JP2003073150A - ポリアミド樹脂を含有するガラス繊維用集束剤 - Google Patents
ポリアミド樹脂を含有するガラス繊維用集束剤Info
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Abstract
れたガラス繊維強化フェノール樹脂を得ることのできる
ガラス繊維用集束剤を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(1)で表されるN−置換ア
ミド結合を有するポリアミド樹脂の水分散物と、ポリウ
レタン樹脂の水分散物と、シランカップリング剤と、潤
滑剤と、を含むことを特徴とするガラス繊維用集束剤。 【化1】 [式中、Xは水素原子、水酸基又はカルボキシル基、m
は1以上の整数、nは1〜10の整数、をそれぞれ示
す。]
Description
剤、ガラス繊維フィラメントが複数本集束されてなるガ
ラス繊維束、ガラス繊維束を切断してなるガラス繊維チ
ョップドストランド、及びガラス繊維チョップドストラ
ンドを含むフェノール樹脂を成形してなるガラス繊維強
化フェノール樹脂成形物に関する。
性、絶縁抵抗性、耐摩耗性、曲げ強度、寸法安定性等に
非常に優れているために、成形品を始めとする種々の用
途に用いられている。中でも、マトリックス樹脂として
フェノール樹脂を用いるガラス繊維強化フェノール樹脂
は、曲げ強度及び耐熱性が非常に優れていることから、
高温状態で高い強度が要求される用途に多用されてい
る。しかしながら、ガラス繊維強化フェノール樹脂は、
衝撃が加わったときに亀裂を生じやすい等、耐衝撃性に
不充分な点があるため、振動や衝撃を受ける用途、特に
高温での耐衝撃性が要求される用途においては問題が生
じる場合があった。
化フェノール樹脂の耐衝撃性の向上を図る手法が種々検
討されている。例えば、フェノール樹脂に熱可塑性樹脂
を含有させることにより耐衝撃性を向上させることが試
みられ、ある程度の耐衝撃性の向上が達成可能になって
いるものの、変性により硬化後のフェノール樹脂が柔軟
になる傾向があるため、曲げ強度等の力学特性が不充分
になるという問題が発生していた。
は、上記手法の他に、ガラス繊維強化樹脂に含まれるガ
ラス繊維を集束する集束剤を改良することが試みられて
いるが、既存の集束剤では、フェノール樹脂をマトリッ
クス樹脂に用いた場合に、実用上充分な曲げ強度及び耐
衝撃性を示すガラス繊維強化フェノール樹脂を得ること
ができないという問題があった。
点に鑑みてなされたものであり、高い曲げ強度を示すと
ともに耐衝撃性にも優れたガラス繊維強化フェノール樹
脂を得ることが可能なガラス繊維用集束剤を提供するこ
とを目的とする。また、かかるガラス繊維用集束剤で集
束されたガラス繊維束及びかかるガラス繊維束を切断し
てなるガラス繊維チョップドストランドを提供すること
を目的とする。更に、かかるガラス繊維チョップドスト
ランドを含むフェノール樹脂を成形してなるガラス繊維
強化フェノール樹脂成形物を提供することを目的とす
る。
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の樹脂を組
み合わせたガラス繊維用集束剤を用いることにより、上
記目的が達成可能であることを見出した。すなわち、マ
トリックス樹脂であるフェノール樹脂を熱可塑性樹脂で
変性するのではなく、ガラス繊維を集束する集束剤に特
定の樹脂を含有させることにより、高い曲げ強度及び耐
衝撃性を示すガラス繊維強化フェノール樹脂が得られる
ことを見出し、本発明を完成させた。
は、下記一般式(1)で表されるN−置換アミド結合を
有するポリアミド樹脂の水分散物と、ポリウレタン樹脂
の水分散物と、シランカップリング剤と、潤滑剤と、を
含むことを特徴とするものである。
は1以上の整数、nは1〜10の整数、をそれぞれ示
す。]
剤で被覆されたガラス繊維束でフェノール樹脂の強化を
行うため、当該ガラス繊維用集束剤がフェノール樹脂と
ガラス繊維の界面付近に存在し、得られるガラス繊維強
化フェノール樹脂は高い曲げ強度を示すとともに耐衝撃
性にも優れるようになる。かかる効果の生じる理由は必
ずしも明らかではないが、本発明においては、N−置換
アミド結合を有するポリアミド樹脂が界面付近に存在す
ることに起因するものであると発明者らは考察してい
る。すなわち、本発明のガラス繊維用集束剤で集束した
ガラス繊維束を用いてガラス繊維強化フェノール樹脂を
得る場合においては、上記ポリアミド樹脂がマトリック
ス樹脂であるフェノール樹脂全体に均一に分散されず、
フェノール樹脂全体としての軟化が防止される。また、
上記ポリアミド樹脂が、衝撃により応力の集中が生じや
すい、フェノール樹脂とガラス繊維フィラメントとの界
面付近に存在するため、界面付近で衝撃エネルギーを充
分に吸収することができる。
に対する前記ポリアミド樹脂の比率が、重量比で0.0
3〜0.5であることが好ましい。かかる比率にするこ
とにより、ガラス繊維強化フェノール樹脂の曲げ強度及
び耐衝撃性が更に優れるようになる。
プリング剤が、下記一般式(2)で表されるシランカッ
プリング剤であることが好ましい。
数1〜10のアルキレン基、pは0又は1、qは1〜3
の整数、をそれぞれ示す。]
剤成分として、上記化学構造を有したシランカップリン
グ剤を用いることにより、高い曲げ強度及び耐衝撃性に
加えて、高い耐熱性を得ることができるようになる。
により、ガラス繊維フィラメントが複数本集束されてな
ることを特徴とするガラス繊維束、並びに該ガラス繊維
束を繊維長1〜6mmに切断してなることを特徴とする
ガラス繊維チョップドストランドを提供する。更には、
該ガラス繊維チョップドストランドを含むフェノール樹
脂を成形してなることを特徴とするガラス繊維強化フェ
ノール樹脂成形物を提供する。
用集束剤は、上記一般式(1)で表されるN−置換アミ
ド結合を有するポリアミド樹脂(以下「N−置換ポリア
ミド樹脂」という。)の水分散物と、ポリウレタン樹脂
の水分散物と、シランカップリング剤と、潤滑剤とを含
んでいる。以下、本発明のガラス繊維用集束剤の構成成
分それぞれについて詳細に説明する。
分散液について説明する。本発明におけるN−置換ポリ
アミド樹脂は、分子中のアミド結合の少なくとも一部が
下記一般式(1)で表されるN−置換アミド結合である
ポリアミド樹脂をいう。
OH)又はカルボキシル基(−COOH)、mは1以上
の整数、nは1〜10の整数である。ここで、mとして
は、1〜5の整数がより好ましく、1〜3の整数が更に
好ましい。nとしては1〜5の整数がより好ましく、1
〜3の整数が更に好ましい。また、Xは、併用するウレ
タン樹脂その他の構成成分の種類に従って適宜好適な基
の選択が可能である。
ド結合の数が増加するにしたがってアルコール可溶性や
水分散性に優れるようになる。本発明においてはかかる
N−置換ポリアミド樹脂の水分散物を用いるため、N−
置換ポリアミド樹脂中のアミド基に占めるN−置換アミ
ド結合の割合は、N−置換ポリアミド樹脂が良好な水分
散性及び分散後の安定性を示す量であることが好まし
い。かかる割合は、N−置換ポリアミド樹脂のアミド結
合間の化学構造や、一般式(1)で表されるN−置換ア
ミド結合におけるm、n、Xの種類にしたがって、適宜
決定することができるが、一般には80モル%以上(更
には90モル%以上)であることが好ましい。
は、ポリアミド樹脂を高温・高圧下で、リン酸触媒等の
触媒を用いてホルマリン及びアルコールを反応せしめる
ことにより製造することができる(米国特許2,43
0,860号等)。原料として用いるポリアミド樹脂と
しては、アミド結合間の化学構造が、2価の脂肪族炭化
水素、2価の脂環式炭化水素、2価の芳香族炭化水素、
又はこれらの組み合わせであるポリアミド樹脂(ナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン10、ナイロン12、ナ
イロン610等)が好ましい。
基等の水溶性基を有するポリアミド樹脂は水溶性及び/
又は水分散性を示し、本発明におけるN−置換ポリアミ
ド樹脂と同様に水系組成物に適用可能であるが、得られ
るガラス繊維強化フェノール樹脂の曲げ強度や耐衝撃性
に劣るため、かかる樹脂を適用することは好ましくな
い。すなわち、本発明のN−置換ポリアミド樹脂は主鎖
及び/又は側鎖にポリオキシエチレン基等の水溶性基を
有しないことが好ましい。以上の観点から、本発明にお
いて用いるN−置換ポリアミド樹脂は、一般に、タイプ
8ナイロンと称されるN−アルコキシメチル変性ポリア
ミド樹脂であることが特に好ましい。
ミド樹脂の水分散物を、ガラス繊維用集束剤の構成成分
として用いる。水分散物の態様としては、エマルジョン
やディスパージョンが挙げられる。N−置換ポリアミド
樹脂の水分散物は界面活性剤等を用いないいわゆる自己
乳化型の水分散物であっても、水分散物の形成及び安定
性の観点から界面活性剤や保護コロイド等を添加したも
のであってもよい。水分散物中のN−置換ポリアミド樹
脂の濃度(固形分濃度)は任意であるが、作業性等の観
点から1〜30重量%が好適である。N−置換ポリアミ
ド樹脂の水分散物は単独、若しくは2種類以上を組み合
わせて用いることができる。
について説明する。本発明において用いることのできる
ポリウレタン樹脂は、ガラス繊維用集束剤の乾燥温度
(室温〜130℃)においてガラス繊維フィラメント上
に皮膜を形成可能なものであればよく、最低造膜温度が
130℃以下(好ましくは80℃以下、更に好ましくは
50℃以下、特に好ましくは20℃以下)のポリウレタ
ン樹脂が好適である。
用いたときに以下のような性質を示すポリウレタン樹脂
であることが好ましい。すなわち、ガラス板表面上にポ
リウレタン樹脂の水分散物を固形分換算で2g塗布し1
20℃にて3時間乾燥させ、φ20cmの乾燥皮膜を形
成せしめ、放冷後、1cm角の升状にカッターナイフで
切れ目を入れたときに、ガラス板から乾燥皮膜が剥離し
ないようなポリウレタン樹脂であることが好ましい。更
には、1cm角の升状に切れ目を入れた乾燥皮膜に、粘
着テープ(ニチバン社製、セロテープCT15)を貼付
け、引き剥がしたときに乾燥皮膜がガラス板から剥離し
ないようなポリウレタン樹脂であることが好ましい。
ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネー
トポリオール、オレフィン系ポリオール等のポリオール
と、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネ
ート、脂環式ポリイソシアネート等のポリイソシアネー
トとを任意の当量比で反応させて得られたものが使用で
きる。ポリウレタン樹脂末端はイソシアネート基であっ
ても水酸基であってもよく、これらの基は公知の手法に
よりブロック化されていてもよい。また、ポリウレタン
樹脂の主鎖は公知の手法による変性がなされていてもよ
い。
は、直鎖状のポリウレタン樹脂が特に好ましい。直鎖状
のポリウレタン樹脂を用いることにより、ガラス繊維用
集束剤で集束したガラス繊維束(ガラス繊維チョップド
ストランド等)をフェノール樹脂と90℃程度で混練す
る場合に、ガラス繊維束の分散性を向上させることがで
き、ボイドの形成を防止してガラス繊維強化フェノール
樹脂の曲げ強度等の向上を図ることができる。
脂の水分散物を、ガラス繊維用集束剤の構成成分として
用いる。水分散物の態様としては、エマルジョンやディ
スパージョンが挙げられる。ポリウレタン樹脂の水分散
物は界面活性剤等を用いないいわゆる自己乳化型の水分
散物であっても、水分散物の形成及び安定性の観点から
界面活性剤や保護コロイド等を添加したものであっても
よい。水分散物中のポリウレタン樹脂の濃度(固形分濃
度)は任意であるが、作業性等の観点から1〜60重量
%が好適である。ポリウレタン樹脂の水分散物は単独、
若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができ
る。
する。本発明において用いられるシランカップリング剤
は、加水分解性基と疎水基(有機基)とを有するシラン
化合物であり、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシ
プロピル)トリメトキシシラン等の不飽和二重結合を有
するシランカップリング剤;β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジ
ルオキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ
基を有するシランカップリング剤;γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシラ
ンカップリング剤;γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリン
グ剤が例示可能である。
れるシランカップリング剤を用いることが特に好まし
い。かかるシランカップリング剤を用いることにより、
得られるガラス繊維強化フェノール樹脂が、高い曲げ強
度及び耐衝撃性に加えて、高い耐熱性を発揮するように
なる。なお、一般式(2)で表されるシランカップリン
グ剤は塩酸塩等のような塩を形成していてもよい。
なっていてもよい炭素数1〜10のアルキレン基である
が、かかるアルキレン基は炭素数3〜6であることが好
ましい。また、pは0又は1、qは1〜3の整数である
が、pは1、qは1又は2が好ましい。一般式(2)で
表されるシランカップリング剤としては、N−β−(N
−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン及びその塩酸塩が挙げられる。
ガラス繊維用集束剤は、ガラス繊維の製造工程における
機械摩擦からガラス繊維を保護するために、潤滑剤を必
須構成成分とする。かかる潤滑剤としては、高級飽和脂
肪酸と高級飽和アルコールの縮合物等の合成油、ポリエ
チレンイミン等公知の潤滑剤がいずれも使用可能であ
る。本発明において用いることのできる潤滑剤として特
に好ましいものは、テトラエチレンペンタミンとステア
リン酸の縮合物に酢酸を加えpHを4.5〜5.5に調
整した調整物(以下、該調整物における固形分を「TE
PA/SA」と記す。)である。TEPA/SAにおけ
るテトラエチレンペンタミンとステアリン酸の反応比率
はモル比として、前者/後者=1/1〜1/2が好まし
い。かかる潤滑剤を用いることにより、ガラス繊維が機
械摩擦から保護されるとともに、ガラス繊維束中のガラ
ス繊維モノフィラメント同士の摩擦をも減少させ、更に
はガラス繊維に柔軟性を付与することが可能になる。
る構成成分の機能について説明する。ガラス繊維用集束
剤におけるポリウレタン樹脂は、ガラス繊維表面を被覆
することにより複数のガラス繊維を集束するためのバイ
ンダーとして機能するとともに、ガラス繊維表面を保護
する役割も有する。シランカップリング剤は、ガラスと
反応性を有する加水分解性ケイ素基とフェノール樹脂と
の親和性を有する有機基を有していることから、ガラス
繊維フィラメントとフェノール樹脂との界面接着性を向
上させる働きを有する。また、潤滑剤は上述のように、
ガラス繊維の製造工程における機械摩擦からガラス繊維
を保護するとともに、ガラス繊維の柔軟性を付与するこ
とも可能である。N−置換ポリアミド樹脂は、フェノー
ル樹脂の軟化を防ぎつつ、衝撃により応力の集中が生じ
やすいフェノール樹脂とガラス繊維の界面付近に偏在し
て衝撃エネルギーを吸収する働きを有すると考えられ
る。そして、これらの機能があいまってガラス繊維強化
フェノール樹脂の曲げ強度及び耐衝撃性の向上に寄与す
るものと考えられる。
N−置換ポリアミド樹脂の水分散物、ポリウレタン樹脂
の水分散物、シランカップリング剤及び潤滑剤に加え
て、pH調整剤、帯電防止剤及び乳化剤等の添加成分を
更に含んでいてもよい。また、本発明のガラス繊維用集
束剤に対して、固形分調整等のために、上記水分散物に
由来するものではない水(イオン交換水、蒸留水等)を
更に添加してもよく、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等のアルコールやその他有機溶剤を少量添加
してもよい。
ましく、pH調整剤の添加によりガラス繊維用集束剤の
pHを3.0〜5.0に調整することが好ましい。かか
るpH調整により、シランカップリング剤の加水分解を
促進させることができる。
アルキルアミン、アルキルスルホネート、第4級アンモ
ニウムクロライドが例示可能である。ガラス繊維用集束
剤に帯電防止剤を添加することにより、ガラス繊維に生
じる静電気の発生を低減させることができる。
ン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、脂肪族4級
アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、カルボキシ
ベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンポリ
アルキルエーテル等のノニオン性界面活性剤等を用いる
ことができる。
成成分は、不揮発成分(N−置換ポリアミド樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、シランカップリング剤、潤滑剤、帯電防
止剤、乳化剤等)と、揮発成分(水、有機溶剤、pH調
整剤として用いられる酢酸、防腐剤として用いられるホ
ルムアルデヒド等)とに大別することができる。ここ
で、不揮発成分とは110℃の乾燥により揮発しない成
分を意味する。したがって、例えば、防腐剤に分類され
る化合物であっても化合物種によっては不揮発成分に属
する場合がある。
成分の重量は、ガラス繊維用集束剤全重量を基準とし
て、90〜99重量%であることが好ましく、94〜9
8重量%であることが好ましい。そして、揮発成分中、
水の重量は90〜100重量%が好ましく、95〜10
0重量%がより好ましく、100重量%が特に好まし
い。なお、揮発成分における水以外の成分は、上記の有
機溶剤、pH調整剤として用いられる酢酸、防腐剤とし
て用いられるホルムアルデヒド等である。
における不揮発成分の重量は、ガラス繊維用集束剤全重
量を基準として、1〜10重量%であることが好まし
く、2〜6重量%であることが好ましい。そして、不揮
発成分の全重量を基準として、ポリウレタン樹脂は55
〜95重量%(更には60〜90重量%)が好ましく、
N−置換ポリアミド樹脂は1.5〜40重量%(更には
2〜35重量%)が好ましく、シランカップリング剤は
1〜10重量%(更には1〜5重量%)が好ましく、潤
滑剤は0.5〜5重量%(更には1〜3重量%)が好ま
しい。
合は、1回の塗布によるガラス繊維に対する付着量が少
なく重ね塗りが必要になる場合があり、10重量%を超
す場合には粘度が上昇して塗布性に悪影響を及ぼす場合
がある。また、ポリウレタン樹脂の重量が上記下限値未
満である場合は、ガラス繊維用集束剤の皮膜形成性が不
充分になる傾向にあり、上記上限値を超す場合は、ガラ
ス繊維用集束剤の不揮発成分の柔軟性が不充分となる場
合がある。そして、N−置換ポリアミド樹脂の重量が上
記下限値未満である場合は、得られるガラス繊維強化フ
ェノール樹脂の耐衝撃性が不充分になる傾向にあり、上
記上限値を超す場合は、得られるガラス繊維強化樹脂の
曲げ強度が不充分になる場合がある。
下限値未満である場合は、ガラス繊維とマトリックス樹
脂との接着性が低下してガラス繊維強化樹脂の曲げ強度
が不充分になる場合があり、上記上限値を超す場合は、
コストが向上する割に耐衝撃性や曲げ強度等の特性向上
があまり見込めない傾向がある。そして、潤滑剤の重量
が上記下限値未満である場合は、ガラス繊維チョップド
ストランドを作製するに当たりガラス繊維フィラメント
の切れや毛羽立ち多くなる傾向にあり、上記上限値を超
す場合は、ガラス繊維集束剤の集束性が低下する傾向に
ある。
及び/又は乳化剤を含む場合は、これらの重量はガラス
繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、以下
のような値であることが好ましい。すなわち、帯電防止
剤は不揮発成分の全重量を基準として1〜3重量%が好
ましく、乳化剤は0.5〜2重量%が好ましい。
するN−置換ポリアミド樹脂の比率が、重量比で0.0
3〜0.5であることが好適である。すなわち、ポリウ
レタン樹脂100重量部に対するN−置換ポリアミド樹
脂の重量が3〜50重量部であることが好ましい。ポリ
ウレタン樹脂に対するN−置換ポリアミド樹脂の比率が
0.03未満である場合は、得られるガラス繊維強化フ
ェノール樹脂の耐衝撃性の向上が不充分になる傾向にあ
り、0.5を超す場合は得られるガラス繊維強化フェノ
ール樹脂の曲げ強度が低下する傾向にある。ポリウレタ
ン樹脂に対するN−置換ポリアミド樹脂の比率は、重量
比で0.03〜0.3がより好ましく、0.15〜0.
3が更に好ましい。
N−置換ポリアミド樹脂の水分散物、ポリウレタン樹脂
の水分散物、シランカップリング剤及び潤滑剤を混合
し、必要に応じて、上記添加成分、水、有機溶剤等を加
えることにより製造可能である。なお、N−置換ポリア
ミド樹脂の水分散物及びポリウレタン樹脂の水分散物は
それぞれ公知の合成方法にしたがって調整することがで
きる。この場合において両者をそれぞれ別々に合成して
もよく、一方の水分散液中で他方の樹脂を合成してもよ
い。また、潤滑剤は乳化剤で乳化した後に添加してもよ
く、シランカップリング剤がアルコール溶液として提供
される場合はアルコール成分を除去することなく添加す
ることも可能である。
する。本発明のガラス繊維束は、上述のガラス繊維用集
束剤によりガラス繊維フィラメントが複数本集束されて
なるものである。すなわち、本発明のガラス繊維束は、
複数本のガラス繊維フィラメントと本発明のガラス繊維
用集束剤とから構成されており、ガラス繊維用集束剤は
複数のガラス繊維フィラメント間に存在し、ガラス繊維
フィラメントを束ねる接着剤(バインダ)として機能し
ている。また、ガラス繊維用集束剤はガラス繊維フィラ
メントの外周を連続又は不連続膜として被覆し、ガラス
繊維を保護する機能も有している。なお、本発明におい
て、ガラス繊維束に存在するガラス繊維用集束剤は、該
集束剤の不揮発成分であることが好ましい。
用時にガラス繊維フィラメントを束状に保っておくだけ
の強度を有していればよく、ガラス繊維束内に一様に分
布している必要はない。すなわち、ガラス繊維フィラメ
ント同士の接着性の観点からは、ガラス繊維用集束剤は
ガラス繊維束の外縁部から中心部へ向けて略均一の濃度
で分布していることが好ましいが、例えば、外縁部の濃
度が高く中心部の濃度が低い場合であってもガラス繊維
フィラメントを保持可能であり実用上問題とならないた
め、かかる構成のガラス繊維束も本発明において採用可
能である。
繊維フィラメントのフィラメント径は3〜23μmが好
ましく、ガラス繊維束はかかるガラス繊維フィラメント
が50〜1200本集束されてなるものであることが好
ましい。ガラス繊維フィラメントのガラス組成として
は、例えば、Eガラス、Sガラス、Cガラス等が挙げら
れる。本発明のガラス繊維束におけるガラス繊維フィラ
メントの総重量とガラス繊維用集束剤の重量との比は、
前者100重量部に対して、後者が不揮発成分として
0.2〜5.0重量部であることが好ましく、0.5〜
2.0重量部であることがより好ましい。また、本発明
のガラス繊維束の態様としては、ガラス繊維ヤーン及び
ガラス繊維ロービングが挙げられる。
ズル(ブッシング)から引き出されたガラス繊維フィラ
メントにローラー型アプリケーターやベルト型アプリケ
ーター等を用いてガラス繊維用集束剤を塗布し、これを
集束機で集束することによってガラス繊維フィラメント
を束ね、次いで、これを室温〜150℃で乾燥し、水等
の揮発成分を除去することにより製造することができ
る。なお、適宜、加撚を施してもよい。
束は長繊維であるが、必要に応じて、これを切断するこ
とにより、ガラス繊維チョップドストランドを得て、こ
れをフェノール樹脂を強化するために用いてもよい。ガ
ラス繊維チョップドストランドの繊維長は1〜6mmで
あることが好ましい。ガラス繊維チョップドストランド
の繊維長が1mm未満である場合は、ガラス繊維チョッ
プドストランド作製時の切断により毛羽が発生して嵩高
になりやすく、マトリックス樹脂と混合しづらくなる傾
向にあり、6mmを超す場合は、ガラス繊維チョップド
ストランド同士の絡み合いが生じてマトリックス樹脂と
混合しづらくなる傾向にある。
樹脂成形物について説明する。本発明のガラス繊維強化
フェノール樹脂成形物は、上述のガラス繊維チョップド
ストランドを含むフェノール樹脂を成形してなることを
特徴とするものである。
を添加すべきフェノール樹脂は、フェノール、クレゾー
ル、キシレノール、レゾルシン等のフェノール類と、ホ
ルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等の
アルデヒド類との縮合によって得られるフェノール樹脂
が好ましく、かかる樹脂はヘキサメチレンテトラミン等
の硬化剤により硬化が可能である。本発明のガラス繊維
強化フェノール樹脂成形物は、フェノール樹脂が未硬化
である態様、フェノール樹脂が半硬化状態である態様、
フェノール樹脂が硬化した態様のいずれも含むが、硬化
した態様が好ましい。
て、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂を用いることが
好ましく、中でもノボラック型フェノール−ホルムアル
デヒド樹脂が好ましい。フェノール樹脂用硬化剤として
は、ヘキサメチレンテトラミン等の公知の架橋剤を使用
することができる。フェノール樹脂に対して添加する硬
化剤の量は、用いるフェノール樹脂や硬化剤の種類に基
いて適宜決定される。例えば、ノボラック型フェノール
−ホルムアルデヒド樹脂をヘキサメチレンテトラミンで
硬化する場合においては、前者100重量部に対して後
者10〜20重量部添加すればよい。また、離型剤とし
て、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩を樹脂100
重量部に対して1〜2重量部添加してもよい。
形物は、フェノール樹脂100重量部(フェノール樹脂
が硬化剤や離型剤を含有する場合はそれらを含んで10
0重量部)に対して、本発明のガラス繊維チョップドス
トランドを150〜200重量部添加した組成物を成形
したものであることが好ましい。なお、かかる組成物に
は、低収縮剤、充填剤、増粘剤等の添加成分を更に添加
してもよい。成形は、フェノール樹脂と、ガラス繊維チ
ョップドストランド及びその他添加物とを必要量秤取
り、これらを混合した後に行ってもよく、また、押出成
形機や射出成形機等を用いて連続的に混合を行い、例え
ば、金型中で加熱・加圧して成形してもよい。なお、混
合・成形時の温度等を調整することにより、フェノール
樹脂を未硬化状態や半硬化状態にすることもでき、硬化
状態にすることもできる。
強化フェノール樹脂成形物は、室温および高温において
曲げ強度および耐衝撃性に優れることから、例えば、使
用条件の厳しいハイブリッド自動車用モーターにおけ
る、整流子のモールド部に特に好適に用いることができ
る。
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
37kgに、シランカップリング剤であるN−β−(N−
ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン塩酸塩(東レダウコーニング社製:S
Z6032、シランカップリング剤濃度:40重量%)
0.05kgを添加した。これに、ポリウレタン樹脂エ
マルジョン(大日本インキ化学工業社製:1660N
S、ポリウレタン樹脂濃度:40重量%)0.8kg
と、N−置換ポリアミド樹脂(一般式(1)におけるm
は1、nは1、Xは水素原子)のエマルジョン(帝国化
学社製:FS500、N−置換ポリアミド樹脂濃度:2
0重量%)0.05kgを添加し、室温で攪拌した。得
られた溶液に、潤滑剤であるTEPA/SA(テトラエ
チレンペンタミンとステアリン酸とのモル比:前者/後
者=1/2)7gを添加し、最後に純水を添加し総重量
を10kgにして、ガラス繊維用集束剤を得た。
のエマルジョン(帝国化学社製:FS500)の重量
を、それぞれ0.1kg、0.25kg、0.5kg、
0.75kgとした他は実施例1と同様にしてガラス繊
維用集束剤を作製した。
マルジョン(帝国化学社製:FS500)の重量を0.
25kgとし、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩に
代えて、アミノプロピルトリエトキシシラン0.05k
gを用いた他は実施例1と同様にしてガラス繊維用集束
剤を作製した。
マルジョンを用いなかった他は実施例1と同様にしてガ
ラス繊維用集束剤を得た。
マルジョンに代えて、以下の(i)〜(iii)で表さ
れる化合物を反応せしめてなる水溶性ポリアミド樹脂
(以下「水溶性ポリアミド樹脂1」という)の水溶液
(水溶性ポリアミド樹脂1の濃度:20重量%、水溶液
粘度(25℃):35cps)0.05kgを用いた他
は、実施例1と同様にしてガラス繊維用集束剤を得た。
なお、(iii)で表される化合物におけるR0はプロ
ピル基を示し、aは1〜5の整数を示す。
の水溶液の重量を、それぞれ0.1kg、0.25k
g、0.5kgとした他は、比較例2と同様にしてガラ
ス繊維用集束剤を得た。
マルジョンに代えて、以下の(ii)及び(iv)で表
される化合物を反応せしめてなる水溶性ポリアミド樹脂
(以下「水溶性ポリアミド樹脂2」という)の水溶液
(水溶性ポリアミド樹脂2の濃度:20重量%、水溶液
粘度(25℃):20cps)0.05kgを用いた他
は、実施例1と同様にしてガラス繊維用集束剤を得た。
なお、(iv)で表される化合物におけるbは1〜5の
整数を示す。
の水溶液の重量を、それぞれ0.1kg、0.25k
g、0.5kgとした他は、比較例6と同様にしてガラ
ス繊維用集束剤を得た。
ストランドの作製] (実施例7〜12及び比較例10〜18)実施例1〜6
及び比較例1〜9で得られたガラス繊維用集束剤のそれ
ぞれを、ガラスフィラメント径11μmのガラス繊維フ
ィラメント1600本からなる束(日東紡績株式会社
製:240TEX)に塗布し、110℃で乾燥してガラ
ス繊維束を得た。この場合において上記束100重量部
に対して、ガラス繊維用集束剤(不揮発成分)が0.9
5重量部付着するようにした。次いで、得られたガラス
繊維束を長さ3mmに切断し、ガラス繊維チョップドス
トランドを作製した。なお、実施例1〜6及び比較例1
〜9で得られたガラス繊維用集束剤を用いて得られたガ
ラス繊維チョップドストランドが、それぞれ実施例7〜
12及び比較例10〜18に該当する。
作製] (実施例13〜18及び比較例19〜27)実施例7〜
12及び比較例10〜18のガラス繊維チョップドスト
ランドをそれぞれ60kg秤り取り、これをフェノール
樹脂(大日本インキ化学工業社製、フェノライトTD−
2106)35kgに添加し、さらにヘキサメチレンテ
トラミン4kgを添加しこれらを混合した後、厚さ6m
m又は10mmの板状となるように180℃で硬化し、
ガラス繊維強化フェノール樹脂成形物を得た。なお、実
施例1〜6及び比較例1〜9で得られたガラス繊維用集
束剤に由来するガラス繊維強化フェノール樹脂成形物
が、それぞれ実施例13〜18及び比較例19〜27に
該当する。
エマルジョン(帝国化学社製:FS500)を110℃
で乾燥し不揮発成分(N−置換ポリアミド樹脂)を得
た。かかる不揮発成分1gをフェノール樹脂(大日本イ
ンキ化学工業社製、フェノライトTD−2106)に添
加し90℃で混練することにより、N−置換ポリアミド
樹脂で変性されたフェノール樹脂(以下「変性フェノー
ル樹脂1」という。)10kgを得た。次いで、比較例
10のガラス繊維チョップドストランドを60kg秤取
り、これを35kgの変性フェノール樹脂1に添加し、
さらにヘキサメチレンテトラミン4kgを添加しこれら
を混合した後、厚さ6mm又は10mmの板状となるよ
うに180℃で硬化し、ガラス繊維強化フェノール樹脂
成形物を得た。得られたガラス繊維強化フェノール樹脂
成形物は、含有する構成成分の種類及び重量は実施例1
3と同様であるが、N−置換ポリアミド樹脂がフェノー
ル樹脂全体に分散されている点において異なる。
水溶液を110℃で乾燥し不揮発成分(水溶性ポリアミ
ド樹脂1)を得た。かかる不揮発成分1gをフェノール
樹脂(大日本インキ化学工業社製、フェノライトTD−
2106)に添加し90℃で混練することにより、水溶
性ポリアミド樹脂1で変性されたフェノール樹脂(以下
「変性フェノール樹脂2」という。)10kgを得た。
次いで、比較例10のガラス繊維チョップドストランド
を60kg秤取り、これを35kgの変性フェノール樹
脂2に添加し、さらにヘキサメチレンテトラミン4kg
を添加しこれらを混合した後、厚さ6mm又は10mm
の板状となるように180℃で硬化し、ガラス繊維強化
フェノール樹脂成形物を得た。得られたガラス繊維強化
フェノール樹脂成形物は、含有する構成成分の種類及び
重量は比較例20と同様であるが水溶性ポリアミド樹脂
1がフェノール樹脂全体に分散されている点において異
なる。
水溶液を110℃で乾燥し不揮発成分(水溶性ポリアミ
ド樹脂2)を得た。かかる不揮発成分1gをフェノール
樹脂(大日本インキ化学工業社製、フェノライトTD−
2106)に添加し90℃で混練することにより、水溶
性ポリアミド樹脂2で変性されたフェノール樹脂(以下
「変性フェノール樹脂3」という。)10kgを得た。
次いで、比較例10のガラス繊維チョップドストランド
を60kg秤取り、これを35kgの変性フェノール樹
脂3に添加し、さらにヘキサメチレンテトラミン4kg
を添加しこれらを混合した後、厚さ6mm又は10mm
の板状となるように180℃で硬化し、ガラス繊維強化
フェノール樹脂成形物を得た。得られたガラス繊維強化
フェノール樹脂成形物は、含有する構成成分の種類及び
重量は比較例24と同様であるが水溶性ポリアミド樹脂
2がフェノール樹脂全体に分散されている点において異
なる。
験] (曲げ強度試験)実施例13〜18及び比較例19〜3
0で得られたガラス繊維強化フェノール樹脂成形物の形
状を、厚さ6mm、幅12.7mm、長さ127mmと
し、JIS K7055に準拠して、乾燥条件で25℃
におけるガラス繊維強化フェノール樹脂の曲げ強度(M
Pa)を測定した。なお、曲げ強度は3点曲げ試験法に
より曲げ速度5mm/分で測定した。
及び比較例19〜30で得られたガラス繊維強化フェノ
ール樹脂成形物の形状を、厚さ10mm、幅4mm、長
さ80mmとし、JIS K7061に準拠して、25
℃におけるガラス繊維強化フェノール樹脂のシャルピー
衝撃値(kJ/m2)を測定した。なお、衝撃方向はフ
ラットワイズであった。
を、含有するガラス繊維用集束剤の不揮発成分の組成と
ともに表1に示した。なお、実施例13〜18で得られ
たガラス繊維強化フェノール樹脂には、それぞれ実施例
1〜6のガラス繊維用集束剤が用いられており、比較例
19〜27で得られたガラス繊維強化フェノール樹脂に
はそれぞれ比較例1〜9のガラス繊維用集束剤が用いら
れており、比較例28〜30で得られたガラス繊維強化
フェノール樹脂には比較例1のガラス繊維用集束剤が用
いられている。
高い曲げ強度を示すとともに耐衝撃性にも優れたガラス
繊維強化フェノール樹脂が提供される。また、かかるガ
ラス繊維強化フェノール樹脂を得るために好適なガラス
繊維束及びガラス繊維チョップドストランド、更には、
ガラス繊維を集束して上記ガラス繊維束を作製可能なガ
ラス繊維用集束剤を提供することが可能になる。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるN−置換ア
ミド結合を有するポリアミド樹脂の水分散物と、ポリウ
レタン樹脂の水分散物と、シランカップリング剤と、潤
滑剤と、を含むことを特徴とするガラス繊維用集束剤。 【化1】 [式中、Xは水素原子、水酸基又はカルボキシル基、m
は1以上の整数、nは1〜10の整数、をそれぞれ示
す。] - 【請求項2】 前記ポリウレタン樹脂に対する前記ポリ
アミド樹脂の比率が、重量比で0.03〜0.5である
ことを特徴とする請求項1記載のガラス繊維用集束剤。 - 【請求項3】 前記シランカップリング剤が、下記一般
式(2)で表されるシランカップリング剤であることを
特徴とする請求項1又は2記載のガラス繊維用集束剤。 【化2】 [式中、R1及びR2は同一でも異なっていてもよい炭素
数1〜10のアルキレン基、pは0又は1、qは1〜3
の整数、をそれぞれ示す。] - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のガ
ラス繊維用集束剤により、ガラス繊維フィラメントが複
数本集束されてなることを特徴とするガラス繊維束。 - 【請求項5】 請求項4記載のガラス繊維束を繊維長1
〜6mmに切断してなることを特徴とするガラス繊維チ
ョップドストランド。 - 【請求項6】 請求項5記載のガラス繊維チョップドス
トランドを含むフェノール樹脂を成形してなることを特
徴とするガラス繊維強化フェノール樹脂成形物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001261836A JP4561018B2 (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | ポリアミド樹脂を含有するガラス繊維用集束剤 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013041942A (ja) * | 2011-08-12 | 2013-02-28 | Fujifilm Corp | 積層体の製造方法 |
JP2015530490A (ja) * | 2012-08-15 | 2015-10-15 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | サイズ処理済みアルミナ系無機酸化物短繊維、その製造方法、及びそれを含む組成物 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001526720A (ja) * | 1997-05-13 | 2001-12-18 | オウェンス コーニング | ガラス及びカーボンファイバー用の非水性サイジング |
JP2002505249A (ja) * | 1998-03-03 | 2002-02-19 | ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド | 熱伝導性無機粒子でコーティングされたガラス繊維ストランドおよびそれを含む製品 |
-
2001
- 2001-08-30 JP JP2001261836A patent/JP4561018B2/ja not_active Expired - Fee Related
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