JP2003073565A - 水溶性高分子分散液及びその製造方法 - Google Patents

水溶性高分子分散液及びその製造方法

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JP2003073565A
JP2003073565A JP2001262533A JP2001262533A JP2003073565A JP 2003073565 A JP2003073565 A JP 2003073565A JP 2001262533 A JP2001262533 A JP 2001262533A JP 2001262533 A JP2001262533 A JP 2001262533A JP 2003073565 A JP2003073565 A JP 2003073565A
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soluble polymer
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polymer
mol
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JP2001262533A
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English (en)
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Hisao Takeda
久雄 武田
Toshiaki Sugiyama
俊明 杉山
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Hymo Corp
Original Assignee
Hymo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩水溶液中、高分子分散剤共存下で分散重合
する場合、重合時の増粘を抑制し効率良く水溶性高分子
を製造できる分散剤を含有する分散液を提供する。さら
にその分散液を効率良く製造可能な方法を提供する。 【解決手段】 塩水溶液中に粒径100μm以下のカチ
オン性、非イオン性及び両性から選択された一種以上の
イオン性を有する水溶性高分子微粒子と、分散剤として
塩水溶液に可溶な特定の重合系高分子と多価アルコール
のうち、各々少なくとも一種以上が共存する分散液によ
って達成できる。さらに重合時前記重合系高分子と多価
アルコールのうち少なくとも一種以上を共存させること
によって効率良く製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性高分子分散
液及びその製造方法に関するものであり、詳しくは塩水
溶液中に粒径100μm以下のカチオン性、両性及び非
イオン性から選択された一種以上の水溶性高分子微粒子
と、分散剤として該塩水溶液に可溶な重合系高分子と多
価アルコ−ルのうち、各々少なくとも一種以上が共存す
る水溶性高分子分散液に関し、またその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】水溶性カチオン性高分子は、廃水処理用
の凝集剤或いは製紙用薬剤として使用されているが、高
分子化合物であるため水に溶解した状態では高粘性溶液
となる。そのためどのような製品形態にするかが商品化
するうえで大きなポイントとなる。たとえば、水溶液の
静置重合法では、高分子量の重合体を得るためには、1
0重量%以上の単量体濃度で重合を行うため、生成物
は、含水したゲル状となり、そのままの状態では溶解も
困難であるため、該生成物を更に希釈して流動性のある
低濃度溶液で市販するかなど重合後の工程が必要にな
る。その対策のひとつの形態として粉末化があり、多く
の製品がこの形態と採っている。しかし、粉末品は使用
時、溶解するのに時間がかかり、そのためのエネルギ−
も多く要する。その解決を図ったのがエマルジョン製品
である。油中水型エマルジョンの状態で重合し、重合
後、親水性界面活性剤を添加し、溶解し易くした状態で
販売される。粉末に較べると溶解時間は短く、高重合度
の高分子物も得られる。
【0003】しかし、油中水型のエマルジョンでは、引
火性を有し、更に貴重な有機溶剤を無駄に消費する欠点
を有しており、また、疏水性溶媒中での懸濁重合では、
シクロヘキサン、トルエン等の引火性物質を用いるた
め、製造設備に多額の費用が必要となるなど欠点を有し
ている。油中水型エマルジョン重合法の欠点を克服する
ために、多価アニオン塩水溶液中で、たとえばアクリロ
イルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウム塩化物
の(共)重合体のように、前記多価アニオン塩水溶液に
溶解しない重合体を微細粒子として塩水中に分散した分
散液を製造する方法が開発された。これは特公平4−3
9481号公報や特公平6−51755号公報に記載さ
れた方法によって製造することが可能である。前者の公
報は、分散剤として多価アルコ−ルを重合時共存させる
方法が開示され、後者の公報では、分散剤として多価ア
ニオン塩水溶液中に可溶なカチオン性高分子を重合時共
存させる方法が開示されている。
【0004】これらの公報には、アクリロイルオキシエ
チルベンジルジメチルアンモニウム塩化物のような(メ
タ)アクリロイルオキシエチルベンジルジアルキルアン
モニウム塩化物系単量体は必須成分として重合時共存さ
せ、共重合時併用するカチオン性単量体は、N,N−ジ
アルキルアミノエチル(メタ)アクリレ−トは、三級ア
ミノ基あるいは四級アンモニウム塩基含有アクリル型単
量体である。現在、問題となっている点は、前記ベンジ
ル系単量体の共重合率を減少させた場合や全く使用しな
い場合、重合時の増粘が激しくしばしば分散重合が不可
能になることである。分散剤として多価アルコ−ルや多
価アニオン塩水溶液中に可溶なカチオン性高分子を主に
使用しているが、増粘を抑制するに適した分散剤の開発
が大きなテ−マとなっている。また、従来法では多価ア
ルコ−ルを比較的多く使用するため、水酸基の影響によ
って連鎖移動反応が起き、どうしても分子量の低下は避
けられない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、重合
時の増粘を抑制し、また分散剤の連鎖移動反応による重
合物の分子量低下への影響を出きる限り少なくする分散
剤を含有する水溶性高分子分散液を開発することであ
り、その水溶性高分子分散液を効率良く製造可能な製造
方法を開発することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意研究を重ねた結果、以下のような発明に達した。す
なわち請求項1の発明は、塩水溶液中に粒径100μm
以下のカチオン性、両性及び非イオン性から選択された
一種以上の水溶性高分子微粒子と、分散剤として該塩水
溶液に可溶な重合系カチオン性高分子と多価アルコ−ル
のうち、各々少なくとも一種以上が共存する水溶性高分
子分散液である。
【0007】請求項2の発明は、塩水溶液中に粒径10
0μm以下のカチオン性及び/又は両性水溶性高分子微
粒子と、分散剤として該塩水溶液に可溶な重合系非イオ
ン性高分子と多価アルコ−ルのうち、各々少なくとも一
種以上が共存する水溶性高分子分散液である。
【0008】請求項3の発明は、前記水溶性高分子分散
液が、分散剤として該塩水溶液に可溶な重合系カチオン
性高分子と多価アルコ−ルのうち、各々少なくとも一種
以上を共存させ、下記一般式(1)及び/又は(2)で
表される単量体0〜100モル%、(3)で表される単
量体0〜50モル%、アクリルアミド0〜100モル%
及び共重合可能な他の非イオン性単量体0〜30モル%
からなる単量体(混合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散
重合することによって製造されることを特徴とする請求
項1に記載の水溶性高分子分散液である。
【化1】 一般式(1) R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3の
アルキルあるいはアルコキシル基、R4は水素、炭素数
1〜3のアルキル基あるいはアルコキシル基であり、同
種でも異種でも良い、Aは酸素またはNH、Bは炭素数
2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わ
す、X1は陰イオンをそれぞれ表わ
【化2】 一般式(2) R5は水素又はメチル基、R6、R7は炭素数1〜3の
アルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は
陰イオンをそれぞれ表わす
【化3】 一般式(3) R8は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、Aは
SO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH
2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R9は水素
またはCOOY2、Y1あるいはY2は水素または陽イ
オン
【0009】請求項4の発明は、前記水溶性高分子分散
液が、分散剤として該塩水溶液に可溶な重合系非イオン
性高分子と多価アルコ−ルのうち、各々少なくとも一種
以上を共存させ、下記一般式(1)及び/又は(2)で
表される単量体2〜100モル%、(3)で表される単
量体0〜50モル%、アクリルアミド0〜98モル%及
び共重合可能な他の非イオン性単量体0〜30モル%か
らなる単量体(混合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散重
合することによって製造されることを特徴とする請求項
2に記載の水溶性高分子分散液である。
【0010】請求項5の発明は、前記分散剤が、下記一
般式(4)〜(8)から選択され構造単位一つ以上を有
する合成系カチオン性高分子であることを特徴とする請
求項1に記載の水溶性高分子分散液である。
【化4】 一般式(4) R10は水素又はメチル基、R11、R12、R13は
炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベン
ジル基、X3は陰イオンをそれぞれ表わす
【化5】 一般式(5) R14、R15は水素又はメチル基、R16、R17は
炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベン
ジル基、X4は陰イオンをそれぞれ表わす
【化6】 一般式(6) R18は水素又はメチル基、X5は陰イオン
【化7】 一般式(7)
【化8】 一般式(8) R21は水素またはメチル基、R22は−NH−CH2
−CH2−
【0011】請求項6の発明は、前記重合系非イオン性
高分子が、記一般式(9)で表される構造単位一つ以上
を有する重合系非イオン性高分子であることを特徴とす
る請求項2に記載の水溶性高分子分散液である。
【0012】請求項7の発明は、前記重合系カチオン性
高分子のイオン当量値が1.5〜22meq/gである
ことを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散液
である。
【0013】請求項8の発明は、前記多価アルコ−ル
が、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、グリ
セリン、ペンタエリスリト−ル、ソルビト−ルあるいは
これら多価アルコ−ルのポリオキシアルキレン化末端水
酸基化物の群より選ばれる一種以上であることを特徴と
する請求項1あるいは2に記載の水溶性高分子分散液で
ある。
【0014】請求項9の発明は、多価アルコ−ル類が、
ポリエチレングリコ−ル及び/又はポリプロピレグリコ
−ルであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載
の水溶性高分子分散液である。
【0015】請求項10の発明は、高分子分散液を構成
するカチオン性、両性あるいは非イオン性から選択され
た水溶性高分子の重量平均分子量が、100万以上、2
000万以下であることを特徴とする請求項1あるいは
2に記載の高分子分散液である。
【0016】請求項11の発明は、塩水溶液を構成する
塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有すること
を特徴とする請求項1あるいは2に記載の水溶性高分子
分散液である。
【0017】請求項12の発明は、塩水溶液中で、分散
剤として該塩水溶液に可溶な重合系カチオン性高分子と
多価アルコ−ルのうち、各々少なくとも一種以上を共存
させ、前記一般式(1)及び/又は(2)で表される単
量体0〜100モル%、(3)で表される単量体0〜5
0モル%、アクリルアミド0〜100モル%及び共重合
可能な他の非イオン性単量体0〜30モル%からなる単
量体混合物を、攪拌下、分散重合することを特徴とする
粒径100μm以下の微粒子からなる水溶性高分子分散
液の製造方法である。
【0018】請求項13の発明は、塩水溶液中で、分散
剤として該塩水溶液に可溶な重合系非イオン性高分子と
多価アルコ−ルのうち、各々少なくとも一種以上を共存
させ、前記一般式(1)及び/又は(2)で表される単
量体2〜100モル%、(3)で表される単量体0〜5
0モル%、アクリルアミド0〜98モル%及び共重合可
能な他の非イオン性単量体0〜30モル%からなる単量
体混合物を、攪拌下、分散重合することを特徴とする粒
径100μm以下の微粒子からなる水溶性高分子分散液
の製造方法である。
【0019】請求項14の発明は、前記重合系カチオン
性高分子が、少なくとも下記一般式(4)〜(8)から
選択され構造単位一つ以上、あるいは場合によっては下
記一般式(9)で表される構造単位を有する重合系カチ
オン性高分子であることを特徴とする請求項12に記載
の水溶性高分子分散液の製造方法である。
【0020】請求項15の発明は、前記重合系非イオン
性高分子が、下記一般式(9)で表される構造単位を有
する重合系非イオン性高分子であることを特徴とする請
求項13に記載の水溶性高分子分散液の製造方法であ
る。
【0021】請求項16の発明は、前記重合系カチオン
性高分子のイオン当量値が1.5〜22meq/gであ
ることを特徴とする請求項12に記載の水溶性高分子分
散液の製造方法である。
【0022】請求項17の発明は、前記多価アルコ−ル
が、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、グリ
セリン、ペンタエリスリト−ル、ソルビト−ルあるいは
これら多価アルコ−ルのポリオキシアルキレン化末端水
酸基化物の群より選ばれる一種以上であることを特徴と
する請求項12あるいは13に記載の水溶性高分子分散
液の製造方法である。
【0023】請求項18の発明は、多価アルコ−ル類
が、ポリエチレングリコ−ル及び/又はポリプロピレグ
リコ−ルであることを特徴とする請求項12あるいは1
3に記載の水溶性高分子分散液の製造方法である。
【0024】請求項19の発明は、塩水溶液を構成する
塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有すること
を特徴とする請求項12あるいは13に記載の水溶性高
分子分散液の製造方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明のカチオン性、非イオン性
及び両性から選択される水溶性高分子分散液は、塩水溶
液中で該塩水溶液に可溶な重合系高分子とカチオン性天
然系高分子分散剤を併用させ、分散重合法により製造し
た粒系100μm以下の高分子微粒子からなる。具体的
に製造方法を説明すると以下のようである。硫酸アンモ
ニウムのような多価アニオン塩の水溶液を調製し、カチ
オン性高分子の場合はカチオン性単量体として(メタ)
アクリレ−ト系四級アンモニウム塩基含有単量体とアク
リルアミド、非イオン性高分子の場合はアクリルアミド
を、または両性高分子の場合は前記ニ種類の単量体の他
(メタ)アクリル酸を加える。この時のpHは2〜6に
設定する。混合物を均一に溶解した後、窒素置換により
反応系の酸素を除去しラジカル重合性開始剤を添加する
ことによって重合を開始させ、重合体を製造することが
できる。また、重合開始前に連鎖移動剤や架橋剤などを
共存させることは他の重合法と同様である。
【0026】本発明の分散剤は、重合系高分子と多価ア
ルコ−ルを各々一種以上選択して組合せて使用する。初
めに多価アルコ−ルについて説明する。分散媒として使
用する塩水溶液中に溶解することが必要であるが、例え
ばエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、グリセ
リン、グリセリンのモノ〜トリポリオキシエチレン化末
端水酸化基化物、ペンタエリスリト−ル、ペンタエリス
リト−ルのモノ〜テトラポリオキシエチレン化末端水酸
基化物、ソルビト−ル、ソルビト−ルのモノあるいは多
ポリオキシエチレン化末端水酸基化物、ポリエチレング
リコ−ル、ポリプロピレグリコ−ルなどである。このう
ちポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレグリコ−ルが
特に好ましい。
【0027】次に重合系高分子について説明する。カチ
オン性あるいは非イオン性高分子のいずれでも使用可能
であるが、カチオン性高分子のほうがより好ましい。カ
チオン性高分子としては、カチオン性単量体である(メ
タ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム
塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチ
ルアンモニウム塩化物、ジメチルジアリルアンモニウム
塩化物などの重合体である。また、前記カチオン性単量
体と非イオン性単量体との共重合体も使用可能である。
非イオン性単量体の例としては、アクリルアミド、N−
ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビ
ニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド、ア
クリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、N−アクリロイル
モルホリンのなどである。その他イオン性重合系高分子
の例としてカチオン変性ポリビニルアルコ−ル、ポリビ
ニルアミン、ポリビニルアミジン、ポリエチレンイミ
ン、ポリエチレンイミン変性物、ブテン/無水マレイン
酸のカチオン変性物などがあげられる。
【0028】非イオン性高分子としては、上記非イオン
性単量体の重合体、ポリビニルアルコ−ル、ブテン/無
水マレイン酸やスチレン/無水マレイン酸の完全アミド
化物などがあげられる。上記イオン性高分子の分子量
は、10,000〜300万であり、好ましくは50,
000〜100万である。非イオン性高分子の分子量
は、10,000〜50万であり、好ましくは10,0
00〜10万である。
【0029】多価アルコ−ルと重合高分子を併用する場
合の配合比は、8:1〜1:8、好ましくは5:1〜
1:5で適宜、重合する単量体に合わせ選択する。特に
カチオン性単量体の比率が低い共重合体か、あるいは非
イオン性高分子を重合するときは、イオン性の高い重合
系高分子である(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ
メチルアンモニウム塩化物重合体などの配合を多くする
と効果的である。反対にイオン性単量体の共重合比が高
いときは、イオン性の比較的低い重合系高分子か、ある
いは非イオン性重合系高分子を使用し、また特に多価ア
ルコ−ルのうち、ペンタエリスリト−ル、グリセリンあ
るいはソルビト−ルのポリオキシエチレン化末端水酸化
物の比率を多くすると効果的である。本発明の分散剤
は、合成系あるいは多価アルコ−ルとも、各々ニ種以上
使用することは制限ないが、二種、三種、四種と組合せ
るのは管理上、非常に煩雑であり、好ましくは天然系あ
るいは合成系とも各々一種を選択し、最適な配合比を決
定したほうが効率的であり、効果的でもある。
【0030】上記多価アルコ−ルの単量体に対する添加
量は、単量体に対して両方の総和で1/100〜10/
100であり、好ましくは2/100〜8/100であ
る。これに合成系高分子が加わり分散剤総量では2/1
00〜20/100である。
【0031】本発明で重合系高分子と多価アルコールを
併用すると効果的であるのは、理論的には不明な部分が
多く解明できない。しかし、現象面から推定すると以下
のようになる。すなわち塩水溶液中で重合が進行してい
くと、生成高分子濃度は、溶解度以上となり高分子粒子
の析出が始まるが、その手前では溶解している高分子の
ため重合物自体(重合系)の粘性も増加し、溶解高分子
と析出粒子が共存した状態になる。この後、析出した高
分子の割合は増加していき、重合物は徐々に粘性が低下
し、分散状態に相変化する。この共存状態時に、析出粒
子とゲル状の溶解高分子間における滑りを向上させ、相
変化前の増粘状態から分散状態への相変化をスム−ズに
移行させるのが、相移行期における分散剤の主な役目と
考えられる。重合系高分子のカチオン性基は粒子表面を
イオン化し、粒子同志の凝集を防止する。これに対し多
価アルコ−ルは、分子中のアルキル基あるいはポリオキ
シアルキレン鎖のアルキレン基は析出微粒子の表面に疎
水的結合によって吸着し、析出粒子と溶解ゲル状高分子
間にミクロな相分離状況を発生させる。アルキル基やア
ルキレン基だけでは疎水性が高くなり過ぎるので、水酸
基やポリオキシアルキレン鎖のエ−テル酸素により親水
性を調節する。この効果により粒子周辺の粘性を低下さ
せ、析出粒子と溶解ゲル状高分子間の滑りを向上させ、
スム−ズな相変化を達成させると推定される。非イオン
性重合系高分子の作用は、多価アルコ−ルと類似の効果
を発現すると推定されるが、多価アルコールの場合は分
子量が低く析出粒子の保護膜的作用が弱く破壊されやす
い。その点、重合系高分子では十分である。しかし、親
水性が多価アルコールに較べ高過ぎるのでその点を補っ
ていると推定される。
【0032】水溶性高分子を重合する際に使用するカチ
オン性単量体のうち一般式(1)で表される単量体の例
としては、三級アミノ基含有単量体の例として、(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチルやジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミドなどが上げられる。ま
た、四級アンモニウム基含有単量体の例としては、前記
三級アミノ含有単量体の塩化メチルや塩化ベンジルによ
る四級化物である(メタ)アクリロイルオキシエチルト
リメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオ
キシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩
化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチル
アンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アク
リロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジ
ルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプ
ロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物などがあげ
られる。また、一般式(2)で表されるカチオン性単量
体の例としては、ジアリルメチルアミン、ジアリルベン
ジルアミン、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物ジア
リルメチルベンジルアンモニウム塩化物などである。
【0033】使用するアニオン性単量体は、スルフォン
基でもカルボキシル基でもかまわなく両方を併用しても
良い。スルフォン基含有単量体の例は、ビニルスルフォ
ン酸、ビニルベンゼンスルフォン酸あるいは2−アクリ
ルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸などである。
またカルボキシル基含有単量体の例は、メタクリル酸、
アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはp−カル
ボキシスチレンなどである。
【0034】非イオン性高分子を製造する場合は、アク
リルアミドを使用するが、アクリルアミド以外の非イオ
ン性単量体を共重合しても良く、そのような例として
N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリ
ロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−
ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニ
ルアセトアミド、アクリロイルモルホリンなどがあげら
れる。
【0035】カチオン性水溶性高分子の分散液を製造す
る場合のカチオン性単量体のモル比は、1〜100モル
%であり、好ましくは5〜100モル%であり、好まし
くは10〜100モル%である。両性水溶性高分子の分
散液を製造する場合は、カチオン性単量体10〜90モ
ル%、好ましくは20〜90モル%である。また、アニ
オン性単量体は、5〜50モル%が好ましく、さらに好
ましくは5〜40モル%である。アクリルアミドは0〜
95モル%であり、好ましくは0〜85モル%である。
【0036】また、N,N−メチレンビスアクリルアミ
ドやエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−トなどの多
官能性単量体、あるいはN,N−ジメチル(メタ)アク
リルアミドやN,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド
など熱架橋性単量体を共重合して架橋や分岐した重合体
を合成し、改質することも可能である。
【0037】重合条件は通常、使用する単量体や共重合
モル%によって適宜決めていき、温度としては0〜10
0℃の範囲で行う。重合開始はラジカル重合開始剤を使
用する。これら開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちら
でも良く、アゾ系,過酸化物系、レドックス系いずれで
も重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例
としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、
1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリ
ル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−
ト)、4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチ
ル)バレロニトリルなどがあげられ、水混溶性溶剤に溶
解し添加する。
【0038】水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、
2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、
2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’
−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられる。ま
たレドックス系の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモ
ニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ト
リメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどと
の組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例として
は、ペルオクソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、
過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペ
ルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニ
ックペルオキサイド、t-ブチルペルオキシ2−エチルヘ
キサノエ−トなどをあげることができる。これら開始剤
の中で最も好ましいのは、水溶性アゾ開始剤である2、
2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、
2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物である。
【0039】使用する塩類としては、ナトリウムやカリ
ウムのようなアルカリ金属イオンやアンモニウムイオン
とハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン
酸イオンなどとの塩であるが、多価陰イオンとの塩がよ
り好ましい。これら塩類の塩濃度としては、7重量%〜
飽和濃度まで使用できる。
【0040】本発明の高分子分散液からなる水溶性高分
子は、製紙工業におけるパルプスラッジの脱水、その他
食品工業、金属、石油精製の各排水処理、また建材関係
の砂利洗浄排水の処理また、一般産業排水処理で生じる
有機性汚泥及び凝集汚泥を含む混合汚泥などに適用可能
である。特に有効な対象物として下水、し尿の消化汚
泥、あるいは食品工業排水の余剰汚泥などに優れた効果
を発揮する。これら汚泥は、本発明の両性水溶性高分子
分散液を水に溶解し水溶液とした後、添加し、凝集させ
た後、ベルトプレス、フィルタ−プレス、デカンタ−あ
るいはスクリュ−プレスなどの脱水機により脱水する。
添加量としては、排水の種類、懸濁物濃度などのよって
変化するものであるが、液量に対して0.1〜1000
ppm程度である。また、汚泥に対しては、汚泥ssに
対して0.1〜3重量%である。
【0041】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない
限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0042】(合成例−1アクリル系及びジアリルアミ
ン系重合体の合成例)表1に示すようなモル比でアクリ
ロイルオキエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重
合体(分散剤1)およびアクロイルオキエチルトリメチ
ルアンモニウム塩化物/アクリルアミド共重合体(分散
剤2)を合成した。各単量体の20重量%水溶液300
gを調製し、pHを硫酸により5.0に調節後、42℃
で30分間窒素置換の後、開始剤として2、2−アゾビ
スアミジノプロパンニ塩化水素化物の2%水溶液を3g
(対単量体当たり0.1重量%)添加し重合を開始させ
た。15時間42℃に保温した後、加熱を停止し重合を
終了させた。その後、静的光散乱法による分子量測定器
(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子
量を測定し、コロイド滴定法によって重合物のカチオン
当量値(meq/g)を測定した。結果は表1に示す。
【0043】(合成例―2アミジン系重合体の合成例)
撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた50mlの四つ口
フラスコに、表−1に示すモル分率のアクリロニトリル
を含有する、アクリロニトリルとN−ビニルホルムアミ
ドの混合物6.0gおよび34.0gの脱塩水を入れ
た。窒素ガス気流中、撹拌しつつ60℃に昇温したの
ち、10%の2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパ
ン・2塩酸塩水溶液0.12gを添加した。45℃で4
時間、撹拌保持した後、60℃に昇温し、更に3時間保
持し、水中に重合体が析出した懸濁物を得た。該懸濁物
に水を20g添加し、次いで、重合体中のホルミル基に
対して2当量の濃塩酸を添加して撹拌しつつ100℃に
4時間保持し、重合体をアミジン化した。得られた重合
体の溶液をアセトン中に添加し、析出せしめ、これを真
空乾燥して試料−1〜試料−5を得た。
【0044】試料−1〜試料−5につき、以下に示す方
法により組成と光散乱法による重量平均分子量を測定し
た。結果を表−1に示す。
【0045】(組成の分析法)アミジン化を行う前の各
原料重合体の組成は、13C−NMRスペクトル(13C−
該磁気共鳴スペクトル)の各モノマー単位に対応した吸
収ピークの積分値より算出した。アミジン化後の重合体
A〜Eの組成は、13C−NMRスペクトルの各繰り返し
単位に対応した吸収ピークの積分値より算出した。な
お、繰り返し単位(1)と(2)は区別することなく、
その総量として求めた。繰り返し単位(8)と(9)も
区別することなく、その総量として求めた。
【0046】また、繰り返し単位(1)と(2)、
(6)及び(8)と(9)の吸収ピークは170〜18
5ppm付近の非常に近接した位置に認められるため、
以下のような方法により各吸収ピークに対応する構造を
帰属した。即ち、重合体の元素分析、水分量の測定によ
り重量収支を確認し、更に、重合体の13C−NMRスペ
クトルの他にIRスペクトルも測定し、重合体のスペク
トルとアミジン基、アミド基及びラクタム基等を有する
既知化合物でのスペクトルとを詳細に比較検討する方法
を採用したものである。
【0047】(分子量の測定)試料−1〜試料−5につ
き、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DL
S−7000)によって重量平均分子量を測定した。以
上の結果を表1に示す。
【0048】(合成例―3ビニルアミン系重合体の合成
例)撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた50mlの四
つ口フラスコに、N−ビニルホルムアミドの6.0gお
よび34.0gの脱塩水を入れた。窒素ガス気流中、撹
拌しつつ60℃に昇温したのち、10%の2,2′−ア
ゾビス−2−アミジノプロパン・2塩酸塩水溶液0.1
2gを添加した。45℃で6時間、撹拌保持した後、6
0℃に昇温し、更に2時間保持し、N−ビニルホルムア
ミド重合体水溶液を得た。該懸濁物に水を20g添加
し、次いで、重合体中のホルミル基に対して2当量の濃
塩酸を添加して撹拌しつつ100℃に4時間保持し、重
合体をアミジン化した。得られた重合体の溶液をアセト
ン中に添加し、析出せしめ、これを真空乾燥して試料−
6を得た。カチオン化度はコロイド滴定法により、分子
量は光散乱法により測定した。結果は表−1に示す。
【0049】(その他分散剤)PEIは株式会社日本触
媒製のP−1050(分子量50,000)、ブテン/
無水マレイン酸共重合物完全アミド化物はイソバン(ク
ラレ製)を用いた。各物性は表―1に示す。
【0050】
【表1】 DMQ:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニ
ウム塩化物 DD:ジアリルジメチルアンモニウム塩化物 NVF:N−ビニルホルムアミド、ACM:アクリロイ
ルモルホリン 分子量:単位は万、カチオン当量:meq/g
【0051】
【表2】 (多価アルコール)多価アルコールは、以下のものを用
いた。
【0052】
【実施例1】撹拌器、温度計、還流冷却器、窒素導入管
を備えた五つ口セパラブルフラスコに、合成例1で作成
した高分子NO.1(20%水溶液)、31.3g(対
単量体5.0%)、多価アルコールはNO.13、3.
8g(対単量体3.0%)、イオン交換水165.0
g、硫酸アンモニウム115.0g、アクリルアミド5
0%水溶液67.4g及びアクリロイルオキシエチルト
リメチルアンモニウム塩化物、80%水溶液115.0
gを仕込み、完全に溶解させた。内温を33〜35℃に
保ち、30分間窒素置換後、開始剤として2、2’−ア
ゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イ
ル)プロパン〕二塩化水素化物の1%水溶液1.9g
(対単量体0.015%)を加え重合を開始させた。開
始2.5時間後、反応物はやや粘度の上昇が観測された
が、30分間その状態が継続したが、その後収まり分散
液に移行していった。開始8時間後、前記開始剤溶液を
0.9g追加しさらに8時間重合を行った。得られた分
散液のしこみ単量体濃度は25.0%であり、ポリマー
粒径は10μm以下、分散液の粘度は130mPa・s
であった。また、静的光散乱法による分子量測定器(大
塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を
測定した。この試料を試作−1とする。結果を表4に示
す。
【0053】
【実施例2〜10】実施例1と同様な操作により表1の
重合系高分子と表2と多価アルコールとを組み合わせた
分散剤系を用い、表3に示す添加量と単量体組成により
試作―2〜試作―10を合成した。結果を表4に示す。
【0054】
【実施例11】撹拌器、温度計、還流冷却器、窒素導入
管を備えた五つ口セパラブルフラスコに、重合系高分子
としてNO.8(20%水溶液)、31.5g(対単量
体6.0%)、多価アルコールとしてNO.13、2.
6g(対単量体2.5%)、イオン交換水14.0g、
硫酸アンモニウム115.0g、アクリルアミド50%
水溶液210gを仕込み、完全に溶解させた。内温を2
9〜33℃に保ち、30分間窒素置換後、開始剤として
2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物の1%水溶
液1.1g(対単量体0.010%)を加え重合を開始
させた。開始2時間後、反応物はやや粘度の上昇が観測
され、40分間その状態が継続したが、その後収まり分
散液に移行していった。開始8時間後、前記開始剤溶液
を0.6g追加しさらに8時間重合を行った。得られた
分散液のしこみ単量体濃度は21.0%であり、ポリマ
ー粒径は10μm以下、分散液の粘度は95mPa・s
であった。この試料を試作−11とする。結果を表4に
示す。
【0055】
【実施例12〜14】実施例11と同様な操作により表
1の重合系高分子と表2と重縮合系高分子とを組み合わ
せた分散剤系を用い、表3に示す添加量と単量体組成に
より試作―12〜試作―14を合成した。結果を表4に
示す。
【0056】
【実施例15】撹拌器、温度計、還流冷却器、窒素導入
管を備えた五つ口セパラブルフラスコに、アクリルアミ
ド50%水溶液59.0gとアクリル酸60%水溶液2
5.0gをし込み、35%水酸化ナトリウム水溶液2
3.8gによりアクリル酸に対し当量分中和した。これ
に高分子NO.3(20%水溶液)28.8g(対単量
対5.0%)、多価アルコールNO.15、3.5g
(対単量体3.0%)、イオン交換水143.5g、硫
酸アンモニウム115.0g、及びアクリロイルオキシ
エチルトリメチルアンモニウム塩化物、80%水溶液1
00.6gを仕込み、完全に溶解させた。内温を33〜
35℃に保ち、30分間窒素置換後、開始剤として2、
2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン
−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物の1%水溶液
2.3g(対単量対0.02%)を加え重合を開始させ
た。開始2時間後、反応物はやや粘度の上昇が観測され
たが、30分間その状態が継続し、その後すぐに収まり
分散液に移行していった。開始8時間後、前記開始剤溶
液を0.9g追加しさらに8時間重合を行った。得られ
た分散液のし込み単量対濃度は23%であり、ポリマー
粒径は1〜20μmの範囲にあり、分散液の粘度は10
0mPa・sであった。結果を表4に示す。
【0057】
【実施例15〜20】実施例11と同様な操作により表
1の重合系高分子と表2と重縮合系高分子とを組み合わ
せた分散剤系を用い、表3に示す添加量と単量体組成に
より試作―15〜試作―20を合成した。結果を表4に
示す。
【0058】
【比較例1】撹拌器、温度計、還流冷却器、窒素導入管
を備えた五つ口セパラブルフラスコに、合成例1で作成
した高分子NO.1(20%水溶液)、31.3g(対
単量体5.0%)、イオン交換水170.0g、硫酸ア
ンモニウム115.0g、アクリルアミド50%水溶液
67.4g及びアクリロイルオキシエチルトリメチルア
ンモニウム塩化物、80%水溶液115.0gを仕込
み、完全に溶解させた。内温を33〜35℃に保ち、3
0分間窒素置換後、開始剤として2、2’−アゾビス
〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プ
ロパン〕二塩化水素化物の1%水溶液1.9g(対単量
体0.015%)を加え重合を開始させた。開始2時間
後、反応物は激しく粘度が上昇したが、反応はそのまま
継続した。その後1持間で粘性は低下していき分散液に
移行していった。開始8時間後、前記開始剤溶液を0.
9g追加しさらに8時間重合を行った。結果を表4に示
す。
【0059】
【比較例2〜6】比較例1と同様な操作により表1ある
いは表2の重合系高分子単独あるいは重縮合系高分子単
独で分散剤として用い、表3に示す添加量と単量体組成
により比較―2〜比較―6を合成した。結果を表4に示
す。
【0060】
【表3】 DMQ:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニ
ウム塩化物 DMC:メタアクリロイルオキシエチルトリメチルアン
モニウム塩化物 ABC:アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルア
ンモニウム塩化物 DMPQ:アクリロイルアミノプロピルトリメチルアン
モニウム塩化物 AAC:アクリル酸、IA:イタコン酸、AAM:アク
リルアミド
【0061】
【表4】 添加量:対単量体質量%、分散液粘度:mPa・s、分子
量:万
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 228/02 C08F 228/02 C08K 5/053 C08K 5/053 Fターム(参考) 4J002 AA00W AA03W BG00W BG07W BG07X BG13W BJ00W BJ00X EC046 EC056 ED036 FD206 GD04 GK02 HA06 4J011 JA01 JA06 JA10 JB14 JB26 4J100 AL08P AL16P AM15S AM19P AN05Q AP01R BA03P BA29P BA32P BA32Q BA55R BC43P BC43Q BC43R CA04 CA05 CA06 DA01 DA38 EA06 FA02 FA03 FA21 FA30 JA13 JA18

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩水溶液中に粒径100μm以下のカチ
    オン性、両性及び非イオン性から選択された一種以上の
    水溶性高分子微粒子と、分散剤として該塩水溶液に可溶
    な重合系カチオン性高分子と多価アルコ−ルのうち、各
    々少なくとも一種以上が共存する水溶性高分子分散液。
  2. 【請求項2】 塩水溶液中に粒径100μm以下のカチ
    オン性及び/又は両性水溶性高分子微粒子と、分散剤と
    して該塩水溶液に可溶な重合系非イオン性高分子と多価
    アルコ−ルのうち、各々少なくとも一種以上が共存する
    水溶性高分子分散液。
  3. 【請求項3】 前記水溶性高分子分散液が、分散剤とし
    て該塩水溶液に可溶な重合系カチオン性高分子と多価ア
    ルコ−ルのうち、各々少なくとも一種以上を共存させ、
    下記一般式(1)及び/又は(2)で表される単量体0
    〜100モル%、(3)で表される単量体0〜50モル
    %、アクリルアミド0〜100モル%及び共重合可能な
    他の非イオン性単量体0〜30モル%からなる単量体
    (混合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散重合することに
    よって製造されることを特徴とする請求項1に記載の水
    溶性高分子分散液。 【化1】 一般式(1) R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3の
    アルキルあるいはアルコキシル基、R4は水素、炭素数
    1〜3のアルキル基あるいはアルコキシル基であり、同
    種でも異種でも良い、Aは酸素またはNH、Bは炭素数
    2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わ
    す、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。 【化2】 一般式(2) R5は水素又はメチル基、R6、R7は炭素数1〜3の
    アルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は
    陰イオンをそれぞれ表わす 【化3】 一般式(3) R8は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、Aは
    SO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH
    2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R9は水素
    またはCOOY2、Y1あるいはY2は水素または陽イ
    オン
  4. 【請求項4】 前記水溶性高分子分散液が、分散剤とし
    て該塩水溶液に可溶な重合系非イオン性高分子と多価ア
    ルコ−ルのうち、各々少なくとも一種以上を共存させ、
    下記一般式(1)及び/又は(2)で表される単量体2
    〜100モル%、(3)で表される単量体0〜50モル
    %、アクリルアミド0〜98モル%及び共重合可能な他
    の非イオン性単量体0〜30モル%からなる単量体(混
    合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散重合することによっ
    て製造されることを特徴とする請求項2に記載の水溶性
    高分子分散液。
  5. 【請求項5】 前記重合系カチオン性高分子が、少なく
    とも下記一般式(4)〜(8)から選択され構造単位一
    つ以上、あるいは場合によっては下記一般式(9)で表
    される構造単位を有する重合系カチオン性高分子である
    ことを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散
    液。 【化4】 一般式(4) R10は水素又はメチル基、R11、R12、R13は
    炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベン
    ジル基、X3は陰イオンをそれぞれ表わす 【化5】 一般式(5) R14、R15は水素又はメチル基、R16、R17は
    炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベン
    ジル基、X4は陰イオンをそれぞれ表わす 【化6】 一般式(6) R18は水素又はメチル基、X5は陰イオン 【化7】 一般式(7) R19、R20は水素又はメチル基、X6は陰イオン 【化8】 一般式(8) R21は水素またはメチル基、R22は−NH−CH2
    −CH2− 【化9】 一般式(9) ここでR23は水素またはメチル基、Aは、CONR2
    4R25(R24、R25は水素、炭素数1〜4のアル
    キル基あるいはアルコキシル基)、OR26(R26
    は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基あるいはアルコ
    キシル基、アシル基)、NHCOR27(R27は水
    素、炭素数1〜4のアルキル基あるいはアルコキシル
    基)、炭素数1〜10のアルキル基あるいはアルコキシ
    ル基、アリ−ル基、あるいは非イオン性ヘテロ5員環ま
    たは6員環、R28は水素、メチル基をそれぞれ表す
  6. 【請求項6】 前記重合系非イオン性高分子が、下記一
    般式(9)で表される構造単位を有する重合系非イオン
    性高分子であることを特徴とする請求項1に記載の水溶
    性高分子分散液。
  7. 【請求項7】 前記重合系カチオン性高分子のイオン当
    量値が1.5〜22meq/gであることを特徴とする
    請求項1に記載の水溶性高分子分散液。
  8. 【請求項8】 前記多価アルコ−ルが、エチレングリコ
    −ル、プロピレングリコ−ル、グリセリン、ペンタエリ
    スリト−ル、ソルビト−ルあるいはこれら多価アルコ−
    ルのポリオキシアルキレン化末端水酸基化物の群より選
    ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1あるい
    は2に記載の水溶性高分子分散液。
  9. 【請求項9】 多価アルコ−ル類が、ポリエチレングリ
    コ−ル及び/又はポリプロピレグリコ−ルであることを
    特徴とする請求項1あるいは2に記載の水溶性高分子分
    散液。
  10. 【請求項10】 高分子分散液を構成するカチオン性、
    両性あるいは非イオン性水溶性高分子の重量平均分子量
    が、100万以上、2000万以下であることを特徴と
    する請求項1あるいは2に記載の高分子分散液。
  11. 【請求項11】 塩水溶液を構成する塩が、少なくとも
    一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請求
    項1あるいは2に記載の水溶性高分子分散液。
  12. 【請求項12】 塩水溶液中で、分散剤として該塩水溶
    液に可溶な重合系カチオン性高分子と多価アルコ−ルの
    うち、各々少なくとも一種以上を共存させ、前記一般式
    (1)及び/又は(2)で表される単量体0〜100モ
    ル%、(3)で表される単量体0〜50モル%、アクリ
    ルアミド0〜100モル%及び共重合可能な他の非イオ
    ン性0〜30モル%からなる単量体混合物を、攪拌下、
    分散重合することを特徴とする粒径100μm以下の微
    粒子からなる水溶性高分子分散液の製造方法。
  13. 【請求項13】 塩水溶液中で、分散剤として該塩水溶
    液に可溶な重合系非イオン性高分子と多価アルコ−ルの
    うち、各々少なくとも一種以上を共存させ、前記一般式
    (1)及び/又は(2)で表される単量体2〜100モ
    ル%、(3)で表される単量体0〜50モル%、アクリ
    ルアミド0〜98モル%及び共重合可能な他の非イオン
    性0〜30モル%からなる単量体混合物を、攪拌下、分
    散重合することを特徴とする粒径100μm以下の微粒
    子からなる水溶性高分子分散液の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記重合系カチオン性高分子が、少な
    くとも前記一般式(4)〜(8)から選択され構造単位
    一つ以上、あるいは場合によっては前記一般式(9)で
    表される構造単位を有する重合系カチオン性高分子であ
    ることを特徴とする請求項12に記載の水溶性高分子分
    散液の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記重合系非イオン性高分子が、前記
    一般式(9)で表される構造単位を有する重合系非イオ
    ン性高分子であることを特徴とする請求項13に記載の
    水溶性高分子分散液の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記重合系カチオン性高分子のイオン
    当量値が1.5〜22meq/gであることを特徴とす
    る請求項12に記載の水溶性高分子分散液の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記多価アルコ−ルが、エチレングリ
    コ−ル、プロピレングリコ−ル、グリセリン、ペンタエ
    リスリト−ル、ソルビト−ルあるいはこれら多価アルコ
    −ルのポリオキシアルキレン化末端水酸基化物の群より
    選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項12あ
    るいは13に記載の水溶性高分子分散液の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記多価アルコ−ル類が、ポリエチレ
    ングリコ−ル及び/又はポリプロピレグリコ−ルである
    ことを特徴とする請求項12あるいは13に記載の水溶
    性高分子分散液の製造方法。
  19. 【請求項19】 塩水溶液を構成する塩が、少なくとも
    一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請求
    項12あるいは13に記載の水溶性高分子分散液の製造
    方法。
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