JP2003072257A - 印刷用ブランケットおよびその製造方法 - Google Patents

印刷用ブランケットおよびその製造方法

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JP2003072257A
JP2003072257A JP2001261842A JP2001261842A JP2003072257A JP 2003072257 A JP2003072257 A JP 2003072257A JP 2001261842 A JP2001261842 A JP 2001261842A JP 2001261842 A JP2001261842 A JP 2001261842A JP 2003072257 A JP2003072257 A JP 2003072257A
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rubber
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JP2001261842A
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Toshio Kamata
敏生 鎌田
Hiromasa Okubo
博正 大久保
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】支持体層を構成する基布枚数を減らし、作製中
の有機溶媒の使用量が少なくてすみ、かつ印刷品質のよ
い印刷用ブランケットとその製造方法を提供する。 【解決手段】少なくとも3層の基布を含む支持体層2上
に表面印刷層3を形成された印刷用ブランケット1であ
って、前記支持体層2が厚み0.2〜1.0mmのシー
ト状接着用ゴム層4を含み、かつ、前記基布のうち少な
くとも2層(b,c)はその2%モジュラスが35MP
a以上で厚みが0.3〜0.5mmである、ことによっ
て構成される印刷用ブランケット。支持体層2は圧縮性
層5を含み、また表面印刷層3は2%モジュラスが20
MPa以下の基布aを介して形成されていることが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷用ブランケッ
トに関し、より詳しくは、簡単な工程でかつ良好な作業
衛生環境下で作製できるとともに、印刷性および耐久性
に優れた印刷用ブランケットとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】平版オフセット印刷に用いられる印刷用
ブランケット10は、例えば図9に示すように、少なく
とも1層の基布層16を含む支持体層12と、この支持
体層上に設けられた表面ゴム層(表面印刷層)11とで
構成されている。前記支持体層12は、基布13と接着
ゴム層15とからなる基布層16を、通常2〜5層積層
したものである。また、図10に示すように、前記基布
層16が圧縮性層14を介して積層された印刷用ブラン
ケット100も知られている。
【0003】前記接着ゴム層15や表面印刷層11は、
印刷用ブランケット全体の厚さの都合上厚くすることが
できない。すなわち、前記ゴム層を厚くすると、その結
果印刷用ブランケット全体の厚さが増すことになり、印
刷用ブランケットの印刷機への装着が困難になる。一
方、前記ゴム層を薄くする代わりに基布層16の積層数
を減らすと、印刷用ブランケットの強度が低下して、実
用に適さなくなる。このため、接着ゴム層15や表面ゴ
ム層11の厚みは、通常、1mm以下、好ましくは0.
5mm以下に設定されている。
【0004】また、接着ゴム層15や表面印刷層11の
厚みが不均一になると、印刷時にブランケットの表面に
かかる面圧が不均一になって印刷不良が発生するという
問題が生じることから、前記ゴム層の厚みのばらつきを
極力小さくすること(厚みの均一性を高めること)が求
められている。そこで、従来、接着ゴム層15や表面印
刷層11の作製は、ブレードコーティング法等の糊引き
法により行なわれている。かかる糊引き法によれば、未
加硫のゴム材料をトルエンやメチルエチルケトンなどの
有機溶剤に溶かしてゴム糊とし、このゴム糊を綿、ポリ
エステル、レーヨン等からなる基布13に、または基布
層16を積層した支持体12の表面に糊引きすることに
よって前記ゴム層が形成される。
【0005】この糊引き法は、印刷用ブランケット全体
の厚みのばらつきを小さくするうえで極めて有効な方法
である。しかしながら、糊引き法は溶剤を蒸発させなが
ら接着ゴム層や表面ゴム層を形成させるため、1回の糊
引きの厚さを薄くする必要があり、1回の糊引きで得ら
れる層の厚みはわずか0.01〜0.05mm程度であ
る。このため、所定の厚みのゴム層を得るには糊引き操
作を数回から数十回繰り返す必要がある。従って、印刷
用ブランケットの製造に多大な時間がかかり、工程も煩
雑となる。また、ゴム糊の作製に多量の有機溶剤を必要
とし、作業環境が低下することから、それを防ぐための
設備環境を整えなければならないという問題もある。
【0006】さらに、糊引きによって基布13の内部に
ゴム分が多量に浸透し、その結果、加硫後の基布層16
の硬度、ひいては印刷用ブランケット全体の硬度が極め
て高くなってしまうという問題もある。印刷用ブランケ
ットの硬度が高くなると、印刷機への装着性が低下する
とともに、ブランケットをブランケット胴のシリンダー
に装着した際、シリンダーのエッジ部において盛り上が
りが生じてしまい、その結果、盛り上がり部分では磨耗
が激しくなって耐久性が低下したり、ブランケットの裏
面に洗浄液が浸入して膨潤し易くなって、網点の太りが
顕著になるという問題も生じる。
【0007】特開平10−217630号公報には、表
面印刷層と圧縮性層の間に2層以上の補強布を有する複
合補強層を設け、最上部のモジュラスを下部の補強布よ
り小さくする印刷用ブランケットを開示し、これによっ
て紙送り性、風合い、装着性を良くすることが記載され
ている。しかし、複合補強層全体の厚さが0.3〜0.
8mmであることから、印刷時の印圧吸収性、柔軟性に
問題を生ずる恐れがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題を解
決するために、本発明者らは、先に「少なくとも1層の
基布を含む支持体層上に表面ゴム層を形成する印刷用ブ
ランケットを製造するに際して、前記基布のうち少なく
とも1層が、(1)接着ゴム層用の未加硫ゴム材料を加
熱しつつ押出成形して、シート状の接着ゴム層を作製す
る工程、(2)前記接着ゴム層が冷却される前に、当該
接着ゴム層をカレンダーで加圧して薄層化する工程、お
よび(3)こうして薄層化された接着ゴム層と、基布と
を圧着用ローラで加圧して接着する工程を経て形成する
製造方法」を発明し、特許出願を行った(特開平11−
139028号公報)。この製造方法によると、糊引き
操作を伴わずに、簡単かつ作業環境のよい工程で、柔軟
性が高く、印刷機への装着性良好な印刷用ブランケット
を作製できる。
【0009】本発明は、製造する上においてさらに工程
の簡略化ができて、かつ溶剤使用量も低減され、耐久性
の良い印刷用ブランケットと、その製造方法を提供しよ
うとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
新たな観点から印刷用ブランケットの支持体層を、どの
ように構成するかについて種々検討した結果、ローラヘ
ッド押出機を用いて未加硫の接着用ゴム材料を加熱しつ
つ押出成形し、その厚みが従来の基布層の1〜3層分に
相当するシート状ゴム層を得て、それを支持体層内部に
含有させることにより、印刷品質が良好でありかつ耐久
性も良いブランケットが得られることを知り、さらに検
討を続けて本発明の完成に至ったものである。
【0011】すなわち、本発明は、 1)少なくとも2層の基布を含む支持体層上に表面印刷
層を形成された印刷用ブランケットにおいて、前記支持
体層が厚み0.2〜1.0mmのシート状接着用ゴム層
を含み、かつ、前記基布のうち少なくとも2層はその2
%モジュラスが35MPa以上で厚みが0.3〜0.5
mmである、ことを特徴とする印刷用ブランケット、 2)前記支持体層が圧縮性層を含み、かつ、その圧縮性
層よりも下層側に前記シート状ゴム層および前記した2
%モジュラスが35MPa以上で厚みが0.3〜0.5
mmである基布が少なくとも2層設けられている上記
1)項記載の印刷用ブランケット、 3)前記表面印刷層が前記支持体層上に基布を介して形
成されており、かつその基布の2%モジュラスが20M
Pa以下である上記1)項記載の印刷用ブランケット、 4)上記1)項記載の印刷用ブランケットを製造するに
際し、(1) 未加硫のゴム材料を加熱しつつ押出成形し
て、厚みが0.2〜1.0mmであるシート状の接着用
ゴム層を作製する工程、(2) 前記接着用ゴム層と、2%
モジュラスが35MPa以上、厚みが0.3〜0.5m
mである基布のうち少なくとも1層を、圧着用ローラで
加圧して接着する工程、(3) 前記の基布を圧着したゴム
層を用いて支持体層を作製する工程、および(4) 前記支
持体層上に表面印刷層を形成する工程、に付することを
特徴とする印刷用ブランケットの製造方法、および 5)前記支持体層において圧縮性層の形成を含む上記
4)項記載の印刷用ブランケットの製造方法、である。
【0012】本発明の印刷用ブランケットは、上記1)
項に記載のとおり、厚み0.2〜1.0mmのシート状
ゴム層と2%モジュラスが35MPa以上で厚みが0.
3〜0.5mmである少なくとも2層の基布を支持体層
に有することを特徴とする。このシート状ゴム層を設け
ることにより、従来に比べて基布数が少なくてすみ、か
つ印刷機に設置したときにより安定化する。従って、こ
の印刷用ブランケットは、従来のものよりも耐久性があ
り、また印刷品質を向上させることができる。
【0013】この印刷用ブランケットは、上記2)項に
記載のとおり、圧縮性層を含み、その下側に前記シート
状ゴム層と基布とを設けることが好ましい。前記接着用
ゴム層を圧縮性層よりも上層に設けると、印刷時の印圧
吸収性が悪くなり、印刷品質の低下、特に網点太りを生
じ易くなる。また、前記基布を圧縮性層よりも上層に設
けると、その剛性のためにブランケットが硬くなるので
好ましくない。前記基布が0.3〜0.5mmと厚めで
あることから、圧縮性層よりも上層に設けるときは基布
模様が印刷に出てしまう恐れがあり、これを避けるため
にも圧縮性層よりも下層に設けることが好ましい。
【0014】前記表面印刷層は、上記3)項に記載のと
おり、2%モジュラスが20MPa以下である、比較
的、低モジュラスの基布を介して設けられていることが
好ましい。本発明による印刷用ブランケットの製造方法
は、従来に比して工程の簡略化が可能であり、とりわけ
基布層作製のための糊引き操作を減らすことができるの
で、有機溶剤の使用量を軽減でき、作業環境の向上に有
用である。
【0015】さらに、上記4)の製造方法において、工
程(1)で未加硫のゴム材料を押出成形によってシート
状に成形し、工程(2)で得られたシートに前記基布を
圧着用ローラで加圧接着する、ことから従来に比べて厚
みのある層を均一な状態で支持体層に配することができ
る。本発明において、基布の2%モジュラスは、JIS
L 1096記載の方法による測定値を意味する。
【0016】
【発明の実施の形態】はじめに、本発明の印刷用ブラン
ケットの構成例を、図1〜3を参照しつつ説明する。図
1は後述の実施例1で作製された印刷用ブランケット1
であって、支持体層2の上に表面印刷層3が形成されて
おり、ブランケット全体の厚みは1.95mmである。
支持体層2は、厚み0.75mmのシート状接着用ゴム
層4とその上下に基布bおよびcが接着されており、こ
れら基布は2%モジュラスが37MPaで厚さが0.4
0mmである。シート状接着用ゴム層4および基布bお
よびcは、圧縮性層5の下側に設けられている。また、
表面印刷層3は支持体層の最上層に位置する基布aを介
して設けられており、この基布aは2%モジュラスが1
4MPaで厚みが0.25mmであり、比較的、低モジ
ュラスのものを用いている。
【0017】図2は後述の実施例2で作製された印刷用
ブランケット1であって、図1とは異なって、積層され
て基布bおよびcの2層が接着用ゴム層4の下側にあ
り、その接着用ゴム層の上側に直接に圧縮性層5が設け
られている例を示す。図3は、本発明の印刷用ブランケ
ットにおいて、支持体層中に圧縮性層を有しない構成例
を示す。以下、本発明の印刷用ブランケットについて、
その製造工程の態様とも合わせながら説明する。
【0018】支持体層にあって、本発明の特徴部分のひ
とつであるシート状接着用ゴム層は、未加硫のゴム材料
を加熱しつつ押出して、厚み0.2〜1.0mmに成形
することにより作製する。このシート状ゴム層用のゴム
材料としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム(NBR)、アクリルゴム、クロロプレンゴム(C
R)、ウレタンゴム等の耐油性の高いゴムが挙げられ
る。
【0019】前記シート状ゴム層を作製するための未加
硫ゴム材料は、上記例示のゴムに加硫剤および加硫促進
剤と、必要に応じて充填剤、老化防止剤、可塑剤、補強
剤、増粘剤等を配合して調製される。前記未加硫ゴム材
料は、加熱しつつ押出して、シート状に成形するが、こ
の実施態様を図7により説明する。すなわち、未加硫ゴ
ム材料は、押出機20のシリンダー203内で加熱軟化
され、ヘッド部201の吐出口202(図8参照)から
シート状に押し出される。このとき前記吐出口202の
開口高さhは、2〜8mm、好ましくは3〜6mmの範
囲にするのが適当である。開口高さhが前記範囲を下回
ると、ゴムを押し出しにくくなり、吐出口202の内部
で温度が上昇してゴムの焼けが起こりやすくなる。一
方、開口高さhが前記範囲を超えると、カレンダー20
への接着用ゴム層用ゴム材料の供給が過剰になり、押出
成形によって得られるシート状のゴム層30の厚みを所
定の範囲に調整するのが困難になったり、押出幅wの制
御も困難になるために好ましくない。
【0020】押出機20におけるヘッド部201、シリ
ンダー203、スクリュー204およびホッパー205
の温度は、50〜120℃、好ましくは60〜110℃
の範囲に設定するのが適当である。前記温度が50℃を
下回ると、押出機20内でのゴム材料の流れが悪くな
り、ゴムを押し出しにくくなるために好ましくない。一
方、前記温度が110℃を超えると、ゴムの加硫が促進
されてゴムの焼けが生じ易くなるために好ましくない。
【0021】押出成形によって得られた予備的にシート
状にしたゴム層30は、吐出口202から押し出された
直後に、すなわちシート状のゴム層30が冷却される前
に、カレンダー21に供給される。カレンダー21は、
図7に図示される矢印のように互いに逆方向に回転する
一対のロール22,23からなるものであって、当該ロ
ール22,23間に未加硫部材30を通過させることに
より、当該ゴム層30を最終的にシート化することがで
きる。ロール22,23間の間隙は、シート状ゴム層3
1が所定の厚みになるよう適宜設定される。
【0022】シート状ゴム層は前記のとおり0.2〜
1.0mmの厚みに調整されるが、さらに好ましくは
0.3〜0.7mmである。厚みが0.2mmに達しな
いときは、使用する基布が増えることになり、一方1.
0mmを越えるとブランケット厚みが所定厚みよりも厚
くなるため、基布を薄くする必要がありいずれも好まし
くない。次に、前記シート状接着用ゴム層に、2%モジ
ュラスが35MPa以上で厚みが0.3〜0.5mmで
ある基布を圧着用ローラで加圧して接着する。
【0023】この接着工程において、上記基布は少なく
とも1層を接着させるが、他の少なくとも1層は支持体
層作製中、任意の時期を選んで設けることができる。上
記基布の接着位置としては、例えば前記図1の場合のよ
うに、シート状ゴム層の上下(b,c)に1層ずつ、あ
るいは図2の場合のように下側に2層(b,c)に設け
る態様があげられる。本発明に用いられる基布として
は、綿、ポリエステル、レーヨン等の織布があげられ
る。
【0024】上記基布は2%モジュラスが35MPa以
上であることを要し、さらに好ましくは40MPa以上
であり、35MPaに達しないときは、ブランケットが
伸びやすくなりその目的を果たすことできない。この2
%モジュラスの上限値は、50MPa程度である。ま
た、厚みが上記の範囲に達しないときは硬い素材の基布
が必要となり、その反対に上記範囲を越えると基布凹凸
が大きくなり、いずれも好ましくない。
【0025】シート状接着用ゴム層へ基布を加圧接着す
るには、前記図7に示すように、カレンダー21を通過
してシート化されたゴム層31に、基布(図7中、符号
32で示す)を貼り合わせることで実施できる。圧着用
ローラ24をカレンダー21の一方のロール(図7では
ロール23)に押し当てるようにして設置したときは、
ゴム層30をシート化した直後に、該ゴム層30を基布
(図7中、符号32で示す)と接着させることができ
る。この場合、シート化されたゴム層31が高い温度に
維持されているため、基布との接着性が良好になる。
【0026】前記シート状接着用ゴム層31と基布とを
接着する際の、圧着用ローラ24の圧力は3〜100k
gf/cm2 、好ましくは5〜60kgf/cm2 の範
囲であるのが好ましい。前記圧力が3kg/cm2 を下
回ると、シート層31と基布との接着が不十分になるた
めに好ましくない。一方、圧力が100kgf/cm 2
を超えると、基布内部にゴムが入り込んだり、シート層
31、基布が破れたりするおそれが生じる。
【0027】次に、前記の基布を圧着したシート状ゴム
層を用いて支持体層を作製する。支持体層は、前記基布
を接着したシート状ゴム層に、支持体層に要求される厚
みに応じてさらに基布を積層し、また必要により圧縮性
層を設ける。本発明において、圧縮性層は多孔質の弾性
部材からなるものであるほかは特に限定されず、ゴム中
に塩を混入し、加硫後に温水へ浸して塩を抽出し、気泡
を形成する抽出法や、ガラス、フェノール樹脂、炭素ま
たは熱可塑性樹脂の中空微小球(マイクロバルーン)を
ゴム中に入れて気泡を形成するマイクロバルーン法、発
泡剤を用いた発泡法等の、従来公知の種々の方法によっ
て作製されたものを使用できる。
【0028】上記支持体層全体の厚みは、通常、1.4
5〜1.85mm、好ましくは1.55〜1.75mm
の範囲で設定するのが適当である。なお、基布の積層数
は、製品に要求される特性に応じて適宜設定すればよい
が、本発明においては前記厚みのシート状接着用ゴム層
を配しているために、その分だけ基布の枚数を減らすこ
とができる。基布には、接着用ゴム糊を常法によりブレ
ードコーティングすることにより塗布される。
【0029】次に、前記支持体層上に表面印刷層を形成
する。表面印刷層用のゴム材料としては、例えばアクリ
ロニトリル?ブタジエンゴム(NBR)、水添加NB
R、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム、アクリ
ルゴム等の合成ゴムがあげられ、これらの合成ゴムと多
硫化ゴムとの混合物も好適に用いられる。表面印刷層
は、前記ゴム材料に加硫剤および加硫促進剤と、さらに
要すれば充填剤、補強剤、増粘剤などの添加剤を加えた
配合物を、トルエンやメチルエチルケトン(MEK)に
例示される有機溶媒に溶解させ、ゴム糊とし、前記支持
体層上ヘブレードコーティング法により所定の厚みに糊
引きすることにより形成される。
【0030】表面印刷層の厚みはブランケットの設計目
的に応じて調整すればよいが、通常、0.1〜0.8m
m、好ましくは0.2〜0.6mmの範囲で設定するの
が適当である。表面印刷層の厚みが上記範囲を下回る
と、基布の模様が印刷画像に現れるおそれがある。逆
に、厚みが上記範囲を超えると、印刷時のひずみが大き
くなり過ぎて印刷品質が低下するおそれがある。本発明
において、表面印刷層は、好ましくは前記支持体層の最
上層に位置する基布層を介して形成されるが、その基布
層の2%モジュラスは20MPa以下であることが好ま
しい。また、その基布層の厚みは一般に0.10〜0.
30mmの範囲とする。これよりも高いモジュラスでは
基布が硬くなり、印圧を圧縮性層で吸収しにくくなる。
【0031】上記の各工程をへて得られた積層体は、加
硫缶にて加熱する加硫缶法や、熱ドラムへ押しつけて連
続的に加硫する連続加硫法等により全体加硫を行う。そ
の後、厚みや表面状態を制御するための研磨工程をへ
て、印刷用ブランケットが最終的に作製される。
【0032】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて、本発明
をさらに具体的に説明する。 実施例1 以下の(1)〜(2) に示すようにして、図1に示す層構成
を有する印刷用ブランケット1を得た。 (1)シート状ゴム層4の作製 ゴム材料として、アクリロニトリルブタジエンゴム(N
BR)100重量部に対し、白艶華30重量部、可塑剤
10重量部、粘着付与剤5重量部、亜鉛華3重量部、ス
テアリン酸1重量部、老化防止剤1重量部、硫黄1重量
部および加硫促進剤2重量部を配合したものを用いた。
【0033】図7に示す押出機(機種は中田エンジニア
リング製のものを用いた)20に上記ゴム層用未加硫ゴ
ム材料を入れ、開口高hが4mmの吐出口202から押
出成形によって予備的にシート化されたゴム層30を取
り出した。該ゴム層30を押し出した直後に、カレンダ
ー21のロール22,23で、該ゴム層30の厚みが
0.75mmとなるように加圧して、目的とするシート
化されたゴム層31を得た。
【0034】(2)シート状接着用ゴム層への基布cの接
着 上記工程シート化された直後のゴム層に、ロール23と
圧着用ローラ24との間に前記ゴム層31と最下層用基
布層c(綿布、2%モジュラス:37MPa、厚み0.
40mm、図7では符号32で示す)とを通し、両者を
圧着して、基布層を接着させた。なお、上記押出成形時
における条件は以下のとおりであった。シリンダー20
3の内径φ=90mm、押出速度(ラインスピード)=
3m/分、シリンダ203の温度60℃、スクリュー2
04の温度80℃、ホッパ205の温度60℃、ヘッド
部201の温度80℃、カレンダー21におけるロール
22の温度80℃、ロール23の温度100℃。
【0035】(3) 支持体層2の作製 圧縮性層5の作製;圧縮性層用ゴム配合物(NBR10
0重量部、カーボンブラック30重量部、亜鉛華3重量
部、ステアリン酸1重量部、可塑剤10重量部、硫黄2
重量部および加硫促進剤2重量部)をトルエンに溶解さ
せ、塩(40重量部)を混入し、攪拌してゴム糊を得
た。これを基布a(2%モジュラス:14MPa、厚
み:0.27mm)に糊引きし、乾燥後に、ドラムへ巻
き、加硫缶で150℃で加硫し、その後、温水へ浸漬し
て塩を抽出して圧縮性層を作製した。
【0036】基布bの接着;前記(1)で用いたと同様
のNBRゴム配合物をトルエンに溶解し、攪拌してゴム
糊とし、これを基布(材質:綿、2%モジュラス:37
MPa、厚み:0.40mm)に0.03mmの厚みで
糊引きした。この基布bを前記(1)で得たシート状接
着用ゴム層の上側面にロール間を通して圧着させた。こ
の圧着させた基布bの上面に上記と同様のゴム糊を糊引
きし、上記で得た圧縮性層とを合わせてロールに通して
積層し、支持体層を作製した。
【0037】(4) 表面印刷層3の形成 表面印刷層用ゴム材料として、NBR100重量部に対
し、顔料1重量部、含水シリカ30重量部、酸化チタン
3重量部、可塑剤10重量部、亜鉛華2重量部、ステア
リン酸1重量部、老化防止剤2重量部、硫黄1重量部お
よび加硫促進剤2重量部よりなる配合物を用いた。この
ゴム配合物をトルエンに溶解させ、攪拌してゴム糊を得
た。このゴム糊を上記で得た支持体層の基布a面に厚み
0.40mmとなるように糊引きし、乾燥して表面印刷
層3を積層した。
【0038】(5) 全体加硫と仕上げ 上記で得た支持体層上に表面印刷層を形成した積層体
を、ドラム(φ1500mm)に巻き、加硫缶を用いて
圧力2kg/cm2 、温度150℃で加硫した。加硫
後、研磨ロールで表面印刷層を研磨して厚みを均一化
し、全体の厚みが1.95mmよりなる、図1の構成を
有する、本発明の印刷用ブランケットを得た。 実施例2 実施例1において、基布bおよびcをシート状接着用ゴ
ム層の下側に積層し、圧縮性層をシート状接着用ゴム層
の上側に基布層を介さずに積層した以外は、同様の作製
方法により作製して、図2の構成を有する、本発明の印
刷用ブランケットを得た。
【0039】比較例1 図4に示すように、支持体層中にシート状接着用ゴム層
を設けずに、糊引きによる基布4枚構成の印刷用ブラン
ケットを作製した。ここで、基布dは、2%モジュラス
が42MPaで厚みが0.28mmのものを用いた。 比較例2 図5に示すように、実施例1において、基布bに代えて
基布dを用いた以外は、同様に作製して印刷用ブランケ
ットを得た。
【0040】比較例3図6に示すように、シート状接着
用ゴム層を表面印刷層と圧縮性層の間に設けた印刷用ブ
ランケットを作製した。 [評価試験]上記の実施例および比較例で得た印刷用ブ
ランケットについて、次の方法により評価を行った。
【0041】・ブランケット伸び:ブランケットの表面
に、長さ方向(印刷回転方向)に100mm標線を入
れ、印刷機(リョービ560型)のブランケット胴へ装
着し、30分間空転し、増し締め後の標線伸びを測定し
百分率(%)で表した。 ・印刷品質:上記印刷機により印刷した印刷物につい
て、網点を目視で評価した。ここで、○は網点の太りが
小さいことを、△は網点の太りがやや小さいことを、×
は網点の太りが非常に大きいことを表す。
【0042】・基布貼り合わせ回数:基布同士の貼り合
わせ回数を比較した。 溶剤使用量:ゴム糊作製のために、全体で使用した有機
溶媒量を比較した。 上記の評価試験の結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】上記の結果、本発明の印刷用ブランケット
は、比較例1よりも、基布の貼りあわせ回数が少ないこ
とから、有機溶媒の使用量が少なくてすみ、しかも印刷
品質において遜色がないものである。比較例2および3
では、有機溶媒量は少ないものの、ブランケットの伸び
が大きくなり、また印刷品質も満足すべき結果が得られ
なかった。特に、比較例3では表面印刷層の直下に基布
がないために、表面印刷層の伸びが大きいことを示して
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷用ブランケットの構成例(実施例
1)を示す。
【図2】本発明の印刷用ブランケットの構成例(実施例
2)を示す。
【図3】本発明の印刷用ブランケットついて別の構成例
を示す。
【図4】比較例1の印刷用ブランケットの構成を示す。
【図5】比較例2の印刷用ブランケットの構成を示す。
【図6】比較例3の印刷用ブランケットの構成を示す。
【図7】本発明の印刷用ブランケットを製造するための
一実施形態を示す模式的断面図である。
【図8】図7のA−A断面図である。
【図9】従来の印刷用ブランケットの構成例を示す。
【図10】従来の印刷用ブランケットの構成例を示す。
【符号の説明】
21 カレンダー 22 ロール 23 ロール 24 圧着用ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H114 CA02 CA03 CA10 DA46 DA73 EA03 EA04 EA08 FA01 FA02 GA12 GA38 4F213 AA45 AB03 AD16 AE10 AG03 AH81 WA04 WA06 WA15 WA43 WA53 WA58 WA87 WB18 WB22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2層の基布を含む支持体層上に
    表面印刷層を形成された印刷用ブランケットにおいて、
    前記支持体層が厚み0.2〜1.0mmのシート状接着
    ゴム層を含み、かつ、前記基布のうち少なくとも2層は
    その2%モジュラスが35MPa以上で厚みが0.3〜
    0.5mmである、ことを特徴とする印刷用ブランケッ
    ト。
  2. 【請求項2】前記支持体層が圧縮性層を含み、かつ、そ
    の圧縮性層よりも下層側に前記接着用ゴム層および前記
    した2%モジュラスが35MPa以上で厚みが0.3〜
    0.5mmである基布が少なくとも2層設けられている
    請求項1記載の印刷用ブランケット。
  3. 【請求項3】前記表面印刷層が前記支持体層上に基布を
    介して形成されており、かつその基布の2%モジュラス
    が20MPa以下である請求項1記載の印刷用ブランケ
    ット。
  4. 【請求項4】請求項1記載の印刷用ブランケットを製造
    するに際し、(1)未加硫のゴム材料を加熱しつつ押出成
    形して、厚みが0.2〜1.0であるシート状の接着用
    ゴム層を作製する工程、(2) 前記接着用ゴム層と、2%
    モジュラスが35MPa以上、厚みが0.3〜0.5m
    mである基布の少なくとも1層を、圧着用ローラで加圧
    して接着する工程、(3) 前記の基布を圧着したゴム層を
    用いて支持体層を作製する工程、および(4) 前記支持体
    層上に表面印刷層を形成する工程、に付することを特徴
    とする印刷用ブランケットの製造方法。
  5. 【請求項5】前記支持体層において圧縮性層の形成を含
    む請求項4記載の印刷用ブランケットの製造方法。
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