は、その形状が例えば1.0mm×
0.5mmの寸法に到るまどに小形化されているので、
製造後出荷するときの製品の品質検査を行なう際の電気
特性の能率的な測定のためには、その測定は殆ど自動化
されており、例えばチップ状積層セラミックコンデンサ
では、静電容量、品質係数、耐電圧、絶縁抵抗等の特性
が測定されている。また、これらのチップ状の電子部品
をプリント基板に実装する作業能率を向上させるため
に、自動マウント機が用いられている。この自動マウン
ト機は、供給されたチップ状の電子部品をプリント基板
の所定の位置に配置するものであるが、その自動マウン
ト機にチップ状の電子部品を供給する供給方式として
は、チップ状の電子部品一つ一つをテープの長さ方向に
沿って保持させておき、必要時にそのテープを移動させ
ながらその部品を一つずつ取り出せるようにした、いわ
ゆるテーピング方式が行われている。また、この方法
は、テーピングコストがかかり、在庫スペースを必要と
し、さらには使用後テープを廃棄することに伴う後処理
の問題や環境資源保護の点から、ビニール袋等にバラ詰
めされたりして出荷されたチップ状電子部品を移し換え
て直接順次供給できるようにしたマルチバルク供給方式
やワンバイワンバルク供給方式によりチップ状電子部品
を自動マウント機に供給することも行われており、自動
マウント機の稼動率を向上させることができるメリット
もあることから最近注目されている。
【0004】ワンバイワンバルク供給方式は、例えばセ
ラミック素体の両端に外部電極を形成したようなセラミ
ック素体が露出している、いわゆるバルクのチップ状電
子部品を多数集合し、その中から一つ一つを自動マウン
ト機に供給するものであるが、その方式にはバラの状態
のチップ状電子部品について、圧縮空気により撹拌、配
列させるエア対流方式、羽根付き回転ドラム内で撹拌
し、羽根により整列させるドラム撹拌方式、チップ状電
子部品を収納したホッパー内に上下動するパイプを設け
これにチップ部品を一つずつ誘導するホッパー方式の3
方式が提案されている。実際には、プリント基板にはコ
ンデンサ、インダクタ、抵抗体等の種類が異なるだけて
はなく、その特性の異なる多種多様のチップ状電子部品
を搭載する必要があるので、その搭載するチップ状電子
部品の全品種の各別毎にバルクケースを用意し、それぞ
れに対応するチップ状電子部品を収容し、搭載しようと
するチップ状電子部品を取り出すその都度該当するバル
クケースを所定の位置に移動させ、上記のワンバイワン
供給方式等によりそのチップ状電子部品を自動マウント
機に供給している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように、外部電極の表面層がSnの層やはんだ層によ
り形成されていると、チップ状電子部品等の電子部品が
大気中で保管されたり、取扱いされているうちにこれら
の金属層は自然に酸化されて、表面に酸化膜が形成さ
れ、プリント基板にはんだ付けされるときに溶融はんだ
に対する濡れ性を損ねるという課題がある。また、Sn
の層やはんだ層は柔らかく脆く、酸化され易く、その酸
化膜が生じると、上記したようにチップ状の電子部品の
電気特性を自動的に測定する際に、測定機器の端子はこ
の酸化膜に接触せざるを得ず、これが繰り返されること
によりその端子にその酸化膜が付着して黒くなって汚
れ、後続のチップ状の電子部品の外部電極に対するその
端子の接触抵抗を大きくし、正確な測定を行うことがで
きなくなるいという課題も生じる。
【0006】また、上記したテーピング方式による供給
方法を採用する場合は、チップ状電子部品は基材テープ
に形成された凹部に収容された後カバーテープにより封
入されており、その使用の際にはカバーテープが剥離さ
れ、その露出したチップ状電子部品が自動マウント機の
吸引器により取り出されるが、これらテープにはプラス
チック材料が用いられているためカバーテープを剥離す
る際に静電気が発生し易く、吸引器による取り出しが良
く行われないということがある。また、上記したバルク
供給方式の場合には、チップ状の電子部品は上述したバ
ルクケース内に収容され、その部品が取り出される必要
のある毎にそのバルクケースが所定の位置に移動させら
れると、プリント基板に搭載する部品の種類毎にバルク
ケースは所定の位置に移動させられるので、その回数が
多くなり、その都度チップ状電子部品はバルクケース内
で振動させられ、撹拌されたりする。このようにあるい
はその他のことで振動させられると、チップ状の電子部
品は相互あるいはバルクケース内壁に絶えず擦られるこ
とになるので、例えばチップ状積層コンデンサでは露出
されているセラミック素体が擦られると、静電気が発生
し易く、その際外部電極の表面が酸化膜で覆われ導電性
が低くなっているとその静電気を逃がすことができず、
そのためチップ状電子部品同士がばらけた状態になら
ず、かたまりに成ってブリッジ等を形成し、例えば上記
のワンバイワン供給方式ではそのチップ状電子部品が取
り出されず、誘導されないということになる。このこと
は、他のチップ状電子部品についもセラミック素体が露
出している場合あるいはこれが例えば円筒形磁器コンデ
ンサのように絶縁膜で覆われている場合のいずれもセラ
ミック素体、絶縁膜に静電気が発生し易いので同様の問
題が生じる。特に、最近のチップ状電子部品は小型化さ
れ1.6mm×1.0mmの寸法のいわゆる1610形
チップ部品のようなチップ状電子部品が使用されるよう
になると、その重量が小さいので静電気引力が重力に勝
って、チップ状電子部品は個別に分離することができ
ず、一緒に落下し、上記のワンバイワン供給方式の取り
出し部に取り出すことができず、その誘導の機能を損な
うことになる。このように、チップ状電子部品が自動マ
ウント機に供給されないと、プリント基板にチップ状電
子部品が実装されないことになり、実装不良となるか、
これを避けようとすれは自動マウント機を自動停止させ
るしかなく、生産性を損ねるという課題を生じる。
【0007】本発明の第1の目的は、表面に酸化膜が形
成されても溶融はんだに良く濡れ、実用性のあるはんだ
付け強度が得られる外部電極を有する電子部品及びその
製造方法を提供することにある。本発明の第2の目的
は、電気特性の測定機器の端子が繰り返し接触してもそ
の端子が汚れない外部電極を有する電子部品及びその製
造方法を提供することにある。本発明の第3の目的は、
静電気の帯電量を少なくできる外部電極を有する電子部
品及びその製造方法を提供することにある。本発明の第
4の目的は、実装装置のバルク供給装置中で振動されて
も静電気によりかたまりを作り難い電子部品及びその製
造方法を提供することにある。本発明の第5の目的は、
実装装置にテーピング方式によりチップ状電子部品を供
給する場合にその供給時に静電気の帯電量の少ない電子
部品及びその製造方法を提供することにある。本発明の
第6の目的は、プリント基板に対して実装不良の生じ難
い電子部品及びその製造方法を提供することにある。本
発明の第7の目的は、プリント基板に対する実装の作業
能率及び歩留まりを向上することができ、生産性を高め
ることができる電子部品及びその製造方法を提供するこ
とにある。本発明の第8の目的は、従来の電解メッキ装
置等を使用して簡単に上記目的の外部電極を形成できる
電子部品の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)、少なくともセラミック素体に外
部電極を有する電子部品において、該外部電極は錫含有
メッキ層を表面層に有する複数の導電層からなり、かつ
該複数の導電層の少なくとも1層は加熱により脱離する
水素を含有する電子部品を提供するものである。また、
本発明は、(2)、複数の導電層は下地層と、錫含有メ
ッキ層の表面層からなり、該表面層は加熱により脱離す
る水素を含有する上記(1)の電子部品、(3)、複数
の導電層は下地層、銅又はニッケル又はパラジウムを主
成分とするメッキ膜の中間層及び錫含有メッキ層の表面
層を順次有し、かつ該中間層及び表面層の少なくとも一
つの層は加熱により脱離する水素を含有する上記(1)
の電子部品、(4)、外部電極は熱処理を施されている
上記(1)ないし(3)のいずれかの電子部品、
(5)、熱処理は加熱により脱離する水素の発生が抑制
されている温度で行われる上記(4)の電子部品、
(6)、外部電極の表面層は研磨されている上記(1)
ないし(3)のいずれかの電子部品、(7)、研磨はバ
レル研磨である上記(6)の電子部品、(8)、少なく
ともセラミック素体に外部電極を有する電子部品の製造
方法において、該外部電極は該セラミック素体に導電膜
の下地層を形成する工程と、該下地層に直接又は中間層
を介して錫含有メッキ層の表面層を形成する工程を有
し、かつ該中間層又は表面層又はこれらの両方の層の形
成工程は過剰電流密度による電解メッキ法によりメッキ
層を形成する工程を有する電子部品の製造方法、
(9)、中間層は銅又はニッケル又はパラジウムを主成
分とするメッキ膜の層である上記(8)の電子部品の製
造方法を提供するものである。
【0009】本発明において、電子部品としては少なく
ともセラミック素体に外部電極を有する電子部品が挙げ
られるが、特にチップ状セラミック電子部品が挙げら
れ、これらには、チップ状円筒形コンデンサ、チップ状
抵抗体、チップ状フェライトビーズインダクタ、NTC
又はPTC型のチップ状サーミスタ、チップ状バリスタ
ー、チップ状積層電子部品等が挙げられ、チップ状積層
電子部品としては、チップ状積層セラミックコンデン
サ、チップ状積層セラミックインダクタ、チップ状積層
セラミックトランス、チップ状積層セラミックLC部品
等が挙げられる。本発明において、セラミック素体と
は、セラミック材料の焼成体を主体としたものをいう
が、これを用いた電子部品がサーミスタの場合は抵抗
体、フェライトビーズの場合は導体の磁性体による被覆
体、積層セラミックコンデンサの場合はセラミック層を
内部電極を挟んで積層した積層体、積層セラミックイン
ダクタ、積層セラミックトランスの場合はセラミック層
を内部導体を挟んで積層した積層体をいい、その他の電
子部品のセラミック素体もこれらに準ずる。
【0010】本発明において、「少なくともセラミック
素体に外部電極を有する」とは、例えば上記セラミック
素体の両端部に外部電極を有する場合のみならず、外部
電極間のセラミック素体に絶縁膜を有するような場合も
いう。外部電極はセラミック素体に形成される導電層の
下地層と、錫含有メッキ層を少なくとも有するが、さら
にその中間層を有することもできる。中間層は錫含有メ
ッキ層を下地層に直接設けると「はんだ食われ」現象等
を起こさせる場合に設けられ、下地層は電解メッキ法を
適用できない場合に用いられるが、Au、Ag、Pd、
Ag−Pd、Cu、Zn、Niその他これらの合金等の
金属材料を用いることができる。一般的にはAg、Ag
−Pd又はPdの導電材料ペースト膜の焼付け膜からな
る導電層の下地層、Cu又はNi又はPdを主成分とす
るメッキ膜の中間層、さらにその上に錫含有メッキ層を
有し、錫含有メッキ層が露出している構造、あるいはC
u又はNi又はPdを主成分とする導電体を含有する導
電材料ペースト膜の焼付け膜からなる下地層に錫含有メ
ッキ層を有し、その錫含有メッキ層が露出している構造
の電極が挙げられるが、これらに限らない。錫含有メッ
キ層とはSnのみを主成分とするメッキ層、SnとPb
を主成分とし、Sn/Pb=85〜98/2〜15のは
んだメッキ層が挙げられる。
【0011】本発明において、「複数の導電層の少なく
とも1層」とは、例えば上記下地層、中間層、錫含有メ
ッキ層の表面層を設ける場合はその少なくとも一つの層
が挙げられ、したがって各単独層、任意の2つの層又は
全部の層の場合が挙げられる。また、「加熱により脱離
する水素を含有する」とは、加熱されない状態では水素
の脱離が抑制されていて実質的には例えば錫含有メッキ
層表面に生じた酸化物を溶融はんだが良く濡れる程には
還元する能力はないが、加熱されると水素の脱離が促進
され、その酸化物を溶融はんだが良く濡れるのに十分な
程還元能力を有するようになることをいう。メッキ層に
水素を含有させる方法には、後述するように過剰電流密
度において電解メッキを行なう等の方法が挙げられる
が、下地層にもこの方法を併用し、下地層そのものを多
層にすることもできる。水素が脱離するその加熱温度は
電子部品をプリント基板にはんだ付けする際に水素の脱
離が促進される温度、例えは溶融はんだの温度(200
℃〜300℃)が好ましく、例えば過剰電流密度におい
て電解メッキを行なうニッケルの場合には(例えば50
A/dm2 )、200℃以上が好ましく、250℃以上
がより好ましく、300℃、30秒加熱するとほとんど
の水素を脱離させることができる。錫含有メッキその他
のメッキを過剰電流密度で電解メッキで行う場合もこれ
に準じて考えられる。水素の含有量については、はんだ
付け時に溶融はんだの温度においてその溶融はんだが良
く濡れるように錫含有メッキ層の酸化物を還元できる量
を少なくとも含有させる。
【0012】本発明において、外部電極は熱処理を施さ
れていることが好ましく、その熱処理は水素の脱離が抑
制されている温度で行われることが好ましく、例えばは
んだが溶融する温度より低い100℃〜170℃が好ま
しく、その加熱時間は12時間〜24時間が好ましい。
この熱処理を空気中で行っても、錫含有メッキ層の表面
層は酸化物による汚れが生じ難くなり、製造対象部品の
出荷時の品質検査で電気特性を測定する測定機器の端子
を接触させてもその汚れを少なくできる。また、製造対
象の部品の帯電量も低減させることができ、テーピング
方式、バルク方式等により部品を自動マウント機に供給
する際に静電気によりその部品の取り出しができなくな
るのを防止することができる。温度が低過ぎる等により
熱処理が不十分であると、上記の汚れを抑制できず、帯
電量を少なくできず、この熱処理が過度であると含有さ
れている水素は錫含有メッキ層の表面層を通って外界に
放出されるので部品をプリント基板のはんだ付けランド
にはんだ付けを行うときに酸化物の還元作用を十分に行
うことができない。熱処理を行うと、錫含有メッキ層の
表面層の酸化を促進するように作用するが、一方ではそ
の酸化は外部電極に含有される水素により抑制される。
その酸化物が生じてもはんだ付け時に脱離する水素がそ
の酸化物を還元し外部電極の表面層を溶融はんだによく
濡らすことができ、そのはんだ付け性を損ねないように
できる。
【0013】このような熱処理を行うと、錫含有メッキ
層の表面層における特に表面への水素の拡散を促進し、
特に例えばニッケル又は銅又はパラジウムを主成分とす
るメッキ膜等の中間層を介して錫含有メッキ層の表面層
を設け、その中間層に水素を含有させる場合には、水素
のその表面層の表面への拡散を促進することもできる
が、温度が低過ぎる等により熱処理が不十分であると、
水素のその表面への拡散速度が低くなり、はんだ付け時
にはんだ付け性を良くする作業性が悪い。また、加熱温
度が高過ぎる等により熱処理が過度に行われると、水素
は表面層を通って外界に放出され、上記のはんだ付けを
行うときに酸化物の還元作用を十分に行うことができな
いことがある。しかし、熱処理がやや過剰に行われて
も、水素が残留しており、表面層の酸化物をはんだ付け
時の際還元できる程度のものであれば支障ない。錫含有
メッキ層の表面層の汚れを少なくする効果及び製造対象
部品の帯電量を低減させる効果は、その表面層を研磨す
ることにより平滑にすることによっても得られる。この
研磨方法としては、チップ状電子部品のような小物を大
量に研磨するときは、バレル研磨が好ましく、アルミナ
ビーズ等の研磨材とともに研磨するが、その研磨の程度
は表面が平滑になる程好ましいが、金属光沢が現れる程
度以上が良い。
【0014】上記のことから、上記下地層、上記中間層
及び上記表面層、あるいは上記下地層及び上記表面層か
らなる外部電極のそれぞれの少なくとも一つの層に加熱
により脱離する水素を含有させる構成と、それぞれの構
成の外部電極を熱処理又は研磨又はこれらの両方を行う
構成のそれぞれの組み合わせの構成の電子部品の発明を
例示することができ、その際電子部品をチップ状電子部
品に限定することもできる。
【0015】本発明に係わる外部電極を形成するには、
上記セラミック素体に下地層を形成する。この下地層と
しては、その上に電解メッキが可能であれば良く、導電
材料ペースト膜の焼付け膜でも良いが、導電材料の無電
解メッキ、蒸着、スパッター、イオンプレーテイング等
の成膜方法も用いられる。導電材料としては、Au、A
g、Ag−Pd、Cu、Zn、Niその他これらそれぞ
れの合金等が挙げられるが、Ag、Ag−Pd、Pdが
用いられることが多い。この下地層には後述の過剰電流
密度で電解メッキを施すことを併用して水素を含有さ
せ、下地層そのものを多層に形成することができる。
【0016】次ぎに、上記下地層に錫含有メッキ層の表
面層を直接設けても良く、その場合にはこの錫含有メッ
キ層に水素を含有させても良いが、この錫含有メッキ層
を例えばニッケル又は銅又はパラジウムを主成分とした
メッキ膜等の金属のメッキ膜の中間層を介して設けても
良く、この場合には表面層、中間層のいずれか又は両方
に水素を含有させても良い。この水素を含有させる方法
としては、電解メッキ法を過剰電流密度の状態で行う。
過剰電流密度とは、一般に電解メッキを行う場合、図1
に示すように電流密度を大きくして行くと、メッキ効率
(メッキ膜の生成速度)は一定になり、それがある範囲
続き、やがて減少して行く、その減少に転ずる直前の限
界のいわゆる限界電流密度以上の電流密度をいうが、こ
の過剰電流密度では水素の発生が比較的多くなるのでそ
の水素の発生下でメッキを行う。通常行われる電解メッ
キの電流密度は、例えば硫酸ニッケルを主成分とするい
わゆるワット浴を用いたニッケルの電解メッキの場合、
2〜10A/dm2 であるので、ニッケルの電解メッキ
の場合の過剰電流密度は15A/dm2 より大きくする
が、好ましくはその約3〜6倍、処理時間は10分〜1
時間であり、他の金属の電解メッキの場合もこれに準ず
る。はんだの電解メッキの場合には、例えば15〜30
A/dm2 、10分〜1時間の処理が好ましく、特に1
5〜24A/dm2 、15分〜1時間の処理がはんだメ
ッキ膜の厚さ、水素の含有量等の点から好ましく、これ
以下(最低の組み合わせ)であると、水素の含有量が十
分でないことがあったり、電解メッキ処理時間が長くな
り、また、メッキ膜も厚過ぎることがある。また、これ
以上(最高の組み合わせ)であると、所定のメッキ膜の
厚さを得るのに時間がかかり過ぎることがある。なお、
電解メッキの場合、陰極でメッキが行われるので電流密
度は陰極電流密度で表すのが良い。
【0017】このようにすると、ニッケルメッキの場
合、そのメッキ膜の表面に酸化膜(NiO)が5nmの
厚さ存在したとした場合、約50A/dm2 でニッケル
メッキした場合、NiOに対する水素のモル数を数十倍
にすることができ、NiOを還元するに十分な水素を含
有させることができる。これに準じて錫含有メッキ層等
を電解メッキ法で形成する場合も同様である。水素をこ
のように外部電極の導電層に含有させると、はんだ付け
接合部に用いられるCu、Ni、Sn、Pbなどの金属
の酸化物ははんだ付け温度付近(200〜300℃)で
平衡論的には水素雰囲気中で還元されることが知られて
いるので、例えばチップ状電子部品の外部電極をプリン
ト基板のはんだ付けランドにはんだ付けする場合にその
溶融温度により外部電極に含有されていた水素の脱離が
促進され、これが外部電極表面層の錫含有メッキ層の表
面の酸化物を還元し、同時にはんだ付けランド表面の酸
化物を還元し、両者に溶融はんだをよく濡らすことがで
き、そのはんだ付け性を良くすることができる。
【0018】水素を含有させない場合は、通常行われる
電流密度により電解メッキを行うが、水素を含有させる
場合でも過剰電流密度においてのみメッキを行うだけで
なく、通常行う電流密度でメッキを行う工程を併用して
も良く、このようにすると、後者によりメッキの生産性
を高め、前者により水素を能率的に含有させることがで
きる。この際、前者のメッキ層を後者のメッキ層で覆う
ことにより水素の外界への漏れを防止し、はんだ付け時
に加熱されるときに水素を集中的に発生するようにする
こともでき、錫含有メッキ層を形成する場合には有効で
ある。
【0019】チップ状電子部品を自動マウント機に供給
する供給装置としては、テーピング方式、マルチバルク
供給方式、ワンバイワンバルク供給方式その他チップ状
電子部品をバラ状態で集合させ、その振動等個体同士が
擦られる状態におかれたなかで順次一つづつあるいは少
数づつ供給する供給装置のいずれにも使用できる。その
際、チップ状電子部品はその種類毎にバルクケースに収
容し、その取り出す必要のある毎にそのバルクケースを
所定の位置に移動させ、これらの供給方式により供給す
る供給装置の場合に、チップ状電子部品はそのバルクケ
ースが移動する毎に振動させられるので、テーピング方
式の場合に収納部品を取り出す場合とともに、上記した
熱処理又は研磨したチップ状電子部品は帯電量を少なく
する上で有効である。
【0020】
【作用】過剰電流密度状態でメッキを行なうと、水素が
発生した状態でメッキを行うことができ、そのメッキ膜
に所定量の水素を効率良く含有させることができる。こ
の水素ははんだの溶融温度で脱離するので、外部電極に
このメッキ膜を用いておけば電子部品をプリント基板に
はんだ付けする際にはんだの溶融により水素が脱離し、
これが外部電極表面層の錫含有メッキ層の酸化物を還元
し、その表面層に溶融はんだを良く濡らすことができ
る。錫含有メッキ層の表面層を有する外部電極を熱処理
又は研磨処理することにより、帯電量が減少し、表面の
汚れが減少する理由は詳細は明らかではないが、メッキ
処理を行った直後の錫含有メッキ層はその表面に凹凸が
多く、それだけ表面積が大きくなり、酸化が起こり易
く、しかもその凸部分の先端は脆く崩れ易く、その崩れ
たものが黒色の汚れになると考えられるのに対し、熱処
理又は研磨処理をすることにより、前者ではその凸部分
の先端は軟化して平坦化し、後者ではその凸部分が機械
的に削られて平坦化し、いずれも表面積が小さくなり、
メッキ層に存在する水素による酸化抑制効果とともに、
酸化物の生じる量が少なくなるため、それだけ汚れが少
なくなり、また、導電性が損なわれないと解することも
できる。しかしこれに限定されるものではない。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 実施例1 (a)図1に示すように、内部電極1とセラミック誘電
体2を交互に積層したセラミック素体3の両端に、銀粉
末をエチルセルローズ(結合剤)、ターピネオール(溶
剤)と混練りした銀導電ペーストをディッピング法によ
り塗布して乾燥し、その銀導電ペースト膜を800℃で
焼付け、焼付け導電膜4を形成した。 (b)このようにして焼付け導電膜を形成したセラミッ
ク素体を5万個作成し、これらを容量100リットルの
電解バレルメッキ槽に収容し、さらに市販のニッケルメ
ッキ浴(例えば硫酸ニッケル六水塩250g/リット
ル、塩化ニッケル六水塩45g/リットル、ホウ酸30
g/リットルを含有するワット浴)を80リットル入
れ、浴温60℃、陰極電流密度0.5A/dm2 (限界
電流密度15A/dm2 )で45分間電解ニッケルバレ
ルメッキを施し、それぞれの個体に図2中ニッケルメッ
キ層5を形成した。 (c)次いで、得られた5万個のものを別の100リッ
トルのバレルメッキ槽に収容し、さらに市販のはんだメ
ッキ浴(例えばSnを85〜98%、Pbを2〜15%
からなるはんだを含有する浴)を80リットル入れ、浴
温25℃、陰極電流密度16A/dm2 (限界電流密度
13A/dm2 )で45分間電解はんだバレルメッキを
施し、それぞれの個体に図2中はんだメッキ層6を形成
した。
【0022】このようにしてセラミック素体3の両端に
焼付け導電膜4(膜厚10μm)、ニッケルメッキ層5
(膜厚2μm)及びはんだメッキ層6(膜厚3μm)か
らなる外部電極7、7を有する縦2.0mm、横1.2
5mmのチップ状積層セラミックコンデンサを5万個作
成し、その中から無作為に抜き取って試験片とし、外部
電極のはんだの濡れ性、汚れ性、帯電量を下記の条件で
測定した。その結果をメッキ方法の種類、外部電極の処
理方法の種類とともに表1に示す。
【0023】各試験方法は次のとおりである。 はんだの濡れ性試験 メニスコグラフ法により試験片の外部電極を230℃の
溶融はんだに徐々に押し込んでゆき、その試験片が溶融
はんだの浮力に打ち勝って侵入するまでの時間(濡れ時
間)を測定する。上記無作為に抜き取る試験片の数を1
0個としてその平均値を求める。濡れ時間が短いほどは
んだ濡れ性が良い。 汚れ性試験 支持台に載置した試験片に電気特性測定機器の端子ピン
を下降させて接触させ、それからその端子ピンを試験片
から離反させる操作の繰り返しを自動的に行うように
し、その端子ピンが試験片に10回接触する毎にこの端
子ピンの表面を観察し、黒い汚れが認められるまでの端
子ピンの試験片に対する接触回数を測定する。上記無作
為に抜き取る試験片の数を20個としてその平均値を求
める。その接触回数が多い程汚れ難いことになる。 帯電量の測定 合成樹脂製カップ(容積0.5リットル)の中に上記無
作為に抜き取った試験片を20個入れ、蓋をしてから、
回転速度100rpmで10分間このカップを回転させ
る。その後、25℃、35%相対湿度下において、ファ
ラデーゲージにてそれぞれの試験片の帯電量を測定し、
試験片20個についての平均値を求める。
【0024】実施例2 実施例1において、上記(c)の工程で陰極電流密度を
18A/dm2 にした以外は同様にして5万個のチップ
状積層セラミックコンデンサを作成し、さらに次の工程
を加えた。 (d)得られた5万個のチップ状積層セラミックコンデ
ンサを空気中、150℃で24時間加熱するという熱処
理を行う。その熱処理を行ったものの中から実施例1の
場合と同様に抜き取って試験片とし、実施例1と同様に
試験した結果を実施例1と同様に表1に示す。
【0025】実施例3 実施例1において、上記(c)の工程で陰極電流密度を
21A/dm2 にした以外は同様にして5万個のチップ
状積層セラミックコンデンサを作成し、さらに次の工程
を加えた。 (e)得られた5万個のチップ状積層セラミックコンデ
ンサを容積100リットルのバレル研磨槽に収容し、さ
らにその容積の60%ほどに直径1mmのアルミナビー
ズを入れ、50rpmで24時間回転させてバレル研磨
を行う。そのバレル研磨を行ったものの中から実施例1
の場合と同様に抜き取って試験片とし、実施例1と同様
に試験した結果を実施例1と同様に表1に示す。
【0026】実施例4 実施例1において、上記(c)の工程で陰極電流密度を
20A/dm2 にした以外は同様にして5万個のチップ
状積層セラミックコンデンサを作成し、さらに上記実施
例2における(d)の工程を行った後、上記実施例3に
おける(e)の工程を行った。その処理を行ったものの
中から実施例1の場合と同様に抜き取って試験片とし、
実施例1と同様に試験した結果を実施例1と同様に表1
に示す。
【0027】実施例5 実施例1において、上記(b)の工程で陰極電流密度を
50A/dm2 にし、上記(c)において陰極電流密度
を0.5A/dm2 とした以外は同様にして5万個のチ
ップ状積層セラミックコンデンサを作成した。その処理
をしたものの中から実施例1の場合と同様に抜き取って
試験片とし、実施例1と同様に試験した結果を実施例1
と同様に表1に示す。
【0028】実施例6 実施例1において、上記(c)の工程で陰極電流密度を
45A/dm2 にした以外は同様にして5万個のチップ
状積層セラミックコンデンサを作成し、さらに上記実施
例2における(d)の工程を加熱温度を150℃、加熱
時間を18時間とした以外は同様にして行い、熱処理行
った。その処理をしたものの中から実施例1の場合と同
様に抜き取って試験片とし、実施例1と同様に試験した
結果を実施例1と同様に表1に示す。
【0029】実施例7 実施例1において、上記(c)の工程で陰極電流密度を
38A/dm2 にした以外は同様にして5万個のチップ
状積層セラミックコンデンサを作成し、さらに上記実施
例3における(e)の工程を行った。その処理をしたも
のの中から実施例1の場合と同様に抜き取って試験片と
し、実施例1と同様に試験した結果を実施例1と同様に
表1に示す。
【0030】実施例8 実施例1において、上記(c)の工程で陰極電流密度を
0.5A/dm2 にした以外は同様にして5万個のチッ
プ状積層セラミックコンデンサを作成し、さらに上記実
施例2における(d)の工程を加熱温度を150℃、加
熱時間を18時間とした以外は同様にして熱処理行った
後、上記実施例3における(e)の工程を行った。その
処理をしたものの中から実施例1の場合と同様に抜き取
って試験片とし、実施例1と同様に試験した結果を実施
例1と同様に表1に示す。
【0031】実施例9 実施例1において、上記(b)の工程で陰極電流密度を
50A/dm2 にし、上記(c)において陰極電流密度
を15A/dm2 とした以外は同様にして5万個のチッ
プ状積層セラミックコンデンサを作成した。その中から
実施例1の場合と同様に抜き取って試験片とし、実施例
1と同様に試験した結果を実施例1と同様に表1に示
す。
【0032】実施例10 実施例1において、上記(b)の工程で陰極電流密度を
50A/dm2 にし、上記(c)において陰極電流密度
を20A/dm2 とした以外は同様にして5万個のチッ
プ状積層セラミックコンデンサを作成し、さらに上記実
施例2における(d)の工程を加熱温度を170℃、加
熱時間を12時間とした以外は同様にして行い、熱処理
行った。その処理をしたものの中から実施例1の場合と
同様に抜き取って試験片とし、実施例1と同様に試験し
た結果を実施例1と同様に表1に示す。
【0033】実施例11 実施例1において、上記(b)の工程で陰極電流密度を
40A/dm2 にし、上記(c)において陰極電流密度
を21A/dm2 とした以外は同様にして5万個のチッ
プ状積層セラミックコンデンサを作成し、さらに上記実
施例3における(e)の工程を行った。その処理をした
ものの中から実施例1の場合と同様に抜き取って試験片
とし、実施例1と同様に試験した結果を実施例1と同様
に表1に示す。
【0034】実施例12 実施例1において、上記(b)の工程で陰極電流密度を
55A/dm2 にし、上記(c)において陰極電流密度
を19A/dm2 とした以外は同様にして5万個のチッ
プ状積層セラミックコンデンサを作成し、さらに上記実
施例2における(d)の工程を加熱温度を170℃、加
熱時間を12時間とした以外は同様にして熱処理行った
後、上記実施例3における(e)の工程を行った。その
処理をしたものの中から実施例1の場合と同様に抜き取
って試験片とし、実施例1と同様に試験した結果を実施
例1と同様に表1に示す。
【0035】比較例1 実施例1において、上記(c)の工程で陰極電流密度を
0.5A/dm2 にした以外は同様にして5万個のチッ
プ状積層セラミックコンデンサを作成し、その中から実
施例1の場合と同様に抜き取って試験片とし、実施例1
と同様に試験した結果を実施例1と同様に表1に示す。
【0036】比較例2 実施例1において、上記(c)の工程で陰極電流密度を
0.5A/dm2 にした以外は同様にして5万個のチッ
プ状積層セラミックコンデンサを作成し、さらに上記実
施例2における(d)の工程の熱処理を行った。その処
理をしたものの中から実施例1の場合と同様に抜き取っ
て試験片とし、実施例1と同様に試験した結果を実施例
1と同様に表1に示す。
【0037】比較例3 実施例1において、上記(c)の工程で陰極電流密度を
0.5A/dm2 にした以外は同様にして5万個のチッ
プ状積層セラミックコンデンサを作成し、さらに上記実
施例3における(e)の工程を行った。その処理をした
ものの中から実施例1の場合と同様に抜き取って試験片
とし、実施例1と同様に試験した結果を実施例1と同様
に表1に示す。
【0038】比較例4 実施例1において、上記(c)の工程で陰極電流密度を
0.5A/dm2 にした以外は同様にして5万個のチッ
プ状積層セラミックコンデンサを作成し、さらに上記実
施例2における(d)の工程の熱処理行った後、上記実
施例3における(e)の工程を行った。その処理をした
ものの中から実施例1の場合と同様に抜き取って試験片
とし、実施例1と同様に試験した結果を実施例1と同様
に表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】なお、上記各実施例で得られた約5万個の
チップ状積層セラミックコンデンサの部品をワンバイワ
ンバルク供給方式、テーピング方式により自動マウント
機に供給し、プリント基板に実装したところ、自動マウ
ント機は停止することなく全ての部品を搭載することが
できたが、上記各比較例で得られた約5万個のチップ状
積層セラミックコンデンサの部品を同様に実装したとこ
ろ、自動マウント機は数回停止した。なお、上記実施例
においてはんだメッキ層の代わりに、錫メッキ層を用い
ても同様に良い結果が得られた。上記実施例から、メニ
スコグラフ法による「はんだ濡れ性」は0.55秒以下
が好ましく、測定機器の端子の「汚れ性」は60回以上
が好ましく、帯電量は32×10-10 クーロン以下が好
ましいことがわかる。熱処理、研磨をしない場合でも水
素を含有させたものはさせないものに比べ、「汚れ性」
は改善され、帯電量も少なくなる理由ははんだメッキ表
面の酸化が水素により抑制されるものと思われる。な
お、上記実施例のほかに、上記(d)の熱処理は100
〜170℃で12時間〜24時間が好ましく、上記
(e)のバレル研磨は12時間〜24時間が好ましい。
なお、上記目的は同時に複数実現される場合がより好ま
しい。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、少なくともセラミック
素体に加熱により脱離する水素を含有する外部電極を形
成したので、例えばその構成を有するチップ状電子部品
をプリント基板にはんだ付けする際に、はんだの溶融温
度により水素を脱離させることができ、外部電極の表面
層の錫含有メッキ層に酸化膜が生じていてもこれを還元
し、溶融はんだを良く濡らすことができ、そのはんだ付
けを良くすることができる。また、その外部電極に熱処
理、研磨処理を加えることにより、その表面層の錫含有
メッキ層表面に汚れが生じるのを抑制することができ、
電気特性測定機器の端子を繰り返し接触させてもその端
子の汚れを少なくすることができ、その接触抵抗を大き
くすることなく製造対象電子部品の電気特性を正確に測
定することができる。また、外部電極にこのような熱処
理、研磨処理をした例えばチップ状電子部品は、例えば
自動マウント機にそのチップ状電子部品を供給するバル
ク供給装置において、振動される等により相互に摩擦さ
れてもそれによる帯電量を少なくすることができる。こ
れにより供給装置からチップ状電子部品がスムーズに供
給される。また、テーピング方式の場合には、カバーテ
ープを剥離するときにチップ状電子部品に対する帯電量
を少なくすることができ、これによりチップ状電子部品
をスムーズに取り出すことができる。このようにして、
チップ状電子部品が自動マウント機にスムーズに供給さ
れ、さらに自動マウント機によりプリント基板に供給さ
れ、はんだ付けされると、外部電極の表面の酸化物は還
元されて溶融はんだが良く濡れ、はんだ付けを良くする
ことができるので、実装不良を少なくし、製品の歩留ま
りを向上させるとともに、作業能率を向上させて生産性
を高めることができる。また、本発明の電子部品の製造
方法は、従来の電解メッキ装置を使用し、単に過剰電流
密度状態で電解メッキを行うことにより水素を含有した
外部電極を形成できるので、既存の設備を利用して簡単
に行うことができ、コストの点からも有利である。その
外部電極の熱処理方法、研磨方法も既存の装置を利用し
て行え、操作も簡単であるから、その点のコストもかか
らないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解メッキ法における電流密度とメッキ効率の
関係を示すグラフである。
【図2】チップ状積層セラミックコンデンサの概略断面
図である。
【符号の説明】
1 セラミック誘電体層 2 内部電極 3 セラミック素体 4 焼付導電膜 5 ニッケルメッキ層 6 はんだメッキ層 7 外部電極

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともセラミック素体に外部電極を
    有する電子部品において、該外部電極は錫含有メッキ層
    を表面層に有する複数の導電層からなり、かつ該複数の
    導電層の少なくとも1層は加熱により脱離する水素を含
    有する電子部品。
  2. 【請求項2】 複数の導電層は下地層と、錫含有メッキ
    層の表面層からなり、該表面層は加熱により脱離する水
    素を含有する請求項1記載の電子部品。
  3. 【請求項3】 複数の導電層は下地層、銅又はニッケル
    又はパラジウムを主成分とするメッキ膜の中間層及び錫
    含有メッキ層の表面層を順次有し、かつ該中間層及び表
    面層の少なくとも一つの層は加熱により脱離する水素を
    含有する請求項1記載の電子部品。
  4. 【請求項4】 外部電極は熱処理を施されている請求項
    1ないし3のいずれかに記載の電子部品。
  5. 【請求項5】 熱処理は加熱により脱離する水素の発生
    が抑制されている温度で行われる請求項4記載の電子部
    品。
  6. 【請求項6】 外部電極の表面層は研磨されている請求
    項1ないし3のいずれかに記載の電子部品。
  7. 【請求項7】 研磨はバレル研磨である請求項6記載の
    電子部品。
  8. 【請求項8】 少なくともセラミック素体に外部電極を
    有する電子部品の製造方法において、該外部電極は該セ
    ラミック素体に導電膜の下地層を形成する工程と、該下
    地層に直接又は金属を主成分とする中間層を介して錫含
    有メッキ層の表面層を形成する工程を有し、かつ該中間
    層又は表面層又はこれらの両方の層の形成工程は過剰電
    流密度による電解メッキ法によりメッキ層を形成する工
    程を有する電子部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 中間層は銅又はニッケル又はパラジウム
    を主成分とするメッキ膜の層である請求項8記載の電子
    部品の製造方法。
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