JP3126318B2 - 印刷用ブランケット - Google Patents

印刷用ブランケット

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JP3126318B2
JP3126318B2 JP08350933A JP35093396A JP3126318B2 JP 3126318 B2 JP3126318 B2 JP 3126318B2 JP 08350933 A JP08350933 A JP 08350933A JP 35093396 A JP35093396 A JP 35093396A JP 3126318 B2 JP3126318 B2 JP 3126318B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえばオフセ
ット印刷機のブランケット胴の周囲に巻回して使用され
る、平板状の印刷用ブランケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】印刷用ブランケットは一般に、基布を積
層した支持体層上に、ゴム等のエラストマーからなる表
面印刷層を積層した構造を有している。また近時、印刷
機の高速化、および印刷画像の高画質化に対応すべく、
上記支持体層と表面印刷層との間に、やはりゴム等のエ
ラストマーからなる多孔質の圧縮性層を介装した、いわ
ゆるエアータイプの印刷用ブランケットが普及しつつあ
る。
【0003】上記エアータイプの印刷用ブランケット
は、圧縮性層のないソリッドタイプのものに比べて、版
胴等との圧接により生じるニップ変形部での圧縮応力が
低く、かつ歪み量の変化に伴う圧縮応力の変動が小さい
ために衝撃吸収性がよく、たとえば印刷機の歯車の送り
時に生じる衝撃や、あるいはブランケット胴の周囲に巻
きつけたブランケットの継ぎ目が、上記ニップ変形部を
通過する際に発生する衝撃等が印刷精度に影響を及ぼす
のを防止する効果にすぐれている。
【0004】またソリッドタイプの印刷用ブランケット
は、上記ニップ変形部での表面印刷層への応力集中によ
って、いわゆるバルジを生じて、周方向の伸びによる見
当ずれ、紙送り不良、ダブリ、網点パターンの変形(と
くに網点の太り)等の印刷不良が発生するおそれがある
が、エアータイプの印刷用ブランケットにおいては、圧
縮性層が表面印刷層への応力集中を緩和する働きをする
ため、上記の印刷不良が発生するのを防止する効果もあ
る。
【0005】上記の圧縮性層としては、たとえば加熱に
より分解して気体を発生する発泡剤によるマトリクスゴ
ムの発泡や、あるいは中空状微小粒子のマトリクスゴム
中への配合等により形成される、各気孔がそれぞれ独立
した独立気孔構造のものと、食塩等の、ゴムに影響を及
ぼさない溶剤(食塩の場合は水)により抽出可能な粒子
をマトリクスゴム中に分散し、加硫した後、上記の粒子
を抽出する、いわゆるリーチング法によって形成され
る、各気孔が互いに連通した連続気孔構造のものとがあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した両
構造の圧縮性層にはそれぞれ一長一短があるため、従来
は、印刷にとくに必要な長所を有する方の構造の圧縮性
層を有する印刷用ブランケットを、その圧縮性層が併せ
持っている短所には目をつぶって採用せざるをえないと
いう問題があった。
【0007】すなわち、独立気孔構造の圧縮性層は、版
胴等の圧接によるせん断力に対する抗張力が高いため
に、連続気孔構造のものに比べて、圧縮による変形後す
みやかに元の形状に戻る性質、つまり復元性にすぐれる
という長所がある。よって、かかる独立気孔構造の圧縮
性層を有する印刷用ブランケットは、連続気孔構造の圧
縮性層を有するものが、ニップ変形部を通過後、次にニ
ップ変形部に達するまでにすみやかに復元しないために
いわゆるヘタリを生じて、印圧が所定の値より低下する
傾向を示すのに対し、上記のヘタリを生じないために、
とくに高速印刷において、所定の印圧を維持できるとい
う利点がある。
【0008】また上記独立気孔構造の圧縮性層を有する
印刷用ブランケットは、たとえば版胴との間に異物が挟
まる等して、部分的に大きく変形した後の復元もすみや
かに行われるため、上記変形の跡が印刷物にでる印刷不
良を最小限に止めることができるという利点もある。し
かし、独立気孔構造の圧縮性層は、急激な変形に対して
セル内の気体が体積変化の妨げとなり、歪み量の変化に
伴う圧縮応力の変動が大きいために、前述した衝撃吸収
性が低いという短所があり、かかる独立気孔構造の圧縮
性層を有する印刷用ブランケットは、たとえば印刷機の
歯車の送り時に生じる衝撃等により、印刷精度に影響が
でやすいという問題がある。
【0009】一方、連続気孔構造の圧縮性層は、前記の
ように独立気孔構造のものに比べて歪み量の変化に伴う
圧縮応力の変動が小さいために、衝撃吸収性にすぐれる
という長所を有しており、よって、かかる連続気孔構造
の圧縮性層を有する印刷用ブランケットは、衝撃が印刷
精度に影響を及ぼすのを防止する効果にすぐれるという
利点がある。
【0010】しかし、連続気孔構造の圧縮性層は、上述
したように復元性が低いという短所を有するため、かか
る連続気孔構造の圧縮性層を有する印刷用ブランケット
は、前述したヘタリを生じたり、異物による変形の跡が
印刷物にでる印刷不良が多量に発生したりしやすいとい
う問題がある。この発明の目的は、独立気孔構造の圧縮
性層と、連続気孔構造の圧縮性層の、両方の長所を併せ
持つために、上記のような種々の問題を生じるおそれの
ない、すぐれた特性を有する印刷用ブランケットを提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、この発明の印刷用ブランケットは、平板状のもので
あって、表面印刷層より下位に、連続気孔構造を有する
圧縮性層と、独立気孔構造を有する圧縮性層とを設けた
ことを特徴としている。上記構成からなるこの発明の印
刷用ブランケットは、上記のように連続気孔構造を有す
る圧縮性層と、独立気孔構造を有する圧縮性層とをとも
に有しているために、両方の圧縮性層の長所を併せ持っ
たものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の印刷用ブラン
ケットを、その実施の形態の一例を示す図1(a)(b)を参
照しつつ説明する。上記例の印刷用ブランケット1は、
図(b) にみるように平板状のものであって、図1(a) に
示したように支持体層11と、連続気孔構造を有する圧
縮性層12と、独立気孔構造を有する圧縮性層13と、
補強層14と、表面印刷層15とをこの順に積層したも
のである。
【0013】連続気孔構造を有する圧縮性層12と、独
立気孔構造を有する圧縮性層13とは、図の場合と上下
逆に配置されてもよい。またこれに限定されるものでは
ないが、上記両圧縮性層12、13はともに、マトリク
スゴムの硬さがJIS A硬度で表して40〜80°の
範囲内で、かつ多孔率が30〜70%であるとともに、
両圧縮性層12、13の厚みの合計の、印刷用ブランケ
ット1の全体の厚みに占める割合が10〜50%で、か
つ独立気孔構造を有する圧縮性層13の厚みの、両圧縮
性層12、13の厚みの合計に占める割合が30〜80
%であるのが好ましい。
【0014】上記両圧縮性層12、13を構成するマト
リクスゴムの硬度が、いずれか一方でも上記の範囲未満
となった場合には、印刷用ブランケット1の全体の強度
が低下するため、復元性が低下したり、あるいは印刷に
必要な印圧がえられなくなったりするおそれがある。ま
た逆に両圧縮性層12、13を構成するマトリクスゴム
の硬度が、いずれか一方でも上記の範囲を超えた場合に
は、印刷時に圧縮性層12、13が体積変化しにくくな
って、表面印刷層15に応力が集中するため、当該表面
印刷層15にバルジを生じて、印刷障害を引き起こすお
それがある。また歪みが変化した時の応力変化が大きく
なるため、衝撃吸収性が低下するおそれもある。
【0015】なお両圧縮性層12、13を構成するマト
リクスゴムの硬さは、上記範囲内でもとくに45〜77
°であるのが好ましく、50〜70°であるのがさらに
好ましい。また連続気孔構造を有する圧縮性層12の多
孔率が前記の範囲未満では、当該層中の連続気孔の量が
不十分となって、当該連続気孔による衝撃吸収性が不十
分となるおそれがある。一方、独立気孔構造を有する圧
縮性層13の多孔率が前記の範囲未満では、当該層中の
独立気孔の量が不十分となって、当該独立気孔による復
元性が低下するおそれがある。また逆に両圧縮性層1
2、13の多孔率が、いずれか一方でも前記の範囲を超
えた場合には、印刷用ブランケット1の全体の強度が低
下するため、やはり復元性が低下したり、あるいは印刷
に必要な印圧がえられないという問題を生じたりするお
それがある。
【0016】なお圧縮性層12、13の多孔率は、前記
範囲内でもとくに35〜65%であるのが好ましく、4
0〜60%であるのがさらに好ましい。また、両圧縮性
層12、13の厚みの合計の、印刷用ブランケット1の
全体の厚みに占める割合が前記の範囲未満では、当該両
圧縮性層12、13の機能、つまり前述した、連続気孔
構造を有する圧縮性層12による衝撃吸収性が不十分と
なるとともに、独立気孔構造を有する圧縮性層13によ
る復元性が低下するおそれがある。また逆に、上記の割
合が前記の範囲を超えた場合には、印刷に必要な印圧が
えられないおそれがある。
【0017】なお上記の割合は、前記範囲内でもとくに
15〜45%であるのが好ましく、20〜40%である
のがさらに好ましい。さらに、独立気孔構造を有する圧
縮性層13の厚みの、両圧縮性層12、13の厚みの合
計に占める割合が前記の範囲未満では、当該独立気孔構
造を有する圧縮性層13による復元性が低下するおそれ
がある。また逆に、上記の割合が前記の範囲を超えた場
合には、相対的に連続気孔構造を有する圧縮性層12の
厚みの割合が低下するため、当該圧縮性層12による衝
撃吸収性が不十分となるおそれがある。
【0018】なお上記の割合は、上記範囲内でもとくに
35〜75%であるのが好ましく、40〜70%である
のがさらに好ましい。両圧縮性層12、13はそれぞ
れ、従来と同様の方法により形成することができる。た
とえば連続気孔構造を有する圧縮性層12は、未加硫の
マトリクスゴムを適当な溶剤に溶解したところへ、連続
気孔の元になるリーチング法用の粒子を配合したゴム糊
を作製し、このゴム糊を、下地層(図の場合は支持体層
11)の上へ塗布、乾燥させたのち加熱して加硫する。
【0019】そして、形成された層中に分散するリーチ
ング法用の粒子を適当な溶剤で抽出すると、上記粒子の
跡が連続気孔となって、連続気孔構造を有する圧縮性層
12が形成される。また独立気孔構造を有する圧縮性層
13は、上記と同様に未加硫のマトリクスゴムを適当な
溶剤に溶解したところへ、独立気孔の元になる発泡剤や
中空状微小粒子を配合したゴム糊を作製し、このゴム糊
を、下地層(図の場合は上記圧縮性層12)の上へ塗
布、乾燥させたのち加熱して加硫する。
【0020】そうすると、発泡剤を使用した場合にはこ
の加硫時の熱によって発泡剤が分解して気体を発生し、
それによってマトリクスゴム中に独立気孔が形成され
て、独立気孔構造を有する圧縮性層13が形成される。
また中空状微小粒子の場合は、いうまでもなく配合と同
時に独立気孔が形成される。なお上記圧縮性層12は、
未加硫のゴムにリーチング法用の粒子を添加したゴムコ
ンパウンドから成形した未加硫のゴムシートを、接着用
のゴム糊を介して支持体層11上に積層した状態で加硫
した後、上記と同様に粒子を抽出する方法によっても形
成できる。
【0021】また同様に圧縮性層13も、未加硫のゴム
に発泡剤または中空状微小粒子を添加したゴムコンパウ
ンドから成形した未加硫のゴムシートを、接着用のゴム
糊を介して圧縮性層12上に積層した状態で加硫する方
法により形成可能である。上記両圧縮性層12、13を
構成するマトリクスゴムとしては、種々のゴムがあげら
れるが、とくにインキや洗浄液等に対する耐性を考慮す
ると、耐油性にすぐれたものが好ましく、かかる耐油性
のゴムとしては、これに限定されないがたとえば、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロ
ロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム(U)等があげら
れる。
【0022】マトリクスゴムの硬度を前記の範囲内にす
るには、加硫度を調整したり、あるいはゴム中に配合す
る補強剤、充てん剤、可塑剤等の量を調整したりすれば
よい。圧縮性層12に、前記リーチング法によって連続
気孔を形成するための粒子としては、抽出用の溶剤とし
て水を用いるのが、安全性やコストの点で有利であるた
め、水により抽出可能な粒子が好適に使用される。
【0023】かかる、水により抽出可能な粒子としては
たとえば、食塩、でんぷん、砂糖、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチン、尿素、セルロース、硫酸ナトリウム、塩
化カリウム等の、種々の水溶性の有機物、無機物の粒子
があげられる。上記粒子の粒径や添加量等は、前述した
圧縮性層12の多孔率等にあわせて適宜、設定される。
【0024】また、独立気孔構造を有する圧縮性層13
に独立気孔を形成するための発泡剤としては、ゴム用と
して従来公知の種々の発泡剤がいずれも使用可能であ
る。かかる発泡剤の具体例としては、これに限定されな
いがたとえば、アゾジカルボンアミド、N,N′−ジニ
トロソペンタメチレンテトラミン、p,p′−オキシビ
スベンゼンスルホニルヒドラジド等があげられる。
【0025】一方、中空状微小粒子としては、熱可塑性
樹脂や、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいはガ
ラス等の無機質などから形成された閉じられた殻体中
に、空気等の気体を封入したものがあげられ、とくに柔
軟な熱可塑性樹脂により殻体を形成したものが、圧縮性
層13の柔軟性を維持する上で好ましい。かかる熱可塑
性樹脂製の殻体を備えた中空状微小粒子としては、これ
に限定されないがたとえば、塩化ビニリデンとアクリロ
ニトリルとの共重合体にて殻体を形成した、エクスパン
セル〔EXPANCEL〕社製のエクスパンセルシリー
ズ等があげられる。
【0026】上記発泡剤の添加量や、あるいは中空状微
小粒子の粒径や添加量等は、前述した圧縮性層13の多
孔率等にあわせて適宜、設定される。上記両圧縮性層1
2、13とともに印刷用ブランケット1を構成する支持
体層11、補強層14および表面印刷層15は、それぞ
れ従来同様の構成とすることができる。
【0027】たとえば支持体層11は、綿、ポリエステ
ル、レーヨン等の織布または不織布からなる基布を複数
枚(図の場合は3枚)、接着用のゴム糊を介して積層し
た後、上記ゴム糊を加硫することにより形成される。ま
た補強層14も、上記と同様の基布により形成される。
さらに表面印刷層15は、ゴム糊の塗布、乾燥により形
成された未加硫のゴム層、またはゴムコンパウンドから
なる未加硫のゴムシートを加硫することにより形成され
る。表面印刷層15を構成するゴムとしては、たとえば
前述したNBR、CR、U等の耐油性のゴムが好適に使
用される他、多硫化ゴム(T)、水素添加NBR等を使
用することもできる。
【0028】上記各層の厚みも、従来と同程度でよい。
具体的には、支持体層11および補強層14を構成する
基布の厚みが0.2〜0.5mm程度、上記基布を積層
した支持体層11の厚みが0.7〜1.3mm程度、表
面印刷層15の厚みが0.2〜0.5mm程度であるの
が好ましい。印刷用ブランケット1を構成する上記の各
層はそれぞれ、 未加硫の層同士を直接に、あるいは接着用のゴム糊
を介して積層した状態で、両層の加硫と同時に接着す
る、 未加硫の層と加硫した層とを直接に、あるいは接着
用のゴム糊を介して積層した状態で、未加硫の層の加硫
と同時に接着する、 加硫した層同士を、接着用のゴム糊を介して積層し
た状態で、当該ゴム糊の加硫により接着する、等の方法
により、互いに接着される。
【0029】なお圧縮性層12は、リーチング法用の粒
子を抽出する関係上、少なくとも一方の面に他の層を積
層する前に加硫して、粒子を抽出しておくのが好まし
い。上記平板状の印刷用ブランケット1は、直接にまた
は下貼り材を介してブランケット胴に装着されて、使用
される。以上で説明した例の印刷用ブランケット1を構
成する各層のゴムコンパウンドやゴム糊には、従来同様
に各種の添加剤を配合することができる。
【0030】かかる添加剤としては、たとえば加硫剤、
加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤等のゴムを加硫
させるための薬剤の他、老化防止剤、補強剤、充てん
剤、軟化剤、可塑剤等があげられる。これら添加剤の添
加量は、従来と同程度でよい。上記のうち加硫剤として
は、たとえば硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物等
があげられ、このうち有機含硫黄化合物としては、たと
えばN,N′−ジチオビスモルホリン等があげられ、有
機過酸化物としては、たとえばベンゾイルペルオキシ
ド、ジクミルペルオキシド等があげられる。
【0031】また加硫促進剤としては、たとえばテトラ
メチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモ
ノスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジブチルジチ
オカーバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカーバミン酸亜
鉛、ジメチルジチオカーバミン酸ナトリウム、ジエチル
ジチオカーバミン酸テルル等のジチオカーバミン酸類;
2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル
−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のチアゾー
ル類;トリメチルチオ尿素、N,N′−ジエチルチオ尿
素等のチオウレア類などの有機促進剤や、あるいは消石
灰、酸化マグネシウム、酸化チタン、リサージ(Pb
O)等の無機促進剤があげられる。
【0032】加硫促進助剤としては、たとえば亜鉛華等
の金属酸化物や、あるいはステアリン酸、オレイン酸、
綿実脂肪酸等の脂肪酸などがあげられる。加硫遅延剤と
しては、たとえばサリチル酸、無水フタル酸、安息香酸
等の芳香族有機酸;N−ニトロソジフェニルアミン、N
−ニトロソ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイ
ドロキノン、N−ニトロソフェニル−β−ナフチルアミ
ン等のニトロソ化合物などがあげられる。
【0033】老化防止剤としては、たとえば2−メルカ
プトベンゾイミダゾール等のイミダゾール類;フェニル
−α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−
p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプ
ロピル−p−フェニレンジアミン等のアミン類;ジ−t
−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノール等ノ
フェノール類などがあげられる。
【0034】補強剤としては主にカーボンブラックが使
用される他、シリカ系あるいはケイ酸塩系のホワイトカ
ーボン、亜鉛華、表面処理沈降性炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、タルク、クレー等の無機補強剤や、ある
いはクマロンインデン樹脂、フェノール樹脂、ハイスチ
レン樹脂(スチレン含有量の多いスチレン−ブタジエン
共重合体)等の有機補強剤も使用できる。
【0035】また充てん剤としては、たとえば炭酸カル
シウム、クレー、硫酸バリウム、珪藻土、マイカ、アス
ベスト、グラファイト等の無機充てん剤や、あるいは再
生ゴム、粉末ゴム、アスファルト類、スチレン樹脂、に
かわ等の有機充てん剤などがあげられる。軟化剤として
は、たとえば脂肪酸(ステアリン酸、ラウリン酸等)、
綿実油、トール油、アスファルト物質、パラフィンワッ
クス等の、植物油系、鉱物油系、および合成系の各種軟
化剤があげられる。
【0036】可塑剤としては、たとえばジブチルフタレ
ート、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォスフェ
ート等の各種可塑剤があげられる。上記以外にもゴムに
は、たとえば粘着性付与剤、分散剤、溶剤等を適宜、配
合してもよい。なお、この発明の印刷用ブランケットの
構成は、以上で説明した図の例のものには限定されず、
この発明の要旨を変更しない範囲で、種々の設計変更を
施すことができる。
【0037】たとえば図2に示すように、連続気孔構造
を有する圧縮性層12を、支持体層11の途中の位置に
配置してもよい。すなわち図1(a)(b)において3層構造
であった支持体層11を、図2に見るように2層構造の
支持体層11aと1層構造の支持体層11bとに別け
て、その間に連続気孔構造を有する圧縮性層12を配置
しても、同等の効果がえられる。
【0038】また図2の構成において、連続気孔構造を
有する圧縮性層12と独立気孔構造を有する圧縮性層1
3とを上下逆に配置してもよい。その他、圧縮性層1
2、13の位置や、あるいは他の層の構成等について
は、適宜変更することができる。要するに、表面印刷層
より下位に、連続気孔構造を有する圧縮性層と、独立気
孔構造を有する圧縮性層とを有していれば、その他の構
成は、この発明ではとくに限定されないのである。
【0039】
【実施例】以下にこの発明を、実施例に基づいて説明す
る。 実施例1〜25 基布としての、厚み0.2mmまたは0.3mmの綿布
2〜3枚を、それぞれNBR系のゴム糊からなる接着層
を介して積層した後、最上層の基布の上に、NBR〔日
本合成ゴム(株)製のN236H〕100重量部と、食
塩の粒子(粒径1〜100μm)90重量部と、下記の
各成分とからなるゴム糊を糊引きして乾燥させ、加圧、
加熱して加硫した後、食塩の粒子を、60℃の温水に1
0時間、浸漬して抽出するリーチング処理を行い、乾燥
させて、支持体層の上に、連続気孔構造を有する圧縮性
層が積層された積層体を形成した。
【0040】 *1:大内新興化学(株)製のノクセラーTT *2:大内新興化学(株)製のノクセラーCZ つぎに、補強層となる厚み0.25mmの基布の片面
に、NBR〔日本合成ゴム(株)製のN236H〕10
0重量部と、中空状微小粒子〔前出のエクスパンセル社
製のエクスパンセル091DE100、粒径10〜10
0μm〕45重量部と、上記の各成分とからなるゴム糊
を糊引きして乾燥させるとともに、基布の反対側の面
に、やはりNBR系である、表面印刷層用のゴム糊を糊
引きして乾燥させたものを、前記積層体の、連続気孔構
造の圧縮性層上に、NBR系のゴム糊からなる接着層を
介して、独立気孔構造の圧縮性層となるゴム糊の層が、
先に形成した連続気孔構造の圧縮性層の側に位置するよ
うに積層した。
【0041】そして上記の積層体を加圧、加熱して加硫
した後、表面印刷層の表面を研磨して、表面印刷層/補
強層/独立気孔構造の圧縮性層/連続気孔構造の圧縮性
層/支持体層の各層からなり、全体の厚みが1.95m
m、連続気孔構造の圧縮性層の多孔率が40%、独立気
孔構造の圧縮性層の多孔率が55%で、かつ両圧縮性層
が表1〜3に示す厚みを有する、平板状の印刷用ブラン
ケットを製造した。
【0042】比較例1〜5 独立気孔構造の圧縮性層を省略するとともに、連続気孔
構造の圧縮性層の厚みを表1〜3に示す値としたこと以
外は実施例1〜25と同様にして、平板状の印刷用ブラ
ンケットを製造した。 比較例6〜10 連続気孔構造の圧縮性層を省略するとともに、独立気孔
構造の圧縮性層の厚みを表1〜3に示す値としたこと以
外は実施例1〜25と同様にして、平板状の印刷用ブラ
ンケットを製造した。
【0043】上記各実施例、比較例における連続気孔構
造を有する圧縮性層、独立気孔構造を有する圧縮性層の
厚み(mm)、ならびに印刷用ブランケットの全体の厚
み(mm)と、そこから求められる、両圧縮性層の厚み
の合計の、印刷用ブランケットの全体の厚みに占める割
合(厚み割合A%)と、独立気孔構造を有する圧縮性層
の厚みの、両圧縮性層の厚みの合計に占める割合(厚み
割合B%)とを、下記表1〜3に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】上記各実施例、比較例で製造した印刷用ブ
ランケットについて、以下の各試験を行って、その特性
を評価した。 復元性試験 各印刷用ブランケットを、オフセット印刷機〔リョービ
(株)製の560型〕のブランケット胴軸に外挿すると
ともに、版胴を、15/100mmの印圧で圧接させ
た。
【0048】つぎに、コート紙〔大王製紙(株)製のユ
トリロコート、坪量110kg〕の中央に厚み0.2m
mの10cm角の厚紙を張りつけたものを、厚紙が印刷
用ブランケットの側を向くようにして、上記版胴と印刷
用ブランケットとの間にかませて、印刷用ブランケット
の表面を、部分的に変形させた。つぎに、上記変形直後
のブランケットを用いて、印圧15/100mm、印刷
速度10000枚/時の条件で、前記と同じコート紙の
表面に、東洋インキ(株)製のインキ「ハイプラス ベ
ニ」によるベタ印刷を連続的に行った。
【0049】そして印刷何枚目で、変形部とその周囲の
濃度差がなくなったか、つまり部分的な変形が復元した
かを計数して、下記の基準により、印刷用ブランケット
の復元性を評価した。 ○:100枚目以前、復元性良好。 △:101枚目〜500枚目、復元性やや不良。
【0050】×:501枚目以降、復元性不良。 衝撃吸収性試験 各印刷用ブランケットを、上記実用試験Iと同じオフセ
ット印刷機に使用して、印圧15/100mm、印刷速
度10000枚/時の条件で、前記と同じコート紙の表
面に、東洋インキ(株)製のインキ「ハイプラス ベ
ニ」による70%総網版の印刷を行った。
【0051】そして、印刷機の歯車の送り時に生じる衝
撃の影響(網点の狂い、いわゆるギア目)が印刷に現れ
たか否かを目視にて観察して、下記の基準により、印刷
用ブランケットの衝撃吸収性を評価した。 ○:ギア目は全く確認できず、衝撃吸収性良好。 △:ギア目かすかに確認される、衝撃吸収性やや不良。
【0052】×:ギア目がハッキリ確認できる、衝撃吸
収性不良。 以上の結果を表4に示す。なお表4中の各欄において
は、”/”の左側が復元性試験の評価結果、右側が衝撃
吸収性試験の評価結果を示している。たとえば表中に×
/△とあるのは、その印刷用ブランケットが、復元性が
不良(×)で、かつ衝撃吸収性がやや不良(△)であっ
たことを示している。
【0053】
【表4】
【0054】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、独立気孔構造の圧縮性層と、連続気孔構造の圧縮性
層の両方の長所を併せ持ち、かつ両方の短所が原因で生
じる種々の問題を生じるおそれのない、すぐれた特性を
有する印刷用ブランケットを提供できるという特有の作
用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の印刷用ブランケットの、実施の形態
の一例を示す図であって、同図(a) はその部分拡大断面
図、同図(b) はその全体を示す斜視図である。
【図2】この発明の印刷用ブランケットの、実施の形態
の他の例を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 印刷用ブランケット 12 連続気孔構造を有する圧縮性層 13 独立気孔構造を有する圧縮性層 15 表面印刷層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐川 敬道 兵庫県明石市魚住町清水41番地の1 住 友ゴム魚住寮 (56)参考文献 特開 平4−221699(JP,A) 特開 平6−344681(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 1/00 - 11/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平板状の印刷用ブランケットであって、表
    面印刷層より下位に、連続気孔構造を有する圧縮性層
    と、独立気孔構造を有する圧縮性層とを設けたことを特
    徴とする印刷用ブランケット。
  2. 【請求項2】連続気孔構造を有する圧縮性層、および独
    立気孔構造を有する圧縮性層がともに、JIS A硬度
    40〜80°のマトリクスゴムにより形成されていると
    ともに、両圧縮性層の多孔率がともに30〜70%の範
    囲内であり、両圧縮性層の厚みの合計の、印刷用ブラン
    ケット全体の厚みに占める割合が10〜50%で、かつ
    独立気孔構造を有する圧縮性層の厚みの、両圧縮性層の
    厚みの合計に占める割合が30〜80%である請求項1
    記載の印刷用ブランケット。
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